(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】電源システム、処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
H02J1/00 306L
(21)【出願番号】P 2022042137
(22)【出願日】2022-03-17
【審査請求日】2022-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】高橋 徹
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-226863(JP,A)
【文献】特開平11-110054(JP,A)
【文献】特開平10-328838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電圧が印加される複数のノードに対応し、前記複数のノードの電荷を放電させる複数の放電回路と、
前記複数の放電回路を所望の順に動作させる制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記複数の放電回路それぞれに出力する制御手段と、
複数の前記所望の順と、複数の選択メニューとの対応関係に基づいて、選択された選択メニューに応じた選択信号を前記制御手段に出力する受付手段と、
を備える電源システム。
【請求項2】
前記複数の放電回路の少なくとも1つは、
前記制御信号に応じて動作する制御端子付きダイオードを備える、
請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
前記制御手段は、
複数の前記所望の順と、複数の前記選択信号との対応関係に基づいて、前記受付手段が出力した選択信号に応じた前記制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記複数の放電回路それぞれに出力する、
請求項
1または請求項2に記載の電源システム。
【請求項4】
電圧が印加される複数のノードに対応し、前記複数のノードの電荷を放電させる複数の放電回路を備える電源システムが行う処理方法であって、
前記複数の放電回路を所望の順に動作させる制御信号を生成することと、
生成した前記制御信号を前記複数の放電回路それぞれに出力することと、
複数の前記所望の順と、複数の選択メニューとの対応関係に基づいて、選択された選択メニューに応じた選択信号を出力することと、
を含む処理方法。
【請求項5】
電圧が印加される複数のノードに対応し、前記複数のノードの電荷を放電させる複数の放電回路を備える電源システムが備えるコンピュータに、
前記複数の放電回路を所望の順に動作させる制御信号を生成することと、
生成した前記制御信号を前記複数の放電回路それぞれに出力することと、
複数の前記所望の順と、複数の選択メニューとの対応関係に基づいて、選択された選択メニューに応じた選択信号を出力することと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電源システム、処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの分野において電気を使用する装置やシステムが使用されている。そのような装置やシステムでは、安定した複数の異なる電圧を供給する電源システムが使用される場合がある。特許文献1には、関連する技術として、複数のノードに蓄積されている電荷を放電させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の技術を用いて複数のノードに蓄積されている電荷を放電させる場合、複数のノードに蓄積されている電荷を所望の順に放電させることは困難である。
【0005】
そこで、電源システムにおいて、複数のノードに蓄積されている電荷を所望の順に放電させることのできる技術が求められている。
【0006】
本開示の各態様は、上記の課題を解決することのできる電源システム、処理方法、およびプログラムを提供することを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の一態様によれば、電源システムは、電圧が印加される複数のノードに対応し、前記複数のノードの電荷を放電させる複数の放電回路と、前記複数の放電回路を所望の順に動作させる制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記複数の放電回路それぞれに出力する制御手段と、複数の前記所望の順と、複数の選択メニューとの対応関係に基づいて、選択された選択メニューに応じた選択信号を前記制御手段に出力する受付手段と、を備える。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、処理方法は、電圧が印加される複数のノードに対応し、前記複数のノードの電荷を放電させる複数の放電回路を備える電源システムが行う処理方法であって、前記複数の放電回路を所望の順に動作させる制御信号を生成することと、生成した前記制御信号を前記複数の放電回路それぞれに出力することと、複数の前記所望の順と、複数の選択メニューとの対応関係に基づいて、選択された選択メニューに応じた選択信号を出力することと、を含む。
【0009】
上記目的を達成するために、本開示の別の態様によれば、プログラムは、電圧が印加される複数のノードに対応し、前記複数のノードの電荷を放電させる複数の放電回路を備える電源システムが備えるコンピュータに、前記複数の放電回路を所望の順に動作させる制御信号を生成することと、生成した前記制御信号を前記複数の放電回路それぞれに出力することと、複数の前記所望の順と、複数の選択メニューとの対応関係に基づいて、選択された選択メニューに応じた選択信号を出力することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の各態様によれば、電源システムにおいて、複数のノードに蓄積されている電荷を所望の順に放電させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態によるレギュレータシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態による受付部が表示する選択メニューの一例を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態による受付部が出力する信号と放電回路の動作開始順との対応関係の一例を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態による放電回路の構成の一例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態によるレギュレータシステムの処理フローの一例を示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態における放電回路の制御信号の一例を示す図である。
【
図7】本開示の別の実施形態による放電回路の構成の一例を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態によるレギュレータシステムの最小構成を示す図である。
【
図9】本開示の実施形態による最小構成のレギュレータシステムの処理フローの一例を示す図である。
【
図10】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
<実施形態>
図1は、本開示の一実施形態によるレギュレータシステム1(電源システムの一例)の構成の一例を示す図である。レギュレータシステム1は、
図1に示すように、電源装置10、電力源20、受付部30(受付手段の一例)、電源装置40a、40b、キャパシタ50a、50b、50c、放電回路60a、60b、60cを備える。
【0013】
電源装置10は、
図1に示すように、電源回路101、制御部102(制御手段の一例)、および外部電圧管理部103を備える。電源回路101は、Vin端子から入力される電圧から所定の電圧Vout1を生成する。そして、電源回路101は、生成した電圧Vout1をVout端子から出力する。電源回路101は、FB(FeedBack)処理回路101aを備える。
【0014】
FB処理回路101aは、FB端子にフィードバックされたVout端子の電圧Vout1に基づいて、Vout端子における電圧Vout1を所望の一定の電圧となるように電源回路101を制御する。具体的には、FB処理回路101aは、FB端子にフィードバックされた電圧Vout1が所望の一定の電圧よりも高い場合、電源回路101に現在の出力よりも低い電圧を生成させる。また、FB処理回路101aは、FB端子にフィードバックされた電圧Vout1が所望の一定の電圧よりも低い場合、電源回路101に現在の出力よりも高い電圧を生成させる。
【0015】
制御部102は、受付部30から入力される後述する信号SEL1(選択信号の一例)、信号SEL2(選択信号の一例)、信号SEL3(選択信号の一例)に基づいて、放電回路60a、60b、60cの動作状態(すなわち、オン状態とオフ状態との間の遷移)を制御する制御信号を生成する。制御部102は、生成した制御信号を、Sout1端子、Sout2端子、Sout3端子を介して、放電回路60a、60b、60cのそれぞれに出力する。
【0016】
外部電圧管理部103は、電源装置10の外部で生成された電圧を管理する。例えば、外部電圧管理部103は、EXT1端子およびEXT2端子のそれぞれにおける電圧を検出し、時刻と、その時刻におけるEXT1端子およびEXT2端子のそれぞれにおける電圧との対応関係を履歴データとして記憶する。
【0017】
電力源20は、電源装置10の入力電圧を含む電力を、電源装置10に供給する。受付部30は、放電回路60a、60b、60cの動作を開始させる順番を受け付ける。
図2は、本開示の一実施形態による受付部30が表示する選択メニューの一例を示す図である。例えば、受付部30がタッチパネルの機能を有するディスプレイであり、
図2に示す選択メニューを表示したとする。ユーザは、所望の動作順に対応した選択メニューである選択1、選択2、選択3、選択4、選択5、選択6の中から1つを選択する操作(例えば、選択メニューをタッチする操作)をタッチパネルに対して行う。なお、
図2に示す例では、放電回路60a、60b、60cの順に動作を開始させたい場合、ユーザは選択1を選択する操作を行えばよい。また、放電回路60a、60c、60bの順に動作を開始させたい場合、ユーザは選択2を選択する操作を行えばよい。また、放電回路60b、60a、60cの順に動作を開始させたい場合、ユーザは選択3を選択する操作を行えばよい。また、放電回路60c、60a、60bの順に動作を開始させたい場合、ユーザは選択4を選択する操作を行えばよい。また、放電回路60b、60c、60aの順に動作を開始させたい場合、ユーザは選択5を選択する操作を行えばよい。また、放電回路60c、60b、60aの順に動作を開始させたい場合、ユーザは選択6を選択する操作を行えばよい。
【0018】
図3は、本開示の一実施形態による受付部30が出力する信号と放電回路60a、60b、60cの動作開始順との対応関係の一例を示す図である。ユーザにより、選択メニューの中から1つを選択する操作が行われると、受付部30は、その選択に応じた信号SEL1、SEL2、SEL3を、電源装置10のSin1端子、Sin2端子、Sin3端子のそれぞれに出力する。例えば、受付部30が出力する信号と放電回路60a、60b、60cの動作開始順とが
図3に示す対応関係がある場合、ユーザが選択1を選択した場合には、受付部30は、信号SEL1としてLowレベルの信号、信号SEL2としてLowレベルの信号、信号SEL3としてLowレベルの信号を電源装置10に出力する。また、ユーザが選択2を選択した場合には、受付部30は、信号SEL1としてLowレベルの信号、信号SEL2としてLowレベルの信号、信号SEL3としてHighレベルの信号を電源装置10に出力する。また、ユーザが選択3を選択した場合には、受付部30は、信号SEL1としてLowレベルの信号、信号SEL2としてHighレベルの信号、信号SEL3としてLowレベルの信号を電源装置10に出力する。また、ユーザが選択4を選択した場合には、受付部30は、信号SEL1としてLowレベルの信号、信号SEL2としてHighレベルの信号、信号SEL3としてHighレベルの信号を電源装置10に出力する。また、ユーザが選択5を選択した場合には、受付部30は、信号SEL1としてHighレベルの信号、信号SEL2としてLowレベルの信号、信号SEL3としてLowレベルの信号を電源装置10に出力する。また、ユーザが選択6を選択した場合には、受付部30は、信号SEL1としてHighレベルの信号、信号SEL2としてLowレベルの信号、信号SEL3としてHighレベルの信号を電源装置10に出力する。
【0019】
電源装置40a、40bのそれぞれは、電源装置10の外部に存在する。電源装置40aは、電圧Vout2を生成し、生成した電圧Vout2を出力する。また、電源装置40bは、電圧Vout3を生成し、生成した電圧Vout3を出力する。電源装置40aの出力端子は、電源装置10のEXT1端子に接続される。電源装置40bの出力端子は、電源装置10のEXT2端子に接続される。
【0020】
キャパシタ50aは、電源装置10が出力する電圧Vout1を平滑化する。キャパシタ50bは、電源装置40aが出力する電圧Vout2を平滑化する。キャパシタ50cは、電源装置40bが出力する電圧Vout3を平滑化する。
【0021】
放電回路60aは、電源装置10が動作を停止した場合に、電源装置10のVout端子におけるノードの電荷を放電させる。これにより、電源装置10のVout端子の電圧Vout1を0ボルトへ早急に低下させることができる。なお、電源装置10のVout端子におけるノードの主な電荷は、キャパシタ50aが蓄積している電荷である。
【0022】
放電回路60bは、電源装置40aが動作を停止した場合に、電源装置40aの出力端子におけるノードの電荷を放電させる。これにより、電源装置40aの出力端子の電圧Vout2を0ボルトへ早急に低下させることができる。なお、電源装置40aの出力端子におけるノードの主な電荷は、キャパシタ50bが蓄積している電荷である。
【0023】
放電回路60cは、電源装置40bが動作を停止した場合に、電源装置40bの出力端子におけるノードの電荷を放電させる。これにより、電源装置40bの出力端子の電圧Vout3を0ボルトへ早急に低下させることができる。なお、電源装置40bの出力端子におけるノードの主な電荷は、キャパシタ50cが蓄積している電荷である。以下、放電回路60a、60b、60cを総称して、放電回路60という。
【0024】
図4は、本開示の一実施形態による放電回路60の構成の一例を示す図である。放電回路60のそれぞれは、
図4に示すように、PMOSFET(P-channel Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)601、抵抗602、603を備える。PMOSFET601のソースは、抵抗602の第1端子に接続される。PMOSFET601のゲートは、抵抗602の第2端子に接続される。PMOSFET601のドレインは、抵抗603の第1端子に接続される。抵抗603の第2端子は、グラウンドGNDに接続される。
【0025】
放電回路60aのPMOSFET601のソースは、電源装置10のVout端子に接続される。また、放電回路60aのPMOSFET601のゲートは、Sout1端子に接続される。また、放電回路60bのPMOSFET601のソースは、電源装置40aの出力端子に接続される。また、放電回路60bのPMOSFET601のゲートは、Sout2端子に接続される。また、放電回路60cのPMOSFET601のソースは、電源装置40bの出力端子に接続される。また、放電回路60cのPMOSFET601のゲートは、Sout3端子に接続される。
【0026】
放電回路60aのPMOSFET601のゲートにLowレベルの電圧が印加された場合、PMOSFET601がオン状態になり放電回路60aは動作を開始する。すなわち、放電回路60aは、放電を開始する。また、放電回路60bのPMOSFET601のゲートにLowレベルの電圧が印加された場合、放電回路60bは動作を開始する。すなわち、放電回路60bは、放電を開始する。また、放電回路60cのPMOSFET601のゲートにLowレベルの電圧が印加された場合、放電回路60cは動作を開始する。すなわち、放電回路60cは、放電を開始する。なお、抵抗602は、PMOSFET601のゲートにLowレベル以外の電圧(オープン状態も含む)が印加された場合に、PMOSFET601をオフ状態にするためのプルアップ抵抗である。また、抵抗603は、PMOSFET601がオン状態の場合(すなわち、放電時)に流す電流を制限するための抵抗である。
【0027】
次に、本開示の一実施形態によるレギュレータシステム1が行う処理について説明する。
図5は、本開示の一実施形態によるレギュレータシステム1の処理フローの一例を示す図である。ここでは、電源装置10、電源装置40a、40bのそれぞれは、誤差の範囲内で同時に電圧の出力を停止するものとする。例えば、図示しない上位制御装置が電源装置10、電源装置40a、40bの電圧の出力の開始および停止を制御すればよい。また、受付部30は、電源装置10、電源装置40a、40bのそれぞれが電圧の出力を停止する前に、ユーザによる操作により選択された選択メニューに対応する信号SEL1、SEL2、SEL3を制御部102に出力しているものとする。
【0028】
電源回路101が動作を停止すると、制御部102は、その動作の停止に応じて、受付部30が出力した信号SEL1、SEL2、SEL3に基づいて、放電回路60a、60b、60cの動作状態(すなわち、オン状態とオフ状態との間の遷移)を制御する制御信号を生成する(ステップS1)。
図6は、本開示の一実施形態における放電回路60の制御信号の一例を示す図である。例えば、受付部30が信号SEL1としてLowレベルの信号、信号SEL2としてLowレベルの信号、信号SEL3としてLowレベルの信号を電源装置10に出力した場合、制御部102は、電源回路101の動作の停止に応じて、放電回路60aを1番目に動作させ、放電回路60bを2番目に動作させ、放電回路60cを3番目に動作させる
図6に示す制御信号を生成する。そして、制御部102は、生成した制御信号を、Sout1端子、Sout2端子、Sout3端子を介して、放電回路60a、60b、60cのそれぞれに出力する。
【0029】
放電回路60a、60b、60cのそれぞれは、制御部102が生成した制御信号に基づいて、動作を開始する(ステップS2)。例えば、制御部102が生成した制御信号が、
図6に示す制御信号である場合、放電回路60aが1番目に動作を開始し、放電回路60bが2番目に動作を開始し、放電回路60cが3番目に動作を開始する。
【0030】
なお、放電回路60a、60b、60cが動作を開始する順番は、電源装置10のVout端子におけるノード、電源装置40aの出力端子におけるノード、電源装置40bの出力端子におけるノードの3つのうち電圧の高い順または電圧の低い順の放電することが望ましい。
【0031】
(利点)
以上、本開示の一実施形態によるレギュレータシステム1について説明した。レギュレータシステム1において、複数の放電回路60は、電圧が印加される複数のノードに対応し、前記複数のノードの電荷を放電させる。制御部102は、前記複数の放電回路60を所望の順に動作させる制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記複数の放電回路60それぞれに出力する。このレギュレータシステム1により、複数のノードに蓄積されている電荷を所望の順に放電させることができる。
【0032】
なお、本開示の一実施形態によるレギュレータシステム1では、放電回路60は、
図4に示すような、PMOSFET601、抵抗602、603から成るものとして説明した。しかしながら、本開示の別の実施形態によるレギュレータシステム1では、放電回路60は、サイリスタのような制御電圧により動作の開始と停止を制御することのできる制御端子付きダイオードを用いて実現されるものであってもよい。
図7は、本開示の別の実施形態による放電回路60の構成の一例を示す図である。放電回路60は、
図7における(a)の部分に示すように、制御端子付きダイオード604を備えるものであってもよい。また、放電回路60は、
図7における(b)の部分に示すように、制御端子付きダイオード604と、放電時の電流を制限する抵抗603とを備えるものであってもよい。
【0033】
図8は、本開示の実施形態によるレギュレータシステム1の最小構成を示す図である。レギュレータシステム1(電源システムの一例)は、
図8に示すように、複数の放電回路60、および制御部102(制御手段の一例)を備える。複数の放電回路60は、電圧が印加される複数のノードに対応し、前記複数のノードの電荷を放電させる。制御部102は、前記複数の放電回路60を所望の順に動作させる制御信号を生成し、生成した前記制御信号を前記複数の放電回路60それぞれに出力する。
【0034】
図9は、本開示の実施形態による最小構成のレギュレータシステム1の処理フローの一例を示す図である。次に、本開示の実施形態による最小構成のレギュレータシステム1の処理について
図9を参照して説明する。
【0035】
複数の放電回路60は、電圧が印加される複数のノードに対応し、前記複数のノードの電荷を放電させる回路である。制御部102は、前記複数の放電回路60を所望の順に動作させる制御信号を生成し(ステップS101)、生成した前記制御信号を前記複数の放電回路60それぞれに出力する(ステップS102)。
【0036】
以上、本開示の実施形態による最小構成のレギュレータシステム1について説明した。このレギュレータシステム1により、複数のノードに蓄積されている電荷を所望の順に放電させることができる。
【0037】
なお、本開示の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0038】
本開示の実施形態について説明したが、上述のレギュレータシステム1、電源装置10、電源回路101、制御部102、外部電圧管理部103、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
【0039】
図10は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータ5の構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ5は、
図10に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
【0040】
例えば、上述のレギュレータシステム1、電源装置10、電源回路101、制御部102、外部電圧管理部103、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0041】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0042】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0043】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、開示の範囲を限定しない。これらの実施形態は、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【符号の説明】
【0044】
1・・・レギュレータシステム
5・・・コンピュータ
6・・・CPU
7・・・メインメモリ
8・・・ストレージ
9・・・インターフェース
10、40a、40b・・・電源装置
20・・・電力源
30・・・受付部
50a、50b、50c・・・キャパシタ
60、60a、60b、60c・・・放電回路
101・・・電源回路
101a・・・FB処理回路
102・・・制御部
103・・・外部電圧管理部
601・・・PMOSFET
602、603・・・抵抗
604・・・制御端子付きダイオード