(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ゲートウェイ装置、センサノード、データ収集方法、データ送信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 88/16 20090101AFI20231121BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20231121BHJP
H04W 4/70 20180101ALI20231121BHJP
H04W 4/08 20090101ALI20231121BHJP
H04W 4/02 20180101ALI20231121BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20231121BHJP
H04W 68/00 20090101ALI20231121BHJP
【FI】
H04W88/16
H04W4/38
H04W4/70
H04W4/08
H04W4/02
H04W84/18 110
H04W68/00
(21)【出願番号】P 2019178624
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-08-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000232254
【氏名又は名称】日本電気通信システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】片柳 健志
(72)【発明者】
【氏名】岩津 稔
(72)【発明者】
【氏名】橋本 道徳
(72)【発明者】
【氏名】浜田 陽一
【審査官】石田 信行
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-205583(JP,A)
【文献】特開2005-303380(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0014615(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
H04B 7/24 - 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサノードに対して、応答要否を判定するための条件を含んだ呼び出しメッセージを送信する呼出部と、
前記呼び出しメッセージに対し応答があったセンサノードの中から、所定の順序でデータを収集するデータ収集部と、
を備え、
前記センサノードの位置情報を取得可能であり、前記データ収集部が、前記センサノードの位置と、自機の位置との距離に基づいて、前記センサノードからのデータの収集順序を決定する、及び/又は、
前記データ収集部が、前記センサノードからのデータの受信履歴に基づいて、前記センサノードからのデータの収集順序を決定する、
ゲートウェイ装置。
【請求項2】
所定のコースを繰り返し移動する移動体に搭載されて、前記呼び出しメッセージの到達範囲に位置するセンサノードから、データを収集可能な請求項1のゲートウェイ装置。
【請求項3】
前記データ収集部は、前記センサノードから受信したデータの信号強度に基づいて、前記センサノードからのデータの収集順序を決定する
請求項1又は2のゲートウェイ装置。
【請求項4】
前記応答要否を判定するための条件として、少なくとも前記センサノードに保持されている情報の値が設定されている
請求項1から3いずれか一のゲートウェイ装置。
【請求項5】
前記応答要否を判定するための条件として、少なくとも前記センサノードの種別が設定されている
請求項1から4いずれか一のゲートウェイ装置。
【請求項6】
センサノードに対して、応答要否を判定するための条件を含んだ呼び出しメッセージを送信し、
前記呼び出しメッセージに対し応答があったセンサノードの中から、所定の順序でデータを収集
し、
前記センサノードの位置情報を取得可能であり、前記センサノードの位置と、自機の位置との距離に基づいて、前記センサノードからのデータの収集順序を決定する、及び/又は、
前記センサノードからのデータの受信履歴に基づいて、前記センサノードからのデータの収集順序を決定する、
データ収集方法。
【請求項7】
センサノードに対して、応答要否を判定するための条件を含んだ呼び出しメッセージを送信する処理と、
前記呼び出しメッセージに対し応答があったセンサノードの中から、所定の順序でデータを収集する
処理と、
前記センサノードの位置情報を取得可能であり、前記センサノードの位置と、自機の位置との距離に基づいて、前記センサノードからのデータの収集順序を決定する処理、及び/又は、
前記センサノードからのデータの受信履歴に基づいて、前記センサノードからのデータの収集順序を決定する処理を、
ゲートウェイ装置に実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲートウェイ装置、センサノード、データ収集方法、データ送信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動式のゲートウェイ装置(データ収集装置)を用いてセンサノードから情報を収集する方法として、センサノードを必要なときだけ起動させて効率よくデータを収集する方法が研究されている。
【0003】
特許文献1に、制御したい機器(照明等)を特定し、かつ、その機器を制御するための制御識別子を容易に取得して制御対象の機器を制御できるという無線装置が開示されている。同文献によると、この無線装置は、無線装置の位置情報と機器と機器の制御識別子とを相互に対応付けて格納するデータベースを検索し、無線装置の位置情報に基づいて無線装置の周辺に存在する機器と制御識別子とを取得する。そして、この無線装置は、その取得した機器と制御識別子とに基づいて、制御対象機器を決定するとともに制御対象機器の制御識別子を生成する。そして、この無線装置は、その生成した制御識別子を制御対象機器に搭載された受信機へ無線通信によって送信して制御対象機器を制御する。
【0004】
特許文献2には、対象物の内部状態の判断に必要なセンサデータを無線タグから車両等に搭載されたリーダに送信して収集し、データ処理によって対象物に関する必要な情報を得ることのできるという無線タグシステムが開示されている。同文献によると、この無線タグは、センサを間欠動作させるタイミングを制御し、センサが動作中に取得したセンサデータを記憶部に記憶するセンサ制御手段と、要求信号を受信したときに、記憶部に記憶したセンサデータを送信する送受信制御手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2014/030377号
【文献】特開2014-219891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下の分析は、本発明者によって与えられたものである。特許文献1の方法では、無線装置の位置情報と機器と機器の制御識別子とを相互に対応付けて格納するデータベースを事前に用意しなければならないという問題点がある(特許文献1の
図5参照)。
【0007】
一方、特許文献2の構成では、リーダから無線タグに要求信号を送信することで、データを収集することが可能となっている。しかしながら、要求信号の到達範囲に複数の無線タグが存在する場合、複数の無線タグがセンサデータを送信することになり、センサデータの競合が起こり得る。今後、ゲートウェイ装置を車両やドローンに搭載し、その移動コースの周囲に散在する様々なセンサノードから、より効率よく、データを収集するといった運用を考えると、上記競合の問題を解決する必要がある。
【0008】
一般的に、無線分野では、同時に通信を試みる可能性のあるノード間の競合を回避する技術として、CSMA/CAが用いられるが、広範囲に効率よくセンサノードを収集することを考えると、CSMA/CAによる競合回避には限界がある。なお、CSMA/CAは、Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidanceの略である。
【0009】
本発明は、移動式のゲートウェイ装置によるデータの収集の効率向上に貢献できるゲートウェイ装置、センサノード、データ収集方法、データ送信方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の視点によれば、センサノードに対して、応答要否を判定するための条件を含んだ呼び出しメッセージを送信する呼出部と、前記呼び出しメッセージに対し応答があったセンサノードの中から、所定の順序でデータを収集するデータ収集部と、を備えたゲートウェイ装置が提供される。
【0011】
第2の視点によれば、ゲートウェイ装置からの呼び出しメッセージに応じて、前記呼び出しメッセージに含まれる応答要否を判定するための条件に基づいて応答要否を判定する判定部と、前記呼び出しメッセージに応答すると判定した場合、前記呼び出しメッセージに対して、応答メッセージを送信する応答部と、を備えたセンサノードが提供される。
【0012】
第3の視点によれば、センサノードに対して、応答要否を判定するための条件を含んだ呼び出しメッセージを送信し、前記呼び出しメッセージに対し応答があったセンサノードの中から、所定の順序でデータを収集するデータ収集方法が提供される。本方法は、上記した呼出部とデータ収集部とを備えるゲートウェイ装置という、特定の機械に結びつけられている。
【0013】
第4の視点によれば、ゲートウェイ装置からの呼び出しメッセージに応じて、前記呼び出しメッセージに含まれる応答要否を判定するための条件に基づいて応答要否を判定し、前記呼び出しメッセージに応答すると判定した場合、前記呼び出しメッセージに対して、応答メッセージを送信するデータ送信方法が提供される。本方法は、上記した判定部と応答部とを備えるセンサノードという、特定の機械に結びつけられている。
【0014】
第5の視点によれば、上記したゲートウェイ装置又はセンサノードの機能を実現するためのコンピュータプログラムが提供される。このプログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インターフェースを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させる。また、このプログラムは、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インターフェースを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、移動式のゲートウェイ装置によるデータの収集の効率化に貢献することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】本発明の一実施形態の動作を説明するための図である。
【
図3】本発明の一実施形態の動作を説明するための図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態の詳細構成を表した機能ブロック図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態のIoT-GWのノード呼出動作を説明するための図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態のセンサ管理サーバが保持するセンサ情報の一例を示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態のセンサノードの動作を説明するための図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態のIoT-GWのデータ取得動作を説明するための図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態の動作を表したシーケンス図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態のIoT-GWのデータ収集順序の変更機能を説明するための図である。
【
図12】本発明の第1の実施形態を、変圧トランスや電柱の劣化診断に適用した例を示す図である。
【
図13】本発明の第1の実施形態を、高圧電線や鉄塔の劣化診断に適用した例を示す図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態のセンサ管理サーバが保持するセンサ情報の一例を示す図である。
【
図15】本発明の第3の実施形態のセンサ管理サーバが保持するセンサ情報の一例を示す図である。
【
図16】本発明の第4の実施形態のセンサ管理サーバが保持するセンサ情報の一例を示す図である。
【
図17】本発明の第5の実施形態を説明するための示す図である。
【
図18】本発明の第5の実施形態の動作を説明するための図である。
【
図19】本発明の第5の実施形態におけるセンサノードからのデータ収集順序を説明するための図である。
【
図20】本発明のIoT-GW又はセンサノードに搭載されるコンピュータの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
はじめに本発明の一実施形態の概要について図面を参照して説明する。なお、この概要に付記した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インターフェース、及び必要に応じ表示装置を備える。また、このコンピュータ装置は、通信インターフェースを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、通信可能に構成される。また、図中の各ブロックの入出力の接続点には、ポート乃至インターフェースがあるが図示省略する。また、以下の説明において、「A及び/又はB」は、A又はB、又はA及びBという意味で用いる。
【0018】
本発明は、その一実施形態において、
図1に示すように、ゲートウェイ装置10と、センサノード20A~20Nと、を含む構成にて実現できる。より具体的には、ゲートウェイ装置10は、呼出部11と、データ収集部12と、を備える。センサノード20A~20Nは、それぞれ判定部21と、応答部22と、を備える。
【0019】
ゲートウェイ装置10は、車両や無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle)等に搭載され、あるいは、ユーザーによって携行され、移動中にデータ取得動作を行う。具体的には、
図2に示すように、ゲートウェイ装置10の呼出部11が、応答要否を判定するための条件を含んだ呼び出しメッセージを送信する。
図2のセンサノード20A~20Nは、この呼び出しメッセージを受信可能なエリアに位置するものとする。
【0020】
センサノード20A~20Nの判定部21は、前記ゲートウェイ装置10からの呼び出しメッセージに応じて、前記呼び出しメッセージに含まれる応答要否を判定するための条件に基づいて応答要否を判定する。そして、センサノード20A~20Nの応答部22は、前記呼び出しメッセージに応答すると判定した場合、前記呼び出しメッセージに対して、応答メッセージを送信する。
図3の例では、センサノード20Bが呼び出しメッセージに応答すると判定し、応答メッセージを送信している。
【0021】
以降、ゲートウェイ装置10のデータ収集部12は、前記呼び出しメッセージに対し応答があったセンサノード20Bからデータを収集する。なお、センサノード20B以外のセンサノードから応答があった場合、ゲートウェイ装置10のデータ収集部12は、これらのセンサノードから、所定の順序でデータを収集する。このデータの収集順序は、例えば、センサノードの位置や受信データの信号強度等に基づいて決定することができる。このデータの収集順序は、例えば、センサノードからのデータの受信履歴に基づいて決定することもできる。例えば、前回のノード呼び出しの際に、データを取得済みのセンサノードと、データを取得していないセンサノードとが存在する場合、データを取得していないセンサノードのデータ収集を先に行う構成を採ることができる。
【0022】
以上説明したように、本実施形態によれば、センサノードを特定せずに、所定のエリア内に位置するセンサノードに呼び出しメッセージを送信し、データ取得対象とすることができる。加えて、本実施形態では、呼び出しメッセージに応答要否を判定するための条件を含めているため、応答するセンサノードの数を制限することができる。これにより、前述したセンサノードを特定しないデータ収集と、データ競合の問題を解決することができる。
【0023】
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態の構成を示す図である。
図4を参照すると、複数のセンサノード200A~200Kと、IoT-GW100と、端末400と、クラウド500とを含む構成が示されている。なお、IoTとGWは、それぞれInternet of Thingsとゲートウェイの略である。
【0024】
センサノード200A~200K(以下、センサノード200A~200Kを特に区別しない場合、「センサノード200」と記す)は、
図7に例示される各種のセンサで測定されたデータを送信するノードである。本実施形態では、センサノード200は、内蔵電池により動作し、起動用の無線信号(呼び出しメッセージ)を受信したときに、待ち受け状態から起動状態に遷移してIoT-GW100と通信するIoTデバイスであるものとして説明する。もちろん、センサノード200は、このようなIoTデバイスに限られない。例えば、ゲートウェイからの呼び出しメッセージに応じて、センサから受け取ったデータを送信する機能を備えた端末装置などが含まれていてもよい。センサノードの詳細は後に
図5を参照して説明する。
【0025】
IoT-GW100は、地点P1から地点P2への経路を含む所定のコースを移動するとともに、前述の起動用の無線信号(呼び出しメッセージ)をブロードキャストする前述のゲートウェイ装置に相当する機器である。そして、IoT-GW100は、応答があったセンサノード200からデータを取得することで、所定のコースに沿って散在するセンサノード200からデータを収集する。
【0026】
端末400は、IoT-GW100で収集されたデータを受け取り、クラウド500側に送信し、データの蓄積や分析を依頼する。また、端末400は、クラウド500に蓄積されたデータや分析結果の閲覧にも使用される。
【0027】
クラウド500は、端末400からデータを受け取り、管理する。また、クラウド500は、端末400からの要求等に応じて、IoT-GW100で収集されたデータの分析サービスを提供する。なお、クラウド500におけるデータの管理形態としては、センサの種類や、データの所有者毎など、データの収集目的に応じて、様々な形態を採ることができる。また、本実施形態では、クラウド500でデータの分析等を行うものとしているが、オンプレミス型の設備で、データの分析や管理を行ってもよいことはもちろんである。
【0028】
続いて、上記したIoT-GW100と、センサノード200の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態の詳細構成を表した機能ブロック図である。
図5を参照すると、IoT-GW100は、呼出部101と、データ収集部102と、センサ情報取得部103とを備えている。
【0029】
呼出部101は、所定の時間間隔で起動用の無線信号(呼び出しメッセージ)をブロードキャストする。なお、この所定の時間間隔は、IoT-GW100のセンサノード200の配置密度やIoT-GW100の移動速度等に応じて、リアルタイムに変更してもよい。本実施形態の呼び出しメッセージには、応答すべきセンサノード200を指定する応答制限情報が含まれている。応答制限情報については、後にセンサノード200の判定部201の機能と併せて説明する。
【0030】
図6は、本発明の第1の実施形態のIoT-GW100のノード呼出動作を説明するための図である。前記呼出部101は、IoT-GW100の走行中に、呼び出しメッセージをブロードキャストする。
図6の例では、センサノード200D、200E、200F、200Iに呼び出しメッセージが到達している。なお、
図6からも理解されるように、呼び出しメッセージの到達する範囲は、呼び出しメッセージを受信するセンサノード200の数が適当な範囲に収まるように送信電力や指向性が設定されていることが好ましい。例えば、
図6のセンサノード200G、200H、200J、200Kは、IoT-GW100の進行方向にあり、IoT-GW100が近づいてから呼び出し、データを取得した方が効率がよいからである。また、
図6のセンサノード200A、200B、200Cは、すでにデータを取得した可能性が高く、そのようなセンサノードを再度起動させてしまうことを避ける意味でも、呼び出しメッセージの到達する範囲は適切に設定される必要がある。
【0031】
センサ情報取得部103はセンサ管理サーバ300からセンサノード200の情報を取得し、データ収集部102に提供する。
【0032】
図7は、センサ管理サーバ300が保持するセンサ情報の一例を示す図である。
図7を参照すると、センサノード200のセンサ種別とセンサ位置とを対応付けた情報が示されている。本実施形態では、このセンサ種別を、応答制限情報に設定する。なお、
図7の例では、センサ位置として緯度経度情報を用いているが、センサノード200が鉄道等の線路に沿って配置されている場合、緯度経度情報に代えて、キロ程情報を用いることもできる。ここで、「キロ程情報」とは、起点から基準点までの距離をキロメートルで表わしたものである。
【0033】
データ収集部102は、呼出部101からの呼び出しメッセージに対し、応答のあったセンサノード200に対し、センサデータ要求メッセージを送信し、データを取得する。
図8に示すように、呼び出しメッセージに対し、応答したセンサノード200が複数ある場合、データ収集部102は、センサ情報取得部103から得られたセンサ位置情報に基づいて、データを取得するセンサノードの順序を決定する。例えば、
図8のように、センサノード200D、200E、200Iから応答があった場合、データ収集部102は、自機との距離に基づいて、データを取得するセンサノード200の順序を決定する。例えば、データ収集部102は、
図9に示すように、距離が最も近いセンサノード200Dを最初にデータを取得するセンサノードとして選択する。次に、データ収集部102は、センサノード200Eとセンサノード200Iとを比較して、センサノード200Iを選択する。最後に、データ収集部102は、センサノード200Eを選択する。なお、IoT-GW100とセンサノード200間の距離は、GNSS(Global Navigation Satellite System)位置情報からその都度計算してもよい。また、センサノード200が固定されているならば、前回のデータ収集時に計算したIoT-GW100とセンサノード200間の距離をキャッシュしておき、再利用してもよい。
【0034】
続いて、センサノード200の構成について、再度
図5を参照して説明する。
図5を参照すると、センサノード200は、判定部201と、応答部202と、を備えている。
【0035】
判定部201は、IoT-GW100から呼び出しメッセージを受信すると、呼び出しメッセージに含まれる応答制限情報を参照して、自機が応答制限情報に定められた条件を満たすか否かを確認し、その結果を応答部202に送信する。なお、センサノードが自身のセンサ種別を識別する方法としては、予め定めたレジスタ等にセンサ種別を示す値を保持させておけばよい。例えば、応答制限情報として、センサ種別=変圧トランスが設定されている場合、判定部201は、自機のセンサ種別が変圧トランスである場合、応答要と判定する。一方、自機のセンサ種別が電柱である場合、判定部201は、応答不要と判定する。例えば、
図6に示すように、センサノード200D、200E、200F、200Iが、応答制限情報に変圧トランスを指定した呼び出しメッセージを受信した場合、それぞれのセンサノード200の判定部201が判定を行う。具体的には、それぞれのセンサノード200の判定部201は、自機が応答制限情報に定められた条件を満たすか否かを確認する。
図8の例では、センサ種別が変圧トランスであるセンサノード200D、200E、200Iが応答を行ない、センサ種別が電柱であるセンサノード200Fの判定部201は応答を抑止する。
【0036】
応答部202は、判定部201の判定結果が応答要である場合、IoT-GW100に対し、呼び出しメッセージに対する応答(ノード応答)をユニキャストで送信する。一方、判定部201の判定結果が応答不要である場合、応答部202は、IoT-GW100の呼び出しメッセージに対する応答(ノード応答)を行わない。
【0037】
さらに、前記呼び出しメッセージに対する応答(ノード応答)を送信した場合において、IoT-GW100からセンサデータ要求メッセージを受け取ると、応答部202は、IoT-GW100に対し、センサデータを送信する(
図9参照)。
【0038】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。
図10は、第1の実施形態のIoT-GW100が所定の周期で行うデータ収集動作を表したシーケンス図である。
図10を参照すると、まず、IoT-GW100は、予め定められた送信電力で、呼び出しメッセージをブロードキャストする(ステップS001;ノード呼出)。
【0039】
図10の例では、センサノード200D、200E、200F、200Iに呼び出しメッセージが到達している。呼び出しメッセージを受信したセンサノード200D、200E、200F、200Iは、呼び出しメッセージに含まれる応答制限情報を参照して応答するか否かを判定する。
図10の例では、このうちのセンサノード200D、200E、200Iが応答を送信している(ステップS002;ノード応答)。
【0040】
センサノード200D、200E、200Iから応答を受信したIoT-GW100は、センサ管理サーバ300から取得したセンサノード200の情報を参照して、データ収集順序を決定する(ステップS003)。
【0041】
図11は、IoT-GW100におけるデータ収集順序の変更機能を説明するための図である。例えば、
図11の左側に示すように、IoT-GW100は、センサノード200E、200D、200Iの順で、ノード応答を受信したものとする。なお、センサノード200からの応答には、CSMA/CAが用いられ、ランダムに待ち時間が設定される。このため、必ずしもIoT-GW100から近いセンサノード200からの応答が最も早く届くという保証はない。
【0042】
ここで、センサノード200E、200D、200Iと、IoT-GW100の位置関係は、
図8に示すとおりであったものとする。この場合、ノード応答の受信順、即ち、センサノード200E、200D、200Iの順で、データを取得すると、IoT-GW100から最も遠いセンサノード200Eからデータを取得することになってしまい非効率である。そこで、IoT-GW100は、センサ管理サーバ300から取得したセンサノード200の位置情報を用いて、自機との距離が近い順に、センサノード200E、200D、200Iのデータ収集順序を決定する。
図11の例では、IoT-GW100は、は、センサノード200D、200I、200Eの順でデータを取得することを決定している。
【0043】
その後、IoT-GW100は、前記決定したデータ収集順序に従い、センサノード200D、200I、200Eの順でデータを取得する(ステップS004~S009)。このデータ収集順序は、
図8に示すとおり、IoT-GW100から近いセンサノード200から順にデータを取得するものであり、データの取得を効率化するものとなっている。
【0044】
以上説明したように、本実施形態によれば、ゲートウェイ装置(IoT-GW100)が移動しながらデータを収集する際に、呼び出しメッセージに対し、その処理能力を超える数のセンサノード200が応答してしまう事態を回避することが可能となる。その理由は、呼び出しメッセージに含まれる応答制限情報を用いて、応答するセンサノード200の数を調整可能としたことにある。
【0045】
また、本実施形態によれば、複数のセンサノード200が応答した場合におけるデータ収集順序が最適化される。これにより、IoT-GW100の単位時間あたりのデータ取得性能を向上させることが可能となる。その理由は、センサ管理サーバ300から取得したセンサノード200の位置情報を用いて、距離を考慮してデータ収集順序を入れ替える構成を採用したことにある。
【0046】
また上記した実施形態ではセンサノード200とIoT-GW100間の距離に基づいてデータの収集順序を決定するものとして説明したが、この距離に代えて、センサノード200から受信したデータの信号強度等を用いて、データの収集順序を決定することもできる。例えば、受信データの信号強度が強いセンサノード200は、IoT-GW100の近くに位置していると推定できるので、これらのセンサノード200のデータ収集を優先することが考えられる。もちろん、センサノード200とIoT-GW100間の距離と、受信データの信号強度との双方に基づいて、データの収集順序を決定するものとしてもよい。
【0047】
上記した第1の実施形態の構成は、IoT-GW100を用いて、架空配電線路上に配置されている変圧トランスや電柱そのものの劣化診断を行う構成に適用できる。例えば、
図12に示すように、IoT-GW100を車両に搭載し、架空配電線路に沿って移動させる。車両に搭載されたIoT-GW100は、上記した第1の実施形態と同様に、所定の時間間隔で、応答制限情報で変圧トランスを指定した呼び出しメッセージを送信する。このようにすることで、IoT-GW100は、センサ種別が変圧トランスであるセンサノード200からデータ(例えば、変圧トランスの振動データ)を効率よく収集することができる。また、同様に、応答制限情報で電柱を指定した呼び出しメッセージを送信することで、センサ種別が電柱であるセンサノード200からデータ(例えば、電柱の振動データや傾きデータ)を効率よく収集することができる。これらのデータをクラウド500側で分析することで、変圧トランスや電柱の劣化診断を行うことが可能となる。
【0048】
上記した第1の実施形態のIoT-GW100は、車両に限らず、ドローン(UAV)に搭載することもできる。例えば、
図13に示すように、IoT-GW100をドローン(UAV)100Aに搭載し、鉄塔に張られた高圧電線に沿って移動させる。ドローン(UAV)100Aに搭載されたIoT-GW100は、上記した第1の実施形態と同様に、所定の時間間隔で、応答制限情報で鉄塔を指定した呼び出しメッセージを送信する。このようにすることで、IoT-GW100は、センサ種別が鉄塔であるセンサノード200からデータ(例えば、鉄塔の振動データ)を効率よく収集することができる。また、同様に、応答制限情報で高圧電線を指定した呼び出しメッセージを送信することで、センサ種別が高圧電線であるセンサノード200からデータ(例えば、高圧電線の振動データ)を効率よく収集することができる。また、IoT-GW100をドローン(UAV)100Aに搭載した場合、ドローン(UAV)100Aのカメラで鉄塔や高圧電線の画像を撮影することもできる。これらのデータをクラウド500側で分析することで、高圧電線や鉄塔の劣化診断を行うことが可能となる。
【0049】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。上記した第1の実施形態では、IoT-GW100が応答制限情報として、センサ種別を設定した呼び出しメッセージを送信したが、応答制限情報として設定可能な情報は、センサ種別に限られない。第2の実施形態では、応答制限情報として各センサノード200の管理部門情報を設定する。なお、センサノードが自身の管理部門を識別する方法としては、予め定めたレジスタ等に管理部門を示す値を保持させておけばよい。第2の実施形態の構成は、基本的に第1の実施形態と同様であるので、以下その相違点を中心に説明する。
【0050】
図14は、第2の実施形態のセンサ管理サーバ300が保持するセンサ情報の一例を示す図である。
図14を参照すると、センサノード200の管理部門とセンサ位置とを対応付けた情報が示されている。なお、
図14のセンサノード200Cのように、1つのセンサノードが複数の管理部門に属していてもよい。例えば、
図14のセンサノード200Cは、電力部門を指定した呼び出しメッセージと、信号部門を指定した呼び出しメッセージとのそれぞれに応答することになる。
【0051】
本実施形態のIoT-GW100の呼出部101は、応答制限情報として、管理部門を指定した呼び出しメッセージをブロードキャストする。前記呼び出しメッセージを受信したセンサノード200の判定部201は、呼び出しメッセージに含まれる応答制限情報を参照して、自機が応答制限情報に定められた管理部門に属するか否かを確認し、その結果を応答部202に送信する。そして、センサノード200の応答部202は、判定部201の判定結果が応答要である場合、IoT-GW100に対し、呼び出しメッセージに対する応答を送信する。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、ゲートウェイ装置(IoT-GW100)が移動しながらデータを収集する際に、管理部門を指定して、応答するセンサノード200の数を調整しつつ、データを効率よく収集することが可能となる。例えば、IoT-GW100が、
図14の通信部門、電力部門、信号部門のいずれか1つ以上を設定し、該当する管理部門からデータを収集することが可能となる。本実施形態では、センサノードを管理する管理部門ごとにデータを収集することが可能となるため、管理部門ごとに、異なる周期でデータを収集するといった用途に好適に適用することが可能となる。
【0053】
[第3の実施形態]
続いて、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。第3の実施形態では、応答制限情報として各センサノード200のMAC(Media Access Control)アドレスを設定する。第3の実施形態の構成は、基本的に第1の実施形態と同様であるので、以下その相違点を中心に説明する。
【0054】
図15は、第3の実施形態のセンサ管理サーバ300が保持するセンサ情報の一例を示す図である。
図15を参照すると、センサノード200のセンサ種別とセンサ位置とMACアドレスとを対応付けた情報が示されている。
【0055】
本実施形態のIoT-GW100の呼出部101は、特定のセンサノード200からデータを取得するための応答制限情報としてMACアドレスを指定した呼び出しメッセージをブロードキャストする。前記呼び出しメッセージを受信したセンサノード200の判定部201は、呼び出しメッセージに含まれる応答制限情報を参照して、応答要否を判定し、その結果を応答部202に送信する。そして、センサノード200の応答部202は、判定部201の判定結果が応答要である場合、IoT-GW100に対し、呼び出しメッセージに対する応答を送信する。
【0056】
以上説明したように、本実施形態によれば、ゲートウェイ装置(IoT-GW100)が移動しながらデータを収集する際に、センサノードを指定して、データを収集することが可能となる。特に、センサノード200自身が移動するケースや、センサノード200自身が、他のセンサノード200からデータを集める機能を有するケースに好適に使用することができる。
【0057】
[第4の実施形態]
続いて、本発明の第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。第4の実施形態では、応答制限情報として各センサノード200のセンサ種別に加えて、データ取得履歴を設定する。なお、センサノードが自身のセンサ種別やデータ送信履歴を識別する方法としては、予め定めたレジスタ等にセンサ種別やデータ送信履歴を示す値を保持させておけばよい。第4の実施形態の構成は、基本的に第1の実施形態と同様であるので、以下その相違点を中心に説明する。
【0058】
図16は、第4の実施形態のセンサ管理サーバ300が保持するセンサ情報の一例を示す図である。
図16を参照すると、センサノード200のセンサ種別とセンサ位置とデータ送信履歴とを対応付けた情報が示されている。
【0059】
本実施形態のIoT-GW100の呼出部101は、応答制限情報として、センサ種別に加えて、データ送信履歴が未送信であるセンサノードを指定した呼び出しメッセージをブロードキャストする。前記呼び出しメッセージを受信したセンサノード200の判定部201は、呼び出しメッセージに含まれる応答制限情報を参照して、自機のセンサ種別と、データ送信履歴に基づいて、応答要否を判定し、その結果を応答部202に送信する。そして、センサノード200の応答部202は、判定部201の判定結果が応答要である場合、IoT-GW100に対し、呼び出しメッセージに対する応答を送信する。
【0060】
以上説明したように、本実施形態によれば、ゲートウェイ装置(IoT-GW100)が移動しながらデータを収集する際に、センサノードの種別とデータ送信履歴とを指定して、データを収集することが可能となる。特に、本実施形態では、データ送信履歴を指定可能であるため、呼び出しメッセージの到達圏内に多数のセンサノード200が存在するケースに好適に使用することができる。
【0061】
[第5の実施形態]
続いて、本発明の第5の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明は、鉄道車両や路線バス等の予め定められた経路を巡回する車両等に、IoT-GW100を搭載する形態にも好適に適用できる。
図17は、本発明の第5の実施形態を説明するための示す図である。
図17を参照すると、鉄道車両に搭載されたIoT-GW100と、このIoT-GW100がデータを取得するセンサノード200の配置例が示されている。
【0062】
図17の例では、センサノード200は、電化柱やバランサー(テンションバランサー)、吊架線やトロリー線、踏切や障害物検知装置、レールやバラスト、信号機、転轍機や軌道回路に配置されている。
【0063】
図18は、鉄道車両に搭載された第5の実施形態のIoT-GW100の動作を説明するための図である。鉄道車両の場合、所定のダイヤグラムに従い、IoT-GW100は、決められた経路を往復することになる。また、
図18のセンサノード200-1~200-10はそれぞれカウンタを備えているものとして説明する。カウンタの初期値は1であり、データ未送信の状態を示す。そして、データ送信に成功した際に、センサノード200-1~200-10はカウンタの値を0に変更する。
【0064】
例えば、
図18に示すとおり、1回目の走行の際に、IoT-GW100は、応答制限情報としてカウンタ=1とした呼び出しメッセージをブロードキャストする(
図18の上段「ノード呼び出し(カウンタ=1)参照」)。
【0065】
前記1回目の走行の結果、センサノード200-1~200-10から応答があったものとする(
図18の(a)参照)。このうちのセンサノード200-1~200-3、200-5~200-7、200-9からデータ収集に成功したものとする。この時点で、センサノード200-1~200-3、200-5~200-7、200-9は、カウンタの値を0に変更する。この結果、センサノード200-1~200-3、200-5~200-7、200-9は、2回目以降のノード呼び出しに対し応答を行わなくなる(
図18の(b)参照)。
【0066】
その後、2回目の走行で、IoT-GW100が、応答制限情報としてカウンタ=1とした呼び出しメッセージをブロードキャストする。この場合、カウンタ値が1のままであるセンサノード200-4、200-8、200-10が、前記呼び出しメッセージに応答することになる(
図18の(c)参照)。そして、センサノード200-4、200-8、200-10はデータ送信に成功すると、カウンタの値を0に変更する。この結果、センサノード200-1~200-10のカウンタ値が0になり、3回目以降の走行では、ノード呼び出しに応答するセンサノードは存在しなくなる。これにより、センサノードの電力消費や無用の通信が削減される。
【0067】
その後、センサノード200-1~200-10が、任意のタイミングで、カウンタ値を1に戻すと、センサノード200-1~200-10は、再びノード呼び出しに応答する状態に復帰する(
図18の(c)参照)。
【0068】
もちろん、上記カウンタに加えて、応答制限情報として、第1~第4の実施形態と同様に、センサ種別や管理部門を設定してもよい。これにより、応答するノードをさらに減らすことが可能となる。
【0069】
なお、本実施形態のように鉄道や路線バスにIoT-GW100を搭載することを前提とする場合、センサ管理サーバ300に、各センサノードのキロ程情報を保持させることが好ましい。そして、IoT-GW100は、センサ管理サーバ300から、このセンサ情報を取得することで、より簡便に、センサノード200からのデータ取得順序を決定することができる。例えば、
図19の左側のテーブルに示すように、センサノード200A~200Nのキロ程情報が得られているものとする。一方、本実施形態のIoT-GW100は、鉄道車両に搭載されて、線路上を一定方向に移動する。従って、IoT-GW100は、呼び出しメッセージに対する応答があったセンサノードについて、キロ程情報を用いてデータ収集順序を決定することで、自機からの距離の近い順に、センサノードからデータを収集することができる。例えば、IoT-GW100が、キロ程の少ない方向から多い方向(往路とする。)に移動する場合、IoT-GW100は、
図19の右図のテーブルに示すように、センサノード200C、センサノード200A、センサノード200B・・・センサノード200Nの順で、データを収集することで、効率よくデータを収集することが可能となる。同様に、復路についても、IoT-GW100は、センサノード200N・・・、センサノード200B、センサノード200A、センサノード200Cの順で、データを収集することで、効率よくデータを収集することが可能となる。
【0070】
以上説明したように、本発明は、鉄道車両や路線バス等の予め定められた経路を運行する車両等にIoT-GW100を搭載する形態でのデータ収集にも好適に適用することができる。
【0071】
上記した実施形態では、センサノード200-1~200-10が、呼び出し応答状態を管理するためのカウンタを持つものとして説明したが、カウンタに代えて、呼び出しメッセージに含まれるカウンタ値を記憶する構成も採用可能である。この場合、センサノード200-1~200-10は、前回応答した呼び出しメッセージに含まれていたカウンタ値を記憶する。そして、センサノード200-1~200-10は、再度同じカウンタ値を含む呼び出しメッセージを受けた場合、応答制限情報に該当するとして呼び出しメッセージに対する応答を抑止する。一方、IoT-GW100は、必要なセンサノード200からのデータ取得に成功すると、次回の呼び出しメッセージに含めるカウンタ値を更新する(例えば、インクリメントする)。そして、IoT-GW100が、更新後のカウンタ値を設定した呼び出しメッセージを送信することで、新しいデータの収集を開始することができる。このように、センサノード200-1~200-10がカウンタを持たない場合でも、上記した実施形態と同様に効率よくデータを収集することが可能となる。
【0072】
以上、本発明の各実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、各図面に示した装置間の接続構成、各要素の構成、データの表現形態は、本発明の理解を助けるための一例であり、これらの図面に示した構成に限定されるものではない。
【0073】
また、上記した第1~第5の実施形態に示した手順は、IoT-GW100やセンサノード200として機能するコンピュータ(
図20の9000)に、これらの装置としての機能を実現させるプログラムにより実現可能である。このようなコンピュータは、
図20のCPU(Central Processing Unit)9010、通信インターフェース9020、メモリ9030、補助記憶装置9040を備える構成に例示される。すなわち、
図20のCPU9010にて、ノード呼び出しプログラムやデータ収集プログラムを実行し、その補助記憶装置9040等に保持された各計算パラメーターの更新処理を実施させればよい。
【0074】
また、上記した各実施形態に示したIoT-GW100やセンサノード200の各部(処理手段、機能)は、これらの装置に搭載されたプロセッサに、そのハードウェアを用いて、上記した各処理を実行させるコンピュータプログラムにより実現することができる。
【0075】
最後に、本発明の好ましい形態を要約する。
[第1の形態]
(上記第1の視点によるゲートウェイ装置参照)
[第2の形態]
上記したゲートウェイ装置は、
所定のコースを繰り返し移動する移動体に搭載されて、前記呼び出しメッセージの到達範囲に位置するセンサノードから、データを収集する構成を採ることができる。
[第3の形態]
上記したゲートウェイ装置は、さらに、
前記センサノードの位置情報を取得可能であり、
前記データ収集部は、前記センサノードの位置と、自機の位置との距離に基づいて、前記センサノードからのデータの収集順序を決定する構成を採ることができる。
[第4の形態]
上記したゲートウェイ装置の前記データ収集部は、前記センサノードから受信したデータの信号強度に基づいて、前記センサノードからのデータの収集順序を決定する構成を採ることができる。
[第5の形態]
上記したゲートウェイ装置の前記データ収集部は、
前記センサノードからのデータの受信履歴に基づいて、前記センサノードからのデータの収集順序を決定する構成を採ることができる。
[第6の形態]
上記したゲートウェイ装置は、
前記応答要否を判定するための条件として、少なくとも前記センサノードに保持されている情報の値を設定する構成を採ることができる。
[第7の形態]
上記したゲートウェイ装置は、
前記応答要否を判定するための条件として、少なくとも前記センサノードの種別を設定する構成を採ることができる。
[第8の形態]
(上記第2の視点によるセンサノード装置参照)
[第9の形態]
(上記第3の視点によるデータ収集方法参照)
[第10の形態]
(上記第4の視点によるデータ送信方法参照)
[第11の形態]
(上記第5の視点によるコンピュータプログラム参照)
なお、上記第8~第11の形態は、第1の形態と同様に、第2~第7の形態に展開することが可能である。
【0076】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(請求の範囲を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせ、ないし選択(部分的削除を含む)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。特に、本書に記載した数値範囲については、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし小範囲が、別段の記載のない場合でも具体的に記載されているものと解釈されるべきである。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本発明の趣旨に則り、本発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれるものと、みなされる。
【符号の説明】
【0077】
10 ゲートウェイ装置
11、101 呼出部
12、102 データ収集部
20A~20N、200、200A~200K、200-1~200-10 センサノード
21、201 判定部
22、202 応答部
100 IoT-GW
101A ドローン
103 センサ情報取得部
210A、210B 振動センサ
300 センサ管理サーバ
400 端末
500 クラウド
9000 コンピュータ
9010 CPU
9020 通信インターフェース
9030 メモリ
9040 補助記憶装置