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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】販売データ処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20231121BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G07G1/12 321P
G07G1/01 301E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019232266
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021099760
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 慶一
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-165076(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の購入金額と現金での支払金額とから釣銭額を算出する釣銭算出手段と、
算出した前記釣銭額を記憶媒体に記憶するか前記釣銭額より低額の端数金額を前記記憶媒体に記憶するかを選択可能に表示する表示手段と、
前記表示された前記釣銭額と前記端数金額のいずれを記憶するかが選択されたかを判断する選択手段と、
前記記憶媒体に記憶されている情報を受信する受信手段と、
前記釣銭額が選択された場合には前記釣銭額の金銭的価値を前記記憶媒体にチャージし、前記端数金額が選択された場合には、前記受信手段が受信した、前記記憶媒体にチャージする金額の区分の情報に応じた前記端数金額の金銭的価値を前記記憶媒体にチャージするチャージ手段と、
を備えた販売データ処理装置。
【請求項2】
前記表示手段は、前記端数金額が選択された場合に、前記釣銭額から前記端数金額を減算した残りの釣銭額を現金の釣銭として表示する、
請求項に記載の販売データ処理装置。
【請求項3】
前記支払金額が前記購入金額より多いかを判断する大小判断手段、をさらに備え、
前記釣銭算出手段は、前記支払金額が前記購入金額より多いと判断した場合に前記釣銭額を算出する、
請求項1に記載の販売データ処理装置。
【請求項4】
販売データ処理装置としてのコンピュータを、
商品の購入金額と現金での支払金額とから釣銭額を算出する釣銭算出手段と、
算出した前記釣銭額を記憶媒体に記憶するか前記釣銭額より低額の端数金額を前記記憶媒体に記憶するかを選択可能に表示する表示手段と、
前記表示された前記釣銭額と前記端数金額のいずれを記憶するかが選択されたかを判断する選択手段と、
前記記憶媒体に記憶されている情報を受信する受信手段と、
前記釣銭額が選択された場合には前記釣銭額の金銭的価値を前記記憶媒体にチャージし、前記端数金額が選択された場合には、前記受信手段が受信した、前記記憶媒体にチャージする金額の区分の情報に応じた前記端数金額の金銭的価値を前記記憶媒体にチャージするチャージ手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売データ処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店舗において、釣銭が発生した場合に、当該釣銭額に相当する金銭的価値を記憶媒体に記憶することが知られている。具体的には、釣銭全額か、予め決められた端数(例えば硬貨の金額)について、釣銭が記憶媒体に記憶される。
【0003】
しかしながら、記憶できる金額を商品購入の都度選択することはできなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、記憶媒体に記憶させる金額が釣銭全額か釣銭の一部金額かを都度選択することが可能な販売データ処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の販売データ処理装置は、商品の購入金額と現金での支払金額とから釣銭額を算出する釣銭算出手段と、算出した前記釣銭額を記憶媒体に記憶するか前記釣銭額より低額の端数金額を前記記憶媒体に記憶するかを選択可能に表示する表示手段と、前記表示された前記釣銭額と前記端数金額のいずれを記憶するかが選択されたかを判断する選択手段と、前記記憶媒体に記憶されている情報を受信する受信手段と、前記釣銭額が選択された場合には前記釣銭額の金銭的価値を前記記憶媒体にチャージし、前記端数金額が選択された場合には、前記受信手段が受信した、前記記憶媒体にチャージする金額の区分の情報に応じた前記端数金額の金銭的価値を前記記憶媒体にチャージするチャージ手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に係るPOS端末の外観をオペレータ側から見た斜視図である。
図2図2は、POS端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3は、POS端末の機能構成を示す機能ブロック図である。
図4図4は、POS端末の制御処理の流れを示すフローチャートである。
図5図5は、POS端末の表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、POS端末の釣銭のチャージ選択画面を示す図である。
図7図7は、POS端末の釣銭額の選択画面を示す図である。
図8図8は、POS端末の釣銭を全額チャージしたことを示す画面の一例を示す図である。
図9図9は、POS端末の釣銭の端数金額をチャージしたことを示す他の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態について詳細に説明する。実施形態では、POS(Point of Sales)端末を販売データ処理装置の一例として説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0008】
POS端末1は、店舗内に1台または複数台設置される。POS端末1は、顧客との取引において、顧客が購入する商品の売上登録処理および決済処理を実行する。POS端末1は、取引において販売される商品に付されたバーコード等のシンボルの画像を撮像して対応する商品を特定する商品コードを取得する。売上登録処理とは、POS端末1が、取得した商品コードに基づいて読み出した、当該商品の商品情報(商品名、価格等)に基づいて、当該商品の商品名や価格を表示するとともに、当該商品情報を商品情報部131(図2を参照)等に記憶する処理をいう。なお、POS端末1は、商品に付されたシンボルの画像を光学的に読み取って、対応する商品コードを取得するようにしてもよい。
【0009】
また、決済処理とは、売上登録処理によってRAM等に記憶された商品情報等に基づいて、当該取引に係る合計金額の表示、顧客から預かった支払金額に基づいて釣銭を計算して表示する処理、釣銭の支払いを釣銭機に指示する処理をいう。また、決済処理は、売上登録処理した商品情報や決済情報(合計金額、預り金額、釣銭額等)を印字したレシートを発行する処理を含む。
【0010】
POS端末1は、決済処理した商品の商品情報や決済情報を、通信回線L(図2を参照)を介して図示しないサーバに送信する。また、POS端末1は、所定期間(例えば一日)の売上を精算した精算情報を、通信回線Lを介してサーバに送信する。
【0011】
サーバは、各POS端末1から受信した商品情報、決済情報、精算情報等を、集中的に管理する。すなわち、サーバは、一店舗での売上管理等を行う。また、サーバは、最新の商品マスタ142(図2を参照)に係る情報を各POS端末1に送信する。
【0012】
図1は、実施形態にかかるPOS端末1を、オペレータ側から見た斜視図である。POS端末1は、本体4と金銭収納箱5とを有する。金銭収納箱5は、硬貨や紙幣の金銭を収納するドロワを有し、顧客から預かった金銭や商品券等の有価証券類、および顧客に手渡す釣銭等を収納している。
【0013】
本体4は、操作部21、オペレータ用表示部22、客用表示部23、印字部24、カードリーダライタ25、コードリーダ27等を備えている。操作部21は数字を入力する置数キー等のキーを備えたキーボードである。オペレータ用表示部22は、液晶表示器等で構成され、POS端末1を操作するオペレータに商品情報、決済情報等を表示する。客用表示部23は、液晶表示器等で構成され、商品を購入する顧客に商品情報、決済情報等を表示する。
【0014】
印字部24は、本体4内に収納されたロール状のレシート用紙を引き出して、例えば熱転写型の印字ヘッドを備えたサーマルプリンタ等であって、商品情報、決済情報等を印字し、レシートとして発行する。
【0015】
カードリーダライタ25は、カード載置部25aを備え、カード載置部25aに接触あるいは翳した記憶媒体の一例であるカードCから非接触状態でカードCに記憶されている情報を読み取る。カードは、例えばICカードや電子マネー等である。カードリーダライタ25は、カード載置部25aに接触したあるいは翳したカードCとNFC(Near Field Communication)技術を使用して非接触状態で通信を行い、カードCに記憶されている情報を電気的に読み取る。またカードCに対して情報を電気的に書き込む。カードCに記憶されている情報は、例えば商品を購入できる金銭に係る金銭的価値である。また、カードリーダライタ25は、カード載置部25aに接触あるいは翳したカードCに対し、金銭的価値をチャージ(カードに記憶されている金銭的価値に新たな金銭的価値を追加的に記憶)する。
【0016】
コードリーダ27は、例えばハンディタイプのコードリーダである。コードリーダ27は、例えば可視光線を使用して商品に付されたシンボルを撮像して読み取る。なお、コードリーダ27は、光学スキャナを用いてシンボルを読み取るようにしてもよい。
【0017】
続いて、POS端末1のハードウェア構成について説明する。図2は、POS端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。図2に示すように、POS端末1は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、メモリ部14等を備えている。CPU11は制御主体となる。ROM12は各種プログラムを記憶する。RAM13はプログラムや各種データを展開する。メモリ部14は各種プログラムを記憶する。CPU11、ROM12、RAM13、メモリ部14は、互いにバス15を介して接続されている。CPU11とROM12とRAM13が、制御部100を構成する。すなわち、制御部100は、CPU11がROM12やメモリ部14に記憶されRAM13に展開された制御プログラムに従って動作することによって、後述するPOS端末1に係る制御処理を実行する。
【0018】
RAM13は、商品情報部131を備える。商品情報部131は、コードリーダ27で読み取ったシンボルを解析して取得した商品コードに基づいて売上登録処理された商品の商品情報(商品名、商品の価格等)および税込の合計金額(購入金額)を記憶する。
【0019】
メモリ部14は、電源を切っても記憶情報が保持されるHDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成される。メモリ部14は、制御プログラム部141、商品マスタ142を備える。制御プログラム部141は、POS端末1を制御するための制御プログラムを記憶する。商品マスタ142は、商品毎に当該商品に係る商品情報(商品名、単価、等)を記憶する。
【0020】
また、制御部100は、バス15およびコントローラ16を介して、操作部21、オペレータ用表示部22、客用表示部23、印字部24、カードリーダライタ25、コードリーダ27と接続している。コントローラ16は、制御部100からの指示を受けて、操作部21、オペレータ用表示部22、客用表示部23、印字部24、カードリーダライタ25、コードリーダ27を制御する。以下では、説明の都合上、コントローラ16が行う制御を制御部100が行うとして説明する。
【0021】
操作部21は、決済キー211、全額キー212、端数キー213、はいキー214、いいえキー215を備える。決済キー211は、顧客との取引において、決済を開始する際に操作する。全額キー212は、釣銭の全額をカードCにチャージする場合に操作する。端数キー213は、釣銭額のうち、所定の端数金額をカードCにチャージする場合に操作する。所定の端数金額とは、釣銭額より少ない金額であって、例えば、硬貨の金額(999円以下)、100円未満の金額(99円以下)、10円未満の金額(9円以下)等をいう。釣銭としての硬貨の取り扱いをなくす場合は、チャージする金額の区分として硬貨分をチャージする区分を予めカードCに設定する。この場合、釣銭額のうち999円以下の金額はカードCにチャージされ、1000円以上の紙幣のみが釣銭として支払われる。また、釣銭として100円未満の硬貨の取り扱いをなくす場合は、チャージする金額の区分として99円以下の金額をチャージする区分を予めカードCに設定する。この場合、釣銭額のうち99円以下の金額はカードCにチャージされ、100円以上の紙幣と硬貨が釣銭として支払われる。また、釣銭として10円未満の硬貨の取り扱いをなくす場合は、チャージする金額の区分として9円以下の金額をチャージする区分を予めカードCに設定する。この場合、釣銭額のうち9円以下の金額は記憶媒体にチャージされ、10円以上の紙幣と硬貨が釣銭として支払われる。端数金額は、顧客が保有するカードC内に予め記憶されており、カードリーダライタ25が接触あるいは翳したカードCから読み取る。すなわち、チャージする端数金額を示す区分の情報は、顧客単位でカードCに予め記憶する。
【0022】
なお、チャージする端数金額を予めPOS端末1に記憶しておき、すべての顧客に対して同じ単位の端数金額をチャージするようにもできる。例えば、すべての顧客に対して、釣銭のうちの硬貨分の金額をチャージするような区分を、予めPOS端末に設定してもよい。
【0023】
はいキー214は、釣銭をカードCにチャージする場合に操作する。いいえキー215は、釣銭をカードCにチャージしない場合(すなわち、釣銭の全額を現金でもらう場合)に操作する。
【0024】
ここからは、POS端末1の機能構成について説明する。図3は、POS端末1の機能構成を示す機能ブロック図である。制御部100は、ROM12やメモリ部14の制御プログラム部141に記憶された制御プログラムに従うことで、売上登録手段101、大小判断手段102、釣銭算出手段103、表示手段104、選択手段105、チャージ手段106として機能する。
【0025】
売上登録手段101は、販売する商品について売上登録処理を行う。
【0026】
大小判断手段102は、支払金額が前記購入金額より多いかを判断する。具体的には、大小判断手段102は、入力された支払金額と売上登録処理された商品の合計金額(税込金額)である購入金額とを比較し、支払金額が購入金額より多いかを判断する。
【0027】
釣銭算出手段103は、商品の購入金額と現金での支払金額とから、当該取引に係る釣銭額を算出する。具体的には、釣銭算出手段103は、大小判断手段102が、支払金額が購入金額より多いと判断した場合に、支払金額と購入金額の差額を算出する。すなわち、釣銭算出手段103は、支払金額から購入金額を減算して差額を算出する。釣銭算出手段103は、大小判断手段102が、支払金額が購入金額より多くないと判断した場合には、支払金額と購入金額の差額を算出しない。
【0028】
表示手段104は、算出した釣銭額以下の金額であってカードCに記憶する複数種類の金額をオペレータ用表示部22に選択可能に表示する。具体的には、表示手段104は、全額キーの画像と端数キーの画像をオペレータ用表示部22に表示する。全額キーの画像には、釣銭算出手段103が算出した釣銭額(金額)が表示される。端数キーの画像には、釣銭算出手段103が算出した釣銭額のうち、所定の端数金額が表示される。
【0029】
選択手段105は、表示された複数の釣銭額のいずれが選択されたかを判断する。具体的には、選択手段105は、全額キー212および端数キー213のいずれのキーが操作されたかを判断する。全額キーの画像上には全額キー212が設けられる。また、端数キーの画像上には端数キー213が表示される。すなわち、操作者が全額キーの画像上の全額キー212をタッチすることで、全額キー212が選択されて操作される。また、操作者が端数キーの画像上の端数キー213をタッチすることで端数キー213が選択されて操作される。
【0030】
なお、説明を簡略化するために、以降、オペレータ用表示部22に全額キーの画像が表示されることを全額キー212が表示される、端数キーの画像が表示されることを端数キー213が表示される、と説明する。また、全額キー212に釣銭額が表示される、端数キー213に端数金額が表示される、と説明する。
【0031】
また、表示手段104は、端数金額が選択された場合に、釣銭額から端数金額を減算した残りの釣銭額を現金の釣銭として表示する。具体的には、表示手段104は、端数キー213が選択された場合に、釣銭額から端数キー213に表示された端数金額を減算した残りの釣銭額を表示する。
【0032】
チャージ手段106は、選択が判断された釣銭額に係る金銭的価値をカードCにチャージする。具体的には、チャージ手段106は、選択手段105が全額キー212が操作されたと判断した場合には、釣銭算出手段103が算出した釣銭額に相当する金銭的価値をカードCに記憶する。また、チャージ手段106は、選択手段105が端数キー213が操作されたと判断した場合には、釣銭算出手段103が算出した釣銭額のうち、所定の端数に相当する金銭的価値をカードCに記憶する。実施形態では、チャージ手段106は、釣銭額のうち硬貨分の釣銭額に相当する金銭的価値をカードCに記憶する。
【0033】
ここからは、POS端末1の制御について説明する。図4は、POS端末1の制御処理の流れを示すフローチャートである。図4に示すように、POS端末1の制御部100は、商品に付されているバーコード等のシンボルをコードリーダ27が読み取ったかを判断する(S11)。コードリーダ27がシンボルを読み取ったと判断した場合には(S11のYes)、制御部100は、読み取ったシンボルに基づいて当該商品を特定する商品コードを取得する(S12)。そして売上登録手段101は、取得した商品コードに基づいて、当該商品について売上登録処理を行う(S13)。そして制御部100は、売上登録処理した商品の商品情報をオペレータ用表示部22に表示する(S14)。同じ情報を客用表示部23にも表示する。そして制御部100は、S11に戻る。
【0034】
図5に、S23において制御部100がオペレータ用表示部22に表示した画面の一例を示す。図5において、画面M1には、売上登録処理した商品の商品情報を表示する商品情報M11と、売上登録処理した商品の税込の合計金額(購入金額)を表示する購入金額M12が表示される。図5の例では、商品情報M11には、売上登録処理した商品A、商品B、商品Cに係る商品情報(商品名、金額)が表示される。また、購入金額M12には、商品A、商品B、商品Cの税込の合計金額(購入金額)が表示される。
【0035】
図4の説明に戻る。また、シンボルを読み取っていないと判断した場合には(S11のNo)、制御部100は、決済キー211が操作されたかを判断する(S21)。決済キー211が操作されたと判断した場合には(S21のYes)、制御部100はS22~S41の決済処理を実行する。すなわち、制御部100は、支払金額が入力されたかを判断する(S22)。支払金額は、例えば、顧客から渡された現金や釣銭が出せる商品券等の金額を操作部21から置数して入力する方法、顧客から渡された現金を釣銭機に投入し、釣銭機から投入金額に応じて入力される方法、等がある。
【0036】
支払金額が入力されるまで待機し(S22のNo)、支払金額が入力されたと判断した場合には(S22のYes)、大小判断手段102は、入力された支払金額と、売上登録処理され商品情報部131に記憶された購入金額とを比較し、支払金額が購入金額より多いかを判断する(S23)。支払金額が購入金額より多いと判断した場合には(S23のYes)、釣銭算出手段103は、商品の購入金額と現金での支払金額とから、当該取引に係る釣銭額を算出する(S24)。すなわち、釣銭算出手段103は、支払金額から購入金額を減算して差額を算出する。次に制御部100は、オペレータ用表示部22に、釣銭をカードCにチャージするかの確認画面を表示する(S25)。
【0037】
図6に、S25において制御部100がオペレータ用表示部22に表示した画面の一例を示す。図6において、画面M2には、税込の合計金額(購入金額)を表示する購入金額M21、支払金額を表示する支払金額M22、S24で釣銭算出手段103が算出した釣銭額を表示する釣銭額M23、釣銭をカードにチャージするかのメッセージM24が表示される。図6の例では、購入金額M21には、税込の合計金額6800円が表示される。支払金額M22には支払金額10000円が表示される。釣銭額M23には釣銭額3200円が表示される。メッセージM24は、例えば「お釣りを電子マネーにチャージしますか?」のような、釣銭のチャージについて顧客に確認するための文字が表示される。
【0038】
また、画面M2には、はいキーの画像といいえキーの画像が表示される。はいキーの画像上には、はいキー214が設けられる。いいえキーの画像上には、いいえキー215が設けられる。操作者は、顧客から釣銭のチャージの意思を確認し、顧客が釣銭をカードCにチャージするとの意思を示した場合には、操作者は、はいキー214を操作する。また、顧客が釣銭をカードCにチャージせず、全額を現金で受け取る意思を示した場合には、操作者は、いいえキー215を操作する。
【0039】
なお、説明を簡略化するために、以降、オペレータ用表示部22にはいキーの画像が表示されることを、はいキー214が表示される、いいえキーの画像が表示されることをいいえキー215が表示される、と説明する。
【0040】
図4の説明に戻る。次に制御部100は、はいキー214が操作されたかを判断する(S26)。はいキー214が操作されたと判断した場合には(S26のYes)、表示手段104は、全額キー212と端数キー213をオペレータ用表示部22に表示する(S27)。
【0041】
図7に、S27において制御部100がオペレータ用表示部22に表示した画面の一例を示す。図7において、画面M3には、S24で釣銭算出手段103が算出した釣銭額を表示する釣銭額M31、チャージする金額を選択するメッセージM32が表示される。図7の例では、釣銭額M31に3200円が表示される。またメッセージM32には、例えば「チャージする金額を選択してください」のような、顧客にチャージする金額の選択を促す文字が表示される。
【0042】
また、画面M3には、全額キー212と端数キー213が表示される。表示された全額キー212および端数キー213には、それぞれチャージする金額が表示される。図7の例では、全額キー212には、釣銭額全額の3200円が表示される。また、全額キー212には、3200円が釣銭の全額であることを示すメッセージ(全額)の文字が、金額と対応づけて表示される。操作者は、全額キー212の表示を見て、全額キー212を操作することでチャージされる金額、またその金額が釣銭の全額であることを認識できる。
【0043】
また、端数キー213には、釣銭額のうちチャージする金額200円が表示される。また、端数キー213には、200円が釣銭の一部であって硬貨の釣銭分であることを示すメッセージ(硬貨分のみ)の文字が、金額と対応づけて表示される。操作者は、端数キー213の表示を見て、端数キー213を操作することでチャージされる金額、またその金額が釣銭の一部であって、図7の例では硬貨分の全額であることを認識できる。なお、メッセージ(硬貨分のみ)を、メッセージ(99円以下)とすれば、チャージされる金額が99円以下であることを認識できる。また、メッセージ(硬貨分のみ)を、メッセージ(9円以下)とすれば、チャージされる金額が9円以下であることを認識できる。なお、S27でオペレータ用表示部22に表示した画面と同内容の画面を、客用表示部23にも表示してもよい。この場合、顧客も同様の情報(釣銭額や端数金額)について操作者と同じ確認や認識を持つことができる。
【0044】
図4の説明に戻る。次に選択手段105は、全額キー212および端数キー213のいずれのキーが操作されたかを判断する。まず選択手段105は、全額キー212が操作されたかを判断する(S28)。全額キー212が操作されたと判断した場合には(S28のYes)、制御部100は、カードリーダライタ25にカードCを接触させるか翳すことで、カードリーダライタ25がカードCに記憶されている情報(金銭的価値の情報を含む)を受信したかを判断する(S29)。カードCに記憶されている情報を受信するまで待機し(S29のNo)、カードCに記憶されている情報を受信したと判断した場合には(S29のYes)、チャージ手段106は、釣銭算出手段103が算出した釣銭額全額に相当する金銭的価値をカードCに記憶する(S30)。そして制御部100は、S30でチャージした金額等をオペレータ用表示部22に表示する(S31)。
【0045】
図8に、S31で制御部100が表示した画面の一例を示す。図8において、画面M4には、S30においてチャージ手段106がカードCにチャージした釣銭額全額を表示するチャージ金額M41、カードCにチャージしたことを示すメッセージM42、チャージしたことによりカードCに記憶されている金銭的価値の金額M43を表示する。図8の例において、チャージ金額M41は、チャージした釣銭額全額として3200円が表示される。メッセージM42は、例えば「電子マネーに指定金額分チャージしました」の文字を表示する。金額M43は、S29でカードCから読み出した金額にS30でチャージした金額を合計した金額が表示される。
【0046】
図4の説明に戻る。次に制御部100は、当該取引に係る商品情報(売上登録した商品の商品名、価格、等)、決済情報(合計金額、支払金額、釣銭額、チャージ額、等)を印字部24で印字したレシートを発行する(S41)。レシートを見た顧客は、釣銭のうちチャージした金額を確認することができる。そして制御部100は、S11に戻る。
【0047】
一方、S28において、全額キー212の操作ではないと判断した場合には(S28のNo)、端数キー213が操作されたかを判断する(S32)。端数キー213が操作されたと判断した場合には(S32のYes)、制御部100は、カードリーダライタ25にカードCを接触させるか翳すことで、カードリーダライタ25がカードCに記憶されている情報(金銭的価値の情報やチャージする金額の区分を含む)を受信したかを判断する(S33)。カードCに記憶されている情報を受信するまで待機し(S33のNo)、カードCに記憶されている情報を受信したと判断した場合には(S33のYes)、チャージ手段106は、受信した区分の情報に応じた、釣銭算出手段103が算出した釣銭額のうちの一部の金額に相当する金銭的価値をカードCに記憶する(S34)。実施形態では、当該顧客のカードCには、予め硬貨分をチャージする区分が設定されているため、硬貨分の釣銭額に相当する金銭的価値をカードCに記憶する。そして制御部100は、S34でチャージした金額、釣銭額からチャージした金額を減算した、現金で受け取る釣銭額等をオペレータ用表示部22に表示する(S35)。
【0048】
図9に、S35で制御部100が表示した画面の一例を示す。図9において、画面M5には、カードCにチャージした金額M51、カードCにチャージしたことを示すメッセージM52、チャージしたことによりカードCに記憶されている金銭的価値の金額M53を表示する。図9の例において金額M51は、チャージした釣銭の硬貨分の金額として200円が表示される。メッセージM52は、例えば「電子マネーに指定金額分チャージしました」の文字を表示する。金額M53は、S33でカードCから読み出した金額にS34でチャージした金額を合計した金額が表示される。また、画面M5には、釣銭のうち現金で支払われる金額M54が表示される。実施形態では、釣銭のうち硬貨分をチャージするため、図9の例では、釣銭額からチャージした金額を減算した、紙幣で支払われる釣銭の釣銭額(3000円)が金額M54に表示される。
【0049】
次に制御部100は、釣銭を支払うための払出処理を行う(S36)。例えば、釣銭機に釣銭を支払わせる場合は、支払う金額分の情報(実施形態では3000円を払い出す情報)を釣銭機に送信する。また、金銭収納箱5に収納されている紙幣を釣銭として支払う場合は、制御部100は、金銭収納箱5を開放する信号を出力する。すると金銭収納箱5は開放され、釣銭としての紙幣を顧客に支払うことが可能となる。そして制御部100は、S41の処理を実行する。
【0050】
なお、S26において、はいキー214の操作ではない(すなわち、いいえキー215が操作された)と判断した場合には(S26のNo)、制御部100は、S41の処理を実行する。また、S32において、端数キー213の操作ではないと判断した場合には(S32のNo)、制御部100は、S28に戻る。
【0051】
また、S23において、支払金額が購入金額より多くない(すなわち、支払金額と購入金額が同額である)と判断した場合には(S23のNo)、制御部100は、S41の処理を実行する。なお、図示しないが、S23において、支払金額が購入金額以下の場合は、支払金額が不足しているため、支払金額を補充することを促すメッセージを表示する等のエラー処理等を行う。また、S21において、決済キー211の操作ではないと判断した場合には(S21のNo)、制御部100はS11に戻る。
【0052】
このような実施形態のPOS端末1は、商品の購入金額と現金での支払金額とから釣銭額を算出する釣銭算出手段103と、算出した釣銭額以内の金額であってカードCに記憶する複数種類の釣銭額を選択可能に表示する表示手段104と、表示された複数の釣銭額のいずれが選択されたかを判断する選択手段105と、選択が判断された釣銭額に係る金銭的価値をカードCにチャージするチャージ手段106と、を備える。このようなPOS端末1は、複数種類の釣銭額をカードCにチャージすることができます。そのため、その時の状況に応じた釣銭額を受け取ることができる。例えば、小銭は不要だが多くの現金が欲しい場合は、釣銭の一部である硬貨分の金額をチャージして残りの金額を現金で受け取ることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態やその変形例を説明したが、この実施形態および変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態やその変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0054】
例えば、実施形態では、カードリーダライタ25は、カードCから電気的に情報を読み取り、電気的に情報を書き込むようにした。しかしながらこれに限らず、例えばカードリーダライタ25は、カードCから磁気的に情報を読み取り、磁気的に情報を書き込むようにしてもよい。この場合、カードCは磁気的に情報を記憶する磁気カードである。
【0055】
また、実施形態では、記憶媒体としてカードCを例に説明した。しかしながらこれに限らず、記憶媒体は、例えば、スマートフォンや携帯電話等の携帯端末の内部に構成された記憶部であってもよい。この場合、記憶媒体をカードリーダライタ25に接触あるいは翳すことで、カードリーダライタ25は記憶部から金銭的価値を読み出し、またカードリーダライタ25は、釣銭額の全額または端数金額を記憶部にチャージする。
【0056】
また、実施形態では、全額キーの画像と端数キーの画像をオペレータ用表示部22に表示し、オペレータ用表示部22上の対応する位置に全額キー212と端数キー213を備えた。しかしながらこれに限らず、全額キーの画像と端数キーの画像を客用表示部23に表示し、客用表示部23上の対応する位置に全額キー212と端数キー213を備えるようにしてもよい。この場合、全額キー212と端数キー213は顧客に操作してもらうようにしてもよい。また、全額キーの画像と端数キーの画像をオペレータ用表示部22および客用表示部23に表示し、オペレータ用表示部22および客用表示部23上の対応する位置に全額キー212と端数キー213を備えるようにしてもよい。
【0057】
また、実施形態では、表示手段104が表示する釣銭額を、釣銭算出手段103が算出した釣銭額と、硬貨分の端数金額の2種類の釣銭額を選択可能に表示した。しかしながらこれに限らず、表示手段104は2種類以上の釣銭額を表示するようにすればいい。
【0058】
なお、実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0059】
また、実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
【0060】
また、実施形態のPOS端末1で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 POS端末
4 本体
5 金銭収納箱
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 メモリ部
21 操作部
22 オペレータ用表示部
23 客用表示部
24 印字部
25 カードリーダライタ
25a カード載置部
27 コードリーダ
100 制御部
101 売上登録手段
102 大小判断手段
103 釣銭算出手段
104 表示手段
105 選択手段
106 チャージ手段
131 商品情報部
141 制御プログラム部
142 商品マスタ
211 決済キー
212 全額キー
213 端数キー
214 はいキー
215 いいえキー
C カード
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【文献】特開2017-058763号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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