(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】判定帰還等化器及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H04B 3/06 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
H04B3/06 A
(21)【出願番号】P 2019038613
(22)【出願日】2019-03-04
【審査請求日】2022-02-01
(32)【優先日】2018-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ホセ ピー アヌップ
(72)【発明者】
【氏名】アミル アミルヘニ
(72)【発明者】
【氏名】モハマッド ヘクメット
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-023160(JP,A)
【文献】特開2015-144326(JP,A)
【文献】特開2015-089126(JP,A)
【文献】特開2007-312321(JP,A)
【文献】特開平06-311156(JP,A)
【文献】特開2016-131291(JP,A)
【文献】特開2002-057572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/04 - 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ステージ、第2ステージ、及び位相制御回路を含み、アナログ入力かつ第1データレートでシリアルデータを受信する二段判定帰還等化器であって、
前記第1ステージは、ハーフレート予測判定帰還等化器を含み、
前記ハーフレート予測判定帰還等化器は、
前記二段判定帰還等化器のアナログ入力に接続されたアナログ入力、
前記アナログ入力に基づいて生成された第1デジタル出力、及び
前記アナログ入力に基づいて生成された第2デジタル出力を含み、
前記第2ステージは、
前記第1デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第1フリップフロップ、
前記第1デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第2フリップフロップ、
前記第2デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第3フリップフロップ、及び
前記第2デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第4フリップフロップを含み、
前記第1ステージは、第1クロックドメインで前記第1データレートの半分の周波数の第1クロックで動作し、
前記第2ステージは、第2クロックドメインで前記第1データレートの1/4の周波数の第2クロックで動作し、
前記第1ステージは、CML回路を含み、
前記第2ステージは、CMOS回路を含み、
前記第1フリップフロップは、前記第2クロックの第1位相を受信し、
前記第2フリップフロップは、前記第2クロックの第2位相を受信し、
前記第3フリップフロップは、前記第2クロックの第3位相を受信し、
前記第4フリップフロップは、前記第2クロックの第4位相を受信し、
前記位相制御回路は、前記第1クロック及び前記第2クロックの前記第1位相に基づいて、前記第2クロックの上昇エッジの位置を調節し、
前記第1フリップフロップ、前記第2フリップフロップ、前記第3フリップフロップ及び前記第4フリップフロップは、それぞれ前記アナログ入力の一部に係るデータを出力する、二段判定帰還等化器。
【請求項2】
前記第1ステージは、
前記アナログ入力に接続されている入力を有する第1経路、及び
前記アナログ入力に接続されている入力を有する第2経路を含み、
前記第1経路は、前記第1クロックがロー(low)の時間区間の間、前記第1デジタル出力で、前記第1クロックのサイクルごとにデジタルデータ値を生成し、
前記第2経路は、前記第1クロックがハイ(high)の時間区間の間、前記第2デジタル出力で、前記第1クロックのサイクルごとにデジタルデータ値を生成する、請求項1に記載の二段判定帰還等化器。
【請求項3】
前記位相制御回路は、前記第2クロックの前記第1位相の遷移を前記第1クロックの第1位相の遷移に整列させる、請求項1に記載の二段判定帰還等化器。
【請求項4】
前記位相制御回路は、第5フリップフロップを含み、
前記第5フリップフロップは、
前記第1クロックの前記第1位相を受信するデータ入力、
前記第2クロックの前記第1位相を受信するクロック入力、及び
出力を含み、
前記第5フリップフロップの出力は、前記第2クロックの位相を制御するロジック回路に接続される、請求項3に記載の二段判定帰還等化器。
【請求項5】
前記位相制御回路は、位相補間器を含み、
前記位相補間器は、前記第2クロックの二つの位相及び前記ロジック回路からの制御信号を受信し、前記制御信号に対応する位相を有する信号を出力として生成し、
前記第2クロックの二つの位相は、0度より大きく180度より小さい大きさだけ異なる、請求項4に記載の二段判定帰還等化器。
【請求項6】
前記ロジック回路は、
前記第5フリップフロップの出力に接続された入力、及び
前記位相補間器に接続された出力を含み、
前記ロジック回路は、前記第5フリップフロップの出力に基づいて前記位相補間器のための前記制御信号を生成する、請求項5に記載の二段判定帰還等化器。
【請求項7】
前記ロジック回路は、アップ-ダウンカウンタを含み、
前記アップ-ダウンカウンタは、
前記第5フリップフロップの出力がハイの場合カウント値を高め、
前記第5フリップフロップの出力がローの場合カウント値を低くする、請求項6に記載の二段判定帰還等化器。
【請求項8】
前記第1フリップフロップは、前記第2クロックの前記第1位相を受信するクロック入力を有し、
前記第2クロックの前記第1位相は、前記第1クロックの各々の下降エッジに整列する上昇エッジを有する請求項1に記載の二段判定帰還等化器。
【請求項9】
前記第2フリップフロップは、前記第2クロックの前記第2位相を受信するクロック入力を有し、
前記第2クロックの前記第2位相は、前記第2クロックの前記第1位相の下降エッジごとに整列する上昇エッジを有する、請求項8に記載の二段判定帰還等化器。
【請求項10】
前記第3フリップフロップは、前記第2クロックの前記第3位相を受信するクロック入力を有し、
前記第2クロックの前記第3位相は、前記第2クロックの前記第1位相の上昇エッジを前記第2クロックの1/4周期だけ追従する上昇エッジを有する、請求項9に記載の二段判定帰還等化器。
【請求項11】
前記第4フリップフロップは、前記第2クロックの前記第4位相を受信するクロック入力を有し、
前記第2クロックの前記第4位相は、前記第2クロックの前記第3位相の下降エッジごとに整列する上昇エッジを有する、請求項10に記載の二段判定帰還等化器。
【請求項12】
第1ステージ、第2ステージ、及び位相制御回路を含み、アナログ入力かつ第1データレートでシリアルデータを受信する二段判定帰還等化器であって、
前記第1ステージは、前記アナログ入力に接続され、CML回路を含むハーフレート予測判定帰還等化器を含み、
前記第2ステージは、前記第1ステージと接続されており、CMOS回路を含み、
前記第1ステージは、第1クロックドメインで前記第1データレートの半分の周波数の第1クロックで動作し、
前記第2ステージは、第2クロックドメインで前記第1データレートの1/4の周波数の第2クロックで動作し、
前記位相制御回路は、
フリップフロップ及び変換回路を含み、
前記変換回路の出力は、前記第2クロックの異なる複数の位相を含み、
前記位相制御回路は、前記フリップフロップに入力された前記第1クロック及び前記第2クロック
の前記異なる複数の位相のうち一の位相に基づいて、前記第2クロックの上昇エッジの位置を調節する、二段判定帰還等化器。
【請求項13】
表示画像に係るシリアルデータ出力を有するタイミング制御器、及び
第1データレートで、前記タイミング制御器から出力されたシリアルデータを受信するアナログ入力を有する駆動集積回路を含み、
前記駆動集積回路は、前記シリアルデータを受信する二段判定帰還等化器を含み、
前記二段判定帰還等化器は、前記駆動集積回路のアナログ入力に接続されているアナログ入力を有し、
前記二段判定帰還等化器は、第1ステージ、第2ステージ、及び位相制御回路を含み、
前記第1ステージは、前記アナログ入力に接続され、CML回路を含むハーフレート予測判定帰還等化器を含み、
前記第2ステージは、前記第1ステージと接続されており、CMOS回路を含み、
前記第1ステージは、第1クロックドメインで前記第1データレートの半分の周波数の第1クロックで動作し、
前記第2ステージは、第2クロックドメインで前記第1データレートの1/4の周波数の第2クロックで動作し、
前記位相制御回路は、
フリップフロップ及び変換回路を含み、
前記変換回路の出力は、前記第2クロックの異なる複数の位相を含み、
前記位相制御回路は、前記フリップフロップに入力された前記第1クロック及び前記第2クロック
の前記異なる複数の位相のうち一の位相に基づいて、前記第2クロックの上昇エッジの位置を調節する、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はハーフレート/クォータレート複合判定帰還等化器及びこれを含む表示装置に関する。
【0002】
本出願は、2018年3月5日付米国特許庁に出願した米国特許出願番号第62/638,739号の優先権を主張し、ここに引用することによって当該出願のすべての内容を本願に含む。
【背景技術】
【0003】
集積回路において、シリアルデータ受信機は高速で動作して他の集積回路と高速でデータ交換を行うことができる。データレートと該当クロックレートが高すぎて、集積回路内の金属酸化物半導体(complementary metal oxide semiconductor:CMOS)回路が同じクロックレートで動作することができない、又はそのクロックレートで動作する時に許容できないほど高い電力消耗が生じる場合がある。
【0004】
このような場合に、ハーフレート(half-rate)又はクォータレート(quarter-rate)判定帰還等化器を適用して受信したシリアルデータストリームを、その1/2又は1/4である、2個又は4個の並列データストリームに変換できる。このようなハーフレート又はクォータレート判定帰還等化器は電流モードロジックで実現できるが、相対的に電力消耗が大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、シリアルデータのデータレートを減らす低電力回路が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態による二段判定帰還等化器は、第1ステージ及び第2ステージを含み、アナログ入力かつ第1データレートでシリアルデータを受信する。前記第1ステージは、ハーフレート予測判定帰還等化器を含み、前記ハーフレート予測判定帰還等化器は、前記二段判定帰還等化器のアナログ入力に接続されたアナログ入力、第1デジタル出力、及び第2デジタル出力を含む。前記第2ステージは、前記第1デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第1フリップフロップ、前記第1デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第2フリップフロップ、前記第2デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第3フリップフロップ、及び前記第2デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第4フリップフロップを含む。前記第1ステージは、第1クロックドメインで前記第1データレートの半分の周波数の第1クロックで動作し、前記第2ステージは、第2クロックドメインで前記第1データレートの1/4の周波数の第2クロックで動作する。
【0008】
本発明の実施形態によれば、前記第1ステージは、電流モードロジック回路を含み得る。
【0009】
本発明の実施形態によれば、前記第2ステージは、金属酸化物半導体回路を含み得る。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記第1ステージは、前記アナログ入力に接続されている入力を有する第1経路、及び前記アナログ入力に接続されている入力を有する第2経路を含む。前記第1経路は、前記第1クロックがロー(low)の時間区間の間、前記第1デジタル出力で、前記第1クロックのサイクルごとにデジタルデータ値を生成し、前記第2経路は前記第1クロックがハイ(high)の時間区間の間、前記第2デジタル出力で、前記第1クロックのサイクルごとにデジタルデータ値を生成し得る。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記第2クロックの第1位相の遷移を前記第1クロックの第1位相の遷移に整列する位相制御回路をさらに含み得る。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記位相制御回路は、第5フリップフロップを含み、前記第5フリップフロップは、前記第1クロックの第1位相に接続されたデータ入力、前記第2クロックの第1位相に接続されたクロック入力、及び出力を含み得る。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記位相制御回路は、位相補間器を含み、前記位相補間器は、前記第2クロックの二つの位相及び制御信号を受信し、前記制御信号に対応する位相を有する信号を出力として生成し、前記第2クロックの二つの位相は、0度より大きく180度より小さい大きさだけ異なり得る。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記二段判定帰還等化器は、ロジック回路をさらに含み、前記ロジック回路は、前記第5フリップフロップの出力に接続された入力、及び前記位相補間器に接続された出力を含み、前記ロジック回路は、前記位相補間器のための前記制御信号を生成し得る。
【0015】
本発明の実施形態によれば、前記ロジック回路は、アップ-ダウンカウンタを含み、前記アップ-ダウンカウンタは、前記第5フリップフロップの出力がハイの場合カウント値を高め、前記第5フリップフロップの出力がローの場合カウント値を低くし得る。
【0016】
本発明の実施形態によれば、前記第1フリップフロップは、前記第2クロックの第1位相を受信するクロック入力を有し、前記第2クロックの第1位相は、前記第1クロックの下降エッジごとに整列する上昇エッジを有し得る。
【0017】
本発明の実施形態によれば、前記第2フリップフロップは、前記第2クロックの第2位相を受信するクロック入力を有し、前記第2クロックの第2位相は、前記第2クロックの第1位相の下降エッジごとに整列する上昇エッジを有し得る。
【0018】
本発明の実施形態によれば、前記第3フリップフロップは、前記第2クロックの第3位相を受信するクロック入力を有し、前記第2クロックの第3位相は、前記第2クロックの第1位相の上昇エッジを前記第2クロックの1/4周期だけ追従する上昇エッジを有し得る。
【0019】
本発明の実施形態によれば、前記第4フリップフロップは、前記第2クロックの第4位相を受信するクロック入力を有し、前記第2クロックの第4位相は、前記第2クロックの第3位相の下降エッジごとに整列する上昇エッジを有し得る。
【0020】
本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態による二段判定帰還等化器は、第1ステージ及び第2ステージを含み、アナログ入力かつ第1データレートでシリアルデータを受信する二段判定帰還等化器であって、前記第1ステージは、前記アナログ入力に接続され、電流モードロジック回路を含むハーフレート予測判定帰還等化器を含み、前記第2ステージは、前記第1ステージと接続されており、金属酸化物半導体回路を含む。
【0021】
本発明の実施形態によれば、前記第1ステージの前記ハーフレート予測判定帰還等化器は、前記二段判定帰還等化器のアナログ入力に接続されたアナログ入力、第1デジタル出力、及び第2デジタル出力を含む。前記第2ステージは、前記第1デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第1フリップフロップ、前記第1デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第2フリップフロップ、前記第2デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第3フリップフロップ、及び前記第2デジタル出力に接続されたデータ入力を有する第4フリップフロップを含む。前記第1ステージは、第1クロックドメインで前記第1データレートの半分の周波数の第1クロックで動作し、前記第2ステージは、第2クロックドメインで前記第1データレートの1/4の周波数の第2クロックで動作し得る。
【0022】
本発明の実施形態によれば、前記第1ステージは、前記アナログ入力に接続されている入力を有する第1経路、及び前記アナログ入力に接続されている入力を有する第2経路を含む。前記第1経路は、前記第1クロックがロー(low)の時間区間の間、前記第1デジタル出力で、前記第1クロックのサイクルごとにデジタルデータ値を生成し、前記第2経路は、前記第1クロックがハイ(high)の時間区間の間、前記第2デジタル出力で、前記第1クロックのサイクルごとにデジタルデータ値を生成し得る。
【0023】
本発明の実施形態によれば、前記二段判定帰還等化器は、前記第2クロックの第1位相の遷移を前記第1クロックの第1位相の遷移に整列する位相制御回路をさらに含み得る。
【0024】
本発明の実施形態によれば、前記位相制御回路は、第5フリップフロップを含み、前記第5フリップフロップは、前記第1クロックの第1位相に接続されたデータ入力、前記第2クロックの第1位相に接続されたクロック入力、及び出力を含み得る。
【0025】
本発明の実施形態によれば、前記位相制御回路は、位相補間器を含み、前記位相補間器は、前記第2クロックの二つの位相及び制御信号を受信し、前記制御信号に対応する位相を有する信号を出力として生成し、前記第2クロックの二つの位相は、0度より大きく180度より小さい大きさだけ異なり得る。
【0026】
本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態による表示装置は、シリアルデータ出力を有するタイミング制御器、及び第1データレートでシリアルデータを受信するアナログ入力を有する駆動集積回路を含む。前記駆動集積回路は、前記シリアルデータを受信する二段判定帰還等化器を含む。前記二段判定帰還等化器は、前記駆動集積回路のアナログ入力に接続されているアナログ入力を有する。前記二段判定帰還等化器は、第1ステージ及び第2ステージを含む。前記第1ステージは、前記アナログ入力に接続され、電流モードロジック回路を含むハーフレート予測判定帰還等化器を含み、前記第2ステージは、前記第1ステージと接続されており、金属酸化物半導体回路を含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、シリアルデータのデータレートを下げ、電力消耗を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態による二段判定帰還等化器の概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態による二段判定帰還等化器の概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態による二段判定帰還等化器のタイミング図である。
【
図4】本発明の一実施形態による表示装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、添付する図面を参照して後述する詳細な説明は、ハーフレート/クォータレート複合判定帰還等化器の実施形態に関し、本発明によって実現又は用いられる形態のすべてを表現したものではない。以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、互いに異なる実施形態で実施するものと同一又は均等の機能及び構造も本発明の範囲内に含まれる。明細書全体をわたって同一又は類似する構成要素に対しては同じ図面符号を付けた。
【0030】
図1を参照すると、本発明の一実施形態によるハーフレート/クォータレート複合判定帰還等化器は、電流モードロジック(current mode logic:CML)回路からなる第1ステージ105と、金属酸化物半導体(complementary metal oxide semiconductor:CMOS)回路からなる第2ステージ110とを含む。ハーフレート/クォータレート複合判定帰還等化器は、高速シリアルデータ信号を受信するアナログ入力115と、シリアルデータが生成され、4因子によって並列化された(及び、受信されたシリアルデータ速度の1/4で伝送される4個のデジタル出力120に伝送された)4個のデジタル出力120を含む。CML回路は、第1の、ハーフレート、クロック(すなわち、受信したシリアルデータ信号の毎2ビットを一周期とするクロック)を有する第1クロックドメインで動作する。CMOS回路は、第2の、クォータレート、クロック(すなわち、第1クロックの半分の周波数のクロック)を有する第2クロックドメインで動作し得る。第1クロックは、クロック復旧回路によって受信されたシリアルデータ信号から生成され得る。それぞれのCML回路は、二つの離隔した電圧値のうちの一つと常に見なされる差動デジタル信号で動作し得る。差動CML信号を伝送する導電体のそれぞれは、例えば(Vddと接地(アース)との差より非常に小さい)0.4Vの(二つの状態を往復する)電圧スイングであり、この時、差動スイングは0.8Vであり得る。これと同様に、それぞれのCMOS回路は、例えば、接地付近とVdd付近との二つの値である二つの離隔した電圧値のうちの一つと常に見なされるデジタル信号で動作し得る。
【0031】
第1ステージ105は、アナログ入力(二段クォータレート判定帰還等化器のアナログ入力115又はこれに接続された入力)、第1デジタル出力125、及び第2デジタル出力130を含む。第1ステージ105は、第1及び第2経路を含み、(i)第1経路は第1加算器140、第1の対のクロック比較器145(又はサンプラー(sampler)又は、スライサー(slicer))、及び第1ステージ105の第1デジタル出力125を再入力する第1マルチプレクサ135を含み、(ii)第2経路は第2加算器141、第2の対のクロック比較器146、及び第1ステージ105の第2デジタル出力130を再入力する第1マルチプレクサ136を含む。それぞれのマルチプレクサ135、136は、ラッチマルチプレクサ(又は「MUX-latch」)であり得る。
【0032】
受信されたシリアルデータストリームからのシリアルデータビットは、第1デジタル出力125と第2デジタル出力130とで交互に生成される。それぞれの出力は、他の出力を再入力する回路でマルチプレクサ135、136によって用いられ、二つの予測補正データ値から選ばれる。それぞれの予測補正データ値は、直前に受信したデータビットの二つの可能な値のうち一つに基づいて補正される。
【0033】
第2ステージ110は、4個のフリップフロップ131、132、133、134(例えば、ストロングアーム(strong arm)フリップフロップ「SAFF」)、データ入力、及びクロック入力を含む。フリップフロップ(131、132、133、134)の各々は、4つのデジタル出力120の一つに該当するかそれに接続された出力、データ入力、及びクロック入力を有する。第1及び第2フリップフロップ131、132のデータ入力は、いずれも第1デジタル出力125に接続されており、第3及び第4フリップフロップ133、134のデータ入力は、いずれも第2デジタル出力130に接続されている。第1及び第2フリップフロップ131、132のクロック入力に再入力されるクロック信号は、フリップフロップが第1デジタル出力125から交互ビットを取得するように時間設定されたトリガーエッジ(例えば、上昇エッジ)を有しており、これについては以下で詳細に説明する。第3及び第4フリップフロップ133、134のクロック入力に再入力されるクロック信号は、フリップフロップが第2デジタル出力130から交互ビットを取得するように時間設定されたトリガーエッジ(例えば、上昇エッジ)を有している。それぞれのSAFF(131、132、133、134)は、CML-CMOSデータ変換器であり得る。
【0034】
本発明の実施形態によれば、クロック同期化回路150を用いて第2クロック(クォータレートクロック)を第1クロック(ハーフレートクロック)に同期化する。クロック同期化回路150は、CML分割器155、位相補間器160、制御ロジック回路165、レプリカフリップフロップ170及びCML-CMOS変換回路175を含む(レプリカフリップフロップ170は、ストロングアームフリップフロップ(131、132、133、134)の複製であり得て、これらは名目上同一であり得る。)。CML-CMOS変換回路175の出力180は、第2クロックの4位相を含むが、例えば2つの対の導電体(4個の導電体)で伝送され得て、これらはそれぞれ差動信号(例えば、信号及びその補信号(complement))を搬送し得る。4個の導電体のうち、第1の対の導電体は、第2クロック及びその補信号の第1位相を搬送し、第2の対の導電体は、第2クロック及びその補信号の第3位相を搬送し得る。第2クロックの第2位相は、第1位相を逆転させることによって(例えば導電体を交換することによって)形成され、第2クロックの第4位相は、第3位相を逆転させることによって(例えば導電体を交換することによって)形成され得る。第1~第4位相は、第1フリップフロップ131、第2フリップフロップ132、第3フリップフロップ133及び第4フリップフロップ134の入力にそれぞれ再入力され得る。
【0035】
CML分割器155は、二つの信号、すなわち同相(in-phase)信号及び直角位相(quadrature phase)信号を生成し、これらのそれぞれは第1クロック周波数の1/2である。レプリカフリップフロップ170は、第1クロックをデータ入力で受信し、第2クロックの第1位相をクロック入力で受信する。制御ロジック回路165は、レプリカフリップフロップ170の出力が主に0であるか、又は1であるかによって位相補間器160の位相を調節し、第1クロックのエッジが第2クロックの上昇エッジに整列するように(例えば、第1クロックの下降エッジが第2クロックの第1位相の上昇エッジに整列するように(
図3を参照))する。制御ロジック回路165は、例えば1が入力されればカウントアップし、0が入力されればカウントダウンするカウンタを含み得る。カウント値は、位相命令として周期的に位相補間器160に送信され得る。
【0036】
図2はハーフレート/クォータレート複合判定帰還等化器の第1ステージ105及び第2ステージ110を示している。
図2はまた、クロック復旧回路が用いる交差クロック及び交差データ(x<0>、x<1>、x<2>、x<3>)を生成し、第1ステージ105のデータスライサー及び交差スライサーで第1クロックの位相の制御に用いられる付加回路を示している。交差データを生成する回路のそれぞれは、第1ステージ105内の部分と第2ステージ110内の部分とを含み得る。第1ステージ105内の部分は、例えば(「MuxL」で表示した)マルチプレクサまでを含み、CML回路からなる。第2ステージ110内の部分は、マルチプレクサで信号を受信するストロングアームフリップフロップから始まって、CML回路からなる。
【0037】
図2にはまた、4個のデジタル出力(d<0>、d<1>、d<2>、d<3>)の位相の整列に用いられるパストランジスタロジック(pass transistor logic:PTL)ラッチ210が示されている。
図3は、
図1及び
図2に示す回路のタイミング図の一部を示している。第1デジタル出力125のタイミング波形は、
図3において「MuxL-out」と示した第4波形で示されている。「A」、「B」、「C」などのデータビットを含む入力データストリームは、第1波形で示されている。第6及び第7波形は、第1フリップフロップ131の出力に伝送される第1及び第5ビット(「A」、「E」)と、第2フリップフロップ132の出力に伝送される第3及び第7ビット(「C」、「G」)とを示している。第2クロック(クォータレートクロック)の第1位相は、第5波形(「dclk_0p」)である(第2位相はその補信号である)。
【0038】
図4を参照すると、本発明の一実施形態による表示装置405は、シリアルデータリンク420を介して高速デジタルデータを駆動集積回路(駆動IC)415に送信するタイミング制御器410を含む。本発明の実施形態によれば、駆動集積回路415はシリアルデータリンク420の受信端にあるシリアル信号受信機を含む。
【0039】
ここで、クロック信号の「位相」は、クロック信号の第1位相に対して所定の位相だけずれた(オフセットした)クロック信号を意味する。また、ある回路でクロックが第1エッジ(例えば、クロック信号の上昇エッジ)に影響を与えるように接続されており、ある回路でクロックが第2エッジ(例えば、相補クロック信号の上昇エッジ)に影響を与えるように接続されていれば、差動クロック信号は、二相クロック(two-phase clock)という。
【0040】
「第1」、「第2」、「第3」などの用語を多様な元素、成分、領域、層、部分などに使うが、これらはこのような修飾語によって限定されない。このような用語は、ある元素、成分、領域、層、部分を他の元素、成分、領域、層、部分と区別するために使うものであり、本発明の趣旨と範囲を外れない。
【0041】
説明の便宜上図面に示すある部分又は特性に対する他の部分又は特性の関係を示すための「下」、「下方」、「上」など空間関係の用語を使うことができる。このような空間関係の用語は、図面に示す使用する又は動作する装置の互いに異なる位置及び/又は方向を示すためのものである。例えば、図面においてある部分の「下」又は「下方」にあると示す部分は、装置が逆さになると逆に「上」にあることになる。したがって、例えば「下」及び「下方」は上と下との両方を示すことができる。装置が、例えば90度回転したり他の方向を向いたりすることができ、この場合、空間関係の用語は、これに合わせて解釈しなければならない。また、ある層が他の二つの層の「間」にあると表現した時、二つの層の間に該当層のみ存在し得るが、一つ以上の他の層がさらに存在し得る。
【0042】
ここで使われた用語は、特定の実施形態を説明する目的で使うだけであり、本発明を制限しようとするものではない。ここで、「実質的に」、「約」、「概ね」及びこれと類似する表現は、近似を示す表現であり、「程度」を示すものではなく、当業者がわかる測定値又は計算値の固有誤差を示す場合に使う。
【0043】
ここで、特に数を言及しなければ単数又は複数の場合をいずれも含む。ある特徴、段階、動作、部分、成分などを「含む」という表現は、該当部分の他に他の特徴、段階、動作、部分、成分なども含み得ることを意味する。「及び/又は」という表現は、羅列されたもののうち一つ又は二つ以上のすべての組み合わせを含む。羅列目録の前に記載した「少なくとも一つ」などの表現は、目録全体を修飾するものであって、目録内のそれぞれを修飾するものではない。また、本発明の実施形態を説明する時に使う「有し得る」いう表現は「本発明の一つ以上の実施形態」に適用可能であることを意味する。「例示的な」という用語は、例又は図面を指す。「使用」、「利用」などは、これと類似の他の表現と共に類似する意味で使われる。
【0044】
部分、層、領域、成分などが他の部分、層、領域、成分の「上に」にあるか、「接続されて」いると記載する場合、「すぐ」上にあるか、又は「直接」接続されている場合だけでなく、中間に他の部分、層、領域、成分などを介在する場合も含む。しかし、「直上に」あるか「直接接続」と記載する場合は中間に他の部分を介在しないことを意味する。
【0045】
ここに記載した数値範囲は、該当範囲内に含まれる同じ正確度のすべての部分範囲(sub-range)を含む。例えば、「1.0~10.0」の範囲は、最小値1.0と最大値10.0及びその間にあるすべての部分範囲、すなわち、1.0以上の最小値と10.0以下の最大値を有する部分範囲、例えば2.4~7.6を含む。ここで言及した最大値は、その中に含まれ、それより小さいすべての数値限定を含み、本明細書に記載した最小値は、その中に含まれ、それより大きいすべての数値限定を含む。
【0046】
ハーフレート/クォータレート複合判定帰還等化器の実施形態を特定して説明及び示したが当業者であれば、このような実施形態を変更及び修正することができる。したがって、ここで提示した原理により構成されたハーフレート/クォータレート複合判定帰還等化器も本発明に含まれる。本発明は、次の請求範囲及びその等価物によって定義される。