(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】集積装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/28 20060101AFI20231121BHJP
B65G 47/44 20060101ALI20231121BHJP
B65G 47/248 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
B65G47/28 F
B65G47/44
B65G47/248 J
(21)【出願番号】P 2021108847
(22)【出願日】2021-06-30
【審査請求日】2023-01-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年3月27日におけるユニ・チャームプロダクツ株式会社(福岡県京都群苅田町新松山1丁目1番地)への販売
(73)【特許権者】
【識別番号】000103932
【氏名又は名称】オリオン機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】柳 奎釋
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-068904(JP,A)
【文献】特開2016-043945(JP,A)
【文献】実開昭63-120804(JP,U)
【文献】特開2002-240932(JP,A)
【文献】特開2014-125210(JP,A)
【文献】特開平9-086772(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00662421(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/28
B65G 47/44
B65G 47/248
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の搬送手段により順次運ばれてくる物品を集積させ、第2の搬送手段へ受け渡すための集積装置であって、
前記第1の搬送手段及び前記第2の搬送手段の双方に隣接し、物品を載置した状態で上下動可能なリフタと、
前記第1の搬送手段の待機位置にある物品を押すことで、前記リフタ上に物品を移動させる第1プッシャと、
平面視で前記第1プッシャによる物品の移動方向と直交する方向へ前記リフタ上の物品を押すことで、前記第2の搬送手段上に物品を移動させる第2プッシャと、
前記リフタ上の物品を、前記第1プッシャによる物品の移動方向と同じ方向に移動させる第3プッシャと、を含み、
前記第1の搬送手段から前記リフタへ物品が移動されるときに、前記待機位置に対する前記リフタの高さが調整されることで、前記リフタにおける物品の集積形態が調整されることを特徴とする集積装置。
【請求項2】
前記第1の搬送手段から前記リフタへ物品が移動されるときに、物品が回転しながら前記リフタ上へ落下して、物品の姿勢が90°変更されるように、前記リフタが前記待機位置よりも低い位置に移動されていることを特徴とする請求項1記載の集積装置。
【請求項3】
前記第1の搬送手段から前記リフタへ物品が移動されるときに、前記リフタ上に既に移動されている物品の上端位置が前記待機位置の高さに一致するように、前記リフタの高さが調整されていることを特徴とする請求項1又は2記載の集積装置。
【請求項4】
前記リフタは、前記第1の搬送手段に隣接する第1リフタと、該第1リフタの、前記第1プッシャによる物品の移動方向側に位置する第2リフタとの、2つに分割されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の集積装置。
【請求項5】
前記第1リフタ及び前記第2リフタは、個別に上下動可能に設けられ、
前記第2リフタは、少なくとも前記第1リフタ側の端部よりもその反対側の端部が下方に位置する態様で、傾斜可能に設けられ、
更に、前記第2リフタ上の物品を、前記第1リフタ側とは反対側から支えるサポート部材を含むことを特徴とする請求項4記載の集積装置。
【請求項6】
前記リフタ上の物品の、前記第1プッシャによる物品の移動方向についての位置を規制する規制部材を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の集積装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を集積する集積装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品を集積する集積装置には、物品の形状などに応じた様々なものがある。例えば、特許文献1に開示された集積装置は、シート状から折り畳まれた状態の製品や、その製品を複数収容した袋体などを集積対象の物品として、物品を集積及び搬送するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の集積装置には、例えば物品の集積から梱包までの一連の作業の速度や、意図した集積形態で物品が集積される精度などの面において、改善の余地がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、物品の集積を伴う一連の作業の速度及び集積精度を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
【0006】
(1)第1の搬送手段により順次運ばれてくる物品を集積させ、第2の搬送手段へ受け渡すための集積装置であって、前記第1の搬送手段及び前記第2の搬送手段の双方に隣接し、物品を載置した状態で上下動可能なリフタと、前記第1の搬送手段の待機位置にある物品を押すことで、前記リフタ上に物品を移動させる第1プッシャと、平面視で前記第1プッシャによる物品の移動方向と直交する方向へ前記リフタ上の物品を押すことで、前記第2の搬送手段上に物品を移動させる第2プッシャと、前記リフタ上の物品を、前記第1プッシャによる物品の移動方向と同じ方向に移動させる第3プッシャと、を含み、前記第1の搬送手段から前記リフタへ物品が移動されるときに、前記待機位置に対する前記リフタの高さが調整されることで、前記リフタにおける物品の集積形態が調整される集積装置。
【0007】
本項に記載の集積装置は、第1の搬送手段によって順次運ばれてくる物品を、集積させた状態で第2の搬送手段へ受け渡すものであり、リフタ、第1プッシャ、第2プッシャ、及び第3プッシャを含んでいる。リフタは、その上に物品を載置した状態で上下動可能なものであって、第1の搬送手段と第2の搬送手段との双方に隣接して設置される。すなわち、リフタは、隣接する第1の搬送手段から物品を受けるための適切な高さや、隣接する第2の搬送手段へ物品を渡すための適切な高さなどに、自在に高さが変えられるようになっている。第1プッシャは、第1の搬送手段によりその待機位置まで運ばれた物品を、第1の搬送手段に隣接するリフタへ向かって押すことで、リフタ上に物品を移動させるものである。
【0008】
又、第2プッシャは、リフタ上にある物品を押すことで、リフタから第2の搬送手段上へ物品を移動させるものであり、この際、平面視で第1プッシャによる物品の移動方向と直交する方向へ物品を移動させる。すなわち、第1の搬送手段と第2の搬送手段とは、リフタを中心とした平面視で、一方がリフタの上側又は下側に位置し、他方がリフタの右側又は左側に位置するような関係にあり、互いに干渉しないようになっている。又、第3プッシャは、リフタ上に移動された物品を、第1プッシャによる物品の移動方向と同じ方向に移動させるものである。このため、リフタ上に既に移動されている物品の、第1プッシャによる移動方向と同じ方向への位置調整や位置詰めなどが行われるものとなる。
【0009】
そして、本項に記載の集積装置は、第1の搬送手段からリフタへ物品が移動されるときに、第1の搬送手段の待機位置に対するリフタの高さが調整されることで、リフタにおける物品の集積形態が調整されるものである。ここでの集積形態とは、集積時の物品の姿勢や、物品が積み重ねられる数量、及び第1プッシャによる移動方向についての物品の列数といった、リフタ上でどのように物品が集積されるかを示すものである。このため、リフタの高さの調整によって、物品の大きさや形状などに応じて設定される任意の集積形態で物品が集積されるものとなる。
【0010】
更に、第1の搬送手段から第2の搬送手段に移載される間に、物品は、少なくとも第1プッシャ及び第3プッシャと第2プッシャとによって、互いに直交する2方向に押されることになる。このとき、既にリフタ上に移動された物品であっても、第2プッシャと第3プッシャとによって、位置詰めや位置調整が行われる。これにより、物品が整えられた状態で集積され、意図した集積形態で集積される集積精度が向上されるものとなる。又、第1の搬送手段からリフタへの物品の移載やリフタ上での物品の集積作業と、第2の搬送手段による例えば梱包装置などへの集積された物品の移動とは、別個に行われてもよいため、それらの作業が効率よく行われるものとなる。しかも、第1の搬送手段から第2の搬送手段への物品の受け渡し及び集積は、プッシャ及びリフタという単純な構成による単純な作業で実現される。このため、物品の集積を伴う一連の作業の速度が向上されると共に、装置構成の簡略化が図られるものである。
【0011】
(2)上記(1)項において、前記第1の搬送手段から前記リフタへ物品が移動されるときに、物品が回転しながら前記リフタ上へ落下して、物品の姿勢が90°変更されるように、前記リフタが前記待機位置よりも低い位置に移動されている集積装置。
本項に記載の集積装置は、第1プッシャにより第1の搬送手段からリフタへ物品が移動されるときに、リフタが第1の搬送手段の待機位置よりも低い位置に移動されているものである。そして、その際のリフタの高さ位置は、物品の形状や大きさなどが考慮されて、第1プッシャによって押される物品が、待機位置から離れるにつれて徐々に傾き、それによって物品が回転しながらリフタ上へ落下して、物品の姿勢が待機位置での姿勢から90°変更されるような高さ位置に設定されている。これにより、第1の搬送手段で移送された物品の姿勢から、リフタの方向に90°回転した姿勢で物品が集積され、物品の形状に応じた集積に適した姿勢で集積されるものとなる。
【0012】
ここで、本項のような構成では、リフタが第1の搬送手段の待機位置よりも低い位置に移動されているため、第1プッシャによって待機位置からリフタ上へ落下させた後の物品の移動を、そのまま続けて第1プッシャによって行うことができない。しかしながら、既にリフタ上に載置された物品を対象とした、第1プッシャによる物品の移動方向と同じ方向の移動は、第3プッシャによって行われる。このため、そのような移動を第3プッシャにより行うことで、姿勢を変化させた物品を詰めてその隣に更に物品を落下させることや、第2の搬送手段へ物品を移動する前の位置の微調整などが行われ、物品がより綺麗に整えられるものとなる。しかも、第1の搬送手段よりも低い位置に移動されたリフタ上の物品を移動させるために、第1の搬送手段よりも低い位置に設置されることが想定される第3プッシャの位置調整などによって、第1の搬送手段からリフタ上へ落下する物品の回転を促進させてもよい。
【0013】
(3)上記(1)(2)項において、前記第1の搬送手段から前記リフタへ物品が移動されるときに、前記リフタ上に既に移動されている物品の上端位置が前記待機位置の高さに一致するように、前記リフタの高さが調整されている集積装置。
本項に記載の集積装置は、第1プッシャにより第1の搬送手段からリフタへ物品が移動されるときに、リフタ上に既に移動されている物品の上端位置が、第1の搬送手段の待機位置の高さに一致するように、リフタの高さが調整されているものである。この状態で待機位置にある物品が第1プッシャにより押されると、既にリフタ上に載置されている物品の第1プッシャによる移動方向についての列数に応じて、既にリフタ上に載置されている物品の上を移動してそのような物品の隣の物品上に積み重ねられるか、或いは、既にリフタ上に載置されている物品上に直接積み重ねられる。このため、リフタの高さの調整によって、任意の段数で積み重ねた状態での、物品の集積が実現されるものとなる。
【0014】
(4)上記(1)から(3)項において、前記リフタは、前記第1の搬送手段に隣接する第1リフタと、該第1リフタの、前記第1プッシャによる物品の移動方向側に位置する第2リフタとの、2つに分割されている集積装置。
本項に記載の集積装置は、物品が載置されるリフタが、第1プッシャによる物品の移動方向について、第1リフタと第2リフタとの2つに分割されたものである。すなわち、第1リフタは、第1の搬送手段に隣接して、その第1の搬送手段から移動される物品を直接受けるような位置に設けられ、第2リフタは、第1リフタの、第1の搬送手段側とは反対側(第1プッシャによる物品の移動方向側)に隣接して設けられる。このため、第1リフタと第2リフタとの間には、平面視で第1プッシャによる物品の移動方向と直交する方向へ延在する隙間が形成され、この隙間の延在方向は、リフタ上の物品を第2の搬送手段へと移動させる第2プッシャの移動方向と同じ方向である。
【0015】
これにより、このような第1リフタと第2リフタとの間の隙間を通るように、第2プッシャを支持するアームなどの支持部材が設けられることで、支持部材が第1リフタや第2リフタの上下移動に干渉することが防止されるものとなる。従って、例えば、第1リフタ及び第2リフタが第2の搬送手段と同じ高さまで移動された状態で、第2プッシャが物品の移動のために第2の搬送手段の方へ移動され、第2プッシャの支持部材が第1リフタと第2リフタとの間に位置していても、支持部材に干渉することなく、第1リフタ及び第2リフタが上下移動されるものとなる。これにより、第1リフタ及び第2リフタを移動させる前に、第2プッシャを元の位置に戻す工程を単独で行う必要がなくなり、第1リフタ及び第2リフタを移動させた後に、第2プッシャを元の位置に戻す工程を他の工程と組み合わせて行ってもよいため、物品の集積を伴う一連の作業の速度がより向上されるものである。
【0016】
(5)上記(4)項において、前記第1リフタ及び前記第2リフタは、個別に上下動可能に設けられ、前記第2リフタは、少なくとも前記第1リフタ側の端部よりもその反対側の端部が下方に位置する態様で、傾斜可能に設けられ、更に、前記第2リフタ上の物品を、前記第1リフタ側とは反対側から支えるサポート部材を含む集積装置。
本項に記載の集積装置は、リフタを構成する第1リフタ及び第2リフタが、個別に上下動するように設けられ、高さ位置が互いに異なるようにも調整可能になっている。また、そのうちの第2リフタは、少なくとも第1リフタ側の端部よりもその反対側の端部が下方に位置するように、傾斜可能に設けられるものである。更に、第2リフタの近傍には、第2リフタ上の物品を、第1リフタ側とは反対側から支えるようにサポート部材が設けられている。このため、例えば、上述した態様で第2リフタが傾斜され、その第2リフタの第1リフタ側の端部の高さ位置に合わせて第1リフタが配置されると、第1リフタ上の物品が第3プッシャなどにより第2リフタの方へ押されて、サポート部材により支えられながら傾斜した状態で第2リフタ上に載置されることになる。
【0017】
これにより、物品が特に高さ方向に比較的大きくなる姿勢で第1リフタ上に載置される場合でも、第2リフタ上に移動された後は、物品の上方が第1リフタ側とは反対側に傾斜した状態でサポート部材により支えられるため、物品が第1リフタ側に倒れることなく安定して支えられるものとなり、物品の集積の安定性が向上されるものである。しかも、物品が第1リフタから第2リフタに移動されると、それによって空いた第1リフタ上のスペースだけでなく、第2リフタ上の物品が傾斜していることで形成される第2リフタの第1リフタ側端部上方のスペースも確保される。このため、特に上記(2)項に記載したように、物品が第1の搬送手段の待機位置から落下してリフタ上へ移動される場合には、物品が第1リフタへ落下する際の間口が広く確保されることとなり、集積の安定性がより向上されるものとなる。
【0018】
(6)上記(1)から(5)項において、前記リフタ上の物品の、前記第1プッシャによる物品の移動方向についての位置を規制する規制部材を含む集積装置。
本項に記載の集積装置は、リフタ上に移動されている物品の、第1プッシャによる物品の移動方向についての位置を規制する規制部材を更に含むものである。これにより、第1プッシャによって移動される物品の行き過ぎや、第3プッシャによって移動される物品の行き過ぎが防止されるものとなる。更に、リフタに物品が移動される際に、第1プッシャと規制部材とで物品が挟み込まれることで、物品がより綺麗に整えられた状態で移動されると共に、位置の微調整などが行われるものとなる。又、既にリフタに移動された物品が、第3プッシャと規制部材とで挟み込まれることで、この場合においても、物品がより綺麗に整えられた状態で集積されると共に、位置の微調整などが行われるものとなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上記のような構成であるため、物品の集積を伴う一連の作業の速度及び集積精度を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る集積装置により物品を集積する様子を示す簡略的な斜視図である。
【
図2】
図1に引き続き、物品を集積する様子を示す簡略的な斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態に係る集積装置により、
図1と異なる集積形態で物品を集積する様子を示す簡略的な斜視図である。
【
図4】
図3に引き続き、物品を集積する様子を示す簡略的な斜視図である。
【
図5】本発明の第2の実施の形態に係る集積装置により物品を集積する様子を示す簡略的な斜視図である。
【
図6】
図5に引き続き、物品を集積する様子を示す簡略的な斜視図である。
【
図7】
図6に引き続き、物品を集積する様子を示す簡略的な斜視図である。
【
図8】
図7に引き続き、物品を集積する様子を示す簡略的な斜視図である。
【
図9】本発明の第2の実施の形態に係る集積装置により、
図5と異なる集積形態で物品を集積する様子を示す簡略的な斜視図である。
【
図10】
図9に引き続き、物品を集積する様子を示す簡略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略することとし、又、図面の全体にわたって、同一部分又は対応する部分は、同一符号で示している。
図1~
図4は、互いに直交する3方向X、Y、Zで規定される空間で、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10によって物品Aが集積される様子を示している。以降では、方向に関しての説明は主にX方向、Y方向、及びZ方向を用いるものとし、特に各図に示されるX、Y、Zの矢印の先端側を正方向、矢印の基端側を逆方向として使用する。例えば、図中の左上方向はX正方向、右下方向はX逆方向、それら双方を含む場合は単にX方向とし、Y及びZについても同様である。
【0022】
まず、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10が集積の対象とする物品Aには、これらに限定されるものではないが、例えば、紙おむつや生理用ナプキンなどのシート状の製品が折り畳まれた状態のものや、それらの製品が複数収容された袋体などが挙げられる。又、
図1~
図4に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10は、第1の搬送手段40から第2の搬送手段50へ物品Aを受け渡す際に、物品Aを集積させた状態で受け渡すものである。ここで、まず第1の搬送手段40及び第2の搬送手段50について説明すると、第1の搬送手段40は、集積装置10によって集積する物品Aを順次搬送するものであって、集積装置10により次に集積される物品Aを待機させておくための待機位置42を有している。すなわち、第1の搬送手段40は、
図1~
図4の実施形態では、X正方向へ物品Aを搬送するようになっている。
【0023】
これに対し、第2の搬送手段50は、集積装置10により集積された複数の物品Aを受け取り、それらの物品Aを梱包のための梱包位置56(
図2(b)及び
図4(b)参照)まで搬送するものである。このため、第2の搬送手段50は、複数の物品Aを集積した状態で搬送するための、一対の搬送板52、54を複数組有しており、これら一対の搬送板52、54間の距離が、物品Aの大きさや集積形態に応じた距離に調整可能になっている。
図1~
図4における第2の搬送手段50は、Y正方向へと一対の搬送板52、54と共に物品Aを移動させ、又、第1の搬送手段40よりも低い位置で物品Aを搬送するようになっている。すなわち、第1及び第2の搬送手段40、50は、互いに異なるZ方向の高さにおいて、平面視で互いに直交するX正方向及びY正方向へ物品Aを搬送するものであり、図示は省略しているが、夫々の搬送方向に沿って延在している。なお、第1及び第2の搬送手段40、50は、例えばコンベアなどの任意の移動機構が利用されて構成される。
【0024】
本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10の説明に戻ると、集積装置10は、例えば
図1に示すように、リフタ12、第1プッシャ14、第2プッシャ16、第3プッシャ18、及び規制部材20を含んでいる。リフタ12は、第1の搬送手段40と第2の搬送手段50との双方に隣接した位置において、その上に物品Aを載置した状態でZ方向に上下動するものである。本実施形態のリフタ12は、少なくとも、第1の搬送手段40に合わせた高さ(
図3(a)や
図4(b)に示されるZ方向の位置)と、第2の搬送手段50に合わせた高さ(
図2(a)や
図4(a)に示されるZ方向の位置)との間で、上下動可能になっている。
【0025】
第1プッシャ14は、第1の搬送手段40の待機位置42にある物品Aを押すことで、リフタ12上に物品Aを移動させるものであって、少なくとも、
図1などに示すような退避位置と、リフタ12上の最奥位置に物品Aを移動させるために必要な位置との間を、その高さ(Z方向の位置)を変えることなく、Y方向に移動可能になっている。又、本実施形態の第2プッシャ16は、リフタ12に載置された全ての物品Aを押すことで、第2の搬送手段50上に移動させるものである。第2プッシャ16は、少なくとも、
図1(a)などに示すような退避位置と、リフタ12上の全ての物品Aを第2の搬送手段50上に移動させるために必要な位置(例えば
図2(b)のような位置)との間を、その高さ(Z方向の位置)を変えることなく、X方向に移動可能になっている。
【0026】
第3プッシャ18は、リフタ12上の物品Aを押すことで、リフタ12上での物品Aの位置詰めや位置調整などを行うものであって、第1プッシャ14と同じくY方向に移動可能になっている。本実施形態の第3プッシャ18は、第1プッシャ14では接触できない高さまで下げられたリフタ12上の物品Aを、第1の搬送手段40やリフタ12に干渉することなく押すことができる高さに設置されている。具体的には、
図1(a)に示すような退避位置から、その高さ(Z方向の位置)を変えることなく、リフタ12上の最奥位置に物品Aを移動させるために必要な位置まで移動する。又、詳しくは後述するが、第3プッシャ18は、第1の搬送手段40からリフタ12に落下する物品Aの回転を促す役割も担っており、図示のようなY正方向及びZ逆方向に向かって傾いた面取り部18aを有していることが好ましい。
【0027】
規制部材20は、リフタ12上の物品AのY正方向についての位置、すなわち、第1プッシャ14や第3プッシャ18によって物品Aが押される方向についての位置を規制するものである。本実施形態の規制部材20は、リフタ12と共にZ方向に上下動可能、かつ、リフタ12の物品載置面に沿ってY方向に移動可能になっており、第1プッシャ14や第3プッシャ18の位置に応じて、例えば、
図1(a)に示すような高さ及び位置や、
図3(a)に示すような高さ及び位置などに移動する。
なお、上述した集積装置10の各構成要素は、
図1~
図4では簡略化して示されており、それらの形状や大きさは、各構成要素の機能を満たし得る範囲で任意に設定してよい。又、各構成要素の動作を実現するための機構や動力源の図示は省略しているが、それらにも各構成要素の機能を満たし得る範囲で任意のものを採用してよい。
【0028】
続いて、
図1~
図4を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10の具体的な動作について説明する。ここでは、集積装置10により集積する物品Aとして、シート状の製品が折り畳まれた状態で複数収容された袋体を集積する場合を例にして説明する。なお、
図1及び
図2には、第1の搬送手段40により待機位置42まで運ばれた状態で、X方向及びY方向の大きさが比較的大きく、Z方向の大きさが比較的小さい、大略直方体をなす袋体(物品A)が、1段2列の集積形態で集積される様子が示されている。又、
図3及び
図4には、第1の搬送手段40により待機位置42まで運ばれた状態で、X方向の大きさが比較的大きく、Y方向及びZ方向の大きさが比較的小さい、大略直方体をなす袋体(物品A)が、2段2列の集積形態で集積される様子が示されている。
【0029】
図1及び
図2の実施形態では、まず
図1(a)に示すように、リフタ12が第1の搬送手段40よりも低い高さに移動され、第2プッシャ16及び第3プッシャ18が退避位置にあり、規制部材20がリフタ12上で第1の搬送手段40の比較的近くまで移動されている。この際のリフタ12のZ方向の高さは、物品Aの待機位置42にあるときのY方向の大きさなどに基づいて設定され、規制部材20のY方向の位置は、物品Aの待機位置42にあるときのZ方向の大きさなどに基づいて設定される。この状態で、第1プッシャ14をY正方向に移動させ、待機位置42にある物品Aを押し始めると、物品AのY正方向側の端部が第1の搬送手段40から徐々に突出し、その突出量が所定量を超えると、物品Aが傾きながら落下し始める。
【0030】
このとき、退避位置にある第3プッシャ18により、特に第3プッシャ18がY正方向及びZ逆方向に向かって傾いた面取り部18aを有していることで、物品Aが傾いた方向への回転(X正方向視でX方向の軸を回転軸とした反時計回り方向の回転)が促される。更に、規制部材20によって物品AのY正方向の位置が規制される。これによって、
図1(a)に仮想線で示された物品Aのように、待機位置42にあったときから姿勢が90°変更された状態、すなわち、待機位置42にあった物品AのY正方向側の端部が下側になった状態で、物品Aがリフタ12上に移動される。
【0031】
続けて、
図1(b)に示すように、第3プッシャ18と規制部材20とで物品Aを挟み込んだ状態で、リフタ12上の物品AをY正方向へ移動させた後、第3プッシャ18を退避位置まで戻すことで、リフタ12上の物品AのY逆方向側の隣に、次に移動される物品Aのためのスペースを確保する。そして、図示のように既に待機位置42まで搬送された物品Aを、上記と同様に第1プッシャ14により押すことで、待機位置42にあったときから姿勢を90°変更させた状態で、
図1(c)に示すように、既にリフタ12上にある物品Aの隣に移動させる。続けて、第3プッシャ18と規制部材20とで並んだ2つの物品Aを挟み込み、それら2つの物品Aの位置詰めや、リフタ12上での2つの物品Aの位置調整を行う。これにより、リフタ12上には、1段2列で物品Aが集積された状態となる。
【0032】
その後、必要ならばリフタ12の高さを第2の搬送手段50の高さに合わせ、その状態で第2プッシャ16によって、リフタ12上の2つの物品Aを同時にX正方向へと押していき、
図2(a)に示すように、第2の搬送手段50の一対の搬送板52、54の間へ移動させる。更に、
図2(b)に示すように、第2の搬送手段50により、一対の搬送板52、54の間に載置された物品AをY正方向へ移動させ、梱包のための梱包位置56まで移送する。そして、本実施形態では、梱包位置56において第4プッシャ60により物品AをX正方向へと押し、梱包位置56の側方で待機しているダンボール箱Cの内部へと収容する。同時に、リフタ12上での物品Aの次の集積作業のために、第2プッシャ16及び第3プッシャ18を退避位置へと移動させると共に、規制部材20を第1の搬送手段40の比較的近くまで移動させて、
図1(a)と同様の配置にする。以降は、上記の作業を繰り返すことで、1段2列での物品Aの集積及びその状態での梱包を順次行っていくこととなる。
【0033】
次に、
図3及び
図4の実施形態では、まず
図3(a)に示すように、リフタ12が第1の搬送手段40の待機位置42と同じ高さに移動され、第2プッシャ16及び第3プッシャ18が退避位置にあり、規制部材20がリフタ12上でリフタ12のY正方向側の端部近傍に移動されている。この際の規制部材20のY方向の位置は、物品AのY方向の大きさや集積するY方向の列数などに基づいて設定される。この状態で、第1プッシャ14をY正方向に移動させ、待機位置42にある物品Aを押すことで、物品Aをリフタ12上で規制部材20に接触するまで移動させる。更に、次に待機位置42まで運ばれた物品Aを、一端退避位置まで戻した第1プッシャ14によりY正方向に押すことで、先にリフタ12上に移動された物品Aに接触するまでリフタ12上で移動させる。このようにして2つの物品Aがリフタ12上に移動された状態が、
図3(a)に示されている。
【0034】
続いて、
図3(b)に示すように、リフタ12をその上に載置された物品A及び規制部材20と共に、下方向(Z逆方向)へ移動させ、このとき、リフタ12上の物品Aの上端位置が、搬送手段40の待機位置42と同じ高さになるまで移動させる。この状態で、上記と同様に、第1プッシャ14をY正方向に移動させ、次に待機位置42まで運ばれた物品Aを押すことで、既にリフタ12上にある2つの物品Aの上を滑らせながら、規制部材20に接触するまで移動させる。これにより、既にリフタ12上に載置されている2つの物品Aのうち、Y正方向側の物品Aの上に、物品Aが積み重ねられた状態になる。更に、次に待機位置42まで運ばれた物品Aを、一端退避位置まで戻した第1プッシャ14によりY正方向に押すことで、既にリフタ12上に載置されているY逆方向側の物品Aの上を滑らせながら、先に積み重ねられた物品Aに接触するまで移動させる。これにより、リフタ12上には、2段2列で物品Aが集積された状態となる。
【0035】
続けて、
図3(c)に示すように、リフタ12の高さが第2の搬送手段50の高さに合うまでリフタ12を下方向に移動させ、第3プッシャ18と規制部材20とでリフタ12上の4つの物品Aを挟み込み、それら4つの物品Aの位置詰めや、リフタ12上での4つの物品Aの位置調整を行う。その後、第2プッシャ16によって、リフタ12上の4つの物品Aを同時にX正方向へと押していき、
図4(a)に示すように、第2の搬送手段50の一対の搬送板52、54の間へ移動させる。更に、
図4(b)に示すように、第2の搬送手段50により、一対の搬送板52、54の間に載置された物品AをY正方向へ移動させ、梱包のための梱包位置56まで移送する。そして、本実施形態では、梱包位置56において第4プッシャ60により物品AをX正方向へと押し、梱包位置56の側方で待機しているダンボール箱Cの内部へと収容する。同時に、リフタ12上での物品Aの次の集積作業を始めてもよい。以降は、上記の作業を繰り返すことで、2段2列での物品Aの集積及びその状態での梱包を順次行っていくこととなる。
【0036】
ここで、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10は、
図1~
図4に示した構成に限定されるものではなく、別の構成であってもよい。例えば、第1プッシャ14又は第3プッシャ18と第2プッシャ16とでのみ位置調整などが行えるならば、規制部材20がなくてもよい。又、
図1及び
図2の実施形態において、リフタ12上に移動させた物品Aの隣に更に物品Aを移動させ、第1の搬送手段40で移送された状態から姿勢を90°変えて、1段3列で物品Aを集積してもよい。更に、
図3及び
図4の実施形態において、リフタ12上に移動させた4つの物品Aの隣や上に更に物品Aを移動させ、2段3列や3段2列で物品Aを集積してもよい。加えて、第1の搬送手段40で移送された状態から姿勢を90°変更した物品Aを、積み重ねて集積してもよい。すなわち、このような物品Aの集積形態は、集積する物品Aの形状や大きさなどに応じて任意に設定してよい。又、第1の搬送手段40と第2の搬送手段50との位置関係も、
図1~
図4に示されたものに限定されず、例えば、より大きい又はより小さい高さの差があってもよく、高さの差がなくてもよい。更に、第1の搬送手段40及び第2の搬送手段50の夫々の構成要素も任意である。
【0037】
さて、上記構成をなす本発明の第1の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10は、
図1~
図4に示すように、第1の搬送手段40によって順次運ばれてくる物品Aを、集積させた状態で第2の搬送手段50へ受け渡すものであり、リフタ12、第1プッシャ14、第2プッシャ16、及び第3プッシャ18を含んでいる。リフタ12は、その上に物品Aを載置した状態でZ方向に沿って上下動可能なものであって、第1の搬送手段40と第2の搬送手段50との双方に隣接して設置される。すなわち、リフタ12は、隣接する第1の搬送手段40から物品Aを受けるための適切な高さや、隣接する第2の搬送手段50へ物品Aを渡すための適切な高さなどに、自在に高さを変えることができる。第1プッシャ14は、第1の搬送手段40によりその待機位置42まで運ばれた物品Aを、第1の搬送手段40に隣接するリフタ12へ向かって押すことで、リフタ12上に物品Aを移動させるものである。
【0038】
又、第2プッシャ16は、リフタ12上にある物品Aを押すことで、リフタ12から第2の搬送手段50上へ物品Aを移動させるものであり、この際、平面視で第1プッシャ14による物品Aの移動方向と直交する方向へ物品Aを移動させる。すなわち、第1の搬送手段40と第2の搬送手段50とは、リフタ12を中心とした平面視で、一方がリフタ12の上側又は下側に位置し、他方がリフタ12の右側又は左側に位置するような関係にあり、互いに干渉しないようになっている。又、第3プッシャ18は、リフタ12上に移動された物品Aを、第1プッシャ14による物品Aの移動方向と同じY正方向に移動させるものである。このため、リフタ12上に既に移動されている物品Aの、第1プッシャ14による移動方向と同じY正方向への位置調整や位置詰めなどを行うことができる。
【0039】
そして、集積装置10は、第1の搬送手段40からリフタ12へ物品Aが移動されるときに、第1の搬送手段40の待機位置42に対するリフタ12の高さが調整されることで、リフタ12における物品Aの集積形態が調整されるものである。このため、リフタ12の高さの調整によって、物品Aの大きさや形状などに応じて設定される任意の集積形態で物品Aを集積させることができる。更に、第1の搬送手段40から第2の搬送手段50に移載する間に、物品Aを、少なくとも第1プッシャ14及び第3プッシャ18と第2プッシャ16とによって、互いに直交する2方向に押すことができる。このとき、既にリフタ12上に移動された物品Aであっても、第2プッシャ16と第3プッシャ18とによって、位置詰めや位置調整を行うことができる。
【0040】
これにより、物品Aを整えた状態で集積させることができ、意図した集積形態で集積する集積精度を向上することが可能となる。又、第1の搬送手段40からリフタ12への物品Aの移載やリフタ12上での物品Aの集積作業と、第2の搬送手段50による例えば梱包装置などへの集積された物品Aの移動とは、別個に行うことができるため、それらの作業を効率よく行うことができる。しかも、第1の搬送手段40から第2の搬送手段50への物品Aの受け渡し及び集積を、プッシャ14、16、18及びリフタ12という単純な構成による単純な作業で実現することができる。このため、物品Aの集積を伴う一連の作業の速度を向上することができると共に、装置構成の簡略化を図ることが可能となる。
【0041】
又、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10は、
図1に示すように、第1プッシャ14により第1の搬送手段40からリフタ12へ物品Aが移動されるときに、リフタ12が第1の搬送手段40の待機位置42よりも低い位置に移動されていてもよい。その際のリフタ12の高さ位置は、物品Aの形状や大きさなどが考慮されて、第1プッシャ14によって押される物品Aが、待機位置42から離れるにつれて徐々に傾き、それによって物品Aが回転しながらリフタ12上へ落下して、物品Aの姿勢が待機位置42での姿勢から90°変更されるような高さ位置に設定される。これにより、第1の搬送手段40で移送された物品Aの姿勢から、リフタ12の方向に90°回転した姿勢で物品Aを集積させることができ、物品Aの形状に応じた集積に適した姿勢で集積させることができる。
【0042】
ここで、
図1及び
図2のような構成では、リフタ12が第1の搬送手段40の待機位置42よりも低い位置に移動されているため、第1プッシャ14によって待機位置42からリフタ12上へ落下させた後の物品Aの移動を、そのまま続けて第1プッシャ14によって行うことができない。しかしながら、既にリフタ12上に載置された物品Aを対象とした、第1プッシャ14による物品Aの移動方向と同じY正方向の移動は、第3プッシャ18によって行うことができる。このため、そのような移動を第3プッシャ18により行うことで、姿勢を変化させた物品Aを詰めてその隣に更に物品Aを落下させることや、第2の搬送手段50へ物品Aを移動する前の位置の微調整などを行うことができ、物品Aをより綺麗に整えることが可能となる。しかも、
図1(a)のような退避位置にある第3プッシャ18の面取り部18aにより、リフタ12上へ落下する物品Aの回転を促すこともできる。
【0043】
更に、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10は、
図3に示すように、第1プッシャ14により第1の搬送手段40からリフタ12へ物品Aが移動されるときに、リフタ12上に既に移動されている物品Aの上端位置が、第1の搬送手段40の待機位置42の高さに一致するように、リフタ12の高さが調整されていてもよいものである。この状態で待機位置42にある物品Aが第1プッシャ14により押されると、既にリフタ12上に載置されている物品AのY方向についての列数に応じて、既にリフタ12上に載置されている物品Aの上を移動してそのような物品Aの隣の物品A上に積み重ねられるか、或いは、既にリフタ12上に載置されている物品A上に直接積み重ねられる。このため、リフタ12の高さの調整によって、任意の段数で積み重ねた状態での、物品Aの集積を実現することができる。
【0044】
加えて、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10は、
図1~
図4に示すように、リフタ12上に移動されている物品Aの、第1プッシャ14による物品Aの移動方向(Y正方向)についての位置を規制する規制部材20を更に含むものである。これにより、第1プッシャ14によって移動される物品Aの行き過ぎや、第3プッシャ18によって移動される物品Aの行き過ぎを防止することができる。更に、リフタ12に物品Aを移動させる際に、第1プッシャ14と規制部材20とで物品Aを挟み込むことで、物品Aをより綺麗に整えた状態で移動させることができると共に、位置の微調整などを行うことが可能となる。又、既にリフタ12に移動された物品Aを、第3プッシャ18と規制部材20とで挟み込むことで、この場合においても、物品Aをより綺麗に整えた状態で集積させることができると共に、位置の微調整などを行うことが可能となる。
【0045】
続いて、
図5~
図10を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る集積装置10´について説明する。
図5~
図10において、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10と同一部分、若しくは相当する部分については、同一の符号を付している。なお、本発明の第2の実施の形態に係る集積装置10´について、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10との相違部分のみ説明をすることとし、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10と同様の部分の構成や作用効果については、説明を省略する。
まず、
図5~
図10に示されているように、本発明の第2の実施の形態に係る集積装置10´は、リフタ12がY方向に2つに分割されている点が、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10と大きく異なっている。
【0046】
すなわち、リフタ12は、第1の搬送手段40に隣接する第1リフタ12aと、第1リフタ12aのY正方向側に隣接する第2リフタ12bとに分割されており、それらの間にX方向に延びる隙間G(
図6(c)、
図7(b)参照)が形成されている。そして、
図5~
図10には、
図1~
図4では図示を省略していた、第2プッシャ16をX方向に移動するように支持するアーム状の支持部材24が図示されており、この支持部材24が、第2プッシャ16を移動させる際に、第1リフタ12aと第2リフタ12bとの間の隙間Gを通るようになっている。また、第1リフタ12a及び第2リフタ12bと、第2の搬送手段50との間には、第2の搬送手段50と同じ高さに、橋渡し部材64が設置されており、第1リフタ12aと第2リフタ12bとの間の隙間GからX正方向に続くようにして、橋渡し部材64にもY方向に分断する隙間が設けられている。
【0047】
更に、
図5~
図8の実施形態のリフタ12は、第1リフタ12aと第2リフタ12bとが、Z方向に沿って個別に上下動すると共に、第2リフタ12bが、Y方向及びZ方向について傾斜するようになっている。すなわち、第2リフタ12bは、特に
図6(c)で確認できるように、Y方向について、第1リフタ12a側(図中右側)の端部が、その反対側(図中左側)の端部よりも高くなる(Z正方向に位置する)ように傾斜する。このような第2リフタ12bの傾斜は、例えばシリンダなどを含む傾斜機構26によって実現される。また、規制部材20が、集積装置10の場合と同様に、リフタ12と共にZ方向に上下動可能、かつ、リフタ12の物品載置面に沿ってY方向に移動可能に設けられているが、この規制部材20は、傾斜した状態の第2リフタ12b上に載置された物品Aを支えるサポート部材22としての役割も担っている。
【0048】
次に、
図5~
図10を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10と異なる点を中心に、本発明の第2の実施の形態に係る集積装置10´の具体的な動作について説明する。なお、
図5~
図8には、
図1及び
図2と同様に、第1の搬送手段40により待機位置42まで運ばれた状態で、X方向及びY方向の大きさが比較的大きく、Z方向の大きさが比較的小さい、大略直方体をなす袋体(物品A)が、1段2列の集積形態で集積される様子が示されている。又、
図9及び
図10には、
図3及び
図4と同様に、第1の搬送手段40により待機位置42まで運ばれた状態で、X方向の大きさが比較的大きく、Y方向及びZ方向の大きさが比較的小さい、大略直方体をなす袋体(物品A)が、2段2列の集積形態で集積される様子が示されている。
【0049】
図5~
図8の実施形態では、まず
図5(a)に示すように、リフタ12が第1の搬送手段40よりも低い高さに移動され、第2プッシャ16及び第3プッシャ18が退避位置にあり、規制部材20がリフタ12上で第1リフタ12aと第2リフタ12bとの間の近傍まで移動されている。更に、傾斜機構26によって第2リフタ12bが傾斜され、第2リフタ12bのY逆方向側の端部の高さが第1リフタ12aと同じ高さに合わされた状態で、それらの高さよりも第2リフタ12bのY正方向側の端部の高さが低くなっている。この状態で、
図5(b)に示すように、第1プッシャ14をY正方向に移動させ、待機位置42にある物品Aを押すことで、第3プッシャ18の面取り部18aにより物品Aの回転を促しながら、待機位置42にあったときから姿勢を90°変更させて、物品Aを第1リフタ12a上に移動させる。
【0050】
続けて、
図5(c)に示すように、第3プッシャ18とサポート部材22とで物品Aを挟み込んだ状態で、第1リフタ12a上の物品AをY正方向へ移動させ、そのまま第2リフタ12b上まで移動させる。すると、第2リフタ12bが傾斜していることから、物品Aがサポート部材22により支えられながら第2リフタ12b上でY正方向側に傾斜した状態になる(
図6(c)の左側の物品A参照)。その後、
図6(a)に示すように、第3プッシャ18を退避位置まで戻すことで、第1リフタ12a上に、次に移動される物品Aのためのスペースを確保する。そして、図示のように既に待機位置42まで搬送された物品Aを、
図5(b)の場合と同様に第1プッシャ14により押すことで、待機位置42にあったときから姿勢を90°変更させた状態で、
図6(b)及び(c)に示すように、第2リフタ12b上の物品Aの隣の第1リフタ12a上に移動させる。
【0051】
更に、傾斜機構26によって第2リフタ12bを傾斜状態から水平状態にすると共に、第1リフタ12a及び第2リフタ12bの高さを橋渡し部材64と同じ高さにすることで、
図7(a)及び(b)に示すように、リフタ12上の2つの物品Aを隣接させる。このとき、第3プッシャ18とサポート部材22とで並んだ2つの物品Aを挟み込み、それら2つの物品Aの位置詰めや、リフタ12上での2つの物品Aの位置調整を行ってもよい。これにより、リフタ12上には、1段2列で物品Aが集積された状態となる。その後、第2プッシャ16によってリフタ12上の2つの物品Aを同時にX正方向へと押していき、
図7(c)に示すように、橋渡し部材64上を通して第2の搬送手段50の一対の搬送板52、54の間まで移動させる。この際、第2プッシャ16を支持する支持部材24を、第1リフタ12aと第2リフタ12bとの間の隙間Gを通して移動させる。
【0052】
そして、
図8に示すように、第2の搬送手段50により、一対の搬送板52、54の間に載置された物品AをY正方向へ移動させ、例えば
図2(b)に示したように、梱包のための梱包位置56まで移送させた後、第4プッシャ60により物品AをX正方向へと押してダンボール箱Cの内部へと収容してもよい。同時に、リフタ12上での物品Aの次の集積作業のために、リフタ12、第2プッシャ16、第3プッシャ18、及びサポート部材22を、
図5(a)と同様の配置にする。以降は、上記の作業を繰り返すことで、1段2列での物品Aの集積及びその状態での梱包を順次行っていくこととなる。
【0053】
次に、
図9及び
図10の実施形態について説明するが、この実施形態では第2リフタ12bの傾斜が不要なため、傾斜機構26の図示を省略している。まず
図9(a)に示すように、リフタ12(第1リフタ12a及び第2リフタ12b)を第1の搬送手段40の待機位置42と同じ高さに移動する。そして、第1の搬送手段40によって待機位置42まで搬送された物品Aを、第1プッシャ14により押してリフタ12上に移動させ、更にその隣に次に搬送された物品Aを移動させることで、リフタ12上に2つの物品AをY方向に並べて載置する。
【0054】
続いて、
図9(b)に示すように、リフタ12をその上に載置された物品A及び規制部材20(サポート部材22)と共に、下方向(Z逆方向)へ移動させ、このとき、リフタ12上の物品Aの上端位置が、搬送手段40の待機位置42と同じ高さになるまで移動させる。この状態で、上記と同様に、待機位置42まで運ばれた物品Aを2つ続けて第1プッシャ14により押すことで、既にリフタ12上にある2つの物品Aの上に、2つの物品Aを載置する。これにより、リフタ12上には、2段2列で4つの物品Aが集積された状態となる。この際、必要に応じて、第3プッシャ18と規制部材20とでリフタ12上の4つの物品Aを挟み込み、それら4つの物品Aの位置詰めや、リフタ12上での4つの物品Aの位置調整を行ってもよい。
【0055】
続けて、
図9(c)に示すように、リフタ12(第1リフタ12a及び第2リフタ12b)の高さが橋渡し部材64の高さに合うまで、リフタ12を下方向に移動させる。そして、
図10(a)に示すように、第2プッシャ16によって、リフタ12上の4つの物品Aを同時にX正方向へと押していき、第2の搬送手段50の一対の搬送板52、54の間へ移動させる。このとき、第2プッシャ16を支持する支持部材24を、第1リフタ12aと第2リフタ12bとの間の隙間Gを通して移動させる。更に、物品Aを第2の搬送手段50まで移動させたら、第2プッシャ16及び支持部材24をX逆方向側へと少し戻し、第2プッシャ16が橋渡し部材64の上方に位置するようにする。
【0056】
そして、
図10(b)に示すように、第2の搬送手段50により、一対の搬送板52、54の間に載置された物品AをY正方向へ移動させるのと同時に、次の集積作業に備えて、支持部材24を第1リフタ12aと第2リフタ12bとの間の隙間Gに通しながら、リフタ12を上昇させる。そのまま、
図10(c)に示すように、リフタ12を第1の搬送手段40の待機位置42と同じ高さまで移動させる。また、第2の搬送手段50上の物品Aは、例えば
図4(b)に示したように、梱包のための梱包位置56まで移送させた後、第4プッシャ60により物品AをX正方向へと押してダンボール箱Cの内部へと収容してもよい。更に、リフタ12の下方を通して第2プッシャ16を退避位置まで戻し、リフタ12上では次の集積作業を開始する。以降は、上記の作業を繰り返すことで、2段2列での物品Aの集積及びその状態での梱包を順次行っていくこととなる。
【0057】
さて、上記構成をなす本発明の第2の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の第2の実施の形態に係る集積装置10´は、
図5~
図10に示すように、物品Aが載置されるリフタ12が、第1プッシャ14による物品Aの移動方向(Y方向)について、第1リフタ12aと第2リフタ12bとの2つに分割されたものである。すなわち、第1リフタ12aは、第1の搬送手段40に隣接して、その第1の搬送手段40から移動される物品Aを直接受けるような位置に設けられ、第2リフタ12bは、第1リフタ12aの、第1の搬送手段40側とは反対側(Y正方向側)に隣接して設けられる。このため、第1リフタ12aと第2リフタ12bとの間には、平面視で第1プッシャ14による物品Aの移動方向と直交する方向(X方向)へ延在する隙間Gが形成され、この隙間Gの延在方向は、リフタ12上の物品Aを第2の搬送手段50へと移動させる第2プッシャ16の移動方向と同じ方向である。
【0058】
これにより、このような第1リフタ12aと第2リフタ12bとの間の隙間Gを通るように、第2プッシャ16を支持するアームなどの支持部材24を設けることで、支持部材24が第1リフタ12aや第2リフタ12bの上下移動に干渉することを防止することができる。従って、例えば
図10に示すように、第1リフタ12a及び第2リフタ12bが第2の搬送手段50と同じ高さまで移動された状態で、第2プッシャ16が物品Aの移動のために第2の搬送手段50の方へ移動され、第2プッシャ16の支持部材24が第1リフタ12aと第2リフタ12bとの間に位置していても、支持部材24に干渉することなく、第1リフタ12a及び第2リフタ12bを上下移動させることができる。これにより、第1リフタ12a及び第2リフタ12bを移動させる前に、第2プッシャ16を元の位置に戻す工程を単独で行う必要がなくなり、第2プッシャ16を退避位置へ戻すのを待たずに、リフタ12を移動させることができる。従って、第1リフタ12a及び第2リフタ12bを移動させた後に、第2プッシャ16を元の位置に戻す工程を他の工程と組み合わせて行うことができるため、物品Aの集積を伴う一連の作業の速度をより向上させることができる。
【0059】
更に、本発明の第2の実施の形態に係る集積装置10´は、
図5~
図8に示すように、リフタ12を構成する第1リフタ12a及び第2リフタ12bが、個別に上下動するように設けられ、高さ位置が互いに異なるようにも調整可能になっている。また、そのうちの第2リフタ12bは、少なくとも第1リフタ12a側(Y逆方向側)の端部よりもその反対側の端部が下方に位置するように、傾斜可能に設けられるものである。更に、第2リフタ12bの近傍には、第2リフタ12b上の物品Aを、第1リフタ12a側とは反対側から支えるようにサポート部材22が設けられている。このため、例えば、上述した態様で第2リフタ12bが傾斜され、その第2リフタ12bの第1リフタ12a側の端部の高さ位置に合わせて第1リフタ12aが配置されると、第1リフタ12a上の物品Aが第3プッシャ18などにより第2リフタ12bの方へ押されて、サポート部材22により支えられながら傾斜した状態で第2リフタ12b上に載置されることになる。
【0060】
これにより、物品Aが特に高さ方向に比較的大きくなる姿勢で第1リフタ12a上に載置される場合でも、第2リフタ12b上に移動された後は、物品Aの上方が第1リフタ12a側とは反対側に傾斜した状態でサポート部材22により支えられるため、物品Aを第1リフタ12a側に倒すことなく安定して支えることができ、物品Aの集積の安定性を向上させることが可能となる。しかも、物品Aが第1リフタ12aから第2リフタ12bに移動されると、それによって空いた第1リフタ12a上のスペースだけでなく、第2リフタ12b上の物品Aが傾斜していることで形成される第2リフタ12bの第1リフタ12a側端部上方のスペースも確保することができる。このため、特に物品Aを第1の搬送手段40の待機位置42から落下させてリフタ12上へ移動させる場合には、物品Aが第1リフタ12aへ落下する際の間口を広く確保することができ、集積の安定性をより向上させることが可能となる。
【0061】
なお、本発明の第2の実施の形態に係る集積装置10´は、
図5~
図8に示したような縦入れの態様で物品Aを集積する場合と、
図9及び
図10に示したような平積みの態様で物品Aを集積する場合とで、構成部材を交換する必要はなく、動作制御のみで切り替え可能なものである。この点は、
図1~
図4に示した本発明の第1の実施の形態に係る集積装置10も同様である。
【符号の説明】
【0062】
10:集積装置、12:リフタ、12a:第1リフタ、12b:第2リフタ、14:第1プッシャ、16:第2プッシャ、18:第3プッシャ、20:規制部材、22:サポート部材、40:第1の搬送手段、42:待機位置、50:第2の搬送手段、A:物品