(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】センサモジュール
(51)【国際特許分類】
G01D 11/30 20060101AFI20231121BHJP
H01F 7/02 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G01D11/30 S
H01F7/02 Z
(21)【出願番号】P 2020571108
(86)(22)【出願日】2020-01-27
(86)【国際出願番号】 JP2020002748
(87)【国際公開番号】W WO2020162250
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2019021207
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【氏名又は名称】田中 勝也
(72)【発明者】
【氏名】栗山 浩充
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-189113(JP,U)
【文献】特開2017-187380(JP,A)
【文献】特開2004-173757(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109115274(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 11/30
H01F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ部と、
取り付け対象物に接着する接着面を有し、前記センサ部を収容する筐体と、
前記筐体に接着される第1磁石と、を備え、
前記筐体は、
前記接着面を構成する面を含み、粘着性を有する粘着部と、
前記粘着部を覆い、前記粘着部から剥離することができる剥離シートと、を含み、
前記第1磁石と前記取り付け対象物との間の磁力は、前記筐体と前記第1磁石との接着力よりも強い、センサモジュール。
【請求項2】
前記第1磁石は、前記接着面に垂直な方向から見た平面視において前記接着面内に露出している、請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項3】
前記筐体は、前記接着面に開口を有する第1凹部を含み、
前記第1磁石は、前記第1凹部に配置され、
前記第1凹部を取り囲む壁面は、前記壁面に対向する前記第1磁石の外形形状に沿う形状を有する、請求項1
または請求項2に記載のセンサモジュール。
【請求項4】
前記接着面に垂直な方向から見た平面視における前記第1磁石の外形形状の対称軸の数は、1以下である、請求項1から
請求項3のいずれか1項に記載のセンサモジュール。
【請求項5】
互いに外形形状が異なる少なくとも2つの前記第1磁石を備える、請求項1から
請求項4のいずれか1項に記載のセンサモジュール。
【請求項6】
3つ以上の前記第1磁石を備え、
前記3つ以上の第1磁石を前記接着面に垂直な方向から見た平面視において、前記3つ以上の第1磁石のそれぞれの重心を結ぶ線分で構成される1つの図形の対称軸の数は、1以下である、請求項1から
請求項4のいずれか1項に記載のセンサモジュール。
【請求項7】
2つの前記第1磁石を備え、
前記2つの第1磁石は、前記2つの第1磁石を前記接着面に垂直な方向から見た平面視において、前記2つの第1磁石の重心をそれぞれ結ぶ線分の中点に対して点対称とならない、請求項1から
請求項4のいずれか1項に記載のセンサモジュール。
【請求項8】
前記筐体に固定され、磁力により前記筐体を接着する第2磁石をさらに備える、請求項1から
請求項7のいずれか1項に記載のセンサモジュール。
【請求項9】
前記第2磁石は、前記筐体内に形成された収容空間内に配置される、
請求項8に記載のセンサモジュール。
【請求項10】
前記接着面を含む仮想平面は、前記第2磁石とは離れて位置する、
請求項8または
請求項9に記載のセンサモジュール。
【請求項11】
前記取り付け対象物の材質は、鋼である、請求項1から
請求項10のいずれか1項に記載のセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、センサモジュールに関するものである。
【0002】
本出願は、2019年2月8日出願の日本出願第2019-021207号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0003】
2個の磁石を用いて固定プレートを固定する方法が、特許文献1に開示されている。特許文献1によると、間隔のあいた固定プレートの凹みに2個の磁石をそれぞれ入れて、両面テープで磁石を固定プレートに封印している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本開示に従ったセンサモジュールは、センサ部と、取り付け対象物に接着する接着面を有し、センサ部を収容する筐体と、筐体に接着される第1磁石と、を備える。第1磁石と取り付け対象物との間の磁力は、筐体と第1磁石との接着力よりも強い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、実施の形態1におけるセンサモジュールの概略斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態1におけるセンサモジュールの概略側面図である。
【
図3】
図3は、筺体に含まれる第2部分の概略断面図である。
【
図4】
図4は、センサモジュールを取り付け対象物へ仮に取り付けた状態を示す概略断面図である。
【
図5】
図5は、第2部分を一旦取り外した状態を示す概略断面図である。
【
図6】
図6は、取り付け対象物に取り付けられた後の第2部分の概略断面図である。
【
図7】
図7は、実施の形態2におけるセンサモジュールの第2部分を接着面に垂直な方向から平面的に見た状態を示す概略平面図である。
【
図8】
図8は、実施の形態3におけるセンサモジュールの第2部分を接着面に垂直な方向から平面的に見た状態を示す概略平面図である。
【
図9】
図9は、実施の形態4におけるセンサモジュールの第2部分を接着面に垂直な方向から平面的に見た状態を示す概略平面図である。
【
図10】
図10は、実施の形態5におけるセンサモジュールの第2部分を接着面に垂直な方向から平面的に見た状態を示す概略平面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態6におけるセンサモジュールにおいて、取り付け対象物に取り付けられた後の第2部分の概略断面図である。
【
図12】
図12は、実施の形態6におけるセンサモジュールにおいて、取り付け対象物に取り付けられる前の第2部分の概略断面図である。
【
図13】
図13は、実施の形態7におけるセンサモジュールに備えられる筐体と第1磁石とを示す概略斜視図である。
【
図14】
図14は、実施の形態7におけるセンサモジュールに備えられる筐体と第1磁石とを示す概略平面図である。
【
図15】
図15は、実施の形態8におけるセンサモジュールの概略斜視図である。
【
図16】
図16は、実施の形態9におけるセンサモジュールの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[本開示が解決しようとする課題]
特許文献1には、物品を接着する固定プレートが開示されている。センサを取り付け対象物に取り付ける場合、取り付け位置を容易に調整することが求められる。また、調整された取り付け位置からセンサを取り外した場合、再び調整された取り付け位置に正確にセンサを取り付けることが求められる。
【0008】
そこで、取り付け位置を容易に調整することができ、調整後の取り付け位置に正確に取り付けることができるセンサモジュールを提供することを目的の1つとする。
【0009】
[本開示の効果]
上記センサモジュールによれば、取り付け位置を容易に調整することができ、調整後の取り付け位置に正確に取り付けることができる。
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。本開示に係るセンサモジュールは、センサ部と、取り付け対象物に接着する接着面を有し、センサ部を収容する筐体と、筐体に接着される第1磁石と、を備える。第1磁石と取り付け対象物との間の磁力は、筐体と第1磁石との接着力よりも強い。
【0011】
上記センサモジュールは、上記構成の第1磁石を備える。これにより、センサモジュールを、例えば以下のような手順で取り付け対象物に取り付けることができる。ここで、第1磁石と取り付け対象物との間の磁力が筐体と第1磁石との接着力よりも強いとは、第1磁石を接着している筐体を取り付け対象物に接触させた後、取り付け対象物を筐体から離したときに第1磁石が筐体から離れて取り付け対象物に磁力により接着している状態をいう。
【0012】
まず、センサモジュールを取り付け対象物の所定の位置に取り付ける。その後、センサ部により情報を検知する。次に、取り付け位置を変更してセンサモジュールを取り付ける。その後、再びセンサ部により情報を検知する。これを繰り返して取り付け位置を調整し、最適な取り付け位置を決定する。調整を終了した後、調整後の取り付け位置で筐体を取り外す。この時、第1磁石と取り付け対象物との間の磁力は、筐体と第1磁石との接着力よりも強いため、第1磁石を筐体から離脱させて磁力により取り付け対象物に接着した状態とすることができる。
【0013】
調整後の取り付け位置に再び筐体を取り付ける。第1磁石は、調整後の取り付け位置に接着した状態であるため、筐体を取り付け対象物に取り付ける際に、調整後の取り付け位置に正確に取り付けることができる。したがって、上記センサモジュールによれば、取り付け位置を容易に調整することができ、調整後の取り付け位置に正確に取り付けることができる。
【0014】
一旦取り外した筐体において、例えば接着面に接着剤を塗布してから再び取り付け対象物に取り付けることにより、センサモジュールを取り付け対象物に固定することができる。すなわち、調整された取り付け位置に対するずれを抑制しながらセンサモジュールを調整後の取り付け位置に長期にわたって取り付けることができる。
【0015】
上記センサモジュールにおいて、第1磁石は、接着面に垂直な方向から見た平面視において接着面内に露出してもよい。このようにすることにより、第1磁石が筐体から離脱しやすくなり、第1磁石が取り付け対象物に接着する状態を取りやすくなる。したがって、取り付け位置をより容易に調整することができる。
【0016】
上記センサモジュールにおいて、筐体は、接着面を構成する面を含み、粘着性を有する粘着部と、粘着部を覆い、粘着部から剥離することができる剥離シートと、をさらに含んでもよい。このようにすることにより、上記のように接着剤を塗布することなく、センサモジュールを取り付け対象物に固定することができる。よって、センサモジュールを取り付ける作業の効率化を図ることができる。
【0017】
上記センサモジュールにおいて、筐体は、接着面に開口を有する第1凹部を含んでもよい。第1磁石は、第1凹部に配置されてもよい。第1凹部を取り囲む壁面は、壁面に対向する第1磁石の外形形状に沿う形状を有してもよい。このようにすることにより、取り付け位置の調整後の筐体の取り付け時において第1磁石を第1凹部に配置する際に、第1凹部を取り囲む壁面は、第1磁石の外形によって案内される。よって、調整後の取り付け位置に筐体を取り付けることが容易となる。
【0018】
上記センサモジュールにおいて、接着面に垂直な方向から見た平面視における第1磁石の外形形状の対称軸の数は、1以下であってもよい。センサモジュールによっては、取り付け対象物に取り付ける際の取り付けの向きが重要な場合がある。第1磁石の外形形状の対称軸の数が、1以下であることにより、筐体を取り外した後に再び取り付ける際の筐体の向きを一意的に決めることができる。よって、筐体を取り付ける際の筐体の向きを誤るおそれを低減することができる。
【0019】
上記センサモジュールにおいて、第1磁石は、複数備えられていてもよい。複数の第1磁石を備えることにより、少なくとも取り付け対象物の表面の2か所に第1磁石を接着させることができる。したがって、調整後の取り付け位置に筐体を取り付けることが容易になる。
【0020】
上記センサモジュールは、互いに外形形状が異なる少なくとも2つの第1磁石を備えてもよい。このようにすることにより、筐体を取り外した後に再び取り付ける際の筐体の向きを一意的に決めることができる。よって、筐体を取り付ける際の筐体の向きを誤るおそれを低減することができる。
【0021】
上記センサモジュールは、3つ以上の第1磁石を備えてもよい。3つ以上の第1磁石を接着面に垂直な方向から見た平面視において、3つ以上の第1磁石のそれぞれの重心を結ぶ線分で構成される1つの図形の対称軸の数は、1以下であってもよい。このようにすることにより、筐体を取り外した後に再び取り付ける際の筐体の向きを一意的に決めることができる。よって、筐体を取り付ける際の筐体の向きを誤るおそれを低減することができる。
【0022】
また、上記センサモジュールは、2つの第1磁石を備えてもよい。2つの第1磁石は、2つの第1磁石を接着面に垂直な方向から見た平面視において、2つの第1磁石の重心をそれぞれ結ぶ線分の中点に対して点対称とならないようにしてもよい。このようにすることにより、筐体を取り外した後に再び取り付ける際の筐体の向きを一意的に決めることができる。よって、筐体を取り付ける際の筐体の向きを誤るおそれを低減することができる。
【0023】
上記センサモジュールにおいて、第1磁石は、筐体への第1磁石の固定を解除可能なねじにより固定されてもよい。このようにすることにより、取り付け対象物にセンサモジュールを取り付ける前において、筐体からの第1磁石の脱落を確実に抑制することができる。また、取り付け位置を調整した後に第1磁石を離脱させる際に、ねじによる筐体への第1磁石の固定を解除して確実に調整後の取り付け位置に第1磁石を接着させることができる。さらに、再び筐体を取り付け対象物に取り付けた後においてねじにより第1磁石を筐体に固定すれば、第1磁石の磁力によりセンサモジュールを取り付け対象物に接着することができる。したがって、長期にわたって取り付け位置からずれることをより確実に抑制することができる。
【0024】
上記センサモジュールは、筐体に固定され、取り付け対象物に磁力により筐体を接着する第2磁石をさらに備えてもよい。このような第2磁石を備えることにより、第2磁石の磁力によって筐体を取り付け対象物にさらに強固に接着することができる。
【0025】
上記センサモジュールにおいて、第2磁石は、筐体内に形成された収容空間内に配置されてもよい。このようにすることにより、第2磁石を筐体内の適切な位置に配置することができる。
【0026】
上記センサモジュールにおいて、接着面を含む仮想平面は、第2磁石とは離れて位置してもよい。このようにすることにより、第2磁石が配置される位置における接着力の集中を避けることができる。したがって、長期にわたって取り付け位置からずれることをより確実に抑制することができる。
【0027】
上記センサモジュールにおいて、取り付け対象物の材質は、鋼であってもよい。鋼は、強磁性を有するため、磁力により接着することが容易となる。
【0028】
[本開示の実施形態の詳細]
次に、本開示のセンサモジュールの一実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0029】
(実施の形態1)
本開示の実施の形態1におけるセンサモジュールの構成について説明する。
図1は、実施の形態1におけるセンサモジュールの概略斜視図である。
図2は、実施の形態1におけるセンサモジュールの概略側面図である。
図1および
図2を参照して、実施の形態1におけるセンサモジュール11aは、例えば離隔した領域を撮影するカメラである。
【0030】
センサモジュール11aは、センサ部12aと、筐体13aと、複数の第1磁石14a,14bとを備える。本実施形態においては、センサモジュール11aは、2つの第1磁石14a,14bを備える。なお、
図1および
図2において、センサ部12aは、概略的に破線で図示されている。センサ部12aは、例えば撮像素子を含む。筐体13aは、レンズ15を有し、センサ部12aを収容する第1部分21と、2つの第1磁石14a,14bが接着される第2部分22と、第1部分21と第2部分22とを連結する第3部分23とを含む。
【0031】
図3は、筐体13aに含まれる第2部分22の概略断面図である。
図3を参照して、第2部分22は、直方体形状の本体部24と、本体部24の第1面26を覆うように配置され、粘着性を有する粘着部31と、粘着部31を覆い、粘着部31から剥離することができる剥離シート32とを含む。本体部24は、第1面26と、第1面26と間隔をあけて第1面26と平行に配置される第2面27と、第1面26および第2面27の双方と交差する側壁面28とを含む。第1面26および第2面27は共に、平面状である。側壁面28は、第1面26および第2面の双方と直交している。なお、センサモジュール11aを取り付ける取り付け対象物の表面も、平面状である。取り付け対象物の材質は、強磁性体、例えば鋼である。鋼は、強磁性を有するため、磁力により接着することが容易となる。取り付け対象物は、磁力によって所定の部材を取り付けられる。
【0032】
粘着部31は、層状であって、一方の主面33と第1面26とが接触するよう配置される。一方の主面33と第1面26とは、接着されている。剥離シート32は、一方の主面35と粘着部31の他方の主面34とが接触するよう配置される。剥離シート32の他方の主面36は、露出している。粘着部31の他方の主面34は、剥離シート32によって覆われている。粘着部31は、接着面37を構成する他方の主面34を含む。粘着部31の他方の主面34は、接着面37である。すなわち、筐体13aの第2部分22は、取り付け対象物に接着する接着面37を有する。粘着部31および剥離シート32を構成する部材としては、例えば両面テープが挙げられる。粘着部31および剥離シート32は、後述する第1凹部46a,46bが形成される領域を除いて第1面26の全面を覆うように配置される。
【0033】
センサモジュール11aは、接着面37において接触した状態で取り付け対象物に取り付けられる。具体的には、センサモジュール11aは、剥離シート32を剥離した後に、取り付け対象物の表面と接着面37となる粘着部31の他方の主面34とが接触するよう取り付け対象物に取り付けられる。
【0034】
第1磁石14aは、円錐状の形状を有する。第1磁石14aは、底面41aと、円錐面42aとを有する。第1磁石14bは、第1磁石14aと同じ形状である。第1磁石14bは、底面41bと、円錐面42bとを有する。第1磁石14a,14bは、例えば、ネオジム磁石である。
【0035】
第2部分22には、2つの第1凹部46a,46bが形成される。第1凹部46a,46bはそれぞれ、第1磁石14a,14bに対応する形状、すなわち、円錐状の形状を有する。第1凹部46a,46bはそれぞれ、粘着部31および剥離シート32を厚み方向に貫通する。円錐状の第1凹部46a,46bは、本体部24内に頂点が位置し、底面が第1面26に沿うよう形成される。第1凹部46a,46bはそれぞれ、接着面37に開口を有する。第1凹部46a,46bは
図3中のX方向に間隔をあけて配置される。第1凹部46aは、壁面47aによって取り囲まれる。第1凹部46bは、壁面47bによって取り囲まれる。
【0036】
第1凹部46aを取り囲む壁面47aは、壁面47aに対向する第1磁石14aの外形形状に沿う形状を有する。具体的には、第1凹部46aを取り囲む壁面47aは、円錐面42aに沿う円錐面状である。第1磁石14aは、第1凹部46aに配置される。この場合、壁面47aに円錐面42aが接着される。接着面37に垂直な方向から見た平面視において、底面41aは、露出している。本実施形態においては、
図3中の矢印Zで示す向きに見て、底面41aは露出している。
【0037】
第1凹部46bを取り囲む壁面47bは、壁面47bに対向する第1磁石14bの外形形状に沿う形状を有する。具体的には、第1凹部46bを取り囲む壁面47bは、円錐面42bに沿う円錐面状である。第1磁石14bは、第1凹部46bに配置される。この場合、壁面47bに円錐面42bが接着される。接着面37に垂直な方向から見た平面視において、底面41bは、露出している。本実施形態においては、
図3中の矢印Zで示す向きに見て、底面41bは露出している。
【0038】
本実施形態においては、円錐面42aは、壁面47aに配置された接着性を有する部材により、比較的弱い接着力で壁面47aに接着されている。第1凹部46aに配置される第1磁石14aは、本体部24に接着されている。第1磁石14aと取り付け対象物との間の磁力は、筐体13aと第1磁石14aとの接着力よりも強い。よって、底面41a側に強磁性体の部材を近づけると、磁力により筐体13aと第1磁石14aとの接着状態が解除されて第1磁石14aが強磁性体の部材に接着する。円錐面42bは、壁面47bに配置された接着性を有する部材により、比較的弱い接着力で壁面47bに接着されている。第1凹部46bに配置される第1磁石14bは、本体部24に接着されている。第1磁石14bと取り付け対象物との間の磁力は、筐体13aと第1磁石14bとの接着力よりも強い。よって、底面41b側に強磁性体の部材を近づけると、磁力により筐体13aと第1磁石14bとの接着状態が解除されて第1磁石14bが強磁性体の部材に接着する。
【0039】
センサモジュール11aは、2つの第2磁石51a,51bを備える。第2磁石51a,51bは、筐体13aに固定され、磁力により筐体13aを接着する。第2磁石51aは、円柱状である。第2磁石51bは、第2磁石51aと同じ形状である。2つの第2磁石51a,51bはそれぞれ、筐体13aの第2部分22に含まれる本体部24に固定される。
【0040】
本体部24には、2つの第2凹部52a,52bが形成される。第2凹部52a,52bは、第1面26に開口を有し、第2磁石51aが収容可能となるよう円柱状に凹んだ形状である。第2凹部52bは、第1面26に開口を有し、第2磁石51bが収容可能となるよう円柱状に凹んだ形状である。第2磁石51a,51bは、本体部24内に形成された収容空間である第2凹部52a,52b内にそれぞれ配置される。第2凹部52a,52bは、粘着部31および剥離シート32によって開口が覆われている。
【0041】
第2磁石51aには、第2磁石51aの中心軸に沿う方向に貫通する貫通孔53aが形成される。第2磁石51bには、第2磁石51bの中心軸に沿う方向に貫通する貫通孔53bが形成される。第2磁石51aは、貫通孔53aにねじ54aを挿通させて本体部24に固定される。第2磁石51bは、貫通孔53bにねじ54bを挿通させて本体部24に固定される。
【0042】
接着面37を含む仮想平面38は、第2磁石51a,51bとは離れて位置する。仮想平面38は、
図3において、一点鎖線で示される。本実施形態においては、仮想平面38よりも第2磁石51aが配置される側に位置する粘着部31の一方の主面33と、第2磁石51aとの間に隙間Lが形成される。第2磁石51bについても、同様である。
【0043】
上記したセンサモジュール11aによれば、取り付け位置を容易に調整することができ、調整後の取り付け位置に正確に取り付けることができる。これについて説明する。
【0044】
図4は、センサモジュール11aを取り付け対象物16へ仮に取り付けた状態を示す概略断面図である。
図4を参照して、まず、センサモジュール11aを取り付け対象物16へ仮に取り付ける。「仮に」とは、剥離シート32を剥離していない状態を指す。この場合、剥離シート32の一方の主面36と、取り付け対象物16の表面17とが接触するように取り付けられる。この状態においては、筐体13aと取り付け対象物16とは、粘着部31により固定されていない。センサモジュール11aは、第1磁石14a,14bによる磁力および第2磁石51a,51bによる磁力で取り付け対象物16に取り付けられている。また、第1磁石14a,14bは、取り付け対象物16の表面17に磁力により接着している。この状態で一旦センサモジュール11aによる検知を行う。
【0045】
その後、取り付け位置を変更して繰り返しセンサモジュール11aによる検知を行う。このようにして、センサモジュール11aの取り付け位置の調整を行う。上記したようにセンサモジュール11aは、第1磁石14a,14bおよび第2磁石51a,51bの磁力により取り付け対象物16の表面17に取り付けられている状態である。したがって、例えば、取り付け対象物16の表面17に沿ってセンサモジュール11aを滑らせるようにして移動させやすい。X方向やY方向にセンサモジュール11aの位置を移動させて、センサモジュール11aによって検知しようとする検知対象物の正確な検知が可能な位置となるよう調整する。すなわち、センサモジュール11aによれば、取り付け位置を容易に調整することができる。
【0046】
取り付け位置の調整が終了すると、一旦第2部分22を取り付け対象物16から取り外す。この場合、例えば矢印Zで示す向きに第2部分22を取り外す。
図5は、第2部分22を一旦取り外した状態を示す概略断面図である。
図5を参照して、第2部分22を取り外した際に、第1磁石14a,14bと取り付け対象物16の間の磁力は、筐体13a、具体的には第2部分22と第1磁石14a,14bとの接着力よりも強いため、第1磁石14a,14bは、本体部24の壁面47a,47bから離脱して取り付け対象物16の表面17に接着した状態となる。すなわち、センサモジュール11aの取り付け位置を調整した後に、第1磁石14a,14bを調整後の取り付け位置に接着させることができる。
【0047】
その後、取り付け対象物16から取り外した第2部分22において、剥離シート32を剥離する。そうすると、粘着部31の他方の主面34が露出する。
【0048】
次に、再び第2部分22を取り付け対象物16に取り付ける。
図6は、取り付け対象物に取り付けられた後の第2部分の概略断面図である。
図6を参照して、一旦第2部分22を取り外した後に再び第2部分22を取り付け対象物16に取り付ける際に、第1磁石14a,14bが第1凹部46a,46bに配置されるようにして取り付ける。この場合、第1磁石14a,14bが付着している位置に第1凹部46a,46bを嵌め合わせるようにして、第2部分22を取り付ける。第1凹部46a,46bを取り囲む壁面47a,47bは、壁面47a,47bに対向する第1磁石14a,14bの外形形状である円錐面42a,42bに沿う形状を有する。よって、第1凹部46a,46bを取り囲む壁面47a,47bは、壁面47a,47bに対向する第1磁石14a,14bの外形によって案内される。よって、調整後の取り付け位置に筐体13aを取り付けることが容易となる。このようにして、粘着部31の他方の主面34である接着面37を取り付け対象物16の表面17に接触させて第2部分22と取り付け対象物16とを接着する。第2部分22は、粘着部31により取り付け対象物16に固定される。
【0049】
上記センサモジュール11aによれば、取り付け位置を容易に調整することができ、調整後の取り付け位置に正確に取り付けることができる。
【0050】
本実施形態によれば、第1磁石14a,14bは、接着面37に垂直な方向から見た平面視において接着面37内に露出している。具体的には、第1磁石14a,14bのそれぞれの底面41a,41bが露出している。よって、第1磁石14a,14bが筐体13aから離脱しやすくなり、第1磁石14a,14bが取り付け対象物16に接着する状態を取りやすくなる。したがって、取り付け位置をより容易に調整することができる。
【0051】
本実施形態によれば、センサモジュール11aは、粘着部31により取り付け対象物16に固定される。よって、調整された取り付け位置に対するずれを抑制しながらセンサモジュール11aを調整後の取り付け位置に長期にわたって固定することができる。
【0052】
本実施形態によれば、筐体13aの第2部分22は、粘着部31と、粘着部31を覆う剥離シート32とを含むため、取り付け位置を調整して一旦取り外した筐体13aの第2部分22について、剥離シート32を剥離して、粘着部31を露出させることができる。再び第2部分22を取り付け対象物16に取り付ける際に、接着面37を構成する他方の主面34を含む粘着部31により取り付け対象物16と第2部分22とを接着することができる。すなわち、粘着部31によりセンサモジュール11aを取り付け対象物16に固定することができる。したがって、センサモジュール11aを取り付ける現場において、改めて接着面37に接着剤等を塗布する必要はなくなる。よって、センサモジュール11aを取り付ける作業の効率化を図ることができる。
【0053】
本実施形態によれば、センサモジュール11aは、第1磁石14a,14bを複数備える。具体的には、センサモジュール11aは、2つの第1磁石14a,14bを備える。よって、取り付け対象物16の表面17の2か所に第1磁石14a,14bを接着させることができる。したがって、調整後の取り付け位置に筐体13aを取り付けることが容易になる。
【0054】
本実施形態によれば、センサモジュール11aは、筐体13aの第2部分22に固定され、磁力により筐体13aの第2部分22を接着する第2磁石51a,51bを備える。このような第2磁石51a,51bを備えることにより、第2磁石51a,51bの磁力によって筐体13aの第2部分22を取り付け対象物16にさらに強固に接着することができる。
【0055】
本実施形態によれば、第2磁石51a,51bは、本体部24内に形成された収容空間である第2凹部52a,52b内に配置される。このようにすることにより、第2磁石51a,51bを筐体13aの第2部分22内の適切な位置に配置することができる。
【0056】
本実施形態によれば、接着面37を含む仮想平面38は、第2磁石51a,51bとは離れて位置している。よって、第2磁石51a,51bが配置される位置における接着力の集中を避けることができる。したがって、長期にわたって取り付け位置からずれることをより確実に抑制することができる。
【0057】
なお、上記の実施の形態においては、第1磁石14a,14bは、それぞれ円錐状であることとしたが、これに限らず、第1磁石14a,14bは、例えばそれぞれ三角錐状や四角錐状といった角錐状であってもよい。また、円錐状や角錐状に限らず、第1磁石14a,14bは円柱状であってもよいし、三角柱や四角柱といった角柱状であってもよい。また、第1磁石14a,14bは、半球状であってもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態においては、第1磁石14a,14bを複数備えることとしたが、これに限らず、第1磁石を1つだけ備えてもよい。
【0059】
(実施の形態2)
次に、他の実施の形態である実施の形態2について説明する。実施の形態2におけるセンサモジュールは、第1磁石および筐体の構造において実施の形態1の場合とは異なっている。
図7は、実施の形態2におけるセンサモジュールの第2部分22を接着面37に垂直な方向から平面的に見た状態を示す概略平面図である。
図7は、矢印Zに示す向きに見た平面図である。以下、
図8、
図9および
図10において同様である。
【0060】
図7を参照して、実施の形態2におけるセンサモジュールは、1つの第1磁石14cを備える。第1磁石14cは、底面41cが台形状である四角柱状である。接着面37に垂直な方向から見た平面視における第1磁石14cの外形形状、すなわち、四角柱状の第1磁石14cのうちの露出する底面41cの外形形状は、線分18a,18b,18c,18dによって囲まれる台形状である。具体的には、底面41cの外形形状は、互いに平行な一対の辺の両端の内角が等しい等脚台形状である。第1凹部を取り囲む壁面19aは、第1磁石14cの外形形状に沿う形状である。接着面37に垂直な方向から見た平面視における第1磁石14cの外形形状の対称軸20の数は、1以下である。具体的には、第1磁石14cの外形形状は、1つの対称軸20のみを有する。対称軸20は、
図7において一点鎖線で図示されている。
【0061】
センサモジュールによっては、取り付け対象物16に取り付ける際の取り付けの向きが重要な場合がある。本実施形態における第1磁石14cの外形形状の対称軸20の数は、1以下、具体的には1であるため、筐体の第2部分22を取り外した後に再び取り付ける際の第2部分22の向きを一意的に決めることができる。よって、第2部分22を取り付ける際の第2部分の向きを誤るおそれを低減することができる。なお、第1磁石14cの外形形状の対称軸の数は、0であってもよい。外形形状の対称軸の数が0の場合とは、例えばそれぞれ辺の長さが異なる三角形である場合が挙げられる。
【0062】
(実施の形態3)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態3について説明する。実施の形態3におけるセンサモジュールは、第1磁石および筐体の構造において実施の形態1の場合とは異なっている。
図8は、実施の形態3におけるセンサモジュールの第2部分22を接着面37に垂直な方向から平面的に見た状態を示す概略平面図である。
【0063】
図8を参照して、実施の形態3におけるセンサモジュールは、互いに外形形状が異なる2つの第1磁石14d、14eを含む。第1磁石14dは、実施の形態1と同様に円錐状である。第1磁石14eは、四角錐状である。すなわち、第1磁石14d,14eは、互いに外形形状が異なる。第1磁石14d,14eがそれぞれ配置される2つの第1凹部を取り囲む壁面19b,19cは、第1磁石14d,14eの外形形状にそれぞれ沿う形状である。
【0064】
このようにすることにより、筐体の第2部分22を取り外した後に再び取り付ける際の第2部分22の向きを一意的に決めることができる。よって、第2部分22を取り付ける際の第2部分22の向きを誤るおそれを低減することができる。
【0065】
(実施の形態4)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態4について説明する。実施の形態4におけるセンサモジュールは、筐体および第1磁石の構造において実施の形態1の場合とは異なっている。
図9は、実施の形態4におけるセンサモジュールの第2部分22を接着面37に垂直な方向から平面的に見た状態を示す概略平面図である。
【0066】
図9を参照して、実施の形態4におけるセンサモジュールは、第1磁石を3つ以上備える。本実施形態においては、センサモジュールは、3つの第1磁石14f,14g,14hを備える。3つの第1磁石14f,14g,14hはそれぞれ円錐状である。第1磁石14f,14g,14hがそれぞれ配置される3つの第1凹部を取り囲むそれぞれの壁面19d,19e,19fは、第1磁石14f,14g,14hの外形形状に沿う形状である。3つの第1磁石14f,14g,14hを接着面37に垂直な方向から見た平面視において、3つの第1磁石14f,14g,14hのそれぞれの重心43a,43b,43cを結ぶ線分44a,44b,44cで構成される1つの図形の対称軸の数は、1以下である。本実施形態においては、線分44a,44b,44cで構成される図形の対称軸の数は、0である。線分44a,44b,44cはそれぞれ、一点鎖線で図示されている。線分44a,44b,44cはそれぞれ長さが異なる。そして、線分44a,44b,44cで構成される図形は、それぞれ辺の長さが異なる三角形である。
【0067】
このようにすることにより、筐体の第2部分22を取り外した後に再び取り付ける際の第2部分22の向きを一意的に決めることができる。よって、第2部分22を取り付ける際の第2部分22の向きを誤るおそれを低減することができる。なお、それぞれの重心を結ぶ線分で構成される図形の対称軸の数は、1であってもよい。それぞれの重心を結ぶ線分で構成される1つの図形の対称軸の数が1の場合とは、例えば3つの辺のうちの2つの辺の長さが等しい二等辺三角形である場合が挙げられる。
【0068】
(実施の形態5)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態5について説明する。実施の形態5におけるセンサモジュールは、筐体および第1磁石の構造において実施の形態1の場合とは異なっている。
図10は、実施の形態5におけるセンサモジュールの第2部分22を接着面37に垂直な方向から平面的に見た状態を示す概略平面図である。
【0069】
図10を参照して、実施の形態5におけるセンサモジュールは、2つの第1磁石14i,14jとを備える。2つの第1磁石14i,14jは、それぞれ四角錐状である。2つの第1凹部を取り囲むそれぞれの壁面19g,19hは、第1磁石14i,14jの外形形状に沿う形状である。本実施形態においては、2つの第1磁石14i,14jは、2つの第1磁石14i,14jを接着面37に垂直な方向から見た平面視において、2つの第1磁石14i,14jの重心43d,43eを結ぶ線分44dの中点45に対して点対称となっていない。なお、線分44dは、一点鎖線で図示されている。
【0070】
このようにすることにより、筐体の第2部分22を取り外した後に再び取り付ける際の第2部分22の向きを一意的に決めることができる。よって、第2部分22を取り付ける際の第2部分22の向きを誤るおそれを低減することができる。
【0071】
(実施の形態6)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態6について説明する。実施の形態6におけるセンサモジュールは、筐体、第1磁石および第2磁石の構造において実施の形態1の場合とは異なっている。
図11は、実施の形態6におけるセンサモジュールにおいて、取り付け対象物に取り付けられた後の第2部分の概略断面図である。
図12は、実施の形態6におけるセンサモジュールにおいて、取り付け対象物に取り付けられる前の第2部分の概略断面図である。
【0072】
まず
図11を参照して、実施の形態6におけるセンサモジュールは、第2部分22と、2つの第1磁石14m,14nとを備える。第1磁石14m,14nは、それぞれ円柱状である。
【0073】
第1磁石14m,14nは、第2部分22への第1磁石14m,14nの固定を解除可能な2つのねじ55a,55bにより固定される。具体的には、第1凹部56a,56bは、第1面26に開口を有し、第1磁石14m,14nがそれぞれ収容可能となるよう円柱状に凹んだ形状である。第2部分22には、第2面27から第1凹部56a,56bに至るねじ穴57a,57bが形成されている。円柱状の第1磁石14m,14nにもねじ穴58a,58bが形成されている。第1磁石14m,14nを第1凹部56a,56bに配置した状態で、第2面27からねじ55a,55bを用いて第1磁石14m,14nを固定することができる。
【0074】
次に、実施の形態6におけるセンサモジュールを取り付け対象物16に取り付ける場合について説明する。剥離シート32で粘着部31を覆った状態で、まず第2部分22を取り付け対象物16に取り付ける。その後、取り付け位置を調整する。すなわち、センサモジュールによる検知および取り付け位置の変更を繰り返し行い、最適な取り付け位置を決定する。取り付け位置を調整した後、ねじ55a,55bによる第1磁石14m,14nの固定を解除する。その後、第2部分22を取り付け対象物16から取り外す。そうすると、
図12に示すように、第1磁石14m,14nが取り付け対象物16の表面17に接着した状態となる。その後、取り外した第2部分22について、剥離シート32を剥離する。粘着部31を露出させた状態で再び取り付け対象物16に第2部分22を取り付ける。この時、取り付け対象物16の表面17に接着された2つの第1磁石14m,14nによって、調整後の取り付け位置に正確に第2部分22を取り付けることができる。
【0075】
このようにすることにより、取り付け対象物16にセンサモジュールに取り付ける前において、第2部分22からの第1磁石14m,14nの脱落を確実に抑制することができる。また、取り付け位置の調整後において第1磁石14m,14nを離脱させる際に、ねじ55a,55bによる第2部分22への第1磁石14m,14nの固定を解除して確実に調整後の取り付け位置に第1磁石14m,14nを接着させることができる。さらに、再び第2部分22を取り付け対象物16に取り付けた後においてねじ55a,55bにより第1磁石14m,14nを第2部分22に再び固定すれば、第1磁石14m,14nの磁力によりセンサモジュールを取り付け対象物16に接着することができる。したがって、長期にわたって取り付け位置からずれることをより確実に抑制することができる。
【0076】
なお、本実施形態においては、ねじ55a,55bを取り付けるねじ穴57a,57bは、第2面27から第1凹部56a,56bに至るようににしたが、これに限らず、例えば、側壁面28から第1凹部56a,56bに至るようにねじ穴57a,57bを形成してもよい。
【0077】
(実施の形態7)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態7について説明する。実施の形態7におけるセンサモジュールは、筐体および第1磁石の構造において実施の形態1の場合とは異なっている。
図13は、実施の形態7におけるセンサモジュールに備えられる筐体と第1磁石とを示す概略斜視図である。
図14は、実施の形態7におけるセンサモジュールに備えられる筐体と第1磁石とを示す概略平面図である。
【0078】
図13および
図14を参照して、実施の形態7におけるセンサモジュールは、センサ部12bと、筐体13bと、第1磁石14pとを備える。筐体13bは、楕円柱状である。筐体13bは、センサ部12bを収容する。筐体13bは、接着面を有する。筐体13bの一方の底面41dが、取り付け対象物16に接着される接着面である。
【0079】
第1磁石14pは、筐体13bに接着される。第1磁石14pは、接着面に垂直な方向から見た平面視において露出している。具体的には、第1磁石14pは、環状である。この場合、第1磁石14pは、第1磁石14pの内周面49aに筐体13bの外周面49bが嵌め合わされて接着される。第1磁石14pと取り付け対象物との間の磁力は、筐体13bと第1磁石14pとの接着力よりも強い。
【0080】
実施の形態7におけるセンサモジュールを仮に取り付け対象物16に取り付けた後に、筐体13bを取り外すと、第1磁石14pと取り付け対象物との間の磁力は、筐体13bと第1磁石14pとの接着力よりも強いため、環状の第1磁石14pが取り付け対象物16の表面17に接着する。筐体13bを再び取り付ける際には、第1磁石14pの内周面49aと筐体13bの外周面49bとを嵌め合わせるようにして、筐体13bを取り付ける。
【0081】
このようなセンサモジュールによっても、取り付け位置を容易に調整することができ、調整後の取り付け位置に正確に取り付けることができる。
【0082】
(実施の形態8)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態8について説明する。実施の形態8におけるセンサモジュールは、非接触で温度を検知する温度センサである点において実施の形態1の場合とは異なっている。
【0083】
図15は、実施の形態8におけるセンサモジュール11bの概略斜視図である。
図15を参照して、実施の形態8におけるセンサモジュール11bは、非接触で温度を検知する温度センサである。センサモジュール11bは、センサ部12cと、筐体13cと、2つの第1磁石14a,14bと、を備える。第1磁石14a,14bの構成は、実施の形態1に示す場合と同様である。筐体13cは、第1部分29と、直方体形状の第2部分30とを含む。第1部分29は、センサ部12cを収容する。第1部分29と第2部分30とは、連結されている。第2部分30は、実施の形態1における第2部分22と同様の構成である。第2部分30の第1面25が、接着面である。
【0084】
このようなセンサモジュール11bによれば、取り付け位置を容易に調整できるため、取り付ける作業効率の向上を図ることができる。また、調整後の取り付け位置に正確に取り付けられるため、精度の高い温度の検知を行うことができる。
【0085】
(実施の形態9)
次に、さらに他の実施の形態である実施の形態9について説明する。実施の形態9におけるセンサモジュールは、振動を検知する振動センサである点において、実施の形態1の場合とは異なっている。
【0086】
図16は、実施の形態9におけるセンサモジュールの概略斜視図である。
図16を参照して、実施の形態9におけるセンサモジュール11cは、振動を検知する振動センサである。センサモジュール11cは、センサ部12dと、筐体13dと、2つの第1磁石14a,14bと、を備える。第1磁石14a,14bの構成は、実施の形態1に示す場合と同様である。筐体13dは、センサ部12dを収容する。筐体13dは、実施の形態1における第2部分22と、センサ部12dを収容する点で相違する以外は同様の構成である。筐体13dの第1面40が、接着面である。
【0087】
このようなセンサモジュール11cによれば、取り付け位置を容易に調整できるため、取り付ける作業効率の向上を図ることができる。また、調整後の取り付け位置に正確に取り付けられるため、定められた位置における精度の高い振動の検知を行うことができる。
【0088】
(他の実施の形態)
上記の実施の形態においては、センサモジュールに含まれる筐体は、粘着部と、剥離シートとを含むこととしたが、これに限らず、筐体は、粘着部および剥離シートを含まなくてもよい。また、上記の実施の形態において、第1磁石は、接着面に垂直な方向から見た平面視において露出していることとしたが、これに限らず、第1磁石は、接着面に垂直な方向から見た平面視において露出していなくてもよい。この場合、例えば、センサモジュールの取り付け時に、第1磁石が露出するよう構成してもよい。
【0089】
また、上記の実施の形態においては、センサモジュールとしてカメラ、非接触式の温度センサ、振動センサである場合について説明したが、これに限らず、他のセンサモジュール、例えば、レーザセンサである場合にも適用される。
【0090】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって規定され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0091】
11a,11b,11c センサモジュール
12a,12b,12c,12d センサ部
13a,13b,13c,13d 筐体
14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g,14h,14i,14j,14m,14n,14p 第1磁石
15 レンズ
16 取り付け対象物
17 表面
18a,18b,18c,18d,44a,44b,44c,44d 線分
19a,19b,19c,19d,19e,19f,19g,19h,47a,47b 壁面
20 対称軸
21,29 第1部分
22,30 第2部分
23 第3部分
24 本体部
25,26,40 第1面
27 第2面
28 側壁面
31 粘着部
32 剥離シート
33,34,35,36 主面
37 接着面
38 仮想平面
41a,41b,41c,41d 底面
42a,42b 円錐面
43a,43b,43c,43d,43e 重心
45 中点
46a,46b,56a,56b 第1凹部
49a 内周面
49b 外周面
51a,51b 第2磁石
52a,52b 第2凹部
53a,53b 貫通孔
54a,54b,55a,55b ねじ
57a,57b,58a,58b ねじ穴