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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】光ファイバ
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/44 20060101AFI20231121BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20231121BHJP
   C03C 25/1065 20180101ALI20231121BHJP
   C03C 25/285 20180101ALI20231121BHJP
   C03C 25/47 20180101ALI20231121BHJP
【FI】
G02B6/44 301A
G02B6/44 331
C08F290/06
C03C25/1065
C03C25/285
C03C25/47
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021502042
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2020006348
(87)【国際公開番号】W WO2020171082
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2019026609
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136722
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼木 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100174399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺澤 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】浜窪 勝史
(72)【発明者】
【氏名】相馬 一之
(72)【発明者】
【氏名】徳田 一弥
(72)【発明者】
【氏名】小西 達也
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-007717(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0321265(US,A1)
【文献】特開2004-204206(JP,A)
【文献】特表2010-511770(JP,A)
【文献】特表2019-504339(JP,A)
【文献】特開2006-265502(JP,A)
【文献】特開平02-069706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/44
C08F 290/06
C03C 25/1065
C03C 25/285
C03C 25/47
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア及びクラッドを含むガラスファイバと、
前記ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、
前記プライマリ樹脂層を被覆するセカンダリ樹脂層と、を備え、
前記セカンダリ樹脂層が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、無機酸化物粒子と、を含む樹脂組成物の硬化物からなり、
前記無機酸化物粒子が疎水性であり、前記無機酸化物粒子の表面がアクリロイル基又はメタクリロイル基を有する有機化合物により処理されており、
X線小角散乱法で測定される前記無機酸化物粒子の体積平均粒径が800nm以下でありかつ前記体積平均粒径の規格化分散が60%以下である、光ファイバ。
【請求項2】
前記無機酸化物粒子が、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む粒子である、請求項1に記載の光ファイバ。
【請求項3】
前記無機酸化物粒子の含有量が、前記樹脂組成物の総量を基準として5質量%以上60質量%以下である、請求項1又は請求項2に記載の光ファイバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光ファイバに関する。本出願は、2019年2月18日出願の日本出願第2019-026609号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、光ファイバは、光伝送体であるガラスファイバを保護するための被覆樹脂層を有している。光ファイバは、光ファイバに側圧が付与された際に発生する微小な曲げにより誘起される伝送損失の増加を小さくするために、側圧特性に優れることが求められている。
【0003】
例えば、特許文献1では、合成石英を原料とするフィラーを含有する紫外線硬化型樹脂組成物を用いて樹脂層を形成することで、光ファイバの側圧特性を改善することが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-219550号公報
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様に係る光ファイバは、コア及びクラッドを含むガラスファイバと、ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、プライマリ樹脂層を被覆するセカンダリ樹脂層と、を備え、セカンダリ樹脂層が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、無機酸化物粒子と、を含む樹脂組成物の硬化物からなり、X線小角散乱法で測定される無機酸化物粒子の体積平均粒径が800nm以下でありかつ体積平均粒径の規格化分散が60%以下である、光ファイバである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本実施形態に係る光ファイバの一例を示す概略断面図である。
図2A図2Aは、実施例6で得られた光ファイバの電子顕微鏡写真である。
図2B図2Bは、比較例2で得られた光ファイバの電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[発明が解決しようとする課題]
被覆樹脂層は、一般に、プライマリ樹脂層及びセカンダリ樹脂層を備えている。セカンダリ樹脂層には、高いヤング率により光ファイバの側圧特性を向上することが求められる。しかしながら、フィラーの含有量を増やすと、被覆樹脂層のヤング率を高くできるものの、脆くなる傾向にある。
【0008】
本開示は、高いヤング率を有するセカンダリ樹脂層を有し、かつ靭性にも優れる、光ファイバを提供することを目的とする。
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に、本開示の実施形態の内容を列記して説明する。本開示の一態様に係る光ファイバは、コア及びクラッドを含むガラスファイバと、ガラスファイバに接して該ガラスファイバを被覆するプライマリ樹脂層と、プライマリ樹脂層を被覆するセカンダリ樹脂層と、を備え、セカンダリ樹脂層が、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、無機酸化物粒子と、を含む樹脂組成物の硬化物からなり、X線小角散乱法で測定される無機酸化物粒子の体積平均粒径が800nm以下でありかつ体積平均粒径の規格化分散が60%以下である、光ファイバである。
【0010】
このような光ファイバは、セカンダリ樹脂層が高いヤング率を有し、かつ光ファイバ全体としての靭性にも優れる。一方で、セカンダリ樹脂層内で無機酸化物粒子が偏在すると、セカンダリ樹脂層が局所的に硬脆化し、光ファイバの靭性が損なわれる。この状態で例えばガラス強度を測定すると、把持部分で割れが生じて被覆が剥がれる虞がある。
【0011】
無機酸化物粒子は、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む粒子であってもよい。これにより優れたヤング率を発現し易い。
【0012】
無機酸化物粒子の含有量は、樹脂組成物の総量を基準として5質量%以上60質量%以下であってもよい。これにより優れたヤング率を発現し易く、また優れた靭性を維持し易い。
【0013】
無機酸化物粒子は疎水性であってもよい。これにより優れた靭性を発現し易い。
【0014】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の実施形態に係る光ファイバの具体例を、必要により図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されず、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。以下の説明では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
<樹脂組成物>
本実施形態に係る光ファイバの、セカンダリ樹脂層を形成するための樹脂組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有するベース樹脂と、無機酸化物粒子とを含む。
【0016】
ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリル酸についても同様である。
【0017】
(無機酸化物粒子)
無機酸化物粒子としては特に制限されないが、例えば樹脂組成物中での分散性に優れ、平滑な樹脂層を形成し易いという観点から、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化ジルコニウム(ジルコニア)、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化マグネシウム(マグネシア)、酸化チタン(チタニア)、酸化スズ及び酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む粒子であることが好ましい。廉価である、表面処理がし易い、紫外線透過性を有する、樹脂層に適度な硬さを付与し易い等の観点から、本実施形態に係る無機酸化物粒子として、シリカ粒子を用いることがより好ましい。
【0018】
無機酸化物粒子の表面は、所定の官能基を有する有機化合物により処理されていてもよい。すなわち、無機酸化物粒子は、表面に所定の官能基が導入された粒子(表面修飾無機酸化物粒子)であってもよい。また、これにより無機酸化物粒子は疎水性の粒子であってもよい。官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基等が挙げられる。これらの官能基は紫外線硬化性を有する。このような官能基を有することで、体積平均粒径の規格化分散を抑制することができ、またヤング率が高い樹脂層を形成し易くなる。
【0019】
紫外線硬化性の官能基を有する有機化合物としては、例えば、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、8-メタクリロキシオクチルトリメトキシシラン、8-アクリロキシオクチルトリメトキシシラン、7-オクテニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシラン等のシラン化合物が挙げられる。
【0020】
無機酸化物粒子としては、分散媒に分散された状態のものを用いることができる。分散媒に分散された状態の無機酸化物粒子を用いることで、樹脂組成物中に無機酸化物粒子を均一に分散でき、樹脂組成物の保存安定性を向上することができる。また、体積平均粒径の規格化分散を抑制することができる。これにより、形成された樹脂層においても無機酸化物粒子の分散性が維持され易い。分散媒としては、樹脂組成物の硬化を阻害しなければ、特に限定されない。分散媒は、反応性であっても、非反応性であってもよい。
【0021】
反応性の分散媒として、(メタ)アクリロイル化合物、エポキシ化合物等のモノマーを用いてもよい。(メタ)アクリロイル化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、PO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物、及びグリセリンジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。分散媒として、後述するモノマーで例示する(メタ)アクリロイル化合物を用いてもよい。
【0022】
非反応性の分散媒として、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン系溶媒、メタノール(MeOH)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)等のアルコール系溶媒、又は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)等のエステル系溶媒を用いてもよい。非反応性の分散媒の場合、ベース樹脂と分散媒に分散された無機酸化物粒子とを混合した後、分散媒の一部を除去して樹脂組成物を調製してもよい。
【0023】
無機酸化物粒子の含有量は、樹脂組成物の総量(ベース樹脂及び無機酸化物粒子の総量)を基準として5質量%以上60質量%以下が好ましいが、5質量%以上50質量%以下であってもよく、10質量%以上40質量%以下であってもよい。無機酸化物粒子の含有量が5質量%以上であると、側圧特性に優れる(ヤング率に優れる)樹脂層を形成し易くなる。無機酸化物粒子の含有量が60質量%以下であると、樹脂組成物の塗布性を向上し易くなり、強靱な樹脂層を形成することができる。
【0024】
(ベース樹脂)
本実施形態に係るベース樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー及び光重合開始剤を含有する。
【0025】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物及び水酸基含有(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。
【0026】
ポリオール化合物としては、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びビスフェノールA・エチレンオキサイド付加ジオールが挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びジシクロヘキシルメタン4,4’-ジイソシアナートが挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0027】
樹脂層のヤング率を調整する観点から、ポリオール化合物の数平均分子量は、300以上3000以下であってもよい。
【0028】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを合成する際の触媒として、一般に有機スズ化合物が使用される。有機スズ化合物としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸2-エチルヘキシル)、ジブチルスズビス(メルカプト酢酸イソオクチル)及びジブチルスズオキシドが挙げられる。易入手性又は触媒性能の点から、触媒としてジブチルスズジラウレート又はジブチルスズジアセテートを使用することが好ましい。
【0029】
ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー合成時に炭素数5以下の低級アルコールを使用してもよい。低級アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール及び2,2-ジメチル-1-プロパノールが挙げられる。
【0030】
樹脂組成物は、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを更に含有してもよい。エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーとしては、グリシジル基を2以上有するエポキシ樹脂に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させて得られるオリゴマーを用いることができる。
【0031】
モノマーとしては、重合性基を1つ有する単官能モノマー、重合性基を2つ以上有する多官能モノマーを用いることができる。モノマーは、2種以上を混合して用いてもよい。
【0032】
単官能モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、へキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3-フェノキシベンジルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート、4-tert-ブチルシクロヘキサノールアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノールポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート等のカルボキシル基含有モノマー;N-アクリロイルモルホリン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルピロリジン、3-(3-ピリジン)プロピル(メタ)アクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート等の複素環含有(メタ)アクリレート;マレイミド、N-シクロへキシルマレイミド、N-フェニルマレイミド等のマレイミド系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド等のN-置換アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;N-(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-6-オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリロイル-8-オキシオクタメチレンスクシンイミド等のスクシンイミド系モノマーが挙げられる。
【0033】
多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14-テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16-ヘキサデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,20-エイコサンジオールジ(メタ)アクリレート、イソペンチルジオールジ(メタ)アクリレート、3-エチル-1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールポリプロポキシテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロイルオキシエチル]イソシアヌレートが挙げられる。
【0034】
光重合開始剤としては、公知のラジカル光重合開始剤の中から適宜選択して使用することができる。光重合開始剤として、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Omnirad 184、IGM Resins社製)、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパン-1-オン(Omnirad 907、IGM Resins社製)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(Omnirad TPO、IGM Resins社製)及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(Omnirad 819、IGM Resins社製)が挙げられる。
【0035】
樹脂組成物は、シランカップリング剤、レベリング剤、消泡剤、酸化防止剤、増感剤等を更に含有してもよい。
【0036】
シランカップリング剤としては、樹脂組成物の硬化の妨げにならなければ、特に限定されない。シランカップリング剤として、例えば、テトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシ-エトキシ)シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-クロロプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]テトラスルフィド、ビス-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、γ-トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド及びγ-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが挙げられる。
【0037】
樹脂組成物の粘度は、45℃で3500mPa・s以下であることが好ましく、2000mPa・s以下であることがより好ましく、1500mPa・s以下であることが更に好ましい。樹脂組成物の粘度が上記範囲にあることで、樹脂組成物の塗布性を向上することができる。なお、粘度の下限は特に制限されないが、プライマリ樹脂層への濡れ性の観点から、300mPa・sとすることができる。
【0038】
上記の樹脂組成物は、光ファイバのセカンダリ被覆材料として好適に用いることができる。上記の樹脂組成物をセカンダリ樹脂層に用いることで、高いヤング率を有し、側圧特性に優れる光ファイバを作製することができる。
【0039】
<光ファイバ>
図1は、本実施形態に係る光ファイバの一例を示す概略断面図である。光ファイバ10は、コア11及びクラッド12を含むガラスファイバ13と、ガラスファイバ13の外周に設けられたプライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15を含む被覆樹脂層16とを備えている。
【0040】
クラッド12はコア11を取り囲んでいる。コア11及びクラッド12は石英ガラス等のガラスを主に含み、例えば、コア11にはゲルマニウムを添加した石英を用いることができ、クラッド12には純石英、又は、フッ素が添加された石英を用いることができる。
【0041】
図1において、例えば、ガラスファイバ13の外径(D2)は125μm程度であり、ガラスファイバ13を構成するコア11の直径(D1)は、7μm以上15μm以下程度である。
【0042】
被覆樹脂層16の厚さは、通常、60μm以上70μm以下程度である。プライマリ樹脂層14及びセカンダリ樹脂層15の各層の厚さは、10μm以上50μm以下程度であってもよく、例えば、プライマリ樹脂層14の厚さが35μmで、セカンダリ樹脂層15の厚さが25μmであってもよい。光ファイバ10の外径は、245μm以上265μm以下程度であってもよい。
【0043】
上述の樹脂組成物は、セカンダリ樹脂層の形成時に使用することができる。セカンダリ樹脂層は、上記ベース樹脂と無機酸化物粒子を含む樹脂組成物を硬化させて形成することができる。これにより、光ファイバの側圧特性を向上することができる。
【0044】
セカンダリ樹脂層のヤング率は、23℃で1300MPa以上が好ましく、1300MPa以上2600MPa以下がより好ましく、1300MPa以上2500MPa以下が更に好ましい。セカンダリ樹脂層のヤング率が1300MPa以上であると、側圧特性を向上し易く、2600MPa以下であると、セカンダリ樹脂層に適度な靱性を付与できるため、セカンダリ樹脂層に割れ等が発生し難くなる。
【0045】
分散媒に分散された無機酸化物粒子は、樹脂層の硬化後も樹脂層中に分散した状態で存在する。反応性の分散媒を使用した場合、無機酸化物粒子は樹脂組成物に分散媒ごと混合され、分散状態が維持されたまま樹脂層中に取り込まれる。非反応性の分散媒を使用した場合、分散媒は少なくともその一部が樹脂組成物から揮発して無くなるが、無機酸化物粒子は分散状態のまま樹脂組成物中に残り、硬化後の樹脂層にも分散した状態で存在する。樹脂層中に存在する無機酸化物粒子の大部分は、電子顕微鏡で観察した場合に、一次粒子が分散した状態で観察される。
【0046】
プライマリ樹脂層14は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー、光重合開始剤及びシランカップリング剤を含む樹脂組成物を硬化させて形成することができる。プライマリ樹脂層用の樹脂組成物は、従来公知の技術を用いることができる。ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、モノマー、光重合開始剤及びシランカップリング剤としては、上記ベース樹脂で例示した化合物から適宜、選択してもよい。ただし、プライマリ樹脂層を形成する樹脂組成物は、セカンダリ樹脂層を形成するベース樹脂とは異なる組成を有している。
【0047】
光ファイバをX線小角散乱法で分析した場合において、X線小角散乱法で測定される無機酸化物粒子の体積平均粒径は800nm以下である。これにより、光ファイバの靭性が良好に維持される。また、高いヤング率が維持され易い。この観点から、体積平均粒径は750nm以下であってもよく、500nm以下であってもよく、300nm以下であってもよく、150nm以下であってもよく、75nm以下であってもよく、20nm以下であってもよい。体積平均粒径の下限は特に限定されないが、分散安定性の観点から、5nmとすることができる。
【0048】
また、上記体積平均粒径の規格化分散は60%以下である。セカンダリ樹脂層中における無機酸化物粒子の粒径のバラつきが抑制され、無機酸化物粒子の分散性が良好に維持されているため、優れた靭性を光ファイバに付与できる。また、高いヤング率が維持され易い。この観点から、体積平均粒径の規格化分散は55%以下であってもよく、45%以下であってもよく、35%以下であってもよく、20%以下であってもよく、10%以下であってもよい。規格化分散の下限は特に限定されないが、効率的に無機酸化物粒子を樹脂中へ充填するという観点から、5%とすることができる。
【0049】
無機酸化物粒子の上記体積平均粒径及びその規格化分散は、原料として使用される無機微粒子の平均粒径、当該粒径の粒度分布、無機微粒子の表面状態(表面の水酸基量、官能基の種類等)を調整することにより、変動させることができる。
【0050】
X線小角散乱法は、散乱角5°以下で得られるX線散乱強度を解析して、散乱体の形状、分布等を定量化する手法である。本実施形態の光ファイバでは、X線小角散乱法により、セカンダリ樹脂層における無機酸化物粒子の状態を解析することができる。体積平均粒径や、粒径のばらつきを示す規格化分散は、X線の散乱強度プロファイルから求めることができる。すなわち、測定したX線の散乱強度と、粒子径及び粒子径分布の関数で示される理論式から計算したX線散乱強度とが近似するように、非線形最小2乗法によってフィッティングを行うことで、体積平均粒径とその規格化分散を求めることができる。
【0051】
このようなX線の散乱強度プロファイルを解析して、微小な散乱体の粒度分布を求めることは公知であり、その解析方法としては、例えば、Schmidtらによる公知の解析方法、例えばI.S.Fedorova and P.Schmidt:J.Appl.Cryst.11、405、1978に記載の方法を用いることができる。
【実施例
【0052】
以下、本開示に係る実施例及び比較例を用いた評価試験の結果を示し、本開示を更に詳細に説明する。なお、本開示はこれら実施例に限定されない。
【0053】
[樹脂組成物の作製]
(オリゴマー)
オリゴマーとして、分子量600のポリプロピレングリコール、2,4-トリレンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートを反応させることにより得られたウレタンアクリレートオリゴマー(UA)と、エポキシアクリレートオリゴマー(EA)とを準備した。
【0054】
(モノマー)
モノマーとして、イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社の商品名「IBXA」)、トリプロピレングリコールジアクリレート(ダイセル・オルネクス株式会社の商品名「TPGDA」)及び2-フェノキシエチルアクリレート(共栄社化学株式会社の商品名「ライトアクリレートPO-A」)を準備した。
【0055】
(光重合開始剤)
光重合開始剤として、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドを準備した。
【0056】
(ベース樹脂)
各種原料を、組成物中の含有量が表1に示す割合となるように混合して、ベース樹脂を調製した。
【0057】
(無機酸化物粒子)
無機酸化物粒子として、以下のシリカ粒子を含むシリカゾル(MEK分散液)を準備した。疎水性シリカ粒子については、粒径の異なるものを複数種用意した。なお、原料として用いたシリカ粒子の粒径は、BET比表面積からの換算値である。
疎水性シリカ粒子:シランカップリング剤を用いて表面処理されたシリカ粒子。
【0058】
(樹脂組成物の調製)
ベース樹脂と、シリカゾルとを混合した後、MEKの大部分を除去して、樹脂組成物中のシリカ粒子の含有量が表1に示す値となる樹脂組成物を調製した。
【0059】
【表1】
【0060】
[光ファイバの作製]
分子量4000のポリプロピレングリコール、イソホロンジイソシアネート、ヒドロキシエチルアクリレート及びメタノールを反応させることにより得られるウレタンアクリレートオリゴマーを準備した。このウレタンアクリレートオリゴマー75質量部、ノニルフェノールEO変性アクリレート12質量部、N-ビニルカプロラクタム6質量部、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート2質量部、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド1質量部、及び3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン1質量部を混合して、プライマリ樹脂層用の樹脂組成物を得た。
【0061】
コア及びクラッドから構成される直径125μmのガラスファイバの外周に、プライマリ樹脂層用の樹脂組成物を用いて厚さ35μmのプライマリ樹脂層を形成し、更にその外周に実施例又は比較例の液状の樹脂組成物を用いて厚さ45μmのセカンダリ樹脂層を形成して、光ファイバを作製した。線速は1500m/分とした。
【0062】
[各種評価]
実施例及び比較例で得られた光ファイバに対し、以下の評価を行った。結果を表2に示す。
【0063】
(X線小角散乱測定)
実施例又は比較例で得られた光ファイバを、隙間無く重ならないように並べ、1cm×4cmサイズの測定用サンプルを得た。この測定用サンプルに対し垂直にX線を入射させ、入射X線に対して5度以下の微小角度(小角)でサンプルから後方に散乱されるX線を、二次元検出器で測定した。二次元検出器では、360°方向に散乱される散乱パターンをそれぞれ取得した。ここで360°の二次元散乱パターンには、光ファイバの側面での反射に起因する成分が含まれるため、測定にはこの成分が見られない40°の成分を用いた。
【0064】
なお、シリカ粒子の粒径が小さい領域(概ね50nm未満)については、主にあいちシンクロトロン光センターのビームライン「BL8S3」を用いて、粒径が大きい領域(概ね50nm以上)については、あいちシンクロトロン光センターのビームライン「BL8S3」とSPring-8のビームライン「BL19B2」とを用いて、散乱パターンを取得した。それぞれの実験条件は以下のとおりとした。
「BL8S3」:X線エネルギー13.5keV、カメラ長4m、検出器R-AXISIV++。
「BL19B2」:X線エネルギー18keV、カメラ長42m、検出器PILATUS 2M。
【0065】
上記のとおり得られたX線の散乱強度プロファイルを、粒径・空孔解析ソフトウェア「NANO-Solver、Ver.3.7」(株式会社リガク製)を用いて解析した。より具体的には、測定したX線散乱強度と、解析ソフトで計算したX線散乱強度の値とが近似するように、非線形最小2乗法によってフィッティングを行った。フィッティング結果から、無機酸化物粒子の体積平均粒径及びその規格化分散を算出した。なお、解析に当たり、無機酸化物粒子が完全な球状であると仮定した。
【0066】
(ヤング率)
実施例又は比較例で得られた光ファイバを、アセトン及びエタノールの混合溶剤に浸漬し、被覆樹脂層のみを筒状に抜きした。次に、真空乾燥により溶剤を除いた後、23℃50%RHに維持した恒温室にて16時間以上静置したのち、引張試験(標線間隔25mm、引張速度は1mm/min)を行った。そして、2.5%歪の割線式により被覆樹脂層のヤング率を求めた。5回測定を行い、その平均値をヤング率とした。なお、これにより求められるヤング率は、実質的にセカンダリ樹脂層のヤング率とみなすことができる。
【0067】
(引張試験)
実施例又は比較例で得られた光ファイバに対し、TIA-455-28C,FOTP-28に準拠した引張試験を行い、把持部分での割れの有無を確認した。標線間隔は500mm、引張速度は25mm/minで、15回の測定を行った。いずれの歪速度に対しても歪み量と応力のグラフにおける異常が7回以下である場合を「A」とし、8回以上である場合を「B」とした。
【0068】
【表2】
【0069】
(電子顕微鏡観察)
実施例6及び比較例2で得られた光ファイバを電子顕微鏡(×20k)にて観察した。図2Aは、実施例6で得られた光ファイバの電子顕微鏡写真である。図2Bは、比較例2で得られた光ファイバの電子顕微鏡写真である。図2A(実施例6)では、シリカ粒子は分散状態のまま樹脂層中に存在していることが分かる。一方、図2B(比較例2)では、シリカ粒子が局所的に凝集した状態で樹脂層中に存在していることが分かる。
【0070】
実施例の光ファイバは、高いヤング率を有すると共に靭性にも優れることが確認できた。
【符号の説明】
【0071】
10 光ファイバ
11 コア
12 クラッド
13 ガラスファイバ
14 プライマリ樹脂層
15 セカンダリ樹脂層
16 被覆樹脂層

図1
図2A
図2B