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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20231121BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231121BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231121BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
E02F9/20 C
H02J7/00 P
H02J7/00 B
H01M10/48 301
H01M10/48 P
H01M10/44 P
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021004339
(22)【出願日】2021-01-14
(65)【公開番号】P2022109029
(43)【公開日】2022-07-27
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】720001060
【氏名又は名称】ヤンマーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森下 翔斗
(72)【発明者】
【氏名】金田 健佑
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-154010(JP,A)
【文献】特開2019-190105(JP,A)
【文献】国際公開第2012/102351(WO,A1)
【文献】特開2002-325379(JP,A)
【文献】特開2012-241339(JP,A)
【文献】国際公開第2008/044516(WO,A1)
【文献】特開2014-159716(JP,A)
【文献】特開2009-097270(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110932276(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
H02J 7/00
H01M 10/48
H01M 10/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源と接続されて第1の電力を出力する給電装置と、
前記第1の電力を充電可能に設けられるバッテリと、
前記第1の電力と前記バッテリが放電する第2の電力とのうち少なくとも一方により駆動する電動機と、
を備える建設機械であって、
前記電動機の駆動に前記第2の電力のみを使用可能なバッテリ駆動モードと、前記第1の電力を前記電動機の駆動に使用しつつ前記バッテリの充電に使用可能な駆動充電可能モードとを含む複数のモードのいずれかで自機械の制御を行う制御装置を更に備え、
前記制御装置は、前記駆動充電可能モードである場合に、前記バッテリ駆動モードでとり得る前記バッテリの充電量の上限値に比べて、前記バッテリの充電量の上限値を低く設定する、建設機械。
【請求項2】
外部電源と接続されて第1の電力を出力する給電装置と、
前記第1の電力を充電可能に設けられるバッテリと、
前記第1の電力と前記バッテリが放電する第2の電力とのうち少なくとも一方により駆動する電動機と、
を備える建設機械であって、
前記第1の電力を前記電動機の駆動に使用しつつ前記バッテリの充電に使用可能な駆動充電可能モードと、前記第1の電力を前記バッテリの充電にのみ使用可能な充電専用モードとを含む複数のモードのいずれかで自機械の制御を行う制御装置を更に備え、
前記制御装置は、前記駆動充電可能モードである場合に、前記充電専用モードである場合に比べて、前記バッテリの充電量の上限値を低く設定する、建設機械。
【請求項3】
前記複数のモードに、前記電動機の駆動に前記第2の電力のみを使用可能なバッテリ駆動モードが更に含まれる、請求項2に記載の建設機械。
【請求項4】
前記制御装置は、前記駆動充電可能モードであって、前記第1の電力で前記電動機を駆動しながら前記バッテリを充電する場合に、外部から入力される特定の情報に応じて前記バッテリの充電量の増加率の目標量を変動させる、請求項1から3のいずれか1項に記載の建設機械。
【請求項5】
前記特定の情報には、前記バッテリの温度が含まれる、請求項4に記載の建設機械。
【請求項6】
前記制御装置は、設定された前記目標量と前記電動機が消費する電力とに応じて前記給電装置から供給される電流を制御する、請求項4又は5に記載の建設機械。
【請求項7】
前記駆動充電可能モードにおいては、前記電動機の駆動に前記第1の電力と前記第2の電力とのうちの少なくとも一方を使用可能である、請求項1から6のいずれかに記載の建設機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン電池等で構成されるバッテリは、電池の劣化を防止する観点から、充電率を高すぎない状態、且つ、低すぎない状態で保管することが好ましいとされている(例えば特許文献1参照)。これに関連して、特許文献1には、バッテリを内蔵する建設機械において、当該建設機械を使用しない場合におけるバッテリの最適な保管方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-14239号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、バッテリを内蔵する電動式油圧ショベルは、商用電源等の外部電源にケーブルで繋いだ状態で使用されることがある。すなわち、外部電源とバッテリ電源とを併用して作業を行うことができる建設機械が存在する。このような建設機械では、作業中に外部電源を用いてバッテリを充電することも可能であり、作業中のバッテリの充電制御が不十分となってバッテリの劣化が加速することが懸念される。特許文献1に開示される方法は、建設機械で作業を行わない場合の手法であり、そのまま適用することはできない。
【0005】
本発明は、外部電源により充電可能なバッテリを備える建設機械において、バッテリの劣化を抑制することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的な建設機械は、外部電源と接続されて第1の電力を出力する給電装置と、前記第1の電力を充電可能に設けられるバッテリと、前記第1の電力と前記バッテリが放電する第2の電力とのうち少なくとも一方により駆動する電動機と、を備える。前記建設機械は、前記電動機の駆動に前記第2の電力のみを使用可能なバッテリ駆動モードと、前記第1の電力を前記電動機の駆動に使用しつつ前記バッテリの充電に使用可能な駆動充電可能モードとを含む複数のモードのいずれかで自機械の制御を行う制御装置を更に備える。前記制御装置は、前記駆動充電可能モードである場合に、前記バッテリ駆動モードである場合に比べて、前記バッテリの充電量の上限値を低く設定する。
【0007】
また、本発明の例示的な建設機械は、外部電源と接続されて第1の電力を出力する給電装置と、前記第1の電力を充電可能に設けられるバッテリと、前記第1の電力と前記バッテリが放電する第2の電力とのうち少なくとも一方により駆動する電動機と、を備える。前記建設機械は、前記第1の電力を前記電動機の駆動に使用しつつ前記バッテリの充電に使用可能な駆動充電可能モードと、前記第1の電力を前記バッテリの充電にのみ使用可能な充電専用モードとを含む複数のモードのいずれかで自機械の制御を行う制御装置を更に備える。前記制御装置は、前記駆動充電可能モードである場合に、前記充電専用モードである場合に比べて、前記バッテリの充電量の上限値を低く設定する。
【発明の効果】
【0008】
例示的な本発明によれば、外部電源により充電可能なバッテリを備える建設機械において、バッテリの劣化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】建設機械の概略の構成を示す側面図
図2】建設機械が備える油圧システムの概略の構成を示すブロック図
図3】建設機械が備える電源システムの概略の構成を示すブロック図
図4A】第1モードに設定された状態を示す模式図
図4B】第2モードに設定された状態を示す模式図
図4C】第3モードに設定された状態を示す模式図
図5A】第2モードにおいて第1状態が選択された場合を示す模式図
図5B】第2モードにおいて第2状態が選択された場合を示す模式図
図5C】第2モードにおいて第3状態が選択された場合を示す模式図
図5D】第2モードにおいて第4状態が選択された場合を示す模式図
図6】電源システムの制御に関わる構成の概略を示すブロック図
図7】建設機械が備えるバッテリの、一日のSOCの推移例を示すグラフ
図8】変形例の建設機械について説明するためのブロック図
図9】変形例の建設機械の詳細例を示すブロック図
図10】充電マップの一例を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0011】
<1.建設機械の概略構成>
図1は、本実施形態の建設機械1の概略の構成を示す側面図である。建設機械1は、詳細には、電動式の建設機械である。建設機械1は、より詳細には、電動式油圧ショベルである。なお、本発明が適用される建設機械は、油圧ショベルに限定されず、ホイルローダ等の他の建設機械であってもよい。建設機械1は、下部走行体2と、作業機3と、上部旋回体4と、を備える。
【0012】
ここで、図1において、方向を以下のように定義する。まず、下部走行体2が直進する方向を前後方向とし、そのうちの一方側を「前」とし、他方側を「後」とする。図1では、一例として、ブレード23に対して走行モータ22側を「前」として示す。また、前後方向に垂直な横方向を左右方向とする。このとき、操縦席41aに座ったオペレータ(操縦者、運転手)から見て左側を「左」とし、右側を「右」とする。さらに、前後方向および左右方向に垂直な重力方向を上下方向とし、重力方向の上流側を「上」とし、下流側を「下」とする。
【0013】
下部走行体2は、左右一対のクローラ21と、左右一対の走行モータ22と、を備える。各走行モータ22は、油圧モータである。左右の走行モータ22が、左右のクローラ21をそれぞれ駆動することにより、建設機械1を前後進させることができる。下部走行体2には、整地作業を行うためのブレード23と、ブレードシリンダ23aとが設けられる。ブレードシリンダ23aは、ブレード23を上下方向に回動させる油圧シリンダである。
【0014】
作業機3は、ブーム31、アーム32、およびバケット33を備える。ブーム31、アーム32、およびバケット33を独立して駆動することにより、土砂等の掘削作業を行うことができる。
【0015】
ブーム31は、ブームシリンダ31aによって回動される。ブームシリンダ31aは、基端部が上部旋回体4の前部に支持され、伸縮自在に可動する。アーム32は、アームシリンダ32aによって回動される。アームシリンダ32aは、基端部がブーム31の先端部に支持され、伸縮自在に可動する。バケット33は、バケットシリンダ33aによって回動される。バケットシリンダ33aは、基端部がアーム32の先端部に支持され、伸縮自在に可動する。ブームシリンダ31a、アームシリンダ32a、およびバケットシリンダ33aは、油圧シリンダにより構成される。
【0016】
上部旋回体4は、下部走行体2に対して旋回ベアリング(不図示)を介して旋回可能に構成される。上部旋回体4には、操縦部41、旋回台42、旋回モータ43、機関室44等が配置される。上部旋回体4は、油圧モータである旋回モータ43の駆動により、旋回ベアリングを介して旋回する。機関室44の内部には、例えば、電動機5および油圧ポンプ61(いずれも図2参照)などが配置される。すなわち、建設機械1は電動機5を備える。
【0017】
図2は、本実施形態の建設機械1が備える油圧システム6の概略の構成を示すブロック図である。油圧ポンプ61は、電動機5の出力軸と機械的に結合しており、電動機5の駆動により駆動される。コントロールバルブ62は、油圧ポンプ61から供給される作業油(圧油)の流量および方向を制御し、アクチュエータ群63を構成する各種の油圧アクチュエータに作業油を適宜供給する。本実施形態ではアクチュエータ群63に含まれる各種の油圧アクチュエータには、油圧モータ(例えば左右の走行モータ22、旋回モータ43)、および油圧シリンダ(例えばブレードシリンダ23a、ブームシリンダ31a、アームシリンダ32a、バケットシリンダ33a)が含まれる。
【0018】
図1に戻って、操縦部41には、操縦席41aが配置される。操縦席41aの周囲には、各種のレバー41bが配置される。オペレータが操縦席41aに着座してレバー41bを操作することにより、油圧システム6を動作させて、下部走行体2の走行、ブレード23による整地作業、作業機3による掘削作業、上部旋回体4の旋回、などを行うことができる。
【0019】
上部旋回体4には、不図示の給電口が設けられる。上記の給電口と、外部電源である商用電源100とは、給電ケーブル101を介して接続される。これにより、商用電源100から供給される電力により、電動機5を駆動することができる。また、商用電源100から供給される電力を、上部旋回体4に着脱可能に取り付けられるバッテリ72に供給することにより、バッテリ72を充電することも可能である。
【0020】
なお、下部走行体2、作業機3および上部旋回体4は、電動走行モータ、電動シリンダ、電動旋回モータ等を含んで構成されてもよい。この場合、下部走行体2、作業機3および上部旋回体4を、油圧機器を用いずに、全て電力によって駆動することができる。つまり、下部走行体2、作業機3および上部旋回体4をまとめて機体BAとしたとき、機体BAは、電力のみによって駆動されてもよいし(オール電動)、電力と油圧機器とを併用して駆動されてもよい。したがって、本実施形態の建設機械1は、少なくとも電力によって駆動される機体BAを含む構成であると言える。
【0021】
<2.電源システム>
図3は、本実施形態の建設機械1が備える電源システム7の概略の構成を示すブロック図である。電源システム7は、給電装置71と、バッテリ72と、インバータ73とを備える。すなわち、建設機械1は、給電装置71とバッテリ72とを備える。建設機械1は、インバータ73を更に備える。
【0022】
給電装置71は、外部電源と接続されて第1の電力を出力する。本実施形態において、外部電極は商用電源100(図1参照)である。給電装置71は、例えば機関室44内に配置される。給電装置71は、商用電源100から給電ケーブル101を介して供給される交流電圧を直流電圧に変換する。給電装置71は、電圧変換後の電力(第1の電力)をバッテリ72およびインバータ73に供給可能に設けられる。
【0023】
バッテリ72は、給電装置71から出力される第1の電力を充電可能に設けられる。また、バッテリ72は、放電電力(第2の電力)をインバータ73に供給可能に設けられる。バッテリ72は、例えばリチウムイオン電池で構成される。バッテリ72は、例えば機関室44内に配置される。
【0024】
インバータ73は、給電装置71およびインバータ73から供給される直流電力を交流電力に変換する。インバータ73によって変換された交流電力は電動機5に供給される。インバータ73は、例えば、例えば機関室44内に配置される。なお、電動機5は、インバータ73から供給される交流電力により駆動して油圧ポンプ61を動作させる。電動機5は、給電装置71から出力される電力(第1の電力)と、バッテリ72が放電する電力(第2の電力)とのうち少なくとも一方により駆動する。
【0025】
電源システム7は、第1モードと、第2モードと、第3モードとを含む3つのモードに設定可能に設けられる。図4Aは、第1モードに設定された状態を示す模式図である。図4Bは、第2モードに設定された状態を示す模式図である。図4Cは、第3モードに設定された状態を示す模式図である。なお、第1モードは、本発明のバッテリ駆動モードに該当する。第2モードは、本発明の駆動充電可能モードに該当する。第3モードは、本発明の充電専用モードに該当する。
【0026】
図4Aに示すように、第1モードにおいては、商用電源100と給電装置71とが電気的に非接続である。このため、第1モードにおいては、給電装置71からインバータ73に電力を供給することはできない。一方、第1モードにおいては、バッテリ72とインバータ73とは電気的に接続されており、バッテリ72の放電電力をインバータ73に供給可能である。すなわち、第1モードは、電動機5の駆動にバッテリ72が放電する電力(第2の電力)のみを使用可能なモードである。第1モードは、外部からの電力が供給されない状態で、電動機5を作動させたい場合に使用されるモードである。
【0027】
図4Bに示すように、第2モードにおいては、給電装置71が商用電源100と電気的に接続されている。また、バッテリ72とインバータ73とが電気的に接続されている。第2モードは、外部からの電力を供給可能な状態で、電動機5を作動させたい場合に使用されるモードである。詳細には、第2モードには、図5A図5B図5C、および図5Dに示す4つの状態が含まれる。
【0028】
なお、図5Aは、第2モードにおいて第1状態となった場合を示す模式図である。図5Bは、第2モードにおいて第2状態となった場合を示す模式図である。図5Cは、第2モードにおいて第3状態となった場合を示す模式図である。図5Dは、第2モードにおいて第4状態となった場合を示す模式図である。
【0029】
図5Aに示すように、第1状態では、給電装置71およびバッテリ72からインバータ73に電力が供給される。第1状態は、給電装置71およびバッテリ72のうちの一方から出力される電力だけでは電動機5の駆動に必要な電力を得ることができない場合に選択される状態である。例えば、第1状態においては、電動機5の駆動に必要な電力の大部分が、給電装置71から出力される電力で賄われ、足りない電力がバッテリ72から出力される電力(放電電力)で補われる。
【0030】
図5Bに示すように、第2状態では、給電装置71からバッテリ72およびインバータ73に電力が供給される。第2状態は、給電装置71から出力される電力が電動機5の駆動に必要な電力より大きい場合に選択される状態である。バッテリ72は、給電装置71から出力される電力の一部を蓄電する。すなわち、バッテリ72は、給電装置71から供給される電力により充電される。
【0031】
図5Cに示すように、第3状態では、給電装置71からのみインバータ73に電力が供給される。第3状態は、例えば、給電装置71から出力される電力が電動機5の駆動に必要な電力と等しい場合に選択される状態である。なお、第3状態は、リレーを用いてバッテリ72と、給電装置71およびインバータ73とが電気的に非接続とされた状態であってもよい。
【0032】
図5Dに示すように、第4状態は、給電装置71は給電可能な状態であるが強制的にインバータ73と非接続とされた状態である。給電装置71とインバータ73との電気的な接続と非接続との切り替えには、例えばリレー(不図示)が用いられる。第4状態は、例えば、バッテリ72の電力を積極的に利用したい場合に選択される。
【0033】
以上からわかるように、第2モードは、給電装置71から出力される電力(第1の電力)を電動機5の駆動に使用しつつバッテリ72の充電に使用可能なモードである。また、第2モードにおいては、電動機5の駆動に給電装置71から出力される電力(第1の電力)と、バッテリ72から放電される電力(第2の電力)とのうちの少なくとも一方を使用可能である。このような構成とすることにより、電動機5の駆動に必要な電力を適切に供給しつつ、バッテリ72の充電と放電とを適切に制御してバッテリ72の寿命をのばすことができる。
【0034】
図4Cに示すように、第3モードにおいては、給電装置71およびバッテリ72がインバータ73と電気的に接続されていない。給電装置71およびバッテリ72と、インバータ73との電気的な接続と非接続との切り替えには、例えばリレー(不図示)が用いられる。第3モードでは、給電装置71とバッテリ72とは電気的に接続されている。第3モードは、給電装置71から出力される電力(第1の電力)をバッテリ72の充電にのみ使用可能なモードである。第3モードは、電動機5を駆動する必要がない場合に使用されるモードである。例えば、電動機5を駆動する必要がない場合は、下部走行体2を用いた移動、ブレード23を用いた整地作業、および、作業機3を用いた掘削作業を行う必要がない状態である。例えば、第3モードは、建設機械1の次の使用に備えて、バッテリ72を充電しておくときに使用されるモードである。
【0035】
<3.充電制御>
図6は、電源システム7の制御に関わる構成の概略を示すブロック図である。図6に示すように、建設機械1は制御装置8を備える。制御装置8は、ECU(Electronic Control Unit)と呼ばれる電子制御ユニットで構成される。ECUは、電子回路を用いて制御を行う装置であり、例えばマイクロコントローラ(マイコン)を含んで構成される。マイクロコントローラは、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラム等を格納するメモリと、周辺機器と通信を行うための入出力部と、を含んで構成される。
【0036】
制御装置8は、給電装置71に内蔵される給電装置ECU711、および、バッテリ72に内蔵されるバッテリECU721と連携して電源システム7の全体を制御する。また、制御装置8は、第1モードと、第2モードと、第3モードとのいずれかで自機械1の制御を行う。制御装置8は、モード判定部81と、指令生成部82とを備える。モード判定部81および指令生成部82は、CPU等のコンピュータがメモリに記憶されるプログラムに従って演算処理を実行することにより実現される制御装置8の機能である。
【0037】
なお、モード判定部81および指令生成部82は、概念的な構成要素である。1つの構成要素が実行する機能を複数の構成要素に分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてよい。
【0038】
モード判定部81は、電源システム7の現在のモードがいずれのモードであるかを判定する。詳細には、モード判定部81は、現在のモードが第1モード、第2モード、および第3モードのうちのいずれのモードであるかを判定する。モード判定部81は、例えば、給電装置ECU711から得られる情報と、充電開始スイッチ9から得られる情報とに基づいて、現在のモードがいずれのモードであるかを判定する。なお、充電開始スイッチ9は、バッテリ72の充電を行いたい時にユーザが操作するスイッチである。充電開始スイッチ9は、例えば、操縦部41等に設けられる。充電開始スイッチ9は、例えば操作ボタン、操作レバー、操作ダイヤル、タッチパネル等であってよい。
【0039】
例えば、モード判定部81は、給電装置ECU711からの通電信号と、充電開始スイッチ9からの充電ON信号とに基づいてモードの判定を行う。通電信号は、給電装置71が給電ケーブル101を介して商用電源100と電気的に接続された場合に生成される信号である。充電ON信号は、充電開始スイッチ9を用いてユーザが充電を要求した場合に生成される信号である。充電ON信号は、給電装置ECU711を介して制御装置8に入力されてもよい。
【0040】
詳細には、モード判定部81は、通信信号と充電ON信号とのいずれも受信していない場合には、第1モードであると判定する。モード判定部81は、通信信号を受信し、且つ、充電ON信号を受信していない場合には、第2モードであると判定する。モード判定部81は、通電信号を受信し、且つ、充電ON信号を受信した場合には、第3モードであると判定する。
【0041】
なお、充電ON信号を受信したにもかかわらず、通電信号を受信していない場合には、充電のための準備が不十分であるために、制御装置8は適切な制御を行うことができない。このような場合には、エラーを報知する構成としてもよい。また、本実施形態のモードの判定手法は一例にすぎず、例えば、モード判定にバッテリECU721から得られる情報が利用されてもよい。
【0042】
指令生成部82は、モード判定部81によるモードの判定に応じて給電装置71の制御を行う。詳細には、指令生成部82は、モードの判定結果に加えて、バッテリECU721から入力されるバッテリ72の情報に基づいて給電装置71の制御を行う。バッテリ72の情報には、バッテリ72の電圧と充電率(SOC;State Of Charge)との少なくとも一方が含まれる。なお、SOCは、以下の式(1)で与えられる。
SOC(%) = 残容量(Ah)÷満充電容量(Ah)×100 ・・・(1)
【0043】
本実施形態では、制御装置8は、第2モードである場合に、第3モードである場合に比べて、バッテリ72の充電量の上限値を低く設定する。このような構成とすると、建設機械1が動作を行っている場合において、バッテリ72の充電量が必要以上に高くなることを抑制することができる。これにより、バッテリ72の劣化を抑制して、バッテリ72の寿命をのばすことができる。また、本構成によれば、電動機5の動作時においてバッテリ72の充電容量を満充電容量よりも低く抑えることができるために、電動機5の停止によって発生する回生電力をバッテリ72が受け入れることができ、バッテリ72の破損を防止することができる。
【0044】
詳細には、指令生成部82は、充電量が設定された上限値を超えないように、給電装置ECU711に電圧指令を行う。給電装置71は、給電装置ECU711が指令生成部82から受けた電圧指令に応じて制御される。バッテリ72の充電量の上限値が第2モードの方が第3モードよりも低いために、バッテリ72を予め設定された上限値まで充電するための目標電圧は、第2モードの方が第3モードよりも低くなる。なお、充電量をSOCで表記することを想定した場合、充電量の上限値は、例えば、第3モードにおいて100%に設定され、第2モードにおいて80%に設定される構成としてよい。ただし、これらの数値は適宜変更されてよい。
【0045】
なお、建設機械1の作業中においても、バッテリ72の充電量(SOC)が低くなり過ぎることは好ましくない。このために、制御装置8は、第2モードにおいてバッテリ72の充電量が予め設定された下限値より小さいことを検出した場合に、バッテリ72の充電が開始されるように給電装置71の制御を行うことが好ましい。充電量をSOCで表記することを想定した場合、第2モードにおける充電量の下限値は50%等であってよい。第2モードにおける充電量の下限値は、上述した第2モードにおける充電量の上限値と同じであってもよい。
【0046】
また、制御装置8は、第2モードである場合に、第1モードである場合に比べて、バッテリ72の充電量の上限値を低く設定する。このために、建設機械1を動作させる場合に、最初に第1モードでの駆動によりバッテリ72の充電量を適度に低下させつつ、その後、第2モードに切り替えてバッテリ72の充電を行うことにより、バッテリ72の充電量を高過ぎず且つ低過ぎない適度な充電量に保つことができる。これにより、バッテリ72の劣化を抑制して、バッテリ72の寿命をのばすことができる。
【0047】
図7は、本実施形態の建設機械1が備えるバッテリ72の、一日のSOCの推移例を示すグラフである。図7において、横軸は時間、縦軸はバッテリ72のSOCである。図7では、時刻Aにおいて建設機械1の使用が開始され、使用開始時には、建設機械1は商用電源100を確保できない場所に存在する。例えば、建設機械1は、トラックの荷台等に存在する。建設機械1は、トラックの荷台から商用電源100を確保することができる施工現場まで自走する必要がある。
【0048】
使用開始当初、建設機械1の制御装置8は、通電信号が得られないために第1モードであると判定する。このために、制御装置8は、第1モードで建設機械1を制御する。すなわち、建設機械1は、バッテリ72から放電される電力のみを使用して電動機5を駆動させる。建設機械1は、電動機5の駆動により走行モータ22を動作させ、走行を行う。建設機械1が第1モードで制御されている間、バッテリ72の電力が使用し続けられるために、図7に示すように、バッテリ72のSOCが減り続ける。
【0049】
建設機械1が自走により施工現場に到着すると、給電ケーブル101を用いて給電装置71と商用電源100とが電気的に接続される。これにより制御装置8が通電信号を検出して第2モードであると判定する。このために、制御装置8は、第2モードで建設機械1を制御する。すなわち、建設機械1は、給電装置71とバッテリ72との少なくとも一方の電力を用いて電動機5を駆動させる。電動機5の駆動により、建設機械1は、作業機3を用いた掘削作業、ブレード23を用いた整地作業、或いは、下部走行体2による走行等を行う。また、給電装置71の出力に余裕がある場合には、給電装置71から出力される電力を利用してバッテリ72の充電が行われる。
【0050】
図7に示す例では、時刻Bが建設機械1に商用電源100から電力の供給が開始された時点に該当し、この時点で制御装置8は、第2モードで建設機械1の制御を開始する。第2モードと判定された時点でバッテリ72のSOCが予め設定された下限値を下回っているためにバッテリ72の充電が開始される。すなわち、バッテリ72のSOCが増加を開始する。なお、図7の例では、第2モードと判定されている間、電動機5の駆動に要求される電力に対して給電装置71の出力に余裕がある状態を想定している。
【0051】
図7に示す例では、第2モードにおいては、バッテリ72のSOCに上限値UL1(例えば80%等)が設定されている。このために、バッテリ72は上限値UL1を超えて充電されない。上述のように図7に示す例では給電装置71の出力に余裕があるために、第2モードとなってから作業が完了するまでバッテリ72の電力が使用されることなく、バッテリ72のSOCは上限値UL1で維持されている。ただし、電動機5の駆動に要求される電力に応じて、第2モードでの作業時においてバッテリ72の電力が利用されてもよい。
【0052】
施工現場での一日の作業が完了する(時刻C)と、翌日の作業に備えて、ユーザが充電開始スイッチ9をONとする。これにより、制御装置8は、通電信号と充電ON信号との両方を検出し、第3モードと判定する。制御装置8は、第3モードで建設機械1の制御を開始する。すなわち、給電装置71からの出力により、バッテリ72の充電のみが行われる。
【0053】
図7に示す例では、第3モードにおけるバッテリ72のSOCの上限値UL2(例えば100%)は、第2モードの場合の上限値UL1よりも高く設定されている。このために、第2モードから第3モードに切り替わると、バッテリ72の充電が開始され、上限値UL2まで充電が行われる。上限値まで充電が行われて第3モードによる充電動作が完了すると(時刻D)、バッテリ72が保管される。充電動作の完了は、例えば、建設機械1の電源がオフされた時点である。なお、本例では、第1モードにおけるバッテリ72のSOCの上限値は、第3モードにおけるバッテリ72のSOCの上限値UL2と同じである。
【0054】
図7に示す例では、建設機械1の使用時において、バッテリ72のSOCは、バッテリ72の保管時におけるSOC(上限値UL2)より小さく、必要以上に高くならない。このために、バッテリ72の劣化を抑制することができる。なお、バッテリ72の保管の方法について、図7に示す例と異なる方法とされてもよい。例えば、作業終了後においては、充電に適したSOCとなるように充放電制御を行い、作業開始直前にSOCが上限値UL2となるような保管方法が採用されてもよい。これにより、建設機械1の使用時と、建設機械1を使用しないバッテリ72の保管時との両方でバッテリ72の劣化を抑制することができ、バッテリ72の寿命をよりのばすことができる。
【0055】
なお、例えば建設機械1を施工現場に置いておく場合には、建設機械1の使用開始時において、第2モードと判定される。この場合、第2モードであるにもかかわらず、バッテリ72の充電量が第2モードのバッテリ72の充電量の上限値UL1を超えた状態となることがある。第2モードの開始時にバッテリ72の充電量が第2モードのバッテリ72の充電量の上限値UL1を超えている場合には、例えばバッテリ72の電力のみで電動機5を駆動させる等、バッテリ72の電力を積極的に使用して、バッテリ72の充電量を上限値UL1より小さくすることが好ましい。
【0056】
<4.充電制御の変形例>
図8は、変形例の建設機械1について説明するためのブロック図である。変形例の建設機械1においては、上述した実施形態の情報(例えば通電信号、充電ON信号、バッテリ72のSOC等)に加えて、制御装置8の外部に設けられる特定情報取得部10で取得された特定の情報が、制御装置8に入力される。
【0057】
そして、制御装置8は、第2モードであって、給電装置71から出力される電力(第1の電力)で電動機5を駆動しながらバッテリ72を充電する場合に、外部から入力される特定の情報に応じてバッテリ72の充電量の増加率の目標量を変動させる。このような構成によれば、例えば電動機5の駆動状況やバッテリ72が置かれる環境等に応じてバッテリ72を充電する速度を変えることができる。この結果、電動機5の動作時においてバッテリ72に対する負担を低減してバッテリ72の寿命をのばすことができる。
【0058】
なお、充電量の増加率の目標量の変動は、オペレータ等のユーザによって、バッテリ72に対する充電時の負荷を抑制するモードであるバッテリセーフモードが選択されている場合に限って行われる構成であってもよい。バッテリセーフモードは、例えば操作ボタン、操作レバー、操作ダイヤル、タッチパネル等の操作部を操作することによって選択される構成であってよい。
【0059】
制御装置8は、設定されたバッテリ72の充電量の増加率の目標量と、電動機5が消費する電力とに応じて給電装置71から供給される電流を制御する。これによれば、電動機5に適切に電力を供給して建設機械1を用いた作業の操作性の低下を抑制しつつ、バッテリ72の充電速度を適正に制御してバッテリ72にかかる負荷を抑制することができる。なお、電動機5が消費される電力は、制御装置8に入力される各種の情報(例えば操縦席41aのレバー41bの操作情報、電動機5の実回転数等)により求められる。
【0060】
特定の情報には、バッテリ72の温度が含まれてよい。これによれば、バッテリ72が置かれる温度環境に応じてバッテリ72を充電する速度を適切に制御し、バッテリ72に対する負担を低減してバッテリ72の寿命をのばすことができる。図9は、変形例の建設機械1の詳細例を示すブロック図である。図9に示す詳細例においては、上述の特定情報取得部10がバッテリ温度測定部10Aである。バッテリ温度測定部10Aは、バッテリ72に内蔵されてよい。この場合、バッテリ温度測定部10Aで測定されたバッテリ72の温度は、バッテリECU721によって制御装置8に送信される構成であってよい。
【0061】
バッテリ72の温度が低くなると、バッテリ72の抵抗値が下がる。このために、バッテリ72の温度が下がった際に通常利用される電流値で充電を行うと、目標の充電電圧に到達する速度が速くなり、バッテリ72の発熱量が大きくなり過ぎることがある。このような発熱量が大きい状態での充電はバッテリ72に負担がかかり、バッテリ72の寿命を短くすることがある。このために、バッテリ72の温度に応じてバッテリ72の充電量の増加率の目標量を決めることが好ましい。
【0062】
制御装置8(指令生成部82)は、第2モードであって、給電装置71から出力される電力で電動機5を駆動しながらバッテリ72を充電する場合に、バッテリ温度測定部10Aから入力されるバッテリ72の温度に応じてバッテリ72の充電量の増加率の目標量を設定する。目標量の設定は、例えば、制御装置8が備えるメモリ83に予め記憶される充電マップ831が利用される。
【0063】
図10は、充電マップの一例を示す概略図である。図10において、横軸は温度であり、縦軸は許容充電量である。許容充電量は、バッテリ72が受け入れることができる充電量であり、バッテリ72のSOCが低いほど高くなる。なお、図10は、或る出力を想定した場合の図である。
【0064】
図10のマップにおいて、最大充電電流で示される領域は、最大充電電流で充電を行ってよいことを示す領域である。最小充電電流で示される領域は、最小充電電流で充電を行ってよいことを示す領域である。半分充電電流で示される領域は、最大充電電流と最小充電電流との平均値で充電を行ってよいことを示す領域である。充電不可領域は、充電が禁止される領域である。最大充電電流、最小充電電流、半分充電電流は、予め実験等によって決められた電流値であり、バッテリ72の充電量の増加率の目標量に相当する。また、充電不可の領域の場合、充電量の増加率の目標量は設定できない。
【0065】
制御装置8(指令生成部82)は、バッテリECU721から入力されるSOCと、バッテリ温度測定部10Aから入力される温度とから、充電マップ831を参照して充電量の増加率の目標量を決める。図10に示す充電マップ831からわかるように、バッテリ72の温度が低く、許容充電量が高いほど、目標量は小さく設定される。制御装置8は、設定した目標量と、電動機5が消費する電力とに応じて給電装置71を制御する。給電装置71は、制御装置8に従って決定された電流を電動機5およびバッテリ72に給電する。
【0066】
また、特定の情報には、建設機械1の作業機3の先端に取り付けるアタッチメント情報が含まれてよい。上述した実施形態では、アタッチメントがバケット33である構成となっている。ただし、作業機3の先端に取り付けられるアタッチメントは交換可能であってよい。例えば、交換可能なアタッチメントには、バケットの他に破砕作業に利用されるブレーカ(例えば油圧式ブレーカ)等が含まれてよい。このような構成である場合、特定の情報にアタッチメント情報が含まれてよい。
【0067】
特定の情報にアタッチメント情報が含まれる場合、アタッチメント情報を取得する特定情報取得部10は、例えば、オペレータ等のユーザがアタッチメント情報を入力する入力装置であってよい。また、アタッチメント情報を取得する特定情報取得部10は、特定のアタッチメントが取り付けられたことを検出するアタッチメント検出部であってもよい。
【0068】
制御装置8は、特定のアタッチメントの利用を検出すると、バッテリ72の充電量の増加率を特定のアタッチメントに対応して予め設定された目標量とする。そして、制御装置8は、当該目標量と、制御装置8に入力される電動機5の消費電力に関わる情報とに応じて給電装置71を制御する。給電装置71は、制御装置8に従って決定された電流を電動機5およびバッテリ72に給電する。
【0069】
特定のアタッチメントは、例えばブレーカである。ブレーカを使用した作業は、負荷変動が少ないことが多い。このために、アタッチメントとしてブレーカが利用される場合に、バッテリ72の充電量の増加率の目標量を小さめに設定することにより、バッテリ72に対する負荷を安定して低くしながら充電を行うことができ、バッテリ72の寿命をのばすことができる。
【0070】
なお、建設機械1が行う作業が負荷変動の少ない作業であるか否かは、例えば、電動機5の実回転数によって推測することが可能である。このために、特定の情報には、電動機5の実回転数が含まれてもよい。これにより、例えば負荷変動の少ないブレーカを利用した作業や敷均し作業等が行われる場合に、バッテリ72に対する負荷を抑制して適切に充電を行うことができる。電動機5の実回転数は、例えば電動機5が備える位置センサからの情報を受け取るインバータECU(不図示)から、制御装置8に入力される構成であってよい。
【0071】
<5.留意事項等>
本明細書中に開示される種々の技術的特徴は、その技術的創作の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。また、本明細書中に示される複数の実施形態および変形例は、可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。
【0072】
以上では、制御装置8は、第1モード(バッテリ駆動モード)と、第2モード(駆動充電可能モード)と、第3モード(充電専用モード)とのいずれかで自機械1の制御を行う構成とした。ただし、制御装置は、第1モードと第2モードとを含む複数のモードのいずれかで自機械1の制御を行う構成であってよい。例えば、制御装置は、第1モードと第2モードとのいずれかで自機械1の制御を行う構成であってもよい。すなわち、給電装置71の電力をバッテリ72の充電にのみ使用可能な第3モードは、必ずしも備えられなくてもよい。
【0073】
また、制御装置は、第2モードと第3モードとを含む複数のモードのいずれかで自機械1の制御を行う構成であってもよい。例えば、制御装置は、第2モードと第3モードとのいずれかで自機械1の制御を行う構成であってもよい。すなわち、電動機5の駆動にバッテリ72の電力のみを使用可能な第1モードは、必ずしも備えられなくてもよい。このような構成では、例えば、原則として給電装置71からの電力で電動機5が駆動される。そして、作業負荷が高く給電装置71からの電力だけでは電動機5を駆動する電力が足りない場合に、足りない電力を補うためにバッテリ72の電力を利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1・・・建設機械
5・・・電動機
8・・・制御装置
71・・・給電装置
72・・・バッテリ
100・・・商用電源(外部電源)
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10