(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20231121BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20231121BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231121BHJP
H01M 10/615 20140101ALI20231121BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20231121BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20231121BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/6554
H01M10/613
H01M10/615
H01M10/647
H01M50/204 401H
(21)【出願番号】P 2020120383
(22)【出願日】2020-07-14
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅山 直弥
【審査官】早川 卓哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/031613(WO,A1)
【文献】特開2013-012441(JP,A)
【文献】特開2015-225765(JP,A)
【文献】特開2009-238644(JP,A)
【文献】特表2015-520924(JP,A)
【文献】特開2017-112032(JP,A)
【文献】国際公開第2019/031169(WO,A1)
【文献】特表2018-508109(JP,A)
【文献】特開2001-236937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M10/52-10/667
H01M50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池を積層してなる電池積層体と、
上記電池積層体を積層方向に拘束する拘束プレートと、
上記電池積層体に熱的に接続されて、上記電池を温調する温調部材と、
上記拘束プレートに溶接された締結部材を介して、上記温調部材を上記電池積層体に押圧した状態で、上記温調部材を支持する支持体と、
を備える電池システム。
【請求項2】
上記締結部材は、ボルト及びナットからなり、該ボルト及び該ナットの一方が上記拘束プレートに溶接されている、請求項1に記載の電池システム。
【請求項3】
上記ボルトが上記拘束プレートに溶接されている、請求項2に記載の電池システム。
【請求項4】
上記支持体は上記温調部材に接合されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池システム。
【請求項5】
上記支持体と上記拘束プレートとの間には弾性変形可能な弾性部材が介在している、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池システム。
【請求項6】
上記支持体は、上記電池積層体における上記電池の積層方向に所定間隔をおいて複数設けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の電池を備えた電池システムとして、特許文献1には、電池を積層してなる電池積層体の積層方向両端に一対のエンドプレートを設けるとともに、拘束プレートを一対のエンドプレート同士に接続して電池積層体を拘束する構成が開示されている。当該拘束プレートは、電池積層体の側面を覆う本体部と、エンドプレートに固定される折曲片と、本体部から電池積層体の下面側に突出した爪状の連結部とを有している。そして、電池積層体の下面側には、電池の温度を調節するための温調部材として冷却プレートが設けられており、冷却プレートは拘束プレートの連結部に連結された連結バーにより支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、冷却プレートを支持する連結部と拘束プレートの本体部とが一部品として形成されており、連結部は拘束プレートの本体部に対して予め決まった位置に設けられている。これにより、冷却プレートを支持する連結バーの取り付け位置や連結バーの使用数を変更することが容易ではない。そのため、温調部材の自重等による温調部材の変形を抑制することが困難な場合がある。そして、温調部材が変形すると温調部材と電池との間の伝熱特性にバラツキが生じて、電池の温調における熱効率が低下することとなる。その結果、温調機構の小型化や簡略化を図ることが難しく、製造コストを低減するには改善の余地がある。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、温調部材と電池積層体との間の伝熱特性の均等化を図って、製造コストを低減することができる電池システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、複数の電池を積層してなる電池積層体と、
上記電池積層体を積層方向に拘束する拘束プレートと、
上記電池積層体に熱的に接続されて、上記電池を温調する温調部材と、
上記拘束プレートに溶接された締結部材を介して、上記温調部材を上記電池積層体に押圧した状態で、上記温調部材を支持する支持体と、
を備える電池システムにある。
【発明の効果】
【0007】
上記電池システムにおいては、電池の温調用の温調部材を支持する支持体は、拘束プレートに溶接された締結部材を介して設けられている。それゆえ、締結部材は拘束プレートとは別部品となっており、両者が一部品からなる場合に比べて、締結部材の取り付け位置の変更が容易となっている。これにより、温調部材の自重等を考慮して締結部材の取り付け位置や支持体の使用数を調整することにより、温調部材の変形を抑制して、温調部材と電池との間の伝熱特性の均等化を図ることができる。その結果、電池の加熱・冷却における熱効率が向上するため、電池の温調のための機構の小型化や簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
【0008】
以上のごとく、上記態様によれば、温調部材と電池積層体との間の伝熱特性の均等化を図って、製造コストを低減することができる電池システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態1における、電池システムの上側斜視図。
【
図2】実施形態1における、電池システムの下側斜視図。
【
図3】
図1における、III-III線位置断面図。
【
図4】実施形態1における、温調部材の組付工程を示す概念図。
【
図5】変形形態1における、温調部材の組付工程を示す概念図。
【
図6】変形形態2における、
図3のIII-III線位置相当の断面図。
【
図7】実施形態2における、
図3のIII-III線位置相当の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記締結部材は、ボルト及びナットからなり、該ボルト及び該ナットの一方が上記拘束プレートに溶接されていることとすることができる。この場合には、簡易な構成により、締結部材を介して上記支持体を拘束プレートに取り付けることができる。中でも、上記ボルトが上記拘束プレートに溶接されていることが好ましい。締結部材としてのナットが拘束プレートに溶接されている場合には、当該ナットにボルトを締結する際に、ボルトを深く螺入すると、ボルト先端が拘束プレートに干渉する恐れがあるが、上記ボルトが上記拘束プレートに溶接されている場合には、ボルトを締結する際にボルト先端が拘束プレートに干渉する恐れがない。そのため、締結する際にボルトの長さを考慮する必要がなく組付の作業性がよい。
【0011】
上記支持体は上記温調部材に接合されていることとすることができる。この場合、温調部材の取り付けに際して、支持体と温調部材との位置決めが不要となるとともに、組付作業性が向上する。
【0012】
上記支持体と上記拘束プレートとの間には弾性変形可能な弾性部材が介在していることが好ましい。この場合には、支持体に保持された温調部材を電池積層体に押圧させやすくなるため、温調部材による電池の温調効果を向上させることができる。
【0013】
上記支持体は、上記電池積層体における上記電池の積層方向に所定間隔をおいて複数設けられていることが好ましい。この場合には、温調部材を電池積層体の積層方向において均等に電池積層体に押圧させることができるため、温調部材による電池の温調効果を一層向上させることができる。
【0014】
(実施形態1)
上記電池システムの実施形態について、
図1~
図4を用いて説明する。
本実施形態の電池システム1は、電池積層体10、拘束プレート20、温調部材30、及び支持体40を備える。
電池積層体10、は、複数の電池10aを積層して構成される。
拘束プレート20は、電池積層体10を積層方向Yに拘束する。
温調部材30は、電池積層体に熱的に接続されて、電池10aを温調する。
支持体40は、拘束プレート20に溶接された締結部材45を介して、温調部材30を電池積層体10に押圧した状態で、温調部材30を支持する。
【0015】
以下、本実施形態の電池システム1について、詳述する。
図1、
図2に示すように、電池10aは、複数備えられてY方向に積層されている。電池10aの数は特に限定されないが、本実施形態1では14個の電池10aを備える。電池10aの種類は限定されず、充放電可能な二次電池とすることができる。当該複数の電池10aが積層されることにより、電池積層体10が形成される。本実施形態1では、電池10aは上面11に端子11aが設けられており、電池10aの下面12は平面となっている。電池積層体10において各電池10aは端子11aが同じ側に位置するように形を揃えて積層されている。なお、電池積層体10において隣り合う電池10a同士の間に図示しないスペーサが介在していてもよい。
【0016】
図1、
図2に示すように、電池積層体10の積層方向Yの両端側には、それぞれ一対のエンドプレート15が設けられている。本実施形態1では、エンドプレート15の外形は平面視において電池10aよりも若干大きくなっている。エンドプレート15は、剛性の高い金属製とすることができる。
【0017】
図1、
図2に示すように、拘束プレート20は、電池積層体10の両端に位置するエンドプレート15にそれぞれ接続されて、エンドプレート15によって電池積層体10を挟持させる。拘束プレート20は金属製の長板からなる。本実施形態1では、拘束プレート20はエンドプレート15の高さ方向Zにおける上面と下面のそれぞれ2箇所に取り付けられて、合計4つ設けられている。拘束プレート20は、ボルト21によりエンドプレート15に締結されている。電池積層体10は、拘束プレート20を介して一対のエンドプレート15によって挟持されて積層方向Yに拘束されることにより、積層状態に維持されるとともに電池10aが積層方向Yに膨張することが抑制されている。
【0018】
図1、
図2に示すように、電池積層体10の下方Z2には、温調部材30が設けられている。温調部材30は、
図3に示すように、内部に熱媒体が流通可能な流路31を備える。なお、図示しないが、温調部材30には、熱媒体を温調部材30に導入するための熱媒体導入部と、熱媒体を温調部材30から導出するための熱媒体導出部が備えられている。本実施形態1では、温調部材30は、電池積層体10の下方Z2に位置する一対の拘束プレート20の間において、電池積層体10の下面12に沿って積層方向Yに延在している。
【0019】
本実施形態1では、
図1~
図3に示すように、温調部材30と電池積層体10との間には、熱伝導材35が介在している。熱伝導材35は、高い熱伝導度を有する材料からなり、温調部材30と電池積層体10との両方に密着した状態となっている。
【0020】
図2に示すように、支持体40は、締結部材45を介して拘束プレート20に取り付けられている。これにより、
図3に示すように、支持体40は電池システム1の筐体2に直接固定されておらず、支持体40と筐体2とは離間した状態となっている。
【0021】
本実施形態1では、
図3に示すように、電池積層体10の下方Z2に設けられた一対の拘束プレート20を幅方向Xに繋ぐように取り付けられている。支持体40は、金属製の板材からなり、幅方向Xの両端に拘束プレート20と締結される締結部41を有し、幅方向Xの中央側に温調部材30を支持する支持部42を有する。締結部41と支持部42との間には、支持部42を締結部41よりも下方Z2に位置させる段差部43を有する。締結部41には、後述の締結部材45としてのボルトを挿通させる貫通孔41aが形成されている。支持体40を設ける数は限定されず、温調部材30の支持及び温調部材30の電池10aへの押圧に必要とされる数とすることができる。複数の支持体40を設ける場合は、温調部材30の電池10aへの押圧力が均等となるようにすることが好ましい。本実施形態1では、4つの支持体40を設けるとともに、4つの支持体40を積層方向Yにおいて等間隔となるように設けている。
【0022】
図3に示すように、電池積層体10の下方Z2に位置する拘束プレート20には、下側、すなわち電池積層体10と反対側に締結部材45が溶接されている。締結部材45の構成は限定されないが、本実施形態では、締結部材45はボルト451からなり、ボルト451の軸方向の上端部45aが拘束プレート20に下側面に接合されている。そして、当該ボルト451に支持体40の貫通孔41aが挿通された状態でナット452をボルト451に螺入することにより、支持体40が拘束プレート20に取り付けられている。ボルト451の溶接位置は限定されず、取り付けられる支持体40の数に応じて適宜設定できる。なお、本実施形態1では、ボルト451は上端に頭部を有しない形状となっている。本実施形態1では、支持体40の締結部41にそれぞれ一つの貫通孔41aを設けて、支持体40の幅方向Xの両端をそれぞれ一つの締結部41で締結することとしたが、これに限らず、支持体40の締結部41にそれぞれ2つ以上の貫通孔41aを設けるとともにこれに応じて締結部材45を用いて支持体40を取り付けることとしてもよい。
【0023】
図2、
図3に示すように、本実施形態1では、支持体40と温調部材30との間に、弾性部材50が介在している。弾性部材50の材質は特に限定されず、所定の弾性を有する材料からなる。弾性部材50の大きさも特に限定されないが、本実施形態1では、
図2に示すように、弾性部材50において、幅方向Xの大きさは温調部材30と同等であって、積層方向Yの大きさは支持体40と同等としている。
【0024】
次に、本実施形態1における温調部材30の組付方法について、説明する。
まず、
図4(a)に示すように、まず、電池積層体10に拘束プレート20を取り付けて、電池積層体10を積層方向Yに拘束した後、電池積層体10の下面12が上を向くように上下反転させる。そして、締結部材45としてのボルト451を用意し、ボルト451の上端部45aを電池積層体10の下面12側の拘束プレート20における所定の位置に溶接する。当該溶接位置は、取り付ける支持体40や拘束プレート20、温調部材30及び電池積層体10の形状や大きさなどを考慮して適宜設定することができる。これにより、
図4(b)に示すように、ボルト451と拘束プレート20との間に両者を接合する溶接部45bを形成する。
【0025】
その後、
図4(b)に示すように、電池積層体10の下面12に熱伝導材35、温調部材30、弾性部材50の順に配置して、支持体40の締結部41に形成された貫通孔41aに拘束プレート20に溶接されたボルト451を挿通させる。なお、弾性部材50は支持体40の支持部42に対向する位置に配置する。
【0026】
そして、
図4(c)に示すように、拘束プレート20に溶接されたボルト451にナット452を取り付けて支持体40を拘束プレート20に締結する。これにより、支持体40の支持部42が熱伝導材35、温調部材30及び弾性部材50を電池積層体10の下面12に押圧した状態で、温調部材30が支持されることとなる。
【0027】
次に、本実施形態1の電池システムによる作用効果について、説明する。
本実施形態1の電池システム1では、電池10aの温調用の温調部材30を支持する支持体40は、拘束プレート20に溶接された締結部材45を介して設けられている。それゆえ、締結部材45は拘束プレート20とは別部品となっており、両者が一部品からなる場合に比べて、締結部材45の取り付け位置の変更や支持体40の使用数の変更が容易となっている。これにより、温調部材30の自重等を考慮して締結部材45の取り付け位置や支持体40の使用数を調整することにより、温調部材30の変形を抑制して、温調部材30と電池10aとの間の伝熱特性の均等化を図ることができる。その結果、電池10aの加熱・冷却における熱効率が向上するため、電池10aの温調のための機構を小型化や簡略化することができ、製造コストを低減することができる。
【0028】
さらに、温調部材30を支持する支持体40は拘束プレート20に固定されており、筐体2には直接固定されていない。これにより、例えば、当該電池システム1が車両に搭載された場合に、車両の下部から電池システム1を突き上げるような外力が筐体2に加わっても、支持体40及び温調部材30、電池10aにかかる外力が伝達されにくくすることができ、電池10aにダメージが生じることを抑制することができる。
【0029】
また、温調部材30と筐体2の底部との間に弾性部材を介在させて当該弾性部材の弾性力で電池積層体10に押し当てる構成とした場合には、当該筐体2の底部の変形や凹凸により面精度が低いと、温調部材30の電池積層体10への押し付け力にバラツキが生じてしまう。これに対して、本実施形態1では、弾性部材50は温調部材30と、拘束プレート20に固定された支持体40との間に設けられているため、筐体2の底部の面精度が低くてもその影響を受けることなく、温調部材30の電池積層体10への押し付け力のバラツキを低減することができる。これにより、温調部材30と電池積層体10との間の伝熱特性の均等化を図ることができ、電池10aを加熱・冷却する際の熱効率が向上するため、電池10aの温調機構の小型化や簡略化が図れ、製造コストを低減できる。
【0030】
また、本実施形態1では、締結部材45としてのボルト451が拘束プレート20に溶接されている。これにより、簡易な構成により、締結部材45を介して支持体40を拘束プレート20に取り付けることができる。さらに、締結部材45としてナット452が拘束プレート20に溶接されている場合には、ナット452にボルト451を締結する際に、ボルト451を深く螺入すると、ボルト451の先端が拘束プレート20に干渉するおそれがあるが、本実施形態1のようにボルト451が拘束プレート20に溶接されていることにより、ボルト451を締結する際にボルト451の先端が拘束プレート20に干渉するおそれがない。そのため、締結する際にボルト451の長さを考慮する必要がなく組付の作業性がよい。
【0031】
また、本実施形態1では、支持体40は、電池積層体10における電池10aの積層方向Yに所定間隔をおいて複数設けられている。これにより、温調部材30を電池積層体10における積層方向Yにおいて均等に電池積層体10に押圧させることができるため、温調部材30と電池10aとの間の伝熱特性の均等化を一層図ることができる。
【0032】
なお、本実施形態1では、締結部材45として頭部を有さないボルト451を用いたがこれに替えて、
図5に示す変形形態1のように、締結部材45として頭部453を有するボルト451を用いて、頭部453の上面を拘束プレート20に溶接することとしてもよい。かかるボルト451としては、例えば、ウェルドボルトを採用することができる。この場合は、溶接部45bの領域をより大きくすることができるため、締結部材45の溶接強度を向上することができる。
【0033】
なお、本実施形態1では、長板状の拘束プレート20を4つ使用したが、これに限らず、例えば、
図6に示す変形形態2のように、積層方向Yにおける断面がコ字状の拘束プレート20を2つ用いて、電池積層体10の両側面を覆うように設けてもよい。この場合も、本実施形態1と同等の作用効果を奏する。また、変形形態2の場合において、支持体40は必ずしも電池積層体10の下方Y2において固定される必要はなく、支持体40の締結部41をコ字状の拘束プレート20の側壁部22に回り込ませて側壁部22に固定することとしてもよい。
【0034】
以上のごとく、上記態様によれば、電池積層体10に対する温調部材30の組み付けにおいて、温調部材30を支持するための支持体40の取り付け位置を容易に変更でき、製造コストを低減できる電池システム1を提供することができる。
【0035】
(実施形態2)
上述の本実施形態1では、支持体40と温調部材30とは別体としたが、これに替えて、
図7に示す実施形態2では、支持体40は温調部材30に接合される接合部44を有する。なお、本実施形態2において、実施形態1と同等の部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0036】
図7に示すように、実施形態2では、支持体40は板状をなしており、接合部44と締結部41とを有する。接合部44は、温調部材30の幅方向Xの縁部に接合されている。接合部44の接合方法は特に限定されないが、本実施形態2では、温調部材30に溶接されている。締結部41は、接合部44からさらに幅方向Xに突出して拘束プレート20に締結されている。
【0037】
また、実施形態1では、
図3に示すように支持体40の支持部42と温調部材30との間に弾性部材50を備えていたが、本実施形態2では、これに替えて、支持体40の締結部41と拘束プレート20との間に弾性部材55を備える。
【0038】
本実施形態2の電池システム1によれば、支持体40が温調部材30に接合されて一体となっている。これにより、温調部材30の取り付けに際して、支持体40と温調部材30との位置決めが不要となるとともに、温調部材30を組み付ける際の部品点数が削減されるため、組付の作業性が一層向上する
【0039】
また、本実施形態2では、支持体40と拘束プレート20との間に弾性変形可能な弾性部材55が介在している。これにより、支持体40に支持された温調部材30を電池積層体10に押圧させやすくなるため、温調部材30による電池10aの温調効果を向上させることができる。なお、本実施形態2においても実施形態1と同様の作用効果を奏する。
【0040】
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 電池システム
10 電池積層体
10a 電池
15 エンドプレート
20 拘束プレート
30 温調部材
35 熱伝導材
40 支持体
45 締結部材
45a 上端部
45b 溶接部
451 ボルト
452 ナット
50 弾性部材
55 弾性部材