(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】蓋付き容器
(51)【国際特許分類】
B65D 21/036 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
B65D21/036
(21)【出願番号】P 2020073027
(22)【出願日】2020-04-15
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111095
【氏名又は名称】川口 光男
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 充史
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-035097(JP,A)
【文献】実開平07-040456(JP,U)
【文献】実開昭48-017225(JP,U)
【文献】実開平04-060838(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 21/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視略矩形状の底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部から上方に延びる側壁部とを備えて上方に開口する略箱状の容器本体と、
前記容器本体に被せられる蓋部材とを備える蓋付き容器において、
前記側壁部は、上方に向けて、前記容器本体の外方側に傾斜して延在し、
下側の前記容器本体の前記側壁部の内面に対し、上側の前記容器本体の前記側壁部の外面が対向するようにして、前記容器本体同士を積み重ねることが可能に構成され、
前記蓋部材は、
当該蓋部材の上面側に対して前記容器本体を規定位置に載置した場合に、当該容器本体と当接、又は、近接して、当該容器本体の水平方向における相対変位を規制する規制部と、
当該蓋部材の上面側に対して前記容器本体を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体と摺接可能に構成され、当該容器本体と摺接した場合に当該容器本体を前記規定位置側に案内する傾斜部とを備え、
前記蓋部材には、当該蓋部材の上面側から上方に突出する突部が、当該蓋部材の外周部に沿って複数個所に設けられ、
前記各突部において、前記規制部と、前記傾斜部とが備えられて
おり、
前記傾斜部には、前記蓋部材を平面視した場合に、前記蓋部材の側辺部に対して傾斜して延在する左右傾斜部と、上下方向に傾斜して延在する上下傾斜部とがあり、
前記突部のうち少なくとも1つは、前記左右傾斜部、及び、前記上下傾斜部の両方を備え、
前記左右傾斜部は、前記蓋部材の上面側に対して前記容器本体を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体と摺接可能に構成され、当該容器本体と摺接した場合に当該容器本体を前記規定位置側に案内し、
前記上下傾斜部は、前記蓋部材の上面側に対して前記容器本体を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体と摺接可能に構成され、当該容器本体と摺接した場合に、前記上下傾斜部が設けられた前記突部を乗り越える側に案内するように構成されていることを特徴とする蓋付き容器。
【請求項2】
前記蓋部材は、平面視略矩形状のベース部と、前記ベース部の外周部から上方に突出する外周突部とを備え、
前記突部は、前記ベース部の上面と、前記外周突部とに連接して設けられ、
前記突部は、前記外周突部と同じ高さ、又は、前記外周突部よりも低く構成されていることを特徴とする請求項
1に記載の蓋付き容器。
【請求項3】
前記外周突部は、内面が前記ベース部の外周側端部と連結される内板部を備え、
前記突部は、前記内板部のうち前記ベース部よりも上方に突出した部位と連結されていることを特徴とする請求項2に記載の蓋付き容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬等に使用される蓋付き容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、上方に開口する略箱状の容器本体と、容器本体に被せられる蓋部材とを備える蓋付き容器において、蓋部材の上面の外周部から上方に突出する突状部を設けるといった技術が知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の蓋付き容器は、蓋部材を被せた状態として、当該蓋付き容器同士を上下に積み重ねることで、下側の蓋付き容器の突状部と、上側の蓋付き容器の容器本体の外周面とが当接、又は、近接することとなる。これにより、積み重ねられた蓋付き容器同士の水平方向における相対変位が規制されるようになっている。また、突状部が設けられていることにより、例えば、下側の蓋付き容器に対して上側の蓋付き容器を蓋付き容器の長手幅方向において位置をずらして載置してから、重なり合う面積が増加する側にスライドさせて積み重ねるような場合に、上側の蓋付き容器の脱落を防止することができる。
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載の蓋付き容器の容器本体の側壁部は、略鉛直方向に延在している上、側壁部の下縁部近傍部位から外方に延出する下フランジ部が設けられている。このため、当該容器本体同士を上下に積み重ねた場合には、上側の容器本体の下フランジ部が、下側の容器本体の側壁部の上辺部に当接して支持されることとなる。従って、物品を収容していない状態における蓋付き容器の運搬・保管に際し、容器本体同士、及び、蓋部材同士を積み重ねることとしても、運搬・保管に必要なスペースが大して減らないことが懸念される。
【0006】
ここで、容器本体に物品を収容して蓋部材を被せた状態の蓋付き容器同士を積み重ねた場合の不安定化を招くことなく、蓋付き容器の上側に対し蓋付き容器をスライドさせて積重ねる作業を可能としつつ、物品を収容していない状態における蓋付き容器の運搬・保管効率を向上させることが望まれている。
【0007】
本発明は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであって、その目的は、物品を収容して積み重ねた状態の安定化を図るとともに、積み重ねる際の作業性の向上を図りつつ、物品を収容していない状態での運搬・保管効率の向上を図ることのできる蓋付き容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0009】
手段1.平面視略矩形状の底壁構成部と、前記底壁構成部の各側辺部から上方に延びる側壁部とを備えて上方に開口する略箱状の容器本体と、
前記容器本体に被せられる蓋部材とを備える蓋付き容器において、
前記側壁部は、上方に向けて、前記容器本体の外方側に傾斜して延在し、
下側の前記容器本体の前記側壁部の内面に対し、上側の前記容器本体の前記側壁部の外面が対向するようにして、前記容器本体同士を積み重ねることが可能に構成され、
前記蓋部材は、
当該蓋部材の上面側に対して前記容器本体を規定位置に載置した場合に、当該容器本体と当接、又は、近接して、当該容器本体の水平方向における相対変位を規制する規制部と、
当該蓋部材の上面側に対して前記容器本体を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体と摺接可能に構成され、当該容器本体と摺接した場合に当該容器本体を前記規定位置側に案内する傾斜部とを備え、
前記蓋部材には、当該蓋部材の上面側から上方に突出する突部が、当該蓋部材の外周部に沿って複数個所に設けられ、
前記各突部において、前記規制部と、前記傾斜部とが備えられており、
前記傾斜部には、前記蓋部材を平面視した場合に、前記蓋部材の側辺部に対して傾斜して延在する左右傾斜部と、上下方向に傾斜して延在する上下傾斜部とがあり、
前記突部のうち少なくとも1つは、前記左右傾斜部、及び、前記上下傾斜部の両方を備え、
前記左右傾斜部は、前記蓋部材の上面側に対して前記容器本体を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体と摺接可能に構成され、当該容器本体と摺接した場合に当該容器本体を前記規定位置側に案内し、
前記上下傾斜部は、前記蓋部材の上面側に対して前記容器本体を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体と摺接可能に構成され、当該容器本体と摺接した場合に、前記上下傾斜部が設けられた前記突部を乗り越える側に案内するように構成されていることを特徴とする蓋付き容器。
【0010】
手段1によれば、側壁部が上方に向けて外方側に傾斜して延在し、上側の容器本体の側壁部の外面と、下側の容器本体の側壁部の内面とを対向させるようにして、容器本体同士を積み重ねること(ネスティング)が可能に構成されている。このため、物品を収容していない状態では、容器本体をネスティングすることで、蓋付き容器の運搬・保管効率の向上を図ることができる。
【0011】
また、蓋付き容器が蓋部材を備え、物品を収容した容器本体に蓋部材を被せた状態とすることで、蓋付き容器同士を積み重ねる(スタッキングする)ことが可能となる。特に、蓋部材には、当該蓋部材の上面側から上方に突出する突部が、当該蓋部材の外周部に沿って複数個所に設けられ、突部は、蓋部材の上面側の規定位置に載置された容器本体の水平方向への相対変位を規制する規制部を備えている。このため、蓋付き容器をスタッキングした場合の安定化等を図ることができる。
【0012】
さらに、蓋部材の突部は、当該蓋部材の上面側に対して容器本体を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体を前記規定位置側に案内する傾斜部を備えている。このため、突部が、蓋部材の外周部の全域にわたって連続して設けられているのではなく、蓋部材の外周部に沿って複数個所に設けられる構成においても、下側の蓋付き容器の蓋部材の上面側に対して上側の蓋付き容器を、一旦、前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該上側の蓋付き容器を前記規定位置側にスライド変位させることで、当該上側の蓋付き容器を比較的スムースにスタッキングさせること(スライドスタッキングすること)ができる。従って、蓋付き容器をスタッキングさせる際の作業性の向上等を図ることができる。
【0013】
結果として、物品を収容した状態の蓋付き容器のスタッキング状態の安定化を図るとともに、蓋付き容器のスライドスタッキングを可能としつつ、物品を収容していない状態での蓋付き容器の運搬・保管効率の向上を図ることができる。加えて、各突部において、規制部と、傾斜部とが設けられていることから、例えば、規制部と、傾斜部とが比較的大きく離間して設けられるような場合に、傾斜部によって容器本体が一旦は規定位置側に案内されたものの、規制部に規制されるまでの間に、規定位置から離間する側に変位してしまうといったような事態を回避することができる。
【0014】
尚、規制部を備える突部が、蓋部材の外周部に沿って蓋部材の全域にわたって連続して設けられているのではなく、蓋部材の外周部に沿って複数個所に設けられる構成により、例えば、容器本体の下端部やその近傍部位を含む範囲から外方側に突出する補強部を設けるとしても、蓋付き容器をスタッキングした状態において、上側の蓋付き容器の前記補強部と、下側の蓋付き容器の前記突部との干渉を回避させる配置とすることができる。
また、蓋部材の突部が上下傾斜部を備えることにより、蓋付き容器のスライドスタッキングに際し、比較的スムースに蓋付き容器をスタッキング状態とすることができる。このため、突部の配置等に関する設計の自由度の向上等を図ることができる(例えば、突部を蓋部材のコーナー部から外した位置に設けたりすることができる)。従って、蓋部材のコーナー部の形状を突部の設置に左右されることなく好適なものとすることができる。
【0015】
尚、「前記容器本体の下端部、又は、その近傍部位を含む範囲から外方側に突出して、上下方向に延在する補強部を備え、
前記傾斜部には、前記蓋部材を平面視した場合に、前記蓋部材の側辺部に対して傾斜して延在する左右傾斜部と、上下方向に傾斜して延在する上下傾斜部とがあり、
前記突部のうち少なくとも1つは、前記左右傾斜部、及び、前記上下傾斜部の両方を備え、
前記左右傾斜部は、前記蓋部材の上面側に対して前記容器本体を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体の外面のうち前記補強部よりも内方側に位置する部位である一般面と摺接可能に構成され、当該容器本体の前記一般面と摺接した場合に当該容器本体を前記規定位置側に案内し、
前記上下傾斜部は、前記蓋部材の上面側に対して前記容器本体を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体の前記補強部と摺接可能に構成され、当該容器本体の前記補強部と摺接した場合に当該補強部を、前記上下傾斜部が設けられた前記突部を乗り越える側に案内するように構成されていること」としてもよい。
【0016】
上記構成によれば、容器本体に補強部を設けることで、少なくとも側壁部と、底壁構成部との境界部分の補強を図ることができる。また、容器本体が補強部を備える構成においても、蓋部材の突部が上下傾斜部を備えることにより、蓋付き容器のスライドスタッキングに際し、上側の蓋付き容器の補強部と、下側の蓋付き容器の突部との干渉を避けることができ、比較的スムースに蓋付き容器をスタッキング状態とすることができる。このため、補強部や突部の配置等に関する設計の自由度の向上等を図ることができる(例えば、突部を蓋部材のコーナー部から外した位置に設けたり、補強部を容器本体のコーナー部付近にも設けたりすることができる)。従って、補強部を設けることにより容器本体の強度を確保するといった作用効果がより一層奏される上、蓋部材のコーナー部の形状を突部の設置に左右されることなく好適なものとすることができる。
【0017】
手段2.前記蓋部材は、平面視略矩形状のベース部と、前記ベース部の外周部から上方に突出する外周突部とを備え、
前記突部は、前記ベース部の上面と、前記外周突部とに連接して設けられ、
前記突部は、前記外周突部と同じ高さ、又は、前記外周突部よりも低く構成されていることを特徴とする手段1に記載の蓋付き容器。
【0018】
手段2によれば、突部が、ベース部と、外周突部とに連結されているため、突部の強度を高めるとともに、ベース部、及び、外周突部の強度を高めることができる。また、突部が外周突部よりも上方に突出しないことから、突部によって蓋付き容器の高さが高くなってしまったり、蓋部材同士を積み重ねる作業を行う際に、下側の蓋部材の上面側を滑らせるようにして上側の蓋部材を重ねようとした場合に、下側の蓋部材の突部が引っ掛かってしまったりするといった事態を回避することができる。また、蓋付き容器をスライドスタッキングする際に、上側の蓋付き容器の容器本体が、下側の蓋付き容器の蓋部材の上面側から脱落してしまうといった事態を外周突部によって防止することができる上、上側の蓋付き容器の容器本体を、下側の蓋付き容器の蓋部材の外周突部に摺接させて、下側の蓋付き容器の傾斜部に当接するまで案内させることができる。従って、蓋付き容器のスライドスタッキングに際しての作業性の向上等を図ることができる。
手段3.前記外周突部は、内面が前記ベース部の外周側端部と連結される内板部を備え、
前記突部は、前記内板部のうち前記ベース部よりも上方に突出した部位と連結されていることを特徴とする手段2に記載の蓋付き容器。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図5】ネスティングされた容器本体を示す斜視図である。
【
図6】蓋付き容器の短手幅方向においてスライドスタッキングされる蓋付き容器を示す斜視図である。
【
図7】蓋付き容器の短手幅方向においてスライドスタッキングされる蓋付き容器を説明する部分拡大斜視図である。
【
図8】蓋付き容器の短手幅方向においてスライドスタッキングされる蓋付き容器を説明する部分拡大斜視図である。
【
図9】蓋付き容器の短手幅方向においてスライドスタッキングされる蓋付き容器を説明する部分拡大斜視図である。
【
図10】スタッキングされた蓋付き容器を示す部分拡大斜視図である。
【
図11】蓋付き容器の短手幅方向においてスライドスタッキングされる蓋付き容器を説明する部分拡大断面図(
図9のA-A線断面図)である。
【
図12】スタッキングされた蓋付き容器を示す部分拡大断面図(
図10のB-B線断面図)である。
【
図13】スタッキングされた蓋付き容器を示す部分拡大断面図(
図10のC-C線断面図)である。
【
図14】スタッキングされた蓋付き容器を示す部分拡大断面図(
図10のD-D線断面図)である。
【
図15】蓋付き容器の長手幅方向においてスライドスタッキングされる蓋付き容器を示す斜視図である。
【
図16】蓋付き容器の長手幅方向においてスライドスタッキングされる蓋付き容器を説明する部分拡大斜視図である。
【
図17】別の実施形態における長辺側突部等を示す部分拡大斜視図である。
【
図18】別の実施形態における蓋部材を示す平面図である。
【
図19】別の実施形態におけるスタッキングされた蓋付き容器を示す部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、一実施形態について図面を参照して説明する。
図1、
図4、
図5等に示すように、蓋付き容器1は、平面視略矩形状の底壁構成部3と、底壁構成部3の相対する一対の長側辺部からそれぞれ上方に延出する長辺側側壁部4と、底壁構成部3の相対する一対の短側辺部からそれぞれ上方に延出する短辺側側壁部5とを備えて上方に開口する略箱状の容器本体2と、容器本体2に被せられる蓋部材6とを備えている。本実施形態の長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5は、上方に向けて、容器本体2の外方側に傾斜して延在している。当該構成により、
図5に示すように、下側の容器本体2の長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の内面に対し、上側の容器本体2の長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の外面が対向するようにして、容器本体2同士を積み重ねること(ネスティングすること)が可能に構成されている。尚、容器本体2、及び、蓋部材6は、ポリプロピレンによってそれぞれ一体的に形成されている。
【0021】
また、
図4等に示すように、底壁構成部3は、略矩形板状をなし、複数の開口部が形成されている底壁部11と、底壁部11の下面から下方に突出する支持リブ12とを備えている。支持リブ12は、底壁部11の外周縁(長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5との境界部)よりも若干底壁部11の内周側(中央側)に変位した位置から下方に突出する略四角枠状の外枠リブ13と、外枠リブ13の内周側において格子状に設けられた内周リブ14とを備えている。容器本体2を設置面(床面等)に設置した場合には、外枠リブ13、及び、内周リブ14の下縁部が設置面と接地するようになっている。
【0022】
図5等に示すように、本実施形態の長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5は、略矩形板状をなし、複数の開口部が形成されている。また、
図5、
図14等に示すように、容器本体2は、各長辺側側壁部4、及び、各短辺側側壁部5の上縁部から外方側に向けて略水平方向に延出する上フランジ部15と、上フランジ部15の先端縁から下方に延出する折返し部16とを備えている。さらに、上フランジ部15と、折返し部16と、長辺側側壁部4、又は、短辺側側壁部5との間を連結する連結リブ17(
図4、
図13等参照)が設けられている。
【0023】
また、
図1、
図4等に示すように、容器本体2は、各長辺側側壁部4、及び、各短辺側側壁部5の外面から突出し、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の外面に沿って上下に延在する補強部としての補強リブ18を備えている。当該補強リブ18は、各長辺側側壁部4、及び、各短辺側側壁部5に対応して複数設けられている。また、
図4、
図13に示すように、本実施形態の補強リブ18は、上端部が連結リブ17、又は、上フランジ部15(或いは、後述の制限リブ20)と連結され、下端部が、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5と、底壁部11との境界部を下側に回り込んで(底壁部11の下面側に連続して延設されて)支持リブ12(外枠リブ13)と連結されている。補強リブ18の底壁部11からの突出長は、支持リブ12(外枠リブ13)の底壁部11からの突出長よりも短く、補強リブ18は、容器本体2を設置面に設置した場合に基本的には接地しないようになっている。
【0024】
加えて、
図4等に示すように、容器本体2の各短辺側側壁部5の上縁部の中央部に対応して、作業者が容器本体2(蓋付き容器1)を持ち運ぶ際に指先を掛ける持ち手部19が設けられている。本実施形態の持ち手部19は、短辺側側壁部5において開口部を形成するとともに、当該開口部を囲むようにして短辺側側壁部5の外面から外方に突出するリブを設けることにより構成されている。
【0025】
さらに、容器本体2は、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の外面から外方に突出し、上下方向に延在する制限リブ20を備えている。制限リブ20の上端部は、上フランジ部15の下面と連結され、制限リブ20の下端部は、容器本体2の高さ方向の中央部よりも若干上方に位置するようになっている。加えて、制限リブ20の長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5からの突出長は、補強リブ18の長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5からの突出長よりも長くなっている。尚、短辺側側壁部5に対応する制限リブ20は、その一部が、持ち手部19を構成するリブを兼ねている。
【0026】
そして、
図5に示すように、容器本体2をネスティングした場合には、上側の容器本体2の下側半分以上の部位が、下側の容器本体2の内側に挿入された状態で、上側の容器本体2の制限リブ20の下縁部が、下側の容器本体2の上フランジ部15の上面に当接して、支持されることとなる。また、本実施形態の容器本体2のネスティング状態では、上側の容器本体2の補強リブ18が、下側の容器本体2の長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の内面に当接、又は、近接するものの、上側の容器本体2の一対の長辺側側壁部4にそれぞれ設けられた補強リブ18が、下側の容器本体2の長辺側特壁部4の内面に同時に当接したり、上側の容器本体2の一対の短辺側側壁部5にそれぞれ設けられた補強リブ18が、下側の容器本体2の短辺側特壁部5の内面に同時に当接したりすることがない構成となっている。
【0027】
図1等に示すように、蓋部材6は、容器本体2の上辺部に対応する略矩形枠状の枠状部21と、枠状部21の内周側に設けられたベース部22とを備えている。ベース部22は、枠状部21の短辺部間、及び、枠状部21の長辺部間を連結するようにして、下方に開口する断面略コ字状のリブが略格子状に設けられることで構成されており、平面視した場合には、全体として略矩形状をなし、複数の開口部が形成される格好となっている。また、ベース部22の中央部を含み、枠状部21から離間した範囲には、比較的大きな開口部が設けられる上、当該開口部を開閉する扉部23が回動変位可能に設けられている。当該扉部23にも複数の開口部が設けられている。また、扉部23に関する構成については、ベース部22の上面よりも上方に突出しないように(同じ高さ位置か下方に位置するように)構成され、さらには、ベース部22の下縁部よりも下方に突出しないように構成されている。尚、ベース部22の開口部のうち、扉部23が設けられた開口部以外の開口部の内側には、補強用のリブが略格子状に設けられている。
【0028】
図1、
図12等に示すように、枠状部21は、上下方向に延び、内面がベース部22の外周側端部と連結される内板部21aと、内板部21aの上縁部から外方側に延出する上板部21bと、上板部21bの外側縁部から下方に延出する外板部21cとを備えている。内板部21aは、ベース部22の上面よりも上方にまで延出している。内板部21aの下縁部は、ベース部22の下縁部と同じ高さ位置とされ、外板部21cの下縁部は、内板部21aの下縁部よりも上方に位置している。また、上板部21bの延出長(内板部21aの上縁部と、外板部21cの上縁部との間の距離)は、ほぼ一定とされている。尚、本実施形態では、内板部21aのうちベース部22の上面よりも上方に位置する部位、上板部21b、及び、外板部21cが外周突部に相当する。
【0029】
蓋部材6を容器本体2に被せた場合には、
図1等に示すように、容器本体2のうち長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5で囲まれて上方に開口する開口部が、蓋部材6のベース部22、及び、扉部23によって覆われた状態とされる。さらに、蓋部材6を容器本体2に被せた状態では、
図12等に示すように、枠状部21の下面側(内板部21aと、上板部21bと、外板部21cとで囲まれる空間)に、容器本体2の上辺部(長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の上縁部、上フランジ部15、並びに、折返し部16)が挿入され、上板部21bの下面が容器本体2の上辺部(長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の上縁部、並びに、上フランジ部15)に当接する。これにより、容器本体2に被せられた蓋部材6が容器本体2に支持されるようになっている。加えて、蓋部材6を容器本体2に被せた状態では、容器本体2の上フランジ部15の外縁部、及び、折返し部16が、蓋部材6の外板部21cと対向して近接、又は、当接するようになっている。これにより、容器本体2に対する蓋部材6の水平方向における相対変位が規制されるようになっている。尚、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の内面上部が、枠状部21の内板部21aの外面と当接可能に構成されることで、容器本体2に対する蓋部材6の水平方向における相対変位が規制される構成としてもよい。
【0030】
さて、本実施形態では、(物品を収容した)容器本体2に蓋部材6を被せた状態の蓋付き容器1同士を水平方向への相対変位が規制されるようにして上下に積重ねる(スタッキングする)ことが可能に構成されている。以下、スタッキングに関する構成について説明する。
【0031】
図1~
図3に示すように、ベース部22のうち各コーナー部に対応する部位(枠状部21のコーナー部に連接する部位)は上下に貫通する開口部とされているが、当該コーナー部の開口部に対し枠状部21の長辺部側に近接して、ベース部22から上方に突出する長辺側突部31が設けられ、前記コーナー部の開口部に対し枠状部21の短辺部側に近接して、ベース部22から上方に突出する短辺側突部32が設けられている。長辺側突部31、及び、短辺側突部32は、枠状部21(内板部21aのうちベース部22よりも上方に突出した部位)と連結されている。
【0032】
図10、
図12~
図14に示すように、長辺側突部31、及び、短辺側突部32は、蓋部材6の上面側に対して容器本体2を規定位置に載置した場合に、当該容器本体2と当接、又は、近接して、当該容器本体2の水平方向における相対変位を規制する規制部33を備えている。本実施形態では、スタッキングされた蓋付き容器1を平面視した場合に、蓋付き容器1の外周縁がほぼ揃えられるようになっており、蓋付き容器1がスタッキングされた状態における下側の蓋付き容器1(蓋部材6)の上面側に対する上側の蓋付き容器1(容器本体2)の相対位置が前記規定位置に相当する。
【0033】
さらに、
図6、
図15に示すように、本実施形態では、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の上面側に対して上側の蓋付き容器1を、一旦、前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該上側の蓋付き容器1を前記規定位置側にスライド変位させることで、当該上側の蓋付き容器1を比較的スムースにスタッキングさせること(スライドスタッキングすること)ができるように構成されている。つまり、
図2等に示すように、長辺側突部31、及び、短辺側突部32は、蓋部材6の上面側に対して容器本体2を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体2を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体2と摺接可能に構成され、当該容器本体2と摺接した場合に当該容器本体2を前記規定位置側に案内する傾斜部34を備えている。
【0034】
また、傾斜部34には、蓋部材6を平面視した場合に、蓋部材6の側辺部に対して傾斜して延在する左右傾斜部35と、上下方向に傾斜して延在する上下傾斜部36とがあり、本実施形態では、各長辺側突部31、及び、各短辺側突部32にそれぞれ左右傾斜部35、及び、上下傾斜部36が設けられるようになっている。
【0035】
以下、規制部33、及び、傾斜部34について、長辺側突部31、及び、短辺側突部32毎により詳しく説明する。
図2等に示すように、長辺側突部31は、蓋部材6を平面視した場合に、蓋部材6の長手幅方向(蓋部材6の長側辺部に沿った方向)における長辺側突部31の中央部を含む部位(以下、「長辺側基部31a」とも称する)において、枠状部21の長辺部からの突出長が最も長くなっている上、当該長辺側基部31aのうち蓋部材6の内方側の面が、枠状部21の長辺部(内板部21aの上縁部等)と平行するようにして、略鉛直方向に延在している。本実施形態では、長辺側基部31aのうち蓋部材6の内方側の面(鉛直面)が、長辺側突部31の規制部33となっている。さらに、当該長辺側基部31aの上面は、枠状部21の長辺部の上面と面一とされ、略水平方向に延在している。
【0036】
加えて、長辺側突部31のうち蓋部材6の長手幅方向において前記長辺側基部31aの両側部にそれぞれ連接する部位(以下、「長辺側側部31b」とも称する)は、蓋部材6を平面視した場合に、各長辺側側部31bのうち蓋部材6の内方側の面が、それぞれ長辺側突部31の規制部33と連接するとともに、蓋部材6の長手幅方向において長辺側突部31の規制部33から離間する側、かつ、枠状部21の長辺部に近付く側(蓋部材6の外方側)に傾斜して延在している。本実施形態では、各長辺側側部31bのうち蓋部材6の内方側の面が、長辺側突部31の左右傾斜部35となっている。さらに、各長辺側側部31bの上面は、それぞれ長辺側基部31aの上面と連接するとともに、蓋部材6の長手幅方向において長辺側基部31aから離間する側、かつ、下方(ベース部22の上面に近付く側)に傾斜して延在している。本実施形態では、各長辺側側部31bの上面が、長辺側突部31の上下傾斜部36となっている。
【0037】
また、短辺側突部32は、蓋部材6を平面視した場合に、蓋部材6の各コーナー部側(ベース部22のコーナー部の開口部側)の部位(以下、「短辺側基部32a」とも称する)において、枠状部21の短辺部からの突出長が最も長くなっている上、当該短辺側基部32aのうち蓋部材6の内方側の面が、枠状部21の短辺部(内板部21aの上縁部等)と平行するようにして、略鉛直方向に延在している。本実施形態では、短辺側基部32aのうち蓋部材6の内方側の面(鉛直面)が、短辺側突部32の規制部33となっている。さらに、当該短辺側基部32aの上面は、枠状部21の短辺部の上面よりも若干低い位置において、略水平方向に延在している。
【0038】
加えて、短辺側突部32のうち蓋部材6の短手幅方向において前記短辺側基部32aに対し枠状部21の短辺部の中央部側に連接する部位(以下、「短辺側側部32b」とも称する)は、蓋部材6を平面視した場合に、当該短辺側側部32bのうち蓋部材6の内方側の面が、短辺側突部32の規制部33と連接するとともに、蓋部材6の短手幅方向において短辺側突部32の規制部33から離間する側、かつ、枠状部21の短辺部に近付く側(蓋部材6の外方側)に傾斜して延在している。本実施形態では、短辺側側部32bのうち蓋部材6の内方側の面が、短辺側突部32の左右傾斜部35となっている。さらに、短辺側側部32bの上面は、短辺側基部32aの上面と連接するとともに、短辺側側部32bの上面のうち少なくとも短辺側基部32a側の部位は、蓋部材6の短手幅方向において短辺側基部32aから離間する側、かつ、下方(ベース部22の上面に近付く側)に傾斜して延在している。本実施形態では、短辺側側部32bの上面(特に、短辺側基部32a側の部位)が、短辺側突部32の上下傾斜部36となっている。
【0039】
図10、
図12~
図14に示すように、蓋付き容器1をスタッキングした場合には、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の長辺側突部31の規制部33が、上側の蓋付き容器1の容器本体2の支持リブ12(外枠リブ13)の長側辺部に当接、又は、近接し、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の短辺側突部32の規制部33が、上側の蓋付き容器1の容器本体2の支持リブ12(外枠リブ13)の短側辺部に当接、又は、近接する。これにより、スタッキングされた上下の蓋付き容器1の水平方向における相対変位が規制されるようになっている。
【0040】
次に、蓋付き容器1をスタッキングさせる作業に際して、
図6に示すように、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の上面側に対して、上側の蓋付き容器1の容器本体2を、一旦、蓋付き容器1の短手幅方向において前記規定位置(スタッキングが完了する位置)からずれた位置に載置してから、当該上側の蓋付き容器1を前記規定位置側にスライド変位させる場合(蓋付き容器1の短手幅方向においてスライドスタッキングする場合)の蓋付き容器1の動作等について説明する。先ず、
図6のように、蓋付き容器1の短手幅方向において蓋付き容器1をずらして載置した場合(
図6よりも上側の蓋付き容器1が下側の蓋付き容器1に対して重なる範囲が少ない状態からスライドスタッキングを開始させることも可能である)、上側の蓋付き容器1の容器本体2の支持リブ12(外枠リブ13)のうち、当該上側の蓋付き容器1のスライド方向先方側となる部位(外枠リブ13の一方の長辺部)の下縁部が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6のベース部22に当接するとともに、上側の蓋付き容器1の容器本体2の支持リブ12(外枠リブ13の一対の長辺部の間の部位)の下縁部が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の枠状部21の長辺部に当接して支持される。かかる状態から、上側の蓋付き容器1を規定位置側(上下の蓋付き容器1の重なる範囲が増加する側)にスライドさせる。このとき、上側の蓋付き容器1が、下側の蓋付き容器1に対して、蓋付き容器1の長手幅方向において位置ずれした場合には、上側の蓋付き容器1の短辺側側壁部5に対応して設けられた補強リブ18(又は、支持リブ12の外枠リブ13のコーナー部)が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の枠状部21の短辺部(内板部21a)に接触(摺接)し、上側の蓋付き容器1の脱落等が防止されるとともに、蓋付き容器1の短手幅方向において上側の蓋付き容器1が前記規定位置側へ案内されることとなる。
【0041】
さらに、
図7に示すように、上側の蓋付き容器1のスライド方向先方側の面が、下側の蓋付き容器1の短辺側突部32と重なるような位置まで、上側の蓋付き容器1が規定位置側にスライドした場合に、当該上側の蓋付き容器1が、下側の蓋付き容器1に対して、蓋付き容器1の長手幅方向において位置ずれしていた場合には、上側の蓋付き容器1の容器本体2の支持リブ12(外枠リブ13)のコーナー部が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の短辺側突部32の左右傾斜部35に接触する。当該接触状態で、上側の蓋付き容器1を規定位置側にスライドさせる(短辺側突部32の左右傾斜部35に支持リブ12のコーナー部を摺接させる)ことで、
図8に示すように、蓋付き容器1の長手幅方向と短手幅方向とにおいて上側の蓋付き容器1が前記規定位置側へ案内されることとなる。このように、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の短辺側突部32の左右傾斜部35によって規定位置側に案内された上側の蓋付き容器1は、当該上側の蓋付き容器1の支持リブ12(外枠リブ13)の短側辺部が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の短辺側突部32の規制部33に当接、又は、近接し、蓋付き容器1の長手幅方向における相対変位が規制される状態となる。
【0042】
本実施形態では、
図10に示すように、蓋付き容器1の短手幅方向において、上側の蓋付き容器1のスライド方向先方側の面が、下側の蓋付き容器1の短辺側突部32を通り過ぎ、さらに、規定位置側に若干変位したところで、上側の蓋付き容器1の支持リブ12の全体が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6のベース部22に載置された状態とされる。また、上側の蓋付き容器1の支持リブ12の全体が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6のベース部22に載置された状態とされることで、上側の蓋付き容器1が規定位置に到達したこととなり、上側の蓋付き容器1の支持リブ12(外枠リブ13)の長側辺部が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の長辺側突部31の規制部33に当接、又は、近接し、蓋付き容器1の短手幅方向における相対変位についても規制される状態となる。
【0043】
加えて、本実施形態では、短辺側側壁部5のうち容器本体2のコーナー部の近傍において補強リブ18が設けられており、
図9に示すように、上側の蓋付き容器1のスライド方向先方側の面が、下側の蓋付き容器1の短辺側突部32を通り越して長辺側突部31に接近する際に、当該補強リブ18のうち底壁部11の下面側に回り込んで設けられる部位が、短辺側突部32と接触するようになっている。このとき、補強リブ18は、短辺側突部32の上下傾斜部36に接触(摺接)して短辺側突部32の上方に案内されるようになっており、結果として、補強リブ18が短辺側突部32を乗り越えるようになっている。尚、本実施形態では、支持リブ12(外枠リブ13)の外周面が、容器本体2の外面の一般面に相当する。
【0044】
続いて、蓋付き容器1をスタッキングさせる作業に際して、
図15に示すように、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の上面側に対して、上側の蓋付き容器1の容器本体2を、一旦、蓋付き容器1の長手幅方向において前記規定位置(スタッキングが完了する位置)からずれた位置に載置してから、当該上側の蓋付き容器1を前記規定位置側にスライド変位させる場合(蓋付き容器1の長手幅方向においてスライドスタッキングする場合)の蓋付き容器1の動作等について説明する。先ず、蓋付き容器1の長手幅方向において蓋付き容器1をずらして載置した場合、上側の蓋付き容器1の容器本体2の支持リブ12(外枠リブ13)のうち、当該上側の蓋付き容器1のスライド方向先方側となる部位(外枠リブ13の一方の短辺部)の下縁部が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6のベース部22に当接するとともに、上側の蓋付き容器1の容器本体2の支持リブ12(外枠リブ13の一対の短辺部の間の部位)の下縁部が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の枠状部21の短辺部に当接して支持される。かかる状態から、上側の蓋付き容器1を規定位置側にスライドさせる。このとき、上側の蓋付き容器1が、下側の蓋付き容器1に対して、蓋付き容器1の短手幅方向において位置ずれした場合には、上側の蓋付き容器1の長辺側側壁部4に対応して設けられた補強リブ18(又は、支持リブ12の外枠リブ13のコーナー部)が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の枠状部21の長辺部(内板部21a)に接触(摺接)し、上側の蓋付き容器1の脱落等が防止されるとともに、蓋付き容器1の長手幅方向において上側の蓋付き容器1が前記規定位置側へ案内されることとなる。
【0045】
さらに、
図16に示すように、上側の蓋付き容器1のスライド方向先方側の面が、下側の蓋付き容器1の長辺側突部31と重なるような位置まで、上側の蓋付き容器1が規定位置側にスライドした場合に、当該上側の蓋付き容器1が、下側の蓋付き容器1に対して、蓋付き容器1の短手幅方向において位置ずれしていた場合には、上側の蓋付き容器1の容器本体2の支持リブ12(外枠リブ13)のコーナー部が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の長辺側突部31の左右傾斜部35に接触する。当該接触状態で、上側の蓋付き容器1を規定位置側にスライドさせる(長辺側突部31の左右傾斜部35に支持リブ12のコーナー部を摺接させる)ことで、蓋付き容器1の短手幅方向と長手幅方向とにおいて上側の蓋付き容器1が前記規定位置側へ案内されることとなる。下側の蓋付き容器1の蓋部材6の長辺側突部31の左右傾斜部35によって規定位置側に案内された上側の蓋付き容器1は、当該上側の蓋付き容器1の支持リブ12(外枠リブ13)の長側辺部が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の長辺側突部31の規制部33に当接、又は、近接し、蓋付き容器1の短手幅方向における相対変位が規制される状態となる。
【0046】
本実施形態では、蓋付き容器1の長手幅方向において、上側の蓋付き容器1のスライド方向先方側の面が、下側の蓋付き容器1の長辺側突部31を通り過ぎ、さらに、若干変位したところで、上側の蓋付き容器1の支持リブ12の全体が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6のベース部22に載置された状態とされる。また、上側の蓋付き容器1の支持リブ12の全体が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6のベース部22に載置された状態とされることで、上側の蓋付き容器1が規定位置に到達したこととなり、上側の蓋付き容器1の支持リブ12(外枠リブ13)の短側辺部が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の短辺側突部32の規制部33に当接、又は、近接し、蓋付き容器1の長手幅方向における相対変位についても規制される状態となる(
図10等参照)。
【0047】
加えて、本実施形態では、長辺側側壁部4のうち容器本体2のコーナー部の近傍において補強リブ18が設けられており、上側の蓋付き容器1のスライド方向先方側の面が、下側の蓋付き容器1の長辺側突部31を通り越して短辺側突部32に接近する際に、当該補強リブ18のうち底壁部11の下面側に回り込んで設けられる部位が、長辺側突部31と接触するようになっている。このとき、補強リブ18は、長辺側突部31の一方の(蓋部材6の長手幅方向中央部側の)上下傾斜部36に接触(摺接)して長辺側突部31の上方に案内されるとともに、そのまま上側の蓋付き容器1が規定位置側にスライドされることで、長辺側基部31aを通過して、他方の上下傾斜部36に接触(摺接)して下方に案内されるようになっており、結果として、補強リブ18が長辺側突部31を乗り越えるようになっている。
【0048】
以上詳述したように、本実施形態によれば、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5が上方に向けて外方側に傾斜して延在し、上側の容器本体2の長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の外面と、下側の容器本体2の長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の内面とを対向させるようにして、容器本体2同士を積み重ねること(ネスティング)が可能に構成されている。このため、物品を収容していない状態では、容器本体2をネスティングすること(蓋部材6は蓋部材6同士で積み重ねること)で、蓋付き容器1の運搬・保管効率の向上を図ることができる。
【0049】
また、蓋付き容器1が蓋部材6を備え、物品を収容した容器本体2に蓋部材6を被せた状態とすることで、蓋付き容器1同士を積み重ねる(スタッキングする)ことが可能となる。特に、蓋部材6には、当該蓋部材6の上面側から上方に突出する長辺側突部31、及び、短辺側突部32が、当該蓋部材6の外周部に沿って複数個所に(本例では、蓋部材6の各コーナー部に対応して1つずつ)設けられ、長辺側突部31、及び、短辺側突部32は蓋部材6の上面側の規定位置に載置された容器本体2の水平方向への相対変位を規制する規制部33を備えている。このため、蓋付き容器1をスタッキングした場合の安定化等を図ることができる。
【0050】
さらに、長辺側突部31、及び、短辺側突部32は、蓋部材6の上面側に対して容器本体2を前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該容器本体2を前記規定位置側にスライド変位させた場合に、当該容器本体2を前記規定位置側に案内する傾斜部34を備えている。このため、長辺側突部31、及び、短辺側突部32が、蓋部材6の外周部の全域にわたって連続して設けられているのではなく、蓋部材6の外周部に沿って複数個所に設けられる構成においても、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の上面側に対して上側の蓋付き容器1を、一旦、前記規定位置からずれた位置に載置してから、当該上側の蓋付き容器1を前記規定位置側にスライド変位させることで、当該上側の蓋付き容器1を比較的スムースにスタッキングさせること(スライドスタッキングすること)ができる。従って、蓋付き容器1をスタッキングさせる際の作業性の向上等を図ることができる。
【0051】
結果として、物品を収容した状態の蓋付き容器1のスタッキング状態の安定化を図るとともに、蓋付き容器1のスライドスタッキングを可能としつつ、物品を収容していない状態での蓋付き容器1の運搬・保管効率の向上を図ることができる。加えて、各長辺側突部31、及び、各短辺側突部32において、規制部33と、傾斜部34とが設けられていることから、例えば、規制部33と、傾斜部34とが比較的大きく離間して設けられるような場合に、傾斜部34によって容器本体2が一旦は規定位置側に案内されたものの、規制部33に規制されるまでの間に、規定位置から離間する側に変位してしまうといったような事態を回避することができる。
【0052】
また、補強リブ18を設けることで、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の補強を図ることができる。特に、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5には、軽量化、或いは、通気性の向上のための複数の開口部が設けられていることから、補強リブ18を設けることによってより効果的に長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の強度等の向上を図ることができる。さらに、本実施形態の補強リブ18は、底壁部11の下面側にまで延設されて支持リブ12(外枠リブ13)と連結されており、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5と、底壁構成部3との境界部分の補強を図ることができる。
【0053】
加えて、規制部33を備える長辺側突部31、及び、短辺側突部32が、蓋部材6の外周部に沿って蓋部材6の全域にわたって連続して設けられているのではなく、蓋部材6の外周部に沿って複数個所に設けられることにより、容器本体2の下端部やその近傍部位を含む範囲から外方側に突出する補強リブ18を設けても、蓋付き容器1をスタッキングした状態において、上側の蓋付き容器1の補強リブ18と、下側の蓋付き容器1の長辺側突部31、及び、短辺側突部32との干渉を回避させる配置とすることができる。
【0054】
また、容器本体2が補強リブ18を備える構成においても、蓋部材6の長辺側突部31、及び、短辺側突部32が上下傾斜部36を備えることにより、蓋付き容器1のスライドスタッキングに際し、上側の蓋付き容器1の補強リブ18と、下側の蓋付き容器1の長辺側突部31、及び、短辺側突部32との干渉を避けることができ、比較的スムースに蓋付き容器1をスタッキング状態とすることができる。このため、補強リブ18や長辺側突部31、及び、短辺側突部32の配置等に関する設計の自由度の向上等を図ることができる(例えば、長辺側突部31、及び、短辺側突部32を蓋部材6のコーナー部から外した位置に設けたり、補強リブ18を容器本体2のコーナー部付近にも設けたりすることができる)。従って、補強リブ18を設けることにより容器本体2の強度を確保するといった作用効果がより一層奏される上、蓋部材6のコーナー部の形状を長辺側突部31、及び、短辺側突部32の設置に左右されることなく好適なものとする(例えば、上板部21bの延出長が長くなり過ぎて強度低下等を招くことを回避する)ことができる。
【0055】
また、長辺側突部31、及び、短辺側突部32は、ベース部22と、枠状部21(内板部21aのうちベース部22よりも上方に位置する部位)とに連結されている。このため、長辺側突部31、及び、短辺側突部32の強度を高めるとともに、ベース部22、及び、枠状部21の強度を高めることができる。
【0056】
さらに、長辺側突部31は、一番高さの高い部位が、枠状部21(上板部21b)の上面と同じ高さ(面一)とされている。加えて、短辺側突部32は、一番高さの高い部位が、枠状部21の上面よりも下方に位置している。このように、長辺側突部31、及び、短辺側突部32が枠状部21よりも上方に突出しないことから、長辺側突部31、及び、短辺側突部32によって蓋付き容器1の高さが高くなってしまったり、蓋部材6同士を積み重ねる作業を行う際に、下側の蓋部材6の上面側を滑らせるようにして上側の蓋部材6を重ねようとした場合に、下側の蓋部材6の長辺側突部31、及び、短辺側突部32が引っ掛かってしまったり、蓋付き容器1のスライドスタッキングに際して、上側の蓋付き容器1の補強リブ18が長辺側突部31、及び、短辺側突部32を乗り越え難くなったりするといった事態を回避することができる。また、蓋付き容器1をスライドスタッキングする際に、上側の蓋付き容器1の容器本体2が、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の上面側から脱落してしまうといった事態を枠状部21によって防止することができる上、上側の蓋付き容器1の容器本体2を、下側の蓋付き容器1の蓋部材6の枠状部21に摺接させて、下側の蓋付き容器1の傾斜部34に当接するまで案内させることができる。従って、蓋付き容器1のスライドスタッキングに際しての作業性の向上等を図ることができる。
【0057】
尚、例えば、スタッキング状態にある蓋付き容器1から最上段の蓋付き容器1を取り出す作業を行う場合に、最上段の蓋付き容器1をその下側の蓋付き容器1の蓋部材6の上面側を滑らせるようにして手前にスライドさせてから持ち上げるといった作業(スライド引き抜き)を行うことが考えられる。この点、本実施形態の長辺側突部31は、枠状部21のコーナー部側にも上下傾斜部36を備えており、スタッキング状態にある蓋付き容器1のうち最上段の蓋付き容器1を、蓋付き容器1の長手幅方向においてスライド引き抜きするべく、蓋付き容器1の手前側を若干(枠状部21よりも上方に位置するまで)持ち上げるとともに、作業者に近付く側に力を付加することで、下側の蓋付き容器1の長辺側突部31と、枠状部21の短辺部との間に位置していた上側の蓋付き容器1の補強リブ18を比較的容易に下側の蓋付き容器1の長辺側突部31のコーナー部側の上下傾斜部36に載せて上方に案内される状態へと移行させることができる。従って、スライド引き抜きを行う際の作業性の向上を図ることができる。
【0058】
さらに、各長辺側突部31が一対の上下傾斜部36を備えていることによって、蓋付き容器1の長手幅方向における長辺側突部31の端部と、ベース部22との間の段差を極力なくすことができる。つまり、蓋付き容器1の長手幅方向におけるスライドスタッキングやスライド引き抜きに際して、補強リブ18が長辺側突部31に乗り上げることで、蓋付き容器1の支持リブ12がベース部22から浮いた状態とされるものの、長辺側突部31に乗り上げた補強リブ18が上方に案内された後に、下方に案内されることに基づいて、蓋付き容器1の支持リブ12がベース部22に着地する際の衝撃を極力なくすことができ、支持リブ12等への負担軽減を図ることができる。
【0059】
尚、本実施形態では、枠状部21の内周側に長辺側突部31、及び、短辺側突部32を設けることにより、蓋部材6に載置された容器本体2の水平方向における位置ずれを防止するようになっている。これにより、枠状部21の幅(内板部21aの位置)を容器本体2の下縁外周部(本例では支持リブ12の外枠リブ13)の形状に合わせなくても済む。従って、枠状部21の内板部21aと、外板部21cとの間の距離を、容器本体2の上辺部の幅に合わせることができ、蓋部材6を被せた状態の安定化等を図ることができる。さらに、例えば、枠状部21の幅を容器本体2の下縁外周部(本例では支持リブ12の外枠リブ13)の形状に合わせることによって、枠状部21の幅が広くなり過ぎてしまうといった事態を回避することができ、枠状部21の強度が低下する等の不具合の発生を防止することができる。加えて、長辺側突部31、及び、短辺側突部32が、支持リブ12を具備する容器本体2の長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5に当接するような構成とする場合に比べ、長辺側突部31、及び、短辺側突部32(さらには、枠状部21)のベース部22から上方への突出長を短くすることができ、蓋付き容器1の高さが蓋付き容器1の容量の増加に寄与することもなく高くなってしまうといった事態を防止することができる。
【0060】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0061】
(a)
図17に示すように、長辺側突部31の左右傾斜部35と、上下傾斜部36との境界部について、C面取り形状としてもよいし、左右傾斜部35と、上下傾斜部36との間を連結し、左右傾斜部35、及び、上下傾斜部36のどちらに対しても傾斜する傾斜面を備えるように構成してもよい。また、短辺側突部32の左右傾斜部35と、上下傾斜部36との境界部についても、C面取り形状等としてもよい。尚、上記実施形態では特に言及していないが、長辺側突部31の左右傾斜部35と、上下傾斜部36との境界部や、長辺側突部31の左右傾斜部35と、規制部33との境界部等(基本的に2つの面が連接している部位の全て)はR面取り形状とされている。
【0062】
(b)上記実施形態では、枠状部21の一対の長辺部のうち一方の長辺部に連接して設けられる長辺側突部31と、他方の長辺部に連接して設けられる長辺側突部31とが、蓋部材6の長手幅方向において同じ位置に設けられているが、
図18に示すように、各長辺側突部31を相互にずらして設けるように構成してもよい。この場合、蓋付き容器1の長手幅方向におけるスライドスタッキングに際し、上側の蓋付き容器1の2つの補強リブ18が、下側の蓋付き容器1の2つの長辺側突部31に同じタイミングで乗り上げる(乗り越える)といった事態を回避することができ、補強リブ18が長辺側突部31を乗り越える際に、上側の蓋付き容器1のスライドの勢いが大いに弱められてしまう(止まってしまう)等の事態を抑止することができる。尚、
図18に示す蓋部材6の長辺側突部31は、蓋部材6の長手幅方向の中央部を通る直線を中心とした線対称位置に配置されているが、例えは、線対称位置ではなく、蓋部材6の中央部を中心とした回転対称位置に配置されるように構成してもよい。
【0063】
(c)上記実施形態において、長辺側突部31、及び、短辺側突部32の形状の詳細については特に限定されるものではなく、規制部33と、左右傾斜部35とを備えるような構成とされていればよい。例えば、上記実施形態では、蓋付き容器1のスタッキング状態において、下側の蓋付き容器1の長辺側突部31の規制部33が、上側の蓋付き容器1の支持リブ12の長側辺部と当接して、蓋付き容器1の短手幅方向への相対変位が規制され、下側の蓋付き容器1の短辺側突部32の規制部33が、上側の蓋付き容器1の支持リブ12の短側辺部と当接して、蓋付き容器1の長手幅方向への相対変位が規制されるように構成されているが、かかる構成に代えて、又は、加えて、
図18、
図19に示すように、蓋部材6の長辺側突部31において、当該蓋部材6に載置された容器本体2の長辺側側壁部4に対応して設けられた補強リブ18の側面(長辺側側壁部4を正面視した場合に側方を向く面)に対向して、当接、又は、近接する規制部41を設け、蓋部材6の短辺側突部32において、当該蓋部材6に載置された容器本体2の短辺側側壁部5に対応して設けられた補強リブ18の側面(短辺側側壁部5を正面視した場合に側方を向く面)に対向して、当接、又は、近接する規制部41を設けることとしてもよい。この場合、上側の蓋付き容器1の補強リブ18が、下側の蓋付き容器1の長辺側突部31の規制部41と当接可能となり、これにより、上下の蓋付き容器1の長手幅方向における位置ずれが規制されることとなる。
【0064】
尚、上記変形例(b)(
図18を参照)に記載のように、長辺側突部31の位置をずらす構成を採用する場合には、容器本体2の各長辺側側壁部4に対応して、蓋部材6の枠状部21の一対の長辺部のうち一方の長辺部の長辺側突部31に対応する補強リブ18と、枠状部21の一対の長辺部のうち他方の長辺部の長辺側突部31に対応する補強リブ18との両方を設けることにより、蓋付き容器1をスタッキングする際に、上下の蓋付き容器1の長手幅方向及び短手幅方向の位置を合わせさえすれば、下側の蓋付き容器1の各長辺側突部31の規制部41と、上側の蓋付き容器1の補強リブ18とを対向させて近接、又は、当接させることができる。従って、蓋付き容器1をスタッキングする際に長辺側突部31の位置の確認等をしなくても、スタッキング状態とすれば、規制部41により上下の蓋付き容器1の長手幅方向における位置ずれを規制する状態とすることができ、スタッキングする蓋付き容器1の向きを間違えることによるスタッキング状態の不安定化を回避しつつ、スタッキングに際しての作業性の向上を図ることができる。
【0065】
(d)上記実施形態では、容器本体2に補強リブ18が設けられているが、補強リブ18を省略することとしてもよい。この場合、長辺側突部31の上下傾斜部36、及び、短辺側突部32の上下傾斜部36を省略することも可能である。また、長辺側突部31、及び、短辺側突部32のうち一方を省略する構成としてもよい。つまり、例えば、短辺側側壁部5に対応して支持リブ12まで延在する補強リブ18を省略し、短辺側突部32を省略して、枠状部21の短辺部が支持リブ12(外枠リブ13)の短側辺部と当接、又は、近接する構成としたり、例えば、長辺側側壁部4に対応して支持リブ12まで延在する補強リブ18を省略し、長辺側突部31を省略して、枠状部21の長辺部が支持リブ12(外枠リブ13)の長側辺部と当接、又は、近接する構成としたりしてもよい。
【0066】
また、容器本体2のネスティング状態において、上側の容器本体2を支持するための構成については特に限定されるものではなく、例えば、制限リブ20に代えて、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の外面から外方に突出し、左右方向に延在する水平リブを設け、容器本体2をネスティングした場合に、上側の容器本体2の前記水平リブが、下側の容器本体2の上フランジ部15に当接して支持されるように構成してもよい。
【0067】
(e)上記実施形態では、左右傾斜部35が支持リブ12(外枠リブ13)に当接するように構成されているが、左右傾斜部35が長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5に当接するように構成してもよい。当該構成を採用する場合には、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の外面が、一般面に相当する。また、支持リブ12が設けられない容器本体、或いは、支持リブ12の外枠リブ13の外面と、長辺側側壁部4、及び、短辺側側壁部5の外面とが略面一とされる容器本体に具体化することも可能である。
【0068】
(f)上記実施形態では、蓋部材6の枠状部21がベース部22よりも上方に突出するようにして設けられているが、上方に突出しないように構成してもよい。但し、枠状部21をベース部22よりも上方に突出させることで、長辺側突部31、及び、短辺側突部32の保護、スライドスタッキングに際しての上側の蓋付き容器1の脱落防止等を図ることができる。尚、上記実施形態では、長辺側突部31の上端部が枠状部21の上面と面一とされているが、長辺側突部31の上端部を枠状部21の上面よりも下方に位置させることとしてもよい。さらに、上記実施形態では、短辺側突部32の上端部が枠状部21の上面よりも下方に位置しているが、短辺側突部32の上端部を枠状部21の上面と面一とするように構成してもよい。
【0069】
(g)上記実施形態では、容器本体2、及び、蓋部材6はポリプロピレンにより構成されているが、ポリエチレン、PET、ポリアミド等その他の樹脂材料により構成されることとしてもよい。また、上記実施形態の容器本体2(長辺側側壁部4、短辺側側壁部5、及び、底壁部11)、並びに、蓋部材6(ベース部22)には複数の開口部が設けられているが、開口部が設けられていない容器本体や蓋部材に具体化することも可能である。さらに、上記実施形態では、蓋付き容器1が平面視略矩形状をなしているが、例えば、平面視略正方形状をなす蓋付き容器に適用してもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…蓋付き容器、2…容器本体、3…底壁構成部、4…長辺側側壁部、5…短辺側側壁部、6…蓋部材、11…底壁部、12…支持リブ、13…外枠リブ、15…上フランジ部、18…補強リブ、21…枠状部、21a…内板部、22…ベース部、31…長辺側突部(突部)、32…短辺側突部(突部)、33…規制部、34…傾斜部、35…左右傾斜部、36…上下傾斜部。