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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】圧電アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02N 2/04 20060101AFI20231121BHJP
   F04B 45/04 20060101ALI20231121BHJP
   F04B 45/047 20060101ALI20231121BHJP
   H10N 30/20 20230101ALI20231121BHJP
【FI】
H02N2/04
F04B45/04 C
F04B45/047 C
H10N30/20
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018090048
(22)【出願日】2018-05-08
(65)【公開番号】P2018196319
(43)【公開日】2018-12-06
【審査請求日】2020-08-11
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-09
(31)【優先権主張番号】106115872
(32)【優先日】2017-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Microjet Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】NO. 28, R&D 2nd Rd. Science-Based Industrial Park, Hsin-Chu, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】廖 鴻信
(72)【発明者】
【氏名】陳 世昌
(72)【発明者】
【氏名】廖 家▲いく▼
(72)【発明者】
【氏名】韓 永隆
(72)【発明者】
【氏名】李 偉銘
【合議体】
【審判長】窪田 治彦
【審判官】長馬 望
【審判官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-57247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02N 2/04
F04B 45/04
F04B 45/047
H10N 30/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電アクチュエータ板と、圧電ユニットと、を包含し、
前記圧電アクチュエータ板は、懸吊板と、外枠と、少なくとも一つのフレームと、少なくとも一つの凹溝と、を包含し、
前記懸吊板は、懸吊板頂面及び前記懸吊板頂面に対応する懸吊板底面と、を有し、前記懸吊板頂面に凸部頂面を有する凸部を設け、前記懸吊板頂面と、前記懸吊底面との間を第一厚みと定義し、前記凸部にある前記凸部頂面と、前記懸吊底面との間を第二厚みと定義し、
前記外枠は、前記懸吊板周辺を囲繞するように設置し、且つ外枠頂面と、前記外枠頂面に対応する外枠底面と、を有し、前記外枠頂面と前記外枠底面の間を第三厚みと定義し、
前記少なくとも一つのフレームは、前記懸吊板と、前記外枠と、の間に連接し、且つ、フレーム頂面と、前記フレーム頂面と、に対応するフレーム底面を設け、前記フレーム頂面と、前記フレーム底面と、の間を第四厚みと、定義し、
前記少なくとも一つの凹溝は、少なくとも一つの前記フレームと隣接する位置に設置し、前記外枠頂面に形成し、少なくとも一つの前記フレームの周辺領域に隣接しており、溝底面を有し、
前記圧電ユニットは、前記懸吊板底面に貼り付けられており、
そのうち、前記第三厚みは前記第一厚みより厚く、前記第一厚みは前記第四厚みより厚く、前記第三厚みは前記第二厚みと同等であり、前記凸部頂面と前記外枠頂面は同じ平面であり、少なくとも一つの前記凹溝の前記溝底面と、少なくとも一つの前記フレームの前記フレーム頂面と、は同じ平面であり、前記懸吊板の前記懸吊板底面と、前記外枠の前記外枠底面と、は同じ平面にあることを特徴とする圧電アクチュエータ。
【請求項2】
前記懸吊板頂面と、少なくとも一つの前記フレームにある前記フレーム頂面との間に段差があり前記懸吊板底面と、前記フレーム底面とは同じ平面にあることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項3】
少なくとも一つの前記凹溝にある前記溝底面と、前記懸吊板にある前記懸吊板頂面と、は同じ平面にあことを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項4】
前記懸吊板底面と、前記フレーム底面との間に段差があることを特徴とする請求項3に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項5】
前記第三厚みが、295~305μmであることを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項6】
前記第一厚みが、265~275μmであることを特徴とする請求項5に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項7】
前記第四厚みが、250~260μmであることを特徴とする請求項6に記載の圧電アクチュエータ。
【請求項8】
懸吊板頂面と、前記懸吊板頂面に対応する懸吊板底面と、を有し、前記懸吊板頂面に凸部頂面を有する凸部を設け、前記懸吊板頂面と、前記懸吊底面との間を第一厚みと定義し、前記凸部にある前記凸部頂面と、前記懸吊底面との間を第二厚みと定義する懸吊板と、
前記懸吊板周辺を囲繞するように設置し、且つ外枠頂面と、前記外枠頂面に対応する外枠底面を有し、前記外枠頂面と前記外枠底面の間を第三厚みと定義する外枠と、
前記懸吊板と前記外枠の間に連接し、且つ、フレーム頂面と前記フレーム頂面と対応するフレーム底面を設け、前記フレーム頂面と前記フレーム底面との間を第四厚みと定義する少なくとも一つのフレームと、
少なくとも一つの前記フレームと隣接する位置に設置し、前記外枠頂面に形成し、少なくとも一つの前記フレームの周辺領域に隣接しており、溝底面を有する少なくとも一つの凹溝と、を包含し、
そのうち、前記第三厚みは前記第一厚みより厚く、前記第一厚みは前記第四厚みより厚く、前記第三厚みは前記第二厚みと同等であり、前記凸部頂面と前記外枠頂面は同じ平面であり、少なくとも一つの前記凹溝の前記溝底面と、少なくとも一つの前記フレームの前記フレーム頂面と、は同じ平面であり、前記懸吊板の前記懸吊板底面と、少なくとも一つの前記フレームの前記フレーム底面と、前記外枠の前記外枠底面と、は同じ平面にあることを特徴とする圧電アクチュエータ板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電アクチュエータに関し、特に、小型で非常に薄く、静かな小型流体制御装置の圧電アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在医薬、コンピューターテクノロジー、印刷、エネルギー等の工業など分野を問わず製品は精密化及び小型化の方向に発展しており、そのうち、小型ポンプ、噴霧器、インクジェットヘッド、工業印刷装置等の製品に含まれる流体輸送構造は中でも重要な技術であるが、如何に革新的な構造で技術のボトルネックを打破するかが発展させるための重要な内容となっている。
【0003】
例えば、医藥産業においては空気圧動力を採用して駆動される機器や設備が多いが、通常は従来型のモーターと気圧バルブでその気体輸送の目的が達せられている。しかしながら、これら従来型のモーターと気圧バルブの体積の制限を受けて、これらの機器・設備はその体積を縮小することが難しく、装置全体の体積を縮小することができないため、薄型化という目標を実現することが難しく、これをポータブル型にするという目的に達成することはさらに難しい。また、これら従来型のモーター及び気体バルブは、作動時に騒音の発生といった問題も引き起こし、使用上の不便及び不快に繋がってしまう。
【0004】
流体輸送装置が小型、スリム化し、上述の領域に適して使用された後、体積の縮小にしたがって、小型流体輸送装置の流体輸送効率も底減しており、このため、圧電アクチュエータの設計を介して、小型流体輸送装置の効率を上昇させ、体積を小さくして小型化すると同時に静音性を確保できる小型流体制御装置を如何に開発するかが現在解決を要する切迫した問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、小型流体輸送装置に適した圧電アクチュエータの提供であり、懸吊板と、外枠と、フレームとをエッチングにより、異なる階層構造を構成し、フレームの厚みを減少し、弾力を増加させることで、懸吊板の垂直方向の変位量が増え、小型流体輸送装置の効率を上昇させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するため、圧電アクチュエータ板と、圧電ユニットと、を包含し、前記圧電アクチュエータ板は、懸吊板頂面及び前記懸吊板頂面に対応する懸吊板底面とを有し、前記懸吊板頂面に凸部頂面を有する凸部を設け、前記懸吊板頂面と、前記懸吊底頂面との間を第一厚みと定義し、前記凸部にある前記凸部頂面と、前記懸吊底頂面との間を第二厚みと定義する懸吊板と、前記懸吊板周辺を以上するように設置し、且つ外枠頂面と、前記外枠頂面に対応する外枠底面を有し、前記外枠頂面と前記外枠底面の間を第三厚みと定義する外枠と、前記懸吊板と前記外枠の間に連接し、且つ、フレーム頂面と前記フレーム頂面と対応するフレーム底面を設け、前記フレーム頂面と前記フレーム底面との間を第四厚みと定義する少なくとも一つのフレームと、少なくとも一つの前記フレームと隣接する位置に設置し、溝底面を有する少なくとも一つの凹溝と、を包含し、前記圧電ユニットは前記懸吊板底面に貼り付けられており、前記第三厚みは前記第一厚みより厚く、前記第一厚みは、前記第四厚みより厚い圧電アクチュエータを提供している。
【0007】
懸吊板頂面及び前記懸吊板頂面に対応する懸吊板底面と、を有し、前記懸吊板頂面に凸部頂面を有する凸部を設け、前記懸吊板頂面と、前記懸吊底頂面との間を第一厚みと定義し、前記凸部にある前記凸部頂面と、前記懸吊底頂面との間を第二厚みと定義する懸吊板と、前記懸吊板周辺を以上するように設置し、且つ外枠頂面と、前記外枠頂面に対応する外枠底面を有し、前記外枠頂面と前記外枠底面の間を第三厚みと定義する外枠と、前記懸吊板と前記外枠の間に連接し、且つ、フレーム頂面と前記フレーム頂面と対応するフレーム底面を設け、前記フレーム頂面と前記フレーム底面との間を第四厚みと定義する少なくとも一つのフレームと、少なくとも一つの前記フレームと隣接する位置に設置し、溝底面を有する少なくとも一つの凹溝と、を包含し、そのうち、前記第三厚みは前記第一厚みより厚く、前記第一厚みは、前記第四厚みより厚い圧電アクチュエータを提供している。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願発明に係る小型流体輸送装置の断面構造指示図である。
図2A】本願発明に係る小型流体輸送装置の正面分解図である。
図2B】本願発明に係る流体輸送装置の背面分解図である。
図3A】本願発明に係る第一実施例における圧電アクチュエータ板の断面指示図である。
図3B】本願発明に係る第一実施例における圧電アクチュエータ板の立体指示図である。
図4A】本願発明に係る第二実施例における圧電アクチュエータ板の断面指示図である。
図4B】本願発明に係る第二実施例における圧電アクチュエータ板の立体指示図である。
図4C】本願発明に係る第二実施例における圧電アクチュエータ板の立体斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特徴と利点を体現するいくつかの典型的実施例を以下において詳細に説明する。本発明は異なる態様において各種の変化が可能であり、そのいずれも本発明に係る範囲を逸脱せず、且つ本発明に係る説明及び図面は本質的に説明のために用いられ、本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
【0010】
図1図2A図2Bを参照すると、本願発明の小型流体輸送装置1は、殻体10と、圧電アクチュエータ20と、を有している。そのうち、前記殻体10は、出口板11及び座体12を包含し、前記座体12は入口板121及び共振片122を包含している。前記圧電アクチュエータ20は、前記共振片122に対応して設置され、前記出口板11、前記圧電アクチュエータ20、前記座体12の前記共振片122、前記入口板121の順で重ねて設置している。
【0011】
図2Aを参照すると、本願発明に係る実施例において、前記殻体10の前記出口板11は、板部111の周辺縁が側壁部112に延伸して形成しており、前記板部111と前記側壁部112と、は収容空間113を定義し、圧電アクチュエータ20を内部に設置し、また、前記板部111は、表面の凹みにおいて、貯蔵チャンバ114を形成しており、前記板部111上に少なくとも一つの排出孔115が前記貯蔵チャンバ114を貫通し、且つ、前記側壁部112と前記板部111が共同に前記収容空間113を定義することで、前記圧電アクチュエータ20を前記収容空間113内に設置するために用いられる。前記座体12は、入口板121と、共振片122と、を有し、そのうち、前記入口板121は、少なくとも一つの進入孔1211を有し、本願実施例において、前記進入孔1211は、4つであるが、これに限らない。前記進入孔1211は、前記入口板121の上下を貫通し、主に流体が装置から外へ気圧作用により、少なくとも1つの前記進入孔1211を通して、流体制御装置内へ提供しており、また、図2Bを参照すると、前記入口板121は、少なくとも一つの気体ガイド1212を有し、全ての前記気体ガイド1212は、前記進入孔1211に対応して連通するように設置され、前記気体ガイド1212の中心には、気体チャンバ1213を有し、且つ、前記気体チャンバ1213は、前記気体ガイド1212を互いに連通することで、少なくとも一つの前記進入孔1211から前記気体ガイド1212に流入し、並びに前記気体チャンバ1213に気体を集中できる。
【0012】
本願実施例において、小型流体輸送装置1は、更に、絶縁片31、32及び導電片40を有し、前記絶縁片31、前記導電片40、もう一つの前記絶縁片32、の順で積み重ねるように前記収容空間113内に設置し、且つ前記圧電アクチュエータ20と、前記出口板11にある前記板部111と、の間に位置する。
【0013】
図1を参照すると、本願実施例において、前記入口板121は、一体成型である前記進入孔1211と、前記気体ガイド1212と、前記気体チャンバ1213と、を有し、且つ前記入口板121と、前記共振片122が対応して組み立てられた後、前記気体チャンバ1213は、気体が集合するチャンバを構成し、気体を一時的に保存しており、この他に、可動部1221は、前記共振片122が前記気体チャンバ1213に対応することとし、前記座体12に固定粘着する部分を固定部1222とし、且つ前記共振片122上には、中空孔1223を有し、前記入口板121の気体チャンバ1213に対応して設置し、気体流通を提供する。本願実施例において、前記共振片122は、フレキシブルな素材とすることができるが、これに限らず、もう一つの実施例において、前記共振片122は銅材とすることができるが、これに限らない。
【0014】
これらの実施例において、前記入口板121の材料はステンレスとすることができるが、これに限らない。外の実施例において、前記気体チャンバ1213がチャンバを構成する場所の深さは、前記気体ガイド1212の深さと同等であるが、これに限らない。
【0015】
図2A図2B図3A図3Bを参照すると、上述の圧電アクチュエータ20は、前記共振片122に対応して設置され、前記圧電アクチュエータ板20a及び圧電ユニット20bを包含し、そのうち、前記圧電アクチュエータ板20aは、前記懸吊板21と、前記外枠22と、少なくとも一つの前記フレーム23と、を有し、前記懸吊板21は、懸吊板頂面211及び対応する懸吊板底面212を設置し、且つ、前記懸吊板底面212上に凸部213を有しており、更に、前記懸吊板21にある前記懸吊板頂面211と前記懸吊板底面212の間を第一厚みL1と定義し、前記懸吊板21の前記懸吊板底面212と、前記凸部213にある凸部頂面2131と、の間を第二厚みL2と定義し、前記圧電ユニット20bは、セラミック電片とすることができ、前記圧電ユニット20bは、前記懸吊板21にある前記懸吊板底面212に貼り付けられ、前記外枠22は、前記懸吊板21の周辺を囲繞するように設置され、且つ、外枠頂面221と、前記外枠頂面221に対応する外枠底面222と、を有し、前記外枠22にある前記外枠頂面221と、前記外枠底面222と、の間を第三厚みL3と定義し、少なくとも一つの前記フレーム23が、前記懸吊板21と前記外枠22との間に連接し、且つ、フレーム頂面231と、前記フレーム頂面231と対応するフレーム底面232と、を設け、前記フレーム頂面231と、前記フレーム底面232と、の間を第四厚みL4と定義し、そのうち、前記外枠22にある前記第三厚みL3が、前記懸吊板21にある前記第一厚みL1より大きく、前記懸吊板21にある前記第一厚みL1が少なくとも一つの前記フレーム23にある前記第四厚みL4より大きく、前記懸吊板21にある前記第一厚みL1が、少なくとも一つの前記フレーム23にある前記第四厚みL4より大きい、その他に、これらの実施例において、前記外枠22にある前記第三厚みL3と、前記凸部213の前記凸部頂面2131と、前記懸吊板21にある前記懸吊板底面212が定義する前記第二厚みL2は、同等であるが、これに限らない。
【0016】
上述の前記圧電アクチュエータ20は、少なくとも一つの前記フレーム23の前記第四厚みL4と、少なくとも一つの前記フレーム23の剛性を底減することで、少なくとも一つの前記フレーム23の弾性を強化し、前記懸吊板21の垂直振動の変位量を上昇させるために用いられるだけでなく、流体輸送の量も増加させ、流体輸送装置の効率を向上させている。
【0017】
図3A図3Bを参照すると、図3Aは、前記圧電アクチュエータ板20aにおける第一実施例の立体指示図であり、図3Bは、前記圧電アクチュエータ板20aにおける第一実施例の側面指示図である。前記圧電アクチュエータ板20aは、更に少なくとも一つの凹溝24を包含し、少なくとも一つの前記凹溝24は、少なくとも一つの前記フレーム23に隣接する位置に設置され、少なくとも一つの前記凹溝24は前記外枠22にある前記外枠頂面221に形成し、且つ、少なくとも一つの前記フレーム23の周辺領域に隣接しており、少なくとも一つの前記凹溝24は、溝底面241を有し、本願実施例において、少なくとも一つの前記フレーム23と、少なくとも一つの前記凹溝24は数量を4つとしているが、これに限らない。また、本願実施例において、前記懸吊板21の前記懸吊板底面212と、前記フレーム23の前記フレーム底面232及び前記外枠22の前記外枠底面222の三者は同じ平面上にあって、前記懸吊板21の前記懸吊板頂面211上にある前記凸部213の前記凸部頂面2131と、前記外枠22の前記外枠頂面221は、同じ平面上にあって、前記凹溝24の前記溝底面241と、前記フレーム23の前記フレーム頂面231は、同じ平面上にあることで、前記圧電アクチュエータ板20aは、前記懸吊板底面212と、前記フレーム底面232及前記外枠底面222と同じ平面上を基準とし、前記凸部213と、前記懸吊板21と、前記フレーム23は、頂面の高さが異なることで、階段構造を呈している。
【0018】
上述の前記圧電アクチュエータ板20aに係る第一実施例において、前記圧電アクチュエータ板20aは、一体形成であり、前記懸吊板21の前記懸吊板頂面211と、前記フレーム23の前記フレーム頂面231及び、前記凹溝24の前記溝底面241は、すべてエッチングにより形成され、且つエッチング行程において、エッチングする面はすべて皆同じ面である。
【0019】
図4A図4B図4Cを参照すると、図4Aは、本願発明に係る圧電アクチュエータ板20aの第二実施例における立体指示図であり、図4Bは、本願発明に係る圧電アクチュエータ板20aの第二実施例における側面図である。本願実施例において、同様に少なくとも一つの前記凹溝24を有し、少なくとも一つの前記凹溝24は、前記溝底面241を有し、そのうち、前記懸吊板21の前記懸吊板底面212及び前記外枠22の前記外枠底面222は、同じ平面であり、前記懸吊板21の前記凸部213にある前記凸部頂面2131と、前記外枠22の前記外枠頂面221と同じ平面であり、前記懸吊板21の前記懸吊板頂面211と、前記凹溝24の前記溝底面241と、前記フレーム23の前記フレーム頂面231と、は同じ平面にあることで、前記圧電アクチュエータ板20aが頂面と底面はそれぞれ異なる平面を上下に階段構造を呈している。
【0020】
上述の圧電アクチュエータ板20aの第二実施例において、前記圧電アクチュエータ板20aは、一体形成であり、前記懸吊板21の前記懸吊板頂面211と、前記フレーム23の前記フレーム頂面231と、前記フレーム底面232と、前記凹溝24の前記溝底面241と、は皆、エッチングにより形成され、且つエッチング行程において、前記懸吊板頂面211と、前記フレーム頂面231と、前記溝底面241と、のエッチング面は、前記フレーム底面232のエッチング面と異なる平面である。
【0021】
これらの実施例において、前記外枠22の前記第三厚みL3は、295~305μmであり、前記懸吊板21の前記第一厚みL1は、265~275μmであり、前記フレーム23の前記第四厚みL4は、250~260μmであり、そのうち、前記懸吊板21上にある前記凸部213の前記凸部頂面2131と、前記懸吊板21の前記懸吊板底面212と、の間の前記第二厚みL2と、前記外枠22の前記第三厚みL3は同等であり、295~305μmであるが、これに限らない。
【0022】
本願発明にかかる圧電アクチュエータ板20aに関する実施例において、主に前記懸吊板21と、前記外枠22と、前記フレーム23と、のエッチングにより構成される階段構造であって、前記フレーム23の弾性を強化し、前記懸吊板21の変位量を上昇させ、前記小型流体輸送装置1の効率を向上させ、前記フレーム23の前記第四厚みL4と、前記懸吊板21の変位量及び対応する小型流体輸送装置1の効率を比較した表を以下に示す。
【0023】
【0024】
上述の実験データより、前記フレーム23の前記第四厚みL4が、265~275μmから250~260μmに底減した後、前記懸吊板21と、前記外枠22と、の間に一定の剛性を提供するだけでなく、前記懸吊板21が、前記圧電ユニット20bの駆動を受けた後、垂直方向の振動変位量も6.5μmから10μmまで増加させることができるため、小型流体輸送装置1の最高気圧値は259mmHgから、451mmHgまで上昇することがわかり、故に本願発明の前記フレーム23は、前記小型流体輸送装置1の効率を上昇させることができるメリットを有し、とりわけ、輸送効率は、前記小型流体輸送装置1にとって、重要な研究要点である。
【0025】
図2Aを参照すると、上述の前記圧電ユニット20bは、四角形状構造であり、且つ、長辺が、前記懸吊板21の長辺より小さく、前記懸吊板21状に貼り付けることができる。本願実施例において、前記懸吊板21は、フレキシブルな正方形状構造とし、前記懸吊板21の外側を囲繞する前記外枠22を設け、前記外枠22の形態は、前記懸吊板21の形態より大きい。また、本願実施例において、前記外枠22も正方形の中空枠型構造とし、前記懸吊板21と、前記外枠22と、の間に4本の前記フレーム23が弾性支持を提供している。同時に図3A図3B図4A図4Bを参照すると、前記懸吊板21と、前記外枠22と、4つの前記フレーム23は、一体形成により構成され、例えばステンレス素材からなるが、これに限らない。本願実施例に係る前記小型流体輸送装置1の前記圧電アクチュエータ20は、前記圧電ユニット20bと、金属板と、が張り付いて形成されるが、これに限らない。前期外枠22は、前記懸吊板21の外側を囲繞して設置し、且つ、外向きに凸出した導電ピン223を設置し、電気的連接をするために用いられており、4つの前記フレーム23は、前記懸吊板21及び前記外枠22の間に連接し、弾性支持を提供している。本願実施例において、全ての前記フレーム23の一端は、前記懸吊板21の側辺と連接し、もう一端は、前記外枠22の内側辺に連接し、且つ、前記フレーム23と、前記懸吊板21と、前記外枠22と、の間には、少なくとも一つの間隙25を有し、流体が通過するために用いられ、且つ前記懸吊板21と、前記外枠22と、前記フレーム23と、の形態及び数量は多種多様の変化を有している。これらの前記懸吊板21と、前記外枠22と、の間に前記フレーム23は、前記懸吊板21が駆動する際、の変位角が不均一であることを減少し、前記懸吊板21がZ軸上における振動増加を手助けすることで、前記懸吊板21は、上下に振動する際、より良い変位状態を有することができ、即ち、前記懸吊板21の作動が安定することで、前記圧電アクチュエータ20の動作と安定性と効能が向上する。また、本願実施例において、前記懸吊板21の前記凸部213と、前記懸吊板21と、少なくとも一つの前記フレーム23と、は階段状を呈しており、且つ、厚みは少しずつ減っていく。
【0026】
上述の二つの前記絶縁片31、32は、前記導電片40を上下で挟むように設置している。その他に、これらの実施例において、前記絶縁片31、32は、例えばプラスチックなどの絶縁素材からなり、絶縁するために用いられ、もう一つの実施例において、前記導電片40は、例えば金属などの導電素材からなり、導電するために用いられる。本願実施例において、前記導電片40も前記導電ピン41と電極42と、を有する事ができ、前記導電ピン41は、外部に通電するために用いられ、前記電極42は前記圧電ユニット20bと電気的連接するために用いられ、外部電力を前記導電ピン41、前記導電片40、前記電極42を介して、前記圧電ユニット20bに通電している。
【0027】
図1図2A図2Bを参照すると、本願発明に係る前記小型流体輸送装置1を組み立てる際、前記絶縁片31、前記導電片40、もう一つの前記絶縁片32、前記圧電アクチュエータ20、前記座体12の順で積み重ねて固定し、組み立て、前記出口板11にある前記収容空間113内に収容し、最後に前記出口板11にある前記側壁部112の両側である前記収容空間113は、ポッティングコンパウンド6を塗布することで、漏れを防ぎ、流体積が小さく、コンパクトな外見である前記小型流体輸送装置1を形成することができる。上述の構造において、前記圧電ユニット20bに駆動圧電を与えた場合、前記圧電ユニット20bの伸縮により、前記懸吊板21が湾曲振動し、前記懸吊板21の振動に伴って、前記共振片122の可動部1221が振動することで、前記構造が前記座体12にある少なくとも一つの前記進入孔1211から流体を吸引し、前記流体は、少なくとも一つの前記気体ガイド1212内に進入し、前記気体チャンバ1213の中空孔1223を介して、前記貯蔵チャンバ114内に流入し、前記圧電アクチュエータ20の前記懸吊板21の振動及び、前記共振片122の共振効果を受け、前記貯蔵チャンバ114の体積は圧縮され、前記出口板11にある少なくとも一つの排出孔115から排出され、前記小型流体輸送装置1の流体輸送の行程を構成している。
【0028】
また、図1を参照すると、前記共振片122と、前記圧電アクチュエータ20と、の間には、前記間隙hがあり、前記共振片122及び前記圧電アクチュエータ20にある前記外枠22の間の前記間隙hは、例えば導電性接着剤5等を充填することで、前記共振片122と前記圧電アクチュエータ20の前記懸吊板21の間の前記間隙hが、深度を保つことができるため、気流をより迅速に流動させることができ、これらの前記間隙hの深度は、前記共振片122と前記圧電アクチュエータ20と、の間に圧縮チャンバ116を形成し、前記共振片122の前記中空孔1223を介して、流体をチャンバ内に迅速に流動させることができ、且つ、前記懸吊板21と前記共振片122が適切な距離を維持し、互いに干渉することと、騒音と、を底減している。
【0029】
また、本願発明は、前記懸吊板21の前記外枠22及び前記共振片122の間に設置される前記導電性接着剤5が塗布される際、前記導電性接着剤5が前記圧電アクチュエータ20にある前記外枠22が、前記外枠22の毛細管現象を受け、前記導電性接着剤5が前記外枠22の前記外枠頂面221に沿って、前記フレーム23に方向へ流動することで、前記外枠22から前記フレーム23に粘着する問題を改善するため、本願発明に係る前記外枠22の前記外枠頂面221上には、前記凹溝24を形成し、漏れ出した前記導電性接着剤5は、前記凹溝24内に収容されることで、前記導電性接着剤5が漏洩或いは、前記フレーム23上に粘着する問題を解決している。
【0030】
以上より、本願発明に係る圧電アクチュエータは、懸吊板と、外枠と、フレームと、をエッチング製造により、異なる階層上の階段構造を構成し、フレームの厚みを減少するだけでなく、フレームの弾性を増加させることで、懸吊板の垂直方向の変位量を増加させ、即ち、本願発明に係る圧電アクチュエータの小型流体輸送装置の輸送効率を向上させ、同様にスリム化、コンパクト化した小型流体輸送装置において、より良い効果を有し、目的を達成することができるため、本願発明の圧電アクチュエータは、産業価値があると思慮されるため、特許申請をするものである。
【0031】
本発明について上述のように実施例に基づいて詳細に説明したが、発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であればさまざまな工夫と修飾が可能であり、それらはいずれも本発明に係る特許請求の範囲が求める保護を逸脱しない。
【符号の説明】
【0032】
1 小型流体輸送装置
10 殻体
11 出口板
111 板部
112 側壁部
113 収容空間
114 貯蔵チャンバ
115 排出孔
116 圧縮チャンバ
12 座体
121 入口板
1211 進入孔
1212 気体ガイド
1213 合流チャンバ
122 共振片
1221 可動部
1222 固定部
1223 中空孔
20 圧電アクチュエータ
20a 圧電アクチュエータ板
20b 圧電ユニット
21 懸吊板
211 懸吊板頂面
212 懸吊板底面
213 凸部
2131 凸部頂面
22 外枠
221 外枠頂面
222 外枠底面
223 導電ピン
23 フレーム
231 フレーム頂面
232 フレーム底面
24 凹溝
241 溝底面
25 間隙
31、32 絶縁片
40 導電片
41 導電ピン
42 電極
5 導電性接着剤
6 ポッティングコンパウンド
h 間隙
L1 第一厚み
L2 第二厚み
L3 第三厚み
L4 第四厚み
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C