(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】サーバおよびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20231121BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20231121BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q30/0601
(21)【出願番号】P 2023095587
(22)【出願日】2023-06-09
【審査請求日】2023-06-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517287224
【氏名又は名称】17LIVE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100199277
【氏名又は名称】西守 有人
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 彩乃
(72)【発明者】
【氏名】倉重 健
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特許第7164856(JP,B1)
【文献】特表2012-525076(JP,A)
【文献】TikTokのバトルとは?やり方を紹介! ,[online],2022年09月19日,[2023年8月24日検索],インターネット <URL:https://aprico-media.com/posts/8859>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
視聴者による、第1販売対象に関連付けられた第1ライブ配信の選択を受け付ける機能と、
前記第1ライブ配信の動画像を表示する第1領域と、
前記第1販売対象と同じまたは対応する第2販売対象に関連付けられた第2ライブ配信の動画像を表示する第2領域と、
前記第1ライブ配信を通じた前記第1販売対象の注文の量を表す第1指標と前記第2ライブ配信を通じた前記第2販売対象の注文の量を表す第2指標とを関連付けて表示する第3領域と、
前記第1販売対
象のみが注文可能なように設定されたオブジェクトと、を含む配信画面をディスプレイに表示させる機能
と、を端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項2】
前記視聴者による前記オブジェクトの指定が検出されると、前記第1販売対象を注文するための処理を実行する機能をさらに前記端末に実現させる請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項3】
所定のタイミングで前記ディスプレイに前記配信画面の表示を開始させる機能と、
前記視聴者による前記オブジェクトの指定が検出されると、前記視聴者が視聴している前記第1ライブ配信を特定する情報と前記第1販売対象を特定する情報とを含む信号を生成し、ネットワークを介してサーバに送信する機能と、
所定の終了条件が充たされた場合に前記第1指標と前記第2指標とに基づき
前記サーバによって決定される勝負の結果を前記ディスプレイに表示させる機能と、をさらに前記端末に実現させ、
前記サーバは、前記
信号を受信すると前記第1指標
を更新する請求項
1に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記配信画面に関連する前記勝負が終わると、前記第1ライブ配信の動画像を表示するが前記第2ライブ配信の動画像は表示しない別の配信画面を前記ディスプレイに表示させる機能をさらに前記端末に実現させる請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
第1販売対象に関連付けられた第1ライブ配信に係る動画データの、第1配信者端末から
前記第1ライブ配信の第1視聴者の第1視聴者端末への伝送を中継し、かつ、前記第1販売対象と同じまたは対応する第2販売対象に関連付けられた第2ライブ配信に係る動画データの、第2配信者端末から前記
第1視聴者端末への伝送を中継
し、かつ、前記第1ライブ配信に係る動画データの、前記第1配信者端末から前記第2ライブ配信の第2視聴者の第2視聴者端末への伝送を中継し、かつ、前記第2ライブ配信に係る動画データの、前記第2配信者端末から前記第2視聴者端末への伝送を中継する手段と、
前記第1視聴者端末において前記第1販売対象を注文するための動作が検出されることにより生成される第1信号を前記第1視聴者端末から受信すると、前記第1ライブ配信を通じた前記第1販売対象の注文の量を表す第1指標を更新し、かつ、
前記第2視聴者端末において前記第2販売対象を注文するための動作が検出されることにより生成される第2信号を前記第2視聴者端末から受信すると、前記第2ライブ配信を通じた前記第2販売対象の注文の量を表す第2指標を更新する手段と、
前記第1ライブ配信の第1配信者と前記第2ライブ配信の第2配信者とで注文の量により勝敗を決する勝負に係る所定の終了条件が充たされた場合に前記第1指標と前記第2指標とに基づき
前記勝負の結果を決定する手段と、を備えるサーバ。
【請求項6】
複数の配信者の複数の動画像を所定のレイアウトで並べて表示する第1領域と、
前記複数の配信者のうちのひとりの配信者が販売するまたは販売を仲介する販売対象を注文するためのオブジェクトと、を含む配信画面をディスプレイに表示させる機能を端末に実現させるためのコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記複数の配信者のうちの
前記ひとり
の配信者は前記販売対象の受注側の配信者である請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記配信画面は前記第2販売対象を注文できないように構成される請求項1に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバおよびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ライブコマース(Live Commerce)とは、ライブ配信とEC(E-Commerce)とを組み合わせた新しい接客・販売手法である。ライブコマースによると、場所にとらわれず、実店舗で行うような購買体験をユーザに提供することができる(特許文献1、2、非特許文献1参照)。
【0003】
従来のライブコマースではひとりの配信者がライブ配信で商品を販売する形態がとられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2021/106034号パンフレット
【文献】特開2019-109785号公報
【非特許文献】
【0005】
【文献】「ライブコマースについて」、SHOWROOM Inc.、URL:https://support.showroom-live.com/hc/ja/articles/900006084866-%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96%E3%82%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6
【文献】「「VS機能」を使いこなす方法!」、17LIVE株式会社、URL:https://jp.17.live/userguide/19206/
【文献】「最大6名まで参加可能な無料グループ通話機能 ”Group Call”を遂に提供開始!!」、17LIVE株式会社、URL:https://jp.17.live/news/11655/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は以下の課題を見出した。
ライブ配信は配信者同士を場所の制約を超えて結びつけるものである(例えば、非特許文献2、3参照)。ライブコマースはこのライブ配信の特徴を活かし切れていない。
【0007】
本開示はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ライブコマースにおいて配信者間のやりとりを活性化することでライブコマースをより盛り上げることができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある態様は、コンピュータプログラムに関する。このコンピュータプログラムは、第1販売対象に関連付けられた第1ライブ配信の動画像を表示する第1領域と、第1販売対象と同じまたは対応する第2販売対象に関連付けられた第2ライブ配信の動画像を表示する第2領域と、第1ライブ配信を通じた第1販売対象の注文の量を表す第1指標と第2ライブ配信を通じた第2販売対象の注文の量を表す第2指標とを関連付けて表示する第3領域と、第1販売対象または第2販売対象を注文するためのオブジェクトと、を含む配信画面をディスプレイに表示させる機能を端末に実現させる。
【0009】
本発明の別の態様は、サーバである。このサーバは、第1販売対象に関連付けられた第1ライブ配信に係る動画データの、第1配信者端末から視聴者端末への伝送を中継し、かつ、第1販売対象と同じまたは対応する第2販売対象に関連付けられた第2ライブ配信に係る動画データの、第2配信者端末から視聴者端末への伝送を中継する手段と、第1ライブ配信を通じて第1販売対象を注文するための動作が検出されると、第1指標を更新し、かつ、第2ライブ配信を通じて第2販売対象を注文するための動作が検出されると、第2指標を更新する手段と、所定の終了条件が充たされた場合に第1指標と第2指標とに基づき勝負の結果を決定する手段と、を備える。
【0010】
本発明の別の態様は、コンピュータプログラムである。このコンピュータプログラムは、複数の配信者の複数の動画像を所定のレイアウトで並べて表示する第1領域と、販売対象を注文するためのオブジェクトと、を含む配信画面をディスプレイに表示させる機能を端末に実現させる。
【0011】
本発明の別の態様は、サーバである。このサーバは、配信者の端末からネットワークを介して、同じ画面で配信者と一緒にライブ配信を行うための招待を他の配信者に送信することを求める要求を受信する手段と、同じ画面に関連付けられる販売対象を設定する手段と、を備える。
【0012】
本発明の別の態様は、サーバである。このサーバは、販売対象に関連付けられたライブ配信を提供する手段と、ライブ配信を通じた販売対象の注文の量を表す指標にしたがって、販売対象ごとにまたは販売対象の販売元ごとに配信者の順位を決めることでランキングを生成する手段と、を備える。
【0013】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ライブコマースにおいて配信者間のやりとりを活性化することでライブコマースをより盛り上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態に係るライブコマースシステムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1のユーザ端末の機能および構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のLCサーバの機能および構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3の配信情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図5】
図3のユーザ情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図6】
図3のVS情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図7】
図3のイベント情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図8】
図3の販売履歴保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図9】
図3のランキング情報保持部の一例を示すデータ構造図である。
【
図10】VSLC配信における一連の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】配信者のユーザ端末のディスプレイに表示されるVSLC配信設定画面の代表画面図である。
【
図12】VSLC配信の視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される同時LC配信画面の代表画面図である。
【
図13】VSLC配信の視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される、勝負の結果を示すオブジェクトが重畳表示された同時LC配信画面の代表画面図である。
【
図14】視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるLC配信画面の代表画面図である。
【
図15】ユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるランキング表示画面の代表画面図である。
【
図16】配信者のユーザ端末のディスプレイに表示されるグループコールLC配信設定画面の代表画面図である。
【
図17】グループコールLC配信の視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される同時LC配信画面の代表画面図である。
【
図18】本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理、信号には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0017】
図1は、実施の形態に係るライブコマースシステム1の構成を示す模式図である。ライブコマースシステム1は、販売対象の商品および/または役務(以下、単に販売対象と称す)の販売を目的として行われるライブ配信(以下、LCライブ配信と称す)を提供する。LCライブ配信は、配信者(ライバー、ストリーマ(Streamer)ともいう)LVと視聴者(オーディエンスともいう)AUとがリアルタイムでやりとりできる双方向型のライブ配信である。ライブコマースシステム1は、LC(ライブコマース)サーバ10と、配信者(LV1、LV2、…)側のユーザ端末20(20a、20b、…)と、視聴者(AU1、AU2、…)側のユーザ端末30(30a、30b、…)と、を備える。配信者および視聴者をユーザと総称することがある。LCサーバ10、配信者側のユーザ端末20および視聴者側のユーザ端末30はインターネットなどのネットワークNWにより互いに通信可能に接続される。LCサーバ10は、ネットワークNWに接続された一または複数の情報処理装置によって構成されてもよい。ユーザ端末20、30は、例えばスマートフォンやタブレット型端末やラップトップPCやレコーダや携帯型ゲーム機やウェアラブル装置などの携帯端末であってもよいし、例えばデスクトップPCなどの据え置き型の装置であってもよい。
【0018】
ライブコマースシステム1には、販売対象の紹介と販売または販売仲介とを行う配信者LVと、販売対象の注文と購入手続きとを行う視聴者AUと、LCサーバ10を管理する管理者(不図示)と、が関与する。配信者LVは、自身が販売対象を紹介する様子を自身のユーザ端末20で録音・録画してそのままLCサーバ10にアップロードすることで、リアルタイムにコンテンツを発信する者である。管理者は、LCサーバ10においてLCライブ配信のためのLCプラットフォームを提供し、また、配信者LVと視聴者AUとのリアルタイムのやりとりおよび販売対象の発注・受注・決済処理を仲介または管理する。視聴者AUは、ユーザ端末30でプラットフォームにアクセスして所望のLCライブ配信を選択し、視聴する。このLCライブ配信中に視聴者AUがユーザ端末30を介して販売対象に関する質問をコメントし、配信者LVがその質問に口頭で回答し、当該回答が映像および/または音声で視聴者AUに伝わることで、双方向のコミュニケーションが成立する。
【0019】
本明細書において「ライブ配信」は、配信者LVのユーザ端末20で録音・録画されたコンテンツが実質的にリアルタイムで視聴者AUのユーザ端末30で再生され視聴可能となる状態を実現するデータの伝送態様を意味するものであってもよく、またはそのような伝送態様により実現される配信そのものを意味してもよい。ライブ配信は、HTTP Live StreamingやCommon Media Application FormatやWeb Real-Time CommunicationsやReal-Time Messaging ProtocolやMPEG DASHなどの既存のライブ配信技術を用いて実現されてもよい。ライブ配信は、配信者LVがコンテンツを録音・録画しているときに、視聴者AUが所定の遅延をもって当該コンテンツを視聴可能な伝送態様を含む。遅延の大きさについて、少なくとも、配信者LVと視聴者AUとのやりとりが成立する程度の大きさの遅延は許される。ただし、ライブ配信は、コンテンツを録音・録画したデータ全体をいったんサーバに保存し、その後の任意のタイミングでユーザからの求めに応じて当該データをサーバからユーザに提供するいわゆるオンデマンド型の配信とは区別される。
【0020】
本明細書において「動画データ」は、ユーザ端末20、30の撮像機能により生成される画像データ(ビデオデータともいう)と、ユーザ端末20、30の音声入力機能により生成される音声データ(オーディオデータともいう)と、を含むデータである。動画データは、ユーザ端末20、30で再生されることで、ユーザによるLCライブ配信の視聴を可能とする。本実施の形態では、動画データが配信者のユーザ端末で生成されてから視聴者のユーザ端末で再生されるまでの間に、圧縮や伸張や符号化や復号やトランスコーディングなどの、データの形式やサイズや仕様を変更する処理が行われることが想定されている。このような処理の前後で動画データが表す内容(例えば、動画像や音声)は実質的に変わらないので、本実施の形態ではそのような処理が行われた後の動画データはそのような処理が行われる前の動画データと同じであるとして説明する。すなわち、動画データが配信者のユーザ端末で生成されてからLCサーバ10を経由して視聴者のユーザ端末で再生される場合、配信者のユーザ端末で生成された動画データと、LCサーバ10を通過する動画データと、視聴者のユーザ端末で受信されて再生される動画データと、は全て同じ動画データである。
【0021】
本実施の形態では、それぞれが異なる配信者により異なるユーザ端末を介して行われる複数のLCライブ配信が、同じ一つの画面を通じて同時に視聴者に提供される。以下、この配信形態を同時LC配信と称す。同時LC配信に係る複数のLCライブ配信は、同じまたは対応する販売対象に関連付けられる。例えば、同時LC配信における複数のLCライブ配信では同じ販売対象の紹介と受注が行われる。対応する販売対象は、例えば製造元を同じくするまたは販売元を同じくする異なる複数の販売対象である。
【0022】
同時LC配信は、参加する配信者の間で競い合う性質のものであってもよいし、参加する配信者の間で協力し合う性質のものであってもよい。競い合う同時LC配信の例は、一方の配信者と他方の配信者とで、所定の対戦期間内の販売対象の売上または販売個数により勝敗を決するVSLC配信である。協力し合う同時LC配信の例は、販売対象の販売元または製造元から委託を受けた配信者がホストとなり、少なくともひとりの他の配信者をゲストとして招待し、ホストとゲストとの対話を通じて販売対象を紹介するグループコールLC配信である。グループコールLC配信では、LCサーバ10において視聴者はホストの視聴者として認識される。なお、上記の視聴者の認識は例であり、他の実施の形態では他の態様での視聴者の認識が可能である。
【0023】
図1の例では、配信者LV1および配信者LV2がVSLC配信に参加している。配信者LV1はLCライブ配信を行い、そのなかで販売対象を紹介している。配信者LV1のユーザ端末20aは配信者LV1の像および音声を録画・録音することで動画データを生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。配信者LV2はLCライブ配信を行い、そのなかで配信者LV1が紹介している販売対象と同じ販売対象を紹介している。配信者LV2のユーザ端末20bは配信者LV2の像および音声を録画・録音することで動画データを生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。
【0024】
配信者LV1のLCライブ配信または配信者LV2のLCライブ配信のいずれかの視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bはそれぞれ、ネットワークNWを介して配信者LV1のLCライブ配信に係る動画データ及び配信者LV2のLCライブ配信に係る動画データを受信し、受信した動画データを再生することでディスプレイに動画像VD1、VD2を表示させると共にスピーカーから音声を出力する。各ユーザ端末30a、30bで表示される動画像VD1、VD2は実質的に同一であり、配信者LV1のユーザ端末20aが撮像した動画像VDAを表示する領域と、配信者LV2のユーザ端末20bが撮像した動画像VDBを表示する領域と、を有する。動画像VDAおよび動画像VDBは視聴者のユーザ端末30において同時に再生され、ディスプレイにおいて同一の画面内に表示される。各ユーザ端末30a、30bで出力される音声は実質的に同一であり、配信者LV1のユーザ端末20aが取得した音声と、配信者LV2のユーザ端末20bが取得した音声と、を含む。配信者LV1のユーザ端末20aはネットワークNWを介して、配信者LV2の動画像VDBを受信し、配信者LV1の動画像VDAと共にディスプレイに表示させる。配信者LV2のユーザ端末20bはネットワークNWを介して、配信者LV1の動画像VDAを受信し、配信者LV2の動画像VDBと共にディスプレイに表示させる。
【0025】
各視聴者のユーザ端末30a、30bで表示される動画像VD1、VD2には、視聴者AU1、AU2が販売対象を注文するためのカートアイコン616が重畳表示される。視聴者AU1、AU2はVSLC配信のなかで、カートアイコン616をタップすることで販売対象を注文および/または購入することができる。
【0026】
配信者LVのユーザ端末20における録音・録画と、視聴者AUのユーザ端末30における動画データの再生と、は実質的に同時に行われる。配信者LV1による販売対象の紹介に応じてひとりの視聴者AU1がコメントをユーザ端末30aに入力すると、LCサーバ10は当該コメントをリアルタイムで配信者LV1のユーザ端末20aに表示させると共に、もうひとりの配信者LV2のユーザ端末20bおよび各視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bにも表示させる。当該コメントを読んだ配信者LV1がその内容に被せた紹介を展開すると、その紹介の動画像と音声が配信者LV2のユーザ端末20bおよび各視聴者AU1、AU2のユーザ端末30a、30bで出力され、これにより配信者LV1と視聴者AU1との会話が成立したと認識される。このように、ライブコマースシステム1では、一方通行でない双方向のコミュニケーションを可能とする同時LC配信が実現される。
【0027】
本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、同じまたは対応する販売対象を複数の配信者が同時に同じ画面で紹介、販売する同時LC配信が実現される。これにより、配信者同士の掛け合い、インタラクションから視聴者は販売対象について複数の視点からの多くの情報を得ることができるので、買い物体験の満足度が向上する。同時LC配信が競争的なものであれば、競争相手を同じ画面に迎えることにより配信者の緊張感やモチベーションが高まり、よりLCライブ配信の質が高まることで売上を伸ばすことができる。また、単にライブ配信を通じて物を売るという体験だけでなく、その売上の度合いで勝敗が決まるという新たなエンターテイメントを提供することができる。同時LC配信が協力的なものであれば、ホストがゲストから販売対象についての感想や質問をリアルタイムで受け、それにリアルタイムで回答する形態をとることにより、販売対象に対する視聴者の納得感を高め、買い物体験の満足度を高めることができる。また、販売対象が大好きなロイヤルユーザをゲストに迎えることで、好意的なユーザの声をダイレクトに視聴者に届けることができる。
【0028】
図2は、
図1のユーザ端末20の機能および構成を示すブロック図である。ユーザ端末30はユーザ端末20と同様の機能および構成を有する。
図2および以後のブロック図に示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組み合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
【0029】
配信者LVおよび視聴者AUは、ダウンロードサイトからネットワークNWを介して、本実施の形態に係るLCライブ配信アプリケーションプログラム(以下、LCアプリという)をユーザ端末20、30にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、LCアプリはユーザ端末20、30にプリインストールされていてもよい。LCアプリがユーザ端末20、30により実行されることにより、ユーザ端末20、30はネットワークNWを介してLCサーバ10と通信し、各種機能を実現する。以下、ユーザ端末20、30(のCPUなどのプロセッサ)がLCアプリを実行することにより実現する機能をユーザ端末20、30の機能として説明する。それらの機能は実際はLCアプリがユーザ端末20、30に実現させる機能である。なお、他の実施の形態では、これらの機能は、LCサーバ10からユーザ端末20、30のウェブブラウザにネットワークNWを介して送信され、そのウェブブラウザによって実行される、HTML(HyperText Markup Language)などのプログラミング言語により記述されたコンピュータプログラムにより実現されてもよい。
【0030】
ユーザ端末20は、ユーザの像および音声を記録した動画データを生成してLCサーバ10に提供すると共にLCライブ配信中の販売対象の管理を可能とする配信部100と、LCサーバ10から動画データを取得して再生すると共にLCライブ配信中に販売対象を注文するための行動を受け付ける視聴部200と、を備える。ユーザは、配信を行う場合は配信部100を、視聴を行う場合は視聴部200を、それぞれ起動する。配信部100がアクティブとなっているユーザ端末は配信者側、つまり動画データの生成側あるいは販売対象の販売側のユーザ端末であり、視聴部200がアクティブとなっているユーザ端末は視聴者側、つまり動画データの再生側あるいは販売対象の購入側のユーザ端末である。
【0031】
配信部100は、撮像制御部102と、音声制御部104と、動画送信部106と、配信側UI制御部108と、配信側通信部110と、販売対象制御部112と、を含む。撮像制御部102は
図2では不図示のカメラと接続され、カメラによる撮像を制御する。撮像制御部102はカメラから画像データを取得する。音声制御部104は
図2では不図示のマイクロフォンと接続され、マイクロフォンによる音声入力を制御する。音声制御部104は、マイクロフォンから音声データを取得する。動画送信部106は、撮像制御部102により取得された画像データおよび音声制御部104により取得された音声データを含む動画データを、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。動画送信部106による動画データの送信はリアルタイムで行われる。すなわち、撮像制御部102および音声制御部104による動画データの生成と、生成された動画データの動画送信部106による送信と、は実質的に同時に行われる。
【0032】
配信側UI制御部108は、配信者向けのUIを制御する。配信側UI制御部108は、
図2では不図示のディスプレイと接続される。配信側UI制御部108は、動画送信部106による送信対象となっている動画データおよび同時LC配信に参加している他の配信者のユーザ端末からLCサーバ10を介して受信した動画データを再生することにより、同時LC配信に参加している各配信者の動画像を含む同時LC配信画面をディスプレイに表示させる。配信側UI制御部108は、
図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して配信者による入力を取得する。配信側UI制御部108は、同時LC配信画面に所定のフレーム画像を含める。フレーム画像は、配信者から入力を受け付けるための様々なユーザインタフェースオブジェクト(以下、単にオブジェクトという)と、視聴者や他の配信者により入力されたコメントと、LCサーバ10から取得した情報と、を含んでよい。配信側UI制御部108は、配信者によるコメントの入力を受け付ける。
【0033】
配信側通信部110は、同時LC配信中のLCサーバ10との間の通信を制御する。配信側通信部110は、配信側UI制御部108が取得した配信者による入力の内容(例えば、コメント等)を、LCサーバ10にネットワークNWを介して送信する。配信側通信部110は、同時LC配信に関連付けられた各種の情報をLCサーバ10からネットワークNWを介して受信する。
【0034】
販売対象制御部112は、ネットワークNWを介してLCサーバ10と協働し、同時LC配信のEコマース機能を提供する。販売対象制御部112は、同時LC配信において紹介する販売対象を制御する。
【0035】
視聴部200は、視聴側UI制御部202と、視聴側通信部204と、購入受付部206と、を含む。視聴側通信部204は、同時LC配信中のLCサーバ10との間の通信を制御する。視聴側通信部204は、ネットワークNWを介してLCサーバ10から、同時LC配信に参加する各配信者のユーザ端末で生成された動画データを受信する。
【0036】
視聴側UI制御部202は、視聴者向けのUIを制御する。視聴側UI制御部202は、
図2では不図示のディスプレイおよびスピーカと接続され、受信された動画データを再生することにより動画像をディスプレイに表示させると共に音声をスピーカから出力させる。ディスプレイに画像が出力されると共にスピーカから音声が出力されることを、合わせて「動画データが再生」されていると言うことができる。視聴側UI制御部202は、同時LC配信に参加している各配信者のユーザ端末で生成された動画データを、LCサーバ10から受信して再生することにより、同時LC配信に参加している各配信者の動画像を含む同時LC配信画面をディスプレイに表示させる。
【0037】
視聴側UI制御部202は、
図2では不図示のタッチパネルやキーボードやディスプレイなどの入力手段と接続され、それら入力手段を介して視聴者による入力を取得する。視聴側UI制御部202は、同時LC配信画面に所定のフレーム画像を含める。フレーム画像は、カートアイコン616などの視聴者から入力を受け付けるための様々なオブジェクトと、視聴者や配信者により入力されたコメントと、LCサーバ10から取得した情報と、を含む。視聴側通信部204は、視聴側UI制御部202が取得した視聴者による入力の内容を、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。
【0038】
購入受付部206は、同時LC配信に参加している配信者のLCライブ配信に関連付けられた販売対象を注文するための動作を受け付ける。同時LC配信を視聴している視聴者は、所望の販売対象を注文するために所定の動作を行う。購入受付部206はこの所定の動作を購入の指示として受け付ける。所定の動作は、例えば同時LC配信画面に表示されている販売対象のサムネイルをタップすることであってもよい。あるいはまた、所定の動作は、販売対象のリストのなかから所望の販売対象を選択することであってもよい。あるいはまた、所定の動作は、所望の販売対象をカートに入れる(カートイン)ための一連の入力であってもよい。あるいはまた、所定の動作は、販売対象の注文を進めるためのカートアイコン616のタップや販売対象を注文することや販売対象の購入のための決済を完了させることであってもよい。購入受付部206は、所定の動作を受け付けると、所定の動作を行った視聴者の視聴者IDと当該視聴者が視聴しているLCライブ配信の配信者の配信者ID(VSLC配信であればいずれか一方の配信者の配信者ID、グループコールLC配信であればホストの配信者ID)と所定の動作に係る販売対象の販売対象IDとを含む購入要求信号を生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。
【0039】
図3は、
図1のLCサーバ10の機能および構成を示すブロック図である。LCサーバ10はLCライブ配信を提供する。LCサーバ10は、配信情報提供部302と、中継部304と、EC処理部306と、VS制御部308と、グループコール制御部310と、ランキング生成部312と、配信情報保持部314と、ユーザ情報保持部318と、VS情報保持部320と、イベント情報保持部322と、販売履歴保持部324と、ランキング情報保持部326と、を備える。
【0040】
図4は、
図3の配信情報保持部314の一例を示すデータ構造図である。配信情報保持部314は、ライブコマースシステム1が提供するLCプラットフォームにおいて現在行われているLCライブ配信の情報を保持する。配信情報保持部314は、LCプラットフォームにおいてLCライブ配信を特定するストリームIDと、当該LCライブ配信の配信者を特定するユーザIDである配信者IDと、当該LCライブ配信を通して購入可能な販売対象を特定する販売対象IDと、当該LCライブ配信の視聴者を特定するユーザIDである視聴者IDと、当該LCライブ配信がグループコールLC配信であるか否かを示すフラグと、グループコールLC配信である場合にはそのゲストを特定するゲストIDと、当該LCライブ配信の配信者がVSLC配信に参加している場合はそのVSLC配信を特定するVSIDと、を対応付けて保持する。グループコールLC配信の場合、配信者IDで特定される配信者がホストである。
【0041】
配信者IDは配信者を特定してもよいし、配信者のグループ(例えば、企業)を特定してもよい。LCライブ配信において複数の販売対象を扱う場合、複数の販売対象IDがストリームIDに対応付けて登録される。
【0042】
本実施の形態に係るライブコマースシステム1が提供するLCプラットフォームでは、ユーザがLCライブ配信を行う場合そのユーザは配信者となり、また同じユーザが他のユーザが配信するLCライブ配信を視聴する場合は視聴者となる。したがって、配信者・視聴者の別は固定的なものではなく、あるとき配信者IDとして登録されていたユーザIDが別のタイミングでは視聴者IDとして登録されることもある。
【0043】
VSLC配信では、LCサーバ10において視聴者はいずれか一方の配信者の視聴者として認識される。
図1の例では、視聴者AU1はVSLC配信において配信者LV1のLCライブ配信および配信者LV2のLCライブ配信の両方を視ているけれども、配信者LV1の視聴者として認識され、配信者LV2の視聴者としては認識されない。LCサーバ10における認識は、配信情報保持部314がLCライブ配信ごとにその配信者IDと視聴者IDとVSIDとを対応付けて保持することにより実現される。すなわち、配信情報保持部314では同じVSIDに二つの配信者ID(=二つのストリームID)が対応付けられており、これは、それら二人の配信者がVSLC配信で対戦することを意味する。さらに、配信情報保持部314では二つの配信者IDのそれぞれに対応付けて少なくともひとつの視聴者IDが対応付けられている。配信情報保持部314で同じVSIDに対応付けられた複数の視聴者はそれぞれ、当該VSIDで特定されるVSLC配信の視聴者として後述の同時LC配信画面620を通してVSLC配信を視聴できる。一方、配信情報保持部314において視聴者はVSLC配信で対戦している配信者のいずれか一方に対応付けられており、これは、LCサーバ10において当該視聴者が当該一方の配信者のLCライブ配信の視聴者として認識されることを意味する。
図4の例では、現在VSLC配信「VV1」が進行中であり、当該VSLC配信では配信者「LV1」と配信者「LV3」とが対戦している。VSLC配信「VV1」の視聴者は「ABC」、「XXY」、「CCC」、「KLM」、「MPQ」であり、そのうち視聴者「ABC」、「XXY」、「CCC」はLCライブ配信「ST01」(配信者「LV1」)の視聴者であり、視聴者「KLM」、「MPQ」はLCライブ配信「ST03」(配信者「LV3」)の視聴者であると認識される。
【0044】
図5は、
図3のユーザ情報保持部318の一例を示すデータ構造図である。ユーザ情報保持部318は、ユーザに関する情報を保持する。ユーザ情報保持部318は、ユーザを特定するユーザIDと、当該ユーザがこれまで配信者として行った全てのまたは一定期間内のLCライブ配信における受注の総額と、当該ユーザがこれまで視聴者として参加した全てのまたは一定期間内のLCライブ配信における発注の総額と、当該ユーザがこれまで配信者として参加した全てのまたは一定期間内のVSLC配信で勝利した数と、を対応付けて保持する。
【0045】
図6は、
図3のVS情報保持部320の一例を示すデータ構造図である。VS情報保持部320は、LCプラットフォームにおいてVSLC配信を特定するVSIDと、当該VSLC配信が行われる対戦期間と、VSLC配信で設定される販売対象を特定する対象販売対象IDと、当該VSLC配信で勝敗を決める指標を示すメトリックと、当該VSLC配信に参加する一方の配信者を特定する第1配信者IDと、当該一方の配信者のメトリックの値と、当該VSLC配信に参加する他方の配信者を特定する第2配信者IDと、当該他方の配信者のメトリックの値と、を対応付けて保持する。
【0046】
VSLC配信が行われる対戦期間に記録される情報は、過去のVSLC配信についてはVSLC配信の開始時刻と終了時刻の組であり、現在進行中のVSLC配信についてはVSLC配信の開始時刻である。
【0047】
VSLC配信で勝敗を決める指標は、対応する配信者のLCライブ配信を通じた対象販売対象の注文の量を表す指標である。LCプラットフォームのEコマース機能では、販売対象の販売の流れは以下のとおりである。
(1)販売対象をカートイン、(2)カートにある販売対象の注文を確定、(3)決済、(4)発送
本実施の形態では、(2)の注文確定処理の完了をもって購入の完了とみなす。そして、指標を、購入が完了した対象販売対象の量を表す指標とする。例えば、指標は、VSLC配信において配信者のLCライブ配信を通じてカートインされた対象販売対象のうち、購入が完了した分の個数(以下、販売個数という)であってもよいし、またはVSLC配信において配信者のLCライブ配信を通じてカートインされた対象販売対象のうち、購入が完了した分の総額(以下、販売総額という)であってもよい。あるいはまた、指標は、VSLC配信において配信者のLCライブ配信を通じて対象販売対象をカートインし、購入を完了した視聴者の数であってもよい。
他の実施の形態では、指標は、VSLC配信において配信者のLCライブ配信を通じて対象販売対象をカートインした視聴者の人数であってもよい。あるいはまた、指標は、VSLC配信において配信者のLCライブ配信を通じて対象販売対象についてコメントした視聴者の人数であってもよい。これらの指標も、配信者のLCライブ配信を通じた対象販売対象の注文の量を表す。
【0048】
図6の例では、2行目のエントリは、VSID「VV2」で特定されるVSLC配信が2023年5月30日の21:05に開始されて現在進行中であり、販売対象「PD020」、「PD021」、「PD022」(同じ販売元に属する商品群)の販売総額を配信者「LV5」と配信者「LV10」とで競っており、現在は配信者「LV5」の販売総額が「2584」、配信者「LV10」の販売総額が「2397」となっていることを示している。
【0049】
図7は、
図3のイベント情報保持部322の一例を示すデータ構造図である。イベント情報保持部322はLCプラットフォームで開催されるLCのイベントの情報を保持する。イベント情報保持部322は、イベントを特定するイベントIDと、当該イベントの開催期間と、当該イベントで設定される販売対象を特定する対象販売対象IDと、当該イベントのランキングで順位を決める指標を示すメトリックと、を対応付けて保持する。
【0050】
イベントのランキングで順位を決める指標は、イベントの設計に応じて様々に設定可能である。例えば、指標は、イベントの開催期間内における対象販売対象の販売個数や販売総額であってもよい。あるいはまた、指標は、イベントの開催期間内に行われたLCライブ配信で対象販売対象をカートインした視聴者の人数であってもよい。あるいはまた、指標は、イベントの開催期間内に行われた同時LC配信(VSLC配信やグループコールLC配信)における販売個数や販売総額であってもよい。あるいはまた、指標は、イベントの開催期間内に行われたVSLC配信における勝利数であってもよい。イベントで好成績、例えば高い順位、を収めた配信者にはプライズが授与されてもよい。
【0051】
図7の例では、1行目のエントリは、イベント「EV1」が2023年5月1日0時0分から2023年5月31日23時59分の期間に開催され、当該イベントでは開催期間内におけるLCライブ配信を通じた販売対象「PD015」の販売個数でランキングが生成されることを示す。
【0052】
図8は、
図3の販売履歴保持部324の一例を示すデータ構造図である。販売履歴保持部324は、ストリームIDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信を行う配信者の配信者IDと、当該ストリームIDで特定されるLCライブ配信においてカートインが発生した時刻であるカートイン時刻と、当該カートインを行った視聴者を特定する視聴者IDと、当該カートインの対象となった販売対象を特定する販売対象IDと、当該販売対象の金額と、当該販売対象の購入が完了したか否かを示すフラグと、を対応付けて保持する。
【0053】
図8の例では、1行目のエントリは、配信者「LV1」が行うLCライブ配信「ST01」において、2023年5月23日の12時20分に、視聴者「ABC」が販売対象「PD001」をカートに入れ、その金額は「3000」で、当該販売対象「PD001」の視聴者「ABC」による購入が完了していることを示す。
【0054】
図9は、
図3のランキング情報保持部326の一例を示すデータ構造図である。ランキング情報保持部326は、LCプラットフォームで生成される配信者間のランキングの情報を保持する。ランキング情報保持部326は、ランキングを特定するランキングIDと、当該ランキングがイベント内で生成されるものである場合には当該イベントのイベントIDと、当該ランキングで設定される販売対象を特定する対象販売対象IDと、当該ランキングで順位を決める指標を示すメトリックと、当該ランキングの対象となる期間と、当該ランキングで一位となっている配信者の配信者IDおよびメトリックの値と、当該ランキングで二位となっている配信者の配信者IDおよびメトリックの値と、残りの順位の配信者の配信者IDおよびメトリックの値と、を対応付けて保持する。
【0055】
ランキングの対象となる期間に記録される情報は、過去のランキングについてはカウント開始時刻とカウント終了時刻の組であり、現在進行中のランキングについてはカウント開始時刻である。期間によらないランキングの場合はNA(なし)が記録される。
【0056】
イベント内で生成されるランキングである場合、ランキング情報保持部326の対象販売対象ID、メトリック、対象期間はそれぞれ、イベント情報保持部322において対応するイベントIDに対応付けられた対象販売対象ID、メトリック、期間と同じである。この関係は、
図9の2行目のエントリ(イベントID「EV1」)と
図7の1行目のエントリ(イベントID「EV1」)に示されている。
【0057】
ランキングで順位を決める指標はイベントのそれに準じる。
【0058】
図9の例では、1行目のエントリは、イベントとは無関係にLCライブ配信を通じた販売対象「PD033」の販売総額でランキング「RK1」が生成されており、対象期間は無く、現時点で一位は配信者「LV39」で販売総額は「56247」、二位は配信者「LV21」で販売総額は「25870」であることを示す。
【0059】
図3に戻り、配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、配信者のユーザ端末20からLCライブ配信を開始する旨の通知を受けると、当該LCライブ配信を特定するストリームIDと、当該LCライブ配信の配信者の配信者IDと、を配信情報保持部314に登録する。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、視聴者のユーザ端末30からLCライブ配信に関する情報の提供要求を受けると、配信情報保持部314を参照して現在視聴可能なLCライブ配信のリストを生成する。配信情報提供部302は、ネットワークNWを介して、生成されたリストを要求元の視聴者のユーザ端末30に送信する。要求元の視聴者のユーザ端末30は、受信したリストに基づいてLCライブ配信選択画面を生成し、ディスプレイに表示させる。
【0060】
視聴者のユーザ端末30は、LCライブ配信選択画面においてLCライブ配信の選択を受け付けると、選択されたLCライブ配信のストリームIDを含む配信要求を生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。配信情報提供部302は、受信した配信要求に含まれるストリームIDにより特定されるLCライブ配信の、要求元の視聴者のユーザ端末30への提供を開始する。配信情報提供部302は、当該ストリームIDの視聴者IDに要求元の視聴者のユーザIDが含まれるように配信情報保持部314を更新する。
【0061】
中継部304は、配信情報提供部302によって開始されたLCライブ配信において、配信者のユーザ端末20から視聴者のユーザ端末30への動画データの伝送を中継する。中継部304は、LCライブ配信中すなわち動画データの再生中における視聴者によるユーザ入力を示す信号を視聴側通信部204から受信する。ユーザ入力を示す信号は、視聴者のユーザ端末30のディスプレイに表示されたオブジェクトの指定を示すオブジェクト指定信号であってもよく、当該オブジェクト指定信号は、視聴者の視聴者IDと、視聴者が視聴しているLCライブ配信を特定するストリームIDと、当該LCライブ配信を行っている配信者の配信者IDと、オブジェクトを特定するオブジェクトIDと、を含む。同様に、中継部304は、動画データの再生中における配信者によるユーザ入力を示す信号、例えばオブジェクト指定信号を配信者のユーザ端末20の配信側通信部110から受信する。
【0062】
同時LC配信に関して、中継部304は、同時LC配信に参加する各配信者のLCライブ配信に係る動画データの、各配信者のユーザ端末から視聴者のユーザ端末への伝送を中継する。VSLC配信の場合、中継部304は、VSLC配信に参加する一方の配信者のLCライブ配信に係る動画データの、当該一方の配信者のユーザ端末からVSLC配信の視聴者のユーザ端末への伝送を中継する。同時に、中継部304は、VSLC配信に参加する他方の配信者のLCライブ配信に係る動画データの、当該他方の配信者のユーザ端末からVSLC配信の視聴者のユーザ端末への伝送を中継する。グループコールLC配信の場合、中継部304は、グループコールLC配信のホストのLCライブ配信に係る動画データの、当該ホストのユーザ端末からグループコールLC配信の視聴者のユーザ端末への伝送を中継する。同時に、中継部304は、グループコールLC配信のゲストのLCライブ配信に係る動画データの、当該ゲストのユーザ端末からグループコールLC配信の視聴者のユーザ端末への伝送を中継する。
【0063】
EC処理部306は、LCライブ配信における電子商取引(Eコマース)に係る処理を行う。EC処理部306は、LCライブ配信において視聴者が販売対象を購入することを可能とする。EC処理部306は、LCライブ配信におけるカートに関する処理を行う。EC処理部306は、例えば特許文献1や特許文献2や非特許文献1に記載される公知の技術を用いて実現されてもよい。
【0064】
EC処理部306は、ネットワークNWを介してLCライブ配信の視聴者のユーザ端末30から購入要求信号を受信すると、その購入要求信号に含まれる販売対象IDで特定される販売対象のカートイン処理を行う。EC処理部306は、受信した購入要求信号に含まれる販売対象IDで特定される販売対象のカートインを販売履歴保持部324に登録する。
【0065】
EC処理部306は、LCライブ配信の視聴者のユーザ端末30と協働して、カートにある販売対象の注文を確定し、その電子的決済を行う。EC処理部306は、販売対象の購入が完了すると、販売履歴保持部324の対応するフラグを購入完了を示す状態にする。
【0066】
VS制御部308は、ネットワークNWを介して、配信者のユーザ端末20からVSLC配信の設定を要求するVS設定要求を受信すると、新規にVSIDを発行する。VS設定要求は、同じ画面で要求元の配信者と一緒にライブ配信を行うための招待を、指定された対戦相手に送信することを求める要求である。VS制御部308は、VS設定要求に含まれる対象販売対象IDを、発行されたVSIDに対応付けてVS情報保持部320に新規登録する。VS制御部308は、VS設定要求にひとつの対象販売対象IDが含まれる場合はメトリックとして販売個数を、複数の対象販売対象IDまたは企業のIDが含まれる場合はメトリックとして販売総額を、それぞれ選択し、VS情報保持部320の対応するエントリに登録する。他の実施の形態では、例えば要求元の配信者がメトリックを指定できるように構成されてもよいし、開催中のイベントや要求元の配信者が参加しているイベントの対象販売対象およびメトリックが採用されてもよいし、メトリックは管理者によって指定されてもよい。
【0067】
VS制御部308は、VS設定要求に含まれる、要求元の配信者によって選択された対戦相手の配信者IDで特定される配信者のユーザ端末20に、VSLC配信を行うための招待を送信する。VS制御部308におけるVSLC配信への招待や、VSLC配信の開始や維持や制御については、例えば非特許文献2に記載されるVS機能の技術を用いて実現されてもよい。VS制御部308は、招待が受諾されると、要求元の配信者の配信者IDと招待を受諾した対戦相手の配信者IDとを上記VSIDに対応付けてVS情報保持部320に登録する。VS制御部308は、VSLC配信が開始されるとその開始時刻をVS情報保持部320の期間に登録する。
【0068】
VS制御部308は、VSLC配信に参加している一方の配信者のLCライブ配信を通じて対象販売対象を注文するための動作が検出されると、当該一方の配信者のメトリックを更新する。VS制御部308は、メトリックが販売個数の場合、VSLC配信に参加している一方の配信者のLCライブ配信を通じてカートインされた対象販売対象の購入が完了すると、当該一方の配信者のメトリックの値が対象販売対象の購入個数分増加するようにVS情報保持部320を更新する。メトリックが販売総額の場合はVS制御部308は一方の配信者のメトリックの値が対象販売対象の購入額分増加するようにVS情報保持部320を更新する。VSLC配信に参加している他方の配信者のLCライブ配信を通じて対象販売対象を注文するための動作が検出された場合も同様の更新が行われる。
【0069】
VS制御部308は、所定のVS終了条件が充たされた場合に一方の配信者のメトリックの値と他方の配信者のメトリックの値とに基づき勝負の結果を決定する。VS制御部308は、VSLC配信が開始されてから所定の対戦期間(例えば、5分間)が経過すると、VSLC配信を終了する。VS制御部308は、VS情報保持部320を参照し、終了時点での各配信者のメトリックの値を特定し、比較する。VS制御部308は、特定された値が多い方の配信者を、VSLC配信における勝利者として決定する。VS制御部308は、勝利者となった配信者のVS勝利数がインクリメントされるようにユーザ情報保持部318を更新する。
【0070】
本実施の形態ではVS終了条件として対戦期間の経過を採用したが、これに限られず、例えばVSLC配信に参加しているいずれか一方の配信者のメトリックの値がしきい値に達するとVSLC配信を終了してもよい。あるいはまた、VSLC配信に参加している一方または両方の配信者が合意したタイミングでVSLC配信を終了してもよい。
【0071】
グループコール制御部310は、ネットワークNWを介して、配信者のユーザ端末20からグループコールLC配信の設定を要求するグループコール設定要求を受信すると、グループコール設定要求に含まれる対象販売対象IDを、要求元の配信者の配信者IDに対応付けて配信情報保持部314に登録する。これにより、グループコールLC配信の画面に関連付けられる対象販売対象が設定される。併せてグループコール制御部310は、要求元の配信者の配信者IDに対応するグループコールか否かを示すフラグをY(グループコールである)に設定する。
【0072】
グループコール設定要求は、同じ画面で要求元の配信者と一緒にライブ配信を行うための招待を指定されたゲストに送信することを求める要求である。グループコール制御部310は、グループコール設定要求に含まれる、要求元の配信者によって選択されたゲストの配信者IDで特定される配信者のユーザ端末20に、グループコールLC配信を行うための招待を送信する。グループコール制御部310におけるグループコールLC配信への招待や、グループコールLC配信の開始や維持や制御については、例えば非特許文献3に記載される無料グループ通話機能の技術を用いて実現されてもよい。グループコール制御部310は、招待が受諾されると、要求元の配信者の配信者IDに対応するゲストIDに、招待を受諾したゲストの配信者IDが登録されるように配信情報保持部314を更新する。
【0073】
ランキング生成部312は、LCライブ配信を通じた販売対象の注文の量を表す指標にしたがって、販売対象ごとにまたは販売対象の販売元ごとに配信者の順位を決めることでランキングを生成する。ランキング生成部312は、ユーザ情報保持部318や販売履歴保持部324を参照することでランキングを生成し、生成されたランキングをランキング情報保持部326に登録する。ランキング生成部312は、ランキング情報保持部326に登録されているランキングを周期的に更新する。ランキング生成部312は、ユーザ端末20、30からランキング要求を受信すると、要求されているランキングの情報をランキング情報保持部326から取得し、要求元のユーザ端末20、30に送信する。要求元のユーザ端末20、30は、受信したランキングの情報に基づくランキングを表示する画面をディスプレイに表示させる。
【0074】
ランキングで使用される指標は、前述の例の他に、受注総額、発注総額、VS勝利数などであってもよい。ランキング生成部312はユーザ情報保持部318や販売履歴保持部324に保持されるデータに所定の統計処理を行うことで配信者ごとに指標の値を算出する。ランキング生成のための統計処理は公知であるから本明細書では詳述しない。ランキング生成部312は、指標の値にしたがって配信者の順位を決定する。ランキング生成部312は配信者の配信者IDと当該配信者の順位とを対応付けてランキング情報保持部326に登録する。
【0075】
以上の構成によるライブコマースシステム1の動作を説明する。
図10は、VSLC配信における一連の処理の流れを示すフローチャートである。配信者は、LCライブ配信を行っているときに、またはLCライブ配信を開始する際に、VSLC配信の設定指示をユーザ端末に入力する。ユーザ端末はVS設定要求を生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。LCサーバ10は、配信者のユーザ端末20からネットワークNWを介して、対象販売対象の指定および対戦相手の指定を含むVS設定要求を受信する(S202)。LCサーバ10は、受信したVS設定要求で指定される対戦相手を、VSLC配信における要求元の配信者の対戦相手として特定する(S204)。LCサーバ10は、特定された対戦相手に招待を送信する(S206)。
【0076】
LCサーバ10は、ステップS206で送信された招待が承諾されたか否かを判定する(S208)。招待が承諾されなかった、例えば拒否されたまたはタイムアウトとなった、場合(S208のN)、LCサーバ10は要求元の配信者のユーザ端末20にVSLC配信の設定の不成功を通知する(S224)。その後、処理は後述のステップS226に進む。本実施の形態ではVSLC配信の設定要求時に配信者が対戦相手を指定する場合を説明するが、これに限られず、例えば対戦相手の候補を複数指定しておいて、招待が受諾されるまで順番に候補に招待を送信してもよいし、配信者が対戦相手を指定せずにLCサーバ10がランダムまたは所定のアルゴリズムにしたがって対戦相手を決定してもよい。
【0077】
ステップS208で招待が承諾された場合(S208のY)、LCサーバ10はVSLC配信の設定情報、すなわちVSID、開始時刻、対象販売対象ID、メトリック、対戦する二人の配信者の配信者ID、をVS情報保持部320に登録する(S210)。LCサーバ10は、要求元の配信者のユーザ端末20および招待を承諾した対戦相手のユーザ端末およびVSLC配信の視聴者のユーザ端末に、ネットワークNWを介してVS開始通知を送信する(S212)。VS開始通知は、LCサーバ10により指定されたVSLC配信の開始時刻を含む。VS開始通知を受信したユーザ端末は、指定された開始時刻が到来したタイミングでVSLC配信に係る同時LC配信画面の表示を開始する。
【0078】
LCサーバ10は、上記のタイミングの後、各配信者のLCライブ配信を通じた対象販売対象を注文するための動作があるごとに、VS情報保持部320に保持される対応するメトリックの値を更新する。LCサーバ10は、VSLC配信が行われている間、対象販売対象の購入処理が完了したか否かを判定する(S214)。購入処理の完了が検出されない場合(S214のN)、LCサーバ10は、VSLC配信の対戦期間が経過したか否かを判定する(S218)。LCサーバ10は、対戦期間の長さが5分間に設定されている場合、5分間をカウントするタイマを設定する。LCサーバ10は、ステップS212でVSLC配信が開始されるとタイマのカウントダウンを開始する。LCサーバ10は、ステップS218においてタイマが示す残り時間が0に到達したか否かを判定する。対戦期間が経過していない場合(S218のN)、処理はステップS214に戻る。対戦期間が経過した場合(S218のY)、処理はステップS220に進む。
【0079】
ステップS214で購入処理の完了が検出された場合(S214のY)、LCサーバ10は、購入が完了した対象販売対象はどちらの配信者のLCライブ配信を通じてカートインされたのか、対象販売対象は何個購入されたのか、その総額はいくらであったか、を示す購入情報を販売履歴保持部324に登録し、購入情報に基づきVS情報保持部320のメトリックの値を更新する(S216)。その後、処理はステップS218に進む。
【0080】
ステップS218で残り時間が0に到達すると(S218のY)、LCサーバ10はVS情報保持部320を参照し、VSLC配信における勝敗を決定する(S220)。LCサーバ10は、ステップS220で決定された勝負の結果を、VSLC配信に参加していた各配信者のユーザ端末および当該VSLC配信の各視聴者のユーザ端末に送信する(S222)。LCサーバ10は、VSLC配信の提供を止め、その終了時刻をVS情報保持部320に登録する。LCサーバ10は、VSLC配信を視聴していた視聴者に、通常のLCライブ配信を提供する(S226)。すなわち、LCサーバ10は配信情報保持部314を参照して各視聴者に対応するLCライブ配信を特定し、その視聴者のユーザ端末に特定されたLCライブ配信(VSLC配信でない通常のLCライブ配信)を提供する。
【0081】
図11は、配信者のユーザ端末のディスプレイに表示されるVSLC配信設定画面600の代表画面図である。VSLC配信設定画面600は、VSLC配信で扱う対象販売対象の配信者による選択を受け付ける対象販売対象選択領域602と、配信者による対戦相手の選択を受け付ける対戦相手選択領域604と、GOボタン610と、を有する。対象販売対象選択領域602は、対象販売対象として選択可能な販売対象のサムネイル606と、選択可能な企業を表すオブジェクト608と、を有する。対象販売対象選択領域602ではひとつまたは複数の対象販売対象を選択することができる。企業を表すオブジェクト608が選択された場合、LCプラットフォームでその企業が扱うひとつまたは複数の販売対象が対象販売対象として設定される。対象販売対象選択領域602は、LCサーバ10に設けられたLCプラットフォームで扱われる販売対象の情報を保持する保持部(不図示)からネットワークNWを介して取得された情報に基づいて生成されてもよい。
【0082】
対戦相手選択領域604は、対戦相手として選択可能な配信者を表すアイコン612および配信者名と、ランダムボタン614と、を有する。対戦相手選択領域604では、特定の配信者を対戦相手として選択することもできるし、ランダムボタン614をタップすることでLCサーバ10にランダムで対戦相手を決めさせることもできる。
【0083】
配信者は、対象販売対象選択領域602で所望の対象販売対象を選択し、対戦相手選択領域604で所望の対戦相手を選択し、GOボタン610をタップする。配信者のユーザ端末は、GOボタン610へのタップを検出すると、対象販売対象選択領域602で選択された対象販売対象の対象販売対象IDおよび対戦相手選択領域604で選択された対戦相手の配信者IDを含むVS設定要求を生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。LCサーバ10は、VS設定要求を受信すると上述のように招待を送信するなどしてVSLC配信を設定し、VS開始通知を送信する。要求元の配信者のユーザ端末および対戦相手のユーザ端末および視聴者のユーザ端末はそれぞれ、VS開始通知に含まれる開始時刻に対応するタイミングで、VSLC配信に係る同時LC配信画面620の表示をディスプレイに開始させる。
【0084】
図12は、VSLC配信の視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される同時LC配信画面620の代表画面図である。同時LC配信画面620は、VSLC配信の各配信者のユーザ端末で生成された動画像をリアルタイムで同一画面に表示すると共に、対象販売対象の注文を受け付け、勝負の優劣を視覚的に表示する。同時LC配信画面620は、VSLC配信に参加する一方の配信者のLCライブ配信の動画像を表示する第1動画像表示領域622と、VSLC配信に参加する他方の配信者のLCライブ配信の動画像を表示する第2動画像表示領域624と、対戦期間の残りを示す残り時間表示領域632と、VSLC配信に参加する各配信者のLCライブ配信を通じた対象販売対象の販売個数を表す指標表示領域626と、コメント表示領域628と、コメント入力領域630と、カートアイコン616と、を有する。同時LC配信画面620は、第1動画像表示領域622と第2動画像表示領域624とを所定のレイアウトで並べて表示する。第1動画像表示領域622は、LCサーバ10から受信した一方の配信者のLCライブ配信の動画データを再生することにより得られる動画像を表示する。第2動画像表示領域624は、LCサーバ10から受信した他方の配信者のLCライブ配信の動画データを再生することにより得られる動画像を表示する。
【0085】
VSLC配信に参加する一方の配信者のLCライブ配信とVSLC配信に参加する他方の配信者のLCライブ配信とは同じ対象販売対象に関連付けられる。
図12の例では、各配信者が同じ「帽子」を対象販売対象としており、それぞれの動画像には対象販売対象のアイコン634、636が表示されている。
図12の同時LC配信画面620を視聴している視聴者が一方の配信者のLCライブ配信の視聴者である場合、一方の配信者のLCライブ配信に関連付けて表示されるアイコン634はタップ可能に構成され、他方の配信者のLCライブ配信に関連付けて表示されるアイコン636はタップ不可能に構成される。視聴者のユーザ端末は、アイコン634へのタップを検出すると、タップした視聴者の視聴者IDと一方の配信者の配信者IDと対象販売対象の販売対象IDとを含む購入要求信号を生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。LCサーバ10は、購入要求信号を受信すると上述のようにカートイン処理を行う。
図12の同時LC配信画面620を視聴している視聴者が他方の配信者のLCライブ配信の視聴者である場合も同様に、アイコン636へのタップに応じてカートイン処理が行われる。このようにアイコン634、636は販売対象を注文するためのオブジェクトであるといえる。
【0086】
本実施の形態ではVSLC配信の各配信者が同じ対象販売対象を扱う場合を説明するが、これに限られない。例えば、VSLC配信の一方の配信者が扱う対象販売対象は、他方の配信者が扱う対象販売対象と対応するが異なるものであってもよい。この場合、VSLC配信の設定において、対戦相手が招待を承諾する際に所望の対象販売対象を指定できるように構成されてもよい。
【0087】
指標表示領域626は、一方の配信者の販売個数と他方の配信者の販売個数とを関連付けて表示する。
図12の例では、指標表示領域626は、各配信者の販売個数を示すテキストと、販売個数の差を視覚的に表示するオブジェクトと、を有する。視聴者のユーザ端末は、ネットワークNWを介してLCサーバ10のVS情報保持部320を参照することで、アイコン634、636、残り時間表示領域632、指標表示領域626の表示内容を更新する。
【0088】
コメント入力領域630は視聴者によるコメントの入力を受け付ける。視聴者は所望のコメントをコメント入力領域630に入力して送信ボタンをタップする。視聴者のユーザ端末は、送信ボタンへのタップを検出すると、コメント入力領域630に入力されたコメントを含むコメント入力信号を生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。
【0089】
コメント表示領域628は、視聴者により入力されたコメントと、配信者により入力されたコメントと、システムからの通知と、を含みうる。システムからの通知は、視聴者が販売対象を購入したことを示すメッセージを含む。視聴者のユーザ端末はLCサーバ10から受信した表示すべきコメントを含むコメント表示領域628を生成する。
【0090】
カートアイコン616は、カートに入れられた対象販売対象を表示する画面に遷移するためのアイコンである。視聴者はこの画面から購入手続きを進めることができる。このカートや購入手続きに係る機能は公知の電子商取引の技術を用いて実現されてもよい。カートアイコン616は、対象販売対象を注文するためのオブジェクトであるといえる。
図12の同時LC配信画面620を視聴している視聴者が一方の配信者のLCライブ配信の視聴者である場合、視聴者のユーザ端末は、視聴者によるカートアイコン616へのタップが検出されると、一方の配信者のLCライブ配信を通じてカートインされた対象販売対象の注文を確定する、または購入を完了するための処理を実行する。
【0091】
VSLC配信の対戦が進行し、残り時間が0になると、上述のようにLCサーバ10が勝敗を決定し、勝負の結果をVSLC配信の各参加者(配信者、視聴者)のユーザ端末に通知する。参加者のユーザ端末は勝負の結果を受信すると、当該結果を示すオブジェクト638を生成し、同時LC配信画面620に重畳して表示させる。
【0092】
図13は、VSLC配信の視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される、勝負の結果を示すオブジェクト638が重畳表示された同時LC配信画面620の代表画面図である。
図13は、
図12のVSLC配信の対戦期間が終了した状態に対応する。
【0093】
図14は、視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示されるLC配信画面700の代表画面図である。
図13の同時LC配信画面620に係るVSLC配信の勝負が終わると、ディスプレイの画面は
図13の同時LC配信画面620から
図14のLC配信画面700に遷移する。LC配信画面700は、
図13の同時LC配信画面620に係るVSLC配信で対戦した二人の配信者のうち、
図13の同時LC配信画面620を視聴していた視聴者に対応する方の配信者のLCライブ配信の配信画面である。LC配信画面700は、対応する方の配信者のLCライブ配信の動画像710を表示するが他方の配信者のLCライブ配信の動画像はもはや表示しない。
【0094】
LC配信画面700は、コメント入力領域702と、コメント表示領域704と、シェアボタン706と、ハートボタン708と、LCサーバ10から受信した動画データを再生することにより得られる配信者の動画像710と、販売対象のアイコン634と、LCライブ配信の配信時間を示す時刻表示領域714と、カートアイコン616と、を有する。LC配信画面700に表示される動画像710は、VSLC配信の同時LC配信画面620に表示されていた第1動画像表示領域622、第2動画像表示領域624のうち上記の対応する方の配信者の動画像表示領域に表示される動画像に対応する。
【0095】
図15は、ユーザのユーザ端末のディスプレイに表示されるランキング表示画面642の代表画面図である。ユーザはユーザ端末を介して所望のランキングを指定する。ユーザ端末は、指定されたランキングを特定するランキングIDを含むランキング要求を生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。LCサーバ10は、受信したランキング要求に含まれるランキングIDに対応するランキングの情報をランキング情報保持部326から取得する。LCサーバ10は、取得したランキングの情報を含むランキング応答を生成し、ネットワークNWを介して要求元のユーザ端末に送信する。ユーザ端末は、受信したランキング応答に基づいてランキング表示画面642を生成し、ディスプレイに表示させる。
図15の例は、特定の企業が販売する販売対象について、月間の販売総額で配信者を順位付けしたランキングを表示する。
図15には、例えば配信者「AXBC」は企業「AABB INC」が販売する商品を自己のLCライブ配信で販売対象として扱い、月初からこれまでに総額258,475円を売り上げ、その総額は企業「AABB INC」が販売する商品の売り上げとしては一位であることが示される。
【0096】
図16は、配信者のユーザ端末のディスプレイに表示されるグループコールLC配信設定画面650の代表画面図である。グループコールLC配信設定画面650は、グループコールLC配信で扱う対象販売対象のホストによる選択を受け付ける対象販売対象選択領域602と、ホストによるゲストの選択を受け付けるゲスト選択領域654と、GOボタン660と、を有する。
【0097】
ゲスト選択領域654は、ゲストとして選択可能な配信者を表すアイコン662および配信者名と、招待オブジェクト664と、を有する。ホストは、ゲスト選択領域654において所望の配信者に対応する招待ボタン664をタップすることで、一人又は複数の配信者をゲストとして選択することができる。
【0098】
ホストは、対象販売対象の受注側の配信者である。ゲストは、ホストによる対象販売対象の販売をサポートするために招待される配信者であってもよい。ホストは、対象販売対象選択領域602で所望の対象販売対象を選択し、ゲスト選択領域654で所望のゲストを選択し、GOボタン660をタップする。ホストのユーザ端末は、GOボタン660へのタップを検出すると、対象販売対象選択領域602で選択された対象販売対象の対象販売対象IDおよびゲスト選択領域654で選択されたゲストの配信者IDを含むグループコール設定要求を生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。LCサーバ10は、グループコール設定要求を受信すると上述のようにゲストのユーザ端末に招待を送信するなどしてグループコールLC配信を設定し、グループコール開始通知を送信する。要求元のホストのユーザ端末およびゲストのユーザ端末および視聴者のユーザ端末はそれぞれ、グループコール開始通知を受信すると、グループコールLC配信に係る同時LC配信画面670の表示をディスプレイに開始させる。
【0099】
図17は、グループコールLC配信の視聴者のユーザ端末のディスプレイに表示される同時LC配信画面670の代表画面図である。同時LC配信画面670は、グループコールLC配信の各配信者のユーザ端末で生成された動画像をリアルタイムで同一画面に表示すると共に、対象販売対象の注文を受け付ける。同時LC配信画面670は、グループコールLC配信のホストのLCライブ配信の動画像を表示する第3動画像表示領域672と、グループコールLC配信のゲストのLCライブ配信の動画像を表示する第4動画像表示領域676、第5動画像表示領域678と、コメント表示領域628と、コメント入力領域630と、カートアイコン616と、を有する。同時LC配信画面670は、第3動画像表示領域672、第4動画像表示領域676および第5動画像表示領域678を所定のレイアウトで並べて表示する。第3動画像表示領域672は、LCサーバ10から受信した、ホストのユーザ端末で生成された動画データを再生することにより得られる動画像を表示する。第4動画像表示領域676、第5動画像表示領域678はそれぞれ、LCサーバ10から受信した、対応するゲストのユーザ端末で生成された動画データを再生することにより得られる動画像を表示する。
【0100】
グループコールLC配信は、ホストがグループコールLC配信設定画面650で指定した対象販売対象に関連付けられる。
図17の例では、「帽子」を対象販売対象としており、ホストの動画像には対象販売対象のアイコン674が表示されている。視聴者のユーザ端末は、アイコン674へのタップを検出すると、タップした視聴者の視聴者IDとホストの配信者IDと対象販売対象の販売対象IDとを含む購入要求信号を生成し、ネットワークNWを介してLCサーバ10に送信する。LCサーバ10は、購入要求信号を受信すると上述のようにカートイン処理を行う。このようにアイコン674は販売対象を注文するためのオブジェクトであるといえる。
【0101】
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
【0102】
本実施の形態に係るライブコマースシステム1によると、複数の配信者が参加する同時LC配信で販売対象の紹介と受注を行うことができる。複数の配信者の間で販売対象についての会話がなされたり、販売対象の注文の量を競い合うことで、ライブコマースによる販売対象の販売を促進することができる。配信者は他の配信者と販売対象の販売について協力したり競い合ったりすることで、販売対象の販売へのモチベーションを高めることができる。視聴者は、ひとつの配信のなかで複数の配信者から販売対象の紹介や説明を受けることで、より納得感の高い買い物体験を得ることができる。
【0103】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、商品や役務の販売に大きな影響力を有するインフルエンサーの間で売り上げを競い合う土壌が形成される。VSLC配信において二人のインフルエンサーが同じ販売対象について競い合うことで、両者の相乗効果により売り上げが増加する。インフルエンサーとしても、一人のLCライブ配信で売るよりも他のインフルエンサーと競い合って売る方が熱が入ってより売り上げが高まるという効果がある。
【0104】
また、本実施の形態では同時LC配信で扱う販売対象を直接指定可能であるのみならず、企業やブランドを指定することも可能である。これにより、企業にとってより使いやすいライブコマースシステム1を実現できる。LCプラットフォームの管理者は、企業やブランドにフォーカスした施策、イベントを企画することができる。例えば、今月、○○(ブランド名)の商品の売り上げが最も多かった配信者に○○の特別商品を進呈、といったイベントを企画することができる。
【0105】
また、本実施の形態に係るライブコマースシステム1では、グループコールLC配信でホストが販売対象についてゲストとやりとりすることで、視聴者は販売対象についてのより深く知ることができる。ホストは、販売対象を好んで使っている配信者をゲストに迎えることで、販売対象の良い点をより自然に視聴者にアピールすることができる。また、ホストは、ゲストにその場で販売対象を使ってもらってその感想を述べてもらうことで、視聴者に販売対象についての客観的な意見を伝えることができる。
【0106】
また、ホストとゲストとの対話のなかでゲストが好きだと発言した販売対象について、ホストはその配信内でその販売対象のクーポンを視聴者に発行することができる。ゲストがホストを説得してクーポンを発行させることも可能である。このように、ライブ配信ならではの、リアルタイムの対話から生まれる適応的な反応が可能となる。
【0107】
図18を参照して、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
図18は、本実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図示された情報処理装置900は、例えば、本実施の形態におけるLCサーバ10、ユーザ端末20、30のそれぞれを実現しうる。
【0108】
情報処理装置900は、CPU901、ROM(Read Only Memory)902、およびRAM(Random Access Memory)903を含む。また、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インタフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート925、通信装置929を含んでもよい。さらに、情報処理装置900は、カメラなどの撮像装置(不図示)を含む。また、情報処理装置900は、CPU901に代えて、またはこれとともに、DSP(Digital Signal Processor)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)と呼ばれるような処理回路を有してもよい。
【0109】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM902、RAM903、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体923に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。例えば、CPU901は、本実施の形態におけるサーバ10およびユーザ端末20、30のそれぞれに含まれる各機能部の動作全般を制御する。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM903は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM902、およびRAM903は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0110】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置であってもよいし、マイクロフォンなどの音センサ、加速度センサ、傾きセンサ、赤外線センサ、深度センサ、温度センサ、湿度センサなど物理量を電気信号に変換する装置であってもよい。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器927であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報または感知した物理量に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0111】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD、PDP、OELDなどのディスプレイ、スピーカおよびヘッドホンなどの音響出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音響などの音として出力したりする。
【0112】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0113】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体923のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体923に記録を書き込む。
【0114】
接続ポート925は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート925は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート925は、RS-232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート925に外部接続機器927を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器927との間で各種のデータが交換されうる。
【0115】
通信装置929は、例えば、ネットワーク60に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。通信装置929は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置929は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置929は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置929に接続される通信ネットワーク60は、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。なお、通信装置929は、通信部としての機能を実現する。
【0116】
カメラなどの撮像装置(不図示)は、例えばCCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子、および撮像素子への被写体像の結像を制御するためのレンズなどの各種の部材を用いて実空間を撮像し、撮像画像を生成する装置である。当該撮像装置は、静止画を撮像するものであってもよいし、または動画を撮像するものであってもよい。
【0117】
以上、実施の形態に係るライブコマースシステム1の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解される。
【0118】
実施の形態において、イベントやランキングでメトリックの値が所定の基準を上回った(例えば、上位十位以内に入賞した)配信者にデジタルプライズ(コメントフレームやバッジなど)を付与してもよい。VSLC配信で勝利した配信者にも同様にデジタルプライズを付与してもよい。
【0119】
実施の形態では、配信者間のランキングを生成する場合を説明したが、これに限られず、例えば販売対象の注文の量に関して視聴者間のランキングを生成してもよい。視聴者間のランキングの指標は、例えば特定の販売対象や企業についての購入総額や購入個数、またはトータルの購入総額や購入個数であってもよい。
【0120】
本明細書において説明された処理手順、特にフロー図、フローチャートを用いて説明された処理手順においては、その処理手順を構成する工程(ステップ)の一部を省略すること、その処理手順を構成する工程として明示されていない工程を追加すること、及び/又は当該工程の順序を入れ替えることが可能であり、このような省略、追加、順序の変更がなされた処理手順も本開示の趣旨を逸脱しない限り本開示の範囲に含まれる。
【0121】
サーバにより実現される機能の少なくとも一部は、サーバ以外の装置、例えばユーザ端末により実現されてもよい。ユーザ端末により実現される機能の少なくとも一部は、それ以外の装置、例えば、サーバにより実現されてもよい。例えば、LCサーバのLC機能を有するサーバと、LCサーバの残りの機能を有する別のサーバと、を設けてもよい。
【要約】
【課題】ライブコマースにおいて配信者間のやりとりを活性化することでライブコマースをより盛り上げる。
【解決手段】コンピュータプログラムは、第1販売対象に関連付けられた第1ライブ配信の動画像を表示する第1領域と、第1販売対象と同じまたは対応する第2販売対象に関連付けられた第2ライブ配信の動画像を表示する第2領域と、第1ライブ配信を通じた第1販売対象の注文の量を表す第1指標と第2ライブ配信を通じた第2販売対象の注文の量を表す第2指標とを関連付けて表示する第3領域と、第1販売対象または第2販売対象を注文するためのオブジェクトと、を含む配信画面をディスプレイに表示させる機能を端末に実現させる。
【選択図】
図1