IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アビオメド インコーポレイテッドの特許一覧 ▶ オスカー インコーポレイテッドの特許一覧

特許7388611ピールアウェイ式イントロデューサ設計のためのオーバーモールド技法
<>
  • 特許-ピールアウェイ式イントロデューサ設計のためのオーバーモールド技法 図1
  • 特許-ピールアウェイ式イントロデューサ設計のためのオーバーモールド技法 図2
  • 特許-ピールアウェイ式イントロデューサ設計のためのオーバーモールド技法 図3
  • 特許-ピールアウェイ式イントロデューサ設計のためのオーバーモールド技法 図4
  • 特許-ピールアウェイ式イントロデューサ設計のためのオーバーモールド技法 図5
  • 特許-ピールアウェイ式イントロデューサ設計のためのオーバーモールド技法 図6
  • 特許-ピールアウェイ式イントロデューサ設計のためのオーバーモールド技法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ピールアウェイ式イントロデューサ設計のためのオーバーモールド技法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
A61M25/06 554
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022123257
(22)【出願日】2022-08-02
(62)【分割の表示】P 2021177129の分割
【原出願日】2017-12-07
(65)【公開番号】P2022140623
(43)【公開日】2022-09-26
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】62/431,671
(32)【優先日】2016-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】319015278
【氏名又は名称】オスカー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファントゥッツィ グレン
(72)【発明者】
【氏名】タフォーン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ドラム ジェフリー
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0052749(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0192463(US,A1)
【文献】特表2008-543440(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0305509(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61M 25/00
A61B 17/34
B29C 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段階:
マンドレル上にイントロデューサシースを置く段階であって、該イントロデューサシースが、その内面上に形成された1つまたは複数の刻み目線(score line)を有する、段階;および
該イントロデューサシースの近位端を取り囲み、該1つまたは複数の刻み線のうちの所定の刻み線にアライメントされた少なくとも1つの突出部を含む型を使用して、イントロデューサハブを形成するように、該イントロデューサシースの該近位端上にプラスチック材料をオーバーモールドする段階
を含み、
ここで、該マンドレルが、1つまたは複数の表面突起を含み、そうすることで、該イントロデューサシースが該マンドレル上に位置決めされたとき、該1つまたは複数の表面突起のうちの所定の表面突起が該イントロデューサハブのオーバーモールド中に該所定の刻み線が該プラスチック材料で覆われることを防ぐ、
医療用イントロデューサを製造する方法。
【請求項2】
マンドレル上の1つまたは複数の表面突起の数が、イントロデューサシース上に形成された1つまたは複数の刻み線の数に等しい、請求項1記載の方法。
【請求項3】
イントロデューサハブが、ある数のノッチを含む、請求項2記載の方法。
【請求項4】
イントロデューサハブが、
イントロデューサシース上に形成された1つまたは複数の刻み線の数およびマンドレル上の1つまたは複数の表面突起の数と等しい数のノッチ
を含む、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記数のノッチの少なくとも1つが、イントロデューサシース上に形成された1つまたは複数の刻み線のうちの1つの刻み線にアライメントされる、請求項4記載の方法。
【請求項6】
イントロデューサハブは、少なくとも第1のノッチおよび第2のノッチを含み、該第1のノッチは、イントロデューサシース上に形成された1つまたは複数の刻み線のうちの第1の刻み線とアライメントされ、該第2のノッチは、該イントロデューサシース上に形成された該1つまたは複数の刻み線のうち第2の刻み線とアライメントされている、請求項5記載の方法。
【請求項7】
イントロデューサハブおよびイントロデューサシースが、第1および第2のノッチおよび第1および第2の刻み線に沿って少なくとも2つのピースへと破壊されるよう構成される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
マンドレル上の1つまたは複数の表面突起の数が、イントロデューサシース上に形成された1つまたは複数の刻み線の数に等しくない、請求項1記載の方法。
【請求項9】
イントロデューサシースの内面上に形成された1つまたは複数の刻み線のうちの少なくとも1つの刻み線が、オーバーモールド中に除去される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
マンドレル上の1つまたは複数の表面突起の数が、イントロデューサシース上に形成された1つまたは複数の刻み線の数より少ない、請求項9記載の方法。
【請求項11】
以下:
第一の端部と第二の端部とを有する円柱形チューブとして形成されたイントロデューサシースであって、該第一の端部から該第二の端部まで延びている少なくとも1つの刻み線(score line)をその内面上に含む、イントロデューサシースと;
該イントロデューサシースの第一の端部を囲み、かつ該イントロデューサシースの第1の端上にプラスチック材料をオーバーモールドしてハブを形成できるように構成された型であって、該少なくとも1つの刻み線のうちの所定の刻み線にアライメントされた少なくとも1つの突出部を含む、型と;
該イントロデューサシースに挿入されたマンドレルであって、該マンドレルの長さに沿って延びている少なくとも1つの表面突起を外面上に含み、該所定の刻み線にアライメントされる、マンドレルと
を含み、
該少なくとも1つの表面突起のうちの所定の表面突起が該ハブを形成するオーバーモールド中に該所定の刻み線が該プラスチック材料で覆われることを防ぐよう構成されている
イントロデューサハブ製造アセンブリ。
【請求項12】
前記所定の表面突起が、マンドレルの縦方向下方に延びている、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記所定の表面突起が、マンドレルの周りでらせん状に延びている、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記所定の表面突起が、連続的な突起として構成されている、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項15】
前記所定の表面突起が、マンドレルの長さに沿って下方に延びている一連の突起として構成されている、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項16】
加熱されたプラスチックからハブが形成される、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項17】
イントロデューサシースがプラスチックから形成され、該プラスチックが、その溶融温度より高い熱に供されたときにリフローする、請求項16記載のアセンブリ。
【請求項18】
ハブが、該ハブの対向する両側に配置された第一のノッチと第二のノッチとを含む、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項19】
ハブが、第一のノッチおよび第二のノッチにおいて破壊されるよう構成されている、請求項18記載のアセンブリ。
【請求項20】
イントロデューサシースが、ハブが破壊されたときに少なくとも前記所定の刻み線に沿って裂けるよう構成されている、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項21】
少なくとも1つの表面突起の数が少なくとも1つの刻み目線の数より多い、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項22】
少なくとも1つの表面突起の数が少なくとも1つの刻み目線の数より少ない、請求項11記載のアセンブリ。
【請求項23】
少なくとも1つの表面突起の数が少なくとも1つの刻み目線の数に等しい、請求項11記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その内容のすべてが参照により本明細書に組み込まれる、2016年12月8日に提出された米国実用特許出願第62/431,671号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
背景
ピールアウェイ式イントロデューサは、心臓カテーテル法または他の医療状況において医療デバイスを脈管内に送達するために使用される、使い捨て式の医療デバイスである。標準的なピールアウェイ式イントロデューサは、シースに連結された、近位のプラスチック製ハブを含む。医療デバイスは、プラスチック製ハブを通りそしてシース内に挿入されてもよく、そして、そのシースを通って患者の体内に置かれてもよい。心臓内用の血液ポンプ、カテーテル、ガイドワイヤ、またはリードなどの血管内医療デバイスは、ピールアウェイ式イントロデューサを通って患者の脈管内に導入されてもよい。医療デバイスが位置決めされたら、ピールアウェイ式イントロデューサは除去されてもよい。1つのアプローチにおいて、操作者は、プラスチック製のイントロデューサハブを割りそしてシースボディのシャフトを剥ぎ取っていくことによって、イントロデューサを破壊する。操作者は、ピールアウェイ式イントロデューサを破壊するため、成形されたハブを握り、そしてそれを、軸方向のノッチまたは刻み目(scoring)に沿ってシースの近位端で破壊する。シースは、シースの一方または両方の側面に並んだ切り取り線または刻み目に沿って裂ける;そして、軸方向に剥ぎ取ることができる。ピールアウェイ式イントロデューサは、医療デバイスがイントロデューサを通って患者に挿入された後、医療デバイスを妨害または除去することなく、イントロデューサを除去することを可能にする。
【0003】
一般的な製造技法において、ピールアウェイ式イントロデューサは、ハブボディにおける軸方向ノッチを伴って、押出プラスチックのチューブから形成される。破壊を容易にするためのノッチおよび/またはウィングを含むハブボディが、押出プラスチックのシースまたはチューブ上にオーバーモールドされる。プラスチックチューブはまず、ハブの内部キャビティとシースの内径および幾何学形状とを規定しかつ維持する、コアピンまたはマンドレルの上に組み付けられる。次に、マンドレルおよび押出シースが型穴の中に置かれて、溶融プラスチックを注入および冷却することが可能となり、これにより、剥ぎ取りを開始するためユーザーによって破壊されるプラスチック製ハブが作られる。
【0004】
オーバーモールド技法において、マンドレルおよび押出シースが型の中に置かれた後、溶融プラスチックが型の中に注入される。プラスチックは、シースの周りで型の形状で冷えて、ハブボディを形成する。注入されるプラスチックは、型に導入される時に高温に維持され、そして、シース周囲の、その注入されるプラスチックに由来する熱は、シースのプラスチックがリフロー(reflow)と呼ばれるプロセスにおいてフローしはじめるように、シースのプラスチックの最上層を加温するのに充分な熱であってもよい。注入されるプラスチックの熱がシース内部の刻み目(score)/ノッチのうち1つまたは複数の中にリフローすると、シースの、アセンブリのハブ内部に配された部分は、成形プロセス中に刻み目またはノッチングを失う可能性がある。その結果、シースは、刻み目/ノッチのうち1つの、弱くなった区画を含まないことになるので、ハブを破壊するために必要な力は過大になるかまたは一貫しなくなる。さらに、シースのプラスチックがリフローし、そしてハブ内部にあるシースの区画において刻み目が除去された場合は、ハブの破壊中に、オーバーモールドされたハブ内の区画より外側のシースボディにある刻み目まで引き裂きが伝搬しないリスクが高まり、これは、ピールアウェイ式イントロデューサのシースの欠陥につながる。
【発明の概要】
【0005】
概要
オーバーモールドされたハブを含むピールアウェイ式イントロデューサを、シースの刻み目を維持しながら生産するための方法およびシステムを、本明細書に説明する。オーバーモールド中、その上にシースが組み付けられる外部表面突起を備えて設計されたマンドレルが、極度の熱の印加にもかかわらず、射出成形プロセスを通してシースの内部刻み目を維持する。シースの内部刻み目が維持されるので、操作者によってハブが破壊されたとき、オーバーモールドされたハブ内のシースチューブの近位区画は、より容易に、かつ、より小さい力で、破壊される。本明細書に開示する方法によって製造されたシースはまた、剥ぎ取りもより容易であってもよい。
【0006】
1つの局面において、医療用イントロデューサを製造するための方法は、マンドレル上にイントロデューサシースを置く段階、および、イントロデューサシースの近位端上にイントロデューサハブをオーバーモールドする段階を含む。イントロデューサシースは、内面上に形成された1つまたは複数の刻み目線(score line)を有する。イントロデューサシースがマンドレル上に位置決めされたとき、表面突起の各々がイントロデューサシース上に形成された刻み目線の1つに接触し、そしてイントロデューサハブに由来するプラスチック材料が刻み目線に接触することを防ぐように、マンドレルはある数の表面突起を有する。
【0007】
一部の実施形態において、マンドレル上の表面突起の数は、シース上に形成された刻み目線の数に等しい。一部の実施形態において、イントロデューサハブはある数のノッチを含む。一部の実施形態において、イントロデューサハブにおけるノッチの数は、シース上に形成された刻み目線の数に等しく、かつ、マンドレル上の表面突起の数にも等しい。一部の実施形態において、前記の数のノッチのうち少なくとも1つが、シース上に形成された刻み目線にアライメントされる。一部の実施形態において、少なくとも2つのノッチが、シース上に形成された刻み目線にアライメントされる。一部の実施形態において、イントロデューサハブおよびイントロデューサシースは、ノッチおよび刻み目線に沿って少なくとも2つのピースへと破壊されるよう構成される。
【0008】
一部の実施形態において、マンドレル上の表面突起の数は、シース上に形成された刻み目線の数に等しくない。一部の実施形態において、イントロデューサシースの内面上に形成された前記の数の刻み目線のうち少なくとも1つが、オーバーモールド中に除去される。一部の実施形態において、マンドレル上の表面突起の数は、シース内の刻み目線の望ましい数に等しい。
【0009】
当業者には、本開示の検討後に、バリエーションおよび改変が考えられるであろう。開示される特徴は、本明細書に説明する1つまたは複数の他の特徴との任意の組み合わせまたは下位組み合わせ(複数の独立した組み合わせおよび下位組み合わせを含む)において実施されてもよい。以上に説明または例証した様々な特徴は、それらの任意の構成要素も含めて、他のシステムに組み合わせまたは統合されてもよい。さらに、特定の特徴が省略されるかまたは実施されなくてもよい。
[本発明1001]
以下の段階:
マンドレル上にイントロデューサシースを置く段階であって、該シースが、その内面上に形成された1つまたは複数の刻み目線(score line)を有する、段階;および
該イントロデューサシースの近位端上にイントロデューサハブをオーバーモールドする段階
を含み、
ここで、該マンドレルが、ある数の表面突起を含み、そうすることで、該イントロデューサシースが該マンドレル上に位置決めされたとき、表面突起の各々が該イントロデューサシース上に形成された該刻み目線の1つに接触し、そして該イントロデューサハブに由来するプラスチック材料が該刻み目線に接触することを防ぐ、
医療用イントロデューサを製造する方法。
[本発明1002]
マンドレル上の表面突起の数が、シース上に形成された刻み目線の数に等しい、本発明1001の方法。
[本発明1003]
イントロデューサハブが、ある数のノッチを含む、本発明1002の方法。
[本発明1004]
イントロデューサハブが、
シース上に形成された刻み目線の数およびマンドレル上の表面突起の数に等しい、ある数のノッチ
を含む、本発明1003の方法。
[本発明1005]
前記の数のノッチのうち少なくとも1つが、シース上に形成された刻み目線にアライメントされる、本発明1004の方法。
[本発明1006]
少なくとも2つのノッチが、シース上に形成された刻み目線にそれぞれアライメントされる、本発明1005の方法。
[本発明1007]
イントロデューサハブおよびイントロデューサシースが、ノッチおよび刻み目線に沿って少なくとも2つのピースへと破壊されるよう構成される、本発明1006の方法。
[本発明1008]
マンドレル上の表面突起の数が、シース上に形成された刻み目線の数に等しくない、本発明1001の方法。
[本発明1009]
イントロデューサシースの内面に形成された前記の数の刻み目線のうち少なくとも1つが、オーバーモールド中に除去される、本発明1008の方法。
[本発明1010]
マンドレル上の表面突起の数が、シース内の刻み目線の望ましい数に等しい、本発明1009の方法。
[本発明1011]
以下:
第一の端部と第二の端部とを有する円柱形チューブとして形成されたイントロデューサシースであって、該第一の端部から該第二の端部まで延びている少なくとも1つの刻み目線をその内面上に含む、イントロデューサシースと;
該イントロデューサシースの第一の端部を囲むハブであって、該少なくとも1つの刻み目線にアライメントされた少なくとも1つのノッチを含む、ハブと;
該イントロデューサシースに挿入されるよう構成されたマンドレルであって、該マンドレルの長さに沿って延びている少なくとも1つの表面突起を外面上に含む、マンドレルと
を含み、
該イントロデューサシース上への該ハブの製造中に該刻み目線を保護するため、該少なくとも1つの表面突起が該少なくとも1つの刻み目線に接触するよう構成されている
イントロデューサハブ製造アセンブリ。
[本発明1012]
前記少なくとも1つの表面突起が、マンドレルの縦方向下方に延びている、本発明1011のアセンブリ。
[本発明1013]
前記少なくとも1つの表面突起が、マンドレルの周りでらせん状に延びている、本発明1011のアセンブリ。
[本発明1014]
前記少なくとも1つの表面突起が、連続的な突起として構成されている、本発明1011のアセンブリ。
[本発明1015]
前記少なくとも1つの表面突起が、マンドレルの長さに沿って下方に延びている一連の突起として構成されている、本発明1011のアセンブリ。
[本発明1016]
加熱されたプラスチックからハブが形成される、本発明1011のアセンブリ。
[本発明1017]
イントロデューサシースがプラスチックから形成され、該プラスチックが、その溶融温度より高い熱に供されたときにリフローする、本発明1016のアセンブリ。
[本発明1018]
ハブが、該ハブの対向する両側に配置された第一のノッチと第二のノッチとを含む、本発明1011のアセンブリ。
[本発明1019]
ハブが、第一のノッチおよび第二のノッチにおいて破壊されるよう構成されている、本発明1018のアセンブリ。
[本発明1020]
イントロデューサシースが、ハブが破壊されたときに前記少なくとも1つの刻み目線に沿って裂けるよう構成されている、本発明1011のアセンブリ。
[本発明1021]
表面突起の数が刻み目線の数より多い、本発明1011のアセンブリ。
[本発明1022]
表面突起の数が刻み目線の数より少ない、本発明1011のアセンブリ。
[本発明1023]
表面突起の数が刻み目線の数に等しい、本発明1011のアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
上述および他の目的および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて考慮することによって明らかになるであろう;添付の図面全体を通して、同様の参照符号は同様の部品を参照する。
【0011】
図1図1Aは、1つの態様に基づく、製造プロセス中にシース上に成形されるイントロデューサハブの上面図である。図1Bは、連続的な表面突起と、一連の突起として構成された表面突起とを、いずれも有するマンドレルの斜視図である。
図2】1つの態様に基づく、製造プロセス中にシースに挿入されているマンドレルの斜視図である。
図3】1つの態様に基づく、製造プロセス中にシースに完全に挿入されたマンドレルの斜視図である。
図4】1つの態様に基づく、表面突起を有するマンドレルの斜視図である。
図5】1つの態様に基づく、ピールアウェイ式イントロデューサハブアセンブリの斜視図である。
図6】1つの態様に基づく、ピールアウェイ式イントロデューサハブの、別の図面である。
図7】1つの態様に基づく、ピールアウェイ式イントロデューサハブを製造するための方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
以下は、ピールアウェイ式医療用イントロデューサを製造するための発明的方法に関する様々な概念の、より詳細な説明である。認識されるべき点として、本開示の概念はいかなる特定の様式の実施形態にも限定されないので、以上に紹介しそして以下により詳しく論じる様々な概念は、任意の数の方式で実施されうる。例えば、ピールアウェイ式イントロデューサシースは、本明細書において、イントロデューサハブとその下のシースとを2つの区画に分割する、2つの軸方向ノッチを有するものとして描写されるが、イントロデューサハブおよびシースは、軸方向に沿って任意の数の部分に分かれることができるよう、任意の数の軸方向ノッチまたは切り取り線を有するように製造されてもよい。さらに、マンドレルの表面突起は、ピールアウェイ式イントロデューサ内で使用するためのシース上の刻み目線を維持することに関して説明されるが、マンドレルの表面突起は、任意のオーバーモールドプロセスまたは熱処理プロセス中にシースの内部幾何学形状の他の特徴を保護するために用いられてもよい。実施形態および用途の例は主として例示的な目的で提供される。
【0013】
本明細書に説明する方法およびシステムは、シースの刻み目を維持しながら、オーバーモールドされたハブを含むピールアウェイ式イントロデューサを生産することを可能にする。ハブとシースとを保持するためのマンドレルは、その外面に沿って形成された、1つまたは複数の細長い外部突起を有していてもよい。熱が印加されたときに、刻み目線が、ハブまたはシースに由来する材料(例えば熱の印加中に溶融したプラスチック)でふさがれるのではなく射出成形プロセスを通して維持されるように、突起が、シースの、対応する内部刻み目の各々と接触してもよい。シースの内部刻み目が維持されるので、操作者によってハブが破壊されたとき、オーバーモールドされたハブ内のシースチューブの近位区画は、この材料が刻み目線に流入しそして硬化した場合と比較して、より容易に、かつ、より小さい力で、破壊される。加えて、イントロデューサシース内の刻み目線が維持されるので、イントロデューサハブアセンブリの除去を容易にするためハブを破壊しかつシースを縦方向に剥ぎ取ることが可能である。本明細書に説明するオーバーモールドの方法は、設計どおり適切にイントロデューサハブを破壊しかつシースを剥ぎ取ることを促進する。
【0014】
図1Aに、製造プロセス中にイントロデューサシース104上に成形されたハブボディ112を含む、イントロデューサハブおよびマンドレルのアセンブリ100の上面図を示す。イントロデューサハブアセンブリ103は、イントロデューサシース104と、第一の刻み目線110aと、第二の刻み目線110bと、イントロデューサハブアセンブリ103と、ハブボディ112と、第一のノッチ114aと、第二のノッチ114bと、第一のウィング116aと、第二のウィング116bとを含む。第一の刻み目線110aと第二の刻み目線110bとは、イントロデューサシース104における対向する両側にある。イントロデューサシース104はマンドレル101(コアピンとも呼ばれる)上に位置決めされ、マンドレル101は、その対向する両側に第一の表面突起102aと第二の表面突起102bとを有する。第一の表面突起102aおよび第二の表面突起102bは、イントロデューサシース104における第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bと一致するよう構成される。第一の表面突起102aおよび第二の表面突起102bが、イントロデューサシース104内の第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bにアライメントされた状態で、イントロデューサシース104がマンドレル101上に位置決めされた後、イントロデューサシース104の近位端上にイントロデューサハブボディ112がオーバーモールドされてもよい。イントロデューサハブアセンブリ103の破壊を容易にするため、第一のノッチ114aおよび第二のノッチ114bは、イントロデューサシース104内の第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bにアライメントされる。
【0015】
第一の表面突起102aと第二の表面突起102bとを備えたマンドレル101は、イントロデューサシース104の内部幾何学形状を維持するよう形状決定される。イントロデューサハブアセンブリ103をオーバーモールドするための準備において、イントロデューサシース104はマンドレル101上にきつくフィットする。マンドレル101の外面108とイントロデューサシース104の内面105との間にいくらかの距離106があってもよいが、大多数のケースにおいて、第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bなど、オーバーモールド中に保護されるべきエリアにおいて、マンドレル101の外面108がイントロデューサシース104の内面105と接触するよう、距離106は最小にされる。一部の実施形態において、オーバーモールド中に保護されないエリアにおける、マンドレル101の外面108とイントロデューサシース104の内面105との間の距離106は、例えば0 mm、0.1 mm、0.2 mm、0.3 mm、もしくは0.4 mmであり、または、他の任意の好適な距離に構築されてもよい。表面突起102aおよび102bは、マンドレル101のボディから望ましい高さに設定されてもよい。一部の実施形態において、表面突起102aおよび102bは、マンドレル101の表面から、約0.05 mm、0.1 mm、0.2 mm、0.3 mm、または任意の好適な高さだけ延びている。特定の態様において、マンドレル101の外面108とイントロデューサシース104の内面105との間の距離は約0 mm~0.4 mmであり、一方、突起はマンドレル101の外面108から延びておりかつ約0.05 mm~0.3 mmの高さを有する。一部の実施形態において、表面突起は、正方形、長方形、円柱形、または他の任意の好適な形状を有する。一部の実施形態において、突起はマンドレルに沿って縦方向に延びている。一部の実施形態において、突起はマンドレルに沿ってらせん状に延びている。
【0016】
イントロデューサシース104がマンドレル101上にフィットした状態で、イントロデューサハブアセンブリ103が、イントロデューサシース104上に射出成形されるなどして、シース104上に形成されてもよい。射出成形プロセスは、イントロデューサシース104の近位端を高温および/または高圧にさらし、それは、イントロデューサシース104を形成しているプラスチックのリフローを引き起こす可能性がある。イントロデューサシース104における第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bが、対応する突起によって保護されていない場合は、リフローしたプラスチックが、第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bを覆うかまたは完全にふさいでしまう可能性がある。イントロデューサシース104が加熱されそしてリフローが生じたとしても、第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bが維持されるよう、第一の表面突起102aおよび第二の表面突起102bは、第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bの中まで延びている。
【0017】
第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bが、構築中にプラスチックのリフローによって変化するかまたは除去されると、使用後のイントロデューサハブアセンブリ103の破壊中に、イントロデューサシース104が適切に分離しない可能性がある。ハブボディ112は、第一のウィング116aおよび第二のウィング116bに外向きまたは下向きの力が印加されたときに、設計どおり第一のノッチ114aおよび第二のノッチ114bにおいて破壊されてもよい。しかし、もし第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bが損傷を受けていると、分離が、イントロデューサシース104まで伝搬しないか、または、イントロデューサシース104の近位部分から、イントロデューサハブアセンブリ103と接触していない、より遠位の部分まで、伝搬しない可能性がある。結果として、イントロデューサハブアセンブリ103の破壊を開始するために必要な、追加的または過大な力を印加することが、操作者にとって困難または厄介になる可能性がある。
【0018】
本明細書において、イントロデューサシース104は、第一の刻み目線110aおよび第二の刻み目線110bという2つの刻み目線を有するものとして描写されるが、イントロデューサシース104は任意の数の刻み目線とともに構成されてもよい。一部の実施形態において、イントロデューサシースは、1つの刻み目線、2つの刻み目線、3つの刻み目線、4つの刻み目線、6つの刻み目線、10の刻み目線、または他の任意の好適な数の刻み目線とともに構成されてもよい。刻み目線は、切り取り線、刻み目、圧痕として形成されてもよく、または他の任意の好適な手段によって形成されてもよい。
【0019】
本明細書において、マンドレル101は、第一の表面突起102aおよび第二の表面突起102bという2つの表面突起を有するものとして描写されるが、任意の好適な数の表面突起を有していてもよい。一部の実施形態において、マンドレル101は、1つの表面突起、2つの表面突起、3つの表面突起、4つの表面突起、6つの表面突起、または他の任意の好適な数の表面突起を有する。マンドレル101は、イントロデューサシース104上の刻み目線の数に等しい、ある数の表面突起を有していてもよい。代替的に、マンドレル101は、イントロデューサシース104上の刻み目線の数より少ない、ある数の表面突起を有していてもよい。表面突起の数がイントロデューサシース104上の刻み目線の数より少ない場合は、イントロデューサハブアセンブリ103のオーバーレイ(overlay)の製造中に、イントロデューサシース104上の追加的な刻み目線が材料のリフローによって除去される可能性がある。例えば、イントロデューサシース104が3つの刻み目線を有するが、イントロデューサハブアセンブリにとって2つのみが望ましいならば、オーバーモールド中にイントロデューサシース上の3つの刻み目線のうち2つを保護するため、2つの表面突起のみを備えたマンドレルが用いられてもよい。代替的に、すべての表面突起のうち一部のみが刻み目線に接触するよう、マンドレル101が、イントロデューサシース104上の刻み目線の数より多い、ある数の表面突起を有していてもよい。このことは、例えば、様々な数の刻み目線を有するシースを組み付けるためにマンドレル101を構成することを可能にしうる。
【0020】
図1Bに示すように、マンドレル101上の表面突起は、イントロデューサシース104上の刻み目線のタイプに合わせられてもよい。図1Bは、第一の表面突起122aおよび第二の表面突起122bを備えた、基部120から延びているマンドレル101を含む。第一の表面突起122aは、全長に沿って中断することなくイントロデューサシースの刻み目線に接触する、マンドレル101の外面からの連続的な突起として構成される。第二の表面突起122bは、マンドレル101に沿った直線になるよう配置された、一連の表面突起として構成される。第二の表面突起122bは、イントロデューサシースに、個々の突起の各々においてのみ接触し、突起間の間隔では接触しない。例えば、第二の表面突起122bのような一連の表面突起が、切り取り線として構成された刻み目線を保護するために用いられてもよい。
【0021】
図2に、イントロデューサハブをオーバーモールドするための準備において、イントロデューサシース204に部分的に挿入されたマンドレル201の斜視図を示す。マンドレル201は、基部220と、第一の表面突起202aと、第二の表面突起202bとを含む。第一の表面突起202aおよび第二の表面突起202bはマンドレル201の縦軸207に平行である。イントロデューサシース204は、近位端209と、マンドレル201の縦軸207に平行にアライメントされた、第一の刻み目線210aおよび第二の刻み目線210bとを含む;マンドレル201の縦軸207は、イントロデューサシース204がマンドレル201上に置かれたときに、イントロデューサシース204の縦軸207に一致する。イントロデューサシース204の近位端209においてイントロデューサハブをオーバーモールドする際に、イントロデューサシース204の刻み目線と内部幾何学形状とを保護するため、第一の表面突起202aおよび第二の表面突起202bは、イントロデューサシース204の第一の刻み目線210aおよび第二の刻み目線210bにアライメントされる。イントロデューサハブをオーバーモールドする前に、イントロデューサシース204が矢印211の方向にマンドレル201上に挿入される。
【0022】
図3に、イントロデューサシース304上にイントロデューサハブをオーバーモールドする前の最終構成において、イントロデューサシース304に完全に挿入されたマンドレル301の斜視図を示す。マンドレル301は、基部320と、1つまたは複数の表面突起302とを含む。イントロデューサシース301は、イントロデューサシース304の縦軸307に平行にアライメントされた第一の刻み目線310を含む。さらなるプロセス中のリフローから第一の刻み目線310を保護するため、表面突起302は第一の刻み目線310にアライメントされる。イントロデューサシース304は、イントロデューサハブアセンブリが破壊されたときに第一の刻み目線310に沿って裂けるように設計される。しかし、もし第一の刻み目線310および他の任意の刻み目線が保護および維持されていなければ、イントロデューサハブボディのオーバーモールドに由来する熱によって、第一の刻み目線310が損傷を受けるかまたは除去されてしまう可能性がある。第一の刻み目線310が残るよう、イントロデューサハブボディのオーバーモールド中に、マンドレル301の表面突起302が、第一の刻み目線310を含むイントロデューサシース304の内部幾何学形状を保護する。マンドレル301はイントロデューサシース304の内部にフィットするようサイズ決定され、そして、マンドレル上の表面突起302も同様に、イントロデューサシース304上の第一の刻み目線310にアライメントしかつこれに対応するようサイズ決定される。
【0023】
図4に、表面突起402aおよび402bを有するマンドレル401の斜視図を示す。マンドレル401は、基部420と、第一の表面突起402aと、第二の表面突起402bとを含む。第一の表面突起402aおよび第二の表面突起402bは、縦軸に平行に、円柱形のマンドレル401に沿って延びている。イントロデューサシース上へのイントロデューサハブの製造中にイントロデューサシースの内部幾何学形状と空間とが維持されるよう、第一の表面突起402aおよび第二の表面突起402bは、イントロデューサシースの内部幾何学形状と刻み目線とに対応するようにサイズ決定および位置決めされる。
【0024】
図4には第一の表面突起402aおよび第二の表面突起402bという2つの表面突起402が示されているが、マンドレル401は、マンドレル401上に置かれたイントロデューサシース上の刻み目線を保護および維持するため、任意の好適な数または配向の表面突起を有していてよい。マンドレル401は、1つ、2つ、3つ、4つ、6つ、8つ、または任意の好適な数の表面突起を有していてもよい。一部の実施形態において、マンドレル401は、イントロデューサシース上の刻み目線の数と同じ数の表面突起を含む。一部の実施形態において、マンドレル401は、イントロデューサシース上の刻み目線の数より少ない、ある数の表面突起を含む。そのようなケースにおいて、イントロデューサシース上の追加的な刻み目線は、オーバーモールドのプロセス中にシースのプラスチックのリフローによって除去される。マンドレルで刻み目線を保護しないことによって、オーバーモールド中に不要な刻み目線を除去することは、単一のタイプのイントロデューサシースを用いて複数のスタイルのイントロデューサハブアセンブリを準備することを可能にしうる。表面突起は、本明細書に示すように縦軸407に沿ってアライメントされてもよく、または、縦軸に対して角度をつけて配向されるかもしくはマンドレルの外面の周りでらせん状の配向になっていてもよい。
【0025】
図4に示す第一の表面突起402aおよび第二の表面突起402bは、マンドレル401の、連続的に隆起した区画として描写されている。一部の実施形態において、マンドレル401上の表面突起は、イントロデューサシースの内部の特定の幾何学形状を保護するため、一連の隆起したドットとして構成される。一部の実施形態において、表面突起は、角度のついた最上部、方形の最上部、または丸みを帯びた最上部を備えたリッジとして構成された、連続的に隆起した区画であってもよい。表面突起の形状はイントロデューサシース内の刻み目線の形状に合わせられてもよい。
【0026】
図5にピールアウェイ式イントロデューサハブアセンブリ503の斜視図を示す。ピールアウェイ式イントロデューサハブアセンブリ503は、ハブボディ512と、第一のウィング516aと、第二のウィング516bと、第一のノッチ514aと、第二のノッチ514bと、イントロデューサシース504と、第一の刻み目線510aと、第二の刻み目線510bと、スルーゴーイング(throughgoing)キャビティ524とを含む。第一のノッチ514aは第一の刻み目線510aにアライメントされ、かつ、第二のノッチ514bは第二の刻み目線510bにアライメントされる。第一のノッチ514aおよび第二のノッチ514bが、第一のウィング516aと第二のウィング516bとの間に位置決めされるよう、第一のウィング516aおよび第二のウィング516bはハブボディ512における対向する両側に延びている。
【0027】
医療デバイスまたはカテーテルが、イントロデューサハブアセンブリ503内のスルーゴーイングキャビティ524を通って患者に挿入されてもよい。デバイスまたはカテーテルが挿入された後、操作者は、第一のウィング516aおよび第二のウィング516bに力を印加し、これによりイントロデューサハブアセンブリ503を2つまたはそれ以上のピースへと破壊することによって、イントロデューサハブアセンブリ503を破壊してもよい。イントロデューサハブアセンブリ503は、第一のウィング516aおよび第二のウィング516bにこの力が印加された際に、第一のノッチ514aおよび第二のノッチ514bにおいて破壊されるよう設計される。第一のノッチ514aおよび第二のノッチ514bがそれぞれ第一の刻み目線510aおよび第二の刻み目線510bにアライメントしていることは、ハブボディ512を破壊するため操作者によって印加された破壊力が、第一のノッチ514aから第一の刻み目線510aに、かつ、第二のノッチ514bから第二の刻み目線510bに、伝搬することを可能にし、それは、イントロデューサハブアセンブリ503を2つのピースへと破壊すること、そしてイントロデューサシース504を剥ぎ取ることを可能にする。ノッチと、ハブボディ512のオーバーモールド中に損傷から保護された刻み目線とが、良好にアライメントしていると、わずかな破壊力の印加によってイントロデューサハブアセンブリを容易に破壊しかつ剥ぎ取ることが可能となる。
【0028】
図6に、第一のノッチ614aおよび第一の刻み目線610aの反対側で、第二のノッチ614bが第二の刻み目線610bにアライメントしていることを図示した、図5のピールアウェイ式イントロデューサハブ503の別の図面を示す。第二のノッチ614bと第二の刻み目線610bとが(そして第一のノッチ614aと第一の刻み目線610aとが)アライメントしていることにより、破壊力がハブボディ612からイントロデューサシース604に伝わる。イントロデューサハブボディ612のオーバーモールド中に、イントロデューサシース604に由来するプラスチック材料のフローによって、イントロデューサシース604の刻み目線610が損傷または除去されていないのであれば、力はハブボディ612からイントロデューサシース604まで支障なく伝搬されうる。
【0029】
オーバーモールド中に、イントロデューサシース604に由来するプラスチック材料のリフローによってイントロデューサシース604の刻み目線610が損傷または除去された場合、イントロデューサシース604は、ハブボディ612において、またはハブボディ612の下方で、容易に分割しない可能性がある。すると、ハブボディ612およびイントロデューサシースを破壊するため、ハブボディ612またはイントロデューサシース604に追加的または過大な力を印加することが必要になる可能性がある。もしくは、イントロデューサシース604内の刻み目線の損傷に起因する、イントロデューサハブアセンブリ603の機能不全は、設計どおりに剥ぎ取ることができない、欠陥のあるイントロデューサハブアセンブリをもたらす可能性がある。すると、除去のために代替的または最適以下の方法が用いられる可能性があり、それには追加的なツールが必要となる可能性もある。
【0030】
図7に、図1Aのイントロデューサハブアセンブリ103、図5のハブアセンブリ503、または他の任意の好適なハブアセンブリなどの、ピールアウェイ式イントロデューサハブを製造するための方法700を示す。同方法は、段階702において、ある数の表面突起を含むマンドレル上にイントロデューサシースを置く段階を含む。表面突起は、刻み目線を含むイントロデューサシースの内部の幾何学形状を保護するため、イントロデューサシースの内面において刻み目線に接触するよう設計される。マンドレルは、イントロデューサシース上の刻み目線の数と同じ数の表面突起を含んでいてもよく、または、一部の実施形態において、ある数の刻み目線が次の段階中に除去されるよう設計されるのであれば、マンドレルは、より少ない数の表面突起を含む。次に、マンドレルと押出シースとが型穴の中に置かれて、これにより、溶融プラスチックを注入および冷却することが可能となる。
【0031】
段階704において、マンドレルの表面突起がイントロデューサシースの刻み目線にアライメントされる。イントロデューサシースはマンドレル上にきつくフィットし、そして、イントロデューサシースの内部上の刻み目線はマンドレルの表面突起と接触する。一部の実施形態において、マンドレルの表面突起は、マンドレルがイントロデューサシース内に挿入される前に、または挿入と同時に、イントロデューサシースの刻み目線にアライメントされてもよい。表面突起の形状、サイズ、および高さは、イントロデューサシース内の刻み目線に合わせられてもよい。一部の実施形態において、表面突起は、角度のついた最上部、方形の最上部、または丸みを帯びた最上部を備えたリッジとして構成された、連続的に隆起した区画であってもよい。マンドレル上の表面突起は、イントロデューサシース内の刻み目線に合わせるため、マンドレルのボディから様々な高さであってもよい。一部の実施形態において、表面突起は、0.05 mm、0.1 mm、0.2 mm、0.3 mm、または任意の好適な高さだけ、マンドレルの表面から延びている。一部の実施形態において、マンドレルの外面とイントロデューサシースの内面との間にいくらかの距離があるが、大多数のケースにおいては、少なくとも、さらなる製造中にリフローから保護されるべき領域において、マンドレルの外面がイントロデューサシースの内面と接触するよう、距離は最小にされる。一部の実施形態において、保護対象でないエリアにおける、マンドレルの外面とイントロデューサシースの内面との間の距離は、0 mm、0.1 mm、0.2 mm、0.3 mm、0.4 mm、または他の任意の好適な距離である。一部の実施形態において、表面突起102aおよび102bは、約0.05 mm、0.1 mm、0.2 mm、0.3 mm、または任意の好適な高さだけ、マンドレル101の表面から延びている。特定の実施形態において、マンドレルの外面とイントロデューサシースの内面との間の距離は約0 mm~0.4 mmであり、一方、突起はマンドレルの外面から延びておりかつ約0.05 mm~0.3 mmの高さを有する。
【0032】
本発明の方法は、段階706において、イントロデューサシースの近位端上にイントロデューサハブをオーバーモールドする段階を含む。オーバーモールドのプロセスで熱が用いられ、それは、イントロデューサシースのプラスチック材料の溶融とリフローとを引き起こす可能性がある。マンドレルの表面突起との接触によって保護される、刻み目線のエリアは、リフローしたプラスチックによって覆われることはなく、そして、オーバーモールドのプロセス中ずっと維持される。マンドレル上の表面突起によって保護されないエリアは、リフローしそして追加的な刻み目線をふさぐ可能性がある。
【0033】
イントロデューサハブをオーバーモールドする段階は、使用後のハブの破壊を補助するため、イントロデューサハブ上に1つまたは複数のウィングをオーバーモールドする段階もまた含んでもよい。シースの近位端上にイントロデューサハブがオーバーモールドされた後、イントロデューサハブおよびイントロデューサシースがマンドレルから除去される。イントロデューサシースは、イントロデューサハブおよびイントロデューサハブボディのオーバーモールド中にマンドレルによって維持された、ある数の刻み目線を含む。刻み目線は、オーバーモールドされたイントロデューサハブ中のノッチに対応する。イントロデューサハブは、使用後、ウィングにわずかな力を印加することによって、ノッチおよび刻み目線において2つまたはそれ以上のピースに分離されてもよい。イントロデューサハブがノッチおよび刻み目線において分離されたら、イントロデューサハブアセンブリを除去するため、イントロデューサシースが刻み目線に沿って剥ぎ取られてもよい。
【0034】
以上は本開示の原理を例示したものにすぎず、本発明の方法およびシステムは、限定ではなく例示の目的で提示される、本明細書に説明する実施形態以外で実施されてもよい。理解されるべき点として、本明細書に開示する方法およびシステムは、ピールアウェイ式イントロデューサハブおよびシースの製造における使用について示されているが、熱処理中にシースの内部幾何学形状が維持されなければならない他のシステムに適用されてもよい。
【0035】
当業者には、本開示の検討後に、バリエーションおよび改変が考えられるであろう。例えば、イントロデューサシースの内部幾何学形状に合わせるため、または、内部幾何学形状もしくは望ましい内部幾何学形状を補完するために、マンドレルの表面突起の幾何学形状および配向が有利に選択されてもよい。開示される特徴は、本明細書に説明する1つまたは複数の他の特徴との任意の組み合わせまたは下位組み合わせ(複数の独立した組み合わせおよび下位組み合わせを含む)において実施されてもよい。以上に説明または例証した様々な特徴は、それらの任意の構成要素も含めて、他のシステムに組み合わせまたは統合されてもよい。さらに、特定の特徴が省略されるかまたは実施されなくてもよい。
【0036】
変更、置換、および代替の例は、当業者による確認が可能であり、かつ、本明細書に開示する情報の範囲から逸脱することなく行われうる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7