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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】画像形成装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20231121BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231121BHJP
   G03G 15/20 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G03G15/00 303
G03G21/00 384
G03G15/20 505
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2020110301
(22)【出願日】2020-06-26
(65)【公開番号】P2022007373
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2022-11-21
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】野々山 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】神谷 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】酒井 克英
(72)【発明者】
【氏名】舛田 純一
(72)【発明者】
【氏名】木村 拓
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-099329(JP,A)
【文献】特開2019-108218(JP,A)
【文献】特開2020-086021(JP,A)
【文献】特開2013-044812(JP,A)
【文献】特開2018-001572(JP,A)
【文献】特開2019-112180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 21/00
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成して出力する画像形成手段と、
前記記録媒体が封筒であるか否かを判断する判断手段と、
前記記録媒体の坪量を取得する坪量取得手段と、
前記判断手段が前記記録媒体が封筒であると判断した場合、封筒用に作成された制御テーブルであって坪量と前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータとの関係が規定された制御テーブルを用いて、前記坪量取得手段によって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定し、前記判断手段が前記記録媒体が封筒ではないと判断した場合、封筒以外の記録媒体用に作成された制御テーブルを用いて、前記坪量取得手段によって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定する決定手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記判断手段は、前記記録媒体に空洞部があるか否かを判断することにより、前記記録媒体が封筒であるか否かを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記記録媒体に関する情報を超音波で判断し、超音波の減衰量が所定値以上の場合、前記記録媒体が封筒であるかどうかを判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合に、前記坪量取得手段によって取得される封筒の坪量が所定値よりも高い場合に第1の制御パラメータを選択し、前記坪量取得手段によって取得される封筒の坪量が前記所定値よりも低い場合に前記第1の制御パラメータとは異なる第2の制御パラメータを選択することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
所定の搬送路において前記画像形成手段による画像形成が行われる位置よりも上流側に設けられ、前記搬送路に沿って搬送される前記記録媒体の坪量を検出する坪量検出手段、
を更に備え、
前記坪量取得手段は、前記坪量検出手段によって検出される坪量を取得することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記坪量取得手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒でないと判断された場合に前記坪量検出手段による坪量の検出方法を第1の方法に設定し、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合に前記坪量検出手段による坪量の検出方法を前記第1の方法とは異なる第2の方法に設定することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記坪量検出手段は、光透過型センサー及び光反射型センサーの少なくとも一方を備えて構成されることを特徴とする請求項5または6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記坪量検出手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合には、前記記録媒体が封筒でないと判断された場合と比較して、前記光透過型センサー又は前記光反射型センサーの光量若しくは感度を上げることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記坪量取得手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合に、前記坪量検出手段に前記記録媒体の坪量を検出させることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記坪量取得手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合、前記坪量検出手段に封筒のフラップ部で坪量の検出を行わせることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記搬送路において前記坪量検出手段よりも更に上流側に設けられるフラップ検出手段、
を更に備え、
前記坪量取得手段は、前記フラップ検出手段によって封筒のフラップ部が検出されることに伴って前記坪量検出手段に坪量の検出を行わせることを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記坪量取得手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合、前記坪量検出手段に、封筒のフラップ部以外のシートの重なった部分で坪量の検出を行わせることを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記坪量取得手段は、ユーザーによる坪量の入力操作を受け付け、ユーザーによって入力される坪量を前記記録媒体の坪量として取得することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記判断手段は、ユーザーによる封筒であるか否かの選択操作を受け付け、ユーザーによって封筒であることが選択された場合に前記記録媒体が封筒であると判断することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記搬送路において前記画像形成手段による画像形成が行われる位置よりも上流側に設けられ、前記搬送路に沿って搬送される前記記録媒体が封筒であることを検出する封筒検出手段、
を更に備え、
前記判断手段は、前記封筒検出手段によって前記記録媒体が封筒であることが検出されることによって前記記録媒体が封筒であると判断することを特徴とする請求項5乃至12のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記封筒検出手段は、超音波センサーによって構成されることを特徴とする請求項15に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記決定手段は、前記記録媒体に画像を定着させる定着ローラーによる搬送速度、前記記録媒体に画像が転写される位置と前記定着ローラーとの間における前記記録媒体のループ形成の有無、前記定着ローラーによる定着温度、及び、前記定着ローラーによる圧接力、のうちの少なくとも1つの制御パラメータを決定することを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記決定手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合、前記坪量取得手段によって取得される前記記録媒体の坪量に応じて前記記録媒体に画像を定着させる定着ローラーによる搬送速度を変化させることを特徴とする請求項4乃至17のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記決定手段は、前記坪量取得手段によって取得される前記記録媒体の坪量が所定値よりも低い場合、前記定着ローラーによる搬送速度を通常搬送速度よりも高くすることを特徴とする請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
外部装置と通信を行う通信手段、
を更に備え、
前記坪量取得手段は、前記通信手段を介して前記外部装置から前記記録媒体の坪量を取得することが可能であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記判断手段は、前記通信手段を介して前記外部装置から前記記録媒体が封筒であることが指定された場合に前記記録媒体が封筒であると判断することが可能であることを特徴とする請求項20に記載の画像形成装置。
【請求項22】
記録媒体に画像を形成して出力する画像形成装置の制御方法であって、
前記記録媒体が封筒であるか否かを判断する判断ステップと、
前記記録媒体の坪量を取得する坪量取得ステップと、
前記判断ステップにおいて前記記録媒体が封筒であると判断された場合、封筒用に作成された制御テーブルであって坪量と前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータとの関係が規定された制御テーブルを用いて、前記坪量取得ステップによって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定し、前記判断ステップにおいて前記記録媒体が封筒ではないと判断された場合、封筒以外の記録媒体用に作成された制御テーブルであって坪量と前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータとの関係が既定された制御テーブルを用いて、前記坪量取得ステップによって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定する決定ステップと、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項23】
前記判断ステップは、前記記録媒体に空洞部があるか否かを判断することにより、前記記録媒体が封筒であるかどうかを判断することを含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【請求項24】
前記判断ステップは、前記記録媒体に関する情報を超音波で判断し、超音波の減衰量が所定値以上の場合、前記記録媒体が封筒であるかどうかを判断することを含むことを特徴とする請求項22に記載の制御方法。
【請求項25】
記録媒体に画像を形成して出力する画像形成装置において実行されるプログラムであって、前記画像形成装置に、
前記記録媒体が封筒であるか否かを判断する判断ステップと、
前記記録媒体の坪量を取得する坪量取得ステップと、
前記判断ステップにおいて前記記録媒体が封筒であると判断された場合、封筒用に作成された制御テーブルであって坪量と前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータとの関係が規定された制御テーブルを用いて、前記坪量取得ステップによって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定し、前記判断ステップにおいて前記記録媒体が封筒ではないと判断された場合、封筒以外の記録媒体用に作成された制御テーブルであって坪量と前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータとの関係が既定された制御テーブルを用いて、前記坪量取得ステップによって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定する決定ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項26】
前記判断ステップは、前記記録媒体に空洞部があるか否かを判断することにより、前記記録媒体が封筒であるかどうかを判断することを含むことを特徴とする請求項25に記載のプログラム。
【請求項27】
前記判断ステップは、前記記録媒体に関する情報を超音波で判断し、超音波の減衰量が所定値以上の場合、前記記録媒体が封筒であるかどうかを判断することを含むことを特徴とする請求項25に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置制御方法及びプログラムに関し、特に画像形成の対象となる記録媒体が封筒である場合に、封筒に適した画像形成を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタやMFP(Multifunction Peripherals)などの画像形成装置において、印刷用紙などのシートの厚さを測定し、その測定した厚さに基づいてシートに関する設定を行って画像形成を行うものが知られている(例えば特許文献1)。また、従来、封筒に対して画像形成を行うことができる画像形成装置も知られている(例えば特許文献2)。
【0003】
近年、画像形成装置において画像形成の対象として使用される封筒の種類が増加傾向にあり、封筒の種類によって様々な厚さのものが存在する。画像形成装置による画像形成の対象である記録媒体として封筒を使用した場合、通常の印刷用紙などのシートと比較すると、封筒が定着器を通過する際にシワが発生しやすいという課題がある。そのため、画像形成装置が封筒を記録媒体として画像形成を行う際には、シートに対して画像形成を行う場合とは異なる制御を行うことにより、封筒に発生するシワを抑制するようにしている。
【0004】
ところが、従来の画像形成装置は、記録媒体が封筒であれば、予め定められた封筒用の設定値を一律に適用して画像形成を行うものである。つまり、従来の画像形成装置は、厚さの薄い封筒が使用される場合と、厚さの厚い封筒が使用される場合とで同じ設定値を適用して画像形成を行っている。
【0005】
しかし、一般的には、厚さの薄い封筒は、厚さの厚い封筒に比べると、定着器を通過する際にシワがより一層発生しやすいという特性がある。そのため、従来の画像形成装置は、厚さの薄い封筒を記録媒体として画像形成を行う場合には、依然として封筒にシワを発生させてしまうことがあり、印刷物の品質が低下するという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2018-10056号公報
【文献】特開2017-211634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、封筒の種類に応じて適切な画像形成を行うことを可能にした画像形成装置制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像形成装置であって、記録媒体に画像を形成して出力する画像形成手段と、前記記録媒体が封筒であるか否かを判断する判断手段と、前記記録媒体の坪量を取得する坪量取得手段と、前記判断手段が前記記録媒体が封筒であると判断した場合、封筒用に作成された制御テーブルであって坪量と前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータとの関係が規定された制御テーブルを用いて、前記坪量取得手段によって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定し、前記判断手段が前記記録媒体が封筒ではないと判断した場合、封筒以外の記録媒体用に作成された制御テーブルを用いて、前記坪量取得手段によって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定する決定手段と、を備えることを特徴とする構成である。
請求項2に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記判断手段は、前記記録媒体に空洞部があるか否かを判断することにより、前記記録媒体が封筒であるか否かを判断することを特徴とする構成である。
請求項3に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記判断手段は、前記記録媒体に関する情報を超音波で判断し、超音波の減衰量が所定値以上の場合、前記記録媒体が封筒であるかどうかを判断することを特徴とする構成である。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかの画像形成装置において、前記決定手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合に、前記坪量取得手段によって取得される封筒の坪量が所定値よりも高い場合に第1の制御パラメータを選択し、前記坪量取得手段によって取得される封筒の坪量が前記所定値よりも低い場合に前記第1の制御パラメータとは異なる第2の制御パラメータを選択することを特徴とする構成である
【0010】
請求項に係る発明は、請求項1乃至のいずれかの画像形成装置において、所定の搬送路において前記画像形成手段による画像形成が行われる位置よりも上流側に設けられ、前記搬送路に沿って搬送される前記記録媒体の坪量を検出する坪量検出手段、を更に備え、前記坪量取得手段は、前記坪量検出手段によって検出される坪量を取得することを特徴とする構成である。
【0011】
求項に係る発明は、請求項の画像形成装置において、前記坪量取得手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒でないと判断された場合に前記坪量検出手段による坪量の検出方法を第1の方法に設定し、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合に前記坪量検出手段による坪量の検出方法を前記第1の方法とは異なる第2の方法に設定することを特徴とする構成である
【0012】
請求項に係る発明は、請求項5または6の画像形成装置において、前記坪量検出手段は、光透過型センサー及び光反射型センサーの少なくとも一方を備えて構成されることを特徴とする構成である。
【0013】
求項に係る発明は、請求項の画像形成装置において、前記坪量検出手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合には、前記記録媒体が封筒でないと判断された場合と比較して、前記光透過型センサー又は前記光反射型センサーの光量若しくは感度を上げることを特徴とする構成である
【0014】
求項に係る発明は、請求項の画像形成装置において、前記坪量取得手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合に、前記坪量検出手段に前記記録媒体の坪量を検出させることを特徴とする構成である
【0015】
求項10に係る発明は、請求項5乃至8のいずれかの画像形成装置において、前記坪量取得手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合、前記坪量検出手段に封筒のフラップ部で坪量の検出を行わせることを特徴とする構成である
【0016】
請求項11に係る発明は、請求項10の画像形成装置において、前記搬送路において前記坪量検出手段よりも更に上流側に設けられるフラップ検出手段、を更に備え、前記坪量取得手段は、前記フラップ検出手段によって封筒のフラップ部が検出されることに伴って前記坪量検出手段に坪量の検出を行わせることを特徴とする構成である。
【0017】
求項12に係る発明は、請求項5乃至9のいずれかの画像形成装置において、前記坪量取得手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合、前記坪量検出手段に、封筒のフラップ部以外のシートの重なった部分で坪量の検出を行わせることを特徴とする構成である
【0018】
請求項13に係る発明は、請求項1乃至12のいずれかの画像形成装置において、前記坪量取得手段は、ユーザーによる坪量の入力操作を受け付け、ユーザーによって入力される坪量を前記記録媒体の坪量として取得することを特徴とする構成である。
【0019】
請求項14に係る発明は、請求項1の画像形成装置において、前記判断手段は、ユーザーによる封筒であるか否かの選択操作を受け付け、ユーザーによって封筒であることが選択された場合に前記記録媒体が封筒であると判断することを特徴とする構成である。
【0020】
請求項15に係る発明は、請求項5乃至12のいずれかの画像形成装置において、前記搬送路において前記画像形成手段による画像形成が行われる位置よりも上流側に設けられ、前記搬送路に沿って搬送される前記記録媒体が封筒であることを検出する封筒検出手段、を更に備え、前記判断手段は、前記封筒検出手段によって前記記録媒体が封筒であることが検出されることによって前記記録媒体が封筒であると判断することを特徴とする構成である。
【0021】
請求項16に係る発明は、請求項15の画像形成装置において、前記封筒検出手段は、超音波センサーによって構成されることを特徴とする構成である。
【0022】
請求項17に係る発明は、請求項1乃至16のいずれかの画像形成装置において、前記決定手段は、前記記録媒体に画像を定着させる定着ローラーによる搬送速度、前記記録媒体に画像が転写される位置と前記定着ローラーとの間における前記記録媒体のループ形成の有無、前記定着ローラーによる定着温度、及び、前記定着ローラーによる圧接力、のうちの少なくとも1つの制御パラメータを決定することを特徴とする構成である。
【0023】
求項18に係る発明は、請求項4乃至17のいずれかの画像形成装置において、前記決定手段は、前記判断手段によって前記記録媒体が封筒であると判断された場合、前記坪量取得手段によって取得される前記記録媒体の坪量に応じて前記記録媒体に画像を定着させる定着ローラーによる搬送速度を変化させることを特徴とする構成である
【0024】
請求項19に係る発明は、請求項18の画像形成装置において、前記決定手段は、前記坪量取得手段によって取得される前記記録媒体の坪量が所定値よりも低い場合、前記定着ローラーによる搬送速度を通常搬送速度よりも高くすることを特徴とする構成である。
【0030】
請求項20に係る発明は、請求項1乃至19のいずれかの画像形成装置において、外部装置と通信を行う通信手段、を更に備え、前記坪量取得手段は、前記通信手段を介して前記外部装置から前記記録媒体の坪量を取得することが可能であることを特徴とする構成である。
【0031】
請求項21に係る発明は、請求項20の画像形成装置において、前記判断手段は、前記通信手段を介して前記外部装置から前記記録媒体が封筒であることが指定された場合に前記記録媒体が封筒であると判断することが可能であることを特徴とする構成である
【0032】
請求項22に係る発明は、記録媒体に画像を形成して出力する画像形成装置の制御方法であって、前記記録媒体が封筒であるか否かを判断する判断ステップと、前記記録媒体の坪量を取得する坪量取得ステップと、前記判断ステップにおいて前記記録媒体が封筒であると判断された場合、封筒用に作成された制御テーブルであって坪量と前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータとの関係が規定された制御テーブルを用いて、前記坪量取得ステップによって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定し、前記判断ステップにおいて前記記録媒体が封筒ではないと判断された場合、封筒以外の記録媒体用に作成された制御テーブルであって坪量と前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータとの関係が既定された制御テーブルを用いて、前記坪量取得ステップによって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定する決定ステップと、を有することを特徴とする構成である。
請求項23に係る発明は、請求項22の制御方法において、前記判断ステップは、前記記録媒体に空洞部があるか否かを判断することにより、前記記録媒体が封筒であるかどうかを判断することを含むことを特徴とする構成である。
請求項24に係る発明は、請求項22の制御方法において、前記判断ステップは、前記記録媒体に関する情報を超音波で判断し、超音波の減衰量が所定値以上の場合、前記記録媒体が封筒であるかどうかを判断することを含むことを特徴とする構成である。
請求項25に係る発明は、記録媒体に画像を形成して出力する画像形成装置において実行されるプログラムであって、前記画像形成装置に、前記記録媒体が封筒であるか否かを判断する判断ステップと、前記記録媒体の坪量を取得する坪量取得ステップと、前記判断ステップにおいて前記記録媒体が封筒であると判断された場合、封筒用に作成された制御テーブルであって坪量と前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータとの関係が規定された制御テーブルを用いて、前記坪量取得ステップによって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定し、前記判断ステップにおいて前記記録媒体が封筒ではないと判断された場合、封筒以外の記録媒体用に作成された制御テーブルであって坪量と前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータとの関係が既定された制御テーブルを用いて、前記坪量取得ステップによって取得される坪量に対応した前記記録媒体の搬送速度の制御パラメータを決定する決定ステップと、を実行させることを特徴とする構成である。
請求項26に係る発明は、請求項25のプログラムにおいて、前記判断ステップは、前記記録媒体に空洞部があるか否かを判断することにより、前記記録媒体が封筒であるかどうかを判断することを含むことを特徴とする構成である。
請求項27に係る発明は、請求項25のプログラムにおいて、前記判断ステップは、前記記録媒体に関する情報を超音波で判断し、超音波の減衰量が所定値以上の場合、前記記録媒体が封筒であるかどうかを判断することを含むことを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、記録媒体が封筒であると判断された場合には、封筒の坪量に応じた制御を決定して封筒に対する画像形成を行うことが可能である。つまり、封筒の種類に応じて適切な画像形成を行うことが可能であり、厚さの薄い封筒及び厚い封筒のいずれに対して画像形成を行う場合であっても、封筒にシワを発生させることなく、画像形成を行うことが可能であり、印刷物の品質低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】画像形成装置の外観構成の一例を示す図である。
図2】画像形成部の内部構造の一例を示す図である。
図3】封筒検出センサーの構成例を示す図である。
図4】坪量検出センサーの構成例を示す図である。
図5】ループ検出センサーの構成例を示す図である。
図6】画像形成装置の制御機構の一構成例を示すブロック図である。
図7】封筒検出センサー及び坪量検出センサーの動作を説明する図である。
図8】封筒の搬送態様を例示する図である。
図9】参照情報の一例を示す図である。
図10】コントローラによって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
図11】封筒制御決定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図12】操作パネルに表示される操作画面の例を示す図である。
図13】第3実施形態における画像形成装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0036】
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態における画像形成装置1を示す図である。図1に示す画像形成装置1は、例えば、コピー機能、スキャン機能及びプリント機能などの複数の機能を備えたMFP(Multifunction Peripherals)として構成される。プリント機能に着目すると、画像形成装置1は、電子写真方式で画像形成を行うタイプの装置であって、タンデム方式でカラー画像を形成することが可能な装置である。この画像形成装置1は、装置本体の中央部に、画像形成部2を備えている。画像形成部2は、その下部に給紙トレイ3を備えており、給紙トレイ3に予めシートや封筒などの記録媒体を収容しておくことができる。また、画像形成部2は、装置本体の側面に開閉可能な手差しトレイ4を備えている。画像形成装置1は、給紙トレイ3又は手差しトレイ4にセットされている記録媒体を1枚ずつ給紙し、その記録媒体に画像形成を行って上部に設けられている排紙トレイ5に排出する。
【0037】
また、この画像形成装置1は、装置本体の上部に、画像読取部6を備えている。画像読取部6は、例えばコピー機能又はスキャン機能が選択された場合に、原稿の画像を読み取るためのものである。すなわち、画像読取部6は、ユーザーによってセットされる原稿を光学的に読み取って画像データを生成する。
【0038】
更に、画像形成装置1は、装置本体の正面側に、ユーザーインタフェースとなる操作パネル7を備えている。画像形成装置1は、操作パネル7に対してユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示し、ユーザーによる操作を受け付ける。
【0039】
図2は、画像形成装置1における画像形成部2の内部構造の一例を示す図である。図2では、手差しトレイ4が開放された状態を示している。図2に示すように給紙トレイ3には、複数枚の記録媒体9を収容可能である。また、手差しトレイ4にも複数枚の記録媒体9をセットすることができる。画像形成部2は、給紙トレイ3に収容される記録媒体9、又は、手差しトレイ4にセットされる記録媒体9を搬送し、その記録媒体9が所定位置を通過する際に記録媒体9に対して画像を形成し、その画像を定着させて排紙トレイ5に排出するように構成される。記録媒体9としては印刷用紙などのシートを使用することが可能である。また、記録媒体9は、封筒15を使用することも可能である。
【0040】
画像形成装置1は、装置本体の内部に、画像形成動作を統括的に制御するコントローラ8を備えている。コントローラ8は、画像形成部2に設けられている各部の動作を制御することにより、記録媒体9に対する画像の形成動作を制御する。
【0041】
画像形成部2は、画像を形成して記録媒体9に転写する画像形成ユニット10と、記録媒体9を搬送する搬送機構11と、記録媒体9に転写された画像を記録媒体9に定着させる定着部12とを有している。
【0042】
画像形成ユニット10は、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各色成分のトナー画像を生成するために設けられた複数のトナー画像生成部20と、各トナー画像生成部20に設けられている像担持体(感光体ドラム)を露光するための複数の露光部21と、トナー画像生成部20において生成されるトナー画像が一次転写される中間転写ベルト22と、中間転写ベルト22に一次転写されたトナー画像を記録媒体9に二次転写させる二次転写ローラー23とを備えている。
【0043】
画像形成ユニット10は、印刷対象となる画像データに基づいて複数のトナー画像生成部20と複数の露光部21とを駆動することにより、各トナー画像生成部20の像担持体に各色成分に対応した静電潜像を形成し、その静電潜像を各色成分のトナーで現像することにより、像担持体の表面上にトナー画像を生成する。画像形成ユニット10は、複数のトナー画像生成部20のそれぞれで生成される各色成分のトナー画像を、矢印F1方向に循環移動する中間転写ベルト22に対して順次に一次転写していくことで、中間転写ベルト22の表面上に各色成分のトナーが重畳されたカラー画像を生成する。そして画像形成ユニット10は、中間転写ベルト22上のカラー画像が二次転写ローラー23の位置を通過する際に、搬送機構11によって搬送される記録媒体9の表面にカラー画像を二次転写させる。
【0044】
尚、印刷対象となる画像データがモノクロ画像である場合、画像形成ユニット10は、K色に対応するトナー画像生成部20のみを動作させる。この場合、画像形成ユニット10は、中間転写ベルト22にモノクロ画像を一次転写した後、記録媒体9が二次転写ローラー23の位置を通過する際にモノクロ画像を記録媒体9に二次転写させる。
【0045】
搬送機構11は、給紙トレイ及び手差しトレイ4のいずれか一方から記録媒体9を給紙し、所定の搬送路33に沿って記録媒体9を矢印F2方向へ搬送する。搬送機構11は、給紙トレイ3から記録媒体9を搬送路33に向けて送り出すピックアップローラー31aと、ピックアップローラー31aによって送り出される記録媒体9を搬送路33へ給紙する給紙ローラー32aとを備えている。給紙ローラー32aは、ピックアップローラー31aによって複数枚の記録媒体9が送り出された場合に最上部にある1枚の記録媒体9だけを下流側の搬送路33へ給紙する機能を有している。また、搬送機構11は、手差しトレイ4から記録媒体9を搬送路33に向けて送り出すピックアップローラー31bと、ピックアップローラー31bによって送り出される記録媒体9を搬送路33へ給紙する給紙ローラー32bとを備えている。給紙ローラー32bは、ピックアップローラー31bによって複数枚の記録媒体9が送り出された場合に最上部にある1枚の記録媒体9だけを下流側の搬送路33へ給紙する機能を有している。
【0046】
また、搬送機構11は、二次転写ローラー23の上流側にレジストローラー34を備えている。レジストローラー34は、給紙ローラー32a,32bによって給紙される記録媒体9の先端を揃えた状態で記録媒体9の搬送を一旦停止させる。そしてレジストローラー34は、画像形成ユニット10によって中間転写ベルト22に形成された画像(カラー画像又はモノクロ画像)が二次転写ローラー23の位置へ移動してくるタイミングを見計らって記録媒体9を二次転写ローラー23の位置へ向けて供給する。
【0047】
また、搬送機構11は、定着部12において画像の定着処理が行われた記録媒体9を排紙トレイ5上へ排出する排出ローラー37を備えている。排出ローラー37は、画像が京成された記録媒体9を排出口38から排紙トレイ5上へ排出する。
【0048】
定着部12は、記録媒体9に対して画像が二次転写される二次転写ローラー23の位置よりも下流側に設けられる。定着部12は、記録媒体9に転写された画像を記録媒体9に定着させるための定着処理を行う。定着部12は、一対の定着ローラー35,36を備えている。一対の定着ローラー35,36のうち、一方の定着ローラー35は、後述するヒーターによって加熱されるローラーであり、記録媒体9に対して加熱処理を施す。他方の定着ローラー36は、定着ローラー35に対向して配置され、定着ローラー35の表面に圧接して記録媒体9に加圧処理を施す。定着ローラー35に対する定着ローラー36の圧接力は調整可能である。このように定着部12は、記録媒体9が一対の定着ローラー35,36のニップ部を通過する際に、加熱処理及び加圧処理を施すことにより、画像を記録媒体9に定着させる。
【0049】
また、画像形成装置1は、記録媒体9が搬送される搬送路33に、封筒検出センサー40と、坪量検出センサー50と、ループ検出センサー60とを備えている。
【0050】
封筒検出センサー40は、搬送路33において、給紙ローラー32a,32bとレジストローラー34との間に設けられ、給紙ローラー32a,32bによって給紙された記録媒体9が封筒15であるか否かを検出するセンサーである。
【0051】
図3は、封筒検出センサー40の構成例を示す図である。例えば、封筒検出センサー40は、超音波センサーによって構成される。図3(a)に示すように、封筒検出センサー40は、記録媒体9の搬送路33を挟んで互いに対向する位置に設けられる、超音波発信部41と、超音波受信部42とを備えている。超音波発信部41は、超音波受信部42に向けて所定周波数の超音波を発信する。搬送路33に沿って搬送される記録媒体9が封筒15である場合、2枚のシートが重なった部分の内側に空洞部16を有している。そのため、超音波発信部41から発信される超音波は、封筒15の空洞部16で減衰し、超音波受信部42によって受信される。これに対し、記録媒体9が封筒15ではなく、1枚のシートである場合、超音波発信部41から発信される超音波の減衰量は、封筒15の場合と比較して小さくなる。したがって、封筒検出センサー40は、超音波発信部41から発せられる超音波の減衰量が所定値以上であるか否かを検知することにより、記録媒体9が封筒15であるか否かを検出することが可能である。
【0052】
図3(b)は、封筒検出センサー40の詳細な構成例を示している。超音波発信部41は、駆動回路43と、発信素子44とを有している。駆動回路43は、発信素子44を駆動することにより、発信素子44に所定周波数(例えば300kHz)の超音波を発信させる。この超音波は、搬送路33を搬送される記録媒体9を介して超音波受信部42によって受信される。
【0053】
超音波受信部42は、受信素子45と、共振回路46と、増幅回路47と、整流回路48とを有している。受信素子45は、超音波を受信する素子であり、受信した超音波に応じた電気信号を出力する。共振回路46は、受信素子45から出力される電気信号に対して所定周波数(例えば300kHz)のフィルターをかけて超音波発信部41から発信された超音波の信号成分を抽出する。増幅回路47は、その超音波の信号成分を増幅して整流回路48へ出力する。整流回路48は、増幅された信号を整流することにより、受信素子45が受信した超音波強度に応じたアナログ電圧信号を生成して出力する。このアナログ電圧信号は、記録媒体9が封筒15であれば所定値未満の値となり、封筒15でなければ所定値以上の値となる。したがって、整流回路48から出力されるアナログ電圧信号は、記録媒体9が封筒15であるか否かを示す信号となる。
【0054】
また、封筒検出センサー40は、記録媒体9が封筒15である場合に、封筒15のフラップ部を検出するフラップ検出手段としても機能する。封筒15は、2枚のシートが重なった部分と、2枚のシートが重なっていないフラップ部とを有している。そのフラップ部が記録媒体9の搬送方向の先端側又は後端側に位置している場合、封筒検出センサー40は、2枚のシートが重なった部分の前又は後にフラップ部を検出することが可能である。
【0055】
次に、坪量検出センサー50は、搬送路33において給紙ローラー32a,32bとレジストローラー34との間に設けられ、給紙ローラー32a,32bによって給紙された記録媒体9の坪量を検出するセンサーである。本実施形態における坪量検出センサー50は、搬送路33において封筒検出センサー40の下流側に設けられている。
【0056】
図4は、坪量検出センサー50の構成例を示す図である。この坪量検出センサー50は、光透過型センサー及び光反射型センサーを備えている。すなわち、坪量検出センサー50は、搬送路33に向けて第1の光を照射する第1光源51と、搬送路33に向けて第2の光を照射する第2光源52と、受光素子53とを備えて構成される。第1光源51は、光反射型センサーの光源である。第2光源52は、光透過型センサーの光源である。受光素子53は、光透過型センサーと光反射型センサーの双方の受光素子を兼用する。
【0057】
第1光源51は、搬送路33に対して受光素子53と同じ側に配置されており、搬送路33に向けて第1の光を照射する。第1の光の照射領域を記録媒体9が通過すると、第1の光が記録媒体9の表面で反射され、その反射光が受光素子53に入射して検出される。
【0058】
また、第2光源52は、搬送路33を挟んで、第1光源51及び受光素子53の反対側に配置されており、搬送路33に対して第2の光を照射する。第2の光の照射領域を記録媒体9が通過すると、第2の光が記録媒体9を透過し、その透過光が受光素子53によって検出される。
【0059】
記録媒体9の坪量(単位面積当たりの重量)は、記録媒体9の厚みによって変化する。そのため、記録媒体9の坪量が大きいほど、第2光源52から照射される光の透過量が小さくなる。また、第2光源52から照射される光の透過量は、記録媒体9の色味によっても変化する。そのため、坪量検出センサー50は、第2光源52から照射された光の透過光量を測定することによって記録媒体9の坪量を検出し、第1光源51から照射された光の反射光を測定することによって記録媒体9の色味を検出する。そして坪量検出センサー50は、記録媒体9の色味に応じて透過光量に基づく坪量を補正することにより、色味の影響を除いた記録媒体9の坪量を検出する。
【0060】
次に、ループ検出センサー60は、記録媒体9に画像が二次転写される位置と定着ローラー35,36との間に配置される。ループ検出センサー60は、二次転写ローラー23の位置と定着ローラー35,36との間において記録媒体9が撓むことで形成される記録媒体9のループを検出するセンサーである。
【0061】
図5は、ループ検出センサー60の構成例を示す図である。二次転写ローラー23の位置と定着ローラー35,36との間で記録媒体9にループが形成されていない場合、記録媒体9は、図中破線で示す経路L1を通る。これに対し、二次転写ローラー23の位置と定着ローラー35,36との間で記録媒体9にループが形成されると、記録媒体9は、図中実線で示す経路L2を通る。ループ検出センサー60は、そのループの大きさを検知することができる。尚、記録媒体9のループは、ループ検出センサー60が配置されている一方向にのみ形成される。例えば、ループ検出センサー60は、記録媒体9のループが形成されることに伴い、そのループに当接して変位するアクチュエータ61を備えており、アクチュエータ61の位置に応じて記録媒体9のループの大きさを検出するように構成される。
【0062】
次に、画像形成装置1における制御機構について説明する。図6は、画像形成装置1の制御機構の一例を示すブロック図である。図6に示すように、画像形成装置1は、コントローラ8が上述した画像形成部2の動作を制御するように構成される。コントローラ8は、CPU70とメモリ71とを備えており、CPU70がメモリ71に記憶されているプログラム78を読み出して実行することにより画像形成部2を動作させる。また、コントローラ8には、操作パネル7と、通信部72とが接続されている。
【0063】
操作パネル7は、表示部7aと操作部7bとを備えている。表示部7aは、例えばカラー液晶ディスプレイによって構成され、ユーザーが操作可能な各種の操作画面を表示する。操作部7bは、タッチパネルキーなどによって構成され、ユーザーによる操作を受け付ける。コントローラ8は、操作パネル7を介してユーザーによって入力される情報を取得することが可能であり、ユーザーによって入力された情報に基づいて画像形成部2を制御することも可能である。
【0064】
通信部72は、LANなどのネットワークを介して外部装置と通信を行うものである。例えば、コントローラ8は、通信部72を介して印刷対象となる画像データを外部装置から取得することが可能である。また、コントローラ8は、通信部72を介して画像形成b2を制御するための情報を取得することも可能である。
【0065】
また、画像形成部2は、搬送ローラー駆動部73と、定着ローラー駆動部74と、定着ローラー圧接力調整部75と、ヒーター76とを備えている。
【0066】
搬送ローラー駆動部73は、例えば記録媒体9を搬送路33に沿って搬送するための各種ローラーを回転駆動するモーターなどによって構成される。搬送ローラー駆動部73は、ピックアップローラー31a,31b、給紙ローラー32a,32b、レジストローラー34、二次転写ローラー23、及び、排出ローラー37を含む複数のローラーを駆動する。ただし、搬送ローラー駆動部73による駆動力は、電磁クラッチを介して各種ローラーに伝達されるように構成されている。そのため、例えば記録媒体9の先端がレジストローラー34に到達したタイミングでレジストローラー34の駆動を停止させ、中間転写ベルト22に一次転写された画像が所定位置に到達したタイミングで再びレジストローラー34を駆動することにより、適切なタイミングで記録媒体9を二次転写ローラー23に供給することができる。
【0067】
搬送ローラー駆動部73は、記録媒体9の給紙動作を開始するとき、コントローラ8によって指定されるシステム速度を設定して各種ローラーを駆動する。システム速度は、記録媒体9を搬送路33に沿って搬送する際の搬送速度である。そして搬送ローラー駆動部73は、記録媒体9の搬送を開始した後、コントローラ8からシステム速度の変更が指示されると、その後の記録媒体9の搬送速度をシステム速度に応じて変更することが可能である。例えば、搬送ローラー駆動部73は、コントローラ8によって検知される記録媒体9の厚さに応じてシステム速度を変化させることができる。
【0068】
定着ローラー駆動部74は、定着ローラー35,36を回転駆動するモーターなどの駆動部である。つまり、定着ローラー35,36は、記録媒体9を搬送路33に沿って搬送するための各種ローラーとは別の駆動源によって回転駆動される。そのため、定着ローラー35,36による記録媒体9の搬送速度を、各種ローラーによる記録媒体9の搬送速度と同じ速度に設定したり、或いは、各種ローラーによる記録媒体9の搬送速度と異なる速度に設定したりすることができる。
【0069】
定着ローラー圧接力調整部75は、定着部12において定着ローラー35に対する定着ローラー36の圧接力を調整するものである。例えば、定着ローラー圧接力調整部75は、定着ローラー35に向けて定着ローラー36を押圧付勢しており、その押圧力を調整することにより、圧接力を調整する。
【0070】
ヒーター76は、定着部12の定着ローラー35を加熱する熱源である。ヒーター76は、コントローラ8によって駆動され、定着ローラー35を加熱して所定の定着温度を保持するように構成される。尚、定着温度は、記録媒体9の種類に応じて異なる。
【0071】
コントローラ8は、画像形成部2に設けられている、封筒検出センサー40、坪量検出センサー50及びループ検出センサー60のそれぞれの検出結果に基づき、搬送ローラー駆動部73、定着ローラー駆動部74、定着ローラー圧接力調整部75、及び、ヒーター76のそれぞれを制御するように構成される。尚、図6では図示を省略しているが、コントローラ8は、上述した画像形成ユニット10の動作も制御することは勿論である。以下、コントローラ8の詳細な構成及び動作について説明する。
【0072】
図6に示すように、コントローラ8のCPU70は、プログラム78を実行することにより、封筒判断部81、坪量取得部82、決定部83、及び、印刷制御部84として機能する。
【0073】
印刷制御部84は、画像形成部2を駆動して記録媒体9に対する画像形成動作を制御する。印刷制御部84は、通信部72を介して印刷ジョブの実行が指示された場合、或いは、操作パネル7を介して印刷ジョブの実行が指示された場合に、画像形成部2を駆動して記録媒体9に画像を形成するための印刷動作を開始する。印刷動作の開始に伴い、印刷制御部84は、搬送ローラー駆動部73を駆動し、給紙トレイ3及び手差しトレイ4のうちのユーザーによって指定されたトレイから記録媒体9を給紙し、搬送路33に沿って記録媒体9を搬送する。このとき、印刷制御部84は、例えば記録媒体9が普通紙であることを前提とし、普通紙に対応するシステム速度を設定して記録媒体9の搬送を開始する。また、印刷制御部84は、記録媒体9の搬送開始に伴い、画像形成ユニット10においてトナー画像を生成する動作を開始する。この印刷制御部84は、その後、決定部83による決定結果に基づいて、記録媒体9に画像を形成する際の制御を適宜変更することが可能である。
【0074】
封筒判断部81は、搬送路33を搬送される記録媒体9が封筒であるか否かを判断する処理部である。印刷制御部84によって記録媒体9の搬送が開始されると、封筒判断部81は、封筒検出センサー40を駆動し、記録媒体9が封筒検出センサー40の位置を通過する際に記録媒体9が封筒15であるか否かを検出させる動作を行わせる。そして封筒判断部81は、封筒検出センサー40から出力される検出結果を取得し、その検出結果に基づいて記録媒体9が封筒であるか否かを判断する。
【0075】
坪量取得部82は、搬送路33を搬送される記録媒体9の坪量を取得する処理部である。印刷制御部84によって記録媒体9の搬送が開始されると、坪量取得部82は、坪量検出センサー50を駆動し、記録媒体9が坪量検出センサー50の位置を通過する際に記録媒体9の坪量を検出させる動作を行わせる。そして坪量取得部82は、坪量検出センサー50から出力される坪量の検出結果を取得する。例えば、封筒判断部81によって記録媒体9が封筒15であると判断された場合、坪量取得部82は、坪量検出センサー50によって検出される封筒15の坪量を取得する。また、封筒判断部81によって記録媒体9が封筒15ではなく、1枚のシートであると判断された場合、坪量取得部82は、坪量検出センサー50によって検出される1枚のシートの坪量を取得する。
【0076】
記録媒体9が封筒15である場合、坪量検出センサー50が2枚のシートが重なった部分で検出する坪量と、2枚のシートが重なっていないフラップ部で検出する坪量とは異なる値となる。なぜなら、2枚のシートが重なった部分では第2光源52から照射された光の透過光量がフラップ部に比較すると低下すると共に、2枚のシートが重なった部分とフラップ部とでは色味が若干異なることがあり、第1光源51から照射された光の反射光量が変化するからである。そのため、坪量取得部82は、2枚のシートが重なっている部分とフラップ部とのいずれか一方で坪量を検出するように坪量検出センサー50を駆動する。
【0077】
図7は、封筒検出センサー40及び坪量検出センサー50の動作を説明する図である。封筒検出センサー40は記録媒体9が搬送される搬送路33において坪量検出センサー50よりも上流側に配置されている。そのため、図7(a)に示すように、搬送路33に沿って矢印F2方向へ搬送される記録媒体9は、まず封筒検出センサー40の位置を通過し、その後に坪量検出センサー50の位置を通過する。記録媒体9の搬送速度は既知であると共に、封筒検出センサー40と坪量検出センサー50との距離も既知である。そのため、封筒検出センサー40が検出している部分と同じ部分が坪量検出センサー50の位置を通過するタイミングを予測することができる。例えば図7(b)に示すように、封筒検出センサー40が封筒15の2枚のシートが重なっている部分17を検知しているとき、それと同じ部分17が所定時間経過後に坪量検出センサー50の位置を通過することになる。そのため、坪量取得部82は、封筒検出センサー40が封筒15の2枚のシートが重なっている部分17を検知してから所定時間経過後に坪量検出センサー50に坪量の検出動作を行わせることにより、図7(c)に示すように、封筒15の2枚のシートが重なっている部分17の坪量を検出させることができる。
【0078】
また、図7(c)に示すように、封筒検出センサー40が封筒15のフラップ部18を検知しているとき、そのフラップ部18は所定時間経過後に坪量検出センサー50の位置を通過することになる。そのため、坪量取得部82は、封筒検出センサー40が封筒15のフラップ部18を検知してから所定時間経過後に坪量検出センサー50に坪量の検出動作を行わせることにより、図7(d)に示すように、封筒15のフラップ部18の坪量を検出させることができる。
【0079】
坪量検出センサー50が封筒15のフラップ部18の坪量を検出する場合には、記録媒体9が1枚のシートである場合と同様にして坪量を検出することができる。しかし、坪量検出センサー50が封筒15の2枚のシートが重なった部分17の坪量を検出する場合には、第2光源52から照射された光の透過光量の低下や、第1光源51から照射された光の反射光量の変化が生じるため、坪量を適切に検出することができないことが起こり得る。そのため、坪量取得部82は、坪量検出センサー50において封筒15の2枚のシートが重なった部分17の坪量を検出させる場合には、記録媒体9が1枚のシートである場合の坪量検出方法とは異なる方法で坪量を検出させることが好ましい。すなわち、坪量取得部82は、封筒判断部81によって記録媒体9が封筒15でないと判断された場合には坪量検出センサー50による坪量の検出方法を第1の方法に設定し、封筒判断部81によって記録媒体9が封筒15であると判断された場合には坪量検出センサー50による坪量の検出方法を第1の方法とは異なる第2の方法に設定するのである。具体的には、坪量取得部82は、封筒判断部81によって記録媒体9が封筒15であると判断された場合には、記録媒体9が封筒15でないと判断された場合の第1の方法と比較して、坪量検出センサー50における光透過型センサー又は光反射型センサーの光量若しくは感度を上げた第2の方法により、坪量の検出を行わせる。これにより、第2光源52から照射された光の透過光量の低下や、第1光源51から照射された光の反射光量の変化による影響を低減することが可能であり、封筒15の坪量を適切に検出することができるようになる。
【0080】
尚、坪量検出センサー50が封筒15のフラップ部18の坪量を検出する場合には、上記のように坪量の検出方法を切り替える必要がないため、コントローラ8による処理負担が軽減される。ただし、記録媒体9が封筒15である場合、搬送路33を搬送される封筒15の種類又は向きによってはフラップ部18で坪量を検出することが困難なケースが想定される。図8は、搬送方向F2に搬送される複数種類の封筒15を例示する図である。例えば、図8(a)に示すように、封筒15のフラップ部18が搬送方向F2の後端側にある場合、フラップ部18は、坪量検出センサー50による検出位置を必ず通過する。そのため、図8(a)に示すような向きで封筒15が搬送される場合には、坪量検出センサー50は、封筒15のフラップ部18の坪量を検出することが可能である。また、封筒15のフラップ部18が搬送方向F2の先端側にある場合も同様に、フラップ部18が坪量検出センサー50による検出位置を必ず通過するため、坪量検出センサー50は、封筒15のフラップ部18の坪量を検出することが可能である。
【0081】
一方、図8(b)に示すように、封筒15のフラップ部18が搬送方向F2に直交する方向の端部にある場合、フラップ部18は必ずしも坪量検出センサー50による検出位置を通過するとは限らない。そのため、図8(b)に示すような向きで封筒15が搬送される場合には、坪量検出センサー50は、封筒15のフラップ部18の坪量を検出することができないことがある。このような場合、封筒検出センサー40も封筒15のフラップ部18を検出することができないため、坪量取得部82は、坪量検出センサー50に、封筒15の2枚のシートが重なった部分17の坪量を検出させることが好ましい。
【0082】
次に、決定部83は、封筒判断部81による判断結果と、坪量取得部82によって取得される坪量とに基づいて記録媒体9に画像を形成する際の制御を決定する処理部である。決定部83は、メモリ71に予め記憶されている参照情報79を読み出し、その参照情報79に基づいて制御を決定する。
【0083】
図9は、参照情報79の一例を示す図である。参照情報79は、記録媒体9の種類ごとに、システム速度Vsと、定着ローラー速度Vtと、ループ制御の有無と、定着温度Tと、定着ローラー圧接力FPとが予め定義された情報である。
【0084】
例えば、記録媒体9がシートであり、シートが普通紙である場合、参照情報79では、システム速度Vsとして第1速度V1が定義されている。第1速度V1は、例えば200mm/sである。また、定着ローラー速度Vtをシステム速度Vsと等しい速度とすること、ループ制御を「有り」とすること、定着温度Tを第1温度T1とすること、及び、定着ローラー圧接力FPを第1圧接力FP1とすることが定義されている。ループ制御とは、定着部12の上流側に記録媒体9のループを形成した状態で記録媒体9を定着部12へ供給する制御である。また、第1温度T1は、例えば170℃である。更に、第1圧接力FP1は、画像形成装置1において記録媒体9に画像を形成する際の標準的な圧接力(通常圧接力)である。
【0085】
また、記録媒体9がシートであり、シートが薄紙である場合、参照情報79では、システム速度Vsとして普通紙と同様に第1速度V1が定義されている。また、定着ローラー速度Vtをシステム速度Vsと等しい速度とすること、ループ制御を「有り」とすること、定着温度Tを第2温度T2とすること、及び、定着ローラー圧接力FPを第2圧接力FP2とすることが定義されている。第2温度T2は、例えば150℃である。また、第2圧接力FP2は、第1圧接力FP1よりも小さい圧接力である。すなわち、薄紙の場合は、普通紙よりも薄いため、定着温度Tを低くすることができると共に、定着ローラー36の圧接力FPも小さくことができる。
【0086】
また、記録媒体9がシートであり、シートが厚紙である場合、参照情報79では、システム速度Vsとして、第1速度V1よりも低速である第2速度V2が定義されている。また、定着ローラー速度Vtをシステム速度Vsと等しい速度とすること、ループ制御を「有り」とすること、定着温度Tを第2温度T2とすること、及び、定着ローラー圧接力FPを第3圧接力FP3とすることが定義されている。第2速度V2は、例えば100mm/sである。また、第3圧接力FP3は、第1圧接力FP1よりも大きい圧接力である。すなわち、厚紙の場合は、シートに対して画像が適切に転写されるようにシステム速度Vsを低下させているため、薄紙の場合と同様に定着温度Tを低くすることができる。ただし、厚紙に対して適切に画像を定着させるためには、定着ローラー36の圧接力FPを通常圧接力よりも大きくすることが好ましい。
【0087】
一方、記録媒体9が封筒15であって薄手封筒である場合、参照情報79では、システム速度Vsとして第1速度V1が定義されている。また、定着ローラー速度Vtをシステム速度Vsよりも数パーセント程度早い速度とすること、ループ制御を「無し」とすること、定着温度Tを第1温度T1よりも低い温度とすること、及び、定着ローラー圧接力FPを第1圧接力FP1よりも小さい圧接力とすることが定義されている。
【0088】
薄手封筒の場合、定着部12の上流側でループが形成されると、定着部12を通過する際にシワが生じやすい。特に薄手封筒にスキューが生じていると、シワの発生が顕著となる。この現象は、封筒15の2枚のシートが重なった部分17に生じている撓みが定着部12でそのまま定着されてしまうことで発生する。そのため、薄手封筒の場合には、定着部12の上流側でループが形成されないように、定着ローラー35,36による搬送速度(定着ローラー速度Vt)をシステム速度Vsよりも若干早い速度とすることが定義されている。ただし、定着ローラー35,36が薄手封筒を引っ張りすぎると、二次転写ローラー23で薄手封筒に二次転写される画像が乱れる可能性があるため、定着ローラー速度Vtとシステム速度Vsとの速度差は数パーセント以内に抑えておくことが好ましい。尚、定着部12の上流側にループが形成されないのであれば、定着ローラー速度Vtをシステム速度Vsと等しい速度に設定しても構わない。
【0089】
また、薄手封筒は、薄紙よりも厚いため、定着温度Tは、薄紙の場合よりも高くなる。ただし、定着ローラー圧接力FPは、薄紙の場合と同様の圧接力であっても構わない。
【0090】
また、記録媒体9が封筒15であって厚手封筒である場合、参照情報79では、システム速度Vsとして第2速度V2が定義されている。また、定着ローラー速度Vtをシステム速度Vsと等しい速度とすること、ループ制御を「有り」とすること、定着温度Tを第1温度T1よりも低い温度とすること、及び、定着ローラー圧接力FPを第1圧接力FP1と同じ通常圧接力とすることが定義されている。
【0091】
厚手封筒の場合、シートに対して画像が適切に転写されるようにシステム速度Vsを低下させているため、薄手封筒の場合と同様に定着温度Tを低くすることができる。ただし、厚手封筒の場合の定着温度Tは、薄手封筒の場合の定着温度Tよりも低い温度であっても構わない。また、厚手封筒に対して適切に画像を定着させるためには、薄手封筒の場合よりも定着ローラー36の圧接力FPを大きくすることが好ましいことから、通常圧接力と同じとなるように定義されている。
【0092】
尚、図9の例では、封筒15の例として薄手封筒と厚手封筒の2種類のみを示しているが、封筒15の厚さに応じて3種類以上の封筒について具体的な制御内容を定義した参照情報79を用いても構わない。
【0093】
決定部83は、上記のような参照情報79に基づき記録媒体9に画像を形成する際の制御を決定する。例えば、封筒判断部81によって記録媒体9が封筒15であると判断されると、決定部83は、坪量取得部82によって取得される封筒15の坪量に基づき、封筒15の厚さを特定し、封筒15が薄手封筒であるか、厚手封筒であるかを判断する。その結果、薄手封筒である場合、決定部83は、参照情報79の薄手封筒の欄を参照することにより、薄手封筒に適した、システム速度Vs、定着ローラー速度Vt、ループ制御「無し」、定着温度T、及び、定着ローラー圧接力FPを決定する。また、厚手封筒であると判断した場合、決定部83は、参照情報79の厚手封筒の欄を参照することにより、厚手封筒に適した、システム速度Vs、定着ローラー速度Vt、ループ制御「有り」、定着温度T、及び、定着ローラー圧接力FPを決定する。そして決定部83は、その決定結果を印刷制御部84へ出力する。
【0094】
尚、封筒判断部81によって記録媒体9が1枚のシートであると判断された場合も、決定部83は、参照情報79に基づいてシートの種類に応じた制御を決定し、その決定した制御を印刷制御部84へ通知する。
【0095】
決定部83による決定は、遅くとも記録媒体9の先端がレジストローラー34の下流側へ送り出される前に行われる。すなわち、決定部83は、記録媒体9の先端がレジストローラー34に到達する前、或いは、記録媒体9の先端がレジストローラー34に到達した後、レジストローラー34による記録媒体9の搬送が一時停止されている間に、その後の制御を決定する。
【0096】
印刷制御部84は、記録媒体9の搬送を開始した後、記録媒体9の先端がレジストローラー34に到達したタイミングで記録媒体9の搬送を一時停止させる。その後、印刷制御部84は、画像形成ユニット10において中間転写ベルト22に一次転写された画像が二次転写ローラー23の位置に到達するタイミングを見計らって、レジストローラー34を再駆動して記録媒体9の先端を二次転写ローラー23に向けて送り出す。このとき、印刷制御部84は、決定部83による決定結果を反映させた制御を行う。例えば、決定部83によってシステム速度Vsを低下させることが決定されている場合、印刷制御部84は、レジストローラー34の再駆動を行うときに、システム速度Vsを低下させ、記録媒体9の搬送速度を低下させる。また、印刷制御部84は、定着ローラー35,36による記録媒体9の搬送速度を、決定部83で決定された定着ローラー速度Vtに設定し、定着ローラー35,36を回転駆動させる。また、印刷制御部84は、決定部83で決定されたループ制御の有無に基づき、定着部12の上流側において記録媒体9のループを形成する制御やループを形成しない制御を行う。例えば、薄手封筒の場合には、ループ制御が「無し」と決定されるため、印刷制御部84は、ループ検出センサー60が記録媒体9のループを検出しないようにシステム速度Vsと定着ローラー速度Vtとの速度調整を行う。また、印刷制御部84は、ヒーター76を駆動することで定着部12における定着温度Tを決定部83で決定された温度に設定すると共に、定着ローラー圧接力調整部75を駆動することで定着ローラー36による圧接力を決定部83で決定された値に調整する。
【0097】
例えば、記録媒体9が封筒15である場合、印刷制御部84は、その封筒15の厚さに応じて封筒15に画像形成が行われる際の制御を切り替えることができる。言い換えると、印刷制御部84は、封筒15の厚さに応じた最適な制御パラメータを選択して封筒15に対する画像形成が行われるように制御する。そのため、厚手封筒が定着部12を通過するときには厚手封筒に適した第1の制御パラメータが適用された状態で厚手封筒に適した画像形成が行われるのに対し、薄手封筒が定着部12を通過するときには厚手封筒の場合とは異なる制御パラメータであって薄手封筒に適した第2の制御パラメータが適用された状態で薄手封筒に適した画像形成が行われる。そのため、本実施形態の画像形成装置1は、例えば厚さの薄い封筒15を記録媒体9として画像形成を行う場合であっても封筒15にシワを発生させてしまうことを抑制することが可能であり、印刷物の品質低下を抑制することが可能である。
【0098】
次に、図10は、コントローラ8によって行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、CPU70がプログラム78を実行することによって行われる処理である。また、この処理は、ユーザーによって印刷ジョブの実行が指示された場合に開始される処理である。
【0099】
この処理を開始すると、コントローラ8は、印刷ジョブの実行を開始する(ステップS1)。これに伴い、コントローラ8は、システム速度Vsを第1速度V1に設定する(ステップS2)。つまり、この時点では記録媒体9が封筒15であるか否かが判明していないため、コントローラ8は、記録媒体9が普通紙であることを前提としてシステム速度Vsを第1速度V1に設定する。そしてコントローラ8は、搬送ローラー駆動部73を駆動することにより、給紙トレイ3及び手差しトレイ4のいずれか一方から記録媒体9を搬送路33に供給して搬送する動作を開始する(ステップS3)。
【0100】
記録媒体9の搬送を開始すると、コントローラ8は、封筒検出センサー40が記録媒体9を検出したか否かを判断する(ステップS4)。封筒検出センサー40が記録媒体9を検出すると(ステップS4でYES)、コントローラ8は、封筒検出センサー40の検出結果に基づき、記録媒体9が封筒15であるか否かを判断する(ステップS5)。
【0101】
記録媒体9が封筒15である場合(ステップS5でYES)、コントローラ8は、坪量検出センサー50による検出方法として第2の方法を設定する(ステップS6)。例えば、コントローラ8は、上述したように第1光源51及び第2光源52の光量を通常の光量(1枚のシートの坪量を検出するときの光量)よりも上げたり、受光素子53の感度を通常の感度(1枚のシートの坪量を検出するときの感度)よりも上げることにより、封筒15の2枚のシートが重なった部分17で坪量を検出できる状態に設定する。その後、コントローラ8は、坪量検出センサー50を駆動して坪量検出センサー50から封筒15の坪量を取得する(ステップS7)。封筒15の坪量を取得することができると、コントローラ8は、封筒制御決定処理を実行する(ステップS8)。
【0102】
図11は、封筒制御決定処理(ステップS8)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。コントローラ8は、この処理を開始すると、坪量検出センサー50によって検出された封筒15の坪量が所定値以上であるか否かを判断する(ステップS20)。その結果、封筒15の坪量が所定値以上である場合(ステップS20でYES)、コントローラ8は、厚手封筒であると判定する(ステップS21)。厚手封筒であると判定すると、コントローラ8は、参照情報79に基づいてシステム速度Vsを設定変更する(ステップS22)。更に、コントローラ8は、参照情報79に基づいて、定着ローラー速度Vtの設定変更を行うと共に(ステップS23)、定着温度Tの設定変更を行う(ステップS24)。
【0103】
これに対し、封筒15の坪量が所定値未満である場合(ステップS20でNO)、コントローラ8は、薄手封筒であると判定する(ステップS25)。薄手封筒であると判定すると、コントローラ8は、参照情報79に基づいて定着ローラー速度Vtを設定変更する(ステップS26)。つまり、コントローラ8は、封筒15の坪量が所定値未満である場合、定着ローラー35,36による封筒15の搬送速度を、通常の搬送速度(第1速度v1)よりも高くする。また、コントローラ8は、ループ制御を行わないように設定変更する(ステップS27)。また、コントローラ8は、参照情報79に基づいて、定着温度Tの設定変更を行う(ステップS28)。つまり、コントローラ8は、封筒15の坪量が所定値未満である場合、定着ローラー35による定着温度Tを、通常定着温度(第1温度T1)よりも低い温度に設定変更する。また、コントローラ8は、定着ローラー36の圧接力の設定変更を行う(ステップS29)。つまり、コントローラ8は、封筒15の坪量が所定値未満である場合、定着ローラー36による圧接力FPを、通常圧接力(第1圧接力FP1)よりも弱い力に設定変更する。以上で、封筒制御決定処理が終了する。
【0104】
図10のフローチャートに戻り、コントローラ8は、その後の画像形成動作の制御を、封筒制御決定処理(ステップS8)で決定された制御に切り替える(ステップS9)。そしてコントローラ8は、切り替えた制御を適用してその後の画像形成動作を制御する。これにより、記録媒体9が封筒15であれば、封筒15の厚さに応じた制御が行われ、印刷物の品質低下を抑制することができる。
【0105】
また、記録媒体9が封筒15ではなく、1枚のシートであった場合(ステップS5でNO)、コントローラ8は、坪量検出センサー50による検出方法として第1の方法を設定する(ステップS10)。例えば、コントローラ8は、第1光源51及び第2光源52の光量を通常の光量に設定すると共に、受光素子53の感度を通常の感度に設定することにより、1枚のシートの坪量を適切に検出できる状態に設定する。その後、コントローラ8は、坪量検出センサー50を駆動して坪量検出センサー50からシートの坪量を取得する(ステップS11)。封筒15の坪量を取得することができると、コントローラ8は、シート制御決定処理を実行する(ステップS12)。このシート制御決定処理は、封筒制御決定処理と同様に、参照情報79に基づいてシートに画像形成が行われる際の制御を決定する処理である。シート制御決定処理が行われると、コントローラ8は、画像形成動作の制御を切り替える必要があるか否かを判断する(ステップS13)。印刷ジョブの実行開始時には、デフォルトとして普通紙を前提として設定がなされている。そのため、シートが普通紙以外の薄紙や厚紙である場合に、制御の切り替えが必要となる。コントローラ8は、画像形成動作の制御を切り替える必要があると判断すると(ステップS13でYES)、その後の画像形成動作の制御を、シート制御決定処理(ステップS12)で決定された制御に切り替える(ステップS14)。そしてコントローラ8は、切り替えた制御を適用してその後の画像形成動作を制御する。これにより、画像形成装置1において薄紙や厚紙に適した画像形成が行われる。
【0106】
これに対し、画像形成動作の制御を切り替える必要がないと判断した場合(ステップS13でNO)、コントローラ8は、画像形成動作の制御を切り替えることなく、その後の画像形成動作を制御する。これにより、画像形成装置1において普通紙に適した画像形成が行われる。
【0107】
その後、コントローラ8は、印刷ジョブの実行が終了するまで待機する(ステップS15)。そして印刷ジョブの実行が終了すると(ステップS15でYES)、コントローラ8による処理が全て終了する。
【0108】
以上のように、本実施形態の画像形成装置1は、所定の搬送路33に沿って搬送される記録媒体9に画像を形成して出力する画像形成部2と、記録媒体9が封筒15であるか否かを判断する封筒判断部81と、記録媒体9の坪量を取得する坪量取得部82と、封筒判断部81による判断結果と坪量取得部82によって取得される坪量とに基づいて記録媒体9に画像を形成する際の制御を決定する決定部83と、決定部83の決定結果に基づいて画像形成部2の動作を制御する印刷制御部84と、を備えている。したがって、画像形成装置1は、記録媒体9として封筒15を用いて画像形成を行う場合であっても、その封筒15の坪量に応じて最適な動作で画像形成を行うことが可能である。具体的には、厚手封筒に画像形成を行うときには、厚手封筒に応じた最適な動作で画像形成を行うことが可能であると共に、薄手封筒に画像形成を行うときには、薄手封筒に応じた最適な動作で画像形成を行うことが可能であり、薄手封筒にシワが発生することを抑制して高品質な印刷物を出力することができるようになる。
【0109】
尚、本実施形態では、坪量取得部82は、記録媒体9が封筒15であると判断された場合と記録媒体9が封筒15でないと判断された場合のそれぞれにおいて、坪量検出センサー50に坪量の検出を行わせる場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、坪量取得部82は、記録媒体9が封筒15であると判断された場合にのみ、坪量検出センサー50に封筒15の坪量の検出を行わせるようにしても構わない。記録媒体9が封筒15である場合に封筒15の坪量を検出させることにより、画像形成装置1は、封筒15の坪量に応じて最適な動作で画像形成を行うことが可能になる。
【0110】
また、図10に示したフローチャートでは、記録媒体9が封筒15でないと判断された場合に坪量検出センサー50による坪量の検出方法を第1の方法に設定し、記録媒体9が封筒15であると判断された場合に坪量検出センサー50による坪量の検出方法を第1の方法とは異なる第2の方法に設定する場合を例示した。しかし、これは、封筒15の2枚のシートが重なった部分17で坪量を検出することを前提した処理である。これに対し、記録媒体9が封筒15であると判断された場合に坪量検出センサー50に封筒15のフラップ部18で坪量の検出を行わせるのであれば、坪量検出センサー50による坪量の検出方法を第2の方法に設定する必要はなく、記録媒体9がシートである場合と同様に第1の方法を採用して坪量の検出を行えば良い。そのため、坪量検出センサー50による検出方法を切り替えるのに要する時間を省略することができるので、効率的な処理を実現することが可能である。
【0111】
また、本実施形態では、決定部83が、封筒判断部81の判断結果及び坪量取得部82によって取得される坪量に基づき、記録媒体9に画像を定着させる定着ローラー35,36の搬送速度、記録媒体9に画像が転写される位置と定着ローラー35,36との間における記録媒体9のループ形成の有無、定着ローラー35による定着温度、及び、定着ローラー36による圧接力、を含む複数の制御パラメータを決定する場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、決定部83は、上記複数の制御パラメータのうちの少なくとも1つの制御パラメータを決定するものであれば良い。
【0112】
また、本実施形態では、坪量検出センサー50が、光透過型センサー及び光反射型センサーを備えている場合を例示した。しかし、光透過型センサーと光反射型センサーとのいずれか一方のみであっても記録媒体9の坪量を検出することが可能である。そのため、坪量検出センサー50は、必ずしも光透過型センサー及び光反射型センサーとの双方を備えているものに限られず、いずれか一方のみを備えたものであっても構わない。
【0113】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、封筒判断部81が封筒検出センサー40の検出結果に基づいて記録媒体9が封筒15であるか否かを判断すると共に、坪量取得部82が坪量検出センサー50によって検出される坪量を取得する場合を例示した。これに対し、本実施形態では、記録媒体9の種類や記録媒体9の坪量に関する情報をユーザーが操作パネル7に対して入力する形態について説明する。尚、本実施形態における画像形成装置1の構成は、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0114】
本実施形態では、画像形成装置1が印刷ジョブの実行を開始する前に、コントローラ8において封筒判断部81及び坪量取得部82が機能する。すなわち、ユーザーが操作パネル7を操作して印刷ジョブに関する設定操作を行っているときに、封筒判断部81及び坪量取得部82のそれぞれが機能する。そしてコントローラ8は、操作パネル7に対して記録媒体9の種類や記録媒体9の坪量をユーザーが入力可能な操作画面を表示する。
【0115】
図12は、操作パネル7の表示部7aに表示される操作画面の例を示す図である。図12(a)は、記録媒体9の種類を選択する画面G1を示している。例えば、封筒判断部81は、操作パネル7の表示部7aに対して図12(a)に示す画面G1を表示し、ユーザーによる操作を受け付ける。画面G1には、記録媒体9の種類に応じた複数のボタンB1,B2,B3,B4が表示されている。ユーザーは、操作パネル7に対して印刷ジョブの設定操作を行っているとき、画面G1が表示されると、複数のボタンB1~B4のうちから1つのボタンを選択して操作することにより、画像形成装置1に対して記録媒体9の種類を指定することができる。図12(a)では、ユーザーによって封筒のボタンB4が選択された場合を例示している。
【0116】
本実施形態の封筒判断部81は、上記のような画面G1に対して行われるユーザーの選択操作を受け付ける。そして封筒判断部81は、ユーザーが画面G1において封筒のボタンB4が選択された場合に記録媒体9が封筒であると判断する。したがって、本実施形態では、画像形成装置1において印刷ジョブの実行が開始される前に、記録媒体9が封筒であるか否かを特定することができるようになる。
【0117】
図12(b)は、ユーザーが封筒を選択した場合に表示される画面G2である。画面G2は、封筒の坪量を入力する画面となっている。この画面G2には、封筒の坪量を表示する坪量表示欄R1が設けられており、その坪量表示欄R1の下方位置にユーザーが数値を入力するためのボタン群B5が表示されている。ユーザーは、記録媒体9として封筒を選択した場合、この画面G2に対する操作を行うことで画像形成に使用する封筒の坪量を自ら手動入力することができる。
【0118】
本実施形態の坪量取得部82は、上記のような画面G2に対して行われるユーザーの操作を受け付ける。そして坪量取得部82は、ユーザーによって画面G2に入力される坪量を、画像形成に使用される封筒の坪量として取得する。したがって、本実施形態では、画像形成装置1において印刷ジョブの実行が開始される前に、封筒の坪量を取得することも可能である。
【0119】
ところが、ユーザーにとっては、記録媒体9として使用する封筒の坪量を自身で把握することが難しいこともある。そのため、コントローラ8は、図12(b)の画面G2に代えて、図12(c)に示すような画面G3を表示部7aに表示させるようにしても良い。図12(c)に示す画面G3は、画像形成装置1に予め登録されている複数種類の封筒画像(サムネイル画像)B7,B8,B9,B10を一覧形式で表示する画面である。各封筒画像B7~B10は、ユーザーが選択操作可能なボタンとしての機能を備えている。そのため、ユーザーは、画像形成に使用する封筒の坪量が分からない場合であっても、画面G3に表示される複数の封筒画像B7~B10の中から画像形成に使用する封筒を特定して選択することができる。例えば、コントローラ8のメモリ71には、画像形成装置1に予め登録される封筒画像と封筒の坪量とが対応付けられた封筒情報が記憶されており、ユーザーによって1つの封筒画像が選択されると、その封筒画像に対応する封筒の坪量を取得することができるようになる。すなわち、坪量取得部82は、画面G3に対して行われるユーザーの操作を受け付け、ユーザーによって選択された封筒画像に基づいて封筒情報を参照することにより、画像形成に使用される封筒の坪量を取得する。この場合も、画像形成装置1において印刷ジョブの実行が開始される前に、封筒の坪量を取得することが可能である。
【0120】
このように本実施形態の画像形成装置1は、印刷ジョブの実行開始前に、ユーザーによって入力される情報に基づいて、記録媒体9が封筒であるか否かを判断することができると共に、記録媒体9が封筒である場合にその封筒の坪量も取得することができる。そのため、画像形成装置1は、ユーザーによる印刷ジョブの実行指示に基づいて印刷ジョブの実行を開始するときには、封筒の坪量に対応した各種の制御パラメータを初期設定することが可能であり、記録媒体9である封筒の搬送動作を開始した後にシステム速度Vs等を変更する必要がない。
【0121】
また、本実施形態の画像形成装置1は、第1実施形態と同様に、記録媒体9が封筒である場合に、その封筒の坪量に応じた画像形成を行うことができるので、仮に記録媒体9が厚さの薄い薄手封筒であったとしても封筒にシワを生じさせない状態で画像形成を行うことが可能である。
【0122】
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1実施形態で説明したものと同様である。例えば、画像形成装置1は、第1実施形態で説明したように、記録媒体9の搬送路33に沿って封筒検出センサー40と坪量検出センサー50とが配置された構成を備えたものであっても構わない。そのため、ユーザーが印刷ジョブの実行前に、記録媒体9の種類を指定しなかった場合、或いは、封筒の坪量を指定しなかった場合には、画像形成装置1は、第1実施形態で説明した動作を行うことで、記録媒体9が封筒であっても封筒の坪量に応じた適切な画像形成動作を行うことができる。
【0123】
また、本実施形態の画像形成装置1は、封筒検出センサー40と坪量検出センサー50とを備えていないものであっても構わない。
【0124】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、画像形成装置1が外部装置から、坪量を含む記録媒体9に関する情報を取得する形態について説明する。尚、本実施形態における画像形成装置1の構成は、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0125】
図13は、第3実施形態における画像形成装置1の構成例を示す図である。この画像形成装置1は、LANなどのネットワーク100を介して外部の情報処理装置101に接続されている。情報処理装置101は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)などで構成され、ネットワーク100を介して画像形成装置1と通信を行うことが可能である。本実施形態では、画像形成装置1と情報処理装置101とによって画像形成システムが構築される。尚、画像形成システムには、画像形成装置1及び情報処理装置101以外の装置が含まれていても構わない。
【0126】
情報処理装置101は、記録媒体測定装置110を備えている。記録媒体測定装置110は、上筐体111と下筐体112とが上下方向に所定間隔を隔てて互いに対向するように配置された概略コ字状の外形を有している。上筐体111と下筐体112との隙間は、記録媒体9を差し込むことが可能な差込空間113である。そして上筐体111及び下筐体112には、第1実施形態で説明した封筒検出センサー40及び坪量検出センサー50と同様の構成が内蔵される。すなわち、第1実施形態では、記録媒体9の搬送路33を挟み込む状態で封筒検出センサー40及び坪量検出センサー50のそれぞれが配置される例を説明したが、本実施形態では差込空間113を挟み込む状態で封筒検出センサー40及び坪量検出センサー50のそれぞれが配置される。したがって、記録媒体測定装置110は、差込空間113に記録媒体9が差し込まれた状態で封筒検出センサー40及び坪量検出センサー50を作動させることにより、記録媒体9が封筒であるか否かを検出することができると共に、記録媒体9の坪量を検出することもできる。
【0127】
ユーザーは、画像形成装置1で使用する記録媒体9を記録媒体測定装置110の差込空間113に差し込んだ状態で情報処理装置101を操作することによって検出開始を指示することにより、記録媒体測定装置110において記録媒体9の測定動作が開始する。すなわち、記録媒体測定装置110は、差込空間113に差し込まれた記録媒体9が封筒であるか否かを検出すると共に、記録媒体9の坪量を検出する動作を開始する。測定動作が終了すると、記録媒体測定装置110は、記録媒体9が封筒であるか否かの検出結果と、記録媒体9の坪量とを情報処理装置101へ出力する。
【0128】
情報処理装置101は、記録媒体測定装置110から記録媒体9が封筒であるか否かの検出結果と記録媒体9の坪量とを受信すると、それらの情報に基づいて記録媒体9に関する情報を生成する。このとき、記録媒体9が封筒であることが検出されていれば、情報処理装置101は、記録媒体9の坪量を封筒の坪量に換算する。そして情報処理装置101は、記録媒体9に関する情報を画像形成装置1へ送信する。
【0129】
画像形成装置1は、通信部72を介して記録媒体9に関する情報を受信すると、その情報を新たに給紙トレイ3又は手差しトレイ4にセットされた記録媒体9に関する情報としてメモリ71に保存する。そのため、画像形成装置1は、印刷ジョブの実行開始前に、記録媒体9に関する情報を登録しておくことができる。
【0130】
また、記録媒体測定装置110は、封筒検出センサー40が内蔵されていないものであっても構わない。この場合、情報処理装置101は、ユーザーによる封筒指定操作を受け付けることで、記録媒体9が封筒であることを把握することが可能であり、記録媒体9の坪量を封筒の坪量に換算することができる。
【0131】
したがって、本実施形態の封筒判断部81は、通信部72を介して外部から受信する記録媒体9に関する情報に基づいて、記録媒体9が封筒であるか否かを判断することができる。また、坪量取得部82は、通信部72を介して外部から受信する記録媒体9に関する情報に基づいて、記録媒体9の坪量を取得することができる。それ故、画像形成装置1は、第2実施形態と同様に、記録媒体9が封筒である場合に、その封筒の坪量に応じた画像形成を行うことが可能であり、仮に記録媒体9が厚さの薄い薄手封筒であったとしても封筒にシワを生じさせない状態で画像形成を行うことができる。
【0132】
尚、上記においては、記録媒体測定装置110が情報処理装置101を介して画像形成装置1に記録媒体9に関する情報を送信する態様を例示したが、これに限られるものではなく、記録媒体測定装置110が画像形成装置1と直接通信可能な場合には、情報処理装置101を介することなく、記録媒体測定装置110から画像形成装置1に対して記録媒体9に関する情報を直接送信するようにしても構わない。
【0133】
また、本実施形態において上述した点以外については、第1実施形態で説明したものと同様である。例えば、画像形成装置1は、第1実施形態で説明したように、記録媒体9の搬送路33に沿って封筒検出センサー40と坪量検出センサー50とが配置された構成を備えたものであっても構わない。そのため、画像形成装置1は、印刷ジョブの実行前に、記録媒体9に関する情報をメモリ71に保存していない場合には、第1実施形態で説明した動作を行うことで、記録媒体9が封筒であっても封筒の坪量に応じた適切な画像形成動作を行うことができる。
【0134】
また、本実施形態の画像形成装置1は、封筒検出センサー40と坪量検出センサー50とを備えていないものであっても構わない。
【0135】
(変形例)
以上、本発明に関する好ましい幾つかの実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記各実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0136】
例えば上記実施形態では、画像形成装置1がMFPとして構成される場合を例示した。しかし、画像形成装置1は、MFPとして構成されるものに限られない。すなわち、画像形成装置1は、プリント機能のみを備えたプリンタであっても構わない。
【0137】
また、上記実施形態では、画像形成装置1のコントローラ8において実行されるプログラム78が予めメモリ71に記憶されている場合を例示した。しかし、プログラム78は、通信部72を介して外部からダウンロードすることにより画像形成装置1にインストール又はアップデートされるものであっても構わない。この場合、プログラム78は、ネットワークを介して画像形成装置1にダウンロードできる提供される。また、プログラム78は、CD-ROMやUSBメモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で提供されるものであっても構わない。
【符号の説明】
【0138】
1 画像形成装置
2 画像形成部(画像形成手段)
9 記録媒体
12 定着部
33 搬送路
40 封筒検出センサー(封筒検出手段、フラップ検出手段)
50 坪量検出センサー(坪量検出手段)
60 ループ検出センサー
81 封筒判断部(封筒判断手段)
82 坪量取得部(坪量取得手段)
83 決定部(決定手段)
84 印刷制御部(制御手段)
図1
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