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特許7388458記録材判別装置および記録材判別装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】記録材判別装置および記録材判別装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20231121BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20231121BHJP
   G01N 21/59 20060101ALI20231121BHJP
   G01N 29/11 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G03G21/00 384
G03G21/00 510
B65H7/02
G01N21/59 Z
G01N29/11
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2022001569
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2017222185の分割
【原出願日】2017-11-17
(65)【公開番号】P2022058538
(43)【公開日】2022-04-12
【審査請求日】2022-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110788
【弁理士】
【氏名又は名称】椿 豊
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼津 宏明
(72)【発明者】
【氏名】辻本 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】玉田 武司
(72)【発明者】
【氏名】許天華
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-095486(JP,A)
【文献】特開2016-110069(JP,A)
【文献】特開2006-110952(JP,A)
【文献】特開2003-280452(JP,A)
【文献】特開2006-292951(JP,A)
【文献】特開2015-160737(JP,A)
【文献】特開平11-327412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/00-29/70
B65H 7/00- 7/20
B65H 43/00-43/08
G01N 29/00-29/52
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の記録材を収容するカセットと、
前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、
給紙された各記録材が所定の同じ位置に位置した状態において、前記記録材に対して複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーと、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を前記1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した前記複数の物性値に基づいて前記画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御部と、
前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して前記1つまたは複数のセンサーによって検出された前記複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて前記画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御部と、を有することを特徴とする記録材判別装置。
【請求項2】
前記1つまたは複数のセンサーは1つであり、1つの前記センサーによって、給紙された記録材の複数の互いに異なる物性値を検出する、請求項1に記載の記録材判別装置。
【請求項3】
前記1つのセンサーは、給紙された記録材の透過率および坪量を検出する、請求項2に記載の記録材判別装置。
【請求項4】
前記1つまたは複数のセンサーは複数であり、複数の前記センサーの各々は、給紙された記録材の複数の互いに異なる物性値の各々を検出する、請求項1に記載の記録材判別装置。
【請求項5】
前記複数のセンサーは、光学センサーと、超音波センサーとを含む、請求項4に記載の記録材判別装置。
【請求項6】
前記複数のセンサーは、紙厚センサーをさらに含む、請求項5に記載の記録材判別装置。
【請求項7】
前記1つまたは複数のセンサーは複数である、請求項1に記載の記録材判別装置。
【請求項8】
複数の前記センサーの各々は、互いに異なる方式で前記記録材を検知する、請求項7に記載の記録材判別装置。
【請求項9】
複数の記録材を収容するカセットと、
前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、
給紙された各記録材が所定の同じ位置に位置した状態において、給紙された記録材に対して複数の物性値を検出可能な検出部と、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関してM個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御部と、を有することを特徴とする記録材判別装置。
【請求項10】
前記検出部は1つのセンサーであり、給紙された記録材に対する複数の互いに異なる物性値を検出する、請求項9に記載の記録材判別装置。
【請求項11】
前記検出部は、給紙された記録材の透過率および坪量を検出する、請求項9または10に記載の記録材判別装置。
【請求項12】
前記検出部は複数であり、複数の前記検出部の各々は、給紙された記録材の複数の互いに異なる物性値の各々を検出する、請求項9に記載の記録材判別装置。
【請求項13】
前記複数の検出部は、光学センサーと、超音波センサーとを含む、請求項12に記載の記録材判別装置。
【請求項14】
前記複数の検出部は、紙厚センサーをさらに含む、請求項13に記載の記録材判別装置。
【請求項15】
前記検出部は複数のセンサーである、請求項9に記載の記録材判別装置。
【請求項16】
前記複数のセンサーの各々は、互いに異なる方式で前記記録材を検知する、請求項15に記載の記録材判別装置。
【請求項17】
前記最初の記録材に関する物性値である第1の物性値に基づいて、前記最初の記録材に対する印刷条件を決定する、請求項1~16のいずれかに記載の記録材判別装置。
【請求項18】
前記2番目以降の記録材に関する物性値である第2の物性値に基づいて、前記2番目以降の記録材のうちいずれかの記録材に対する印刷条件を決定する、請求項17に記載の記録材判別装置。
【請求項19】
前記最初の記録材と前記2番目以降の記録材とは、同じジョブに基づいて搬送される、請求項18に記載の記録材判別装置。
【請求項20】
前記最初の記録材は、記録材が積載されるトレイの開閉後に給紙される最初の記録材、またはジョブの最初の記録材である、請求項1~19のいずれかに記載の記録材判別装置。
【請求項21】
前記画像形成部は、画像を記録材に定着させる定着部を含む、請求項1~20のいずれかに記載の記録材判別装置。
【請求項22】
記録材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段にて搬送した記録材に対して印字を行う印字手段をさらに備え、
前記搬送手段は、前記印字手段による印字のタイミングに合わせて、前記印字手段による印字位置に記録材を搬送するレジストローラーを含み、
物性値の検出位置は、前記記録材の搬送経路に沿った前記レジストローラーよりも上流側である、請求項1~21のいずれかに記載の記録材判別装置。
【請求項23】
前記搬送手段にて複数の記録材を1枚ずつ搬送する場合に、前記搬送手段にて搬送される最初の記録材の種類を、複数のセンサーの出力に基づいて判別する第1の判別手段と、
前記第1の判別手段による前記最初の記録材の種類の判別結果に基づいて、前記搬送手段にて搬送される2番目以降の記録材の種類を判別する際に優先的に使用するセンサーを、前記複数のセンサーの中から選択する選択手段と、
前記選択手段にて選択したセンサーの出力に基づいて判別した前記2番目以降の記録材の種類と、前記第1の判別手段にて判別した前記最初の記録材の種類との同一性を判別する同一性判別手段と、
前記選択手段にて選択したセンサーの出力に基づいて判別した前記2番目以降の記録材の種類と、前記第1の判別手段にて判別した前記最初の記録材の種類とが異なると前記同一性判別手段にて判別した場合に、前記2番目以降の記録材の種類を、前記複数のセンサーの出力に基づいて判別する第2の判別手段とをさらに備えた、請求項22に記載の記録材判別装置。
【請求項24】
前記搬送手段は、前記選択手段にて選択したセンサーの出力に基づいて判別した前記2番目以降の記録材の種類と、前記第1の判別手段にて判別した前記最初の記録材の種類とが異なると前記同一性判別手段にて判別した場合に、前記2番目以降の記録材の種類を前記第2の判別手段にて判別するまで、前記2番目以降の記録材の搬送速度を低下させる、請求項23に記載の記録材判別装置。
【請求項25】
前記印字手段は、前記選択手段にて選択したセンサーの出力に基づいて判別した前記2番目以降の記録材の種類と、前記第1の判別手段にて判別した前記最初の記録材の種類とが異なると前記同一性判別手段にて判別した場合に、前記2番目以降の記録材の種類を前記第2の判別手段にて判別するまで、前記2番目以降の記録材に対する印字を開始しない、請求項23または24に記載の記録材判別装置。
【請求項26】
複数の記録材を収容するカセットと、
前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、
給紙された記録材に対する複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーと、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を前記1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した前記複数の物性値に基づいて前記画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御部と、
前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して前記1つまたは複数のセンサーによって検出された前記複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御部と、を有し、
前記1つまたは複数のセンサーは1つであり、1つの前記センサーによって、給紙された記録材の複数の互いに異なる物性値を検出し、
前記1つのセンサーは、給紙された記録材の透過率および坪量を検出する、記録材判別装置。
【請求項27】
複数の記録材を収容するカセットと、
前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、
給紙された記録材に対してL個の物性値を検出可能な検出部と、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関してM(≦L)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御部と、を有し、
前記検出部は、給紙された記録材の透過率および坪量を検出する、記録材判別装置。
【請求項28】
複数の記録材を収容するカセットと、
前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、
給紙された記録材に対する複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーと、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を前記1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した前記複数の物性値に基づいて前記画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御部と、
前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して前記1つまたは複数のセンサーによって検出された前記複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御部と、を有し、
記録材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段にて搬送した記録材に対して印字を行う印字手段をさらに備え、
前記搬送手段は、前記印字手段による印字のタイミングに合わせて、前記印字手段による印字位置に記録材を搬送するレジストローラーを含み、
物性値の検出位置は、前記記録材の搬送経路に沿った前記レジストローラーよりも上流側である、記録材判別装置。
【請求項29】
複数の記録材を収容するカセットと、
前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、
給紙された記録材に対してL個の物性値を検出可能な検出部と、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関してM(≦L)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御部と、を有し、
記録材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段にて搬送した記録材に対して印字を行う印字手段をさらに備え、
前記搬送手段は、前記印字手段による印字のタイミングに合わせて、前記印字手段による印字位置に記録材を搬送するレジストローラーを含み、
物性値の検出位置は、前記記録材の搬送経路に沿った前記レジストローラーよりも上流側である、記録材判別装置。
【請求項30】
複数の記録材を収容するカセットと、前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された各記録材が所定の同じ位置に位置した状態において、前記記録材に対して複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーとを備えた記録材判別装置の制御方法であって、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を前記1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した前記複数の物性値に基づいて前記画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御ステップと、
前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して前記1つまたは複数のセンサーによって検出された前記複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御ステップと、を有することを特徴とする記録材判別装置の制御方法。
【請求項31】
複数の記録材を収容するカセットと、前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された各記録材が所定の同じ位置に位置した状態において、給紙された記録材に対して複数の物性値を検出可能な検出部とを備えた記録材判別装置の制御方法であって、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関してM個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御ステップ、を有することを特徴とする記録材判別装置の制御方法。
【請求項32】
複数の記録材を収容するカセットと、前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対する複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーとを備えた記録材判別装置の制御方法であって、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を前記1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した前記複数の物性値に基づいて前記画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御ステップと、
前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して前記1つまたは複数のセンサーによって検出された前記複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御ステップと、を有し、
前記1つまたは複数のセンサーは1つであり、1つの前記センサーによって、給紙された記録材の複数の互いに異なる物性値を検出し、
前記1つのセンサーは、給紙された記録材の透過率および坪量を検出することを特徴とする記録材判別装置の制御方法。
【請求項33】
複数の記録材を収容するカセットと、前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対してL個の物性値を検出可能な検出部とを備えた記録材判別装置の制御方法であって、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関してM(≦L)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御ステップ、を有し、
前記検出部は、給紙された記録材の透過率および坪量を検出することを特徴とする記録材判別装置の制御方法。
【請求項34】
複数の記録材を収容するカセットと、前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対する複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーとを備えた記録材判別装置の制御方法であって、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を前記1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した前記複数の物性値に基づいて前記画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御ステップと、
前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して前記1つまたは複数のセンサーによって検出された前記複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御ステップと、を有し、
前記記録材判別装置は、記録材を搬送する搬送手段と、前記搬送手段にて搬送した記録材に対して印字を行う印字手段をさらに備え、前記搬送手段は、前記印字手段による印字のタイミングに合わせて、前記印字手段による印字位置に記録材を搬送するレジストローラーを含み、
物性値の検出位置は、前記記録材の搬送経路に沿った前記レジストローラーよりも上流側であることを特徴とする記録材判別装置の制御方法。
【請求項35】
複数の記録材を収容するカセットと、前記カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対してL個の物性値を検出可能な検出部とを備えた記録材判別装置の制御方法であって、
前記カセットから給紙された最初の記録材に関してM(≦L)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、前記最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御ステップ、を有し、
前記記録材判別装置は、記録材を搬送する搬送手段と、前記搬送手段にて搬送した記録材に対して印字を行う印字手段をさらに備え、前記搬送手段は、前記印字手段による印字のタイミングに合わせて、前記印字手段による印字位置に記録材を搬送するレジストローラーを含み、
物性値の検出位置は、前記記録材の搬送経路に沿った前記レジストローラーよりも上流側であることを特徴とする記録材判別装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材判別装置および記録材判別装置の制御方法に関する。より特定的には
、本発明は、記録材の種類を判別する記録材判別装置および記録材判別装置の制御方法に
関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真式の画像形成装置には、スキャナー機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリ
ンターとしての機能、データ通信機能、およびサーバー機能を備えたMFP(Multi
Function Peripheral)、ファクシミリ装置、複写機、プリンター
などがある。
【0003】
従来の画像形成装置では、ユーザーは、画像形成装置のカセットに記録材を補給した際
に、操作パネルやPC(Personal Computer)などを通じて記録材の坪
量などに基づいた記録材の種類を設定する必要があった。画像形成装置は、設定された記
録材の種類に最適な搬送速度や定着温度を選択することにより、高品位な画像を形成して
いた。しかし、記録材の種類の設定方法の難しさや煩わしさに起因して、記録材の種類が
正確に設定されないことがあり、用紙詰まりや形成される画像の劣化などを招いていた。
【0004】
そこで、印刷対象となる記録材の物性を自動的に検知し、それを基に記録材の種類を判
別することによって、記録材の種類を設定するユーザーの負担を軽減する記録材判別装置
(メディアセンサー)が、下記特許文献1などにおいて提案されている。
【0005】
下記特許文献1には、1枚目の記録材についてはその種類を判別し、判別した記録材の
種類に応じた画像形成条件で画像形成を行い、2枚目以降の記録材についてはその種類を
判別せずに画像形成を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第7783211号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、画像形成装置において使用される記録材の種類は多岐にわたる。特に裏紙やラベ
ル紙については、従来のメディアセンサーを用いてその種類を検知することができない。
記録材の種類の判別精度を向上するために、画像形成装置は、それぞれの種類の記録材の
検知に適した複数のセンサーであって、互いに異なる方式で記録材の物性を検知する複数
のセンサーを搭載する必要がある。そして画像形成装置は、記録材を通紙する度に、複数
のセンサーを動作させたり、複数のセンサーの中から記録材の種類の判別の際に優先的に
用いるセンサーを決定する処理を行ったりする必要がある。このため、記録材を通紙する
度に複数のセンサーを動作させることによるセンサーの寿命が低下するという問題や、記
録材の種類の判別に時間を要するという問題があった。
【0008】
ここで、特許文献1の技術によれば、2枚目以降の記録材についてはその種類を判別せ
ずに画像形成を行うことで、センサーの寿命低下を抑止することができ、記録材の種類の
判別の時間を短縮することができる。しかし、特許文献1の技術では、2枚目以降の記録
材の種類の判別を行わないため、2枚目以降の記録材の種類が1枚目の記録材の種類と異
なる場合、記録材の種類の判別精度の低下を招いていた。その結果、2枚目以降の記録材
を最適な印字条件でプリントすることができず、画質が劣化するという問題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、記録材の種類の判別精
度の低下を抑止しつつ、センサーの寿命低下を抑止することのできる記録材判別装置およ
び記録材判別装置の制御方法を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、記録材の種類の判別精度の低下を抑止しつつ、記録材の種類の判
別に要する時間を短縮することのできる記録材判別装置および記録材判別装置の制御方法
を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一の局面に従う記録材判別装置は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された各記録材が所定の同じ位置に位置した状態において、記録材に対して複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーと、カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した複数の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御部と、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して1つまたは複数のセンサーによって検出された複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御部と、を有することを特徴とする。
上記記録材判別装置において好ましくは、1つまたは複数のセンサーは1つであり、1つのセンサーによって、給紙された記録材の複数の互いに異なる物性値を検出する。
上記記録材判別装置において好ましくは、1つのセンサーは、給紙された記録材の透過率および坪量を検出する。
上記記録材判別装置において好ましくは、1つまたは複数のセンサーは複数であり、複数のセンサーの各々は、給紙された記録材の複数の互いに異なる物性値の各々を検出する。
上記記録材判別装置において好ましくは、複数のセンサーは、光学センサーと、超音波センサーとを含む。
上記記録材判別装置において好ましくは、複数のセンサーは、紙厚センサーをさらに含む。
上記記録材判別装置において好ましくは、1つまたは複数のセンサーは複数である。
上記記録材判別装置において好ましくは、複数のセンサーの各々は、互いに異なる方式で記録材を検知する。
本発明の他の局面に従う記録材判別装置は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された各記録材が所定の同じ位置に位置した状態において、給紙された記録材に対して複数の物性値を検出可能な検出部と、カセットから給紙された最初の記録材に関してM個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御部と、を有することを特徴とする。
上記記録材判別装置において好ましくは、検出部は1つのセンサーであり、給紙された記録材に対する複数の互いに異なる物性値を検出する。
上記記録材判別装置において好ましくは、検出部は、給紙された記録材の透過率および坪量を検出する。
上記記録材判別装置において好ましくは、検出部は複数であり、複数の検出部の各々は、給紙された記録材の複数の互いに異なる物性値の各々を検出する。
上記記録材判別装置において好ましくは、複数の検出部は、光学センサーと、超音波センサーとを含む。
上記記録材判別装置において好ましくは、複数の検出部は、紙厚センサーをさらに含む。
上記記録材判別装置において好ましくは、検出部は複数のセンサーである。
上記記録材判別装置において好ましくは、複数のセンサーの各々は、互いに異なる方式で記録材を検知する。
上記記録材判別装置において好ましくは、最初の記録材に関する物性値である第1の物性値に基づいて、最初の記録材に対する印刷条件を決定する。
上記記録材判別装置において好ましくは、2番目以降の記録材に関する物性値である第2の物性値に基づいて、2番目以降の記録材のうちいずれかの記録材に対する印刷条件を決定する。
上記記録材判別装置において好ましくは、最初の記録材と2番目以降の記録材とは、同じジョブに基づいて搬送される。
上記記録材判別装置において好ましくは、最初の記録材は、記録材が積載されるトレイの開閉後に給紙される最初の記録材、またはジョブの最初の記録材である。
上記記録材判別装置において好ましくは、画像形成部は、画像を記録材に定着させる定着部を含む。
上記記録材判別装置において好ましくは、記録材を搬送する搬送手段と、搬送手段にて搬送した記録材に対して印字を行う印字手段をさらに備え、搬送手段は、印字手段による印字のタイミングに合わせて、印字手段による印字位置に記録材を搬送するレジストローラーを含み、物性値の検出位置は、記録材の搬送経路に沿ったレジストローラーよりも上流側である。
上記記録材判別装置において好ましくは、搬送手段にて複数の記録材を1枚ずつ搬送する場合に、搬送手段にて搬送される最初の記録材の種類を、複数のセンサーの出力に基づいて判別する第1の判別手段と、第1の判別手段による最初の記録材の種類の判別結果に基づいて、搬送手段にて搬送される2番目以降の記録材の種類を判別する際に優先的に使用するセンサーを、複数のセンサーの中から選択する選択手段と、選択手段にて選択したセンサーの出力に基づいて判別した2番目以降の記録材の種類と、第1の判別手段にて判別した最初の記録材の種類との同一性を判別する同一性判別手段と、選択手段にて選択したセンサーの出力に基づいて判別した2番目以降の記録材の種類と、第1の判別手段にて判別した最初の記録材の種類とが異なると同一性判別手段にて判別した場合に、2番目以降の記録材の種類を、複数のセンサーの出力に基づいて判別する第2の判別手段とをさらに備える。
上記記録材判別装置において好ましくは、搬送手段は、選択手段にて選択したセンサーの出力に基づいて判別した2番目以降の記録材の種類と、第1の判別手段にて判別した最初の記録材の種類とが異なると同一性判別手段にて判別した場合に、2番目以降の記録材の種類を第2の判別手段にて判別するまで、2番目以降の記録材の搬送速度を低下させる。
上記記録材判別装置において好ましくは、印字手段は、選択手段にて選択したセンサーの出力に基づいて判別した2番目以降の記録材の種類と、第1の判別手段にて判別した最初の記録材の種類とが異なると同一性判別手段にて判別した場合に、2番目以降の記録材の種類を第2の判別手段にて判別するまで、2番目以降の記録材に対する印字を開始しない。
本発明のさらに他の局面に従う記録材判別装置は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対する複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーと、カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した複数の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御部と、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して1つまたは複数のセンサーによって検出された複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御部と、を有し、1つまたは複数のセンサーは1つであり、1つのセンサーによって、給紙された記録材の複数の互いに異なる物性値を検出し、1つのセンサーは、給紙された記録材の透過率および坪量を検出する。
本発明のさらに他の局面に従う記録材判別装置は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対してL個の物性値を検出可能な検出部と、カセットから給紙された最初の記録材に関してM(≦L)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御部と、を有し、検出部は、給紙された記録材の透過率および坪量を検出する。
本発明のさらに他の局面に従う記録材判別装置は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対する複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーと、カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した複数の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御部と、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して1つまたは複数のセンサーによって検出された複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御部と、を有し、記録材を搬送する搬送手段と、搬送手段にて搬送した記録材に対して印字を行う印字手段をさらに備え、搬送手段は、印字手段による印字のタイミングに合わせて、印字手段による印字位置に記録材を搬送するレジストローラーを含み、物性値の検出位置は、記録材の搬送経路に沿ったレジストローラーよりも上流側である。
本発明のさらに他の局面に従う記録材判別装置は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対してL個の物性値を検出可能な検出部と、カセットから給紙された最初の記録材に関してM(≦L)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御部と、を有し、記録材を搬送する搬送手段と、搬送手段にて搬送した記録材に対して印字を行う印字手段をさらに備え、搬送手段は、印字手段による印字のタイミングに合わせて、印字手段による印字位置に記録材を搬送するレジストローラーを含み、物性値の検出位置は、記録材の搬送経路に沿ったレジストローラーよりも上流側である。
本発明のさらに他の局面に従う記録材判別装置の制御方法は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された各記録材が所定の同じ位置に位置した状態において、記録材に対して複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーとを備えた記録材判別装置の制御方法であって、カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した複数の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御ステップと、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して1つまたは複数のセンサーによって検出された複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御ステップと、を有することを特徴とする。
本発明のさらに他の局面に従う記録材判別装置の制御方法は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された各記録材が所定の同じ位置に位置した状態において、給紙された記録材に対して複数の物性値を検出可能な検出部とを備えた記録材判別装置の制御方法であって、カセットから給紙された最初の記録材に関してM個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御ステップ、を有することを特徴とする。
本発明のさらに他の局面に従う記録材判別装置の制御方法は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対する複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーとを備えた記録材判別装置の制御方法であって、カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した複数の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御ステップと、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して1つまたは複数のセンサーによって検出された複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御ステップと、を有し、1つまたは複数のセンサーは1つであり、1つのセンサーによって、給紙された記録材の複数の互いに異なる物性値を検出し、1つのセンサーは、給紙された記録材の透過率および坪量を検出することを特徴とする。
本発明のさらに他の局面に従う記録材判別装置の制御方法は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対してL個の物性値を検出可能な検出部とを備えた記録材判別装置の制御方法であって、カセットから給紙された最初の記録材に関してM(≦L)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御ステップ、を有し、検出部は、給紙された記録材の透過率および坪量を検出することを特徴とする。
本発明のさらに他の局面に従う記録材判別装置の制御方法は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対する複数の物性値を検出する1つまたは複数のセンサーとを備えた記録材判別装置の制御方法であって、カセットから給紙された最初の記録材に関する複数の物性値を1つまたは複数のセンサーで検出し、検出した複数の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第1制御ステップと、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関して1つまたは複数のセンサーによって検出された複数の物性値よりも少ない物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を制御する第2制御ステップと、を有し、記録材判別装置は、記録材を搬送する搬送手段と、搬送手段にて搬送した記録材に対して印字を行う印字手段をさらに備え、搬送手段は、印字手段による印字のタイミングに合わせて、印字手段による印字位置に記録材を搬送するレジストローラーを含み、物性値の検出位置は、記録材の搬送経路に沿ったレジストローラーよりも上流側であることを特徴とする。
本発明のさらに他の局面に従う記録材判別装置の制御方法は、複数の記録材を収容するカセットと、カセットから1枚ずつ給紙された記録材に対して画像を形成する画像形成部と、給紙された記録材に対してL個の物性値を検出可能な検出部とを備えた記録材判別装置の制御方法であって、カセットから給紙された最初の記録材に関してM(≦L)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定し、最初の記録材の給紙の後に給紙された2番目以降の記録材に関してN(<M)個の物性値に基づいて画像形成部の画像形成条件を決定する制御ステップ、を有し、記録材判別装置は、記録材を搬送する搬送手段と、搬送手段にて搬送した記録材に対して印字を行う印字手段をさらに備え、搬送手段は、印字手段による印字のタイミングに合わせて、印字手段による印字位置に記録材を搬送するレジストローラーを含み、物性値の検出位置は、記録材の搬送経路に沿ったレジストローラーよりも上流側であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、記録材の種類の判別精度の低下を抑止しつつ、センサーの寿命低下を
抑止することのできる記録材判別装置および記録材判別装置の制御方法を提供することが
できる。また、記録材の種類の判別精度の低下を抑止しつつ、記録材の種類の判別に要す
る時間を短縮することのできる記録材判別装置および記録材判別装置の制御方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施の形態における画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図である。
図2】本発明の一実施の形態における光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53の一部の構成を示す図であって、y軸方向の第1の位置におけるxz平面で切った場合の断面図である。
図3】本発明の一実施の形態における光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53の一部の構成を示す図であって、y軸方向の第2の位置におけるxz平面で切った場合の断面図である。
図4】本発明の一実施の形態における光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53の一部の構成を示す図であって、x軸の正から負の方向に向かう方向で基板512付近を見た場合の図である。
図5】本発明の一実施の形態における光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53の一部の構成を示す図であって、z軸の正から負に向かう方向で基板512付近を見た場合の図である。
図6】本発明の一実施の形態における光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53の一部の構成を示す図であって、レジストローラー14付近の斜視図である。
図7】本発明の一実施の形態における光学センサー51を用いた記録材Mの坪量の検知方法を示す図である。
図8】裏紙の各種印刷パターンを模式的に示す図である。
図9】本発明の一実施の形態における超音波センサー52を用いた記録材Mの坪量の検知方法を示す図である。
図10】本発明の一実施の形態における紙厚センサー53を用いた記録材Mの坪量の検知方法を示す図である。
図11】本発明の一実施の形態において、センサー部54が出力する情報を模式的に示す図である。
図12】本発明の一実施の形態における光学センサー51を用いて検知した記録材を透過する光の透過率と、記録材の実際の坪量との関係を示すグラフである。
図13】本発明の一実施の形態における超音波センサー52が出力する電圧値と、記録材の実際の坪量との関係を示す図である。
図14】本発明の一実施の形態における紙厚センサー53を用いて検知した記録材の坪量と、記録材の実際の坪量との関係を示すグラフである。
図15】種々の記録材についての、光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53の各々の検知精度を示す図である。
図16】本発明の一実施の形態における記録材の透過率と、坪量検知に用いるセンサーとの組合せを示す図である。
図17】本発明の一実施の形態における記録材の種類の判別方法を示す図である。
図18】本発明の一実施の形態における設定テーブルを模式的に示す図である。
図19】本発明の一実施の形態における画像形成装置1の動作を示すフローチャートの第1の部分である。
図20】本発明の一実施の形態における画像形成装置1の動作を示すフローチャートの第2の部分である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0026】
以下の実施の形態では、記録材判別装置が画像形成装置に搭載される場合について説明
する。画像形成装置としては、たとえばMFP、プリンター、複写機、またはファクシミ
リなどが挙げられる。また記録材判別装置は、記録材の収容装置や後処理装置などの画像
形成装置以外のものに搭載されてもよい。
【0027】
なお、図面では、画像形成装置1を正面から見た場合の幅方向をx軸方向、奥行き方向
をy軸方向、高さ方向をz軸としている。x軸、y軸、およびz軸の各々は互いに直交し
ている。
【0028】
[画像形成装置の構成]
【0029】
図1は、本発明の一実施の形態における画像形成装置1の構成を模式的に示す断面図で
ある。
【0030】
図1を参照して、本実施の形態における画像形成装置1(記録材判別装置の一例)は、
記録材の種類を判別し、判別した記録材の種類に応じた印字条件で、記録材に対して印字
を行う。画像形成装置1は、記録材搬送部10(搬送手段の一例)と、給紙トレイ11(
収容部の一例)と、トナー像形成部20(印字手段の一例)と、定着装置21と、電源部
22と、操作入力部23と、制御部40と、光学センサー51、超音波センサー52、お
よび紙厚センサー53(複数のセンサーの一例)と、開閉センサー56などを主に備えて
いる。
【0031】
給紙トレイ11は、画像を形成するための記録材Mを積載して収容する。給紙トレイ1
1は、画像形成装置1の外部から記録材を補充可能な開状態と、画像形成装置1の外部か
ら記録材を補充不可能な閉状態との間で切替可能である。給紙トレイ11は複数であって
もよい。
【0032】
記録材搬送部10は、搬送経路TRに沿って記録材Mを搬送する。記録材搬送部10は
、給紙ローラー12と、搬送ローラー13と、レジストローラー14と、排紙ローラー1
5と、排紙トレイ16とを含んでいる。給紙ローラー12は、給紙トレイ11と搬送経路
TRとの間に設けられている。搬送ローラー13およびレジストローラー14は、搬送経
路TRに沿って設けられている。レジストローラー14は、金属ローラー141と、ゴム
ローラー142とを含んでいる。排紙ローラー15は、搬送経路TRの最も下流の部分に
設けられている。排紙トレイ16は画像形成装置本体1aの最上部に設けられている。
【0033】
トナー像形成部20は、いわゆるタンデム方式でY(イエロー)、M(マゼンタ)、C
(シアン)、およびK(ブラック)の4色の画像を合成し、印字位置STにおいて、記録
材搬送部10によって搬送した記録材Mに対してトナー像を形成する。トナー像形成部2
0は、中間転写ベルト20aを含んでいる。またトナー像形成部20は、感光体ドラムと
、帯電ローラーと、露光装置と、現像装置と、一次転写ローラーと、二次転写ローラーな
どを含んでいる。
【0034】
定着装置21は、トナー像を担持した記録材を把持しながら搬送経路TRに沿って搬送
することで、記録材Mにトナー像を定着させる。
【0035】
電源部22は、制御部40による制御の下で、画像形成装置1の各部材に電力を供給す
る。
【0036】
操作入力部23は、記録材Mに対する印字設定や、画像形成装置1の動作に関する操作
入力を受け付ける。
【0037】
制御部40は、画像形成装置1全体の動作を制御する。制御部40は、制御プログラム
を実行するCPU(Central Processing Unit)と、制御プログ
ラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)と、CPUのワークエ
リアを構成するRAM(Random Access Memory)などにより構成さ
れている。
【0038】
光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53の各々は、制御部4
0の制御の下で、記録材Mの物性を互いに異なる方式で検知し、検知した物性に関する情
報を制御部40に出力する。光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサ
ー53を用いて検知する記録材の物性は、ここでは記録材の坪量であるが、記録材の厚さ
などの他の物性であってもよい。光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚セ
ンサー53の検知位置は、搬送経路TRに沿ったレジストローラー14よりも上流側であ
る。
【0039】
開閉センサー56は、給紙トレイ11の開状態および閉状態を検知し、検知結果を制御
部40に出力する。
【0040】
画像形成装置1は、給紙トレイ11に収容された記録材Mを、給紙ローラー12により
一枚ずつ搬送経路TRに給紙し、搬送ローラー13およびレジストローラー14により搬
送経路TRに沿って印字位置STに導く。画像形成装置1は、レジストローラー14を用
いて、記録材Mを一旦停止させた後、トナー像形成部20による印字のタイミングに合わ
せて、印字位置STに記録材Mを搬送する。
【0041】
一方、画像形成装置1は、周知の電子写真方式およびタンデム方式により、トナー像形
成部20によりトナー像形成部20の中間転写ベルト20a上にトナー像を生成し、中間
転写ベルト20aの回転によりトナー像を印字位置STに向けて搬送する。印字位置ST
には、レジストローラー14から記録材Mが送り込まれ、また、トナー像形成部20から
トナー像が搬送されてくる。画像形成装置1は、印字位置STにおいて、トナー像を中間
転写ベルト20aから記録材Mに転写する。
【0042】
画像形成装置1は、トナー像が形成された記録材Mを定着装置21によって加熱および
加圧する。これにより、記録材Mにトナー像が定着される。その後、画像形成装置1は、
排紙ローラー15によって記録材Mを排紙トレイ16に排出する。
【0043】
画像形成装置1は、給紙トレイ11に収容された複数の記録材Mを1枚ずつ搬送する場
合に、複数の記録材Mの各々の種類を次の方法で判別する。画像形成装置1は、記録材搬
送部10によって搬送される1枚目の記録材の種類を、光学センサー51、超音波センサ
ー52、および紙厚センサー53のうち少なくとも1つのセンサーの出力に基づいて判別
する。画像形成装置1は、1枚目の記録材の種類の判別結果に基づいて、記録材搬送部1
0によって搬送される2枚目以降の記録材の種類を判別する際に優先的に使用するセンサ
ーを、光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53の中から選択す
る。
【0044】
図2図6は、本発明の一実施の形態における光学センサー51、超音波センサー52
、および紙厚センサー53の一部の構成を示す図である。図2は、y軸方向の第1の位置
におけるxz平面で切った場合の断面図である。図3は、y軸方向の第2の位置における
xz平面で切った場合の断面図である。図4は、x軸の正から負の方向に向かう方向で基
板512付近を見た場合の図である。図5は、z軸の正から負に向かう方向で基板512
付近を見た場合の図である。図6は、レジストローラー14付近の斜視図である。
【0045】
図2図6を参照して、画像形成装置1は、2つのコロ61と、ガイド62とをさらに
備えている。2つのコロ61とガイド62とは、搬送経路TRを挟んで対向している。2
つのコロ61は、搬送経路TRの図2中右側に配置されている。2つのコロ61は、y軸
方向に配列している。ガイド62は、搬送経路TRの図2中左側に配置されている。給紙
ローラー12によって給紙された記録材Mは、2つのコロ61およびガイド62によって
搬送時の記録材Mの厚み方向の変位が抑止されながら、2つのコロ61とガイド62との
隙間の搬送経路TRに沿って搬送される。
【0046】
光学センサー51は、記録材Mを透過する透過光量であって、記録材Mの搬送方向に沿
った位置の透過光量に応じた電圧値(記録材Mを透過する光の透過率に関する情報の一例
)を出力する。また光学センサー51は、記録材Mを透過する反射光量に応じた電圧値を
出力する。光学センサー51は、基板511および512と、発光素子513および51
4と、受光素子515と、導光板516および517とを含んでいる。
【0047】
基板511は搬送経路TRの図2中右側であって、2つのコロ61の間に配置されてい
る。基板511における搬送経路TR側を向いた面には、発光素子513が固定されてい
る。基板512は搬送経路TRの図2中左側に配置されている。基板512における搬送
経路TR側を向いた面には、発光素子514および受光素子515が固定されている。
【0048】
導光板516は、搬送経路TRの図2中右側であって基板511の上部に設けられてい
る。導光板516は、y軸方向に延在しており、発光素子513からの光をy軸方向に導
く。導光板517は、搬送経路TRの図2中左側であって基板512の上部に設けられて
いる。導光板517は、y軸方向に延在しており、記録材Mを透過した光をy軸方向に導
く。
【0049】
超音波センサー52は、記録材Mを透過する超音波量に応じた電圧値(記録材を透過す
る超音波の透過率に関する情報の一例)を出力する。超音波センサー52の検知位置は、
光学センサー51の検知位置よりも搬送経路TRの下流側であって、レジストローラー1
4よりも搬送経路TRの上流側に存在している。超音波センサー52は、送信基板521
と、受信基板522と、送信センサー523と、受信センサー524とを含んでいる。送
信基板521は搬送経路TRの図2中左側に配置されている。基板512と送信基板52
1とはy軸方向に配列している。受信基板522は搬送経路TRの図2中右側であって、
送信基板521の斜め上に配置されている。送信基板521における搬送経路TR側を向
いた面には、送信センサー523が固定されている。受信基板522における搬送経路T
R側を向いた面には、受信センサー524が固定されている。
【0050】
紙厚センサー53は、金属ローラー141に接触している。金属ローラー141は、金
属ローラー141の回転軸に対して垂直な方向AR1に移動可能である。記録材Mがレジ
ストローラー14を通過する際、金属ローラー141は、記録材Mの厚みに応じて移動す
る。紙厚センサー53は、金属ローラー141と接触するアクチュエーター55(変位部
材の一例)を含んでおり、レジストローラー14を記録材Mが通過する際のアクチュエー
ター55の変位量に関する情報を出力する。
【0051】
[各センサーを用いた記録材の坪量の検知方法]
【0052】
次に、光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53の各々を用い
た記録材の坪量の検知方法について説明する。
【0053】
図7は、本発明の一実施の形態における光学センサー51を用いた記録材Mの坪量の検
知方法を示す図である。
【0054】
図7を参照して、制御部40は、発信源制御部411と、平均化部412と、物性検知
部413と、判別部414(第1の判別手段、選択手段、同一性判別手段、第2の判別手
段の一例)と、印字条件設定部415とを含んでいる。発光素子514は、発信源制御部
411の制御の下で、R(赤)、G(緑)、およびB(青)の各々の色の光であって、反
射光となる光L3を記録材Mに対して順次照射する。受光素子515は、記録材Mで反射
する反射光L4を受光し、受信した反射光量に応じた電圧値を制御部40に出力する。物
性検知部413は、受光素子515が出力した反射光量に応じた電圧値に基づいて、記録
材Mの色味を検知する。なお、反射光量を増加させるために、記録材Mにおける光L3が
照射される位置の背面に白色の背面板が設けられていてもよい。
【0055】
発光素子513は、発信源制御部411の制御の下で、物性検知部413で検知した記
録材Mの色味に基づく特性を有する光L1であって、記録材Mに対して透過光となる光L
1を照射する。発光素子513は、発光素子514の発光タイミングとは異なるタイミン
グで光L1を照射する。受光素子515は、記録材Mを透過する透過光L2(主に記録材
Mで散乱した散乱光)を受光し、透過光L2の量である透過光量であって、記録材Mの搬
送方向に沿った位置の透過光量に応じた電圧値を制御部40に出力する。
【0056】
平均化部412は、受光素子515が出力した電圧値を平均化した平均値を算出する。
物性検知部413は、平均化部412にて算出した平均値に基づいて、記録材Mの透過率
および坪量を検知する。
【0057】
判別部414は、後述する方法で記録材Mの種類を判別する。本実施の形態では、判別
部414は、普通紙、ラベル紙、および裏紙の中から記録材Mの種類を判別する。判別部
414は、さらに封筒およびOHP用シートを加えた選択肢の中から記録材Mの種類を判
別してもよい。
【0058】
印字条件設定部415は、後述するように、判別した記録材Mの種類に応じた印字条件
を設定する。
【0059】
普通紙は、画像形成装置において一般的に使用されている用紙であって、両面がいずれ
も印字されていないものである。ラベル紙は、裏に粘着剤が付着した素材と、素材が貼り
付けられた台紙とを含み、素材を台紙から剥がすことで対象物に素材を貼り付けることの
できる記録材である。裏紙は、普通紙の一方の面にのみ印字されたものである。封筒は、
紙が袋状に重ねられたものである。OHP用シートは、OHP(オーバーヘッドプロジェ
クター)を用いて投射される画像の基となる画像が描かれる透明なフィルムある。
【0060】
なお、普通紙、裏紙、およびラベル紙については坪量が計測できることが期待されてい
る。封筒およびOHP用シートについては他の記録材と区別できることが期待されている
【0061】
記録材Mの坪量の検知精度の低下を抑止するために、光学センサー51の検知位置にお
ける通紙幅(搬送中の記録材Mの厚み方向の変位)は、搬送経路TRの位置を基準として
±1mmの範囲~±2mmの範囲になるように設定されることが好ましい。また、発光素
子513から記録材Mまでの距離d1に対する、発光素子514から記録材Mまでの距離
d2の比(d1:d2)は、6:4に設定されることが好ましい。平均化部412は、記
録材M内において5mmピッチで設けられた10点以上の検知位置の各々で得られた電圧
値を平均化することが好ましい。光学センサー51には、検知位置での記録材Mの姿勢の
安定性が求められ、広いレンジの光量に対する精度を確保することが求められる。光学セ
ンサー51は、中間ローラーのニップ近傍に配置されることが好ましい。
【0062】
図8は、裏紙の各種印刷パターンを模式的に示す図である。なお、図8(a)~図8
c)では、それぞれの裏紙を検知した場合の光学センサー51が出力する電圧値があわせ
て示されている。
【0063】
図8を参照して、導光板516を設けた場合には、光L1を幅方向(図8中横方向)に
沿った記録材Mの広範囲に光L1を照射することができる。導光板517を設けた場合に
は、幅方向に沿った記録材Mの広範囲からの透過光L2を集光して受光素子515にて受
光される。これにより、光学センサー51から出力される電圧値は、記録材Mの搬送方向
に対して垂直な方向(幅方向)の領域全体を透過する透過光量に応じたものとなる。その
結果、図8(a)および図8(b)に示すような記録材Mの幅方向の中心線P1に印刷パ
ターン(「*」印またはハッチングの部分)を有する裏紙に加えて、図8(c)に示すよ
うな中心線P1以外の部分に印刷パターンを有する裏紙をも光学センサー51を用いて検
知することができる。
【0064】
記録材Mが裏紙である場合には、光学センサー51の電圧値が印字部分で大きく低下す
る。その結果、記録材M内での光学センサー51から出力された電圧値の変動量ΔVは所
定量VAより大きくなる。判別部414は、変動量ΔVが所定量VAより大きい場合に、
平均化部412にて平均値を算出せずに、記録材Mを裏紙と判別してもよい。
【0065】
また、記録材Mが給紙トレイ11に収容される前に給紙トレイ11に裏紙が収容されて
いた場合には、記録材Mも裏紙である可能性が高い。判別部414は、記録材Mが給紙ト
レイ11に収容される前に給紙トレイ11に裏紙が収容されていた場合において、光学セ
ンサー51の電圧値の変動量ΔVが所定量VB(所定量VBは、所定量VAよりも小さい
値であってよい)より大きいときは、平均化部412にて平均値を算出せずに、記録材M
を裏紙と判別してもよい。
【0066】
図9は、本発明の一実施の形態における超音波センサー52を用いた記録材Mの坪量の
検知方法を示す図である。
【0067】
図9を参照して、送信センサー523は、発信源制御部411の制御の下で、超音波L
11を記録材Mに対して照射する。なお、超音波L11は、光L1とは異なる波長の電磁
波であればよい。
【0068】
超音波L11は、記録材Mを透過する超音波L12と記録材Mで反射する超音波L13
とに分かれる。受信センサー524は、記録材Mを透過する超音波L12を受信し、受信
した超音波量に応じた電圧値を制御部40に出力する。
【0069】
物性検知部413は、受信センサー524から受信した電圧値に基づいて、記録材Mの
坪量を検知する。物性検知部413は、送信センサー523から発信される超音波量の波
高値に対する、受信センサー524から出力された電圧値が示す超音波量の波高値の比率
(減衰率)に基づいて、記録材Mの坪量を検知する。
【0070】
なお、封筒は重なり合った紙によって構成されており、普通紙に比べて超音波が透過し
にくい性質を有している。このため、判別部414は、受信センサー524から出力され
た電圧値が示す超音波量(記録材Mを透過した超音波量)が所定の超音量波量閾値THよ
りも低い場合には、他のセンサーを用いた坪量の検知結果によらずに記録材Mを封筒と判
別してもよい。特に、送信センサー523による超音波L11の照射方向が搬送経路TR
に対してなす角度θは、38度以上45度以下であることが好ましい。この角度範囲では
、記録材が封筒である場合の超音波量の低下が顕著になるため、この角度範囲を採用する
ことで封筒の検知精度を向上することができる。
【0071】
記録材Mの坪量の検知精度の低下を抑止するために、超音波センサー52の検知位置に
おける通紙幅は2.4mm以内に設定されることが好ましい。記録材Mには、超音波セン
サー52の検知位置での姿勢の安定性が求められるためである。
【0072】
図10は、本発明の一実施の形態における紙厚センサー53を用いた記録材Mの坪量の
検知方法を示す図である。
【0073】
図10を参照して、紙厚センサー53は、センサー部54と、アクチュエーター55と
を含んでいる。センサー部54は、アクチュエーター55の移動量を検知し、検知した移
動量を示す情報を制御部40に出力する。センサー部54は、2つの支持部541と、台
座部542と、照射部543と、受光部544とを含んでいる。2つの支持部541は、
それらの間にアクチュエーター55を揺動可能に支持している。台座部542は、2つの
支持部541を固定している。照射部543は、一方の支持部541の内部に設けられて
おり、アクチュエーター55のエンコーダ部552に光を照射する。受光部544は、他
方の支持部541の内部に設けられており、エンコーダ部552を透過した照射部543
からの光を受光する。受光部544は、受光した光量に応じた情報を制御部40に出力す
る。
【0074】
アクチュエーター55は、回転軸554を中心として矢印SAで示す方向および矢印S
Bで示す方向の両方に移動可能である。アクチュエーター55は、接触部551と、エン
コーダ部552と、腕部553と、回転軸554とを含んでいる。
【0075】
接触部551は、金属ローラー141と接触している。接触部551は弧状の形状を有
している。
【0076】
エンコーダ部552は、複数の高透過率部分552aと、複数の低透過率部分552b
とを含んでいる。高透過率部分552aの透過率は、低透過率部分552bの透過率より
も高い。複数の高透過率部分552aの各々と、複数の低透過率部分552bの各々とは
、アクチュエーター55の揺動方向に沿って交互に配置されている。これにより、エンコ
ーダ部552における照射部543から光が照射される部分の透過率は、アクチュエータ
ー55の移動によって周期的に変化する。腕部553は、接触部551とエンコーダ部5
52とを接続している。これにより、接触部551とエンコーダ部552とは一体的に揺
動する。回転軸554はエンコーダ部552および腕部553の境界付近に固定されてい
る。回転軸554は、厚さ方向に延在している。
【0077】
物性検知部413は、受光部544から出力された情報に基づいて、記録材Mの坪量を
検知する。
【0078】
図11は、本発明の一実施の形態において、センサー部54が出力する情報を模式的に
示す図である。図11(a)は、アクチュエーター55がプラス方向(矢印SA方向)に
移動した場合のセンサー部54の出力である。図11(b)は、アクチュエーター55が
マイナス方向(矢印SB方向)に移動した場合のセンサー部54の出力である。
【0079】
図11を参照して、受光部544は、A相およびB相の2相を出力する。A相およびB
相の各々は、パルスであり、アクチュエーター55の移動方向(記録材Mの厚さ方向)の
位相が90度だけずれている。これにより、パルスエッジ間の距離PEに相当する分解能
(精度)で厚さを測定することができる。この分解能はたとえば5μmである。
【0080】
エンコーダ部552における照射部543から光が照射される部分の透過率は、アクチ
ュエーター55のプラス方向またはマイナス方向への移動量の増加に従って周期的に変化
する。センサー部54の受光部544が受光する光量も、アクチュエーター55の移動量
の増加に従って周期的に変化する。その結果、A相およびB相の各々は、上述のように、
アクチュエーター55のプラス方向またはマイナス方向への移動量の増加に従って、距離
PEの2倍に相当する周期でハイ(H)の状態とロー(L)の状態とを繰り返すパルスと
なる。
【0081】
なお、接触部551の摩耗を抑止するために、紙厚センサー53には、接触部551が
記録材Mと間接的に接触しつつ、記録材Mの通過に伴う金属ローラー141の変位がアク
チュエーター55に対して正確に伝わるように配置されることが求められる。
【0082】
光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53は、記録材搬送部1
0によって搬送中(移動中)の記録材Mの物性を検知してもよいし、レジストローラー1
4を用いて一旦停止された状態の記録材Mの物性を検知してもよい。
【0083】
[各センサーを用いた物性の検知精度]
【0084】
図12は、本発明の一実施の形態における光学センサー51を用いて検知した記録材を
透過する光の透過率と、記録材の実際の坪量との関係を示すグラフである。
【0085】
図12を参照して、物性検知部413は曲線LN1を記憶している。曲線LN1は、光
学センサー51を用いて検知した記録材を透過する光(透過光L2)の透過率(以降、記
録材の透過率と記すことがある)に応じた坪量の基準値の変化を示す2軸座標上の基準曲
線である。曲線LN1は、記録材が普通紙である場合に得られた関係から算出されたもの
である。物性検知部413は、記録材を透過する透過光量に基づいて記録材の透過率を検
知する。また物性検知部413は、検知した記録材の透過率に基づいて曲線LN1を用い
て記録材の坪量を検知する。
【0086】
記録材が普通紙である場合、検知した記録材の透過率と記録材の実際の坪量との関係を
示す点は、ほぼ曲線LN1上に存在する。これに対して、記録材が裏紙、封筒、またはラ
ベル紙である場合、検知した記録材の透過率と記録材の実際の坪量との関係を示す点は、
曲線LN1から乖離する。
【0087】
具体的には、記録材が裏紙または封筒である場合、検知した記録材の透過率に基づいて
曲線LN1から得られる坪量は、実際の坪量よりも大きくなる。裏紙には印字部分が存在
し、普通紙に比べて光が透過しにくくなるためである。封筒は重なり合った紙によって構
成されており、普通紙に比べて光が透過しにくくなるためである。記録材がラベル紙であ
る場合、検知した記録材の透過率に基づいて曲線LN1から得られる坪量は、実際の坪量
よりも小さくなる。ラベル紙は普通紙に比べて比重が大きいためである。
【0088】
また、透過率に基づいて曲線LN1を用いて検知される坪量の検知精度に目を向けた場
合、記録材を透過する光の透過率が8.0%よりも大きい範囲(範囲RG1)では、透過
率と記録材の実際の坪量との関係を示す点の曲線LN1からの乖離が小さく、曲線LN1
を用いて検知される坪量の検知精度が高いことが分かる。記録材を透過する光の透過率が
8.0%以下の範囲では、透過率と記録材の実際の坪量との関係を示す点の曲線LN1か
らの乖離が大きく、曲線LN1を用いて検知される坪量の検知精度が低いことが分かる。
【0089】
なお、図12のグラフには示されていないが、OHP用シートについては、普通紙、ラ
ベル紙、裏紙、および封筒などと比較して光の透過率が極めて高い(所定の透過率閾値よ
りも高い)。このため、記録材がOHP用シートであることは、光学センサー51を用い
て検知することが可能である。
【0090】
図13は、本発明の一実施の形態における超音波センサー52が出力する電圧値と、記
録材の実際の坪量との関係を示す図である。
【0091】
図13を参照して、物性検知部413は曲線LN2を記憶している。曲線LN2は、超
音波センサー52が出力する電圧値と、記録材の実際の坪量との関係を示す基準曲線であ
る。曲線LN2は、記録材が普通紙である場合に得られた関係から算出された基準曲線で
ある。物性検知部413は、超音波センサー52が出力する電圧値に基づいて曲線LN2
を用いて記録材の坪量を検知する。
【0092】
記録材が普通紙、ラベル紙、または裏紙である場合、電圧値と記録材の実際の坪量との
関係を示す点は、ほぼ曲線LN2上に存在する。特に、記録材が裏紙である場合、印刷部
分が超音波に及ぼす影響はほとんど無い。これに対して、記録材が封筒である場合、電圧
値と記録材の実際の坪量との関係を示す点は、曲線LN2から乖離する。記録材が封筒で
ある場合、電圧値に基づいて曲線LN2を用いて検知される記録材の坪量は、実際の坪量
よりも大きくなる。封筒は重なり合った紙によって構成されており、普通紙に比べて超音
波が透過しにくくなるためである。
【0093】
また、電圧値に基づいて曲線LN2を用いて得られる坪量の検知精度に目を向けた場合
、電圧値が2.8V以上の範囲(範囲RG2)では、電圧値と記録材の実際の坪量との関
係を示す点の曲線LN2からの乖離が小さく、曲線LN2を用いて検知される坪量の検知
精度が高いことが分かる。電圧値が2.8V未満の範囲では、電圧値と記録材の実際の坪
量との関係を示す点の曲線LN2からの乖離が大きく、曲線LN2を用いて検知される坪
量の検知精度が低いことが分かる。ここで、電圧値が2.8V以上の範囲は、図12のグ
ラフにおける光の透過率が2.8%以上の範囲(範囲RG2)に対応する。
【0094】
図14は、本発明の一実施の形態における紙厚センサー53を用いて検知した記録材の
坪量と、記録材の実際の坪量との関係を示すグラフである。
【0095】
図14を参照して、検知した記録材の坪量が200g/m2よりも大きい範囲(範囲R
G3)では、検知した記録材の坪量の記録材の実際の坪量からの乖離が小さく、紙厚セン
サー53を用いて検知される坪量の検知精度が高いことが分かる。検知した記録材の坪量
が200g/m2以下の範囲では、検知した記録材の坪量の記録材の実際の坪量からの乖
離が大きく、紙厚センサー53を用いて検知される坪量の検知精度が低いことが分かる。
ここで、検知した記録材の坪量が200g/m2よりも大きい範囲は、図12のグラフに
おける光の透過率が2.8%未満の範囲(範囲RG3)に対応する。
【0096】
図15は、種々の記録材についての、光学センサー51、超音波センサー52、および
紙厚センサー53の各々の検知精度を示す図である。
【0097】
図15を参照して、光学センサー51は、薄い普通紙(坪量:150g/m2以下)の
坪量の検知、厚い普通紙(坪量:150g/m2以上)の坪量の検知、およびOHP用シ
ートの判別について、高い精度を有している。超音波センサー52は、薄い裏紙(坪量:
150g/m2以下)の坪量の検知、およびラベル紙の判別、および封筒の判別について
、高い精度を有している。紙厚センサー53は、厚い普通紙(坪量:150g/m2以上
)の坪量の検知、および厚い裏紙(坪量:150g/m2以上)の坪量の検知について、
高い精度を有している。
【0098】
[1枚目の記録材の種類の判別方法]
【0099】
上述のように、記録材の透過率によって、高い精度で坪量を検知できるセンサーの種類
は異なっている。このため判別部414は、記録材搬送部10によって複数の記録材を1
枚ずつ搬送して印字を行う場合に、1枚目の記録材の種類については、複数のセンサーの
出力に基づいて次の方法で判別する。
【0100】
なお、「1枚目の記録材」とは、給紙トレイ11が開状態から閉状態に切り替えられた
後で記録材搬送部10によって搬送される1枚目の記録材であってもよいし、印字ジョブ
の1枚目の記録材であってもよい。
【0101】
図16は、本発明の一実施の形態における記録材の透過率と、坪量検知に用いるセンサ
ーとの組合せを示す図である。
【0102】
図12および図16を参照して、判別部414は、光学センサー51を用いて検知した
記録材の透過率(光学センサー51にて出力した情報が示す記録材の透過率)が8.0%
(第1の閾値の一例)よりも大きい範囲RG1内にある場合には、光学センサー51、超
音波センサー52、および紙厚センサー53のうち光学センサー51の出力に基づいて記
録材の坪量を特定(検知)する。
【0103】
判別部414は、光学センサー51を用いて検知した記録材の透過率が2.8%(第2
の閾値の一例)以上8.0%以下の範囲RG2内にある場合には、光学センサー51、超
音波センサー52、および紙厚センサー53のうち超音波センサー52の出力に基づいて
記録材の坪量を特定(検知)する。
【0104】
判別部414は、光学センサー51を用いて検知した記録材の透過率が2.8%未満の
範囲RG3内にある場合には、光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚セン
サー53のうち紙厚センサー53の出力に基づいて記録材の坪量を特定(検知)する。
【0105】
図17は、本発明の一実施の形態における記録材の種類の判別方法を示すグラフである
。グラフにおける縦軸は検知した坪量であり、横軸は記録材の透過率である。
【0106】
図17を参照して、次に判別部414は、特定した物性の、基準値からの乖離の状態に
基づいて、記録材の種類を判別する。判別部414は、記録材の透過率と、検知した坪量
とを示す点(たとえば点PT1~PT3)を2軸座標上にプロットする。判別部414は
、プロットした点の曲線LN1からの乖離の状態に基づいて、普通紙、ラベル紙、および
裏紙の中から記録材の種類を判別する。
【0107】
具体的には、プロットした点が、曲線LN1から乖離していない領域G1内に存在する
場合(プロットした点がたとえば点PT1である場合)、判別部414は、記録材の種類
が普通紙であると判別する。記録材が普通紙である場合、図12に示すように、実際の坪
量は、光学センサー51を用いて検知される坪量とほぼ同じであるためである。
【0108】
また、プロットした点が、曲線LN1よりも下方向に乖離した領域G2内に存在する場
合(プロットした点がたとえば点PT2である場合)、判別部414は、記録材の種類が
裏紙であると判別する。記録材が裏紙である場合、図12に示すように、実際の坪量は光
学センサー51を用いて検知される坪量よりも小さいためである。
【0109】
さらに、プロットした点が、曲線LN1よりも上方向に乖離した領域G3内に存在する
場合(プロットした点がたとえば点PT3である場合)、判別部414は、記録材の種類
がラベル紙であると判別する。記録材がラベル紙である場合、図12に示すように、実際
の坪量は光学センサー51を用いて検知される坪量よりも大きいためである。
【0110】
[2枚目以降の記録材の種類の判別方法]
【0111】
判別部414は、2枚目以降の記録材の種類については、1枚目の記録材の種類の判別
結果に基づいて、光学センサー51、超音波センサー52、および紙厚センサー53の中
からセンサーを選択し、選択したセンサーを優先的に使用して判別する。
【0112】
なお、「2枚目以降の記録材」とは、1枚目の記録材の搬送後に給紙トレイ11が開状
態に再び切り替えられるまで記録材搬送部10にて搬送される記録材であってもよいし、
印字ジョブの2枚目以降の記録材であってもよい。
【0113】
判別部414は、2枚目以降の記録材の種類を判別する際に優先的に使用するセンサー
として、1枚目の記録材の坪量を特定するために用いたセンサー(記録材の透過率が範囲
RG1内にある場合:光学センサー51、記録材の透過率が範囲RG2内にある場合:超
音波センサー52、記録材の透過率が範囲RG3内にある場合:紙厚センサー53)を選
択する。判別部414は、選択したセンサーの出力に基づいて判別した2枚目以降の記録
材の各々の種類と、1枚目の記録材の種類との同一性を判別する。2枚目以降の記録材の
各々の種類と1枚目の記録材の種類との同一性は、2枚目以降の記録材の各々の坪量と1
枚目の記録材の坪量との同一性に基づいて判別されてもよい。
【0114】
判別部414は、2枚目以降の記録材の種類と1枚目の記録材の種類とが異なると判別
した場合に、その記録材の種類を、1枚目の記録材の種類を判別するのと同様に複数のセ
ンサーの出力に基づいて判別する。この場合、少なくとも光学センサー51の出力に基づ
いてその記録材の種類が判別されることが好ましい。またこの場合、記録材搬送部10は
、その記録材の種類を判別部414が判別するまで、その記録材の搬送速度を低下させて
もよいし、トナー像形成部20は、その記録材の種類を判別部414が判別するまで、そ
の記録材に対する印字を開始しないようにしてもよい。
【0115】
[印字条件の決定方法]
【0116】
図18は、本発明の一実施の形態における設定テーブルを模式的に示す図である。
【0117】
図18を参照して、印字条件設定部415は、設定テーブルを用いて、判別した記録材
の種類に応じた印字条件を設定する。
【0118】
設定テーブルでは、判別した記録材の種類が普通紙、ラベル紙、裏紙、封筒、およびO
HP用シートのそれぞれである場合に設定される印字条件が記載されている。印字条件に
は、システム速度(印字速度)、記録材の間隔、転写電流、定着温度、定着圧離(定着部
材と加圧部材との圧接状態)、FS(Finisher)禁則(後処理に関する禁則)、
両面禁則(両面印刷の禁則)、および印字方向の各項目が含まれている。
【0119】
記録材が裏紙ある場合には、裏面に既に印字されている文字があるため、両面印字が禁
則となっている。また、記録材がラベル紙である場合には、システム速度を中速と低速と
の間で切り替えることにより(記録材が普通紙である場合のシステム速度とは異なる値(
遅い値)に設定することにより)、定着熱が記録材に効率的に伝わるようにされる。
【0120】
なお、図18の印字条件は一例であり、記録材の種類に応じて設定される印字条件は任
意である。印字条件設定部415は、記録材をラベル紙と判別した場合のシステム速度を
、記録材を普通紙と判別した場合の印字速度とは異なる値(普通紙と判別した場合の印字
速度よりも低い値)に設定することが好ましい。また印字条件設定部415は、記録材を
裏紙と判別した場合には両面禁則とし、操作入力部23を通じての両面印字の設定を受け
付けないことが好ましい。
【0121】
なお、印字条件設定部415は、記録材の種類に加えて記録材の坪量に応じた印字条件
を設定してもよい。
【0122】
[フローチャート]
【0123】
図19および図20は、本発明の一実施の形態における画像形成装置1の動作を示すフ
ローチャートである。
【0124】
図19を参照して、制御部40は、印字要求を受け付けたか否かを判別する(S1)。
印字要求を受け付けたと判別するまで、制御部40はステップS1の処理を繰り返す。
【0125】
ステップS1において、印字要求を受け付けたと判別した場合(S1でYES)、制御
部40は、給紙トレイ11から記録材の給紙を開始し(S3)、レジストローラー14で
記録材の給紙を停止する(S5)。続いて制御部40は、搬送中の記録材が、給紙トレイ
11に記録材にセット(補充)した後の1枚目の記録材であるか否かを判別する(S7)
【0126】
ステップS7において、搬送中の記録材が1枚目の記録材であると判別した場合(S7
でYES)、制御部40は、複数センサーを用いた種類判別処理を行い、記録材の種類を
判別する(S17)。次に制御部40は、判別した記録材の種類に従って印字条件を変更
し(S19)、画像に同期して記録材の搬送を再開する(S21)。次に制御部40は、
記録材に対して印字し(S23)、印字した記録材を排出し(S25)、処理を終了する
【0127】
ステップS7において、搬送中の記録材が2枚目以降の記録材であると判別した場合(
S7でNO)、制御部40は、1枚目の記録材の坪量を特定(検知)するために用いたセ
ンサーを用いて、記録材の坪量を検知する(S9)。続いて制御部40は、検知した坪量
が1枚目の記録材の坪量と同じであるか否かを判別する(S11)。
【0128】
ステップS11において、検知した坪量が1枚目の記録材の坪量と同じであると判別し
た場合(S11でYES)、制御部40は、搬送中の記録材の種類が1枚目の記録材の種
類と同じであると判別し(S13)、ステップS21の処理へ進む。
【0129】
ステップS11において、検知した坪量が1枚目の記録材の坪量と異なると判別した場
合(S11でNO)、制御部40は、搬送中の記録材の種類が1枚目の記録材の種類と異
なると判別し、印字タイミングを遅くする(S15)。次に制御部40は、ステップS1
7の処理へ進み、複数センサーを用いた種類判別処理を行い、記録材の種類を判別する(
S17)。その後制御部40は、ステップS19以降の処理を行う。
【0130】
図20は、図19のステップS17のサブルーチンである。
【0131】
図20を参照して、ステップS17の複数センサーを用いた種類判別処理において、制
御部40は、光学センサー51を用いて記録材の透過率を検知し(S101)、検知した
透過率が8.0%以上であるか否かを判別する(S103)。
【0132】
ステップS103において、検知した透過率が8.0%以上であると判別した場合(S
103でYES)、制御部40は、光学センサー51を用いて記録材の坪量を検知し(S
105)、ステップS113の処理へ進む。
【0133】
ステップS103において、検知した透過率が8.0%未満であると判別した場合(S
103でNO)、制御部40は、検知した透過率が2.8%以上であるか否かを判別する
(S107)。
【0134】
ステップS107において、検知した透過率が2.8%以上であると判別した場合(S
107でYES)、制御部40は、超音波センサー52を用いて記録材の坪量を検知し(
S109)、ステップS113の処理へ進む。
【0135】
ステップS107において、検知した透過率が2.8%未満であると判別した場合(S
107でNO)、制御部40は、紙厚センサー53を用いて記録材の坪量を検知し(S1
11)、ステップS113の処理へ進む。
【0136】
ステップS113において、制御部40は、記録材の透過率と検知した坪量とを示す点
をプロットする(S113)。続いて制御部40は、点の位置が曲線LN1よりも下方向
に乖離しているか否かを判別する(S115)。
【0137】
ステップS115において、点の位置が曲線LN1よりも下方向に乖離していると判別
した場合(S115でYES)、制御部40は、記録材が裏紙であると判別し(S117
)、リターンする。
【0138】
ステップS115において、点の位置が曲線LN1よりも下方向に乖離していないと判
別した場合(S115でNO)、制御部40は、点の位置が曲線LN1よりも上方向に乖
離しているか否かを判別する(S119)。
【0139】
ステップS119において、点の位置が曲線LN1よりも上方向に乖離していると判別
した場合(S119でYES)、制御部40は、記録材がラベル紙であると判別し(S1
21)、リターンする。
【0140】
ステップS119において、点の位置が曲線LN1よりも上方向に乖離していないと判
別した場合(S119でNO)、制御部40は、記録材が普通紙であると判別し(S12
3)、リターンする。
【0141】
[実施の形態の効果]
【0142】
本実施の形態においては、搬送される1枚目の記録材の種類の判別結果に基づいて選択
されたセンサーを優先的に用いて、搬送される2枚目以降の記録材の種類が判別される。
これにより、2枚目以降の記録材の種類を判別しない場合と比較して、記録材の種類の判
別精度の低下を抑止することができる。また、2枚目以降の記録材の種類の判別が簡易に
なるため、搬送される全ての記録材の種類を複数のセンサー51を用いて判別する場合と
比較して、記録材の種類の判別に要する時間を短縮することができ、センサーの寿命低下
を抑止することができる。
【0143】
[その他]
【0144】
本発明の記録材判別装置は、普通紙、ラベル紙、裏紙、封筒およびOHP用シートの少
なくとも一部の選択肢の中から記録材の種類を判別するものであってもよいし、記録材の
種類を検知せず記録材の坪量を検知するものであってもよい。
【0145】
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行っても、ハードウェア回路を
用いて行ってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供
することもできるし、そのプログラムをCD-ROM、フレキシブルディスク、ハードデ
ィスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供するこ
とにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピューターにより実行される。また、
プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにし
てもよい。
【0146】
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべ
きである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許
請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0147】
1 画像形成装置(記録材判別装置の一例)
1a 画像形成装置本体
10 記録材搬送部(搬送手段の一例)
11 給紙トレイ(収容部の一例)
12 給紙ローラー
13 搬送ローラー
14 レジストローラー
15 排紙ローラー
16 排紙トレイ
20 トナー像形成部(印字手段の一例)
20a 中間転写ベルト
21 定着装置
22 電源部
23 操作入力部
40 制御部
51 光学センサー
52 超音波センサー
53 紙厚センサー
54 センサー部
55 アクチュエーター
56 開閉センサー
61 コロ
62 ガイド
141 金属ローラー
142 ゴムローラー
411 発信源制御部
412 平均化部
413 物性検知部
414 判別部(第1の判別手段、選択手段、同一性判別手段、第2の判別手段の一例

415 印字条件設定部
511,512 基板
513,514 発光素子
515 受光素子
516,517 導光板
521 送信基板
522 受信基板
523 送信センサー
524 受信センサー
541 支持部
542 台座部
543 照射部
544 受光部
551 接触部
552 エンコーダ部
552a 高透過率部分
552b 低透過率部分
553 腕部
554 回転軸
AR1 金属ローラーの移動方向
G1,G2,G3 2軸座標の領域
L1,L3 光
L2 透過光
L4 反射光
L11,L12,L13 超音波
LN1 第1の物性検知手段にて検知した記録材を透過する光(光L1)の透過率に応
じた坪量の基準値の変化を示す2軸座標上の基準曲線
LN2 超音波センサーが出力する電圧値と、記録材の実際の坪量との関係を示す基準
曲線
M 記録材
P1 中心線
PE パルスエッジ間の距離
PT1,PT2,PT3 2軸座標上の点
RG1,RG2,RG3 光の透過率の範囲
SA,SB アクチュエーターの移動方向
ST 印字位置
TR 搬送経路
図1
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図3
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図5
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図16
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図20