(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ショットキーダイオードのMOSFETとの集積化
(51)【国際特許分類】
H01L 29/78 20060101AFI20231121BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20231121BHJP
H01L 27/06 20060101ALI20231121BHJP
H01L 21/8249 20060101ALI20231121BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20231121BHJP
H01L 29/12 20060101ALI20231121BHJP
H01L 29/872 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
H01L29/78 652N
H01L27/06 102A
H01L27/06 321A
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/78 652H
H01L29/78 652J
H01L29/78 652P
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/78 657D
H01L29/86 301D
H01L29/86 301F
(21)【出願番号】P 2020537041
(86)(22)【出願日】2018-09-14
(86)【国際出願番号】 EP2018074909
(87)【国際公開番号】W WO2019053203
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-07-05
(32)【優先日】2017-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520088568
【氏名又は名称】アスカトロン アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ティエリー - イェバリ、ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】エラーイパナー、ホセイン
(72)【発明者】
【氏名】シェーナー、アドルフ
(72)【発明者】
【氏名】レシャノフ、セルゲイ
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-170778(JP,A)
【文献】特開2015-026727(JP,A)
【文献】特開2016-009712(JP,A)
【文献】特開2015-192027(JP,A)
【文献】特開2005-229070(JP,A)
【文献】特開平11-330498(JP,A)
【文献】特開2004-006647(JP,A)
【文献】特開平09-082988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/8234、21/8249、
27/06、
29/06、29/12、29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
n型基板(1)と、
前記n型基板(1)の上のn型ドリフトエピタキシャル層(3)と、
前記n型ドリフトエピタキシャル層(3)の上のn型エピタキシャル再成長層(6)と、
前記n型ドリフトエピタキシャル層(3)においてグリッドを備え、前記n型エピタキシャル再成長層(6)と接触するp型グリッド層(4)と、
前記n型ドリフトエピタキシャル層(3)にあり、前記n型エピタキシャル再成長層(6)と接触するp型フィーダ層(5)であって、前記グリッド層(4)と前記p型フィーダ層(5)とが接続されている、p型フィーダ層(5)と、
少なくとも部分的に前記p型フィーダ層(5)の上に与えられたオーミックコンタクト(7)と、
pウェル領域(8a、8b)と、
n
+ソース領域(9a、9b)と、
ゲート酸化物(10)と、
ソースオーミックコンタクト(11)であって、前記オーミックコンタクト(7)は、メタライズ層(14)を介して前記ソースオーミックコンタクト(11)に接続され、前記pウェル領域(8a、8b)は、前記n型エピタキシャル再成長層(6)、前記n
+ソース領域(9a、9b)、前記ゲート酸化物(10)、及び前記ソースオーミックコンタクト(11)と接触するように配置され、前記n
+ソース領域(9a、9b)は、前記pウェル領域(8a、8b)、前記ゲート酸化物(10)、及び前記ソースオーミックコンタクト(11)と接触するように配置されている、ソースオーミックコンタクト(11)と、
ゲートコンタクト(12)と、
前記メタライズ層(14)からのゲートコンタクト(12)領域の絶縁のための絶縁層(13)であって、前記ゲート酸化物(10)は、前記pウェル領域(8a、8b)、前記n
+ソース領域(9a、9b)、前記ゲートコンタクト(12)、及び前記絶縁層(13)と接触し、前記ゲート酸化物(10)は、前記n型エピタキシャル再成長層(6)及び前記ソースオーミックコンタクト(11)と接触する、絶縁層(13)と、
ショットキーコンタクト(15)であって、前記メタライズ層(14)は、少なくとも部分的に前記デバイスの上に与えられ、前記ショットキーコンタクト(15)と接触し、前記ショットキーコンタクト(15)は、前記n型エピタキシャル再成長層(6)と接触する、ショットキーコンタクト(15)と、
ドレインオーミックコンタクト及びメタライズ層(17)と
を備え、
前記n型エピタキシャル再成長層(6)は
、ドーピング濃度において勾配を有する、
デバイス。
【請求項2】
前記デバイスは、前記n型基板(1)と前記n型ドリフトエピタキシャル層(3)との間にn
+型エピタキシャルバッファ層(2)を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記デバイスは、前記n型エピタキシャル再成長層(6)、前記pウェル領域(8a、8b)、及び前記ゲート酸化物(10)と接触するJFET領域(16)を備える、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記pウェル領域は、注入層(8a)を備える、請求項1~3の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記pウェル領域は、エピタキシャル層(8b)を備える、請求項1~3の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記n
+ソース領域は、注入層(9a)を備える、請求項1~5の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記n
+ソース領域は、エピタキシャル層(9b)を備える、請求項1、2、3、及び5の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記ゲートコンタクト(12)はポリシリコンを含む、請求項1~7の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記ショットキーコンタクト(15)は金属を含む、請求項1~8の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ショットキーコンタクト(15)はポリシリコンを含む、請求項1~8の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記p型グリッド層(4)は複数のグリッドを含み、前記グリッドの少なくとも一部は、前記グリッドの下に中央に位置決めされた棚部を有し、前記棚部は、前記n型基板(1)に向かって位置決めされ、前記棚部は、前記グリッドより小さい横寸法を有する、請求項1~10の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記p型グリッド層(4)は複数のグリッドを含み、各グリッドは上部及び下部を備え、前記下部は前記n型基板(1)に面し、上部はエピタキシャル成長を使用して製造され、下部はイオン注入を使用して製造されている、請求項1~11の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記n型エピタキシャル再成長層(6)は、ドリフト層又は電流拡散層の何れかとして異なるドーピングレベル及び厚さを有する少なくとも2つのn型エピタキシャル再成長層を含む、請求項1~12の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記p型グリッド層(4)に最も近接する前記n型エピタキシャル再成長層(6)は、前記p型グリッド層(4)から最も離間する前記n型エピタキシャル再成長層(6)と比較して、より高いドーピング濃度を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記p型グリッド層(4)に最も近接する前記n型エピタキシャル再成長層(6)は、前記p型グリッド層(4)から最も離間する前記n型エピタキシャル再成長層(6)と比較して、より低いドーピング濃度を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記n型エピタキシャル再成長層(6)におけるドーピング濃度は、前記n型エピタキシャル再成長層(6)の中央部分と比較して、前記p型グリッド層(4)に最も近接する部分及び前記p型グリッド層(4)から最も離間する部分においてより低い、請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記p型グリッド層(4)は、少なくとも第1の方向に反復構造を有し、前記反復構造は、少なくとも前記第1の方向に規則的な距離で反復し、前記pウェル領域(8a、8b)、前記n
+ソース領域(9a、9b)、前記ゲート酸化物(10)、前記ソースオーミックコンタクト(11)、前記ゲートコンタクト(12)、及び前記絶縁層(13)を含む構造と前記ショットキーコンタクト(15)とは、少なくとも第2の方向に反復構造を有し、前記反復構造は、少なくとも前記第2の方向に規則的な距離で反復する、請求項1~16の何れか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第1の方向に沿った前記p型グリッド層(4)の反復構造間の距離は、前記第2の方向に沿った前記構造と前記ショットキーコンタクト(15)との反復構造間の距離と同じではない、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記pウェル領域(8a、8b)、前記n
+ソース領域(9a、9b)、前記ゲート酸化物(10)、前記ソースオーミックコンタクト(11)、前記ゲートコンタクト(12)、及び前記絶縁層(13)を含む構造と前記ショットキーコンタクト(15)とは交互に反復され、前記ショットキーコンタクト(15)は2つの前記構造の間にある、請求項1~18の何れか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最適な電圧阻止能力のために埋込みグリッド材料構造上に集積されたパワーMOSFET及び還流ショットキーダイオードからなるデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
幾つかのシリコンカーバイド(SiC)パワーMOSFETは市販され、SiCパワーMOSFETアーキテクチャを開示する多くの特許公開がある。これらのアーキテクチャは、逆並列還流ダイオードとして使用されることができるp-nボディダイオードを含有する。しかし、これは低速の少数キャリアデバイスであるので、スイッチング周波数はこのボディダイオードの速度によって制限される。p-nボディダイオードはまた、高導電損失と高スイッチング損失との両方をもたらす高閾値電圧を有するという欠点を有する。SiCp-nボディダイオードは、Si整流器に匹敵する、SiCショットキー整流器の約1Vと比較して、約3Vの高い障壁を有する。
【0003】
SiCMOSFETのスイッチングを高速化するために、ショットキーダイオード又はJBSダイオードのような高速整流器は、逆並列ダイオードとして使用されるべきである。
【0004】
外部高速整流器の使用は、効率的な逆並列還流ダイオードを実装する最も簡単な方法である。しかし、高速整流器の電流定格は、負のドレイン電流に対して、主電流経路が高速整流器を通過することを確実にするために、MOSFETp-nボディダイオードの電流定格より高くする必要がある。この解決策は、主に3つの欠点を有する。第1の欠点は、外部高速整流器の大面積である。この外部ダイオードは、大きい寄生出力容量を導入し、スイッチング周波数を制限する。第2の欠点は、接続の信頼性を低下させ、寄生インダクタンスを増加させるワイヤボンディングの必要性である。第3の欠点は、高いシステムコストである。
【0005】
特許文献1は、JBSダイオードが集積されたVDMOSFETを開示する。この設計の主な利点は、両方のデバイスが同じチップに集積されることである。しかし、これらのデバイスは並列にのみ集積されることができ、同じユニットセル及びドリフト層領域を共有しないので、集積は制限される。特許文献1に開示されるように、例えば、図面において、JBSダイオードの最小サイズは10μmに近い。この結果、ドリフト領域は、伝導時にMOSFET及びJBSダイオードのためには共有されず、出力寄生容量の観点から利得は低い。その上に、MOSFET及びJBSダイオード処理のための共有プロセスステップは制限される。この結果、この解決策は、大幅なコスト削減をもたらさない。
【0006】
特許文献2は、SiCトレンチMOSFET、及びショットキー金属が堆積される余分のトレンチをエッチングすることによるショットキーダイオードの集積を含む設計を開示する。この特徴は、特許文献2の
図1~
図3において20として示される。この設計は、特許文献2におけるVDMOSFETの解決策より高い集積密度を有する。しかし、早期のデバイス破壊を回避するために、ゲートトレンチは高電界に対してシールドされるべきである。同様のダブルトレンチ設計が、今日、トレンチMOSFETのために商業的に使用されるが、ダイオードトレンチは、ゲートトレンチを高電界に対してシールドするために、ショットキーコンタクトの代わりにp-n接合で構成される。このp-n接合はまた、ボディダイオードとして使用される。
【0007】
従来技術においては、MOSFETに組み込まれたショットキー領域を有する既知のデバイスがある(例えば、非特許文献1及び2を参照)。しかし、JBSダイオード及びMOSFETは、一実施形態においては、デバイスチップ領域の異なる部分に置かれ、この結果、同じドリフト層領域を共有しない。別の実施形態においては、JBSダイオード及びMOSFETは、埋込みグリッドと組み合わされない。
【0008】
要約すると、該技術において、改良されたデバイスを提供する必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許6,979,863号明細書
【文献】米国特許5,693,569号明細書
【非特許文献】
【0010】
【文献】W. Sung et al On Developing One-Chip Integration of 1.2 kV SiC MOSFET and JBS Diode (JBSFET) in IEEE Transactions on Industrial Electronics, Volume: 64, Issue: 10, Oct. 2017
【文献】W. Sung et al in Monolithically Integrated 4H-SiC MOSFET and JBS Diode (JBSFET) Using a Single Ohmic/Schottky Process Scheme in IEEE Electron Device Letter, Volume: 37, Issue 12, Dec. 2016
【文献】Stephani, D., & Friedrichs, P. (2006). Silicon carbide junction field effect transistors. International journal of high speed electronics and systems, 16(03), 825-854
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、従来技術の欠点の少なくとも幾つかを取り除き、埋込みグリッド材料構造の上にMOSFETと集積された改良された還流ショットキーダイオードを提供することである。
【0012】
本発明の実施形態は、埋込みグリッド材料構造の上にショットキーダイオード及びDMOSFET又はトレンチMOSFETをモノリシックに集積するための方法及び解決策を提供する。
【0013】
広範な研究の後に、別の層によって阻止時に電界をシールドするために、埋込みグリッド(BG)を接合障壁として使用することによってパワーMOSFET及びショットキーダイオードを集積することによって、利点が得られることができることが発見された。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の態様においては、デバイスであって、
n型基板(1)と、
n型基板(1)の上のn型ドリフトエピタキシャル層(3)と、
n型ドリフトエピタキシャル層(3)の上のn型エピタキシャル再成長層(6)と、
n型ドリフトエピタキシャル層(3)においてグリッドを備え、n型エピタキシャル再成長層(6)と接触するp型グリッド層(4)と、
n型ドリフトエピタキシャル層(3)にあり、n型エピタキシャル再成長層(6)と接触するp型フィーダ層(5)であって、グリッド層(4)とp型フィーダ層(5)とが接続されている、p型フィーダ層(5)と、
少なくとも部分的にp型フィーダ層(5)の上に与えられたオーミックコンタクト(7)と、
pウェル領域(8a、8b)と、
n+ソース領域(9a、9b)と、
ゲート酸化物(10)と、
ソースオーミックコンタクト(11)であって、オーミックコンタクト(7)は、メタライズ層(14)を介してソースオーミックコンタクト(11)に接続され、pウェル領域(8a、8b)は、n型エピタキシャル再成長層(6)、n+ソース領域(9a、9b)、ゲート酸化物(10)、及びソースオーミックコンタクト(11)と接触するように配置され、n+ソース領域(9a、9b)は、pウェル領域(8a、8b)、ゲート酸化物(10)、及びソースオーミックコンタクト(11)と接触するように配置されている、ソースオーミックコンタクト(11)と、
ゲートコンタクト(12)と、
メタライズ層(14)からのゲートコンタクト(12)領域の絶縁のための絶縁層(13)であって、ゲート酸化物(10)は、pウェル領域(8a、8b)、n+ソース領域(9a、9b)、ゲートコンタクト(12)、及び絶縁層(13)と接触し、ゲート酸化物(10)は、任意にn型エピタキシャル再成長層(6)及びソースオーミックコンタクト(11)と接触する、絶縁層(13)と、
ショットキーコンタクト(15)であって、メタライズ層(14)は、少なくとも部分的にデバイスの上に与えられ、ショットキーコンタクト(15)と接触し、ショットキーコンタクト(15)は、n型エピタキシャル再成長層(6)と接触する、ショットキーコンタクト(15)と、
ドレインオーミックコンタクト及びメタライズ層(17)と
を備えるデバイスが提供される。
【0015】
更なる態様及び実施形態は、参照によって本明細書に具体的に組み込まれる添付の特許請求の範囲において画定される。
【0016】
設計の1つの利点は、表面又は他の材料に対する界面において電界を低下させるための特別な構造のために面積を犠牲にすることなく、表面積全体がMOSFET及びショットキーダイオード構造のために使用されることができることである。MOSFET及びショットキーダイオードは、同じユニットセルにおいて互いに非常に近接して置かれることができ、その結果、同じドリフト層を共有することができる。還流ショットキーダイオードは、MOSFETチップのみとほぼ同じ面積においてMOSFETと集積されることができる。この結果、2つの別個のチップを使用することと比較して、幾つかの実施形態においては、総面積をほぼ50%削減することができる。
【0017】
別の利点は、最も高い電界が、BG領域に対する接合部に近接するドリフト層(3)に現れ、この結果、ドリフト層(3)が、ショットキーダイオード又はMOSFETの設計ルールによって制限されないことである。従って、PiN整流器のためのパンチスルー設計に応じて、ドリフト層(3)の厚さを減少させ、ドーピング濃度を増加させることができる。これは、電圧阻止性能に影響を与えることなく、デバイスの高導電率及び低オン抵抗をもたらす。埋込みグリッド以外に、ショットキーコンタクト(15)又はゲート酸化物(10)に近接する高電界を取り扱うための追加の対策は必要ではなく、これは、デバイスの一部の自由な設計及び配置を与える。
【0018】
更に別の利点は、例えば、Pチャネル(Pウェル)がシールド領域の一部である、特許文献1に開示されるような現在利用可能な設計とは異なり、共有ドリフト層及び別個のBGシールド阻止部は、デバイスの寸法、ショットキーダイオード領域に対するMOSFETの比率、Pチャネル(Pウェル)及びJFETチャネルのドーピング濃度及び厚さ、並びにMOSFET及びショットキーダイオードセルのそのグリッドに対する位置合わせに関係のない配置に関して、MOSFET及びショットキーダイオードデバイスの設計におけるより多くの自由度を与えることである。
【0019】
更なる利点は、容量が非常に低く、別個のチップ間の接続における寄生インダクタンスが回避されるので、集積デバイスが2つのデバイスを有する標準的な構成より高い周波数で動作することできることである。
【0020】
電流がMOSFETとショットキーダイオードとの間で切り換えられる場合には、2チップの解決策と比較して、集積チップの更により均一な加熱がある。
【0021】
更に別の利点は、ショットキーダイオードの低順方向電圧降下に起因して、MOSFETボディダイオードを還流ダイオードとして使用する場合と比較して低損失である。加えて、バイポーラ劣化が回避される。
【0022】
他の集積化の解決策と比較して、ユニットセルにおけるショットキーダイオードのサイズは、リーク電流によって制限されず、この結果、用途の仕様に合わせて設計されることができる。高電流でのp型グリッド層(4)におけるpnダイオードの作動点は、p型フィーダ層(5)の設計によって更に画定されることができる。p型グリッド層(4)はまた、埋込みグリッド又はBGとして参照されてもよい。p型フィーダ層(5)はまた、単に「フィーダ」として参照されてもよい。
【0023】
BGは、阻止モードにおいて、MOSFETとショットキーダイオードとの両方のアバランシェ能力を保証する。
【0024】
更なる利点は、MOSFET及びショットキーダイオードを集積するための追加のフォトリソグラフィステップがなく、又は非常に少ないことである。この結果、コストは、2チップの解決策と比較してより低い。
【0025】
本発明が、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1a】本発明による埋込みグリッド(BG)構造の上のDMOSFET及びショットキー整流器の集積の断面概略図を示す。MOSFETとショットキーとの間にP
+ドーピングは要求されず、Pウェル(8a、8b)のドーピングを低くさせることができる。ショットキーコンタクト(15)のサイズは、リーク電流によって制限されない。n型基板(1)、n
+型エピタキシャルバッファ層(2)、n型ドリフトエピタキシャル層(3)、p型グリッド層(4)、p型フィーダ層(5)、n型エピタキシャル再成長層(6)、オーミックコンタクト(7)、pウェル領域(8a、8b)、n
+ソース領域(9a、9b)、ゲート酸化物(10)、ソースオーミックコンタクト(11)、ゲートコンタクト(12)、絶縁層(13)、メタライズ層(14)、ショットキーコンタクト(15)、JFET領域(16)、及びメタライズ層(17)が示される。
【
図1b】
図1aと同様の実施形態を示すが、ショットキーコンタクト(15)は、Pウェルエピタキシャル層(8b)の下にエッチングされる。
【
図2】BGの上のトレンチMOSFET及びショットキー整流器の集積の概略断面図を示す。トレンチ角部又はショットキーコンタクト(15)において、電界をシールドするための表面積は必要ではない。ショットキーコンタクト(15)のサイズは、リーク電流によって制限されない。
【
図3】左図が本発明による
図1及び
図2に表示された構造の等価電子回路であり、右図がボディダイオードを有する標準MOSFETの等価電子回路である。
【
図4】本発明の実施形態を示す。n型基板(1)、n
+型エピタキシャルバッファ層(2)、n型ドリフトエピタキシャル層(3)、p型グリッド層(4)、p型フィーダ層(5)、n型エピタキシャル再成長層(6)、オーミックコンタクト(7)、pウェル領域(8a、8b)、n
+ソース領域(9a、9b)、ゲート酸化物(10)、ソースオーミックコンタクト(11)、ゲートコンタクト(12)、絶縁層(13)、メタライズ層(14)、ショットキーコンタクト(15)、メタライズ層(17)、及びエピタキシャル成長p型領域(18)が示される。この特定の実施形態においては、角部の影響を緩和するために、p型フィーダ層(5)は、エピタキシャル成長p型領域(18)の角部にのみ近接して与えられる。
図4から分かるように、p型フィーダ層(5)の上部とエピタキシャル成長p型領域(18)の下部の間には距離がある。この距離は0~5μmの間隔内である。
【
図5】p型フィーダ層(5)及びエピタキシャル成長p型領域(18)の構成を除いて、
図4と同じ部分及び
図4とほぼ同じデバイスを有する本発明による別の実施形態を示す。
【
図6】本発明によるデバイスの一部を示し、幾つかの部分は明確にするために示されない。メタライズ層(17)、n型基板(1)、n
+型エピタキシャルバッファ層(2)、n型ドリフトエピタキシャル層(3)、及びエピタキシャル成長p型領域(18)、並びにn型基板(1)と平行な平面、及び平面におけるエピタキシャル成長p型領域(18)の投影であって、平面が平面における投影の境界線(l)を含む、投影が示される。平面における境界線(l)の周囲は、境界線(l)から周囲における任意の点の距離が最大0.5μmであるように実線と共に示される。周囲領域の任意の角部は、線の周囲が境界線(l)に沿って移動する半径0.5μmの円によって決定されるように丸められる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明が詳細に開示及び説明される前に、本発明は、本明細書に開示される特定の化合物、構成、方法ステップ、基板、及び材料に、このような化合物、構成、方法ステップ、基板、及び材料が多少異なる場合があるように、限定されないことが理解されたい。本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的のためにのみ使用され、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるので、限定することが意図されないことがまた理解されたい。
【0028】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他のことを指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。
【0029】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して使用されるような「埋込みグリッド」は、1つの導電型を反対の導電型を有する材料において有する材料のグリッド構造を示す。
【0030】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して使用されるような「導電型」は、半導体材料における導電性のタイプを示す。n型は電子伝導を示し、過剰な電子が半導体において移動して電流が流れることを意味し、p型は正孔伝導を示し、過剰な正孔が半導体において移動して電流が流れることを意味する。n型半導体材料はドナードーピングによって実現され、p型半導体材料はアクセプタードーパントによって実現される。SiCにおいては、一般的に、窒素がドナードーパントとして使用され、アルミニウムがアクセプタードーパントとして使用される。材料がSiCのようなドープされた半導体である場合には、材料は導電型p又は導電型nの何れかを有する。当業者は、半導体デバイスにおいて、全てのpドープ材料がnドープ材料に交換される場合には、全てのnドープ材料がpドープ材料に交換されることができ、すなわち、n及びpは場所を変えることができ、更には同様のデバイスが得られることができることを認識する。
【0031】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して使用されるような「ドープ」は、SiCのような真性半導体が、その電気的特性を変調し、外因性半導体になるように不純物が追加されたことを示す。
【0032】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して使用されるような「エピタキシャル」は、材料がエピタキシャル成長、この場合にはSiCのエピタキシャル成長で製造されたことを示す。
【0033】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して使用されるような「基板」は、その上にパワーデバイスが構築される一片の材料を示す。
【0034】
他に何も画定されない場合には、本明細書で使用される任意の用語及び科学用語は、本発明が関係する当業者によって一般的に理解される意味を有することが意図される。
【0035】
第1の態様において、デバイスであって、
n型基板(1)と、
n型基板(1)の上のn型ドリフトエピタキシャル層(3)と、
n型ドリフトエピタキシャル層(3)の上のn型エピタキシャル再成長層(6)と、
n型ドリフトエピタキシャル層(3)においてグリッドを備え、n型エピタキシャル再成長層(6)と接触するp型グリッド層(4)と、
n型ドリフトエピタキシャル層(3)にあり、n型エピタキシャル再成長層(6)と接触するp型フィーダ層(5)であって、グリッド層(4)とp型フィーダ層(5)とが接続されている、p型フィーダ層(5)と、
少なくとも部分的にp型フィーダ層(5)の上に与えられたオーミックコンタクト(7)と、
pウェル領域(8a、8b)と、
n+ソース領域(9a、9b)と、
ゲート酸化物(10)と、
ソースオーミックコンタクト(11)であって、オーミックコンタクト(7)は、メタライズ層(14)を介してソースオーミックコンタクト(11)に接続され、pウェル領域(8a、8b)は、n型エピタキシャル再成長層(6)、n+ソース領域(9a、9b)、ゲート酸化物(10)、及びソースオーミックコンタクト(11)と接触するように配置され、n+ソース領域(9a、9b)は、pウェル領域(8a、8b)、ゲート酸化物(10)、及びソースオーミックコンタクト(11)と接触するように配置されている、ソースオーミックコンタクト(11)と、
ゲートコンタクト(12)と、
メタライズ層(14)からのゲートコンタクト(12)領域の絶縁のための絶縁層(13)であって、ゲート酸化物(10)は、pウェル領域(8a、8b)、n+ソース領域(9a、9b)、ゲートコンタクト(12)、及び絶縁層(13)と接触し、ゲート酸化物(10)は、任意にn型エピタキシャル再成長層(6)及びソースオーミックコンタクト(11)と接触する、絶縁層(13)と、
ショットキーコンタクト(15)であって、メタライズ層(14)は、少なくとも部分的にデバイスの上に与えられ、ショットキーコンタクト(15)と接触し、ショットキーコンタクト(15)は、n型エピタキシャル再成長層(6)と接触する、ショットキーコンタクト(15)と、
ドレインオーミックコンタクト及びメタライズ層(17)と
を備えるデバイスが提供される。
【0036】
当業者は、特許請求の範囲及び本明細書がn型基板(1)、n型ドリフトエピタキシャル層(3)、及び型グリッド層(4)、等を画定する場合であっても、全てのnドープ(n型)材料をpドープ(p型)材料にし、全てのpドープ(p型)材料をnドープ(n型)材料にするように、全てのn型材料及びp型材料が交換されることができることを認識する。今日、最も一般的な市販の基板はn型であり、この結果、特許請求の範囲及び本明細書において、n型基板が選択されるが、全てのn型材料及びp型材料が交換される場合には、本発明は同等に良好な結果で使用されることができる。
【0037】
一実施形態においては、デバイスは、n型基板(1)とn型ドリフトエピタキシャル層(3)との間にn+型エピタキシャルバッファ層(2)を備える。
【0038】
一実施形態においては、デバイスは、n型エピタキシャル再成長層(6)、pウェル領域(8a)、及びゲート酸化物(10)と接触するJFET領域(16)を備える。一実施形態においては、JFET領域は、n型ドープJFET領域である。
【0039】
一実施形態においては、pウェル領域は、注入層(8a)を備える。
【0040】
一実施形態においては、pウェル領域は、エピタキシャル層(8b)を備える。
【0041】
一実施形態においては、n+ソース領域は、注入層(9a)を備える。
【0042】
一実施形態においては、n+ソース領域は、エピタキシャル層(9b)を備える。
【0043】
一実施形態においては、ゲートコンタクト(12)はポリシリコンを含む。
【0044】
一実施形態においては、ショットキーコンタクト(15)は金属を含む。
【0045】
一実施形態においては、ショットキーコンタクト(15)はポリシリコンを含む。
【0046】
一実施形態においては、オーミックコンタクト(7)は金属を含む。このような実施形態においては、オーミックコンタクト(7)は、金属オーミックコンタクトと呼ばれる。
【0047】
一実施形態においては、p型グリッド層(4)は複数のグリッドを含み、グリッドの少なくとも一部は、グリッドの下に中央に位置決めされた棚部を有し、棚部は、n型基板(1)に向かって位置決めされ、棚部は、グリッドより小さい横寸法を有する。この特徴は、グリッドの電界シールド効率を向上させ、デバイスの表面における電界を減少させる。これは、阻止電圧を増加させ、順方向抵抗を追加することなくリーク電流を低下させる。或いは、この設計で、より広いグリッドの離間が使用されることができ、低オン抵抗をもたらす。構造は、不良位置合わせ、イオン注入におけるドーズ量及びエネルギー変動、エッチング深さ、等のようなプロセス変動に対してより耐性がある。
【0048】
一実施形態においては、p型グリッド層(4)は複数のグリッドを含み、各グリッドは上部及び下部を備え、下部はn型基板(1)に面し、上部はエピタキシャル成長を使用して製造され、下部はイオン注入を使用して製造される。一実施形態においては、丸い角部を有するグリッド及び高ドーピングレベルを有する上部を製造することが可能である。効率的な電圧阻止、高電流伝導、低総抵抗、高サージ電流能力、及び高速スイッチングを有する構成要素を製造することが可能である。
【0049】
図1a、
図1b、及び
図2に描写される実施形態は、デバイスにおいて反復されることが意図される、MOSFET及びショットキーダイオードを有する反復ユニットセルの表現である。共有ドリフト層及び埋込みグリッドの存在は、反復単位が反復される方法に関する様々な設計を可能にする。デバイスの一実施形態においては、構造(8-13)(M)及びショットキーコンタクト(15)(S)は、構造(8-13)及びショットキーコンタクト(15)が交互になり、ショットキーコンタクト(15)が全ての構造(8-13)間にある(-M-S-M-S-M-S-M-)ように反復される。
【0050】
一実施形態においては、全ての第2の構造(8~13)(M)間に、構造が-M-M-S-M-M-S-M-M-S-M-M-であるように、ショットキーコンタクト(15)(S)がある。他の組み合わせがまた含まれる。全ての実施形態は、少なくとも1つのオーミックコンタクト(7)及び他の必要な特徴を含む。
【0051】
一実施形態においては、メタライズ層(14)は、ゲート(12)を除く全ての露出部分と接触するようにデバイスの表面に与えられる。
【0052】
一実施形態においては、n型エピタキシャル再成長層(6)は、ドリフト層又は電流拡散層の何れかとして異なるドーピングレベル及び厚さを有する少なくとも2つのn型エピタキシャル再成長層を含む。電流拡散層は、電流の分布を改良し、この結果、デバイスの性能を改良することができる。一実施形態においては、p型グリッド層(4)に最も近接するn型エピタキシャル再成長層(6)は、p型グリッド層(4)から最も離間するn型エピタキシャル再成長層(6)と比較して、より高いドーピング濃度を有する。別の実施形態においては、p型グリッド層(4)に最も近接するn型エピタキシャル再成長層(6)は、p型グリッド層(4)から最も離間するn型エピタキシャル再成長層(6)と比較して、より低いドーピング濃度を有する。一実施形態においては、n型エピタキシャル再成長層(6)は、ドーピング濃度において勾配を有する。一実施形態においては、勾配は、p型グリッド層(4)に最も近接する部分において最も高いドーピング濃度を有する。別の実施形態においては、勾配は、p型グリッド層(4)に最も近接する部分において最も低いドーピング濃度を有する。一実施形態においては、p型グリッド層(4)から離間するにつれて、低から高に、そして低への勾配がある。このような一実施形態においては、n型エピタキシャル再成長層(6)におけるドーピング濃度は、n型エピタキシャル再成長層(6)の中央部分と比較して、p型グリッド層(4)に最も近接する部分及びp型グリッド層(4)から最も離間する部分においてより低い。
【0053】
一実施形態においては、p型グリッド層(4)は、少なくとも第1の方向に反復構造を有し、反復構造は、少なくとも第1の方向に規則的な距離で反復し、構造(8~13)及びショットキーコンタクト(15)は、少なくとも第2の方向に反復構造を有し、反復構造は、少なくとも第2の方向に規則的な距離で反復する。第1の方向は、選択された方向に沿って移動する場合に規則的にそれ自体を反復する反復構造があるように選択された任意の方向である。方向に反復構造があるか否かを決定するために、その方向に線が引かれ、線に交差する任意の構造が、構造が反復するか否かを見るために調べられる。1つの反復する特徴から次の対応する反復する特徴の距離は、ピッチと呼ばれる。同じことが第2の方向に当てはまる。第1及び第2の方向は、同じであっても異なっていてもよい。
【0054】
一実施形態においては、任意の可能な画定された方向に沿って、p型グリッド層(4)の反復構造間の距離は、構造(8~13)及びショットキーコンタクト(15)の反復構造間の距離と同じではなく、距離は同じ方向に沿って測定される。この結果、p型グリッド層(4)の反復構造と(8~13)及び(15)の反復構造との間に位置合わせはない。これは、p型グリッド層(4)が上部に多くの異なる反復構造を有するように設計されることができるので、構成要素の製造に関する利点がある。
【0055】
一実施形態においては、反復構造は、第1の方向が第2の方向とは同じでないように異なる方向にある。代替の実施形態においては、反復構造は同じ方向にあり、すなわち、第1及び第2の方向は同じである。一実施形態においては、反復構造は、グリッドを形成する線と六角形との組み合わせである。別の実施形態においては、反復構造は、グリッドを形成する線と正方形との組み合わせである。他の組み合わせがまた含まれる。
【0056】
一実施形態においては、オーミックコンタクト(7)と接触する少なくとも1つのエピタキシャル成長p型領域(18)があり、p型フィーダ層(5)は、各エピタキシャル成長p型領域(18)のための少なくとも1つの領域を備え、n型基板(1)と平行な平面におけるエピタキシャル成長p型領域(18)の投影は、エピタキシャル成長p型領域(18)の投影を制限する境界線(l)を有し、p型フィーダ層(5)は、少なくとも、n型基板(1)に平行な平面におけるp型フィーダ層(5)の投影が境界線(l)の周囲にあって、境界線(l)から周囲における任意の点の距離が最大0.5μmであるように与えられ、p型フィーダ層(5)はまた、エピタキシャル成長p型領域(18)の下部からp型フィーダ層(5)の上部の距離が0~5μmの範囲にあるように与えられ、上方向は、n型基板(1)から垂直に離間する方向によって与えられる。少なくとも1つのエピタキシャル成長p型領域(18)を含む実施形態が
図4に描写される。この実施形態の利点は、この技術を使用して可能である高ドープのエピタキシャル成長p型領域(18)に起因する改良された注入効率に起因する低順方向電圧降下に起因する高サージ電流能力を含む。更に、p型フィーダ層(5)及びエピタキシャル成長p型領域(18)の寸法及びドーピングプロファイルを変えることによって、様々な電圧クラスのための設計の柔軟性がある。エピタキシャル成長p型領域(18)を含む基板、及びn型基板(1)と平行な平面におけるその投影の図が、
図6に示される。境界線(l)の周囲は、半径0.5μmの円が境界線(l)に沿って移動するように決定されることができ、円で掃引された領域は、境界線(l)から周囲における任意の点の距離が最大0.5μmになるように周囲内にある。これは、境界線(l)の任意の形状に適用可能である。エピタキシャル成長p型領域(18)が非常に長いトレンチの形態を有する場合には、2つの境界線があってもよい。そして、上から視られた場合、すなわち、n型基板(1)の最大領域を見ている位置から視られた場合、p型フィーダ層(5)は、エピタキシャル成長p型領域(18)の境界に近接して、より詳細には境界線から±0.5μm以内に与えられる。これは、境界線から±0.5μmの周囲を画定し、p型フィーダ層(5)は、少なくともこの周囲において与えられ、それはまた、この周囲の外側に与えられることができる。また、p型フィーダ層(5)は、側面から見られると、すなわち、デバイスを横に切って見ると、エピタキシャル成長p型領域(18)にかなり近接して与えられるべきである。そして、p型フィーダ層(5)は、エピタキシャル成長p型領域(18)と接触し、又はエピタキシャル成長p型領域(18)の下の最大5μmにある。エピタキシャル成長p型領域(18)の投影が境界線(l)を決定するために使用されるので、エピタキシャル成長p型領域(18)の最大部分がp型フィーダ層(5)の位置を決定する。
図4に示される方向のp型フィーダ層(5)の断面は直角にかなり近いので、この条件は、p型フィーダ層(5)が少なくとも角部に近接して与えられることを意味し、それらは、鋭い角部の電場に対する影響を軽減する。
【0057】
本発明は、パワーMOSFET及びショットキーダイオードを高集積密度で集積するための解決策である。これは、別の層によって阻止時に電界をシールドするために、埋込みグリッド(BG)を接合障壁として使用することによって行われる。これによって、表面積全体が、電界を低下させるために、特別な構造のための領域を犠牲にすることなくMOSFET及びショットキー構造のために使用されることができる。MOSFET及びショットキーダイオードは、同じユニットセルにおいて互いに非常に近接して置かれることでき、この結果、同じドリフト層を共有することができる。ショットキーコンタクトのサイズは、MOSFETからのシールドによって制限されず、MOSFET領域とショットキーダイオード領域との間の比率は自由に選択されることができる。
【0058】
グリッド層は、高電界に対して最上層をシールドする。この結果、DMOSFETのために、pウェルのドーピング濃度を、標準的なDMOSFET構造より低下させることができる。pウェルの低ドーピング濃度は、高チャネル移動度をもたらし、この結果、低抵抗及び増加した電流密度をもたらす。それ故に、BG設計で、DMOSFET及びショットキーダイオードの集積は、既存のDMOSFET技術と比較して、同じ電流定格のためにダイサイズを大幅に増加させない。
【0059】
ショットキーダイオードのアノード及びMOSFETのソースコンタクトは、厚いメタライズ層(14)を介して接続される。高レベルのサージ電流能力は、BGフィーダ(5)及びフィーダ(7)への接触領域によって画定される。等価のデバイス回路図が
図3に示される。
【0060】
BGへのフィーダの設計は、ショットキーコンタクト(15)とBG(4、5)との間で電圧降下があるので、フィーダPNダイオード(3、5、7)及びBG(4)が伝導するべきである電圧を選択することを可能にする。PN接合における高電流レベルは、いわゆるバイポーラ劣化を引き起こす場合がある。PN接合ダイオード(3、5、7)は、通常の動作時にはアクティブではないが、サージ過電流のための保護として機能する。加えて、MOSFETのpウェル(8a、8b)から物理的に分離されているBG(4)は、阻止モードでデバイスのアバランシェ能力を保証し、この結果、追加の保護機能を提供する。
【0061】
MOSFET及びショットキーダイオードの集積は、余分なフォトリソグラフィステップを追加しない。例えば、ポリシリコンゲートコンタクトをショットキーコンタクトとして、非特許文献3に開示されるように使用することができ、その開示は全体として組み込まれる。他の方法は、同じプロセスステップで薄いショットキーコンタクト層(例えば、Ti、Ni・・・)及び厚い金属層(例えば、Al、Ag・・・)を堆積することである。
【0062】
必要に応じて、ショットキーコンタクト(15)領域をパターン化するために、ゲート酸化物層(10)の代わりに分離層(13)が使用されることができる。