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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】フェルール及び光コネクタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/36 20060101AFI20231121BHJP
   G02B 6/40 20060101ALI20231121BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G02B6/36
G02B6/40
G02B6/26
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020571102
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(86)【国際出願番号】 JP2020002565
(87)【国際公開番号】W WO2020162230
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2019017681
(32)【優先日】2019-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】上原 史也
(72)【発明者】
【氏名】大村 真樹
(72)【発明者】
【氏名】島津 貴之
【審査官】山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-024900(JP,A)
【文献】特開2008-282055(JP,A)
【文献】特開2015-179267(JP,A)
【文献】特開2004-170671(JP,A)
【文献】特開平11-211934(JP,A)
【文献】特開2017-227815(JP,A)
【文献】特開平10-010368(JP,A)
【文献】特開2011-022248(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0054523(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/36-6/40
B29C 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバを保持可能なフェルールであって、
前端面と、
前記前端面に対して第1方向において逆側に位置する後端面と、
前記第1方向に沿ってそれぞれが前記前端面から前記後端面に向かって延びる複数のファイバ保持孔であって、各前記ファイバ保持孔が前記第1方向と交差する第2方向に沿って配置されている、複数のファイバ保持孔と、
前記複数のファイバ保持孔に繋がり、前記後端面において開口する収容孔と、
前記複数のファイバ保持孔の周囲の領域に設けられる空隙部と、
を備え、
各前記ファイバ保持孔は、前記前端面から前記第1方向に沿って延びる定径部を有し、
前記空隙部は、前記定径部に沿って設けられ、前記第1方向に垂直な面内において前記定径部と並ぶように形成されており、前記空隙部の前記面内における幅の最小値が前記定径部の内径と異なる、フェルール。
【請求項2】
前記空隙部は、前記収容孔から前記前端面まで貫通している、請求項1に記載のフェルール。
【請求項3】
前記空隙部は、前記収容孔から前記前端面に向かって延びており、前記前端面から離間している、請求項1に記載のフェルール。
【請求項4】
前記空隙部は、前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向において、前記複数のファイバ保持孔に対して一方側に位置する第1領域及び他方側に位置する第2領域のうち少なくとも一方に設けられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフェルール。
【請求項5】
前記空隙部は、前記第1領域に設けられている複数の第1部分を有し、
前記複数の第1部分は、前記第3方向において前記複数のファイバ保持孔の前記定径部とそれぞれ並んでいる、請求項4に記載のフェルール。
【請求項6】
前記空隙部は、前記第1領域に設けられている1つの第1部分を有し、
前記第1部分は、前記第1方向に垂直な断面において、前記第2方向に沿って延びる形状を呈しており、前記第3方向において前記複数のファイバ保持孔の前記定径部と並んでいる、請求項4に記載のフェルール。
【請求項7】
前記空隙部は、前記第2領域に設けられている複数の第2部分を有し、
前記複数の第2部分は、前記第3方向において前記複数のファイバ保持孔の前記定径部とそれぞれ並んでいる、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のフェルール。
【請求項8】
前記空隙部は、前記第2領域に設けられている1つの第2部分を有し、
前記第2部分は、前記第1方向に垂直な断面において、前記第2方向に沿って延びる形状を呈しており、前記第3方向において前記複数のファイバ保持孔の前記定径部と並んでいる、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のフェルール。
【請求項9】
前記第2方向において前記複数のファイバ保持孔をその間に挟む位置に設けられた一対のガイド孔を更に備え、
前記空隙部は、前記複数のファイバ保持孔と一方の前記ガイド孔との間の第3領域、及び前記複数のファイバ保持孔と他方の前記ガイド孔との間の第4領域のうち少なくとも一方に設けられている、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のフェルール。
【請求項10】
前記空隙部の前記面内における幅の最小値が前記定径部の内径よりも小さい、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のフェルール。
【請求項11】
前記空隙部の前記面内における幅の最小値が前記定径部の内径よりも大きい、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のフェルール。
【請求項12】
前記空隙部を構成する孔の前記面内における幅の最小値が0.4mm以下である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のフェルール。
【請求項13】
前記空隙部を構成する孔と前記複数のファイバ保持孔との離間距離が0.2mm以上0.5mm以下である、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のフェルール。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のフェルールと、
前記複数のファイバ保持孔にそれぞれ保持された複数の光ファイバと、
を備える、光コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フェルール及び光コネクタに関する。
本出願は、2019年2月4日出願の日本出願第2019-017681号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2は、多芯のフェルールを開示する。特許文献1に記載されたフェルールは、複数のファイバ挿通孔をそれぞれ形成するための複数の挿通孔成形ピンを有する金型を用いて成型される。この金型では、複数の挿通孔成形ピンが一列に配列されたピン列が二段に配置されており、これらピン列の間には板状の規制体が配置される。このように規制体が配置された状態で、金型内に樹脂を注入することによって、成型時における各挿通孔成形ピンの撓み又は曲がりを規制している。この規制体は、フェルールを構成する樹脂内に埋め込まれる。
【0003】
特許文献2に記載されたフェルールは、その前端面から後方に延びており光ファイバのガラス部分が挿入されるファイバ穴と、ファイバ穴から更に後方に延びており光ファイバの被覆部分が挿入される端末穴と、接着剤を注入するための窓とを備えている。このフェルールは、下型、中型、及び上型を有する金型を用いて成型される。上型及び下型は、中型を挟み込むと共に、溶解樹脂が導入される内部空間を含むキャビティを形成する。下型は、フェルールの窓を形成するための窓用駒を含む。中型は、端末穴を形成するための四角厚板状の端末形成具と、ファイバ穴を形成するためのファイバ穴用ピンとを含む。端末形成具は、ファイバ穴用ピンの基部の後部を保持している。端末形成具の先端部は、ファイバ穴用ピンの基部の前部との間に隙間が形成されるように前方に延びており、下型の窓用駒に接触している。このように隙間を空けた状態で、フェルールを成型すると、当該隙間の位置に薄板状の張出し部分が形成される。この張出し部分は、フェルールを使用する前に、工具で切り取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-037844号公報
【文献】特開平07-056054号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示は、複数の光ファイバを保持可能なフェルールを提供する。このフェルールは、前端面と、前端面に対して第1方向において逆側に位置する後端面と、複数のファイバ保持孔と、収容孔と、空隙部と、を備える。複数のファイバ保持孔は、第1方向に沿ってそれぞれが前端面から後端面に向かって延び、第1方向と交差する第2方向に沿って配置される。収容孔は、複数のファイバ保持孔に繋がり、後端面において開口する。空隙部は、複数のファイバ保持孔の周囲の領域に設けられる。各ファイバ保持孔は、前端面から第1方向に沿って延びる定径部を有する。空隙部は、定径部に沿って設けられ、第1方向に垂直な面内において定径部と並ぶように形成されており、空隙部の面内における幅の最小値が定径部の内径と異なる。
【0006】
本開示は、光コネクタを提供する。この光コネクタは、上記のフェルールと、複数のファイバ保持孔にそれぞれ保持された複数の光ファイバと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態に係るフェルールを示す斜視図である。
図2図2は、図1に示すフェルールを備える光コネクタを示す断面図である。
図3図3は、図2に示す光コネクタを示す正面図である。
図4図4は、図1に示す光コネクタを成型するための金型の中金型を示す側面図である。
図5図5は、第1変形例に係る光コネクタを示す断面図である。
図6A図6Aは、第2変形例に係る光コネクタを示す正面図である。
図6B図6Bは、第2変形例の他の例に係る光コネクタを示す正面図である。
図7図7は、第3変形例に係る光コネクタを示す正面図である。
図8図8は、第4変形例に係る光コネクタを示す正面図である。
図9図9は、第5変形例に係る光コネクタを示す断面図である。
図10図10は、第6変形例に係る光コネクタを示す正面図である。
図11図11は、比較例に係る光コネクタを示す断面図である。
図12図12は、図11に示す光コネクタの一部を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示が解決しようとする課題]
複数のファイバ保持孔を形成するための複数のピンを有する金型を用いてフェルールを成型する場合、樹脂を固化させる工程において、樹脂の収縮によって金型のピンに曲がりが発生し、これに応じてフェルールの各ファイバ保持孔に曲がりが発生することがある。かかる曲がりが発生すると、フェルールの前端面を研磨する際に、研磨によって当該前端面における各ファイバ保持孔の開口位置がずれる。かかる開口位置のずれは、当該前端面における各光ファイバの位置ずれを引き起こすので、光コネクタ間の接続損失の増大を招き得る。
【0009】
特許文献1に記載されたフェルールでは、各ファイバ保持孔に曲がりが発生することを抑制するために、ピン列間に配置される規制体を用いて成型時における各挿通孔成形ピンの曲がりを規制している。しかし、このフェルールでは、このような規制体を別途用意する必要があるので、製造コストの増大を招き得る。更に、この規制体はフェルールの樹脂内に埋め込まれるので、規制体の線膨張率がフェルールの樹脂の線膨張率と異なる場合、規制体の線膨張率とフェルールの樹脂の線膨張率との差に起因する熱応力によって光コネクタの信頼性(例えば温度特性)に影響を与えることがある。特許文献2に記載されたフェルールでは、フェルールに光ファイバを挿入する際に、張り出し部分を切り取る追加的な作業を要するので、製造工数の増大を招き得る。
【0010】
[本開示の効果]
本開示によれば、製造コスト及び製造工数の抑制を図りつつ、ファイバ保持孔の曲がりの抑制によって光接続損失を抑制できる。
【0011】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。一実施形態に係るフェルールは、複数の光ファイバを保持可能なフェルールであって、前端面と、前端面に対して第1方向において逆側に位置する後端面と、複数のファイバ保持孔と、収容孔と、空隙部と、を備える。複数のファイバ保持孔は、第1方向に沿ってそれぞれが前端面から後端面に向かって延び、第1方向と交差する第2方向に沿って配置される。収容孔は、複数のファイバ保持孔に繋がり、後端面において開口する。空隙部は、複数のファイバ保持孔の周囲の領域に設けられる。各ファイバ保持孔は、前端面から第1方向に沿って延びる定径部を有する。空隙部は、定径部に沿って設けられ、第1方向に垂直な面内において定径部と並ぶように形成されており、空隙部の面内における幅の最小値が定径部の内径と異なる。
【0012】
複数のファイバ保持孔をそれぞれ形成するための複数の保持孔形成ピンを有する金型を用いてフェルールを成型する際に、フェルールを構成する樹脂を固化させる工程において樹脂の収縮に伴う収縮応力が第1方向に垂直な面内に作用することによって、各ファイバ保持孔の定径部に対応する各保持孔形成ピンの定径領域が当該面内に曲がることがある。これに応じて各ファイバ保持孔の定径部に曲がりが生じると、前端面における各光ファイバの位置ずれを引き起こし、光コネクタ間の接続損失の増大を招き得る。これに対し、上記のフェルールでは、複数のファイバ保持孔の周囲の領域に空隙部が設けられており、この空隙部は、複数のファイバ保持孔の定径部に沿って設けられると共に当該面内において定径部と並んで形成されている。このような空隙部を有するフェルールを成型する際、空隙部を形成するための空隙部形成ピンが、複数の保持孔形成ピンの定径領域の周囲の領域に配置されることによって、樹脂を固化させる工程において、各保持孔形成ピンの定径領域の周囲の領域に作用する収縮応力のバランスを改善できる。これにより、各保持孔形成ピンの定径領域に対して当該面内に作用する樹脂の収縮応力を緩和でき、各保持孔形成ピンの定径領域の曲がりの発生を抑制できる。これに伴い、各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを抑制できるので、前端面における各光ファイバの位置ずれを小さくすることができる。その結果、光コネクタ間の光接続損失の増大を抑制できる。
【0013】
更に、当該面内における空隙部の幅の最小値をファイバ保持孔の定径部の内径よりも大きくするように異ならせると、フェルールを成型する際に、各保持孔形成ピンの定径領域に対して当該面内に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。よって、各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを効果的に抑制できる。一方、空隙部の幅の最小値を定径部の内径よりも小さくするように異ならせると、空隙部への各光ファイバの誤挿入を防止できる。更に、上記のフェルールによれば、各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを抑制するための部品を別途用意する必要が無く、各光ファイバをフェルールに挿入する際に追加的な作業を要しないので、製造コスト及び製造工数の増大を抑制できる。したがって、上記のフェルールによれば、製造コスト及び製造工数の抑制を図りつつ、各ファイバ保持孔の曲がりの抑制によって光接続損失を抑制できる。
【0014】
上記のフェルールでは、空隙部は、収容孔から前端面まで貫通していてもよい。これにより、フェルールを成型する際に、金型の空隙部形成ピンの先端を前端面の外側に配置される金型部材によって支持できる。この場合、空隙部形成ピンの先端が金型部材に支持されずに空隙部形成ピンが片持ち状に支持される場合と比べて、金型に注入される樹脂の流れの乱れを抑制でき、上記のフェルールを好適に成型できる。一方、上記のフェルールでは、空隙部は、収容孔から前端面に向かって延びてもよく、前端面から離間していてもよい。これにより、フェルールに各光ファイバを実装する際に、各光ファイバをフェルールに固定するための接着剤が空隙部を通じて前端面に漏れ出すことを抑制できる。
【0015】
上記のフェルールでは、空隙部は、第1方向及び第2方向と交差する第3方向において、複数のファイバ保持孔に対して一方側に位置する第1領域及び他方側に位置する第2領域のうち少なくとも一方に設けられていてもよい。フェルールを成型する際に、金型のゲート位置及びフェルールの形状に起因して、金型の各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向に大きな収縮応力が作用する場合がある。このような場合であっても、上記の領域に空隙部が設けられることによって、各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、第3方向における各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを効果的に抑制できる。
【0016】
上記のフェルールでは、空隙部は、第1領域に設けられている複数の第1部分を有してもよく、複数の第1部分は、第3方向において複数のファイバ保持孔とそれぞれ並んでいてもよい。フェルールを成型する際に、金型のゲート位置及びフェルールの形状に起因して、金型の各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向における一方側の第1領域から大きな収縮応力が作用する場合がある。このような場合であっても、空隙部の複数の第1部分が、当該第1領域において複数のファイバ保持孔の定径部とそれぞれ並ぶことによって、各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、第3方向における各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを効果的に抑制できる。
【0017】
上記のフェルールでは、空隙部は、第1領域に設けられている1つの第1部分を有してもよく、第1部分は、第1方向に垂直な断面において、第2方向に沿って延びる形状を呈していてもよく、第3方向において複数のファイバ保持孔の定径部と並んでいてもよい。フェルールを成型する際に、金型のゲート位置及びフェルールの形状に起因して、金型の各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向における一方側の第1領域から大きな収縮応力が作用する場合がある。このような場合であっても、空隙部の第1部分が、当該第1領域において複数のファイバ保持孔の定径部と第3方向に並ぶことによって、各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、第3方向における各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを効果的に抑制できる。更に、第1部分の断面が第2方向に沿って延びる形状を呈することによって、空隙部の領域をより大きく確保できる。これにより、各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向に作用する収縮応力を一層効果的に緩和でき、第3方向における各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを一層効果的に抑制できる。
【0018】
上記のフェルールでは、空隙部は、他方側に位置する第2領域に設けられている複数の第2部分を有してもよく、複数の第2部分は、第3方向において複数のファイバ保持孔の定径部とそれぞれ並んでいてもよい。フェルールを成型する際に、金型のゲート位置及びフェルールの形状に起因して、金型の各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向における他方側の第2領域から大きな収縮応力が作用する場合がある。このような場合であっても、空隙部の複数の第2部分が、当該第2領域において複数のファイバ保持孔の定径部とそれぞれ並ぶことによって、各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、第3方向における各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを効果的に抑制できる。
【0019】
上記のフェルールでは、空隙部は、他方側に位置する第2領域に設けられている1つの第2部分を有してもよく、第2部分は、第1方向に垂直な断面において、第2方向に沿って延びる形状を呈していてもよく、第3方向において複数のファイバ保持孔の定径部と並んでいてもよい。フェルールを成型する際に、金型のゲート位置及びフェルールの形状に起因して、金型の各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向における他方側の第2領域から大きな収縮応力が作用する場合がある。このような場合であっても、空隙部の第2部分が、当該第2領域において複数のファイバ保持孔の定径部と第3方向に並ぶことによって、各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、第3方向における各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを効果的に抑制できる。更に、第2部分の断面が第2方向に沿って延びる形状を呈することによって、空隙部の領域をより大きく確保できる。これにより、各保持孔形成ピンの定径領域に対して第3方向に作用する収縮応力を一層効果的に緩和でき、第3方向における各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを一層効果的に抑制できる。
【0020】
上記のフェルールは、第2方向において複数のファイバ保持孔を挟む位置にそれぞれ設けられた一対のガイド孔を更に備えてもよい。空隙部は、複数のファイバ保持孔と一方のガイド孔との間の第3領域、及び複数のファイバ保持孔と他方のガイド孔との間の第4領域のうち少なくとも一方に設けられていてもよい。各保持孔形成ピンを有する金型を用いてフェルールを成型する際に、金型のゲート位置及びフェルールの形状に起因して、金型の各保持孔形成ピンの定径領域に対して第2方向に大きな収縮応力が作用する場合がある。このような場合であっても、上記の領域に空隙部が設けられることによって各保持孔形成ピンの定径領域に対して第2方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、第2方向における各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを効果的に抑制できる。
【0021】
上記のフェルールでは、空隙部を構成する孔の面内における幅の最小値が0.4mm以下であってもよい。この場合、空隙部とガイド孔との違いを明確にすることができる。また、空隙部を構成する孔と複数のファイバ保持孔との離間距離が0.2mm以上0.5mm以下であってもよい。この場合、各保持孔形成ピンの定径領域に対して当該面内に作用する樹脂の収縮応力をより確実に緩和でき、各保持孔形成ピンの定径領域の曲がりの発生を更に抑制できる。
【0022】
一実施形態に係る光コネクタは、上記何れかの構成を備えるフェルールと、複数のファイバ保持孔にそれぞれ保持された複数の光ファイバと、を備える。この光コネクタは、上記何れかのフェルールを備えているので、各ファイバ保持孔の定径部の曲がりが抑制されている。これにより、各ファイバ保持孔に各光ファイバを実装する際に、研磨後の前端面における各光ファイバの位置ずれを小さくすることができる。これにより、接続相手の光コネクタと光接続する際に、光コネクタ間の光接続損失の増大を抑制できる。更に、上記の光コネクタによれば、各ファイバ保持孔の定径部の曲がりを抑制するための部品を別途用意する必要が無く、各光ファイバをフェルールに挿入する際に追加的な作業を要しないので、製造コスト及び製造工数の増大を抑制できる。
【0023】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係るフェルール及び光コネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。
【0024】
図1は、本実施形態に係るフェルール10を示す斜視図である。図1には、理解の容易のため、XYZ座標系が示されている。以下の説明において、フェルール10の長手方向(すなわち、接続方向)をX方向とし、X方向と交差(一例では直交)する方向であってフェルール10の短手方向をY方向とし、X方向及びY方向と交差(一例では直交)する方向であってフェルール10の厚さ方向をZ方向とする。
【0025】
フェルール10は、略直方体状の外観を有しており、例えば樹脂によって構成されている。フェルール10は、X方向に沿って並ぶ前端面11及び後端面12を有する。前端面11は、フェルール10のX方向における一端に配置されており、接続相手の光コネクタと対向する。後端面12は、フェルール10のX方向における逆側である他端に配置されている。後端面12には、複数の光ファイバ30(図2及び図3参照)をまとめて受け入れる開口13が形成されている。フェルール10のXY平面に沿った側面には、複数の光ファイバ30をフェルール10の内部に固定するための接着剤が注入される窓14が形成されている。
【0026】
図2は、フェルール10を備える光コネクタ1を示す断面図である。図3は、X方向から見た光コネクタ1の正面図である。光コネクタ1は、フェルール10と、フェルール10に保持される複数の光ファイバ30とを備える。フェルール10の前端面11は、YZ平面に沿った平坦部11aと、平坦部11aから僅かに傾斜(例えば8°以下)する傾斜部11bとを含んでいる。
【0027】
フェルール10は、後端面12の開口13からX方向に沿って延びており複数の光ファイバ30を収容する収容孔15と、収容孔15から前端面11に向かってX方向に沿って延びており複数の光ファイバ30をそれぞれ保持する複数のファイバ保持孔16と、を有する。収容孔15のX方向における前端面11側の先端部は、Z方向においてフェルール10の窓14と連通している。複数のファイバ保持孔16は、収容孔15から前端面11にわたってX方向に貫通している。各ファイバ保持孔16の先端は、前端面11の傾斜部11bにおいて開口している。各ファイバ保持孔16は、YZ断面において例えば円形状を呈している。
【0028】
複数のファイバ保持孔16は、Y方向及びZ方向に並んでいる。具体的には、複数のファイバ保持孔16がY方向に沿って並んで構成される保持孔列が、一列又は複数列にわたって並んでいる。図3に示される例では、12個のファイバ保持孔16がY方向に沿って並んで構成される保持孔列が、Z方向に沿って二列(計24個)に並んでいる。これら保持孔列のうち一方の保持孔列(具体的には、Z方向における窓14側の保持孔列)を構成する各ファイバ保持孔16Aは、図2に示されるように、一定の内径d1を有する定径部16aと、内径d1よりも大きい一定の内径d2を有する定径部16bと、X方向において定径部16aと定径部16bとの間に設けられるテーパ部16cと、を含んでいる。
【0029】
定径部16aは、前端面11の傾斜部11bにおける開口からテーパ部16cまでX方向に沿って延びており、定径部16bは、テーパ部16cから収容孔15までX方向に沿って延びている。定径部16aの内径d1は、例えば124μm以上且つ128μm以下であり、その前端から後端までの内径が一定である。定径部16bの内径d2は、例えば150μm以上且つ250μm以下であり、その前端から後端までの内径が一定である。テーパ部16cは、X方向において定径部16bから定径部16aに向かうにつれて徐々に縮径している。テーパ部16cは、定径部16bから定径部16aへの光ファイバ30の挿入を案内する。
【0030】
2つの保持孔列のうち他方の保持孔列(具体的には、Z方向における窓14とは反対側の保持孔列)を構成する各ファイバ保持孔16Bは、定径部16aと、テーパ部16cとを有している。各ファイバ保持孔16Bのテーパ部16cは、収容孔15に接続されており、収容孔15から定径部16aへの光ファイバ30の挿入を案内する。以降の説明において、ファイバ保持孔16Aとファイバ保持孔16Bとをまとめてファイバ保持孔16と称することがある。
【0031】
フェルール10は、図1及び図3に示されるように、一対のガイドピン(不図示)がそれぞれ挿入される一対のガイド孔17を更に有する。一対のガイドピンのそれぞれは、X方向に沿って延びる略円柱状の部材であり、接続相手の光コネクタのフェルールとの相対位置を規定するために用いられる。一対のガイド孔17は、前端面11の傾斜部11bから後端面12にわたってX方向に貫通している。一対のガイド孔17は、図3に示されるように、Y方向において複数のファイバ保持孔16を挟む位置にそれぞれ設けられている。各ガイド孔17は、YZ断面において例えば円形状を呈している。各ガイド孔17の内径は、ファイバ保持孔16の内径、具体的には、定径部16aの内径d1及び定径部16bの内径d2よりも大きく、例えば、0.5mm以上0.75mm以下である。
【0032】
フェルール10は、図2及び図3に示されるように、複数のファイバ保持孔16の周囲の領域に設けられる空隙部20を更に有する。空隙部20は、収容孔15から前端面11に向かってX方向に沿って延びる空隙孔である。本実施形態では、空隙部20は、収容孔15から前端面11までX方向に貫通する貫通孔であり、前端面11において開口している。空隙部20は、ファイバ保持孔16の定径部16aを含む少なくとも一部(本実施形態では全体)に沿って設けられており、YZ面内においてファイバ保持孔16の当該少なくとも一部(本実施形態では全体)と並んで形成されている。
【0033】
空隙部20は、複数のファイバ保持孔16に対してZ方向における一方側(具体的には窓14側)に位置する領域R1及びZ方向における他方側に位置する領域R2のうち、少なくとも一方に設けられている。本実施形態では、空隙部20は、領域R1及び領域R2の両方に設けられている。空隙部20は、領域R1に設けられている複数の上側部分21と、領域R2に設けられている複数の下側部分22とを有する。
【0034】
図3に示されるように、領域R1に設けられる複数の上側部分21は、Y方向に沿って一列に並んでおり、複数のファイバ保持孔16とそれぞれZ方向に並んでいる。具体的には、複数の上側部分21は、各保持孔列を構成する複数のファイバ保持孔16A又は16Bの数と同数(図3に示される例では12個)であり、Z方向において複数のファイバ保持孔16Aとそれぞれ隣り合っている。更に、Z方向から見て、複数の上側部分21の中心軸は、複数のファイバ保持孔16の中心軸とそれぞれ一致している。各上側部分21と各ファイバ保持孔16Aの定径部16aとのZ方向における離間距離は、例えば、0.2mm以上且つ0.5mm以下である。なお、ここでいう離間距離は、各孔の外径部分のうち、互いに最も隣接した点同士を繋いだ最短離間距離である。以下の離間距離も同様である。
【0035】
領域R2に設けられる複数の下側部分22は、Y方向に沿って一列に並んでおり、複数のファイバ保持孔16とそれぞれZ方向に並んでいる。具体的には、複数の下側部分22は、各保持孔列を構成する複数のファイバ保持孔16A又は16Bの数と同数(図3に示される例では12個)であり、Z方向において複数のファイバ保持孔16Bとそれぞれ隣り合っている。更に、Z方向から見て、複数の下側部分22の中心軸は、複数のファイバ保持孔16の中心軸とそれぞれ一致している。各下側部分22と各ファイバ保持孔16Bの定径部16aとのZ方向における離間距離は、例えば、0.2mm以上且つ0.5mm以下である。
【0036】
各上側部分21及び各下側部分22は、YZ断面において例えば円形状を呈しており、一定の内径d3を有している。上側部分21及び下側部分22の内径d3は一定であるので、本実施形態において、上側部分21の内径d3は、上側部分21のYZ面内における幅の最小値に相当し、下側部分22の内径d3は、下側部分22のYZ面内における幅の最小値に相当する。内径d3は、ファイバ保持孔16の定径部16aの内径d1と異なっており、内径d1よりも大きい又は小さい。本実施形態では、内径d3は、ファイバ保持孔16の定径部16aの内径d1よりも小さい。内径d3は、例えば、0mmより大きく且つ0.4mm以下であり、好ましくは0.2mm以下であり、より好ましくは0.05mm以上且つ0.15mm以下である。
【0037】
各上側部分21及び各下側部分22の内径d3は、一定でなくてもよい。すなわち、上側部分21の内径d3は、上側部分21のX方向に沿った各位置において異なってもよく、下側部分22の内径d3は、下側部分22のX方向に沿った各位置において異なってもよい。この場合、上側部分21のX方向に沿ったいずれかの位置における上側部分21の内径の最小値が、定径部16aの内径d1よりも大きいか又は小さければよく、下側部分22のX方向に沿ったいずれかの位置における下側部分22の内径の最小値が、定径部16aの内径d1よりも大きいか又は小さければよい。上側部分21及び下側部分22の内径(すなわち、上側部分21及び下側部分22のYZ面内における幅の最小値)は、互いに異なっていてもよい。上側部分21及び下側部分22は、YZ断面において、長円形状、多角形状、又はその他の不規則な形状等の他の形状を呈していてもよい。各上側部分21及び各下側部分22は、YZ断面において互いに異なる形状を呈してもよい。
【0038】
複数の上側部分21の数、及び複数の下側部分22の数のそれぞれは、各保持孔列を構成する複数のファイバ保持孔16A又は16Bの数よりも多くてもよく、少なくてもよい。複数の上側部分21の数は、複数の下側部分22の数よりも多くてもよく、少なくてもよい。上側部分21及び下側部分22は、Y方向に沿って一列にそれぞれ配列されていなくてもよい。すなわち、上側部分21及び下側部分22は、複数列に配列されてもよい。
【0039】
複数の光ファイバ30は、複数のファイバ保持孔16とそれぞれ対応するように、X方向に沿って延びると共にY方向及びZ方向に並んでいる。本実施形態では、図3に示されるように、12本の光ファイバ30がY方向に沿って並んで構成されるファイバ列が、Z方向に沿って二列(計24本)に並んでいる。複数の光ファイバ30は、複数のファイバ保持孔16の定径部16aにそれぞれ保持されている。各光ファイバ30の先端は、フェルール10の前端面11において露出している。光ファイバ30は、マルチモード光ファイバ(MMF:Multi-Mode Fiber)であってもよく、シングルモード光ファイバ(SMF:Single-Mode Fiber)であってもよい。各ファイバ列を構成する光ファイバ30の数は、12本に限られず、例えば4本、8本、又は16本等の他の本数であってもよい。各ファイバ列を構成する8本の光ファイバ30を並べる場合、12本の光ファイバ30を並べる場合におけるフェルール10の中央部分を挟む両側に、4本の光ファイバ30をそれぞれ配置してもよい。各ファイバ列は、一列であってもよく、三列又は四列以上であってもよい。
【0040】
続いて、図4を参照して、上述したフェルール10を成型する際に用いられる金型について説明する。図4は、金型の中金型40を示す側面図である。金型は、中金型40と、中金型40を挟み込む上金型及び下金型(不図示)とを備える。上金型及び下金型は、中金型40を挟みこんで溶融樹脂が導入されるキャビティ(すなわち、内部空間)を形成する。中金型40は、フェルール10の収容孔15を形成するための直方体状の本体部41と、フェルール10の複数のファイバ保持孔16をそれぞれ形成するための複数の保持孔形成ピン42と、フェルール10の空隙部20を形成するための複数の空隙部形成ピン43とを備える。
【0041】
中金型40の複数の保持孔形成ピン42は、本体部41からX方向に突出しており、複数のファイバ保持孔16にそれぞれ対応するように配置されている。各ファイバ保持孔16Aに対応する保持孔形成ピン42Aは、ファイバ保持孔16Aの定径部16aに対応する定径部42aと、ファイバ保持孔16Aの定径部16bに対応する定径部42bと、ファイバ保持孔16Aのテーパ部16cに対応するテーパ部42cとを有する。保持孔形成ピン42Aの定径部42aの外径d5は、ファイバ保持孔16Aの定径部16aの内径d1と同一である。保持孔形成ピン42Aの定径部42bの外径d6は、ファイバ保持孔16Aの定径部16bの内径d2と同一である。ファイバ保持孔16Bに対応する保持孔形成ピン42Bは、ファイバ保持孔16Bの定径部16aに対応する定径部42aと、ファイバ保持孔16Bのテーパ部16cに対応するテーパ部42cとを有する。保持孔形成ピン42Bの定径部42aの外径d5は、ファイバ保持孔16Bの定径部16aの内径d1と同一である。
【0042】
複数の空隙部形成ピン43は、本体部41からX方向に突出しており、複数の保持孔形成ピン42の周囲に配置されている。複数の空隙部形成ピン43は、空隙部20の複数の上側部分21にそれぞれ対応する複数の空隙部形成ピン44と、空隙部20の複数の下側部分22にそれぞれ対応する複数の空隙部形成ピン45とを有する。複数の空隙部形成ピン44は、複数の保持孔形成ピン42に対してZ方向における一方側に配置されている。複数の空隙部形成ピン45は、複数の保持孔形成ピン42に対してZ方向における他方側に配置されている。各空隙部形成ピン44及び各空隙部形成ピン45の外径d7は、互いに同一であり、上側部分21及び下側部分22の内径d3と同一である。空隙部形成ピン43及び保持孔形成ピン42のそれぞれの先端は、フェルール10の前端面11の外側に配置されるピン支持部材46によって支持されている。
【0043】
以上の構成を有する金型内に樹脂を注入して樹脂を固化させることにより、図1に示されるフェルール10が成型される。成型されたフェルール10に複数の光ファイバ30を実装することによって、図2及び図3に示される光コネクタ1が得られる。フェルール10に複数の光ファイバ30を実装する際、複数の光ファイバ30は、フェルール10の後端面12の開口13から収容孔15に導入され、複数のファイバ保持孔16の定径部16aにそれぞれ保持される。その後、フェルール10の窓14から接着剤が注入され、この接着剤によって複数の光ファイバ30がフェルール10に固定される。その後、フェルール10の前端面11、及び前端面11から露出する各光ファイバ30の先端は、光接続時の光の反射を低減するために、前端面11の平坦部11aに対して所定角度(例えば8°)だけ傾斜するように研磨される。この研磨によって前端面11の傾斜部11bが形成される。
【0044】
以上に説明した、本実施形態に係るフェルール10及び光コネクタ1によって得られる効果について、比較例が有する課題と共に説明する。図11は、比較例に係る光コネクタ100を示す断面図である。比較例に係る光コネクタ100のフェルール120は、空隙部20を有していない点で、本実施形態に係るフェルール10とは相違する。フェルール120では、Z方向における各ファイバ保持孔16A及び16Bの間の領域の樹脂量に比べて、当該領域の外側の領域R1及び領域R2の樹脂量が極めて多くなっている。更に、フェルール120のZ方向における中心を通るXY平面に関して、フェルール120の形状は非対称となっており、領域R1の樹脂量と領域R2の樹脂量とは、互いに異なっている。
【0045】
このような構成を有するフェルール120を金型を用いて成型すると、樹脂を固化させる工程において、樹脂の収縮に伴う収縮応力が金型の各保持孔形成ピンに対してYZ面内に作用することで、YZ面内において各保持孔形成ピンに曲がりが発生することがある。この収縮応力の方向は、例えば、フェルール120における樹脂量の差、フェルール120の形状、及び金型のゲート位置等の影響を受けて変化する。この収縮応力によって各保持孔形成ピンに曲がりが発生すると、これに応じてフェルール120の各ファイバ保持孔16の定径部16aにも曲がりが発生する。このような曲がりが発生すると、フェルール120の前端面11を研磨する際に、研磨によって前端面11における定径部16aの開口位置がずれることがある。
【0046】
図12は、光コネクタ100のファイバ保持孔16Aの先端付近を拡大した断面図である。図12では、光ファイバ30を省略して示している。図12において、仮想平面Vは、研磨前のフェルール120の前端面11の位置を示している。上述した曲がりが発生すると、ファイバ保持孔16Aの定径部16aの中心軸線Cの延在方向が、仮想平面Vの法線方向に対して角度θだけ傾くことがある。
【0047】
このように中心軸線Cの延在方向が傾いた状態で前端面11を研磨すると、研磨が進むに従い、前端面11におけるファイバ保持孔16Aの定径部16aの開口位置にずれが生じる。具体的には、仮想平面Vにおける定径部16aの開口の中心位置P1に対して、研磨後の前端面11における定径部16aの開口の中心位置P2がずれ量GだけZ方向にずれる。このような開口の中心位置P2のずれは、光ファイバ30をファイバ保持孔16Aに挿入する際に、前端面11における光ファイバ30の位置ずれを引き起こすので、光接続損失の増大を招く要因となり得る。
【0048】
これに対し、本実施形態に係るフェルール10では、複数のファイバ保持孔16の周囲の領域に空隙部20が設けられており、空隙部20は、複数のファイバ保持孔16の定径部16aに沿って設けられると共にYZ面内において定径部16aと並んで形成されている。空隙部20を備えるフェルール10を成型する際、空隙部20を形成するための複数の空隙部形成ピン43が、複数の保持孔形成ピン42の定径部42aの周囲に配置されることによって、樹脂を固化させる工程において、各保持孔形成ピン42の定径部42aの周囲の領域に作用する樹脂の収縮応力のバランスを改善できる。これにより、各保持孔形成ピン42の定径部42aに対してYZ面内に作用する樹脂の収縮応力を緩和でき、各保持孔形成ピン42の定径部42aの曲がりの発生を抑制できる。これに伴い、各ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを抑制できるので、前端面11の研磨後において、前端面11における各ファイバ保持孔16の開口位置のずれを小さくすることができる。これにより、フェルール10を光コネクタ1に実装する際に、前端面11における各光ファイバ30の位置ずれを小さくすることができ、光接続損失の増大を抑制できる。
【0049】
更に、上側部分21及び下側部分22の内径d3を定径部16aの内径d1よりも小さくすることによって、上側部分21及び下側部分22への光ファイバ30の誤挿入を防止できる。更に、フェルール10によれば、ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを抑制するための部品を別途用意する必要が無く、光ファイバ30をフェルール10に挿入する際に追加的な作業を要しないので、製造コスト及び製造工数の増大を抑制できる。したがって、本実施形態に係るフェルール10によれば、製造コスト及び製造工数の抑制を図りつつ、各ファイバ保持孔16の曲がりの抑制によって光接続損失を抑制できる。
【0050】
本実施形態に係るフェルール10では、空隙部20は、収容孔15から前端面11まで貫通している。これにより、フェルール10を成型する際に、金型の各空隙部形成ピン43の先端を前端面11の外側に配置されるピン支持部材46によって支持できる。この場合、空隙部形成ピン43の先端がピン支持部材46に支持されずに空隙部形成ピン43が片持ち状に支持される場合と比べて、金型に注入される樹脂の流れの乱れを抑制でき、フェルール10を好適に成型できる。
【0051】
本実施形態に係るフェルール10では、空隙部20は、Z方向において、複数のファイバ保持孔16に対して一方側に位置する領域R1及び他方側に位置する領域R2の両方に設けられている。フェルール10を成型する際に、金型のゲート位置及びフェルール10の形状に起因して、金型の各保持孔形成ピン42の定径部42aに対してZ方向に大きな収縮応力が作用する場合がある。このような場合であっても、上記の領域に空隙部20が設けられることによって、各保持孔形成ピン42の定径部42aに対してZ方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、Z方向における各ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを効果的に抑制できる。
【0052】
本実施形態に係るフェルール10では、空隙部20は、領域R1に設けられている複数の上側部分21を有し、複数の上側部分21は、Z方向において複数のファイバ保持孔16とそれぞれ並んでいる。このように、空隙部20の複数の上側部分21が、領域R1において複数のファイバ保持孔16の定径部16aとそれぞれ並ぶことによって、各保持孔形成ピン42の定径部42aに対してZ方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、Z方向における各ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを効果的に抑制できる。
【0053】
本実施形態に係るフェルール10では、空隙部20は、領域R2に設けられている複数の下側部分22を有し、複数の下側部分22は、Z方向において複数のファイバ保持孔16の定径部16aとそれぞれ並んでいる。このように、空隙部20の複数の下側部分22が、領域R2において複数のファイバ保持孔16の定径部16aとそれぞれ並ぶことによって、各保持孔形成ピン42の定径部42aに対してZ方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、Z方向における各ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを効果的に抑制できる。
【0054】
本施形態に係る光コネクタ1は、フェルール10と、複数の光ファイバ30と、を備える。光コネクタ1は、フェルール10を備えているので、各ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりが抑制されている。これにより、各ファイバ保持孔16に各光ファイバ30を実装する際に、研磨後の前端面11における各光ファイバ30の位置のずれを小さくすることができる。これにより、接続相手の光コネクタと光接続する際に、光コネクタ間の光接続損失の増大を抑制できる。更に、光コネクタ1によれば、各ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを抑制するための部品を別途用意する必要が無く、各光ファイバ30をフェルール10に挿入する際に追加的な作業を要しないので、製造コスト及び製造工数の増大を抑制できる。
【0055】
(第1変形例)
図5は、第1変形例に係る光コネクタ1Aを示す断面図である。本変形例と上記実施形態との相違点は、フェルールの空隙部の内径である。本変形例に係るフェルール10Aでは、空隙部20Aの各上側部分21A及び各下側部分22Aの内径d4が、ファイバ保持孔16の定径部16aの内径d1よりも大きい。上側部分21A及び下側部分22Aの内径d4は、例えば0.12mmより大きく且つ0.25mm以下であり、より好ましくは、例えば0.15mmより大きく且つ0.2mm以下である。このように、内径d4を内径d1よりも大きくすることによって、フェルール10Aを成型する際に、各保持孔形成ピン42の定径部42aに対してYZ面内に作用する樹脂の収縮応力を効果的に緩和できるので、各ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを効果的に抑制できる。内径d4は、内径d2と同一であってもよく、ファイバ保持孔16の定径部16bの内径d2よりも小さくてもよく、大きくてもよい。上側部分21Aの内径と下側部分22Aの内径とは、互いに異なっていてもよい。
【0056】
(第2変形例)
図6Aは、第2変形例に係る光コネクタ1Bの正面図である。本変形例では、フェルール10Bの空隙部20Bは、フェルール10Bの領域R1及び領域R2のうちいずれか一方のみに設けられている。図6Aに示される例では、空隙部20Bは、領域R2のみに設けられている。したがって、空隙部20Bは、領域R1に設けられる複数の上側部分21を有しておらず、領域R2に設けられる複数の下側部分22のみを有している。フェルール10Bを成型する際に、金型のゲート位置及びフェルール10Bの形状に起因して、金型の各保持孔形成ピン42の定径部42aに対して領域R2から大きな収縮応力が作用する場合がある。このような場合であっても、複数の下側部分22が領域R2に設けられることで、各保持孔形成ピン42の定径部42aに対してZ方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、Z方向における各ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを効果的に抑制できる。
【0057】
図6Bは、第2変形例の他の例に係る光コネクタ1Cの正面図である。図6Bに示される例では、フェルール10Cの空隙部20Cは、領域R1のみに設けられている。したがって、空隙部20Cは、領域R2に設けられる複数の下側部分22を有しておらず、領域R1に設けられる複数の上側部分21のみを有している。フェルール10Cを成型する際に、金型のゲート位置及びフェルール10Cの形状に起因して、金型の各保持孔形成ピン42の定径部42aに対して領域R1から大きな収縮応力が作用する場合がある。このような場合であっても、複数の上側部分21が領域R1に設けられることで、各保持孔形成ピン42の定径部42aに対してZ方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、Z方向における各ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを効果的に抑制できる。
【0058】
(第3変形例)
図7は、第3変形例に係る光コネクタ1Dの正面図である。本変形例では、フェルール10Dの空隙部20Dは、複数の上側部分21及び複数の下側部分22に加えて、複数の左側部分23及び複数の右側部分24を更に有する。左側部分23は、左側部分23の配置及び数を除いて、上側部分21及び下側部分22と同一の構成を有する。右側部分24は、右側部分24の配置及び数を除いて、上側部分21及び下側部分22と同一の構成を有する。複数の左側部分23は、複数のファイバ保持孔16に対してY方向における一方側(図7において左側)に位置する領域に設けられている。具体的には、複数の左側部分23は、Y方向における複数のファイバ保持孔16と一方のガイド孔17との間の領域R3に設けられている。複数の左側部分23は、例えば、保持孔列の列数と同数である。図7に示される例では、2つの左側部分23が、Z方向に沿って一列に並んでおり、Y方向において2つの保持孔列とそれぞれ並んでいる。保持孔列と左側部分23との離間距離は、例えば0.1mm以上且つ0.3mm以下である。この離間距離は、具体的には、保持孔列を構成する複数のファイバ保持孔16のうち、Y方向における左側部分23側の一端に位置するファイバ保持孔16と、該ファイバ保持孔16とY方向に隣り合う左側部分23との間のY方向における距離である。
【0059】
複数の右側部分24は、複数のファイバ保持孔16に対してY方向における他方側(図7において右側)に位置する領域に設けられている。具体的には、複数の右側部分24は、Y方向における複数のファイバ保持孔16と他方のガイド孔17との間の領域R4に設けられている。複数の右側部分24は、例えば、保持孔列の列数と同数である。図7に示される例では、2つの右側部分24が、Z方向に沿って一列に並んでおり、Y方向において2つの保持孔列とそれぞれ並んでいる。保持孔列と右側部分24との離間距離は、例えば0.1mm以上且つ0.3mm以下である。この離間距離は、具体的には、保持孔列を構成する複数のファイバ保持孔16のうち、Y方向における右側部分24側の他端に位置するファイバ保持孔16と、該ファイバ保持孔16とY方向に隣り合う右側部分24との間のY方向における距離である。
【0060】
フェルール10Dを成型する際に、金型のゲート位置及びフェルール10Dの形状に起因して、金型の各保持孔形成ピン42の定径部42aに対してY方向に大きな収縮応力が作用する場合がある。このような場合であっても、空隙部20Dが、領域R3に設けられる複数の左側部分23、及び領域R4に設けられる複数の右側部分24を有することによって、保持孔形成ピン42の定径部42aに対してY方向に作用する収縮応力を効果的に緩和できる。これにより、Y方向におけるファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを効果的に抑制できる。空隙部20Dは、領域R3及び領域R4のうちいずれか一方のみに設けられていてもよい。すなわち、空隙部20Dは、複数の左側部分23及び複数の右側部分24のうちいずれか一方のみを有していてもよい。複数の左側部分23及び複数の右側部分24のそれぞれの数は、保持孔列の列数よりも多くてもよく、少なくてもよい。更に、複数の左側部分23の数と、複数の右側部分24の数とは、互いに異なっていてもよい。
【0061】
(第4変形例)
図8は、第4変形例に係る光コネクタ1Eの正面図である。本変形例と上記実施形態との相違点は、フェルールの空隙部の形状である。本変形例では、フェルール10Eの空隙部20Eは、複数の上側部分21に代えて1つの上側部分25を有しており、複数の下側部分22に代えて1つの下側部分26を有している。上側部分25及び下側部分26は、YZ断面においてY方向に沿って延びる形状を呈しており、Z方向において複数のファイバ保持孔16と並んでいる。
【0062】
図8に示される例では、上側部分25及び下側部分26は、YZ断面においてY方向に沿って延びる長円形状を呈している。上側部分25のY方向における幅、及び下側部分26のY方向における幅は、互いに同一であり、保持孔列のY方向における全体の幅と同一である。上側部分25のZ方向における幅d8、及び下側部分26のZ方向における幅d8は、互いに同一であり、上記実施形態の上側部分21及び下側部分22のそれぞれの内径d3と同一である。上側部分25の幅d8は、Y方向に沿った上側部分25の各位置において一定である。下側部分22の幅d8は、Y方向に沿った下側部分22の各位置において一定である。上側部分25の幅d8は、上側部分21のYZ面内における幅の最小値に相当し、下側部分26の幅d8は、下側部分22のYZ面内における幅の最小値に相当する。
【0063】
本変形例によれば、上記実施形態の上側部分21の領域及び下側部分22の領域に比べて、上側部分25の領域及び下側部分26の領域をより大きく確保できる。これにより、フェルール10Eを成型する際に、各保持孔形成ピン42の定径部42aに対してZ方向に作用する収縮応力を一層効果的に緩和でき、これにより、Z方向における各ファイバ保持孔16の定径部16aの曲がりを一層効果的に抑制できる。上側部分25及び下側部分26は、Y方向に沿って延びていればよく、YZ断面において長円形状以外の形状であってもよい。例えば、上側部分25及び下側部分26は、YZ断面において、Y方向に延びる楕円形状、又はY方向に延びる多角形状等の他の形状を呈していてもよい。また、光コネクタ1Eにおいて、上側部分25又は下側部分26を、複数の上側部分21又は複数の下側部分22に置き換えてもよい。
【0064】
(第5変形例)
図9は、第5変形例に係る光コネクタ1Fを示す断面図である。本変形例では、フェルール10Fの空隙部20Fが前端面11まで貫通しておらず、前端面11からX方向に離間している。つまり、各上側部分21Bの前端面11側の先端21a、及び各下側部分22Bの前端面11側の先端22aのそれぞれは、前端面11まで達しておらず、前端面11に対してX方向に離間した位置に配置されている。上側部分21Bの先端21aと下側部分22Bの先端22aとは、Z方向から見て互いに同じ位置に配置されている。上側部分21Bの先端21a及び下側部分22Bの先端22aと、前端面11の平坦部11aを含むYZ平面との距離は、例えば、0.1mm以上且つ3.5mm以下であり、より好ましくは、例えば0.1mm以上且つ1.7mm以下である。
【0065】
このように空隙部20Fが前端面11から離間することによって、フェルール10Fに各光ファイバ30を実装する際に、各光ファイバ30をフェルール10Fに固定するための接着剤が各上側部分21B及び各下側部分22Bを通じて前端面11に漏れ出すことを抑制できる。上側部分21Bの先端21aと下側部分22Bの先端22aとは、Z方向から見て互いに異なる位置に配置されてもよい。
【0066】
(第6変形例)
図10は、第6変形例に係る光コネクタ1Gを示す正面図である。上記実施形態と本変形例との相違点は、複数の光ファイバの芯数である。本変形例では、フェルール10Gの複数のファイバ保持孔16Cが、Y方向に沿って一列に並んでおり、フェルール10GのZ方向における中央に配置されている。各光ファイバ30Aは、各ファイバ保持孔16Cに対応するように配置されており、各ファイバ保持孔16Cと同様、Y方向に沿って一列に並んでいる。このように各ファイバ保持孔16Cが一列に並ぶ場合であっても、フェルール10Gを成型する際に、金型のゲート位置及びフェルール10Gの形状に起因して、金型の各保持孔形成ピン42の定径部42aに対して領域R1から作用する収縮応力と領域R2から作用する収縮応力とが互いに異なることがある。これら収縮応力の差は、Z方向における各保持孔形成ピン42の定径部42aの曲がりを招き得る。このような場合であっても、上記実施形態と同様に、フェルール10Gに空隙部20の複数の上側部分21及び複数の下側部分22を設けることによって、上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0067】
本発明によるフェルール及び光コネクタは、上述した実施形態及び各変形例に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上述した実施形態及び各変形例を、必要な目的及び効果に応じて互いに組み合わせてもよい。空隙部は、フェルールの領域R1、領域R2、領域R3、及び領域R4以外の領域に設けられてもよい。空隙部は、収容孔と繋がっていなくてもよく、収容孔からX方向に離間していてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1,1Aから1G…光コネクタ、10,10Aから10G…フェルール、11…前端面、11a…平坦部、11b…傾斜部、12…後端面、13…開口、14…窓、15…収容孔、16,16Aから16C…ファイバ保持孔、16a,16b…定径部、16c…テーパ部、17…ガイド孔、20,20Aから20F…空隙部、21,21A,21B,25…上側部分、22,22A,22B,26…下側部分、23…左側部分、24…右側部分、30,30A…光ファイバ、d1からd4…内径、d8…幅、R1からR4…領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12