(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/894 20180101AFI20231121BHJP
A47C 7/38 20060101ALI20231121BHJP
B60N 2/806 20180101ALI20231121BHJP
【FI】
B60N2/894
A47C7/38
B60N2/806
(21)【出願番号】P 2020133046
(22)【出願日】2020-08-05
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】宇野 陽介
(72)【発明者】
【氏名】西浦 武史
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-025852(JP,U)
【文献】特開2008-265585(JP,A)
【文献】米国特許第6568754(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/894
A47C 7/38
B60N 2/806
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着席者の背部を支持するためのシートバックと、
前記シートバックの上方に配置され、着席者の後頭部を支えるためのヘッドレストと、
前記ヘッドレストを前記シートバックに連結する筒状のヘッドレストステーであって、下端側が当該シートバック内に位置するヘッドレストステーと、
流体が流通可能な第1チューブであって、少なくとも一部が前記ヘッドレストステー内に配置され、前記シートバック側の端部に第1ジョイント部を有する第1チューブと、
少なくとも一部が前記ヘッドレストステー内のうち前記第1ジョイント部より前記シートバック側に配置された第2チューブであって、一端に前記第1ジョイント部に接続された第2ジョイント部を有する第2チューブと、
前記ヘッドレストステー内に配置され、前記第1ジョイント部を前記第2ジョイント部に向けて押圧する弾性力を発揮する押圧部材と
を備えるシート。
【請求項2】
前記第2ジョイント部は、前記第1ジョイント部内に嵌り込んだ嵌合部を有する請求項1に記載のシート。
【請求項3】
前記ヘッドレストステーのうち前記第2ジョイント部に対応する位置から下端に至る範囲には、当該ヘッドレストステーの延び方向に沿って延びる案内溝が設けられ、
前記第2ジョイント部には、前記案内溝に嵌り込んだ状態で当該案内溝の延び方向に沿って変位可能な案内突起が設けられ、
前記案内溝の上端には、当該上端から上方に延びる傾斜溝であって、前記案内溝の延び方向に対して傾いた傾斜溝、及び前記傾斜溝の上端から下方に延びる保持溝が設けられている請求項1又は2に記載のシート。
【請求項4】
前記ヘッドレスト内には、空気が流出入可能な空気袋が配置されており、
前記第1チューブは、前記空気袋に接続されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘッドレストを備えるシートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載のシートでは、筒状のヘッドレストステーを介してヘッドレストに空調風を供給している。なお、ヘッドレストステー(以下、ステーと記す。)は、ヘッドレストとシートバックとを連結するとともに、当該ヘッドレストを支持する部材である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明では、ステーの端部にホース状のダクトが直接的に接続されている。具体的には、ステーがダクトの端部に挿入されて、ステーとダクトとが接続されている。つまり、特許文献1に記載の発明では、ステーが空気通路を構成するダクトを兼ねている。
【0005】
本開示は、上記点に鑑み、特許文献1に記載の発明と異なる構成にて、ヘッドレストに空気等の流体を供給することが可能なシートの一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
シートは、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。すなわち、当該構成要件は、着席者の背部を支持するためのシートバック(3)と、シートバック(3)の上方に配置され、着席者の後頭部を支持するためのヘッドレスト(10)と、ヘッドレスト(10)をシートバック(3)に連結する筒状のヘッドレストステー(11)であって、下端側が当該シートバック(3)内に位置するヘッドレストステー(11)と、流体が流通可能な第1チューブ(12)であって、少なくとも一部がヘッドレストステー(11)内に配置され、シートバック(3)側の端部に第1ジョイント部(13)を有する第1チューブ(12)と、少なくとも一部がヘッドレストステー(11)内のうち第1ジョイント部(13)よりシートバック(3)側に配置された第2チューブ(14)であって、一端に第1ジョイント部(13)に接続された第2ジョイント部(15)を有する第2チューブ(14)と、ヘッドレストステー(11)内に配置され、第1ジョイント部(13)を第2ジョイント部(15)に向けて押圧する弾性力を発揮する押圧部材(16)とである。
【0007】
これにより、第1ジョイント部(13)が押圧部材(16)により第2ジョイント部(15)に押圧された状態となるので、第1ジョイント部(13)と第2ジョイント部(15)とが確実に接続された構成となる。
【0008】
なお、当該シートは、例えば、以下の構成であってもよい。
【0009】
すなわち、第2ジョイント部(15)は、第1ジョイント部(13)内に嵌り込んだ嵌合部(15A)を有することが望ましい。
【0010】
そして、ヘッドレストステー(11)のうち第2ジョイント部(15)に対応する位置から下端に至る範囲には、当該ヘッドレストステー(11)の延び方向に沿って延びる案内溝(17A)が設けられ、第2ジョイント部(15)には、案内溝(17A)に嵌り込んだ状態で当該案内溝(17A)の延び方向に沿って変位可能な案内突起(18)が設けられ、案内溝(17A)の上端(T1)には、当該上端(T1)から上方に延びる傾斜溝(17B)であって、案内溝(17A)の延び方向に対して傾いた傾斜溝(17B)、及び傾斜溝(17B)の上端(T2)から下方に延びる保持溝(17C)が設けられていることが望ましい。
【0011】
これにより、案内突起(18)が保持溝(17C)から離脱した状態になると、第1ジョイント部(13)と第2ジョイント部(15)との接続状態が解除可能となる。つまり、当該シートでは、第1ジョイント部(13)と第2ジョイント部(15)とが接続自在な構造となる。
【0012】
なお、ヘッドレスト(10)内には、空気が流出入可能な空気袋(10A)が配置されており、第1チューブ(12)は、空気袋(10A)に接続されていることが望ましい。
【0013】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】第1実施形態に係る乗物用シートを示す図である。
【
図2】第1実施形態に係るヘッドレストの構成を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係るヘッドレストステー、第1チューブ、第2チューブ、第1ジョイント部、第2ジョイント部及び押圧部材の配置構成を示す図である。
【
図4】第1実施形態に係るヘッドレストステー、第1チューブ、第2チューブ、第1ジョイント部、第2ジョイント部及び押圧部材の配置構成を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る第1ジョイント部及び第2ジョイント部を示す図である。
【
図6】第1実施形態に係る案内溝、傾斜溝及び保持溝を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る案内溝、傾斜溝及び保持溝を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されない。
【0016】
本実施形態は、車両等の乗物に搭載されるシート(以下、乗物用シートという。)に本開示に係るシートが適用された例である。各図に付された方向を示す矢印及び斜線等は、各図相互の関係及び部材又は部位の形状等を理解し易くするために記載されたものである。
【0017】
したがって、当該シートは、各図に付された方向に限定されない。各図に示された方向は、本実施形態に係る乗物用シートが車両に組み付けられた状態における方向である。斜線が付された図は、必ずしも断面図を示さない。
【0018】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示されたシートは、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素、並びに図示された構造部位を備える。
【0019】
(第1実施形態)
<1.乗物用シートの概要>
乗物用シート1は、
図1に示されるように、シートバック3、シートクッション4、ヘッドレスト10及びヘッドレストステー11等を少なくとも有する。シートバック3は着席者の背部を支持するための部位である。シートクッション4は着席者の臀部を支持するための部位である。
【0020】
シートバック3は、バックフレーム5及びバックパッド(図示せず。)等を有して構成されている。バックフレーム5はシートバック3の骨格を構成する。当該バックフレーム5は、概ね矩形枠状に構成された金属製に部材である。
【0021】
シートクッション4は、クッションフレーム6及びクッションパッド(図示せず。)等を有して構成されている。クッションフレーム6はシートクッション4の骨格を構成する。当該クッションフレーム6は、概ね矩形枠状に構成された金属製に部材である。
【0022】
ヘッドレスト10は、着席者の後頭部を支えるための部材である。当該ヘッドレスト10は、シートバック3の上端側に配置されている。当該ヘッドレスト10は、少なくとも1本(本実施形態では、2本)のヘッドレストステー11に支持された状態でシートバック3に連結されている。
【0023】
2本のヘッドレストステー11は、
図2に示されるように、上下方向に延びているとともに、上端側がヘッドレスト芯部10Bに固定され、下端側がシートバック3内に位置する(
図1参照)。
【0024】
ヘッドレスト芯部10Bは、ヘッドレスト10に作用する力を受ける部位である。当該ヘッドレスト芯部10Bの周囲は、ヘッドレストパッド(図示せず。)により覆われている。なお、ヘッドレストパッド、バックパッド及びクッションパッドは、ウレタン等の発泡弾性体製である。
【0025】
本実施形態に係る2本のヘッドレストステー11は、ヘッドレスト芯部10B内にて繋がった1つ部材にて構成されている。各ヘッドレストステー11は、サポートブラケット5A(
図1参照)及びヘッドレストサポート5B(
図4参照)を介してバックフレーム5に支持されている。
【0026】
サポートブラケット5Aは、バックフレーム5に溶接等にて固定された筒状(本実施形態では、角筒状)の支持部材である。各ヘッドレストサポート5Bは、サポートブラケット5Aに挿入固定され、上下方向に貫通する挿入穴を有する部材である。
【0027】
そして、各挿入穴には、ヘッドレストステー11が挿入される。なお、ヘッドレストサポート5Bは樹脂製である。つまり、各ヘッドレストサポート5Bは、サポートブラケット5Aとヘッドレストステー11との間に介在してヘッドレストステー11のガタツキを抑制する。
【0028】
本実施形態に係るヘッドレスト10内には、空気袋10Aが配置されている。当該空気袋10Aは、空気が流出入可能な袋状の部材であって、空気の流出入に伴って膨張収縮する部材である。
【0029】
<2.空気袋に空気を流出させるための構成>
<2.1 概要>
乗物用シート1は、空気袋に空気を流出させるための構成として、
図3に示されるように、第1チューブ12、第1ジョイント部13、第2チューブ14、第2ジョイント部15及び押圧部材16等を少なくとも備える。
【0030】
第1チューブ12及び第2チューブ14は、空気等の流体が流通可能な管であって、少なくとも一部がヘッドレストステー11内に配置されている。このため、当該ヘッドレストステー11は、内部が中空の筒状(本実施形態では、円筒状)に構成されている。
【0031】
本実施形態では、シート幅方向左側のヘッドレストステー11(
図2参照)内に第1チューブ12及び第2チューブ14が配置されている。なお、第1チューブ12及び第2チューブ14は、共に可撓性を有する管である。
【0032】
第1チューブ12の上端側は、空気袋10Aに接続されている(
図2参照)。第1チューブ12の下端側、つまりシートバック3側の端部は、第1ジョイント部13に接続されている(
図3参照)。このため、第1ジョイント部13は、ヘッドレストステー11内のうちヘッドレストサポート5Bより上方側に位置している(
図4参照)。
【0033】
第2チューブ14は、
図3に示されるように、少なくとも一部がヘッドレストステー11内のうち第1ジョイント部13よりシートバック3側、つまり第1ジョイント部13より下方側に配置されている。そして、当該第2チューブ14の上端側には、第2ジョイント部15が接続されている。
【0034】
第2ジョイント部15及び第1ジョイント部13は、互いに接続可能な接続部材である。第1ジョイント部13及び第2ジョイント部15は、第1チューブ12及び第2チューブ14に比べて大きな剛性を有する。
【0035】
本実施形態では、
図5に示されるように、第2ジョイント部15は、第1ジョイント部13内に嵌り込む凸状の嵌合部15Aを有する。第1ジョイント部13には、嵌合部15Aが嵌り込み可能な凹部13A(
図3参照)が設けられている。なお、嵌合部15Aの外周面には、Oリング15Bが装着される溝部15C(
図5参照)が設けられている。
【0036】
Oリング15Bは、凹部13Aと内壁と溝部15Cの外周面とに圧接することにより、第1ジョイント部13と第2ジョイント部15とを気密に接続する封止材である。なお、Oリング15Bは、ニトリルゴム等の弾性材料にて環状に構成された部材である。
【0037】
押圧部材16は、第1ジョイント部13を第2ジョイント部15に向けて押圧する弾性力を発揮する。当該押圧部材16は、ヘッドレストステー11内に配置されている。具体的には、本実施形態に係る押圧部材16は、圧縮コイルばねにて構成されている。
【0038】
押圧部材16は、
図4に示されるように、第1ジョイント部13の上方側において、圧縮変形した状態で配置されている。そして、押圧部材16の上端側はヘッドレストステー11内に係止され、押圧部材16の下端側は第1ジョイント部13に係止されている。
【0039】
<2.2 第2ジョイント部等の固定構造>
図6に示されるように、ヘッドレストステー11のうち第2ジョイント部15に対応する位置から下端に至る範囲には、当該ヘッドレストステー11の延び方向に沿って延びる案内溝17Aが少なくとも1つ(本実施では、2つ)設けられている。なお、2つの案内溝17Aは、ヘッドレストステー11の中心軸線に対して対称の位置に設けられている。
【0040】
第2ジョイント部15には、案内溝17Aと同数の案内突起18が設けられている。各案内突起18は、第2ジョイント部15の外周面から上記中心軸線と直交する方向に突出したピン状の部位である。
【0041】
そして、各案内突起18は、対応する案内溝17Aに嵌り込んだ状態で当該案内溝17Aの延び方向に沿って変位可能である。具体的には、各案内突起18は、組立作業時に作業者(自動組付装置も含む。)により、各案内溝17Aの下端側開放部から当該案内溝17A内に挿入される。
【0042】
そして、各案内溝17Aの上端T1側には、
図7に示されるように、傾斜溝17B及び保持溝17Cが設けられている。各傾斜溝17Bは、対応する案内溝17Aの上端T1から上方に延びる溝であって、案内溝17Aの延び方向に対して傾いた溝である。
【0043】
各保持溝17Cは、対応する傾斜溝17Bの上端T2から下方に延びる溝である。本実施形態に係る保持溝17Cは、案内溝17Aと平行に上端T2から下方に延びている。そして、案内溝17A、傾斜溝17B及び保持溝17Cは、互いに連続して繋がっている。
【0044】
押圧部材16は、各案内突起18が対応する保持溝17Cに位置した状態時に第2ジョイント部15に弾性力を作用させことが可能である。そして、各案内突起18が各保持溝17Cに位置した状態で当該弾性力が第2ジョイント部15に作用すると、各案内突起18は、傾斜溝17B側、つまり上端T2側に変位することが規制される。
【0045】
<2.3 組立方法>
第1チューブ12、第1ジョイント部13及び押圧部材16は、予め
図3に示されるような状態でヘッドレストステー11内に組み付けられている。第2チューブ14、第2ジョイント部15及びOリング15Bは、予め
図3に示されるような状態に組み立てられている。以下、組み立てられた第2チューブ14、第2ジョイント部15及びOリング15Bを第2ジョイントアッセンブリという。
【0046】
次に、作業者は、第2ジョイントアッセンブリの各案内突起18を案内溝17Aの下端から挿入した後、各案内突起18が保持溝17C内に位置するように、第2ジョイントアッセンブリをヘッドレストステー11内で移動させる。
【0047】
これにより、第1ジョイント部13と第2ジョイント部15との接続が完了し、空気袋10Aが第1チューブ12を介して第2チューブ14と連通した状態になる。なお、各ヘッドレストステー11は、対応するヘッドレストサポート5Bに挿入されて当該ヘッドレストサポート5Bに係止される。
【0048】
<3.本実施形態に係る乗物用シートの特徴>
本実施形態に係る乗物用シート1では、第1ジョイント部13と第2ジョイント部15とが接続された状態では、第1ジョイント部13が押圧部材16により第2ジョイント部15に押圧された状態となるので、第1ジョイント部13と第2ジョイント部15とが確実に接続された構成となる。
【0049】
当該乗物用シート1は、案内溝17Aの上端T1に連接する傾斜溝17B及び保持溝17Cを有している。これにより、案内突起18が保持溝17Cから離脱した状態になると、第1ジョイント部13と第2ジョイント部15との接続状態が解除可能となる。つまり、当該乗物用シート1では、第1ジョイント部13と第2ジョイント部15とが接続自在な構造となる。
【0050】
押圧部材16は、各案内突起18が各保持溝17Cに位置した状態時に第2ジョイント部15に弾性力を作用させことが可能である。これにより、各案内突起18は、傾斜溝17B側、つまり上端T2側に変位することが規制される。
【0051】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、空気袋10Aを膨張収縮させるための空気を流通可能とするための構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、ヘッドレスト10に空調風又は冷水を供給するための構成であってもよい。
【0052】
上述の実施形態では、第2ジョイント部15に嵌合部15Aが設けられていた。しかし、本開示はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、第1ジョイント部13に嵌合部15Aが設けられた構成であってもよい。
【0053】
上述の実施形態では、案内溝17Aの上端T1に連接する傾斜溝17B及び保持溝17Cを有し、かつ、押圧部材16は、案内突起18が保持溝17Cに位置した状態時に第2ジョイント部15に上記の弾性力を作用させる構成であった。しかし、本開示はこれに限定されない。
【0054】
上述の実施形態では、車両に本開示に係る乗物用シートを適用した。しかし、本明細書に開示された発明の適用はこれに限定されない。すなわち、当該開示は、例えば、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシート、並びに劇場や家庭用等に用いられる据え置き型シートにも適用できる。
【0055】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成であってもよい。
【符号の説明】
【0056】
1… 乗物用シート 3… シートバック 4… シートクッション
5… バックフレーム 5A… サポートブラケット
5B… ヘッドレストサポート 6… クッションフレーム
10… ヘッドレスト 10B… ヘッドレスト芯部 10A… 空気袋
11… ヘッドレストステー 12… 第1チューブ
13… 第1ジョイント部 13A… 凹部 14… 第2チューブ
15… 第2ジョイント部 15A… 嵌合部 15B… Oリング
15C… 溝部 16… 押圧部材 17A… 案内溝
17B… 傾斜溝 17C… 保持溝 18… 案内突起