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  • 特許-両面粘着テープ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】両面粘着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20231121BHJP
   C09J 7/25 20180101ALI20231121BHJP
   C09J 133/06 20060101ALI20231121BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J7/25
C09J133/06
C09J4/02
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019230737
(22)【出願日】2019-12-20
(65)【公開番号】P2021098792
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122471
【弁理士】
【氏名又は名称】籾井 孝文
(74)【代理人】
【識別番号】100121636
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌靖
(72)【発明者】
【氏名】藤田 卓也
(72)【発明者】
【氏名】住田 啓迪
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 理仁
(72)【発明者】
【氏名】西脇 匡崇
(72)【発明者】
【氏名】武蔵島 康
【審査官】小久保 敦規
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/239956(WO,A1)
【文献】特開2013-075999(JP,A)
【文献】特開2010-194699(JP,A)
【文献】特開2013-163781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00 - 201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材層の両面側に粘着剤層が配置された両面粘着テープであって、
該粘着剤層が、1層であり、
該粘着剤層が粘着剤組成物から形成され、
該粘着剤組成物が、モノマー成分(m)および該モノマー成分(m)の重合によって得られるポリマー成分(P)から選ばれる少なくとも1種を含み、
該モノマー成分(m)がブチル(メタ)アクリレートを50重量%以上含み、
該両面粘着テープの総厚みに対する該基材層の厚みの割合が35%未満であり、
該両面粘着テープの23℃、50%RHにおける100%ひずみ時に生じる力が30N/m~150N/mであり、
該基材層が、樹脂フィルムからなり、
該樹脂フィルムがポリウレタン系樹脂を主成分としており、
該両面粘着テープの総厚みが100μm以上である、
両面粘着テープ。
【請求項2】
前記モノマー成分(m)がブチル(メタ)アクリレートを90重量%~99重量%含む、請求項1に記載の両面粘着テープ。
【請求項3】
前記モノマー成分(m)が(メタ)アクリル酸を1重量%~10重量%含む、請求項1または2に記載の両面粘着テープ。
【請求項4】
電子機器部材の固定に用いられる、請求項1から3までのいずれかに記載の両面粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は両面粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、モバイル機器の各種性能の高度化の傾向に伴い、該モバイル機器に採用されている各種構成部材についての各種性能についても高度化が求められている。モバイル機器においては、筐体等の接合のために、両面粘着テープが採用されることがある。この両面粘着テープに対しても、近年、各種性能の高度化が求められている。
【0003】
モバイル機器は、その使用形態により、落下の危険性がある。このため、耐衝撃性の高いモバイル機器が求められている。モバイル機器の耐衝撃性を高めるために、筐体外部に衝撃吸収部材を設けることがある。しかし、このような形態では、モバイル機器のサイズが大きくなったり、意匠性が損なわれたりするおそれがある。
【0004】
そこで、モバイル機器内部に設けられ得る両面粘着テープに優れた耐衝撃性を付与することが望まれる。
【0005】
最近、耐衝撃性を有する両面粘着シートが報告されている(特許文献1)。この両面粘着シートは、耐衝撃性を発現するために発泡体の基材を必須としている。ところが、発泡体は、一定以上に伸びたり力が掛かると切れてしまい、面積が小さくなったり細くなったりする。その結果、発泡体の気泡部分が接着部の多くを占めることとなり、接着性が低下してしまうという問題がある。
【0006】
さらに、モバイル機器に用いられる両面粘着シートは、高価な部材に貼り付けられることが多く、貼り直しなどの際に良好なリワーク性が求められる。しかし、従来の両面粘着シートは、リワークの途中で千切れてしまうなどの問題が起こることがあり、モバイル機器に用いられる両面粘着シートには、優れたリワーク性が求められている。
【0007】
また、モバイル機器は、日常の生活環境に曝されることが多く、洗浄液や消毒液などのアルコール系の溶剤に接触することが多い。
【0008】
したがって、モバイル機器に用いられる粘着シートには、モバイル機器に用いられ得る様々な被着体に対しての高い接着力、高い耐衝撃性、および高い耐アルコール性の両立が求められる。しかしながら、従来の粘着シートだけでは、このような両立が達成できておらず、モバイル機器に用いられ得る様々な被着体に対しての高い接着力、高い耐衝撃性、および高い耐アルコール性をいずれも発現できる技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2015-120876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の課題は、優れた耐衝撃性と優れたリワーク性と優れた耐アルコール性を両立して発現できる両面粘着テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の両面粘着テープは、
基材層の両面側に粘着剤層が配置された両面粘着テープであって、
該粘着剤層が粘着剤組成物から形成され、
該粘着剤組成物が、モノマー成分(m)および該モノマー成分(m)の重合によって得られるポリマー成分(P)から選ばれる少なくとも1種を含み、
該モノマー成分(m)がブチル(メタ)アクリレートを50重量%以上含み、
該両面粘着テープの総厚みに対する該基材層の厚みの割合が35%未満であり、
該両面粘着テープの23℃、50%RHにおける100%ひずみ時に生じる力が30N/m~150N/mである。
【0012】
一つの実施形態においては、上記基材層が樹脂フィルムからなる。
【0013】
一つの実施形態においては、上記樹脂フィルムがポリウレタン系樹脂を主成分とする。
【0014】
一つの実施形態においては、上記モノマー成分(m)がブチル(メタ)アクリレートを90重量%~99重量%含む。
【0015】
一つの実施形態においては、上記モノマー成分(m)が(メタ)アクリル酸を1重量%~10重量%含む。
【0016】
一つの実施形態においては、本発明の両面粘着テープは、総厚みが100μm以上である。
【0017】
一つの実施形態においては、本発明の両面粘着テープは、電子機器部材の固定に用いられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、優れた耐衝撃性と優れたリワーク性と優れた耐アルコール性を両立して発現できる両面粘着テープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一つの実施形態による両面粘着テープの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書において、(メタ)アクリルとあるのは、アクリルおよびメタクリルから選ばれる少なくとも1種を意味し、(メタ)アクリレートとあるのは、アクリレートおよびメタクリレートから選ばれる少なくとも1種を意味する。
【0021】
≪A.両面粘着テープ≫
本発明の両面粘着テープは、基材層の両面側に粘着剤層が配置された両面粘着テープである。本発明の両面粘着テープは、基材層の両面側に粘着剤層が配置されていれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の層を備えていてもよい。
【0022】
図1は、本発明の一つの実施形態による両面粘着テープの概略断面図である。図1において、両面粘着テープ100は、基材層10の両側に、粘着剤層20aと粘着剤層20bを有する。
【0023】
粘着剤層は、1層でもよいし、2層以上でもよい。
【0024】
基材層は、1層でもよいし、2層以上でもよい。
【0025】
本発明の両面粘着テープの総厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは100μm以上であり、より好ましくは100μm~1000μmであり、さらに好ましくは100μm~500μmであり、特に好ましくは150μm~400μmである。
【0026】
粘着剤層の表面には、使用するまでの保護等のために、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な剥離ライナーが備えられていてもよい。剥離ライナーとしては、例えば、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がシリコーン処理された剥離ライナー、紙やプラスチックフィルム等の基材(ライナー基材)の表面がポリオレフィン系樹脂によりラミネートされた剥離ライナーなどが挙げられる。ライナー基材としてのプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルムなどが挙げられる。ライナー基材としてのプラスチックフィルムとしては、好ましくは、ポリエチレンフィルムである。
【0027】
剥離ライナーの厚みは、好ましくは1μm~500μmであり、より好ましくは3μm~450μmであり、さらに好ましくは5μm~400μmであり、特に好ましくは10μm~300μmである。
【0028】
本発明の両面粘着テープは、23℃、50%RHにおける100%ひずみ時に生じる力が30N/m~150N/mであり、好ましくは30N/m~130N/mであり、より好ましくは30N/m~90N/mであり、さらに好ましくは30N/m~80N/mであり、特に好ましくは32N/m~50N/mである。上記100%ひずみ時に生じる力が上記範囲を外れて低すぎると、リワークの途中で両面粘着テープが千切れてしまうなどのリワーク性低下の問題が起こるおそれがある。上記100%ひずみ時に生じる力が上記範囲を外れて高すぎると、両面粘着テープの耐衝撃性が損なわれるおそれがある。
【0029】
本発明の両面粘着テープは、その総厚みに対する基材層の厚みの割合が35%未満であり、好ましくは3%~25%であり、より好ましくは3%~20%であり、さらに好ましくは3%~15%であり、特に好ましくは5%~10%である。本発明の両面粘着テープの総厚みに対する基材層の厚みの割合が上記範囲内にあれば、本発明の効果が十分に発現し得る。
【0030】
本発明の両面粘着テープは、23℃、50%RHにおける耐衝撃性が、好ましくは0.30J以上であり、より好ましくは0.34J以上であり、さらに好ましくは0.39J以上であり、さらに好ましくは0.44J以上であり、特に好ましくは0.51J以上であり、最も好ましくは0.59J以上である。上記耐衝撃性が上記範囲を外れて低すぎると、高い耐衝撃性を発現できる積層体を提供できないおそれがある。
【0031】
本発明の両面粘着テープの粘着力は、好ましくは5N/10mm~50N/10mmであり、より好ましくは6N/10mm~40N/10mmであり、さらに好ましくは7N/10mm~30N/10mmであり、特に好ましくは8N/10mm~20N/10mmである。本発明の両面粘着テープの粘着力が上記範囲内にあれば、両面粘着テープとしての機能を十分に発現し得る。
【0032】
<A-1.粘着剤層>
粘着剤層は、1層でもよいし、2層以上でもよい。2層以上の場合は、各粘着剤層は、全てが同じ組成の粘着剤層であってもよいし、少なくとも1つが異なる組成の粘着剤層であってもよい。
【0033】
粘着剤層は、粘着剤組成物から形成される。
【0034】
粘着剤層は、任意の適切な方法によって、粘着剤組成物から形成される。このような方法としては、例えば、粘着剤層の形成材料である粘着剤組成物を任意の適切な基材(例えば、基材フィルム)上に塗布して必要に応じて乾燥して、基材上において粘着剤層を形成する方法(直接法)や、剥離性を有する表面(剥離面)に粘着剤組成物を塗布して必要に応じて乾燥して、剥離性を有する表面(剥離面)上に粘着剤層を形成し、その粘着剤層を任意の適切な基材(例えば、基材フィルム)上に転写する方法(転写法)などが挙げられる。剥離性を有する表面(剥離面)としては、例えば、前述の剥離ライナーの表面が挙げられる。
【0035】
粘着剤組成物の塗布の方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な塗布の方法を採用し得る。このような塗布の方法としては、例えば、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、ロールブラッシュ、スプレーコート、エアーナイフコート法、ダイコーターなどによる押出しコートなどが挙げられる。塗布によって形成される塗布層を硬化させるために、紫外線照射などの活性エネルギー線照射を行ってもよい。
【0036】
架橋反応の促進、製造効率向上等の観点から、粘着剤組成物の乾燥は加熱下で行ってもよい。乾燥温度は、例えば、代表的には、40℃~150℃とすることができ、好ましくは、60℃~130℃である。粘着剤組成物を乾燥させた後、さらに、粘着剤層内における成分移行の調整、架橋反応の進行、粘着剤層内に存在し得る歪みの緩和等を目的としてエージングを行ってもよい。
【0037】
粘着剤層の厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは10μm~1000μmであり、より好ましくは20μm~700μmであり、さらに好ましくは30μm~500μmであり、特に好ましくは40μm~300μmであり、最も好ましくは50μm~200μmである。
【0038】
<A-1-1.粘着剤組成物>
粘着剤組成物は、モノマー成分(m)および該モノマー成分(m)の重合によって得られるポリマー成分(P)から選ばれる少なくとも1種を含む。すなわち、粘着剤組成物は、代表的には、ポリマー成分(P)を含んでいてモノマー成分(m)は実質的に含んでいない形態(形態1)、モノマー成分(m)を含んでいてポリマー成分(P)は実質的に含んでいない形態(形態2)、モノマー成分(m)とポリマー成分(P)との両方を含んでいる形態(形態3)の形態を取り得る。
【0039】
ポリマー成分(P)を含んでいてモノマー成分(m)は実質的に含んでいない形態(形態1)は、粘着剤組成物を調製する段階において、モノマー成分(m)の重合によって実質的にポリマー成分(P)が形成されている形態である。
【0040】
モノマー成分(m)を含んでいてポリマー成分(P)は実質的に含んでいない形態(形態2)は、粘着剤組成物を調製する段階において、モノマー成分(m)の重合が実質的に起こっておらず、ポリマー成分(P)が未だ形成されていない形態である。この形態においては、例えば、調製した粘着剤組成物の塗布によって形成される塗布層を、紫外線照射などの活性エネルギー線照射によって硬化させることで、ポリマー成分(P)が形成され得る。
【0041】
モノマー成分(m)とポリマー成分(P)との両方を含んでいる形態(形態3)は、粘着剤組成物を調製する段階において、モノマー成分(m)の一部が重合して部分重合体を形成し、且つ、未反応のモノマー成分(m)が残っている形態である。この形態においては、例えば、調製した粘着剤組成物の塗布によって形成される塗布層を、紫外線照射などの活性エネルギー線照射によって硬化させることで、ポリマー成分(P)が形成され得る。
【0042】
上記の形態1(ポリマー成分(P)を含んでいてモノマー成分(m)は実質的に含んでいない形態)の場合、粘着剤組成物中のポリマー成分(P)の含有割合は、粘着剤組成物の全量を100重量部としたときに、ポリマー成分(P)が、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは60重量%~100重量%であり、さらに好ましくは70重量%~100重量%であり、特に好ましくは80重量%~100重量%である。
【0043】
上記の形態2(モノマー成分(m)を含んでいてポリマー成分(P)は実質的に含んでいない形態)の場合、粘着剤組成物中のモノマー成分(m)の含有割合は、粘着剤組成物の全量を100重量部としたときに、モノマー成分(m)が、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは60重量%~100重量%であり、さらに好ましくは70重量%~100重量%であり、特に好ましくは80重量%~100重量%である。
【0044】
上記の形態3(モノマー成分(m)とポリマー成分(P)との両方を含んでいる形態)の場合、粘着剤組成物中のポリマー成分(P)とモノマー成分(m)の合計の含有割合は、粘着剤組成物の全量を100重量部としたときに、ポリマー成分(P)とモノマー成分(m)の合計が、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは60重量%~100重量%であり、さらに好ましくは70重量%~100重量%であり、特に好ましくは80重量%~100重量%である。
【0045】
粘着剤組成物には、光透過性(遮光性)調整等の観点から、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な着色剤を含んでもよい。このような着色剤としては、従来公知の顔料や染料を用いることができる。顔料としては、例えば、カーボンブラック、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ジルコニア、酸化鉄系顔料、水酸化鉄系顔料、酸化クロム系顔料、スピネル型焼成系顔料、クロム酸系顔料、クロムバーミリオン系顔料、紺青系顔料、アルミニウム粉末系顔料、ブロンズ粉末系顔料、銀粉末系顔料、リン酸カルシウム等の無機顔料や、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、アゾレーキ系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリノン系顔料、アゾメチン系顔料、ジオキサジン系顔料、キナクリドン系顔料、アニリンブラック系顔料、トリフェニルメタン系顔料等の有機顔料が挙げられる。染料としては、例えば、アゾ系染料、アントラキノン、キノフタロン、スチリル系染料、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、オキサジン、トリアジン、キサンタン、アゾメチン、アクリジン、ジアジンなどが挙げられる。着色剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0046】
黒色着色剤の具体例としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライト等)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、アントラキノン系着色剤などが挙げられる。
【0047】
粘着剤組成物中の着色剤の含有割合は、好ましくは30重量%未満であり、より好ましくは20重量%未満であり、さらに好ましくは13重量%未満であり、特に好ましくは10重量%未満であり、最も好ましくは8重量%未満である。
【0048】
粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なその他の成分を含み得る。このようなその他の成分としては、例えば、ポリマー成分(P)以外の樹脂成分、粘着付与剤、架橋剤、無機充填剤、有機充填剤、金属粉、顔料、箔状物、軟化剤、老化防止剤、導電剤、防錆剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、表面潤滑剤、レベリング剤、腐食防止剤、耐熱安定剤、重合禁止剤、滑剤、溶剤、触媒などが挙げられる。
【0049】
<A-1-1-1.モノマー成分(m)>
モノマー成分(m)は、ブチル(メタ)アクリレートを50重量%以上含む。モノマー成分(m)全量中のブチル(メタ)アクリレートの含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは70重量%~99.5重量%であり、さらに好ましくは90重量%~99重量%であり、特に好ましくは91重量%~98重量%であり、最も好ましくは92重量%~97重量%である。モノマー成分(m)中のブチル(メタ)アクリレートの含有割合を上記範囲内に調整することにより、優れた耐衝撃性と優れたリワーク性と優れた耐アルコール性を両立して発現できる両面粘着テープを提供し得る。
【0050】
本発明の効果をより発現させ得る点で、ブチル(メタ)アクリレートは、好ましくは、ブチルアクリレートであり、より好ましくは、n-ブチルアクリレートである。
【0051】
モノマー成分(m)は、好ましくは、(メタ)アクリル酸を含み、より好ましくは、アクリル酸を含む。モノマー成分(m)全量中の(メタ)アクリル酸の含有割合は、好ましくは1重量%~10重量%であり、より好ましくは1重量%~8重量%であり、さらに好ましくは2重量%~7重量%であり、特に好ましくは2重量%~6重量%であり、最も好ましくは2.5重量%~5.5重量%である。モノマー成分(m)中の(メタ)アクリル酸の含有割合を上記範囲内に調整することにより、より優れた耐衝撃性とより優れたリワーク性とより優れた耐アルコール性を両立して発現できる両面粘着テープを提供し得る。
【0052】
モノマー成分(m)は、他のモノマーを含有していてもよい。このような他のモノマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0053】
モノマー成分(m)全量中の他のモノマーの含有割合は、好ましくは0重量%~10重量%であり、より好ましくは0重量%~8重量%であり、さらに好ましくは0重量%~6重量%であり、特に好ましくは0重量%~4重量%であり、最も好ましくは0重量%~2重量%である。モノマー成分(m)中の他のモノマーの含有割合を上記範囲内に調整することにより、より優れた耐衝撃性とより優れたリワーク性とより優れた耐アルコール性を両立して発現できる両面粘着テープを提供し得る。
【0054】
他のモノマーとしては、例えば、脂環式構造含有アクリル系単量体、ブチル(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有モノマー、(メタ)アクリル酸以外のカルボキシル基含有モノマー、窒素系環状構造含有モノマー、環状エーテル基含有モノマー、グリコール系アクリルエステルモノマー、スチレン系モノマー、アミド基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー、ビニルエーテルモノマー、シラン系モノマー、多官能モノマーなどが挙げられる。
【0055】
脂環式構造含有アクリル系単量体としては、好ましくは、環状の脂肪族炭化水素構造を有するアクリル系単量体である。環状の脂肪族炭化水素構造の炭素数は、好ましくは3以上であり、より好ましくは6~24であり、さらに好ましくは6~18であり、特に好ましくは6~12である。このような脂環式構造含有アクリル系単量体としては、具体的には、例えば、シクロプロピル(メタ)アクリレート、シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0056】
本明細書において、ブチル(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレートには、脂環式構造を有するアルキル(メタ)アクリレートは含まれない。ブチル(メタ)アクリレート以外のアルキル(メタ)アクリレートとしては、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-へプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ウンデシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、n-トリデシル(メタ)アクリレート、n-テトラデシル(メタ)アクリレート、n-ペンタデシル(メタ)アクリレート、n-ヘキサデシル(メタ)アクリレート、n-ヘプタデシル(メタ)アクリレート、n-オクタデシル(メタ)アクリレートなどの、直鎖状アルキル基(n-ブチル基を除く)をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレート;イソプロピル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、t-ペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、イソヘキシル(メタ)アクリレート、イソへプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、2-プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、イソウンデシル(メタ)アクリレート、イソドデシル(メタ)アクリレート、イソトリデシル(メタ)アクリレート、イソミスチリル(メタ)アクリレート、イソペンタデシル(メタ)アクリレート、イソヘキサデシル(メタ)アクリレート、イソヘプタデシル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどの、炭素数4~18の分岐鎖状アルキル基(イソブチル基を除く)をエステル末端に有するアルキル(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
【0057】
水酸基含有モノマーとしては、具体的には、例えば、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10-ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12-ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;(4-ヒドロキシメチルシクロへキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキルシクロアルカン(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルなどのその他の水酸基含有モノマー;などが挙げられる。これらの水酸基含有モノマーの中でも、より優れた耐衝撃性を発現させ得る点で、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、炭素数2~6のヒドロキシアルキル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートがより好ましく、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
【0058】
(メタ)アクリル酸以外のカルボキシル基含有モノマーとしては、具体的には、例えば、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、イソクロトン酸などが挙げられる。
【0059】
窒素系環状構造含有モノマーとしては、具体的には、例えば、N-ビニルピロリドン、N-ビニル-ε-カプロラクタム、メチルビニルピロリドンなどのラクタム系ビニルモノマー;ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリンなどの窒素含有複素環を有するビニル系モノマー;モルホリン環、ピペリジン環、ピロリジン環、ピペラジン環等の複素環を含有する(メタ)アクリルモノマー(例えば、N-アクリロイルモルホリン、N-アクリロイルピペリジン、N-メタクリロイルピペリジン、N-アクリロイルピロリジンなど);などが挙げられる。
【0060】
環状エーテル基含有モノマーとしては、具体的には、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基含有モノマー;3-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-メチル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-エチル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-ブチル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、3-ヘキシル-オキセタニルメチル(メタ)アクリレートなどのオキセタン基含有モノマー;などが挙げられる。
【0061】
グリコール系アクリルエステルモノマーとしては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
【0062】
スチレン系モノマーとしては、具体的には、例えば、スチレン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。
【0063】
アミド基含有モノマーとしては、具体的には、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N,N-ジエチルメタクリルアミド、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N-ヒドロキシエチルアクリルアミドなどが挙げられる。
【0064】
アミノ基含有モノマーとしては、具体的には、例えば、アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0065】
イミド基含有モノマーとしては、具体的には、例えば、シクロへキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド、N-シクロへキシルマレイミド、イタコンイミドなどが挙げられる。
【0066】
シラン系モノマーとしては、具体的には、例えば、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4-ビニルブチルトリメトキシシラン、4-ビニルブチルトリエトキシシラン、8-ビニルオクチルトリメトキシシラン、8-ビニルオクチルトリエトキシシラン、10-メタクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10-アクリロイルオキシデシルトリメトキシシラン、10-メタクリロイルオキシデシルトリエトキシシラン、10-アクリロイルオキシデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0067】
多官能モノマーとしては、具体的には、例えば、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2-エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物;アリル(メタ)アクリレート;ビニル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;エポキシアクリレート;ポリエステルアクリレート;ウレタンアクリレート;ブチルジ(メタ)アクリレート;ヘキシルジ(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
【0068】
<A-1-1-2.ポリマー成分(P)>
ポリマー成分(P)は、モノマー成分(m)の重合によって得られる。ポリマー成分(P)は、代表的には、アクリル系ポリマーである。ポリマー成分(P)は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0069】
ポリマー成分(P)を製造する方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な製造方法を採用し得る。このような製造方法としては、例えば、溶液重合、UV重合等の活性エネルギー線重合、塊状重合、乳化重合等の各種ラジカル重合などが挙げられる。重合条件としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な重合条件を採用し得る。
【0070】
得られるポリマー成分(P)の重合構造としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な重合構造を採用し得る。このような重合構造としては、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体などが挙げられる。
【0071】
ラジカル重合に用いられる重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤などの添加剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な添加剤を採用し得る。
【0072】
溶液重合などに用い得る重合溶媒としては、例えば、酢酸エチル、トルエンなどが挙げられる。重合溶媒は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0073】
溶液重合は、例えば、窒素などの不活性ガス気流下で、重合開始剤を加え、通常、50℃~70℃程度で、5時間~30時間程度の反応条件で行われる。
【0074】
溶液重合などに用い得る重合開始剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な熱重合開始剤を採用し得る。重合開始剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このような重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’-アゾビス[2-(5-メチル-2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチルアミジン)、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]ハイドレート(VA-057、和光純薬工業(株)製)などのアゾ系開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシピバレート、ジラウロイルパーオキシド、ジ-n-オクタノイルパーオキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(4-メチルベンゾイル)パーオキシド、ジベンゾイルパーオキシド、t-ブチルパーオキシイソブチレート、1,1-ジ(t-ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルハイドロパーオキシド、過酸化水素などの過酸化物系開始剤;過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムの組み合わせなどの過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤;などが挙げられる。
【0075】
重合開始剤の使用量は、効果的に重合反応を進行させ得る等の点で、モノマー成分(m)の全量100重量部に対して、好ましくは1重量部以下であり、より好ましくは0.005重量部~1重量部であり、さらに好ましくは0.01重量部~0.7重量部であり、特に好ましくは0.02重量部~0.5重量部である。
【0076】
連鎖移動剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な連鎖移動剤を採用し得る。連鎖移動剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このような連鎖移動剤としては、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2-メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグルコール酸2-エチルヘキシル、2,3-ジメルカプト-1-プロパノールなどが挙げられる。
【0077】
連鎖移動剤の使用量は、効果的に重合反応を進行させ得る等の点で、モノマー成分(m)の全量100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以下である。
【0078】
乳化剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な乳化剤を採用し得る。乳化剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このような乳化剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤;などが挙げられる。
【0079】
乳化剤の使用量は、重合安定性や機械的安定性の観点から、モノマー成分(m)の全量100重量部に対して、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは0.3重量部~5重量部であり、さらに好ましくは0.4重量部~3重量部であり、特に好ましくは0.5重量部~1重量部である。
【0080】
UV重合を行う場合には、好ましくは、光重合開始剤を使用する。
【0081】
光重合開始剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な光重合開始剤を採用し得る。光重合開始剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α-ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤などが挙げられる。
【0082】
ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン(市販品としては、例えば、商品名「イルガキュア651」、BASF社製)、アニソールメチルエーテルなどが挙げられる。
【0083】
アセトフェノン系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(市販品としては、例えば、商品名「イルガキュア184」、BASF社製)、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(市販品としては、例えば、商品名「イルガキュア2959」、BASF社製)、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(市販品としては、例えば、商品名「ダロキュア1173」、BASF社製)、メトキシアセトフェノンなどが挙げられる。
【0084】
α-ケトール系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、2-メチル-2-ヒドロキシプロピオフェノン、1-[4-(2-ヒドロキシエチル)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オンなどが挙げられる。
【0085】
芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、2-ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。
【0086】
光活性オキシム系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、1-フェニル-1,1-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)-オキシムなどが挙げられる。
【0087】
ベンゾイン系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾインなどが挙げられる。
【0088】
ベンジル系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンジルなどが挙げられる。
【0089】
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。
【0090】
ケタール系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
【0091】
チオキサントン系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。
【0092】
アシルフォスフィン系光重合開始剤としては、具体的には、例えば、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)(2,4,4-トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-n-ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-(2-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-(1-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-t-ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)オクチルホスフィンオキシド、ビス(2-メトキシベンゾイル)(2-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2-メトキシベンゾイル)(1-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジエトキシベンゾイル)(2-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジエトキシベンゾイル)(1-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジブトキシベンゾイル)(2-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4-ジメトキシベンゾイル)(2-メチルプロパン-1-イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)(2,4-ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2-フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2-フェニルエチルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2-フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2-フェニルエチルホスフィンオキシド、2,6-ジメトキシベンゾイルベンジルブチルホスフィンオキシド、2,6-ジメトキシベンゾイルベンジルオクチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,5-ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2-メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-4-メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,5-ジエチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,3,5,6-テトラメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,4-ジ-n-ブトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシド、2,6-ジメチトキシベンゾイル-2,4,6-トリメチルベンゾイル-n-ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,4-ジブトキシフェニルホスフィンオキシド、1,10-ビス[ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド]デカン、トリ(2-メチルベンゾイル)ホスフィンオキシドなどが挙げられる。
【0093】
光重合開始剤の使用量は、良好な重合性を発現させる等の観点から、モノマー成分(m)の全量100重量部に対して、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは0.01重量部~5重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部~3重量部であり、特に好ましくは0.05重量部~1.5重量部であり、最も好ましくは0.1重量部~1重量部である。
【0094】
UV重合を行う場合には、好ましくは、多官能(メタ)アクリレートを使用する。
【0095】
多官能(メタ)アクリレートとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な多官能(メタ)アクリレートを採用し得る。多官能(メタ)アクリレートは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。このような多官能(メタ)アクリレートとしては、具体的には、例えば、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2-エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,12-ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート等の多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物;アリル(メタ)アクリレート;ビニル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン;エポキシアクリレート;ポリエステルアクリレート;ウレタンアクリレート;ブチルジ(メタ)アクリレート;ヘキシルジ(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
【0096】
多官能(メタ)アクリレートの使用量は、良好な架橋性を発現させる等の観点から、モノマー成分(m)の全量100重量部に対して、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは0.01重量部~5重量部であり、さらに好ましくは0.05重量部~3重量部であり、特に好ましくは0.05重量部~1.5重量部であり、最も好ましくは0.1重量部~1重量部である。
【0097】
UV重合の方法は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なUV重合の方法を採用し得る。このようなUV重合の方法としては、例えば、モノマー成分(m)に、光重合開始剤、必要に応じて多官能(メタ)アクリレートを配合し、紫外線を照射する。
【0098】
ポリマー成分(P)の重量平均分子量は、本発明の両面粘着テープがより優れた耐衝撃性を発現し得る点で、好ましくは10万~300万であり、より好ましくは30万~200万であり、さらに好ましくは50万~150万であり、特に好ましくは50万~100万である。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算により算出された値をいう。なお、活性エネルギー線重合で得られたポリマー成分(P)については、重量平均分子量の測定が困難である場合がある。
【0099】
<A-1-1-3.粘着付与樹脂>
粘着剤組成物は、粘着付与樹脂を含有していてもよい。粘着付与樹脂は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0100】
粘着付与樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な粘着付与樹脂を採用し得る。このような粘着付与樹脂としては、例えば、フェノール系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、変性テルペン系粘着付与樹脂、ロジン系粘着付与樹脂、炭化水素系粘着付与樹脂、エポキシ系粘着付与樹脂、ポリアミド系粘着付与樹脂、エラストマー系粘着付与樹脂、ケトン系粘着付与樹脂などが挙げられる。
【0101】
フェノール系粘着付与樹脂としては、例えば、テルペンフェノール樹脂、水素添加テルペンフェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジンフェノール樹脂などが挙げられる。テルペンフェノール樹脂とは、テルペン残基およびフェノール残基を含むポリマーを指し、テルペン類とフェノール化合物との共重合体(テルペン-フェノール共重合体樹脂)と、テルペン類の単独重合体または共重合体をフェノール変性したもの(フェノール変性テルペン樹脂)との双方を包含する概念である。このようなテルペンフェノール樹脂を構成するテルペン類としては、例えば、α-ピネン、β-ピネン、リモネン(d体、l体およびd/l体(ジペンテン)を包含する)などのモノテルペン類などが挙げられる。水素添加テルペンフェノール樹脂とは、このようなテルペンフェノール樹脂を水素化した構造を有する水素添加テルペンフェノール樹脂をいい、水添テルペンフェノール樹脂と称されることもある。アルキルフェノール樹脂は、アルキルフェノールとホルムアルデヒドから得られる樹脂(油性フェノール樹脂)である。アルキルフェノール樹脂としては、例えば、ノボラックタイプおよびレゾールタイプが挙げられる。ロジンフェノール樹脂としては、例えば、ロジン類または各種ロジン誘導体(ロジンエステル類、不飽和脂肪酸変性ロジン類および不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類を包含する)のフェノール変性物などが挙げられる。ロジンフェノール樹脂としては、例えば、ロジン類または各種ロジン誘導体にフェノールを酸触媒で付加させ熱重合する方法等により得られるロジンフェノール樹脂などが挙げられる。
【0102】
テルペン系粘着付与樹脂としては、例えば、α-ピネン、β-ピネン、d-リモネン、l-リモネン、ジペンテンなどのテルペン類(典型的にはモノテルペン類)の重合体などが挙げられる。1種のテルペン類の単独重合体としては、例えば、α-ピネン重合体、β-ピネン重合体、ジペンテン重合体などが挙げられる。
【0103】
変性テルペン樹脂としては、例えば、スチレン変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂などが挙げられる。
【0104】
ロジン系粘着付与樹脂の概念には、ロジン類およびロジン誘導体樹脂の双方が包含される。ロジン類としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジンなどの未変性ロジン(生ロジン);これらの未変性ロジンを水素添加、不均化、重合等により変性した変性ロジン(水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、その他の化学的に修飾されたロジンなど);などが挙げられる。
【0105】
ロジン誘導体樹脂としては、例えば、未変性ロジンとアルコール類とのエステルである未変性ロジンエステル、変性ロジンとアルコール類とのエステルである変性ロジンエステルなどのロジンエステル類;ロジン類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジン類;ロジンエステル類を不飽和脂肪酸で変性した不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類;ロジン類やロジン誘導体樹脂(ロジンエステル類、不飽和脂肪酸変性ロジン類、不飽和脂肪酸変性ロジンエステル類など)のカルボキシ基を還元処理したロジンアルコール類;これらの金属塩;などが挙げられる。ロジンエステル類としては、例えば、未変性ロジンまたは変性ロジン(例えば、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジンなど)のメチルエステル、トリエチレングリコールエステル、グリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステルなどが挙げられる。
【0106】
炭化水素系粘着付与樹脂としては、例えば、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、脂肪族・芳香族系石油樹脂(スチレン-オレフィン系共重合体など)、脂肪族・脂環族系石油樹脂、水素添加炭化水素樹脂、クマロン系樹脂、クマロンインデン系樹脂などが挙げられる。
【0107】
粘着剤組成物中の粘着付与樹脂の含有割合は、上記の形態1の場合、ポリマー成分(P)100重量部に対して、好ましくは1重量部~50重量部であり、より好ましくは5重量部~30重量部であり、さらに好ましくは8重量部~25重量部であり、特に好ましくは10重量部~20重量部である。
【0108】
粘着剤組成物中の粘着付与樹脂の含有割合は、上記の形態2の場合、モノマー成分(m)の全量100重量部に対して、好ましくは1重量部~50重量部であり、より好ましくは5重量部~30重量部であり、さらに好ましくは8重量部~25重量部であり、特に好ましくは10重量部~20重量部である。
【0109】
粘着剤組成物中の粘着付与樹脂の含有割合は、上記の形態3の場合、ポリマー成分(P)とモノマー成分(m)の合計の全量100重量部に対して、好ましくは1重量部~50重量部であり、より好ましくは5重量部~30重量部であり、さらに好ましくは8重量部~25重量部であり、特に好ましくは10重量部~20重量部である。
【0110】
<A-1-1-4.架橋剤>
粘着剤組成物は、架橋剤を含有していてもよい。架橋剤は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。粘着剤組成物が架橋剤を含むことにより、本発明の両面粘着テープは、より優れた耐アルコール性を発現し得る。
【0111】
架橋剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な架橋剤を採用し得る。このような架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、非イソシアネート系架橋剤が挙げられる。
【0112】
イソシアネート系架橋剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切なイソシアネート系架橋剤を採用し得る。このようなイソシアネート系架橋剤としては、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ならびに、これらのジイソシアネートの二量体および三量体等が挙げられる。具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、ブタン-1,4-ジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等、ならびに、これらの二量体および三量体、ポリフェニルメタンポリイソシアネートが用いられる。また、上記三量体としては、イソシアヌレート型、ビューレット型、アロファネート型等が挙げられる。
【0113】
イソシアネート系架橋剤としては、市販品を用いてもよい。市販品のポリイソシアネートとしては、例えば、三井化学社製の商品名「タケネート600」、旭化成ケミカルズ社製の商品名「デュラネートTPA100」、日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートL」、「コロネートHL」、「コロネートHK」、「コロネートHX」、「コロネート2096」などが挙げられる。
【0114】
非イソシアネート系架橋剤としては、例えば、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属塩系架橋剤、シランカップリング剤などが挙げられる。
【0115】
好ましい一つの実施形態において、非イソシアネート系架橋剤としてエポキシ系架橋剤を採用することができる。エポキシ系架橋剤としては、好ましくは、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物が挙げられ、より好ましくは、1分子中に3~5個のエポキシ基を有するエポキシ系架橋剤が挙げられる。
【0116】
エポキシ系架橋剤の具体例としては、例えば、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルなどが挙げられる。エポキシ系架橋剤の市販品としては、例えば、三菱ガス化学社製の商品名「TETRAD-C」および商品名「TETRAD-X」、DIC社製の商品名「エピクロンCR-5L」、ナガセケムテックス社製の商品名「デナコールEX-512」、日産化学工業社製の商品名「TEPIC-G」などが挙げられる。
【0117】
粘着剤組成物中の架橋剤の含有割合は、上記の形態1の場合、ポリマー成分(P)100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~10重量部であり、より好ましくは0.1重量部~8重量部であり、さらに好ましくは0.5重量部~7重量部であり、特に好ましくは1.5重量部~5重量部である。粘着剤組成物中の架橋剤の含有割合が上記範囲内にあれば、より優れた耐衝撃性とより優れたリワーク性とより優れた耐アルコール性を両立して発現できる両面粘着テープを提供し得る。
【0118】
粘着剤組成物中の架橋剤の含有割合は、上記の形態2の場合、モノマー成分(m)の全量100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~10重量部であり、より好ましくは0.1重量部~8重量部であり、さらに好ましくは0.5重量部~7重量部であり、特に好ましくは1.5重量部~3重量部である。粘着剤組成物中の架橋剤の含有割合が上記範囲内にあれば、より優れた耐衝撃性とより優れたリワーク性とより優れた耐アルコール性を両立して発現できる両面粘着テープを提供し得る。
【0119】
粘着剤組成物中の架橋剤の含有割合は、上記の形態3の場合、ポリマー成分(P)とモノマー成分(m)の合計の全量100重量部に対して、好ましくは0.01重量部~10重量部であり、より好ましくは0.1重量部~8重量部であり、さらに好ましくは0.5重量部~7重量部であり、特に好ましくは1.5重量部~3重量部である。粘着剤組成物中の架橋剤の含有割合が上記範囲内にあれば、より優れた耐衝撃性とより優れたリワーク性とより優れた耐アルコール性を両立して発現できる両面粘着テープを提供し得る。
【0120】
粘着剤組成物中において、イソシアネート系架橋剤と非イソシアネート系架橋剤(例えば、エポキシ系架橋剤)とを併用してもよい。この場合、本発明の両面粘着テープがより優れた耐油性を発現し得る点で、粘着剤組成物中の非イソシアネート系架橋剤の含有割合は、粘着剤組成物中のイソシアネート系架橋剤の含有割合に対して、好ましくは1/50以下であり、より好ましくは1/75以下であり、さらに好ましくは1/100以下であり、特に好ましくは1/150以下である。また、本発明の両面粘着テープがより優れた耐油性を発現し得る点で、粘着剤組成物中の非イソシアネート系架橋剤の含有割合は、粘着剤組成物中のイソシアネート系架橋剤の含有割合に対して、好ましくは1/1000以上であり、より好ましくは1/500以上である。
【0121】
<A-2.基材層>
基材層は、1層でもよいし、2層以上でもよい。2層以上の場合は、各基材層は、全てが同じ組成の基材層であってもよいし、少なくとも1つが異なる組成の基材層であってもよい。
【0122】
基材層の厚みは、本発明の効果をより発現させ得る点で、好ましくは5μm~50μmであり、より好ましくは5μm~30μmであり、さらに好ましくは10μm~30μmである。
【0123】
基材層は、好ましくは、、樹脂材料を主成分とする樹脂フィルムからなる。
【0124】
なお、本明細書において、「主成分」と称するときは、最も配合割合の高い成分、典型的には、50重量%を超えて含まれる成分を意味する。
【0125】
樹脂フィルム中の樹脂材料の含有割合は、好ましくは50重量%を超えて100重量%以下であり、より好ましくは60重量%~100重量%であり、さらに好ましくは70重量%~100重量%であり、さらに好ましくは80重量%~100重量%であり、特に好ましくは90重量%~100重量%であり、最も好ましくは95重量%~100重量%である。
【0126】
なお、本明細書における「樹脂フィルム」とは、典型的には、実質的に非発泡の樹脂フィルムを指す。すなわち、本明細書における樹脂フィルムは、該樹脂フィルム内に気泡が実質的に存在しない(ボイドレスの)ものであり得る。したがって、本明細書における樹脂フィルムは、いわゆる発泡体フィルムとは区別される概念である。また、本明細書における樹脂フィルムは、典型的には、実質的に非多孔質のフィルムであって、いわゆる不織布や織布とは区別される概念である。本明細書における樹脂フィルムとしては、発泡体や不織布あるいは織布のような多孔質の層を含まない基材、すなわち、非多孔質の層からなる基材を好ましく採用し得る。樹脂フィルムは、一般に、発泡体や不織布、織布に比べて、引張強度等の機械的強度に優れる傾向がある。
【0127】
樹脂フィルムを構成する樹脂材料の例としては、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体等)、ポリ塩化ビニル系樹脂(典型的には、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂)、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂(エーテル系ポリウレタン、エステル系ポリウレタン、カーボネート系ポリウレタン等)、ウレタン(メタ)アクリレート系樹脂、熱可塑性エラストマー(オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、アクリル系エラストマー等)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、セロハン樹脂等のセルロース系樹脂、などが挙げられる。これらの樹脂材料は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。樹脂フィルムを構成する樹脂材料としては、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられ、より好ましくは、ポリオレフィン系樹脂またはポリウレタン系樹脂が挙げられ、さらに好ましくはポリウレタン系樹脂が挙げられる。すなわち、樹脂フィルムとしては、好ましくは、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ポリエステル系樹脂フィルムから選ばれる少なくとも1種が挙げられ、より好ましくは、ポリオレフィン系樹脂フィルムまたはポリウレタン系樹脂フィルムが挙げられ、さらに好ましくはポリウレタン系樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムが上記のものであれば、より優れた耐衝撃性とより優れたリワーク性とを両立して発現できる粘着テープを提供することができる。
【0128】
基材層の一つの好ましい実施形態は、ポリウレタン系樹脂を主成分として含むポリウレタン系樹脂フィルムである。ポリウレタン系樹脂フィルムは、典型的には、降伏点を実質的に示さない材料から構成される。ポリウレタン系樹脂フィルムはまた、例えば、可塑剤等の添加成分を添加しなくても良好な物性を実現し得るため、このような添加成分のブリードアウトを防止する点でも、ここに開示される技術において好ましい基材層となり得る。
【0129】
具体的には、ポリウレタン系樹脂フィルム全体中に含まれるポリウレタン系樹脂の含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは70重量%~100重量%であり、さらに好ましくは90重量%~100重量%であり、特に好ましくは95重量%~100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。樹脂フィルムが、全体として、ポリウレタン系樹脂を主成分として含むことにより、本発明の効果がより発現し得る。
【0130】
なお、本明細書において、「実質的に100重量%」と記載されている場合は、本発明の効果を損なわない範囲で、微量の不純物等が含まれていてもよいことを意味し、通常は「100重量%」と称してもよいものである。
【0131】
ポリウレタン系樹脂フィルムは、ポリウレタン系樹脂とその他の樹脂とのポリマーブレンドからなるフィルムであってもよい。上記その他の樹脂は、例えば、アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0132】
ポリウレタン系樹脂は、ポリオール(例えばジオール)とポリイソシアネート(例えばジイソシアネート)とを所定の割合で重付加反応させることにより合成される高分子化合物である。なお、ポリウレタンのNCO/OH比は、所望の機械的特性(例えば破断強度、破断時伸び、引張り回復率)となるよう、当業者の技術常識に基づき、適宜設定すればよい。
【0133】
ポリウレタン系樹脂の合成に用いられ得るポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のジオール;上記ジオールとジカルボン酸(例えばアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸)との重縮合物であるポリエステルポリオール;ポリアルキレンカーボネートジオール等のカーボネートジオール;などが挙げられる。これらは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0134】
ポリウレタン系樹脂の合成に用いられ得るポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族、脂環族のジイソシアネートや、これらのジイソシアネートの多量体(例えば2量体、3量体)等が挙げられる。上記ジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、ブタン-1,4-ジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4-ジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。これらは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。上記ジイソシアネートの中でも、本発明の効果をより発現させ得る点で、芳香族ジイソシアネートが好ましい。
【0135】
ポリウレタン系樹脂には、ポリオールおよびポリイソシアネートに加えて、他の共重合成分が導入されていてもよい。他の共重合成分としては、モノカルボン酸やジカルボン酸、三官能以上のポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、それらの誘導体などが挙げられる。他の共重合成分は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0136】
他の共重合成分の割合は、ポリウレタン系樹脂中の30重量%未満(例えば10重量%未満、典型的には5重量%未満)程度とすることが適当である。
【0137】
樹脂フィルムを構成する樹脂材料としてポリウレタン系樹脂を採用する場合、本発明の効果を十分に発現させ得る点で、該ポリウレタン系樹脂は、好ましくは、熱可塑性ポリウレタンを含む。熱可塑性ポリウレタンの種類は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
【0138】
上記の場合、ポリウレタン系樹脂中の熱可塑性ポリウレタンの含有割合は、好ましくは50重量%~100重量%であり、より好ましくは70重量%~100重量%であり、さらに好ましくは90重量%~100重量%であり、特に好ましくは95重量%~100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。樹脂フィルムが、全体として、熱可塑性ポリウレタンを主成分として含むことにより、本発明の効果がより発現し得る。
【0139】
熱可塑性ポリウレタンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な熱可塑性ポリウレタンを採用し得る。このような熱可塑性ポリウレタンとしては、一般的には、TPUと称されるものであり、ハードセグメントとソフトセグメントを含むブロック共重合体が挙げられる。このような熱可塑性ポリウレタンとしては、本発明の効果をより十分に発現させ得る点で、好ましくは、ポリエステル系TPU、ポリエーテル系TPU、ポリカーボネート系TPUからなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
【0140】
熱可塑性ポリウレタンとしては、市販品を採用してもよい。
【0141】
基材層は、必要に応じて、任意の適切な添加剤を含有し得る。基材層に含有され得る添加剤としては、例えば、離型剤、紫外線吸収剤、耐熱安定化剤、充填剤、滑剤、着色剤(染料など)、酸化防止剤、目ヤニ防止剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。これらは、1種のみであっても、2種以上であっても良い。基材層中の添加剤の含有割合は、好ましくは10重量%以下であり、より好ましくは7重量%以下であり、さらに好ましくは5重量%以下であり、特に好ましくは2重量%以下であり、最も好ましくは1重量%以下である。
【0142】
≪B.両面粘着テープの製造方法≫
本発明の両面粘着テープは、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法で製造することができる。このような方法としては、例えば、各粘着剤層を別途準備して、基材層に、任意の適切な方法によって貼り合わせる方法が挙げられる。本発明の両面粘着テープが、図1に示すような、基材層の両面側に粘着剤層を備える場合を例に挙げると、例えば、基材層の両面に2つの粘着剤層のそれぞれを貼り合わせる方法が挙げられる。貼り合わせには、例えば、ラミネータなどを用い得る。また、貼り合わせた後、必要に応じて、任意の適切な温度下で任意の適切な時間、エージングを行ってもよい。
【実施例
【0143】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。なお、実施例等における、試験および評価方法は以下のとおりである。なお、「部」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量部」を意味し、「%」と記載されている場合は、特記事項がない限り「重量%」を意味する。
【0144】
<重量平均分子量>
重量平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により得られた標準ポリスチレン換算の値から求めた。GPC装置としては、機種名「HLC-8320GPC」(カラム:TSKgelGMH-H(S)、東ソー社製)を用いた。
【0145】
<100%ひずみ時における力>
両面粘着シートをダンベル型打ち抜き刃(高分子計器株式会社製、品名:3号計ダンベル型)にて打ち抜き、剥離ライナーを除去したものを、測定サンプルとして作製した。測定サンプルの両端が、対称的かつ、ダンベル型に打ち抜かれた両面テープの引っ張り方向の長さが20mmになるように引張試験機(島津製作所社製の「精密万能試験機 オートグラフ AG-IS 50N」)にセットした。その後、速度50mm/minで測定サンプルを引っ張り、測定サンプルが100%伸長した時の応力(N)を記録した。次に下記式から100%ひずみ時における力を算出した。
(100%ひずみ時における力)=(100%伸長時の応力)/(測定サンプルの幅)
【0146】
<耐衝撃性>
剥離ライナーに挟まれた両面粘着テープを2mmの幅で外径24.5mm角の枠状に打ち抜き、評価サンプルとした。厚さ2mm、外形50mm×50mmの正方形の中央部に縦20mm×横20mmの穴の開いたステンレスプレートと正方形のステンレスプレート(外径25mm角、厚さ3mm)の間に評価サンプルを設置し、重力方向で均一に掛かるように圧着し(62N×10秒)、その後80℃下に30分間静置し、取り出し後、23℃へ戻し試験片とした。デュポン式衝撃試験機(株式会社東洋精機製作所製)の台座の上に、長さ50mm、外径49mm、内径43mmの円柱状の測定台を設置し、その上に試験片を、正方形のステンレスプレートを下側にして載せた。先端半径3.1mmのステンレス製の撃芯を試験片に載せ、落下おもり重量と落下高さを、100gにて50mm~500mmまで50mmずつ変化、150gにて350mm~500mmまで50mmずつ変化、200gにて400mm~500mmまで50mmずつ変化、300gにて350mm~500mmまで50mmずつ変化させ、剥がれが生じるまでエネルギーが増えていくようにした。この際に、評価済みであるエネルギーについては、試験を行わず、エネルギー量が重複しないように荷重と高さを設定した。その後、剥がれる前までのエネルギーを荷重×高さとして結果とした。なお実使用上、剥がれるまでのエネルギーが0.3J以上である必要がある。
【0147】
<耐アルコール性測定>
各実施例および比較例で得られる両面粘着テープの一方の粘着剤層面に厚さ50μmのPETフィルム(剥離処理なし)を貼付けて裏打ちした。この裏打ちされた粘着テープを、幅10mm、長さ100mmのサイズにカットして試料片を作製した。
2kgのローラを一往復させることにより、得られた試験片の粘着剤層面を、トルエンで洗浄したステンレス鋼板(SUS304BA板)(日本金属(株)製)に圧着し、測定サンプルを作製した。23℃、50%RHの環境下に30分間放置した後、引張試験機(島津製作所社製、「精密万能試験機、オートグラフ AG-IS 50N」)を使用して、JIS Z 0237:2000に準じて、引張速度300mm/分、剥離角度180度の条件で、剥離強度(N/10mm)を測定した。この値を浸漬前粘着力A0(N/10mm)とした。一方、上記と同様にして作製した測定サンプルを、23℃、50%RHの環境下に30分間放置した後、イソプロピルアルコール浴に浸漬し、40℃、90%RHの環境下に24時間保持した。その後、測定サンプルをイソプロピルアルコール浴から引き上げ、周囲に付着したイソプロピルアルコール溶液を軽く拭き取り、23℃、50%RHの環境下に30分間放置した後、上記浸漬前粘着力と同様にして、剥離強度A1(N/10mm)を測定した。この値を浸漬後粘着力とした。得られた測定値から、
粘着力維持率(%)=(浸漬後粘着力A1/浸漬前粘着力A0)×100
により粘着力維持率を算出し、以下ランク評価にて耐アルコール性を評価した。なお、実使用上、必要な粘着力維持率は75%以上である。
ランク1:粘着力維持率が50%未満
ランク2:粘着力維持率が50%以上、75%未満
ランク3:粘着力維持率が75%以上、85%未満
ランク4:粘着力維持率が85%以上、95%未満
ランク5:粘着力維持率が95%以上
【0148】
<リワーク性>
両側に剥離ライナーに挟まれた各実施例および比較例で得られる両面粘着テープを、幅10mm、長さ50mmのサイズにカットして試験片を作製した。
試験片の片方の剥離ライナーを剥がし、粘着剤層面を、トルエンで洗浄したステンレス鋼板(SUS304BA板)(日本金属(株)製)に2kgのローラを一往復させることにより圧着し、50℃で24時間、加温保存を行った。その後、もう一方の剥離ライナーを剥がし、ステンレス鋼板から短辺側の端部を剥がし、そのまま、被着体に対して30°の角度で引っ張って、リワーク性を確認した。リワーク性は以下の判断基準で評価した。なお、実使用上必要なリワーク性は以下判断基準における3以上である。
ランク1:テープが千切れてしまい、剥離できない
ランク2:0.5m/min未満の速度で引っ張ることでテープが千切れず剥離可能
ランク3:0.5m/min以上、1.0m/min未満の速度で引っ張ることでテープが千切れず剥離可能
ランク4:1.0m/min以上、5.0m/min未満の速度で引っ張ることでテープが千切れず剥離可能
ランク5:5.0m/min以上の速度で引っ張っても剥離可能
【0149】
〔製造例1〕:粘着剤層(1)の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた反応容器に、モノマー成分としてのブチルアクリレート(BA):95部およびアクリル酸(AA):5部と、重合溶媒としての酢酸エチル:233部とを仕込み、窒素ガスを導入しながら2時間撹拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル:0.2部を加え、60℃で8時間溶液重合して、アクリル系ポリマーの溶液を得た。このアクリル系ポリマーの重量平均分子量は70万であった。
得られたアクリル系ポリマー溶液に、該溶液に含まれるアクリル系ポリマー:100部に対して、粘着付与樹脂としてテルペンフェノール樹脂(商品名「YSポリスターT-115」、軟化点約115℃、水酸基価30~60mgKOH/g、ヤスハラケミカル社製):20部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の75%酢酸エチル溶液、東ソー社製):3部、エポキシ系架橋剤(商品名「TETRAD-C」、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン、三菱瓦斯化学社製):0.02部、および黒顔料として、商品名「ATDN101ブラック」(大日精化工業株式会社製):6部を加え、攪拌混合して、粘着剤組成物(1)を調製した。
厚さ38μmのポリエステル製剥離ライナー(商品名「ダイアホイルMRF」、三菱ポリエステル社製)の剥離面に粘着剤組成物(1)を塗布し、100℃で2分間乾燥させて、厚さ97.5μmの粘着剤層(1)を形成した。
【0150】
〔製造例2〕:粘着剤層(2)の製造
イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の75%酢酸エチル溶液、東ソー社製)の使用量を5部に変更し、最終的な粘着剤層の厚さが92.5μmとなるようにした以外は、実施例1と同様に行い、厚さ92.5μmの粘着剤層(2)を形成した。
【0151】
〔製造例3〕:粘着剤層(3)の製造
イソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の75%酢酸エチル溶液、東ソー社製)の使用量を5部に変更し、最終的な粘着剤層の厚さが87.5μmとなるようにした以外は、実施例1と同様に行い、厚さ87.5μmの粘着剤層(3)を形成した。
【0152】
〔製造例4〕:粘着剤層(4)の製造
最終的な粘着剤層の厚さが80.0μmとなるようにした以外は、実施例1と同様に行い、厚さ80.0μmの粘着剤層(4)を形成した。
【0153】
〔製造例5〕:粘着剤層(5)の製造
最終的な粘着剤層の厚さが85.0μmとなるようにした以外は、実施例1と同様に行い、厚さ85.0μmの粘着剤層(5)を形成した。
【0154】
〔製造例6〕:粘着剤層(6)の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた反応容器に、モノマー成分としてのブチルアクリレート(BA):93部およびアクリル酸(AA):7部と、重合溶媒としての酢酸エチル:233部とを仕込み、窒素ガスを導入しながら2時間撹拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル:0.2部を加え、60℃で8時間溶液重合して、アクリル系ポリマーの溶液を得た。このアクリル系ポリマーの重量平均分子量は140万であった。
得られたアクリル系ポリマー溶液に、該溶液に含まれるアクリル系ポリマー:100部に対して、粘着付与樹脂としてテルペンフェノール樹脂(商品名「YSポリスターT-115」、軟化点約115℃、水酸基価30~60mgKOH/g、ヤスハラケミカル社製):20部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の75%酢酸エチル溶液、東ソー社製):3部、エポキシ系架橋剤(商品名「TETRAD-C」、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン、三菱瓦斯化学社製):0.02部、および黒顔料として、商品名「ATDN101ブラック」(大日精化工業株式会社製):6部を加え、攪拌混合して、粘着剤組成物(6)を調製した。
厚さ38μmのポリエステル製剥離ライナー(商品名「ダイアホイルMRF」、三菱ポリエステル社製)の剥離面に粘着剤組成物(6)を塗布し、100℃で2分間乾燥させて、厚さ87.5μmの粘着剤層(6)を形成した。
【0155】
〔製造例7〕:粘着剤層(7)の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた反応容器に、モノマー成分としてのブチルアクリレート(BA):97部およびアクリル酸(AA):3部と、重合溶媒としての酢酸エチル:233部とを仕込み、窒素ガスを導入しながら2時間撹拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル:0.2部を加え、60℃で8時間溶液重合して、アクリル系ポリマーの溶液を得た。このアクリル系ポリマーの重量平均分子量は60万であった。
得られたアクリル系ポリマー溶液に、該溶液に含まれるアクリル系ポリマー:100部に対して、粘着付与樹脂としてテルペンフェノール樹脂(商品名「YSポリスターT-115」、軟化点約115℃、水酸基価30~60mgKOH/g、ヤスハラケミカル社製):20部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の75%酢酸エチル溶液、東ソー社製):3部、エポキシ系架橋剤(商品名「TETRAD-C」、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン、三菱瓦斯化学社製):0.02部、および黒顔料として、商品名「ATDN101ブラック」(大日精化工業株式会社製):6部を加え、攪拌混合して、粘着剤組成物(7)を調製した。
厚さ38μmのポリエステル製剥離ライナー(商品名「ダイアホイルMRF」、三菱ポリエステル社製)の剥離面に粘着剤組成物(7)を塗布し、100℃で2分間乾燥させて、厚さ87.5μmの粘着剤層(7)を形成した。
【0156】
〔製造例8〕:粘着剤層(8)の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた反応容器に、モノマー成分としてのブチルアクリレート(BA):93部、アクリル酸(AA):7部、および4-ヒドロキシブチルアクリレート(4HBA):0.05部と、重合溶媒としての酢酸エチル:233部とを仕込み、窒素ガスを導入しながら2時間撹拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル:0.1部を加え、60℃で8時間溶液重合して、アクリル系ポリマーの溶液を得た。このアクリル系ポリマーの重量平均分子量は60万であった。
得られたアクリル系ポリマー溶液に、該溶液に含まれるアクリル系ポリマー:100部に対して、粘着付与樹脂としてテルペンフェノール樹脂(商品名「YSポリスターT-115」、軟化点約115℃、水酸基価30~60mgKOH/g、ヤスハラケミカル社製):20部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の75%酢酸エチル溶液、東ソー社製):2部、エポキシ系架橋剤(商品名「TETRAD-C」、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン、三菱瓦斯化学社製):0.02部、および黒顔料として、商品名「ATDN101ブラック」(大日精化工業株式会社製):6部を加え、攪拌混合して、粘着剤組成物(8)を調製した。
厚さ38μmのポリエステル製剥離ライナー(商品名「ダイアホイルMRF」、三菱ポリエステル社製)の剥離面に粘着剤組成物(8)を塗布し、100℃で2分間乾燥させて、厚さ87.5μmの粘着剤層(8)を形成した。
【0157】
〔製造例9〕:粘着剤層(9)の製造
最終的な粘着剤層の厚さが100.0μmとなるようにした以外は、実施例1と同様に行い、厚さ100.0μmの粘着剤層(9)を形成した。
【0158】
〔製造例10〕:粘着剤層(10)の製造
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流冷却器および滴下ロートを備えた反応容器に、モノマー成分としてのブチルアクリレート(BA):90部およびアクリル酸(AA):10部と、重合溶媒としての酢酸エチル:350部とを仕込み、窒素ガスを導入しながら2時間撹拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、重合開始剤として2,2’-アゾビスイソブチロニトリル:0.2部を加え、60℃で8時間溶液重合して、アクリル系ポリマーの溶液を得た。このアクリル系ポリマーの重量平均分子量は60万であった。
得られたアクリル系ポリマー溶液に、該溶液に含まれるアクリル系ポリマー:100部に対して、粘着付与樹脂としてテルペンフェノール樹脂(商品名「YSポリスターT-115」、軟化点約115℃、水酸基価30~60mgKOH/g、ヤスハラケミカル社製):20部と、架橋剤としてイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物の75%酢酸エチル溶液、東ソー社製):3部、エポキシ系架橋剤(商品名「TETRAD-C」、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロへキサン、三菱瓦斯化学社製):0.02部、および黒顔料として、商品名「ATDN101ブラック」(大日精化工業株式会社製):6部を加え、攪拌混合して、粘着剤組成物(10)を調製した。
厚さ38μmのポリエステル製剥離ライナー(商品名「ダイアホイルMRF」、三菱ポリエステル社製)の剥離面に粘着剤組成物(10)を塗布し、100℃で2分間乾燥させて、厚さ87.5μmの粘着剤層(10)を形成した。
【0159】
〔製造例11〕:粘着剤層(11)の製造
最終的な粘着剤層の厚さが12.5μmとなるようにした以外は、実施例1と同様に行い、厚さ12.5μmの粘着剤層(11)を形成した。
【0160】
〔製造例12〕:粘着剤層(12)の製造
最終的な粘着剤層の厚さが65.0μmとなるようにした以外は、実施例1と同様に行い、厚さ65.0μmの粘着剤層(12)を形成した。
【0161】
〔実施例1〕
基材層(1)としてのポリエステル系ポリウレタン樹脂フィルム(大倉工業(株)製、商品名「シルクロン NES85」、厚み=10μm)の両面に、製造例1で得られた粘着剤層(1)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(1)(構成:粘着剤層(1)/基材層(1)/粘着剤層(1))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0162】
〔実施例2〕
基材層(2)としてのポリエステル系ポリウレタン樹脂フィルム(大倉工業(株)製、商品名「シルクロン NES85」、厚み=15μm)の両面に、製造例2で得られた粘着剤層(2)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(2)(構成:粘着剤層(2)/基材層(2)/粘着剤層(2))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0163】
〔実施例3〕
基材層(3)としてのポリエステル系ポリウレタン樹脂フィルム(大倉工業(株)製、商品名「シルクロン NES85」、厚み=25μm)の両面に、製造例3で得られた粘着剤層(3)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(3)(構成:粘着剤層(3)/基材層(3)/粘着剤層(3))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0164】
〔実施例4〕
基材層(4)としてのポリエステル系ポリウレタン樹脂フィルム(大倉工業(株)製、商品名「シルクロン NES85」、厚み=40μm)の両面に、製造例4で得られた粘着剤層(4)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(4)(構成:粘着剤層(4)/基材層(4)/粘着剤層(4))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0165】
〔実施例5〕
基材層(5)としてのポリカーボネート系ポリウレタン樹脂フィルム(日本マタイ(株)製、商品名「エスマーURS PX90」、厚み=30μm)の両面に、製造例5で得られた粘着剤層(5)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(5)(構成:粘着剤層(5)/基材層(5)/粘着剤層(5))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0166】
〔実施例6〕
基材層(6)としてのポリエーテル系ポリウレタン樹脂フィルム(日本マタイ(株)製、商品名「エスマーURS ET-B」、厚み=30μm)の両面に、製造例5で得られた粘着剤層(5)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(6)(構成:粘着剤層(5)/基材層(6)/粘着剤層(5)を得た。
評価結果を表1に示した。
【0167】
〔実施例7〕
基材層(3)としてのポリエステル系ポリウレタン樹脂フィルム(大倉工業(株)製、商品名「シルクロン NES85」、厚み=25μm)の両面に、製造例6で得られた粘着剤層(6)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(7)(構成:粘着剤層(6)/基材層(3)/粘着剤層(6))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0168】
〔実施例8〕
基材層(3)としてのポリエステル系ポリウレタン樹脂フィルム(大倉工業(株)製、商品名「シルクロン NES85」、厚み=25μm)の両面に、製造例7で得られた粘着剤層(7)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(8)(構成:粘着剤層(7)/基材層(3)/粘着剤層(7))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0169】
〔実施例9〕
基材層(3)としてのポリエステル系ポリウレタン樹脂フィルム(大倉工業(株)製、商品名「シルクロン NES85」、厚み=25μm)の両面に、製造例8で得られた粘着剤層(8)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(9)(構成:粘着剤層(8)/基材層(3)/粘着剤層(8))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0170】
〔比較例1〕
製造例9で得られた粘着剤層(9)の剥離ライナーが設けられていない粘着剤層面同士を2枚貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(C1)(構成:粘着剤層(9)/粘着剤層(9))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0171】
〔比較例2〕
基材層(3)としてのポリエステル系ポリウレタン樹脂フィルム(大倉工業(株)製、商品名「シルクロン NES85」、厚み=25μm)の両面に、製造例10で得られた粘着剤層(10)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(C2)(構成:粘着剤層(10)/基材層(3)/粘着剤層(10))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0172】
〔比較例3〕
基材層(3)としてのポリエステル系ポリウレタン樹脂フィルム(大倉工業(株)製、商品名「シルクロン NES85」、厚み=25μm)の両面に、製造例11で得られた粘着剤層(11)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(C3)(構成:粘着剤層(11)/基材層(3)/粘着剤層(11))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0173】
〔比較例4〕
基材層(C4)としてのポリエステル系ポリウレタン樹脂フィルム(大倉工業(株)製、商品名「シルクロン NES85」、厚み=70μm)の両面に、製造例12で得られた粘着剤層(12)の剥離ライナーが設けられていない側を貼り合わせた。得られた構造体を室温にてラミネータ(0.3MPa、速度0.5m/分)に1回通過させた後、50℃のオーブン中で1日間エージングした。その後、剥離ライナーを剥がした。このようにして、表1に示すように、総厚みが200μmの両面粘着テープ(C4)(構成:粘着剤層(12)/基材層(C4)/粘着剤層(12))を得た。
評価結果を表1に示した。
【0174】
【表1】
【産業上の利用可能性】
【0175】
本発明の両面粘着テープは、モバイル機器内部などに好適に使用し得る。代表的には、本発明の両面粘着テープは、電子機器部材の固定に用いられる。
【符号の説明】
【0176】
両面粘着テープ 100
基材層 10
粘着剤層 20a
粘着剤層 20b


図1