(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】シール構造
(51)【国際特許分類】
B60J 1/02 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
B60J1/02 111C
(21)【出願番号】P 2023049358
(22)【出願日】2023-03-27
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000170
【氏名又は名称】いすゞ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(74)【代理人】
【識別番号】100167793
【氏名又は名称】鈴木 学
(72)【発明者】
【氏名】宮川 沙耶花
【審査官】佐々木 智洋
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-078176(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102012003805(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の前方に設けられており、窓開口部、及び、前記窓開口部の下方に設けられている吸気口を有するボディパネルと、
前記窓開口部に設けられたフロントガラスと、
前記フロントガラスの下端と前記窓開口部の内周との間に設けられており、前記フロントガラスの側端に沿って下方に向かって流れる水が前記フロントガラスの下端に沿って前記吸気口側に向かって流れるのを遮蔽するシール部材と、
を有
し、
前記シール部材は、
前記フロントガラスの下端に固定される第1部材と、
前記第1部材と前記窓開口部の内周との間に設けられた第2部材と、
を有し、
前記第1部材は前記第2部材よりも高剛性の樹脂製であり、
前記第2部材は弾性体であるシール構造。
【請求項2】
前記フロントガラスの前面に接する前方領域と、
前記前方領域の端部と接続されており、前記フロントガラスの下面に沿うように前記フロントガラスの厚さ方向に延びる下方領域と、
を有する、
請求項
1に記載のシール構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のフロントガラス部分にはシール構造が設けられている。特許文献1には、カウルルーバーの車両幅方向端部における車両後端側の端部に、ウレタンシーラに沿って流れる水を、端部の車両幅方向外側に流し、排水するサイドピースが取り付けられている構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロントガラスが設けられているボディパネルにおいて、ボディパネルのフロントガラスの下方に吸気口が設けられている場合がある。この場合、フロントガラスの下端に沿って車両の車幅方向における内側に向かって流れる水がボディパネルを伝って吸気口に流入してしまうという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、フロントガラスの下方の吸気口に水が流入するのを防ぐシール構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、車両の前方に設けられており、窓開口部、及び、前記窓開口部の下方に設けられている吸気口を有するボディパネルと、前記窓開口部に設けられたフロントガラスと、前記フロントガラスの下端と前記窓開口部の内周との間に設けられており、前記フロントガラスの側端に沿って下方に向かって流れる水が前記フロントガラスの下端に沿って前記吸気口側に向かって流れるのを遮蔽するシール部材と、を有するシール構造を提供する。
【0007】
また、前記シール部材は、前記フロントガラスの前面に接する前方領域と、前記フロントガラスの後面に接する後方領域と、前記前方領域の下端と前記後方領域の下端とを接続する接続領域と、を有していてもよい。
【0008】
また、前記シール部材は、無負荷状態よりも圧縮された状態で前記フロントガラスと前記ボディパネルとの間に設けられる弾性部分を含んでいてもよい。
【0009】
また、前記シール部材は、前記フロントガラスの下端に固定される第1部材と、前記第1部材と前記窓開口部の内周との間に設けられた第2部材と、を有し、前記第2部材は弾性体であってもよい。
【0010】
また、前記第1部材は、前記第2部材よりも高剛性であり、前記フロントガラスの前面に接する前方領域と、前記前方領域の端部と接続されており、前記フロントガラスの下面に沿うように前記フロントガラスの厚さ方向に延びる下方領域と、を有していてもよい。
【0011】
また、前記シール部材は、前記水を前記車両の車幅方向外側に案内するガイド面を有していてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シール構造において、フロントガラスの下方の吸気口に水が流入するのを防ぐことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1の実施形態に係るシール構造の構成を示す。
【
図2】第1の実施形態に係るシール構造におけるシール部材付近の断面図である。
【
図3】第2の実施形態に係るシール構造におけるシール部材付近の断面図である。
【
図4】変形例2としてのシール構造におけるシール部材付近の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施形態>
[シール構造Sの構成]
図1は、第1の実施形態に係るシール構造Sの構成を示す図である。なお、
図1は、シール構造Sを車両の前方側から見た状態を示す図である。左方は、車両前方方向(車両進行方向)に対する左方向である。右方は、車両前方方向(車両進行方向)に対する右方向である。
図1中の矢印は、水の流れを示す。
【0015】
シール構造Sは、ボディパネル1、フロントガラス2、及びシール部材3を有する。ボディパネル1は、車両の前方に設けられている。ボディパネル1は、車両の外側面を形成する。
【0016】
ボディパネル1は、窓開口部11、及び吸気口12を有する。窓開口部11は、フロントガラス2が設けられている開口部である。
【0017】
吸気口12は、空気が流入する開口である。吸気口12から流入する空気は、例えばエンジンの冷却、又は車室内の空調用に用いられる。吸気口12は、窓開口部11の下方に設けられている。具体的には、吸気口12は、窓開口部11に設けられたフロントガラス2の下方、及び車両の車幅方向において、窓開口部11に設けられたフロントガラス2の両側端の内側に設けられている。
【0018】
フロントガラス2は、車両の前面に設けられたガラスである。フロントガラス2は、窓開口部11に設けられている。フロントガラス2は、例えば4つの角が円弧状の長方形状を有する。フロントガラス2は、フロントガラス2の上端がフロントガラス2の下端よりも車両の後方に位置するように、車両の高さ方向に対して傾斜している。
【0019】
シール部材3は、フロントガラス2の側端に沿って下方に向かって流れる水がフロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れるのを遮蔽する部材である。
【0020】
シール部材3は、フロントガラス2の下端と窓開口部11の内周との間に設けられている。具体的には、シール部材3は、フロントガラス2の下端と窓開口部11の内周との間、及び車両の車幅方向において、フロントガラス2の側端と吸気口12との間に設けられている。シール部材3の車両の車幅方向における長さd1は、例えば10mmから100mmの範囲内である。長さd1は、一例として30mmである。
【0021】
車両には、シール部材3として、シール部材3L及びシール部材3Rが設けられている。
【0022】
シール部材3Lは、車両の車幅方向における左側に設けられているシール部材である。シール部材3Lは、フロントガラス2の車両の車幅方向における左端において、フロントガラス2の下端と窓開口部11の内周との間に設けられている。シール部材3Lは、フロントガラス2の左側端に沿って下方に向かって流れる水がフロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れるのを遮蔽する。
図1中の矢印で示すように、フロントガラス2の左側端に沿って下方に向かって流れ、フロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れる水は、シール部材3Lと衝突し、下方に向かって流れる。
【0023】
シール部材3Rは、車両の車幅方向における右側に設けられているシール部材である。シール部材3Rは、フロントガラス2の車両の車幅方向における右端において、フロントガラス2の下端と窓開口部11の内周との間に設けられている。シール部材3Rは、フロントガラス2の右側端に沿って下方に向かって流れる水がフロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れるのを遮蔽する。
図1中の矢印で示すように、フロントガラス2の右側端に沿って下方に向かって流れ、フロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れる水は、シール部材3Rと衝突し、下方に向かって流れる。シール部材3Rは、シール部材3Lと同様の構造を有する。
【0024】
シール構造Sは、上述したように、フロントガラス2の下端と窓開口部11の内周との間に設けられており、フロントガラス2の側端に沿って下方に向かって流れる水がフロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れるのを遮蔽するシール部材3を有する。その結果、シール構造Sにおいては、フロントガラス2の側端に沿って下方に向かって流れる水がフロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れるのを遮蔽することができる。したがって、シール構造Sにおいては、フロントガラス2の下方の吸気口12に水が流入するのを防ぐことができる。
【0025】
[シール部材3の構造]
図2は、第1の実施形態に係るシール構造Sにおけるシール部材3L付近の断面図である。なお、
図2は、
図1のX-X線断面図である。
【0026】
シール部材3Lは、断面がコ字形状である。シール部材3Lの厚さは、例えば10mmである。シール部材3Lは、前方領域31L、後方領域32L、及び接続領域33Lを有する。シール部材3Lは、例えば両面テープ又は接着剤によってフロントガラス2の下端に固定される。両面テープの厚さは、例えば0.6mm又は0.8mmである。
【0027】
前方領域31Lは、フロントガラス2の前面に接する領域である。前方領域31Lは、例えば直方体形状を有する。前方領域31Lのフロントガラス2の前面に沿う高さ方向の長さd2は、例えば7mmである。なお、長さd2は、本実施形態では、接続領域33Lの上面に対する前方領域31Lの突出量に相当する。
【0028】
後方領域32Lは、フロントガラス2の後面に接する領域である。後方領域32Lは、例えば直方体形状を有する。後方領域32Lのフロントガラス2の後面に沿う高さ方向の長さd3は、前方領域31Lのフロントガラス2の前面に沿う高さ方向の長さd2よりも小さい。後方領域32Lのフロントガラス2の後面に沿う高さ方向の長さd3は、例えば5mmである。長さd3は、本実施形態では、接続領域33Lの上面に対する後方領域32Lの突出量に相当する。
【0029】
接続領域33Lは、前方領域31Lの下端と後方領域32Lの下端とを接続する領域である。接続領域33Lは、例えば直方体形状を有する。接続領域33Lは、フロントガラス2の下面に接する領域を有する。
【0030】
シール構造Sは、このように前方領域31L、後方領域32L、及び接続領域33Lを有するシール部材3Lを有することで、フロントガラス2とシール部材3Lとの接触面積を大きくすることができる。その結果、シール構造Sにおいては、シール部材3をフロントガラス2の前面及び後面に接着するため、シール部材3を剥がれづらくすることができる。
【0031】
シール部材3Lは、少なくとも部分的に弾性部分を含む。第1の実施形態においては、シール部材3の全体が弾性体である。シール部材3は、例えばエプトシーラー(登録商標)などの多孔質の弾性体である。シール部材3の材質は、例えばEPDM(Ethylene Propylene Diene Monomer)である。シール部材3Lがこのように弾性体であることにより、シール部材3Lは、無負荷状態よりも圧縮された状態でフロントガラス2とボディパネル1との間に設けられる。
【0032】
シール構造Sは、このように圧縮された状態でフロントガラス2とボディパネル1との間に設けられる弾性部分を含むシール部材3Lを有することで、フロントガラス2とボディパネル1を保護しつつ、フロントガラス2の下端とボディパネル1の内周との間に隙間が生じづらくすることができる。
【0033】
なお、上記の例では全体が弾性体のシール部材を例示したが、シール部材は、無負荷状態よりも圧縮された状態でフロントガラス2とボディパネル1との間に設けられる部分を含んでいればよく、必ずしも全体が弾性体である必要はない。また、本明細書にいう弾性体とは、力が加わった際に形状が変形し易くフロントガラス2とボディパネル1との間の空間を良好にシールできる部材のことをいい、例えば金属の無垢材等は含まれない。
【0034】
[第1の実施形態に係るシール構造Sによる効果]
第1の実施形態に係るシール構造Sは、上述したように、フロントガラス2の下端と窓開口部11の内周との間に設けられており、フロントガラス2の側端に沿って下方に向かって流れる水がフロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れるのを遮蔽するシール部材3を有する。
【0035】
その結果、シール構造Sにおいては、フロントガラス2の側端に沿って下方に向かって流れる水がフロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れるのを遮蔽することができる。したがって、シール構造Sにおいては、フロントガラス2の下方の吸気口12に水が流入するのを防ぐことができる。
【0036】
<第2の実施形態>
第1の実施形態に係るシール構造Sは、1つの部材で構成され、断面がコ字形状のシール部材3Lを有する。しかしながら、本発明の一形態のシール構造は、例えば2つの部材を有し、断面がコ字形状とは異なる形状のシール部材を有していてもよい。以下、
図3を参照しながら、第2の実施形態について説明する。
【0037】
[シール部材3aLの構造]
図3は、第2の実施形態に係るシール構造Saにおけるシール部材3aL付近の断面図である。
【0038】
シール構造Saは、ボディパネル1、フロントガラス2、及びシール部材3aLを有する。シール部材3aLは、第1部材34aL及び第2部材35aLを有する。第1部材34aLは、フロントガラス2の下端に固定される部材である。具体的には、第1部材34aLは、例えば両面テープ、又は接着剤によってフロントガラス2の下端に固定される。第1部材34aLの詳細は後述する。
【0039】
第2部材35aLは、第1部材34aLと窓開口部11の内周との間に設けられた部材である。第2部材35aLは、例えば直方体形状を有する。第2部材35aLの上面は、例えば両面テープ、又は接着剤によって第1部材34aLの下面に固定されている。
【0040】
第2部材35aLは弾性体である。第2部材35aLは、シール部材3と同様に、例えばエプトシーラー(登録商標)である。第2部材35aLの材質は、シール部材3と同様に、例えばEPDMである。
【0041】
第2部材35aLのフロントガラス2の前面及び後面に沿う方向の長さd5は、例えば10mmである。第2部材35aLのフロントガラス2の厚さ方向の長さd6は、例えば10mmである。第2の実施形態においては、第1部材34aL及び第2部材35aLのフロントガラス2の前面及び後面に沿う方向の長さが同程度である例を示したが、これに限定されない。第1部材34aL及び第2部材35aLのフロントガラス2の前面及び後面に沿う方向の長さは任意である。
【0042】
シール構造Saは、このように第1部材34aL及び第2部材35aLを有するシール部材3aLを有する。その結果、シール構造Saにおいては、フロントガラス2の下端にシール部材3aLを強固に固定しつつ、フロントガラス2の下端とボディパネル1の内周との間に隙間が生じづらくすることができる。
【0043】
[第1部材34aLの構造]
第1部材34aLは、第2部材35aLよりも高剛性である。第1部材34aLは、例えば樹脂製である。第1部材34aLは、断面がL字形状である。第1部材34aLの厚さは、例えば2.5mmである。第1部材34aLは、前方領域341aL及び下方領域342aLを有する。
【0044】
前方領域341aLは、フロントガラス2の前面に接する領域である。前方領域341aLは、例えば直方体形状を有する。前方領域341aLのフロントガラス2の前面に沿う高さ方向の長さd4は、例えば7mmである。
【0045】
下方領域342aLは、フロントガラス2の下面に沿うようにフロントガラス2の厚さ方向に延びる領域である。下方領域342aLは、前方領域341aLの端部と接続されている。具体的には、下方領域342aLは、前方領域341aLの下端と接続されている。下方領域342aLは、例えば直方体形状を有する。下方領域342aLのフロントガラス2の厚さ方向の長さは、第2部材35aLのフロントガラス2の厚さ方向の長さd6と同じである。
【0046】
シール構造Saでは、このように第2部材35aLよりも高剛性であり、前方領域341aL及び下方領域342aLを有する第1部材34aLを有するシール部材3aLを有することで、シール部材3aLをフロントガラス2の下端に強固に固定することができる。
【0047】
なお、
図3では、下方領域342aLの長さ(符号d6に相当する部分の長さ)と、第2部材35aLの長さd6が同一であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、第2部材35aLの長さd6が
図3の状態よりも長く形成され、第2部材35aLが、下方領域342aLのガラス内面側の端部(
図3における左下側の端部)よりも突出していてもよい。このように、弾性体である第2部材35aLが、高剛性の第1部材34aLよりも内側に突出している構成によれば、第2部材35aLが車両前面に良好に密着するので、シール性を確保しやすい。
【0048】
[変形例1]
上記第2の実施形態においては、シール部材3aLが第1部材34aL及び第2部材35aLを有する例を示したが、これに限定されない。シール部材は、例えば第2部材35aLを有しておらず、第1部材34aLのみを有する構成であってもよい。
【0049】
[変形例2]
図4は、変形例2としてのシール構造Sbにおけるシール部材3bL付近の構成を示す図である。
【0050】
シール構造Sbは、ボディパネル1、フロントガラス2、及びシール部材3bLを有する。シール部材3bLは、ガイド面36bLを有する。ガイド面36bLは、フロントガラス2の側端に沿って下方に向かって流れる水を車両の車幅方向外側に案内する面である。ガイド面36bLは、シール部材3bLの車両の車幅方向における外側に設けられている。ガイド面36bLは、ガイド面36bLの下端がガイド面36bLの上端よりも車両の車幅方向における外側に位置するように、車両の高さ方向に対して傾斜している。
【0051】
図4中の矢印で示すように、例えば、フロントガラス2の左側端に沿って下方に向かって流れ、フロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れる水は、シール部材3bLのガイド面36bLと衝突し、ガイド面36bLによって、車両の車幅方向外側に案内される。
【0052】
シール構造Sbでは、このようにガイド面36bLを有するシール部材3bLが設けられていることで、フロントガラス2の側端に沿って下方に向かって流れる水を車両の車幅方向外側に案内することができる。
【0053】
図4中のストレート部13は、ボディパネル1に形成されている窓開口部11の縁の部分である。ストレート部13は、車両の車幅方向において延在している。変形例2として、ガイド面36bLを有するシール部材3bLがボディパネル1のストレート部13に設けられている例を示したが、本発明はこれに限定されない。
【0054】
例えば、第1の実施形態のシール部材3Lがボディパネル1のテーパ部14Lに設けられていてもよい。この場合、シール部材3Lの車両の車幅方向における外側の面が、当該面の下端が当該面の上端よりも車両の車幅方向における外側に位置するように、車両の高さ方向に対して傾斜していてもよい。この場合、当該面が、フロントガラス2の側端に沿って下方に向かって流れる水を車両の車幅方向外側に案内するガイド面に相当する。
【0055】
なお、テーパ部14Lは、ボディパネル1に形成されている窓開口部11の縁の部分である。テーパ部14Lは、テーパ部14Lの下端がテーパ部14Lの上端よりも車両の車幅方向における内側に位置するように、車両の高さ方向に対して傾斜している。テーパ部14Lの下端はストレート部13の左端と接続されている。
【0056】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0057】
S、Sa、Sb・・・シール構造
1・・・ボディパネル
11・・・窓開口部
12・・・吸気口
13・・・ストレート部
14L・・・テーパ部
2・・・フロントガラス
3、3L、3R、3aL、3bL・・・シール部材
31L・・・前方領域
32L・・・後方領域
33L・・・接続領域
34aL・・・第1部材
341aL・・・前方領域
342aL・・・下方領域
35aL・・・第2部材
36bL・・・ガイド面
【要約】
【課題】シール構造において、フロントガラスの下方の吸気口に水が流入するのを防ぐ。
【解決手段】シール構造Sは、車両の前方に設けられており、窓開口部11、及び、窓開口部11の下方に設けられている吸気口12を有するボディパネル1と、窓開口部11に設けられたフロントガラス2と、フロントガラス2の下端と窓開口部11の内周との間に設けられており、フロントガラス2の側端に沿って下方に向かって流れる水がフロントガラス2の下端に沿って吸気口12側に向かって流れるのを遮蔽するシール部材3と、を有する。
【選択図】
図1