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特許7389061ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンの縮合重合のため方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンの縮合重合のため方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/08 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
C08G77/08
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020570839
(86)(22)【出願日】2019-07-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-09
(86)【国際出願番号】 US2019040441
(87)【国際公開番号】W WO2020040885
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】62/722,345
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ベロウィッシュ、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】リッカード、マーク
(72)【発明者】
【氏名】プシュカルフ、ブラディミール
(72)【発明者】
【氏名】ハン、シュアンピン
(72)【発明者】
【氏名】オーユェン、イブリン
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン、トーマス
【審査官】三宅 澄也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/017598(WO,A1)
【文献】特表2016-531979(JP,A)
【文献】特表2011-506740(JP,A)
【文献】特開昭60-053539(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00037341(EP,A1)
【文献】特開2018-184395(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G77/
C08L83/
C07F 7/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリジオルガノシロキサンを重合するための方法であって、
1)出発材料を混合することによって調製される反応混合物を、50℃~200℃の温度で加熱することであって、前記出発材料が、
A)単位式[(HO)RSiO1/2 SiO2/2のポリジオルガノシロキサン[式中、下付き文字nは0~2000であり、各Rは、独立して選択される炭素原子数1~18の一価炭化水素基である]と、
B)出発材料A)の重量に基づいて、10ppm~500ppmのトリフルオロメタンスルホン酸化合物であって、
B-1)トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)、
B-2)トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)、
B-3)トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、
B-4)トリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)、
B-5)トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)、
B-6)トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、および
B-7)ジシクロヘキシルボロントリフルオロメタンスルホン酸からなる群より選択されるトリフルオロメタンスルホン酸化合物と、を含む、加熱することと、
2)前記反応混合物をクエンチすることと、
3)生成物を、前記反応混合物から回収することであって、前記生成物が、単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/2[式中、m>nである]を有する、回収することと、を含む方法。
【請求項2】
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、およびアリールからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
下付き文字nが、10~150である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記トリフルオロメタンスルホン酸化合物が、10ppm~50ppmの量で存在する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記トリフルオロメタンスルホン酸化合物が、B-2)トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)、B-3)トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、およびB-4)トリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)からなる群より選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記トリフルオロメタンスルホン酸化合物が、B-1)トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)、B-5)トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)、およびB-6)トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)からなる群より選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
工程1)の前に、B)前記トリフルオロメタンスルホン酸化合物、およびC)前記トリフルオロメタンスルホン酸金属のキレート配位子を混合することをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
出発材料C)が、一般式
【化1】
[式中、各Rおよび各Rが、独立して選択される炭素原子数1~8のアルキル基である]を有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
溶媒である出発材料D)が存在する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記溶媒が、非プロトン性溶媒およびトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンからなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記溶媒が、テトラヒドロフラン、トルエン、およびジクロロメタンからなる群より選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程1)が、80℃~105℃の温度で30秒~2時間加熱することによって実施される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、工程1)の間および/または後に水を除去することをさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
工程2)が、アミンを添加し、前記反応混合物を50℃未満の温度に冷却することによって実施される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
工程3)が、前記反応混合物を濾過、ストリッピング、および/または蒸留することを含む方法によって実施される、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づき2018年8月24日に出願された米国仮特許出願第62/722345号の利益を主張する。米国仮特許出願第62/722345号は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンの縮合重合のための方法に関する。本方法は、環状ポリジオルガノシロキサン副生成物の生成を最小限に抑える触媒としてトリフルオロメタンスルホン酸(トリフレート)化合物を用いる。
【背景技術】
【0003】
ヒドロキシル基を有するオルガノシロキサンオリゴマーおよび短鎖ポリマーは、適切な縮合反応触媒の存在下での重合により、縮合反応を介して高分子量、高重合度(DP)のポリマーに重合され得る。ヒドロキシル官能性オルガノシロキサンの縮合重合は、副生成物としての水の除去とともに起こる。以前の方法では、触媒としてブレンステッド酸、ブレンステッド塩基、またはホスホニトリルを用いていた。これらの触媒は非常に高活性になり得る(DPの高い生成物を生成する)が、結果として得られるヒドロキシル官能性ポリジオルガノシロキサン生成物に、大量(>1000ppm)の環状副生成物であるオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)を生成する傾向がある。
【0004】
解決すべき課題
上記の以前の方法で達成されるよりも低いD4含有量を有する高分子量、高重合度のポリオルガノシロキサンを生成することが業界で必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
ポリジオルガノシロキサンを重合するための方法は、
1)出発材料を混合することによって調製される反応混合物を、50℃~200℃の温度で加熱することであって、上記出発材料が、
A)単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/2のポリジオルガノシロキサン[式中、下付き文字nは0~2000であり、各Rは、独立して選択される炭素原子数1~18の一価炭化水素基である]と、
B)出発材料A)の重量に基づいて、10ppm~500ppmのトリフルオロメタンスルホン酸化合物であって、
B-1)トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)、
B-2)トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)、
B-3)トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、
B-4)トリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)、
B-5)トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)、
B-6)トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、および
B-7)ジシクロヘキシルボロントリフルオロメタンスルホン酸からなる群より選択されるトリフルオロメタンスルホン酸化合物と、を含む、加熱することと、
2)反応混合物をクエンチすることと、
3)生成物を、反応混合物から回収することであって、上記生成物が、単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/2[式中、m>nである]を有する、回収することと、を含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
ポリジオルガノシロキサンを重合して、出発材料よりもより高いDPおよび低いD4含有量を有するヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサン生成物を生成するための方法は、
任意選択で、プレ1)、工程1の前に、B)トリフルオロメタンスルホン酸化合物と、C)トリフルオロメタンスルホン酸化合物のキレート配位子とを、混合することと、
1)出発材料を混合することによって調製される反応混合物を、50℃~200℃の温度で加熱することであって、上記出発材料が、
A)単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/2のポリジオルガノシロキサン[式中、下付き文字nは0~2000であり、各Rは、独立して、炭素原子数1~18の一価炭化水素基から選択される]と、
B)出発材料A)の重量に基づいて10ppm~500ppmのトリフルオロメタンスルホン酸化合物であって、
B-1)トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)、
B-2)トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)、
B-3)トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、
B-4)トリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)、
B-5)トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)、
B-6)トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、および
B-7)ジシクロヘキシルボロントリフルオロメタンスルホン酸からなる群より選択されるトリフルオロメタンスルホン酸化合物と、
任意選択で、C)キレート配位子と、
任意選択で、D)溶媒と、を含む、加熱することと、
2)反応混合物をクエンチすることと、
3)反応混合物から生成物を回収することと、を含み、上記生成物が、単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/2[式中、m>nである]を有する。工程1)において、B)トリフルオロメタンスルホン酸化合物と、存在する場合、C)キレート配位子とを結合させ得る。あるいは、工程プレ1)が存在する場合、工程1)の前にB)トリフルオロメタンスルホン酸化合物と、C)キレート配位子とを結合させ、キレートを形成させ得る。
【0007】
本方法は、バッチ反応器または気液反応器などの連続反応器を使用して実施し得る。滞留時間は、選択した温度および反応器のタイプを含む種々の要因に依存する。しかし、工程1)を、80℃~105℃の温度で30秒~2時間加熱することにより実施し得る。本方法は、周囲圧力で実施され得、不活性雰囲気を必要としない。しかし、副生成物の水の除去を可能とする条件は、生成物のDPの増加または選択性の向上(生成物中のD4の最小化)、またはその両方を容易に得る。したがって、本方法は、工程1)の間および/または後に水を除去することをさらに含み得る。選択性はまた、配位子である出発材料C)を添加するとき、向上し得る。あるいは、本方法を、工程1)の間に水が除去されない条件下で実施し得る。工程2)を、E)アミンを添加し、反応混合物を50℃未満の温度に冷却することによって実施し得る。工程3)を、反応混合物を濾過、ストリッピングおよび/または蒸留することを含む方法によって実施し得る。
【0008】
上記の方法は、出発材料A)よりも高いDPおよび低いD4含有量を有するヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンを生成することができる。例えば、生成物中のD4含有量は、<400ppm、あるいは<300ppmであり得る。D4の最小量は、0、あるいは100ppmであり得る。そして、出発材料A)がDP<50である場合、生成物のDPは、>300、あるいは>400、あるいは>500、あるいは>1000、あるいは>1500、あるいは>2000であり得る。あるいは、出発材料A)がDP<50である場合、生成物のDPは、300~3000、あるいは400~2500、あるいは500~2000であり得る。
【0009】
出発材料A)ポリジオルガノシロキサン
出発材料A)は、単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/を含むポリジオルガノシロキサンであり、式中、下付き文字nは0~2000であり、各Rは独立して選択される炭素原子数1~18の一価炭化水素基である。Rに適切な一価炭化水素基は、アルキル、アルケニル、およびアリールからなる群より選択され得る。例示的なアルキル基は、メチル、エチル、プロピル(n-プロピルおよびイソ-プロピルを含む)、ブチル(n-ブチル、t-ブチル、イソ-ブチルおよびsec-ブチルを含む)、およびヘキシル基(それらの分岐および線状異性体を含む)を含む。例示的なアルケニル基は、ビニル、アリル、およびヘキセニル(それらの分岐および線状異性体を含む)を含む。例示的なアリール基は、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、およびベンジルを含む。あるいは、各アルキルはメチルであり得、各アルケニルは、ビニル、アリル、およびヘキセニルからなる群より選択され得、そして各アリールは、フェニルであり得る。あるいは、Rのすべての例の50%~100%、あるいは80%~100%、あるいは90%~100%は、メチルなどのアルキル基である。あるいは、出発材料A)のR基は、メチルおよびフェニルであり得る。あるいは、出発材料A)のR基は、メチルおよびビニルであり得る。出発材料A)では、下付き文字nは0~2000である。あるいは、下付き文字nは、5~2000、あるいは5~200、あるいは10~150、あるいは15~100、あるいは20~50、あるいは25~35であり得る。当業者は、出発材料A)が実質的に線状であり得るか、あるいは出発材料A)が線状であることを認識するであろう。さらに、出発材料A)は、式(HORSiO2/2)、(RSiO3/2)、および/または(SiO4/2)のものなど、少数の追加のシロキサン単位を含み得、ただし、出発材料A)が実質的に線状であることを条件とする。出発材料A)の例は、ビスヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンを含む。出発材料(A)に適したポリジオルガノシロキサンを、ジオルガノジクロロシランを水/溶媒混合物に添加して、溶媒中で低分子量ヒドロキシ末端ブロックポリジオルガノシロキサンと環状シロキサンとの混合物を得るなど、当技術分野で知られている方法によって調製し得る。混合物を精製して、ヒドロキシ末端ブロックポリジオルガノシロキサンおよび環状ポリシロキサンを分離し得る。あるいは、適切なビスヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンは、Dow Silicones Corporation(米国ミシガン州ミッドランド)から市販されている。
【0010】
出発材料B)トリフルオロメタンスルホン酸化合物
出発材料B)は、トリフルオロメタンスルホン酸化合物(トリフレート化合物)である。出発材料B)を、出発材料A)の重量に基づいて、10ppm~500ppmの量で本方法に使用する。出発材料B)は、B-1)トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)、B-2)トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)、B-3)トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、B-4)トリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)、B-5)トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)、B-6)トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)、およびB-7)ジシクロヘキシルボロントリフルオロメタンスルホン酸からなる群より選択される。あるいは、出発材料B)は、B-1)トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)、B-2)トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)、B-3)トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、B-4)トリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)、およびB-5)トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)からなる群より選択され得る。あるいは、出発材料B)は、トリフルオロメタンスルホン酸金属であり得、すなわち、出発材料B)は、B1)、B2)、B3)、B4)、B5)、およびB6)のいずれか1つであり得る。あるいは、出発材料B)は、B-2)トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)、B-3)トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、およびB-4)トリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)からなる群より選択され得る。あるいは、出発材料B)は、B-1)トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)、B-5)トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)、およびB-6)トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(III)からなる群より選択され得る。あるいは、出発材料B)は、B-1)トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)およびB-5)トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)からなる群より選択され得る。一実施形態では、出発材料B)は、本明細書に記載の方法の工程1)の前に、配位子である出発材料C)と結合され得る。適切なトリフルオロメタンスルホン酸化合物は、例えば、Sigma-Aldrich、Fischer Scientific、またはAlfa Aesarから市販されている。
【0011】
出発材料C)配位子
出発材料C)を、本明細書に記載の方法で任意選択で添加し得る。この実施形態では、出発材料C)と、出発材料B)とを、混合などの任意の簡便な手段によって、工程1)の前に結合させ得る。一実施形態では、出発材料C)は、ビスイミン配位子であり得る。出発材料C)は以下の一般式を有し得る。
【化1】
、式中、各Rおよび各Rは、炭素原子数1~8、あるいは炭素原子数1~6、あるいは炭素原子数2~5の独立して選択されたアルキル基である。あるいは、RおよびRはそれぞれ、tert-ブチル基などのブチル基であり得る。1,2-ビス-(2-ジ-イソ-プロピルフェニル)イミノ)エタンまたは1,2-ビス(2-ジ-tert-ブチルフェニル)イミノ)エタンなどの適切なビスイミン配位子は、例えば、Sigma-Aldrichから市販されている。
【0012】
あるいは、出発材料C)は、
【化2】
であり得、式中、tBuはt-ブチル基を表す。添加される配位子の量は、出発材料B)に選択されるトリフレート化合物および生成物に所望されるDPを含む、種々の要因に依存するが、配位子の量は、出発材料B)の量に基づいて1モル当量~2モル当量であり得る。
【0013】
出発材料D)溶媒
溶媒である出発材料D)を、任意選択で、本明細書に記載の方法で使用し得る。溶媒を使用して、1つ以上の他の出発材料を送達し得る。例えば、配位子と金属トリフレートとを結合させる前に、配位子を溶媒に溶解し得る。あるいは、金属トリフレートを、上記の工程プレ1)で金属トリフレートと結合させる前に、または工程1)で出発材料A)と結合させる前に、溶媒に溶解し得る。溶媒は、テトラヒドロフラン、トルエン、またはジクロロメタンなどの非プロトン性溶媒であり得る。あるいは、溶媒は、Dow Silicones Corporation(米国ミシガン州ミッドランド)から市販されているOS流体などの低分子量トリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンであり得る。溶媒を使用して、1つ以上の出発材料を送達する(すなわち、工程1)の前に1つ以上の出発材料を溶媒に溶解し得るか、反応を溶媒中で進め得るか、またはその両方を行い得る。溶媒の量は、選択した出発材料A)、B)、およびC)の種類および量、ならびに1つ以上の出発材料が溶媒中で送達されるかどうか、または反応を溶媒中で進めるかどうかを含む種々の要因に依存する。例えば、存在する場合、その量は、0.1M~0.5Mの出発材料A)の濃度の反応混合物を形成するのに十分であり得る。
【0014】
出発材料E)アミン
出発材料E)アミンを使用して、本明細書に記載の方法の工程2)で反応混合物をクエンチする。アミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、またはN,N-ジメチルシクロヘキシルアミンなどのアルキルアミンであり得る。アミンの量は、本方法で使用されるすべての出発材料の総重量に基づいて、100ppm~100,000ppmのアミンであり得る。あるいは、アミンの量は、同じ基準で100ppm~1000ppmであり得る。適切なアミンは、例えば、Sigma-AldrichまたはFisherScientificから市販されている。
【0015】
生成物
本明細書に記載の方法の生成物は、単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/2のビスヒドロキシル末端ポリジオルガノシロキサンであり、式中、Rは出発材料A)について上記した通りであり、下付き文字mは、出発材料A)における下付き文字nよりもより大きい値を有する。例えば、上記の生成物では、下付き文字mは、(n+250)~(n+2500)、あるいは(n+300)~(n+2400)、あるいは(n+350)~(n+2300)、あるいは(n+400)~(n+2000)、あるいは(n+450)~(n+1500)の範囲の値を有し得る。
【実施例
【0016】
これらの実施例は、本発明のいくつかの実施形態を例示するためのものであり、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
比較例1-ビス-ヒドロキシル末端ポリジメチルシロキサンとトリフルオロメタンスルホン酸との重合(表1のエントリ12)
【0017】
40mLのガラスバイアルに、35の平均DPを有するビスヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)10gを充填し、攪拌棒を取り付けた。ビスヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)は、Dow Silicones Corporation(米国ミシガン州ミッドランド) から入手した。バイアルを80℃に加熱し、71μLのトリフルオロメタンスルホン酸(無水ジクロロメタン中の0.01M溶液として)をビスヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)に加えて重合を開始させた。キャップを開けた状態で、80℃で2時間撹拌を続けた後、2滴のN,N-ジメチルシクロヘキシルアミン(トルエン中の1%溶液として)を加えることにより溶液をクエンチし、室温まで冷却した。GPCによる粗反応混合物の分析は、1117の最終重合度を示したが、ヘッドスペースGCは3,678ppmの残留D4を測定した。
【0018】
参考例2-一般的な手順
【化3】

試料を以下のように調製した。40mLのガラスバイアルに、35の平均DPを有するビスヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)10gを充填し、サンドイッチ型の希土類磁石攪拌棒を取り付けた。バイアルを80℃または105℃に加熱し、トリフルオロメタンスルホン酸化合物(無水THF中の0.01M溶液として)をビスヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)に添加して重合を開始させた。キャップを開けた状態で80℃または105℃で2時間撹拌を続けた後、2滴のN,N-ジメチルシクロヘキシルアミン(トルエン中の1%溶液として)を加えることにより得られた溶液をクエンチし、室温まで冷却した。得られた粗反応混合物をGPCで分析すると、最終的な重合度が示され、ヘッドスペースGCでは残留オクタメチルシクロテトラシロキサンを測定した。トリフルオロメタンスルホン酸化合物、温度、金属トリフレートの濃度、本方法によって調製したビスヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンの重合度、本方法によって調製したビスヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン中の残留D4、およびDP/D4比を以下の表1に示す。試験した他の触媒は、ノナフルオロブタン-1-スルホン酸、ジシクロヘキシルボロントリフルオロメタンスルホン酸であり、金属トリフレート触媒の代わりに塩化ホスホニトリル触媒を使用した。
【表1】
【0019】
*塩化ホスホニトリル触媒は、[ClP=N-PCl=N-PCl[PCl5x+1および[ClP=N-PCl=N-PCl=N-PCl[PCl5x+1の混合物である。
【0020】
本明細書の表に示されているDP/D4比は、最終生成物および出発材料A)との間のDPの差を、生成されたD4の量で割ることによって計算した。一般に、高いDP/D4比が望ましく、ただし、DPが十分に増加したことを条件とする。
【0021】
実施例3-一般的な手順
試料を、加熱が105℃で2時間行われ、トリフレートの充填量が25ppmであったことを除いて、参考例2に記載したように調製した。以下の表2は、105℃で2時間後の、ビスヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)による触媒ごとの重合度を示す。
【表2】
【0022】
表1および表2は、特定の金属トリフレートのみが、試験した条件下で十分な鎖伸長(DPの増加によって示される)および低いD4含有量を持つビスヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサンを生成したことを示す。例えば、銅(II)トリフレート、イットリウム(III)トリフレート、セリウム(IV)トリフレート、セリウム(III)トリフレート、イッテルビウム(III)トリフレート、亜鉛(II)トリフレート、およびサマリウム(III)トリフレートは、試験された条件下で生成物のDPの十分な増加をもたらさなかった。
【0023】
実施例4-配位子の添加
試料を以下のように調製した。金属トリフレートおよび1または2モル当量の配位子を、無水THFに溶解して、金属トリフレート・配位子溶液を調製した。40mLのガラスバイアルに、35の平均DPを有するビスヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)10gを充填し、サンドイッチ型の希土類磁石攪拌棒を取り付けた。バイアルを105℃に加熱し、0.01Mの濃度の金属トリフレート・配位子溶液をビスヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)に添加して重合を開始させた。キャップを開けた状態で、105℃で2時間撹拌を続けた後、各バイアルに2滴のN、N-ジメチルシクロヘキシルアミン(トルエン中の1%溶液として)を加えることにより、得られた溶液をクエンチし、室温まで冷却させた。得られた粗反応混合物のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による分析は、最終的な重合度を示し、ヘッドスペースガスクロマトグラフィー(GC)で残留D4を測定した。以下の表3は、試験した金属トリフレートまたは金属トリフレート・配位子、それが添加されたときの濃度、DP、および生成物中のD4の量を示す。
【0024】
試験した配位子は次のとおりである。
【化4】
【表3】
【0025】
表3は、式
【化5】
の配位子が、実施例3で試験した条件下で、ビスマス(III)トリフレート単独よりも性能を改善したことを示す(より高いDPおよびより低いD4)。
【0026】
実施例5-配位子の添加
試料を以下のように調製した。金属トリフレートおよび1または2モル当量の配位子Dを無水THFに溶解して、金属トリフレート・配位子溶液を調製した。40mLのガラスバイアルに、35の平均DPを有するビスヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)10gを充填し、サンドイッチ型の希土類磁石攪拌棒を取り付けた。バイアルを105℃に加熱し、0.01Mの濃度の金属トリフレート・配位子溶液をビスヒドロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン)に添加して重合を開始させた。キャップを開けた状態で、105℃で2時間撹拌を続けた後、各バイアルに2滴のN、N-ジメチルシクロヘキシルアミン(トルエン中の1%溶液として)を加えることにより、得られた溶液をクエンチし、室温まで冷却した。得られた粗反応混合物のGPCによる分析は、最終的な重合度を示し、ヘッドスペースGCにより残留D4を測定した。以下の表4は、試験した金属トリフレートまたは金属トリフレート・配位子、それを添加したときの濃度、DP、および生成物中のD4の量を示す。
【表4】
【0027】
参考例6-分子分布
出発材料の分子分布を、トリプル検出器アレイ(屈折率、直角光散乱、および粘度計)を備えたGPCによって分析することができる。0.5%の試料をGPC分析に使用した。ポリスチレン標準のMwは、580~100,000の範囲であり、分子量決定には3次較正曲線を使用した。試料および標準の両方をHPLCグレードの酢酸エチルで希釈した。
【0028】
参考例7-D4濃度
D4濃度測定を、以下の機器、手順、および定量方法を使用して実施した。
【0029】
GC-HP 6890
勾配:50℃(1分)~220℃@10℃/分(ホールドなし)、注入口:スプリット1:20、9.68psi、150℃、流量:2mL/分
FID:水素40mL/分、空気450mL/分、補給45mL/分、温度260℃、カラム:RTX-1、30m/320μm/0.25μm
【0030】
ヘッドスペースユニット-Perkin-Elmer TurboMatrix40
インキュベーション:120℃で10分間振盪、シリンジ:125℃、トランスファーライン:130℃、加圧:3分、回収:0.5分、カラム圧力:20psi、注入:0.15分/0.3mL、GCサイクル:25分
【0031】
試料調製
内部標準を、Fisher Brand 19流体真空油中の0.01重量%ドデカンになるように調整した。1mLの内部標準溶液を、20mLのヘッドスペースバイアル(エッペンドルフリピーターピペット付き)に添加した。100mgのD4標準(通常は100ppm標準を使用)または100mgの実験試料をヘッドスペースバイアルに添加した。
【0032】
定量:
D4含有量の定量は、単一点内部標準法によるものであった。ドデカンに対するD4の相対応答係数(RRF)を、新しいバッチの内部標準溶液が調製されるたびに確立し、更新した。試料中のD4の量は、以下の式と同じタイプの式に従って、Thermo Atlasデータシステム内で判定した。
【数1】
【0033】
産業上の利用可能性
Dow Silicones Corporationによって生成されたビスヒドロキシ末端シリコーンポリマーは、副生成物として約1000ppmのD4を含む可能性がある。本発明者らは、驚くべきことに、いくつかのトリフレート化合物が、上記の実施例で試験した条件下で使用される従来の触媒よりも著しく少ないオクタメチルシクロテトラシロキサンを生成することを見出した。本発明者らはさらに、いくつかの配位子が、上記の実施例で試験した条件下で金属トリフレート塩と結合されると、シラノール縮合重合における選択性を改善することができることを見出した。いずれの場合も、触媒ごとの選択性を、重合度の変化を反応で生成したD4の量で割ることによって決定した(ΔDP/ΔD4)。最初の配位子スクリーニングでは、ビスイミンDがD4生成を減らすための最適な配位子として特定され、ΔDP/ΔD4が、Bi(OTf)の2.5からBi(OTf)・2D錯体の4.9に増加した(表3)。
【0034】
用語の定義と用法
特に明細書の文脈による指定がない限り、すべての量、比、および百分率は、重量基準である。発明の概要および要約は、参照により本明細書に組み込まれる。特に明細書の文脈による指定がない限り、冠詞「a」、「an」、および「the」の各々は1つ以上を指す。範囲の開示には、範囲自体、およびその中に包含されるもの、ならびに終点も含まれる。例えば、0~2000の範囲の開示は、0~2000の範囲だけでなく、個々に、1、2、5、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、200、300、400、500、600、800、1000、1250、1500、1750、および2000、ならびにその範囲に包含される任意の他の数も含む。さらに、例えば、0~2000の範囲の開示は、10~1500、16~750、20~450、5~50、および10~40、ならびにその範囲に包含される任意の他のサブセットを含む。以下の表5は、本出願全体で使用される略語を定義する。
【表5】
【0035】
発明の実施形態
第1の実施形態では、ポリジオルガノシロキサンを重合するための方法は、
プレ1)出発材料であって、
B)B-1)トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)、B-2)トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)、B-3)トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、B-4)トリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)、およびB-5)トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)からなる群より選択されるトリフルオロメタンスルホン酸金属と、
C)一般式
【化6】
[式中、各Rおよび各Rは、独立して選択される炭素原子数1~8のアルキル基である]の配位子と、を含む出発材料を結合させ、それにより触媒を形成させることと、
1)触媒を出発材料と混合することによって調製される反応混合物を、50℃~200℃の温度で加熱することであって、上記出発材料が、
A)単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/2のポリジオルガノシロキサン[式中、下付き文字nは0~2000であり、各Rは独立して選択される炭素原子数1~18の一価炭化水素基である]と、
任意選択で、D)溶媒と、を含む、加熱することと、
2)反応混合物をクエンチすることと、
3)生成物を反応混合物から回収することであって、上記生成物が単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/2[式中、m>nである]を有する、回収することと、を含む。
【0036】
第2の実施形態では、第1の実施形態の方法における各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、およびアリールからなる群より選択される。
【0037】
第3の実施形態では、第2の実施形態の方法における各アルキルがメチルであり、各アルケニルが、ビニル、アリル、およびヘキセニルからなる群より選択され、各アリールはフェニルである。
【0038】
第4の実施形態では、第1の実施形態の方法における下付き文字nが、5~2000、あるいは5~200、あるいは10~150、あるいは15~100、あるいは20~50、あるいは25~35である。
【0039】
第5の実施形態では、第1の実施形態の方法におけるトリフルオロメタンスルホン酸金属が、出発材料A)の重量に基づいて10ppm~500ppmの量で存在する。
【0040】
第6の実施形態では、第1の実施形態の方法におけるトリフルオロメタンスルホン酸金属が、B-2)トリフルオロメタンスルホン酸ビスマス(III)、B-3)トリフルオロメタンスルホン酸ガリウム(III)、およびB-4)トリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)からなる群より選択される。
【0041】
第7の実施形態では、第1の実施形態の方法におけるトリフルオロメタンスルホン酸金属が、B-1)トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウム(III)およびB-5)トリフルオロメタンスルホン酸インジウム(III)からなる群より選択される。
【0042】
第8の実施形態では、第1の実施形態の方法における出発材料C)が、
【化7】
である。
【0043】
第9の実施形態では、第1の実施形態における出発材料D)溶媒が存在する。
【0044】
第10の実施形態では、第9の実施形態の方法における溶媒が、非プロトン性溶媒およびトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンからなる群より選択される。
【0045】
第11の実施形態では、第1の実施形態の方法における工程プレ1)が、周囲圧力および温度で混合することによって実施される。
【0046】
第12の実施形態では、第1の実施形態の方法における工程1)が、周囲圧力で80℃~105℃の温度で30秒~2時間加熱することによって実施される。
【0047】
第13の実施形態では、第1の実施形態の方法における方法が、工程1)の間および/または後に水を除去することをさらに含む。
【0048】
第14の実施形態では、第1の実施形態の方法における工程2)が、アミンを添加し、反応混合物を50℃未満の温度に冷却することによって実施される。
【0049】
第15の実施形態では、第14の実施形態の方法におけるアミンがN,N-ジメチルシクロヘキシルアミンである。
【0050】
第16の実施形態では、第1の実施形態の方法における工程3)が、反応混合物を濾過、ストリッピング、および/または蒸留することを含む方法によって実施される。
【0051】
第17の実施形態では、ポリジオルガノシロキサンを重合するための方法は、
任意選択で、プレ1)出発材料であって、
B)ジシクロヘキシルボロントリフルオロメタンスルホン酸と、
C)一般式
【化8】
[式中、各Rおよび各Rは、独立して選択される炭素原子数1~8のアルキル基である]の配位子と、を含む出発材料を結合させ、それにより触媒を形成させることと、
1)B)ジシクロヘキシルボロントリフルオロメタンスルホン酸、または工程プレ1)が使用されるとき上記触媒を、出発材料と混合することによって調製される反応混合物を、50℃~200℃の温度で加熱することであって、上記出発材料が、
A)単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/2のポリジオルガノシロキサン[式中、下付き文字nが0~2000であり、各Rが独立して選択される炭素原子数1~18の一価炭化水素基である]と、
任意選択で、D)溶媒と、を含む、加熱することと、
2)反応混合物をクエンチすることと、
3)生成物を反応混合物から回収することであって、上記生成物が単位式[(HO)RSiO1/2(RSiO2/2[式中、m>nである]を有する、回収することと、を含む。
【0052】
第18の実施形態では、第17の実施形態の方法における各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、およびアリールからなる群より選択される。
【0053】
第19の実施形態では、第18の実施形態の方法における各アルキルがメチルであり、各アルケニルが、ビニル、アリル、およびヘキセニルからなる群より選択され、各アリールがフェニルである。
【0054】
第20の実施形態では、第17の実施形態の方法における下付き文字nが、5~2000、あるいは5~200、あるいは10~150、あるいは15~100、あるいは20~50、あるいは25~35である。
【0055】
第21の実施形態では、第17の実施形態の方法における出発材料C)が、
【化9】
である。
【0056】
第22の実施形態では、第17の実施形態における出発材料D)溶媒が存在する。
【0057】
第23の実施形態では、第22の実施形態の方法における溶媒が、非プロトン性溶媒およびトリメチルシロキシ末端ポリジメチルシロキサンからなる群より選択される。
【0058】
第24の実施形態では、第17の実施形態の方法における工程プレ1)が、周囲圧力および温度で混合することによって実施される。
【0059】
第25の実施形態では、第17の実施形態の方法における工程1)が、周囲圧力で80℃~105℃の温度で30秒~2時間加熱することによって実施される。
【0060】
第26の実施形態では、第17の実施形態の方法における方法が、工程1)の間および/または後に水を除去することをさらに含む。
【0061】
第27の実施形態では、第17の実施形態の方法における工程2)が、アミンを添加し、反応混合物を50℃未満の温度に冷却することによって実施される。
【0062】
第28の実施形態では、第27の実施形態の方法におけるアミンが、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミンである。
【0063】
第29の実施形態では、第17の実施形態の方法における工程3)が、反応混合物を濾過、ストリッピング、および/または蒸留することを含む方法によって実施される。