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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】カップスタックホルダー
(51)【国際特許分類】
   B65D 71/42 20060101AFI20231121BHJP
   B65D 67/02 20060101ALI20231121BHJP
   B65D 71/20 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
B65D71/42
B65D67/02 A
B65D71/20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019169210
(22)【出願日】2019-09-18
(65)【公開番号】P2021046216
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-04-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000223193
【氏名又は名称】東罐興業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000145910
【氏名又は名称】株式会社尚山堂
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【弁理士】
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】星川 豊宏
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-118848(JP,U)
【文献】実開平07-022962(JP,U)
【文献】実開昭52-070686(JP,U)
【文献】特開平06-247464(JP,A)
【文献】特開平10-035721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 71/42
B65D 67/02
B65D 71/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランクシートから折り曲げられてカップ容器のフランジに掛け止められて用いられるカップスタックホルダーであって、
前記フランジを挿通するフランジ挿通切断部を有し、前記フランジに掛け止められるフランジ固定用の部位となる一対の第1切断線と、これらの第1切断線と離間して交差する方向に形成された別の切断線である一対の第2切断線と、を備え、
前記第1切断線と前記第2切断線との間の前記第2切断線の内側の四か所に前記第2切断線から延びる直線状の第1折り目が形成されているとともに、前記第2切断線の両端から前記ブランクシートの外縁に達する直線状の第2折り目が形成されており、第1折り目と第2折り目とが雁行し、同一の前記第2切断線から延びる第2折り目同士の間隔が同一の前記第2切断線から延びる第1折り目同士の間隔より長く第2折り目が第1折り目より前記第2切断線を挟んで前記ブランクシートの外縁側に形成されていること
を特徴とするカップスタックホルダー。
【請求項2】
前記第2切断線は、前記カップ容器の外形に応じた曲線又は直線で切断されたスタックホールド切断部を有すること
を特徴とする請求項1に記載のカップスタックホルダー。
【請求項3】
前記第1折り目と前記第2折り目の折り曲げ難さの指標である罫線強度は、前記第1折り目の罫線強度が前記第2折り目の罫線強度より高いこと
を特徴とする請求項1又は2に記載のカップスタックホルダー。
【請求項4】
前記第2切断線の外側、且つ、前記第2折り目の内側に4つの直線状の第3折り目が形成されていること
を特徴とする請求項3に記載のカップスタックホルダー。
【請求項5】
前記第1折り目の罫線強度が前記第2折り目の罫線強度より高く、前記第3折り目の罫線強度は、前記第2折り目の罫線強度より低いか又は同等であること
を特徴とする請求項4に記載のカップスタックホルダー。
【請求項6】
前記第1切断線と前記第2切断線とで囲まれた蓋部の裏面には、前記フランジと当接して前記カップ容器の開口を覆って閉塞する開口閉塞材が取り付けられていること
を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のカップスタックホルダー。
【請求項7】
前記ブランクシートが連接され、前記第1切断線及び前記第2切断線、前記第1折り目及び前記第2折り目が複数対形成され、前記カップ容器を複数個並べて保持可能に構成されていること
を特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のカップスタックホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1枚のブランクシートから折り曲げられてカップ容器のフランジに掛け止められて用いられるカップホルダーに関する。詳しくは、本発明は、このブランクシートを折り曲げることで一部が浮き上がり、カップ容器のフランジに掛け止められることでカップ容器の上面に段差が形成されて容器を上下に積み上げてスタック可能なカップスタックホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ヨーグルトや味噌の容器、スープカップやレンジで加熱するだけで食べられる半調理食品(レンジアップ)用容器、スナック菓子などの容器として用いられる防湿カップ容器、コーヒーや紅茶などの飲料用のチルド飲料容器など、種々のカップ容器が用いられている。このようなカップ容器は、一般的に、上端面に内容物を出し入れするための開口が形成され、その周りの縁沿いにフランジが形成され、そのフランジに合成樹脂製のシールが貼着されて密封されている。
【0003】
また、この種のカップ容器のフランジには、合成樹脂製のシールの上に立体的に形成された樹脂製の蓋が嵌着されていた。しかし、近年、脱プラスチックや減プラスチックの要請から樹脂製の蓋から紙製の蓋へ代替することが求められるようになってきた。
【0004】
また、近年、広告のため店頭で目立つことを目的として印刷面の拡大の要請が強くなってきた。このため、美麗印刷が可能な紙製の飾り蓋やリキャップ用の蓋等としてカップ容器のフランジに掛け止めるカップホルダーの需要が高くなってきた。その上、2015年4月1日に食品表示法が施行され、経過措置の猶予期間(加工食品及び添加物:5年)の満了期限(2020年3月31日)が近づくに伴い、表示スペースの拡大化も求められることになって、カップホルダーの需要がさらに高まってきている。
【0005】
本願出願人らは、リキャップ機能を備えたカップ容器の飾り蓋等として、特許文献1に記載のカップホルダー等を提案した。特許文献1には、蓋材5は略方形の紙を基材6とし、基材の各対角線上に切り込みと切り込みに連続する折込線とを連設して形成される天板部材と天板部材裏面に切り込みに装着された円形板部材を重合して形成され、切り込みと折込線の折曲により切口を形成すると共に切口を介して当接係止片を設けたカップホルダー及び包装用容器が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0015]~[0028]、図面の図1図6等参照)。
【0006】
また、特許文献2には、天板部51の両側に折り線52,52を介して側板部53,53が設けられ、つば付き容器1を保持する保持部に、相対向して中央部で天板部51内につば部外周圧接用切込み54,54が形成されているとともに、このつば部外周圧接用切込み54,54の両側より側板部53,53に伸びて弾性用切込み55,55が形成されているシート状台紙からなるつば付き容器用ホルダー(容器ホルダー50)が開示されている(特許文献2の明細書の段落[0027]~[0033]、図面の図5図7等参照)。
【0007】
この種のカップ容器は、店頭で並べて販売される際に、上下に積み上げて陳列して商品陳列スペースを削減したいという要請が高い。しかし、特許文献1に記載のカップホルダーや特許文献2に記載のつば付き容器用ホルダーは、上下に積み上げてスタックすることができないという問題があった。
【0008】
上下2段に積み重ねることができるホルダーとしては、例えば、特許文献3には、上段に並んだカップ容器Cの天面を被覆する天面パネル11と、上段と下段に並んだカップ容器Cの側面を被覆する2つの側面パネル12と、下段に並んだカップ容器Cの底部を被覆する底面パネル13とを有し、折線に沿って側面パネル12を折り曲げることで上段に並んだ各カップ容器Cのフランジを係止するフランジ係止部が設けられ、各側面パネル12には、上段に並んだ各カップ容器Cの横で側面パネル12を上下に分断するための破断手段17が設けられているホルダーが開示されている(特許文献3の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0010]~[0024]、図面の図1図9等参照)。
【0009】
また、特許文献4には、底部パネル31には、3個2列に6個のつば部支持穴40が設けられ、頂部パネル33の幅は、底部パネル31に対応した幅となっている6個(2列×3個)のつば付き容器1を上下2段に保持するつば付き容器用ホルダー30が開示されている(特許文献4の明細書の段落[0025]、図面の図9図10等参照)。
【0010】
しかし、特許文献3に記載のホルダーや特許文献4に記載のつば付き容器用ホルダーは、商品であるカップ容器を複数個積み重ねて展示することは可能であるものの、複数個まとめて販売する場合は良いが、単品で販売することができないという問題があった。特許文献3に記載のホルダーは、破断手段17で破断することで2個ずつ小分けに販売することは可能となるが、その場合は、上下に積み重ねてスタックした場合、ずれて落下する危険があり不安定であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2008-74485号公報
【文献】特許第4838384号公報
【文献】特開2008-114874号公報
【文献】特許第4917169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、ずれて落下する危険が少なくカップ容器を上下に安定して積み重ねてスタック可能なカップスタックホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1発明に係るカップスタックホルダーは、ブランクシートから折り曲げられてカップ容器のフランジに掛け止められて用いられるカップスタックホルダーであって、前記フランジを挿通するフランジ挿通切断部を有し、前記フランジに掛け止められるフランジ固定用の部位となる一対の第1切断線と、これらの第1切断線と離間して交差する方向に形成された別の切断線である一対の第2切断線と、を備え、前記第1切断線と前記第2切断線との間の前記第2切断線の内側の四か所に前記第2切断線から延びる直線状の第1折り目が形成されているとともに、前記第2切断線の両端から前記ブランクシートの外縁に達する直線状の第2折り目が形成されており、第1折り目と第2折り目とが雁行し、同一の前記第2切断線から延びる第2折り目同士の間隔が同一の前記第2切断線から延びる第1折り目同士の間隔より長く第2折り目が第1折り目より前記第2切断線を挟んで前記ブランクシートの外縁側に形成されていることを特徴とする。
【0014】
第2発明に係るカップスタックホルダーは、第1発明において、前記第2切断線は、前記カップ容器の外形に応じた曲線又は直線で切断されたスタックホールド切断部を有することを特徴とする。
【0015】
第3発明に係るカップスタックホルダーは、第1発明又は第2発明において、前記第1折り目と前記第2折り目の折り曲げ難さの指標である罫線強度は、前記第1折り目の罫線強度が前記第2折り目の罫線強度より高いことを特徴とする。
【0016】
第4発明に係るカップスタックホルダーは、第3発明において、前記第2切断線の外側、且つ、前記第2折り目の内側に4つの直線状の第3折り目が形成されていることを特徴とする。
【0017】
第5発明に係るカップスタックホルダーは、第4発明において、前記第1折り目の罫線強度が前記第2折り目の罫線強度より高く、前記第3折り目の罫線強度は、前記第2折り目の罫線強度より低いか又は同等であることを特徴とする。
【0018】
第6発明に係るカップスタックホルダーは、第1発明ないし第5発明のいずれかの発明において、前記第1切断線と前記第2切断線とで囲まれた蓋部の裏面には、前記フランジと当接して前記カップ容器の開口を覆って閉塞する開口閉塞材が取り付けられていることを特徴とする。
【0019】
第7発明に係るカップスタックホルダーは、第1発明ないし第6発明のいずれかの発明において、前記ブランクシートが連接され、前記第1切断線及び前記第2切断線、前記第1折り目及び前記第2折り目が複数対形成され、前記カップ容器を複数個並べて保持可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
第1発明~第7発明によれば、ブランクシートを折り曲げてカップ容器のフランジに装着すると、第2切断線の外側の部分が浮き上がり、ホルダー上面の外縁に段差ができるので、カップ容器を上下に積み重ねても、ずれて落下する危険が少ない。よって、カップ容器を効率よく店頭などに陳列することができ、陳列スペースを削減することができる。
【0021】
また、第1発明~第7発明によれば、簡単にカップスタックホルダーをカップ容器のフランジに装着可能なため、カップ容器の内容物を一度に使い切らない場合に、カップ容器をリキャップすることが極めて容易に行うことができる。
【0022】
その上、第1発明~第7発明によれば、カップ容器を積み上げても上下にスペースを取ることなくカップスタックホルダーにより上下に段差を設けることができ、立体的で店頭で目立つことができるとともに意匠性が向上する。また、第1発明~第7発明によれば、段差部や垂下部により表示面積が拡大し、食品表示法の施に伴う表示スペースの拡大化の要請にも応えることができる。
【0023】
特に、第2発明によれば、カップスタックホルダーを折り曲げてフランジに装着した際に、浮き上がった段差部の内側に、カップ容器の外形に応じたスタックホールド切断部を有することとなり、カップ容器を保持するホールド性が向上し、さらにずれ落ちる危険を減少させることができる。
【0024】
特に、第3発明によれば、第1折り目の罫線強度が第2折り目の罫線強度より高いので、折曲成形機やロボットアームなどで機械的にブランクシートを折り曲げる際に、折り曲げを失敗する確率が極めて少なくなり、機械適性が向上する。
【0025】
特に、第4発明によれば、第3折り目が形成されているので、浮き上がった段差部の上面を平らにすることができるとともに、スタックホールド切断部でカップ容器の外形にピッタリ密着してホールドすることができる。このため、カップ容器を保持するホールド性が向上し、さらにずれ落ちる危険を減少させることができる。
【0026】
特に、第5発明によれば、第1折り目の罫線強度が第2折り目の罫線強度より高く、第3折り目の罫線強度は、第2折り目の罫線強度より低いか又は同等であるので、段差部の上面を平らにしてカップ容器のホールド性を高めつつ、機械適性を向上させることができる。
【0027】
特に、第6発明によれば、樹脂フィルムが剥がされた後のリキャップ時の浮き上がった段差部とカップ容器のフランジとの隙間を開口閉塞材で閉塞することができ、埃やごみがカップ容器に混入することを防止することができる。
【0028】
特に、第7発明によれば、前記作用効果に加え、カップ容器を複数個まとめた状態で上下に積み上げることが容易となるとともに、ずれて落下する危険が少くなる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1実施形態に係るカップスタックホルダーを一枚のブランクシートの状態で示す平面図である。
図2】同上のカップスタックホルダーを折り曲げた状態で示す斜視図である。
図3】同上のカップスタックホルダーが装着可能なカップ容器の一例を示す斜視図である。
図4図1のカップスタックホルダーをブランクシートの状態で図3のカップ容器のフランジ上に載置した折り曲げる前の状態を示す斜視図である。
図5】同上のカップスタックホルダーを折り曲げた状態を示す斜視図である。
図6】同上のカップスタックホルダーをカップ容器のフランジに装着し、上下に積み重ねた状態を示す斜視図である。
図7】同上のカップスタックホルダーの第3折り目の位置が左右で違う別の実施形態をブランクシートの状態で示す平面図である。
図8】本発明の第2実施形態に係るカップスタックホルダーを示す斜視図である。
図9】本発明の第3実施形態に係るカップスタックホルダーをブランクシートの状態で示す平面図である。
図10】同上のカップスタックホルダーを用いて複数のカップ容器をスタックした状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態に係るカップスタックホルダーについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
[第1実施形態]
先ず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るカップスタックホルダー1のブランクシート2について説明する。図1は、本実施形態に係るカップスタックホルダー1を一枚のブランクシートの状態で示す平面図である。
【0032】
図1に示すように、本実施形態に係るカップスタックホルダー1は、ボール紙などの板紙からなる1枚の長方形状(矩形状)のブランクシート2から折り曲げられて形成され、後述のカップ容器C1のフランジC12(図3等参照)に掛け止められて用いられる飾り蓋等の諸機能を有する部材である。
【0033】
(ブランクシート)
本実施形態に係るブランクシート2は、紙厚0.5mmの板紙から186mm×100mmの長方形状に形成されている。図1に示すように、このブランクシート2には、ブランクシート2を厚さ方向に貫通する切れ目である第1切断線3と第2切断線4の二種類の切断線が形成されている。また、ブランクシート2には、第1折り目5、第2折り目6、第3折り目7の三種類の折り目が形成されている。つまり、ブランクシート2は、これらの二種類の切断線と三種類の折り目により、後述の蓋部8、段差部9、垂下部10の3種類の部位(領域)に区画されている。
【0034】
なお、ブランクシート2は、紙を主原料とするものであればよく、耐水性や気密性を上げるために表裏のいずれか一方又は両方に樹脂フィルや金属箔等が接着されて積層されたものであっても構わない。また、本発明に適用されるブランクシートは、樹脂シートのみから構成するなど他の素材から構成することも可能である。
【0035】
(第1切断線)
第1切断線3は、ブランクシート2の短辺と略平行な一対の切断線であり、フランジC12に掛け止められるフランジ固定用の部位となる端点距離D1の切断線である。この第1切断線3は、フランジC12を挿通するための切れ目であるフランジ挿通切断部30と、このフランジ挿通切断部30と交差するフランジC12に掛け止める掛止片11を切り起こすための切断線である掛止片切断部31と、からなる。
【0036】
本実施形態では、第1切断線3の端点距離D1は、52mmに設定されている。なお、掛止片11は、垂下部10と連続する領域であり、フランジC12の裏面に当接することでフランジC12にカップスタックホルダー1全体が掛け止められ、フランジで固定されることとなる。
【0037】
フランジ挿通切断部30は、ブランクシート2の短辺と平行な直線状の切れ目である直線部32と、この直線部32の両端部に形成された直線部32と直交する切れ目である折返し部33など、から構成されている。また、直線部32と折返し部33とが交差する角部は、曲率半径が4mmの曲線となっている。
【0038】
掛止片切断部31は、台形状の掛止片11に沿った切断線であり、ブランクシート2の短辺と平行な直線状の切れ目である頂辺部34と、掛止片11の幅を小さくなる方向に傾斜する斜辺部35と、から構成されている。
【0039】
(第2切断線)
第2切断線4は、第1切断線3の端部から所定距離(本実施形態では12mm)離間して交差する方向に形成された概ねブランクシート2の長辺と略平行な一対の切断線であり、段差部9と蓋部8とを切り分けるための切断線である。この第2切断線4は、カップ容器C1の外形に応じた曲線で構成されたスタックホールド切断部40と、両端部に位置する直線部41と、これらの切断線を繋ぐ傾斜部42と、から構成されている。また、第2切断線4の端点距離D2は、蓋部8の全長より少し長い102mmに設定されている。
【0040】
スタックホールド切断部40は、後述のように、段差部9が浮き上がった際の高さのカップ容器C1の外周面の形状に合致した曲線となっている。本実施形態では、カップ容器C1が上方に行くに従って徐々に拡径した有底の円筒状の容器となっているので(図3参照)、スタックホールド切断部40は、所定径の(本実施形態では直径76mm)の円弧状の切れ目となっている。勿論、カップ容器の外形が矩形状となっている場合は、スタックホールド切断部は、それに応じた直線とすることが好ましい。
【0041】
直線部41は、所定長さ(本実施形態では16mm)の直線からなる切れ目であり、段差部9と垂下部10とを繋ぐ斜面を形成する蓋部8及び垂下部10と段差部9とを切り分けるための切断線である。
【0042】
傾斜部42は、スタックホールド切断部40と直線部41とに連続する切断線であり、スタックホールド切断部40と同様に、蓋部8と段差部9とを切り分けるための切断線である。傾斜部42とスタックホールド切断部40とが交差する角部は、曲率半径が6mmの曲線となっている。
【0043】
(第1折り目)
第1折り目5は、図1に示すように、第1切断線3の両端付近から第2切断線4に向けて形成された直線状の折り目であり、蓋部8と、垂下部10とを区画する折り目である。この第1折り目5は、第1切断線3と第2切断線4との間の第2切断線4の内側の蓋部8の四隅となる四か所に形成された折り目であり、ブランクシート2の短辺と平行、且つ、長辺と直交する直線状の折り目となっている。
【0044】
(第2折り目)
第2折り目6は、二本の第2切断線4の外側に形成された第2切断線4の両端の端点、即ち、各直線部41の外側の端点からブランクシート2の長辺へ続く四か所に設けられた折り目であり、段差部9の斜面9aと垂下部10とを区画する折り目である。この第2折り目6は、ブランクシート2の短辺と平行、且つ、長辺と直交する直線状の折り目、即ち、第1折り目5と平行な折り目となっている。
【0045】
また、図1に示すように、第1折り目5と第2折り目6とは、雁行しており、第2折り目6同士の間隔D2が、蓋部8の長さに相当する第1折り目5同士の間隔D3より長く第2折り目6が第1折り目5より外側に形成されている。
【0046】
(第3折り目)
第3折り目7は、各直線部41の内側の端点からブランクシート2の長辺へ続く四か所に設けられた折り目であり、段差部9の斜面9aと段差部9の上面とを区画する折り目である。この第3折り目7は、第2折り目6と平行な折り目となっている。なお、第2折り目6と第3折り目7との間のスペースが、段差部9の斜面9aとなる(図2も参照)。
【0047】
また、図7に示すように、第3折り目7は、左右の一方の折り目の位置が前後方向にずれた第3折り目7’となっており、第2折り目6との間隔が左右で違っていてもよい。段差部9と段差部9’の高さが左右で違うこととなり水平にはならないが、前述のカップスタックホルダー1と同様にスタック機能は付加することができるからである。なお、スタックホールド切断部40’の形状(曲率半径)や傾斜部42’の傾斜角度も段差部9’の高さに応じて適宜変更することが好ましい。
【0048】
以上説明した三種類の折り目は、罫線と呼ばれるものであり、その罫線強度は、第1折り目5の罫線強度をA、第2折り目6の罫線強度をB、第3折り目7の罫線強度をCとした場合、A>B≧Cが成立することが好ましい。ここで、罫線強度とは、折り目の折り曲げ難さの指標であり、罫線強度が大きい(高い)ことは、折り曲げる際に力がより必要で折り曲げ難いことを指している。
【0049】
つまり、第1折り目5の罫線強度Aが第2折り目6の罫線強度Bより高く、第3折り目7の罫線強度Cは、第2折り目6の罫線強度Bより低いか又は同等であることが好ましい。このような罫線強度とすることで、後述のように、折曲成形機やロボットアームなどで機械的にブランクシート2を折り曲げる際に、折り曲げを失敗する確率が極めて少なくなり、機械適性が向上するからである。
【0050】
なお、これらの三種類の折り目は、全切れ刃でブランクシート2を部分的に切断したり、ミシン刃で飛び飛びに切断したり、半切れ刃でブランクシート2の表裏のいずれかを紙厚の半分程度にハーフカットしたりして形成する。勿論、これらの折り目は、定規を当てて一度折ることで折り目を付けることでも達成することができる。要するに、これらの三種類の折り目は、何らかの手段により折り目が形成されていればよい。
【0051】
本実施形態では、第1折り目5を端部残しで全長の6割程度全切れ刃でブランクシート2を部分的に切断し、第2折り目6と第3折り目7を端部残しで全長の7割程度全切れ刃でブランクシート2を部分的に切断することで、前述のA>B=Cを実現している。
【0052】
次に、図2を用いて、前述のブランクシート2から折り曲げられて形成された本発明の第1実施形態に係るカップスタックホルダー1について詳しく説明する。図2は、カップスタックホルダー1を折り曲げた状態で示す斜視図である。なお、図2において、ブランクシート2の紙厚は0.5mm程度と薄いので、カップスタックホルダー1における紙の厚さは、無視して図示している(以下各図で同じ)。
【0053】
図1に示した前述のブランクシート2の状態から三種類の折り目を折り曲げることにより、図2に示すように、第1折り目5と第2折り目6により、ブランクシート2の蓋部8から垂下部10が下方に折り曲げられる。それとともに、第1折り目5と第2折り目6とが雁行して折り目の位置が平行に外側にずれていることにより、段差部9が蓋部8より上方に浮き上がることとなる。
【0054】
また、図1に示した第2折り目6と第3折り目7との間隔であるL1が大きくなっている程、段差部9が容易に浮き上がることとなり、機械適性が向上するものと考えられる。一方、第1折り目5と第3折り目7との間隔であるL2が大きくなると、蓋部8と段差部9との段差が大きくなる。但し、機械適性は落ちることとなり、前述の罫線強度の差を大きくするなどの手当が必要となるものと考えられる。
【0055】
なお、第1実施形態に係るカップスタックホルダー1として第3折り目7を設けるものを例示したが、第3折り目7を省略することもできる。第3折り目7を省略した場合は、段差部9が第2折り目6で折り曲げられて中央が盛り上がったアーチ状(円弧状)となるだけである。但し、後述のように、スタックホールド切断部40でのカップ容器C1の保持具合を考慮すると第3折り目7を設けた方が好ましい。
【0056】
<カップ容器>
次に、図3を用いて、第1実施形態に係るカップスタックホルダー1が装着可能なカップ容器C1を簡単に説明する。図3は、カップスタックホルダー1が装着可能なカップ容器C1の一例を示す斜視図である。
【0057】
図3に示すように、本発明が適用されるカップ容器C1は、上方に行くに従って徐々に拡径した有底の円筒状の容器本体C10を備え、この容器本体C10の上端の開口C11には、外周面から外側に張り出したフランジC12が形成されている。また、このフランジC12には、内容物を封止する合成樹脂製のシールである単層又は複層の樹脂フィルムF1が貼着されている。勿論、カップ容器C1に収容する内容物よっては、樹脂フィルムF1を設けなくても良い場合もあり得る。
【0058】
このカップ容器C1は、ヨーグルトや味噌の容器、スープカップやレンジアップ用容器、スナック菓子などの容器として用いられる防湿カップ容器、コーヒーや紅茶等の飲料用チルド飲料容器など、様々な用途に用いられる。
【0059】
<カップスタックホルダーの各部の機能等>
次に、図4図5を用いて、図3に示したカップ容器C1に前述のカップスタックホルダー1を装着した状態を示して、蓋部8、段差部9、垂下部10などの各部(各領域)の機能等についてさらに説明する。図4は、カップスタックホルダー1をブランクシート2の状態で図3に示したカップ容器C1のフランジC12の上に乗せた、折り曲げる前の状態を示す斜視図であり、図5は、カップスタックホルダー1を折り曲げた状態を示す斜視図である。
【0060】
先ず、図4に示すように、ブランクシート2の略中央に、カップ容器C1が位置するように位置合わせを行ってセットする。
【0061】
次に、折曲成形機やロボットアームなどで機械的にブランクシート2を折り曲げると、ブランクシート2の第1切断線3が開き、フランジ挿通切断部30がフランジC12に挿通されて掛け止められる。これと同時に、前述の第1折り目5、第2折り目6、第3折り目7の三種類の折り目が一気に折れ曲がり、図5に示すように、カップスタックホルダー1がカップ容器C1のフランジC12に装着される。
【0062】
このとき、前述のように、第1折り目5と第2折り目6とは、雁行しており、第2折り目6同士の間隔D2が、蓋部8の長さに相当する第1折り目5同士の間隔D3より長く形成されている。このため、第1折り目5と第2折り目6との位置の違いにより、段差部9が蓋部8より浮き上がって段差が生じることとなる。
【0063】
また、前述のように、三種類の折り目の罫線強度は、A>B≧Cを満たすこととなっている。このため、第1折り目5より、第2折り目6及び第3折り目7が先行して折れ曲がることとなる。よって、段差部9の浮き上がりが垂下部10の折れ曲がりより先行することとなり、第2切断線4で切り分けられた断片同士が重なり、段差部9が蓋部8に引っ掛かることを防止することができる。これにより、機械適性が向上し、折曲成形機やロボットアームなどで機械的にブランクシート2を折り曲げてカップスタックホルダー1をカップ容器C1に装着する際の歩掛が向上する。
【0064】
そして、垂下部10が蓋部8に対して90度下方に折り曲げられる際に、第1切断線3の掛止片切断部31で切り分けられた掛止片11が立ち上り、カップ容器C1のフランジC12の裏面に掛止片11の端部が当接することとなる。このとき、ブランクシート2の板紙の弾性力で掛止片11がフランジC12の裏面に押し当てられることとなり、掛止片11でフランジC12にカップスタックホルダー1全体が固定されることとなる。なお、このとき、フランジに当たる掛止片11の位置は、フランジC12直下の容器の外径と同じか、それよりも内側に設計するとよい。但し、掛止片11をフランジC12直下の容器の外径より内側に当たるように設計してフランジC12の裏面に押し当てる力が強いほどロック力は強くなるが、ロック力を強くし過ぎると装着がし難くなる。
【0065】
なお、フランジ固定用の掛止片11の形状、即ち、第1切断線3の掛止片切断部31の形状等は、特許文献1,2に記載されているように、既知のものである。このため、これらの形状等は、図示して例示したものに限られず、種々の形状等を採用することができる。要するに、本発明に適用される掛止片は、カップ容器のフランジに応じて掛け止められる形状であれば採用することが可能である。
【0066】
図5に示すように、カップ容器C1にカップスタックホルダー1を装着すると、蓋部8が飾り蓋としての機能を発揮するとともに、カップ容器C1の内容物を一度に使い切らない場合のリキャップ機能を発揮する。
【0067】
また、段差部9が蓋部8から浮き上がった状態となるため、立体的で店頭で目立つことができるとともに意匠性が向上する。
【0068】
その上、垂下部10により表示面積が拡大し、店頭で目立つとともに、食品表示法の施行に伴う表示スペースの拡大化の要請にも応えることができる。
【0069】
それに加え、カップスタックホルダー1は、紙製のブランクシート2からなるので、蓋部8、段差部9、垂下部10も通常のオフセット印刷での安価で鮮明な美麗印刷が可能となり、飾り蓋としての諸機能が向上するだけでなく、プラスチックや減プラスチックの要請にも応えることができる。
【0070】
<スタック状態>
次に、図6を用いて、カップスタックホルダー1を装着したカップ容器C1を上下に積み重ねてスタックした状態を説明する。図6は、カップスタックホルダー1をカップ容器C1のフランジC12に装着し、上下に積み重ねた状態を示す斜視図である。
【0071】
図6に示すように、カップスタックホルダー1を装着したカップ容器C1を上下に積み重ねてスタックする場合、前述の蓋部8の上に他のカップ容器C1を載置すると、浮き上がった一対の段差部9が載置したカップ容器C1の外側に位置することになる。このため、蓋部8の上に載置したカップ容器C1がずれ落ちる危険が減少する。
【0072】
その上、本実施形態に係るカップスタックホルダー1では、浮き上がった段差部9の内側となるスタックホールド切断部40の形状が、その高さの容器本体C10の外周面に、丁度合致して一対の段差部9間に挟持されることなる。このため、スタックホールド切断部40で容器本体C10の外形にピッタリ密着してホールドすることができ、蓋部8の上に載置したカップ容器C1がずれ落ちる危険を減少させることができる。よって、カップ容器C1を効率よく店頭などに陳列することができ、陳列又は収納スペースを削減することができる。
【0073】
<第1実施形態に係るカップスタックホルダーの作用効果>
以上に説明した本発明の第1実施形態に係るカップスタックホルダー1によれば、カップスタックホルダー1を折り曲げてカップ容器C1のフランジC12に装着した際に、浮き上がった段差部9の内側に、容器本体C10の外形に応じたスタックホールド切断部40を有することとなる。このため、カップスタックホルダー1によれば、カップ容器C1をホールド性が向上し、ずれ落ちる危険を減少させることができる。
【0074】
また、カップスタックホルダー1によれば、カップ容器C1を積み上げても上下にスペースを取ることなくカップスタックホルダー1により上下に段差部9を設けることができ、立体的で店頭で目立つことができるとともに意匠性が向上する。
【0075】
その上、カップスタックホルダー1によれば、垂下部10等により表示面積が拡大し、食品表示法の施行に伴う表示スペースの拡大化の要請にも応えることができる。
【0076】
それに加え、カップスタックホルダー1によれば、第1折り目5の罫線強度をA、第2折り目6の罫線強度をB、第3折り目7の罫線強度をCとした場合、A>B≧Cとなっている。このため、カップスタックホルダー1によれば、段差部9の上面を平らにしてカップ容器C1のホールド性を高めつつ、機械的にブランクシート2を折り曲げてカップスタックホルダー1をカップ容器C1に装着する際の歩掛が向上する。
【0077】
さらに、カップスタックホルダー1によれば、ブランクシート2が紙製のブランクシートであるので、従来の樹脂キャップと比べて低コストで製造することができるだけでなく、通常のオフセット印刷での安価で鮮明な美麗印刷が可能となり、飾り蓋としての諸機能が向上する。また、脱プラスチックや減プラスチックの要請にも応えることができる。
【0078】
[第2実施形態]
次に、図8を用いて、前述の第1実施形態に係るカップスタックホルダー1の変形例である第2実施形態に係るカップスタックホルダー1’について説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係るカップスタックホルダーを示す斜視図である。
【0079】
第2実施形態に係るカップスタックホルダー1’が、カップスタックホルダー1と相違する点は、開口閉塞材12が取り付けられている点だけである。よって、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0080】
(開口閉塞材)
図8に示すように、開口閉塞材12は、ブランクシート2の板紙より厚い厚紙からなり、カップ容器C1の開口C11と略同径か、又はそれより少しだけ径の大きな円盤状(メンコ状)の部材である。この開口閉塞材12は、カップ容器C1のフランジC12と当接してカップ容器C1の開口C11を覆って閉塞する機能を有している。本発明に適用される開口閉塞材は、厚紙に限らず、ブランクシート2と同等の板紙やそれより薄い紙とすることも可能である。
【0081】
また、本発明に適用される開口閉塞材は、紙(例えば、紙スプーン原紙400g/m2)の片面又は両面をPE(ポリエチレン)などの不透水性の樹脂フィルム(ポリフィルム)で被覆すると水漏れ確実に防ぐことができて好ましい。その上、本発明に適用される開口閉塞材は、樹脂フィルム単体でも構わない。樹脂フィルムがあることで、カップスタックホルダー1’が直接内容物の液体で濡れることがなく、強度が維持されることで、水漏れを抑える効果があるからである。また、樹脂フィルムがカップ容器C1の開口縁であるカール部分に巻き込まれることで、パッキンのような役割を果たし水漏れを防ぐ効果がある。但し、樹脂フィルムは、植物由来素材であるセロファンとすると好ましい。石油由来の素材の使用量を削減することができるからである。
【0082】
また、前述のフランジ固定用の第1切断線3の係止フラップの数は、2~5個であれば、形状にかかわらず液漏れ防止効果が見込めるため有効である。第1切断線3の形状も、直線、R切込、爪抑え、波角線等、カップ容器C1のフランジC12の形状に応じて適宜選定してもよいことは云うまでもない。第1切断線3の中央や定距離に垂直切込又は傾斜切込を設けることで、巻き込み難い樹脂フィルムをフランジC12に密着させることができる。
【0083】
要するに、本発明に適用される開口閉塞材は、カップ容器が転倒した場合でも一定の時間(例えば2分間)カップ容器と密着して水漏れを防ぐことができる剛性と一定の不透水性を有する素材であればよい。
【0084】
なお、カップスタックホルダー1’や開口閉塞材の紙体と樹脂フィルムの接合は、部分ヒートシール、ホットメルト、グルーなどとすることができる。但し、カップスタックホルダー1’や開口閉塞材の紙と樹脂フィルムの接合は、前述の第1切断線3より内側であることが望ましい。
【0085】
<第2実施形態に係るカップスタックホルダーの作用効果>
本発明の第2実施形態に係るカップスタックホルダー1’によれば、前述のカップスタックホルダー1の作用効果に加え、浮き上がった段差部9とフランジC12との隙間を開口閉塞材12で閉塞することができる。このため、カップスタックホルダー1’によれば、カップ容器C1の樹脂フィルムF1が剥がされた後のリキャップ時に、埃やごみがカップ容器C1に混入することを防止することができる。
【0086】
[第3実施形態]
次に、図9図10を用いて、本発明の第3実施形態に係るカップスタックホルダー1”について説明する。図9は、本発明の第3実施形態に係るカップスタックホルダー1”をブランクシートの状態で示す平面図であり、図10は、カップスタックホルダー1”を用いて複数のカップ容器をスタックした状態を示す斜視図である。
【0087】
第3実施形態に係るカップスタックホルダー1”が、前述のカップスタックホルダー1と相違する点は、複数個のカップスタックホルダー1が連接されているだけなので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、説明を省略する。
【0088】
図9に示すように、カップスタックホルダー1”のブランクシート2”は、前述の第1実施形態に係るカップスタックホルダー1のブランクシート2が3つ連接された形状となっている。勿論、ブランクシート2が連接されている数は、カップ容器C1の用途やセット販売等の事情に応じて適宜選択すればよいことは云うまでもない。
【0089】
また、ブランクシート2同士の境目は、ミシン刃で部分的に飛び飛びに切断されたミシン目13となっている。このため、カップスタックホルダー1”は、適宜、一部のカップスタックホルダー1を個別に切り離すことが可能となっている。但し、ブランクシート2同士の境目は、ミシン目とせず、個別にカップスタックホルダー1を切り離しできないようにしても構わない。
【0090】
図10に示すように、カップスタックホルダー1”は、カップ容器C1を3個(複数個)まとめた状態で上下に積み上げることが容易となるとともに、隣接するカップ容器C1がカップスタックホルダー1同士で連接されているため、さらにずれて落下する危険が少くなる。
【0091】
<第3実施形態に係るカップスタックホルダーの作用効果>
本発明の第3実施形態に係るカップスタックホルダー1”によれば、前述のカップスタックホルダー1の作用効果に加え、カップ容器C1を3個まとめた状態で上下に積み上げてスタックすることが容易となる。
【0092】
また、カップスタックホルダー1”によれば、隣接するカップ容器C1がカップスタックホルダー1同士で連接されているため、さらにずれて落下する危険が少くなる。
【0093】
その上、カップスタックホルダー1”によれば、ミシン目13でカップスタックホルダー1”からカップスタックホルダー1を個別に切り離すことができ、カップ容器C1を個別に販売することも容易である。
【0094】
以上、本発明の実施形態に係るカップスタックホルダー1~1”について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【0095】
特に、ブランクシート2として、紙を主原料とする紙製のものを例示して説明したが、樹脂シートなど、形態が同じでシートの素材が相違するものにも本発明を適用することができる。また、寸法や数値等を例示列挙したが、例示したものに限られず、カップ容器の大きさや形状、カップ容器に収容される内容物の種類や用途に応じて適宜変更可能であることは云うまでもない。
【符号の説明】
【0096】
1,1’,1”:カップスタックホルダー
2:ブランクシート
3:第1切断線
30:フランジ挿通切断部
31:掛止片切断部
32:直線部
33:折返し部
34:頂辺部
35:斜辺部
4:第2切断線
40,40’:スタックホールド切断部
41:直線部
42,42’:傾斜部
5:第1折り目
6:第2折り目
7,7’:第3折り目
8:蓋部
9,9’:段差部
10:垂下部
11:掛止片
12:開口閉塞材
13:ミシン目
C1:カップ容器
C10:容器本体
C11:開口
C12:フランジ
F1:樹脂フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10