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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】サーバ、プログラム、及び端末装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231121BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20231121BHJP
   G08G 1/123 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
G08G1/123 A
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020149359
(22)【出願日】2020-09-04
(65)【公開番号】P2022043866
(43)【公開日】2022-03-16
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【弁理士】
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】山下 大樹
(72)【発明者】
【氏名】久保 大輝
(72)【発明者】
【氏名】モロー ジェイク
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197505(JP,A)
【文献】国際公開第2015/178158(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/176934(WO,A1)
【文献】特開2018-081576(JP,A)
【文献】特開2011-086282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/123
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信部と、
前記通信部を介して、第1利用者からの車両の予約要求を受信し、前記予約要求の重要度を判定し、前記重要度を含む、前記第1利用者に使用させる車両の第1予約情報を生成する、制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1予約情報に割り当てる車両がない場合、前記予約要求の重要度と、既に存在する他の予約情報の重要度とを比較し、
前記他の予約情報のうち、前記予約要求の重要度よりも低い重要度を含む第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当て
前記制御部は、複数の第2予約情報が存在する場合、前記複数の第2予約情報のうち前記重要度が最も低い第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当てる、サーバ。
【請求項2】
前記予約要求の重要度は、前記第1利用者の種別に応じて判定される、請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記予約要求の重要度は、前記第1利用者の車両の用途に応じて判定される、請求項1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記予約要求の重要度は、前記第1利用者の健康状態に応じて判定される、請求項1から3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記制御部は、複数の第2予約情報が存在する場合、前記第1利用者の位置と前記複数の第2予約情報の各々に割り当てられた車両の位置とに基づいて、前記複数の第2予約情報のうちいずれか1つの第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当てる、請求項1からのいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記制御部は、
前記通信部を介して、前記第1予約情報に割り当てられた車両の利用実績を受信し、
前記利用実績に基づいて、前記第1予約情報のとおり車両が利用されたか否かを判定する、請求項1からのいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1予約情報のとおり車両が利用されなかったと判定した場合、次回以降に受信する前記第1利用者からの車両の予約要求の重要度を低くする、請求項に記載のサーバ。
【請求項8】
第1利用者からの車両の予約要求を受信することと、
前記予約要求の重要度を判定することと、
前記重要度を含む、前記第1利用者に使用させる車両の第1予約情報を生成することと、
を含む動作をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第1予約情報を生成することは、
前記第1予約情報に割り当てる車両がない場合、前記予約要求の重要度と、既に存在する他の予約情報の重要度とを比較することと、
前記他の予約情報のうち、前記予約要求の重要度よりも低い重要度を含む第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当てることと、を含み、
前記第1予約情報を生成することは、複数の第2予約情報が存在する場合、前記複数の第2予約情報のうち前記重要度が最も低い第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当てることを含む、プログラム。
【請求項9】
前記予約要求の重要度は、前記第1利用者の種別に応じて判定される、請求項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記予約要求の重要度は、前記第1利用者の車両の用途に応じて判定される、請求項8又は9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記予約要求の重要度は、前記第1利用者の健康状態に応じて判定される、請求項8から10のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記第1予約情報を生成することは、複数の第2予約情報が存在する場合、前記第1利用者の位置と前記複数の第2予約情報の各々に割り当てられた車両の位置とに基づいて、前記複数の第2予約情報のうちいずれか1つの第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当てることを含む、請求項8から11のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項13】
前記第1予約情報に割り当てられた車両の利用実績を受信することと、
前記利用実績に基づいて、前記第1予約情報のとおり車両が利用されたか否かを判定することと、を更に含む動作をコンピュータに実行させる、請求項8から12のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記第1予約情報のとおり車両が利用されなかったと判定された場合、次回以降に受信する前記第1利用者からの車両の予約要求の重要度を低くすることを更に含む動作をコンピュータに実行させる、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
通信部と、
前記通信部を介して、第1利用者からの車両の予約要求を受信し、前記予約要求の重要度を判定し、前記重要度を含む、前記第1利用者に使用させる車両の第1予約情報を生成する、制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1予約情報に割り当てる車両がない場合、前記予約要求の重要度と、既に存在する他の予約情報の重要度とを比較し、
前記他の予約情報のうち、前記予約要求の重要度よりも低い重要度を含む第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当て、
前記制御部は、複数の第2予約情報が存在する場合、前記第1利用者の位置と前記複数の第2予約情報の各々に割り当てられた車両の位置とに基づいて、前記複数の第2予約情報のうちいずれか1つの第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当てる、サーバ。
【請求項16】
第1利用者からの車両の予約要求を受信することと、
前記予約要求の重要度を判定することと、
前記重要度を含む、前記第1利用者に使用させる車両の第1予約情報を生成することと、
を含む動作をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第1予約情報を生成することは、
前記第1予約情報に割り当てる車両がない場合、前記予約要求の重要度と、既に存在する他の予約情報の重要度とを比較することと、
前記他の予約情報のうち、前記予約要求の重要度よりも低い重要度を含む第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当てることと、を含み、
前記第1予約情報を生成することは、複数の第2予約情報が存在する場合、前記第1利用者の位置と前記複数の第2予約情報の各々に割り当てられた車両の位置とに基づいて、前記複数の第2予約情報のうちいずれか1つの第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当てることを含む、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ、プログラム、及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の利用者が車両を共同で使用するカーシェアリングサービスにおけるユーザの利便性を向上させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、カーシェアリングサービスにおいて、駐車場を提供する等の車両の共有に必要な経済的サービスを提供する利用者による予約が優先される、車両予約管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-136880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、カーシェアリングサービスにおける利用者の利便性の更なる向上が求められている。例えば、より重要度が高い車両の予約を優先して登録することが求められている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、カーシェアリングサービスにおける利用者の利便性を向上させる、サーバ、プログラム、及び端末装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係るサーバは、
通信部と、
前記通信部を介して、第1利用者からの車両の予約要求を受信し、前記予約要求の重要度を判定し、前記重要度を含む、前記第1利用者に使用させる車両の第1予約情報を生成する、制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記第1予約情報に割り当てる車両がない場合、前記予約要求の重要度と、既に存在する他の予約情報の重要度とを比較し、
前記他の予約情報のうち、前記予約要求の重要度よりも低い重要度を含む第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当てる。
【0007】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
第1利用者からの車両の予約要求を受信することと、
前記予約要求の重要度を判定することと、
前記重要度を含む、前記第1利用者に使用させる車両の第1予約情報を生成することと、
を含む動作をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記第1予約情報を生成することは、
前記第1予約情報に割り当てる車両がない場合、前記予約要求の重要度と、既に存在する他の予約情報の重要度とを比較することと、
前記他の予約情報のうち、前記予約要求の重要度よりも低い重要度を含む第2予約情報に割り当てられた車両を前記第1予約情報に割り当てることと、を含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係る端末装置は、
通信部と、
前記通信部を介して、予約要求の重要度の判定に用いられる情報を含む車両の予約要求をサーバに送信し、前記サーバに、前記予約要求の重要度を判定させ、前記重要度を含む、車両の予約情報を生成させる、制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態に係るサーバ、プログラム、及び端末装置によれば、カーシェアリングサービスにおける利用者の利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】一実施形態に係る車両の構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
図4】一実施形態に係る端末装置の構成を示すブロック図である。
図5図1に示す情報処理システムの第1の動作を示すフローチャートである。
図6図1に示す情報処理システムの第2の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一実施形態について説明する。
【0012】
各図中、同一又は相当する部分には、同一符号を付している。本実施形態の説明において、同一又は相当する部分については、説明を適宜省略又は簡略化する。
【0013】
(情報処理システムの構成)
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム1の概要について説明する。図1は、情報処理システム1の概略構成を示す図である。情報処理システム1は、車両10と、サーバ20と、端末装置30とを含む。図1では、2つの車両10と、それぞれ1つのサーバ20及び端末装置30とが示されている。しかしながら、情報処理システム1は、任意の数の車両10、サーバ20、及び端末装置30を含んでいてもよい。
【0014】
車両10は、例えば自動車である。しかしながら、車両10は、自動車に限られず、バイク又は自転車等の任意の車両であってもよい。車両10は、例えば、複数の利用者が車両を共同で使用するシェアカーである。本実施形態では、車両10には、第1車両10A及び第2車両10Bが含まれる。以下、第1車両10A及び第2車両10Bを特に区別しない場合、単に、車両10と総称する。車両10は、運転手によって運転されてもよく、或いは任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。
【0015】
サーバ20は、1つ以上のコンピュータで構成されている。本実施形態では、サーバ20は、1つのコンピュータで構成されているものとして説明する。しかしながら、サーバ20は、クラウドコンピューティングシステム等、複数のコンピュータによって構成されていてもよい。
【0016】
端末装置30は、例えば携帯電話、スマートフォン、又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータである。本開示では、コンピュータは、情報処理装置ともいう。本実施形態では、端末装置30は、例えば、車両10の利用者に利用される。
【0017】
ネットワーク40は、車両10、サーバ20、及び端末装置30が相互に通信可能な、任意の通信網である。例えば、本実施形態におけるネットワーク40は、アドホックネットワーク、MAN(Metropolitan Area Network)、セルラーネットワーク、WPAN(Wireless Personal Area Network)、PSTN(Public Switched Telephone Network)、地上波無線ネットワーク(Terrestrial Wireless Network)、光ネットワークもしくは他のネットワーク又はこれらいずれかの組み合わせを含んでいてもよい。
【0018】
情報処理システム1は、例えば、車両10のカーシェアリングサービスに用いられる。
【0019】
情報処理システム1において、サーバ20は、複数の車両10の予約情報を管理する。サーバ20は、第1利用者が所有する端末装置30から、車両10の予約要求を受信する。サーバ20は、受信した予約要求の重要度を判定する。例えば、サーバ20は、予約要求に基づいて、第1利用者が体調不良により病院に行く場合、或いは第1利用者が警察官であり事故現場に向かう場合など、第1利用者に優先して車両10を使用させるべき場合には、予約要求の重要度を高くしてもよい。サーバ20は、重要度を含む、第1利用者に使用させる車両10の第1予約情報を生成する。制御部は、第1予約情報を生成する際に、既にすべての車両10に予約が入っており、第1予約情報に割り当てる車両10がない場合、予約要求の重要度と、既に存在する他の予約情報の重要度とを比較する。制御部は、他の予約情報のうち、予約要求の重要度よりも低い重要度を含む第2予約情報に割り当てられた車両10を第1予約情報に割り当てる。これによって、情報処理システム1によれば、カーシェアリングサービスにおける利用者の利便性を向上させることができる。
【0020】
次に、情報処理システム1の車両10、サーバ20、及び端末装置30について、詳細に説明する。
【0021】
(車両の構成)
図2を参照して、本実施形態に係る車両10の構成を説明する。図2は、車両10の構成を示すブロック図である。図2に示されるように、車両10は、測位部11と、通信部12と、表示部13と、入力部14と、記憶部15と、制御部16と、を備える。測位部11、通信部12、表示部13、入力部14、記憶部15、及び制御部16は、例えば、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワーク又は専用線を介して、有線又は無線で互いに通信可能に接続されている。
【0022】
本実施形態では、車両10が備える通信装置17が、測位部11、通信部12、表示部13、入力部14、記憶部15、及び制御部16の全ての機能を備えているものとして説明する。通信装置17は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)、カーナビゲーション装置又は車載通信機等の車載装置である。或いは、通信装置17は、車両10に設置された、携帯電話、スマートフォン、又はパーソナルコンピュータ等のコンピュータであってもよい。しかしながら、上述した機能の一部は、通信装置17と通信可能に接続された、車両10の他の車載装置によって提供されてもよい。
【0023】
測位部11は、車両10の位置を計測し、車両10の位置情報を生成する。車両10の位置情報は、例えば、2次元座標又は3次元座標等の座標である。測位部11は、衛星測位システムを用いた航法により車両10の位置を計測するために、衛星測位システムに対応する受信機を含む。受信機が対応する衛星測位システムは、例えばGPS(Global Positioning System)であってもよい。或いは、測位部11は、自律航法により車両10の位置を計測するために加速度センサ又はジャイロセンサ等のセンサを含んでもよい。カーナビゲーション装置が、測位部11として機能してもよい。
【0024】
通信部12は、ネットワーク40に接続するための通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN(Local Area Network)又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は赤外線通信などの近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、車両10は、通信部12を介してネットワーク40に接続される。これによって、車両10は、サーバ20等と通信することができる。
【0025】
表示部13は、画像又はテキスト等で情報を表示する。表示部13は、例えばディスプレイ等の表示装置を含む。カーナビゲーション装置が、表示部13として機能してもよい。
【0026】
入力部14は、入力操作を受け付ける。入力部14は、例えばタッチパネル、物理キー、カメラ、マイク、又はICカードリーダー等の入力装置を含む。カーナビゲーション装置が、入力部14として機能してもよい。
【0027】
記憶部15は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部15は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部15は、車両10の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部15は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、又は組み込みソフトウェア等を記憶する。記憶部15に記憶された情報は、例えば通信部12を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0028】
制御部16は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部16は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)であってもよい。制御部16は、上述した、測位部11、通信部12、表示部13、入力部14、及び記憶部15等の構成要素の機能を含む、通信装置17の機能を実現させるために、それぞれの構成要素を制御する。
【0029】
通信装置17の機能は、本実施形態に係る通信装置プログラムを、コンピュータのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、通信装置17の機能は、ソフトウェアにより実現される。通信装置プログラムは、通信装置17の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、当該ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、通信装置プログラムは、コンピュータを通信装置17として機能させるためのプログラムである。
【0030】
プログラムは、コンピュータで読取り可能な非一時的記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読取り可能な非一時的記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムの流通は、例えば、プログラムを記録したDVD(digital versatile disc)又はCD-ROM(compact disc read only memory)などの可搬型記録媒体を販売、譲渡、又は貸与することにより行われる。或いは、プログラムを所定のサーバのストレージに格納しておき、所定のサーバから他のコンピュータにプログラムを転送することにより、プログラムを流通させることができる。プログラムはプログラムプロダクトとして提供されてもよい。
【0031】
コンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラム又は所定のサーバから転送されたプログラムを、一旦、メモリに格納する。そして、コンピュータは、メモリに格納されたプログラムをプロセッサで読み取り、読み取ったプログラムに従った処理をプロセッサで実行する。コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行してもよい。コンピュータは、コンピュータに所定のサーバからプログラムが転送される度に、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行してもよい。所定のサーバからコンピュータへのプログラムの転送は行わず、実行指示及び結果取得のみによって機能を実現する、いわゆるASP(application service provider)型のサービスによって処理を実行してもよい。プログラムには、コンピュータによる処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるものが含まれる。例えば、コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータは、「プログラムに準ずるもの」に該当する。
【0032】
(サーバの構成)
図3を参照して、本実施形態に係るサーバ20の構成を説明する。図3は、サーバ20の構成を示すブロック図である。図3にブロック図で示されるように、サーバ20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。通信部21、記憶部22、及び制御部23は、有線又は無線で互いに通信可能に接続される。
【0033】
通信部21は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi、Bluetooth、又は赤外線通信などの近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、サーバ20は、通信部21を介してネットワーク40に接続される。これによって、サーバ20は、車両10及び端末装置30と通信することができる。
【0034】
記憶部22は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部22は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22は、サーバ20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部22は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部22に記憶された情報は、例えば通信部21を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0035】
制御部23は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部23は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。制御部23は、上述した通信部21及び記憶部22等の構成要素の機能を含む、サーバ20の機能を実現させるために、それぞれの機能を制御する。
【0036】
サーバ20の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、コンピュータのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、サーバ20の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、サーバ20の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、当該ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータをサーバ20として機能させるためのプログラムである。
【0037】
(端末装置の構成)
図4を参照して、本実施形態に係る端末装置30の構成を説明する。図4は、端末装置30の構成を示すブロック図である。図4にブロック図で示されるように、端末装置30は、測位部31と、通信部32と、表示部33と、入力部34と、取得部35と、記憶部36と、制御部37と、を備える。測位部31、通信部32、表示部33、入力部34、取得部35、記憶部36、及び制御部37は、有線又は無線で互いに通信可能に接続される。
【0038】
測位部31は、端末装置30の位置を計測し、端末装置30の位置情報を生成する。端末装置30の位置情報は、例えば、2次元座標又は3次元座標等の座標である。測位部31は、衛星測位システムを用いた航法により端末装置30の位置を計測するために、衛星測位システムに対応する受信機を含む。受信機が対応する衛星測位システムは、例えばGPS(Global Positioning System)であってもよい。或いは、測位部31は、自律航法により端末装置30の位置を計測するために加速度センサ又はジャイロセンサ等のセンサを含んでもよい。
【0039】
通信部32は、ネットワーク40に接続する通信モジュールを含む。通信モジュールは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応した通信モジュールである。通信モジュールは、例えば有線LAN又は無線LAN等の規格に対応した通信モジュールであってもよい。通信モジュールは、Wi-Fi、Bluetooth、又は赤外線通信などの近距離無線通信規格に対応した通信モジュールであってもよい。本実施形態において、端末装置30は、通信部32を介してネットワーク40に接続される。これによって、端末装置30は、サーバ20などと通信することができる。
【0040】
表示部33は、画像又はテキスト等で情報を表示する。表示部33は、例えばディスプレイ等の表示装置を含む。
【0041】
入力部34は、入力操作を受け付ける。入力部34は、例えばタッチパネル、物理キー、カメラ、マイク、又はICカードリーダー等の入力装置を含む。
【0042】
取得部35は、車両10の予約要求の重要度の判定に用いられる情報を取得する。例えば、取得部35は、センサを含む。センサは、例えば、体温計、脈拍計、血圧計、又は心電計等である。かかる場合、取得部35は、センサを用いて、体温、脈拍数、血圧値、又は心電図等の、利用者の生体情報を取得する。
【0043】
取得部35は、入力装置を含んでもよい。かかる場合、取得部35は、タッチパネル等の入力装置を用いて、利用者によって入力された情報を受け付けてもよい。或いは、取得部35は、カメラ又はマイク等の入力装置を用いて、利用者を撮像した画像又は利用者が発した音声を受け付けてもよい。上述した入力部34が、取得部35として機能してもよい。
【0044】
取得部35は、通信モジュールを含んでもよい。かかる場合、取得部35は、利用者が装着しているウェアラブルデバイス等の他のコンピュータと通信を行い、他のコンピュータによって取得された利用者の生体情報等を受信してもよい。或いは、取得部35は、記憶部36から利用者に関する情報を読み出してもよい。上述した通信部32が、取得部35として機能してもよい。
【0045】
記憶部36は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等である。記憶部36は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部36は、端末装置30の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部36は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、組み込みソフトウェア、又はデータベース等を記憶する。記憶部36に記憶された情報は、例えば通信部32を介してネットワーク40から取得される情報で更新可能であってもよい。
【0046】
制御部37は、1つ以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU等の汎用のプロセッサ又は特定の処理に特化した専用のプロセッサ等であってもよい。制御部37は、プロセッサに限られず、1つ以上の専用回路を含んでもよい。専用回路は、例えば、FPGA又はASICであってもよい。制御部37は、上述した通信部32、表示部33、入力部34、取得部35、及び記憶部36等の構成要素の機能を含む、端末装置30の機能を実現させるために、それぞれの機能を制御する。
【0047】
端末装置30の機能は、本実施形態に係る制御プログラムを、コンピュータのプロセッサで実行することにより実現される。すなわち、端末装置30の機能は、ソフトウェアにより実現される。制御プログラムは、端末装置30の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、当該ステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータを端末装置30として機能させるためのプログラムである。
【0048】
(情報処理システムの動作)
図5及び図6を参照して、本実施形態における情報処理システム1の動作を説明する。情報処理システム1は、カーシェアリングサービスにおける、車両10の予約情報の管理に用いられる。図5は、情報処理システム1の第1の動作を示すフローチャートである。図6は、情報処理システム1の第2の動作を示すフローチャートである。
【0049】
一実施例として、車両10の利用者の一人である第1利用者が、端末装置30を使用して車両10の予約を行うものとする。サーバ20は、車両10として第1車両10A及び第2車両10Bの予約情報を管理しているものとする。
【0050】
はじめに、図5を参照して、第1利用者が端末装置30から車両10の予約を行うための、情報処理システム1における処理の流れを説明する。
【0051】
図5に示されるように、ステップS101において、端末装置30の制御部37は、車両10の予約要求を生成する。車両10の予約要求は、車両10の予約要求の重要度の判定に用いられる情報を含む。
【0052】
具体的には、端末装置30の制御部37は、入力部34を介して、車両10の予約要求を生成する指示を受け付けた場合に、車両10の予約要求を生成する。制御部37は、取得部35を制御して、車両10の予約要求の重要度の判定に用いられる情報を取得する。制御部37は、車両10の予約要求の重要度の判定に用いられる情報を含む、車両10の予約要求を生成する。ただし、制御部37は、入力部34への入力によらず、車両10の予約要求を生成してもよい。制御部37は、取得部35により、所定の条件を満たす、車両10の予約要求の重要度の判定に用いられる情報が取得された場合に、車両10の予約要求を自動で生成してもよい。これによって、制御部37は、例えば、取得部35において利用者の健康状態の悪化を示す情報が取得された場合に、自動で車両10の予約要求を生成することができる。
【0053】
例えば、予約要求の重要度の判定に用いられる情報は、車両10の利用者の種別を含む。利用者の種別は、例えば、利用者の職業である。これによって、予約要求の重要度の判定において、利用者の職業が、医者、警察官、又は消防士などの緊急性の高い職業の場合、重要度を高くすることができる。利用者の種別は、職業に限られず、現在治療中の病気、通院中の病院、会員ランク、又は年齢などの利用者に関する情報を含んでもよい。
【0054】
予約要求の重要度の判定に用いられる情報は、車両10の用途を含んでもよい。車両10の用途は、例えば、車両10の目的地である。これによって、予約要求の重要度の判定において、車両10の目的地が、病院、警察署、又は事故現場などの緊急性の高い場所の場合、重要度を高くすることができる。車両10の用途は、目的地に限られず、車に乗せて運ぶ荷物などの情報を含んでもよい。
【0055】
予約要求の重要度の判定に用いられる情報は、車両10の利用者の健康状態を示す情報を含んでもよい。車両10の利用者の健康状態を示す情報は、例えば、体温、脈拍数、血圧値、又は心電図等の、利用者の生体情報である。これによって、予約要求の重要度の判定において、車両10の利用者の健康状態が悪い場合、重要度を高くすることができる。或いは、車両10の利用者の健康状態を示す情報は、利用者を撮影した画像又は利用者の声を録音した音声データなどであってもよい。これによって、予約要求の重要度の判定において、画像又は音声データから利用者の緊張度合いが高いと判定された場合、重要度を高くすることができる。
【0056】
予約要求の重要度の判定に用いられる情報は、上述した例に限られず、利用者の位置情報、車両10の種類、利用開始日時、利用終了日時、又は利用期間などを含んでもよい。
【0057】
ステップS102において、端末装置30の制御部37は、車両10の予約要求の重要度の判定に用いられる情報を含む、車両10の予約要求を、通信部32を介して、サーバ20に送信する。これによって、制御部37は、後述するように、サーバ20に、予約要求の重要度を判定させ、重要度を含む車両10の予約情報を生成させることができる。
【0058】
本実施例において、第1利用者が、体調が悪くなり、かかりつけの病院である病院Aに行くために、端末装置30の入力部34を操作して病院Aを目的地とする車両10の予約を行う。端末装置30の制御部37は、取得部35を制御して、第1利用者の脈拍数を取得する。制御部37は、第1利用者の位置情報、車両10の目的地として病院Aの位置情報、健康状態を示す情報として第1利用者の脈拍数を含む、車両10の予約要求を生成する。制御部37は、通信部32を介して、車両10の予約要求をサーバ20に送信する。
【0059】
ステップS103において、サーバ20の制御部23は、車両10の予約要求を、通信部21を介して、端末装置30から受信する。制御部23は、受信した車両10の予約要求を記憶部22に記憶する。
【0060】
ステップS104において、サーバ20の制御部23は、予約要求の重要度を判定する。
【0061】
具体的には、サーバ20の制御部23は、受信した車両10の予約要求に含まれる、予約要求の重要度の判定に用いられる情報に基づいて、予約要求の重要度を判定する。予約要求の重要度は、例えば、より重要な予約要求が高いスコアになるように、0~100までのスコアで表されてもよい。制御部23は、第1利用者の種別に応じて、予約要求の重要度を判定する。制御部23は、例えば、第1利用者の種別に基づいて、第1利用者の職業が医者であると判定した場合、所定のスコアを加算して、予約要求の重要度を高くする。制御部23は、第1利用者の車両10の用途に応じて、予約要求の重要度を判定する。制御部23は、第1利用者の車両10の用途に基づいて、車両10の目的地が、病院であると判定した場合、所定のスコアを加算して、予約要求の重要度を高くする。制御部23は、第1利用者の健康状態に応じて、予約要求の重要度を判定する。例えば、制御部23は、第1利用者の健康状態を示す情報に基づいて、第1利用者の健康状態が悪いと判定した場合、所定のスコアを加算して、予約要求の重要度を高くすることができる。
【0062】
制御部23は、予約要求の重要度の判定において、それぞれの利用者の過去の予約情報及び利用実績に基づいて、重要度の補正を行ってもよい。例えば、制御部23は、それぞれの利用者の重要度を補正するためのパラメータを記憶部22に記憶していてもよい。制御部23は、ある利用者の過去の予約情報と利用実績との乖離が多い場合、その利用者からの車両10の予約要求の重要度を低く補正できるように、利用者のパラメータを変更してもよい。
【0063】
ステップS105において、サーバ20の制御部23は、重要度を含む、第1利用者に使用させる車両10の第1予約情報を生成する。
【0064】
具体的には、サーバ20の制御部23は、第1利用者の位置情報又は利用期間などの、予約要求に含まれる情報に基づいて、第1予約情報に割り当てる車両10を選定する。例えば、制御部23は、予約要求に含まれる情報に基づいて、第1利用者の位置から所定の距離範囲の中に、利用期間において予約情報が登録されていない車両10がある場合に、第1予約情報に割り当てる車両10があると判定する。制御部23は、第1予約情報に割り当てる車両10がある場合、判定した予約要求の重要度を含む、第1利用者に使用させる車両10の第1予約情報を生成する。車両10の第1予約情報は、例えば、利用者の情報、車両10の情報、利用期間、及び重要度を含む。
【0065】
一方で、制御部23は、第1予約情報に割り当てる車両10がない場合、判定した予約要求の重要度と、既に存在する他の予約情報の重要度とを比較する。制御部23は、他の予約情報の中に、予約要求の重要度よりも低い重要度を含む第2予約情報が存在する場合、第2予約情報に割り当てられた車両10を第1予約情報に割り当てて、第1予約情報を生成する。制御部23は、複数の第2予約情報が存在する場合、複数の第2予約情報のうち重要度が最も低い第2予約情報に割り当てられた車両10を第1予約情報に割り当ててもよい。或いは、制御部23は、複数の第2予約情報が存在する場合、第1利用者の位置と複数の第2予約情報の各々に割り当てられた車両10の位置とに基づいて、複数の第2予約情報のうちいずれか1つの第2予約情報に割り当てられた車両10を第1予約情報に割り当ててもよい。例えば、制御部23は、複数の第2予約情報に割り当てられた車両10のうち、第1利用者の位置に最も近い位置にある車両10を第1予約情報に割り当てることで、車両10を利用するために第1利用者が移動する距離を短くすることができる。
【0066】
本実施例において、サーバ20の制御部23は、端末装置30から受信した予約要求の重要度を判定する。制御部23は、予約要求に含まれる情報に基づいて、目的地が病院Aであり、第1利用者の脈拍数の数値が高いと判定された場合、予約要求の重要度を90と高く設定する。次に、制御部23は、第1予約情報に割り当てる車両10を選定するために、第1車両10A及び第2車両10Bの予約情報を確認する。しかしながら、第1車両10Aには重要度40の予約情報R1が設定されており、第2車両10Bには重要度50の予約情報R2が既に登録されていたとする。その場合、制御部23は、予約情報R1及びR2のうち最も重要度が低い予約情報R1をキャンセルする。制御部23は、第1利用者に第1車両10Aを使用させるための第1予約情報を生成する。
【0067】
ステップS106において、サーバ20の制御部23は、通信部21を介して、車両10の第1予約情報を送信する。
【0068】
ステップS107において、端末装置30の制御部37は、通信部32を介して、車両10の第1予約情報を受信する。これによって、例えば、制御部37は、表示部33に、第1予約情報に含まれる車両10の位置を地図上に表示して、第1利用者に車両10の予約情報が登録されたことを通知することができる。
【0069】
ステップS108において、通信装置17の制御部16は、通信部12を介して、車両10の第1予約情報を受信する。これによって、例えば、通信装置17は、第1予約情報に含まれる第1利用者の情報に基づいて、キーレスエントリーシステムの設定を行い、第1利用者による車両10の利用を可能にすることができる。
【0070】
次に、図6を参照して、第1予約情報に割り当てられた車両10の利用実績に基づいて利用者の評価を行うための、情報処理システム1における処理の流れを説明する。
【0071】
ステップS201において、通信装置17の制御部16は、通信部12を介して、車両10の利用実績をサーバ20に送信する。車両10の利用実績は、例えば、車両10の移動経路である。かかる場合、制御部16は、測位部11によって生成された車両10の位置情報に基づいて、車両10の移動経路を生成する。制御部16は、生成した車両10の移動経路を含む、車両10の利用実績を、通信部12を介してサーバ20に送信する。ただし、車両10の利用実績は、車両10の移動経路に限られず、車載カメラによって車外を撮影した画像など、車両10が目的地に到着したことがわかる情報を含んでもよい。
【0072】
ステップS202において、端末装置30の制御部37は、通信部32を介して、車両10の利用実績をサーバ20に送信する。車両10の利用実績は、例えば、端末装置30の移動経路である。端末装置30の利用実績は、測位部31によって生成された端末装置30の位置情報に基づいて、端末装置30の移動経路を生成する。制御部16は、生成した端末装置30の移動経路を含む、車両10の利用実績を、通信部12を介してサーバ20に送信する。ただし、車両10の利用実績は、端末装置30の移動経路に限られず、車両10が目的地に到着した後に目的地で撮影した画像又は目的地で発行された書類をスキャンした画像など、車両10が目的地に到着したことがわかる情報を含んでもよい。
【0073】
ステップS203において、サーバ20の制御部23は、通信部21を介して、車両10の利用実績を受信する。制御部23は、受信した車両10の利用実績を記憶部22に記憶する。
【0074】
ステップS204において、サーバ20の制御部23は、車両10の第1予約情報の評価を実施する。具体的には、制御部23は、第1予約情報に割り当てられた車両10の利用実績に基づいて、第1予約情報のとおり車両10が利用されたか否かを判定する。
【0075】
具体的には、サーバ20の制御部23は、通信装置17又は端末装置30から受信した車両10の利用実績に含まれる車両10又は端末装置30の移動経路に、第1予約情報に含まれる目的地が含まれる場合に、第1予約情報のとおり車両10が利用されたと判定する。或いは、制御部23は、通信装置17又は端末装置30から受信した車両10の利用実績に車両10の目的地に到着したことを示す情報が含まれる場合に、第1予約情報のとおり車両10が利用されたと判定してもよい。制御部23は、第1予約情報のとおり車両10が利用されたか否かの判定結果を、車両10の第1予約情報の評価結果として、記憶部22に記憶する。
【0076】
ステップS205において、サーバ20の制御部23は、車両10の第1予約情報の評価結果に基づいて、第1利用者の評価を実施する。具体的には、制御部23は、第1予約情報のとおり車両10が利用されなかったと判定した場合、次回以降に受信する第1利用者からの車両10の予約要求の重要度を低くする。例えば、制御部23は、予約要求の重要度の判定に用いられる利用者のパラメータを、車両10の第1予約情報の重要度が低く補正されるように変更してもよい。
【0077】
本実施例において、第1利用者は、第1車両10Aを利用して、病院Aまで移動する。通信装置17の制御部16は、病院Aまで第1車両10Aの移動経路を、通信部12を介してサーバ20に送信する。さらに、第1利用者は、病院Aでの診察後、病院Aで発行された診断書をスキャンした画像を、端末装置30からサーバ20に送信する。サーバ20は、通信装置17から受信した第1車両10Aの移動経路に病院Aの位置が含まれるため、第1予約情報のとおり第1車両10Aが利用されたと判定する。さらに、サーバ20は、端末装置30から病院Aで発行された診断書をスキャンした画像を受信したため、第1予約情報のとおり第1車両10Aが利用されたと判定する。このため、サーバ20は、予約要求の重要度の判定に用いられる第1利用者のパラメータを変更しない。
【0078】
以上述べたように、本実施形態に係るサーバ20は、通信部21と、通信部21を介して、第1利用者からの車両10の予約要求を受信し、予約要求の重要度を判定し、重要度を含む、第1利用者に使用させる車両10の第1予約情報を生成する、制御部23と、を備え、制御部23は、第1予約情報に割り当てる車両10がない場合、予約要求の重要度と、既に存在する他の予約情報の重要度とを比較し、他の予約情報のうち、予約要求の重要度よりも低い重要度を含む第2予約情報に割り当てられた車両10を第1予約情報に割り当てる。かかる構成によれば、サーバ20は、車両10が全て予約されている場合であっても、第1利用者の予約要求が重要であると判定した場合には、既に存在する他の予約情報に割り当てられた車両10を第1利用者に割り当てることができる。したがって、情報処理システム1によれば、カーシェアリングサービスにおける利用者の利便性を向上させることができる。
【0079】
本実施形態に係るサーバ20では、予約要求の重要度は、第1利用者の種別に応じて判定されてもよい。かかる構成によれば、サーバ20は、職業などの第1利用者の種別を考慮することで、第1利用者からの予約要求の重要度をより精度よく評価することができる。
【0080】
本実施形態に係るサーバ20では、予約要求の重要度は、第1利用者の車両10の用途に応じて判定されてもよい。かかる構成によれば、サーバ20は、車両10の目的地などの第1利用者の車両10の用途を考慮することで、第1利用者からの予約要求の重要度をより精度よく評価することができる。
【0081】
本実施形態に係るサーバ20では、予約要求の重要度は、第1利用者の健康状態に応じて判定されてもよい。かかる構成によれば、サーバ20は、第1利用者の健康状態を考慮することで、第1利用者からの予約要求の重要度をより精度よく評価することができる。
【0082】
本実施形態に係るサーバ20では、制御部23は、複数の第2予約情報が存在する場合、複数の第2予約情報のうち重要度が最も低い第2予約情報に割り当てられた車両10を第1予約情報に割り当てることができる。かかる構成によれば、サーバ20は、第2予約情報をキャンセルすることによる、第1利用者以外の利用者への影響を少なくすることができる。
【0083】
本実施形態に係るサーバ20では、制御部23は、複数の第2予約情報が存在する場合、第1利用者の位置と複数の第2予約情報の各々に割り当てられた車両10の位置とに基づいて、複数の第2予約情報のうちいずれか1つの第2予約情報に割り当てられた車両10を第1予約情報に割り当てることができる。かかる構成によれば、サーバ20は、車両10を利用するために第1利用者が移動する距離を短くすることができる。
【0084】
本実施形態に係るサーバ20では、制御部23は、通信部21を介して、第1予約情報に割り当てられた車両10の利用実績を受信し、利用実績に基づいて、第1予約情報のとおり車両10が利用されたか否かを判定することができる。かかる構成によれば、サーバ20は、第1予約情報を生成する際に判定した予約要求の重要度が適切であったかを評価することができる。
【0085】
本実施形態に係るサーバ20では、制御部23は、第1予約情報のとおり車両10が利用されなかったと判定した場合、次回以降に受信する第1利用者からの車両10の予約要求の重要度を低くすることができる。かかる構成によれば、サーバ20は、より重要な予約要求に対して車両10を割り当てることができる。
【0086】
本実施形態に係る端末装置30は、通信部32と、通信部32を介して、予約要求の重要度の判定に用いられる情報を含む、車両10の予約要求をサーバ20に送信し、サーバ20に、予約要求の重要度を判定させ、重要度を含む、車両10の予約情報を生成させる、制御部37と、を備える。かかる構成によれば、端末装置30は、サーバ20に、車両10が全て予約されている場合であっても、第1利用者の予約要求が重要であると判定した場合には、既に存在する他の予約情報に割り当てられた車両10を第1利用者に割り当てさせることができる。したがって、情報処理システム1によれば、カーシェアリングサービスにおける利用者の利便性を向上させることができる。
【0087】
本実施形態に係る端末装置30では、予約要求の重要度の判定に用いられる情報は、車両10の利用者の種別を含んでもよい。かかる構成によれば、端末装置30は、サーバ20に、職業などの第1利用者の種別を考慮した重要度の判定を実施させることができる。
【0088】
本実施形態に係る端末装置30では、予約要求の重要度の判定に用いられる情報は、車両10の用途を含んでもよい。かかる構成によれば、端末装置30は、サーバ20に、車両10の目的地などの第1利用者の車両10の用途を考慮した重要度の判定を実施させることができる。
【0089】
本実施形態に係る端末装置30では、予約要求の重要度の判定に用いられる情報は、車両10の利用者の健康状態を示す情報を含んでもよい。かかる構成によれば、端末装置30は、サーバ20に、第1利用者の健康状態を考慮した重要度の判定を実施させることができる。
【0090】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0091】
例えば、上述した実施形態において、サーバ20の機能又は処理として説明された機能又は処理の全部又は一部が、端末装置30の機能又は処理として実現されてもよい。具体的には、実施形態に係るサーバ20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、端末装置30のメモリ等に記憶させ、端末装置30のプロセッサ等によって当該プログラムを読み出して実行させることができる。例えば、上述した実施形態において、サーバ20が実行する処理として説明した、予約要求の重要度を判定する処理を、端末装置30に実行させてもよい。
【0092】
また、例えば、スマートフォン等の汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る通信装置17又はサーバ20として機能させる構成も可能である。具体的には、実施形態に係る通信装置17又はサーバ20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、コンピュータのメモリに格納し、コンピュータのプロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。例えば、汎用のコンピュータを車両10の通信装置17として機能させる場合、上述した車両10の通信装置17の構成及び機能を有するコンピュータを車両10に設置することで実現することができる。
【符号の説明】
【0093】
1 情報処理システム
10 車両
11 測位部
12 通信部
13 表示部
14 入力部
15 記憶部
16 制御部
17 通信装置
20 サーバ
21 通信部
22 記憶部
23 制御部
30 端末装置
31 測位部
32 通信部
33 表示部
34 入力部
35 取得部
36 記憶部
37 制御部
40 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6