(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】串刺食品製造装置
(51)【国際特許分類】
A21C 9/08 20060101AFI20231121BHJP
A21C 11/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
A21C9/08 A
A21C11/00 J
(21)【出願番号】P 2021081377
(22)【出願日】2021-05-13
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】591047394
【氏名又は名称】株式会社飯田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100107238
【氏名又は名称】米山 尚志
(74)【代理人】
【識別番号】100069431
【氏名又は名称】和田 成則
(74)【代理人】
【識別番号】100102761
【氏名又は名称】須田 元也
(72)【発明者】
【氏名】飯田 一
(72)【発明者】
【氏名】飯田 博
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-074986(JP,A)
【文献】特開平02-049535(JP,A)
【文献】特開平02-200138(JP,A)
【文献】実開昭57-154983(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 1/00-15/04
A23P 10/00-30/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面に一定の間隔で形成された複数の第1の溝部を有する第1の成形ロールと、前記第1の成形ロールの前記第1の溝部に対応する複数の第2の溝部を有し前記第1の成形ロールの下方側に接する第2の成形ロールとからなる一対の成形ロールの間に生地供給装置から供給されたシート状の生地を挿入して該一対の成形ロールにより前記シート状の生地から成形食品を形成し、該成形された成形食品に対して串刺装置から押し出された串によって串刺し、該串刺された串刺食品を前記成形ロールから離脱させて排出する串刺食品製造装置であって、
前記生地供給装置は、
前記生地を投入する生地ホッパーと、
前記生地ホッパーの下側に設けられ、互いに逆方向に回転して前記生地を下方に送り出す一対の生地ロールと、
前記生地ロールの下側に設けられ、前記生地ロールから送り出され生地の断面形状を調節する口金と、
前記口金と前記生地ロールとの間に配置され、前記生地ロールの周面に沿って逆戻りする生地量を調整して前記生地の下方への送り出しを安定化する生地安定化部材と、
前記生地安定化部材の末端から前記生地ロールの周面に沿って延び、前記生地ロールに付着して逆戻りする生地の下方への落下を防止する生地ロールカバーと、
を具備することを特徴とする串刺食品製造装置。
【請求項2】
前記一対の生地ロールは、
周面に等間隔で形成された多数の凹部をそれぞれ有し、
前記生地安定化部材は、
下面が前記口金に接し、上面が前記生地ロールの周面と等間隔でそれぞれ対峙するかまぼこ型の一対の部材からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の串刺食品製造装置。
【請求項3】
前記口金は、
前記生地ロールの軸方向の長さを調整する第1の調整部材と、
前記生地ロールの軸方向に直交する幅方向の長さを調整する第2の調整部材と、
を具備し、
前記生地安定化部材は、
その上面と前記生地ロールの周面との間隙を調整する間隙調整部材、
を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載の串刺食品製造装置。
【請求項4】
前記間隙調整部材は、
前記口金を下方から支持する口金支持部材に設けられ、前記口金を上下に移動させることにより前記生地安定化部材の上面と前記生地ロールの周面との間隙を調整することを特徴とする請求項3に記載の串刺食品製造装置。
【請求項5】
前記生地ロールカバーは、
前記生地ロールの生地送り出し部に対向する背面側にそれぞれ設けられ、前記生地ロールの最下端から最上端に至る間に形成されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の串刺食品製造装置。
【請求項6】
前記生地は、
糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等から選択されたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の串刺食品製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、串刺食品製造装置に関し、詳しくは、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等の種々の素材から形成された生地を用いた成形食品の自動串出し製造を可能にした万能串刺食品製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の串刺食品製造装置としては、特許文献1に開示された「団子製造機」が知られている。
【0003】
この特許文献1に開示された「団子製造機」は、米粉等からなる団子の生地を生地供給装置でシート状に成型して一対の成形ロールの間に導き、このシート状の生地を間欠駆動される一対の成形ロールで成形してこの形成された団子を串押出装置から押し出された串により串刺して、排出するように構成されている。
【0004】
ところで、この種の串刺食品製造装置においては、米粉等からなる団子だけでなく、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等から形成された生地を用いた串刺食品の自動製造の要求がある。
【0005】
しかしながら、従来の上記特許文献1に開示された「団子製造機」等では、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等を成形食品の生地として用いると、生地供給装置からの生地の供給が安定せず、このためこの種の生地を用いた串刺食品の自動製造は困難であるという問題があった。
【0006】
すなわち、その種の串刺食品製造装置では、生地供給装置として、互いに逆方向に回転する一対の生地ロールを用いた構成を採用しており、この構成によると、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等を成形食品の生地として用いると、これらの生地が生地ロールに付着して該生地ロールに沿って逆戻りする現象が生じ、この現象のため、生地を成形ロールへ安定して供給することができなくなり、この種の素材を用いた生地による成形食品の成形、串刺し自動製造が困難であったという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、成形食品の生地として糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等の種々の素材を用いても信頼できる効率で串刺し食品を自動製造することができるようにした万能串刺食品製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明は、周面に一定の間隔で形成された複数の第1の溝部を有する第1の成形ロールと、前記第1の成形ロールの前記第1の溝部に対応する複数の第2の溝部を有し前記第1の成形ロールの下方側に接する第2の成形ロールとからなる一対の成形ロールの間に生地供給装置から供給されたシート状の生地を挿入して該一対の成形ロールにより前記シート状の生地から成形食品を形成し、該成形された成形食品に対して串刺装置から押し出された串によって串刺し、該串刺された串刺食品を前記成形ロールから離脱させて排出する串刺食品製造装置であって、前記生地供給装置は、前記生地を投入する生地ホッパーと、前記生地ホッパーの下側に設けられ、互いに逆方向に回転して前記生地を下方に送り出す一対の生地ロールと、前記生地ロールの下側に設けられ、前記生地ロールから送り出され生地の断面形状を調節する口金と、前記口金と前記生地ロールとの間に配置され、前記生地ロールの周面に沿って逆戻りする生地量を調整して前記生地の下方への送り出しを安定化する生地安定化部材と、前記生地安定化部材の末端から前記生地ロールの周面に沿って延び、前記生地ロールに付着して逆戻りする生地の下方への落下を防止する生地ロールカバーと、を具備することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記一対の生地ロールは、周面に等間隔で形成された多数の凹部をそれぞれ有し、前記生地安定化部材は、下面が前記口金に接し、上面が前記生地ロールの周面と等間隔でそれぞれ対峙するかまぼこ型の一対の部材からなる、ことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記口金は、前記生地ロールの軸方向の長さを調整する第1の調整部材と、前記生地ロールの軸方向に直交する幅方向の長さを調整する第2の調整部材と、を具備し、前記生地安定化部材は、その上面と前記生地ロールの周面との間隙を調整する間隙調整部材、を具備することを特徴とする。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3に記載の発明において、前記間隙調整部材は、前記口金を下方から支持する口金支持部材に設けられ、前記口金を上下に移動させることにより前記生地安定化部材の上面と前記生地ロールの周面との間隙を調整することを特徴とする。
【0013】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発明において、前記生地ロールカバーは、前記生地ロールの生地送り出し部に対向する背面側にそれぞれ設けられ、前記生地ロールの最下端から最上端に至る間に形成されている、ことを特徴とする。
【0014】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発明において、前記生地は、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等から選択されたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、周面に一定の間隔で形成された複数の第1の溝部を有する第1の成形ロールと、前記第1の成形ロールの前記第1の溝部に対応する複数の第2の溝部を有し前記第1の成形ロールの下方側に接する第2の成形ロールとからなる一対の成形ロールの間に生地供給装置から供給されたシート状の生地を挿入して該一対の成形ロールにより前記シート状の生地から成形食品を形成し、該成形された成形食品に対して串刺装置から押し出された串によって串刺し、該串刺された串刺食品を前記成形ロールから離脱させて排出する串刺食品製造装置であって、前記生地供給装置は、前記生地を投入する生地ホッパーと、前記生地ホッパーの下側に設けられ、互いに逆方向に回転して前記生地を下方に送り出す一対の生地ロールと、前記生地ロールの下側に設けられ、前記生地ロールから送り出され生地の断面形状を調節する口金と、前記口金と前記生地ロールとの間に配置され、前記生地ロールの周面に沿って逆戻りする生地量を調整して前記生地の下方への送り出しを安定化する生地安定化部材と、前記生地安定化部材の末端から前記生地ロールの周面に沿って延び、前記生地ロールに付着して逆戻りする生地の下方への落下を防止する生地ロールカバーと、を具備して構成したので、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等の種々の素材からなる生地を用いた成形食品の自動串出し製造を可能にした万能串刺食品製造装置を提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明に係る串刺食品製造装置の一実施例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した串刺食品製造装置の側面の内部概略機構を示す内部機構図である。
【
図3】
図3は、
図1に示した串刺食品製造装置の内部の要部を説明する内部説明図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した串ロールの串搬送動作を説明する説明図である。
【
図5】
図5は、
図3に示した串押出装置の串押出動作を説明する説明図である。
【
図6】
図6は、
図3に示した串刺食品製造装置の生地供給装置の生地ロールを含む要部の上面図である。
【
図7】
図7は、
図4に示した生地供給装置の要部のA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための実施例について、願書に添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
なお、以下に示す実施例においては、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材から選択された生地を用いた串刺食品製造装置について説明するが、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材以外の素材からなる生地を用いても同様に構成することができる。
【0019】
図1は、本発明に係る串刺食品製造装置の一実施例を示す斜視図であり、
図2は、
図1に示した串刺食品製造装置の側面の内部概略機構を示す内部機構図であり、
図3は、
図1に示した串刺食品製造装置の内部の要部を説明する内部説明図である。
【0020】
また、
図4は、
図3に示した串ロールの串搬送動作を説明する説明図であり、
図5は、
図3に示した串押出装置の串押出動作を説明する説明図である。
【0021】
図1乃至
図5において、本実施例の串刺食品製造装置100は、基台10と、上部制御部20と、串刺食品製造機構部30とから構成される。
【0022】
串刺食品製造機構部30は、生地供給装置310、成形部320、丸目部330、串刺装置340から構成される。
【0023】
生地供給装置310は、
図2及び
図3に示すように、ホッパー311、一対の生地ロール312a,312bを具備して構成され、ホッパー311には、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材から選択された生地の素材が投入され、一対の生地ロール312a,312bは、ホッパー311内の生地の素材をシート状に成形して成形部320に供給する。
【0024】
成形部320は、
図2及び
図3に示すように、一対の第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bを具備し、生地供給装置310から供給されたシート状の生地から成形食品を成形する。
【0025】
ここで、第1の成形ロール321aは、その周面に一定の間隔で複数の第1の溝部322aが形成されており、第2の形成ロール321bは、その周面に第1の溝部322aに対応する第2の溝部322bが形成されており、第1の成形ロール321aの下方側に接して配置され、生地供給装置310から供給されたシート状の生地は、第1の成形ロール321aと第2の形成ロール321bとの間に供給され、第1の成形ロール321aと第2の形成ロール321bとが互いに逆方向に回転して、シート状の生地を第1の溝部322aと第2の溝部322bとで挟むことにより球状の成形食品が形成される。
【0026】
この成形食品は、第1の成形ロール321aと第2の形成ロール321bの軸方向において例えば3個並んで形成され、この3個の球状の成形食品が次に説明する串刺装置340から押し出され串Sにより串刺しが行われる。
【0027】
串刺装置340は、上部制御部20内に設けられ、
図2及び
図3に示すように、串投入口341、串整列ロール342、串押出装置343を具備して構成される。
【0028】
なお、上部制御部20には、この串刺食品製造装置100を制御する各種操作ボタン及び表示部を含む操作表示装置210が設けられており、更に、この上部制御部20の内部には、生地供給装置310、第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321b、串整列ロール、串押出装置343を駆動制御するモータ類及びその制御装置が設けられている。
【0029】
串刺装置340の串投入口341には、多数の串Sが投入され、串投入口341に投入された串Sは、
図4に示すように、一本ずつ串ロール342の串溝342aに収容され、串ロール342の回転により、第1の成形ロール321aと第2の形成ロール321bとの接合部に運ばれ、ここで、串溝342aに収容された串Sは、串レール343の串溝344内に落下する。串レール343の串溝344内には、図示しないスライダーが設けられており、このスラーダーにより、この串Sは第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321b方向に押し出されて、成形食品の串刺しが行われる。
【0030】
ここで、串ロール342及び串押出装置344は、第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bの間欠駆動に同期して間欠駆動しており、第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bの回転により、
図5に示すように第1の溝部322a及び第2の溝部322bが串レール343の配設位置に達し、成形食品の成形が完了すると、第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bは回転を停止し、このとき、串ロール343上の串Sは、串押出装置344のスライダーにより第1の溝部322a及び第2の溝部322bにより成形された成形食品方向に押し出されて、成形食品の串刺しが行われる。
【0031】
串刺装置340により串刺しが行われた串刺食品は、第1の成形ロール321aの第1の溝部322a及び第2の形成ロール321bの第2の溝部322bから離脱して丸目ロール331の下部に設けられている丸目ロール案内部材332内に落下する。丸目ロール331は、表面に串刺団子の仕上げ成形を行うための図示しない成形型が形成されており、串刺食品の仕上げ成形を行って、コンベヤ400上に排出される。
【0032】
さて、本発明の串刺食品製造装置100においては、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等の種々の素材からなる生地を用いた成形食品の自動串出し製造を可能にするために、生地供給装置310を
図6及び
図7に示すように構成する。
【0033】
図6は、
図1に示した串刺食品製造装置100の生地供給装置310の生地ロール312a及び312bを含む要部の上面図であり、
図7は、
図6に示した生地供給装置310の要部のA-A断面図である。
【0034】
図6及び
図7において、生地供給装置310の生地ロール312a,312bは、互いに対向して配設され、
図3及び
図7で矢印で示すように互いに逆方向に回転して、ホッパー310に投入された生地素材を下方に送り出す。
【0035】
生地ロール312a,312bの下側には、口金317が設けられており、この口金317は、生地ロール312a,312bにより送り出され生地の断面形状を調節する。
【0036】
すなわち、口金317の生地ロール312a,312bの軸と直交する方向の長さ、すなわち口金部材317aと口金部材317bとの間の長さは、調節螺子313a及び調節螺子313bの回動により調節できるようになっており、口金317の生地ロール312a,312bの軸方向の長さは調節螺子314の回動により調節できるようになっており、この調節螺子313a及び調節螺子313b及び調節螺子314の調整により調整された口金317の口形に応じて生地ロール312a,312bにより送り出され生地の断面形状が調整され、シート状の生地として第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bの間に搬出される。
【0037】
ここで、生地ロール312a,312bの周面には、等間隔で形成された多数の凹部をそれぞれ有しているが、生地の素材が、例えば、糯米素材、おはぎ素材、道明寺素材、わらび餅素材、葛素材等の種々の素材等であると、これらの生地が生地ロール312a,312bの周面に付着して該生地ロール312a,312bに沿って逆戻りする現象が生じ、この現象のため、シート状の生地を第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bの間に搬出することができなくなり、その結果安定した成形食の成形が困難になり、また、この成形食に対する串刺しも困難になった。
【0038】
そこで、本発明の串刺食品製造装置100においては、口金317を構成する口金部材317a及び口金部材317bと生地ロール312a及び生地ロール312bのそれぞれの間に、下面が部材317a及び部材317bに接し、上面が生地ロール312a及び生地ロール312bの周面と等間隔でそれぞれ対峙するかまぼこ型の一対の生地安定化部材315a及び生地安定化部材315bを配置し、この一対の生地安定化部材315a及び生地安定化部材315bにより、生地ロール312a及び生地ロール312bのそれぞれの周面に付着して逆戻りする生地量を調整し、生地ロール312a及び生地ロール312bによるシート状の生地の下方への送り出しを安定化するように構成されている。
【0039】
ここで、生地安定化部材315a及び生地安定化部材315bによる生地の逆戻り量の調整は、生地安定化部材調整螺子318a及び生地安定化部材調整螺子318bにより行うことができる。
【0040】
生地安定化部材調整螺子318a及び生地安定化部材調整螺子318bを回動すると、口金317を構成する口金部材317a,317bが上下動し、これに対応して、生地安定化部材調整螺子318a及び生地安定化部材調整螺子318bの上面と生地ロール312a及び生地ロール312bの周面との距離が変化するので、これにより、生地ロール312a及び生地ロール312bによる生地の逆戻り量を調整することができる。
【0041】
更に、本発明の串刺食品製造装置100においては、生地ロール312a及び生地ロール312bの生地送り出し部に対向する背面側に、生地安定化部材315a及び生地安定化部材315bのそれぞれの末端から生地ロール312a及び生地ロール312bの周面に沿って延びる生地ロールカバー316a及び生地ロールカバー316bが設けられている。
【0042】
この生地ロールカバー316a及び生地ロールカバー316bは、生地ロールカバー316a及び生地ロールカバー316bに付着して逆戻りする生地の下方への落下を防止するために設けられたものである。
【0043】
そして、本願発明の串刺食品製造装置100生地供給装置310のにおいては、上記生地安定化部材315a及び生地安定化部材315bと、生地ロールカバー316a及び生地ロールカバー316bの相乗効果により、第1の成形ロール321a及び第2の形成ロール321bへの安定した生地の供給が可能になる。
【0044】
以上が本発明の一実施例を示したものであるが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内であれば、当業者の通常の創作能力によって多くの変形が可能である。
【符号の説明】
【0045】
10…基台
20…上部制御部
30…串刺食品製造機構部
100…串刺食品製造装置
210…操作表示部
310…生地供給装置
311…ホッパー
312a…生地ロール
312b…生地ロール
313a…調節螺子
313b…調節螺子
314…調節螺子
315a…生地安定化部材
315b…生地安定化部材
316a…生地ロールカバー
316b…生地ロールカバー
317…口金
317a…口金部材
317b…口金部材
318a…生地安定化部材調整螺子
318b…生地安定化部材調整螺子
320…成形部
321a…第1の形成ロール
321b...第2の形成ロール
322a…第1の溝部
322a…第2の溝部
330…丸目部
331…丸目ロール
332…丸目ロール案内部材
340…串押出装置
341…串投入口
342…整列ロール
343…串レール
344…串押出装置
400…コンベヤ