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特許7388825人力駆動車用の判別装置、人力駆動車用の判別システム、および、人力駆動車用の制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】人力駆動車用の判別装置、人力駆動車用の判別システム、および、人力駆動車用の制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20231121BHJP
【FI】
B62M6/45
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2019073106
(22)【出願日】2019-04-05
(65)【公開番号】P2020169009
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】中村 潤平
(72)【発明者】
【氏名】松田 浩史
(72)【発明者】
【氏名】勝木 琢也
(72)【発明者】
【氏名】寺島 圭司
(72)【発明者】
【氏名】土澤 康弘
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-026172(JP,A)
【文献】特開平08-207876(JP,A)
【文献】特開平11-301547(JP,A)
【文献】特開2005-324709(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出部と前記検出部によって検出される被検出部とを備える人力駆動車、に用いられる判別装置であって、
前記検出部の出力を取得するように構成される判別部を備え、
前記検出部は、車速センサを構成し、
前記検出部および前記被検出部の一方は、前記人力駆動車の回転体に設けられ、前記検出部および前記被検出部の他方は、前記人力駆動車の前記回転体を回転可能に支持するベース部に直接または間接的に設けられ、
前記検出部は、前記検出部の近傍を、前記被検出部が相対的に通過する場合に第1信号を出力し、
前記判別部は、前記第1信号の長さに応じて、前記車速センサに関する予め定める状態を判別するように構成される、判別装置。
【請求項2】
前記予め定める状態は、第1状態を含み、
前記第1状態は、前記検出部が予め定める検出部によって構成されていない状態を含む、請求項1に記載の判別装置。
【請求項3】
前記予め定める状態は、第2状態を含み、
前記第2状態は、前記検出部が予め定める検出部によって構成される状態を含む、請求項1に記載の判別装置。
【請求項4】
前記予め定める状態は、第3状態を含み、
前記第3状態は、前記検出部が故障している状態を含む、請求項2または3に記載の判別装置。
【請求項5】
前記予め定める状態は、第2状態を含み、
前記第2状態は、前記検出部が前記予め定める検出部によって構成される状態を含む、請求項2に記載の判別装置。
【請求項6】
前記予め定める状態は、第3状態を含み、
前記第3状態は、前記検出部が故障している状態を含む、請求項5に記載の判別装置。
【請求項7】
前記判別部は、
前記検出部の出力から互いに異なる第1情報および第2情報を取得するように構成され、
前記第1情報に応じて前記第1状態を判別し、前記第2情報に応じて前記第2状態を判別するように構成される、請求項5または6に記載の判別装置。
【請求項8】
前記予め定める状態は、第1状態と、前記第1状態とは異なる第2状態と、を含み、
前記判別部は、
前記検出部の出力から互いに異なる第1情報および第2情報を取得するように構成され、
前記第1情報に応じて前記第1状態を判別し、前記第2情報に応じて前記第2状態を判別するように構成される、請求項1に記載の判別装置。
【請求項9】
車速センサを構成する検出部を備える人力駆動車、に用いられる判別装置であって、
前記検出部の出力に応じて、第1状態および第2状態を含む少なくとも2つの前記車速センサに関する状態を判別する判別部を備え、
前記判別部は、
前記検出部の出力から互いに異なる第1情報および第2情報を取得するように構成され、
前記第1情報に応じて前記第1状態であると判別し、前記第2情報に応じて前記第2状態であると判別するように構成される、判別装置。
【請求項10】
前記人力駆動車は、前記検出部によって検出される被検出部を備え、
前記検出部および前記被検出部の一方は、前記人力駆動車の回転体に設けられ、前記検出部および前記被検出部の他方は、前記人力駆動車の前記回転体を回転可能に支持するベース部に直接または間接的に設けられ、
前記検出部は、前記検出部の近傍を、前記被検出部が相対的に通過する場合に第1信号を出力する、請求項9に記載の判別装置。
【請求項11】
前記判別部は、前記第1状態であると判別した後、前記第2状態であると判別する前に、再び前記第1状態であると判別した場合、前記回転体が停止するまで、判別結果を維持するよう構成される、請求項8または10に記載の判別装置。
【請求項12】
前記判別部は、前記回転体が停止した後、前記第2状態であると判別するまで、前記判別結果を維持するように構成される、請求項11に記載の判別装置。
【請求項13】
前記判別部は、前記第1信号の長さと、前記第1信号の間隔と、に応じて前記第1状態を判別するように構成される、請求項2、5から8、および、11のいずれか一項に記載の判別装置。
【請求項14】
前記判別部は、前記第1信号の長さと前記第1信号の間隔との第1比率に応じて前記第1状態であると判別するように構成される、請求項13に記載の判別装置。
【請求項15】
前記判別部は、
前記回転体の回転速度に関する予め定める複数の範囲ごとに前記第1比率を算出し、
前記予め定める複数の範囲ごとの前記第1比率のうちの、最大値と最小値との差が、予め定める値以上の場合、前記第1状態であると判別するように構成される、請求項14に記載の判別装置。
【請求項16】
前記第1比率は、予め定める複数の範囲ごとに算出される複数の前記第1比率の平均値である、請求項15に記載の判別装置。
【請求項17】
前記判別部は、前記第1信号の長さが予め定める値よりも短い場合、前記第1状態であると判別するように構成される、請求項2、5から8、11、および、12のいずれか一項に記載の判別装置。
【請求項18】
前記判別部は、
複数の前記第1信号の長さのうちの、最大値と最小値との差が予め定める第1時間よりも長い場合、前記第2状態であると判別するように構成される、請求項3から8、および、10から12のいずれか一項に記載の判別装置。
【請求項19】
前記判別部は、複数の前記第1信号の長さの平均値に応じて、前記第1状態を判別するように構成される、請求項2、5から8、11、および、12のいずれか一項に記載の判別装置。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の判別装置と、前記検出部と、を備える、判別システム。
【請求項21】
前記検出部は、磁気センサまたは光学センサを含む、請求項20に記載の判別システム。
【請求項22】
検出部と前記検出部によって検出される被検出部とを備える人力駆動車、に用いられる制御装置であって、
前記検出部の出力を取得し、前記人力駆動車に設けられるコンポーネントを制御するように構成される制御部を備え、
前記検出部は、車速センサを構成し、
前記検出部および前記被検出部の一方は、前記人力駆動車の回転体に設けられ、前記検出部および前記被検出部の他方は、前記人力駆動車の前記回転体を回転可能に支持するベース部に直接または間接的に設けられ、
前記検出部は、前記検出部の近傍を、前記被検出部が相対的に通過する場合に第1信号を出力し、
前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて前記車速センサに関する状態を判別し、前記車速センサに関する状態に応じて前記コンポーネントを制御するように構成される、制御装置。
【請求項23】
前記コンポーネントは、前記人力駆動車に推進力を付与するように構成されるモータを含み、
前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、前記モータを制御するように構成される、請求項22に記載の制御装置。
【請求項24】
前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、前記モータの出力を抑制するように構成される、請求項23に記載の制御装置。
【請求項25】
前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、前記人力駆動車に入力される人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力のアシスト比率を低下させるように構成される、請求項23または24に記載の制御装置。
【請求項26】
前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、前記モータを停止させるように構成される、請求項23または24に記載の制御装置。
【請求項27】
前記コンポーネントは、表示部を含み、
前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、予め定める表示情報を前記表示部に表示させるように構成される、請求項22から26のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項28】
前記制御部は、予め定める状態を判別するように構成される判別部を備え、
前記表示情報は、前記予め定める状態に対応する情報を含む、請求項27に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用の判別装置、人力駆動車用の判別システム、および、人力駆動車用の制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車は、回転体の回転に関する情報を出力する検出部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-7905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、好適に用いることができる人力駆動車用の判別装置、人力駆動車用の判別システム、および、人力駆動車用の制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う人力駆動車用の判別装置は、検出部と前記検出部によって検出される被検出部とを備える人力駆動車、に用いられる判別装置であって、前記検出部の出力を取得するように構成される判別部を備え、前記検出部および前記被検出部の一方は、前記人力駆動車の回転体に設けられ、前記検出部および前記被検出部の他方は、前記人力駆動車の前記回転体を回転可能に支持するベース部に直接または間接的に設けられ、前記検出部は、前記検出部の近傍を、前記被検出部が相対的に通過する場合に第1信号を出力し、前記判別部は、前記第1信号の長さに応じて、予め定める状態を判別するように構成される。
第1側面の判別装置によれば、検出部から出力される第1信号の長さによって、予め定める状態を判別できるので、好適に用いることができる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の判別装置において、前記予め定める状態は、第1状態を含み、前記第1状態は、前記検出部が予め定める検出部によって構成されていない状態を含む。
第2側面の判別装置によれば、検出部から出力される第1信号の長さを用いて、検出部が予め定める検出部によって構成されていない第1状態を判別できる。
【0007】
本開示の第1側面に従う第3側面の判別装置において、前記予め定める状態は、第2状態を含み、前記第2状態は、前記検出部が予め定める検出部によって構成される状態を含む。
第3側面の判別装置によれば、検出部から出力される第1信号の長さを用いて、検出部が予め定める検出部によって構成される第2状態を判別できる。
【0008】
本開示の第2または第3側面に従う第4側面の判別装置において、前記予め定める状態は、第3状態を含み、前記第3状態は、前記検出部が故障している状態を含む。
第4側面の判別装置によれば、検出部から出力される第1信号の長さを用いて、検出部が故障している第3状態を判別できる。
【0009】
本開示の第2側面に従う第5側面の判別装置において、前記予め定める状態は、第2状態を含み、前記第2状態は、前記検出部が前記予め定める検出部によって構成される状態を含む。
第5側面の判別装置によれば、検出部から出力される第1信号の長さを用いて、検出部が予め定める検出部によって構成される第2状態を判別できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の判別装置において、前記予め定める状態は、第3状態を含み、前記第3状態は、前記検出部が故障している状態を含む。
第6側面の判別装置によれば、検出部から出力される第1信号の長さを用いて、検出部が故障している第3状態を判別できる。
【0011】
本開示の第5または第6側面に従う第7側面の判別装置において、前記判別部は、前記検出部の出力から互いに異なる第1情報および第2情報を取得するように構成され、前記第1情報に応じて前記第1状態を判別し、前記第2情報に応じて前記第2状態を判別するように構成される。
第7側面の判別装置によれば、第1状態を判別するための第1情報と、第2情報を判別するための第2情報とが互いに異なるため、第1状態および第2状態のそれぞれに適した判別を行える。
【0012】
本開示の第1側面に従う第8側面の判別装置において、前記予め定める状態は、第1状態と、前記第1状態とは異なる第2状態と、を含み、前記判別部は、前記検出部の出力から互いに異なる第1情報および第2情報を取得するように構成され、前記第1情報に応じて前記第1状態を判別し、前記第2情報に応じて前記第2状態を判別するように構成される。
第8側面の判別装置によれば、第1状態を判別するための第1情報と、第2情報を判別するための第2情報とが互いに異なるため、第1状態および第2状態のそれぞれに適した判別を行える。
【0013】
本開示の第9側面に従う人力駆動車用の判別装置は、検出部を備える人力駆動車、に用いられる判別装置であって、前記検出部の出力に応じて、第1状態および第2状態を含む少なくとも2つの状態を判別する判別部を備え、前記判別部は、前記検出部の出力から互いに異なる前記第1情報および前記第2情報を取得するように構成され、前記第1情報に応じて前記第1状態であると判別し、前記第2情報に応じて前記第2状態であると判別するように構成される。
第9側面の判別装置によれば、第1状態を判別するための第1情報と、第2情報を判別するための第2情報とが互いに異なるため、第1状態および第2状態のそれぞれに適した判別を行える。
【0014】
本開示の第9側面に従う第10側面の判別装置において、前記人力駆動車は、前記検出部によって検出される被検出部を備え、前記検出部および前記被検出部の一方は、前記人力駆動車の回転体に設けられ、前記検出部および前記被検出部の他方は、前記人力駆動車の前記回転体を回転可能に支持するベース部に直接または間接的に設けられ、前記検出部は、前記検出部の近傍を、前記被検出部が相対的に通過する場合に第1信号を出力する。
第10側面の判別装置によれば、検出部から出力される第1信号を用いて第1状態と第2状態とを判別できる。
【0015】
本開示の第8または第10側面に従う第11側面の判別装置において、前記判別部は、前記第1状態であると判別した後、前記第2状態であると判別する前に、再び前記第1状態であると判別した場合、前記回転体が停止するまで、判別結果を維持するよう構成される。
第11側面の判別装置によれば、第2状態の判別を挟まずに第1状態であるという判別が2回行われると、回転体が停止するまで判別結果が維持される。このため、回転体が停止するまで第2状態の判別および第1状態の判別の少なくとも1つを行わないようにできるため、判別のための演算負荷を低減できる。
【0016】
本開示の第11側面に従う第12側面の判別装置において、前記判別部は、前記回転体が停止した後、前記第2状態であると判別するまで、前記判別結果を維持するように構成される。
第12側面の判別装置によれば、回転体が停止した後、第2状態であると判別するまで判別結果を維持できる。
【0017】
本開示の第2、第5から第8、および、第11のいずれか1つに従う第13側面の判別装置において、前記判別部は、前記第1信号の長さと、前記第1信号の間隔と、に応じて前記第1状態を判別するように構成される。
第13側面の判別装置によれば、第1信号の長さと、第1信号の間隔と、を用いて第1状態を判別できる。
【0018】
本開示の第13側面に従う第14側面の判別装置において、前記判別部は、前記第1信号の長さと前記第1信号の間隔との第1比率に応じて前記第1状態であると判別するように構成される。
第14側面の判別装置によれば、第1比率を用いて第1状態を判別できる。
【0019】
本開示の第14側面に従う第15側面の判別装置において、前記判別部は、前記回転体の回転速度に関する予め定める複数の範囲ごとに前記第1比率を算出し、前記予め定める複数の範囲ごとの前記第1比率のうちの、最大値と最小値との差が、予め定める値以上の場合、前記第1状態であると判別するように構成される。
第15側面の判別装置によれば、第1比率のうちの最大値と最小値との差を用いて、第1状態を判別できる。
【0020】
本開示の第15側面に従う第16側面の判別装置において、前記第1比率は、予め定める複数の範囲ごとに算出される複数の前記第1比率の平均値である。
第16側面の判別装置によれば、第1比率の平均値を用いて第1状態を判別するため、判別の精度を向上できる。
【0021】
本開示の第2、第5から第8、第11、および、第12のいずれか1つに従う第17側面の判別装置において、前記判別部は、前記第1信号の長さが予め定める値よりも短い場合、前記第1状態であると判別するように構成される。
第17側面の判別装置によれば、第1信号の長さが予め定める値よりも短い場合、第1状態と判別できる。
【0022】
本開示の第3および第5から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の判別装置において、前記判別部は、複数の前記第1信号の長さのうちの、最大値と最小値との差が予め定める第1時間よりも長い場合、前記第2状態であると判別するように構成される。
第18側面の判別装置によれば、複数の第1信号の長さのうちの、最大値と最小値との差が予め定める第1時間よりも長い場合、第2状態であると判別できる。
【0023】
本開示の第2、第5から第8、第11、および、第12側面のいずれか1つに従う第19側面の判別装置において、前記判別部は、複数の前記第1信号の長さの平均値に応じて、前記第1状態を判別するように構成される。
第19側面の判別装置によれば、第1信号の長さの平均値を用いて第1状態を判別するため、判別の精度を向上できる。
【0024】
本開示の第20側面に従う人力駆動車用の判別システムは、本開示の第1から第19側面のいずれか1つの判別装置と、前記検出部と、を備える。
第20側面の判別システムによれば、検出部を備える判別システムを好適に用いることができる。
【0025】
本開示の第20側面に従う第21側面の判別システムにおいて、前記検出部は、磁気センサまたは光学センサを含む。
第21側面の判別システムによれば、磁気センサまたは光学センサによって被検出部の検出部との相対的な通過を好適に検出できる。
【0026】
本開示の第22側面に従う人力駆動車用の制御装置は、検出部と前記検出部によって検出される被検出部とを備える人力駆動車、に用いられる制御装置であって、前記検出部の出力を取得し、前記人力駆動車に設けられるコンポーネントを制御するように構成される制御部を備え、前記検出部および前記被検出部の一方は、前記人力駆動車の回転体に設けられ、前記検出部および前記被検出部の他方は、前記人力駆動車の前記回転体を回転可能に支持するベース部に直接または間接的に設けられ、前記検出部は、前記検出部の近傍を、前記被検出部が相対的に通過する場合に第1信号を出力し、前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、前記コンポーネントを制御するように構成される。
第22側面の制御装置によれば、検出部から出力される第1信号の長さによって、コンポーネントを好適に制御できるので、好適に用いることができる。
【0027】
本開示の第22側面に従う第23側面の制御装置において、前記コンポーネントは、前記人力駆動車に推進力を付与するモータを含み、前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、前記モータを制御するように構成される。
第23側面の制御装置によれば、検出部から出力される第1信号の長さによって、モータを好適に制御できる。
【0028】
本開示の第23側面に従う第24側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、前記モータの出力を抑制するように構成される。
第24側面の制御装置によれば、第1信号の長さに応じてモータの出力を抑制できる。
【0029】
本開示の第23または第24側面に従う第25側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、前記人力駆動車に入力される人力駆動力に対する前記モータによるアシスト力のアシスト比率を低下させるように構成される。
第25側面の制御装置によれば、第1信号の長さに応じて第1信号の長さに応じてアシスト比率を抑制できる。
【0030】
本開示の第23または第24側面に従う第26側面の制御装置において、前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、前記モータを停止させるように構成される。
第26側面の制御装置によれば、第1信号の長さに応じて、モータを停止できる。
【0031】
本開示の第22から第26側面のいずれか1つに従う第27側面の制御装置において、前記コンポーネントは、表示部を含み、前記制御部は、前記第1信号の長さに応じて、予め定める表示情報を前記表示部に表示させるように構成される。
第27側面の制御装置によれば、第1信号の長さに応じて、予め定める表示情報を表示部に表示できる。
【0032】
本開示の第27側面に従う第28側面の制御装置において、前記制御部は、予め定める状態を判別するように構成される判別部を備え、前記表示情報は、前記予め定める状態に対応する情報を含む。
第28側面の制御装置によれば、第1信号の長さに応じて、予め定める状態に対応する情報を表示部に表示できる。
【発明の効果】
【0033】
本開示の人力駆動車用の判別装置、人力駆動車用の判別システム、および、人力駆動車用の制御装置は、好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】第1実施形態の人力駆動車用の判別システムおよび人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の側面図。
図2】被検出部が設けられるディスクブレーキ側面図。
図3】第1実施形態の人力駆動車用の判別システムおよび人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図。
図4図3の検出部の磁気センサがホール素子を含む場合の検出部の電気的な構成の一例を示すブロック図。
図5図3の検出部の磁気センサがリードスイッチを含む場合の検出部の電気的な構成の一例を示すブロック図。
図6図3の検出部から出力される信号の模式図。
図7図3の判別部によって実行される予め定める状態を判別する処理を示すフロ ーチャートの第1部分。
図8図3の判別部によって実行される予め定める状態を判別する処理を示すフロ ーチャートの第2部分。
図9図3の制御部によって実行されるモータを制御する処理を示すフローチャート。
図10図3の表示部に表示される表示情報の一例を示す模式図。
図11】第2実施形態の判別部によって実行される予め定める状態を判別する処理の一部を示すフローチャート。
図12】第2実施形態の第1変形例の判別部によって実行される予め定める状態を判別する処理の一部を示すフローチャート。
図13】第2実施形態の第2変形例の判別部によって実行される予め定める状態を判別する処理の一部を示すフローチャート。
図14】第1変形例の人力駆動車用の判別システムおよび人力駆動車用の制御装置を含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図。
図15】第2変形例の被検出部の人力駆動車への取り付け状態を示す人力駆動車の部分拡大図。
図16】第3変形例の被検出部の人力駆動車への取り付け状態を示す人力駆動車の部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(第1実施形態)
図1から図10を参照して、第1実施形態の人力駆動車用の判別システム60および人力駆動車用の制御装置50について説明する。人力駆動車10は、少なくとも人力駆動力によって駆動することができる車である。人力駆動車10は、車輪の数が限定されず、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する車も含む。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車、ならびに、電動自転車(E-bike)を含む。電動自転車は、電気モータによって車両の推進を補助する電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、自転車として説明する。
【0036】
人力駆動車10は、コンポーネント12を含む。人力駆動車10は、駆動輪16Aと、従動輪16Bと、クランク14と、フレーム20と、をさらに含む。クランク14には、人力駆動力が入力される。クランク14は、フレーム20に対して回転可能なクランク軸14Aと、クランク軸14Aの軸方向の端部にそれぞれ設けられるクランクアーム14Bとを含む。各クランクアーム14Bには、ペダル22がそれぞれ連結される。駆動輪16Aは、クランク14が回転することによって駆動される。駆動輪16Aは、フレーム20に支持される。クランク14と駆動輪16Aとは、駆動機構24によって連結される。駆動機構24は、クランク軸14Aに連結される第1回転体26を含む。クランク軸14Aと第1回転体26とは、第1ワンウェイクラッチを介して連結されていてもよい。第1ワンウェイクラッチは、クランク14が前転した場合に、第1回転体26を前転させ、クランク14が後転した場合に、第1回転体26を後転させないように構成される。第1回転体26は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構24は、第2回転体28と、連結部材30とをさらに含む。連結部材30は、第1回転体26の回転力を第2回転体28に伝達する。連結部材30は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0037】
第2回転体28は、駆動輪16Aに連結される。第2回転体28は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2回転体28と駆動輪16Aとの間には、好ましくは、第2ワンウェイクラッチが設けられている。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体28が前転した場合に、駆動輪16Aを前転させ、第2回転体28が後転した場合に、駆動輪16Aを後転させないように構成される。
【0038】
駆動輪16Aおよび従動輪16Bの一方は前輪を含み、駆動輪16Aおよび従動輪16Bの他方は後輪を含む。フレーム20には、フロントフォーク32を介して前輪が取り付けられている。フロントフォーク32には、ハンドルバー34がステム36を介して連結されている。以下の実施形態では、後輪を駆動輪16Aとして説明するが、前輪が駆動輪16Aであってもよい。
【0039】
人力駆動車10は、人力駆動車用のバッテリ38を含む。バッテリ38は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。バッテリ38は、制御装置50に電力を供給する。バッテリ38は、好ましくは、制御装置50と有線または無線によって通信可能に接続される。バッテリ38は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)によって制御部52と通信可能である。
【0040】
例えば、コンポーネント12は、人力駆動車10に推進力を付与するように構成されるモータ12Aを含む。モータ12Aは、電気モータを含む。モータ12Aは、ペダル22から後輪までの人力駆動力の動力伝達経路、または、前輪に回転を伝達するように設けられる。ペダル22から後輪までの人力駆動力の動力伝達経路は、後輪を含む。本実施形態では、モータ12Aは、第1回転体26に回転を伝達するように設けられる。モータ12Aおよびモータ12Aが設けられるハウジングは、ドライブユニットを構成する。モータ12Aとクランク軸14Aとの間の動力伝達経路には、好ましくは、クランク軸14Aを人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合にクランク14の回転力によってモータ12Aが回転しないように第3ワンウェイクラッチが設けられる。
【0041】
例えば、コンポーネント12は、表示部12Bを含む。表示部12Bは、例えば、表示パネルを備える携帯型電子機器、ディスプレイ、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、および、サイクルコンピュータの少なくとも1つを含む。
【0042】
制御装置50は、検出部62と検出部62によって検出される被検出部68とを備える人力駆動車10、に用いられる。制御装置50は、制御部52を含む。制御部52は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部52は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御装置50は、記憶部54をさらに含んでいてもよい。記憶部54には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部54は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。
【0043】
制御装置50は、好ましくは、モータ12Aの駆動回路56をさらに備える。駆動回路56と、制御部52とは、好ましくは、モータ12Aのハウジングに設けられる。駆動回路56と、制御部52とは、例えば同一の回路基板に設けられる。駆動回路56は、インバータ回路を含む。駆動回路56は、バッテリ38からモータ12Aに供給される電力を制御する。駆動回路56は、制御部52と有線または無線によって通信可能に接続されている。駆動回路56は、例えばシリアル通信によって制御部52と通信可能である。駆動回路56は、制御部52からの制御信号に応じてモータ12Aを駆動させる。
【0044】
制御装置50は、人力駆動車10の走行速度、クランク軸14Aの回転速度、および、人力駆動力の少なくとも1つに応じてモータ12Aを制御する。人力駆動車10は、好ましくは、クランク軸14Aの回転速度を検出するためのクランク回転センサ40、および、人力駆動力を検出するためのトルクセンサ42をさらに備える。人力駆動力は、トルクで表されてもよく、仕事率で表されてもよい。
【0045】
クランク回転センサ40は、クランク軸14Aの回転速度に関する情報を出力するように構成される。クランク回転センサ40は、例えば、人力駆動車10のフレーム20に取り付けられる。クランク回転センサ40は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸14A、クランク軸14Aに連動して回転する部材、または、クランク軸14Aから第1回転体26までの間の動力伝達経路に設けられる。クランク軸14Aに連動して回転する部材は、モータ12Aの出力軸を含む。クランク回転センサ40は、クランク軸14Aの回転速度に応じた信号を出力する。磁石は、クランク軸14Aから第1回転体26までの人力駆動力の動力伝達経路において、クランク軸14Aと一体に回転する部材に設けられてもよい。例えば、磁石は、クランク軸14Aと第1回転体26との間に第1ワンウェイクラッチが設けられない場合、第1回転体26に設けられてもよい。クランク回転センサ40は、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、またはトルクセンサなどを含んでいてもよい。クランク回転センサ40は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部52に接続される。
【0046】
トルクセンサ42は、クランク14に入力される人力駆動力のトルクに応じた情報を出力するように構成される。トルクセンサ42は、例えば、動力伝達経路に第1ワンウェイクラッチが設けられる場合、好ましくは、第1ワンウェイクラッチよりも動力伝達経路の上流側に設けられる。トルクセンサ42は、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。トルクセンサ42は、動力伝達経路、または、動力伝達経路に含まれる部材の近傍に含まれる部材に設けられる。動力伝達経路に含まれる部材は、例えば、クランク軸14A、クランク軸14Aと第1回転体26との間において人力駆動力を伝達する部材、クランクアーム14B、または、ペダル22である。トルクセンサ42は、無線通信装置または電気ケーブルを介して、制御部52に接続される。人力駆動力の仕事率は、トルクセンサ42によって検出されたトルクとクランク回転センサ40によって検出されたクランク軸14Aの回転速度とを乗算することによって得られる。
【0047】
判別システム60は、判別装置70と、検出部62と、を備える。人力駆動車10は、検出部62によって検出される被検出部68を備える。判別装置70は、検出部62を備える人力駆動車10、に用いられる。判別装置70は、検出部62と、検出部62によって検出される被検出部68と、を備える人力駆動車10、に用いられる。人力駆動車10は、検出部62によって検出される被検出部68を備える。判別システム60は、被検出部68をさらに含んでいてもよい。制御装置50と判別装置70とは、少なくとも一部が重複していてもよく、実質的に同一であってもよい。
【0048】
検出部62および被検出部68の一方は、人力駆動車10の回転体10Aに設けられ、検出部62および被検出部68の他方は、人力駆動車10の回転体10Aを回転可能に支持するベース部10Bに直接または間接的に設けられる。好ましくは、検出部62がベース部10Bに設けられ、被検出部68が回転体10Aに設けられる。被検出部68がベース部10Bに設けられ、検出部62が回転体10Aに設けられてもよい。被検出部68がベース部10Bに設けられ、検出部62が回転体10Aに設けられる場合、好ましくは、検出部62は、無線通信装置を介して制御部52と接続される。
【0049】
本実施形態では、検出部62は、車速センサを構成する。回転体10Aは、例えば車輪を含む。ベース部10Bは、例えばフレーム20を含む。一例では、検出部62は、車輪に設けられ、被検出部68はフレーム20のチェーンステイまたはシートステイに設けられる。被検出部68は、例えば、後輪に取り付けられる。被検出部68は、例えば、後輪に設けられるディスクブレーキロータ44と後輪のハブとを接続するための接続部46に取り付けられる。被検出部68は、回転体10Aのいずれに設けられてもよい。被検出部68は、例えば、ディスクブレーキロータ44、スポーク、リム、タイヤ、リアスプロケット、および、ハブの少なくとも1つに設けられる。図2では、被検出部68は、例えば、接続部46に設けられる孔または溝に少なくとも一部が嵌め込まれて、接続部46に固定される。検出部62は、回転体10Aとともに回転する被検出部68を検出可能な位置に設けられる。検出部62は、フロントフォーク32に設けられ、前輪に取り付けられる被検出部68を検出する構成としてもよい。検出部62が、フロントフォーク32に設けられ、前輪に取り付けられる被検出部68を検出する場合、回転体10Aは前輪を含み、ベース部10Bは、フロントフォーク32を含む。
【0050】
例えば、検出部62は、磁気センサ64Aを含む。検出部62が磁気センサ64Aを含む場合、被検出部68は、磁石68Aを含む。磁気センサ64Aは、例えば、ホール素子を含む。磁気センサ64Aは、ホール素子に代えて、リードスイッチを構成する磁性体リードを含んでいてもよい。検出部62は、処理部66をさらに含んでいてもよい。処理部66は、磁気センサ64Aの出力をデジタル信号に変換して出力するように構成される。処理部66は、例えばADコンバータを含む。磁気センサ64Aがホール素子を含む場合、磁気センサ64Aと処理部66とは、例えばホールICを構成してもよい。処理部66は、例えばマイクロコンピュータを含んでいてもよい。磁石68Aは、回転体10Aに1つ設けられてもよく、複数設けられてもよい。本実施形態では、磁石68Aは、回転体10Aに1つ設けられる。回転体10Aに複数の磁石68Aが設けられる場合、好ましくは、複数の磁石68Aは、回転体10Aの回転軸まわりの周方向において、等間隔に配置される。
【0051】
検出部62は、検出部62の近傍を、被検出部68が相対的に通過する場合に第1信号S1を出力する。検出部62は、検出部62の近傍に、被検出部68が位置している場合に第1信号S1を出力するように構成される。検出部62は、検出部62の近傍に被検出部68が位置していない場合に第2信号S2を出力する。第1信号S1および第2信号S2の一方は、第1電圧V1の信号であり、第1信号S1および第2信号S2の他方は、第1電圧V1とは大きさの異なる第2電圧V2の信号である。処理部66は、磁気センサ64Aがホール素子を含む場合、ホール素子のホール電圧が所定値未満の場合に第1信号S1を生成し、ホール素子のホール電圧が所定値以上の場合に第2信号S2を生成するように構成される。処理部66は、ホール素子のホール電圧が所定値未満の場合に第2信号S2を生成し、ホール素子のホール電圧が所定値以上の場合に第1信号S1を生成するように構成されてもよい。第1電圧V1および第2電圧V2の一方の電圧は、ゼロであってもよい。好ましくは、検出部62は、車輪が1回転する間に、予め定める回数の第1信号S1を出力するように構成される。予め定める回数は、検出部62が検出可能な被検出部68の数と対応する。予め定める回数は、例えば1である。検出部62は、人力駆動車10の車輪の回転速度に対応する情報を出力するように構成される。検出部62は、車輪の回転速度に応じた信号を出力するように構成される。制御部52は、車輪の回転速度に基づいて人力駆動車10の走行速度を算出できる。
【0052】
磁気センサ64Aがリードスイッチを構成する磁性体リードを含む場合、処理部66は、リードスイッチがオンになった場合に、第1信号S1を生成し、リードスイッチがオフになった場合に第2信号S2を生成するように構成される。処理部66は、リードスイッチがオンになった場合に、第2信号S2を生成し、リードスイッチがオフになった場合に第1信号S1を生成するように構成されてもよい。処理部66は、磁気センサ64Aの出力を増幅するように構成される増幅部を備えてもよい。
【0053】
磁気センサ64Aがリードスイッチを構成する磁性体リードを含む場合、図5に示すように、処理部66は省略されてもよい。この場合、磁気センサ64Aは、電気ケーブル60Bを介して制御部52に接続される。電気ケーブル60Bは、好ましくは、制御部52のコネクタ52Aに着脱可能に接続される。磁気センサ64Aがリードスイッチを含む場合、リードスイッチには制御部52から電圧が印加され、リードスイッチがオンになった場合に、第1信号S1が生成され、リードスイッチがオフになった場合に第2信号S2が生成される。この場合、第1信号S1は、第1電圧V1の信号であり、第2信号S2は、第2電圧V2の信号であり、第1電圧V1は第2電圧よりも低い電圧である。
【0054】
検出部62は、第1信号S1のみを生成するように構成されてもよく、第2信号S2のみを生成するように構成されてもよい。検出部62が第1信号S1のみを生成するように構成される場合、制御部52は、第1信号S1を取得できない場合には、第2信号S2が出力されている場合と同様の状態であることを判別できる。検出部62が第2信号S2のみを生成するように構成される場合、制御部52は、第2信号S2を取得できない場合には、第1信号S1が出力されている場合と同様の状態であることを判別できる。
【0055】
検出部62は、検出部62の出力を制御部52に伝送可能に制御部52に接続される。本実施形態では、検出部62と制御部52とは、電気ケーブル60Bによって有線接続される。検出部62と制御部52とは、無線送信装置または無線通信装置によって無線接続されてもよい。検出部62と制御部52とが有線接続される場合、検出部62は、電気ケーブル60Bを着脱可能に接続するように構成されるコネクタ60Aを、さらに含んでいてもよい。コネクタ60Aを省略して、電気ケーブル60Bは、検出部62に着脱不能に接続されていてもよい。電気ケーブル60Bは、好ましくは、制御部52のコネクタ52Aに着脱可能に接続される。制御部52と、電気ケーブル60Bと、は着脱不能に接続されていてもよい。処理部66は、制御部52との通信規格に応じた信号を生成してもよい。通信規格は、検出部62と制御部52とが有線接続される場合、例えば電力線通信(PLC)で利用される通信規格を含む。通信規格は、検出部62と制御部52とが無線接続される場合、例えば、ANT+(登録商標)およびBluetooth(登録商標)の少なくとも1つを含む。
【0056】
判別装置70は、判別部72を備える。判別部72は、検出部62の出力を取得するように構成される。判別部72は、第1信号S1の長さT1に応じて、予め定める状態を判別するように構成される。好ましくは、制御部52は、予め定める状態を判別するように構成される判別部72を備える。判別部72は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。判別部72は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。判別装置70は、記憶部をさらに含んでいてもよい。判別装置70に含まれる記憶部は、記憶部54と少なくとも一部が重複していてもよく、実質的に同一であってもよい。
【0057】
一例では、予め定める状態は、第1状態を含む。第1状態は、検出部62が予め定める検出部によって構成されていない状態を含む。一例では、予め定める状態は、第2状態を含む。第2状態は、検出部62が予め定める検出部によって構成される状態を含む。第1状態は、第2状態を含まず、第2状態は、第1状態を含まない。好ましくは、第1状態と第2状態とは互いに排反の状態である。検出部62が予め定める検出部によって構成されていない状態は、検出部62が、予め定める検出部と、予め定める検出部の出力信号を変更する信号変更部と、を含む状態を含む。
【0058】
予め定める検出部は、例えば、制御装置50の製造者または販売者によって制御装置50への接続が推奨されている検出部62である。検出部62が予め定める検出部ではない場合、例えば、人力駆動車10に予め定める検出部が接続された場合と異なる挙動を生じさせるおそれがある。検出部62が予め定める検出部ではない場合、検出部62は、予め定める検出部と異なる構造を有している場合、および、異なる電気回路を有している場合がある。検出部62が、予め定める検出部ではない場合、検出部62は、例えば、実際の回転体10Aの回転速度と対応しない信号を出力可能に構成される。検出部62が予め定める検出部ではない場合、検出部62は、例えば、処理部66において磁気センサ64Aによる被検出部68の検出結果と一致しない第1信号S1を生成し、制御部52に出力可能に構成される。
【0059】
検出部62が予め定める検出部ではない場合と、検出部62が予め定める検出部である場合と、において、検出部62からの第1信号S1の出力状態が異なる場合がある。判別部72は、第1信号S1の長さT1に応じて、検出部62が、予め定める検出部ではない第1状態と、予め定める検出部である第2状態と、の少なくとも1つを判別する。好ましくは、判別部72は、第1信号S1の長さT1に応じて、検出部62が、予め定める検出部ではない第1状態と、予め定める検出部である第2状態と、の両方を判別する。
【0060】
検出部62が予め定める検出部である場合、検出部62が、検出部62の近傍を相対的に通過する被検出部68を検出可能な時間は、回転体10Aの速度に相関する。検出部62が予め定める検出部である場合、第1信号S1の長さT1は、検出部62が、検出部62の近傍を相対的に通過する被検出部68を検出可能な時間と対応する。このため、連続する第1信号S1と第2信号S2とについて、回転体10Aの回転速度に関わらず、第2信号S2に対する第1信号S1の比率は実質的に一定になる。
【0061】
検出部62が、予め定める検出部ではない場合の第1例では、処理部66は、第1信号S1の出力を開始すると、予め定める時間が経過するまで第1信号S1の出力を継続し、予め定める時間が経過すると、第2信号S2に切り替えるように構成される。第1例では、連続する第1信号S1と第2信号S2とについて、回転体10Aの回転速度が大きくなるほど、第2信号S2に対する第1信号S1の比率が大きくなる。
【0062】
検出部62が、予め定める検出部ではない場合の第2例では、処理部66は、リードスイッチがオンになると予め定める時間が経過するまで第1信号S1の出力を継続し、予め定める時間が経過すると、第2信号S2に切り替えるように構成される。第2の例では、連続する第1信号S1と第2信号S2とについて、回転体10Aの回転速度が大きくなるほど、第2信号S2に対する第1信号S1の比率が大きくなる。
【0063】
検出部62が、予め定める検出部ではない場合の第3例では、回転体10Aの回転速度が第1速度範囲内の場合に、処理部66は、ホール素子のホール電圧が所定値未満または所定値以上の間は第1信号S1の出力を継続し、回転体10Aの回転速度が第1速度範囲外の場合に、処理部66は、第1信号S1の出力を開始すると、第1の予め定める時間が経過するまで第1信号S1の出力を継続し、第1の予め定められる時間が経過すると、第2信号S2に切り替え、第2の予め定める期間が経過すると再び第1信号S1の出力を開始するように構成される。第3例では、第1速度範囲外において、連続する第1信号S1と第2信号S2とについて、回転体10Aの回転速度が大きくなるほど、第2信号S2に対する第1信号S1の比率が大きくなる。
【0064】
検出部62が、予め定める検出部ではない場合の第4例では、回転体10Aの回転速度が第2速度範囲内の場合に、処理部66は、リードスイッチがオンの間は第1信号S1の出力を継続し、回転体10Aの回転速度が第2速度範囲外の場合に、処理部66は、第1信号S1の出力を開始すると、第3の予め定められる時間が経過するまで第1信号S1の出力を継続し、第3の予め定める時間が経過すると、第2信号S2に切り替え、第4の予め定める期間が経過すると再び第1信号S1の出力を開始するように構成される。第4例では、第2速度範囲外において、連続する第1信号S1と第2信号S2とについて、回転体10Aの回転速度が大きくなるほど、第2信号S2に対する第1信号S1の比率が大きくなる。
【0065】
検出部62が、予め定める検出部ではない場合の第5例では、処理部66は、ホール素子のホール電圧が所定値未満または所定値以上になると、第1信号S1を出力し、予め定める時間が経過するまで第1信号S1の出力を継続し、予め定められる時間が経過すると、第2信号S2に切り替える場合と、ホール素子のホール電圧が所定値未満または所定値以上になっても第2信号S2の出力を継続する場合とを交互に繰り返す。
【0066】
検出部62が、予め定める検出部ではない場合の第6例では、処理部66は、リードスイッチがオンになると、第1信号S1を出力し、予め定める時間が経過するまで第1信号S1の出力を継続し、予め定められる時間が経過すると、第2信号S2に切り替える場合と、リードスイッチがオンになっても第2信号S2の出力を継続する場合とを交互に繰り返す。
【0067】
検出部62が予め定める検出部ではない場合、第7例では、処理部66は、回転体10Aの回転速度が、少なくとも予め定める第3速度範囲において、第1信号S1の長さT1が予め定める値TXよりも短くなるように第1信号S1を出力するように構成される。
【0068】
好ましくは、判別部72は、検出部62の出力から互いに異なる第1情報および第2情報を取得するように構成される。第1情報に応じて第1状態を判別し、第2情報に応じて第2状態を判別するように構成される。第1情報と、第2情報とは、例えば、第1信号S1に関する互いに異なるパラメータである。判別部72は、第1情報に応じて第1状態を判別し、第2情報に応じて第2状態を判別するように構成される。判別部72は、第1情報に応じて第1状態であると判別し、第2情報に応じて第2状態であると判別するように構成される。
【0069】
例えば、判別部72は、第1信号S1の長さT1と、第1信号S1の間隔T2と、に応じて第1状態を判別するように構成される。第1信号S1の間隔T2は、本実施形態では、第2信号S2から第1信号S1に切り替わった後、次に第2信号S2から第1信号S1に切り替わるまでの時間である。第1信号S1の間隔T2は、第1信号S1から第2信号S2に切り替わった後、次に第1信号S1から第2信号S2に切り替わるまでの時間であってもよい。
【0070】
判別部72は、第1信号S1の長さT1と第1信号S1の間隔T2との第1比率Rに応じて第1状態であると判別するように構成される。例えば、第1比率Rは、第1信号S1の間隔T2に対する第1信号S1の長さT1の比率(T1/T2)である。例えば、検出部62が、予め定める検出部ではない場合の第1例から第7例においては、判別部72は、第1信号S1の長さT1と第1信号S1の間隔T2との第1比率Rに応じて第1状態であると判別する。例えば、判別部72は、回転体10Aの回転速度に関する予め定める複数の範囲ごとに第1比率Rを算出し、予め定める複数の範囲ごとの第1比率Rのうちの、最大値RXと最小値RYとの差が、予め定める値RA以上の場合、第1状態であると判別するように構成される。好ましくは、第1比率Rは、予め定める複数の範囲ごとに算出される複数の第1比率Rの平均値である。判別部72が第1比率Rに応じて第1状態であると判別する場合、第1情報は、第1比率Rである。例えば、判別部72は、回転体10Aの回転速度に関する予め定める複数の範囲ごとに第1比率Rを算出し、複数の範囲ごとに第1比率Rを平均して、第1情報を取得する。回転体10Aの回転速度に関する予め定める複数の範囲は、例えば、車速がVakm/hから時速Vbkm/hまでを複数の速度範囲に均等に分けた範囲である。Vaは、例えば0から10の範囲の値である。Vbは、例えば20から50の範囲の値である。予め定める複数の範囲の数は、例えば、5から50の範囲の値である。複数の第1比率Rの平均値は、予め定める数の第1比率Rの平均値である。予め定める数は、例えば、2から20の範囲の値である。判別部72は、第1比率Rを平均して第1情報を取得する場合、回転体10Aの回転速度が所定の速度になるまで、または、回転体10Aが回転を開始してから所定の期間が経過するまでは、第1情報を取得しないようにしてもよい。
【0071】
判別部72は、第1信号S1の長さT1が予め定める値TXよりも短い場合、第1状態であると判別するように構成される。例えば、検出部62が、予め定める検出部ではない場合の第5例においては、判別部72は、第1信号S1の長さT1が予め定める値TXよりも短いので、第1状態であると判別する。好ましくは、判別部72は、複数の第1信号S1の長さT1の平均値に応じて、第1状態を判別するように構成される。
【0072】
判別部72は、第1状態の判別方法を組み合わせて第1状態を判別してもよい。例えば、判別部72は、予め定める複数の範囲ごとの第1比率Rのうちの、最大値RXと最小値RYとの差が、予め定める値RA以上の場合、および、第1信号S1の長さT1が予め定める値TXよりも短い場合の少なくとも1つの場合、第1状態と判別する。
【0073】
判別部72は、複数の第1信号S1の長さT1のうちの、最大値TXと最小値TYとの差DTが予め定める第1時間TAよりも長い場合、第2状態であると判別するように構成される。判別部72が差DTに応じて第2状態であると判別する場合、第2情報は、差DTである。例えば、判別部72は、複数回の差DTを算出し、算出した差DTを平均して、第2情報を取得する。判別部72は、複数の範囲ごとに差DTを平均して、第2情報を取得してもよい。判別部72は、差DTを平均して第2情報を取得する場合、回転体10Aの回転速度が所定の速度になるまで、または、回転体10Aが回転を開始してから所定の期間が経過するまでは、第2情報を取得しないようにしてもよい。
【0074】
好ましくは、判別部72は、第1状態であると判別した後、第2状態であると判別する前に、再び第1状態であると判別した場合、回転体10Aが停止するまで、判別結果を維持するよう構成される。好ましくは、判別部72は、第1状態であると判別してから、再び第1状態であると判別した場合、第1状態であるとの判別を確定させる。記憶部54は、判別結果を記憶するように構成される。判別部72は、判別結果に関する情報を、記憶部54に記憶させる。好ましくは、判別部72は、回転体が停止した後、第2状態であると判別するまで、判別結果を維持するように構成される。
【0075】
図7および図8を参照して、予め定める状態を判別する処理について説明する。判別部72は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図7に示すフローチャートのステップS11に移行する。判別部72は、図7および図8のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0076】
判別部72は、ステップS11において、回転体10Aは回転しているか否かを判定する。判別部72は、回転体10Aが回転していない場合、処理を終了する。判別部72は、回転体10Aが回転している場合、ステップS12の処理に移行する。
【0077】
判別部72は、ステップS12において、第1情報を取得し、ステップS13に移行する。第1例では、判別部72は、検出部62から送信された信号から、第1信号S1の長さT1と第1信号S1の間隔T2とを算出し、第1信号S1の長さT1を第1信号S1の間隔T2で除算して、第1比率Rを算出し、回転体10Aの回転速度に関する予め定める複数の範囲ごとに第1比率Rを算出する。判別部72は、第2例では、検出部62から送信された信号から、第1信号S1の長さT1を算出する。
【0078】
判別部72は、ステップS13において、第1状態であるか否かを判別する。第1例では、予め定める複数の範囲ごとの第1比率Rのうちの、最大値RXと最小値RYとの差が、予め定める値RA以上の場合、第1状態であると判別する。第2例では、判別部72は、第1信号S1の長さT1が予め定める値TXよりも短い場合、第1状態であると判別する。判別部72は、第1状態ではない場合、ステップS11に移行する。判別部72は、ステップS13において、第1状態であると判別すると、ステップS14に移行する。判別部72は、ステップS14において判別結果を記憶部54に記憶し、ステップS15に移行する。好ましくは、判別部72は、第1状態であると判別した情報を記憶部54に記憶する。判別部72は、ステップS14において、第1状態であると判別された場合に、第1フラグをオンに設定するようにしてもよい。判別部72は、ステップS14において、さらに、ステップS12において算出された結果をリセットする。
【0079】
判別部72は、ステップS15において、第2情報を取得し、ステップS16に移行する。例えば、判別部72は、検出部62から送信された信号から、第1信号S1の長さT1を算出し、複数の第1信号S1の長さT1のうちの、最大値TXと最小値TYとの差DTを算出する。
【0080】
判別部72は、ステップS16において、第2状態であるか否かを判別する。例えば、判別部72は、差DTが予め定める第1時間TAよりも大きい場合、第2状態であると判別する。判別部72は、第2状態であると判別した場合、ステップS17に移行する。判別部72は、ステップS17において判別結果を記憶部54に記憶し、ステップS11に移行する。判別部72は、ステップS17において、ステップS14において記憶部54に記憶した第1状態であると判別した情報を消去する。ステップS14において第1フラグを設定している場合は、判別部72は、ステップS17において、第1フラグをオフに設定する。
【0081】
判別部72は、ステップS16において、第2状態ではないと判別した場合、ステップS18に移行する。判別部72は、ステップS18において、第1情報を取得し、ステップS19に移行する。好ましくは、判別部72は、ステップS18においてステップS12と同様の方法で第1情報を取得する。判別部72は、ステップS19において、第1状態を判別する。好ましくは、判別部72は、ステップS19において、ステップS13と同様の方法で第1状態を判別する。判別部72は、第1状態ではないと判別した場合、ステップS15に移行する。
【0082】
判別部72は、ステップS19において、第1状態であると判別した場合、ステップS20に移行する。判別部72は、ステップS20において、確定情報を記憶部54に記憶し、ステップS21に移行する。判別部72は、ステップS20において、第1状態であると2回判別された場合に設定する第2フラグをオンに設定するようにしてもよい。判別部72が第2フラグをオンに設定する場合、好ましくは、第1フラグをオフに設定する。
【0083】
判別部72は、ステップS21において、回転体10Aは停止しているか否かを判定する。判別部72は、検出部62の出力信号に応じて、回転体10Aが停止しているか否かを判定する。判別部72は、例えば、予め定める時間TZの間、第1信号S1を取得できない場合、回転体10Aが停止していると判定する。予め定める時間TZは、例えば5から20秒の間の時間である。判別部72は、ステップS21において、回転体10Aが停止していないと判定した場合、再びステップS21の処理を実行する。判別部72は、ステップS21において回転体10Aが停止したと判定した場合、ステップS22に移行する。判別部72は、ステップS22において、第2情報を取得し、ステップS23に移行する。判別部72は、ステップS22においてステップS15と同様の方法で第2情報を取得する。
【0084】
判別部72は、ステップS23において、第2状態であるか否かを判別する。好ましくは、ステップS23において、判別部72は、ステップS16と同様の方法で第2状態を判別する。判別部72は、ステップS23において第2状態ではないと判定した場合、ステップS22に移行する。判別部72は、ステップS23において、第2状態であると判定した場合、ステップS24に移行する。判別部72は、ステップS24において、判別結果を記憶部54に記憶し、処理を終了する。判別部72が第2フラグをオンに設定した場合、判別部72は、ステップS24において、第2フラグをオフに設定する。
【0085】
制御部52は、検出部62の出力を取得し、人力駆動車10に設けられるコンポーネント12を制御するように構成される。制御部52は、第1信号S1の長さT1に応じて、コンポーネント12を制御する。好ましくは、制御部52は、予め定める状態の判別結果に応じてコンポーネント12を制御する。本実施形態では、制御部52は、判別部72を含むが、制御部52と判別部72とは、別々に構成されてもよい。
【0086】
コンポーネント12がモータ12Aを含む場合、例えば、制御部は、第1信号S1の長さT1に応じて、モータ12Aを制御するように構成される。好ましくは、制御部52は、第1信号S1の長さに応じて判別される予め定める状態の判別結果に応じてモータ12Aを制御する。例えば、制御部52は、第1状態であると判別された場合、第1状態に対応したモータ12Aの制御を実行し、第2状態であると判別された場合、第2状態に対応したモータ12Aの制御を実行する。
【0087】
第1信号S1の長さT1に応じたモータ12Aの制御の第1例では、制御部52は、第1信号S1の長さT1に応じて、モータ12Aの出力を抑制するように構成される。好ましくは、制御部52は、第1信号S1の長さに応じて判別される予め定める状態の判別結果に応じてモータ12Aの出力を変更可能に構成される。例えば、制御部52は、第1状態であると判別された場合のモータ12Aの出力が、第2状態であると判別された場合のモータ12Aの出力以下になるようにモータ12Aを制御するように構成される。
【0088】
第1信号S1の長さT1に応じたモータ12Aの制御の第2例では、制御部52は、第1信号S1の長さT1に応じて、人力駆動車10に入力される人力駆動力に対するモータ12Aによるアシスト力のアシスト比率を低下させるように構成される。好ましくは、制御部52は、第1信号S1の長さに応じて判別される予め定める状態の判別結果に応じてアシスト比率を変更可能に構成される。例えば、制御部52は、第1状態であると判別された場合のアシスト比率が、第2状態であると判別された場合のアシスト比率以下になるようにモータ12Aを制御するように構成される。
【0089】
第1信号S1の長さT1に応じたモータ12Aの制御の第3例では、制御部52は、第1信号S1の長さT1に応じて、モータ12Aを停止させるように構成される。好ましくは、制御部52は、第1信号S1の長さに応じて判別される予め定める状態の判別結果に応じてモータ12Aを停止可能に構成される。例えば、制御部52は、第1状態であると判別された場合、モータ12Aを停止させ、第2状態であると判別された場合、モータ12Aを駆動可能に構成される。
【0090】
第1信号S1の長さT1に応じたモータ12Aの制御の第1例、第2例、および、第3例の2つまたは3つを組み合わせてもよい。第1信号S1の長さT1に応じたモータ12Aの制御の第1例、第2例、および、第3例の2つまたは3つを組み合わせる場合、制御部52は、人力駆動車10の走行状態および走行環境の少なくとも1つに応じて、第1例、第2例、および、第3例のうちのいずれかを実行するようにしてもよい。
【0091】
コンポーネント12が表示部12Bを含む場合、例えば、制御部52は、第1信号S1の長さT1に応じて、予め定める表示情報を表示部12Bに表示させる。表示情報は、予め定める状態に対応する情報を含む。予め定める状態に対応する情報は、例えば、第1状態であることをライダに報知するための文字情報、および、画像情報の少なくとも1つを含む。予め定める状態に対応する情報は、例えば、第1状態および第2状態のいずれであるかをライダに報知するための文字情報、および、画像情報の少なくとも1つを含んでいてもよい。例えば、制御部52は、第1状態の場合、図10に示すように、表示部12Bに、「車速センサエラー」という文字を表示させる。制御部52は、第2状態の場合、表示部12Bに予め定める状態に対応する情報を表示しないように構成されてもよく、例えば、「車速センサ正常」という文字を表示させて第2状態であることをライダに報知してもよい。予め定める状態に対応する情報が画像情報を含む場合、制御部52は、検出部62を示すアイコンの表示方法を変更することによって第1状態であることをライダに報知してもよく、第1状態および第2状態のいずれであるかをライダに報知してもよい。例えば、制御部52は、第1状態の場合、検出部62を示すアイコンを点滅させ、かつ、第2状態の場合、検出部62を示すアイコンを点滅させずに表示させるまたはアイコンを表示しないように構成されてもよい。ライダが予め定める状態を把握できれば、表示部12Bにおける表示方法はいずれの方法を採用することができる。
【0092】
図9を参照して、コンポーネント12を制御する処理について説明する。制御部52は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図9に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部52は、図9のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
【0093】
制御部52は、ステップS31において、第2状態か否かを判定する。制御部52は、例えば、記憶部54に記憶されている情報に応じて第2状態か否かを判定する。制御部52は、例えば、記憶部54に記憶される第2状態の判別結果と、第1状態の判別結果とのうちの最新の記憶が第2状態の判別結果の場合、第2状態であると判定し、最新の記憶が第1状態の判別結果の場合、第2状態でないと判定する。制御部52は、判別部72が第1フラグおよび第2フラグを設定する場合、例えば、第1フラグおよび第2フラグの両方がオフの場合、第2状態であると判定し、第1フラグおよび第2フラグの少なくとも1つがオンの場合、第2状態ではないと判定する。
【0094】
制御部52は、ステップS31において第2状態であると判定した場合、ステップS32に移行する。制御部52は、ステップS32において、第2状態に対応したコンポーネント12の制御を実行し、処理を終了する。
【0095】
制御部52は、ステップS31において第2状態ではないと判定した場合、ステップS33に移行する。制御部52は、ステップS33において、第1状態が確定しているか否かを判定する。制御部52は、例えば、記憶部54に第1状態の確定情報が記憶されている場合、第1状態が確定していると判定する。制御部52は、判別部72が第2フラグを設定する場合、例えば、第2フラグがオンの場合、第1状態が確定していると判定し、第2フラグがオフの場合、第1状態が確定していないと判定する。
【0096】
制御部52は、ステップS33において第1状態が確定していると判定した場合、ステップS34に移行する。制御部52は、ステップS34において、第1状態に対応したコンポーネントの制御を実行し処理を終了する。
【0097】
判別部72は、第1状態の判別が第2状態の判別を挟まずに2回繰り返される場合、第1状態を確定する。このため、第1状態の判別の精度が向上し、誤った第1状態の判別によってコンポーネント12を制御することが抑制される。
【0098】
制御部52は、検出部62が予め定める検出部によって構成されていない場合、検出部62が予め定める検出部によって構成されている場合と比較して、モータ12Aの出力またはアシスト比率を低下させることができる。
【0099】
(第2実施形態)
図2図7図8、および、図11を参照して、第2実施形態の判別システム60およびの制御装置50について説明する。第2実施形態の判別システム60およびの制御装置50は、第3状態を判別する点以外は第1実施形態と同様なので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0100】
判別部72は、第1信号S1の長さT1に応じて、予め定める状態を判別するように構成される。予め定める状態は、第3状態を含む。第3状態は、検出部62が故障している状態を含む。好ましくは、判別部72は、第1状態、第2状態、および、第3状態を判別可能に構成される。
【0101】
好ましくは、判別部72は、検出部62の出力から互いに異なる第1情報、第2情報、および、第3情報を取得するように構成される。第1情報と、第2情報と、第3情報と、は、例えば、第1信号S1に関する互いに異なるパラメータである。好ましくは、判別部72は、第1情報に応じて第1状態であると判別し、第2情報に応じて第2状態であると判別し、第3情報に応じて第3状態であると判別するように構成される。
【0102】
判別部72は、例えば、クランク14が1回転する間に第1信号S1が入力されない場合、または、クランク14が回転している状態において予め定める時間の間に第1信号S1が入力されない場合、クランク14が回転している状態において第1信号S1が常に検出される場合、および、第1信号S1と対応する第1電圧V1または第2電圧V2と予め定められる電圧との差が所定差以上ある場合、の少なくとも1つの場合、第3状態であると判別するように構成される。第3情報は、クランク14が1回転する間に第1信号S1が入力されないか否かの判定結果、クランク14が回転している状態において予め定める時間の間に第1信号S1が入力されないか否かの判定結果、クランク14が回転している状態において第1信号S1が常に検出されるか否かの判定結果、および、第1信号S1と対応する第1電圧V1または第2電圧V2と予め定められる電圧との差が所定差以上か否かの判定結果、の少なくとも1つを含む。
【0103】
図7図8、および、図11を参照して、予め定める状態を判別する処理について説明する。判別部72は、制御部52に電力が供給されると、処理を開始して図7に示すフローチャートのステップS11に移行する。判別部72は、図7図8、および、図11のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0104】
判別部72は、ステップS11において回転体10Aは回転していると判定した場合、ステップS41に移行する。判別部72は、ステップS41において、第3状態であるか否かを判別する。判別部72は、ステップS41において第3状態ではないと判定した場合、ステップS12に移行する。ステップS12以降は、図7および図8のステップS12以降の処理と同様の処理が実行される。判別部72は、ステップS41において、第3状態であると判別した場合、ステップS42に移行する。判別部72は、ステップS42において、判別結果を記憶部54に記憶し、処理を終了する。
【0105】
好ましくは、制御部52は、第3状態と判別した場合、第3状態に対応したコンポーネント12の制御を実行する。制御部52は、コンポーネント12がモータ12Aを含む場合、第3状態であると判別すると、例えば、モータ12Aを停止させる。制御部52は、例えば、コンポーネント12が表示部12Bを含む場合、第3状態であると判別すると、例えば、表示部12Bに第3状態に対応する表示情報を表示させる。予め定める状態に対応する情報は、例えば、第3状態であることをライダに報知するための文字情報、および、画像情報の少なくとも1つを含む。第3状態であることをライダに報知するための文字情報の一例は、「車速センサ故障」である。
【0106】
(変形例)
各実施形態に関する説明は、本発明に従う人力駆動車用の判別装置、人力駆動車用の判別システム、および、人力駆動車用の制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の判別装置、人力駆動車用の判別システム、および、人力駆動車用の制御装置は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、各実施形態の形態と共通する部分については、各実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0107】
・第2実施形態において、図12に示すように、第3状態の判別は、図7のステップS14の後に行ってもよい。判別部72は、ステップS14において、判別結果を記憶部54に記憶し、ステップS43に移行する。判別部72は、ステップS43において、第3状態を判別する。判別部72は、第3状態ではない場合、ステップS15に移行する。ステップS15以降は、図7および図8のステップS15以降の処理と同様の処理が実行される。判別部72は、ステップS43において、第3状態であると判別した場合、ステップS44に移行する。判別部72は、ステップS44において、判別結果を記憶部54に記憶し、処理を終了する。
【0108】
・第2実施形態において、図13に示すように、第3状態の判別は、図7のステップS17の後に行ってもよい。判別部72は、ステップS17において、判別結果を記憶部54に記憶し、ステップS45に移行する。判別部72は、ステップS45において、第3状態を判別する。判別部72は、第3状態ではない場合、ステップS18に移行する。ステップS18以降は、図7および図8のステップS17以降の処理と同様の処理が実行される。判別部72は、ステップS45において、第3状態であると判別した場合、ステップS46に移行する。判別部72は、ステップS46において、判別結果を記憶部54に記憶し、処理を終了する。
【0109】
図14に示すように、検出部62は、磁気センサ64Aに変えてまたは加えて、光学センサ64Bを含んでもよい。検出部62が光学センサ64Bを含む場合、被検出部68は、例えば、発光素子、反射板、および、スリットの少なくとも1つを含む。
【0110】
・コンポーネント12は、モータ12Aおよび表示部12Bの少なくとも1つに代えて、または、加えて、サスペンション、アジャスタブルシートポスト、変速機、および、無線通信ユニットの少なくとも1つを含んでいてもよい。制御部52は、例えば、第1状態の場合に、第1状態であることを示す情報を、無線通信ユニットから送信させるように構成される。
【0111】
・判別部72は、第1比率Rが予め定める値よりも小さい場合、第1状態であると判別するように構成されてもよい。
【0112】
・制御部52は、予め定める状態の判別結果に応じてコンポーネント12を制御しないようにしてもよい。この場合、制御部52は、記憶部54に記憶される予め定める状態の判別結果を、外部の装置に出力可能に構成されてもよい。外部の装置は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、および、スマートフォンの少なくとも1つを含む。
【0113】
・判別部72は、第2状態の判別に関する処理の少なくとも一部を省略することもできる。例えば、図7のステップS15、ステップS16、および、ステップS17を省略し、ステップS14において判別結果を記憶し、ステップS18に移行するようにしてもよい。例えば、図8のステップS21、ステップS22、ステップS23、および、ステップS24を省略し、ステップS20において確定情報を記憶部54に記憶し、処理を終了してもよい。判別部72が、第2状態の判別に関する処理を省略する場合、制御部52は、第1状態ではない場合、または、第1状態および第3状態ではない場合、第2状態であると判定してもよい。
【0114】
・判別部72は、第2状態の判別を省略する場合、外部の装置によって、第1情報の判別結果を削除可能に構成されていてもよい。
【0115】
・判別部72は、第1状態の判別に関する処理の少なくとも一部を省略することもできる。例えば、図7のステップS12、ステップS13、および、ステップS14を省略し、ステップS11においてYESの場合、ステップS15に移行するようにしてもよい。例えば、図7のステップS18、ステップS19、および、ステップS20を省略し、ステップS16においてNOの場合、処理を終了してもよい。判別部72が、第1状態の判別に関する処理を省略する場合、制御部52は、第2状態ではない場合、または、第2状態および第3状態ではない場合、第1状態であると判定してもよい。
【0116】
・判別部72は、第1状態であると1回判別された場合、第1状態の判別を確定してもよい。例えば、図7のステップS15からステップS20を省略し、図7のステップS14において、確定情報を記憶部54に記憶し、ステップS16においてNOの場合、ステップS21に移行してもよい。
【0117】
・第2実施形態において、判別部72は、第1状態および第2状態の判別に関する処理を省略することもできる。例えば、図11のステップS41においてNOの場合、処理を終了する。
【0118】
図7のステップS12において取得する第1情報と、ステップS18において取得する第1情報とを互いに異ならせてもよい。
【0119】
・第1情報と第2情報とは、同じであってもよい。
【0120】
・判別部72は、第2情報に応じて第1情報を判別してもよい。例えば、判別部72は、複数の第1信号S1の長さT1のうちの、最大値TXと最小値TYとの差DTが予め定める第1時間TAよりも短い場合、第1状態であると判別するように構成されてもよい。
【0121】
・判別部72は、第2情報に応じて第1情報を判別してもよい。判別部72は、予め定める複数の範囲ごとの第1比率Rのうちの、最大値RXと最小値RYとの差が、予め定める値RA未満の場合、第1状態であると判別するように構成されてもよい。
【0122】
・判別部72は、第1情報に応じて第2情報を判別してもよい。例えば、判別部72は、第1信号S1の長さT1が予め定める値TXよりも短い場合、第2状態であると判別するように構成されてもよい。
【0123】
・判別部72は、第1比率Rに変えて、第1信号S1の長さT1に対する第1信号S1が検出されない期間の長さの第2比率を用いて第1状態を判別してもよい。
【0124】
・第1状態および第2状態の少なくとも1つは、予め定める検出部とは関係のない状態であってもよい。例えば、第1状態および第2状態の一方は、検出部62が故障している状態を含んでいてもよい。この場合、判別部72は、検出部62の出力に応じて、第1状態および第2状態を含む少なくとも2つの状態を判別し、判別部72は、検出部62の出力から互いに異なる第1情報および第2情報を取得するように構成され、第1情報に応じて第1状態であると判別し、第2情報に応じて第2状態であると判別するように構成される。
【0125】
・被検出部68を図15のように構成してもよい。図15の被検出部68は、ディスクブレーキロータ44Aの接続部46に取り付け可能なホルダ80を介して人力駆動車10の回転体10Aに取り付けられる。ホルダ80は、円盤形状を有し、接続部46の外周部に係合可能な爪80Aによって接続部46に着脱可能に取り付けられる。
【0126】
・被検出部68を図16のように構成してもよい。図16の被検出部68は、ディスクブレーキロータ44Bを、接続部を介さずにボルト82によって、回転体10Aに取り付けられる。回転体10Aは、ハブシェル90を含む。ハブシェル90には、ボルト82に結合可能な雌ねじが形成される。被検出部68は、ホルダ84に保持される。ホルダ84には、ボルト82が貫通する貫通孔が設けられる。ホルダ84には、ディスクブレーキロータ44Bの回転軸心まわりの周方向において、互いに離間して配置される複数の貫通孔84Aが設けられる。ホルダ84は、例えば2つの貫通孔84Aを有する。貫通孔84Aは、ボルト82の軸方向に垂直な方向において、ホルダ84の外周面まで延びるスリットを有していてもよい。貫通孔84Aは、好ましくは、ボルトの緩みを抑制するように構成される。ホルダ84は、磁石を保持する保持部84Bを有する。ボルト82の一部が、ホルダ84に設けられる貫通孔84A、ディスクブレーキロータ44Bに設けられる孔を貫通して、ハブシェルに設けられる雌ねじに連結されることによって、被検出部68が人力駆動車10の回転体10Aに取り付けられる。ホルダ84をディスクブレーキロータ44Bに取り付けた状態において、保持部84Bの一部は、ディスクブレーキロータ44Bに形成されている孔45に配置される。ホルダ84を取り付けないボルト82のヘッドと、ディスクブレーキロータ44Bとの間には、好ましくは、ボルトの緩みを抑制するように構成されるプレート85が配置される。プレート85には、ディスクブレーキロータ44Bの回転軸心まわりの周方向において、互いに離間して配置される複数の貫通孔85Aが設けられる。プレート85は、例えば2つの貫通孔85Aを有する。貫通孔85Aは、ボルト82の軸方向に垂直な方向において、プレート85の外周面まで延びるスリット85Bを有していてもよい。貫通孔85Aは、好ましくは、ボルトの緩みを抑制するように構成される。
【0127】
・検出部62は、車輪以外の回転体10Aの回転速度を検出可能に構成されていてもよい。例えば、検出部62は、クランク14の回転速度を検出するように構成されていてもよい。検出部62は、クランク14の回転速度を検出する場合、回転体10Aは、クランク14である。
【0128】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、その選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0129】
10…人力駆動車、10A…回転体、10B…ベース部、12…コンポーネント、12A…モータ、12B…表示部、50…制御装置、52…制御部、60…判別システム、62…検出部、64A…磁気センサ、64B…光学センサ、68…被検出部、70…判別装置、72…判別部。
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