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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】感熱性記録媒体および外装部材
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/42 20060101AFI20231121BHJP
   B41M 5/323 20060101ALI20231121BHJP
   B41M 5/337 20060101ALI20231121BHJP
   B41M 5/40 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
B41M5/42 220
B41M5/323 220
B41M5/337 210
B41M5/40 212
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020540231
(86)(22)【出願日】2019-08-09
(86)【国際出願番号】 JP2019031609
(87)【国際公開番号】W WO2020045054
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2018163375
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 研一
(72)【発明者】
【氏名】平井 暢一
【審査官】中澤 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-188829(JP,A)
【文献】特開2011-116116(JP,A)
【文献】特開2018-079672(JP,A)
【文献】国際公開第2018/092455(WO,A1)
【文献】特開平07-186554(JP,A)
【文献】国際公開第2006/030654(WO,A1)
【文献】特開平06-079970(JP,A)
【文献】特開2005-199494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/42
B41M 5/40
B41M 5/337
B32B 3/28
B32B 27/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子供与性を有する呈色性化合物、電子受容性を有する顕色剤、光熱変換剤および高分子材料をそれぞれ含む第1層および第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられた複数の層からなる断熱層とを含む記録層と、
前記記録層に積層されると共に、面内に凹凸形状を有する保護部材と
を備えた感熱性記録媒体。
【請求項2】
面内において前記保護部材の表面から前記記録層までの距離が異なる、請求項1に記載の感熱性記録媒体。
【請求項3】
前記凹凸形状は、凸部と凹部との差が100μm以上7mm以下である、請求項1に記載の感熱性記録媒体。
【請求項4】
前記保護部材は面内に曲率を有する、請求項1に記載の感熱性記録媒体。
【請求項5】
前記記録層と前記保護部材との間に中空構造を有する、請求項1に記載の感熱性記録媒体。
【請求項6】
記第1層および前記第2層は、それぞれ互いに吸収波長の異なる光熱変換剤を含む、請求項1に記載の感熱性記録媒体。
【請求項7】
前記呈色性化合物はロイコ色素である、請求項1に記載の感熱性記録媒体。
【請求項8】
前記記録層は、前記顕色剤として、前記呈色性化合物の発色および消色が可能な顕・減色剤を含む、請求項1に記載の感熱性記録媒体。
【請求項9】
前記記録層は曲面を有し、前記保護部材は前記曲面上に設けられている、請求項1に記載の感熱性記録媒体。
【請求項10】
少なくとも、支持基材上に感熱性記録媒体が設けられた一の面を有し、
前記感熱性記録媒体は、
電子供与性を有する呈色性化合物、電子受容性を有する顕色剤、光熱変換剤および高分子材料をそれぞれ含む第1層および第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられた複数の層からなる断熱層とを含む記録層と、
前記記録層に積層されると共に、面内に凹凸形状を有する保護部材と
を備えた外装部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、呈色性化合物としてロイコ色素を含む感熱性記録媒体およびこれを備えた外装部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カスタマイゼーションに対する顧客ニーズの高まりから、いわゆる非接触方式のオンデマンド加飾技術の開発が進められている。例えば、特許文献1では、感熱性記録媒体の一例として、温度変化に応じて透明・着色の二状態を可逆的に変化すると共に、呈色性化合物として、ロイコ色素を用いたリライタブル層を少なくとも1層以上備えた可逆性多色記録媒体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-266941号公報
【発明の概要】
【0004】
ところで、感熱性記録媒体は、交通系ICカードや物流用のバーコードラベル等に用いられることが多かったが、加飾用途としてスマートフォンや電子たばこ等の外装に用いられる場合には、耐久性が求められている。
【0005】
耐久性を向上させることが可能な感熱性記録媒体および外装部材を提供することが望ましい。
【0006】
本開示の一実施形態の感熱性記録媒体は、電子供与性を有する呈色性化合物、電子受容性を有する顕色剤、光熱変換剤および高分子材料をそれぞれ含む第1層および第2層と、第1層と第2層との間に設けられた複数の層からなる断熱層とを含む記録層と、記録層に積層されると共に、面内に凹凸形状を有する保護部材とを備えたものである。
【0007】
本開示の一実施形態の外装部材は、少なくとも支持基材の一の面に、上記本開示の一実施形態の感熱性記録媒体が設けられたものである。
【0008】
本開示の一実施形態の感熱性記録媒体および一実施形態の外装部材では、呈色性化合物、顕色剤、光熱変換剤および高分子材料を含む記録層に、面内に凹凸形状を有する保護部材を積層するようにした。これにより、他部材と、感熱性記録媒体の表面との接触面積が低減する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施の形態に係る感熱性記録媒体の構成の一例を表す断面模式図である。
図2図1に示した記録層の構成を説明する模式図である。
図3A】本開示の実施の形態に係る感熱性記録媒体の構成の他の例を表す断面模式図である。
図3B】本開示の実施の形態に係る感熱性記録媒体の構成の他の例を表す断面模式図である。
図3C】本開示の実施の形態に係る感熱性記録媒体の構成の他の例を表す断面模式図である。
図3D】本開示の実施の形態に係る感熱性記録媒体の構成の他の例を表す断面模式図である。
図4A】本開示の実施の形態に係る感熱性記録媒体の構成の他の例を表す断面模式図である。
図4B】本開示の実施の形態に係る感熱性記録媒体の構成の他の例を表す断面模式図である。
図4C】本開示の実施の形態に係る感熱性記録媒体の構成の他の例を表す断面模式図である。
図5】本開示の変形例1に係る感熱性記録媒体の構成の一例を表す断面模式図である。
図6】本開示の変形例2に係る感熱性記録媒体の構成の一例を表す断面模式図である。
図7】本開示の変形例3に係る感熱性記録媒体の構成の一例を表す断面模式図である。
図8】適用例1の外観の一例を表す斜視図である。
図9A】適用例2の外観(前面側)の一例を表す斜視図である。
図9B】適用例2の外観(背面側)の一例を表す斜視図である。
図10A】適用例3の外観(上面)の一例を表す斜視図である。
図10B】適用例3の外観(側面)の一例を表す斜視図である。
図11】適用例4の一例を表す斜視図である。
図12】適用例5の構成の一例を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示における実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明は本開示の一具体例であって、本開示は以下の態様に限定されるものではない。また、本開示は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比等についても、それらに限定されるものではない。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.実施の形態(保護部材の表面に凹凸形状を有する感熱性記録媒体)
1-1.感熱性記録媒体の構成
1-2.感熱性記録媒体の製造方法
1-3.感熱性記録媒体の記録方法
1-4.作用・効果
2.変形例
2-1.変形例1(複数の記録層が積層された例)
2-2.変形例2(記録層内に複数種類の呈色性化合物を含む例)
2-3.変形例3(記録層の表面が曲率を有する例)
3.適用例
【0011】
<1.実施の形態>
図1は、本開示の一実施の形態に係る感熱性記録媒体(感熱性記録媒体1)の断面構成を表したものである。図2は、記録層12を構成する各材料を模式的に表したものである。本実施の形態の感熱性記録媒体1は、熱により可逆的に情報の記録や消去が可能な可逆性記録媒体であり、例えば、支持基材11上に設けられた記録状態および消去状態を可逆的に変化させることが可能な記録層12に、面内に凹凸形状を有する保護部材13が積層されたものである。なお、図1は、感熱性記録媒体1の断面構成を模式的に表したものであり、実際の寸法、形状とは異なる場合がある。
【0012】
(1-1.感熱性記録媒体の構成)
支持基材11は、記録層12を支持するためのものである。支持基材11は、例えば、耐熱性に優れ、且つ、平面方向の寸法安定性に優れた材料により構成されている。支持基材11は、光透過性および非光透過性のどちらの特性を有していてもよい。支持基材11は、例えば、ウェハ等の剛性を有する基板でもよいし、可撓性を有する薄層ガラス、フィルムあるいは紙等により構成してもよい。支持基材11として可撓性基板を用いることにより、フレキシブル(折り曲げ可能)な感熱性記録媒体を実現できる。
【0013】
支持基材11の構成材料としては、例えば、無機材料、金属材料およびプラスチック等の高分子材料等が挙げられる。具体的には、無機材料としては、例えば、ケイ素(Si)、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)、酸化アルミニウム(AlOx)および酸化マグネシウム(MgOx)等が挙げられる。酸化ケイ素には、ガラスまたはスピンオングラス(SOG)等が含まれる。金属材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、錫(Sn)、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)および鉛(Pb)等の金属単体、あるいは、それらを2種以上含む合金が挙げられる。合金の具体例としては、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム合金、マグネシウム合金およびチタン合金等が挙げられる。高分子材料としては、フェノール樹脂 、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド、ポリエチレンナフタレート(PEN)およびトリアセチルセルロース、セルロースあるいはそれらの共重合体、ガラス繊維強化プラスチック、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)等が挙げられる。
【0014】
なお、支持基材11の上面または下面には、反射層(図示せず)を設けることが好ましい。反射層を設けることにより、より鮮明な色表示が可能となる。
【0015】
記録層12は、熱により可逆的に情報の記録や消去が可能なものである。記録層12は、安定した繰り返し記録が可能な、消色状態と発色状態とを制御し得る材料を用いて構成されている。具体的には、記録層12は、図2に示したように、呈色性化合物121、顕・減色剤122(顕色剤)および光熱変換剤123が、例えば、高分子材料124に分散されて形成されている。記録層12の膜厚(以下単に厚みという)は、例えば1μm以上10μm以下である。
【0016】
呈色性化合物121は、例えば、ロイコ色素が挙げられる。ロイコ色素としては、例えば、既存の感熱紙用染料が挙げられる。具体的には、一例として、下記式(1)に示した、分子内に、例えば電子供与性を有する基を含む化合物が挙げられる。
【0017】
【化1】
【0018】
呈色性化合物121は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。具体的な呈色性化合物としては、上記式(2)に示した化合物の他に、例えば、フルオラン系化合物、トリフェニルメタンフタリド系化合物、アザフタリド系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物およびインドリノフタリド系化合物等が挙げられる。この他、例えば、2-アニリノ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-ジ(n-ブチルアミノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-n-プロピル-N-メチルアミノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-イソプロピル-N-メチルアミノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-イソブチル-N-メチルアミノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-n-アミル-N-メチルアミノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-sec-ブチル-N-メチルアミノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-n-アミル-N-エチルアミノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-iso-アミル-N-エチルアミノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-n-プロピル-N-イソプロピルアミノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-エチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-アニリノ-3-メチル-6-(N-メチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-(m-トリクロロメチルアニリノ)-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、2-(m-トリフルロロメチルアニリノ)-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、2-(m-トリクロロメチルアニリノ)-3-メチル-6-(N-シクロヘキシル-N-メチルアミノ)フルオラン、2-(2,4-ジメチルアニリノ)-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、2-(N-エチル-p-トルイジノ)-3-メチル-6-(N-エチルアニリノ)フルオラン、2-(N-エチル-p-トルイジノ)-3-メチル-6-(N-プロピル-p-トルイジノ)フルオラン、2-アニリノ-6-(N-n-ヘキシル-N-エチルアミノ)フルオラン、2-(o-クロロアニリノ)-6-ジエチルアミノフルオラン、2-(o-クロロアニリノ)-6-ジブチルアミノフルオラン、2-(m-トリフロロメチルアニリノ)-6-ジエチルアミノフルオラン、2,3-ジメチル-6-ジメチルアミノフルオラン、3-メチル-6-(N-エチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-クロロ-6-ジエチルアミノフルオラン、2-ブロモ-6-ジエチルアミノフルオラン、2-クロロ-6-ジプロピルアミノフルオラン、3-クロロ-6-シクロヘキシルアミノフルオラン、3-ブロモ-6-シクロヘキシルアミノフルオラン、2-クロロ-6-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)フルオラン、2-クロロ-3-メチル-6-ジエチルアミノフルオラン、2-アニリノ-3-クロロ-6-ジエチルアミノフルオラン、2-(o-クロロアニリノ)-3-クロロ-6-シクロヘキシルアミノフルオラン、2-(m-トリフロロメチルアニリノ)-3-クロロ-6-ジエチルアミノフルオラン、2-(2,3-ジクロロアニリノ)-3-クロロ-6-ジエチルアミノフルオラン、1,2-ベンゾ-6-ジエチルアミノフルオラン、3-ジエチルアミノ-6-(m-トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-7-アザフタリド、3-(1-オクチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(2-メチル-4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(2-メチル-4-ジエチルアミノフェニル)-7-アザフタリド、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、3-(1-エチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(4-N-n-アミル-N-メチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、3-(1-メチル-2-メチルインドール-3-イル)-3-(2-ヘキシルオキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、3,3-ビス(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-4-アザフタリド、3,3-ビス(2-エトキシ-4-ジエチルアミノフェニル)-7-アザフタリド、2-(p-アセチルアニリノ)-6-(N-n-アミル-N-n-ブチルアミノ)フルオラン、2-ベンジルアミノ-6-(N-エチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-ベンジルアミノ-6-(N-メチル-2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、2-ベンジルアミノ-6-(N-エチル-2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、2-ベンジルアミノ-6-(N-メチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-ベンジルアミノ-6-(N-エチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-(ジ-p-メチルベンジルアミノ)-6-(N-エチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-(α-フェニルエチルアミノ)-6-(N-エチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-メチルアミノ-6-(N-メチルアニリノ)フルオラン、2-メチルアミノ-6-(N-エチルアニリノ)フルオラン、2-メチルアミノ-6-(N-プロピルアニリノ)フルオラン、2-エチルアミノ-6-(N-メチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-メチルアミノ-6-(N-メチル-2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、2-エチルアミノ-6-(N-エチル-2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、2-ジメチルアミノ-6-(N-メチルアニリノ)フルオラン、2-ジメチルアミノ-6-(N-エチルアニリノ)フルオラン、2-ジエチルアミノ-6-(N-メチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-ジエチルアミノ-6-(N-エチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-ジプロピルアミノ-6-(N-メチルアニリノ)フルオラン、2-ジプロピルアミノ-6-(N-エチルアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-メチルアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-エチルアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-プロピルアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-メチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-エチル-p-トルイジノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-プロピル-p-トルイジノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-メチル-p-エチルアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-エチル-p-エチルアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-プロピル-p-エチルアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-メチル-2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-エチル-2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-プロピル-2,4-ジメチルアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-メチル-p-クロロアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-エチル-p-クロロアニリノ)フルオラン、2-アミノ-6-(N-プロピル-p-クロロアニリノ)フルオラン、1,2-ベンゾ-6-(N-エチル-N-イソアミルアミノ)フルオラン、1,2-ベンゾ-6-ジブチルアミノフルオラン、1,2-ベンゾ-6-(N-メチル-N-シクロヘキシルアミノ)フルオランおよび1,2-ベンゾ-6-(N-エチル-N-トルイジノ)フルオラン等が挙げられる。記録層12には、呈色性化合物121として上記化合物を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
顕・減色剤122は、例えば、無色の呈色性化合物を発色または、所定の色を呈している呈色性化合物を消色させるためのものである。顕・減色剤122としては、例えば、フェノール誘導体、サリチル酸誘導体および尿素誘導体等が挙げられる。具体的には、例えば、下記一般式(2)に示したサリチル酸骨格を有し、分子内に電子受容性を有する基を含む化合物が挙げられる。
【0020】
【化2】
(Xは、-NHCO-、-CONH-、-NHCONH-、-CONHCO-、-NHNHCO-、-CONHNH-、-CONHNHCO-、-NHCOCONH-、-NHCONHCO-、-CONHCONH-、-NHNHCONH-、-NHCONHNH-、-CONHNHCONH-、-NHCONHNHCO-、-CONHNHCONH-のうちのいずれかである。Rは炭化水素基である。)
【0021】
顕・減色剤122としては、この他、例えば、4,4’-イソプロピリデンビスフェノール、4,4’-イソプロピリデンビス(o-メチルフェノール)、4,4’-セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4’-イソプロピリデンビス(2-ターシャリーブチルフェノール)、p-ニトロ安息香酸亜鉛、1,3,5-トリス(4-ターシャリーブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌル酸、2,2-(3,4’-ジヒドロキシジフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)スルフィド、4-{β-(p-メトキシフェノキシ)エトキシ}サリチル酸、1,7-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-3,5-ジオキサヘプタン、1,5-ビス(4-ヒドロキシフェニチオ)-5-オキサペンタン、フタル酸モノベンジルエステルモノカルシウム塩、4,4’-シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’-イソプロピリデンビス(2-クロロフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-ターシャリ-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(6-ターシャリ-ブチル-2-メチル)フェノール、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-ターシャリ-ブチルフェニル)ブタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’-チオビス(6-ターシャリ-ブチル-2-メチル)フェノール、4,4’-ジフェノールスルホン、4-イソプロポキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン(4-ヒドロキシ-4’-イソプロポキシジフェニルスルホン)、4-ベンジロキシ-4’-ヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジフェノールスルホキシド、p-ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、p-ヒドロキシ安息香酸ベンジル、プロトカテキユ酸ベンジル、没食子酸ステアリル、没食酸ラウリル、没食子酸オクチル、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェニルチオ)-プロパン、N,N’-ジフェニルチオ尿素、N,N’-ジ(m-クロロフェニル)チオ尿素、サリチルアニリド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)酢酸メチルエステル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジルエステル、1,3-ビス(4-ヒドロキシクミル)ベンゼン、1,4-ビス(4-ヒドロキシクミル)ベンゼン、2,4’-ジフェノールスルホン、2,2’-ジアリル-4,4’-ジフェノールスルホン、3,4-ジヒドロキシフェニル-4’-メチルジフェニルスルホン、1-アセチルオキシ-2-ナフトエ酸亜鉛、2-アセチルオキシ-1-ナフトエ酸亜鉛、2-アセチルオキシ-3-ナフトエ酸亜鉛、α,α-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-α-メチルトルエン、チオシアン酸亜鉛のアンチピリン錯体、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールS、4,4’-チオビス(2-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(2-クロロフェノール)、ドデシルホスホン酸、テトラデシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホスホン酸、テトラコシルホスホン酸、ヘキサコシルホスホン酸、オクタコシルホスホン酸、α-ヒドロキシドデシルホスホン酸、α-ヒドロキシテトラデシルホスホン酸、α-ヒドロキシヘキサデシルホスホン酸、α-ヒドロキシオクタデシルホスホン酸、α-ヒドロキシエイコシルホスホン酸、α-ヒドロキシドコシルホスホン酸、α-ヒドロキシテトラコシルホスホン酸、ジヘキサデシルホスフェート、ジオクタデシルホスフェート、ジエイコシルホスフェート、ジドコシルホスフェート、モノヘキサデシルホスフェート、モノオクタデシルホスフェート、モノエイコシルホスフェート、モノドコシルホスフェート、メチルヘキサデシルホスフェート、メチルオクタデシルホスフェート、メチルエイコシルホスフェート、メチルドコシルホスフェート、アミルヘキサデシルホスフェート、オクチルヘキサデシルホスフェートおよびラウリルヘキサデシルホスフェート等が挙げられる。記録層12には、顕・減色剤122として上記化合物を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0022】
光熱変換剤123は、例えば近赤外領域の所定の波長域の光を吸収して発熱するものである。光熱変換剤123としては、例えば波長700nm以上2000nm以下の範囲に吸収ピークを有し、可視領域にほとんど吸収を持たない近赤外線吸収色素を用いることが好ましい。具体的には、例えば、シアニン骨格を有する化合物(シアニン系色素)、フタロシアニン骨格を有する化合物(フタロシアニン系色素)、ナフタロシアニン骨格を有する化合物(ナフタロシアニン系色素)、スクアリリウム骨格を有する化合物(スクアリリウム系色素)、ジチオ錯体等の金属錯体、ジイモニウム塩、アミニウム塩および無機化合物等が挙げられる。無機化合物としては、例えばグラファイト、カーボンブラック、金属粉末粒子、四三酸化コバルト、酸化鉄、酸化クロム、酸化銅、チタンブラック、ITO等の金属酸化物、窒化ニオブ等の金属窒化物、炭化タンタル等の金属炭化物、金属硫化物、各種磁性粉末等が挙げられる。
【0023】
高分子材料124は、図2に示したように、呈色性化合物121、顕・減色剤122および光熱変換剤123が均質に分散しやすいものが好ましい。高分子材料124としては、例えば、熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系重合体、シクロオレフィンコポリマー、 ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフェノール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン、フェノール樹脂 、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリイミド、ポリアミドおよびポリアミドイミド等が挙げられる。上記の高分子材料は架橋させて用いてもよい。
【0024】
記録層12は、上記呈色性化合物121、顕・減色剤122および光熱変換剤123を、それぞれ少なくとも1種ずつ含んで構成されている。呈色性化合物121および顕・減色剤122を含む層と光熱変換剤123を含む層を別々に形成してもよい。また、記録層12は、上記材料の他に、例えば増感剤や紫外線吸収剤等の各種添加剤を含んで構成されていてもよい。
【0025】
保護部材13は、記録層12の表面を保護するためのものである。本実施の形態の保護部材13は、上記のように、その表面(面13S1)面内に凹凸形状を有し、面内において、保護部材13の表面(面13S1)から記録層12までの距離が、面内の任意の位置で異なるようになっている。保護部材13の凹凸形状は、例えば面内に曲率を有し、複数の凸部13aと凹部13bとが組み合された、図1に示したような波状形状や、例えば図3Aに示した保護部材13Aのように表面全体が1つの球面となっていてもよい。また、保護部材13の凹凸形状は、図3Bに示した保護部材13Bのように、周縁部に切り欠き13Xが設けられた形状でもよいし、図3Cに示した保護部材13Cのように、異なる角度を有する直線によって構成される2以上の凸部13aと、1つの凹部13bとが組み合された形状としてもよい。また、図3Dに示した保護部材13Dのように、複数の凸部13aと、記録層12の表面と平行な平坦面を構成する直線領域13cとが組み合された形状としてもよい。更に、保護部材13は、例えば図4A図4Cに示したように、記録層12に面する保護部材13の裏面(13S2)に、記録層12と保護部材13との間に中空構造Mを形成する凹部13dを設けるようにしてもよい。
【0026】
保護部材13は、例えば50μm以上の厚みを有し、より好ましくは200μm以上である。上限は特に問わないが、例えば10mm以下である。保護部材13の表面(面13S1)の凹凸形状を構成する凸部13aと凹部13bとの差(h)は、例えば100μm以上7mm以下である。
【0027】
保護部材13は、光透過性を有する材料により構成され、その構成材料としては、例えば、プラスチック等の高分子材料および無機材料等が挙げられる。具体的には、高分子材料としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、メラミン樹脂およびエポキシ樹脂あるいはそれらの共重合体等が挙げられる。無機材料としては、ガラスまたはサファイアガラス等を含む酸化ケイ素(SiOx)等が挙げられる。
【0028】
また、保護部材13は、例えば420nm以下の波長域に吸収を有する紫外線吸収剤等を含んでいてもよい。
【0029】
なお、記録層12の下面には、図示していないが、例えば粘着剤や接着剤等を含む層が設けられており、これを介して支持基材11上に貼り合わされている。
【0030】
(1-2.感熱性記録媒体の製造方法)
本実施の形態の感熱性記録媒体1は、例えば、塗布法を用いて製造することができる。なお、以下に説明する製造方法は一例であり、その他の方法を用いて製造してもよい。
【0031】
まず、溶媒(例えば、メチルエチルケトン)に、高分子材料として、例えばポリ(塩化ビニル-co-酢酸ビニル(9:1))を溶解させる。この溶液に、顕・減色剤、呈色性化合物および光熱変換剤を添加し、分散させる。これにより、感熱性記録媒体用塗料が得られる。続いて、この感熱性記録媒体用塗料を、支持基材11上に、例えば3μmの厚みで塗布し、例えば70℃で乾燥させ記録層12を形成する。次に、記録層12上に、例えばインモールド成型等により形成された、表面(面13S1)に凹凸形状を有する保護部材13を、例えばホットメルトや粘着剤、接着剤等を介して貼り合わせる。
【0032】
なお、保護部材13は記録層12上と貼り合わせず、例えば、固定部材を用いて、保護部材13上に記録層12を固定するようにしてもよい。また、記録層12は、上記塗布以外の方法を用いて形成してもかまわない。例えば、予め別の基材に塗布して膜を、例えば接着膜を介して支持基材11上に貼付して記録層12を形成するようにしてもよい。あるいは、支持基材11を塗料に浸漬して記録層12を形成するようにしてもよい。
【0033】
(1-3.感熱性記録媒体の記録方法)
本実施の形態の感熱性記録媒体1では、例えば、以下のようにして記録を行うことができる。
【0034】
記録層12の所望の位置に波長および出力を調整した近赤外線を、例えば、半導体レーザ等により照射する。これにより、記録層12に含まれる、当該波長に吸収を持つ光熱変換剤が発熱し、呈色性化合物と顕・減色剤との間で呈色反応(発色反応)が起こり、照射部分が発色する。
【0035】
一方、レーザ照射条件を調整することで、発色部分を消色させることもできる。
【0036】
なお、本実施の形態の感熱性記録媒体1では、上述した近赤外線の照射や加熱等の発色反応および消色反応を行わない限り、発色状態および消色状態は保持される。
【0037】
(1-4.作用・効果)
前述したように、カスタマイゼーションに対する顧客ニーズの高まりから、オンデマンド加飾技術の開発が進められている。その1つとして、レーザを用いて非接触で所望の領域を加熱することによって情報の記録が可能な感熱性記録媒体が注目されている。感熱性記録媒体は、例えば、電子供与性を有する呈色性化合物と、電子受容性を有する顕色剤と、マトリクスポリマーとから構成されている。更に、感熱性記録媒体は、光熱変換剤を加えることで、特定の波長の光を照射することにより記録が可能となる。上記感熱性記録媒体は、例えば交通系ICカードやバーコードラベル等への印字の他に、スマートフォン等の電子機器や電子たばこ等の筐体表面の加飾や建造物の内装や外装等への用途が想定される。
【0038】
感熱性記録媒体には、例えばロイコ色素を含む記録層が設けられており、その表面には、例えば、0.1μm~20μm程度の厚みの保護層が設けられている。このような感熱性記録媒体は、一般的に、表面が平坦な部材へ設置される。このため、感熱性記録媒体の表面も平坦となり、他部材との接触によって表面が損傷しやすいという課題がある。
【0039】
これに対して、本実施の形態では、呈色性化合物121、顕・減色剤122および光熱変換剤123が、高分子材料124に分散されてなる記録層12に、面内に凹凸形状を有する保護部材13を積層するようにした。これにより、他部材と、感熱性記録媒体1の表面との接触面積を低減することが可能となる。
【0040】
以上、本実施の形態の感熱性記録媒体1では、呈色性化合物121を含む記録層12に、面内に凹凸形状を有する保護部材13を積層するようにしたので、保護部材13と他部材との接触面積が低減される。よって、表面の耐久性を向上させることが可能となる。
【0041】
また、表面が平坦な一般的な感熱性記録媒体では、他部材との接触による擦傷や、指紋等の汚れ等が目立ちやすく、表示品位が低下しやすいという課題がある。これに対して、本実施の形態では、上記のように、面内に凹凸形状を有する保護部材13を設けることで、耐擦傷性および防汚性を向上させると共に、傷および汚れを目立ちにくくすることが可能となる。更に、持ちやすさ等、取扱性を向上させることが可能となる。
【0042】
更に、スマートフォンや電子たばこ等の持ち運び可能な機器に、例えば加飾用途として感熱性記録媒体を用いる場合には、耐擦傷性および防汚性に加えて、落下時等の大きな力が加わった時に損傷しないよう、堅牢性および耐衝撃性といった物理的な耐久性が求められる。これに対して、本実施の形態の感熱性記録媒体1では、保護部材13の厚みを、例えば200μm以上10mm以下の厚膜とすることにより、堅牢性および耐衝撃性を向上させることが可能となる。更に、感熱性記録媒体1の表面形状を自由に設計することが可能となり、意匠性を向上させることが可能となる。
【0043】
次に、本開示の変形例(変形例1~3)について説明する。以下では、上記実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0044】
<2.変形例>
(2-1.変形例1)
図5は、本開示の変形例1に係る感熱性記録媒体(感熱性記録媒体2)の断面構成を模式的に表したものである。感熱性記録媒体2は、例えば、支持基材11上に、記録状態および消去状態を可逆的に変化させることが可能な記録層21が配置されたものであり、この記録層21が複数(ここでは3つ)の層(第1層22,第2層23,第3層24)の積層構造である点が上記実施の形態とは異なる。記録層21を構成する各層22,23,24の間には、それぞれ、断熱層25,26が設けられている。
【0045】
(2-1-1.感熱性記録媒体の構成)
記録層21は、熱により可逆的に情報の記録や消去が可能なものであり、上記のように、例えば、第1層22、第2層23および第3層24が支持基材11側からこの順に積層された構成を有する。第1層22、第2層23および第3層24は、互いに異なる色を呈する呈色性化合物121(121A,121B,121C)と、各呈色性化合物121A,121B,121Cに対応する顕・減色剤122(122A,122B,122C)と、互いに異なる波長域の光を吸収して発熱する光熱変換剤123(123A,123B,123C)とを、例えば、高分子材料124に分散されて形成されている。
【0046】
具体的には、第1層22は、例えば、シアン色を発色する呈色性化合物(例えば呈色性化合物121A)、これに対応する顕・減色剤(例えば顕・減色剤122A)および例えば、波長λ1の赤外線を吸収して呈する光熱変換剤(例えば光熱変換剤123A)を含んで構成されている。第2層23は、例えば、マゼンタ色を呈する呈色性化合物(例えば呈色性化合物121B)、これに対応する顕・減色剤(例えば顕・減色剤122B)および例えば、波長λ2の赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤(例えば光熱変換剤123B)を含んで構成されている。第3層24は、例えば、イエロー色を呈する呈色性化合物(例えば呈色性化合物121C)、これに対応する顕・減色剤(例えば顕・減色剤122C)および例えば、波長λ3の赤外線を吸収して発熱する光熱変換剤(例えば光熱変換剤123C)を含んで構成されている。波長λ1,λ2,λ3は、互いに異なり、これにより、多色表示が可能な表示媒体が得られる。
【0047】
なお、光熱変換剤123A,123B,123Cは、例えば波長700nm以上2000nm以下の範囲に、光吸収帯が狭く、且つ、互いに重なり合わない材料の組み合わせを選択することが好ましい。これにより、第1層22、第2層23および第3層24のうち所望の層を選択的に発色または消色させることが可能となる。
【0048】
第1層22、第2層23および第3層24の厚みは、例えば、それぞれ1μm以上20μm以下であることが好ましく、より好ましくは、例えば2μm以上15μm以下である。各層22,23,24の厚みが1μm未満であると十分な発色濃度が得られない虞があるからである。また、各層22,23,24の厚みが20μmよりも厚い場合には、各層22,23,24の熱利用量が大きくなり、発色性や消色性が劣化する虞があるからである。
【0049】
また、第1層22、第2層23および第3層24は、上記記録層12と同様に、上記材料の他に、例えば増感剤や紫外線吸収剤等の各種添加剤を含んで構成されていてもよい。
【0050】
更に、本変形例の記録層21では、第1層22と第2層23との間および第2層23と第3層24との間に、それぞれ断熱層25,26が設けられている。断熱層25,26は、例えば一般的な光透過性を有する高分子材料を用いて構成されている。具体的な材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチルセルロース、ポリスチレン、スチレン系共重合体、フェノキシ樹脂、ポリエステル、芳香族ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸系共重合体、マレイン酸系重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デンプン等が挙げられる。なお、断熱層25,26は、例えば紫外線吸収剤等の各種添加剤を含んで構成されていてもよい。また、断熱層25,26は、例えば、記録層21との密着性を向上させる等を目的として、複数の層からなる積層構造としてもよい。
【0051】
また、断熱層25,26は光透過性を有する無機材料を用いて形成するようにしてもよい。例えば、多孔質のシリカ、アルミナ、チタニア、カーボン、またはこれらの複合体等を用いると、熱伝導率が低くなり断熱効果が高く好ましい。断熱層25,26は、例えばゾル-ゲル法によって形成することができる。
【0052】
断熱層25,26の厚みは、例えば3以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは、例えば5μm以上50μm以下である。断熱層25,26の厚みが薄すぎると充分な断熱効果が得られず、厚すぎると、感熱性記録媒体2全体を均一加熱する際に熱伝導性が劣化したり、光透過性が低下したりするからである。
【0053】
第1層22、断熱層25、第2層23、断熱層26および第3層24からなる積層膜は、例えば、グラビア塗布、スプレー塗布、スピンコート、スリットコート等の一般的な成膜方法を用いて形成することができる。このほか、Wet on Wetのように連続積層したり、Wet on Dryのように都度乾燥させてから次の層を成膜したり、ラミネート法のようにドライフィルムを貼り合わせるようにしてもよく、積層方法は特に限定されない。
【0054】
記録層21上には、上記実施の形態と同様に、面内に凹凸形状を有する保護部材13が設けられている。
【0055】
(2-1-2.感熱性記録媒体の記録および消去方法)
本変形例の感熱性記録媒体2では、例えば、以下のようにして記録および消去を行うことができる。なお、ここでは記録層21は、上述した、それぞれ、シアン色、マゼンタ色、イエロー色を呈する第1層22、第2層23および第3層24が積層されている場合を例に説明する。
【0056】
まず、記録層21(第1層22、第2層23および第3層24)が消色する程度の温度、例えば120℃で加熱し、予め消色状態にしておく。次に、記録層21の任意の部分に波長および出力を任意に選択した赤外線を、例えば、半導体レーザ等により照射する。ここで、第1層22を発色させる場合には、波長λ1の赤外線を第1層22が発色温度に達する程度のエネルギーで照射する。これにより、第1層22に含まれる光熱変換剤123Aが発熱し、呈色性化合物121Aと顕・減色剤122Aとの間で呈色反応(発色反応)が起こり、照射部分にシアン色が発色する。同様に、第2層23を発色させる場合には、波長λ2の赤外線を第2層23が発色温度に達する程度のエネルギーで照射する。第3層24を発色させる場合には、波長λ3の赤外線を第3層24が発色温度に達する程度のエネルギーで照射する。これにより、第2層23および第3層24に含まれる光熱変換剤123B,123Cがそれぞれ発熱し、呈色性化合物と顕・減色剤とで呈色反応が起こり、照射部分にマゼンタ色およびイエロー色がそれぞれ発色する。このように、対応する波長の赤外線を任意の部分に照射することにより、情報(例えば、フルカラーの画像)の記録が可能となる。
【0057】
一方、上記のようにして発色させた第1層22、第2層23および第3層24をそれぞれ消色させる場合には、各層22,23,24に対応する波長の赤外線を消色温度に達する程度のエネルギーで照射する。これにより、第1層22、第2層23および第3層24に含まれる光熱変換剤123A,123B,123Cがそれぞれ発熱し、呈色性化合物121Aと顕・減色剤122Aとの間、呈色性化合物121Bと顕・減色剤122Bとの間および呈色性化合物121Cと顕・減色剤122Cとの間でそれぞれ消色反応が起こり、照射部分の発色が消え、記録が消去される。また、記録層21に形成された記録の全てを一括で消去する場合には、記録層21を第1層22、第2層23および第3層24の全てが消色する程度の温度、例えば120℃で加熱することによって、記録層21(第1層22、第2層23および第3層24)に記録された情報が一括で消去される。その後、上述した操作を行うことにより、記録層21への繰り返し記録が可能となる。
【0058】
(2-1-3.作用・効果)
以上のように本変形例では、例えば、それぞれ、イエロー色、マゼンタ色またはシアン色を呈する呈色性化合物121(121A,121B,121C)と、対応する顕・減色剤122(122A,122B,122C)と、互いに異なる吸収波長を有する光熱変換剤123(123A,123B,123C)とを含む3種の層(第1層22、第2層23および第3層24)を形成し、これを積層させるようにした。これにより、優れた耐久性を有すると共に、多色での記録が可能な感熱性記録媒体2を提供することが可能となる。
【0059】
(2-2.変形例2)
上記変形例1では、記録層21として、互いに異なる色を呈する複数の層(第1層22、第2層23および第3層24)を形成し、これらを積層した多層構造を有する例を示したが、例えば単層構造でも多色表示が可能な感熱性記録媒体を実現することができる。
【0060】
図6は、記録層31を、例えば、互いに異なる色(例えば、シアン色(C)、マゼンタ色(M)およびイエロー色(Y))を呈する呈色性化合物121(121A,121B,121C)と、各呈色性化合物に対応する顕・減色剤122(122A,122B,122C)と、互いに異なる波長域の光を吸収して発熱する光熱変換剤123(123A,123B,123C)とをそれぞれ含む3種類のマイクロカプセル31C,31M,31Yを混合して形成したものである。この記録層31は、例えば、上記マイクロカプセル31C,31M,31Yを、例えば上記記録層12の構成材料として挙げた高分子材料124に分散させ、支持基材11上に塗布することで形成することができる。なお、上記材料を内包するマイクロカプセル31C,31M,31Yは、例えば、上記断熱層25,26を構成する材料を用いることが好ましい。
【0061】
以上のように、本変形例では、例えば、イエロー色、マゼンタ色またはシアン色を呈する呈色性化合物121(121A,121B,121C)と、対応する顕・減色剤122(122A,122B,122C)と、互いに異なる吸収波長を有する光熱変換剤123(123A,123B,123C)とを、それぞれ、マイクロカプセル31C,31M,31Yに封入し、これらを高分子材料124に分散して記録層31を形成するようにした。これにより、単層構造からなる多色での記録が可能な感熱性記録媒体3を提供することが可能となる。
【0062】
なお、上記実施の形態および変形例1では、記録層12および記録層21(第1層22、第2層23および第3層24)を、それぞれ、単一(1種類)の呈色性化合物を用いて形成する例を示したが、これに限らない。上記感熱性記録媒体1,2では、記録層12,21(第1層22,第2層23,第3層24)を、それぞれ、異なる色を呈する複数種類の呈色性化合物121を混合して形成するようにしてもよい。
【0063】
(2-3.変形例3)
図7は、本開示の変形例3に係る感熱性記録媒体(感熱性記録媒体4)の断面構成の一部を模式的に表したものである。本変形例の感熱性記録媒体4は、例えば、円柱状の支持基材41の表面に記録層42および面内に凹凸形状を有する保護部材13が設けられたものである。上記実施の形態および変形例1,2では、表面が平坦な記録層12(あるいは、記録層21,31)上に記録層12を設けた例を示したが、保護部材13は、図7に示したように、曲面を有する記録層42上に設けるようにしてもよい。
【0064】
<3.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例1~3において説明した感熱性記録媒体(感熱性記録媒体1~4)の適用例について説明する。ただし、以下で説明する適用例の構成はあくまで一例であり、その構成は適宜変更可能である。上記感熱性記録媒体1~4は、各種の電子機器あるいは服飾品の一部に適用可能である。例えば、いわゆるウェアラブル端末として、例えば時計(腕時計)、鞄、衣服、帽子、ヘルメット、ヘッドフォン、眼鏡および靴等の服飾品の一部に適用可能である。この他、例えば、ヘッドアップディスプレイおよびヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルディスプレイや、ポータブル音楽プレイヤーおよび携帯型ゲーム機等の持ち運び可能なポータブルデバイス、ロボット、あるいは、冷蔵庫および洗濯機等、電子機器の種類は特に限定されない。また、電子機器や服飾品に限らず、例えば、加飾部材として、加熱式たばこや電子たばこ等のホルダやケースの外装、自動車の内装や外装、建造物の壁等の内装や外装、机等の家具の外装等にも適用することができる。
【0065】
(適用例1)
図8Aは、電子時計100(腕時計一体型電子機器)の外観を表したものである。この電子時計は、例えば文字盤(文字情報表示部分)110と、保護ガラス120と、バンド部130とを有しており、文字盤110が例えば記録層12に、保護ガラス120が保護部材13に相当する。文字盤110には、上述した記録層12の記録および消去方法により、例えば様々な文字や図柄の書き替えが可能である。バンド部130は、例えば腕などに装着可能な部位である。このバンド部130にも記録層12を設けることで、様々な色柄を表示することができ、バンド部130の意匠を変更することができる。
【0066】
(適用例2)
図9Aは、スマートフォン200の前面の外観構成を、図9Bは、図9Aに示したスマートフォンの背面の外観構成を表したものである。このスマートフォンは、例えば、表示部210および非表示部220と、筐体230とを備えている。背面側の筐体230の例えば一面には、筐体230の外装部材として、例えば感熱性記録媒体1等が設けられており、これにより、様々な色柄を表示することができる。なお、ここでは、スマートフォンを例に挙げたが、これに限らず、例えば、ノート型パーソナルコンピュータ(PC)やタブレットPC等にも適用することができる。
【0067】
(適用例3)
図10Aは、自動車300の上面の外観を、図10Bは、自動車の側面の外観を表したものである。本開示の感熱性記録媒体1等は、例えば、ボンネット311、バンパー312、ルーフ313、トランクカバー314、フロントドア315、リアドア316およびリアバンパー317等の車体に設けることで各部に様々な情報や色柄を表示することができる。また、自動車の内装、例えば、ハンドルやダッシュボード等に感熱性記録媒体1等路設けることで、様々な色柄を表示することができる。
【0068】
(適用例4)
図11は、加熱式たばこ400のたばこホルダ410およびケース420の外観を表したものである。本開示の感熱性記録媒体1等は、例えば加熱式たばこのたばこホルダ410およびケース420等の筐体表面に設けることで、各部に様々な情報や色柄の表示およびその書き換えを行うことが可能となる。
【0069】
(適用例5)
図12は、3D印刷物500の構成を表す模式図である。3D印刷物500は、見る角度によって絵柄が変化したり、立体感が得られる印刷物である。3D印刷物500は、例えば、かまぼこ型の凸レンズがライン状に連なったレンチキュラーシート510と、凸レンズのピッチに合わせてライン状に合成された画像が印刷された基材520とが貼り合わされたものである。このレンチキュラーシート510に本開示の感熱性記録媒体1の保護部材13を、基材520に記録層12を用いることで、様々な情報や色柄の表示およびその書き換えを行うことが可能な3D印刷物を構成することが可能となる。
【0070】
以上、実施の形態および変形例1~3を挙げて本開示を説明したが、本開示は上記実施形態等で説明した態様に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態等において説明した全ての構成要素を備える必要はなく、さらに他の構成要素を含んでいてもよい。また、上述した構成要素の材料や厚さは一例であり、記載したものに限定されるものではない。
【0071】
更に、上記実施の形態等では、感熱性記録媒体1~4として可逆的に情報の記録や消去が可能な可逆性記録媒体を例に示したが、本技術は、非接触でレーザ描画ができる記録媒体全てに適用することができる。
【0072】
更にまた、上記変形例2では、マイクロカプセルを用いて単層構造での多色表示を行う例を示したが、これに限らず、例えば、繊維状の3次元立体構造物によっても行うこともできる。ここで用いる繊維は、例えば、所望の色を呈する呈色性化合物、これに対応する顕・減色剤および光熱変換剤を含有する芯部と、この芯部を被覆すると共に、断熱材料によって構成される鞘部とから構成される所謂芯鞘構造を有することが好ましい。芯鞘構造を有し、それぞれ異なる色を呈する呈色性化合物を含む複数種類の繊維を用いて3次元立体構造物を形成することで、多色表示が可能な感熱性記録媒体を作製することができる。
【0073】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。以下の構成の本技術によれば、呈色性化合物等を含む記録層上に、面内に凹凸形状を有する保護部材を設けるようにしたので、他部材との接触面積が低減される。よって、耐久性を向上させることが可能となる。なお、上記に記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれの効果であってもよい。
(1)
電子供与性を有する呈色性化合物、電子受容性を有する顕色剤、光熱変換剤および高分子材料をそれぞれ含む第1層および第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられた複数の層からなる断熱層とを含む記録層と、
前記記録層に積層されると共に、面内に凹凸形状を有する保護部材と
を備えた感熱性記録媒体。
(2)
面内において前記保護部材の表面から前記記録層までの距離が異なる、前記(1)に記載の感熱性記録媒体。
(3)
前記凹凸形状は、凸部と凹部との差が100μm以上7mm以下である、前記(1)または(2)に記載の感熱性記録媒体。
(4)
前記保護部材は面内に曲率を有する、前記(1)乃至(3)のうちのいずれか1つに記載の感熱性記録媒体。
(5)
前記記録層と前記保護部材との間に中空構造を有する、前記(1)乃至(4)のうちのいずれか1つに記載の感熱性記録媒体。
(6)
記第1層および前記第2層は、それぞれ互いに吸収波長の異なる光熱変換剤を含む、前記(1)乃至(5)のうちのいずれか1つに記載の感熱性記録媒体。
(7)
前記呈色性化合物はロイコ色素である、前記(1)乃至(6)のうちのいずれか1つに記載の感熱性記録媒体。
(8)
前記記録層は、前記顕色剤として、前記呈色性化合物の発色および消色が可能な顕・減色剤を含む、前記(1)乃至(7)のうちのいずれか1つに記載の感熱性記録媒体。
(9)
前記記録層は曲面を有し、前記保護部材は前記曲面上に設けられている、前記(1)乃至(8)のうちのいずれか1つに記載の感熱性記録媒体。
(10)
少なくとも、支持基材上に感熱性記録媒体が設けられた一の面を有し、
前記感熱性記録媒体は、
電子供与性を有する呈色性化合物、電子受容性を有する顕色剤、光熱変換剤および高分子材料をそれぞれ含む第1層および第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられた複数の層からなる断熱層とを含む記録層と、
前記記録層に積層されると共に、面内に凹凸形状を有する保護部材と
を備えた外装部材。
【0074】
本出願は、日本国特許庁において2018年8月31日に出願された日本特許出願番号2018-163375号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願の全ての内容を参照によって本出願に援用する。
【0075】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12