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特許7388438通信デバイス、通信デバイスの動作方法、インフラストラクチャ機器および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】通信デバイス、通信デバイスの動作方法、インフラストラクチャ機器および方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/1268 20230101AFI20231121BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20231121BHJP
   H04W 74/08 20090101ALI20231121BHJP
【FI】
H04W72/1268
H04W72/0446
H04W74/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021538953
(86)(22)【出願日】2019-12-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 EP2019083504
(87)【国際公開番号】W WO2020143960
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】62/790,770
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19151297.9
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】示沢 寿之
(72)【発明者】
【氏名】ウォン シン ホン
(72)【発明者】
【氏名】ベーレ マーチン ウォーリック
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/025493(WO,A1)
【文献】特表2019-517267(JP,A)
【文献】Nokia, Nokia Shanghai Bell,On Configured Grant enhancements for NR URLLC[online],3GPP TSG RAN WG1 #95 R1- 1813118,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_95/Docs/R1-1813118.zip>,2018年11月02日
【文献】NTT DOCOMO, INC.,Physical Layer Enhancements for NR URLLC[online],3GPP TSG RAN WG1 #94 R1-1809163,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_94/Docs/R1-1809163.zip>,2018年08月11日
【文献】LG Electronics,Discussion on enhancement for grant-free transmission[online],3GPP TSG RAN WG1 #95 R1-1812578,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_95/Docs/R1-1812578.zip>,2018年11月03日
【文献】NTT DOCOMO, INC.,sPUSCH for shortened TTI[online],3GPP TSG RAN WG1 #87 R1-1612697,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_87/Docs/R1-1612697.zip>,2016年11月05日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークにデータを送信するために通信デバイスを操作する方法であって、
選択された一連の通信リソースを使用する1つ以上のトランスポート・ブロックとしてアップリンクデータを送信する準備をするステップと、
前記アップリンクデータを送信するための、前記選択された一連の通信リソースにより、前記トランスポート・ブロックの1つが、2つの時間分割ユニット間の境界を越えて送信されることを検出するステップと、
前記選択された一連の通信リソースでアップリンクデータを送信するステップと
を含み、
前記選択された一連の通信リソースは、連続するように構成され、前記アップリンクデータを送信するための無線アクセス・インターフェースの複数の前記時間分割ユニットのそれぞれに通信リソースを提供し、
前記送信するステップには、検出されたトランスポート・ブロックの送信を適合させて、前記2つの時間分割ユニット間の境界を越えて送信することを回避することが含まれ
前記無線アクセス・インターフェースの通信リソースが、直交周波数分割多重方式、OFDMシンボル用に構成され、前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を適合させることは、
前記時間分割ユニット間の境界を回避するために、境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの第2の部分の送信を、前記2つの時間分割ユニットのより遅い方に遅延させることと、
スロットの前記境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットの遅い方に遅延させた結果として、未使用のOFDMシンボルの1つ以上を識別することと、
前記識別された未使用の通信リソースの1つ以上の未使用のOFDMシンボルを使用して、前記アップリンクデータを送信するように、前記アップリンクデータの第1の部分の1つ以上のOFDMシンボルの送信を遅延させることと
を含む
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記1つ以上の未使用のOFDMシンボルを使用して、前記アップリンクデータの第1の部分の1つ以上のOFDMシンボルの送信を遅延させることは、前記第1の部分の前記遅延されるOFDMシンボルの送信の前にある、前記第1の部分の前記1つ以上の識別された未使用のOFDMシンボルをシフトさせることを含む
方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記アップリンクデータは、OFDMシンボルおよび参照シンボルを有するデータを含み、
前記選択された一連の通信リソースで前記アップリンクデータを送信するステップは、
前記検出されたトランスポート・ブロックを構成する前記第1の部分の遅延されたOFDMシンボルを送信する前に、前記シフトされた1つ以上の識別された未使用のOFDMシンボルにおける参照シンボルを送信することを含む
方法。
【請求項4】
無線通信ネットワークでデータを通信するための通信デバイスであって、
前記無線通信ネットワークによって提供される無線アクセス・インターフェースを介して信号を送信するように構成された送信機回路と、
選択された一連の通信リソースを使用する1つ以上のトランスポート・ブロックとしてアップリンクデータを送信する準備をし、
前記アップリンクデータを送信するための、前記選択された一連の通信リソースにより、前記トランスポート・ブロックの1つが、2つの時間分割ユニット間の境界を越えて送信されることを検出し、
前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を適合させて、前記2つの時間分割ユニット間の境界を越えて送信することを回避することによって、前記選択された一連の通信リソースでアップリンクデータを送信し、
前記選択された一連の通信リソースは、連続するように構成され、前記アップリンクデータを送信するための前記無線アクセス・インターフェースの複数の前記時間分割ユニットのそれぞれに通信リソースを提供するように、
前記送信機回路で構成されたコントローラ回路と
を具備し、
前記無線アクセス・インターフェースの通信リソースが、直交周波数分割多重方式、OFDMシンボル用に構成され、
前記コントローラ回路は、
前記時間分割ユニット間の境界を回避するために、境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの第2の部分の送信を、前記2つの時間分割ユニットのより遅い方に遅延させ、
スロットの前記境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットの遅い方に遅延させた結果として、未使用のOFDMシンボルの1つ以上を識別し、
前記識別された未使用の通信リソースの1つ以上の未使用のOFDMシンボルを使用して、前記アップリンクデータを送信するように、前記アップリンクデータの第1の部分の1つ以上のOFDMシンボルの送信を遅延させて、前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を適合させるように構成された
通信デバイス
【請求項5】
請求項4に記載の通信デバイスであって、
前記コントローラ回路は、
前記第1の部分の前記遅延されるOFDMシンボルの送信の前にある、前記第1の部分の前記1つ以上の識別された未使用のOFDMシンボルをシフトさせて前記アップリンクデータの第1の部分の1つ以上のOFDMシンボルの送信を遅延させるように構成された
通信デバイス
【請求項6】
請求項5に記載の通信デバイスであって、
前記アップリンクデータは、OFDMシンボルおよび参照シンボルを有するデータを含み、
前記コントローラ回路は、
前記選択された一連の通信リソースで前記アップリンクデータを送信するために、
前記検出されたトランスポート・ブロックを構成する前記第1の部分の遅延されたOFDMシンボルを送信する前に、前記シフトされた1つ以上の識別された未使用のOFDMシンボルにおける参照シンボルを送信するように構成された
通信デバイス
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信デバイス、通信デバイスの動作方法、インフラストラクチャ機器、および、無線通信ネットワークのアップリンク・リソースを用いたアップリンクデータ通信のための方法に関する。
本出願は、欧州特許出願第19151297号のパリ条約優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書で提供される「背景技術」の説明は、本開示の背景を一般的に提示するためのものである。現在指名されている発明者の研究は、この背景技術の項に記載されている限りにおいて、出願時に先行技術として見なされない明細書の態様と同様に、本発明に対する先行技術として明示的にも暗示的にも認められない。
【0003】
3GPP定義のUMTSおよびLTE(Long Term Evolution)アーキテクチャに基づくものなどの第3世代および第4世代の移動体通信システムは、以前の世代の移動体通信システムによって提供された単純な音声およびメッセージングサービスよりも高度なサービスをサポートすることができる。
例えば、LTEシステムによって提供される改善された無線インターフェースおよび拡張されたデータレートを用いて、ユーザは、以前は固定回線データ接続を介してのみ利用可能であったモバイルビデオストリーミングおよびモバイルビデオ会議などの高データレートアプリケーションを享受することができる。
したがって、このようなネットワークを配備する要求は強く、これらのネットワークのカバレージエリア、すなわち、ネットワークへのアクセスが可能な地理的場所は、ますます急速に拡大することが予想される。
【0004】
将来の無線通信ネットワークは、現在のシステムがサポートするように最適化されるよりも、より広範囲のデータトラフィックプロファイルおよびタイプに関連する、より広範囲のデバイスとの通信を日常的かつ効率的にサポートすることが期待される。
例えば、将来の無線通信ネットワークは、複雑さが低減されたデバイス、マシンタイプ通信(MTC)デバイス、高解像度ビデオディスプレイ、仮想現実ヘッドセットなどを含むデバイスとの通信を効率的にサポートすることが期待される。
これらの異なるタイプのデバイスのうちのいくつかは、非常に多数の、例えば、「物のインターネット」をサポートするための低複雑度のデバイスに、配備されてもよく、典型的には比較的高いレイテンシ耐性を有する比較的少量のデータの伝送に関連付けられてもよい。
【0005】
この観点から、例えば、5Gまたは新しい無線(NR)システム/新しい無線アクセス技術(RAT)システム、および既存のシステムの将来のバージョン/リリースと呼ばれてもよいものなど、将来の無線通信ネットワークが、異なるサービスをサポートするための、異なるアプリケーションおよび異なる特性データトラフィックプロファイルに関連付けられた広範囲のデバイスのための接続性を効率的にサポートすることが望まれることが予想される。
【0006】
新たなサービスの一例は、超高信頼低遅延通信(URLLC)サービスと呼ばれ、URLLCサービスは、その名前が示唆するように、データ・ユニットまたはパケットが高い信頼性で、かつ低い通信遅延で通信されることを必要とする。
したがって、URLLCタイプのサービスは、LTEタイプの通信システムおよび5G/NR通信システムの両方にとって、難しい例である。
【0007】
異なる交通・プロファイルに関連する異なる種類の端末(通信)デバイスの使用が増加することにより、対処する必要がある無線電気通信システムにおける通信を効率的に処理するための新しい課題が生じている。
例えば、許可フリーなリソースは、アップリンクデータとダウンリンクデータとを送信するために提供されており、アップリンク/ダウンリンクデータの送信レイテンシを短縮することができる。しかしながら、許可フリーなリソースを使用するとき、通信リソースを効率的に利用するために、さらなる適応が必要とされる場合がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Holma H. and Toskala A,"LTE for UMTS OFDMA and SC-FDMA based radio access", John Wiley and Sons, 2009.
【文献】RP-172834,"Work Item on New Radio (NR) Access Technology," NTT DOCOMO, RAN#78.
【文献】RP-181477,"New SID on Physical Layer Enhancements for NR URLLC," Huawei, HiSilicon, Nokia, Nokia Shanghai Bell, RAN#80.
【文献】R1-1809979, Summary of 7.2.6.3 Enhanced UL grant-free transmissions, NTT DOCOMO, RANI #94.
【発明の概要】
【0009】
本開示は、上述の問題のうちの少なくとも一部に対処するか、または軽減するのに役立つことができる。
【0010】
本技術の実施形態は、無線通信ネットワークにデータを送信するために通信デバイスを操作する方法を提供することができる。
この方法は、アップリンクデータを送信するための選択された一連の通信リソースを使用して、1つ以上のトランスポート・ブロックとしてアップリンクデータを送信する準備を含む。
この選択された一連の通信リソースは、無線アクセス・インターフェースの複数の時間分割ユニットまたはスロットのそれぞれにおいて、通信リソースを提供することができる。
この一連の通信リソースは、例えば、無線通信ネットワークによって付与されたリソースから選択されても、許可フリーの通信リソースの付与から選択されてもよい。
許可された通信リソースとは対照的に、許可フリーの通信リソースは、無線通信ネットワークからの特例の要求および許可なしに通信デバイスによって使用できるリソースである。
一連の通信リソースは、アップリンク・データのトランスポート・ブロックをできるだけ早く送信するためにリソースが選択されるように、これらが可能な限り連続するように構成されてもよい。
本方法はさらに、アップリンク・リソース上でアップリンクデータを送信するために選択された一連の通信リソースが、時間分割ユニットまたはスロットの2つの間の境界を越えてアップリンク・データのトランスポート・ブロックの送信を引き起こすことを検出し、検出されたトランスポート・ブロックの送信を、2つのタイムスロット間の境界を回避するように適応させることを含む。
この適応は、例えば、検出されたトランスポート・ブロックの送信を遅延させたり、境界を越えるであろうトランスポート・ブロックの一部を遅延させたりすることができる。
トランスポート・ブロックまたはその(符号化データ・ユニット)一部の伝送は、時間分割ユニットまたはスロット間の境界を越えることを回避するので、スロット・ベースで構成されたアップリンク・データに必要な他の通信プロトコルおよびパラメータが中断されないようにし、そうでなければアップリンク・データが正しく受信されることが妨げられるであろう。
【0011】
本発明の例示的な実施形態は、2つの時間分割されたユニットの後者に境界を越えたであろう、検出されたトランスポート・ブロックの送信を遅延させた結果、2つの時間分割されたユニットのうちの最初のユニットでアップリンクデータを送信するために選択された一連の通信リソースの1つ以上が未使用または孤立していることを識別することをさらに含むこともできる。
また、本方法は、識別された未使用の通信リソースを、他の信号を送信するために割り当てることと、アップリンクデータを送信するために選択された、一連の通信リソースの識別された未使用の通信リソース上で、他の信号を送信することとを含むことができる。
この他の信号は、例えば、プロトコルに依存して、アップリンク制御チャネルまたはアップリンク共有チャネルで通常送信されるアップリンク制御情報とすることができる。
未使用のリソースは、識別された未使用のリソースによって提供される余分なリソースを使用するようにトランスポート・ブロックのコーディングを適合させることによって、検出されたトランスポート・ブロックを送信するためにさらに使用することができる。
【0012】
本技術の実施形態は、通信デバイス、インフラストラクチャ機器、通信デバイスおよびインフラストラクチャ機器の作動方法、ならびに、通信デバイスおよびインフラストラクチャ機器用の回路にさらに関するものであり、許可フリーの通信リソースを使用するアップリンクデータの送信の改善を提供することができる。
【0013】
本開示のそれぞれの態様および特徴は、添付の特許請求の範囲において定義される。
【0014】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方が、本技術の例示であるが、本技術を限定するものではないことを理解されたい。説明される実施形態はさらなる利点とともに、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
いくつかの図を通して同じ参照番号が同一または対応する部品を示すので、以下の詳細な説明を、添付の図面と併せて考察すると、本開示およびそれに付随する多くの利点が、以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解される。
図1】本開示の特定の実施形態に従って動作するように構成されたLTEタイプのワイヤレス電気通信システムのいくつかの態様を概略的に表したものである。
図2】本開示の特定の実施形態に従って動作するように構成された新しい無線アクセス技術(RAT)無線電気通信システムのいくつかの例示的な態様を概略的に表したものである。
図3】例示的な実施形態に従って構成されたインフラストラクチャ機器および通信デバイスの一例の概略ブロック図である。
図4】aは、拡張モバイルブロードバンド(eMBB)通信サービスをサポートするためのダウンリンクフレーム構造の一例を示す。bは、本技術の実施形態がアプリケーションを発見する、超高信頼かつ低遅延通信(URLLC)サービスをサポートするためのダウンリンクフレーム構造の一表現例である。
図5】無線アクセス・インターフェースの時間分割ユニットのフレーム、サブフレームおよびスロット構造を示す図15に示される無線アクセス・インターフェースのアップリンクの簡略化された表現の概略図である。
図6】通信デバイスによる許可フリーのアクセスで構成された通信リソースを含むように適応された、図4に示されている無線アクセス・インターフェースのアップリンクの図である。
図7図6に示されているアップリンク許可フリーリソースを使用してアップリンクデータを送信するように構成された送信機の例(通信デバイスの受信機とコントローラも示す)の概略ブロック図である。
図8図6に示されているアップリンク許可フリーリソースを介して送信されたアップリンクデータを受信するように構成された例示的な受信機の概略ブロック図である。
図9図6に示されている無線アクセス・インターフェースのアップリンク・データの図であり、このアップリンク・データは、分割されたタイムスロットの各々が、2つのミニ・スロットに分割され、符号化データ・ユニットがミニ・スロットの送信期間で繰り返し送信される通信デバイスによって許可フリーのアクセスをするように構成された通信リソースを含むように構成されている。
図10】許可フリーのリソースが、送信期間を構成するように、送信機会に符号化データ・ユニットを送信するために繰り返し使用される無線アクセス・インターフェースの許可フリーのアップリンクの図であり、アップリンクデータの送信の遅延を短縮するために時間的にずれた2つの構成例を示す。
図11】送信期間を構成するために送信機会で符号化データ・ユニットを送信するためにリソースが繰り返し使用され、符号化データ・ユニットの送信がスロット境界へ移行する、無線アクセス・インターフェースのアップリンク・リソースの選択の例である。
図12図11の無線アクセス・インターフェースの選択されたリソースの適応の図であり、スロット境界を越えたであろう符号化データ・ユニットの送信が、スロット境界を回避するために次のスロットに遅延され、それによって未使用の(孤立した)通信リソースが生成される。
図13】選択されたリソースの適応が、未使用の(孤立した)リソースをアップリンクデータの送信の開始にシフトする効果を有し、そして、未使用のリソースが復調参照シンボルを送信するために使用される、別の実施形態の図である。
図14図13と比較して、未使用リソースは未使用のままであるが、選択されたリソースの適応が、未使用(孤立)リソースを、アップリンクデータの送信の開始にシフトする効果を有する、別の実施例の図である。
図15】本技術の一実施形態に係る通信デバイス(UE)の動作例を示すフロー図である。
図16】3 GPP LTE規格に従った無線アクセス・インターフェースのダウンリンクの模式図である。
図17】3 GPP LTE規格に従った無線アクセス・インターフェースのアップリンクの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(Long Term Evolution Advanced Radio Access Technology (4G))
図1は、一般にLTE原理に従って動作するが、他の無線アクセス技術もサポートすることができ、本明細書で説明されるような本開示の実施形態を実装するように適合させることができる、モバイル遠隔通信ネットワーク/システム100のいくつかの基本的な機能を示す概略図を提供する。
図1の様々な要素およびそれらのそれぞれの動作モードの特定の態様は、3GPP(RTM)機関によって管理される、関連する規格において周知であり、定義もされており、また、その議題に関する多くの書籍、例えば、Holma H.およびToskala Aの非特許文献2にも記載されている。
本明細書で特に記載されていない電気通信ネットワークの動作態様(例えば、異なる要素間で通信するための特定の通信プロトコルおよび物理チャネルに関して)は、例えば、関連する規格およびその関連する規格に対する既知の提案された修正および追加に従った、任意の既知の技法に従って実装され得ることが理解される。
【0017】
ネットワーク100は、コアネットワーク部102に接続された複数の基地局101を含む。各基地局は、通信デバイス104との間でデータを通信することができるカバレージエリア103(例えば、セル)を提供する。データは、基地局101から、それぞれのカバレージエリア103内の通信デバイス104に、無線ダウンリンクを介して送信される。
通信デバイス104から基地局101へは、無線アップリンクを介してデータが送信される。コアネットワーク部102は、各基地局101を介して通信デバイス104との間でデータの送受信を行うものであり、認証、モビリティ管理、課金等の機能を提供する。通信デバイスは、移動局、ユーザ機器(UE)、ユーザ端末、モバイル無線、端末デバイスなどと呼ばれることもある。
ネットワークインフラストラクチャ機器/ネットワークアクセスノードの一例である基地局は、トランシーバ局/ノードB/eノードB、gノードB(gNB)などと呼ばれることもある。この点で、異なる用語は、広く同等の機能性を提供する要素のための異なる世代の無線電気通信システムに、しばしば関連する。
しかしながら、本開示の例示的な実施形態は、以下に説明するような5Gや新しい無線技術など異なる世代の無線電気通信システムにおいて同等に実装されてもよく、簡潔にするために、基礎となるネットワークアーキテクチャにかかわらず、特定の用語が使用されてもよい。すなわち、特定の実施例に関連する特定の用語の使用は、これらの実施例がその特定の用語に最も関連する可能性のある特定の世代のネットワークに限定されることを示すことを意図していない。
【0018】
(新しい無線アクセス技術(5G))
図2は、本明細書で説明される本開示の実施形態による機能を提供するようにも適合され得る、以前に提案されたアプローチに基づく、New RAT無線通信ネットワーク/システム200のためのネットワークアーキテクチャを示す模式図である。
図2に示すNew RATネットワーク200は、第1の通信セル201と第2の通信セル202とを含む。各通信セル201、202は、それぞれの有線または無線リンク251、252を介してコアネットワーク構成要件210と通信する制御ノード(集中ユニット)221、222を備える。
また、各制御ノード221、222は、それぞれのセル内の複数の分散ユニット(無線アクセスノード/遠隔送受信ポイント(TRP))211、212とも通信している。この場合も、これらの通信は、それぞれの有線または無線リンクを介して行うことができる。
分散ユニット211、212は、ネットワークに接続された通信デバイスに無線アクセス・インターフェースを提供する役割を果たす。
各分散ユニット211、212は、カバレージエリア(無線アクセスフットプリント)241、242を有し、制御ノード221、222の制御下にある分散ユニット211、212のカバレージエリア241、242の総和は、それぞれの通信セル201、202のカバレージを共に定義する
各分散ユニット211、212は、無線信号の送受信のための送信機回路(受信機回路)と、それぞれの分散ユニット211、212を制御するように構成されたプロセッサ回路(コントローラ回路)とを含む。
【0019】
広大なトップレベルの機能性の観点から、図2に表されるNew RAT通信ネットワークのコアネットワーク部210は、図1に表されるコアネットワーク12に対応すると広く考慮することができる。それぞれの制御ノード221、222およびそれらの関連する分散ユニット/TRP211、212は、図1の基地局11に対応する機能性を提供すると広く考慮することができる。
ネットワークインフラストラクチャ機器/アクセスノードという用語は、これらの構成要件およびワイヤレス通信システムのより従来の基地局型の構成要件を包含するために使用されてもよい。手元のアプリケーションに応じて、それぞれの分散ユニットと通信デバイスとの間の無線インターフェース上でスケジュールされる伝送をスケジュールする義務は、制御ノード/集中ユニット、および/または、分散ユニット/TRPにあるといってもよい。
【0020】
図2には、第1の通信セル201のカバレージエリア内にある通信デバイスすなわちUE260が示されている。したがって、この通信デバイス260は、第1の通信セル201に関連する分散ユニット211のうちの1つを介して、第1の通信セル内の第1の制御ノード221と信号を交換することができる。
いくつかの場合、所与の通信デバイスの通信は、分散ユニットのうちの1つだけを介してルーティングされるが、いくつかの他の実装形態では、所与の通信デバイスに関連する通信が、例えばソフトハンドオーバの場合(シナリオ)および他の場合において、2つ以上の分散ユニットを介してルーティングされ得ることが理解される。
【0021】
図2の例では簡略化のために、2つの通信セル201、202および1つの通信デバイス400が示されているが、実際にはシステムは、より多数の通信デバイスにサービスを提供する (それぞれの制御ノードおよび複数の分散ユニットによってサポートされる) より多数の通信セルを備えることができることが理解される。
【0022】
図2は、本明細書で説明される原理によるアプローチが採用され得るNew RAT通信システム用に提案されたアーキテクチャの単なる一例を表し、本明細書で開示される機能は、異なるアーキテクチャを有する無線通信システムに関しても適用され得ることがさらに理解される。
【0023】
したがって、本明細書で説明される本開示の例示的な実施形態は、図1および図2に示される例示的なアーキテクチャなど、様々な異なるアーキテクチャによる無線電気通信システム/ネットワークにおいて実装され得る。したがって、任意の所定の実装における特定の無線通信アーキテクチャは、本明細書に記載する原理にとって主要な重要性がないことが理解される。
この点に関して、本開示の例示的な実施形態は一般に、ネットワークインフラストラクチャ機器/アクセスノードと通信デバイスとの間の通信状況で説明することができ、ネットワークインフラストラクチャ機器/アクセスノードおよび通信デバイスの特定の性質は、目前の実装形態のためのネットワークインフラストラクチャに依存することになる。
例えば、いくつかの場合では、ネットワークインフラストラクチャ機器/アクセスノードが、本明細書で説明される原理に従って機能を提供するように適合された、図1に示されるようなLTEタイプ基地局11のような基地局を備えてもよく、他の例では、ネットワークインフラストラクチャ機器/アクセスノードが、本明細書で説明される原理に従って機能を提供するように適合された、図2に示される種類の制御部/制御ノード221、222および/またはTRP 211、212を備えてもよい。
【0024】
UE 270と、gNB 101または制御ノード221とTRP 211との組合せとして考えられる例示的なネットワークインフラストラクチャ機器272とのより詳細な説明を図3に示す。
図3に示すように、UE 270は、矢印274によって概して示されるように、無線アクセス・インターフェースの許可フリーのリソースを介して、インフラストラクチャ機器272にアップリンクデータを送信するように示されている。
図1および図2と同様に、インフラストラクチャ機器272は、インフラストラクチャ機器272のコントローラ280へのインターフェース278を介して、コアネットワーク276に接続される。
インフラストラクチャ機器272は、アンテナ284に接続された受信機282と、アンテナ284に接続された送信機286とを含む。これに対応して、UE 270は、アンテナ294から信号を受信する受信機292と、同様にアンテナ294に接続された送信機296とに接続されたコントローラ290を含む。
【0025】
コントローラ280は、インフラストラクチャ機器272を制御するように構成され、かつ、本明細書でさらに説明するように、所望の機能を提供するための各種サブユニット/サブ回路を順に備えるプロセッサ回路(コントローラ回路)を含んでもよい。
これらのサブユニットは、個別のハードウェア要素として、または、プロセッサ回路における適切に構成された機能として実装され得る。
したがって、コントローラ280は、無線電気通信システムにおける機器のための従来のプログラミング/構成技術を用いて、本明細書に記載される所望の機能性を提供するように適切に構成/プログラミングされた回路から構成することができる。
送信機286および受信機282は、従来の構成による信号処理、無線周波数フィルタ、増幅器、および回路を含んでもよい。送信機286、受信機282およびコントローラ280は、表現を容易にするために別個の要素として図3に概略的に示されている。
しかしながら、これらの回路素子の機能性は例えば、1つ以上の適切にプログラム可能なコンピュータ、または、1つ以上の適切に構成された特定用途向け集積回路/回路/チップ/チップセットを用いて、様々な異なる方法で提供され得ることが理解される。
インフラストラクチャ機器101は一般に、その操作機能に関連する様々な他の要素を備え得ることが理解される。
【0026】
それに対応して、UE270のコントローラ290は、送信機296および受信機292を制御するように構成され、かつ、本明細書でさらに説明されるような機能を提供するための各種サブユニット/サブ回路を順に備えるプロセッサ回路(コントローラ回路)を含んでもよい。これらのサブユニットは、個別のハードウェア要素として、またはプロセッサ回路において適切に構成された機能として実装され得る。
従って、コントローラ290は、無線電気通信システムにおける機器のための従来のプログラミング/構成技術を用いて所望の機能性を提供するように適切に構成/プログラミングされた回路を備えることができる。
同様に、送信機296および受信機292は、従来の構成による信号処理、無線周波数フィルタ、増幅器、および回路を含んでもよい。
送信機296、受信機292およびコントローラ290は、表現を容易にするために別個の要素として図3に概略的に示されている。
しかしながら、これらの回路素子の機能性は、例えば、1つ以上の適切にプログラム可能なコンピュータ、または1つ以上の適切に構成された特定用途向け集積回路/回路/チップ(複数可)/チップセット(複数可)を使用して、様々な異なる方法で提供され得ることが理解される。
理解されるように、端末デバイス104は一般に、その操作機能に関連する様々な他の要素、例えば、電源、ユーザインターフェースなどを備えるが、これらは簡潔にするために図3には示されていない。
【0027】
以下に述べる例示的な実施形態は、5Gまたは新しい無線(NR)アクセス技術と呼ばれるもののような高度な無線通信システムに適用することができる。
3GPPは、第5世代または5G無線アクセス・ネットワークが規定されている新しい無線(NR)アクセス技術作業項目(非特許文献2)のリリースを最近履行した。
この作業項目で規定されている2つのNR機能は、
・拡張モバイルブロードバンド(高速大容量、eMBB)
・Ultra Reliable & Low Latency Communications (超高信頼低遅延、URLLC)
である。
eMBB サービスは、最大20Gb/sをサポートする規定がある大容量という特徴がある。大量のデータを高スループットで効率的に送信するために、eMBBは、使用されるオーバーヘッドを最小化するために、スロットアグリゲーション(すなわち、1つ以上のスロットを占有すること)を使用する可能性が高い。
制御チャネルがデータチャネルのものよりも小さい伝送リソースを使用する送信周期TeMBBを備えた、ダウンリンクにおけるeMBBフレーム構造の一例を、図4aに示す。
【0028】
URLLCの重要な要件は、レイヤ2パケットの入口からネットワークの出口までに測定される低遅延であり、提案される目標は1msである。
URLLCデータは短く、したがって、制御チャネルおよびデータチャネルが短い継続時間を有する短いスケジューリング時間が、eMBBフレームよりもかなり短いフレーム継続時間として必要とされることが予想される。
制御チャネルおよびデータチャネルが短い継続時間を有する(例えば0.25msの)送信周期TURLLCを備えたURLLCフレーム構造の一例を図4bに示す。URLLC TURLLCの送信周期は、eMBB TeMBBよりも小さく、すなわちTeMBB > TURLLである。
【0029】
URLLCのもう1つの要件は、信頼性が高いことである。3 GPP リリース-15 では、URLLC パケットを1msの遅延で99.999%の信頼性で受信する必要がある。
リリース 16として、NR URLLCの物理層拡張に関する新しい検討項目が、2018年6月のRAN プレナリ#80で承認された(非特許文献3)。リリース-16では、この信頼性要求は99.9999%に増加している。
(3GPP規格では設定グラントと呼ばれる)UL許可フリー送信は、ULのURLLCの主要な技術の1つであり、リリース-15では主に低遅延送信を目的として規定されている。
【0030】
以下に説明する本技術の実施形態は、無線アクセス・インターフェースのアップリンク・リソースを介してアップリンクデータをできるだけ早く送信する要件によって生じる通信リソースを利用するための、より効率的な構成を提供する。
本実施例によって提供される、より良い評価は、3GPP LTE/4GおよびNR/5Gに従って提案された無線アクセス・インターフェースをレビューすることから得られる。
図16および17がそれぞれダウンリンクおよびアップリンクのための無線アクセス・インターフェースの詳細な描写を提供する付録1に、LTE用の3GPP規格に従った無線アクセス・インターフェースが詳細に記述されている。したがって、LTE無線アクセス・インターフェースの詳細については、付録1で説明する。
しかしながら、無線アクセス・インターフェースは、LTEに精通したものが認識するように、適切な制御信号を通信することによってアクセスされる、アップリンクとダウンリンクの両方のための共有チャネルを含む物理的通信リソースを提供することが理解されるであろう。
同様に、図2に示される5G規格の無線アクセス・インターフェースは、付録1に示される構成に従って同様に構成されてもよく、ダウンリンクではOFDMを、アップリンクではOFDMまたはSC-FDMAを使用してもよい。
【0031】
図5は、NR無線アクセス・インターフェース構造のために使用されてもよい、時間分割されたユニットを備えたアップリンク構造の簡略化された描写を提供する。
図5で使用されている「フレーム」および「サブフレーム」という用語は、LTEで使用されている用語であるが、5G/NRに採用されている3GPP規格では異なっていてもよく、図5は、実施例の説明を支援するためにのみ説明のために提供されていることが理解される。
5G/NR用の時間分割構造に対する現在の提案は、14個のOFDMシンボルで構成される無線アクセス・インターフェースの時間分割構造を提供する1つのスロットを含み、1つのサブフレームは、1msで定義される。
このように、図5の無線アクセス・インターフェースの時間分割構造は、30kHzキャリア間隔の場合の例を示しているので、1つのサブフレームは、2つのスロットと28個のOFDMシンボルとを有する。
図5に示すように、無線アクセス・インターフェースのアップリンクは、UE 270がインフラストラクチャ機器272にアップリンクデータを送信するフレーム300を含むように示されている。
付録1に提供される説明と一致して、アップリンクは、各フレーム300において、10個のサブフレーム301を含む。
1つのフレーム300は、10msによって規定され、1つのサブフレーム301は、1msによって規定され、1つのスロット302は、サブキャリア間隔にかかわらず、14個のOFDMシンボルによって規定される。図5では、30kHzのサブキャリア間隔が想定されている。
サブフレーム301の構成要件の拡張図が、図15を参照して付録1で説明されるように、共有チャネルおよび制御チャネルの物理的なリソースを含む、2つの連続するスロットn-1、n 302から構成されるように示されている。
以下で説明するように、要求によるアップリンクチャネルの共有リソースへのUEによるアクセス、および、インフラストラクチャ機器からの許可(グラント)はあるが、本技術の実施形態は、アップリンク共有チャネル(PUSCH)のリソースへの許可フリーなアクセスを備えるアプリケーションを見いだす。
このように、UE 270によるURLLCメッセージの送信は、より迅速に行うことができ、より短い遅延を生じさせる。
【0032】
(許可フリーなリソースを使用したアップリンク通信の向上または関連)
例えばインフラストラクチャ機器272のコントローラ272によって制御されるような、NRまたは5G無線アクセス・インターフェースの一態様は、アップリンクデータを送信するための通信リソースへの許可フリーなアクセスを提供する。
従来のアップリンク伝送では、通信デバイスの媒体アクセス制御(MAC)プロトコル層のバッファに上位プロトコル層からデータが到着すると、通信デバイスは、それに応じて、スケジューリング要求(SR)をネットワークに送信してもよい。
このスケジューリング要求(SR)は、MAC層バッファ内のデータ量を示すバッファステータスレポート(BSR)を含んでもよい。SRまたはBSRの受信に応答して、ネットワーク(例えば、インフラストラクチャ機器)は、ダウンリンク制御情報(DCI)によって伝送されるアップリンク許可を通信デバイスに送信することができる。DCIは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上で送信され得る。
【0033】
アップリンク許可は、通信デバイスがアップリンクデータを送信するために割り当てられる(言い換えると、スケジュールされた)アップリンク通信リソースの指示を含んでもよい。アップリンク通信リソースは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上にあってよい。
このタイプのリソース割り当ては、許可ベースのリソース割り当てとして既知である。許可ベースのリソース割り当ては、データが可変量で到着し、かつ/または、このようなデータトラフィック到着がいくらか予測可能なトラフィックパターンに従う場合であっても、非周期的であるサービスに適している。
【0034】
その一方で、許可フリーのリソースは、アップリンク送信用の通信デバイスを使用するためのネットワークによって準静的に構成される、一連の周期的に繰り返すアップリンク通信リソースである。
許可フリーのリソース割り当ては、生成されるデータ量が時間にわたってほぼ一定である周期的なデータトラフィックを生成するサービスに特に適している。
【0035】
許可フリーのリソースは、各アップリンクデータ送信に関して送信されるべきSRとアップリンク許可の両方が必要ないので、通信リソースが使用される効率を改善することができる。
図5に示すフレーム/サブフレーム/スロット構造に基づいて、アップリンクデータを通信するための許可フリーのリソースの実例を図6に示す。図6に示すように、14個のOFDMシンボル303をそれぞれ含む2つのスロットn-1、n、302.1、302.2は、4から11の番号のOFDMシンボルからなる各スロット360、362内の許可フリーのリソースのセクションを含むように示されている。
【0036】
本発明の例示的な実施形態によって対処される技術的問題の説明は、NRのために提案される無線アクセス・インターフェースのアップリンクのタイミング構造を考慮することによって理解される。
図6に示すように、許可フリーのリソースは、各スロットの時間セクションのアップリンクにおいて提供される。
しかしながら、トランスポート・ブロックのデータ・ユニットへの生成および符号化が、許可フリーのリソースのタイミングと一致しない場合、符号化または伝送スキームが損なわれるか、または、リソースが効率的に使用されない可能性がある。
伝送のために符号化されたデータ・ユニットへのトランスポート・ブロックの符号化のタイミングのより良い理解は、図7および図8に提供されるUE 270の送信機296および受信機292のより詳細な例から理解される。
【0037】
図7に示すように、伝送のためのアップリンクデータは、例えば媒体アクセス制御層によってトランスポート・ブロックに形成され、アップリンク・データ・トランスポート・ブロック401によって伝送用の物理層に渡される。
その後、結合されたCRCパリティ・チェック・ビット、および、誤り訂正エンコーダ404に表されるデータ・ビットを渡す前に、アップリンク・トランスポート・ブロックは、各トランスポート・データ・ブロック上の巡回冗長検査(CRC)を計算するCRCアタッチメントブロック402に送られる。
誤り訂正エンコーダ404は、トランスポート・ブロックのCRCおよびデータ・ビットを符号化して、許可フリーのリソース360、362上で送信するための誤り訂正符号化トランスポート・ブロック440を構成する。
次に、誤り訂正符号化トランスポート・ブロック440は、レート・マッチング、反復およびハイブリッド自動反復要求(HARQ)ブロック406によって受信され、このブロック406は、符号化データ・ユニット・フォーマ408および反復ブロック410を含む。
レート・マッチング、反復およびHARQブロック406は、コントローラ412によって制御され、アップリンク許可フリーのリソース上の送信ブロック414による送信のための符号化データ・ユニット442を生成する。
【0038】
許可フリーのリソース内のUE 270から送信された無線信号を検出し、この無線信号によって表される符号化されたトランスポート・ブロックをデコード(復号)するための、インフラストラクチャ機器272の受信機282の概略ブロック図が、図8に示されている。
図8に示されているように、検出ブロック501は、UE 270から送信されたデータのアップリンク許可フリーのリソース360、362の符号化されたユニットを検出する。
以下に説明するように、各符号化トランスポート・ブロックを構成する符号化データ・ユニット408は、HARQ方式と、同一の符号化データ・ユニットがアップリンク許可フリーリソース内で繰り返し送信される反復(繰り返し)方式とを使用して送信され得る。
したがって、符号化データ・ユニットを検出した後、再構成符号化トランスポート・ブロック素子502は、符号化データ・ユニットから符号化トランスポート・ブロックを再構成し、符号化トランスポート・ブロックを誤り訂正デコーダ504に供給する。
再構成ブロック502は、ソフト組み合わせによって符号化されたデータ・ユニットの繰り返し受信を組み合わせて、トランスポート・ブロックを再構成してもよく、ここで、ソフト組み合わせは、反復の受信ソフト・ビットに対する対数尤度比(LLR)の追加を含むことができる。
誤り訂正デコーダ504は、符号化トランスポート・ブロックを復号し、送信機で使用されている誤り訂正符号化(エンコーディング)スキームに従ってデータの推定値を生成する。
CRCデコーダ506は、従来の構成に従ってCRCを実行し、トランスポート・ブロック内のアップリンク・データが正しく受信されたかどうかを検出し、アップリンク・データを処理ブロック508に出力する。
【0039】
上に示したように、一例では、符号化トランスポート・ブロック440は、繰り返し送信と組み合わされたHARQスキームを使用して、許可フリーのアップリンク・リソースを介して伝送されてもよい。
このように、レート・マッチング、反復およびHARQブロック406は、アップリンクの許可フリーのリソースを介して送信するために、符号化トランスポート・ブロック440を、符号化データ・ユニット442に分割することができる。
アップリンク許可フリーのリソースの容量と一致させるために、符号化データ・ユニットは、例えば、各符号化データ・ユニット442が、スロット360、362内の1つ以上のOFDMシンボルを送信するように、ビットをパンクチャすることによってレート・マッチングされてもよい。
さらに、各符号化データ・ユニットは、HARQ処理が各符号化データ・ユニット442にHARQ識別子を与えるHARQ処理に従って送信されてもよい。
さらに、受信機282内のHARQコントローラ510がHARQプロセスを送信機にマッチングさせるために、HARQ識別子は、送信機296内の各データ・ユニットを生成する時間ではなく、スロットまたはサブフレーム番号にマッチングさせてもよい。
最後に、レート・マッチング、反復、およびHARQブロック406は、アップリンクデータが正しく受信される可能性を改善することによって、通信されたアップリンクデータの完全性を改善するために、符号化されたデータ・ユニットの各々を、繰り返し何度も送信してもよい。
例えば、この種の送信は、ミニ・スロット構造に基づいて繰り返し送信を実行する3 GPPリリース16に対して提案されている。
【0040】
(ミニ・スロットレベルの繰り返し送信)
図7および図8を参照した上記の説明から分かるように、アップリンク・データは、トランスポート・ブロックに送信するために構成される。
図7および図8に示す例では、トランスポート・ブロックは、符号化データ・ユニットとして送信され、これらのユニットは、アップリンクPUSCHのミニ・スロットで繰り返し送信される。
PUSCHの長さは、1から14シンボルの長さとすることができ、ここで、例えば長さ2 OFDMシンボルのような短いPUSCH伝送を、URLLCのためのような低遅延伝送のために使用することができる。
3GPPでは、「ミニ・スロット」は、2つのOFDMシンボルを占有する時間単位の非形式的記述である。1つのスロットに14個のOFDMシンボルがあるので、「ミニ・スロット」も非形式的に「サブ・スロット」と呼ばれる。
URLLC PUSCHは、14個のOFDMシンボルまで任意の数のOFDMシンボルを占有することができるが、ミニ・スロットを占有するPUSCH送信が、URLLC PUSCH送信を(非形式的に)示すためにしばしば使用される。
【0041】
3 GPP規格(Rel-15 NR)では、PUSCHスロットアグリゲーションを導入し、ここで、伝送の信頼性を改善するために、PUSCHトランスポートブロック(TB)を複数のスロット(最大8スロット)にわたって繰り返す。
したがって、URLLC PUSCHの信頼性を改善するために提案された1つの方法は、ミニ・スロットレベル(またはシンボルレベル)で繰り返しを実行することである。
【0042】
上述したように、符号化されたデータ・ユニットとしてトランスポート・ブロックを送信するために使用されるPUSCHのアップリンク・リソースは、無線アクセス・インターフェースによって付与されたリソースまたは許可フリーのリソースである。
一例によると、符号化されたデータ・ユニットは、アップリンク・リソース内で繰り返し送信される。
この例によれば、各符号化ユニット442は、PUSCHのミニ・スロット内で送信され、その結果、各符号化データ・ユニット442のK回の繰り返しが、例えばスロット360、362である送信周期で送信され、各符号化データ・ユニットは、送信機会に送信される。
K = 4の例について図9に例を示す。
これらのK回の繰り返しは、送信機会(TO)600において送信される符号化データ・ユニットのK回の繰り返しが、各符号化データ・ユニットを送信するための送信期間602を構成する、4回の送信機会(TO)600にわたって送信される。
TO 600は、符号化データ・ユニットのバージョンをインフラストラクチャ機器272の受信機282に暗黙的に示す。このバージョンは冗長バージョンと呼ばれ、その一方で、送信期間が受信機282にHARQプロセス識別子を暗黙的に示す。
【0043】
受信機282で解釈されるように、送信期間の始まりにおいて送信が開始されない場合、UE 270の送信機296は、K回の繰り返しが送信される前に、送信期間の終了、したがってHARQプロセス識別子の変化に到達する可能性があるので、K回の繰り返しを送信することができない場合がある。
本質的に、これは、符号化データ・ユニットの送信のタイミングが、アップリンクのタイミング構造に対してなされるので、受信機が送信のタイミングを知ることができるが、これは、送信用のアップリンクデータの生成のタイミングと一致しないことがある。
しかしながら、URLLCトランスポート・ブロックをできるだけ早く送信することが要求される結果として、UE 270は、ミニ・スロットの開始を待たずに、符号化データ・ユニットをできるだけ早く送信し始めてもよい。
この技術的問題は、許可フリーのアップリンク・リソースにおいて、または、無線アクセス・ネットワークからの要求に応じたリソース許可において送信されたものに等しく適用される。
つまり、許可されたリソースであっても、アップリンクデータの送信は、可能な限り早く開始する必要があり、アップリンクスロットまたはミニ・スロット構造と一致しなくてもよい。
【0044】
通信の所望の信頼性および完全性を提供するために、事前に定義されたK回の繰り返しを保証しなければならない場合、送信は、送信期間602の最初のTO 606から開始されるべきである。
したがって、符号化データ・ユニットの繰り返し送信の開始機会は、繰り返し回数Kによって決まる。開始機会の周波数は、符号化データ・ユニット442、したがってトランスポート・ブロック440が送信される遅延に影響する。
少数の繰り返し回数の場合、開始機会の周波数が増加し、それにより、より低いレイテンシを提供するが、繰り返し回数が減少すると、通信の信頼性が低下する。
多数の繰り返し回数の場合、通信の信頼性は増加するが、符号化データ・ユニットを送信するための開始機会の周波数は減少し、それによって送信のレイテンシが増加する。
【0045】
前述のように、送信期間の途中で開始するURLLC PUSCHは、送信期間の目標K回の繰り返しを完了するのに十分な送信機会を有していなくてもよい。
ひとつの提案は、この許可フリーのリソースの各々において、送信期間が異なる時間で開始する(非特許文献4)、すなわち、時間的にずれている、複数の許可フリー構成を有することである。
例えば、図10では2つの構成620, 622の許可フリーのリソースが示されており、構成1 620では、スロットn-1 624の始めに送信期間が始まり、その一方で、構成2 622は、したがって時間的にずれているOFDMシンボル#4 626で始まる。
したがって、K=4のURLLC PUSCHが、例えばOFDMシンボル#4 626のような構成1の送信期間の途中に到着した場合、構成1 620を使用する代わりに、4回の繰り返しに対して4つのTO 600を提供できる構成2 622を使用することができる。
異なる構成が存在する結果、同じUEからの異なるサービスが、同時に同じ許可フリーのリソースにおいて送信を望む可能性がある。
我々の共同出願中の欧州特許出願EP18197372.8は、あるサービスが別のサービスより優先される異なる構成を有する異なる通信サービスからトランスポート・ブロックを送信するための構成を開示している。
このEP18197372.8の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
(ミニ・スロット境界にわたる送信)
図10に示す構成例では、符号化データ・ユニットのそれぞれは、2つのOFDMシンボルにおける送信機会で送信される。さらに、送信は、OFDMシンボルでも開始するように構成されている。
しかしながら、例えば、URLLCトランスポート・ブロックをできるだけ早く送信する要求に関しては、開始シンボルは、OFDMシンボルベースのユニットで構成されるべきである。
すなわち、UEは、奇数のOFDMシンボルで始まる送信期間602でトランスポート・ブロックを伝送する可能性を有するべきである。このような構成は、図11に示されており、そこでは、トランスポート・ブロックが、K=4の符号化されたデータ・ユニットのうちの1番目のものが送信される始めの送信機会700がOFDMシンボル1で704を開始する送信期間702で送信される。
しかしながら、第1のトランスポート・ブロックは、第1のスロット360内の送信期間702で伝送されてもよいが、次のトランスポート・ブロックの次の送信期間は、次のスロット362に延びている。
奇数のOFDMシンボル704上で始まる第1のトランスポート・ブロックの送信の結果、第2のトランスポート期間708内の第2のトランスポート・ブロックの符号化データ・ユニット706の3回目の繰り返しは、第3の符号化データ・ユニット706がスロット境界710のいずれかの側にある、送信機会706の2つのOFDMシンボルの結果として、第1のスロット360と第2のスロット362との間の境界710に及ぶ。
【0047】
図11に示すように、PUSCH送信機会は、許可されていないか、または、アップリンクの許可リソースのスロット境界を越えることはできない。これは、スクランブリングシーケンスのような他の通信パラメータがスロットごとに設定されているためである。
その結果、他の上位層通信機能がスロットごとに整列されているため、スロット境界を横切る符号化データ・ユニットの伝送が復号できない場合がある。
図11に示すように、断面712によって、スロットn-1 360のシンボル13とスロットn 362のシンボル0でPUSCH送信インスタンスを送信することはできない。
【0048】
したがって、本技術の例示的な実施形態は、無線通信ネットワークにデータを送信するために通信デバイスを操作する方法を提供することができる。
本方法は、無線通信ネットワークによって提供される無線アクセス・インターフェースの物理アップリンク共有チャネルの送信のためのアップリンクデータを処理して、送信のためのアップリンクデータの1つ以上のトランスポート・ブロックを構成することを含んでもよい。
アップリンク・リソースは、アップリンク・データを送信するために、無線アクセス・インターフェースの複数の時間分割ユニットのそれぞれに通信リソースを提供する。
本方法は、アップリンクデータを送信するための選択された一連の通信リソースを使用して、1つ以上のトランスポート・ブロックとしてアップリンクデータを送信する準備をさらに含む。
この選択された一連の通信リソースは、リソースがアップリンク・データのトランスポート・ブロックを可能な限り速やかに送信するために構成されるという点で、可能な限り連続するように配置されてもよい。
上に示したように、1つの例では、UEが一連の通信リソースを選択するが、別の例では、一連の通信リソースは、無線通信ネットワーク(gNB)によって選択される。
本方法は、アップリンクデータを送信するために選択された一連の通信リソースが、トランスポート・ブロックの1つを、時間分割ユニットの2つの間の境界を越えて送信させることを検出することをさらに含み、この送信は、選択された一連の通信リソースでアップリンクデータを送信し、境界を越えたであろう検出されたトランスポート・ブロックの送信を、2つの時間分割されたユニットの後の方に遅延させることを含む。
したがって、例えば図11に示すように、断面712によって表されるように、UE (コントローラ回路)は、トランスポート・ブロックの符号化データ・ユニットの送信が、スロット境界710を越えることを検出し、次のスロット362の開始まで符号化データ・ユニット706の送信を遅延するように送信機を設定するように構成される。
【0049】
上述したように、選択された一連の通信リソースは、選択された無線アクセス・インターフェースの通信リソースが、トランスポート・ブロックをできるだけ早くアップリンクにおいて送信するために提供するという意味で、連続している。
通常、これは時間内に連続したリソースになるが、排他的ではない。
例えば、無線アクセス・インターフェースが、毎回分割されたユニット内に複数のOFDMシンボルを提供する場合、選択された一連の通信リソースを、連続するOFDMシンボルとして選択することができ、その結果、連続するOFDMシンボル上のトランスポート・ブロックの送信において、スロット境界を横切る結果となる。
しかしながら、通信リソースは、論理的に連続していてもよいが、物理的に連続していなくてもよく、したがって、通信リソースの一部は、他のリソースによって分離されてもよい。
例えば、1つのスロット内に14個のOFDMシンボルがある場合、TDD構成では、OFDMシンボルのいくつかは、ダウンリンク送信に使用されてもよい。
その結果、トランスポート・ブロックの送信を構成する符号化データ・ユニットの繰り返しは、繰り返し内に何らかのダウンリンクOFDMシンボル送信が存在し得るので、物理的に連続していなくてもよい。
トランスポート・ブロックを構成する4回のPUSCH繰り返し(符号化データ・ユニット)があり、PUSCH#2とPUSCH#3の間に、アップリンクデータの送信に使用できないダウンリンク送信に使用される1つ以上のOFDMシンボルを含むギャップがある例を考える。
この例では、アップリンクデータを送信するための一連の通信リソースは、PUSCH (アップリンク)送信には適していない。したがって、この選択された一連の通信リソースは、アップリンク送信に利用可能な通信リソースに関して、物理的には隣接していないが、時間的に論理的に連続している。
【0050】
本発明の例示的な実施形態は、2つの時間分割されたユニットの後者に境界を越えたであろう、検出されたトランスポート・ブロックの送信を遅延させた結果、2つの時間分割されたユニットのうちの最初のユニットでアップリンクデータを送信するために選択された一連の通信リソースの1つ以上が未使用であることを識別することをさらに含むこともできる。
この説明では、未使用になる一連の通信リソースの1つ以上を孤立リソースと呼ぶ。しかし、「孤立」という用語は、未使用の一連の通信リソースが1つしかないことを意味するために使われるべきではない。
また、本方法は、識別された未使用の通信リソースを、他の信号を送信するために割り当てることと、許可フリーのリソース上でアップリンクデータを送信するために選択された、一連の通信リソースの識別された未使用の通信リソース上で、他の信号を送信することとを含むことができる。
【0051】
したがって、本発明の例示的な実施形態によれば、スロット境界710を横切るPUSCH送信を回避するために、PUSCHは、図12に示すように、次のスロット内の使用可能なシンボルにシフトすることができる。
このシフトの結果、孤立リソース730は、送信期間720中に、スロットn-1 360内のシンボル13で発生する。スペクトル効率の観点から、このような孤立リソース730は、効果的に利用されるべきである。
さらに、5GHzのようなライセンス不要の帯域の場合、UEが孤立シンボルを含むシンボル上で何も送信しないと、Wi-Fi(登録商標)のような別の無線アクセス技術は、孤立シンボル730内で何も送信されていないことを検出し、このリソースが自由に使用されると考慮することができる。
その結果、この他のRATは、その後、次のスロット、サブフレームまたはフレーム内の対応するリソースで送信し、UEの送信を妨げる可能性がある。
【0052】
本発明の例示的な実施形態によれば、UEがリソースを孤立として認識した後、UEは、そのリソースを利用して何か有用なものを送信する。
さらに、孤立リソースの周波数リソースは、孤立リソースを含むOFDMシンボルの全体または一部にすることができる。次の段落では、孤立リソースを使用する方法の例を示す。
【0053】
(アップリンクシグナリング)
検出された未使用の通信リソース(孤立リソース)で送信される他の信号は、以下のような受信機がアップリンクデータを検出するために使用するアップリンク基準シグナリングの送信に使用できる。
・追加のDMRS
〇gNBがアップリンクデータ(例えば、第2の送信インスタンス)または次のPUSCH(例えば、第3の送信インスタンス)を検出するのを支援するために、孤立リソースは、前のPUSCHのための追加の復調参照信号DMRSを送信するために利用される。
〇孤立シンボルの位置は、PUSCH送信の開始位置にシフトできる。すなわち、孤立シンボルによって運ばれるDRMSは、図13に示すように、PUSCH送信の始めにシフトすることができる。
図13では、図12の2つのスロット360、362が示されており、トランスポート・ブロックを送信する送信期間800のタイミングが、時刻t5およびt6において孤立リソース・シンボルを引き起こす。
この例に示すように、一対のシンボルまたはミニ・スロット804、806、808、809のそれぞれは、PUSCHデータ820を、1つのシンボルおよびPUSCH DMRS 822上で送信するために使用される。
この実施例によれば、矢印810によって示されるように、孤立リソース800の位置は、次に、矢印812によって示されるように、時間t1において、PUSCH送信の前方にシフトされる。
そして、元のPUSCHにおける伝送期間800は、時刻t1ではなくt2から始まるように1シンボル後にシフトされる。その後、孤立リソース802は、t1とt2の間で送信されるDMRS 814として使用される。
この例は、伝送の先頭にあるDRMSが、初期チャネルの推定を容易にするためにより有益であることを認識する。
・ サウンディング参照信号
〇孤立リソースは、アップリンクチャネル特性を測定するためのSRS (サウンディング参照信号、Sounding reference signal)送信に利用できる。
【0054】
(アップリンク制御情報)
未使用の通信リソース(孤立リソース)で送信されるその他の信号は、以下のようなアップリンク制御情報の送信に使用される。
・PUCCH
〇孤立リソースは、アップリンク制御情報(UCI)を含むPUCCHを送信するために利用できる。
UCIは、チャネル状態情報(CSI)、UEに付与されるアップリンク通信リソースのスケジューリング要求(SR)、および/または、ARQプロトコルの一部としてのハイブリッドARQ確認応答(HARQ-ACK)のような自動再送要求メッセージを含む。
〇例えば、UEがスロットn-1でPUCCH送信を備えて設定されているが、孤立リソースではない場合、UEは、孤立リソースでPUCCHを送信する。つまり、PUCCHリソースが変更される。
・別のPUSCH
〇孤立リソースは、別のPUSCH送信によって利用することができる。
例えば、別のPUSCHは、UEの送信バッファにおける送信のためのデータ量を示すバッファステータスレポート(BSR)、UEが送信および/または無線リソース管理(RRM)測定結果のために許可される最大電力に関して、UEがその送信電力をどれだけ増やすことができるかを示す電力ヘッドルーム(PHR)などの上位層情報を含むことができる。
・プリエンプション(先取)インジケータ
〇孤立リソースは、アップリンクPI (プリエンプション・インジケータ)を送信するために利用することができ、これは、ある1つのサービスのアップリンクデータの送信が、別の通信サービスからのデータの送信を先取りしていることを示す。
例えば、URLLC通信サービスの送信データは、eMBBのような別の通信サービスのデータよりも先取りして(優先して)送信されてもよい。
〇例えば、gNBからのアップリンク許可によってスケジュールされたアップリンクeMBB送信を、UE(自身)が先取り処理するときに、アップリンクPIが使用される。
・PRACH
〇孤立リソースは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)プリアンブルの送信に使用できる。
〇例えば、PRACHプリアンブルおよび前/次のPUSCHは、例えば2ステップRACHプロセスに従って、RACH手順の強化に適用可能である。
PRACHプリアンブルおよび前/次のPUSCHのチャネル構造は、msgA (メッセージA)と呼ばれてもよい。msgAのPUSCHには、Rel-15の現在の4ステップRACHのmsg3に相当する内容を含むことができる。
【0055】
(データの送信)
・OFDM シンボルのコピー
〇孤立リソースは、以前のPUSCHまたは次のPUSCHのシンボルの全体または一部によって利用可能である。
例えば、第2の送信インスタンス(トランスポート・ブロックまたは符号化データ・ユニット)の第1のシンボル(すなわちスロットn-1上のシンボル11)が、孤立リソースにコピーされる。
〇実際には、これはPUSCHの部分的な繰り返しである。
・より長い送信インスタンス
〇孤立リソースは、以前のPUSCHまたは次のPUSCHの一部として、つまり、同じ通信サービスまたは異なる通信のアップリンクデータを送信するために使用できる。
〇例えば、孤立リソースは、アップリンクデータのためのトランスポート・ブロックのPUSCH送信の3番目のシンボルであり、ここでは、通常、2つのOFMDシンボル上で送信されることが要求されるが、この例によれば、孤立リソースは、スロットn-1 360内のシンボル11から13のような3つのOFDMシンボルを使用して、このトランスポート・ブロックを送信することを可能にする。
〇この長いPUSCH伝送によれば、より低い符号化率を使用することができる。例えば、トランスポート・ブロックが3つのOFDMシンボル上で伝送可能である場合、より多くの通信リソースが利用可能であるので、より低い符号化率を使用することができる。
・DTX
〇孤立シンボルはDTXであり、つまり、何も送信されない。
・Downlink Symbol に変換
〇TDDシステムでは、スロット内のシンボルをアップリンクまたはダウンリンク送信に使用できる。したがって、孤立シンボルをダウンリンクシンボルに変換することができる。つまり、元々アップリンク・シンボルであった孤立シンボルは、ダウンリンクで使用するために変換される。
〇この変換されたダウンリンクシンボルは、PUSCHの繰り返しの早期終了を示すためにgNBによって使用できる。すなわち、孤立シンボルにおいて、UEは、PDCCHのような制御チャネルの受信または監視に切り替わり、gNBがすでにそれらの繰り返しを受信したので、UEがそのPUSCH送信を停止できるかどうかを示すDCIを検出する。
言い換えると、孤立シンボルが、gNBからの初期ACKを示すために使用される。
【0056】
図13に示す実施例の適応と考えられる別の例によれば、孤立リソースは、検出されたトランスポート・ブロックのアップリンク送信の開始にシフトされる。この例は、図13に対応する図14に示されているので、相違点についてのみ説明する。
図13の例と同様に、無線アクセス・インターフェースの通信リソースは、直交周波数分割多重化(OFDM)シンボルに対して設定される。
図14では、アップリンクデータを運ぶ検出されたトランスポート・ブロックは、2つのスロット360、362間の境界の前の第1の部分と、このスロット境界の後にシフトされる第2の部分902と、を含むと考えてよい。
上述したように、第1の部分は、1つ以上の繰り返し送信される符号化データ・ユニットを含み、第2の部分は、トランスポート・ブロックの1つ以上の符号化データ・ユニットを含み得る。
検出されたトランスポート・ブロックの送信は、時間分割されたユニット904の間の境界を避けるために、2つの時間分割されたユニットの後方に境界を越えたであろう第2の部分902の送信を遅延させるように適応されている。
そして、第2の部分902を遅らせた結果として、未使用のOFDMシンボル802が特定される。
図14bに表されるように、この実施形態では、OFDMシンボルの第1の部分は、次いで、1シンボル906だけ遅延され、また、孤立リソースは、アップリンク送信904の開始にシフトされる。
ここで、孤立シンボルは、PUSCH送信を1シンボル遅らせる効果を有するPUSCHの繰り返しの前に移動される。本来、PUSCHの繰り返しは、孤立シンボルをもたらした時刻t1から開始する。
したがって、孤立シンボルは、次に、PUSCH送信を1シンボルだけ効果的にシフトする前に移動され、すなわち、この結果、PUSCHは、代わりに、時刻t2から始まる。
このように、図14では、PUSCHがt1またはt2で開始し、PUSCHの繰り返しは時間t7で終了する。
図14の孤立シンボルは、前面にシフトされるが、他の位置(例えば、t1からt5の間)にシフトすることも可能であることが理解される。
【0057】
ここで理解されるように、図14の例は、図13に示すように先頭にシフトされる孤立リソースが追加の参照シンボル(DMRS)を送信するために使用されるという点のみ、図13の例と異なる。
【0058】
(孤立リソースを検出する方法)
上記の実施例に従って示されるように、UEは、スロット境界を越えて送信されたであろうトランスポート・ブロックの送信を遅延させることから生じる未使用の通信リソース(孤立リソース)を検出するように構成される。
UEは、以下の段落で説明するように、孤立リソースを暗黙的および/または明示的に検出することができる。
【0059】
一例では、gNBは、暗黙的および/または明示的に、UEへの孤立リソースを示すことができる。一実施形態では、gNBは、1つ以上の未使用の通信リソースの指示をUEによって受信するために送信することによって、孤立リソースを明示的に示すことができる。
この指示は、無線リソース(管理)制御(RRC)メッセージ、媒体アクセス制御(MAC)メッセージ、またはダウンリンク制御情報(DCI)のいずれかを使用して送信することができる。
【0060】
他の実施形態では、孤立したリソースの存在に加えて、gNBは、孤立したリソースを使用できるかどうかも示すことができる。
すなわち、gNBまたはより一般的に無線通信ネットワークは、未使用の(孤立した)通信リソースが他の信号の送信に使用されるべきか否かの指示を信号送信し、未使用の通信リソースが使用可能である場合には、UEは、上記の例のように、他の信号の送信に未使用のリソースを割り当てることができる。
そうでない場合、UEは未使用リソースで送信しない。この例は、許可フリーまたは許可ベースのリソースを使用してUEが設定されていて、その後、孤立リソースの使用状況をサブオプションとしてさらに設定できる場合に、使用できる。
ネットワーク事業者が別のUEの孤立リソースを使用したい場合、孤立リソースの使用は不可になる。
【0061】
他の実施形態では、無線通信ネットワーク(gNB)は、制御情報またはデータの指示を送信する。このデータは、未使用の通信リソース内の他の信号として送信されるべきものであり、即ち、孤立リソースがどのように利用されるべきか、例えば、上述のようにDMRS、SRSとして使用されるか、または単にDTXとして使用されるべきかの指示である。
【0062】
別の実施形態では、スロット内のPUSCH繰り返しの最後のトランスポート・ブロックまたは符号化データ・ユニットの後に残るシンボルの数が、1つのPUSCH送信機会のシンボルの数よりも少ない場合に、UEは、リソースを孤立リソースとして暗黙的に認識することができる。
図12に示す例では、リソースのシンボル数は1であり、1つのPUSCH送信インスタンスのシンボル数は2である。したがって、UEは、リソースを孤立リソースとして認識することができ、このリソースは、アップリンクPUSCH送信に利用可能な残りのシンボルである。
【0063】
別の実施形態では、スロット内の利用可能なOFDMシンボルは、時分割二重をサポートするように無線アクセス・インターフェースが構成されているスロットの構成に依存してもよい。
従って、この方法は、時間分割ユニットのOFDMシンボルのどれがアップリンク通信用に割り当てられており、どのOFDMシンボルがダウンリンク通信用に割り当てられているかを示す、時間分割ユニット用のフォーマット指示を受信することを含むことができる。
この例によれば、符号化されたトランスポート・ブロックの送信に利用可能なPUSCHのシンボルでは、スロット・フォーマットがTDDシステムのgNBから示される。
スロット・フォーマットには、ダウンリンクシンボル、アップリンク・シンボル、および、フレキシブル・シンボルが含まれる。この指示は、上位層信号、グループ共通PDCCHを介したDCI信号、および/またはUE固有PDCCHを介したDCI信号を使用して実行される。
【0064】
したがって、この例によれば、時間分割ユニット(スロット)の未使用通信リソースを暗黙的に決定することは、受信したフォーマット指示からアップリンク通信のために割り当てられたOFDMシンボルの数を識別することと、符号化されたトランスポート・ブロックの最後の符号化データ・ユニットが送信された後、割り当てられたアップリンクOFDMシンボルのままである時間分割ユニットにおいて、割り当てられたアップリンクOFDMシンボルの数を決定することと、符号化されたトランスポート・ブロックの符号化されたデータ・ユニットの次のユニットまたは次の符号化されたトランスポート・ブロックの符号化されたデータ・ユニットを送信するために必要なOFDMシンボルの数を決定することとを含む。
したがって、理解されるように、完全なPUSCH送信のためにスロットの最後に十分なシンボルがあってもよいが、これらのシンボルのいくつかは、ダウンリンクのために使用され、アップリンクPUSCH送信には使用できない。
例えば、1つのシンボルがアップリンク・シンボルとして示されている場合、そのシンボルは、有効なPUSCHシンボルとして想定される。シンボルがダウンリンク・シンボルとして示されている場合、そのシンボルは無効なPUSCHシンボルと見なされる。
シンボルがフレキシブル・シンボルとして示されている場合、そのシンボルは、他の信号またはプロシージャ(例えば、スケジューリングが、ULグラントまたは設定グラントのどちらであるか)に基づいて想定される。
【0065】
別の実施形態では、UEは、設定グラントPUSCHの帯域幅に基づいて、孤立リソースの周波数帯域幅を暗黙的に認識することができる。
【0066】
別の実施形態では、孤立リソース(すなわち、上記の説明によって利用されるリソース)を別のシンボルにシフトすることができる。
このシフトは、同じスロット内で制限できる。例えば、図12において、スロットn-1 360のシンボル13上で認識された孤立リソースは、前のPUSCH (すなわち、スロットn-1 360のシンボル11)または前の送信周期(すなわち、スロットn-1 360のシンボル9)の前のシンボルにシフトすることができる。
【0067】
(動作の概要)
図15は、いくつかの例示的な実施形態に従ってUEの動作を要約するフロー図を提供する。UEの動作を表すフロー図は、以下のとおりである。
【0068】
S1:UEは、無線通信ネットワークによって提供される無線アクセス・インターフェースの物理アップリンク共有チャネルのリソース上で送信するためのアップリンクデータを処理する。
アップリンクデータは、例えば、UEによってサポートされている通信サービスであるURLLCソースによって生成されてもよい。
アップリンク・データの送信のために、UEの送信器回路/制御器回路は、送信のためにアップリンク・データから1つ以上のトランスポート・ブロックを構成する。
上述したように、アップリンク・リソースは、アップリンクデータを送信するための無線アクセス・インターフェースの複数の時間分割ユニットの各々に通信リソースを含むために、アップリンク共有チャネル内に提供される。
アップリンク・リソースは、許可フリーで付与されるか、または、UEからの要求の後に付与されてもよい。例示的な実施形態で説明したように、時間分割ユニットは、無線アクセス・インターフェースのスロットであってもよく、各スロットは、多数のOFDMシンボル (図11および12の上記の例では14) から構成されてもよい。
【0069】
S2: UEは、アップリンク通信リソースから、アップリンクデータを送信するための一連の通信リソースを選択する。
この一連の通信リソースは、通信リソースが連続するように選択されてもよく、これにより、アップリンクデータを可能な限り迅速に送信することができる。
S3 : 次に、UEは、選択されたリソースをレビューするか、または、ステップS2の一部として、アップリンクデータを送信するために選択された一連の通信リソースが、1つ以上のトランスポート・ブロックを、2つのスロット(時間分割されたユニット)間の境界を越えて送信させるか否かを検出する。
【0070】
S4: 決定点S4において、UEが、トランスポート・ブロックの送信にスロット境界を越えさせる選択されたリソースを検出した場合、処理は、ステップS6に進み、そうでない場合、処理は、ステップS12に進み、アップリンクデータは、通常通り送信される。
S6: UEは、その後、選択された一連の通信リソース内のアップリンク・データを送信し、この送信は、スロット境界を越えたであろう検出されたトランスポート・ブロックの送信を、2つの時間分割されたユニットの後方に遅延させることを含む。
S8: オプションとして、アップリンクデータの送信の一部として、または、選択されたアップリンク・リソースのレビューの一部として、UEは、スロット境界を越えたであろう検出されたトランスポート・ブロックの送信を、2つのスロットの後方に遅延させた結果として、使用されず、したがって孤立するであろう一連の通信リソースのうちの1つ以上を識別してもよい。
【0071】
S10: 次に、識別された未使用の通信リソースは、シグナリング用の制御情報のような他の信号を送信するために割り当てられ、参照信号のようなアップリンクデータの通信を改善するために割り当てられ、または、ダウンリンク通信のような他の目的のために割り当てられる。
S12: アップリンクデータの送信により、UEは、許可フリーのリソース上でアップリンクデータを送信するために選択された一連の通信リソースの、識別された未使用または孤立した通信リソース上の他の信号の送信を含む。
【0072】
当業者は、本明細書で定義されるインフラストラクチャ機器および/または通信デバイスが、前の段落で議論された様々な構成および実施形態に従ってさらに定義されてもよいことをさらに理解する。
本明細書に定義され、説明されるインフラストラクチャ機器および通信デバイスは、本発明によって定義されるもの以外の通信システムの一部を構成してもよいことが、当業者にさらに理解される。
【0073】
以下の番号付きの段落は、本技術のさらなる例示的な態様および特徴を提供する。
(1)無線通信ネットワークにデータを送信するために通信デバイスを操作する方法であって、
選択された一連の通信リソースを使用する1つ以上のトランスポート・ブロックとしてアップリンクデータを送信する準備をするステップと、
前記アップリンクデータを送信するための、前記選択された一連の通信リソースにより、前記トランスポート・ブロックの1つが、2つの時間分割ユニット間の境界を越えて送信されることを検出するステップと、
前記選択された一連の通信リソースでアップリンクデータを送信するステップと
を含み、
前記選択された一連の通信リソースは、連続するように構成され、前記アップリンクデータを送信するための無線アクセス・インターフェースの複数の前記時間分割ユニットのそれぞれに通信リソースを提供し、
前記送信するステップには、検出されたトランスポート・ブロックの送信を適合させて、前記2つの時間分割ユニット間の境界を越えて送信することを回避することが含まれる
方法。
(2)(1)に記載の方法であって、
前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を適応させることは、
前記時間分割ユニット間の境界を回避するために、境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットのより遅い方に遅延させることと、
スロットの前記境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットの遅い方に遅延させた結果として、未使用の前記選択された一連の通信リソースの1つ以上を識別することと、
他の信号を送信するために識別された前記未使用の通信リソースを割り当て、アップリンク・リソースにおいて前記アップリンクデータを送信するための前記選択された一連の通信リソースのうちの、識別された前記未使用の通信リソース上で前記他の信号を送信することと
を含む
方法。
(3)(2)に記載の方法であって、
前記他の信号は、通常、アップリンク制御チャネルで送信されるアップリンク制御情報を送信するために使用される
方法。
(4)(3)に記載の方法であって、
前記アップリンク制御情報は、1つ以上のチャネル状態情報、アップリンク通信リソースのスケジューリング要求、または、自動再送要求メッセージを含む
方法。
(5)(2)に記載の方法であって、
前記他の信号は、通常、アップリンク共有チャネルで送信されるアップリンク制御情報を送信するために使用される
方法。
(6)(5)に記載の方法であって、
前記アップリンク制御情報は、バッファステータスレポート、電力ヘッドルーム、または、無線リソース管理(RRM)測定結果のうちの1つ以上を含む
方法。
(7)(3)に記載の方法であって、
前記他の信号は、プリエンプション・インジケータまたは物理ランダムアクセスチャネルプリアンブルのうちの1つを含むアップリンク制御情報を送信するために使用される
方法。
(8)(2)に記載の方法であって、
前記他の信号が、ダウンリンクデータを受信するために使用され、前記他の信号が前記無線通信ネットワークから送信され、前記無線アクセス・インターフェースが、時分割複信をサポートするように構成される
方法。
(9)(1)に記載の方法であって、
前記無線アクセス・インターフェースの通信リソースが、直交周波数分割多重方式、OFDMシンボル用に構成され、前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を適合させることは、
前記時間分割ユニット間の境界を回避するために、境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットのより遅い方に遅延させることと、
スロットの前記境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットの遅い方に遅延させた結果として、未使用のOFDMシンボルの1つ以上を識別することと、
前記識別された未使用の通信リソースの1以上の未使用のOFDMシンボルを使用して、前記アップリンクデータを送信するように前記アップリンクデータの送信を適合させることと
を含む
方法。
(10)(9)に記載の方法であって、
前記アップリンクデータの送信を適合させることは、前記1つ以上の未使用のOFDMシンボルによって提供されるリソースにおいて、前記検出されたトランスポート・ブロックまたは別のトランスポート・ブロックの1つ以上のOFDMシンボルを繰り返し送信することを含む
方法。
(11)(9)に記載の方法であって、
前記アップリンクデータを送信するステップは、前記検出されたトランスポート・ブロックの一部またはすべて、もしくは、前記未使用の通信リソースのOFDMシンボルを含むOFDMシンボルの別のトランスポート・ブロックの一部またはすべてを送信することを含む
方法。
(12)(2)から(11)のいずれか1つに記載の方法であって、
前記無線通信ネットワークから、前記未使用の通信リソースにおける前記他の信号として送信されるべき制御情報またはデータの指示を受信するステップをさらに含む
方法。
(13)(2)に記載の方法であって、
前記無線通信ネットワークから、前記未使用の通信リソースを前記他の信号の送信に使用する必要があるかどうか、および、前記未使用の通信リソースを使用できるかどうかに関する指示を受信するステップと、
前記他の信号を送信するために識別された前記未使用の通信リソースを割り当てるステップと、
前記アップリンクデータを送信するための前記選択された一連の通信リソースのうちの、識別された前記未使用の通信リソース上で前記他の信号を送信するステップか、または、
前記未使用の通信リソースにおいて前記他の信号を送信しないステップと
をさらに含む
方法。
(14)(2)から(12)のいずれか1つに記載の方法であって、
前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を遅延させた結果として、前記未使用の通信リソースの1つ以上を識別することは、前記無線通信ネットワークから前記未使用の通信リソースの1つ以上の指示を受信することを含む
方法。
(15)(13)に記載の方法であって、
前記指示は、無線リソース管理メッセージ、媒体アクセス制御メッセージのうちの1つを使用して、または、ダウンリンク制御情報として、前記無線通信ネットワークから受信される
方法。
(16)(2)から(11)のいずれか1つに記載の方法であって、
送信のために前記アップリンクデータを処理することは、
複数の送信期間のうちの1つにおいて送信するために前記アップリンクデータをアップリンク・トランスポート・ブロックに構成することと、
各アップリンク・トランスポート・ブロックを符号化トランスポート・ブロックに符号化することと、
前記符号化トランスポート・ブロックのそれぞれから、複数の符号化データ・ユニットを構成することと
を含み、
前記符号化データ・ユニットのそれぞれは、前記アップリンク・リソースの通信リソースにおける各送信期間を構成する複数の送信機会のそれぞれにおける繰り返し送信のために構成される
方法。
(17)(16)に記載の方法であって、
前記無線アクセス・インターフェースの通信リソースが、直交周波数分割多重方式、OFDMシンボル用に構成され、
前記未使用の通信リソースは、1つ以上のOFDMシンボルを含み、
前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を遅延させた結果として、前記未使用の通信リソースの1つ以上を識別することは、前記通信デバイスによって、符号化トランスポート・ブロックの最後の前記符号化データ・ユニットが送信された後に残る前記時間分割ユニットにおいて、複数のOFDMシンボルと、前記符号化トランスポート・ブロックの次の前記符号化データ・ユニット、または、次の符号化トランスポート・ブロックの符号化データ・ユニットを送信するために必要とされる複数のOFDMシンボルと、から暗黙的に決定することを含む
方法。
(18)(17)に記載の方法であって、
前記無線アクセス・インターフェースが、時分割複信をサポートするように構成され、
前記方法は、
前記時間分割ユニットのOFDMシンボルがアップリンク通信用に割り当てられており、かつ、OFDMシンボルがダウンリンク通信用に割り当てられているという指示を提供するフォーマット指示を受信するステップと、
前記符号化トランスポート・ブロックの前記最後の前記符号化データ・ユニットが送信された後に残る前記時間分割ユニットにおいて複数の割り当てられたアップリンクOFDMシンボルと、前記符号化トランスポート・ブロックの次の前記符号化データ・ユニット、または、次の符号化トランスポート・ブロックの前記符号化データ・ユニットを送信するために必要とされる複数のOFDMシンボルと、を決定するステップと
をさらに含み、
前記時間分割ユニットの前記未使用の通信リソースを暗黙的に決定することは、受信した前記フォーマット指示からアップリンク用に割り当てられている複数のOFDMシンボルを識別することを含む
方法。
(19)(2)から(18)のいずれか1つに記載の方法であって、
前記未使用の通信リソースの周波数帯域幅が、構成された前記アップリンク・リソースの帯域幅に基づいて決定される
方法。
(20)(1)に記載の方法であって、
前記無線アクセス・インターフェースの通信リソースが、直交周波数分割多重方式、OFDMシンボル用に構成され、前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を適合させることは、
前記時間分割ユニット間の境界を回避するために、境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの第2の部分の送信を、前記2つの時間分割ユニットのより遅い方に遅延させることと、
スロットの前記境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットの遅い方に遅延させた結果として、未使用のOFDMシンボルの1つ以上を識別することと、
前記識別された未使用の通信リソースの1つ以上の未使用のOFDMシンボルを使用して、前記アップリンクデータを送信するように、前記アップリンクデータの第1の部分の1つ以上のOFDMシンボルの送信を遅延させることと
を含む
方法。
(21)(20)に記載の方法であって、
前記1つ以上の未使用のOFDMシンボルを使用して、前記アップリンクデータの第1の部分の1つ以上のOFDMシンボルの送信を遅延させることは、前記第1の部分の前記遅延されるOFDMシンボルの送信の前にある、前記第1の部分の前記1つ以上の識別された未使用のOFDMシンボルをシフトさせることを含む
方法。
(22)(21)に記載の方法であって、
前記アップリンクデータは、OFDMシンボルおよび参照シンボルを有するデータを含み、
前記選択された一連の通信リソースで前記アップリンクデータを送信するステップは、
前記検出されたトランスポート・ブロックを構成する前記第1の部分の遅延されたOFDMシンボルを送信する前に、前記シフトされた1つ以上の識別された未使用のOFDMシンボルにおける参照シンボルを送信することを含む
方法。
(23)(1)から(22)のいずれか1つに記載の方法であって、
前記アップリンクデータを送信するための前記選択された一連の通信リソースが、論理的に連続している
方法。
(24)無線通信ネットワークでデータを通信するための通信デバイスであって、
前記無線通信ネットワークによって提供される無線アクセス・インターフェースを介して信号を送信するように構成された送信機回路と、
選択された一連の通信リソースを使用する1つ以上のトランスポート・ブロックとしてアップリンクデータを送信する準備をし、
前記アップリンクデータを送信するための、前記選択された一連の通信リソースにより、前記トランスポート・ブロックの1つが、2つの時間分割ユニット間の境界を越えて送信されることを検出し、
前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を適合させて、前記2つの時間分割ユニット間の境界を越えて送信することを回避することによって、前記選択された一連の通信リソースでアップリンクデータを送信し、
前記選択された一連の通信リソースは、連続するように構成され、前記アップリンクデータを送信するための前記無線アクセス・インターフェースの複数の前記時間分割ユニットのそれぞれに通信リソースを提供するように、
前記送信機回路で構成されたコントローラ回路と
を具備する
通信デバイス。
(25)(24)に記載の通信デバイスであって、
前記コントローラ回路は、
前記時間分割ユニット間の境界を回避するために、境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットのより遅い方に遅延させることと、
スロットの前記境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットの遅い方に遅延させた結果として、未使用の前記選択された一連の通信リソースの1つ以上を識別することと、
他の信号を送信するために識別された前記未使用の通信リソースを割り当て、アップリンク・リソースにおいて前記アップリンクデータを送信するための前記選択された一連の通信リソースのうちの、識別された前記未使用の通信リソース上で前記他の信号を送信することとによって、
前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を適応させるように前記送信機回路で構成されている
通信デバイス。
(26)無線通信ネットワークを介してデータを通信するための回路であって、
前記無線通信ネットワークによって提供される無線アクセス・インターフェースを介して信号を送信するように構成された送信機回路と、
選択された一連の通信リソースを使用する1つ以上のトランスポート・ブロックとしてアップリンクデータを送信する準備をし、
前記アップリンクデータを送信するための、前記選択された一連の通信リソースにより、前記トランスポート・ブロックの1つが、2つの時間分割ユニット間の境界を越えて送信されることを検出し、
前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を適合させて、前記2つの時間分割ユニット間の境界を越えて送信することを回避することによって、前記選択された一連の通信リソースでアップリンクデータを送信し、
前記選択された一連の通信リソースは、連続するように構成され、前記アップリンクデータを送信するための前記無線アクセス・インターフェースの複数の前記時間分割ユニットのそれぞれに通信リソースを提供するように、
前記送信機回路で構成されたコントローラ回路と
を具備する
回路。
(27)(26)に記載の回路であって、
前記コントローラ回路は、
前記時間分割ユニット間の境界を回避するために、境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットのより遅い方に遅延させることと、
スロットの前記境界を越えたであろう前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を、前記2つの時間分割ユニットの遅い方に遅延させた結果として、未使用の前記選択された一連の通信リソースの1つ以上を識別することと、
他の信号を送信するために識別された前記未使用の通信リソースを割り当て、アップリンク・リソースにおいて前記アップリンクデータを送信するための前記選択された一連の通信リソースのうちの、識別された前記未使用の通信リソース上で前記他の信号を送信することとによって、
前記検出されたトランスポート・ブロックの送信を適応させるように前記送信機回路で構成されている
回路。
【0074】
本開示の実施形態が、少なくとも部分的に、ソフトウェア制御データ処理装置によって実施されると説明されている限り、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなどのソフトウェアを運ぶ非一時的な機械可読媒体が、本開示の一実施形態を表すとさらに見なされることが理解されるであろう。
【0075】
明確にするための上記の説明は、異なる機能ユニット、回路、および/またはプロセッサを参照して実施形態を説明していることが理解される。しかしながら、本実施形態を損なうことなく、異なる機能ユニット、回路、および/またはプロセッサ間の機能の任意の適切な分散を使用できることは明らかである。
【0076】
本明細書で説明された実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、これらの任意の組み合わせを含む任意の適切な形態で実装され得る。
本明細書で説明された実施形態は、任意選択で、1つ以上のデータプロセッサおよび/またはデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実装され得る。
任意の実施形態の要素および構成要件は、任意の適切な方法で物理的、機能的および論理的に実装され得る。実際、機能は、単一のユニット、複数のユニット、または他の機能ユニットの一部として実装されてもよい。
したがって、本開示の実施形態は、単一のユニットに実装され得るか、または、異なるユニット、回路、および/またはプロセッサ間で物理的および機能的に分散され得る。
【0077】
本開示は、いくつかの実施形態に関連して説明されてきたが、本明細書に記載の特定の形態に限定されることを意図するものではない。さらに、特徴は、特定の実施形態に関連して説明されているように見えるかもしれないが、当業者は、説明された実施形態の様々な特徴を、本技術を実施するのに適した任意の方法で組み合わせることができることを認識するであろう。
【0078】
(付録1)
(LTE無線アクセス・インターフェース)
本技術の実施形態は、特定の無線通信規格に限定されるものではないが、ARQタイプのプロトコルの一部としてフィードバックの何らかの指示が提供されるユニット、トランスポート・ブロックまたはパケットでデータを通信するように送信機およびレシーバが構成されているモバイル通信システムとの一般的なアプリケーションを発見する。
しかしながら、以下の実施例は、3 GPP定義のLTEアーキテクチャを参照して説明される。
LTEに精通した者は、LTE規格に従って構成された無線アクセス・インターフェースが、無線ダウンリンク(いわゆるOFDMA)のための直交周波数分割変調(OFDM)ベースの無線アクセス・インターフェースと、無線アップリンク上の単一キャリア周波数分割多元接続方式(SC-FDMA)を使用することを理解するであろう。
LTE規格に従った無線アクセス・インターフェースのダウンリンクおよびアップリンクを図16および図17に示す。
【0079】
図16は、通信システムがLTE規格に従って作動しているとき、図1のeNBによって、またはeNBと関連して提供され得る無線アクセス・インターフェースのダウンリンクの構造の簡略化された概略図を提供する。
LTEシステムでは、eNBからUEへのダウンリンクの無線アクセス・インターフェースは、直交周波数分割多重(OFDM)アクセス無線インターフェースに基づいている。
OFDMインターフェースでは、利用可能な帯域幅のリソースは、複数の直交サブキャリアに周波数分割され、データは複数の直交サブキャリア上で同時に送信される。ここで、1.4MHZと20MHzの帯域幅の間の帯域幅は、直交サブキャリアに分割されてもよい。
これらのサブキャリアのすべてが、データの送信に使用されるわけではなく(一部は、例えば、受信機でチャネル推定に使用される参照情報を運ぶために使用される)、帯域幅のエッジの一部はまったく使用されない。
LTEについては、サブ・キャリアの数は、72サブキャリヤ(1.4MHz)と1200サブキャリヤ(20MHz)の間で異なるが、NRまたは5Gのような他の無線アクセス・インターフェースについては、サブキャリアの数と帯域幅とが異なってもよいことが理解されるであろう。
いくつかの例では、サブキャリアは2n、例えば128~2048に基づいてグループ化され、これにより、送信機と受信機の両方が、逆および順方向高速フーリエ変換を使用して、サブキャリアを周波数ドメインから時間領域に、また、時間領域から周波数ドメインにそれぞれ変換することができる。
各サブキャリア帯域幅は、任意の値をとることができるが、LTEでは15kHzに固定される。
【0080】
図16に示すように、無線アクセス・インターフェースのリソースは、フレーム1200が10ms持続し、継続期間が1msのそれぞれ10個のサブフレーム1201にサブ分割される、フレームにさらに時間的に分割される。
各サブフレーム1201は、14個のOFDMシンボルから構成され、2つのスロット1220、1222に分割され、各スロットは、シンボル間干渉の低減のためにOFDMシンボル内で通常のサイクリックプレフィックスが利用されているか、拡張サイクリックプレフィックスが利用されているかに応じて、6個または7個のOFDMシンボルを含む。
スロット内のリソースは、1つのスロットの間、それぞれが12のサブキャリアを含むリソースブロック1203に分割されてもよく、このリソースブロックは、さらに、1つのOFDMシンボルに対して1つのサブキャリアにまたがるリソース要素1204に分割され、ここで、各矩形1204は、リソース要素を表す。
サブフレーム内に時間的に分散されたリソース要素およびホストシステム帯域幅全体の周波数は、ホストシステムの通信リソースを表す。
【0081】
図14に示されているLTE無線アクセス・インターフェースのダウンリンクの簡略化された構造には、各サブフレーム1201の図も含まれており、このフレームは、制御データの送信のための制御領域1205、ユーザデータの送信のためのデータ領域1206、所定のパターンに従って制御およびデータ領域に散在する参照信号207を含んでいる。
制御領域1205は、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)、物理制御フォーマットインジケータチャネル(PCFICH)および物理HARQインジケータチャネル(PHICH)など、制御データの送信用の多数の物理チャネルを含んでもよい。
データ領域には、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、拡張物理ダウンリンク制御チャネル(ePDCCH)、および、物理ブロードキャストチャネル(PBCH)など、データまたは制御の送信用の物理チャネルが多数含まれていてもよい。
これらの物理チャネルは、LTEシステムに対して幅広い機能を提供するが、リソース割り当ておよび本開示に関しては、PDCCHおよびPDSCHが最も関連性がある。LTEシステムの物理チャネルの構造と機能に関する詳細は、非特許文献1に記載されている。
【0082】
PDSCH内のリソースは、eNodeBによって提供されるUEにeNodeBによって割り当てられてもよい。例えば、PDSCHの多数のリソースブロックは、以前に要求されたデータ、または、無線リソース制御(RRC)シグナリングのようなeNodeBによってプッシュされているデータを受信するために、UEに割り当てられてもよい。
図14において、UE1は、データ領域1206のリソース1208、UE2リソース1209およびUE3リソース1210を割り当てられている。
LTEシステムにおけるUEは、PDSCHのために利用可能なリソースの一部を割り当てられてもよく、したがって、UEは、PDSCH内の関連データのみが検出され推定されるように、PDCSH内のそれらの割り当てられたリソースの位置を知らされる必要がある。
それらの割り当てられた通信リソース要素の位置をUEに知らせるために、ダウンリンク・リソース割当を指定するリソース制御情報は、同じサブフレーム内の先行するPDCCHインスタンスにおいて通信される、ダウンリンク制御情報(DCI)と呼ばれる形式でPDCCHを越えて伝達される。
【0083】
図17は、図1のeNodeBによって、またはそれに関連して提供され得るLTE無線アクセス・インターフェースのアップリンクの構造の簡略化された概略図を提供する。
LTEネットワークでは、アップリンク無線アクセス・インターフェースは、単一キャリア周波数分割多重FDM (SC-FDM)インターフェースに基づいており、ダウンリンクおよびアップリンク無線アクセス・インターフェースは、周波数分割二重化(FDD)または時分割複信(TDD)によって提供されてもよく、ここでTDD実装では、サブフレームは、事前定義されたパターンに従ってアップリンクおよびダウンリンクのサブフレームを切り替える。
しかしながら、使用される二重化の構成にかかわらず、共通のアップリンク・フレーム構造が利用される。図5の単純化された構造は、FDD実装におけるアップリンク・フレームを図示する。
フレーム300は、1ms継続期間の10個のサブフレーム301に分割され、ここで、各サブフレーム301は0.5ms継続期間の2つのスロット302を含む。
次いで、各スロット302は、7個のOFDMシンボル303から形成され、そこでは、ダウンリンク・サブフレームにおけるものと同等の方法で、サイクリックプレフィックス304が各シンボル間に挿入される。
【0084】
図17に示すように、各LTEアップリンク・サブフレームは、複数の別のチャネル、例えば、物理アップリンク通信チャネル(PUSCH)305、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)306、および物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を含んでもよい。
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)は、例えば、ダウンリンク送信のためのACK/NACK、スケジュールされたアップリンク・リソースを望むUE用のスケジューリング要求インジケータ(SRI)、および、ダウンリンクチャネル状態情報(CSI)のフィードバックなどの制御情報を、eNodeBに運んでもよい。
PUSCHは、UEアップリンクデータまたは一部のアップリンク制御データを運んでもよい。PUSCHのリソースは、PDCCHを介して付与され、このような付与は、典型的には、UEにおいてバッファ内で送信可能なデータ量をネットワークに通信することによってトリガされる。
PRACHは、システム情報ブロックのようなダウンリンク信号においてUEに信号送信され得る複数のPRACHパターンのうちの1つに従って、アップリンク・フレームのいずれかのリソースでスケジュールされ得る。
物理アップリンクチャネルと同様に、アップリンク・サブフレームにも参照信号が含まれてよい。
例えば、復調用参照信号(DMRS)307およびサウンディング参照信号(SRS)308は、アップリンク・サブフレーム内に存在してもよく、ここで、DMRSは、PUSCHが送信され、PUCCHおよびPUSCHデータの復号化に使用されるスロットの第4シンボルを占有し、ここで、SRSは、eNodeBにおけるアップリンクチャネル推定に使用される。
ePDCCHチャネルは、PDCCHと同様の制御情報(DCI)を運ぶが、PDCCHの物理的態様は、本明細書の他の場所で論じられるように、ePDCCHのものとは異なる。
LTEシステムの物理チャネルの構造および機能に関する詳細は、非特許文献1に記載されている。
【0085】
PDSCHのリソースと同様の方法で、PUSCHのリソースは、サービスを提供するeNodeBによってスケジュールまたは付与されることが要求され、したがって、データがUEによって送信される場合、PUSCHのリソースは、eNodeBによってUEに付与されることが要求される。
UEにおいて、PUSCHリソース割り当ては、スケジューリング要求またはそのサービスを提供するeNodeBへのバッファステータスレポートの送信によって達成される。
スケジューリング要求は、UEがバッファ状態報告を送信するためのアップリンク・リソースが不十分な場合、UEに対する既存のPUSCH割り当てがない場合にはPUCCH上のアップリンク制御情報(UCI)の送信を介して、または、UEに対する既存のPUSCH割り当てがある場合にはPUSCH上で直接送信することによって行われ得る。
スケジューリング要求に応答して、eNodeBは、バッファステータスレポートを転送するのに十分な要求UEにPUSCHリソースの一部を割り当て、その後、PDCCH内のDCIを介してバッファステータスレポートのリソース割り当てをUEに通知するように構成される。
一旦、または、UEがバッファステータスレポートを送信するのに十分なPUSCHリソースを有する場合、バッファステータスレポートは、eNodeBに送られ、UEにおけるアップリンクバッファまたはバッファのデータ量に関するeNodeB情報を与える。
バッファステータスレポートを受信した後、eNodeBは、バッファされたアップリンクデータの一部を送信するためにPUSCHリソースの一部を送信UEに割り当て、PDCCHにおけるDCIを介してリソース割り当てをUEに通知することができる。
例えば、UEがeNodeBと接続していると仮定すると、UEはまずUCIの形式でPUCCHにおいてPUSCHリソース要求を送信する。
次に、UEは、適切なDCIについてPDCCHを監視し、PUSCHリソース割り当ての詳細を抽出し、バッファステータスレポートを最初に含み、かつ/または後に、割り当てられたリソース内のバッファデータの一部を含むアップリンクデータを送信する。
【0086】
ダウンリンク・サブフレームと同様の構造であるが、アップリンク・サブフレームは、ダウンリンク・サブフレームに対して異なる制御構造を有しており、特に、アップリンク・サブフレームの上位309および下位310サブキャリア/周波数/リソースブロックは、ダウンリンク・サブフレームの初期シンボルではなく、制御信号のために予約されている。
さらに、ダウンリンクおよびアップリンクのためのリソース割り当て手順は、比較的類似しているが、割り当てされ得るリソースの実際の構造は、それぞれダウンリンクおよびアップリンクで使用されるOFDMおよびSC‐FDMインターフェースの異なる特性のために異なってもよい。
OFDMでは、各サブキャリアは個々に変調され、従って、周波数/サブキャリア割り当てが連続している必要はないが、SC‐FDMサブキャリアでは、組み合わせて変調され、従って、利用可能なリソースの効率的な使用がなされるならば、各UEに対する連続した周波数割り当てが好ましいであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17