(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】プレゼンテーション用資料作成支援システム及びプレゼンテーション用資料作成支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20120101AFI20231121BHJP
G06F 40/166 20200101ALI20231121BHJP
【FI】
G06Q50/00
G06F40/166
(21)【出願番号】P 2019091604
(22)【出願日】2019-05-14
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】599108242
【氏名又は名称】Sky株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】飯山 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】池上 壽彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】杉山 竜司
(72)【発明者】
【氏名】三浦 絵梨子
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-053967(JP,A)
【文献】特開平02-064871(JP,A)
【文献】特開2013-156713(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 40/166
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが操作する複数のユーザ端末のそれぞれにおいて、プレゼンテーション用資料の作成を支援するプレゼンテーション用資料作成支援システムであって、
複数の前記ユーザ端末は、管理者が操作する管理端末と通信可能に接続され、
前記ユーザ端末のそれぞれは、前記ユーザの操作を受け付ける入力装置と、前記プレゼンテーション用資料を表す資料データを生成する演算装置と、前記演算装置が生成した前記資料データを表示する表示装置と、を備え、
前記演算装置は、前記入力装置に対する前記ユーザの操作内容に応じた前記資料データを生成する資料生成部と、規定の1つ以上のチェック項目のそれぞれについて、前記資料データが規定の制限条件を満たすか否かを判定する制限判定部と、前記制限条件を満たさないと判定された前記チェック項目である対象チェック項目が存在する場合に、前記対象チェック項目について規定された制限処理を実行する制限処理部と、を備え、
前記制限条件は、前記プレゼンテーション用資料の情報量を制限する条件であり、
前記制限処理は、前記プレゼンテーション用資料の情報量の増加を抑制し、又は前記プレゼンテーション用資料の情報量の削減を促す処理であり、
複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおける、前記チェック項目、前記制限条件、及び前記制限処理の少なくとも1つの内容である制限内容が、前記管理端末において設定可能に構成され
、
前記チェック項目に、前記プレゼンテーション用資料を構成するスライド枚数が含まれ、
前記制限条件に、前記スライド枚数が規定枚数以下であるという条件が含まれ、
前記表示装置の表示画面に、前記プレゼンテーション用資料を構成するスライドを表示する第1表示領域と、前記第1表示領域と区別して視認可能な第2表示領域と、が設定され、
前記制限処理は、前記スライド枚数が前記対象チェック項目である場合に、前記制限条件としての前記規定枚数を超える分の前記スライドを前記第1表示領域から前記第2表示領域に移動させるスライド移動処理を含む、プレゼンテーション用資料作成支援システム。
【請求項2】
ユーザが操作する複数のユーザ端末のそれぞれにおいて、プレゼンテーション用資料の作成を支援するプレゼンテーション用資料作成支援システムであって、
複数の前記ユーザ端末は、管理者が操作する管理端末と通信可能に接続され、
前記ユーザ端末のそれぞれは、前記ユーザの操作を受け付ける入力装置と、前記プレゼンテーション用資料を表す資料データを生成する演算装置と、前記演算装置が生成した前記資料データを表示する表示装置と、を備え、
前記演算装置は、前記入力装置に対する前記ユーザの操作内容に応じた前記資料データを生成する資料生成部と、規定の1つ以上のチェック項目のそれぞれについて、前記資料データが規定の制限条件を満たすか否かを判定する制限判定部と、前記制限条件を満たさないと判定された前記チェック項目である対象チェック項目が存在する場合に、前記対象チェック項目について規定された制限処理を実行する制限処理部と、を備え、
前記制限条件は、前記プレゼンテーション用資料の情報量を制限する条件であり、
前記制限処理は、前記プレゼンテーション用資料の情報量の増加を抑制し、又は前記プレゼンテーション用資料の情報量の削減を促す処理であり、
複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおける、前記チェック項目、前記制限条件、及び前記制限処理の少なくとも1つの内容である制限内容が、前記管理端末において設定可能に構成され
、
前記制限処理部が、前記資料生成部が生成した前記資料データに基づき、前記表示装置の表示画面に表示される表示画像を生成し、
前記制限処理部は、前記対象チェック項目が存在する場合には、前記対象チェック項目について規定された前記制限処理の内容が反映された前記表示画像を生成して、前記表示画面に表示させる、プレゼンテーション用資料作成支援システム。
【請求項3】
ユーザが操作する複数のユーザ端末のそれぞれにおいて、プレゼンテーション用資料の作成を支援するプレゼンテーション用資料作成支援システムであって、
複数の前記ユーザ端末は、管理者が操作する管理端末と通信可能に接続され、
前記ユーザ端末のそれぞれは、前記ユーザの操作を受け付ける入力装置と、前記プレゼンテーション用資料を表す資料データを生成する演算装置と、前記演算装置が生成した前記資料データを表示する表示装置と、を備え、
前記演算装置は、前記入力装置に対する前記ユーザの操作内容に応じた前記資料データを生成する資料生成部と、規定の1つ以上のチェック項目のそれぞれについて、前記資料データが規定の制限条件を満たすか否かを判定する制限判定部と、前記制限条件を満たさないと判定された前記チェック項目である対象チェック項目が存在する場合に、前記対象チェック項目について規定された制限処理を実行する制限処理部と、を備え、
前記制限条件は、前記プレゼンテーション用資料の情報量を制限する条件であり、
前記制限処理は、前記プレゼンテーション用資料の情報量の増加を抑制し、又は前記プレゼンテーション用資料の情報量の削減を促す処理であり、
複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおける、前記チェック項目、前記制限条件、及び前記制限処理の少なくとも1つの内容である制限内容が、前記管理端末において設定可能に構成され
、
前記制限処理部は、前記対象チェック項目が存在する場合には、前記プレゼンテーション用資料を構成するスライドを編集するための画像に前記対象チェック項目について規定された前記制限処理の内容が反映された画像を生成して、前記スライドを編集するためのスライド編集画面として前記表示装置の表示画面に表示させる、プレゼンテーション用資料作成支援システム。
【請求項4】
前記スライド移動処理では、作成された時刻の遅い前記スライドから優先的に、又は、前記スライド枚数以外の前記チェック項目についての前記制限条件を満たさない割合が高い前記スライドから優先的に、前記第1表示領域から前記第2表示領域に移動させる、
請求項1に記載のプレゼンテーション用資料作成支援システム。
【請求項5】
ユーザが操作する複数のユーザ端末と管理者が操作する管理端末とが通信可能に接続されたコンピュータシステムのための、複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおけるプレゼンテーション用資料の作成を支援するプレゼンテーション用資料作成支援プログラムであって、
前記ユーザ端末のそれぞれは、前記ユーザの操作を受け付ける入力装置と、前記プレゼンテーション用資料を表す資料データを生成する演算装置と、前記演算装置が生成した前記資料データを表示する表示装置と、を備え、
前記演算装置に、前記入力装置に対する前記ユーザの操作内容に応じた前記資料データを生成する資料生成機能と、規定の1つ以上のチェック項目のそれぞれについて、前記資料データが規定の制限条件を満たすか否かを判定する制限判定機能と、前記制限条件を満たさないと判定された前記チェック項目である対象チェック項目が存在する場合に、前記対象チェック項目について規定された制限処理を実行する制限処理機能と、を実現させ、
前記制限条件は、前記プレゼンテーション用資料の情報量を制限する条件であり、
前記制限処理は、前記プレゼンテーション用資料の情報量の増加を抑制し、又は前記プレゼンテーション用資料の情報量の削減を促す処理であり、
前記管理端末に、複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおける、前記チェック項目、前記制限条件、及び前記制限処理の少なくとも1つの内容である制限内容を設定する制限内容設定機能を実現させ
、
前記チェック項目に、前記プレゼンテーション用資料を構成するスライド枚数が含まれ、
前記制限条件に、前記スライド枚数が規定枚数以下であるという条件が含まれ、
前記表示装置の表示画面に、前記プレゼンテーション用資料を構成するスライドを表示する第1表示領域と、前記第1表示領域と区別して視認可能な第2表示領域と、が設定され、
前記制限処理は、前記スライド枚数が前記対象チェック項目である場合に、前記制限条件としての前記規定枚数を超える分の前記スライドを前記第1表示領域から前記第2表示領域に移動させるスライド移動処理を含む、プレゼンテーション用資料作成支援プログラム。
【請求項6】
ユーザが操作する複数のユーザ端末と管理者が操作する管理端末とが通信可能に接続されたコンピュータシステムのための、複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおけるプレゼンテーション用資料の作成を支援するプレゼンテーション用資料作成支援プログラムであって、
前記ユーザ端末のそれぞれは、前記ユーザの操作を受け付ける入力装置と、前記プレゼンテーション用資料を表す資料データを生成する演算装置と、前記演算装置が生成した前記資料データを表示する表示装置と、を備え、
前記演算装置に、前記入力装置に対する前記ユーザの操作内容に応じた前記資料データを生成する資料生成機能と、規定の1つ以上のチェック項目のそれぞれについて、前記資料データが規定の制限条件を満たすか否かを判定する制限判定機能と、前記制限条件を満たさないと判定された前記チェック項目である対象チェック項目が存在する場合に、前記対象チェック項目について規定された制限処理を実行する制限処理機能と、
前記資料データに基づき前記表示装置の表示画面に表示する表示画像を生成する表示画像生成処理を実行する表示画像生成機能と、を実現させ、
前記制限条件は、前記プレゼンテーション用資料の情報量を制限する条件であり、
前記制限処理は、前記プレゼンテーション用資料の情報量の増加を抑制し、又は前記プレゼンテーション用資料の情報量の削減を促す処理であり、
前記管理端末に、複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおける、前記チェック項目、前記制限条件、及び前記制限処理の少なくとも1つの内容である制限内容を設定する制限内容設定機能を実現させ
、
前記表示画像生成処理は、前記対象チェック項目が存在する場合には、前記対象チェック項目について規定された前記制限処理の内容が反映された前記表示画像を生成して、前記表示画面に表示させる処理を含む、プレゼンテーション用資料作成支援プログラム。
【請求項7】
ユーザが操作する複数のユーザ端末と管理者が操作する管理端末とが通信可能に接続されたコンピュータシステムのための、複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおけるプレゼンテーション用資料の作成を支援するプレゼンテーション用資料作成支援プログラムであって、
前記ユーザ端末のそれぞれは、前記ユーザの操作を受け付ける入力装置と、前記プレゼンテーション用資料を表す資料データを生成する演算装置と、前記演算装置が生成した前記資料データを表示する表示装置と、を備え、
前記演算装置に、前記入力装置に対する前記ユーザの操作内容に応じた前記資料データを生成する資料生成機能と、規定の1つ以上のチェック項目のそれぞれについて、前記資料データが規定の制限条件を満たすか否かを判定する制限判定機能と、前記制限条件を満たさないと判定された前記チェック項目である対象チェック項目が存在する場合に、前記対象チェック項目について規定された制限処理を実行する制限処理機能と、
前記資料データに基づき前記表示装置の表示画面に表示する表示画像を生成する表示画像生成処理を実行する表示画像生成機能と、を実現させ、
前記制限条件は、前記プレゼンテーション用資料の情報量を制限する条件であり、
前記制限処理は、前記プレゼンテーション用資料の情報量の増加を抑制し、又は前記プレゼンテーション用資料の情報量の削減を促す処理であり、
前記管理端末に、複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおける、前記チェック項目、前記制限条件、及び前記制限処理の少なくとも1つの内容である制限内容を設定する制限内容設定機能を実現させ
、
前記表示画像生成処理は、前記対象チェック項目が存在する場合には、前記プレゼンテーション用資料を構成するスライドを編集するための画像に前記対象チェック項目について規定された前記制限処理の内容が反映された前記表示画像を生成して、前記スライドを編集するためのスライド編集画面として前記表示画面に表示させる処理を含む、プレゼンテーション用資料作成支援プログラム。
【請求項8】
前記スライド移動処理では、作成された時刻の遅い前記スライドから優先的に、又は、前記スライド枚数以外の前記チェック項目についての前記制限条件を満たさない割合が高い前記スライドから優先的に、前記第1表示領域から前記第2表示領域に移動させる、
請求項5に記載のプレゼンテーション用資料作成支援
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレゼンテーション用資料の作成を支援するプレゼンテーション用資料作成支援システム及びプレゼンテーション用資料作成支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
上記のようなプレゼンテーション用資料作成支援システムの一例が、特開平2-64871号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1のシステムは、プレゼンテーション用資料の見やすさ分かりやすさの評価基準を与える評価規則に基づき、プレゼンテーション用資料を評価し、その評価結果を出力するように構成されている。そして、特許文献1には、この評価結果に基づいてプレゼンテーション用資料をその作成途中において適宜修正することで、客観的に見やすく分かりやすいプレゼンテーション用資料を効率良く作成することができると記載されている。なお、特許文献1の第2図に示されているように、評価規則は、1枚当たりの行数や1行当たりの文字数等を制限するように規定され、特許文献1の第3図に示されているように、評価規則に規定される変数(規則パラメータ)は、プレゼンテーションパラメータによって変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1には記載されていないが、プレゼンテーション用資料の情報量を制限することでシンプルなプレゼンテーション用資料の作成を支援する技術を、学校教育や企業研修等の教育の場面に適用することが考えられる。この場合、プレゼンテーション用資料の作成に係る制限内容(制限する項目、制限の程度、制限のための処理内容等)は、教育の効果を高めるために、目標とする到達レベルや学習者(生徒や受講者等)のレベルに応じて設定するのが望ましいが、例えば学習者が低学年の小学生である場合等、コンピュータの操作に不慣れな者が学習者に含まれる場合には、学習者のそれぞれに自身が使用するコンピュータにおいて制限内容の設定作業を行わせるのは容易ではない。そこで、学習者が使用するコンピュータの一台一台に対して管理者(教師や講師等)が制限内容の設定作業を行うことが考えられるが、同じ学習者であっても習熟レベルに応じて適切な制限内容は変化し、また、1台のコンピュータを複数の者が共用する場合には、その時々の学習者に応じて制限内容を変更する必要があるため、制限内容の設定作業は一度のみ行えばよいというわけではない。そのため、学習者が使用するコンピュータの一台一台に対して管理者が制限内容の設定作業を行うのは現実的ではない。
【0005】
そこで、プレゼンテーション用資料の作成支援の対象となるユーザが操作するコンピュータのそれぞれにおける、プレゼンテーション用資料の作成に係る制限内容の設定を、比較的容易に行うことが可能な技術の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るプレゼンテーション用資料作成支援システムは、ユーザが操作する複数のユーザ端末のそれぞれにおいて、プレゼンテーション用資料の作成を支援するプレゼンテーション用資料作成支援システムであって、複数の前記ユーザ端末は、管理者が操作する管理端末と通信可能に接続され、前記ユーザ端末のそれぞれは、前記ユーザの操作を受け付ける入力装置と、前記プレゼンテーション用資料を表す資料データを生成する演算装置と、前記演算装置が生成した前記資料データを表示する表示装置と、を備え、前記演算装置は、前記入力装置に対する前記ユーザの操作内容に応じた前記資料データを生成する資料生成部と、規定の1つ以上のチェック項目のそれぞれについて、前記資料データが規定の制限条件を満たすか否かを判定する制限判定部と、前記制限条件を満たさないと判定された前記チェック項目である対象チェック項目が存在する場合に、前記対象チェック項目について規定された制限処理を実行する制限処理部と、を備え、前記制限条件は、前記プレゼンテーション用資料の情報量を制限する条件であり、前記制限処理は、前記プレゼンテーション用資料の情報量の増加を抑制し、又は前記プレゼンテーション用資料の情報量の削減を促す処理であり、複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおける、前記チェック項目、前記制限条件、及び前記制限処理の少なくとも1つの内容である制限内容が、前記管理端末において設定可能に構成されている。
【0007】
この構成では、ユーザの操作内容に応じて生成された資料データについて、プレゼンテーション用資料の情報量を制限する制限条件を満たすか否かが判定され、制限条件を満たさないチェック項目が存在する場合に、プレゼンテーション用資料の情報量の増加を抑制し又は当該情報量の削減を促す制限処理が実行される。よって、プレゼンテーション用資料を作成するユーザに対して、情報量が制限され、それによって伝えたい内容が明確となりやすい、シンプルなプレゼンテーション用資料の作成を支援することができる。
【0008】
そして、上記の構成では、ユーザが操作する複数のユーザ端末が、管理者が操作する管理端末と通信可能に接続され、複数のユーザ端末のそれぞれにおける制限内容が、管理端末において設定可能に構成されている。よって、管理者は、ユーザ端末の一台一台に対して制限内容の設定作業を行う必要がなく、管理端末を操作して複数のユーザ端末のそれぞれにおける制限内容を設定することができる。この結果、ユーザ端末のそれぞれにおける制限内容の設定を、比較的容易に行うことが可能となっている。
【0009】
ここで、複数の前記ユーザ端末及び前記管理端末のそれぞれと通信可能なサーバを更に備え、前記管理端末において設定された前記制限内容の情報が、前記サーバに記憶され、前記ユーザ端末のそれぞれが前記サーバから取得した前記制限内容の情報に基づき、各ユーザ端末における前記制限内容が設定されるように構成されていると好適である。
【0010】
この構成によれば、管理端末において設定された制限内容の情報をサーバに記憶させておくことで、各ユーザ端末における制限内容を設定することができるため、管理端末において設定された制限内容の情報を管理端末から各ユーザ端末に直接配信する場合に比べて、管理端末の負荷を減らすことができる。また、上記の構成によれば、サーバに記憶された制限内容の情報を複数の管理者が参照可能にシステムを構築した場合に、制限内容を設定しようとする管理者は、他の管理者により設定された制限内容を参考にすることができる。この結果、例えば、他の管理者により設定されて高い教育効果が得られた制限内容を参考にすることで、より適切な制限内容を設定しやすくなる。
【0011】
また、前記制限内容には、前記プレゼンテーション用資料の情報量の制限の度合い及び制限方法の少なくとも一方が異なる、複数の制限レベルが規定されており、前記ユーザ端末のそれぞれにおける前記制限内容の前記制限レベルが、各ユーザ端末を操作する前記ユーザの属性に応じて設定されるように構成されていると好適である。
【0012】
この構成によれば、ユーザや管理者が制限レベルを選択する操作を行うことなく、ユーザ端末のそれぞれにおける制限レベルが、各ユーザ端末を操作するユーザの属性に応じて自動的に設定される。よって、ユーザ又は管理者が制限レベルの選択操作を行う場合に比べて、ユーザや管理者の負荷を軽減することができると共に、ユーザにとって不適当な制限レベルが誤って設定される可能性を低く抑えることもできる。
【0013】
また、前記制限内容には、制限レベルが高くなるに従って前記プレゼンテーション用資料の情報量の制限の度合いが強くなる、複数の前記制限レベルが規定されており、前記ユーザ端末のそれぞれにおける前記ユーザの習熟レベルが、各ユーザ端末を操作する前記ユーザの属性に応じて、又は各ユーザ端末での設定に応じて設定され、前記ユーザ端末のそれぞれにおける前記制限内容の前記制限レベルが、各ユーザ端末を操作する前記ユーザの前記習熟レベルが高くなるに従って高く設定されると好適である。
【0014】
この構成によれば、ユーザ端末のそれぞれにおける制限レベルが、各ユーザ端末を操作するユーザの習熟レベルを考慮せずに設定される場合に比べて、情報量の制限されたプレゼンテーション用資料を作成する力を養う効果が、各ユーザに対して効果的に表れるように、ユーザ端末のそれぞれにおける制限レベルを設定しやすくなる。
【0015】
また、前記制限処理は、前記プレゼンテーション用資料の情報量の増加を抑制し、又は前記プレゼンテーション用資料の情報量の削減を促す内容の通知画像を、前記表示装置に表示させる通知処理を含み、前記ユーザ端末のそれぞれにおける前記通知画像の内容が、各ユーザ端末を操作する前記ユーザの属性に応じて異なる内容とされると好適である。
【0016】
この構成によれば、ユーザの属性に応じて言語の理解能力や問題の解決能力が異なる傾向があることを考慮して、情報量の制限されたプレゼンテーション用資料を作成する力を養う効果が、各ユーザに対して効果的に表れるように、ユーザ端末のそれぞれにおける通知画像の内容を設定することができる。
【0017】
また、前記チェック項目に、前記プレゼンテーション用資料を構成するスライド枚数が含まれ、前記制限条件に、前記スライド枚数が規定枚数以下であるという条件が含まれ、前記表示装置の表示画面に、前記プレゼンテーション用資料を構成するスライドを表示する第1表示領域と、前記第1表示領域と区別して視認可能な第2表示領域とが設定され、前記制限処理は、前記スライド枚数が前記対象チェック項目である場合に、前記制限条件としての前記規定枚数を超える分の前記スライドを前記第1表示領域から前記第2表示領域に移動させるスライド移動処理を含むと好適である。
【0018】
この構成によれば、規定枚数を超える分のスライドも他のスライドと共に第1表示領域に表示される場合に比べて、スライド枚数が規定枚数を超えるためにプレゼンテーション用資料を構成するスライドから除外されたスライドを、ユーザに視認させやすい。
【0019】
上記のように、前記制限処理が前記スライド移動処理を含む構成において、前記スライド移動処理では、作成された時刻の遅い前記スライドから優先的に、又は、前記スライド枚数以外の前記チェック項目についての前記制限条件を満たさない割合が高い前記スライドから優先的に、前記第1表示領域から前記第2表示領域に移動させると好適である。
【0020】
この構成によれば、スライド移動処理において、作成された時刻の遅いスライドから優先的に第1表示領域から第2表示領域に移動させる場合には、最初に作成されたスライドを含む、作成順序の連続する複数のスライドを、プレゼンテーション用資料を構成するスライドとして第1表示領域に残すことができる。よって、この場合、ユーザが考えているプレゼンテーションの論理展開に与える影響を少なく抑えつつ、規定枚数を超える分のスライドを第1表示領域から第2表示領域に移動させることができる。
【0021】
また、スライド移動処理において、スライド枚数以外のチェック項目についての制限条件を満たさない割合が高いスライドから優先的に、第1表示領域から第2表示領域に移動させる場合には、スライド枚数以外のチェック項目についての制限条件を満たす割合が高いスライドを優先的に、プレゼンテーション用資料を構成するスライドとして第1表示領域に残すことができる。よって、この場合、全てのチェック項目についての制限条件を満たすプレゼンテーション用資料がその後作成しやすくなるように、規定枚数を超える分のスライドを第1表示領域から第2表示領域に移動させることができる。
【0022】
以上の各構成を備えたプレゼンテーション用資料作成支援システムの技術的特徴はプレゼンテーション用資料作成支援プログラムにも適用可能であり、そのようなプログラム、更には、そのようなプログラムが記憶された記憶媒体(例えば、光ディスク、フラッシュメモリ等)も、本明細書によって開示される。
【0023】
本開示に係るプレゼンテーション用資料作成支援プログラムは、ユーザが操作する複数のユーザ端末と管理者が操作する管理端末とが通信可能に接続されたコンピュータシステムのための、複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおけるプレゼンテーション用資料の作成を支援するプレゼンテーション用資料作成支援プログラムであって、前記ユーザ端末のそれぞれは、前記ユーザの操作を受け付ける入力装置と、前記プレゼンテーション用資料を表す資料データを生成する演算装置と、前記演算装置が生成した前記資料データを表示する表示装置と、を備え、前記演算装置に、前記入力装置に対する前記ユーザの操作内容に応じた前記資料データを生成する資料生成機能と、規定の1つ以上のチェック項目のそれぞれについて、前記資料データが規定の制限条件を満たすか否かを判定する制限判定機能と、前記制限条件を満たさないと判定された前記チェック項目である対象チェック項目が存在する場合に、前記対象チェック項目について規定された制限処理を実行する制限処理機能と、を実現させ、前記制限条件は、前記プレゼンテーション用資料の情報量を制限する条件であり、前記制限処理は、前記プレゼンテーション用資料の情報量の増加を抑制し、又は前記プレゼンテーション用資料の情報量の削減を促す処理であり、前記管理端末に、複数の前記ユーザ端末のそれぞれにおける、前記チェック項目、前記制限条件、及び前記制限処理の少なくとも1つの内容である制限内容を設定する制限内容設定機能を実現させる。
【0024】
上述したプレゼンテーション用資料作成支援システムの種々の技術的特徴は、プレゼンテーション用資料作成支援プログラムにも適用可能である。
【0025】
プレゼンテーション用資料作成支援システム及びプレゼンテーション用資料作成支援プログラムのさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の実施形態の説明によってより明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】プレゼンテーション用資料作成支援システムの概略構成を示すブロック図
【
図4】プレゼンテーション用資料の一覧表示画面の一例を示す図
【
図8】スライド移動処理の実行後の表示画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
プレゼンテーション用資料作成支援システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
プレゼンテーション用資料作成支援システム(以下、「支援システム1」という)は、ユーザが操作する複数のユーザ端末10のそれぞれにおいて、プレゼンテーション用資料Pの作成を支援するシステムである。以下に述べる各構成を備えることで、この支援システム1は、シンプルなプレゼンテーション用資料P(すなわち、情報量が制限され、それによって伝えたい内容が明確となりやすいプレゼンテーション用資料P)の作成を支援するように構成されている。
【0029】
図1に示すように、支援システム1は、複数のユーザ端末10と、管理端末30と、を備えたシステム(コンピュータシステム)である。複数のユーザ端末10は、管理者が操作する管理端末30と通信可能に接続される。すなわち、本開示に係るプレゼンテーション用資料作成支援プログラムは、複数のユーザ端末10と管理端末30とが通信可能に接続されたコンピュータシステムのための、複数のユーザ端末10のそれぞれにおけるプレゼンテーション用資料Pの作成を支援するプログラムである。支援システム1は、例えば、生徒がユーザとなり教師が管理者となる学校教育の場面に適用され、或いは、受講者がユーザとなり講師が管理者となる企業研修の場面に適用される。
【0030】
図1に示すように、本実施形態では、支援システム1は、複数のユーザ端末10及び管理端末30のそれぞれと通信可能なサーバ40を更に備えている。具体的には、複数のユーザ端末10、管理端末30、及びサーバ40は、通信ネットワークNを介して互いに接続されている。通信ネットワークNは、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等の通信技術を用いて構築される。例えば、通信ネットワークNは、学校内や企業内等の限られた施設内で通信を行うためのネットワークとして構築される。通信ネットワークNを、無線通信技術を用いて構築してもよい。
図1では、2つのユーザ端末10が通信ネットワークNに接続される構成例を示しているが、3つ以上のユーザ端末10が通信ネットワークNに接続されてもよい。また、
図1では、1つの管理端末30及び1つのサーバ40が通信ネットワークNに接続される構成例を示しているが、通信ネットワークNに接続される管理端末30やサーバ40の個数は、複数であってもよく、適宜変更可能である。
【0031】
図1に示すように、ユーザ端末10のそれぞれは、入力装置11と、演算装置20と、表示装置12と、を備えている。ユーザ端末10のそれぞれは、更に、通信装置14と、記憶装置15と、を備えている。
図1では、1つのユーザ端末10のみ詳細な構成を示している。なお、本明細書において、「装置」は一体化された1つのハードウェアに限定されるものではなく、1つの「装置」が互いに分離した複数のハードウェアを用いて構成されてもよい。
【0032】
入力装置11は、ユーザの操作を受け付ける装置である。入力装置11として、キーボードやポインティングデバイス(マウス、タッチパッド、タッチパネル等)を例示することができる。表示装置12は、演算装置20が生成した資料データ(プレゼンテーション用資料Pを表すデータ)を表示する装置である。表示装置12は、画像を表示画面12a(表示装置12の外面に設けられる画面、スクリーン等への投影画面等)に表示する。表示装置12として、液晶ディスプレイを例示することができる。本実施形態では、入力装置11と表示装置12とが一体となった表示入力装置13(例えば、表示画面12aがタッチパネルとして機能する液晶ディスプレイ)を用いる場合を想定している。
【0033】
通信装置14は、通信ネットワークNを介して通信を行う装置である。通信装置14として、無線LANを利用して通信ネットワークNに接続される無線通信装置や、LANケーブルを用いて通信ネットワークNに接続される有線通信装置を例示することができる。本実施形態では、通信装置14は、サーバ40とデータ通信を行って、サーバ40に記憶された制限内容の情報を取得するために用いられる。制限内容については後述する。
【0034】
記憶装置15は、データを記憶及び書き換え可能な記憶装置(補助記憶装置)である。記憶装置15として、フラッシュメモリを記憶媒体として備えた記憶装置や、ハードディスクを記憶媒体として備えた記憶装置を例示することができる。記憶装置15には、演算装置20が実行するプログラムや制限内容の情報等が記憶される。
【0035】
演算装置20は、プレゼンテーション用資料Pを表す資料データを生成する装置である。演算装置20は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置と、当該演算処理装置が直接参照可能な記憶装置(以下、「主記憶装置」という)と、を備えている。主記憶装置として、DDR(Double Data Rate)規格或いはその後継の規格のRAM(Random Access Memory)を例示することができる。主記憶装置には、演算処置装置が各処理を実行する際にデータが一時的に記憶される。演算装置20(具体的には、演算処理装置)は、主記憶装置や記憶装置15に記憶されているプログラムを実行する。なお、本明細書において記憶装置15に記憶されると説明するデータの少なくとも一部が、主記憶装置に記憶される構成とすることもできる。
【0036】
本実施形態では、
図4に示すように、ユーザ端末10は、タブレット型の可搬型通信端末(一般的に、「タブレット端末」と呼ばれる)である。そのため、本実施形態では、入力装置11、表示装置12、演算装置20、通信装置14、及び記憶装置15は、1つの筐体に収められている。なお、ユーザ端末10は、タブレット型以外の端末装置(例えば、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ)であってもよい。
【0037】
図1に示すように、演算装置20は、資料生成部21と、制限判定部22と、制限処理部23と、を備えている。演算装置20は、更に、制限レベル決定部24と、情報更新部25と、を備えている。演算装置20が備えるこれら複数の機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことが可能に構成される。なお、これら複数の機能部は、少なくとも論理的に区別されるものであり、物理的には必ずしも区別される必要はない。また、管理端末30は、制限内容設定部31を備えている。
【0038】
演算装置20(具体的には、演算処理装置)は、記憶装置(ここでは、記憶装置15)に記憶されている各プログラムを実行することで、資料生成部21としての機能(資料生成機能)と、制限判定部22としての機能(制限判定機能)と、制限処理部23としての機能(制限処理機能)と、制限レベル決定部24としての機能(制限レベル決定機能)と、情報更新部25としての機能(情報更新機能)と、を実現する。また、管理端末30が備える演算装置(具体的には、演算処理装置)は、管理端末30が備える記憶装置に記憶されているプログラムを実行することで、制限内容設定部31としての機能(制限内容設定機能)を実現する。このように、演算装置20や管理端末30が備える各機能部は、記憶装置に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により構成される。
【0039】
演算装置20が備える各機能部の機能を演算装置20(具体的には、演算処理装置)に実現させるためのプログラムは、当該演算処理装置が参照可能な記憶装置(ここでは、記憶装置15)に記憶される。演算装置20の各機能を演算装置20に実現させるためのプログラムは、記憶媒体により或いは通信ネットワークNを介して提供される。そして、提供されたプログラムは、演算装置20が参照可能な記憶装置(ここでは、記憶装置15)に記憶される。また、管理端末30が備える各機能部の機能を管理端末30が備える演算装置(具体的には、演算処理装置)に実現させるためのプログラムは、当該演算処理装置が参照可能な記憶装置に記憶される。管理端末30の各機能を管理端末30に実現させるためのプログラムは、記憶媒体により或いは通信ネットワークNを介して提供される。そして、提供されたプログラムは、管理端末30が備える演算装置が参照可能な記憶装置に記憶される。
【0040】
資料生成部21は、入力装置11に対するユーザの操作内容に応じた資料データ(プレゼンテーション用資料Pを表すデータ)を生成する機能部である。資料生成部21は、入力装置11からの信号に基づき(具体的には、入力装置11からの信号を解析して)、ユーザの操作内容を表す操作情報を取得し、取得した操作情報に応じて各要素(各スライドSの内容やスライドSの順序等)が構成されたプレゼンテーション用資料Pを表す資料データを生成する。ユーザは、表示装置12の表示画面12aに表示された画面(グラフィカルユーザインタフェース)を操作して、種々の操作を行う。
【0041】
ユーザが入力装置11を用いて行う操作には、例えば、プレゼンテーション用資料Pについての各種操作(新規作成操作、編集操作、削除操作等)が含まれる。プレゼンテーション用資料Pの編集操作には、例えば、当該プレゼンテーション用資料Pを構成するスライドSについての各種操作(追加操作、編集操作、削除操作等)や、当該プレゼンテーション用資料Pを構成するスライドSの順序変更操作が含まれる。スライドSの編集操作には、例えば、当該スライドSに配置されるテキストボックスTについての各種操作(追加操作、移動操作、サイズ変更操作、削除操作、文字入力操作、文字編集操作等)や、当該スライドSに配置される画像Mについての各種操作(追加操作、移動操作、サイズ変更操作、削除操作等)が含まれる。なお、テキストボックスTには、語句や文章等を構成する文字が入力される。後に参照する
図4~
図8では、テキストボックスTに入力されている文字を簡略化して“○”で表している。また、画像Mは、写真や絵等の画像とされる。
【0042】
制限判定部22は、規定の1つ以上のチェック項目のそれぞれについて、資料データが規定の制限条件を満たすか否かを判定する機能部である。
図3に示すように、本実施形態では、チェック項目に、テキストボックス数(1枚のスライドSに含まれるテキストボックスTの数)、文字数(1つのテキストボックスTに入力されている文字の数)、スライド枚数(1つのプレゼンテーション用資料Pを構成するスライドSの枚数)、及び画像数(1枚のスライドSに含まれる画像Mの数)が含まれている。なお、
図3に示すチェック項目は一例であり、テキストボックス数、文字数、スライド枚数、及び画像数の少なくともいずれかが、チェック項目に含まれない構成とすることもできる。また、これら以外にも、例えば、書体数、文字サイズの種類、文字太さの種類、文字色の種類、背景色の種類等を、チェック項目に含めることもできる。
【0043】
制限条件は、プレゼンテーション用資料Pの情報量を制限する条件である。制限条件は、チェック項目のそれぞれについて規定される。本実施形態では、
図2に示すように、テキストボックス数について“○個まで”という制限条件が規定され、文字数について“○文字まで”という制限条件が規定され、スライド枚数について“○枚まで”という制限条件が規定され、画像数について“○個まで”という制限条件が規定されている。なお、
図2では、便宜上、具体的な数値に代えて“○”としている。このように、本実施形態では、制限条件に、テキストボックス数が規定数以下であるという条件と、文字数が規定数以下であるという条件と、スライド枚数が規定枚数以下であるという条件と、画像数が規定数以下であるという条件とが含まれている。
【0044】
これらのチェック項目及び制限条件の情報は、互いに関連付けられた状態で記憶装置15に記憶されており、制限判定部22は、記憶装置15を参照してチェック項目及び制限条件の情報を取得する。また、制限判定部22は、資料生成部21が生成した資料データを解析して、当該資料データが表すプレゼンテーション用資料Pについての各チェック項目の情報を取得する。本実施形態では、制限判定部22は、当該プレゼンテーション用資料Pを構成するスライド枚数の情報を取得すると共に、当該プレゼンテーション用資料Pを構成する各スライドSについて、テキストボックス数、文字数、及び画像数の情報を取得する。そして、制限判定部22は、記憶装置15を参照して取得した各チェック項目についての制限条件の情報と、資料データを解析して取得した各チェック項目の情報とに基づき、チェック項目のそれぞれについて、資料データが制限条件を満たすか否かを判定する。
【0045】
制限処理部23は、制限条件を満たさないと判定されたチェック項目である対象チェック項目が存在する場合に、対象チェック項目について規定された制限処理を実行する機能部である。制限処理は、プレゼンテーション用資料Pの情報量の増加を抑制し、又はプレゼンテーション用資料Pの情報量の削減を促す処理である。制限処理は、チェック項目のそれぞれについて規定される。本実施形態では、
図3に示すように、テキストボックス数、文字数、スライド枚数、及び画像数のそれぞれについて、制限処理が規定されている。なお、
図3では、便宜上、制限処理を“○○○○○○”としている。制限処理の情報は、チェック項目に関連付けられた状態で記憶装置15に記憶されており、制限処理部23は、記憶装置15を参照して対象チェック項目について規定された制限処理の情報(制限処理の内容)を取得する。
【0046】
本実施形態では、制限処理部23が、資料生成部21が生成した資料データに基づき、表示画面12aに表示される表示画像(
図4~
図8参照)を生成する。そして、制限処理部23は、対象チェック項目が存在する場合には、対象チェック項目について規定された制限処理の内容が反映された表示画像(制限処理の実行結果が反映された表示画像)を生成して、表示画面12aに表示させる。このように、本実施形態では、制限処理部23が、制限処理を実行する機能に加えて、表示画像を生成する表示画像生成機能を有しているが、制限処理部23とは別に、表示画像生成機能を有する機能部が設けられてもよい。
【0047】
以下、
図4~
図8を参照して、制限処理の具体例について説明する。なお、以下に説明する制限処理は一例であり、1つのチェック項目に規定される制限処理の数や、各チェック項目に規定される制限処理の内容は、適宜変更することが可能である。
【0048】
図4は、ユーザが作成した複数のプレゼンテーション用資料Pが表示画面12aに一覧表示された状態を示している。ここでは、6つのプレゼンテーション用資料Pが表示画面12aに表示されており、その内の1つが、少なくともいずれかのチェック項目が対象チェック項目となっている対象プレゼンテーション用資料P1である場合を想定している。ここでは、対象プレゼンテーション用資料P1の修正をユーザに促すために、プレゼンテーション用資料Pの一覧表示画面において、対象プレゼンテーション用資料P1が強調枠Fに囲まれて表示されていると共に、対象プレゼンテーション用資料P1に注意アイコンC(ユーザの注意を喚起するためのアイコン)が表示されている。強調枠Fは、例えば、線の太さ、線種、線の色等を他の表示物と異ならせることで、当該強調枠Fで囲まれる表示物(ここでは、対象プレゼンテーション用資料P1)を強調するように表示される。また、注意アイコンCは、対象となる表示物(ここでは、対象プレゼンテーション用資料P1)へのユーザの注意を喚起する態様(大きさや位置等)で表示される。
【0049】
図5は、1つのプレゼンテーション用資料Pを構成するスライドSが表示画面12aに一覧表示された状態(スライド一覧表示画面が表示された状態)を示している。例えば、
図4に示す状態において、ユーザが1つのプレゼンテーション用資料Pを選択する操作を行った場合に、
図5に示すようなスライド一覧表示画面に遷移する。本実施形態では、1つのプレゼンテーション用資料Pを構成するスライドSを一覧表示する場合、表示装置12の表示画面12aには、プレゼンテーション用資料Pを構成するスライドSを表示する第1表示領域A1と、第1表示領域A1と区別して視認可能な第2表示領域A2とが設定される。例えば、第1表示領域A1と第2表示領域A2との境界線を表示させることや、第1表示領域A1と第2表示領域A2とで背景色を異ならせること等により、第2表示領域A2は第1表示領域A1と区別して視認可能に表示される。第2表示領域A2は、スライドSや画像Mを仮置きするための仮置き場として使用される領域である。そのため、第2表示領域A2に表示されるスライドS(
図8参照)は、第1表示領域A1に表示されるスライドSとは異なり、プレゼンテーション用資料Pを構成しない。
【0050】
図5では、対象プレゼンテーション用資料P1を構成するスライドSが表示画面12aに一覧表示されている場合を想定している。具体的には、スライド枚数が制限条件に規定された規定枚数を超えている場合(すなわち、スライド枚数が対象チェック項目とされる場合)を想定している。ここでは、スライド枚数が5枚以下であるという制限条件がスライド枚数について規定されており、第3対象スライドS3が超過分のスライドSとされている。そして、
図5では、スライド一覧表示画面において超過分のスライドSを強調枠Fで囲んで表示する制限処理と、スライド一覧表示画面において超過分のスライドSに注意アイコンCを表示する制限処理との、2つの制限処理が、スライド枚数について規定されている場合を想定している。そのため、
図5では、制限処理部23がこれら2つの制限処理を実行することで、第3対象スライドS3が強調枠Fに囲まれて表示されていると共に、第3対象スライドS3に注意アイコンCが表示されている。
【0051】
また、
図5では、第1対象スライドS1及び第2対象スライドS2の2枚のスライドSが、少なくともいずれかのチェック項目(但し、スライド枚数を除く)についての制限条件を満たさない場合を想定している。そして、本実施形態では、このようなスライドSの修正をユーザに促すために、スライド一覧表示画面において、第1対象スライドS1及び第2対象スライドS2の双方が強調枠Fに囲まれて表示されていると共に、第1対象スライドS1及び第2対象スライドS2の双方に注意アイコンCが表示されている。
【0052】
図6及び
図7は、スライドSを編集するためのスライド編集画面が表示された状態を示している。例えば、
図5に示すようにスライド一覧表示画面が表示されている状態において、ユーザが1つのスライドSを選択する操作を行った場合に、
図6及び
図7に示すようなスライド編集画面に遷移する。
図6では、
図5に示す第1対象スライドS1がユーザによって選択されて当該第1対象スライドS1の編集画面が表示されている場合を想定し、
図7では、
図5に示す第2対象スライドS2がユーザによって選択されて当該第2対象スライドS2の編集画面が表示されている場合を想定している。
【0053】
図6では、テキストボックス数が制限条件に規定された規定数(例えば、3つ又は4つ)を超えている場合(すなわち、テキストボックス数が対象チェック項目とされる場合)を想定している。そして、
図6では、スライド編集画面において全てのテキストボックスTの枠を強調枠Fで表示する制限処理(すなわち、全てのテキストボックスTについて、テキストボックスTに入力された文字又は文字列を強調枠Fで囲んで表示する制限処理)と、スライド編集画面において全てのテキストボックスTに注意アイコンCを表示する制限処理との、2つの制限処理が、テキストボックス数について規定されている場合を想定している。そのため、
図6では、制限処理部23がこれら2つの制限処理を実行することで、5つ全てのテキストボックスTの枠が強調枠Fで表示されていると共に、5つ全てのテキストボックスTに注意アイコンCが表示されている。
【0054】
一方、
図7では、文字数が制限条件に規定された規定数(ここでは、6文字)を超え、且つ、画像数が制限条件に規定された規定数(例えば、1つ又は2つ)を超えている場合(すなわち、文字数及び画像数が対象チェック項目とされる場合)を想定している。そして、
図7では、スライド編集画面において超過分の文字を強調文字Lで表示する制限処理と、スライド編集画面において文字数が制限条件を満たさないテキストボックスTの枠を強調枠Fで表示する制限処理と、スライド編集画面において文字数が制限条件を満たさないテキストボックスTに注意アイコンCを表示する制限処理との、3つの制限処理が、文字数について規定されている場合を想定している。そのため、
図7では、制限処理部23がこれら3つの制限処理を実行することで、文字数が制限条件を満たさないテキストボックスTを対象テキストボックスT1として、対象テキストボックスT1における超過分の2文字が強調文字Lで表示され、対象テキストボックスT1の枠が強調枠Fで表示され、更に、対象テキストボックスT1に注意アイコンCが表示されている。なお、強調文字Lは、例えば、書体、文字太さ、文字色等を他の文字と異ならせることで、対象文字(超過分の文字)を強調するように表示される。
【0055】
また、
図7では、スライド編集画面において全ての画像Mを強調枠Fで囲んで表示する制限処理と、スライド編集画面において全ての画像Mに注意アイコンCを表示する制限処理との、2つの制限処理が、画像数について規定されている場合を想定している。そのため、
図7では、制限処理部23がこれら2つの制限処理を実行することで、3つ全ての画像Mが強調枠Fで囲まれて表示されていると共に、3つ全ての画像Mに注意アイコンCが表示されている。
【0056】
なお、ここでは、
図5に示すように、スライド一覧表示画面において超過分のスライドSを強調枠Fで囲んで表示する制限処理と、スライド一覧表示画面において超過分のスライドSに注意アイコンCを表示する制限処理との、2つの制限処理が、スライド枚数について規定される場合を例として説明したが、これら2つの制限処理の少なくともいずれかに加えて、或いは、これら2つの制限処理に代えて、超過分のスライドSを第1表示領域A1から第2表示領域A2に移動させる制限処理が、スライド枚数について規定される構成とすることもできる。
図8に示す例では、制限処理部23がこのような制限処理を実行することで、超過分のスライドSである第3対象スライドS3が第1表示領域A1から第2表示領域A2に移動されている。
【0057】
このように、スライド枚数が対象チェック項目である場合に、制限処理が、制限条件としての規定枚数を超える分のスライドSを第1表示領域A1から第2表示領域A2に移動させるスライド移動処理を含む構成とすることができる。なお、このようなスライド移動処理において、例えば、作成された時刻の遅いスライドSから優先的に、又は、スライド枚数以外のチェック項目についての制限条件を満たさない割合が高いスライドSから優先的に、言い換えれば、制限条件を満たさないチェック項目(但し、スライド枚数を除く)の数が多いスライドSから優先的に、第1表示領域A1から第2表示領域A2に移動させる構成とすることができる。
【0058】
以上のように、この支援システム1は、制限条件を満たさないような操作(例えば、テキストボックスTや画像Mを規定数を超える程度に追加する操作や、テキストボックスTに規定数を超える程度の文字を入力する操作)をユーザに許容しつつ、制限条件を満たさないチェック項目が存在する場合には、当該チェック項目について規定された制限処理を行うように構成されている。これにより、制限条件を満たさないような操作をユーザが行った場合には、どの情報を残すかについてユーザに試行錯誤を行わせることができ、この結果、プレゼンテーションで伝えたい内容についてユーザにより深く考えさせながらプレゼンテーション用資料Pの作成に取り組ませることが可能となっている。
【0059】
ところで、支援システム1を学校教育や企業教育等の教育の場面に適用する場合、教育の効果を高めるためには、チェック項目、制限条件、及び制限処理の少なくとも1つの内容である制限内容を、目標とする到達レベルやユーザのレベルに応じて設定できることが望ましい。この点について、この支援システム1は、複数のユーザ端末10のそれぞれにおける制限内容が、管理端末30において設定可能に構成されている。具体的には、管理端末30は、複数のユーザ端末10のそれぞれにおける制限内容を設定する機能部(制限内容設定部31)を備えている。制限内容設定部31は、管理端末30に対する管理者の操作内容を表す操作情報を取得して、取得した操作情報に基づき制限内容を設定する。よって、管理者は、ユーザ端末10の一台一台に対して制限内容の設定作業を行う必要がなく、管理端末30を操作して複数のユーザ端末10のそれぞれにおける制限内容を設定することが可能となっている。本実施形態では、制限内容は、チェック項目、制限条件、及び制限処理の全ての内容を含み、管理者は、チェック項目、制限条件、及び制限処理の全てを、管理端末30において設定することができる。また、本実施形態では、後述するように、制限内容には複数の制限レベルが規定され、管理者は、各制限レベルの制限内容を管理端末30において設定することができる。
【0060】
上述したように、本実施形態では、支援システム1は、複数のユーザ端末10及び管理端末30のそれぞれと通信可能なサーバ40を備えている。そして、本実施形態では、管理端末30において設定された制限内容の情報が、サーバ40に記憶されている。すなわち、管理者は、管理端末30からサーバ40にアクセスし、制限内容を作成又は更新してサーバ40に記憶させる。そして、ユーザ端末10のそれぞれがサーバ40から取得した制限内容の情報に基づき、各ユーザ端末10における制限内容が設定される。具体的には、ユーザ端末10は、記憶装置15に記憶されている制限内容の情報を更新する機能部(情報更新部25)を備えている。情報更新部25は、サーバ40に適宜アクセスして、サーバ40に記憶されている最新の制限内容の情報を取得し、取得した最新の制限内容の情報を記憶装置15に記憶させる。これにより、各ユーザ端末10における制限内容が、サーバ40から取得した制限内容の情報に基づき設定される。
【0061】
本実施形態では、制限内容には、プレゼンテーション用資料Pの情報量の制限の度合い及び制限方法の少なくとも一方が異なる、複数の制限レベルが規定されている。なお、プレゼンテーション用資料Pの情報量の制限の度合いは、制限条件の内容やチェック項目の数に応じて変化する。また、プレゼンテーション用資料Pの情報量の制限方法は、チェック項目の内容や制限処理の内容に応じて変化する。
図2に示す例では、制限条件の内容が互いに異なる少なくとも2つの制限レベル(具体的には、「小学生」の制限レベル及び「中学生」の制限レベル)が規定されている。すなわち、少なくともいずれかのチェック項目について、「小学生」の制限レベルと「中学生」の制限レベルとで異なる規定数又は規定枚数(
図2における“○”で示す数値)が規定されている。
【0062】
そして、ユーザ端末10のそれぞれにおける制限内容の制限レベルが、各ユーザ端末10を操作するユーザの属性に応じて設定されるように構成されている。具体的には、ユーザ端末10は、ユーザ端末10を操作するユーザの属性に応じて制限レベルを決定し、決定した制限レベルを当該ユーザ端末10における制限レベルとして設定する機能部(制限レベル決定部24)を備えている。ここでは、制限レベル決定部24は、入力装置11に対するユーザの操作内容に基づき、当該ユーザの属性情報を取得する。制限レベル決定部24は、例えば、ユーザ端末10へのログイン時にユーザが入力する識別情報(ユーザID等)に基づき、当該ユーザの属性情報を取得する。そして、制限レベル決定部24は、取得したユーザの属性情報に基づき制限レベルを決定する。例えば、制限レベル決定部24は、ユーザの属性が「小学生」又は「小学生以下」である場合に、制限レベルを「小学生」の制限レベルに決定し、ユーザの属性が「中学生」又は「中学生以上」である場合に、制限レベルを「中学生」の制限レベルに決定する。
【0063】
制限判定部22や制限処理部23は、制限レベル決定部24が決定した制限レベルに応じた制限内容の情報を、記憶装置15を参照して取得する。ここでは、制限条件の内容が互いに異なるよう複数の制限レベルが規定されるため、制限判定部22は、制限レベル決定部24が決定した制限レベルに応じた制限条件の情報を、記憶装置15を参照して取得する。なお、チェック項目の数やチェック項目の内容が互いに異なる複数の制限レベルが規定される場合には、制限判定部22は、制限レベル決定部24が決定した制限レベルに応じたチェック項目の情報を、記憶装置15を参照して取得する。また、制限処理の内容が互いに異なる複数の制限レベルが規定される場合には、制限処理部23は、制限レベル決定部24が決定した制限レベルに応じた制限処理の情報を、記憶装置15を参照して取得する。
【0064】
また、本実施形態では、制限内容には、制限レベルが高くなるに従ってプレゼンテーション用資料Pの情報量の制限の度合いが強くなる、複数の制限レベルが規定されている。本実施形態では、ユーザの属性に応じて設定される1つの制限レベルの中に、制限レベルが高くなるに従ってプレゼンテーション用資料Pの情報量の制限の度合いが強くなる、複数の制限レベルが規定されている。具体的には、
図2に示す例では、「小学生」の制限レベルの中に、制限レベル(習熟レベル)が初級、中級、及び上級と高くなるに従ってプレゼンテーション用資料Pの情報量の制限の度合いが強くなる、3つの制限レベル(習熟レベル)が規定され、「中学生」の制限レベルの中に、制限レベル(習熟レベル)が初級、中級、及び上級と高くなるに従ってプレゼンテーション用資料Pの情報量の制限の度合いが強くなる、3つの制限レベル(習熟レベル)が規定されている。なお、少なくともいずれかのチェック項目について、習熟レベルが高くなるに従って小さくなるように規定数又は規定枚数(
図2における“○”で示す数値)を規定することで、習熟レベルが高くなるに従ってプレゼンテーション用資料Pの情報量の制限の度合いが強くなるように、複数の習熟レベルが規定される。
【0065】
そして、ユーザ端末10のそれぞれにおけるユーザの習熟レベルが、各ユーザ端末10を操作するユーザの属性に応じて、又は各ユーザ端末10での設定に応じて設定され、ユーザ端末10のそれぞれにおける制限内容の制限レベルが、各ユーザ端末10を操作するユーザの習熟レベルが高くなるに従って高く(具体的には、情報量の制限の度合いが強く)設定される。本実施形態では、制限レベル決定部24が、ユーザ端末10を操作するユーザの属性に応じて当該ユーザの習熟レベルを決定し、決定した習熟レベルを当該ユーザ端末10におけるユーザの習熟レベルとして設定する。具体的には、制限レベル決定部24は、上述したようにユーザの属性情報を取得し、取得したユーザの属性に基づき習熟レベルを決定する。そして、制限判定部22は、制限レベル決定部24が決定した制限レベル(習熟レベル)に応じた制限内容の情報(ここでは、制限条件の情報)を、記憶装置15を参照して取得する。例えば、
図2に示す例では、制限レベル決定部24は、ユーザの属性が「小学校低学年」である場合に、習熟レベルを「初級」(「小学生」の制限レベルでの「初級」)に決定し、ユーザの属性が「小学校中学年」である場合に、習熟レベルを「中級」(「小学生」の制限レベルでの「中級」)に決定し、ユーザの属性が「小学校高学年」である場合に、習熟レベルを「上級」(「小学生」の制限レベルでの「上級」)に決定する。
【0066】
なお、制限レベル決定部24が、ユーザ端末10での設定に応じて、当該ユーザ端末10を操作するユーザの習熟レベルを決定し、決定した習熟レベルを当該ユーザ端末10におけるユーザの習熟レベルとして設定する構成とすることもできる。この場合において、ユーザ端末10を操作するユーザが習熟レベルを設定可能な構成としてもよい。そして、プレゼンテーション用資料Pの作成中に習熟レベルが切り替えられた場合には、それ以降、切替後の習熟レベルに従って制限判定部22及び制限処理部23のそれぞれが処理を実行する。例えば、
図5に示す状況において習熟レベルの切替に伴い、スライド枚数についての制限条件が、スライド枚数が5枚以下であるという制限条件からスライド枚数が4枚以下であるという制限条件に切り替えられた場合、
図5における第2対象スライドS2と第3対象スライドS3との間に配置されたスライドSが、第3対象スライドS3と同様に超過分のスライドSとされ、当該スライドSを対象とする制限処理が実行される。
【0067】
また、本実施形態では、制限処理は、プレゼンテーション用資料Pの情報量の増加を抑制し、又はプレゼンテーション用資料Pの情報量の削減を促す内容の通知画像Wを、表示装置12に表示させる通知処理を含む。例えば、
図6に示す例では、テキストボックス数に関して、プレゼンテーション用資料Pの情報量の増加を抑制し、又はプレゼンテーション用資料Pの情報量の削減を促す内容の通知画像Wが表示されている。また、
図7に示す例では、文字数及び画像数のそれぞれに関して、プレゼンテーション用資料Pの情報量の増加を抑制し、又はプレゼンテーション用資料Pの情報量の削減を促す内容の通知画像Wが表示されている。通知画像Wは、例えば、ポップアップ通知として表示画面12aに表示される。
【0068】
通知画像Wの内容は、チェック項目毎に異なる内容とされる。また、本実施形態では、ユーザ端末10のそれぞれにおける通知画像Wの内容が、各ユーザ端末10を操作するユーザの属性に応じて異なる内容とされる。具体的には、通知画像Wに含まれるメッセージ(コメント)の内容が、各ユーザ端末10を操作するユーザの属性に応じて異なる内容とされる。例えば、ユーザの属性が「小学校低学年」である場合には、通知画像Wに含まれるメッセージを、どこを修正すべきかを指摘するだけにとどめるメッセージとしたり、漢字の少ないメッセージとし、ユーザの属性が「小学校高学年」である場合には、通知画像Wに含まれるメッセージを、どのように修正すべきかまで示すメッセージとしたり、修正すべき理由を示すメッセージとし、ユーザの属性が「中学生」である場合には、通知画像Wに含まれるメッセージを、思考や思索を促すメッセージとしたり、情報量を制限する趣旨や目的が伝わるメッセージとすることができる。
【0069】
〔その他の実施形態〕
次にプレゼンテーション用資料作成支援システムのその他の実施形態について説明する。
【0070】
(1)上記の実施形態では、ユーザの属性に応じて設定される1つの制限レベルの中に、制限レベル(習熟レベル)が高くなるに従ってプレゼンテーション用資料Pの情報量の制限の度合いが強くなる、複数の制限レベル(習熟レベル)が規定される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、ユーザの属性に応じて設定される1つの制限レベルの中に、複数の制限レベル(習熟レベル)が規定されない構成とすることもできる。
【0071】
(2)上記の実施形態では、ユーザの属性に応じて設定される複数の制限レベル(具体的には、プレゼンテーション用資料Pの情報量の制限の度合い及び制限方法の少なくとも一方が異なる複数の制限レベル)が制限内容に規定される構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、このような制限レベルが規定されない構成とすることもできる。この場合においても、上記実施形態と同様に、制限内容に、制限レベル(習熟レベル)が高くなるに従ってプレゼンテーション用資料Pの情報量の制限の度合いが強くなる、複数の制限レベル(習熟レベル)が規定される構成とすることができる。
【0072】
(3)上記の実施形態では、制限処理が、通知画像Wを表示装置12に表示させる通知処理を含み、ユーザ端末10のそれぞれにおける通知画像Wの内容が、各ユーザ端末10を操作するユーザの属性に応じて異なる内容とされる構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、通知画像Wの内容がユーザの属性によらず、チェック項目毎に同じ内容とされる構成とすることもできる。また、制限処理が、通知処理を含まない構成とすることもできる。
【0073】
(4)上記の実施形態では、支援システム1が、複数のユーザ端末10及び管理端末30のそれぞれと通信可能なサーバ40を備える構成を例として説明した。しかし、そのような構成に限定されることなく、支援システム1がサーバ40を備えない構成とすることもできる。この場合、管理端末30において設定された制限内容の情報が、管理端末30から各ユーザ端末10に直接配信される構成とすることができる。すなわち、この場合、管理端末30が、複数のユーザ端末10に対して制限内容の情報を提供するサーバとして機能する。
【0074】
(5)上記の実施形態で示した支援システム1の各機能部(具体的には、演算装置20の各機能部)の割り当ては単なる一例であり、複数の機能部を組み合わせたり、1つの機能部を更に区分けしたりすることも可能である。
【0075】
(6)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0076】
1:支援システム(プレゼンテーション用資料作成支援システム)
10:ユーザ端末
11:入力装置
12:表示装置
12a:表示画面
20:演算装置
21:資料生成部
22:制限判定部
23:制限処理部
30:管理端末
40:サーバ
A1:第1表示領域
A2:第2表示領域
P:プレゼンテーション用資料
S:スライド
W:通知画像