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特許7388610映像符号化方法、映像復号方法、および端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】映像符号化方法、映像復号方法、および端末
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/52 20140101AFI20231121BHJP
   H04N 19/577 20140101ALI20231121BHJP
【FI】
H04N19/52
H04N19/577
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022032366
(22)【出願日】2022-03-03
(62)【分割の表示】P 2020206827の分割
【原出願日】2016-09-30
(65)【公開番号】P2022084683
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2022-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アン、ジーチェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シュー
(72)【発明者】
【氏名】ゼン、ジアンフア
【審査官】鉢呂 健
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-132046(JP,A)
【文献】特開2013-102266(JP,A)
【文献】特許第6881788(JP,B2)
【文献】ZHOU, Minhua et al.,A method of decoupling motion data reconstruction from entropy decoding,Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 6th Meeting: Torino, IT, 14-22 July, 2011, [JCTVC-F347],JCTVC-F347 (version 2),ITU-T,2011年07月02日,<URL:http://phenix.it-sudparis.eu/jct/doc_end_user/documents/6_Torino/wg11/JCTVC-F347-v2.zip>: JCTVC-F347.doc: pp.1-20
【文献】SUZUKI, Yoshinori and FUJIBAYASHI, Akira,Non-CE9: Bi-prediction for low delay coding,Joint Collaborative Team on Video Coding (JCT-VC) of ITU-T SG16 WP3 and ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 7th Meeting: Geneva, CH, 21-30 November, 2011, [JCTVC-G305],JCTVC-G305 (version 2),ITU-T,2011年11月19日,<URL:http://phenix.it-sudparis.eu/jct/doc_end_user/documents/7_Geneva/wg11/JCTVC-G305-v2.zip>: JCTVC-G305.doc: pp.1-5
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00-19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の画像ブロックの候補予測動き情報リストを構築する段階であって、前記候補予測動き情報リストは、候補予測動き情報を含み、前記候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における前記現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報を含む、段階と、
動き推定中に取得された、前記現在の画像ブロックの動きベクトルに基づき、前記候補予測動き情報リストから、1つの候補予測動き情報を前記現在の画像ブロックの予測動き情報として選択し、前記候補予測動き情報リストにおける、選択された前記候補予測動き情報のインデックスを決定する段階であって、前記予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含む、段階と、
前記予測動き情報に基づき、動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階と、
前記対応関係と前記動きベクトルとに基づき、前記動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得する段階と、
前記インデックスおよび前記動きベクトル差をビットストリームに符号化する段階と
を備え
前記現在の画像ブロックの予測モードが双方向予測である場合、前記予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、同じ動きベクトル差を前記第1の動きベクトル予測値および前記第2の動きベクトル予測値に加算することによって、前記動きベクトル差が、前記第1の動きベクトル予測値および前記第2の動きベクトル予測値によって再使用される
映像符号化方法。
【請求項2】
前記予測動き情報に基づき、動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する前記段階は、
前記参照画像情報に基づき、前記現在の画像ブロックの予測モードを決定する段階であって、前記予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、段階と、
前記予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階と、
前記動きベクトル差の個数と前記予測動き情報とに基づき、前記動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の前記対応関係を決定する段階と
を含む、
請求項1に記載の映像符号化方法。
【請求項3】
前記予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する前記段階は、
前記予測モードが前記片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定する段階、または、
前記予測モードが前記双方向予測であり、かつ、前記参照画像情報が前記現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定する段階、または、
前記予測モードが前記双方向予測である場合、動きベクトル差の予め設定された個数を、前記現在の画像ブロックの前記ビットストリーム、前記ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、前記ビットストリームの画像レイヤヘッダ情報、および前記ビットストリームのシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化する段階を含む、
請求項2に記載の映像符号化方法。
【請求項4】
前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定する前記段階は、
前記現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、前記現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックの前記ピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きい、もしくは、前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定する段階を含む、
請求項3に記載の映像符号化方法。
【請求項5】
前記候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数を、前記ビットストリームの前記スライスレイヤヘッダ情報、前記画像レイヤヘッダ情報、および前記シーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化する段階
を備える請求項3または4に記載の映像符号化方法。
【請求項6】
前記候補予測動き情報リストにおける前記候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい、
請求項に記載の映像符号化方法。
【請求項7】
前記現在の画像ブロックは、前記ビットストリームに対応する現在の符号化されるべき画像ブロックの任意の予測単位である、
請求項1からのいずれか一項に記載の映像符号化方法。
【請求項8】
現在の画像ブロックの候補予測動き情報リストを構築するよう構成されるリスト構築ユニットであって、前記候補予測動き情報リストは、候補予測動き情報を含み、前記候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における前記現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報を含む、リスト構築ユニットと、
動き推定中に取得された、前記現在の画像ブロックの動きベクトルに基づき、前記候補予測動き情報リストから、1つの候補予測動き情報を前記現在の画像ブロックの予測動き情報として選択するよう構成される選択ユニットであって、前記予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含む、選択ユニットと、
前記候補予測動き情報リストにおける、選択された前記候補予測動き情報のインデックスを決定するよう構成される第1の決定ユニットと、
前記予測動き情報に基づき、動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するよう構成される第2の決定ユニットと、
前記対応関係と前記動きベクトルとに基づき、前記動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得するよう構成される取得ユニットと、
前記インデックスと前記動きベクトル差とをビットストリームに符号化するよう構成される第1の符号化ユニットと
を備え
前記現在の画像ブロックの予測モードが双方向予測である場合、前記予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、同じ動きベクトル差を前記第1の動きベクトル予測値および前記第2の動きベクトル予測値に加算することによって、前記動きベクトル差が、前記第1の動きベクトル予測値および前記第2の動きベクトル予測値によって再使用される
映像符号化端末。
【請求項9】
前記第2の決定ユニットは、
前記参照画像情報に基づき、前記現在の画像ブロックの予測モードを決定するよう構成される第1の決定サブユニットであって、前記予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、第1の決定サブユニットと、
前記予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定するよう構成される第2の決定サブユニットと、
前記動きベクトル差の個数と前記予測動き情報とに基づき、前記動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の前記対応関係を決定するよう構成される第3の決定サブユニットとを有する、
請求項に記載の映像符号化端末。
【請求項10】
前記第2の決定サブユニットは具体的に、
前記予測モードが前記片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、
前記予測モードが前記双方向予測であり、かつ、前記参照画像情報が前記現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定するか、または、
前記予測モードが前記双方向予測である場合、動きベクトル差の予め設定された個数を、前記現在の画像ブロックの前記ビットストリーム、前記ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、前記ビットストリームの画像レイヤヘッダ情報、および前記ビットストリームのシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化するよう構成される、
請求項に記載の映像符号化端末。
【請求項11】
前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定するとき、前記第2の決定サブユニットは具体的に、
前記現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、前記現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックの前記ピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、
前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するよう構成される、
請求項10に記載の映像符号化端末。
【請求項12】
前記映像符号化端末はさらに、
前記候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数を、前記ビットストリームの前記スライスレイヤヘッダ情報、前記画像レイヤヘッダ情報、および前記シーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化するよう構成される第2の符号化ユニットを備える、
請求項10または11に記載の映像符号化端末。
【請求項13】
前記候補予測動き情報リストにおける前記候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい、
請求項12に記載の映像符号化端末。
【請求項14】
前記現在の画像ブロックは、前記ビットストリームに対応する現在の符号化されるべき画像ブロックの任意の予測単位である、
請求項から13のいずれか一項に記載の映像符号化端末。
【請求項15】
プロセッサに請求項1からのいずれか一項に記載の映像符号化方法を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像符号化および復号分野に関し、特に、映像符号化方法、映像復号方法、および端末に関する。
【背景技術】
【0002】
映像符号化圧縮の基本原理は、空間領域と、時間領域と、コードワードとの間の相関性を用いて、可能な限り、冗長性を無くすことである。ブロックベースのハイブリッド映像符号化フレームワークは、映像符号化圧縮がイントラ予測、インター予測、変換、定量化、エントロピー符号化、および同様のものの段階を実行することによって実現される、比較的普及している方法である。ムービングピクチャエクスパーツグループ(Moving Picture Experts Group,MPEG)および高効率映像符号化(High Efficiency Video Coding,HEVC)標準規格の両方が、ブロックベースのハイブリッド映像符号化フレームワークを用いる。
【0003】
インター予測中、動き補償プロセスを用いることによって画像ブロックの予測ブロックを生成するように、各画像ブロックの動き情報を決定する必要がある。動き情報は、参照画像情報および動きベクトルを含む。
【0004】
現在の画像ブロックの動き情報を決定するとき、一般的に用いられる方法は、マージモード(merge mode)、非マージモード、および同様のものを含む。以下の段階は、マージモードに含まれ得る。
【0005】
1.候補動き情報リストを構築し、ここで、リストにおける候補動き情報は、空間的にまたは時間的に現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報を用いることによって推論により取得される。
【0006】
2.候補動き情報リストから1つの動き情報を選択し、リストにおける動き情報のインデックスを転送し、動き情報のインデックスを用いることによって現在の画像ブロックの全ての動き情報を特定する。
【0007】
マージモードの動きベクトルが、隣接ブロックの動きベクトルを完全に複製することによって取得され、その結果、現在の画像ブロックの動きベクトルが十分に正確になっていない。
【0008】
しかし、非マージモードでは、現在の画像ブロックの動き情報は、以下の段階を実行することによって決定され得る。
【0009】
1.参照画像情報を転送し、ここで、参照画像情報は、片方向/双方向予測情報、1つまたは2つの参照画像リスト、当該1つまたは2つの参照画像リストにそれぞれ対応する1つまたは2つの参照画像インデックスを含む。
【0010】
2.候補動きベクトル予測値リストを構築し、ここで、リストにおける候補動きベクトル予測値は、現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報を用いることによって推論により取得される。
【0011】
3.候補動きベクトル予測値リストから動きベクトル予測値を選択し、リストにおける動きベクトル予測値のインデックスを転送し、動きベクトル予測値のインデックスを用いることによって現在の画像ブロックの動きベクトル予測値を特定する。
【0012】
4.動きベクトル差を転送し、動きベクトル差と動きベクトル予測値とを加算し、現在の画像ブロックの動きベクトルを取得する。
【0013】
非マージモードでは、参照画像情報、動きベクトル予測値のインデックス、および対応する動きベクトル差を転送する必要があり、これにより、動き情報がより正確となる。しかし、比較的大量の情報が転送され、その結果、ビットレートが比較的高い。
【発明の概要】
【0014】
本発明の実施形態は、映像符号化方法、映像復号方法、および端末を提供し、同じ映像品質の場合において、転送される必要がある情報を減少させ、それにより、一定の伝送ビットを節約する。
【0015】
本発明の実施形態の第1の態様は、映像復号方法を開示し、当該映像復号方法は、ビットストリームから、候補予測動き情報リストにおける現在の画像ブロックの予測動き情報のインデックスを取得する段階であって、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含み、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、段階と、インデックスに基づき、候補予測動き情報リストを照会し、発見された候補予測動き情報を予測動き情報として用いる段階と、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定し、ビットストリームから動きベクトル差を取得する段階と、対応関係に基づき、動きベクトル予測値と対応する動きベクトル差とを加算し、現在の画像ブロックの動きベクトルを取得する段階とを備える。
【0016】
本実装方式において、現在の画像ブロックの動きベクトル予測値は、動きベクトル差を用いることによって補正され、これにより、再構築により取得された現在の画像ブロックの動きベクトルはより正確となる。加えて、動きベクトル差は、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係に基づき、より有効に決定され、それにより、伝送ビットを節約する。
【0017】
任意選択的な実装方式において、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階は、参照画像情報に基づき、現在の画像ブロックの予測モードを決定する段階であって、予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、段階と、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階と、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階とを含む。
【0018】
本実装方式において、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係は決定され、そして、動きベクトル予測値は、動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を用いることによって補正され、これにより、再構築により取得された現在の画像ブロックの動きベクトルはより正確となる。
【0019】
任意選択的な実装方式において、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階は、予測モードが片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定する段階、または、予測モードが双方向予測であり、かつ、参照画像情報が参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階、または、予測モードが双方向予測である場合、現在の画像ブロックのビットストリーム、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、ビットストリームの画像レイヤヘッダ情報、およびビットストリームのシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから、動きベクトル差の個数を取得する段階を含む。
【0020】
本実装方式の有益な効果は以下の通りである。現在の画像ブロックの動きベクトル予測値は、動きベクトル差を用いることによって補正され、これにより、再構築により取得された現在の画像ブロックの動きベクトルはより正確となる。
【0021】
任意選択的な実装方式において、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階は、現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定する段階、または、現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定する段階を含む。
【0022】
本実装方式の有益な効果は、以下の通りである。現在の画像ブロックの動きベクトル予測値は、動きベクトル差を用いることによって補正され、これにより、再構築により取得された現在の画像ブロックの動きベクトルは、より正確となる。
【0023】
任意選択的な実装方式において、予測モードが双方向予測である場合、予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階は、2つの動きベクトル差が存在する場合、2つの動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値と第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差として別々に用いる段階、または、1つの動きベクトル差が存在する場合、動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは、ビットストリームから、動きベクトル差が第1の動きベクトル予測値に対応していることを示すか、もしくは動きベクトル差が第2の動きベクトル予測値に対応していることを示す情報を取得し、取得された情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階を含む。
【0024】
本実装方式の有益な効果は、以下の通りである。現在の画像ブロックの動きベクトル予測値は、動きベクトル差を用いることによって補正され、これにより、再構築により取得された現在の画像ブロックの動きベクトルは、より正確となる。加えて、動きベクトル差は、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係に基づき、より有効に決定され、それにより、伝送ビットを節約する。
【0025】
任意選択的な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから取得される。
【0026】
本実装方式の有益な効果は以下の通りである。現在の画像ブロックの動きベクトル予測値は、動きベクトル差を用いることによって補正され、これにより、再構築により取得された現在の画像ブロックの動きベクトルは、より正確となる。
【0027】
任意選択的な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい。
【0028】
本実装方式の有益な効果は以下の通りである。候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数が、計算の複雑さを低減させるよう制御され、それにより、復号速度を増加させる。
【0029】
任意選択的な実装方式において、現在の画像ブロックは、ビットストリームに対応する現在の再構築されるべき画像ブロックの任意の予測単位である。
【0030】
本実装方式の有益な効果は、以下の通りである。現在の画像ブロックの動きベクトル予測値は、動きベクトル差を用いることによって補正され、これにより、再構築により取得された現在の画像ブロックの動きベクトルは、より正確となる。加えて、動きベクトル差は、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係に基づき、より有効に決定され、それにより、伝送ビットを節約する。
【0031】
本発明の実施形態の第2の態様は、映像復号端末を開示し、当該映像復号端末は、プロセッサとメモリとを備える。プロセッサは、ビットストリームから、候補予測動き情報リストにおける現在の画像ブロックの予測動き情報のインデックスを取得するオペレーションであって、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含み、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、オペレーションと、インデックスに基づき、候補予測動き情報リストを照会し、発見された候補予測動き情報を予測動き情報として用いるオペレーションと、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定し、ビットストリームから動きベクトル差を取得するオペレーションと、対応関係に基づき、動きベクトル予測値と対応する動きベクトル差とを加算し、現在の画像ブロックの動きベクトルを取得するオペレーションとを実行するよう構成される。
【0032】
任意選択的な実装方式において、プロセッサは、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階は、参照画像情報に基づき、現在の画像ブロックの予測モードを決定する段階であって、予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、段階と、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階と、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階とを含む。
【0033】
任意選択的な実装方式において、プロセッサが、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定することは、予測モードが片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定すること、または、予測モードが双方向予測であり、かつ、参照画像情報が参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定すること、または、予測モードが双方向予測である場合、現在の画像ブロックのビットストリーム、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、ビットストリームの画像レイヤヘッダ情報、およびビットストリームのシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから、動きベクトル差の個数を取得することを含む。
【0034】
任意選択的な実装方式において、プロセッサが、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定することは、現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定すること、または、現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定することを含む。
【0035】
任意選択的な実装方式において、予測モードが双方向予測である場合、予測動き情報が第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、プロセッサが動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定することは、2つの動きベクトル差が存在する場合、2つの動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値と第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差として別々に用いること、または、1つの動きベクトル差が存在する場合、動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは、ビットストリームから、動きベクトル差が第1の動きベクトル予測値に対応していることを示すか、もしくは動きベクトル差が第2の動きベクトル予測値に対応していることを示す情報を取得し、取得された情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定することを含む。
【0036】
任意選択的な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから取得される。
【0037】
任意選択的な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい。
【0038】
任意選択的な実装方式において、現在の画像ブロックは、ビットストリームに対応する現在の再構築されるべき画像ブロックの任意の予測単位である。
【0039】
本発明の実施形態の第3の態様は、映像復号端末を開示し、当該映像復号端末は、ビットストリームから、候補予測動き情報リストにおける現在の画像ブロックの予測動き情報のインデックスを取得するよう構成される第1の取得ユニットであって、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含み、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、第1の取得ユニットと、インデックスに基づき、候補予測動き情報リストを照会し、発見された候補予測動き情報を予測動き情報として用いるよう構成される照会ユニットと、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するよう構成される決定ユニットと、ビットストリームから動きベクトル差を取得するよう構成される第2の取得ユニットと、対応関係に基づき、動きベクトル予測値と対応する動きベクトル差とを加算し、現在の画像ブロックの動きベクトルを取得するよう構成される演算ユニットとを備える。
【0040】
任意選択的な実装方式において、決定ユニットは、参照画像情報に基づき、現在の画像ブロックの予測モードを決定するよう構成される第1の決定サブユニットであって、予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、第1の決定サブユニットと、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定するよう構成される第2の決定サブユニットと、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するよう構成される第3の決定サブユニットとを有する。
【0041】
任意選択的な実装方式において、第2の決定サブユニットは、予測モードが片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または予測モードが双方向予測であり、かつ、参照画像情報が参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定するか、または、予測モードが双方向予測である場合、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから動きベクトル差の個数を取得するよう構成される。
【0042】
任意選択的な実装方式において、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定するとき、第2の決定サブユニットは、現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するよう構成される。
【0043】
任意選択的な実装方式において、予測モードが双方向予測である場合、予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、第3の決定サブユニットは、2つの動きベクトル差が存在する場合、2つの動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として別々に用いるか、または、1つの動きベクトル差が存在する場合、動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは、ビットストリームから、動きベクトル差が第1の動きベクトル予測値に対応していることを示すか、もしくは動きベクトル差が第2の動きベクトル予測値に対応していることを示す情報を取得するよう構成される。
【0044】
任意選択的な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから取得される。
【0045】
任意選択的な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい。
【0046】
任意選択的な実装方式において、現在の画像ブロックは、ビットストリームに対応する現在の再構築されるべき画像ブロックの任意の予測単位である。
【0047】
本発明の実施形態の第4の態様は、映像符号化方法を開示し、当該映像符号化方法は、現在の画像ブロックの候補予測動き情報リストを構築する段階であって、候補予測動き情報リストに含まれる候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、段階と、動き推定中に取得された、現在の画像ブロックの動きベクトルに基づき、候補予測動き情報リストから、1つの候補予測動き情報を現在の画像ブロックの予測動き情報として選択し、候補予測動き情報リストにおける、選択された候補予測動き情報のインデックスを決定する段階であって、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含む、段階と、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階と、対応関係と動きベクトルとに基づき、動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得する段階と、インデックスと動きベクトル差とをビットストリームに符号化する段階とを備える。
【0048】
任意選択的な実装方式において、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階は、参照画像情報に基づき、現在の画像ブロックの予測モードを決定する段階であって、予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、段階と、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階と、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階とを含む。
【0049】
任意選択的な実装方式において、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階は、予測モードが片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定する段階、または、予測モードが双方向予測であり、かつ、参照画像情報が現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階、または、予測モードが双方向予測である場合、動きベクトル差の予め設定された個数を、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化する段階を含む。
【0050】
任意選択的な実装方式において、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階は、現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定する段階、または、現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定する段階を含む。
【0051】
任意選択的な実装方式において、予測モードが双方向予測である場合、予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階は、2つの動きベクトル差が存在する場合、2つの動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値と第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差として別々に用いる段階、または、1つの動きベクトル差が存在する場合、動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは動きベクトル差を第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは予め設定された対応関係に基づき、動きベクトル差と、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々との間の対応関係を決定し、予め設定された対応関係をビットストリームに符号化する段階を含む。
【0052】
任意選択的な実装方式において、当該方法は、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数を、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化する段階を備える。
【0053】
任意選択的な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい。
【0054】
任意選択的な実装方式において、現在の画像ブロックは、ビットストリームに対応する現在の符号化されるべき画像ブロックの任意の予測単位である。
【0055】
本発明の実施形態の第5の態様は、映像符号化端末を開示し、当該映像符号化端末は、プロセッサとメモリとを備える。プロセッサは、現在の画像ブロックの候補予測動き情報リストを構築するオペレーションであって、候補予測動き情報リストに含まれる候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、オペレーションと、動き推定中に取得された、現在の画像ブロックの動きベクトルに基づき、候補予測動き情報リストから、1つの候補予測動き情報を現在の画像ブロックの予測動き情報として選択し、候補予測動き情報リストにおける、選択された候補予測動き情報のインデックスを決定するオペレーションであって、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含む、オペレーションと、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するオペレーションと、対応関係と動きベクトルとに基づき、動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得するオペレーションと、インデックスと動きベクトル差とをビットストリームに符号化するオペレーションとを実行するよう構成される。
【0056】
任意選択的な実装方式において、プロセッサが予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定することは、参照画像情報に基づき、現在の画像ブロックの予測モードであって、片方向予測または双方向予測を含む予測モードを決定することと、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定することと、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定することとを含む。
【0057】
任意選択的な実装方式において、プロセッサが予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定することは、予測モードが片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、予測モードが双方向予測であり、かつ、参照画像情報が現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定するか、または、予測モードが双方向予測である場合、動きベクトル差の予め設定された個数を、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化することを含む。
【0058】
任意選択的な実装方式において、プロセッサが、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定することは、現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定することを含む。
【0059】
任意選択的な実装方式において、予測モードが双方向予測である場合、予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、プロセッサが、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定することは、2つの動きベクトル差が存在する場合、2つの動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値と第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差を別々に用いること、または、1つの動きベクトル差が存在する場合、動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは、予め設定された対応関係に基づき、動きベクトル差と、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々との間の対応関係を決定し、予め設定された対応関係をビットストリームに符号化することを含む。
【0060】
任意選択的な実装方式において、当該方法は、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数を、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化する段階を備える。
【0061】
任意選択的な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい。
【0062】
任意選択的な実装方式において、現在の画像ブロックは、ビットストリームに対応する現在の符号化されるべき画像ブロックの任意の予測単位である。
【0063】
本発明の実施形態の第6の態様は、映像符号化端末を開示し、当該映像符号化端末は、現在の画像ブロックの候補予測動き情報リストを構築するよう構成されるリスト構築ユニットであって、候補予測動き情報リストに含まれる候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、リスト構築ユニットと、動き推定中に取得された、現在の画像ブロックの動きベクトルに基づき、候補予測動き情報リストから、1つの候補予測動き情報を、現在の画像ブロックの予測動き情報として選択するよう構成される選択ユニットであって、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含む、選択ユニットと、候補予測動き情報リストにおける、選択された候補予測動き情報のインデックスを決定するよう構成される第1の決定ユニットと、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するよう構成される第2の決定ユニットと、対応関係と動きベクトルとに基づき、動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得するよう構成される取得ユニットと、インデックスと動きベクトル差とをビットストリームに符号化するよう構成される第1の符号化ユニットとを備える。
【0064】
任意選択的な実装方式において、第2の決定ユニットは、参照画像情報に基づき、現在の画像ブロックの予測モードを決定するよう構成される第1の決定サブユニットであって、予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、第1の決定サブユニットと、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定するよう構成される第2の決定サブユニットと、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するよう構成される第3の決定サブユニットとを有する。
【0065】
任意選択的な実装方式において、第2の決定サブユニットは、予測モードが片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、予測モードが双方向予測であり、かつ、参照画像情報が現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定するか、または、予測モードが双方向予測である場合、動きベクトル差の予め設定された個数を、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化するよう構成される。
【0066】
任意選択的な実装方式において、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定するとき、第2の決定サブユニットは、現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するよう構成される。
【0067】
任意選択的な実装方式において、予測モードが双方向予測である場合、予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、第3の決定サブユニットは、2つの動きベクトル差が存在する場合、2つの動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値と第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差として別々に用いるか、または、1つの動きベクトル差が存在する場合、動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いる、もしくは、予め設定された対応関係に基づき、動きベクトル差と、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々との間の対応関係を決定し、予め設定された対応関係をビットストリームに符号化するよう構成される。
【0068】
任意選択的な実装方式において、端末はさらに、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数を、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化するよう構成される第2の符号化ユニットを備える。
【0069】
任意選択的な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい。
【0070】
任意選択的な実装方式において、現在の画像ブロックは、ビットストリームに対応する現在の符号化されるべき画像ブロックの任意の予測単位である。
【0071】
本発明の実施形態の第7の態様は、コンピュータ記憶媒体を開示し、当該コンピュータ記憶媒体は、第1の態様および第4の態様において用いられるコンピュータソフトウェア命令を記憶するよう構成され、コンピュータソフトウェア命令は、前述の態様を実行するために設計されたプログラムを含む。
【0072】
本発明の実施形態の第2の態様から第7の態様における技術的解決手段は、本発明の実施形態の第1の態様における技術的解決手段と一致し、得られる有益な効果は同様であることが理解されるべきである。詳細はここでは再び説明されない。
【0073】
前述の技術的解決手段から、本発明の実施形態は、以下の利点を有することが分かる。本発明の実施形態において、隣接ブロックの参照画像情報が取得されて現在の画像ブロックの参照画像情報として用いられる。動きベクトルに対して、隣接ブロックの動きベクトルが現在の画像ブロックの動きベクトルを予測するために用いられ、動きベクトル差は転送され、動きベクトル予測値を補正し、動きベクトルの比較的高い精度を達成する。加えて、動きベクトル差は、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係に基づき、より有効に決定され、それにより、伝送ビットを節約する。本発明の実施形態を実現することは、同じ映像品質の場合において、転送される必要がある情報を減少させることができ、それにより、一定の伝送ビットを節約することが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
本発明の実施形態における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下では、実施形態を説明するために必要な添付の図面を簡潔に説明する。明らかに、以下の説明における添付の図面は単に本発明のいくつかの実施形態を示しており、当業者は、創造努力なく、これらの添付の図面から他の図面を導出し得る。
【0075】
図1】本発明の実施形態において開示される映像復号方法の概略フローチャートである。
【0076】
図2】本発明の実施形態において開示される映像復号端末の概略構造図である。
【0077】
図3】本発明の実施形態において開示される別の映像復号端末の概略構造図である。
【0078】
図4】本発明の実施形態において開示される映像符号化方法の概略フローチャートである。
【0079】
図5】本発明の実施形態において開示される映像符号化端末の概略構造図である。
【0080】
図6】本発明の実施形態において開示される別の映像符号化端末の概略構造図である。
【0081】
図7】本発明の実施形態において開示される映像符号化/復号装置または電子デバイスの概略構造図である。
【0082】
図8】本発明の実施形態において開示される映像符号化/復号システムの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本発明の目的、技術的解決手段、および利点をより明確にするために、以下ではさらに、添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態の全てではなく、一部に過ぎない。当業者により、創造努力なく、本発明の実施形態に基づいて取得される他の全ての実施形態は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【0084】
本発明の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面において、「第1」、「第2」という用語、および同様のものは、異なる対象を区別することを意図するが、特定の順序を示すものではない。加えて、「含む」および「有する」という用語、ならびにこれらの任意の他の変形は、非排他的包含を含むことを意図する。例えば、一連の段階またはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、列挙されている段階またはユニットに限定されず、任意選択的に、列挙されていない段階またはユニットをさらに含み、または、任意選択的に、プロセス、方法、またはデバイスの別の固有段階またはユニットをさらに含む。
【0085】
本発明の実施形態は、映像符号化方法、映像復号方法、および端末を提供し、同じ映像品質の場合において、転送される必要のある情報を減少させ、それにより、一定の伝送ビットを節約する。詳細は以下において別々に説明される。
【0086】
図1は、本発明の実施形態において開示される映像復号方法の概略フローチャートである。図1に示されている映像復号方法は、以下の段階を備えてよい。
【0087】
101.ビットストリームから、候補予測動き情報リストにおける現在の画像ブロックの予測動き情報のインデックスを取得する。
【0088】
本発明の本実施形態において、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含み、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である。
【0089】
本発明の本実施形態において、現在の画像ブロックは、ビットストリームに対応する現在の再構築されるべき画像ブロックの任意の予測単位であってよい。本発明のいくつかの実施形態において、現在の画像ブロックは代替的に、ビットストリームに対応する現在の再構築されるべき画像ブロックの任意の変換単位、または復号単位であってよい。このことは限定されるものではない。
【0090】
候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから取得され得る。
【0091】
加えて、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい。マージモードは、高効率映像符号化(High Efficiency Video Coding,HEVC)標準規格のインター予測方法である。マージモードでは、現在の画像ブロックの隣接ブロックの1つの動き情報が、動き情報リストから直接選択され、現在の画像ブロックの動き情報を特定し、動き情報リストにおいて比較的大きい個数の動き情報が存在する。しかし、本発明の本実施形態において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さく、これにより、計算の複雑さを低減させる。
【0092】
102.インデックスに基づき、候補予測動き情報リストを照会し、発見された候補予測動き情報を予測動き情報として用いる。
【0093】
一般的に、隣接画像ブロックの参照画像情報が完全に同じであるという確率が高く、一方、隣接画像ブロックの動きベクトルが通常、僅かに異なる。従って、本発明の本実施形態において、発見された候補予測動き情報は、予測動き情報として用いられ、動きベクトル差も取得され、予測動き情報に含まれる動きベクトル予測値を補正し、現在の画像ブロックの比較的正確な動きベクトルを取得する。
【0094】
103.予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定し、ビットストリームから動きベクトル差を取得する。
【0095】
任意選択的な実装方式において、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係は、参照画像情報に基づき、現在の画像ブロックの予測モードであって、片方向予測または双方向予測を含む予測モードを決定し、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定し、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するという方式で、予測動き情報に基づき、決定され得る。
【0096】
動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する実装方式において、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階は、以下の方式で実現され得る。予測モードが片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、予測モードが双方向予測であり、かつ、参照画像情報が参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定するか、もしくは、現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定するか、もしくは、現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、予測モードが双方向予測である場合、現在の画像ブロックのビットストリーム、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、ビットストリームの画像レイヤヘッダ情報、およびビットストリームのシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから動きベクトル差の個数を取得する。
【0097】
動きベクトル差の個数が取得された後に、予測モードが双方向予測である場合、予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係は、以下の方式で決定され得る。2つの動きベクトル差が存在する場合、2つの動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値と第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差として別々に用いるか、または、1つの動きベクトル差が存在する場合、動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは、ビットストリームから、動きベクトル差が第1の動きベクトル予測値に対応していることを示すか、もしくは動きベクトル差が第2の動きベクトル予測値に対応していることを示す情報を取得し、取得された情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する。
【0098】
可能な実装方式において、動きベクトル差は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いられることに注意すべきである。言い換えれば、動きベクトル差は再使用される。このことは、動きベクトル差を符号化するための消費を節約し、効率を向上させる。
【0099】
104.対応関係に基づき、動きベクトル予測値と対応する動きベクトル差とを加算し、現在の画像ブロックの動きベクトルを取得する。
【0100】
本発明の本実施形態において、動きベクトル予測値と対応する動きベクトル差とが加算され、これにより、動きベクトル予測値のオフセットを補正することができ、現在の画像ブロックの動きベクトルを比較的正確に復元することができる。
【0101】
図1に説明されている映像復号方法によれば、現在の画像ブロックの動きベクトルを比較的正確に復元することができ、従って、同じビットレートの場合において、出力される映像は、比較的高い品質を有することが分かる。
【0102】
図2は、本発明の実施形態において開示される映像復号端末の概略構造図である。図2に示されているように、端末は、プロセッサ201とメモリ202とを備える。メモリ202は、データ処理を実行するためにプロセッサ201により必要とされるキャッシュを記憶するよう構成されてよく、さらに、データ処理を実行するためにプロセッサ201により呼び出されるデータを提供し、取得された結果データのための記憶空間を提供するよう構成されてよい。
【0103】
本発明の本実施形態において、プロセッサ201は、メモリ202に記憶されているプログラムコードを呼び出すことにより、ビットストリームから、候補予測動き情報リストにおける現在の画像ブロックの予測動き情報のインデックスを取得するオペレーションであって、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含み、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、オペレーションと、インデックスに基づき、候補予測動き情報リストを照会し、発見された候補予測動き情報を予測動き情報として用いるオペレーションと、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定し、ビットストリームから、動きベクトル差を取得するオペレーションと、対応関係に基づき、動きベクトル予測値と対応する動きベクトル差とを加算し、現在の画像ブロックの動きベクトルを取得するオペレーションとを実行するよう構成される。
【0104】
図2に説明されている映像復号端末によれば、現在の画像ブロックの動きベクトルを比較的正確に復元することができ、従って、同じビットレートの場合において、出力される映像は、比較的高い品質を有する。
【0105】
図3は、本発明の実施形態において開示されている別の映像復号端末の概略構造図である。図3に示されているように、端末は、ビットストリームから、候補予測動き情報リストにおける現在の画像ブロックの予測動き情報のインデックスを取得するよう構成される第1の取得ユニット301であって、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含み、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、第1の取得ユニット301と、インデックスに基づき、候補予測動き情報リストを照会し、発見された候補予測動き情報を予測動き情報として用いるよう構成される照会ユニット302と、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するよう構成される決定ユニット303と、ビットストリームから、動きベクトル差を取得するよう構成される第2の取得ユニット304と、対応関係に基づき、動きベクトル予測値と対応する動きベクトル差とを加算し、現在の画像ブロックの動きベクトルを取得するよう構成される演算ユニット305とを備えてよい。
【0106】
図3に説明されている映像復号端末によれば、現在の画像ブロックの動きベクトルを比較的正確に復元することができ、従って、同じビットレートの場合において、出力される映像は、比較的高い品質を有する。
【0107】
図4は、本発明の実施形態において開示される映像符号化方法の概略フローチャートである。図4に示されている映像符号化方法は、以下の段階を備えてよい。
【0108】
401.現在の画像ブロックの候補予測動き情報リストを構築し、ここで、候補予測動き情報リストに含まれる候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である。
【0109】
本発明の本実施形態において、現在の画像ブロックは、ビットストリームに対応する現在の符号化されるべき画像ブロックの任意の予測単位である。本発明のいくつかの実施形態において、現在の画像ブロックは代替的に、ビットストリームに対応する現在の符号化されるべき画像ブロックの任意の変換単位または復号単位であってよい。このことは限定されるものではない。
【0110】
任意選択的な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、画像レイヤヘッダ情報、およびシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化されてよい。
【0111】
加えて、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい。マージモードは、高効率映像符号化(High Efficiency Video Coding,HEVC)標準規格におけるインター予測方法である。マージモードでは、現在の画像ブロックの隣接ブロックの1つの動き情報が、動き情報リストから直接選択され、現在の画像ブロックの動き情報を特定し、動き情報リストにおいて比較的大きい個数の動き情報が存在する。しかし、本発明の本実施形態において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さく、これにより、計算の複雑さを低減させる。
【0112】
402.動き推定中に取得された、現在の画像ブロックの動きベクトルに基づき、候補予測動き情報リストから、1つの候補予測動き情報を現在の画像ブロックの予測動き情報として選択し、候補予測動き情報リストにおける、選択された候補予測動き情報のインデックスを決定し、ここで、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含む。
【0113】
本発明の本実施形態において、動き推定は、隣接ブロックの動き情報を用いることによって現在の画像ブロックに対して実行される。任意選択的な実装方式において、複数の動きベクトルの位置が動き推定中に取得され、最小レート歪みコストを有する動きベクトルが現在の画像ブロックの動きベクトルとして選択される。
【0114】
可能な実装方式において、候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報は走査され、各個の候補予測動き情報は現在の画像ブロックの予測動き情報として用いられ、レート歪みコストを計算し、これにより、最小レート歪みコストを有する1つの候補予測動き情報を、現在の画像ブロックの予測動き情報として選択する。
【0115】
403.予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する。
【0116】
本発明の本実施形態において、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係は、以下の方式で決定され得る。参照画像情報に基づき、現在の画像ブロックの予測モードであって、片方向予測または双方向予測を含む予測モードを決定し、予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定し、動きベクトル差の個数と予測動き情報とに基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する。
【0117】
予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定することは、以下の方式で実現され得る。予測モードが片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、予測モードが双方向予測であり、かつ、参照画像情報が現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントに基づき、動きベクトル差の個数を決定するか、または、現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定するか、もしくは、現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、予測モードが双方向予測である場合、動きベクトル差の予め設定された個数を、現在の画像ブロックのビットストリーム、ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、ビットストリームの画像レイヤヘッダ情報、およびビットストリームのシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化する。
【0118】
動きベクトル差の個数が決定された後に、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係は、以下の方式で決定され得る。2つの動きベクトル差が存在する場合、2つの動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値と第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差として別々に用いるか、または、1つの動きベクトル差が存在する場合、動きベクトル差を第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を用いて、第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、動きベクトル差を、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは、予め設定された対応関係に基づき、動きベクトル差と、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々との間の対応関係を決定し、予め設定された対応関係をビットストリームに符号化する。
【0119】
可能な実装方式において、動きベクトル差は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いられることに注意すべきである。言い換えれば、動きベクトル差は再使用される。このことは、動きベクトル差を符号化するための消費を節約し、効率を向上させる。
【0120】
404.対応関係と動きベクトルとに基づき、動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得する。
【0121】
現在の画像ブロックの動きベクトルは、段階402において決定され、従って、現在の画像ブロックの動きベクトルから、動きベクトル予測値を減算することによって、動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得できる。
【0122】
405.インデックスと動きベクトル差とをビットストリームに符号化する。
【0123】
図4において説明される映像符号化方法によれば、ビットストリームにおいてインデックスおよび動きベクトル差のみを伝送する必要があり、現在の画像ブロックの動き情報を復号側において復元することができることが分かる。従って、同じ映像品質の場合において、当該方法を用いることによって一定のビットレートを節約することができる。
【0124】
図5は、本発明の実施形態において開示される映像符号化端末の概略構造図である。図5に示されているように、端末は、プロセッサ501とメモリ502とを備える。メモリ502は、データ処理を実行するためにプロセッサ501により必要とされるキャッシュを記憶するよう構成されてよく、さらに、データ処理を実行するためにプロセッサ501により呼び出されるデータを提供し、取得された結果データのための記憶空間を提供するように構成されてよい。
【0125】
本発明の本実施形態において、プロセッサ501は、メモリ502に記憶されているプログラムコードを呼び出すことによって、現在の画像ブロックの候補予測動き情報リストを構築するオペレーションであって、候補予測動き情報リストに含まれる候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、オペレーションと、動き推定中に取得された、現在の画像ブロックの動きベクトルに基づき、候補予測動き情報リストから、1つの候補予測動き情報を現在の画像ブロックの予測動き情報として選択し、候補予測動き情報リストにおける、選択された候補予測動き情報のインデックスを決定するオペレーションであって、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含む、オペレーションと、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するオペレーションと、対応関係と動きベクトルとに基づき、動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得するオペレーションと、インデックスと動きベクトル差とをビットストリームに符号化するオペレーションとを実行するよう構成される。
【0126】
図5に説明されている映像符号化端末によれば、ビットストリームにおいてインデックスおよび動きベクトル差のみを伝送する必要があり、現在の画像ブロックの動き情報を復号側において復元できることが分かる。従って、同じ映像品質の場合において、当該端末を用いることによって、一定のビットレートを節約できる。
【0127】
図6は、本発明の実施形態において開示される別の映像符号化端末の概略構造図である。図6に示されているように、端末は、現在の画像ブロックの候補予測動き情報リストを構築するよう構成されるリスト構築ユニット601であって、候補予測動き情報リストに含まれる候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、リスト構築ユニット601と、動き推定中に取得された、現在の画像ブロックの動きベクトルに基づき、候補予測動き情報リストから、1つの候補予測動き情報を、現在の画像ブロックの予測動き情報として選択するよう構成される選択ユニット602であって、予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含む、選択ユニット602と、候補予測動き情報リストにおける、選択された候補予測動き情報のインデックスを決定するよう構成される第1の決定ユニット603と、予測動き情報に基づき、動きベクトル差と動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するよう構成される第2の決定ユニット604と、対応関係と動きベクトルとに基づき、動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得するよう構成される取得ユニット605と、インデックスと動きベクトル差とをビットストリームに符号化するよう構成される第1の符号化ユニット606とを備えてよい。
【0128】
図6に説明されている映像符号化端末によれば、ビットストリームにおいて、インデックスおよび動きベクトル差のみを伝送する必要があり、現在の画像ブロックの動き情報を復号側において復元できることが分かる。従って、同じ映像品質の場合において、当該端末を用いることによって、一定のビットレートを節約できる。
【0129】
図7は、本発明の実施形態において開示される映像符号化/復号装置または電子デバイス50の概略構造図である。当該装置または電子デバイスは、本発明の実施形態におけるコーデックに組み込まれてよい。詳細は以下において説明される。
【0130】
電子デバイス50は、例えば、無線通信システムにおけるモバイル端末またはユーザ装置であってよい。映像画像を符号化および復号する、または符号化する、または復号することが必要であり得る任意の電子デバイスまたは装置上で、本発明の実施形態を実現することができることが理解されるべきである。
【0131】
装置50は、装置を保護するために用いられる、デバイスに組み込まれる筐体30を備えてよい。装置50はさらに、液晶ディスプレイの形式のディスプレイ32を備えてよい。本発明の他の実施形態において、ディスプレイは、画像または映像を表示するために適した任意の適切なディスプレイであってよい。装置50はさらに、キーパッド34を備えてよい。本発明の他の実施形態において、任意の適切なデータまたはユーザインタフェース機構が用いられてよい。例えば、ユーザインタフェースが仮想キーボードとして実現されてよく、または、データエントリシステムがタッチセンシティブディスプレイの一部として実現されてよい。装置は、マイク36または任意の適切な音声入力部を備えてよく、音声入力部は、デジタルまたはアナログ信号入力部であってよい。装置50はさらに、以下の音声出力装置を備えてよい。本発明の本実施形態における音声出力装置は、イヤフォン38、スピーカ、アナログ音声出力接続、またはデジタル音声出力接続のうちのいずれかであってよい。装置50はまた、電池40を備えてよい。本発明の他の実施形態において、デバイスは、ソーラー電池、燃料電池、またはクロック発生器などの任意の適切なモバイルエネルギーデバイスにより駆動されてよい。装置はさらに、別のデバイスと近距離見通し内通信するために用いられる赤外線ポート42を備えてよい。他の実施形態において、装置50はさらに、ブルートゥース(登録商標)無線接続またはUSB有線接続などの任意の適切な近距離通信解決手段を備えてよい。
【0132】
装置50は、装置50を制御するよう構成されるコントローラ56またはプロセッサを備えてよい。コントローラ56は、メモリ58と接続されてよい。本発明の本実施形態におけるメモリは、画像データまたは音声データを記憶し、および/またはコントローラ56上で実行される命令を記憶してよい。コントローラ56はさらに、音声および/または映像データ符号化および復号を実現するために、またはコントローラ56により実現される補助符号化および復号のために適したコーデック回路54と接続されてよい。
【0133】
装置50はさらに、UICCおよびUICCリーダなどの、ユーザ情報を提供するよう構成され、ネットワーク認証およびユーザ認可のために用いられる認証情報を提供するために適したスマートカード46およびカードリーダ48を備えてよい。
【0134】
装置50はさらに、無線インタフェース回路52を備えてよい。無線インタフェース回路は、コントローラと接続され、例えば、セルラ通信ネットワーク、無線通信システム、または無線ローカルエリアネットワークと通信するために用いられる無線通信信号を生成するために適する。装置50はさらに、アンテナ44を備えてよい。アンテナは、無線インタフェース回路52と接続され、無線インタフェース回路52において生成される無線周波数信号を別の装置(または、複数の装置)へ送信し、別の装置(または複数の装置)から無線周波数信号を受信するよう構成される。
【0135】
本発明のいくつかの実施形態において、装置50は、シングルフレームを記録または検出できるカメラを備え、コーデック54またはコントローラは、これらのシングルフレームを受信および処理する。本発明のいくつかの実施形態において、装置は、伝送および/または記憶を行う前に、別のデバイスから、処理されるべき映像画像データを受信してよい。本発明のいくつかの実施形態において、装置50は、無線または有線接続を介して画像を受信して画像を符号化/復号し得る。
【0136】
本発明の本実施形態において、コーデック54は、図1に説明されている映像復号方法、または図4に説明されている映像符号化方法を実行するよう構成されてよい。
【0137】
図8は、本発明の実施形態において開示される映像符号化/復号システムの概略構造図である。図8に示されているように、映像符号化/復号システム10は、ソース装置12と宛先装置14とを備える。ソース装置12は、符号化された映像データを生成する。従って、ソース装置12は、映像符号化装置、または映像符号化デバイスと称されてよい。宛先装置14は、ソース装置12により生成された、符号化された映像データを復号し得る。従って、宛先装置14は、映像復号装置、または映像復号デバイスと称されてよい。ソース装置12および宛先装置14は、映像符号化/復号装置、または映像符号化/復号デバイスの実例であってよい。ソース装置12および宛先装置14は、広範囲の装置を含んでよく、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピューティング装置、ノートブック(例えば、ラップトップ)コンピュータ、タブレットコンピュータ、セットトップボックス、スマートフォンなどのハンドヘルドコンピュータ、テレビ、カメラ、表示装置、デジタルメディアプレーヤ、映像ゲームコンソール、車載コンピュータ、または同様のものを含む。
【0138】
宛先装置14は、符号化された映像データを、チャネル16を介してソース装置12から受信してよい。チャネル16は、符号化された映像データを、ソース装置12から宛先装置14へ移動することができる1つまたは複数の媒体および/または装置を含んでよい。実例において、チャネル16は、ソース装置12に、符号化された映像データをリアルタイムで宛先装置14へ直接伝送させることを可能にする1つまたは複数の通信媒体を含んでよい。本実例において、ソース装置12は、通信標準規格(例えば、無線通信プロトコル)に従って符号化された映像データを変調してよく、変調された映像データを宛先装置14へ伝送してよい。1つまたは複数の通信媒体は、例えば、無線周波数(RF)スペクトラム、または1つまたは複数の物理伝送線路のような無線および/または有線通信媒体を含んでよい。1つまたは複数の通信媒体は、(ローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、またはグローバルネットワーク(例えば、インターネット)などの)パケットベースのネットワークの一部を構成し得る。1つまたは複数の通信媒体は、ルータ、スイッチ、基地局、または、ソース装置12と宛先装置14との間の通信を促進する別のデバイスを含んでよい。
【0139】
別の実例において、チャネル16は、ソース装置12により生成された符号化された映像データを記憶する記憶媒体を含んでよい。本実例において、宛先装置14は、ディスクアクセスまたはカードアクセスを介して記憶媒体にアクセスし得る。記憶媒体は、ブルーレイ、DVD、CD-ROM、フラッシュメモリ、または符号化された映像データを記憶するよう構成される別の適切なデジタル記憶媒体などの、複数の、ローカルアクセス可能なデータ記憶媒体を含んでよい。
【0140】
別の実例において、チャネル16は、ファイルサーバ、または、ソース装置12により生成された符号化された映像データを記憶する別の中間記憶装置を含んでよい。本実例において、宛先装置14は、ストリーミング伝送またはダウンロードにより、ファイルサーバまたは別の中間記憶装置上に記憶されている符号化された映像データにアクセスし得る。ファイルサーバは、符号化された映像データを記憶し、符号化された映像データを宛先装置14へ伝送することができる一種のサーバであってよい。実例におけるファイルサーバは、(例えば、ウェブサイトのために用いられる)ウェブサーバ、ファイル転送プロトコル(FTP)サーバ、ネットワーク接続型ストレージ(NAS)装置、およびローカルディスクドライブを含む。
【0141】
宛先装置14は、標準規格データ接続(例えば、インターネット接続)を介して、符号化された映像データにアクセスし得る。データ接続の実例の種類は、ファイルサーバ上に記憶されている符号化された映像データにアクセスするために適した無線チャネル(例えば、Wi-Fi(登録商標)接続)もしくは有線接続(例えば、DSLまたはケーブルモデム)、またはこれらの組み合わせを含む。符号化された映像データは、ストリーミング伝送、ダウンロード伝送、またはこれらの組み合わせにより、ファイルサーバから伝送されてよい。
【0142】
本発明の技術は、無線応用シナリオに限定されるものではない。例えば、技術は、地上波テレビ放送、無線テレビ伝送、衛星テレビ伝送、(例えば、インターネットを介する)ストリーミング映像伝送、データ記憶媒体に記憶されている映像データの符号化、データ記憶媒体に記憶されている映像データの復号という応用、または別の応用をサポートする複数のマルチメディア応用における映像符号化および復号に適用されてよい。いくつかの実例において、映像符号化/復号システム10は、ストリーミング映像伝送、映像再生、映像放送、および/または映像通話、および他の応用をサポートするべく、片方向または双方向映像伝送をサポートするよう構成されてよい。
【0143】
図8の実例において、ソース装置12は映像ソース18と、映像エンコーダ20と、出力インタフェース22とを含む。いくつかの実例において、出力インタフェース22は、変調器/復調器(モデム)、および/またはトランスミッタを含んでよい。映像ソース18は、映像キャプチャ装置(例えば、映像カメラ)、以前撮影された映像データを含む映像アーカイブ、映像コンテンツプロバイダから映像データを受信するよう構成される映像入力インタフェース、および/または映像データを生成するよう構成されるコンピュータグラフィックシステム、または前述の映像データソースの組み合わせを含んでよい。
【0144】
映像エンコーダ20は、映像ソース18から映像データを符号化してよい。いくつかの実例において、ソース装置12は、出力インタフェース22を用いることによって、符号化された映像データを宛先装置14へ直接伝送する。符号化された映像データは代替的に、記憶媒体に、またはファイルサーバ上で記憶されてよく、これにより、宛先装置14は後で、符号化された映像データにアクセスし、符号化された映像データを復号および/または再生する。
【0145】
図8の実例において、宛先装置14は、入力インタフェース28と、映像デコーダ30と、表示装置32とを含む。いくつかの実例において、入力インタフェース28は、受信器および/またはモデムを含む。入力インタフェース28は、チャネル16を介して符号化された映像データを受信してよい。表示装置32は、宛先装置14と統合されてよく、または、宛先装置14の外部にあってよい。表示装置32は通常、復号された映像データを表示する。表示装置32は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、または別の種類の表示装置などの複数の種類の表示装置を含んでよい。
【0146】
映像エンコーダ20および映像デコーダ30は、映像圧縮標準規格(例えば、高効率映像符号化H.265標準規格)に従ってオペレーションを実行し得て、HEVCテストモデル(HM)に準拠し得る。H.265標準規格のテキスト形式の記述ITU-TH.265(V3)(04/2015)は、2015年4月29日にリリースされ、http://handle.itu.int//11.1002/1000/12455からダウンロードされ得て、ドキュメントの全ての内容のその全体が参照により組み込まれている。
【0147】
代替的に、映像エンコーダ20および映像デコーダ30は、他のプロプライエタリまたは産業標準規格に従ってオペレーションを実行し得る。標準規格は、ITU-TH.261,ISO/IECMPEG-1Visual,ITU-TH.262、またはISO/IECMPEG-2Visual、ITU-TH.263、ISO/IECMPEG-4Visual、および、スケーラブル映像符号化/復号(SVC)およびマルチビュー映像符号化/復号(MVC)という拡張方式を含むITU-TH.264(ISO/IEC MPEG-4AVCとも称される)を含む。本発明の技術は、任意の特定の符号化/復号標準規格または技術に限定されるものではないことが理解されるべきである。
【0148】
加えて、図8は、実例に過ぎず、本発明の技術は、必ずしも符号化装置と復号装置との間の任意のデータ通信を含むわけではない映像符号化/復号応用(例えば、片側映像符号化または片側映像復号)に適用されてよい。他の実例において、データがローカルメモリから検索され、データは、ネットワークを用いることによってストリーミングを介して伝送され、または、データは、同様の方式でオペレーションされる。符号化装置は、データを符号化してデータをメモリに記憶し得て、および/または、復号装置は、メモリからデータを検索してデータを復号し得る。多くの実例において、互いに通信を行わずに、単にデータをメモリに符号化する、および/または単にメモリからデータを検索してデータを復号する複数の装置が、符号化および復号を実行する。
【0149】
映像エンコーダ20および映像デコーダ30はそれぞれ、例えば、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ディスクリート論理回路、ハードウェア、またはこれらの任意の組み合わせのような、複数の適切な回路のうちのいずれかとして実現されてよい。技術がソフトウェアを用いることによって部分的にまたは完全に実現される場合、装置は、適切な非一時的コンピュータ可読記憶媒体にソフトウェアの命令を記憶し得て、1つまたは複数のプロセッサは、本発明の技術を実行するようにハードウェアにおける命令を実行するために用いられ得る。(ハードウェア、ソフトウェア、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせ、および同様のものを含む)前述のもののうち任意の1つは、1つまたは複数のプロセッサとして見なされてよい。映像エンコーダ20および映像デコーダ30はそれぞれ、1つまたは複数のエンコーダまたはデコーダに含まれてよく、それぞれは別の装置の組み合わされたエンコーダ/デコーダ(コーデック(CODEC))の一部として統合されてよい。
【0150】
本発明は概して、映像エンコーダ20が、信号を用いることによって、情報を別の装置(例えば、映像デコーダ30)に「シグナリング」することを示してよい。「シグナリング」という表現は概して、シンタックス要素を示し、および/または符号化された映像データの転送を表してよい。転送は、リアルタイムで、またはほぼリアルタイムで発生し得る。代替的に、通信は、ある期間にわたって発生してよく、例えば、符号化後に取得された二進数データを用いることによって、シンタックス要素が符号化中にコンピュータ可読記憶媒体に記憶されるとき、発生し得る。復号装置は、シンタックス要素が媒体に記憶された後に、任意の時間においてシンタックス要素を検索し得る。
(例1)
ビットストリームから、候補予測動き情報リストにおける現在の画像ブロックの予測動き情報のインデックスを取得する段階であって、前記予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含み、前記候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における前記現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、段階と、
前記インデックスに基づき、前記候補予測動き情報リストを照会し、発見された前記候補予測動き情報を前記予測動き情報として用いる段階と、
前記予測動き情報に基づき、動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定し、前記ビットストリームから前記動きベクトル差を取得する段階と、
前記対応関係に基づき、前記動きベクトル予測値と対応する前記動きベクトル差とを加算し、前記現在の画像ブロックの動きベクトルを取得する段階と
を備える
映像復号方法。
(例2)
前記予測動き情報に基づき、動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する前記段階は、
前記参照画像情報に基づき、前記現在の画像ブロックの予測モードを決定する段階であって、前記予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、段階と、
前記予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階と、
前記動きベクトル差の個数と前記予測動き情報とに基づき、前記動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の前記対応関係を決定する段階とを含む、
例1に記載の映像復号方法。
(例3)
前記予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する前記段階は、
前記予測モードが前記片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定する段階、または、
前記予測モードが前記双方向予測であり、かつ、前記参照画像情報が参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定する段階、または、
前記予測モードが前記双方向予測である場合、前記現在の画像ブロックの前記ビットストリーム、前記ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、前記ビットストリームの画像レイヤヘッダ情報、および前記ビットストリームのシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから、前記動きベクトル差の個数を取得する段階を含む、
例2に記載の映像復号方法。
(例4)
前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定する前記段階は、
前記現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、前記現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックの前記ピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定する段階、または、
前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定する段階を含む、
例3に記載の映像復号方法。
(例5)
前記予測モードが前記双方向予測である場合、前記予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、前記動きベクトル差の個数と前記予測動き情報とに基づき、前記動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の前記対応関係を決定する前記段階は、
2つの動きベクトル差が存在する場合、前記2つの動きベクトル差を、前記第1の動きベクトル予測値と前記第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差として別々に用いる段階、または、
1つの動きベクトル差が存在する場合、前記動きベクトル差を前記第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、前記第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、前記動きベクトル差を前記第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、前記第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、前記動きベクトル差を前記第1の動きベクトル予測値および前記第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは、前記ビットストリームから、前記動きベクトル差が前記第1の動きベクトル予測値に対応していることを示すか、もしくは前記動きベクトル差が前記第2の動きベクトル予測値に対応していることを示す情報を取得し、取得された前記情報に基づき、前記動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階を含む、
例2から4のいずれか一項に記載の映像復号方法。
(例6)
前記候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、前記ビットストリームの前記スライスレイヤヘッダ情報、前記画像レイヤヘッダ情報、および前記シーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから取得される、
例1から5のいずれか一項に記載の映像復号方法。
(例7)
前記候補予測動き情報リストにおける前記候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい、
例1から6のいずれか一項に記載の映像復号方法。
(例8)
前記現在の画像ブロックは、前記ビットストリームに対応する現在の再構築されるべき画像ブロックの任意の予測単位である、
例1から7のいずれか一項に記載の映像復号方法。
(例9)
ビットストリームから、候補予測動き情報リストにおける現在の画像ブロックの予測動き情報のインデックスを取得するよう構成される第1の取得ユニットであって、前記予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含み、前記候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における前記現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報である、第1の取得ユニットと、
前記インデックスに基づき、前記候補予測動き情報リストを照会し、発見された前記候補予測動き情報を前記予測動き情報として用いるよう構成される照会ユニットと、
前記予測動き情報に基づき、動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するよう構成される決定ユニットと、
前記ビットストリームから、前記動きベクトル差を取得するよう構成される第2の取得ユニットと、
前記対応関係に基づき、前記動きベクトル予測値と対応する前記動きベクトル差とを加算し、前記現在の画像ブロックの動きベクトルを取得するよう構成される演算ユニットと
を備える
映像復号端末。
(例10)
前記決定ユニットは、
前記参照画像情報に基づき、前記現在の画像ブロックの予測モードを決定するよう構成される第1の決定サブユニットであって、前記予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、第1の決定サブユニットと、
前記予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定するよう構成される第2の決定サブユニットと、
前記動きベクトル差の個数と前記予測動き情報とに基づき、前記動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の前記対応関係を決定するよう構成される第3の決定サブユニットとを有する、
例9に記載の映像復号端末。
(例11)
前記第2の決定サブユニットは具体的に、
前記予測モードが前記片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、
前記予測モードが前記双方向予測であり、かつ、前記参照画像情報が参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定するか、または、
前記予測モードが前記双方向予測である場合、前記現在の画像ブロックの前記ビットストリーム、前記ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、前記ビットストリームの画像レイヤヘッダ情報、および前記ビットストリームのシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから、前記動きベクトル差の個数を取得するよう構成される、
例10に記載の映像復号端末。
(例12)
前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定するとき、前記第2の決定サブユニットは具体的に、
前記現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、前記現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックの前記ピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きい、もしくは、前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するよう構成される、
例11に記載の映像復号端末。
(例13)
前記予測モードが前記双方向予測である場合、前記予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、前記第3の決定サブユニットは具体的に、
2つの動きベクトル差が存在する場合、前記2つの動きベクトル差を、前記第1の動きベクトル予測値と前記第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差として別々に用いるか、または、
1つの動きベクトル差が存在する場合、前記動きベクトル差を、前記第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、前記第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定する、もしくは、前記動きベクトル差を前記第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、前記第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、前記動きベクトル差を、前記第1の動きベクトル予測値および前記第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは、前記ビットストリームから、前記動きベクトル差が前記第1の動きベクトル予測値に対応していることを示すか、もしくは前記動きベクトル差が前記第2の動きベクトル予測値に対応していることを示す情報を取得して、取得された前記情報に基づき、前記動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するよう構成される、
例10から12のいずれか一項に記載の映像復号端末。
(例14)
前記候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数は、前記ビットストリームの前記スライスレイヤヘッダ情報、前記画像レイヤヘッダ情報、および前記シーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つから取得される、
例9から13のいずれか一項に記載の映像復号端末。
(例15)
前記候補予測動き情報リストにおける前記候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい、
例9から14のいずれか一項に記載の映像復号端末。
(例16)
前記現在の画像ブロックは、前記ビットストリームに対応する現在の再構築されるべき画像ブロックの任意の予測単位である、
例9から15のいずれか一項に記載の映像復号端末。
(例17)
現在の画像ブロックの候補予測動き情報リストを構築する段階であって、前記候補予測動き情報リストは、候補予測動き情報を含み、前記候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における前記現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報を含む、段階と、
動き推定中に取得された、前記現在の画像ブロックの動きベクトルに基づき、前記候補予測動き情報リストから、1つの候補予測動き情報を前記現在の画像ブロックの予測動き情報として選択し、前記候補予測動き情報リストにおける、選択された前記候補予測動き情報のインデックスを決定する段階であって、前記予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含む、段階と、
前記予測動き情報に基づき、動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する段階と、
前記対応関係と前記動きベクトルとに基づき、前記動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得する段階と、
前記インデックスおよび前記動きベクトル差をビットストリームに符号化する段階と
を備える
映像符号化方法。
(例18)
前記予測動き情報に基づき、動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定する前記段階は、
前記参照画像情報に基づき、前記現在の画像ブロックの予測モードを決定する段階であって、前記予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、段階と、
前記予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する段階と、
前記動きベクトル差の個数と前記予測動き情報とに基づき、前記動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の前記対応関係を決定する段階と
を含む、
例17に記載の映像符号化方法。
(例19)
前記予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定する前記段階は、
前記予測モードが前記片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定する段階、または、
前記予測モードが前記双方向予測であり、かつ、前記参照画像情報が前記現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定する段階、または、
前記予測モードが前記双方向予測である場合、動きベクトル差の予め設定された個数を、前記現在の画像ブロックの前記ビットストリーム、前記ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、前記ビットストリームの画像レイヤヘッダ情報、および前記ビットストリームのシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化する段階を含む、
例18に記載の映像符号化方法。
(例20)
前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定する前記段階は、
前記現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、前記現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックの前記ピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きい、もしくは、前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定する段階を含む、
例19に記載の映像符号化方法。
(例21)
前記予測モードが前記双方向予測である場合、前記予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、前記動きベクトル差の個数と前記予測動き情報とに基づき、前記動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の前記対応関係を決定する前記段階は、
2つの動きベクトル差が存在する場合、前記2つの動きベクトル差を、前記第1の動きベクトル予測値と前記第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差として別々に用いる段階、または、
1つの動きベクトル差が存在する場合、前記動きベクトル差を前記第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、前記第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、前記動きベクトル差を前記第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、前記第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、前記動きベクトル差を、前記第1の動きベクトル予測値および前記第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは、予め設定された対応関係に基づき、前記動きベクトル差と、前記第1の動きベクトル予測値および前記第2の動きベクトル予測値の各々との間の対応関係を決定し、前記予め設定された対応関係を前記ビットストリームに符号化する段階を含む、
例18から20のいずれか一項に記載の映像符号化方法。
(例22)
前記候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数を、前記ビットストリームの前記スライスレイヤヘッダ情報、前記画像レイヤヘッダ情報、および前記シーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化する段階
を備える例19から21のいずれか一項に記載の映像符号化方法。
(例23)
前記候補予測動き情報リストにおける前記候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい、
例22に記載の映像符号化方法。
(例24)
前記現在の画像ブロックは、前記ビットストリームに対応する現在の符号化されるべき画像ブロックの任意の予測単位である、
例17から23のいずれか一項に記載の映像符号化方法。
(例25)
現在の画像ブロックの候補予測動き情報リストを構築するよう構成されるリスト構築ユニットであって、前記候補予測動き情報リストは、候補予測動き情報を含み、前記候補予測動き情報は、時間領域または空間領域における前記現在の画像ブロックの隣接ブロックの動き情報を含む、リスト構築ユニットと、
動き推定中に取得された、前記現在の画像ブロックの動きベクトルに基づき、前記候補予測動き情報リストから、1つの候補予測動き情報を前記現在の画像ブロックの予測動き情報として選択するよう構成される選択ユニットであって、前記予測動き情報は、参照画像情報および動きベクトル予測値を含む、選択ユニットと、
前記候補予測動き情報リストにおける、選択された前記候補予測動き情報のインデックスを決定するよう構成される第1の決定ユニットと、
前記予測動き情報に基づき、動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の対応関係を決定するよう構成される第2の決定ユニットと、
前記対応関係と前記動きベクトルとに基づき、前記動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を取得するよう構成される取得ユニットと、
前記インデックスと前記動きベクトル差とをビットストリームに符号化するよう構成される第1の符号化ユニットと
を備える
映像符号化端末。
(例26)
前記第2の決定ユニットは、
前記参照画像情報に基づき、前記現在の画像ブロックの予測モードを決定するよう構成される第1の決定サブユニットであって、前記予測モードは、片方向予測または双方向予測を含む、第1の決定サブユニットと、
前記予測モードに基づき、動きベクトル差の個数を決定するよう構成される第2の決定サブユニットと、
前記動きベクトル差の個数と前記予測動き情報とに基づき、前記動きベクトル差と前記動きベクトル予測値との間の前記対応関係を決定するよう構成される第3の決定サブユニットとを有する、
例25に記載の映像符号化端末。
(例27)
前記第2の決定サブユニットは具体的に、
前記予測モードが前記片方向予測である場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、
前記予測モードが前記双方向予測であり、かつ、前記参照画像情報が前記現在の画像ブロックの参照画像のピクチャ順序カウントを含む場合、前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定するか、または、
前記予測モードが前記双方向予測である場合、動きベクトル差の予め設定された個数を、前記現在の画像ブロックの前記ビットストリーム、前記ビットストリームのスライスレイヤヘッダ情報、前記ビットストリームの画像レイヤヘッダ情報、および前記ビットストリームのシーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化するよう構成される、
例26に記載の映像符号化端末。
(例28)
前記現在の画像ブロックの前記参照画像の前記ピクチャ順序カウントに基づき、前記動きベクトル差の個数を決定するとき、前記第2の決定サブユニットは具体的に、
前記現在の画像ブロックの第1の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きく、かつ、前記現在の画像ブロックの第2の参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックの前記ピクチャ順序カウントより小さい場合、2つの動きベクトル差が存在すると決定するか、または、
前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより大きいか、もしくは前記現在の画像ブロックの各参照画像のピクチャ順序カウントが前記現在の画像ブロックのピクチャ順序カウントより小さい場合、1つの動きベクトル差が存在すると決定するよう構成される、
例27に記載の映像符号化端末。
(例29)
前記予測モードが前記双方向予測である場合、前記予測動き情報は、第1の動きベクトル予測値および第2の動きベクトル予測値という2つの動きベクトル予測値を含み、前記第3の決定サブユニットは具体的に、
2つの動きベクトル差が存在する場合、前記2つの動きベクトル差を、前記第1の動きベクトル予測値と前記第2の動きベクトル予測値とに対応する動きベクトル差として別々に用いるか、または、
1つの動きベクトル差が存在する場合、前記動きベクトル差を前記第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、前記第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、前記動きベクトル差を前記第2の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差として用いて、前記第1の動きベクトル予測値に対応する動きベクトル差を0に設定するか、もしくは、前記動きベクトル差を、前記第1の動きベクトル予測値および前記第2の動きベクトル予測値の各々に対応する動きベクトル差として用いるか、もしくは、予め設定された対応関係に基づき、前記動きベクトル差と、前記第1の動きベクトル予測値および前記第2の動きベクトル予測値の各々との間の対応関係を決定し、前記予め設定された対応関係を前記ビットストリームに符号化するよう構成される、
例26から28のいずれか一項に記載の映像符号化端末。
(例30)
前記映像符号化端末はさらに、
前記候補予測動き情報リストにおける候補予測動き情報の個数を、前記ビットストリームの前記スライスレイヤヘッダ情報、前記画像レイヤヘッダ情報、および前記シーケンスレイヤヘッダ情報のうち少なくとも1つに符号化するよう構成される第2の符号化ユニットを備える、
例27から29のいずれか一項に記載の映像符号化端末。
(例31)
前記候補予測動き情報リストにおける前記候補予測動き情報の個数は、マージモードの動き情報リストにおける動き情報の個数より小さい、
例30に記載の映像符号化端末。
(例32)
前記現在の画像ブロックは、前記ビットストリームに対応する現在の符号化されるべき画像ブロックの任意の予測単位である、
例25から31のいずれか一項に記載の映像符号化端末。
【0151】
装置の区分は、論理機能の区分に過ぎず、本発明は、対応する機能を実現できる限り、前述の区分に限定されないことに注意すべきである。加えて、機能ユニットの具体的な名称は、ユニットを互いから区別する目的のために提供されているに過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図しない。
【0152】
加えて、当業者は、方法の実施形態の段階の全てまたは一部が関連ハードウェアに命令するプログラムにより実現され得ることを理解し得る。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてよい。記憶媒体は、リードオンリメモリ、磁気ディスク、光ディスク、または同様のものを含んでよい。
【0153】
前述の説明は、本発明の具体的な例示的実装方式に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図しない。本発明の実施形態に開示されている技術的範囲内における、当業者により容易に想到される任意の変形または置換は、本発明の保護範囲内に含まれるものとする。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8