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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ビーム構成方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/08 20060101AFI20231121BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20231121BHJP
【FI】
H04B7/08 802
H04W88/02 140
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021573355
(86)(22)【出願日】2020-07-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 CN2020101663
(87)【国際公開番号】W WO2021008495
(87)【国際公開日】2021-01-21
【審査請求日】2022-01-14
(31)【優先権主張番号】201910628956.9
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リン、セン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ヨン
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-006365(JP,A)
【文献】国際公開第2018/082904(WO,A1)
【文献】特開2015-185953(JP,A)
【文献】国際公開第2011/150549(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/08
H04W 88/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム構成方法であって、
基地局スケジューリング情報ランクを決定する段階と、チャネル信号の状態に基づいて到着電力スペクトルの方向を推定する段階と、
前記到着電力スペクトルの方向に基づいてピーク情報を決定する段階と、
前記ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定する段階と、
事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、前記電力条件を満たす前記ビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択する段階と、
前記基地局スケジューリング情報ランク、前記チャネル信号から得られたチャネル品質インジケータCQIの値、および、電力の降順での前記到着電力スペクトルの方向に基づいて、前記少なくとも1つの候補ビーム方向から端末のターゲットビーム方向を決定する段階と
を備える、方法。
【請求項2】
到着電力スペクトルの方向を前記推定する段階が、
基地局によって送信されるビームの方向が固定されている場合、異なるビーム方向の基準信号受信電力を取得する段階であって、前記異なるビーム方向の前記基準信号受信電力が、前記到着電力スペクトルの方向を形成する、取得する段階を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
到着電力スペクトルの方向を前記推定する段階が、
ビームスイープを介して前記到着電力スペクトルの方向を取得する段階、または非コヒーレントチャネル推定を介して前記到着電力スペクトルの方向を取得する段階を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ピーク情報が、ピーク電力、最大ピーク電力、および隣接するピーク電力間の角距離を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記電力条件が、ピーク電力が基地局によって前記端末に配信されるRRC上位層パラメータRACH-ConfigCommonのrsrp-ThresholdSSBよりも大きく、前記ピーク電力と最大ピーク電力との間の差の絶対値が、第1の事前設定された閾値以下であり、隣接するピーク電力間の角距離が、前記端末のビーム幅のピーク電力に対応するビーム方向よりも大きいというものである、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、前記電力条件を満たす前記ビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を前記選択する段階が、
前記端末によって同時にサポートされるビームの量および前記電力条件を満たすビームの量の上限に基づいて候補ビームの量を決定する段階であって、前記候補ビームの量が、前記端末によって同時にサポートされる前記ビームの量および前記電力条件を満たす前記ビームの量の前記上限のうちの最小値である、決定する段階と、
電力の降順での前記候補ビームの量に基づいて、前記電力条件を満たす前記ビーム方向から前記候補ビーム方向を選択する段階と
を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
平偏波と直偏波との間の電力関係に基づいて、前記ターゲットビーム方向の偏波モードを決定する段階であって、
平偏波と直偏波との間の電力関係に基づいて、前記ターゲットビーム方向の偏波モードを前記決定する段階が、
前記ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信する段階と、
直偏波方向の前記基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の前記基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得する段階と、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて前記ターゲットビーム方向の前記偏波モードを決定する段階とを有する、決定する段階をさらに備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および前記到着電力スペクトルの方向に基づいて、前記少なくとも1つの候補ビーム方向から前記端末のターゲットビーム方向を前記決定する段階が、
前記基地局スケジューリング情報ランクの値が1であり、前記チャネル品質インジケータCQIの前記値が第2の事前設定された閾値より大きい場合、前記ターゲットビーム方向として最も強い電力を有する候補ビーム方向を選択する段階を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および前記到着電力スペクトルの方向に基づいて、前記少なくとも1つの候補ビーム方向から前記端末のターゲットビーム方向を前記決定する段階が、
前記基地局スケジューリング情報ランクの値が1でない場合、および/または前記チャネル品質インジケータCQIの前記値が第2の事前設定された閾値以下である場合、すべての前記候補ビーム方向を前記ターゲットビーム方向として用いる段階を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信する段階と、
直偏波方向の前記基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の前記基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得する段階と
をさらに備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記電力条件を満たす前記ビーム方向の量が1であると判定する段階と、
記RSRP_{V}と前記RSRP_{H}との間の差の絶対値が第3の事前設定された閾値より大きい場合
前記垂直偏波モードまたは前記水平偏波モードの第1のビーム、おび、前記水平偏波モードまたは前記垂直偏波モードの第2のビームを前記ターゲットビーム方向に設定する段階であって、前記第1のビームの方向と前記第2のビームの方向とが同じであり、前記第1のビームの前記方向と前記第2のビームの前記方向で偏波モードが異なる、設定する段階と
ランクの値が1であることを前記基地局に報告する段階と、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて、前記垂直偏波モードまたは前記水平偏波モードを、前記ターゲットビーム方向の前記偏波モドとして選択する段階と
をさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記候補ビーム方向の量が1より大きい場合、
ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信する段階と、
直偏波方向の前記基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の前記基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得する段階と、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて各ターゲットビーム方向の偏波モードを決定する段階と
をさらに備える、請求項9から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
メモリおよびプロセッサを備える、ビーム構成装置であって、前記メモリは、前記プロセッサに、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法を実行させるための命令を記憶するように構成される、ビーム構成装置。
【請求項14】
メモリおよびプロセッサを備えるチップであって、前記メモリは、前記プロセッサに、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法を実行させるためのプログラム命令を記憶するように構成される、チップ。
【請求項15】
プロセッサに、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年7月12日に中国国家知識産権局に出願された「BEAM CONFIGURATION METHOD AND APPARATUS」と題する中国特許出願第201910628956.9号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願の実施形態は、通信技術の分野に関し、特に、ビーム構成方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
5G高周波通信では、基地局側とユーザ機器側の両方がビームフォーミングの形式で信号を送受信する。5Gミリ波通信におけるリンクの安定性を向上させるために、通常、複数のアンテナアレイがユーザ機器側に配置される。各アンテナアレイは、1つまたは複数のビームを同時に送信し得る。しかし、ユーザ機器が使用するビームの量、各ビームの方向選択、ビームの偏波モードの構成などは、ユーザ機器の伝送速度、電力消費、およびサービスの安定性に大きく影響する。
【0004】
現在、ユーザ機器には通常2つのアンテナアレイが設置されており、各アレイは1つのビームを送信する。さらに、2つのビームは同じ方向であるが異なる偏波モードを有するように設定される。
【0005】
しかし、前述の設定方法は単純であり、ビーム構成に関する基地局スケジューリング情報、チャネル品質などの要件は考慮されない。その結果、ビーム構成は特定のサービスシナリオに適合しなくなり、通信リンク全体の安定性に影響を与えることになる。
【発明の概要】
【0006】
本出願の実施形態は、様々なサービスシナリオの要件を満たし、通信リンクの安定性を向上させるために、端末側のビーム構成方法をより柔軟にできるように、ビーム構成方法および装置を提供する。
【0007】
第1の態様によれば、本出願の実施形態は、ビーム構成方法を提供する。本方法は、
基地局スケジューリング情報ランクを決定する段階と、到着電力スペクトルの方向を決定する段階と、
到着電力スペクトルの方向に基づいてピーク情報を決定する段階と、
ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定する段階と、
事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択する段階と、
基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から端末のターゲットビーム方向を決定する段階とを含む。
【0008】
本実施形態では、サービスシナリオを総合的に考慮し、基地局スケジューリング情報ランクを決定し、到着電力スペクトルの方向を決定する。ピーク情報は、到着電力スペクトルの方向に基づいて決定される。電力条件を満たすビーム方向は、ピーク情報に基づいて決定される。少なくとも1つの候補ビーム方向は、事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から選択される。端末のターゲットビーム方向は、基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から決定される。このように、端末側のビーム構成方法はより柔軟であり、様々なサービスシナリオの要件を満たし、通信リンクの安定性を向上させる。
【0009】
任意選択で、基地局スケジューリング情報ランクの決定は、
基地局によって送信される基地局スケジューリング情報ランクを受信することを含む。
【0010】
本実施形態では、基地局スケジューリング情報が事前に構成されているので、端末側は、代替として基地局の構成パラメータを照会して、基地局スケジューリング情報ランクを取得し得る。したがって、対応するビーム構成ソリューションは、異なる基地局スケジューリング情報ランクに基づいて設計され得る。
【0011】
任意選択で、到着電力スペクトルの方向を決定することは、
基地局によって送信されるビームの方向が固定されている場合、異なるビーム方向の基準信号受信電力が到着電力スペクトルの方向を形成する、異なるビーム方向の基準信号受信電力を取得することを含む。
【0012】
任意選択で、到着電力スペクトルの方向を決定することは、
ビームスイープを介して到着電力スペクトルの方向を取得すること、または非コヒーレントチャネル推定を介して到着電力スペクトルの方向を取得することを含む。
【0013】
任意選択で、ピーク情報には、ピーク電力、最大ピーク電力、および隣接するピーク電力間の角距離が含まれる。
【0014】
任意選択で、電力条件は、ピーク電力は、基地局によって端末に配信されるRRC上位層パラメータRACH-ConfigCommonのrsrp-ThresholdSSBよりも大きく、ピーク電力と最大ピーク電力との間の差の絶対値は、第1の事前設定された閾値以下であり、隣接するピーク電力間の角距離は、端末のビーム幅のピーク電力に対応するビーム方向よりも大きいというものである。
【0015】
本実施形態では、ピーク電力、隣接するピーク電力間の角距離、および最大ピーク電力などの要素を総合的に考慮して、より信号伝送品質の良いビーム方向を選択するように、電力条件に基づいて条件を満たすビーム方向を検索し得る。
【0016】
任意選択で、事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択することは、
候補ビームの量が、端末によって同時にサポートされるビームの量および電力条件を満たすビームの量の上限の最小値である、端末によって同時にサポートされるビームの量および電力条件を満たすビームの量の上限に基づいて候補ビームの量を決定することと、
電力の降順での候補ビームの量に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から候補ビーム方向を選択することとを含む。
【0017】
本実施形態では、候補ビームの量は、端末デバイスの要件が満たされていることを前提として、最適なビーム量を選択できるように、端末によって同時にサポートされるビームの量および電力条件を満たすビームの量の上限に基づいて決定される。
【0018】
任意選択で、本方法はさらに、水平偏波と直偏波との間の電力関係に基づいて、ターゲットビーム方向の偏波モードを決定することを含む。
【0019】
任意選択で、水平偏波と直偏波との間の電力関係に基づいて、ターゲットビーム方向の偏波モードを決定することは、
ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信することと、
直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得することと、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいてターゲットビーム方向の偏波モードを決定することとを含む。
【0020】
本実施形態では、基準信号は、受信効果の高い偏波モードを選択し、信号伝送品質を向上させるために、ターゲットビーム方向の2つの異なる偏波モードで受信され、ターゲットビーム方向の偏波モードは、基準信号の受信電力を比較することによって決定される。
【0021】
任意選択で、基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から端末のターゲットビーム方向を決定することは、
基地局スケジューリング情報ランクの値が1であり、チャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値より大きい場合、ターゲットビーム方向として最も強い電力を有する候補ビーム方向を選択することを含む。
【0022】
任意選択で、基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から端末のターゲットビーム方向を決定することは、
基地局スケジューリング情報ランクの値が1でない場合、および/またはチャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値以下である場合、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定することを含む。
【0023】
本実施形態では、ターゲットビーム方向は、チャネルの量を柔軟に選択し、信号伝送のための電力消費を低減するために、基地局スケジューリング情報および/またはチャネル品質インジケータCQIの値を使用して決定される。
【0024】
任意選択で、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定することは、
候補ビームの量が1の場合、候補ビーム方向をターゲットビーム方向として使用することを含む。
【0025】
任意選択で、方法はさらに、
ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信することと、
直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得することとを含む。
【0026】
任意選択で、方法はさらに、
RSRP_{V}とRSRP_{H}との間の差の絶対値が第3の事前設定された閾値より大きい場合、第1のビームの方向と第2のビームの方向とが同じであり、第1のビームの方向と第2のビームの方向で偏波モードが異なる、第1のビームおよび第2のビームをターゲットビーム方向に設定する段階と、
ランクの値が1であることを基地局に報告することと、基地局スケジューリング情報ランクの値が1の場合、第1のビームの方向または第2のビームの方向をターゲットビーム方向として選択する段階と、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいてターゲットビーム方向の偏波モードを決定する段階とを含む。
【0027】
本実施形態では、基地局スケジューリング情報ランクの値が1の場合、第1のビームの方向または第2のビームの方向は、信号伝送効果を確保しながら、信号伝送の電力消費を可能な限り低減するために、ターゲットビーム方向として選択し得る。
【0028】
任意選択で、方法はさらに、
RSRP_{V}とRSRP_{H}との間の差の絶対値が、第3の事前設定された閾値以下である場合、第1のビームの方向と第2のビームの方向とが同じである、第1のビームおよび第2のビームをターゲットビーム方向に設定する段階と、第1のビームの方向の偏波モードが垂直偏波である場合、第2のビームの方向の偏波モードを水平偏波に設定する段階、または、第1のビームの方向の偏波モードが水平偏波である場合、第2のビームの方向の偏波モードを垂直偏波に設定する段階とを含む。
【0029】
本実施形態では、2つのビームが使用される場合、ビーム障害回復の障害の確率を低減するために、チャネル品質に基づいて異なる方向のビームが使用され得る。本実施形態は、ユーザ機器UEが移動する場合に特に適用可能である。
【0030】
任意選択で、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定することは、
候補ビームの量が1より大きい場合、すべての候補ビーム方向をターゲットビーム方向として使用することを含む。
【0031】
任意選択で、方法はさらに、
各ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信する段階と、
直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得する段階と、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて各ターゲットビーム方向の偏波モードを決定する段階とを含む。
【0032】
本実施形態では、ユーザ機器UEの伝送速度を向上させ、ストリームの数を増やすために、柔軟な偏波構成方法をチャネル品質に基づいて使用し得る。
【0033】
第2の態様によれば、本出願の実施形態は、
ストレージモジュールが、処理モジュールに結合され、必要なプログラム命令およびデータを記憶するように構成される、処理モジュールおよびストレージモジュールを含むビーム構成装置を提供する。
【0034】
処理モジュールは、
基地局スケジューリング情報ランクを決定することと、到着電力スペクトルの方向を決定することと、
到着電力スペクトルの方向に基づいてピーク情報を決定することと、
ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定することと、
事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択することと、
基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から端末のターゲットビーム方向を決定することとを行うように構成される。
【0035】
任意選択で、装置はさらに、
基地局によって送信される基地局スケジューリング情報ランクを受信するように構成される受信モジュールを含む。
【0036】
任意選択で、処理モジュールは、
基地局によって送信されるビームの方向が固定されている場合、異なるビーム方向の基準信号受信電力を取得し、異なるビーム方向の基準信号受信電力は、到着電力スペクトルの方向を形成するようにさらに構成される。
【0037】
任意選択で、処理モジュールは、
ビームスイープを介して到着電力スペクトルの方向を取得するか、または非コヒーレントチャネル推定を介して到着電力スペクトルの方向を取得するようにさらに構成される。
【0038】
任意選択で、ピーク情報には、ピーク電力、最大ピーク電力、および隣接するピーク電力間の角距離が含まれる。
【0039】
任意選択で、電力条件は、ピーク電力は、基地局によって端末に配信されるRRC上位層パラメータRACH-ConfigCommonのrsrp-ThresholdSSBよりも大きく、ピーク電力と最大ピーク電力との間の差の絶対値は、第1の事前設定された閾値以下であり、隣接するピーク電力間の角距離は、端末のビーム幅のピーク電力に対応するビーム方向よりも大きいというものである。
【0040】
任意選択で、処理モジュールは、
候補ビームの量が、端末によって同時にサポートされるビームの量および電力条件を満たすビームの量の上限の最小値である、端末によって同時にサポートされるビームの量の上限および電力条件を満たすビームの量に基づいて候補ビームの量を決定することと、
電力の降順での候補ビームの量に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から候補ビーム方向を選択することとを行うようにさらに構成される。
【0041】
任意選択で、処理モジュールは、
平偏波と直偏波との間の電力関係に基づいて、ターゲットビーム方向の偏波モードを決定するようにさらに構成される。
【0042】
任意選択で、処理モジュールは、ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信することと、
直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得することと、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいてターゲットビーム方向の偏波モードを決定することとを行うように特別に構成される。
【0043】
任意選択で、処理モジュールは、
基地局スケジューリング情報ランクの値が1であり、チャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値より大きい場合、ターゲットビーム方向として最も強い電力を有する候補ビーム方向を選択するようにさらに構成される。
【0044】
任意選択で、処理モジュールは、
基地局スケジューリング情報ランクの値が1でない場合、および/またはチャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値以下である場合、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定するようにさらに構成される。
【0045】
任意選択で、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定することは、
候補ビームの量が1の場合、候補ビーム方向をターゲットビーム方向として使用することを含む。
【0046】
任意選択で、処理モジュールは、
ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信することと、
直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得することとを行うようにさらに構成される。
【0047】
任意選択で、処理モジュールは、
RSRP_{V}とRSRP_{H}との間の差の絶対値が第3の事前設定された閾値より大きい場合、第1のビームの方向と第2のビームの方向とが同じであり、第1のビームの方向と第2のビームの方向で偏波モードが異なる、第1のビームおよび第2のビームをターゲットビーム方向に設定することと、
ランクの値が1であることを基地局に報告することと、基地局スケジューリング情報ランクの値が1の場合、第1のビームの方向または第2のビームの方向をターゲットビーム方向として選択することと、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいてターゲットビーム方向の偏波モードを決定することとを行うようにさらに構成される。
【0048】
任意選択で、処理モジュールは、
RSRP_{V}とRSRP_{H}との間の差の絶対値が、第3の事前設定された閾値以下である場合、第1のビームの方向および第2のビームの方向が同じである、第1のビームおよび第2のビームをターゲットビーム方向に設定することと、
第1のビームの方向の偏波モードが垂直偏波である場合、第2のビームの方向の偏波モードを水平偏波に設定すること、または、第1のビームの方向の偏波モードが水平偏波である場合、第2のビームの方向の偏波モードを垂直偏波に設定することとを行うようにさらに構成される。
【0049】
任意選択で、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定することは、
候補ビームの量が1より大きい場合、すべての候補ビーム方向をターゲットビーム方向として使用することを含む。
【0050】
任意選択で、処理モジュールは、
各ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信することと、
直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得することと、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて各ターゲットビーム方向の偏波モードを決定することとを行うようにさらに構成される。
【0051】
第3の態様によれば、本出願の実施形態は、
第1の態様でビーム構成方法を実施するように構成されるモジュール、構成要素、または回路を含むビーム構成装置を提供する。
【0052】
第4の態様によれば、本出願の実施形態は、プロセッサおよびトランシーバを含む端末を提供し、プロセッサおよびトランシーバは、本出願の実施形態の第1の態様によるビーム構成方法を実行するように構成される。
【0053】
第5の態様によれば、本出願の実施形態は、メモリおよびプロセッサを含むチップを提供する。メモリは、プログラム命令を記憶するように構成され、プロセッサは、メモリ内のプログラム命令を呼び出して、本出願の実施形態の第1の態様によるビーム構成方法を実行するように構成される。
【0054】
第6の態様によれば、本出願の実施形態は、可読記憶媒体を提供する。可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムが実行されると、本出願の実施形態の第1の態様によるビーム構成方法が実施される。
【0055】
第7の態様によれば、本出願の実施形態は、プログラム製品を提供する。プログラム製品はコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは可読記憶媒体に記憶される。通信装置が、本出願の実施形態の第1の態様によるビーム構成方法を実施するように、通信装置の少なくとも1つのプロセッサは、可読記憶媒体からコンピュータプログラムを読み取り得て、少なくとも1つのプロセッサは、コンピュータプログラムを実行する。
【0056】
本出願では、基地局スケジューリング情報ランクが決定され、到着電力スペクトルの方向が決定される。ピーク情報は、到着電力スペクトルの方向に基づいて決定される。電力条件を満たすビーム方向は、ピーク情報に基づいて決定される。少なくとも1つの候補ビーム方向は、事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から選択される。端末のターゲットビーム方向は、基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から決定される。このように、端末側のビーム構成方法はより柔軟であり、様々なサービスシナリオの要件を満たし、通信リンクの安定性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本出願の実施形態による応用シナリオの構造の概略図である。
【0058】
図2】本出願の実施形態によるビーム構成方法の概略フローチャートである。
【0059】
図3】本出願の実施形態による到着電力スペクトルの方向を取得する原理の概略図である。
【0060】
図4】本出願の実施形態によるシナリオにおける到着電力スペクトルの方向の概略図である。
【0061】
図5】本出願の実施形態による別のシナリオにおける到着電力スペクトルの方向の概略図である。
【0062】
図6A】本出願によるビーム構成方法の概略的な包括的なフローチャートである。
図6B】本出願によるビーム構成方法の概略的な包括的なフローチャートである。
【0063】
図7】本出願の別の実施形態によるビーム構成方法の概略フローチャートである。
【0064】
図8】本出願のさらに別の実施形態によるビーム構成方法の概略フローチャートである。
【0065】
図9】本出願のさらにもう1つの実施形態によるビーム構成方法の概略フローチャートである。
【0066】
図10】本出願の実施形態によるビーム構成装置の構造の概略図である。
【0067】
図11】本出願の実施形態による端末の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1は、本出願の実施形態による応用シナリオの構造の概略図である。図1に示すように、ネットワークデバイスおよび端末は含まれ得る。ビームフォーミングは、より長い通信可能距離を取得して信号干渉を低減させるために、正確な狭ビームがユーザデータのサービスを提供できるように、アンテナアレイを使用して信号に対して実行される。したがって、5G高周波通信では、ネットワークデバイスと端末側の両方がビームフォーミング方式で信号を送受信する。信号がビームフォーミング方式で送受信される場合、ビーム管理が含まれる。本出願の本実施形態では、ネットワークデバイス側のビーム方向が固定されている場合、端末側のビームは、様々なサービスシナリオの要件を満たし、通信リンクの安定性を向上させるように最適に構成される。
【0069】
以下は、当業者が理解するのを助けるために、本出願におけるいくつかの用語を説明および描写する。
【0070】
ネットワークデバイスは、無線アクセスネットワーク(無線アクセスネットワーク、RAN)デバイスとも呼ばれ、端末が無線ネットワークにアクセスできるようにするデバイスであり、長期進化(Long Term Evolution、LTE)の進化型NodeB(Evolutional NodeB、eNBまたはeNodeB)、中継局またはアクセスポイント、または5Gネットワークの基地局、例えば、送受信ポイント(Transmission and Reception Point、TRP)、またはコントローラであり得る。本明細書では、これに限定されない。
【0071】
端末は、無線端末または有線端末であり得る。無線端末は、無線トランシーバ機能を有するデバイスを指し得て、屋内または屋外のデバイス、ハンドヘルドデバイス、または車載デバイスを含む陸上に配備し得るか、または水上(例えば、蒸気船上)に配備し得るか、または空中(例えば、飛行機、気球、衛星上)に配備し得る。端末は、携帯電話(mobile phone)、タブレットコンピュータ(Pad)、無線トランシーバ機能を有するコンピュータ、仮想現実(Virtual Reality、VR)端末、拡張現実(Augmented Reality、AR)端末、産業用制御(industrial control)の無線端末、自動運転(self driving)の無線端末、遠隔医療(Telemedicine)の無線端末、スマートグリッド(Smart Grid)の無線端末、輸送安全(transportation safety)の無線端末、スマートシティ(smart city)の無線端末、スマートホーム(smart home)の無線端末などであり得る。本明細書では、これに限定されない。本出願の実施形態では、端末はまた、ユーザ機器(user equipment、UE)と呼ばれ得ることが理解され得る。
【0072】
ビーム管理は、ミリ波プロトコルの基本機能である。TR38.802では、ビーム管理の主要なプロセスは、アップリンクおよびダウンリンクのデータ送受信に使用されるビームのセットを取得および維持するためのL1/L2手順として定義されており、ビーム決定、ビーム測定、ビームスイープ、およびビーム報告が含まれる。(1)ビーム決定は、送受信ポイント(transmission and reception point、TRP)またはユーザ機器(user equipment、UE)が適切な送信/受信ビームを選択するプロセスである。UE端の要件は、ネットワーク側からミリ波ビームを受信した後、UEがアライメントプロセスを実行し、このプロセスには、ダウンリンクビームの選択およびアップリンクビームの選択が含まれることである。最後に、UEは最適なビームを選択する。UEはビームの相反性を満たす必要がある。(2)ビーム測定手段は、UEがネットワーク側からビーム形成信号を受信し、信号にはビーム情報が含まれることである。UE端の要件は、ネットワークのビーム形成信号を正しく測定でき、ビーム測定信号を正しく報告でき、測定結果に基づいてビーム管理の他のアクションを実行できることである。(3)ビームスイープ手段は、空間領域において、ビームが所定の方法で時間間隔の間に送信および/または受信されることである。UE端の要件は、UEが時間間隔の間にビームをスイープし、スイープ結果を正しく処理できることである。(4)ビーム報告手段は、ビーム測定に基づいてビーム形成信号の情報をUEが報告することである。UE端の要件は、UEがネットワーク側の要件に基づいて様々な状態における測定情報を報告し、ネットワーク側から応答が返された後に対応するアクションを実行できることである。
【0073】
従来技術では、通常、2つのアンテナアレイがUE端に配置され、各アレイは1つのビームを送信する。2つのビームは、異なる偏波モードおよび同じビーム方向を有するように設定される。特定のサービスシナリオ、チャネル条件、および基地局のスケジューリングステータスは、この設定方法では考慮されず、実装形態は単純である。2つのビームのビーム方向は常に同じである。その結果、一方のビームの受信が失敗すると、もう一方のビームの受信も失敗し、この失敗はリンクの安定性および堅牢性に影響を与える。さらに、チャネルの偏波特性は、従来技術では考慮されていない。例えば、いくつかのシナリオでは、垂直偏波ビームに対応する基準信号受信電力(Reference Signal Received Power、RSRP)は、水平偏波ビームに対応する基準信号受信電力よりもはるかに高い(または低い)。この場合、信号品質の悪い偏波モードは正しく動作することができない。従来技術では、基地局スケジューリング情報ランクおよびチャネル品質インジケータCQIの値も考慮されていない。ネットワークおよびチャネルによって決定されたランクがシングルストリーム送信に使用される場合、2つのビームを同時に送信する必要はない。結論として、従来技術の実装形態は単純であり、ビーム構成に関する基地局スケジューリング情報、チャネル品質などの要件は考慮されていないことが分かる。その結果、ビーム構成は特定のサービスシナリオに適合しなくなり、通信リンク全体の安定性に影響を与えることになる。
【0074】
従来技術の問題点として、本出願では、サービスシナリオを総合的に考慮し、基地局スケジューリング情報ランクを決定し、到着電力スペクトルの方向を決定する。ピーク情報は、到着電力スペクトルの方向に基づいて決定される。電力条件を満たすビーム方向は、ピーク情報に基づいて決定される。少なくとも1つの候補ビーム方向は、事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から選択される。端末のターゲットビーム方向は、基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から決定される。このように、端末側のビーム構成方法はより柔軟であり、様々なサービスシナリオの要件を満たし、通信リンクの安定性を向上させる。
【0075】
図2は、本出願の実施形態によるビーム構成方法の概略フローチャートである。図2に示すように、本実施形態は、以下のステップを含み得る。
【0076】
ステップS101:基地局スケジューリング情報ランクを決定し、到着電力スペクトルの方向を決定する。
【0077】
本実施形態では、端末側は、基地局側から基地局スケジューリング情報ランクを直接取得し得る。基地局スケジューリング情報が事前に構成されているので、端末側は、代替として基地局の構成パラメータを照会して、基地局スケジューリング情報ランクを取得し得る。
【0078】
本実施形態では、端末側は、P1フェーズおよび/またはP3フェーズでのビームスイープ中に到着電力スペクトルの方向を取得し得る。具体的には、詳細な説明の例として、P3フェーズ(P3フェーズではネットワークデバイスのビームが固定される)を使用する。図3は、本出願の実施形態による到着電力スペクトルの方向を取得する原理の概略図である。図3に示すように、事前設定された期間では、ネットワークデバイス側のビーム方向が固定され、事前設定された期間では、端末側が事前設定された角度間隔に基づいてビーム方向を調整するように制御される。次いで、各ビーム方向に基準信号受信電力を記録し、端末の到着電力スペクトルの方向を取得する。具体的には、本実施形態では、端末は、代替として、非コヒーレントチャネル推定を通じて到着電力スペクトルの方向を取得し得る。具体的には、到着電力の方向はチャネル信号フェージングに関連しているため、到着電力スペクトルの方向は、チャネル信号の状態に基づいて推定し得る。
【0079】
ステップS102:到着電力スペクトルの方向に基づいてピーク情報を決定する。
【0080】
本実施形態では、対応するピーク情報は、ステップS101で取得される到着電力スペクトルの方向から抽出し得る。ピーク情報には、ピーク電力、最大ピーク電力、および隣接するピーク電力間の角距離が含まれ得る。
【0081】
具体的には、図4は、本出願の実施形態によるシナリオにおける到着電力スペクトルの方向の概略図である。図4に示すように、見通し内(Line of Sight、LoS)シナリオおよび強い反射シナリオでは、ピーク電力間の電力値の差は比較的大きく、ピーク電力間の角距離は比較的小さくなる。図5は、本出願の実施形態による別のシナリオにおける到着電力スペクトルの方向の概略図である。図5に示すように、複雑な反射、散乱、およびブロッキングのシナリオでは、ピーク電力間の電力値の差は比較的小さく、ピーク電力間の角距離は比較的大きくなる。図4および図5を参照すること。ピーク電力、最大ピーク電力、および隣接するピーク電力間の角距離は、到着電力スペクトルの方向から直接抽出し得る。
【0082】
ステップS103:ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定する。
【0083】
本実施形態では、ピーク情報は、到着電力スペクトルの方向に基づいて取得される。次いで、ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすすべてのピーク電力に対応する角度を求め、その角度に基づいてビーム方向を決定する。
【0084】
本実施形態では、ピーク情報には、ピーク電力、最大ピーク電力、および隣接するピーク電力間の角距離が含まれ得る。任意選択で、電力条件には、以下が含まれる。
(1)ピーク電力が、基地局によって端末に配信されるRRC上位層パラメータRACH-ConfigCommonのrsrp-ThresholdSSBよりも大きい。
(2)ピーク電力と最大ピーク電力との間の差の絶対値が第1の事前設定された閾値以下である。
(3)隣接するピーク電力間の角距離が、端末のビーム幅のピーク電力に対応するビーム方向よりも大きい。
【0085】
本実施形態では、第1の事前設定された閾値の特定の値は限定されないことに留意されたい。第1の事前設定された閾値の値は、異なる応用シナリオまたはサービス要件で調整し得る。本実施形態では、第1の事前設定された閾値を10dBに設定し得る。
【0086】
具体的には、図4および図5を参照すること。図4には、すべての電力条件を満たす1つのピーク電力があり、図5には、すべての電力条件を満たす2つのピーク電力がある。すべての電力条件を満たすピーク電力のビーム方向が記録される。
【0087】
ステップS104:事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択する。
【0088】
本実施形態では、電力条件を満たすビーム方向から、端末によってサポートされるビーム能力に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向を選択し得る。
【0089】
任意選択で、候補ビームの量は、端末によって同時にサポートされるビームの量および電力条件を満たすビームの量の上限に基づいて決定される。候補ビームの量は、端末によって同時にサポートされるビームの量および電力条件を満たすビームの量の上限の最小値である。候補ビーム方向は、電力条件を満たすビーム方向から、電力の降順での候補ビームの量に基づいて選択される。
【0090】
具体的には、電力条件を満たすピーク電力の量をBとし、端末で同時にサポートできるビームの最大量をXとすると、A=min(X,B)となる。ここで、Aは候補ビームの量である。
【0091】
ステップS105:基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータ(Channel Quality Indicator、CQI)の値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から端末のターゲットビーム方向を決定する。
【0092】
本実施形態では、ターゲットビーム方向を選択するときに、基地局スケジューリング情報ランクおよびチャネル品質インジケータCQIの値を総合的に考慮し得る。例えば、選択された候補ビームの量は、基地局スケジューリング情報ランクおよびチャネル品質インジケータCQIの値に基づいて決定される。次いで、電力の降順での到着電力スペクトルの方向に基づいて、対応する量の候補ビーム方向が端末のターゲットビーム方向として選択される。
【0093】
本実施形態では、最適なチャネルの量を選択し、伝送電力消費を低減するために、ネットワークデバイス(基地局)側のスケジューリングステータスおよびチャネル品質に基づいてビームの量を柔軟に選択する。
【0094】
本実施形態では、基地局スケジューリング情報ランクが決定され、到着電力スペクトルの方向が決定される。電力条件を満たすビーム方向は、ピーク情報に基づいて決定される。少なくとも1つの候補ビーム方向は、事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から選択される。端末のターゲットビーム方向は、基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から決定される。このように、端末側のビーム構成方法はより柔軟であり、様々なサービスシナリオの要件を満たし、通信リンクの安定性を向上させる。
【0095】
可能な実施形態では、ステップS105の後、ターゲットビーム方向の偏波モードは、水平偏波と直偏波との間の電力関係に基づいて決定される。
【0096】
本実施形態では、ターゲットビーム方向において、基地局によって送信される基準信号は、水平偏波モードおよび垂直偏波モードで受信され、次いで、偏波モードは、基準信号の電力に基づいて決定される。
【0097】
任意選択で、基地局によって送信される基準信号は、ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで受信される。垂直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}が取得される。ターゲットビーム方向の偏波モードは、max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて決定される。垂直偏波モードでの受信電力が水平偏波モードでの受信電力よりも大きい場合、ターゲットビーム方向の偏波モードは垂直偏波に設定される。水平偏波モードでの受信電力が垂直偏波モードでの受信電力よりも大きい場合、ターゲットビーム方向の偏波モードは水平偏波に設定される。
【0098】
例えば、図6Aおよび図6Bは、本出願によるビーム構成方法の概略的な包括的なフローチャートである。図6Aおよび図6Bに示すように、方法は、以下のステップを含み得る。
【0099】
ステップ1:到着電力スペクトルの方向を取得する。
【0100】
ステップ2:到着電力スペクトルの方向に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定する。
【0101】
本実施形態では、候補ビームの量は、端末によって同時にサポートされるビームの量および電力条件を満たすビームの量の上限に基づいて決定される。候補ビームの量は、端末によって同時にサポートされるビームの量および電力条件を満たすビームの量の上限の最小値である。候補ビーム方向は、電力条件を満たすビーム方向から、電力の降順での候補ビームの量に基づいて選択される。
【0102】
ステップ3:基地局スケジューリング情報ランクの値が1であるかどうか、およびチャネル品質インジケータCQIの値が15より大きいかどうかを判定する。基地局スケジューリング情報ランクの値が1であり、チャネル品質インジケータCQIの値が15より大きい場合、ステップ4が実行される。基地局スケジューリング情報ランクの値が1でないか、および/またはチャネル品質インジケータCQIの値が15以下である場合、ステップ7が実行される。
【0103】
ステップ4:ターゲットビーム方向として、最も強い電力を有する候補ビーム方向を選択する。
【0104】
ステップ5:ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信する。
【0105】
ステップ6:ターゲットビーム方向の偏波モードとして、高い基準信号強度を有する偏波モードを選択し、手順を終了する。
【0106】
ステップ7:電力条件を満たすビーム方向の量が1より大きいかどうかを判定する。量が1に等しい場合、ステップ8が実行される。量が1よりも大きい場合、ステップ10が実行される。
【0107】
ステップ8:基地局によって送信され、垂直偏波モードで受信される基準信号の受信電力と基地局によって送信され、水平偏波モードで受信される基準信号の受信電力との間の差の絶対値が10dB以上であるかどうかを判定する。絶対値が10dB未満の場合、ステップ11が実行される。絶対値が10dB以上の場合、ステップ9が実行される。
【0108】
ステップ9:第1のビームの方向と第2のビームの方向とが同じであり、第1のビームの方向と第2のビームの方向で偏波モードが異なる、第1のビームおよび第2のビームをターゲットビーム方向に設定し、ランクの値が1であることを基地局に報告し、基地局スケジューリング情報ランクの値が1の場合、第1のビームの方向または第2のビームの方向をターゲットビーム方向として選択し、ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信し、ターゲットビーム方向の偏波モードとして、高い基準信号強度を有する偏波モードを選択し、手順を終了する。
【0109】
ステップ10:すべての候補ビーム方向をターゲットビーム方向として使用し、各ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信し、ターゲットビーム方向の偏波モードとして、高い基準信号強度を有する偏波モードを選択し、手順を終了する。
【0110】
ステップ11:第1のビームの方向と第2のビームの方向とが同じである、第1のビームおよび第2のビームをターゲットビーム方向に設定し、第1のビームの方向の偏波モードが垂直偏波である場合、第2のビームの方向の偏波モードを水平偏波に設定するか、または、第1のビームの方向の偏波モードが水平偏波である場合、第2のビームの方向の偏波モードを垂直偏波に設定する。
【0111】
本実施形態のステップ3では、チャネル品質インジケータCQIの値を決定するための基準が15に設定されることに留意されたい。実際の応用では、具体的な応用シナリオに基づいて異なる値が設定され得る。ステップ8で、本実施形態では、基地局によって送信され、垂直偏波モードで受信される基準信号の受信電力と基地局によって送信され、水平偏波モードで受信される基準信号の受信電力との間の差の絶対値が10dBに設定される。実際の応用では、具体的な応用シナリオに基づいて異なる値が設定され得る。本実施形態では、具体的なパラメータの値は限定されない。
【0112】
本実施形態では、ビーム方向およびビーム偏波モードは、電力消費を低減し、UEの伝送速度を向上させ、リンクおよびビーム障害の確率を低減するために、柔軟に構成される。ビームの量は、ネットワークスケジューリングステータスおよびチャネル品質に基づいて決定される。このように、チャネルの量を柔軟に選択して、電力消費を低減できる。2つのビームが使用される場合、チャネル品質に基づいて異なる方向のビームを使用して、特にUEが移動するときに、ビーム障害回復の障害の確率を効果的に低減し得る。2つのビームが使用される場合、UEの伝送速度を上げられ、ストリーム数を増やせるように、チャネル品質に基づいて柔軟な偏波構成が使用される。
【0113】
本実施形態では、基地局スケジューリング情報ランクが決定され、到着電力スペクトルの方向が決定される。ピーク情報は、到着電力スペクトルの方向に基づいて決定される。電力条件を満たすビーム方向は、ピーク情報に基づいて決定される。少なくとも1つの候補ビーム方向は、事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から選択される。端末のターゲットビーム方向は、基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から決定される。このように、端末側のビーム構成方法はより柔軟であり、様々なサービスシナリオの要件を満たし、通信リンクの安定性を向上させる。
【0114】
図7は、本出願の別の実施形態によるビーム構成方法の概略フローチャートである。図7に示すように、本実施形態は、以下のステップを含み得る。
【0115】
ステップS201:基地局スケジューリング情報ランクを決定し、到着電力スペクトルの方向を決定する。
【0116】
ステップS202:到着電力スペクトルの方向に基づいてピーク情報を決定する。
【0117】
ステップS203:ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定する。
【0118】
ステップS204:事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択する。
【0119】
本実施形態では、ステップS201~ステップS204の具体的な実施プロセスおよび実施原理は、実施形態1のステップS101~ステップS104のものと同様である。詳細については、本明細書では再度説明しない。
【0120】
ステップS205:基地局スケジューリング情報ランクの値が1であり、チャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値より大きい場合、ターゲットビーム方向として最も強い電力を有する候補ビーム方向を選択するように構成される。
【0121】
本実施形態では、基地局が単一のストリームをスケジュールし、信号品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値よりも大きい場合、最も強い電力を有する候補ビーム方向がターゲットビーム方向として選択される。これは、基地局が単一のストリームをスケジュールし、信号品質が良好である場合、基地局の通信リンクの安定性が非常に良好であるためである。この場合、最も強い電力を有する候補ビーム方向を選択することにより、基地局によって送信される信号を安定して受信できる。
【0122】
本実施形態では、第2の事前設定された閾値の特定の値は限定されないことに留意されたい。第2の事前設定された閾値の値は、異なる応用シナリオまたはサービス要件で調整し得る。本実施形態では、第2の事前設定された閾値を15に設定し得る。
【0123】
ステップS206:ターゲットビーム方向の偏波モードを決定する。
【0124】
本実施形態では、基地局によって送信される基準信号は、ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで受信される。垂直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}が取得される。ターゲットビーム方向の偏波モードは、max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて決定される。垂直偏波モードでの受信電力が水平偏波モードでの受信電力よりも大きい場合、ターゲットビーム方向の偏波モードは垂直偏波に設定される。水平偏波モードでの受信電力が垂直偏波モードでの受信電力よりも大きい場合、ターゲットビーム方向の偏波モードは水平偏波に設定される。
【0125】
本実施形態では、基地局スケジューリング情報ランクが決定され、到着電力スペクトルの方向が決定される。電力条件を満たすビーム方向は、ピーク情報に基づいて決定される。少なくとも1つの候補ビーム方向は、事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から選択される。基地局スケジューリング情報ランクの値が1であり、チャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値よりも大きい場合、最も強い電力を有する候補ビーム方向がターゲットビーム方向として選択され、最後にターゲットビーム方向の偏波モードが決定される。このように、端末側のビーム方向の構成方法はより柔軟であり、様々なサービスシナリオの要件を満たし、通信リンクの安定性を向上させる。ターゲットビーム方向が決定された後、偏波モードはさらに、データ伝送効果を向上させるために、ターゲットビーム方向の垂直偏波および水平偏波で受信された基準信号の電力に基づいて選択し得る。
【0126】
図8は、本出願のさらに別の実施形態によるビーム構成方法の概略フローチャートである。図8に示すように、本実施形態は、以下のステップを含み得る。
【0127】
ステップS301:基地局スケジューリング情報ランクを決定し、到着電力スペクトルの方向を決定する。
【0128】
ステップS302:到着電力スペクトルの方向に基づいてピーク情報を決定する。
【0129】
ステップS303:ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定する。
【0130】
ステップS304:事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択する。
【0131】
本実施形態では、ステップS301~ステップS304の具体的な実施プロセスおよび実施原理は、実施形態1のステップS101~ステップS104のものと同様である。詳細については、本明細書では再度説明しない。
【0132】
ステップS305:基地局スケジューリング情報ランクの値が1でない場合、および/またはチャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値以下である場合、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定するように構成される。
【0133】
本実施形態では、基地局が単一のストリームをスケジュールしない場合、および/またはチャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値以下である場合、ターゲットビーム方向は候補ビームの量に基づいて決定される。この場合、候補ビームの量が1の場合、候補ビーム方向がターゲットビーム方向として使用される。
【0134】
ステップS306:候補ビームの量が1の場合、ターゲットビーム方向の偏波モードを決定する。
【0135】
本実施形態では、基地局によって送信される基準信号は、ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで受信される。垂直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}が取得される。次いで、ターゲットビームの偏波モードは、垂直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}に基づいて決定される。
【0136】
可能な実装では、RSRP_{V}とRSRP_{H}との間の差の絶対値が第3の事前設定された閾値よりも大きい場合、第1のビームおよび第2のビームがターゲットビーム方向に設定される。第1のビームの方向と第2のビームの方向とが同じであり、第1のビームの方向と第2のビームの方向で偏波モードが異なる。ランクの値が1であることを基地局報告し、基地局スケジューリング情報ランクの値が1の場合、第1のビームの方向または第2のビームの方向をターゲットビーム方向として選択される。ターゲットビーム方向の偏波モードは、max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて決定される。垂直偏波モードでの受信電力が水平偏波モードでの受信電力よりも大きい場合、ターゲットビーム方向の偏波モードは垂直偏波に設定される。水平偏波モードでの受信電力が垂直偏波モードでの受信電力よりも大きい場合、ターゲットビーム方向の偏波モードは水平偏波に設定される。
【0137】
別の可能な実装では、RSRP_{V}とRSRP_{H}との間の差の絶対値が第3の事前設定された閾値以下である場合、第1のビームおよび第2のビームがターゲットビーム方向に設定される。第1のビームの方向と第2のビームの方向とは同じである。第1のビームの方向の偏波モードが垂直偏波である場合、第2のビームの方向の偏波モードは水平偏波に設定される。あるいは、第1のビームの方向の偏波モードが水平偏波である場合、第2のビームの方向の偏波モードは垂直偏波に設定される。
【0138】
本実施形態では、2つの異なるターゲットビーム方向を使用すると、特に端末側が移動した場合のビーム障害回復の障害の確率を効果的に低減でき、通信リンクでの伝送の安定性および堅牢性を確保できる。
【0139】
本実施形態では、基地局スケジューリング情報ランクが決定され、到着電力スペクトルの方向が決定される。電力条件を満たすビーム方向は、ピーク情報に基づいて決定される。少なくとも1つの候補ビーム方向は、事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から選択される。基地局スケジューリング情報ランクの値が1でない場合、および/またはチャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値以下である場合、ターゲットビーム方向は、候補ビームの量に基づいて決定され、最後にターゲットビーム方向の偏波モードが決定される。このように、端末側のビーム方向の構成方法はより柔軟であり、様々なサービスシナリオの要件を満たし、通信リンクの安定性を向上させる。ターゲットビーム方向が決定された後、偏波モードはさらに、データ伝送効果を向上させるために、ターゲットビーム方向の垂直偏波および水平偏波で受信された基準信号の電力に基づいて選択し得る。
【0140】
図9は、本出願のさらにもう1つの実施形態によるビーム構成方法の概略フローチャートである。図9に示すように、本実施形態は、以下のステップを含み得る。
【0141】
ステップS401:基地局スケジューリング情報ランクを決定し、到着電力スペクトルの方向を決定する。
【0142】
ステップS402:到着電力スペクトルの方向に基づいてピーク情報を決定する。
【0143】
ステップS403:ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定する。
【0144】
ステップS404:事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択する。
【0145】
本実施形態では、ステップS401~ステップS404の具体的な実施プロセスおよび実施原理は、実施形態1のステップS101~ステップS104のものと同様である。詳細については、本明細書では再度説明しない。
【0146】
ステップS405:基地局スケジューリング情報ランクの値が1でない場合、および/またはチャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値以下である場合、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定するように構成される。
【0147】
本実施形態では、基地局が単一のストリームをスケジュールしない場合、および/またはチャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値以下である場合、ターゲットビーム方向は候補ビームの量に基づいて決定される。この場合、候補ビームの量が1より大きい場合、すべての候補ビーム方向がターゲットビーム方向として使用される。
【0148】
ステップS406:候補ビームの量が1より大きい場合、ターゲットビーム方向の偏波モードを決定する。
【0149】
本実施形態では、候補ビームの量が1より大きい場合、基地局によって送信される基準信号は、各ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで受信される。垂直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}が取得される。各ターゲットビーム方向の偏波モードは、max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて決定される。垂直偏波モードでの受信電力が水平偏波モードでの受信電力よりも大きい場合、ターゲットビーム方向の偏波モードは垂直偏波に設定される。水平偏波モードでの受信電力が垂直偏波モードでの受信電力よりも大きい場合、ターゲットビーム方向の偏波モードは水平偏波に設定される。
【0150】
本実施形態では、2つ以上のターゲットビーム方向が使用される場合、チャネル品質に基づいて柔軟な偏波構成を実行して、端末と基地局との間のデータ伝送速度を向上させるために、データストリームの数を増やし得る。
【0151】
本実施形態では、基地局スケジューリング情報ランクが決定され、到着電力スペクトルの方向が決定される。電力条件を満たすビーム方向は、ピーク情報に基づいて決定される。少なくとも1つの候補ビーム方向は、事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から選択される。基地局スケジューリング情報ランクの値が1でない場合、および/またはチャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値以下である場合、ターゲットビーム方向は、候補ビームの量に基づいて決定され、最後にターゲットビーム方向の偏波モードが決定される。このように、端末側のビーム方向の構成方法はより柔軟であり、様々なサービスシナリオの要件を満たし、通信リンクの安定性を向上させる。ターゲットビーム方向が決定された後、偏波モードはさらに、データ伝送効果を向上させるために、ターゲットビーム方向の垂直偏波および水平偏波で受信された基準信号の電力に基づいて選択し得る。
【0152】
図10は、本出願の実施形態によるビーム構成装置の構造の概略図である。図10に示すように、本実施形態のビーム構成装置900は、処理モジュール901およびストレージモジュール902を含み得て、ストレージモジュール902は、処理モジュール901に結合され、必要なプログラム命令およびデータを記憶するように構成される。
【0153】
処理モジュール901は、
基地局スケジューリング情報ランクを決定することと、到着電力スペクトルの方向を決定することと、
到着電力スペクトルの方向に基づいてピーク情報を決定することと、
ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定することと、
事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択することと、
基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および到着電力スペクトルの方向に基づいて、少なくとも1つの候補ビーム方向から端末のターゲットビーム方向を決定することとを行うように構成される。
【0154】
任意選択で、装置はさらに、
基地局によって送信される基地局スケジューリング情報ランクを受信するように構成される受信モジュール903を含む。
【0155】
任意選択で、処理モジュール901は、
基地局によって送信されるビームの方向が固定されている場合、異なるビーム方向の基準信号受信電力を取得し、異なるビーム方向の基準信号受信電力は、到着電力スペクトルの方向を形成するようにさらに構成される。
【0156】
任意選択で、処理モジュール901は、
ビームスイープを介して到着電力スペクトルの方向を取得するか、または非コヒーレントチャネル推定を介して到着電力スペクトルの方向を取得するようにさらに構成される。
【0157】
任意選択で、ピーク情報には、ピーク電力、最大ピーク電力、および隣接するピーク電力間の角距離が含まれる。
【0158】
任意選択で、電力条件は、ピーク電力は、RRC上位層パラメータRACH-ConfigCommonのrsrp-ThresholdSSBよりも大きく、ピーク電力と最大ピーク電力との間の差の絶対値は、第1の事前設定された閾値以下であり、隣接するピーク電力間の角距離は、端末のビーム幅のピーク電力に対応するビーム方向よりも大きいというものである。
【0159】
任意選択で、処理モジュール901は、
候補ビームの量が、端末によって同時にサポートされるビームの量および電力条件を満たすビームの量の上限の最小値である、端末によって同時にサポートされるビームの量の上限および電力条件を満たすビームの量に基づいて候補ビームの量を決定することと、
電力の降順での候補ビームの量に基づいて、電力条件を満たすビーム方向から候補ビーム方向を選択することとを行うようにさらに構成される。
【0160】
任意選択で、処理モジュール901は、
基地局スケジューリング情報ランクの値が1であり、チャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値より大きい場合、ターゲットビーム方向として最も強い電力を有する候補ビーム方向を選択するようにさらに構成される。
【0161】
任意選択で、処理モジュール901は、
ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信することと、
直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得することと、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいてターゲットビーム方向の偏波モードを決定することとを行うようにさらに構成される。
【0162】
任意選択で、処理モジュール901は、
基地局スケジューリング情報ランクの値が1でない場合、および/またはチャネル品質インジケータCQIの値が第2の事前設定された閾値以下である場合、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定するようにさらに構成される。
【0163】
任意選択で、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定することは、
候補ビームの量が1の場合、候補ビーム方向をターゲットビーム方向として使用することを含む。
【0164】
任意選択で、処理モジュール901は、
ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信することと、
直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得することとを行うようにさらに構成される。
【0165】
任意選択で、処理モジュール901は、
RSRP_{V}とRSRP_{H}との間の差の絶対値が第3の事前設定された閾値より大きい場合、第1のビームの方向と第2のビームの方向とが同じであり、第1のビームの方向と第2のビームの方向で偏波モードが異なる、第1のビームおよび第2のビームをターゲットビーム方向に設定することと、
ランクの値が1であることを基地局に報告することと、基地局スケジューリング情報ランクの値が1の場合、第1のビームの方向または第2のビームの方向をターゲットビーム方向として選択することと、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいてターゲットビーム方向の偏波モードを決定することとを行うようにさらに構成される。
【0166】
任意選択で、処理モジュール901は、
RSRP_{V}とRSRP_{H}との間の差の絶対値が、第3の事前設定された閾値以下である場合、第1のビームの方向と第2のビームの方向とが同じである、第1のビームおよび第2のビームをターゲットビーム方向に設定することと、第1のビームの方向の偏波モードが垂直偏波である場合、第2のビームの方向の偏波モードを水平偏波に設定すること、または、第1のビームの方向の偏波モードが水平偏波である場合、第2のビームの方向の偏波モードを垂直偏波に設定することとを行うようにさらに構成される。
【0167】
任意選択で、候補ビームの量に基づいてターゲットビーム方向を決定することは、
候補ビームの量が1より大きい場合、すべての候補ビーム方向をターゲットビーム方向として使用することを含む。
【0168】
任意選択で、処理モジュール901は、
各ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、基地局によって送信される基準信号を受信することと、
直偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の基準信号の受信電力RSRP_{H}を取得することと、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて各ターゲットビーム方向の偏波モードを決定することとを行うようにさらに構成される。
【0169】
本実施形態のビーム構成装置は、前述の方法の実施形態で端末の技術的解決策を実行するように構成され得る。それらの実施原理と技術的効果は類似しており、本明細書では再度説明しない。
【0170】
本出願の実施形態では、モジュールへの分割は一例であり、単なる論理機能分割であることに留意されたい。実際の実装では、別の分割方法を使用し得る。本出願の実施形態での機能モジュールは、1つの処理モジュールに統合され得るか、または各モジュールが物理的に単独で存在し得るか、または2つ以上のモジュールが1つのモジュールに統合される。統合モジュールは、ハードウェアの形態で実施され得るか、またはソフトウェア機能モジュールの形態で実施され得る。
【0171】
統合モジュールがソフトウェア機能モジュールの形態で実施され、独立した製品として販売または使用される場合、統合ユニットはコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、本出願の技術的解決策は、本質的に、または従来技術に寄与する部分、または技術的解決策の全部または一部は、ソフトウェア製品の形態で実装され得る。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、コンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバ、ネットワークデバイスなどであり得る)またはプロセッサ(処理装置)に本出願の実施形態の方法のステップの全部または一部を実行するように指示するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体には、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを記憶できる任意の媒体が含まれる。
【0172】
図11は、本出願の実施形態による端末の概略構造図である。図11に示すように、本実施形態の端末1000は、プロセッサ、メモリ、制御回路、アンテナ、および入力/出力装置を含み得る。プロセッサは主に、通信プロトコルおよび通信データの処理、端末全体の制御、ソフトウェアプログラムの実行、およびソフトウェアプログラムのデータの処理を行うように構成される。メモリは主にソフトウェアプログラムおよびデータを記憶するように構成される。無線周波数回路は、主に、ベースバンド信号と無線周波数信号との間の変換の実行、および無線周波数信号の処理を行うように構成される。アンテナは、主に電磁波の形態で無線周波数信号を送受信するように構成される。タッチスクリーン、ディスプレイスクリーン、キーボードなどの入力/出力装置は、主に、ユーザが入力したデータを受信し、ユーザにデータを出力するように構成される。
【0173】
端末の電源がオンになった後、プロセッサは、ストレージユニット内のソフトウェアプログラムを読み取り、ソフトウェアプログラムの命令を解釈して実行し、ソフトウェアプログラムのデータを処理し得る。データを無線方式で送信する必要がある場合、送信するデータに対してベースバンド処理を行った後、プロセッサはベースバンド信号を無線周波数回路に出力する。ベースバンド信号に対して無線周波数処理を実行した後、無線周波数回路は、アンテナを介して電磁波の形態で無線周波数信号を送信する。端末にデータが送信されると、無線周波数回路はアンテナを介して無線周波数信号を受信し、無線周波数信号をベースバンド信号に変換し、ベースバンド信号をプロセッサに出力する。プロセッサはベースバンド信号をデータに変換し、データを処理する。
【0174】
当業者であれば、説明を容易にするために、図11では1つメモリのみおよび1つのプロセッサのみを示していることを理解し得る。実際の端末は、複数のプロセッサおよび複数のメモリを含み得る。メモリはまた、記憶媒体、記憶デバイスなどと呼ばれ得る。これは、本出願の本実施形態に限定されない。
【0175】
可能な設計では、プロセッサは、代替として、命令またはデータ(例えば、中間データ)を記憶し得る。命令は、プロセッサによって実行され得て、その結果、端末1000は、前述の方法の実施形態で説明された端末に対応する方法を実行する。
【0176】
さらに別の可能な設計では、端末1000は回路を含み得る。回路は、前述の方法の実装で、送信、受信、または通信機能を実装し得る。
【0177】
任意選択で、端末1000は、1つまたは複数のメモリを含み得て、端末1000が前述の方法の実施形態で説明された方法を実行するように、メモリが命令を記憶し得て、命令がプロセッサ上で実行され得る。
【0178】
任意選択で、メモリはまた、データを記憶し得る。プロセッサおよびメモリは、別々に配置され得るか、または統合され得る。
【0179】
任意選択で、端末1000は、通信装置のトランシーバ機能を実装するように構成されるトランシーバおよび/またはアンテナをさらに含み得る。
【0180】
任意選択の実施では、プロセッサは、ベースバンドプロセッサおよび中央処理装置を含み得る。ベースバンドプロセッサは主に通信プロトコルおよび通信データの処理を行うように構成され、中央処理装置は主に端末全体の制御、ソフトウェアプログラムの実行、およびソフトウェアプログラムのデータの処理を行うように構成される。図11のプロセッサは、ベースバンドプロセッサおよび中央処理装置の機能と統合される。あるいは、当業者であれば、ベースバンドプロセッサおよび中央処理装置が独立したプロセッサであり得て、バスなどの技術を使用することによって相互接続され得ることを理解し得る。当業者であれば、端末が、異なるネットワーク規格に適合するために複数のベースバンドプロセッサを含み得て、端末が、端末の処理能力を向上させるために複数の中央処理装置を含み得ることを理解し得る。端末内の構成要素は、様々なバスを使用して接続し得る。あるいは、ベースバンドプロセッサは、ベースバンド処理回路またはベースバンド処理チップとして表わされ得る。あるいは、中央処理装置は、中央処理回路または中央処理チップとして表わされ得る。通信プロトコルおよび通信データを処理する機能は、プロセッサに組み込まれ得るか、またはソフトウェアプログラムの形態でストレージユニットに記憶され得る。プロセッサは、ソフトウェアプログラムを実行して、ベースバンド処理機能を実装する。
【0181】
一例では、トランシーバ機能を有するアンテナおよび制御回路は、端末1000のトランシーバモジュール1001と見なされ得て、処理機能を有するプロセッサは、端末1000の処理モジュール1002と見なされ得る。図11に示すように、端末1000は、トランシーバモジュール1001および処理モジュール1002を含む。トランシーバモジュールは、トランシーバ、トランシーバマシン、トランシーバ装置などとも呼ばれ得る。任意選択で、受信機能を実装するように構成され、トランシーバモジュール1001内にある構成要素は、受信モジュールと見なされ得て、送信機能を実装するように構成され、トランシーバモジュール1001内にある構成要素は、送信モジュールと見なされ得る。すなわち、トランシーバモジュール1001は、受信モジュールおよび送信モジュールを含む。受信モジュールは、レシーバ、レシーバマシン、レシーバ回路などとも呼ばれ得る。送信モジュールは、トランスミッタ、トランスミッタマシン、トランスミッタ回路などとも呼ばれ得る。
【0182】
本実施形態で説明されたプロセッサおよびトランシーバは、集積回路(integrated circuit、IC)、アナログIC、無線周波数集積回路(radio frequency integrated circuit、RFIC)、ハイブリッド信号IC、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)、プリント回路基板(printed circuit board、PCB)、電子デバイスなどに実装され得る。プロセッサおよびトランシーバはまた、様々な1C技術、例えば、相補型金属酸化物半導体(complementary metal oxide semiconductor、CMOS)、N型金属酸化物半導体(N-type Metal oxide semiconductor、NMOS)、P型金属酸化物半導体(P-type metal oxide semiconductor、PMOS)、バイポーラ接合トランジスタ(Bipolar Junction Transistor、BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、およびヒ化ガリウム(GaAs)を使用して製造され得る。
【0183】
上述の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを介して実装され得る。実施形態がソフトウェアを使用して実施される場合、実施形態の全部または一部は、コンピュータプログラム製品の形態で実施され得る。コンピュータプログラム製品は、1つまたは複数のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータにロードされて実行されるとき、本出願の実施形態による手順または機能の全部または一部が生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または別のプログラマブル装置であり得る。コンピュータ命令は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得るか、またはコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体に送信され得る。例えば、コンピュータ命令は、ウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンタに有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者線(DSL))または無線(例えば、赤外線、無線、またはマイクロ波)方式で送信され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の使用可能な媒体、または1つまたは複数の使用可能な媒体を統合するサーバまたはデータセンタなどのデータ記憶デバイスであり得る。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光学媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ(Solid State Drive、SSD))などであり得る。
[他の可能な項目]
(項目1)
ビーム構成方法であって、
基地局スケジューリング情報ランクを決定する段階と、到着電力スペクトルの方向を決定する段階と、
上記到着電力スペクトルの方向に基づいてピーク情報を決定する段階と、
上記ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定する段階と、
事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、上記電力条件を満たす上記ビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択する段階と、
上記基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および上記到着電力スペクトルの方向に基づいて、上記少なくとも1つの候補ビーム方向から端末のターゲットビーム方向を決定する段階と
を備える、ビーム構成方法。
(項目2)
到着電力スペクトルの方向を上記決定する段階が、
基地局によって送信されるビームの方向が固定されている場合、異なるビーム方向の基準信号受信電力を取得する段階であって、上記異なるビーム方向の上記基準信号受信電力が、上記到着電力スペクトルの方向を形成する、取得する段階を有する、項目1に記載の方法。
(項目3)
到着電力スペクトルの方向を上記決定する段階が、
ビームスイープを介して上記到着電力スペクトルの方向を取得する段階、または非コヒーレントチャネル推定を介して上記到着電力スペクトルの方向を取得する段階を有する、項目1に記載の方法。
(項目4)
上記ピーク情報が、ピーク電力、最大ピーク電力、および隣接するピーク電力間の角距離を有する、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記電力条件が、ピーク電力が上記基地局によって上記端末に配信されるRRC上位層パラメータRACH-ConfigCommonのrsrp-ThresholdSSBよりも大きく、上記ピーク電力と上記最大ピーク電力との間の差の絶対値が、第1の事前設定された閾値以下であり、隣接するピーク電力間の上記角距離が、上記端末のビーム幅のピーク電力に対応するビーム方向よりも大きいというものである、項目1に記載の方法。
(項目6)
事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、上記電力条件を満たす上記ビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を上記選択する段階が、
上記端末によって同時にサポートされるビームの量および上記電力条件を満たすビームの量の上限に基づいて候補ビームの量を決定する段階であって、上記候補ビームの量が、上記端末によって同時にサポートされる上記ビームの量および上記電力条件を満たす上記ビームの量の上記上限の最小値である、決定する段階と、
電力の降順での上記候補ビームの量に基づいて、上記電力条件を満たす上記ビーム方向から上記候補ビーム方向を選択する段階とを有する、項目1に記載の方法。
(項目7)
平偏波と直偏波との間の電力関係に基づいて、上記ターゲットビーム方向の偏波モードを決定する段階であって、
平偏波と直偏波との間の電力関係に基づいて、上記ターゲットビーム方向の偏波モードを上記決定する段階が、
上記ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、上記基地局によって送信される基準信号を受信する段階と、
直偏波方向の上記基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の上記基準信号の受信電力RSRP{H}を取得する段階と、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて上記ターゲットビーム方向の上記偏波モードを決定する段階とを有する、決定する段階をさらに備える、項目1から6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
上記基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および上記到着電力スペクトルの方向に基づいて、上記少なくとも1つの候補ビーム方向から上記端末のターゲットビーム方向を上記決定する段階が、
上記基地局スケジューリング情報ランクの値が1であり、上記チャネル品質インジケータCQIの上記値が第2の事前設定された閾値より大きい場合、上記ターゲットビーム方向として最も強い電力を有する候補ビーム方向を選択する段階を有する、項目1から7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
上記基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および上記到着電力スペクトルの方向に基づいて、上記少なくとも1つの候補ビーム方向から上記端末のターゲットビーム方向を上記決定する段階が、
上記基地局スケジューリング情報ランクの値が1でない場合、および/または上記チャネル品質インジケータCQIの上記値が第2の事前設定された閾値以下である場合、上記候補ビームの量に基づいて上記ターゲットビーム方向を決定する段階を有する、項目1から7のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
上記ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、上記基地局によって送信される基準信号を受信する段階と、
直偏波方向の上記基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の上記基準信号の受信電力RSRP{H}を取得する段階と
をさらに備える、項目9に記載の方法。
(項目11)
上記RSRP_{V}と上記RSRP{H}との間の差の絶対値が第3の事前設定された閾値より大きい場合、第1のビームおよび第2のビームを上記ターゲットビーム方向に設定する段階であって、上記第1のビームの方向と上記第2のビームの方向とが同じであり、上記第1のビームの上記方向と上記第2のビームの上記方向で偏波モードが異なる、設定する段階と、
上記ランクの上記値が1であることを上記基地局に報告する段階と、上記基地局スケジューリング情報ランクの上記値が1の場合、上記第1のビームの上記方向または上記第2のビームの上記方向を上記ターゲットビーム方向として選択する段階と、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて上記ターゲットビーム方向の上記偏波モードを決定する段階と
をさらに備える、項目10に記載の方法。
(項目12)
上記候補ビームの量に基づいて上記ターゲットビーム方向を上記決定する段階が、
上記候補ビームの量が1より大きい場合、すべての候補ビーム方向をターゲットビーム方向として使用する段階を有する、項目9に記載の方法。
(項目13)
各ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、上記基地局によって送信される基準信号を受信する段階と、
直偏波方向の上記基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の上記基準信号の受信電力RSRP{H}を取得する段階と、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて各ターゲットビーム方向の偏波モードを決定する段階と
をさらに備える、項目12に記載の方法。
(項目14)
処理モジュールおよびストレージモジュールを備えるビーム構成装置であって、上記ストレージモジュールが上記処理モジュールに結合され、必要なプログラム命令およびデータを記憶するように構成され、
上記処理モジュールが、
基地局スケジューリング情報ランクを決定することと、到着電力スペクトルの方向を決定することと、
上記到着電力スペクトルの方向に基づいてピーク情報を決定することと、
上記ピーク情報に基づいて、電力条件を満たすビーム方向を決定することと、
事前設定されたフィルタリング条件に基づいて、上記電力条件を満たす上記ビーム方向から少なくとも1つの候補ビーム方向を選択することと、
上記基地局スケジューリング情報ランク、チャネル品質インジケータCQIの値、および上記到着電力スペクトルの方向に基づいて、上記少なくとも1つの候補ビーム方向から端末のターゲットビーム方向を決定することとを行うように構成される、ビーム構成装置。
(項目15)
上記処理モジュールが、
基地局によって送信されるビームの方向が固定されている場合、異なるビーム方向の基準信号受信電力を取得することであって、上記異なるビーム方向の上記基準信号受信電力が、上記到着電力スペクトルの方向を形成する、取得するようにさらに構成される、項目14に記載の装置。
(項目16)
上記処理モジュールが、
ビームスイープを介して上記到着電力スペクトルの方向を取得するか、または非コヒーレントチャネル推定を介して上記到着電力スペクトルの方向を取得するようにさらに構成される、項目14に記載の装置。
(項目17)
上記ピーク情報が、ピーク電力、最大ピーク電力、および隣接するピーク電力間の角距離を有する、項目14に記載の装置。
(項目18)
上記電力条件が、ピーク電力が上記基地局によって上記端末に配信されるRRC上位層パラメータRACH-ConfigCommonのrsrp-ThresholdSSBよりも大きく、上記ピーク電力と上記最大ピーク電力との間の差の絶対値が、第1の事前設定された閾値以下であり、隣接するピーク電力間の上記角距離が、上記端末のビーム幅のピーク電力に対応するビーム方向よりも大きいというものである、項目14に記載の装置。
(項目19)
上記処理モジュールが、
上記端末によって同時にサポートされるビームの量および上記電力条件を満たすビームの量の上限に基づいて候補ビームの量を決定することであって、上記候補ビームの量が、上記端末によって同時にサポートされる上記ビームの量および上記電力条件を満たす上記ビームの量の上記上限の最小値である、決定することと、
電力の降順での上記候補ビームの量に基づいて、上記電力条件を満たす上記ビーム方向から上記候補ビーム方向を選択することと
を行うようにさらに構成される、項目14に記載の装置。
(項目20)
上記処理モジュールが、
平偏波と直偏波との間の電力関係に基づいて、上記ターゲットビーム方向の偏波モードを決定するようにさらに構成される、項目14から19のいずれか1項に記載の装置。
(項目21)
上記処理モジュールが、上記ターゲットビーム方向の垂直偏波モードおよび水平偏波モードで、上記基地局によって送信される基準信号を受信することと、
直偏波方向の上記基準信号の受信電力RSRP_{V}および水平偏波方向の上記基準信号の受信電力RSRP{H}を取得することと、
max(RSRP_{H},RSRP_{V})に基づいて上記ターゲットビーム方向の上記偏波モードを決定することと
を行うように特別に構成される、項目20に記載の装置。
(項目22)
メモリおよびプロセッサを備えるチップであって、上記メモリがプログラム命令を記憶するように構成され、上記プロセッサが上記メモリ内の上記プログラム命令を呼び出すように構成され、項目1から13のいずれか1項に記載の上記ビーム構成方法を実行する、チップ。
(項目23)
可読記憶媒体であって、上記可読記憶媒体が、コンピュータプログラムを記憶し、上記コンピュータプログラムが実行されると、項目1から13のいずれか1項に記載の上記ビーム構成方法が実施される、可読記憶媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11