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特許7388298情報処理装置、情報処理方法、およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231121BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20231121BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/26
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020105155
(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公開番号】P2021197056
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】京近 渉
(72)【発明者】
【氏名】松尾 莉歩
(72)【発明者】
【氏名】宮原 謙太
(72)【発明者】
【氏名】柿原 良太郎
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-074787(JP,A)
【文献】特開2008-269254(JP,A)
【文献】特開2019-036216(JP,A)
【文献】特開2002-099983(JP,A)
【文献】池田 芳紀,中谷 善雄,事例ベース推論を用いた雪氷作業指示支援システム,情報処理学会研究報告,2006巻67号,日本,社団法人情報処理学会,2006年06月23日,P.1-6
【文献】香取 薫,ICT利活用による地域課題解決 -雪対策への活用事例-,日本情報経営学会誌,34巻3号,日本,日本情報経営学会,2014年03月25日,P.34-41
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザそれぞれについてのユーザ情報であって、各ユーザが除雪を希望する場所である対象場所に関する情報と、各ユーザが除雪の完了を希望するタイミングである完了タイミングに関する情報と、を含むユーザ情報を取得することと、
各対象場所を含む所定の地域における積雪量または予想降雪量の少なくともいずれかを含む雪情報を取得することと、
前記各対象場所の広さに関する広さ情報を取得することと、
前記雪情報と、前記広さ情報とに基づいて、前記各対象場所において除雪用モビリティによって除雪を行うために必要な所要時間を予測すること、
前記複数のユーザそれぞれについての前記ユーザ情報に含まれる前記完了タイミングに関する情報と、予測された前記各対象場所についての前記所要時間とに基づいて、前記除雪用モビリティを前記各対象場所に派遣するための派遣スケジュールを決定することと、
を実行する制御部を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
各対象場所を含む所定の地域の地図情報に基づいて各対象場所についての前記広さ情報を取得する、
請求項に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
各対象場所に対応する、除雪した雪の捨て場所に関する情報を取得することをさらに実行し、
前記雪の捨て場所に関する情報に基づいて各対象場所についての前記所要時間を予測する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
各ユーザに関連するユーザ端末から前記ユーザ情報を受信することをさらに実行する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置が、各ユーザに対応する前記対象場所に関する情報が予め記憶された
データベースをさらに備え、
前記制御部が、
前記データベースから各ユーザについての前記対象場所に関する情報を抽出すること、および、各ユーザに関連するユーザ端末から各ユーザについての前記完了タイミングに関する情報を受信することによって、前記複数のユーザそれぞれについての前記ユーザ情報を取得する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記派遣スケジュールには、前記除雪用モビリティが各対象場所を訪問するタイミング、および、各対象場所での前記除雪用モビリティによる除雪の作業時間が含まれる、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記除雪用モビリティが自律走行可能なモビリティであって、
前記制御部が、
決定した前記派遣スケジュールを含むスケジュール情報を前記除雪用モビリティに送信することをさらに実行する、
請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータによって実行される情報処理方法であって、
複数のユーザそれぞれについてのユーザ情報であって、各ユーザが除雪を希望する場所である対象場所に関する情報と、各ユーザが除雪の完了を希望するタイミングである完了タイミングに関する情報と、を含むユーザ情報を取得することと、
各対象場所を含む所定の地域における積雪量または予想降雪量の少なくともいずれかを含む雪情報を取得することと、
前記各対象場所の広さに関する広さ情報を取得することと、
前記雪情報と、前記広さ情報とに基づいて、前記各対象場所において除雪用モビリティによって除雪を行うために必要な所要時間を予測すること、
前記複数のユーザそれぞれについての前記ユーザ情報に含まれる前記完了タイミングに関する情報と、予測された前記各対象場所についての前記所要時間とに基づいて、前記除雪用モビリティを前記各対象場所に派遣するための派遣スケジュールを決定することと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
各対象場所を含む所定の地域の地図情報に基づいて各対象場所についての前記広さ情報を取得する、
請求項に記載の情報処理方法。
【請求項10】
各対象場所に対応する、除雪した雪の捨て場所に関する情報を取得することをさらに含み、
前記雪の捨て場所に関する情報に基づいて各対象場所についての前記所要時間を予測する、
請求項8または9に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記派遣スケジュールには、前記除雪用モビリティが各対象場所を訪問するタイミング、および、各対象場所での前記除雪用モビリティによる除雪の作業時間が含まれる、
請求項から10のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項12】
自律走行可能な除雪用モビリティと、情報処理装置と、を含むシステムであって、
前記情報処理装置は、
複数のユーザそれぞれについてのユーザ情報であって、各ユーザが除雪を希望する場所である対象場所に関する情報と、各ユーザが除雪の完了を希望するタイミングである完了
タイミングに関する情報と、を含むユーザ情報を取得することと、
各対象場所を含む所定の地域における積雪量または予想降雪量の少なくともいずれかを含む雪情報を取得することと、
前記各対象場所の広さに関する広さ情報を取得することと、
前記雪情報と、前記広さ情報とに基づいて、前記各対象場所において前記除雪用モビリティによって除雪を行うために必要な所要時間を予測すること、
前記複数のユーザそれぞれについての前記ユーザ情報に含まれる前記完了タイミングに関する情報と、予測された前記各対象場所についての前記所要時間とに基づいて、前記除雪用モビリティを前記各対象場所に派遣するための派遣スケジュールを決定することと、
決定した前記派遣スケジュールを含むスケジュール情報を前記除雪用モビリティに送信することと、
を実行する制御部を備え、
前記除雪用モビリティは、
前記情報処理装置から受信した前記スケジュール情報に基づいて、走行し且つ除雪作業を実行する、
システム。
【請求項13】
前記派遣スケジュールには、前記除雪用モビリティが各対象場所を訪問するタイミング、および、各対象場所での前記除雪用モビリティによる除雪の作業時間が含まれる、
請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、除雪用モビリティを利用して除雪を行うための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、除雪車の制御に関する技術が開示されている。また、特許文献2には、道路における除雪状況を踏まえて経路探索を行うナビゲーション装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-279628号公報
【文献】国際公開第2009/090729号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ユーザが除雪を希望する場所の除雪を好適なタイミングで行うための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、
複数のユーザそれぞれについてのユーザ情報であって、各ユーザが除雪を希望する場所である対象場所に関する情報と、各ユーザが除雪の完了を希望するタイミングである完了タイミングに関する情報と、を含むユーザ情報を取得することと、
前記複数のユーザそれぞれについての前記ユーザ情報に基づいて、除雪用モビリティを各対象場所に派遣するための派遣スケジュールを決定することと、
を実行する制御部を備える。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ユーザが除雪を希望する場所の除雪を好適なタイミングで行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る除雪管理システムの概略構成を示す図である。
図2】管理サーバの概略構成を示す図である。
図3】ユーザ端末、管理サーバ、および除雪用モビリティそれぞれの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
図4】ユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図5】スケジュール情報を生成するための処理のフローを示すフローチャートである。
図6】スケジュール情報のテーブル構成の一例を示す図である。
図7】実施形態の第2変形例に係るユーザ情報データベースのテーブル構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一般に、除雪が必要な地域においては、公共の道路を対象とした除雪が除雪車によって行われる。しかしながら、除雪が必要となる場所は公共の道路に限られるものではない。個人の所有地または所定の施設の敷地等、様々な場所の除雪が望まれる場合がある。そこ
で、ユーザの希望に応じて、様々な場所を対象として、除雪用モビリティを利用して除雪を行うことが考えられる。
【0009】
本開示の第1の態様に係る情報処理装置は、ユーザからの除雪依頼に基づいて派遣される除雪用モビリティを管理するための装置である。情報処理装置においては、制御部が、除雪を希望する複数のユーザそれぞれについてのユーザ情報を取得する。ここで、ユーザ情報には、各ユーザが除雪を希望する場所である対象場所に関する情報が含まれる。対象場所は、例えば、ユーザの所有地(自宅等)、またはユーザに関連する施設の敷地等である。また、ユーザ情報には、各ユーザが除雪の完了を希望するタイミングである完了タイミングに関する情報も含まれる。
【0010】
そして、情報処理装置において、制御部は、複数のユーザそれぞれについてのユーザ情報に基づいて、除雪用モビリティを各対象場所に派遣するための派遣スケジュールを決定する。ここで、派遣スケジュールには、例えば、除雪用モビリティが各対象場所を訪問するタイミング、および、各対象場所での除雪用モビリティによる除雪の作業時間が含まれる。
【0011】
上記情報処理装置により派遣スケジュールが決定されることで、各ユーザの希望に応じたタイミングで各対象場所における除雪が完了するように除雪用モビリティを各対象場所に派遣することができる。したがって、ユーザからの依頼に応じて、様々な場所の除雪を、除雪用モビリティを利用して好適なタイミングで行うことができる。
【0012】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、および、その相対配置等は、特に記載がない限りは本開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0013】
<実施形態>
(システムの概略)
図1は、本実施形態に係る除雪管理システムの概略構成を示す図である。除雪管理システムは、所定の地域内において、ユーザからの除雪依頼に応じて除雪用モビリティを利用して除雪を行うためのシステムである。除雪管理システム1は、各ユーザに関連するユーザ端末100、管理サーバ200、および除雪用モビリティ300(以下、単に「モビリティ」と称する場合もある。)を含んで構成される。
【0014】
本実施形態に係る除雪管理システム1のユーザは、所定の地域E1内に存在する対象場所の除雪を希望する者である。対象場所は、例えば、ユーザの自宅、またはユーザが管理する所定の施設の敷地である。図1においては、対象場所をP1~P3で示している。また、除雪管理システム1においては、各ユーザ端末100と管理サーバ200とがネットワークによって相互に接続される。このネットワークとしては、例えば、インターネット等の世界規模の公衆通信網であるWAN(Wide Area Network)、または携帯電話等の電話通信網が採用されてもよい。また、ユーザ端末100としては、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレットコンピュータを例示することができる。そして、管理サーバ200は、各ユーザ端末100から送信されるユーザの除雪依頼に関する情報であるユーザ情報を、ネットワークを介して受信する。これにより、管理サーバ200は、各ユーザからの除雪依頼を受け付ける。
【0015】
管理サーバ200は、モビリティ300を管理するためのサーバ装置である。図2は、管理サーバ200の概略構成を示す図である。管理サーバ200は、一般的なコンピュータを含んで構成される。管理サーバ200を構成するコンピュータは、プロセッサ201、主記憶部202、補助記憶部203、および通信インターフェース(通信I/F)20
4を有する。
【0016】
ここで、プロセッサ201は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)である。主記憶部202は、例えば、RAM(Random
Access Memory)である。補助記憶部203は、例えば、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、またはフラッシュメモリである。また、補助記憶部203は、リムーバブルメディア(可搬記録媒体)を含んでもよい。ここで、リムーバブルメディアは、例えば、USBメモリ、SDカード、または、CD-ROM、DVDディスク、若しくはブルーレイディスクのようなディスク記録媒体である。通信I/F204は、例えば、LAN(Local Area Network)インターフェースボード、または無線通信のための無線通信回路である。
【0017】
補助記憶部203には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、および各種情報テーブル等が格納されている。そして、プロセッサ201が、補助記憶部203に記憶されたプログラムを主記憶部202にロードして実行することによって、後述するような、モビリティ300の派遣スケジュールの決定等の制御が実現される。ただし、管理サーバ200における一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。なお、管理サーバ200は、必ずしも単一の物理的構成によって実現される必要はなく、互いに連携する複数台のコンピュータによって構成されてもよい。なお、本実施形態においては、管理サーバ200が、本開示に係る「情報処理装置」に相当する。
【0018】
各ユーザからの除雪依頼を受け付けた管理サーバ200は、各対象場所にモビリティ300を派遣するための派遣スケジュールを決定する。ここで、除雪管理システム1においては、各ユーザ端末100と管理サーバ200との間の接続と同様、モビリティ300と管理サーバ200との間もネットワークによって相互に接続される。そして、管理サーバ200は、決定した派遣スケジュールを含むスケジュール情報を、ネットワークを介してモビリティ300に送信する。
【0019】
モビリティ300は、例えば、除雪作業に必要な装備(例えば、スノープラウ等の雪かき具)を備えた車両である。モビリティ300は自律走行が可能である。また、モビリティ300は、除雪作業も自律的に実行することができる。そして、モビリティ300は、管理サーバ200から受信したスケジュール情報に基づいて、各対象場所を訪問するために自律走行する。さらに、モビリティ300は、スケジュール情報に基づいて、各対象場所において除雪作業を実行する。
【0020】
(機能構成)
次に、本実施形態に係る除雪管理システム1を構成するユーザ端末100、管理サーバ200、およびモビリティ300それぞれの機能構成について図3に基づいて説明する。図3は、ユーザ端末100、管理サーバ200、およびモビリティ300それぞれの機能構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0021】
(ユーザ端末)
ユーザ端末100は、制御部110、通信部120、および入力部130を有している。制御部110は、ユーザ端末100を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部110は、ユーザ端末100が備えるプロセッサによって実現することができる。
【0022】
通信部120は、ユーザ端末100をネットワークに接続する機能を有する。通信部120は、ユーザ端末100が備える通信インターフェースによって実現することができる。通信部120は、例えば、3G(3rd Generation)、またはLTE(L
ong Term Evolution)等の移動体通信サービスを利用して、ネットワーク経由で管理サーバ200を含む他の装置と通信を行うことができる。そして、制御部110は、後述するように、ユーザが除雪を依頼する際に入力する情報に基づいて生成されるユーザ情報を、通信部120を介して管理サーバ200に送信する処理を行う。
【0023】
入力部130は、ユーザによって行われる入力操作を受け付ける機能を有する。例えば、入力部130はタッチパネルディスプレイを含んで構成される。ユーザは、除雪を依頼する際に、ユーザ端末100において所定のアプリケーションを起動させる。これにより、入力部130に対してユーザが入力操作を行うことが可能となる。
【0024】
そして、制御部110は、入力部130に対してユーザが入力した情報に基づいてユーザ情報を生成する。図4は、ユーザ端末100において生成されるユーザ情報のテーブル構成の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ情報は、ユーザIDフィールド、対象場所フィールド、および完了タイミングフィールドを有する。ユーザIDフィールドには、ユーザを特定するための識別情報であるユーザIDが入力される。対象場所フィールドには、ユーザが除雪を希望する場所である対象場所に関する情報が入力される。この対象場所フィールドに入力される情報は、例えば対象場所の住所である。完了タイミングフィールドには、ユーザが除雪の完了を希望するタイミングである完了タイミングに関する情報が入力される。ここで、対象場所がユーザの自宅である場合、ユーザは、自宅からの外出予定時刻(またはその直前)に除雪が完了することを希望することが考えられる。また、対象場所が、ユーザの目的地となる所定の施設である場合、ユーザは、所定の施設への到着予定時刻(またはその直前)に除雪が完了することを希望することが考えられる。完了タイミングフィールドには、これらのような完了タイミングに関する情報が入力される。
【0025】
(管理サーバ)
管理サーバ200は、制御部210、通信部220、ユーザ情報データベース(ユーザ情報DB)230、および地図情報データベース(地図情報DB)240を有している。制御部210は、管理サーバ200を制御するための演算処理を行う機能を有する。制御部210は、プロセッサ201によって実現することができる。
【0026】
通信部120は、管理サーバ200をネットワークに接続する機能を有する。通信部120は、通信I/F104によって実現することができる。そして、制御部210は、各ユーザ端末100から送信されたユーザ情報を、通信部220を介して受信する処理を行う。また、制御部210は、各ユーザ端末100から受信したユーザ情報をユーザ情報DB230に格納する処理を行う。ユーザ情報DB230は、プロセッサ201によってデータベース管理システム(Database Management System)のプログラムが実行されることで、管理サーバ200の補助記憶部203に構築される。
【0027】
地図情報DB240には、各対象場所が含まれる所定の地域E1についての地図情報が予め格納されている。この地図情報DB240に格納されている地図情報には、モビリティ300の走行経路となり得る道路に関する情報の他に、対象場所となり得る住宅または施設等の各場所の広さに関する広さ情報(例えば、敷地面積)が含まれている。
【0028】
そして、制御部210は、ユーザ情報DB230に格納された各ユーザについてのユーザ情報に基づいて、モビリティ300を除雪のために各対象場所に派遣するための派遣スケジュールを決定する。さらに、制御部210は、決定した派遣スケジュールを含むスケジュール情報を、通信部220を介して、モビリティ300に送信する処理を行う。なお、管理サーバ200における派遣スケジュールの決定方法の詳細については後述する。
【0029】
(除雪用モビリティ)
モビリティ300は、制御部310、通信部320、および記憶部330を有している。ここで、モビリティ300は、原動機であるモータを含む、モビリティ300を走行させるための駆動機構を備えている。また、モビリティ300は、雪かき具を動かすためのアクチュエータを備えている。制御部310は、これらの駆動機構およびアクチュエータを制御する機能を有する。制御部310は、モビリティ300が備えるコンピュータのプロセッサによって実現することができる。
【0030】
モビリティ300は、周囲の状況をセンシングするためのセンサおよびカメラを備えている。また、モビリティ300は、自身の現在位置を取得するためのGPS受信機を備えている。制御部310は、モビリティ300が対象場所へ向けて移動する際に、これらの各種機器によって取得される情報に基づいて駆動機構を制御することでモビリティ300を自律走行させる。また、制御部310は、対象場所において、これらの各種機器によって取得される情報に基づいてアクチュエータを制御することで、モビリティ300に除雪作業を実行させる。なお、モビリティ300を自律走行させたり、モビリティ300に除雪作業を実行させたりする方法については、公知の方法を採用することができる。
【0031】
通信部320は、モビリティ300をネットワークに接続するための機能を有する。通信部320は、モビリティ300が備える通信インターフェースによって実現することができる。通信部320は、ユーザ端末100の通信部120と同様、移動体通信サービスを利用して、ネットワーク経由で管理サーバ200を含む他の装置と通信を行うことができる。そして、制御部310は、管理サーバ200から送信されたスケジュール情報を、通信部320を介して受信する処理を行う。
【0032】
記憶部330は、情報を記憶する機能を有する。記憶部330は、フラッシュメモリまたはリムーバブルメディア等の記憶媒体によって実現することができる。制御部310は、管理サーバ200から受信したスケジュール情報を記憶部330に記憶させる処理を行う。そして、制御部310は、記憶部330に記憶されたスケジュール情報に基づいて、モビリティ300を各対象場所に移動させるための走行計画、および、各対象場所において除雪作業を実行するための作業計画を生成する。さらに、制御部310は、生成した走行計画に基づいてモビリティ300を自律走行させる。また、制御部310は、生成した作業計画に基づいて、各対象場所において除雪作業を実行する。
【0033】
(スケジュール情報の生成)
次に、管理サーバ200において実行されるスケジュール情報を生成するための処理について図5に基づいて説明する。図5は、スケジュール情報を生成するための処理のフローを示すフローチャートである。本フローは管理サーバ200の制御部210によって実行される。
【0034】
本フローでは、先ずS101において、ユーザ情報DB230に格納されている各ユーザについてユーザ情報が取得される。これにより、所定の地域E1内において、除雪を希望している各ユーザについての対象場所と完了タイミングが取得される。次に、S102において、雪情報が取得される。ここで、雪情報は、各対象場所を含む所定の地域E1における積雪量を含む情報である。また、雪情報は、所定の地域E1における予想降雪量を含む情報であってもよい。このような雪情報は、管理サーバ200とは異なる、天気に関する情報を提供するサーバ装置からネットワークを介して受信することができる。
【0035】
次に、S103において、各ユーザについてユーザ情報に含まれる各対象場所についての広さ情報が取得される。ここで、各対象場所についての広さ情報は、地図情報DB240に格納されている地図情報から取得される。次に、S104において、対象場所におい
てモビリティ300によって除雪を行うために必要な所要時間が予測される。ここで、各対象場所についての所要時間は、S102で取得された雪情報、および、S103で取得された各対象場所についての広さ情報に基づいて予測される。例えば、雪情報に含まれる所定の地域E1における積雪量または予想降雪量が多いほど、各対象場所についての所要時間は長くなると考えられる。また、対象場所が広いほど、すなわち、除雪を行う敷地が大きいほど、該対象場所についての所要時間は長くなると考えられる。そのため、雪情報および広さ情報に基づいて、各対象場所についての所要時間を予測することができる。
【0036】
次に、S105において、モビリティ300を除雪のために各対象場所に派遣するための派遣スケジュールが決定される。ここで、派遣スケジュールは、各ユーザについてのユーザ情報および各対象場所についての所要時間に基づいて決定される。つまり、各ユーザが除雪の完了を希望する完了タイミングで各対象場所における除雪作業が完了するように、モビリティ300が各対象場所を訪問する順番が決定される。また、モビリティ300が各対象場所を訪問するタイミング、および、各対象場所でのモビリティ300による除雪の作業時間についても、派遣スケジュールとして決定される。
【0037】
次に、S106において、S105で決定された派遣スケジュールを含むスケジュール情報が生成される。図6は、スケジュール情報のテーブル構成の一例を示す図である。図6に示すように、スケジュール情報は、順番フィールド、ユーザIDフィールド、対象場所フィールド、訪問タイミングフィールド、および作業時間フィールドを有する。順番フィールドには、モビリティ300が各対象場所を訪問する順番が入力される。ユーザIDフィールドおよび対象場所フィールドには、それぞれ、ユーザ情報に含まれていたユーザID、および、対象場所に関する情報が入力される。訪問タイミングフィールドには、モビリティ300が各対象場所を訪問するタイミングに関する情報が入力される。作業時間フィールドには、各対象場所でのモビリティ300による除雪の作業時間に関する情報が入力される。S106においてスケジュール情報が生成されると、本フローの実行が終了される。そして、生成されたスケジュール情報がモビリティ300に送信される。
【0038】
上記のように生成されたスケジュール情報がモビリティ300に送信されることで、各ユーザの希望に応じたタイミングで各対象場所における除雪が完了するようにモビリティ300を各対象場所に派遣することができる。ここで、仮に、ある対象場所における除雪が完了してから、ユーザが希望した完了タイミングまでにある程度の時間が空くと、この間に雪が降った場合に、該対象場所に再度雪が積もってしまう。その結果、本来の完了タイミングにおいては、対象場所に雪が積もった状態となる虞がある。そのため、各対象場所における除雪は各ユーザの希望に応じたタイミングで完了することが望まれる。本実施形態に係る除雪管理システム1によれば、ユーザからの依頼に応じて、様々な場所の除雪を、モビリティ300を利用して好適なタイミングで行うことができる。
【0039】
(変形例1)
以下、本実施例に係る除雪管理システムの第1変形例について説明する。各対象場所においてモビリティ300が除雪作業を行うときには、除雪した雪の捨て場所(以下、単に「捨て場所」と称する場合もある。)が必要となる場合がある。そこで、本変形例では、管理サーバ200において、制御部210は、派遣スケジュールを決定するときに、各対象場所に対応する捨て場所に関する情報を取得する。
【0040】
このとき、対象場所に対応する捨て場所に関する情報がユーザ情報として各ユーザ端末100から管理サーバ200に送信されてもよい。この場合、各ユーザによって、ユーザ端末100に、対象場所に対応する捨て場所が入力される。また、管理サーバ200のユーザ情報DB230に、対象場所に関する情報と共に、対応する捨て場所に関する情報が格納される。そして、制御部210は、ユーザ情報DB230から、対象場所に関する情
報と共に捨て場所に関する情報を取得する。また、管理サーバ200の地図情報DB240に、対象場所となり得る場所毎に、対応する捨て場所に関する情報が予め格納されていてもよい。この場合、制御部210は、地図情報DB240から捨て場所に関する情報を取得する。
【0041】
ここで、捨て場所の位置に応じて、対象場所においてモビリティ300によって除雪を行うために必要な所要時間が異なると考えられる。例えば、対象場所の地の敷地内に捨て場所が存在する場合は、対象場所から離れた位置に捨て場所が存在する場合に比べて、該対象場所についての所要時間は短くなると考えられる。そこで、本変形例においては、制御部210が、上記のような雪情報および広さ情報に加え、捨て場所に関する情報に基づいて所要時間を予測する。これにより、各対象場所においてモビリティ300によって除雪を行うために必要な所要時間をより高い精度で予測することができる。
【0042】
(変形例2)
次に、本実施例に係る除雪管理システムの第2変形例について説明する。本変形例では、管理サーバ200において、図7に示すように、ユーザ情報DB230に、本システムを利用する各ユーザのユーザIDと、各ユーザによって登録された対象場所に関する情報とが互いに紐づいた状態で予め格納されている。このとき、除雪を希望するユーザは、ユーザ端末100の入力部130に対して完了タイミングのみを入力する。このような場合、管理サーバ200の制御部210は、ユーザ情報DB230から各ユーザについての対象場所に関する情報を抽出すること、および、各ユーザ端末100から各ユーザについての完了タイミングに関する情報を受信することによって、複数のユーザそれぞれについてのユーザ情報を取得することができる。
【0043】
<その他の実施形態>
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。また、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
【0044】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0045】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク、ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、または光学式カードのような、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0046】
1・・・除雪管理システム
100・・ユーザ端末
110、210、310・・制御部
120、220、320・・通信部
130・・入力部
200・・管理サーバ
201・・プロセッサ
202・・主記憶部
203・・補助記憶部
204・・通信インターフェース
230・・ユーザ情報データベース
240・・地図情報データベース
300・・除雪用モビリティ
330・・記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7