IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エヌエイチエヌ エンターテインメント コーポレーションの特許一覧 ▶ NHN comico株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】電子書籍提供サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20231121BHJP
   G06F 3/0483 20130101ALI20231121BHJP
   G06F 3/0485 20220101ALI20231121BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231121BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/0483
G06F3/0485
G06Q50/10
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020181691
(22)【出願日】2020-10-29
(62)【分割の表示】P 2018235665の分割
【原出願日】2018-12-17
(65)【公開番号】P2021015628
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2021-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】313011434
【氏名又は名称】エヌエイチエヌ コーポレーション
【住所又は居所原語表記】(Sampyeong-dong),16,Daewangpangyo-ro 645 beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】515285741
【氏名又は名称】NHN comico株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】高橋 弘幸
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-043078(JP,A)
【文献】特表2018-509721(JP,A)
【文献】特開2013-186532(JP,A)
【文献】特開2013-143028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末の画面を越えるサイズの書籍データであって、互いに異なるレイヤのイメージデータ及びテキストデータを含む前記書籍データを含む電子書籍を前記第1端末に送信し、
前記イメージデータ又は前記テキストデータの一部の第1領域に対してなされた第2端末による評価結果を、前記第1端末の画面に表示された領域と前記第1領域との位置関係に基づいて、前記評価結果を反映した画像を用いて、前記第1端末の画面に表示させ、
前記書籍データは、一方向において前記第1端末の画面を越える長手を有し、画面スクロールによって前記書籍データの位置が移動可能であり、
前記第1領域に対してなされた前記評価結果を、前記第1領域とは異なる領域に表示させる電子書籍提供サーバ。
【請求項2】
アイコンを用いて前記評価結果を表示する、請求項1に記載の電子書籍提供サーバ。
【請求項3】
前記評価結果は、異なる複数の属性で規定されており、
前記属性の異なる複数の前記評価結果の各々に対して、異なる前記アイコンが割り当てられている、請求項2に記載の電子書籍提供サーバ。
【請求項4】
前記書籍データは、一方向において前記第1端末の画面を越える長手を有し、画面スクロールによって前記書籍データの位置が移動可能であり、
前記第1領域に対してなされた前記評価結果を、前記画面スクロールに応じて表示させる、請求項1乃至3のいずれか一に記載の電子書籍提供サーバ。
【請求項5】
前記評価結果は、前記第2端末によって評価がなされた、前記イメージデータ又は前記テキストデータにおける位置情報を含み、
前記位置情報が前記第1端末の画面の所定の範囲にある場合に、前記位置情報に関連する前記評価結果を表示させる、請求項1乃至4のいずれか一に記載の電子書籍提供サーバ。
【請求項6】
前記第2端末は複数存在し、
複数の前記第2端末による複数の前記評価結果を反映する複数の前記画像は、前記第1端末の画面に順次現れ、順次消える、請求項1乃至5のいずれか一に記載の電子書籍提供サーバ。
【請求項7】
第1端末の画面を越えるサイズの書籍データであって、互いに異なるレイヤのイメージデータ及びテキストデータを含む前記書籍データを含む電子書籍を前記第1端末に送信し、
前記イメージデータ又は前記テキストデータの一部の第1領域に対してなされた第2端末による評価結果を、前記第1端末の画面に表示された領域と前記第1領域との位置関係に基づいて、前記評価結果を反映した画像を用いて、前記第1端末の画面に表示させ、
前記第1端末の画面には前記第1領域とは異なる領域に評価結果表示部が設けられ、
数の前記画像は、前記評価結果表示部の一方の端部から順次現れ、前記評価結果表示部の他方の端部に順次消える電子書籍提供サーバ。
【請求項8】
前記第2端末は複数存在し、
前記第1端末の画面には評価結果表示部が設けられ、
複数の前記第2端末による複数の前記評価結果を反映する複数の前記画像は、前記評価結果表示部の一方の端部から順次現れ、前記評価結果表示部の他方の端部に順次消え、
前記画像が移動する方向は、前記画面スクロールの方向に直交する、請求項4に記載の電子書籍提供サーバ。
【請求項9】
前記評価結果には、前記評価結果の属性に応じて異なる色が割り当てられており、
前記第1端末の画面に表示される前記画像は、複数の前記評価結果が集計された集計結果として表示され、
前記集計結果は、前記評価結果に割り当てられた色に関する情報を含む、請求項1乃至8のいずれか一に記載の電子書籍提供サーバ。
【請求項10】
異なる内容の前記評価結果には、それぞれ異なる一次属性が割り当てられており、
前記画像は、複数の前記評価結果を集計した結果に基づいて、複数の前記一次属性に基づいて決定された二次属性に関する情報を含む、請求項1乃至9のいずれか一に記載の電子書籍提供サーバ。
【請求項11】
複数のシーンを有するイメージデータと、前記複数のシーンにおいて表示され、前記イメージデータとは異なるレイヤのテキストデータと、を含む電子書籍を第1端末に送信し、
前記複数のシーンのうちの1つのシーンにおいてなされた、第2端末による評価結果を、前記評価結果を反映した画像を用いて、前記1つのシーンが表示された前記第1端末の画面に表示させ、
前記電子書籍は、一方向において前記第1端末の画面を越える長手を有し、画面スクロールによって前記電子書籍の位置が移動可能であり、
前記1つのシーンに対してなされた前記評価結果を、前記1つのシーンとは異なる領域に表示させる電子書籍提供サーバ。
【請求項12】
第1端末の画面を越えるサイズの書籍データであって、互いに異なるレイヤのイメージデータ及びテキストデータを含む前記書籍データを含む電子書籍をサーバから受信し、
前記イメージデータ又は前記テキストデータの一部の第1領域に対してなされた第2端末による評価結果を、前記第1端末の画面に表示された領域と前記第1領域との位置関係に基づいて、前記評価結果を反映した画像を用いて、前記第1端末の画面に表示し、
前記書籍データは、一方向において前記第1端末の画面を越える長手を有し、画面スクロールによって前記書籍データの位置が移動可能であり、
前記第1領域に対してなされた前記評価結果を、前記第1領域とは異なる領域に表示することをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
アイコンを用いて前記評価結果を表示する、請求項12に記載のプログラム。
【請求項14】
前記評価結果は、異なる複数の属性で規定されており、
前記属性の異なる複数の前記評価結果の各々を、異なる複数の前記アイコンを用いて表示する、請求項13に記載のプログラム。
【請求項15】
前記書籍データは、一方向において前記第1端末の画面を越える長手を有し、画面スクロールによって前記書籍データの位置が移動可能であり、
前記第1領域に対してなされた前記評価結果を、前記画面スクロールに応じて表示する、請求項12乃至14のいずれか一に記載のプログラム。
【請求項16】
前記評価結果は、前記第2端末によって評価がなされた、前記イメージデータ又は前記テキストデータにおける位置情報を含み、
前記位置情報が前記第1端末の画面の所定の範囲にある場合に、前記位置情報に関連する前記評価結果を表示する、請求項12乃至15のいずれか一に記載のプログラム。
【請求項17】
複数の前記第2端末による複数の前記評価結果を反映する複数の前記画像を、前記第1端末の画面に順次出現させ、順次消滅させる、請求項12乃至16のいずれか一に記載のプログラム。
【請求項18】
第1端末の画面を越えるサイズの書籍データであって、互いに異なるレイヤのイメージデータ及びテキストデータを含む前記書籍データを含む電子書籍をサーバから受信し、
前記イメージデータ又は前記テキストデータの一部の第1領域に対してなされた第2端末による評価結果を、前記第1端末の画面に表示された領域と前記第1領域との位置関係に基づいて、前記評価結果を反映した画像を用いて、前記第1端末の画面に表示し、
前記第1端末の画面の前記第1領域とは異なる領域に評価結果表示部を表示し、
数の前記画像を、前記評価結果表示部の一方の端部から順次出現させ、前記評価結果表示部の他方の端部に順次消滅させることをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項19】
前記第1端末の画面に評価結果表示部を表示し、
複数の前記第2端末による複数の前記評価結果を反映する複数の前記画像を、前記評価結果表示部の一方の端部から順次出現させ、前記画面スクロールの方向に直交する方向に移動させ、前記評価結果表示部の他方の端部に順次消滅させる、請求項15に記載のプログラム。
【請求項20】
前記評価結果には、前記評価結果の属性に応じて異なる色が割り当てられており、
前記第1端末の画面に表示される前記画像を、複数の前記評価結果が集計された集計結果として表示し、
前記集計結果を、前記評価結果に割り当てられた色を用いて表示する、請求項12乃至19のいずれか一に記載のプログラム。
【請求項21】
異なる内容の前記評価結果には、それぞれ異なる一次属性が割り当てられており、
前記画像を、複数の前記評価結果を集計した結果に基づいて、複数の前記一次属性に基づいて決定された二次属性として表示する、請求項12乃至20のいずれか一に記載のプログラム。
【請求項22】
複数のシーンを有するイメージデータと、前記複数のシーンにおいて表示され、前記イメージデータとは異なるレイヤのテキストデータと、を含む電子書籍を第1端末の表示画面に表示し、
前記複数のシーンのうちの1つのシーンにおいてなされた、第2端末による評価結果を、前記評価結果を反映した画像を用いて、前記1つのシーンが表示された前記表示画面に表示し、
前記電子書籍は、一方向において前記第1端末の画面を越える長手を有し、画面スクロールによって前記電子書籍の位置が移動可能であり、
前記1つのシーンに対してなされた前記評価結果を、前記1つのシーンとは異なる領域に表示することをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子書籍提供サーバ及びプログラムに関する。特に、本発明は、電子書籍におけるある場面に対する他のユーザの評価結果を画像で表示するための電子書籍提供サーバ及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末を用いて読むことができる電子書籍が普及している。電子書籍は、携帯端末にダウンロードして読むことができるため、1つの携帯端末を用いて複数の電子書籍を読むことができる。また、電子書籍はウェブ上に保存されており、インターネットを介して携帯端末にダウンロードして読むことができるため、1つの電子書籍を複数のユーザで共有することができる。電子書籍のひとつとして、電子コミックが普及している。電子コミックとして、従来の紙書籍と同様に、画像及び文章を含むコマがページ毎に割り当てられているページ送りタイプの他に、ページという概念がなく、画面をスクロールしながら電子書籍を読むシームレスタイプ(又は、スクロールタイプ)の電子コミックが普及している。
【0003】
このような電子書籍の特徴を利用して、例えば特許文献1では、電子書籍に付加されたコメントをユーザに提供する際に、ユーザの操作負担を低減するためのグラフィカル(GUI)に関する技術が記載されている。特許文献1では、ユーザが付加GUIボタンを選択することで、画面中に付加情報がテキスト形式で表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-58109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の付加情報はコメント形式で表示されるため、例えば複数の他のユーザが入力した付加情報が画面上に表示される場合、ごく一部の他のユーザの付加情報しか見ることができない。又は、電子書籍の上に多量の付加情報が表示されることになるため、電子書籍を閲覧するユーザにとって画面が乱雑になってしまう。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、電子書籍に対する他のユーザの評価結果を視認しやすい形態でユーザに提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態にかかる電子書籍提供サーバは、第1端末の画面のサイズを越える書籍データを含む電子書籍を前記第1端末に送信し、前記書籍データの一部の第1領域に対してなされた第2端末による評価結果を、前記第1端末の画面に表示された領域と前記第1領域との位置関係に基づいて、前記評価結果を反映した画像を用いて、前記第1端末の画面に表示させる。
【0008】
アイコンを用いて前記評価結果を表示してもよい。
【0009】
前記評価結果は、異なる複数の属性で規定されており、前記属性の異なる複数の前記評価結果の各々に対して、異なる前記アイコンが割り当てられていてもよい。
【0010】
前記書籍データは、一方向において前記第1端末の画面を越える長手を有し、画面スクロールによって前記書籍データの位置が移動可能であり、前記第1領域に対してなされた前記評価結果を、前記画面スクロールに応じて表示させてもよい。
【0011】
前記評価結果は、前記第2端末によって評価がなされた、前記書籍データにおける位置情報を含み、前記位置情報が前記第1端末の画面の所定の範囲にある場合に、前記位置情報に関連する前記評価結果を表示させてもよい。
【0012】
前記第2端末は複数存在し、複数の前記第2端末による複数の前記評価結果を反映する複数の前記画像は、前記第1端末の画面に順次現れ、順次消えてもよい。
【0013】
前記第1端末の画面には評価結果表示部が設けられ、前記複数の前記画像は、前記評価結果表示部の一方の端部から順次現れ、前記評価結果表示部の他方の端部に順次消えてもよい。
【0014】
前記第2端末は複数存在し、複数の前記第2端末による複数の前記評価結果を反映する複数の前記画像は、前記評価結果表示部の一方の端部から順次現れ、前記評価結果表示部の他方の端部に順次消え、前記画像が移動する方向は、前記画面スクロールの方向に直交してもよい。
【0015】
前記評価結果には、前記評価結果の属性に応じて異なる色が割り当てられており、前記第1端末の画面に表示される前記画像は、複数の前記評価結果が集計された集計結果として表示され、前記集計結果は、前記評価結果に割り当てられた色に関する情報を含んでもよい。
【0016】
異なる内容の前記評価結果には、それぞれ異なる一次属性が割り当てられており、前記画像は、複数の前記評価結果を集計した結果に基づいて、複数の前記一次属性に基づいて決定された二次属性に関する情報を含んでもよい。
【0017】
本発明の一実施形態にかかる電子書籍提供サーバは、第1端末に複数のシーンを有する電子書籍を送信し、前記複数のシーンのうちの1つのシーンにおいてなされた、第2端末による評価結果を、前記評価結果を反映した画像を用いて、前記1つのシーンが表示された前記第1端末の画面に表示させる。
【0018】
本発明の一実施形態にかかるプログラムは、第1端末の画面のサイズを越える書籍データを含む電子書籍をサーバから受信し、前記書籍データの一部の第1領域に対してなされた第2端末による評価結果を、前記第1端末の画面に表示された領域と前記第1領域との位置関係に基づいて、前記評価結果を反映した画像を用いて、前記第1端末の画面に表示することをコンピュータに実行させる。
【0019】
前記評価結果は、異なる複数の属性で規定されており、前記属性の異なる複数の前記評価結果の各々を、異なる複数の前記アイコンを用いて表示してもよい。
【0020】
前記評価結果は、前記第2端末によって評価がなされた、前記書籍データにおける位置情報を含み、前記位置情報が前記第1端末の画面の所定の範囲にある場合に、前記位置情報に関連する前記評価結果を表示してもよい。
【0021】
複数の前記第2端末による複数の前記評価結果を反映する複数の前記画像を、前記第1端末の画面に順次出現させ、順次消滅させてもよい。
【0022】
前記第1端末の画面に評価結果表示部を表示し、前記複数の前記画像を、前記評価結果表示部の一方の端部から順次出現させ、前記評価結果表示部の他方の端部に順次消滅させてもよい。
【0023】
前記第1端末の画面に評価結果表示部を表示し、複数の前記第2端末による複数の前記評価結果を反映する複数の前記画像を、前記評価結果表示部の一方の端部から順次出現させ、前記画面スクロールの方向に直交する方向に移動させ、前記評価結果表示部の他方の端部に順次消滅させてもよい。
【0024】
前記評価結果には、前記評価結果の属性に応じて異なる色が割り当てられており、前記第1端末の画面に表示される前記画像を、複数の前記評価結果が集計された集計結果として表示し、前記集計結果を、前記評価結果に割り当てられた色を用いて表示してもよい。
【0025】
異なる内容の前記評価結果には、それぞれ異なる一次属性が割り当てられており、前記画像を、複数の前記評価結果を集計した結果に基づいて、複数の前記一次属性に基づいて決定された二次属性として表示してもよい。
【0026】
本発明の一実施形態にかかるプログラムは、第1端末の表示画面に複数のシーンを有する電子書籍を表示し、前記複数のシーンのうちの1つのシーンにおいてなされた、第2端末による評価結果を、前記評価結果を反映した画像を用いて、前記1つのシーンが表示された前記表示画面に表示することをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一実施形態によれば、電子書籍に対する他のユーザの評価結果を視認しやすい形態でユーザに提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムの概要を示す図である。
図2A】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムに用いられるサーバのハードウェア構成を示す概略図である。
図2B】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムに用いられる通信端末のハードウェア構成を示す概略図である。
図3A】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムに用いられるサーバの機能構成を示す概略図である。
図3B】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムに用いられる通信端末の機能構成を示す概略図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムの動作を示すフローチャートである。
図5】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、データベースに記憶されるデータの一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。
図7A】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を選択するための手段を提供する方法を示す図である。
図7B】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を選択するための手段を提供する方法を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を選択するための手段を提供する方法を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。
図11】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。
図12】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を選択するための手段を提供する方法を示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を選択するための手段を提供する方法を示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を選択するための手段を提供する方法を示す図である。
図15】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を選択するための手段を提供する方法を示す図である。
図16】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍に対する評価結果の属性を示す図である。
図17】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。
図18】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。
図19】本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態における電子書籍提供システム、並びに、当該システムに用いられる電子書籍提供サーバ、通信端末、及び通信端末に表示されるインターフェースについて説明する。但し、本発明の一実施形態における電子書籍提供システム等は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号又は同一の符号の後にアルファベットを付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】
以下の実施形態では、電子書籍提供サーバと通信を行い、電子書籍を表示する通信端末として、携帯通信端末が用いられた構成を例示するが、この構成に限定されない。また、特に技術的な矛盾が生じない限り、異なる実施形態間の技術を組み合わせることができる。
【0031】
〈第1実施形態〉
図1図8を用いて、本発明の第1実施形態に係る電子書籍提供システム10、電子書籍提供システム10に用いる電子書籍提供サーバ100、第1通信端末200、及び第2通信端末300、並びに、これらを動作させるためのプログラムについて説明する。第1実施形態に示す電子書籍提供システム10は、ネットワーク400を介して電子書籍提供サーバ100、第1通信端末200、及び第2通信端末300が通信可能に接続された構成を有している。
【0032】
本実施形態において、第1通信端末200は、電子書籍を閲覧し、第2通信端末300によって選択された電子書籍に対する評価結果が表示される通信端末である。また、第2通信端末300は、電子書籍を閲覧し、当該電子書籍に対する評価を選択する通信端末である。詳細は後述するが、第2通信端末300は、評価する内容が反映された画像を選択することで、電子書籍に対する評価を行う。以下の実施形態では、評価内容を反映する画像として、電子書籍に含まれるシーンに対する読者の感情に関する属性を有する画像が用いられる。複数の第2通信端末300によってなされた評価結果は、各々の第2通信端末300によって選択された画像を用いて第1通信端末200に表示される。説明の便宜上、上記のように第1通信端末200と第2通信端末300とを使い分けるが、第1通信端末200が評価を選択することもでき、第2通信端末300が評価結果を表示することもできる。
【0033】
また、本実施形態では、電子書籍として、電子コミックを例示するが、本発明が適用可能な電子書籍は電子コミックに限定されない。例えば、本発明が適用可能な電子書籍は、電子コミック以外の電子書籍(例えば、電子小説、電子雑誌、電子広告など)に適用することができる。電子書籍において、そのコンテンツを示すデータを書籍データという。例えば、電子コミックにおける書籍データはコミックデータである。
【0034】
当該コミックデータがスクロールタイプのデータの場合、当該コミックデータは一方向に長手を有するイメージデータによって構成される。一方、上記コミックデータがページ送りタイプのデータの場合、当該コミックデータは複数のページ及び各ページに設けられた複数のコマに割り当てられたイメージデータによって構成される。本実施形態で用いられるコミックデータは、例えばキャラクタのセリフなどの文字情報が、キャラクタと共にイメージデータに含まれている。
【0035】
以下の説明において、第1通信端末200及び第2通信端末300は、例えばスマートフォンやタブレット端末などのモバイル用の通信端末である。ただし、上記の構成に限定されない。例えば、第1通信端末200及び第2通信端末300が、デスクトップ型パソコン(PC)などのモバイル用ではない通信端末であってもよい。
【0036】
[電子書籍提供システム10の概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムの概要を示す図である。図1に示すように、本発明に係る電子書籍提供システム10は、電子書籍提供サーバ100、第1通信端末200、及び第2通信端末300を有する。電子書籍提供サーバ100は情報処理装置である。第1通信端末200及び第2通信端末300はモバイル用の通信端末である。電子書籍提供サーバ100はデータベース102に接続されている。
【0037】
電子書籍提供サーバ100は、第1通信端末200及び第2通信端末300に対して、コミックデータを提供する。電子書籍提供サーバ100は、当該コミックデータに対して、第2通信端末300によってなされた評価結果、及び評価がなされたコミックデータにおける評価位置情報を受信し、コミックデータと受信した評価結果及び評価位置情報とを互いに関連付けて保存する。電子書籍提供サーバ100は、評価結果及び評価位置情報が関連付けられたコミックデータを第1通信端末200に提供する。そして、第1通信端末200でコミックデータを閲覧した場合に、第2通信端末300によってなされた評価結果が、コミックデータにおける評価位置情報に基づく位置で、第1通信端末200の画面上に表示される。
【0038】
データベース102は、上記のコミックデータ、評価結果、及び評価位置情報を記憶している。コミックデータ、評価結果、及び評価位置情報は、データベース102において互いに関連付けられている。
【0039】
電子書籍提供サーバ100、第1通信端末200、及び第2通信端末300はそれぞれネットワーク400に接続されている。本実施形態では、ネットワーク400は一般的なWorld Wide Web(WWW)サービスによって提供されるインターネット、WAN(Wide Area Network)、又は社内LANなどのLAN(Local Area Network)である。第1通信端末200及び第2通信端末300は、ネットワーク400を介して電子書籍提供サーバ100と通信する。
【0040】
図1では、データベース102が電子書籍提供サーバ100に直接接続された構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、データベース102が直接ネットワーク400に接続され、電子書籍提供サーバ100とデータベース102との間のデータの送受信がネットワーク400を介して行われていてもよい。
【0041】
[電子書籍提供サーバ100のハードウェア構成]
図2Aは、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムに用いられるサーバのハードウェア構成を示す概略図である。図2Aに示すように、電子書籍提供サーバ100は、サーバ制御部110、サーバ記憶部120、およびサーバ通信部130を有する。
【0042】
サーバ制御部110は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)、当該CPUに接続されたレジスタやメモリなどの記憶装置を含む。サーバ制御部110は、メモリに一時的に記憶されたプログラムをCPUによって実行し、第1通信端末200及び第2通信端末300からの各種要請信号に応じて演算処理を行い、これらの通信端末にコンテンツデータを提供する。
【0043】
サーバ記憶部120は大容量のデータを記憶することができる記憶装置である。サーバ記憶部120には、演算処理に必要なプログラム及びコンテンツデータなどが記憶されている。サーバ記憶部120に記憶されているプログラムは、サーバ制御部110によって読み出しされ、サーバ制御部110の記憶装置に一時的に記憶される。サーバ記憶部120はハードディスクであってもよく、揮発性または不揮発性のメモリであってもよい。なお、上記のサーバ記憶部120に記憶される情報は、サーバ記憶部120の代わりにデータベース102に記憶されてもよい。なお、本実施形態では、コミックデータ、評価結果、及び評価位置情報は、データベース102に記憶されているが、これらのデータがサーバ記憶部120に記憶されていてもよい。
【0044】
サーバ通信部130は、外部機器に対してデータを送受信可能に接続することができる制御装置であり、ネットワーク400に対するデータの送受信を制御する。
【0045】
[第1通信端末200及び第2通信端末300のハードウェア構成]
図2Bは、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムに用いられる通信端末のハードウェア構成を示す概略図である。なお、本実施形態における第1通信端末200及び第2通信端末300のハードウェア構成にほとんど差はないため、両者を代表して第1通信端末200の構成について説明する。図2Bに示すように、第1通信端末200は、端末記憶部210、端末制御部220、端末通信部230、ディスプレイ240、操作ボタン250、カメラ260、スピーカ270、及びマイク280を有する。なお、第2通信端末300も上記と同様のハードウェア構成を有する。以下の説明において、第2通信端末300のディスプレイをディスプレイ340という。
【0046】
端末記憶部210は、第1通信端末200に特定の機能を実行させるためのプログラム、評価結果及び評価位置情報が関連付けられたコミックデータ、及び第1通信端末200を所有するユーザの端末情報等のデータを記憶する。端末記憶部210として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリおよびSRAM、DRAM等の揮発性メモリが用いられる。プログラム等のデータは不揮発性メモリに記憶され、プログラムを実行する際に不揮発性メモリから読み出されて揮発性メモリに一時的に記憶される。
【0047】
端末制御部220は、CPUなどの演算回路や、当該CPUに接続されたメモリ及びレジスタなどの記憶回路を有する。端末制御部220は、端末記憶部210に記憶されたプログラムをCPUによって実行し、第1通信端末200に入力された命令信号に応じて、第1通信端末200の各種機能を実現する。
【0048】
端末通信部230は、外部機器に対してデータを送受信可能に接続することができる制御装置であり、ネットワーク400に対するデータの送受信を制御する。また、端末通信部230は全地球測位システム(Global Positioning System;GPS)機能を有している。GPS機能は第1通信端末200のネイティブ機能の一つである。GPS機能を有効にするアプリケーションを起動すると、端末通信部230は上空の衛星からの信号を受信し、第1通信端末200の現在位置を知ることができる。
【0049】
ディスプレイ240として、液晶ディスプレイ及び有機ELディスプレイなどのディスプレイを用いることができる。また、ディスプレイ240はタッチセンサを有している。タッチセンサは、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式のセンサなどを使用することができる。タッチセンサは、ユーザによる画面操作を検知し、ユーザの操作に基づく検知信号を端末制御部220に送信する。本実施形態では、ディスプレイ240に設けられたタッチセンサを用いて、画面のスクロール及びアイコンの選択などの操作を行う。
【0050】
操作ボタン250は、ディスプレイ240の下方に設けられている。操作ボタン250は物理的なボタンであってもよく、上記のようなタッチセンサであってもよい。ディスプレイ240のタッチセンサに代えて、操作ボタン250を用いて画面のスクロール及びアイコンの選択などの操作を行ってもよい。
【0051】
図2Bでは、第1通信端末200がカメラ260、スピーカ270、及びマイク280を有する構成を例示したが、この構成に限定されない。必要がなければ、これらの構成は省略されてもよい。
【0052】
図2Bでは、第1通信端末200及び第2通信端末300の一例として、スマートフォンを示したが、電子書籍提供システム10に用いるこれらの通信端末はスマートフォンに限定されない。電子書籍提供システム10に用いる通信端末として、スマートフォン以外にも携帯電話、タブレットPC、PDA、PHS、ノート型PC、デスクトップ型PCなどが用いられてもよい。
【0053】
[電子書籍提供サーバ100の機能構成]
図3Aは、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムに用いられるサーバの機能構成を示す概略図である。図3Aに示すように、電子書籍提供サーバ100は、コミックデータ提供部151、評価選択手段提供部153、評価結果受信部155、評価位置検知部157、及び評価結果表示部159を有する。電子書籍提供サーバ100のサーバ制御部110(例えばCPU)が、サーバ記憶部120に記憶されたプログラムを実行することで、上記の各機能部の機能が実現される。なお、本実施形態では、1つの電子書籍提供サーバ100に上記の全ての機能部が含まれる構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、これらの機能部が異なるサーバに設けられ、これらのサーバが協働することで電子書籍提供システム10の機能が実現されてもよい。
【0054】
コミックデータ提供部151は、第1通信端末200及び第2通信端末300にコミックデータを提供する。コミックデータは、一方向に長手を有するイメージデータであり、各々の通信端末の画面上でスクロール移動されることで、イメージデータに含まれる複数のシーンを閲覧することができる。つまり、コミックデータは第1通信端末200及び第2通信端末300の各々の画面のサイズを越えるデータである。これらの通信端末にはコミックデータの一部だけが表示されており、画面内においてコミックデータをスクロール移動することで、コミックデータの全てを閲覧することができる。
【0055】
評価選択手段提供部153は、コミックデータに対する評価を選択可能なインターフェースを第2通信端末300に提供する。詳細は後述するが、当該インターフェースでは、評価する内容を反映した画像(例えばアイコン)が表示される。ユーザが第2通信端末300に表示された画像を選択することで、評価を行うことができる。
【0056】
評価選択手段提供部153は、第2通信端末300による評価の選択方法によって機能が異なる。例えば、コミックデータに含まれるあるシーンが所定の位置に達する、又は所定の範囲内にあるときに、第2通信端末300に対して評価を選択させる場合、評価選択手段提供部153は、第2通信端末300によって表示されているシーンを特定するための位置情報を取得する。そして、当該位置情報に基づいて、評価を選択可能なインターフェースを第2通信端末300に提供する。一方、第2通信端末300によって所定の操作が行われたときに、第2通信端末300に対して評価を選択させる場合、評価選択手段提供部153は、第2通信端末300による操作信号を取得する。そして、当該操作信号に基づいて、評価を選択可能なインターフェースを第2通信端末300に提供する。なお、評価選択手段提供部153は、上記操作信号に応じて異なるインターフェースを提供してもよい。
【0057】
評価結果受信部155は、第2通信端末300によって選択された評価結果を受信する。つまり、評価結果受信部155は、評価選択手段提供部153によって提供された画像のうち、第2通信端末300によって選択された画像の情報(評価結果)を受信する。なお、評価結果受信部155は、評価結果の他に、評価日時、評価を行った第2通信端末300のID又は第2通信端末300を使用するユーザのID、及び評価が行われたときの第2通信端末300のGPSにおける位置情報などを受信してもよい。
【0058】
評価位置検知部157は、第2通信端末300によって上記画像が選択された、コミックデータにおける位置を示す情報(評価位置情報)を受信する。詳細は後述するが、上記画像が選択されたタイミングにおいて、第2通信端末300の画面に表示されたコミックデータの任意の点に関連する位置情報を、評価位置情報として採用することができる。若しくは、上記画像が選択される前又は後に、画像の選択とは別に指定されたコミックデータ上の任意の点を、評価位置情報として採用してもよい。なお、コミックデータにおける各シーンに対して識別子が設けられている場合、評価位置検知部157は、評価位置情報に代えて、評価対象のシーンを特定する識別子を受信してもよい。
【0059】
評価結果受信部155が受信した評価結果、及び評価位置検知部157が受信した評価位置情報は、コミックデータと関連付けられてデータベース102に記憶される。表示結果及び評価位置情報が関連付けられたコミックデータは、コミックデータ提供部151によって第1通信端末200に送信される。また、評価結果受信部155が評価日時、第2通信端末300のID又は第2通信端末300を使用するユーザのID、及び評価が行われたときの第2通信端末300のGPSにおける位置情報を受信する場合は、これらの情報もコミックデータ、評価結果、及び評価位置情報と関連付けられてデータベース102に記憶される。
【0060】
評価結果表示部159は、第1通信端末200において表示されるコミックデータの表示位置情報を検知する機能、並びに、当該表示位置情報及び上記評価位置情報に基づいて、上記評価結果を第1通信端末200のディスプレイ240に表示する機能を第1通信端末200に提供する。詳細は後述するが、当該評価結果は、評価の内容を反映した画像を用いて表示される。上記の構成を換言すると、評価結果表示部159は、コミックデータの一部の第1領域に対してなされた第2通信端末300の評価結果を、第1通信端末200の画面に表示された領域と前記第1領域との位置関係に基づいて、その評価結果を反映した画像を用いて第1通信端末200の画面に表示させる。
【0061】
ここで、コミックデータに含まれるある1つのシーンに対して複数の評価結果が存在する場合は、複数の評価結果を順次又はまとめて第1通信端末200に表示させる。複数の評価結果を第1通信端末200に順次表示させる場合、評価日時、第1通信端末200及び第2通信端末300のGPSにおける相対的な位置関係、第1通信端末200のID及び第2通信端末300のIDの関係、又は第1通信端末200を使用するユーザのID及び第2通信端末300を使用するユーザのIDの関係に基づいて決定された順序で複数の評価結果を順次第1通信端末200に表示してもよい。
【0062】
例えば、評価日時の時系列順に評価結果を表示してもよい。また、コミックデータを閲覧する第1通信端末200の位置と、第2通信端末300がコミックデータに対して評価を行った位置とが近い順に評価結果を表示してもよい。この場合、第1通信端末200の位置情報、及び第2通信端末300によって評価が行われた位置情報のそれぞれが、市、県、及び国のように区域に関する情報を有しており、両者の位置情報に含まれる区域(市、県、及び国)に基づいて評価結果を表示してもよい。つまり、市、県、及び国などの区域単位で第1通信端末200の位置と、第2通信端末300によって評価が行われた位置との近さを判断してもよい。例えば、まずは第1通信端末200が位置する「市」と同じ「市」で行われた評価結果を表示し、次に第1通信端末200が位置する「市」に隣接する「市」で行われた評価結果を表示し、次に第1通信端末200が位置する「県」と同じ「県」で行われ、まだ表示されていない評価結果を表示してもよい。なお、表示結果を表示する第1通信端末200において、上記の区域に基づいて設定された評価結果だけを表示してもよい。例えば、第1通信端末200において、上記の区域として「県」を設定した場合、第1通信端末200と同じ県、又はその県に隣接する県で行われた評価結果だけが第1通信端末200に表示されてもよい。なお、上記のように区域単位で評価結果を表示する場合、現在表示されている評価結果の評価が行われた区域に関する情報を評価結果と共に表示してもよい。
【0063】
また、各端末のID又は各端末を使用するユーザIDに関連付けられた個人情報のうち、共通項目が多い順に評価結果を表示してもよい。例えば、上記の個人情報として、性別及び年齢などの情報が当該サービスによって管理されており、第1通信端末200を使用するユーザの性別及び年齢などの情報の少なくともいずれか1つと同じ又は近いユーザによって行われた評価結果を優先的に第1通信端末200で表示してもよい。また、複数の評価結果を第1通信端末200にまとめて表示する場合、評価結果表示部159は、複数の評価結果に対する演算処理を行い、その結果を第1通信端末200に表示してもよい。
【0064】
[第1通信端末200及び第2通信端末300の機能構成]
図3Bは、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムに用いられる通信端末の機能構成を示す概略図である。なお、本実施形態における第1通信端末200及び第2通信端末300の機能構成にほとんど差はないため、両者を代表して第1通信端末200の構成について説明する。図3Bに示すように、第1通信端末200は、表示部291、スクロール制御部293、及び評価結果受付部295を有する。なお、第2通信端末300も上記と同様の機能構成を有する。
【0065】
表示部291は、電子書籍提供サーバ100から受信した各種情報をディスプレイ240に表示する。具体的には、表示部291は、コミックデータ提供部151から受信したコミックデータ、評価選択手段提供部153によって提供されたインターフェース、及び評価結果表示部159から受信した評価結果をディスプレイ240に表示する。
【0066】
スクロール制御部293は、ディスプレイ240に表示されるコミックデータのスクロール動作を制御する。例えば、ディスプレイ240にタッチセンサが備えられている場合、ユーザが指などでディスプレイ240にタッチした状態でスワイプすることで、スワイプした方向にコミックデータをスクロールすることができる。スクロール制御部293は、コミックデータがスクロール動作したときに、表示部291によって表示されている領域のコミックデータにおける位置情報を検知し、当該位置情報を評価選択手段提供部153、評価位置検知部157、及び評価結果表示部159に送信する。
【0067】
評価結果受付部295は、インターフェースを介して選択されたユーザの評価を受け付ける。評価結果受付部295は、評価選択手段提供部153によって提供されたインターフェースに表示された画像のうち、第2通信端末300によって選択された画像を判定し、選択された画像に関連付けられた評価結果を評価結果受信部155に送信する。このとき、評価結果受付部295は、ユーザによって画像が選択されたときの、コミックデータにおける位置を解析し、当該解析によって得られた評価位置情報を評価位置検知部157に送信する。
【0068】
[電子書籍提供システムの動作]
図4を用いて、電子書籍提供システム10の動作について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムの動作を示すフローチャートである。
【0069】
まず、第2通信端末300によるコミックデータ要求に応じて、電子書籍提供サーバ100から第2通信端末300にコミックデータが提供される(ステップS901)。例えば、第2通信端末300がコミックを閲覧するアプリケーションソフトを起動し、対象のコミックが選択されたときに、第2通信端末300から電子書籍提供サーバ100にコミックデータ要求が送信される。電子書籍提供サーバ100は、コミックデータを提供する際に、コミックデータに対する評価を選択可能なインターフェースを、コミックデータと共に第2通信端末300に提供する。
【0070】
第2通信端末300によって受信されたコミックデータ及びインターフェースは、第2通信端末300の画面に表示される(ステップS971)。
【0071】
第2通信端末300を操作するユーザは、表示画面をスクロール移動しながらコミックデータを閲覧し、提供されたインターフェースを利用してコミックデータに含まれるシーンに対する評価を行う(ステップS973)。この評価の際、第2通信端末300の画面には、評価する内容を反映した画像が複数表示される。第2通信端末300によって、これらの複数の画像から1つの画像が選択されることで評価が行われる。
【0072】
ステップS973で第2通信端末300による評価が行われると、選択された画像に関連する評価結果、及び当該画像が選択された位置を示す評価位置情報が、第2通信端末300から送信され、電子書籍提供サーバ100によって受信される(ステップS903)。
【0073】
ステップS903で受信された評価結果及び評価位置情報は、コミックデータと関連付けられて、データベース102に記憶される(ステップS905)。このステップで、第2通信端末300によってなされた評価結果が付加されたコミックデータが完成する。
【0074】
第1通信端末200によるコミックデータ要求に応じて、評価結果及び評価位置情報が付加されたコミックデータが、電子書籍提供サーバ100から第1通信端末200に提供される(ステップS907)。例えば、第1通信端末200がコミックを閲覧するアプリケーションソフトを起動し、対象のコミックが選択されたときに、第1通信端末200から電子書籍提供サーバ100にコミックデータ要求が送信される。つまり、第1通信端末200が電子書籍提供サーバ100から受信する評価結果及び評価位置情報は、第1通信端末200が電子書籍提供サーバ100からコミックデータを受信した時点よりも前になされた評価結果及び評価位置情報である。なお、第1通信端末200が、コミックの閲覧を中断し、再度コミックの閲覧を開始したとき、又は第1通信端末200がコミックデータの更新をしたときに、その時点における評価結果及び評価位置情報を受信する。
【0075】
そして、第1通信端末200によって受信された、評価結果を含むコミックデータが、第1通信端末200の画面に表示される(ステップS931)。第1通信端末200によって表示されるコミックデータの位置情報と上記評価位置情報との関係に基づいて、第1通信端末200の画面上に評価結果が表示される。詳細は後述するが、第2通信端末300によって評価が行われた評価位置情報が、コミックデータのうち、第1通信端末200によって表示されている領域に含まれる場合に、当該第2通信端末300によって選択された評価結果が第1通信端末200の画面上に表示される。
【0076】
図5は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、データベースに記憶されるデータの一例を示す図である。図5に示すデータは、ステップS905でデータベース102に記憶される評価データ101の一例である。図5に示すように、評価データ101は、コミック識別子103、評価結果104、評価位置情報105、評価日時106、端末ID107、及びGPS情報108の項目を有している。コミック識別子103は、評価対象のコミックを識別するための情報である。評価結果104は、第2通信端末300によって評価された評価結果を示す情報である。評価位置情報105は、評価がなされたコミックデータにおける位置を示す情報である。
【0077】
本実施形態では、コミックデータが縦方向にスクロール移動するため、評価位置情報105にはy座標のみが示されている。評価日時106は、評価が行われた日時を示すデータである。端末ID107は、評価を行った第2通信端末300を特定するIDである。端末107に代えて端末を操作するユーザのIDを記憶してもよい。GPS情報108は、評価が行われたときの端末の位置を示すGPS情報である。なお、本実施形態において、評価データ101は、上記の項目のうち少なくともコミック識別子103、評価結果104、及び評価位置情報105を有していればよく、その他の項目は省略されてもよい。
【0078】
[電子書籍の評価結果の表示方法]
図6を用いて、複数の第2通信端末300によって評価された評価結果を第1通信端末200に表示する方法について説明する。図6は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。
【0079】
図6に示すように、コミックデータ500は、一方向において第1通信端末200のディスプレイ240を越える長手を有している。この例では、コミックデータ500は、縦方向においてディスプレイ240の縦方向の幅を超える長手を有している。つまり、コミックデータ500は、縦方向(図6の矢印方向)にスクロール移動可能なデータである。図6では、コミックデータ500のうち、ディスプレイ240に表示されている領域は実線で描かれ、ディスプレイ240に表示されていない領域は点線で描かれている。また、説明の便宜上、コミックデータ500の横方向の幅がディスプレイ240の横方向の幅より狭い構成を例示したが、両者の横幅は同じであってもよい。
【0080】
コミックデータ500は、上記のように縦方向に長手を有するイメージデータであり、当該イメージデータには少なくとも1つのシーン510が含まれている。シーン510は、既に複数の第2通信端末300によって評価されており、これらの評価は、シーン510に対して複数の評価点511でなされている。つまり、シーン510に対して、複数の評価結果が関連付けられている。
【0081】
基準線241は、ディスプレイ240の上下方向のある領域に設定された水平方向に延びる線である。この例では、基準線241はディスプレイ240の上下方向の中央線である。図6は、コミックデータ500を矢印方向にスクロールし、評価点511が基準線241に達した状態を示している。なお、図6では、1つのコミックデータ500に1つのシーン510が設けられた構成を図示したが、実際には1つのコミックデータ500に複数のシーン510が設けられている。
【0082】
評価点511が基準線241に到達すると、ディスプレイ240の一部に設けられた評価結果表示部600において、複数の第2通信端末300によって選択された複数の評価結果610が表示される。評価結果610の表示は、評価点511が基準線241を通過する向きによって制御されてもよい。例えば、評価点511が基準線241を下から上に通過した場合に、当該評価点511に関連する評価結果610を評価結果表示部600に表示し、評価点511が基準線241を上から下に通過した場合は、当該評価点511に関連する評価結果610の表示をしなくてもよい。
【0083】
換言すると、評価点511が基準線241に到達したときのスクロール方向が上方だった場合には評価結果の表示を行い、このときのスクロール方向が下方だった場合には評価結果の表示を行わなくてもよい。さらに換言すると、評価結果610は、ディスプレイ240上のコミックデータ500のスクロールに応じて表示される。評価点511が基準線241に到達することで開始される評価結果610の表示は、シーン510に対してなされた全ての評価結果が表示されるまで行われてもよく、評価点511が基準線241の次の基準線に到達するまで行われてもよい。つまり、評価点511が2つの基準線に挟まれた範囲内にあるときに、評価結果の表示を行ってもよい。
【0084】
図6の例では、評価結果表示部600はディスプレイ240の上端付近に設けられている。また、評価結果610は、評価結果表示部600の一端から他端へ向かって移動している。この例では、複数の評価結果610が、評価結果表示部600の一端から順次現れ、評価結果表示部600の他端に順次消える。図6の例では、複数の評価結果610は、評価結果表示部600の右端から順次現れて左端に消えている。つまり、評価結果610の動く方向は、コミックデータ500のスクロール方向に直交する方向である。評価結果表示部600は、予め表示されていてもよく、評価点511が基準線241に到達した場合に現れてもよい。
【0085】
なお、ディスプレイ240における評価結果表示部600の表示位置は、スクロール方向によって変更されてもよい。例えば、コミックデータ500が上方にスクロールされる場合は、評価結果表示部600はディスプレイ240の上端付近に表示され、コミックデータ500が下方にスクロールされる場合は、評価結果表示部600はディスプレイ240の下端付近に表示されてもよい。また、評価結果610の動きは、スクロール方向によって変更されてもよい。スクロール方向が左右方向の場合、評価結果610は上下方向に動いてもよい。このとき、評価結果表示部600は、ディスプレイ240の左右の端部付近で上下方向に長手を有する形状に変更される。
【0086】
評価結果610はアイコンで表示されている。評価結果610は、読者の感情を示す属性毎に、異なるアイコン(「楽アイコン611」、「喜アイコン613」、「哀アイコン615」、及び「怒アイコン617」)を有している。つまり、図6の例では、評価結果610として、喜怒哀楽の属性の異なる複数の評価結果が設定されている。そして、複数の評価結果に対して、それぞれ異なるアイコンが割り当てられている。
【0087】
基準線241は、ディスプレイ240の上下方向の中央付近に設定されていなくてもよい。基準線241は、ディスプレイ240の下方の領域に設定されていてもよく、上方の領域に設定されていてもよい。
【0088】
図6の例では、評価結果610が評価結果表示部600の右端から現れ、右から左へ移動し、評価結果表示部600の左端に消える構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、図6の例とは左右が逆に動いてもよい。又は、評価結果610がディスプレイ240の右端又は左端で上下方向に移動し、上下の一方から現れ、他方に消えてもよい。又は、評価結果610がディスプレイ240の上下方向における中央付近で左右方向に移動してもよい。又は、評価結果610がディスプレイ240の左右方向における中央付近で上下方向に移動してもよい。又は、評価結果610がディスプレイ240上を移動せず、任意の箇所において現れてその場で消えてもよい。
【0089】
評価結果610はアイコン以外の方法で表示されてもよい。また、評価結果610は喜怒哀楽以外の属性を有していてもよい。また、評価結果表示部600に複数の評価結果が表示される場合、上記のように、評価日時、第1通信端末200及び第2通信端末300のGPSにおける位置情報、第2通信端末300のID、又は第2通信端末300を使用するユーザのIDに基づいて、表示される評価結果の順序が決められてもよい。
【0090】
[電子書籍の評価方法]
図7A図8を用いて、第2通信端末300を用いた電子書籍の評価方法について説明する。図7A図8は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を入力するための手段を提供する方法を示す図である。
【0091】
図7Aに示すように、コミックデータ500がディスプレイ340上で矢印方向にスクロールされ、シーン510がディスプレイ340上に表示されると、評価実施ボタン620がディスプレイ340上に現れる。図7Aの例では、評価実施ボタン620はディスプレイ340の右上に現れている。なお、さらにコミックデータ500がさらに矢印方向にスクロールされ、シーン510がディスプレイ340から消えると、評価実施ボタン620は消える。つまり、シーン510は、その上端及び下端を示す位置情報を有している。そして、シーン510の上端及び下端を示す位置情報とディスプレイ340に表示されている領域との位置関係に基づいて、評価実施ボタン620の表示の有無が切り替えられる。なお、シーン510の上端及び下端を示す位置情報の代わりに、シーン510に関連付けられた任意の代表点が用いられてもよい。
【0092】
図7Aのようにディスプレイ340上に評価実施ボタン620が表示された状態で、評価実施ボタン620をタッチする又はカーソル690を用いて評価実施ボタン620を選択することで、図7Aの画面から図8の画面に遷移する。なお、評価実施ボタン620が選択されると、その時点におけるシーン510の位置が解析され、評価位置情報が生成される。例えば、評価実施ボタン620が選択された時点の、ディスプレイ340の上下方向における中央位置513が評価位置情報として生成される。もちろん、この方法に限定されず、多様な解析方法でシーン510の評価位置情報が生成される。例えば、図7Bに示すように、コミックデータ500が、その長手方向に複数に分割されており、各々の分割部515に対して評価結果が関連付けられていてもよい。具体的には、図7Bの例であれば、評価位置情報は、中央位置513を含む分割部515-1の領域に相当する。つまり、評価位置情報として、評価結果毎に個別の座標を割り当てるのではなく、一定の幅を有した領域を割り当ててもよい。
【0093】
図8に示すように、図7Aの評価実施ボタン620を選択すると、評価選択部630がディスプレイ340上に現れる。評価選択部630が現れている間、シーン510は非アクティブとなり、例えばグレー表示される。評価選択部630には、図6の評価結果610と同様に、「楽アイコン631」、「喜アイコン633」、「哀アイコン635」、及び「怒アイコン637」が設定されている。これらのアイコンのいずれかをタッチする又はカーソル690を用いて選択することで、シーン510に対する評価がなされる。
【0094】
図8の評価選択部630の選択によってなされた評価結果は、図7Aで生成されたシーン510の評価位置情報と共に電子書籍提供サーバ100に送信される。そして、これらの評価結果及び評価位置情報に基づいて、図6で示すような、評価結果の表示が行われる。
【0095】
以上のように、第1実施形態に係る電子書籍提供システム10によると、コミックデータ500に含まれるシーン510に対する評価結果を、アイコンのような画像を用いて行うことができる。また、他の複数のユーザによってなされたシーン510に対する評価結果を、表示することができる。このように、電子書籍に対する他のユーザの評価結果を視認しやすい形態でユーザに提供することができる。特に、スクロールタイプの電子書籍では、各シーンをシームレスで閲覧することができる点において、読者に閲覧しやすさ及び没入感を提供できるという利点がある。しかし、従来のように、付加情報をコメント形式で表示する場合、上記の利点が半減してしまうという問題があった。本実施形態に係る電子書籍提供システム10によれば、上記のようなスクロールタイプの電子書籍であっても、読者への閲覧しやすさ及び没入感を損なうことなく、電子書籍に対する評価結果を表示することができる。
【0096】
なお、上記の説明では、上記の構成が電子書籍提供サーバ100の機能として実現される構成を、第1通信端末200及び第2通信端末300のプログラムによって実現されてもよい。これは、以下の実施形態についても同様に通信端末のプログラムで実現することができる。
【0097】
本実施形態では、コミックデータに含まれるキャラクタ及びセリフが共にイメージデータで構成された例を示したが、コミックデータが、キャラクタなどのイメージデータとセリフなどのテキストデータとを個別に有していてもよい。この場合、イメージデータ及びテキストデータの各々はコミックデータにおける位置情報を有しており、各々の位置情報に基づいて、例えばイメージデータの吹出し位置にテキストデータを割り当てる。この場合、イメージデータ及びテキストデータの位置情報を用いて、評価結果の表示や評価実施ボタン620の表示を行ってもよい。
【0098】
また、本実施形態では、評価実施ボタン620が選択された時点の、ディスプレイ340の上下方向における中央位置が評価位置情報として生成される構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、評価実施ボタン620を選択する前、又は評価選択部630を選択した後に、評価対象のシーン510又は評価対象のシーン510の任意の点を指定することで、評価位置情報を生成してもよい。
【0099】
また、本実施形態では、第1通信端末200に対して、評価結果が関連付けられたコミックデータを提供する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、以下のように、電子書籍提供サーバ100が第1通信端末200に対して、コミックデータと評価結果とを個別に送信してもよい。
【0100】
まず、電子書籍提供サーバ100が第1通信端末200に対してコミックデータのみを提供する。次に、第1通信端末200において閲覧されているコミックデータにおける位置情報を第1通信端末200から電子書籍提供サーバ100に送信する。次に、その位置情報に関連する評価位置情報を、電子書籍提供サーバ100から第1通信端末200に評価結果が送信する。そして、その評価結果が第1通信端末200の画面上で表示される。このようにして、電子書籍提供サーバ100が第1通信端末200に対して、コミックデータと評価結果とを個別に送信する。この構成によれば、第2通信端末300によって評価された評価結果をリアルタイムで第1通信端末200に表示することができる。
【0101】
〈第2実施形態〉
図9を用いて、第2実施形態に係る電子書籍提供システム10Aについて説明する。図9に示す電子書籍提供システム10Aは、図1図8に示す電子書籍提供システム10と類似しているが、コミックデータ500Aの形態、及び評価結果を表示させる方法において、電子書籍提供システム10と相違する。以下の実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、両者の相違点について説明する。
【0102】
図9は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。図9に示すように、コミックデータ500Aは、縦方向及び横方向において、第1通信端末200Aのディスプレイ240Aのサイズを越えるデータサイズを有している。つまり、コミックデータ500Aは、縦方向及び横方向(図9の上下左右の矢印方向)にスクロール移動可能なデータである。図9において、ディスプレイ240Aの外枠の外側において点線で描かれている領域が、コミックデータ500Aの外縁である。
【0103】
コミックデータ500Aは、複数のシーン510Aを含んでいる。図9では、複数のシーン510Aのうち、第1シーン510A-1、第2シーン510A-2、及び第3シーン510A-3がディスプレイ240Aに表示されている。これらのシーン510Aは、既に複数の第2通信端末300Aによって評価されており、これらの評価は、シーン510A(510A-1、510A-2、及び510A-3)の各々に対して複数の評価点511A(511A-1、511A-2、及び511A-3)でなされている。つまり、シーン510Aに対して、複数の評価結果が関連付けられている。なお、本実施形態では、コミックデータ500Aが上下左右にスクロール移動可能なので、評価点511Aは上下方向の評価位置情報(y座標)だけでなく、左右方向の評価位置情報(x座標)も有している。
【0104】
基準線245Aは、ディスプレイ240Aの一部の領域を囲む線である。この例では、基準線245Aは、ディスプレイ240Aの中央を中心とした円状に設けられている。図9は、コミックデータ500Aをスクロールし、第1シーン510A-1の評価点511A-1が、基準線245によって囲まれた領域に位置した状態を示している。
【0105】
評価点511A-1が基準線245Aによって囲まれた領域に位置すると、ディスプレイ240Aの一部に設けられた評価結果表示部600Aにおいて、第1シーン510A-1に対してなされた複数の評価結果610Aが表示される。ここで、評価点511A-2が基準線245Aによって囲まれた領域に位置すると、評価結果表示部600Aには第2シーン510A-2に対してなされた複数の評価結果610Aが表示される。また、評価点511A-3が基準線245Aによって囲まれた領域に位置すると、評価結果表示部600Aには第3シーン510A-3に対してなされた複数の評価結果610Aが表示される。なお、隣接する評価点511Aの距離(例えば、最も近い評価点511A-1と評価点511A-2との間の距離)が、基準線245Aによって形成される円の直径よりも短い場合、当該円の直径が小さくなるように、基準線245Aの配置が自動的に変更されてもよい。
【0106】
なお、本実施形態では、シーン510A毎に評価結果を表示する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、評価点511Aが基準線245に含まれていれば、異なるシーン510Aの評価結果を表示してもよい。
【0107】
以上のように、第2実施形態に係る電子書籍提供システム10Aによると、第1実施形態に係る電子書籍提供システム10と同様に、電子書籍に対する他のユーザの評価結果を視認しやすい形態でユーザに提供することができる。
【0108】
〈第3実施形態〉
図10を用いて、第3実施形態に係る電子書籍提供システム10Bについて説明する。図10に示す電子書籍提供システム10Bは、図1図8に示す電子書籍提供システム10と類似しているが、評価結果を表示させる方法において、電子書籍提供システム10と相違する。以下の実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、両者の相違点について説明する。
【0109】
図10は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。図10では、図6のように基準線241は設けられておらず、シーン510Bについてなされた評価点511Bの位置がディスプレイ240Bの領域に含まれている間、評価結果表示部600Bにおいて、シーン510Bに対してなされた複数の評価結果610Bが表示される。つまり、本実施形態では、シーン510Bがディスプレイ240Bに表示されている間、シーン510Bに対してなされた複数の評価結果610Bが評価結果表示部600Bに表示される。上記の構成を換言すると、複数の評価結果610Bは、第2通信端末300Bによって評価がなされた、コミックデータ500Bにおける評価位置情報を含み、当該評価位置情報に係る位置が第1通信端末200Bのディスプレイ240Bの所定の範囲にある場合に、上記評価位置情報に関連する複数の評価結果610Bが表示される。
【0110】
以上のように、第3実施形態に係る電子書籍提供システム10Bによると、第1実施形態に係る電子書籍提供システム10と同様に、電子書籍に対する他のユーザの評価結果を視認しやすい形態でユーザに提供することができる。また、電子書籍の閲覧者は、シーン510Bが一部でもディスプレイ240Bに表示されれば、そのシーン510Bが現在の画面に表示されている画像として認識する場合が多いため、閲覧者にとって自然なタイミングで評価結果の表示を行うことができる。
【0111】
なお、上記の例では、シーン510Bがディスプレイ240Bに現れ始めてから完全に消えるまで、シーン510Bに対してなされた複数の評価結果610Bが表示される構成を例示したが、この構成に限定されない。評価結果610Bの表示は、上記の例よりも早い段階で終了してもよい。つまり、シーン510Bがまだディスプレイ240Bに表示されている状態で、評価結果610Bの表示が終了してもよい。例えば、次のイメージデータがディスプレイ240Bに現れ始めたときに、現在表示されているシーン510Bの評価結果610Bの表示が終了し、次のイメージデータの評価結果の表示が開始されてもよい。
【0112】
〈第4実施形態〉
図11を用いて、第4実施形態に係る電子書籍提供システム10Dについて説明する。図11に示す電子書籍提供システム10Dは、図1図8に示す電子書籍提供システム10と類似しているが、評価結果を表示させる方法において、電子書籍提供システム10と相違する。以下の実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、両者の相違点について説明する。
【0113】
図11は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。図11では、図6のように基準線241は設けられておらず、シーン510Dがディスプレイ240Dに表示され始める前に、評価結果表示部600Dにおいて、シーン510Dに対してなされた複数の評価結果610Dが表示される。つまり、本実施形態では、シーン510Dに対してなされた評価点511D-1よりもさらに上の位置に、評価点511D-1に基づいて設定された仮想評価点511D-2が設けられている。仮想評価点511D-2がディスプレイ240Dの領域に含まれている間、評価点511D-1に対してなされた複数の評価結果610Dが評価結果表示部600Dに表示される。このように、本実施形態では、第2通信端末300Dによって評価された位置と、第1通信端末200Dに表示するための基準となる位置とが異なっている。
【0114】
なお、図11では、仮想評価点511D-2が評価点511D-1の上方に設けられた構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、仮想評価点511D-2は評価点511D-1の下方に設けられていてもよく、両者の位置関係がスクロール移動の方向によって切り替えられてもよい。例えば、コミックデータ500Dが上方にスクロールされる場合は、仮想評価点511D-2が評価点511D-1の上方に位置し、コミックデータ500Dが下方にスクロールされる場合は、仮想評価点511D-2が評価点511D-1の下方に位置してもよい。また、仮想評価点511D-2と評価点511D-1との距離がスクロール移動の速度によって変化してもよい。上記の構成を換言すると、複数の評価結果610Dは、第2通信端末300Dによって評価がなされた、コミックデータ500Dにおける評価位置情報を含み、当該評価位置情報に係る位置が第1通信端末200Dのディスプレイ240Dの所定の範囲にある場合に、上記評価位置情報に関連する複数の評価結果610Dが表示される。
【0115】
以上のように、第4実施形態に係る電子書籍提供システム10Dによると、第1実施形態に係る電子書籍提供システム10と同様に、電子書籍に対する他のユーザの評価結果を視認しやすい形態でユーザに提供することができる。また、電子書籍の閲覧者は、シーン510Dがディスプレイ240Dに表示される直前に、そのシーン510Dに関連する予想を膨らませている場合が多いため、閲覧者の期待に対して同期するような評価結果の表示を行うことができる。
【0116】
〈第5実施形態〉
図12を用いて、第5実施形態に係る電子書籍提供システム10Eについて説明する。図12に示す電子書籍提供システム10Eは、図1図8に示す電子書籍提供システム10と類似しているが、電子書籍の評価を入力するための手段を提供する方法において、電子書籍提供システム10と相違する。以下の実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、両者の相違点について説明する。
【0117】
図12は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を入力するための手段を提供する方法を示す図である。図12では、図7Aのようにシーン510とディスプレイ340に表示されている領域との位置関係に基づいて評価実施ボタン620を表示させるのではなく、評価実施ボタン620Eが常時ディスプレイ340Eに表示されている。つまり、第2通信端末300Eの操作によって、任意のタイミングで評価を行うことができる。図12に示すように、シーン510Eがディスプレイ340Eに表示された状態で、評価実施ボタン620Eを選択すると、図8と同様の評価選択部が表示され、シーン510Eの評価を選択することができる。
【0118】
以上のように、第5実施形態に係る電子書籍提供システム10Eによると、第1実施形態に係る電子書籍提供システム10と同様に、電子書籍に対する評価を、認識しやすい形態で、評価したいタイミングで評価者に提供することができる。
【0119】
〈第6実施形態〉
図13を用いて、第6実施形態に係る電子書籍提供システム10Fについて説明する。図13に示す電子書籍提供システム10Fは、図1図8に示す電子書籍提供システム10と類似しているが、電子書籍の評価を入力するための手段を提供する方法において、電子書籍提供システム10と相違する。以下の実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、両者の相違点について説明する。
【0120】
図13は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を入力するための手段を提供する方法を示す図である。図13では、図7Aのようにシーン510とディスプレイ340に表示されている領域との位置関係に基づいて評価実施ボタン620を表示させるのではなく、シーン510Fが2つの基準線243Fの間に位置するときに、自動的に評価選択部630が表示される。
【0121】
なお、本実施形態では、シーン510Fの一部が2つの基準線243Fの間に位置するときに、評価選択部630Fがディスプレイ340Fに半透明で表示され(図13の(A))、アイコンを選択する又は選択しようとすると、評価選択部630Fの背景が不透明になり、評価選択部630Fの各アイコンがアクティブで表示される(図13の(B))。このようにして、各アイコンの選択が可能になる。なお、シーン510Fに関連付けられた代表点が2つの基準線243Fの間に位置するときに評価選択部630Fが表示されてもよい。
【0122】
以上のように、第6実施形態に係る電子書籍提供システム10Fによると、第1実施形態に係る電子書籍提供システム10と同様に、電子書籍に対する評価を、認識しやすい形態で、評価したいタイミングで評価者に提供することができる。
【0123】
〈第7実施形態〉
図14及び図15を用いて、第7実施形態に係る電子書籍提供システム10Gについて説明する。図14及び図15に示す電子書籍提供システム10Gは、図1図8に示す電子書籍提供システム10と類似しているが、電子書籍の評価を入力するための手段を提供する方法において、電子書籍提供システム10と相違する。以下の実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、両者の相違点について説明する。
【0124】
図14及び図15は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍を閲覧するユーザに対して、電子書籍の評価を入力するための手段を提供する方法を示す図である。図14及び図15では、図7Aのようにシーン510とディスプレイ340に表示されている領域との位置関係に基づいて評価実施ボタン620を表示させるのではなく、評価実施ボタン620に代えてユーザのジェスチャ入力によって評価選択部630Gを表示させる。
【0125】
図14に示すように、ディスプレイ340Gに評価対象のシーン510Gが表示された状態で、ディスプレイ340Gでジェスチャ入力を行う(図14の(A))。この例では、ジェスチャ入力で円を描くことで(カーソル690Gの動作を参照)、円形の評価選択部630Gが表示されている(図14の(B))。つまり、ジェスチャ入力の入力形状に対応した形状の評価選択部630Gが表示される。
【0126】
図15に示すように、ディスプレイ340Gにおけるジェスチャ入力で「Z」の文字を描くことで、図14とは異なる形の評価選択部630Gを表示することができる。なお、図14の評価選択部630Gと図15の評価選択部630Gとを比較すると、図15には「楽アイコン631G」及び「喜アイコン633G」などの一部の属性の評価結果が表示されていない。つまり、ジェスチャ入力の方法によって、表示する評価選択部630Gの形状、及び評価選択部630Gに表示されるアイコンの属性を変えることができる。
【0127】
なお、評価選択部630Gの形状はジェスチャ入力の入力形状に対応している必要はなく、円を描くジェスチャ入力に対して、図8に示すような評価選択部630が表示されてもよい。評価選択部630Gが現れている間、シーン510Gは非アクティブとなり、例えばグレー表示される。
【0128】
以上のように、第7実施形態に係る電子書籍提供システム10Gによると、第1実施形態に係る電子書籍提供システム10と同様に、電子書籍に対する評価を、認識しやすい形態で、評価したいタイミングで評価者に提供することができる。また、評価選択部630Gを表示させるためにジェスチャ入力を用いることで、画面上に評価実施ボタン620を表示させる必要がなく、画面上の煩わしい表示をなくすことができる。
【0129】
〈第8実施形態〉
図16及び図17を用いて、第8実施形態に係る電子書籍提供システム10Hについて説明する。図16及び図17に示す電子書籍提供システム10Hは、図1図8に示す電子書籍提供システム10と類似しているが、電子書籍の評価結果の属性に対して色を割り当てる点において、電子書籍提供システム10と相違する。以下の実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、両者の相違点について説明する。
【0130】
図16は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、電子書籍に対する評価結果の属性を示す図である。図16に示すように、評価結果は、その評価結果に関連付けられた感情によって一次属性710H(喜び、信頼、恐れ、驚き、悲しみ、嫌悪、怒り、期待)に分類されている。各一次属性710Hには、その属性に応じて異なる色が割り当てられている。「喜び」には『黄色』、「信頼」には『黄緑色』、「恐れ」には『緑色』、「驚き」には『水色』、「悲しみ」には『青色』、「嫌悪」には『紫色』、「怒り」には『赤色』、「期待」には『橙色』がそれぞれ割り当てられている。また、各一次属性710Hの間に二次属性720H(愛、服従、畏怖、拒絶、後悔、軽蔑、攻撃、楽観)が設定されている。「喜び」と「信頼」との間には『愛』、「信頼」と[恐れ]との間には『服従』、「恐れ」と「驚き」との間には『畏怖』、「驚き」と「悲しみ」との間には『拒絶』、「悲しみ」と「嫌悪」との間には『後悔』、「嫌悪」と「怒り」との間には『軽蔑』、「怒り」と「期待」との間には『攻撃』、「期待」と「喜び」との間には『楽観』が、それぞれの二次属性720Hとして設定されている。
【0131】
なお、上記の一次属性710Hは、例えば図6の各アイコンの感情に相当する。図6の「楽アイコン611」は上記の「期待」に相当し、「喜アイコン613」は上記の「喜び」に相当し、「哀アイコン615」は上記の「悲しみ」に相当し、「怒アイコン617」は上記の「怒り」に相当する。一方、二次属性720Hは、第2通信端末300によって選択されない感情を示す属性である。
【0132】
図16において、隣接する一次属性710Hの数が同程度の場合に、これらを併せて二次属性720Hとして表現し、その二次属性720Hを評価結果として表示させてもよい。例えば、「喜び」の評価結果の数と「信頼」の評価結果の数とが同程度の場合、これらの評価結果を個別に表示するのではなく、これらの一次属性710Hから得られる『愛』という二次属性720Hを評価結果として表示させてもよい。なお、同程度とは、一方の評価の数に対する他方の評価の数が0.7倍以上1.3倍以下、0.8倍以上1.2倍以下、又は0.9倍以上1.1倍以下である。
【0133】
上記のように二次属性720Hを算出する場合、評価の正確性を高めるために、隣接する一次属性710Hの評価数が所定のしきい値を超えた場合に二次属性720Hを算出してもよい。例えば、一次属性710Hの評価数が100未満の場合は、仮に隣接する一次属性710Hの数が上記の条件を満たしても、二次属性720Hは算出せず、隣接する両方の一次属性710Hの数が100以上の場合に二次属性720Hを算出してもよい。なお、二次属性720Hを算出するためのしきい値は、当該システムの管理者によって設定されてもよく、評価結果を表示する通信端末のユーザによって設定されてもよい。当該しきい値をシステムの管理者が設定する場合、二次属性720Hの算出は電子書籍提供サーバ100によって行われ、複数のユーザに対して同一の条件で上記の二次属性720Hを算出する。一方、上記しきい値を通信端末のユーザが設定する場合、二次属性720Hの算出は各通信端末によって行われ、通信端末に固有の条件で上記の二次属性720Hを算出する。
【0134】
図17は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。図17に示す評価結果の表示方法は、図6に示す評価結果の表示方法と類似しているが、図17では、他のユーザによってなされた評価結果が集計された集計結果640Hとして表示され、上記の一次属性710Hに割り当てられた色を用いて、その集計結果640Hを表示している点において、図6の表示方法と相違する。
【0135】
図17に示すように、評価結果表示部600Hには集計結果640Hが表示されている。集計結果640Hは、他のユーザによってなされた複数の評価結果を集計した結果である。図17の例では、ディスプレイ240Hの表示領域に含まれる複数の評価結果の種別及び数に応じて棒グラフで表示されている。図17の棒グラフでは、「楽アイコン611H」に係る評価結果が最も多く、続いて「喜アイコン613H」、「怒アイコン617H」が表示されている。また、図17の棒グラフにおいて、「楽アイコン611H」の背景は「橙色」であり、「喜アイコン613H」の背景は「黄色」であり、「怒アイコン617H」の背景は「赤色」である。なお、集計結果640Hの集計対象となる評価結果の範囲は、上記の構成に限定されず、任意の領域を集計範囲とすることができる。
【0136】
つまり、図17に示すように、第1通信端末200Hのディスプレイ240Hには、複数の評価結果が集計された集計結果640Hが表示される。そして、その集計結果640Hは、上記のように一次属性710Hに対して割り当てられた色に関する情報を含んでいる。
【0137】
以上のように、第8実施形態に係る電子書籍提供システム10Hによると、第1実施形態に係る電子書籍提供システム10と同様に、電子書籍に対する評価を、認識しやすい形態で閲覧者に提供することができる。さらに、複数の評価結果を集計した集計結果を、色を用いて表示することで、さらに視認しやすい形態で閲覧者に評価結果を提供することができる。
【0138】
〈第9実施形態〉
図18を用いて、第9実施形態に係る電子書籍提供システム10Jについて説明する。図18に示す電子書籍提供システム10Jは、図17に示す電子書籍提供システム10Hと類似しているが、複数の評価結果を集計した集計結果を表示する方法において、電子書籍提供システム10Hと相違する。以下の実施形態の説明において、第8実施形態と同様の構成については説明を省略し、両者の相違点について説明する。
【0139】
図18は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。図18に示すように、評価結果表示部600Jには、集計結果640Jが表示されている。集計結果640Jは、他のユーザによってなされた複数の評価結果を集計した結果である。図18の例では、複数の評価結果の種別及び数に応じてアイコンの大きさが異なるように表示されている。図18の例では、「楽アイコン611J」に係る評価結果の数が最も多いため、アイコンのサイズが最も大きく表示され、続いて「喜アイコン613J」、「怒アイコン617J」が、それぞれの評価結果の数に応じたアイコンのサイズで表示されている。ここで、「楽アイコン611J」が橙色、「喜アイコン613J」が黄色、「怒アイコン617J」が赤色で表示されていてもよい。
【0140】
以上のように、第9実施形態に係る電子書籍提供システム10Jによると、第1実施形態に係る電子書籍提供システム10と同様に、電子書籍に対する評価を、認識しやすい形態で閲覧者に提供することができる。さらに、複数の評価結果を集計した集計結果を、色を用いて表示することで、さらに視認しやすい形態で閲覧者に評価結果を提供することができる。
【0141】
〈第10実施形態〉
図19を用いて、第10実施形態に係る電子書籍提供システム10Kについて説明する。図19に示す電子書籍提供システム10Kは、図1図8に示す電子書籍提供システム10と類似しているが、コミックデータがページ送りタイプのデータである点において、電子書籍提供システム10と相違する。つまり、電子書籍提供システム10Kの電子書籍は複数のページ(又は、複数のシーン)を有する。以下の実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、両者の相違点について説明する。
【0142】
図19は、本発明の一実施形態に係る電子書籍提供システムにおいて、他のユーザの評価結果を、電子書籍を閲覧するユーザに提供する方法を示す図である。図19に示すように、コミックデータ500Kは、複数のページデータ650K(第1ページデータ651K、第2ページデータ653K、第3ページデータ655K)を有している。複数のページデータ650Kは、ディスプレイ240Kを左右にスワイプする、又はページ送り/戻しボタンを押すことで切り替えられる。図19は、第2ページデータ653Kが表示された状態を示している。各ページデータには、コマ660Kが設けられている。
【0143】
図19に示すように、評価結果表示部600Kには、図6と同様に、複数の評価結果610Kが表示されている。複数の評価結果610Kは、第2ページデータ653Kに対してなされた評価結果であってもよく、第2ページデータ653Kに含まれるコマ660Kに対してなされた評価結果であってもよい。つまり、評価結果表示部600Kに表示された複数の評価結果610Kは、1つのシーンに対してなされた、第2通信端末300Kによる評価結果である。この評価結果は、評価が行われたシーンが表示された第1通信端末200Kのディスプレイ240Kに、アイコンを用いて表示されている。評価結果610Kがコマ660Kに対してなされた評価結果である場合、評価結果610Kは、複数のコマ660Kに対してなされた評価結果の合計であってもよく、複数のコマ660Kのうち、選択されたコマ660Kに対してなされた評価結果の合計であってもよい。
【0144】
以上のように、第10実施形態に係る電子書籍提供システム10Kによると、第1実施形態に係る電子書籍提供システム10と同様に、ページ送りタイプの電子書籍に対する評価であっても、認識しやすい形態で閲覧者に提供することができる。
【0145】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の電子書籍提供システムを基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0146】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0147】
10:電子書籍提供システム、 100:電子書籍提供サーバ、 102:データベース、 110:サーバ制御部、 120:サーバ記憶部、 130:サーバ通信部、 151:コミックデータ提供部、 153:評価選択手段提供部、 155:評価結果受信部、 157:評価位置検知部、 159:評価結果表示部、 200:第1通信端末、 210:端末記憶部、 220:端末制御部、 230:端末通信部、 240:ディスプレイ、 241:基準線、 243:基準線、 245:基準線、 250:操作ボタン、 260:カメラ、 270:スピーカ、 280:マイク、 291:表示部、 293:スクロール制御部、 295:評価結果受付部、 300:第2通信端末、 400:ネットワーク、 500:コミックデータ、 510:シーン、 510A-1:第1シーン、 510A-2:第2シーン、 510A-3:第3シーン、 511:評価点、 513:中央位置、 515:分割部、 600:評価結果表示部、 610:評価結果、 611:楽アイコン、 613:喜アイコン、 615:哀アイコン、 617:怒アイコン、 620:評価実施ボタン、 630:評価選択部、 631:楽アイコン、 633:喜アイコン、 635:哀アイコン、 637:怒アイコン、 640H:集計結果、 650K:ページデータ、 651K:第1ページデータ、 653K:第2ページデータ、 655K:第3ページデータ、 660K:コマ、 690:カーソル
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19