(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】電極ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20231121BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20231121BHJP
H01G 11/86 20130101ALN20231121BHJP
H01G 11/84 20130101ALN20231121BHJP
H01M 10/30 20060101ALN20231121BHJP
H01M 4/26 20060101ALN20231121BHJP
H01M 50/184 20210101ALN20231121BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M4/04 A
H01G11/86
H01G11/84
H01M10/30 Z
H01M4/26 Z
H01M50/184 A
(21)【出願番号】P 2020079511
(22)【出願日】2020-04-28
【審査請求日】2022-08-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100140682
【氏名又は名称】妙摩 貞茂
(72)【発明者】
【氏名】河端 栄克
(72)【発明者】
【氏名】織田 恭平
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-186179(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/00-10/39
H01M 4/00- 4/62
H01G11/00-13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極ユニットの製造方法であって、
矩形をなす電極の各辺の縁部に沿って樹脂製のシート体を対応する前記各辺に重複するように配置するシート体配置工程と、
配置された前記シート体を前記電極に接合して、前記シート体によって構成される略矩形枠状の枠体付きの電極を形成する枠体接合工程と、
前記矩形枠状の枠体において、電極の縁部よりも外側に延在する延在部分の四隅を切断して切断部を形成すると同時に、前記枠体の隣り合う前記切断部同士の間に断続的に小孔を穿設することで折り返し用のミシン目状の切込み線を形成する切断工程と、
前記矩形枠状の枠体の各辺における前記延在部分において、前記ミシン目状の切込み線よりも外側の部分を前記ミシン目状の切込み線に沿って内側に折り返す折り返し工程と、 折り返された前記枠体の折り返し部分を厚さ方向に押圧しながら加熱する癖付け工程と、
前記癖付け工程の後に、前記枠体に重複するようにセパレータを配置する工程と、を備え
、
前記シート体は複数のシート体であって、
前記シート体配置工程は、前記複数のシート体のそれぞれを前記電極の各辺における対応する1又は複数の辺に重複するように配置する、電極ユニットの製造方法。
【請求項2】
電極ユニットの製造方法であって、
矩形をなす電極の各辺の縁部に沿って樹脂製のシート体を対応する前記各辺に重複するように配置するシート体配置工程と、
配置された前記シート体を前記電極に接合して、前記シート体によって構成される略矩形枠状の枠体付きの電極を形成する枠体接合工程と、
前記矩形枠状の枠体において、電極の縁部よりも外側に延在する延在部分の四隅を切断して切断部を形成すると同時に、前記枠体の隣り合う前記切断部同士の間に断続的に小孔を穿設することで折り返し用のミシン目状の切込み線を形成する切断工程と、
前記矩形枠状の枠体の各辺における前記延在部分において、前記ミシン目状の切込み線よりも外側の部分を前記ミシン目状の切込み線に沿って内側に折り返す折り返し工程と、 折り返された前記枠体の折り返し部分を厚さ方向に押圧しながら加熱する癖付け工程と、
前記癖付け工程の後に、前記枠体に重複するようにセパレータを配置する工程と、を備え
、
前記折り返し工程と前記癖付け工程とは、前記電極の位置が固定された状態で一連の動作として実行される、電極ユニットの製造方法。
【請求項3】
前記折り返し工程と前記癖付け工程とは、前記電極の位置が固定された状態で一連の動作として実行される、請求項
1に記載の電極ユニットの製造方法。
【請求項4】
前記切断工程では、前記延在部分の四隅を切断する刃と前記ミシン目状の切込み線の形成をする刃とが設けられた一つの型を用いて、前記延在部分の四隅の切断及び前記ミシン目状の切込み線の形成が実行される、請求項1~3のいずれか一項に記載の電極ユニットの製造方法。
【請求項5】
前記折り返し工程では、前記枠体が前記ミシン目状の切込み線に沿って折り返されることによって、前記枠体における前記ミシン目状の切込み線よりも内側の第1部分が、前記ミシン目の切込み線よりも外側の折り返された第2部分よりも内側に延在しており、
前記セパレータを配置する工程は、折り返された前記第2部分よりも内側に延在する前記第1部分に重複するようにセパレータを配置す
る、請求項1~4のいずれか一項に記載の電極ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、電極ユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池として、特許文献1に記載されたバイポーラ電池が知られている。このバイポーラ電池では、集電体の一方の面に正極が形成され、他方の面に負極が形成されたバイポーラ電極が、電解質層を介して積層されている。集電体同士の間には、絶縁性のシール層が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電解質層に含まれるセパレータは、電解液を透過させ得る一方、隣り合う集電体(電極板)同士の間に配置されて、これらの短絡を防止する。セパレータと樹脂製のシール層(枠体)との間には、積層方向に交差する方向において、隙間が存在し得る。この場合、隙間を通じて、隣り合う電極板の短絡が発生する虞がある。そのため、上記のようなバイポーラ電池においては、電極板同士の間にセパレータを適切に配置することが求められる。
【0005】
本発明の一側面は、電極板同士の間にセパレータを適切に配置できる電極ユニットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る電極ユニットの製造方法は、矩形をなす電極の各辺の縁部に沿って樹脂製のシート体を対応する各辺に重複するように配置するシート体配置工程と、配置されたシート体を電極に接合して、シート体によって構成される略矩形枠状の枠体付きの電極を形成する枠体接合工程と、矩形枠状の枠体において、電極の縁部よりも外側に延在する延在部分の四隅を切断して切断部を形成すると同時に、枠体の隣り合う切断部同士の間に断続的に小孔を穿設することで折り返し用のミシン目状の切込み線を形成する切断工程と、矩形枠状の枠体の各辺における延在部分において、ミシン目状の切込み線よりも外側の部分をミシン目状の切込み線に沿って内側に折り返す折り返し工程と、折り返された枠体の折り返し部分を厚さ方向に押圧しながら加熱する癖付け工程と、を備える。
【0007】
上記製造方法では、電極の各辺上に配置されたシート体によって形成された枠体に切断部及びミシン目状の切込み線が形成される。ミシン目状の切込み線に沿って枠体が折り返されることで、枠体は部分的に二重に形成される。ミシン目状の切込み線は、切断部同士の間に形成されているため、枠体の二重部分は矩形状を形成し得る。折り返された枠体が押圧及び加熱されることによって、枠体は折り返された状態で癖付けされる。矩形状に折り返された枠体の内側部分には、セパレータが適切に配置され得る。この方法では、切断部とミシン目状の切込み線とが同一工程で形成されるため、切断部とミシン目状の切込み線との互いの位置がずれにくい。そのため、枠体の二重部分が高い精度をもって形成され得る。
【0008】
シート体は複数のシート体であって、シート体配置工程は、複数のシート体のそれぞれを電極の各辺における対応する1又は複数の辺に重複するように配置されてもよい。
【0009】
折り返し工程と癖付け工程とは、電極の位置が固定された状態で一連の動作として実行されてもよい。折り返し工程と加熱による癖付け工程とが一連の動作に実行されるため、加工時間の削減に寄与し得る。
【0010】
切断工程では、延在部分の四隅を切断する刃とミシン目状の切込み線の形成をする刃とが設けられた一つの型を用いて、延在部分の四隅の切断及びミシン目状の切込み線の形成が実行されてもよい。
【0011】
折り返し工程では、枠体がミシン目状の切込み線に沿って折り返されることによって、枠体におけるミシン目状の切込み線よりも内側の第1部分が、ミシン目の切込み線よりも外側の折り返された第2部分よりも内側に延在しており、該方法は、折り返された第2部分よりも内側に延在する第1部分に重複するようにセパレータを配置する工程を含んでもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一側面に係る製造方法によれば、電極板同士の間にセパレータを適切に配置できる電極ユニットが提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】電極ユニットの製造方法を示すフロー図である。
【
図3】電極ユニットの製造方法を説明するための図である。
【
図4】電極ユニットの製造方法を説明するための図である。
【
図5】電極ユニットの製造方法を説明するための図である。
【
図6】電極ユニットの製造方法を説明するための図である。
【
図7】ミシン目・切断工程を説明するための図である。
【
図8】電極ユニットの製造方法を説明するための図である。
【
図9】折り返し工程及び癖付け工程を説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。
【0015】
図1に示される蓄電装置1は、例えば、フォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリに用いられる蓄電モジュールであってよい。蓄電装置1は、例えばニッケル水素二次電池又はリチウムイオン二次電池等の二次電池である。蓄電装置1は、電気二重層キャパシタであってもよい。本実施形態では、蓄電装置1が、導電性を有する集電体の表面に正極活物質層が形成されてなる正極と、集電体の表面に負極活物質層が形成されてなる負極と、正極と負極の間に配置されたセパレータに電解液が保持されてなる電解質層とを含む発電要素を有する二次電池であって、積層された複数のバイポーラ電極を有するバイポーラ型のニッケル水素二次電池である場合を例示する。
【0016】
図1に示されるように、蓄電装置1は、電極積層体11と、電極積層体11を封止する樹脂製の封止体12とを備えている。蓄電装置1は、例えば、直方体形状に形成されている。電極積層体11は、セパレータ13を介して積層された複数の電極と、電極の積層方向(Z方向)における電極積層体11の積層端に配置された端部集電体20A,20Bと、を含んでいる。複数の電極は、複数のバイポーラ電極14の積層体と、負極終端電極18と、正極終端電極19と、を含む。複数のバイポーラ電極14の積層体は、負極終端電極18及び正極終端電極19の間に設けられている。
【0017】
バイポーラ電極14は、
図1におけるZ方向上側を向く一方の面15a及び
図1におけるZ方向下側を向く他方の面15bを含む集電体15と、集電体15の一方の面15aに設けられた正極16と、集電体15の他方の面15bに設けられた負極17とを有している。正極16は、集電体15と、正極活物質が集電体15に塗工されることにより形成される正極活物質層とを含んで構成される。負極17は、集電体15と、負極活物質が集電体15に塗工されることにより形成される負極活物質層とを含んで構成される。本実施形態では、集電体15は正極16の集電体と負極17の集電体の両方を兼ねている。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の正極16は、セパレータ13を挟んでZ方向の一方に隣り合う別のバイポーラ電極14の負極17と対向している。電極積層体11において、一のバイポーラ電極14の負極17は、セパレータ13を挟んでZ方向の他方に隣り合う別のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
【0018】
負極終端電極18は、集電体15と、集電体15の
図1におけるZ方向下側を向く面15bに設けられた負極17とを有している。負極終端電極18は、負極活物質層が形成された面15bが電極積層体11におけるZ方向の中央側を向くように、複数のバイポーラ電極14の積層体のZ方向の一端に配置されている。負極終端電極18の集電体15の
図1におけるZ方向上側を向く面15aには活物質層が設けられておらず、この面15aに端部集電体20Aが更に積層されている。負極終端電極18は、この端部集電体20Aを介して外部端子部材などに電気的に接続される。負極終端電極18の集電体15の面15bに設けられた負極17は、セパレータ13を介して、Z方向の一端のバイポーラ電極14の正極16と対向している。
【0019】
正極終端電極19は、集電体15と、集電体15の
図1におけるZ方向上側を向く面15aに設けられた正極16とを有している。正極終端電極19は、正極活物質層が形成された面15aが電極積層体11におけるZ方向の中央側を向くように、複数のバイポーラ電極14の積層体のZ方向の一端(負極終端電極18が設けられた側と反対側の端部)に配置されている。正極終端電極19の集電体15の
図1におけるZ方向下側を向く面15bには活物質層が設けられておらず、この面15bに端部集電体20Bが更に積層されている。正極終端電極19は、この端部集電体20Bを介して外部端子部材などに電気的に接続される。正極終端電極19の集電体15の面15aに設けられた正極16は、セパレータ13を介して、Z方向の他端のバイポーラ電極14の負極17と対向している。
【0020】
集電体15は、電子導電性を有しており、集電体にかかる電池作動電位において電解質に溶出しにくい材料であれば特に限定はされないが、例えば、ニッケル箔又はニッケルメッキが施された鋼箔といった金属箔が用いられる。集電体15として矩形の金属箔を用いる場合、その縁部15cには、正極活物質及び負極活物質が塗工されない矩形枠状の未塗工領域が設けられる。正極16を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極17を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。本実施形態では、集電体15の
図1におけるZ方向下側を向く面15bに形成される負極活物質層の形成領域は、集電体15の
図1におけるZ方向上側を向く面15aに形成される正極活物質層の形成領域よりも一回り大きくなっている。
【0021】
セパレータ13は、対向配置される正極16と負極17の短絡を防止する機能を有するとともに、電解質を保持して正極16と負極17との間のイオン伝導性を確保する機能を有する部材であり、例えばシート状に形成されている。セパレータ13としては、例えば、電気絶縁性を有するとともに電解質を吸収保持するポリマーや繊維からなる多孔性シートや不織布セパレータ等を挙げることができる。具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。なお、セパレータ13は、フッ化ビニリデン樹脂化合物で補強されたものであってもよい。
【0022】
端部集電体20A,20Bは、集電体15と実質的に同一の部材であり、例えばニッケル箔又はニッケルメッキが施された鋼箔といった金属箔が用いられる。端部集電体20A,20Bは、
図1におけるZ方向上側を向く一方の面20a及び
図1におけるZ方向下側を向く他方の面20bに正極活物質及び負極活物質のいずれもが塗工されていない集電体である。
【0023】
端部集電体20Aは、電極積層体11の一方の積層端に配置される。負極終端電極18は、Z方向に沿って端部集電体20Aとバイポーラ電極14との間に配置された状態となる。端部集電体20Bは、電極積層体11の他方の積層端に配置される。正極終端電極19は、Z方向に沿って端部集電体20Bとバイポーラ電極14との間に配置された状態となる。
【0024】
封止体12は、例えば絶縁性の樹脂によって形成されている。封止体12は、矩形状の電極を積層して形成される直方体状の電極積層体11の側面11aを囲むように、全体として矩形の筒状に形成されている。封止体12は、電極積層体11の側面11aにおいて各集電体15の縁部15c及び端部集電体20A,20Bの縁部20cを保持している。封止体12は、電極積層体11に含まれる集電体の縁部(すなわち、集電体15の縁部15c及び端部集電体20A,20Bの縁部20c)にそれぞれ接合された枠状の第1封止部21(樹脂部)と、電極積層体11の側面11aに沿って第1封止部21を外側から包囲し、第1封止部21のそれぞれに結合された第2封止部22とを有している。本実施形態では、蓄電装置1はニッケル水素二次電池なので、第1封止部21及び第2封止部22としては、例えば、耐アルカリ性を有する絶縁性の樹脂が用いられる。そのような第1封止部21及び第2封止部22の構成材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)などが挙げられる。
【0025】
第1封止部21は、各集電体15の縁部15c及び端部集電体20A,20Bのそれぞれの縁部20cの全周にわたって連続的に設けられており、それぞれ、Z方向から見て矩形枠状をなしている。第1封止部21と集電体15又は端部集電体20A,20Bとが気密に接合されるように、第1封止部21は、例えば、超音波溶着、熱溶着などによって集電体15の縁部15c又は端部集電体20A,20Bの縁部20cに溶着される。第1封止部21は、集電体15又は端部集電体20A,20Bの縁よりも外側に張り出した外側部分21aと、集電体15又は端部集電体20A,20Bの縁よりも内側に位置する内側部分21bと、を含む。電極の積層方向に並ぶ複数の第1封止部21の外側部分21aの先端部(外縁部)は、積層方向に隣り合う第1封止部21の外側部分同士が結合されてなる溶着層23を有している。溶着層23の形成には、例えば熱板溶着や超音波溶着や赤外線溶着など、公知の溶着方法を用いることができる。なお、矩形の集電箔に接合された枠状の第1封止部21は、全ての外縁部に溶着層23が形成されていてもよく、一部の外縁部にだけ溶着層が形成されていてもよい。
【0026】
複数の第1封止部21は、バイポーラ電極14及び正極終端電極19に設けられた第1封止部21Aと、負極終端電極18に設けられた第1封止部21Bと、端部集電体20Aに設けられた第1封止部21Cと、端部集電体20Bに設けられた第1封止部21D,21Eと、を有している。
【0027】
第1封止部21Aは、バイポーラ電極14及び正極終端電極19の集電体15の
図1におけるZ方向上側を向く一方の面15aに接合されている。第1封止部21Aの内側部分21bは、Z方向に互いに隣り合う1対の集電体15の縁部15c同士の間に位置している。集電体15の一方の面15aにおける縁部15cと、第1封止部21Aとが重なる領域は、集電体15と第1封止部21Aとの結合領域となっている。
【0028】
本実施形態では、第1封止部21Aは、集電体15の縁部15cに接合された1枚のフィルムが外側部分21aで二つに折りたたまれて、二層構造となっている。第1封止部21Aの外縁部は、外側部分21aに設けられており、フィルムの折り返し部(屈曲部)を含む。このフィルムの折り返し部が第2封止部22に接合される。第1封止部21Aを構成する一層目のフィルムは、集電体15の一方の面15aに接合されている。一層目のフィルムは、集電体15に接合された内側部分21bと集電体15の縁よりも外側に張り出した外側部分21aとを含む。二層目のフィルムの内縁は、一層目のフィルムの内縁よりも外側に位置し、これにより、第1封止部21Aにセパレータ13を載置するための段差部が形成される。なお、二層目のフィルムの内縁は、集電体15の縁よりも内側に位置している。すなわち、二層目のフィルムは、集電体15の縁よりも内側の内側部分21bと集電体15の縁よりも外側に張り出した外側部分21aとを含む。これにより、二層構造の第1封止部21Aは、内側部分21bがZ方向に互いに隣り合う一対の集電体15に挟まれる構成となっている。
【0029】
第1封止部21Bは、負極終端電極18の集電体15の
図1におけるZ方向上側を向く面15aに接合されている。第1封止部21Bの内側部分21bは、Z方向に互いに隣り合う負極終端電極18の集電体15の縁部15cと、端部集電体20Aの縁部20cとの間に位置している。集電体15の面15aにおける縁部15cと第1封止部21Bの内側部分21bとが重なる領域は、集電体15と第1封止部21Bとの結合領域となっている。第1封止部21Bは、端部集電体20Aの
図1におけるZ方向下側を向く面20bの縁部20cにも接合されている。端部集電体20Aの面20bにおける縁部20cと、第1封止部21Bとが重なる領域は、端部集電体20Aと第1封止部21Bとの結合領域となっている。
【0030】
第1封止部21Cは、端部集電体20Aの
図1におけるZ方向上側を向く面20aに接合されている。本実施形態では、第1封止部21Cは、複数の第1封止部21のうち、Z方向の端部に位置する。端部集電体20Aの面20aにおける縁部20cと、第1封止部21Cとが重なる領域は、端部集電体20Aと第1封止部21Cとの結合領域となっている。
【0031】
本実施形態では、第2封止部22に接合される第1封止部21B,21Cの外縁部同士は連続している。すなわち、第1封止部21B,21Cは、1枚のフィルムが端部集電体20Aの縁部20cを挟んで二つに折りたたまれることによって形成されている。第1封止部21B,21Cの外縁部は、フィルムの折り返し部(屈曲部)である。第1封止部21B,21Cを構成するフィルムは、端部集電体20Aの面20a及び面20bの両方において縁部20cと接合されている。このように、負極終端電極18の集電体15と端部集電体20Aとに挟持される第1封止部21Bを、それぞれの集電体に接合し、さらに、第1封止部21Bとつながって構成された第1封止部21Cを端部集電体20Aに接合することで、いわゆるアルカリクリープ現象による電解液の滲み出しを抑制することができる。
【0032】
第1封止部21Dは、端部集電体20Bの
図1におけるZ方向上側を向く面20aに接合されている。第1封止部21Dの内側部分21bは、Z方向に互いに隣り合う正極終端電極19の集電体15の縁部15cと、端部集電体20Bの縁部20cとの間に位置している。端部集電体20Bの面20aにおける縁部20cと、第1封止部21Dとが重なる領域は、端部集電体20Bと第1封止部21Dとの結合領域となっている。また、本実施形態では、第1封止部21Dは、集電体15には接合されていない。
【0033】
第1封止部21Eは、端部集電体20Bの
図1におけるZ方向下側を向く面20bにおける縁部20cに接合されている。本実施形態では、第1封止部21Eは、複数の第1封止部21のうち、Z方向の端部(第1封止部21Cと反対側の端部)に位置する。端部集電体20Bの面20bにおける縁部20cと、第1封止部21Eとが重なる領域は、端部集電体20Bと第1封止部21Eとの結合領域となっている。
【0034】
本実施形態では、第2封止部22に接合された第1封止部21D,21Eの外縁部同士は連続している。すなわち、第1封止部21D,21Eは、1枚のフィルムが端部集電体20Bの縁部20cを挟んで二つに折りたたまれることにより形成されている。第1封止部21D,21Eの外縁部は、フィルムの折り返し部(屈曲部)である。第1封止部21D,21Eを構成するフィルムは、端部集電体20Bの面20a及び面20bにおいて縁部20cと接合されている。
【0035】
電極積層体11の積層端に位置する端部集電体20Aは、
図1におけるZ方向上側を向く面20aの一部に、第1封止部21および第2封止部22からなる封止体12から露出する露出面20dを有している。電極積層体11の積層端に位置する端部集電体20Bは、
図1におけるZ方向下側を向く面20bの一部に、第1封止部21および第2封止部22からなる封止体12から露出する露出面20dを有している。それぞれの露出面20dには、外部端子部材や導電板などが接触配置され、端部集電体20A,20Bと外部端子部材などとが電気的に接続される。
【0036】
集電体と第1封止部の結合領域において、集電体15,及び端部集電体20A,20Bの表面は、粗面化されている。粗面化された領域は、結合領域のみでもよいが、本実施形態では集電体15の面15aの全体が粗面化されている。また、端部集電体20Aの面20a及び面20bの全体が粗面化されている。また、端部集電体20Bの面20a及び面20bの全体が粗面化されている。
【0037】
粗面化は、例えば電解メッキによって、集電体の表面に複数の微小突起を形成することにより実現し得る。結合領域に複数の微小突起が形成されることにより、集電体と第1封止部との結合領域における集電体と第1封止部21との接合界面では、溶融状態の樹脂が粗面化により形成された複数の微小突起の間に入り込み、その状態のまま樹脂が固化している。これにより、第1封止部が集電体から剥離することを抑制する、所謂、アンカー効果が発揮される。したがって、集電体15,端部集電体20A,20Bと第1封止部21との間の結合強度を向上させることができる。粗面化によって集電体の表面に複数の微小突起が形成されるが、その微小突起の少なくとも一部は、例えば、基端から先端までの間の一部にくびれ部を有する突起となっている。いいかえると、突起はその一部にオーバーハング部を有している。このくびれ部を有する複数の微小突起により、集電体と第1封止部との接合におけるアンカー効果を高めることが可能となる。
【0038】
第2封止部22は、電極積層体11の側面11aを囲むように電極積層体11及び第1封止部21の外側に設けられ、蓄電装置1の外壁(筐体)を構成している。第2封止部22は、例えば樹脂の射出成型によって形成され、その外壁部は、Z方向に沿って電極積層体11の全長にわたって延在する部分を有している。第2封止部22は、Z方向を軸方向として延在する矩形の筒状を呈している。第2封止部22は、例えば射出成型時の熱によって第1封止部21の外表面に溶着されている。
【0039】
封止体12は、隣り合う電極の間に内部空間Vを形成すると共に内部空間Vを封止する。より具体的には、第2封止部22は、第1封止部21と共に、Z方向に沿って互いに隣り合うバイポーラ電極14の間、Z方向に沿って互いに隣り合う負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及びZ方向に沿って互いに隣り合う正極終端電極19とバイポーラ電極14との間をそれぞれ封止している。これにより、隣り合うバイポーラ電極14の間、負極終端電極18とバイポーラ電極14との間、及び正極終端電極19とバイポーラ電極14との間には、それぞれ気密に仕切られた内部空間Vが形成されている。この内部空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液を含む電解液(不図示)が収容されている。電解液は、セパレータ13、正極16、及び負極17内に含浸されている。封止体12は、端部集電体20Aと負極終端電極18との間、及び端部集電体20Bと正極終端電極19との間もそれぞれ封止している。
【0040】
続いて、一例に係る電極ユニット製造方法について説明する。本実施形態では、蓄電装置1を製造する際に、予め電極ユニット30が製造される。電極ユニット30は、バイポーラ電極14と、バイポーラ電極14の集電体15の縁部15cに接合された第1封止部21とを含む。
図2に示すように、このような電極ユニット30を製造する方法は、配置工程(シート体配置工程)S11、接合工程(枠体接合工程)S12、ミシン目・切断加工工程(切断工程)S13、折り返し工程S14及び癖付け工程S15を含む。
図3及び
図4は、配置工程を説明するための図である。
図5は、接合工程を説明するための図である。
図6及び
図7はミシン目・切断工程を説明するための図である。
図8及び
図9は折り返し工程及び癖付け工程を説明するための図である。
【0041】
配置工程S11では、矩形をなす電極の各辺の縁部に沿って、第1封止部21を構成する樹脂製のシート体(フィルム)を、対応する各辺に重複するように配置する。本実施形態では、
図3に示すように、矩形をなすバイポーラ電極14と、バイポーラ電極14の各辺に対応する4つのシート体121とが準備される。一例において、4つのシート体121は、バイポーラ電極14の長辺に対応する2つのシート体121Lと、短辺に対応する2つのシート体121Sとによって構成されている。この4つのシート体121は、電極ユニット30における第1封止部21になる部分である。
【0042】
シート体121Lは、平面視において台形状をなしている。すなわち、シート体121Lは、台形の底辺を構成する上底121La及び下底121Lbと、上底121Laと下底121Lbとを接続する一対の脚121Lcと、を含む。なお、本明細書では、底辺のうち長い方の辺を下底121Lbとする。図示例では、シート体121Lは、下底121Lbと脚121Lcとのなす内角が45°である等脚台形状をなしている。シート体121Lの上底121Laの長さは、バイポーラ電極14の長辺14Lの長さよりも短く、シート体121Lの下底121Lbの長さは、バイポーラ電極14の長辺14Lの長さよりも長い。
【0043】
シート体121Sは、平面視において台形状をなしている。すなわち、シート体121Sは、台形の底辺を構成する上底121Sa及び下底121Sbと、上底121Saと下底121Sbとを接続する一対の脚121Scと、を含む。図示例では、シート体121Sは、下底121Sbと脚121Lcとのなす内角が45°である等脚台形状をなしている。シート体121Sの上底121Saの長さは、バイポーラ電極14の短辺14Sの長さよりも短く、シート体121Sの下底121Sbの長さは、バイポーラ電極14の短辺14Sの長さよりも長い。
【0044】
図4に示すように、配置工程S11では、4つのシート体121が、対応する各辺と重複するように配置される。例えば、4つのシート体121はバイポーラ電極14の対応する各辺上に配置されてもよい。なお、所定の位置に配置された4つのシート体121上にバイポーラ電極14が配置されてもよい。
【0045】
図4では、シート体121がバイポーラ電極14上に配置された状態において、シート体121Lの脚121Lcとシート体121Sの脚121Scとが互いに接しているように描画されているが、シート体121Lの脚121Lcを含む部分とシート体121Sの脚121Scを含む部分とは互いに重複していてよい。すなわち、シート体121Lの長手方向の端部とシート体121Sの長手方向の端部とは互いに重なり合っていてもよい。なお、
図4では、シート体121の脚の位置がバイポーラ電極14の頂点の位置と重複しているが、シート体121の脚の位置とバイポーラ電極14の頂点の位置とは互いにずれていてもよい。
【0046】
接合工程S12では、枠状に配置された4つのシート体121をバイポーラ電極14に接合する。シート体121とバイポーラ電極14とを接合する方法としては、例えば超音波又は熱による溶着が挙げられる。第1封止部21を複数のシート体で構成する場合には、互いに隣接するシート体121の端部同士のつなぎ目部分にバイポーラ電極14の集電体15の露出部が形成されないように、互いに隣接するシート体121の端部同士は、接合工程S12において、互いに接合される。例えば、シート体121Lの脚を含む部分とシート体121Sの脚を含む部分とが互いに重複するように配置されている場合、シート体121の全面を加熱することによって、互いに隣り合うシート体121同士が溶着される。この場合、4つのシート体121によって略矩形枠形状の枠体124が形成される。すなわち、接合工程S12では、略矩形枠状の枠体124付きのバイポーラ電極14が形成される。
【0047】
ミシン目・切断加工工程S13では、矩形枠状の枠体124において、バイポーラ電極14の縁部よりも外側に延在する延在部分の四隅を切断して切断部を形成する(切断加工)と同時に、枠体124の隣り合う切断部同士の間に折り返し用のミシン目状の切込み線125を形成(ミシン目加工)する。ミシン目状の切込み線は、枠体の延在方向に沿って断続的に小孔を穿設することにより形成される。当該工程によって、枠体124は枠体128に加工される。
図6に示すように、一例のミシン目・切断加工工程S13によって形成される切込み線125は、バイポーラ電極14の周縁よりも外側において、矩形形状に沿って形成されている。切込み線125は、切断部分125a及び接続部分125bを有する。切断部分125aは、厚さ方向に枠体128が完全に切断されている部分である。接続部分125bは、切込み線125よりも外側の部分と切込み線125によって囲まれた内側部分とが連続している部分である。
【0048】
また、
図6に示すように、一例のミシン目・切断加工工程によって切断される部分(分離部分126)は、矩形枠状をなす枠体124の各頂点を含む三角形状をなす。一例の分離部分126は、二等辺三角形状をなしている。図示例では、切込み線125によって形成される矩形の頂点125Pが分離部分126の切断に伴う切断線126L(切断部)上に位置している。なお、切込み線125の頂点125Pは分離部分126に含まれてもよいが、その場合には、分離部分126に切込み線125が形成される必要はない。枠体124の四隅が切断されることによって、枠体128には、切込み線125よりも内側の矩形枠状の第1部分128aと、切込み線125よりも外側の4つの台形状の第2部分128bとが形成される。対応する辺の方向に交差する幅方向において、第2部分128bの長さL1は第1部分128aの長さL2よりも短く、切込み線125からバイポーラ電極14までの距離L3よりも長い。
【0049】
一例において、ミシン目・切断加工工程S13におけるミシン目加工と切断加工とはバイポーラ電極14の位置決めがされた状態で同時に実行される。当該工程は、例えば、
図7に示すように、プレス加工機200が用いられてもよい。一例のプレス加工機200は、一つのトムソン型211が設けられたプレス部210と、治具220を固定する受け台230とを有する。プレス部210は、昇降自在に設けられている。トムソン型211は、ミシン目加工を行うトムソン刃と切断加工を行うトムソン刃とを有する。治具220は、枠体124が接合されたバイポーラ電極14を厚さ方向に挟持する。バイポーラ電極14を挟持した治具220が受け台230に固定されることによってバイポーラ電極14の位置決めがなされる。枠体124が接合されたバイポーラ電極14の位置決めがなされた状態でプレス部210が下降することによって、ミシン目加工と切断加工とが同時に実行される。
【0050】
折り返し工程S14では、
図9に示すように、枠体128の切込み線125を屈曲させることによって、枠体128のうちのバイポーラ電極14に接合される部分を含む第1部分128aに向かって、第2部分128bを折り返す。これにより、枠体128の第1部分128aに対して第2部分128bが重ね合わされて、折り返し部分が形成される。第1部分128aに対して重ね合わされた4つの第2部分128bは、略矩形の枠形状を形成してもよい。第1部分128aの内周側は、折り返された第2部分128bの内周よりも内側まで延在している。
【0051】
癖付け工程S15では、折り返された状態が保持されるように枠体128の折り返し部分の癖付けを実行する。一例の癖付け工程S15では、折り返された枠体128を厚さ方向(積層方向)に押圧しながら加熱する。この工程では、製造された複数の電極ユニット30が互いに積層されるまでの時間だけ折り返された状態が保持されればよい。そのため、第1部分128aと第2部分128bとが互いに溶着される程の高温による加熱は必要ではない。
【0052】
一例において、折り返し工程S14と癖付け工程S15とは、バイポーラ電極14の位置が固定された状態で一連の動作として実行される。当該工程では、例えば、
図9に示すように、加熱装置300が用いられてもよい。一例の加熱装置300は、固定部310と可動部320を備えている。固定部310は、例えば平坦な上面311を有する板体であってもよい。可動部320は、例えば昇降自在であり、内部にヒータ等の加熱部を有しており、当該加熱部によって加熱される平坦な底面を有している。一例の加熱装置300では、所定の高さ位置に可動部320が待機している状態で、固定部310と可動部320との間に枠体128が切込み線125で折り畳まれながら挿入される。そして、折り畳まれた枠体128の切込み線125を含む領域が固定部310と可動部320とによって挟持される。枠体128を挟持した状態で可動部320が加熱部によって加熱されることによって、枠体128の癖付けが完了する。上記各工程によって、電極ユニット30が製造される。
【0053】
以上説明した電極ユニット30の製造方法では、バイポーラ電極14の各辺上に配置されたシート体121によって枠体124が形成される。枠体124は、枠体128に加工されることで、四隅が切断されると共に切込み線125が形成される。切込み線125に沿って枠体128が折り返されることで、枠体128は第1部分128aと第2部分128bとによって部分的に二重に形成される。切込み線125は、切断線126L同士の間に形成されているため、枠体128の二重部分は矩形状を形成し得る。折り返された枠体128が押圧及び加熱されることによって、枠体128は折り返された状態で癖付けされる。これによって、枠体128によって第1封止部が形成される。矩形枠状に折り返された第2部分128bの内側空間には、第2部分128bの内周よりも内側に延在する第1部分128aに重複するようにセパレータ13が適切に配置され得る。この方法では、切断線126Lの形成と切込み線125の形成とが同一工程で同時に実行されるため、切断線126Lと切込み線125との互いの位置がずれにくい。そのため、枠体128の二重部分が高い精度をもって形成され得る。
【0054】
また、一例では、折り返し工程と癖付け工程とが、バイポーラ電極14の位置が固定された状態で一連の動作として実行される。折り返し工程と癖付け工程とが一連の動作で実行されるため、加工時間の削減に寄与し得る。また、折り返された状態が維持されたまま、癖付けが行われるため、第1部分128aと第2部分128bとが互いにズレることが抑制される。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0056】
例えば、癖付け工程において、第1部分128aと折り返された第2部分128bとを互いに溶着してもよい。例えば、第1部分128a、第2部分128b及びバイポーラ電極14が互いに重なり合っている部分において、第1部分128aと第2部分128bとがスポット溶着等によって部分的に互いに溶着されてもよい。
【0057】
また、配置工程では、4つのシート体が矩形状の電極の4つの辺にそれぞれ配置される形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。配置工程では、電極の周縁に沿って当該周縁に重複するようにシート体が配置されればよい。例えば、配置工程では、複数のシート体のそれぞれを電極の各辺における対応する1又は複数の辺に重複するように配置してもよい。一例として、電極の長辺及び短辺に対応するL字状のシート体を2つ用意し、この2つのシート体を対応する辺に重複するように枠状に配置してもよい。また、電極の周縁に沿った枠状のシート体を用意し、このシート体を電極の周縁に重複するように配置してもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、バイポーラ電極14と、バイポーラ電極14の縁部15cに接合された第1封止部21(枠体128)とを含む電極ユニット30について説明したが、電極ユニットは、さらにセパレータ13を含んで構成されてもよい。この場合、癖付け工程の後に、矩形枠状に折り返された第2部分128bの内側空間にセパレータ13が配置される工程を経ることによって電極ユニットが製造される。
【符号の説明】
【0059】
14…バイポーラ電極(電極)、30…電極ユニット、121…シート体、124,128…枠体、125…切込み線、126L…切断線(切断部)。