(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ターボチャージャのオイルコーキング堆積量の推定装置
(51)【国際特許分類】
F02B 39/16 20060101AFI20231121BHJP
F02D 45/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
F02B39/16 F
F02D45/00 345
(21)【出願番号】P 2020210599
(22)【出願日】2020-12-18
【審査請求日】2023-02-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】浦 晴登
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-270524(JP,A)
【文献】特開2013-19319(JP,A)
【文献】特開2019-183751(JP,A)
【文献】特開2020-60125(JP,A)
【文献】特許第6705540(JP,B1)
【文献】国際公開第2013/121517(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 39/00
F02D 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたターボチャージャの内部のオイルコーキングの堆積量を推定する装置であって、
実行装置と、記憶装置と、を備えており、
前記記憶装置には、前記車両の走行状態を示す走行状態量を入力とし、前記ターボチャージャの内部温度を出力とするニューラルネットワークであって、前記内部温度の計測値とその計測時の前記走行状態量の計測値とを教師データに用いて学習されたニューラルネットワークが記憶されており、
前記実行装置は、前記走行状態量の計測値を入力とした前記ニューラルネットワークの出力を前記内部温度の推定値として演算する内部温度推定処理と、前記内部温度の推定値に基づいて前記堆積量の増加量を演算するとともに同増加量を積算した値として前記堆積量の推定値を演算する堆積量推定処理と、を実行する
ターボチャージャのオイルコーキング堆積量の推定装置。
【請求項2】
前記実行装置は、前記堆積量の推定値が既定の閾値を超えている場合に、エンジンの出力制限を指令する指令処理を実行する請求項1に記載のターボチャージャのオイルコーキング堆積量の推定装置。
【請求項3】
前記実行装置は、前記堆積量の推定値が既定の閾値を超えている場合に、前記ターボチャージャがメンテナンスを必要とする状態にあることの前記車両のユーザに対する通知を指令する指令処理を実行する請求項1に記載のターボチャージャのオイルコーキング堆積量の推定装置。
【請求項4】
前記ニューラルネットワークの入力として、前記走行状態量の時系列データを用いる請求項1~3のいずれか1項に記載のターボチャージャのオイルコーキング堆積量の推定装置。
【請求項5】
前記走行状態量には、車速、エンジン回転数、アクセルペダル開度、燃料噴射量、過給圧、吸気流量、外気温、及び吸気温の一つ以上が含まれる請求項1~4のいずれか1項に記載のターボチャージャのオイルコーキング堆積量の推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボチャージャのオイルコーキング堆積量の推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ターボチャージャのコンプレッサに吸気と共に流入するブローバイガス中のオイルが、コンプレッサでの吸気の圧縮に伴う温度上昇により炭化して、コンプレッサ内に固着することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ターボチャージャの内部には、ジャーナルの潤滑等に用いられるオイルが存在している。エンジンの運転中に排気により熱せられてターボチャージャの内部が高温となると、こうしたターボチャージャ内のオイルも炭化して、オイル通路の壁面やジャーナル部等に堆積する。そして、炭化したオイル、いわゆるオイルコーキングの堆積が進むと、オイルの流れやタービン軸の回転が阻害される虞がある。
【0005】
現状では、ターボチャージャ内のオイルコーキングの堆積状況を確認するには、ターボチャージャを分解するしかない。しかしながら、多くの車両では、定期的なターボチャージャの分解整備を前提としないかたちで車両が運用されている。そうした場合には、車両が寿命に至るまで、オイルコーキングの堆積量が問題とならない範囲に留まるように、ターボチャージャを設計することが求められる。そうした設計は、車両の一般的な運用状況、運用期間を想定してなされることになる。一方、近年には、自家用車として開発された車両でも、カーシェアリング等の様々な形態で運用されることがある。そうした場合、車両間の運用状況や運用期間の違いが大きくなる。そのため、一般的な運用状況、運用期間の定義が難しく、上記のようなターボチャージャの設計も困難となる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するターボチャージャのコーキング堆積量の推定装置は、車両に搭載されたターボチャージャの内部のオイルコーキングの堆積量を推定する装置であって、実行装置と、記憶装置と、を備えている。記憶装置には、車両の走行状態を示す走行状態量を入力とし、ターボチャージャの内部温度を出力とするニューラルネットワークであって、内部温度の計測値とその計測時の走行状態量の計測値とを教師データに用いて学習されたニューラルネットワークが記憶されている。そして、実行装置は、走行状態量の計測値を入力としたニューラルネットワークの出力を内部温度の推定値として演算する内部温度推定処理と、内部温度の推定値に基づいて上記堆積量の増加量を演算するとともに同増加量を積算した値として上記堆積量の推定値を演算する堆積量推定処理と、を実行する。
【0007】
ターボチャージャの内部で新たに生成されて堆積するオイルコーキングの量は、ターボチャージャの内部温度に依存する。ターボチャージャの内部温度は、車両の走行状態により変化する。ただし、ターボチャージャの内部温度に影響する走行状態量は多数存在しており、各走行状態量と内部温度との関係は複雑である。
【0008】
これに対して、上記推定装置における記憶装置に記憶されるニューラルネットワークには、予め走行状態量と内部温度との関係を学習したものとなっている。こうしたニューラルネットワークを用いれば、車両の走行状態量からターボチャージャの内部温度を推定できる。そして、推定した内部温度からはオイルコーキングの堆積量の増加量を、ひいては同増加量を積算した値として堆積量を求められる。よって、上記推定装置によれば、ターボチャージャ内部のオイルコーキングの堆積量を的確に推定できる。
【0009】
上記推定装置における実行装置を、堆積量の推定値が既定の閾値を超えている場合に、エンジンの出力制限を指令する指令処理を実行する構成とするとよい。エンジンの出力制限を行えば、ターボチャージャの内部温度の上昇が、ひいては以後のオイルコーキングの堆積が抑えられる。よって、許容範囲を超える過大なオイルコーキングの堆積を抑制できる。
【0010】
また、上記推定装置における実行装置を、堆積量の推定値が既定の閾値を超えている場合に、ターボチャージャがメンテナンスを必要とする状態にあることの車両のユーザに対する通知を指令する指令処理を実行する構成としてもよい。こうした場合、ユーザにメンテナンスを促す通知がオイルコーキングの堆積が一定の量に達した時期に行われることになる。よって、オイルコーキングの堆積が許容範囲を超える前の適切な時期にメンテナンスを促すことができる。
【0011】
走行状態量の変化が内部温度に反映されるまでにはある程度の時間を要する。よって、上記ニューラルネットワークの入力としては、走行状態量の時系列データを用いることが望ましい。
【0012】
なお、ターボチャージャの内部温度に影響を与える、主要な車両の走行状態量としては、車速、エンジン回転数、アクセルペダル開度、燃料噴射量、過給圧、吸気流量、外気温、吸気温がある。よって、上記ニューラルネットワークの入力とする走行状態量には、それらの一つ以上を含めることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ターボチャージャのオイルコーキング堆積量の推定装置の一実施形態の構成を模式的に示す図。
【
図2】同推定装置におけるオイルコーキング堆積量の推定に関連する各処理の関係を示すブロック図。
【
図3】同推定装置でのオイルコーキング堆積量の推定に用いるニューラルネットワークの構成を模式的に示す図。
【
図4】同推定装置が実行する内部温度推定処理のフローチャート。
【
図5】同推定装置が実行する堆積量推定処理、及び指令処理のフローチャート。
【
図6】ターボチャージャのオイル通路の壁面温度及びその保持時間とオイルコーキングの堆積量との関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、ターボチャージャのオイルコーキング堆積量の推定装置の一実施形態を、
図1~
図6を参照して詳細に説明する。
<ターボチャージャの構成>
まず、
図1を参照して、本実施形態の推定装置がオイルコーキング堆積量の推定対象とするターボチャージャ20の構成を説明する。
図1に示すように、ターボチャージャ20は、エンジン10に設置されている。エンジン10は、車両に搭載されている。エンジン10には、吸気通路11と排気通路12とが設けられている。また、エンジン10には、同エンジン10の回転を受けて動作するオイルポンプ13が設置されている。
【0015】
ターボチャージャ20は、エンジン10の排気通路12に設置されたタービンハウジング21と、エンジン10の吸気通路11に設置されたコンプレッサハウジング22と、を備える。タービンハウジング21とコンプレッサハウジング22とは、ジャーナルハウジング23を介して連結されている。タービンハウジング21の内部には、排気通路12を流れる排気の吹付けにより回転するタービンホイール24が設置されている。コンプレッサハウジング22の内部には、吸気通路11を流れる吸気を回転に応じて圧縮するコンプレッサホイール25が設置されている。ジャーナルハウジング23には、タービンホイール24とコンプレッサホイール25とを連結するタービン軸26が通されている。タービン軸26は、フローティング軸受27により、ジャーナルハウジング23に対して回転自在に軸支されている。ジャーナルハウジング23の内部には、フローティング軸受27を通ってオイルを流すための通路であるオイル通路28が形成されている。オイル通路28には、オイルポンプ13が吐出したオイルの一部が供給される。
【0016】
<推定装置の構成>
続いて、本実施形態の推定装置の構成を説明する。ターボチャージャ20が設けられた車両には、エンジン制御用の電子制御ユニット30が搭載されている。電子制御ユニット30は、エンジン制御のための各種処理を実行する演算処理回路31と、エンジン制御用のプログラムやデータが記憶されたメモリ32と、を備えている。電子制御ユニット30には、車速V、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC、過給圧PB、吸気流量GA、外気温TH1、吸気温TH2などの車両の走行状態を示す状態量の検出信号が入力されている。本実施形態では、電子制御ユニット30が推定装置に対応する構成となっている。
【0017】
図2に、電子制御ユニット30が実行する処理の概要を示す。同図に示される各処理は、メモリ32に記憶されたプログラムを演算処理回路31が読み込んで実行することで、実施される処理となっている。
【0018】
演算処理回路31は、エンジン出力の要求値である要求出力PE*を決定する要求出力決定処理F1と、要求出力PE*に基づき、エンジン操作量を決定する操作量決定処理F2と、を行っている。要求出力決定処理F1では、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC等に基づいて、要求出力PE*の値が決定されている。また、操作量決定処理F2では、要求出力PE*、エンジン回転数NE等に基づき、スロットル開度TA、燃料噴射量QINJ、点火時期AOP等のエンジン操作量が決定される。なお、操作量決定処理F2では、現在のエンジン回転数NEにおいて、要求出力PE*の値分のエンジン出力が得られるように各エンジン操作量の値が決定されている。
【0019】
一方、演算処理回路31は、ターボチャージャ20の内部温度を推定する内部温度推定処理F3と、ターボチャージャ20内のオイルコーキング堆積量を推定する堆積量推定処理F4と、を行っている。内部温度推定処理F3では、車両の走行状態量に基づき、ターボチャージャ20の内部温度の推定値が演算されている。また、堆積量推定処理F4では、内部温度推定処理F3での内部温度の推定値に基づき、オイルコーキング堆積量の推定値が演算されている。さらに、演算処理回路31は、オイルコーキング堆積量の推定値に基づき、警告灯33の点灯やエンジン出力の制限を指令する指令処理F5を実行している。本実施形態では、これら内部温度推定処理F3、堆積量推定処理F4、及び指令処理F5を実行する演算処理回路31が実行装置に対応している。
【0020】
なお、本実施形態では、内部温度推定処理F3において、オイル通路28における3つの部位の壁面温度を、ターボチャージャ20の内部温度としてそれぞれ推定している。そして、堆積量推定処理F4において、上記3つの部位のそれぞれにおけるオイルコーキングの堆積量を推定している。これら3つの部位は、
図1に示す部位P1、P2、P3となっている。これらの部位P1、P2、P3は、ターボチャージャ20の内部に設けられたオイル通路28の中で、壁面温度が高くなり易く、かつオイルコーキングの堆積が問題となり易い部位となっている。
【0021】
<ニューラルネットワークの構成>
演算処理回路31は、内部温度推定処理F3において、メモリ32に記憶されたニューラルネットワーク34を用いて各部位P1、P2、P3の壁面温度の推定値である推定温度t1、t2、t3を演算している。
図3を参照して、ニューラルネットワーク34の構成を説明する。
【0022】
ニューラルネットワーク34は、N個のノードを有する入力層と、M個のノードを有する中間層と、3個のノードを有する出力層と、を備えている。なお、以下の説明における「i」は、1以上、N以下の任意の整数を表している。また、以下の説明における「j」は、1以上、M以下の任意の整数を表している。
【0023】
図3では、入力層の各ノードの入力値をX[1]、X[2]、……、X[N]と示す。各ノードの入力値X[1]~X[N]は、車両の走行状態を示す状態量である走行状態量となっている。入力値X[1]~X[N]とする走行状態量には、車速V、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC、燃料噴射量QINJ、過給圧PB、及び吸気流量GAのそれぞれの時系列データと、外気温TH1、及び吸気温TH2の瞬時値データと、を用いている。ここでの時系列データは、既定のサンプリング周期毎に取得した各走行状態量の計測値のうち、直近の既定個の値を時系列に並べた配列である。
【0024】
図3では、中間層の各ノードの入力値をU[1]、U[2]、……、U[M]、中間層の各ノードの出力値をZ[1]、Z[2]、……、Z[M]と示す。中間層の各ノードの入力値U[j]は、入力層の入力値X[1]、X[2]、……、X[N]のそれぞれに重みWijを乗じた値の和として算出される。中間層の各ノードの出力値Z[1]、Z[2]、……、Z[M]は、該当ノードの入力値U[j]を引数とした活性化関数Fの戻値として算出される。本実施形態では、活性化関数Fとしてシグモイド関数を用いている。
【0025】
図3では、出力層の3つのノードの入力値をY[1]、Y[2]、Y[3]と示す。Y[1]には、中間層の各ノードの出力値Z[j]のそれぞれに重みVj1を乗じた値の和が入力される。また、Y[2]には中間層の各ノードの出力値Z[j]のそれぞれに重みVj2を乗じた値の和が、Y[3]には中間層の各ノードの出力値Z[j]のそれぞれに重みVj3を乗じた値の和が、それぞれ入力される。このニューラルネットワーク34では、出力層の各ノードの入力値であるY[1]、Y[2]、Y[3]がそのまま該当ノードの出力値となっている。なお、Y[1]は部位P1の推定温度t1を、Y[2]は部位P2の推定温度t2を、Y[3]は部位P3の推定温度t3を、それぞれ示している。
【0026】
<ニューラルネットワークの学習>
次に、こうしたニューラルネットワーク34の生成方法、すなわち同ニューラルネットワーク34の学習について説明する。ニューラルネットワーク34の学習は、学習用の電子計算機を用いて行われる。
【0027】
ニューラルネットワーク34の学習に際しては、ターボチャージャ20における上述の部位P1~P3に温度センサが設置された学習用の車両を用いて教師データが作成される。教師データの作成に際しては、学習用の車両において、ニューラルネットワーク34の入力として用いられる各走行状態量と、部位P1~P3の温度と、を計測する。こうした計測を様々な走行状態で行い、部位P1~P3の温度の計測値と、その計測時における走行状態量の計測値と、を一つに纏めたデータセットを多数作成する。
【0028】
ニューラルネットワーク34の学習は、こうして作成された多数のデータセットにより構成された教師データを用いて行われる。具体的には、まずデータセットにおける走行状態量の計測値を、X[1]~X[N]の値としてニューラルネットワーク34の入力層に入力する。そして、それらの入力に対してニューラルネットワーク34が出力するY[1]~Y[3]の値とデータセットにおける部位P1~P3の温度の計測値との誤差が小さくなるように、誤差逆伝搬法を用いて、各重みWij、Vj1、Vj2、Vj3の値を修正する。こうした重みWij、Vj1、Vj2、Vj3の修正処理を、上記誤差が予め定めた値以下となるまで繰り返す。そして、上記誤差が予め定めた値以下となると、ニューラルネットワーク34の学習が完了したものと判定している。各車両の電子制御ユニット30のメモリ32には、こうして学習されたニューラルネットワーク34、すなわち学習済みネットワークが記憶される。
【0029】
<内部温度推定処理>
続いて、
図4を参照して、内部温度推定処理F3の詳細を説明する。内部温度推定処理F3では、ニューラルネットワーク34を用いて、各部位P1~P3の推定温度t1~t3を演算している。
【0030】
図4に、内部温度推定処理F3に係る処理ルーチンのフローチャートを示す。本ルーチンの処理は、エンジン10の運転中、演算処理回路31により、既定時間T毎に繰り返し実行される。
【0031】
本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS100において、ニューラルネットワーク34に入力する各走行状態量の計測値が読み込まれる。すなわち、車速V、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC、燃料噴射量QINJ、過給圧PB、及び吸気流量GAの時系列データの計測値と、外気温TH1及び吸気温TH2の瞬時値データの計測値と、が読み込まれる。
【0032】
続いて、ステップS110において、ニューラルネットワーク34の入力層の各ノードの入力値X[1]~X[N]の値として、ステップS100で読み込んだ各走行状態量の計測値が設定される。そして、次のステップS120において、ニューラルネットワーク34の出力であるY[1]~Y[3]の値が演算される。ここで演算されるY[1]、Y[2]、Y[3]の値はそれぞれ、ニューラルネットワーク34に入力した各走行状態量の計測時における部位P1~部位P3の推定温度t1、t2、t3を示している。
【0033】
本実施形態では、エンジン10の運転中に部位P1~P3のオイル通路28の壁面温度が取り得る値の範囲を複数の温度域に区分けしている。以下の説明では、温度域を、温度が低い方から順に、R[1]、R[2]、…、R[L]と記載する。ここでの「L」は温度域の数を示している。さらに本実施形態では、部位P1~P3のそれぞれについて、温度域R[1]~R[L]毎の推定温度の演算回数を示すカウンタを設定している。以下の説明では、部位P1についての各温度域R[1]、R[2]、…、R[L]の推定温度t1の演算回数を示すカウンタをそれぞれカウンタC1[1]、C[2]、…、C1[L]と記載する。同様に、部位P2についての各温度域R[1]、R[2]、…、R[L]の推定温度t2の演算回数を示すカウンタをそれぞれカウンタC2[1]、C2[2]、…、C2[L]と記載する。さらに、部位P3についての各温度域R[1]、R[2]、…、R[L]の推定温度t3の演算回数を示すカウンタをそれぞれカウンタC3[1]、C3[2]、…、C3[L]と記載する。
【0034】
ステップS130では、次の値のインクリメントが行われる。すなわち、ステップS130では、推定温度t1の演算値が含まれる温度域R[l]のカウンタC1[l]の値がインクリメントされる。また、ステップS130では、推定温度t2の演算値が含まれる温度域R[l]のカウンタC2[l]の値、及び推定温度t3の演算値が含まれる温度域R[l]のカウンタC3[l]の値がそれぞれインクリメントされる。そしてその後、今回の周期における本ルーチンの処理が終了される。
【0035】
<堆積量推定処理、及び指令処理>
続いて、
図5及び
図6を参照して、堆積量推定処理F4、及び指令処理F5の詳細を説明する。
図5は、堆積量推定処理F4及び指令処理F5に係る処理ルーチンのフローチャートを示す。
図5に示される一連の処理は、車両が既定距離Dを走行する毎に、演算処理回路31により実行される。
【0036】
本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS200において、各カウンタC1[1]~C1[L]、C2[1]~C2[L]、C3[1]~C3[L]の値が読み込まれる。続いて、ステップS210において、本ルーチンの前回の実行時から今回の実行時までの期間における各部位P1~P3のオイルコーキング堆積量の増加量Δ1~Δ3の値が演算される。増加量Δ1~Δ3はそれぞれ、式(1)~(3)の関係を満たす値として演算される。式(1)~(3)におけるSC[1]~SC[L]は、温度域毎に設定されたコーキング速度を示している。コーキング速度SC[l]の値は、既定時間Tの間、オイル通路28の壁面温度が該当する温度域R[l]内の温度となった状態が保持されたときに同オイル通路28の壁面に堆積するオイルコーキング量を示している。
【0037】
【数1】
図6に、オイル通路28の壁面を一定の温度に保持したときの、同壁面の温度、及びその保持時間と、オイル通路28の壁面のオイルコーキング堆積量と、の関係を示す。オイルコーキングは、オイルが一定の温度を超えて熱せられることで生成される。以下の説明では、オイルコーキングが生成されるオイル温度の範囲のうちの下限となる温度をコーキング開始温度Txと記載する。壁面温度がコーキング開始温度Tx未満の範囲では、保持時間に拘わらず、オイルコーキングの堆積量は「0」となる。一方、コーキング開始温度Tx以上の壁面温度の範囲では、壁面温度が高くなるほど、保持時間に対する堆積量の比率が、すなわちコーキング速度が大きくなる。各温度域R[l]のコーキング速度SC[l]の値は、こうした関係に基づき設定されている。すなわち、コーキング開始温度Txよりも低温側の温度域では、「0」がコーキング速度の値として設定されている。一方、コーキング開始温度Txよりも高温側の温度域では、高温側の温度域ほど大きい値がコーキング速度の値として設定されている。
【0038】
次のステップS220では、ステップS210で演算した増加量Δ1~Δ3に基づき、各部位P1~P3のオイルコーキング堆積量の推定値である推定コーキング堆積量M1~M3の値が更新される。ここでの推定コーキング堆積量M1~M3の更新は、更新前の値に増加量Δ1~Δ3を加えた和が更新後の値となるように行われる。
【0039】
ここで、内部温度推定処理F3において、部位P1~P3の壁面温度を正確に反映した値が推定温度t1~t3の値として演算されているものとする。また、
図4の処理ルーチンにより推定温度t1~t3が演算されてから、同処理ルーチンの次回の実行時までの期間、各部位P1~P3の壁面温度が一定に保持されているものとする。このときの上記期間に部位P1のオイルコーキング堆積量は、推定温度t1の値を含む温度域R[l]のコーキング速度SC[l]の値の分だけ増加する。同様に、部位P2のオイルコーキング堆積量は推定温度t2の値を含む温度域R[l]のコーキング速度SC[l]の値の分だけ増加する。また、部位P3のオイルコーキング堆積量は推定温度t3の値を含む温度域R[l]のコーキング速度SC[l]の値の分だけ増加する。
【0040】
一方、増加量Δ1は、車両が既定距離Dを走行する期間に演算された推定温度t1の値のそれぞれについて、その推定温度t1の演算値を含む温度域R[l]のコーキング速度SC[l]を積算した値として求められている。また、増加量Δ2、Δ3も同様に求められている。そして、車両が既定距離Dを走行する毎に求められた増加量Δ1~Δ3をそれぞれ積算した値が、推定コーキング堆積量M1~M3の値として演算されている。このように本実施形態では、推定温度t1~t3の演算値からそれぞれ求められる、既定時間T毎の各部位P1~P3のオイルコーキング堆積量の増加量を積算した値として、各部位P1~P3のオイルコーキング堆積量の推定値である推定コーキング堆積量M1~M3が演算されている。すなわち、本実施形態での推定コーキング堆積量M1~M3の演算は、実質的には、推定温度t1~t3の演算値に基づいてオイルコーキング堆積量の増加量を演算するとともに同増加量を積算することで行われている。
【0041】
こうして推定コーキング堆積量M1~M3が演算されると、ステップS230に処理が進められる。そして、そのステップS230において、各カウンタC1[1]~C1[L]、C2[1]~C2[L]、C3[1]~C3[L]の値が「0」にリセットされた後、ステップS240に処理が進められる。
【0042】
ステップS240に処理が進められると、そのステップS240において、各部位P1~P3の推定コーキング堆積量M1~M3のいずれか1つ以上が既定の警告閾値α以上であるか否かが判定される。ここで肯定判定された場合(YES)にはステップS250に処理が進められる。そして、そのステップS250において警告灯33の点灯を指令する指令信号が出力された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、ステップS240において否定判定された場合(NO)には、ステップS260に処理が進められる。
【0043】
ステップS260に処理が進められると、そのステップS260において、各部位P1~P3の推定コーキング堆積量M1~M3のいずれか1つ以上が既定の出力制限閾値β以上であるか否かが判定される。出力制限閾値βには、上述の警告閾値αよりも小さい値が設定されている。このステップS260において肯定判定された場合(YES)には、ステップS270に処理が進められる。そして、そのステップS270においてエンジンの出力制限を指令する指令信号が出力された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、ステップS260において否定判定された場合(NO)には、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
【0044】
推定コーキング堆積量M1~M3の値は、電子制御ユニット30の稼働停止中も、メモリ32に記憶保持されている。なお、メンテナンスにより、ターボチャージャ20の内部に堆積したオイルコーキングが除去されたり、ターボチャージャ20が新品に交換されたり、したときには、メモリ32に記憶された各推定コーキング堆積量M1~M3の値は「0」にリセットされる。
【0045】
なお、電子制御ユニット30は、要求出力決定処理F1での要求出力PE*の決定に際して、出力制限の指令信号が出力されているときには、同指令信号が出力されていないときに比べて、要求出力PE*の値の設定範囲の最大値を小さい値としている。本実施形態では、これにより、エンジン10の出力制限を行っている。
【0046】
ちなみに、本実施形態では、
図5のステップS200からステップS230までの処理が、堆積量推定処理F4に対応する処理となっている。また、
図5のステップS240からステップS270までの処理が、指令処理F5に対応する処理となっている。
【0047】
<実施形態の作用、効果>
本実施形態の作用及び効果について説明する。
ターボチャージャ20の内部に設けられたオイル通路28の部位P1~P3にそれぞれ堆積するオイルコーキングの量は、各部位P1~P3の壁面温度に依存する。各部位P1~P3の壁面温度は、車両の走行状態により変化する。ただし、壁面温度に影響する走行状態量は多数存在しており、各走行状態量と内部温度との関係は複雑である。これに対して、本実施形態では、機械学習を通じて、各走行状態量と各部位P1~P3の壁面温度との関係をニューラルネットワーク34に学習している。そして、そのニューラルネットワーク34を用いて、走行状態量の計測値から各部位P1~P3の壁面温度の推定値である推定温度t1~t3を演算している。そのため、各部位P1~P3の壁面温度を正確に反映した値として推定温度t1~t3が演算されることになる。
【0048】
さらに推定温度t1~t3の演算値からは、既定時間Tにおける各部位P1~P3のオイルコーキング堆積量の増加量が求められる。本実施形態では、推定温度t1~t3の演算値から求められたオイルコーキング堆積量の増加量を積算した値として各部位P1~P3のオイルコーキング堆積量の推定値である推定コーキング堆積量M1~M3を演算している。そのため、各部位P1~P3の実際のオイルコーキング堆積量を正確に反映した値として、推定コーキング堆積量M1~M3の値が演算されることになる。
【0049】
以上の本実施形態のターボチャージャのオイルコーキング堆積量の推定装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、各走行状態量と各部位P1~P3の壁面温度との関係をニューラルネットワーク34に学習している。そして、内部温度推定処理F3において、そのニューラルネットワーク34を用いて、走行状態量の計測値から各部位P1~P3の壁面温度の推定値である推定温度t1~t3を演算している。さらに、本実施形態では、堆積量推定処理F4において、推定温度t1~t3の演算結果から求められる増加量を積算した値を、各部位P1~P3のオイルコーキング堆積量の推定値である推定コーキング堆積量M1~M3の値として演算している。そのため、ターボチャージャ20の内部のオイルコーキングの堆積量を正確に推定できる。
【0050】
(2)本実施形態では、推定コーキング堆積量M1~M3のいずれかが出力制限閾値β以上となったときにエンジン10の出力制限を指令する指令信号を出力している。エンジン10の出力が大きくなると、ターボチャージャ20のタービンホイール24に流入する排気の温度が高くなり、部位P1~P3の壁面温度も高くなる。そして、オイル通路28の壁面へのオイルコーキングの堆積は、壁面温度が高いほど、促進される。よって、エンジン10の出力が制限されれば、壁面温度の上昇が抑えられて、オイルコーキングのそれ以上の堆積が抑制される。ただし、実際には、出力制限を要するほどには、オイルコーキングの堆積が進行していない状態で、エンジン10の出力制限が実施されれば、車両のユーザに不便を強いてしまう。その点、本実施形態では、各部位P1~P3のオイルコーキング堆積量の正確な推定が可能である。そのため、オイルコーキングの堆積を抑制するためのエンジン10の出力制限を適切な時期に実施できる。
【0051】
(3)本実施形態では、推定コーキング堆積量M1~M3のいずれかが警告閾値α以上となったときに、警告灯33の点灯を指令する指令信号を出力している。そして、警告灯33の点灯を通じて、車両のユーザに、ターボチャージャ20のメンテナンスが必要であることを通知している。実際には、メンテナンスが必要となるまでオイルコーキングの堆積が進行していない状態で上記通知がなされれば、車両のユーザに不便を強いることになる。その点、本実施形態では、各部位P1~P3のオイルコーキング堆積量の正確な推定が可能である。そのため、ターボチャージャ20のメンテナンスを要する量までオイルコーキングの堆積が進行した適切な時期に、上記通知を実施できる。
【0052】
(4)ターボチャージャ20の内部温度は、タービンハウジング21の内部を排気からターボチャージャ20が受け取る熱量と、ターボチャージャ20に当たる走行風がターボチャージャ20から持ち去る熱量と、の熱収支により決まる。このうち、排気からターボチャージャ20が受け取る熱量は、排気の温度及び流量により定まる。排気の温度及び流量に関連する主な走行状態量としては、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC、燃料噴射量QINJ、過給圧PB、吸気流量GA、吸気温TH2がある。一方、ターボチャージャ20から走行風が持ち去る熱量は、ターボチャージャ20に当たる走行風の流量及び温度により定まる。ターボチャージャ20に当たる走行風の流量は、車速Vが高いほど多くなる。また、ターボチャージャ20に当たる走行風の温度は、外気温TH1である。このように、車速V、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC、燃料噴射量QINJ、過給圧PB、吸気流量GA、外気温TH1、及び吸気温TH2は、ターボチャージャ20の内部温度に与える影響が大きい車両の走行状態量である。本実施形態では、内部温度との関係性が高い車速V、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC、燃料噴射量QINJ、過給圧PB、吸気流量GA、外気温TH1、及び吸気温TH2をニューラルネットワーク34の入力とする車両の走行状態量として用いている。そのため、ターボチャージャ20の内部温度を的確に推定可能なモデルとしてニューラルネットワーク34を構成できる。
【0053】
(5)車両の走行状態量の変化がターボチャージャ20の内部温度に反映されるまでにはある程度の時間を要する。一方、ニューラルネットワーク34の入力とする上記走行状態量のうち、車速V、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC、燃料噴射量QINJ、過給圧PB、及び吸気流量GAは、車両の走行中の変化が大きい走行状態量となっている。本実施形態では、車速V、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC、燃料噴射量QINJ、過給圧PB、及び吸気流量GAについてはそれらの時系列データをニューラルネットワーク34の入力として用いている。そのため、走行状態量の変化が内部温度に反映されるまでの遅れを反映した値として、ターボチャージャ20の内部温度を推定できる。
【0054】
(6)外気温TH1や吸気温TH2が短時間に大きく変化することはない。そのため、外気温TH1、及び吸気温TH2の時系列データを取っても、時系列データの各値はほぼ同じ値となる。よって、外気温TH1、及び吸気温TH2については、時系列データではなく、単一の計測値をニューラルネットワーク34の入力としても、内部温度の推定結果には殆ど影響しない。一方、ニューラルネットワーク34に入力する値の数が増えれば、その分、ニューラルネットワーク34の構造が複雑となり、学習や推定温度t1~t3の演算に要する時間が長くなる。本実施形態では、外気温TH1、及び吸気温TH2については、時系列データではなく、単一の計測値をニューラルネットワーク34の入力とすることで、不要なニューラルネットワーク34の構造の複雑化を抑えている。
【0055】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、車速V、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC、燃料噴射量QINJ、過給圧PB、及び吸気流量GAの時系列データをニューラルネットワーク34に入力していたが、それらの単一の計測値を入力とするようにしてもよい。
【0056】
・上記実施形態では、ニューラルネットワーク34の入力とする車両の走行状態量として車速V、エンジン回転数NE、アクセルペダル開度ACC、燃料噴射量QINJ、過給圧PB、吸気流量GA、外気温TH1、及び吸気温TH2を用いていた。それらの走行状態量のうちの1つ以上をニューラルネットワーク34の入力から省いたり、それら以外の車両の走行状態量をニューラルネットワーク34の入力に加えたり、してもよい。
【0057】
・上記実施形態では、車両が既定距離Dを走行する毎に推定コーキング堆積量M1~M3の値の更新を行っていた。推定コーキング堆積量M1~M3の値の更新を、これ以外の周期で行うようにしてもよい。例えば、推定コーキング堆積量M1~M3の値の更新を、推定温度t1~t3の演算毎に行うようにしてもよい。この場合の推定コーキング堆積量M1~M3の更新は、推定温度t1~t3の値を含む温度域R[l]のコーキング速度SC[l]の値を更新前の値に加えた和が更新後の値となるように行うことになる。
【0058】
・ターボチャージャ20のメンテナンスが必要な状態にあることを、警告灯33の点灯以外の方法でユーザに通知するようにしてもよい。例えば、車両から広域通信網を介してユーザの携帯端末に通知の指令信号を送信し、その携帯端末において通知を行うようにしてもよい。
【0059】
・オイルは劣化すると、コーキング化し易くなる。そこで、オイル交換後の車両の走行距離等からオイルの劣化度を推定し、その推定結果を推定コーキング堆積量M1~M3の演算結果に反映するようにしてもよい。例えば、オイルの劣化度に基づき、各温度域R[1]~R[L]のコーキング速度SC[1]~SC[L]の値を、オイルの劣化度が高いほど大きくなる値として演算するようにしてもよい。
【0060】
・上記実施形態では、オイル通路28の3つ部位P1~P3の壁面温度をターボチャージャ20の内部温度として推定し、それらの推定値から各部位P1~P3のオイルコーキング堆積量を推定していた。ターボチャージャ20の内部温度及びオイルコーキング堆積量を推定する部位の位置や数は、適宜変更してもよい。
【0061】
・ターボチャージャ20の内部での許容可能なオイルコーキング堆積量の上限値が部位により異なる場合がある。そうした場合、警告閾値α及び出力制限閾値βの値として、部位毎に異なる値を設定するとよい。
【0062】
・上記実施形態では、車両に搭載された電子制御ユニット30が、内部温度、及びコーキング堆積量の推定を行っていた。これらの推定を、車両外部のデータセンタにおいて行うようにしてもよい。この場合には、車両からデータセンタに走行状態量の計測値を送信するとともに、その送信された計測値に基づく、内部温度、オイルコーキング堆積量の推定をデータセンタで行う。そして、データセンタから車両に、オイルコーキング堆積量の推定結果、或いはその推定結果に基づく指令信号を送信することになる。
【0063】
・上記実施形態では、中間層を一層のみ有するニューラルネットワーク34を用いていたが、複数の中間層を有するようにニューラルネットワーク34を構成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
10…エンジン
11…吸気通路
12…排気通路
13…オイルポンプ
20…ターボチャージャ
21…タービンハウジング
22…コンプレッサハウジング
23…ジャーナルハウジング
24…タービンホイール
25…コンプレッサホイール
26…タービン軸
27…フローティング軸受
28…オイル通路
30…電子制御ユニット(推定装置)
31…演算処理回路(実行装置)
32…メモリ(記憶装置)
33…警告灯
34…ニューラルネットワーク