(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】プローブ及び太陽電池セル用測定装置
(51)【国際特許分類】
G01R 31/26 20200101AFI20231121BHJP
G01R 1/067 20060101ALI20231121BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20231121BHJP
H02S 50/10 20140101ALI20231121BHJP
【FI】
G01R31/26 J
G01R1/067 B
G01R1/067 C
H01L21/66 B
H01L21/66 X
H02S50/10
(21)【出願番号】P 2018234001
(22)【出願日】2018-12-14
【審査請求日】2021-01-08
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-18
(31)【優先権主張番号】P 2018083676
(32)【優先日】2018-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】599015722
【氏名又は名称】共進電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【氏名又は名称】齊藤 真大
(72)【発明者】
【氏名】小島 久嗣
(72)【発明者】
【氏名】中道 裕二
【合議体】
【審判長】中塚 直樹
【審判官】田邉 英治
【審判官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-118983(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0045265(US,A1)
【文献】特開2013-213795(JP,A)
【文献】特開2012-138564(JP,A)
【文献】特開2013-102121(JP,A)
【文献】特開2010-54369(JP,A)
【文献】特開2009-8450(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0347087(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015105975(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/26
G01R 1/067
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池セルの電気的特性の測定に用いられるプローブであって、
導電体によって形成された1又は複数の薄板体を備え、
前記薄板体が、
長尺薄板状の本体部と、
前記本体部の長手方向に沿って延びる細線で形成された複数の接触子と、
前記本体部と前記複数の接触子との間をそれぞれ接続する、細線で形成された複数のばね要素と、を具備し、
前記本体部、前記複数の接触子、及び、前記複数のばね要素が、連続した一枚の前記薄板体をな
し、
1つの前記接触子の両端部にそれぞれ1つずつ前記ばね要素が設けられているプローブ。
【請求項2】
前記ばね要素が、前記接触子が前記太陽電池セルに対して押圧される方向に対して傾斜している部分を有する請求項1記載のプローブ。
【請求項3】
前記ばね要素が、前記薄板体の厚み方向へ屈曲している請求項2記載のプローブ。
【請求項4】
前記ばね要素が、前記本体部の長手方向へ屈曲している請求項2記載のプローブ。
【請求項5】
複数の前記薄板体が、厚み方向に対してそれぞれ重ね合わされている請求項1記載のプローブ。
【請求項6】
複数の前記接触子が、長手方向に沿って所定間隔ごとに設けられており、
少なくとも2つの薄板体における複数の前記接触子の設けられている周期がずれていることを特徴とする請求項
5記載のプローブ。
【請求項7】
複数の前記接触子の長さ寸法が、各フィンガー電極の設置間隔の2倍よりも小さく設定されている請求項6記載のプローブ。
【請求項8】
厚み方向に対して重ね合わされた複数の前記薄板体のうち、少なくとも1つの前記薄板体が電圧測定用の薄板体であり、その他の前記薄板体が電流測定用の薄板体であり、
電圧測定用の前記薄板体と、電流測定用の前記薄板体との間に形成された絶縁層をさらに備えた請求項
5記載のプローブ。
【請求項9】
請求項
5記載のプローブと、
厚み方向に対して重ね合わされた複数の前記薄板体において、前記本体部の端部を厚み方向に挟持して導通可能に保持する保持体と、を備えた太陽電池セル用測定装置。
【請求項10】
前記プローブの一方の最外面が電流測定用の薄板体によって形成されているとともに、他方の最外面が電圧測定用の薄板体によって形成されており、
前記保持体が、
電流測定用の薄板体の本体部が押し付けられる受け面が形成された電流取得端子と、
電圧測定用の薄板体の本体部と接触し、前記プローブを前記受け面へと押圧する電圧取得端子と、を備えた請求項
9記載の太陽電池セル用測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽電池セルの出力測定に用いられるプローブ及びそのプローブを用いた太陽電池セル用測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池セルの品質チェックや分類は、太陽電池セルがソーラシミュレータから光を照射された際に発電する電流、電圧特性の測定結果に基づいて行われている。
【0003】
例えばバスバーレスの太陽電池セルの場合、従来バスバー電極があった位置にバー型のプローブを配置して複数のフィンガー電極に接触させ、太陽電池セルからの出力の測定が行われている。
【0004】
ところで、スクリーン印刷により太陽電池セルの表面に形成されるフィンガー電極には高さに微小なばらつきが生じている。このため、従来のプローブでは各フィンガー電極の接触状態が不安定となり、測定のたびに電気抵抗も大きく変化し、測定の再現性に問題がある。
【0005】
このような問題を解決するために本出願人は、長尺状に形成された保持体に金糸を保持させたプローブを開発し、各フィンガー電極に対して金糸を接触させて太陽電池の出力を測定することを提案している(特許文献1参照)。このようなものであれば、各フィンガー電極に高さのばらつきがあったとしても金糸内部の絹糸の弾性により変形してそのばらつきを吸収し、接触状態を安定させて測定の繰り返し再現性を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、金糸を用いたプローブよりもさらに測定精度や繰り返し再現性を向上させつつ、プローブとしての耐久性を大幅に向上させることを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係るプローブは、太陽電池セルの電気的特性の測定に用いられるプローブであって、導電体によって形成された1又は複数の薄板体を備え、前記薄板体が、長尺薄板状の本体部と、前記本体部の長手方向に沿って延びる細線で形成された1又は複数の接触子と、前記本体部と前記接触子との間を接続する細線で形成されたばね要素と、を具備することを特徴とする。
【0009】
ここで、細線とはその断面形状が等断面形状のものに限られず、矩形状断面等のものも含まれる。
【0010】
このようなものであれば、各フィンガー電極間に高さの違いあったとしてもプローブを太陽電池セルに対して押し付けた際に前記ばね要素の弾性によってその違いを吸収して各フィンガー電極の前記接触子に対する接触状態を安定させることができる。このため、測定ごとに接触抵抗が変化するのを抑制でき、測定の繰り返し再現性を担保することができる。
【0011】
さらに前記接触子は、導電体の細線で形成されているので、繰り返し測定を行ったとしてもフィンガー電極により摩耗しにくい。また、前記ばね要素も導電体の細線で形成されているので、弾性変形領域内で押圧されるようにしてばね性が劣化しにくくしやすくい。これらのことから、従来のものよりも長寿命化を実現しやすい。
【0012】
プローブが前記太陽電池セルに対して押圧された際に前記接触子が当該太陽電池セルの表面に対して滑りながら押し付けられるようにし、フィンガー電極に対して良好な接触状態が実現されるようにするには、前記ばね要素が、前記接触子が前記太陽電池セルに対して押圧される方向に対して傾斜している部分を有するものであればよい。
【0013】
前記薄板体を構成する導電体自体が有している剛性が前記ばね要素に反映されやすくし、測定を繰り返しても前記ばね要素がへたりにくくして、さらに長寿命化を実現できるようにするには、前記ばね要素が、前記薄板体の厚み方向へ屈曲しているものであればよい。また、このようなものであれば、プローブを太陽電池セルに対して押し付けた場合に、前記ばね要素及び前記接触子は厚み方向に変位が生じることになるので、フィンガー電極の延びている方向に沿って接触子が擦り付けられることになる。したがって、前記接触子とフィンガー電極との接触状態をさらに安定させやすくなる。
【0014】
前記ばね要素により測定に適したばね性を実現するための別の態様としては、前記ばね要素が、前記本体部の長手方向へ屈曲しているものが挙げられる。
【0015】
前記ばね要素及び前記接触子の寿命を縮めることなく、各フィンガー電極と前記接触子との接触面積をより大きくすることができるようにするには、複数の前記薄板体が、厚み方向に対してそれぞれ重ね合わされていればよい。
【0016】
前記接触子によって全てのフィンガー電極との良好な接触状態が得られる確率を高めて、さらに精度よく測定が行えるようにするには、複数の前記接触子が、長手方向に沿って所定間隔ごとに設けられており、少なくとも2つの薄板体における複数の前記接触子が設けられている周期がずれているものであればよい。
【0017】
例えば連続して隣り合う3つのフィンガー電極において中央にあるフィンガー電極の高さが低い場合でも、前記接触子が他の2つのフィンガー電極で支えられて中央にあるフィンガー電極に接触できないような状態が発生するのを防げるようにするには、フィンガー電極複数の前記接触子の長さ寸法が、各フィンガー電極の設置間隔の2倍よりも小さく設定されていればよい。
【0018】
1つの薄板体に設けられている複数の接触子によって全てのフィンガー電極と接触しやすくするには、前記所定間隔が、複数の前記接触子が1又は2のフィンガー電極と接触するように設定されているものであればよい。
【0019】
プローブを前記太陽電池セルに対して押し付けた際に、前記本体部の長手方向に沿って前記接触子が延びている状態が自然と保たれるようにして、各フィンガー電極と接触状態が測定ごとにばらつきにくくするには、1つの前記接触子の両端部にそれぞれ1つずつ前記ばね要素が設けられていればよい。このようなものであれば、前記本体部と前記接触子間に平行リンク機構が形成されることになるので、プローブを押圧しても前記接触子が前記太陽電池セルの表面に対して斜めに入射しにくくなり、良好な接触状態を実現しやすい。
【0020】
1つのプローブによって前記太陽電池セルで発生する電流及び電圧を同時にほぼ同じ地点から測定できるようにして、例えばI-V特性等をより正確に測定できるようにするには、厚み方向に対して重ね合わされた複数の前記薄板体のうち、少なくとも1つの前記薄板体が電圧測定用の薄板体であり、その他の前記薄板体が電流測定用の薄板体であり、電圧測定用の前記薄板体と、電流測定用の前記薄板体との間に形成された絶縁層をさらに備えたものであればよい。また、このようなものであれば太陽電池セル上における電圧測定点と電流測定点を近接させることができ、より高精度にI-V特性を評価することが可能となる。
【0021】
本発明に係るプローブと、厚み方向に対して重ね合わされた複数の前記薄板体において、前記本体部の端部を厚み方向に挟持して導通可能に保持する保持体と、を備えた太陽電池セル用測定装置であれば、例えば多量の太陽電池セルのI-特性について繰り返し測定を行っても所定の測定程度を保ち続ける事が可能である。
【0022】
太陽電池セルで発生する電流及び電圧を取り出すための配線をプローブに対して直接設ける必要をなくして配線レスを実現できるとともに、太陽電池セルで発生する光電流を十分に検出できるようにするには、前記プローブの一方の最外面が電流測定用の薄板体によって形成されているとともに、他方の最外面が電圧測定用の薄板体によって形成されており、前記保持体が、電流測定用の薄板体の本体部が押し付けられる受け面が形成された電流取得端子と、電圧測定用の薄板体の本体部と接触し、前記プローブを前記受け面へと押圧する電圧取得端子と、を備えたものであればよい。
【発明の効果】
【0023】
このように本発明に係るプローブによれば、前記ばね要素及び前記接触子によって各フィンガー電極の高さの違いを吸収して、繰り返し測定精度を高く保つことができる。さらに、前記ばね要素及び前記接触子が導電体で形成された前記薄板体の一部として細線で形成されているので、摩耗に強くしたり、ばね性の劣化を生じにくくしたりできるので、従来よりも寿命を長くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るプローブ、及び、それを用いた太陽電池セル用測定装置を示す模式図。
【
図2】第1実施形態におけるプローブが、バスバーレス太陽電池に対して設置された状態を示す模式的斜視図。
【
図3】第1実施形態のプローブの一部を拡大した模式的斜視図、及び、端面部分拡大図。
【
図4】第1実施形態のプローブを構成する複数の薄板体と、各薄板体が厚み方向に対して重ね合わされた状態を示す模式図。
【
図5】第1実施形態のプローブの自然状態と押圧されている状態を示す模式的拡大図。
【
図6】第1実施形態のプローブとプローブを上下動作させる駆動装置との間を接続する保持体を示した模試的斜視図。
【
図7】第1実施形態の保持体によるプローブの挟持構造を示す模式図。
【
図8】第1実施形態のプローブの変形例について示す模式的拡大図。
【
図9】本発明の第2実施形態に係るプローブを示す模式図。
【
図10】本発明の第3実施形態に係るプローブを示す模式図。
【
図11】第3実施形態のプローブを構成する薄板体の模式的端面図。
【
図12】第3実施形態のプローブのばね要素及び接触子の周辺を拡大した模式的斜視拡大図。
【
図13】本発明の第4実施形態に係るプローブを示す模式図。
【
図14】第4実施形態のプローブの模式的分解斜視図。
【
図16】第4実施形態のプローブの一部を拡大した模式的斜視拡大図。
【
図17】第4実施形態のプローブの一部を拡大し、カバーを外した模式的斜視拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の第1実施形態に係るプローブ3、及び、それを用いた太陽電池セル測定装置100について
図1乃至
図5を参照しながら説明する。本実施形態の太陽電池セル測定装置100は、太陽電池セルSCのI-V特性を測定するためのものであり、例えば、製造された太陽電池セルSCについて評価し、その特性ごとに分類するために用いられるものである。第1実施形態では、太陽電池セルSCとして、例えばヘテロ接合型太陽電池等の高効率太陽電池のI-V特性の測定対象としている。
【0026】
次に太陽電池セル測定装置100を構成する各部の概略について説明すると、当該太陽電池セル測定装置100は、
図1に示すように疑似太陽光を太陽電池セルSCに対して照射するソーラシミュレータ1と、ソーラシミュレータ1を制御する照射制御部13と、太陽電池セルSCが載置される試料台2と、太陽電池セルSCの表面に形成されたフィンガー電極Fと接触するプローブ3と、太陽電池セルSCのI-V特性を測定するI-Vテスタ5と、各部の制御及び各種演算を行う制御演算装置6(パソコン)を少なくとも備えたものである。
【0027】
ソーラシミュレータ1は、底面が開口した概略直方体形状の筺体11と、筺体11の内部の上面側に収容された光源12とから構成してある。光源12は、例えば概略リング状に形成されたロングアークキセノンランプであり、疑似太陽光をフラッシュ光(パルス光)として前記太陽電池セルSCに対して照射する。
【0028】
照射制御部13は、ソーラシミュレータ1が太陽電池セルSCに対して照射する疑似太陽光の照射状態を制御するものである。
【0029】
試料台2は、太陽電池セルSCの裏面を吸着保持できるように真空ポンプ22に接続されているとともに、I-V特性測定時において前記太陽電池セルSCの温度を測定条件として推奨される温度で一定に保つため、チラー21により冷却してある。
【0030】
I-Vテスタ5は、太陽電池セルSCが試料台2に対して載置されると当該太陽電池セルSCに電気的に接続されるとともに、太陽電池セルSCに対して印加電圧を掃引する負荷電源と、負荷電源が太陽電池セルSCに対して印加する電圧を制御する印加電圧制御部と、負荷電源により太陽電池セルSCに対して印加電圧の掃引が行われている間に当該太陽電池セルSCから出力される電流、電圧についてプローブ3を介して測定する電流計IM、電圧計VMからなる電流電圧測定機構と、を少なくとも備えたものである。
【0031】
次にバー型のプローブ3の詳細について説明する。
【0032】
プローブ3は図示しない駆動機構に固定されており、試料台2に載置されている太陽電池セルSCに対して接離するように上下方向に駆動される。後述するように駆動機構とプローブ3との間にはそれぞれを接続する保持体4が設けてあり、この保持体4に対してプローブ3は着脱される。また、この保持体4はプローブ3と導通可能に接続されており、太陽電池セルSCで発生する電流及び電圧が取り出される複数の端子を備えている。これらの端子とI-Vテスタ5内の電流計IM、電圧計VMとがケーブルで接続している。
【0033】
第1実施形態では
図2に示すように、1つの太陽電池セルSCに対して合計5本のプローブ3が各フィンガー電極Fに対して直交するように平行に配置される。すなわち、太陽電池セルSCはバスバーレス太陽電池セルSCであり,基板の各点から出力される電流を集めるための複数のフィンガー電極Fが銀ペースト等によって平行にスクリーン印刷されている。さらに別の表現をすると各フィンガー電極Fは所定間隔ごとに設けられており、第1実施形態のプローブ3は各フィンガー電極Fの配列方向に沿って配置される。そして、プローブ3は各フィンガー電極Fと同時に接触するように配置される。ここで、プローブ3が配置されている場所は、後工程において複数の太陽電池セルSCから太陽光パネルが形成される際にワイヤ電極等が形成される場所でもある。
【0034】
スクリーン印刷により形成される各フィンガー電極Fは、基板の表面に形成されている反射構造等の微細な凹凸や、印刷精度の問題によって、その高さにはばらつきが発生している。具体的には、1つのフィンガー電極Fを延伸方向に沿って見た場合に高さが変化しているだけでなく、各フィンガー電極Fにおいてプローブ3が配置されている点での高さもそれぞれ微小に異なっている。
【0035】
したがって、従来のようにプローブ3が剛体状のものであり、各フィンガー電極Fの高さの違いを吸収できないものの場合、基板表面に対して他のものよりも高く形成されているフィンガー電極Fのみでプローブ3が支持されてしまい、すべてのフィンガー電極Fと接触できない恐れがある。フィンガー電極Fのうちいくつかがプローブ3に接触指定ない状態でI-V特性が測定されると、電流又は電圧が過小に評価されることにより正しい測定ができないことになる。
【0036】
このため、第1実施形態のプローブ3は、各フィンガー電極Fとの接触点において高さの違いがあったとしても全てのフィンガー電極Fと良好な接触状態を実現できるように高さの違いを吸収するように構成されている。
【0037】
具体的にはプローブ3は、
図3及び
図4に示すように導電体によって形成された複数の薄板体3Aを厚み方向に対して重ねて貼り合わすことで形成されている。この薄板体3Aは、長尺薄板状の本体部31と、本体部31の長手方向に沿って延びる細線で形成された複数の接触子32と、本体部31と接触子32との間を接続する細線で形成されたばね要素33と、を具備している。ここで薄板体3Aは例えば銅合金の薄板を打ち抜き加工することで、細線で形成されているばね要素33及び接触子32が形成される。ここで、薄板体3Aの厚みは例えば1mm以下のものであり、ばね要素33及び接触子32の直径も1mm以下にしてある。すなわち、複数の薄板体3Aを厚み方向に重ね合わせた状態のプローブ3の厚み寸法が前述したワイヤ電極の幅とほぼ同じになるように各薄板体3Aの厚みを設定してある。電流測定用の薄板体3Aを複数枚積層でき、合わせて電圧測定用の薄板体3Aも積層できるようにするには、各薄板体3Aの厚みは例えば0.05mm以上0.4mm以下に設定すればよい。より好ましくは薄板体3Aの厚みは0.05mm以上0.2mm以下のものが挙げられる。
【0038】
本体部31は、図示しない駆動機構に対して保持体4を介してその両端部が保持されているものであり、太陽電池セルSCで発生し、接触子32及びばね要素33を経由した電流又は電圧を電流計IM又は電圧計VMへと伝達するものである。また、各薄板部材の本体部31は接着されて一体とされる。より具体的には電流測定用の薄板体3Aについてはそれぞれの本体部31が導電性の接着剤により接着されている。一方、電圧測定用の薄板体3Aと電流測定用の薄板体3Aとの間は絶縁紙により絶縁層31S(後述する
図7にのみ図示)を形成した状態でそれぞれの間が接着剤により接着されている。すなわち、第1実施形態のプローブ3は1つで電流測定と電圧測定の両方を行うことができるようにしてある。第1実施形態では電流測定用の薄板体3Aは複数枚にしてあり、電圧測定用の薄板体3Aについては1枚のみにしてある。このように電流測定用の薄板体3Aの枚数を複数枚にしているのは太陽電池セルSCで発生する大きな電流を許容できるようにするためである。一方、電圧測定用の薄板体3Aについてはそれほど大きな電流は流れないので1枚だけにしてある。
【0039】
また、第1実施形態では電圧測定用の薄板体3Aの本体部31Vと電流測定用の薄板体3Aの本体部31Cはそれぞれプローブ3の表面又は裏面の面板部を形成するように重ね合わせてある。すなわち、電圧測定用の薄板体3Aと少なくとも1つの電流測定用の薄板体3Aはそれぞれプローブ3Aの最外面を形成している。このように構成することで、電圧と電流を測定するためのプローブを一体化しつつ、それぞれの本体部31V、31Cに導電体を接触させて電圧又は電流をそれぞれ別々に取り出せるようにしている。
【0040】
接触子32は、
図4及び
図5に示すように第1実施形態では本体部31の長手方向と平行となるように形成された複数本の細線であり、所定間隔ごとに周期的に配置されている。接触子32の長手方向の長さ寸法はフィンガー電極Fの設置間隔の2倍よりも小さく設定されている。第1実施形態では接触子32の長さ寸法、及び、設置間隔は接触子32に対して1本のフィンガー電極Fのみが接触し得るように構成されている。
【0041】
ばね要素33は、プローブ3の押圧方向(上下方向)に対して傾斜している部分を有するように構成されている。第1実施形態では1つの接触子32の両端をそれぞれ別々に本体部31に対して接続するように形成されている。各ばね要素33は概略くの字状をなすものであり、1つの接触子32に対して2つのばね要素33が形成されていることにより、本体部31と接触子32との間に平行リンク構造がなされている。すなわち、第1実施形態では本体部31、接触子32、ばね要素33は、ほぼ所定平面内に配置されており、その変形も所定平面内に沿った方向にのみ生じるように構成されている。
【0042】
すなわち、
図5(a)に示すような自然状態のプローブ3を太陽電池セルSCに対して押圧すると、
図5(b)に示すようにばね要素33は中央部においてなす角度が小さくなるように屈曲することになる。1つの接触子32を支持する一対のばね要素33において同様の変形が生じるため、接触子32は本体部31の長手方向に対して平行を保ちながら当該本体部31に対して近づくことになる。この際、本体部31、一対のばね要素33、1つの接触子32により形成されている平行リンク構造にはせん断変形も生じているので、接触子32は自然状態の位置から長手方向に沿って若干移動する。このため、プローブ3が太陽電池セルSCに対して押圧された際に、接触子32は下方向に押し付けられるのみならず、フィンガー電極Fに対して若干擦り付けられることになる。このため、接触子32とフィンガー電極Fとの間の接触状態をI-V特性の測定に適したものにすることができる。
【0043】
また、第1実施形態のプローブ3を構成する複数の薄板体3Aは、
図4(a)~(c)に示すように、本体部31に対してそれぞれ接触子32及びばね要素33が設けられている位置を異ならせている。
【0044】
より具体的には複数の薄板体3Aが重ね合わせられた状態のプローブ3について、その厚み方向から見た場合には
図4(d)に示すように各薄板体3Aの接触子32が1つの直線をなすようにそれぞれの接触子32及びばね要素33の配置関係が定められている。別の表現をすると、各薄板体3Aのばね要素33及び接触子32の設置位置の位相は例えば120°ずつずらして配置されている。さらに別の表現をすると、各薄板体3Aは本体部31に対して接触子32及びばね要素33が櫛歯部分をなすように形成されている。各薄板体3Aの櫛歯部分は長手方向に対してそれぞれ位相がずらしてあり、それぞれの薄板体3Aを重ね合わせると、櫛歯が一部重なりあって先端部分が直線をなすようにしてある。
【0045】
また、各薄板体3Aは本体部31の面板部同士のみが接着されており、各薄板体3Aのばね要素33及び接触子32については他の薄板体3Aのものとは接着されておらず、自由に変形又は可動できるようにしてある。
【0046】
このように本体部31に対するばね要素33及び接触子32の配置が異なる複数枚の薄板体3Aを厚み方向に対して重ね合わせることで、
図3の拡大斜視図に示すように厚み方向に対して接触子32が重なっている部分を形成することができ、それぞれが自由に移動できるので、フィンガー電極Fに対していずれかの薄板体3Aの接触子32が接触する確率を高めることができる。
【0047】
また、接触子32については銅合金等の導電体の細線で形成されており、フィンガー電極Fを形成している例えば銀ペーストよりも硬度を高くすることができる。このため、多数の太陽電池セルSCについてI-V測定を繰り返しても接触子32は摩耗しにくい。
【0048】
さらに、ばね要素33も導電体の細線で形成されているので、絹糸等の生体材料と比較して塑性変形が生じにくく、繰り返し測定を行ってもばね性に変化が生じにくい。したがって、測定を繰り返すことによってばね要素33により接触子32がフィンガー電極Fに押し付けられる力が低下するといった事象が起こりにくい。
【0049】
これらのことからI-V測定に適した接触子32とフィンガー電極Fとの接触状態を保ち、精度良く測定を行えるものでありながら、繰り返し測定精度を長期間にわたって保つことができ、従来よりも長寿命化を実現できる。
【0050】
次にプローブ3の端部を着脱可能に保持し、駆動機構へと接続するための保持体4について
図6及び
図7を参照しながら説明する。保持体4は概略直方体形状のものであり、プローブ3の両端部をそれぞれ厚み方向に挟持して保持するものである。また、プローブ3のそれぞれの面板部に対して導通可能に接触して、太陽電池セルSCから電流及び電圧をそれぞれ別々に取り出せるようにしてある。具体的には
図6(a)に示すように絶縁体で形成されたボディ47にはプローブ3の端部が挿入される凹部が形成してあり、この凹部には電流取得端子41と電圧取得端子44の一部が露出してある。
図6(b)に示すようにこれらの電流取得端子41と電圧取得端子44の間にプローブ3の端部が挿入されて厚み方向に押圧されて固定される。
【0051】
電流取得端子41及び電圧取得端子44はそれぞれボディ47の内部を通って一部がボディの上端面から露出させてある。これらによって電流計IM及び電圧計VMとそれぞれ配線によって接続される電流端子台43及び電圧端子第46が形成される。すなわち、プローブ3に対して直接配線をはんだ付け等によって接続する必要がない。したがって、配線の取り回し等が非常に簡素に構成できるため保持体4に対するプローブ3の交換作業が従来よりも容易である。
【0052】
電流取得端子41は、
図7(a)及び
図7(b)に示すように電流測定用の薄板体3Aの本体部31Cにおける面板部が押圧される受け面42を具備しており、本体部31Cの面板部と受け面42との間は面接触が実現されるようにしてある。このようにして、電流取得端子41は電流測定用の薄板体3Aとの接触面積を大きくして、大きな電流を流せるようにしてある。
【0053】
電圧取得端子44は、偏心ねじ45を備えている。プローブ3が電流取得端子41と電圧取得端子44との間に差し込まれた状態で、偏心ねじ45を回転させると
図7(a)と
図7(b)に示すように偏心ねじ45の側面がプローブ3を厚み方向に対して押圧する。この結果、偏心ねじ45の側面と受け面42との間にプローブ3の端部が挟持されて固定される。すなわち、電圧取得端子44は電圧取得用の薄板体3Aの本体部31Vにおける面板部に対して線接触している。このように面接触ではなく、線接触にさせているのは、電圧取得端子44には電流取得端子41ほどは大きな電流が流れないためである。また、このような偏心ねじ45と受け面42による線接触と面接触による挟持構造であれば、簡単な着脱構造でありながら、電流測定及び電圧測定に適した接触状態を実現することができる。
【0054】
次に第1実施形態のプローブ3の変形例について
図8を参照しながら説明する。なお、
図8ではわかり易さのために1つの薄板体3Aのみを図示しているが、実際には複数枚の薄板体3Aが厚み方向に積層してあり、全てのフィンガー電極F上にいずれかの薄板体3Aの接触子32が少なくとも1つは接触するように構成してある。この変形例ではフィンガー電極Fの設置本数が
図1等で説明した例よりも多い場合を想定している。すなわち、この変形例では接触子32の長手方向の寸法、及び、設定されている所定間隔は
図8(a)に示すように1つの接触子32に対して多くとも2つまでしか接触しないように構成してある。具体的にはフィンガー電極Fの設置間隔よりも接触子32の長手方向の寸法は若干大きくしてあるが、フィンガー電極Fの設置間隔の2倍よりも小さくなるように設置してある。
【0055】
このような長さ寸法に設定することにより、プローブ3が太陽電池セルSCに押圧された状態ではフィンガー電極Fの中に接触子3Aが接触しないものが発生するのを防ぐことができる。すなわち、
図8(a)に示すように隣り合うフィンガー電極Fの高さが異なっていてもばね要素33のばね性により接触子32は傾斜できるので、高さの異なる2つのフィンガー電極Fには確実に接触できる。
【0056】
また、接触子32の長さ寸法はフィンガー電極の設置間隔の2倍よりも小さく設定されているので、
図8(b)に示すように3つの隣り合うフィンガー電極Fにおいて中央のフィンガー電極Fの高さが低い場合に、接触子32が外側のフィンガー電極Fにのみ接触して橋梁状態をなしてしまうことがない。したがって、この変形例であれば、いずれの接触子32とも接触していないフィンガー電極Fが発生するのを防ぐことができる。
【0057】
次に本発明の第2実施形態について
図9を参照しながら説明する。なお、第1実施形態において説明した部材と対応する部材には同じ符号を付すこととする。
【0058】
図9に示すように、第2実施形態のプローブ3は第1実施形態と比較してばね要素33及び接触子32の形状が異なっている。具体的にはばね要素33は概略S字状に複数回湾曲した細線として形成されている。また、接触子32については複数に分割されたものではなく、一本の細線として全てのフィンガー電極Fと交差できる長さに形成してある。また、接触子32の両端については一部を本体部31側へと上向きに形成してあり、押圧時にフィンガー電極Fや太陽電池セルSCの表面に対して食い込まずに表面に沿って滑るようにして形成してある。
【0059】
このようなものであっても、第1実施形態と同様に太陽電池セルSCと良好な接触状態を実現しつつ、繰り返し測定を行っても摩耗やばね性の劣化による接触状態の変化が起こりにくいものにできる。したがって、高精度な測定を実現しつつ、長寿命化を実現できる。
【0060】
次に本発明の第3実施形態について
図10乃至
図12を参照しながら説明する。なお、第1実施形態において説明した部材と対応する部材には同じ符号を付すこととする。
【0061】
第3実施形態のプローブ3は、第1実施形態のプローブ3と比較して厚み方向に対して積層している薄板体3Aの枚数が異なっている点と、ばね要素が薄板体3Aの厚み方向に対して屈曲させてある点が異なっている。すなわち、本体部31で規定される所定平面の外側にもばね要素33が配置されるように形成してある。
【0062】
具体的には
図10(a)~(i)に示すようにプローブ3は9枚の薄板体3Aを積層したものである。これらを積層した状態のプローブ3は
図10(j)に示すようなものである。各薄板体3Aのばね要素33はその横断面形状が矩形状又は楕円状をなす細線で形成されており、
図11の端面図に示すように厚み方向に対して概略くの字状に屈曲させてある。また、自然状態においては本体部11と接触子32の厚み方向の位置はそれぞれほぼ一致するようにばね要素33を屈曲させてある。なお、このようなばね要素33の形状についてはプレス加工によって実現されている。
【0063】
9枚の薄板体3Aが積層された状態のプローブ3Aは
図12の斜視拡大図に示すように5つの接触子32が階段状に連なった部分と、4つの接触子が階段状に連なった分とが交互に繰り返される周期定期な構造をなしている。すなわち、各薄板体3Aのばね要素33の厚み方向に対して屈曲している方向は揃えられている。
【0064】
このように構成されたプローブ3であれば、板としての剛性を利用してばね要素33のばね性を実現できるので、第1実施形態のばね要素33よりもさらに耐久性を高め、さらに寿命を伸ばす事が可能となる。また、板としての剛性を利用できるため、薄板体3Aの厚みをより小さくすることができ、厚み方向に対して存在する接触子の数を増加させてフィンガー電極3Aとの接触確率を高めることができる。したがって、平均化効果により各フィンガー電極Fとプローブ3との間の接触状態の安定性をさらに高める事が可能となる。
【0065】
次に本発明の第4実施形態について
図13乃至
図17を参照しながら説明する。なお、第1実施形態において説明した部材と対応する部材には同じ符号を付すこととする。
【0066】
第4実施形態のプローブ3は、
図13及び
図14の(a)~(g)に示すように、中央に挟まれるスペーサ板50を基準として対称に一対の薄板体3Aが2組配置され、さらに2組の薄板体3Aの外側にカバー体60が設けられたものである。各部材が厚み方向に積層されることで
図13(h)に示すプローブ3が形成される。
【0067】
図13及び
図14に示される一対の薄板体3Aのそれぞれは
図13に示すように薄板体3Aに周期的に設けられたばね要素33及び接触子32について位相がほぼ半周期ずれるように配置されている。また、各一対の薄板体3A同士も位相がずらしてあり、全ての薄板体3A積層された状態を厚み方向見た場合には
図13(h)に示すように、全ての接触子32により直線が形成される。
【0068】
図14及び
図15に示すように、第3実施形態のプローブ3と比較してばね要素33が薄板体3Aの厚み方向に対してなめらかに湾曲させてある点が異なっている。すなわち、本体部31で規定される所定平面の外側にもばね要素33が配置されるように形成されている。また、ばね要素33は接触子32と接続されている先端部分にのみ折り目が形成されているとともに、それ以外は薄板体3Aの厚み方向に対してなめらかなS字状に湾曲している。ばね要素33は本体部31を基準として表側と裏側にそれぞれ凸が形成されるように湾曲している。また、積層されてプローブ3となった状態では1つの薄板体3Aにおいて隣接するばね要素33の間には他の薄板体3Aのばね要素33が1つ又は2つ存在するように構成されている。
【0069】
図15乃至
図17に示すように、接触子32は概略V字状に折り曲げられており、プローブ3が太陽電池セルSCに対して押圧されていない自然状態ではその稜線部分がフィンガー電極Fに対して接触し、押圧されている状態では稜線部分又は平板部分がフィンガー電極Fに対して接触する。
【0070】
このように構成されたプローブ3であれば、第3実施形態のプローブ3よりも板としての剛性を利用してばね要素33のばね性を実現できるので、第3実施形態のばね要素33よりもさらに耐久性を高め、さらに寿命を伸ばす事が可能となる。
【0071】
その他の実施形態について説明する。
【0072】
第1実施形態ではプローブは複数枚の薄板体についてその本体部同士を接着して構成されていたが、例えばプローブは単一の薄板体のみで構成されているものであっても構わない。各実施形態ではプローブは薄板体だけを積層して構成されていたが、各ばね要素間の隙間に柔軟性を有する樹脂材を膜状にして充填してもよい。このようにすることで、ばね要素のばね性と耐久性を向上させることができる。例えば薄板体1枚ごとに接触子部分は外部に露出するように本体部と接触子との間に樹脂材を長手方向に延びる膜状部材として形成すればよい。このようにすれば各薄板体におけるばね要素及び接触子はそれぞれ独立に可動できるようにしつつ、ばね性や耐久性を向上させることができる。
【0073】
ばね要素については第1及び第2実施形態に示した形状に限られるものではなく押圧時にばね性によって接触子をフィンガー電極に対して所定の力で押し付けられるものであればよい。
【0074】
薄板体を構成する材料については銅合金に限られるものではなく、その他の導電性部材であっても構わない。
【0075】
本体部同士だけを接着するのではなく、ばね要素同士又は接触子同士についても接着して一体化してもよい。
【0076】
太陽電池セルのI-V特性を測定する以外の用途に本発明のプローブ、及び、太陽電池セル測定装置を用いても構わない。
【0077】
第1実施形態において説明した保持体については、本発明のプローブに適したものであるが、その他のプローブに対して用いることも可能である。例えば従来のようにピンを接触子として用い、このピンが2枚の板材で挟持された構造のプローブ等にも用いることができる。このようなものであってもプローブ自体に配線する必要がなくなり、交換作業を容易にすることができる。
【0078】
第4実施形態において説明したプローブについては、接触子は概略V字状に折り曲げられておらず、他の実施形態と同様に長手方向に延びる板状又は線状の部材として形成してもよい。このような簡略化した接触子であれば、曲げ加工を省略できるので製造コストを低減できる。
【0079】
各実施形態ではバスバーレス型の太陽電池セルの電気的特性を測定するためにプローブを用いていたが、各フィンガー電極に対して直交するようにバスバーが形成された太陽電池セルの電気的特性を測定するために本発明のプローブを用いても構わない。この場合には、プローブの各接触子についてはバスバー上に配置させ、フィンガー電極には触れないよう配置してもよい。すなわち、本発明のプローブは太陽電池セルのタイプによらず電気的特性を測定するのに好適に用いることができる。
【0080】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な実施形態の組み合わせや変形を行っても構わない。
【符号の説明】
【0081】
100・・・太陽電池セル測定装置
3 ・・・プローブ
3A ・・・薄板体
31 ・・・本体部
32 ・・・接触子
33 ・・・ばね要素
4 ・・・保持体
41 ・・・電流取得端子
42 ・・・受け面
44 ・・・電圧取得端子