(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】炭酸清涼飲料容器
(51)【国際特許分類】
B65D 65/02 20060101AFI20231121BHJP
B65D 23/00 20060101ALI20231121BHJP
B65D 25/26 20060101ALI20231121BHJP
B65D 1/00 20060101ALI20231121BHJP
B29C 49/02 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
B65D65/02 E
B65D23/00 N
B65D25/26
B65D1/00 110
B29C49/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021145840
(22)【出願日】2021-09-08
(62)【分割の表示】P 2017500999の分割
【原出願日】2015-07-31
【審査請求日】2021-10-06
(32)【優先日】2014-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391026058
【氏名又は名称】ザ コカ・コーラ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Coca‐Cola Company
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】スチュアード,スターリング レーン
(72)【発明者】
【氏名】ゴビンダラジャン,ベンカット
(72)【発明者】
【氏名】ギースマン,マーティン
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-309319(JP,A)
【文献】特表2008-540186(JP,A)
【文献】特表2001-520135(JP,A)
【文献】特開2001-072032(JP,A)
【文献】特表2013-523549(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0257855(US,A1)
【文献】特表2008-514521(JP,A)
【文献】特許第3053120(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 65/02
B65D 23/00
B65D 25/26
B65D 1/00-1/02
B29C 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量なベースと、側壁とを有する、ポリエチレンテレフタレートの炭酸清涼飲料(CSD)容器であって、
当該容器が、約400ml以下の容器であり、
前記ベースが、以下の特徴:
a)約2200~約3400mm
2/gである面積/重量比(A/W);
b)約0.90~約1.30である重量パーセンテージ/面積パーセンテージ比(W%/A%)であって、前記重量パーセンテージが、前記容器に対する前記ベースの重量であり、前記面積パーセンテージが、前記容器に対する前記ベースの表面積であること;
c)約10%~約20%である、ゲートの中心から10mmのところで測定された第1のパーセント結晶化度;
d)前記側壁における結晶化度の約70%~約80%である、ゲートの中心から約15mmの距離で測定された第2のパーセント結晶化度;
e)少なくとも65%または約65%である、ゲートの中心から10mmのところで測定されたパーセントトランス含有量;および
f)約2.0~約
2.5の厚さ比、すなわちゲートの中心から5mmでの厚さを、前記ゲートの中心から10ミリメートルでの厚さによって除算した値
によって特徴付けられる、容器。
【請求項2】
前記ベースが、以下の特徴:
a)A/Wが約
2600~約
3200mm
2/gであること、
b)W%/A%が約0.90~約1.30であること、
c)前記第1のパーセント結晶化度が約15%であること、
d)前記第2のパーセント結晶化度が約78%であること、
e)前記パーセントトランス含有量が約65%であること、
によって特徴付けられる、請求項
1に記載の容器。
【請求項3】
前記ベースが、以下の特徴:
a)A/Wが約2200~約3400mm
2/gであること、
b)W%/A%が約
1.00~約
1.15であること、
c)前記第1のパーセント結晶化度が約15%であること、
d)前記第2のパーセント結晶化度が約78%であること、
f)前記厚さ比が約2.0~約
2.5であること、
によって特徴付けられる、請求項
1に記載の容器。
【請求項4】
前記ベースが、以下の特徴:
a)A/Wが約2200~約3400mm
2/gであること、
b)W%/A%が約
1.00~約
1.15であること、
c)前記第1のパーセント結晶化度が約15%であること、
e)前記パーセントトランス含有量が約65%であること、
f)前記厚さ比が約2.0~約
2.5であること、
によって特徴づけられる、請求項
1に記載の容器。
【請求項5】
前記ベースが、以下の特徴:
a)A/Wが約2200~約3400mm
2/gであること、
b)W%/A%が約0.90~約1.30であること、
d)前記第2のパーセント結晶化度が約78%であること、
e)前記パーセントトランス含有量が約65%
から85%であること、
f)前記厚さ比が約2.0~約
2.5であること、
によって特徴付けられる、請求項
1に記載の容器。
【請求項6】
前記ベースが、以下の特徴:
a)A/Wが約2200~約3400mm
2/gであること、
c)前記第1のパーセント結晶化度が
少なくとも12%又は約12%であること、
d)前記第2のパーセント結晶化度が約78%であること、
e)前記パーセントトランス含有量が約65%であること、
f)前記厚さ比が約2.0~約
2.5であること、
によって特徴付けられる、請求項
1に記載の容器。
【請求項7】
前記ベースが、以下の特徴:
b)W%/A%が約0.90~約1.30であること、
c)前記第1のパーセント結晶化度が約15%であること、
d)前記第2のパーセント結晶化度が約78%であること、
e)前記パーセントトランス含有量が
少なくとも70%又は約70%であること、
f)前記厚さ比が約2.0~約
2.5であること、
によって特徴付けられる、請求項
1に記載の容器。
【請求項8】
W%/A%が約1.00~1.15である、請求項
1に記載の容器。
【請求項9】
前記第1のパーセント結晶化度が約15%である、請求項1
又は8に記載の容器。
【請求項10】
前記第2のパーセント結晶化度が、前記側壁における結晶化度の約78%である、請求項1、
8又は9に記載の容器。
【請求項11】
前記パーセントトランス含有量が少なくとも70%または約70%である、請求項1、
8、9又は10に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年8月1日出願の米国仮特許出願第62/032,428号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
技術分野
本開示は、飲料包装体に軽量な特性をもたらすのを支援する、炭酸飲料包装体用のベースに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
ポリエチレンテレフタレート、すなわち「PET」ポリマーおよびコポリマーは、一般的に機械的特性および気体遮断性が良好であるため、例えば水、ジュース、炭酸清涼飲料(CSD)などの飲料のボトルを製造するために広く使用されている。これまでに容器設計が改善されており、ますます軽量にかつ手頃な価格になるように最適にされてきた。そのようなボトルは、従来、延伸ブロー成形プロセスを使用して準備される。延伸ブロー成形は、まず、所望の最終的なボトルの形状およびサイズならびにPETポリマー特性に従って設計されたプリフォーム射出成形金型へPET樹脂を射出することを含む。続いて、プリフォームが延伸ブロー成形され、ここでは、加熱されたプリフォームがブローされ、かつ圧縮空気および軸延伸ロッドを使用して最終的な容器の形状に延伸される。
【0004】
CSDボトルの性能、機械的特性、および延伸ブロー成形プロセスに関する場合の容器設計における1つの顕著な特徴は、例えば、ボトルベースの設計である。ベース設計は、例えば、ボトルの軽量化を成功させる能力にかなりの程度まで影響を及ぼすことが分かっている。ベース設計はまた、応力亀裂性能および他の特徴などのボトルの性能に影響を及ぼす。ベース設計はまた、ボトルの所望の物理的なロバストネスを改善し、かつ延伸ブロー成形プロセスの期間中のボトルの完全性の維持などの加工上の特徴を高め得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、軽量性も改善できかつ軽量なボトルを可能にして、良好な応力亀裂性能と、良好な落下破損性能と、他の特徴とを達成する改良型のボトルおよびベース設計が必要とされる。そのサイズに関わらず、ボトルの所望の物理的なロバストネスを全体的に改善し、かつ様々なPET樹脂組成物と一緒に使用されるときに加工上の特徴を高めることができるベース設計も対象である。そのような新しいボトル設計および方法がまた、PET樹脂製容器に加えて、ナイロンおよびナイロンブレンドなどの様々な容器ポリマーに適用可能であり得ると好ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本開示は、概して、良好な応力亀裂性能などの改良された物理的および機械的特性を提供する一方で、改善された軽量性および潜在的なコスト節減を達成する、炭酸飲料の包装に使用される新しい容器、方法および容器ベース設計を提供する。特定のベースおよび容器設計および方法は、炭酸清涼飲料(CSD)容器に特に適用可能であり、かつ5リットル未満の任意のサイズの容器と一緒に使用され得る。さらに、本明細書で開示するCSD容器ベース設計および特性は、花弁状ベース、シャンパンベース、または任意の自立ベースの設計への適用である。
【0007】
軽量な設計にもかかわらず、開示される容器ベースはまた、一般的に、現在の先行技術のボトルの吹込成形機に見られる高吹込成形速度(high operating output speeds)での生産に好適である。本開示によるブロー成形ボトルに見られ得る他の構造的および機能的特徴は、可能な限り最も軽い重量を使用してボトルを製作することを含む、著しく軽量な設計を成功させるベース設計を含む。開示されるCSDボトルベースはまた、本明細書で開示する設計パラメータに基づいて製作されると、熱安定性試験後に、落下破損に対する良好な耐性、応力亀裂抵抗、および良好なベースクリアランスを有する。
【0008】
そのため、本開示はまた、幾つかある特徴のなかでも特に、結晶化度、軽量性、応力亀裂性能、および物理的性能を改善できるボトル用のベースおよび方法について説明する。特に、本明細書では、炭酸清涼飲料(CSD)容器用のベースが開示されており、このベースは、花弁状ベースまたはシャンパンベースの設計の形態を含み、ベースは、以下の特徴:
a)約2200~約3400mm2/gである面積/重量比(A/W);
b)約0.9~約1.3である重量パーセンテージ/面積パーセンテージ比(W%/A%);
c)10%超または約10%である、ゲート直径の周り(10mm以内)で測定された第1のパーセント(%)結晶化度;
d)側壁結晶化度の少なくとも70%または約70%である、ゲートから15mm超または約15mmの距離で測定された第2のパーセント(%)結晶化度;
e)少なくとも65%または約65%である、ゲート直径の周り(10mm以内)で測定されたパーセント(%)トランス含有量;および/または
f)3.5未満または約3.5の厚さ比(厚さ比は、ゲートから10ミリメートルの厚さによって除算される、ゲートから5mmの厚さである)
によって特徴付けられる。
【0009】
容器ベースの物理的性能の低下の具体的なおよび予想外の原因が解明されており、これらの問題を克服する方法が発見されている。本開示によるボトルベースは、これらの特徴の全てを有し得、および典型的には有するが、ボトルベースはまた、一般的に、これらの列挙された特徴のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つまたは少なくとも5つを有し得る。別の態様では、本開示によるボトルベースは、これらの特徴を全て有し得、および典型的には有するが、ボトルベースはまた、一般的に、上述のこれらの特徴のうちの2つ、3つ、4つ、5つ、または全てを有し得る。
【0010】
これらのおよび他の態様および実施形態は、以下の説明および図面に提示される。
【0011】
図面の簡単な説明
本開示のCSDベース設計の様々な態様および実施形態は、本明細書に提供されかつ下記で説明される図面を参照することにより簡単に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】様々な容器またはボトルのベース重量(g)を示し、C1~C9を付されたボトルは、本開示の軽量化の原理に従って設計されていないボトルベースの比較例である。これらの比較例は、小型(400mL以下)および大型(400mL超)のボトルの両方を含む。B1~B6で指定された
図1のボトル1~6は、本開示の軽量化の原理に従って設計されたベースを含み、およびそれらのベース重量は、同じサイズのボトルの比較例よりも実質的に軽いことが分かる。表1は、
図1の比較例のおよび例示的なボトルおよびベースのそれぞれに関するデータを提供する。
【
図2A】ベース重量1.7g~1.9gにおける応力亀裂を含む、業界基準ISBT応力亀裂法の試験条件に合格した、本開示に従って設計された小型の発泡性包装体に使用されるベース設計を示す。
【
図2B】ベース重量1.7g~1.9gにおける応力亀裂を含む、業界基準ISBT応力亀裂法の試験条件に合格した、本開示に従って設計された小型の発泡性包装体に使用されるベース設計を示す。
【
図3】新しい設計1(◆)および設計2(■)のボトルベースの両方に関して、ゲートからの距離(mm)に対してプロットされたベースの厚さ(mm)の結果を示し、設計1のボトルベースと比較して、ゲート付近の設計2のボトルベースの厚さが実質的に増したことを実証している。
【
図4】新しい設計1(◆)および設計2(▲)のボトルベースの両方に関して、結晶化度を試験するために使用された試料薄片の、ゲートからの距離(mm)に対してプロットされたパーセント(%)結晶化度の結果を示す。ベースにおける配向度が高いほど密度が高くなり、ベース性能を向上させる。
【
図5】以下のボトルベース:9.3gの200mLのPETの新しい設計のボトル(◆)(B2);200mLのPETの標準的な(従来の)設計のボトル(■)(C1);および300mLの標準的な(従来の)設計のボトル(▲)(C3)に関して、鉛直断面図に沿ってゲートから様々な箇所で測定されたパーセント配向度(%トランス含有量(trans content))を示す。
【
図6】
図5に示すボトル、具体的には:9.3gの200mLのPETの新しい設計のボトル(◆)(B2);200mLのPETの標準的な(従来の)設計のボトル(■)(C1);および300mLの標準的な(従来の)設計のボトル(▲)(C3)に関して、鉛直断面図に沿ってゲートから様々な箇所で測定されたパーセント(%)結晶化度を示す。
【
図7】2つの試験ボトルベース、250mLのPETの新しい設計のボトル(▲)(B3)および300mLの新しい設計のボトル(●)(B6)に関して、結晶化度を試験するために使用された試料薄片の、ゲートからの距離(mm)に対してプロットされたパーセント(%)結晶化度(重量分率による)の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
新しいベースと、ベースを含む容器とを提供し、ならびにベースの全体的な物理的性能を改善するプリフォームおよび方法を提供する本開示の態様が開示される。本明細書で概説する設計原理は、花弁状ベースまたはシャンパンベースなど、炭酸清涼飲料(CSD)の容器またはボトルに使用されるいずれのベースにも適用可能である。本開示の範囲を十分に理解するために、本明細書に提供される例および図を参照する。
【0014】
本明細書では、「結晶化度」および「パーセント結晶化度」は、プリフォームの設計、構造、および組成、ならびに機械的な延伸および冷却などの製作方法に起因して、その結果において製作されたボトルのポリマー鎖の配列または部分的配列を測定する。より高度な結晶性ポリマーは、透湿性が低く、クリープが低く、および一般的により光学的に透明である。本開示では、結晶化度は、一般的にパーセントで報告され、ベースにおいてゲートから公知の距離でボトルをサンプリングすることによって測定される。パーセント結晶化度は、例えば、ASTM D1505にあるような公知の方法を使用して、密度測定値に従って推定される。
【0015】
また、本明細書では、用語「炭酸清涼飲料(CSD)」の容器またはボトルは、本明細書において、容器の意図した内容物に関して特に限定することなく、炭酸飽和(carbonation)などの圧力下で使用するように設計される本開示の容器を指すために使用される。すなわち、圧力下で包装され得る任意のタイプの液体の内容物が本開示に従って使用され得る。一般的に、用語「容器」は、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、用語「ボトル」または「包装体」と交換可能に使用される。
【0016】
特に、本開示は、落下衝撃、ベースクリアランス、および応力亀裂性能などの物理的性能を改善でき、これにより、従って容器の全体的な物理的性能に影響を及ぼすボトル用のベースおよび方法について説明する。本明細書で具体的に開示されるのは、炭酸清涼飲料(CSD)容器用のベースであり、ここでは、ベースは、以下に説明する特徴の組み合わせによって特徴付けられる。
【0017】
ベース設計は、例えば、落下衝撃、ベースクリアランスおよび応力亀裂などの物理的性能に劇的に影響を与え得る。特定のベース設計は、ボトルブロー成形で使用されるプリフォーム温度および/またはブロー圧力を決定するため、ベース設計はまた、容器の全体的な物理的性能にも影響を及ぼし得る。例えば、特定のベースを正しく形成するために比較的高いプリフォーム温度が必要である場合、特定のベース設計は、わずかに低いポリマー配向度、従ってより低い破裂圧力、最大荷重(top load)などを生じ得る。同様に、より良好な破裂強度のためにゲートにおいてより大きい重量および/または厚さが必要とされる場合、容器本体から材料を除去することが可能であり、本体を軽量にして、ゲートのより大きい重量および厚さに適応させ得る。そのため、ベース設計は、加圧容器の性能の中心となることが明らかである。
【0018】
ベース設計の主要な特性または特徴のいくつかは、例えば、クリアランス高さ、脚の長さおよび谷の幅を含み、一般的に、これらの特徴の特定の組み合わせは、良好なベース性能をもたらすものである。様々な市販の容器で使用されるボトルベースの調査によって、ベース重量は、一般に、
図1に示すような様々なサイズの容器に関し、約3g~約6gの範囲であることが実証されている。
図1は、様々な容器またはボトルのベース重量を示す。比較例のボトルおよびベースは、C1~C9が付されており、ボトルおよびベースB1~B6は、本開示の軽量化の原理に従って設計されたベースを含む。それらのベース重量は、比較例の同じサイズのボトルよりも実質的に軽いとみなされる。以下の表は、
図1の比較例のボトルベースおよび例示的なボトルベースのそれぞれに関する追加的ないくつかの情報を提供する。説明を通して、新しいまたは例示的な等の用語は、本開示によるベースを説明するために使用される一方で、標準的なまたは従来の等の用語は、比較例のベースを説明するために使用される。例示的なボトルは400mL未満のボトルを示すが、本開示の設計原理は、400mL超のボトルおよびさらには5Lボトルまでの任意のサイズのボトルに適用可能であることに留意する。
【0019】
【0020】
同様に
図1には、様々な小型容器、すなわち、400mL未満または約400mLの公称容積を有するボトルのベース重量が示されている。図示するように、
図1のボトルは、200mLという小容積の範囲であり得る。B1~B6として示す例示的なボトルベースは、ベース重量が約1.5g~約2.0gの範囲である。これらの低ベース重量でも、これらの例示的な容器は、落下衝撃、ベースクリアランス、および応力亀裂などの標準的なCSD容器ベース性能に適合することが予期される。
【0021】
本開示の態様によれば、落下衝撃、ベースクリアランス、応力亀裂および他の物理的性能の基準の改善は、ベースの表面積対重量(面積/重量)比(A/W)を高めることによって、任意のサイズの軽量なボトルにおいて達成され得ることが分かっている。これは、このA/Wが下記で説明するような強化物質分布と組み合わせられるとき、および/または本明細書で開示する他の設計特徴のいずれかと組み合わせられたときに特に明白である。一態様では、本明細書で説明するCSD容器の重量当たりの表面積の測定値は、ある範囲内で変動し得る。例えば、重量当たりの表面積(A/W)は、約2200~約3400mm2/g、代替的には約2600~約3200mm2/g、または代替的には約2800~約3000mm2/gであり得る。代替的には、さらに、A/W比は、約2200mm2/g、約2300mm2/g、約2400mm2/g、約2500mm2/g、約2600mm2/g、約2700mm2/g、約2800mm2/g、約2900mm2/g、約3000mm2/g、約3100mm2/g、約3200mm2/g、約3300mm2/g、または代替的には約3400mm2/gであり得る。
【0022】
追加的な態様によれば、落下衝撃、ベースクリアランスおよび応力亀裂における改善は、任意のサイズの軽量なボトルでは、ベース重量対面積の比、すなわち、ベースの重量分布が均一にベースの面積分布に適合している程度を最適にすることによって達成され得ることが分かっている。これは、容器のベースの重量パーセンテージW%と表面積パーセンテージ(SA%または単に、A%)とを適合させること、すなわち、W%/A%の比の計算につながり、これは、本明細書では、ベースにおける物質分布と呼ばれる。重量パーセンテージW%および表面積パーセンテージA%は、1に近く、落下衝撃、ベースクリアランスおよび応力亀裂などの特性の改善は、任意のサイズの軽量なボトルにおいて達成され得ることが分かったことは驚きである。これは、特に、物質分布の向上が本明細書で開示される他の設計特徴のいずれかと組み合わせられると明白となる。
【0023】
本開示の態様によれば、ベースにおける物質分布が、特に任意のサイズの軽量なボトルにおいて、落下衝撃、ベースクリアランスおよび応力亀裂などのボトルベース性能の特性を決定するうえで役割を果たすことが分かっている。この特徴は、下記の表に示され、この表は、2つの異なるボトル設計、200mLのPETの標準的な設計のボトルベースおよび200mL(8.3g)の新しい設計のボトルベースに関する、異なるボトルセクションでの重量当たりの表面積(A/W)(面積/重量分布)およびW%/A%比を示す。
【0024】
【0025】
【0026】
これらのデータの比較は、重量/面積比、すなわち、重量パーセンテージW%対表面積パーセンテージA%の比(W%/A%)が実質的に1(1.0)と異なるとき、物質分布の不均衡が示されることを実証している。例えば、一態様では、重量パーセンテージW%対表面積パーセンテージA%の比(W%/A%)はまた、ある範囲内で変動し得る。例えば、開示されるボトルベースのW%/A%比は、約0.85~約1.30、代替的には、約0.95~約1.20、代替的には、約1.00~約1.15、または代替的には、約1.05~約1.15であり得る。例えば、開示されるボトルベースのW%/A%比は、約0.85、約0.90、約0.95、約1.00、約1.05、約1.10、約1.15、約1.20、約1.25、または代替的には約1.30であり得る。高性能の軽量なベースはまた、W%/A%比が約1に近いかまたは約1未満であるときに特に見出された。
【0027】
この態様に加えて、以下の表は、いくつかの市販の包装体および本開示の設計に従って準備された包装体に関する、「ベース比」(ベースセクションの重量/面積、または具体的にはW%/A%比)を要約している。
【0028】
【0029】
さらなる態様によれば、ベースのいくつかのセクションにおいて非晶質(無配向)ポリマーの割合が低下されるかまたはさらには最小限にされることにより、任意のサイズの軽量なボトルにおいて、落下衝撃などをさらに改善し得ることも分かった。これは、ベースのいくつかのセクションにおいて、非晶質ポリマーの割合が低下されるかまたはさらには最小限にされること、すなわち、結晶性ポリマーの割合の増加が、本明細書で説明されるような物質分布の向上および/または本明細書で開示される他の特徴のいずれかと組み合わせるときに特に明白である。具体的には、あるパーセント(%)結晶化度が、ベースの様々なセクションで測定され得、およびゲート直径の周り(10mm以内)で測定されたパーセント(%)結晶化度(第1のパーセント結晶化度は10%超または約10%である)が、落下衝撃の向上をもたらし、およびベースクリアランスが、任意のサイズの軽量なボトルにおいて達成され得ることが予期せず分かった。一般的に、第1のパーセント結晶化度は、約20%以下である。ゲート直径の周りで10mm以内で測定されたこの結晶化度は、本明細書では、「第1の」パーセント(%)結晶化度と呼ばれ得る。
【0030】
一態様では、本明細書で説明するような「第1の」パーセント(%)結晶化度は、ある範囲内で変動し得る。第1のパーセント結晶化度は、10%超または約10%である。例えば、開示されるボトルベースの第1のパーセント(%)結晶化度は、少なくとも10%または約10%、少なくとも11%または約11%、少なくとも12%または約12%、少なくとも13%または約13%、少なくとも14%または約14%、または代替的には、少なくとも15%または約15%であり得る。
【0031】
さらに他の態様では、特に、ゲートからさらに除去される、ベースの他の領域における結晶性(配向)ポリマーの割合の増加はまた、任意のサイズの軽量なボトルにおける落下衝撃、応力亀裂などをさらに向上させ得ることも分かった。これは、ゲートからさらに除去されるベースセクションにおける結晶性ポリマーの割合の増加が、本明細書で説明する物質分布の向上および/または本明細書で開示される他の特徴のいずれかと組み合わせられるときに特に明白である。具体的には、ゲートから15mm超または約15mmの距離で測定されるベースのセクションにおけるパーセント(%)結晶化度(本明細書では「第2の」パーセント(%)結晶化度と呼ばれる)が、側壁結晶化度の少なくとも70%または約70%であるとき、任意のサイズの軽量なボトルにおいて、落下衝撃、ベースクリアランスおよび応力亀裂の向上が達成され得ることが予期せず分かった。一般的に、第2のパーセント(%)結晶化度は、側壁結晶化度の約80%までであり得る。一態様によれば、開示されるボトルベースの第2のパーセント(%)結晶化度は、側壁結晶化度の少なくとも70%または約70%、側壁結晶化度の少なくとも72%または約72%、側壁結晶化度の少なくとも74%または約74%、側壁結晶化度の少なくとも76%または約76%、または代替的には、側壁結晶化度の少なくとも78%または約78%であり得る。
【0032】
本開示のさらなる態様は、ゲートに隣接するベースにおける配向の量(%トランス含有量)が増加または上昇するときに、任意のサイズの軽量なボトルにおける落下衝撃などにおけるいくらかの改善をもたらす。ここでも、これは、特に、パーセントトランス含有量の増加が、本明細書で説明されるような強化物質分布および/または本明細書で開示する他の特徴のいずれかと組み合わせられるときに明らかである。具体的には、パーセント(%)トランス含有量がゲート直径の周り(10mm以内)で測定され、パーセントトランス含有量が、少なくとも65%または約65%であるとき、落下衝撃、ベースクリアランスなどの向上が、任意のサイズの軽量なボトルにおいて達成され得る。一般的に、パーセントトランス含有量は、約80%までであり得る。
図5および
図6は、以下のボトルベースに関するパーセント(%)トランス含有量データおよびパーセント(5)結晶化度をそれぞれ提供する:9.3gの200mLのPETの新しい設計のボトル(◆)(B2);200mLのPETの標準的な(従来の)設計のボトル(■)(C1);および300mLの標準的な(従来の)設計のボトル(▲)(C3)。この態様では、トランス(配向)およびゴーシュ(Gauche)(非配向の非晶質)含有量が、FTIRを使用して測定され、および%トランスは、下記で図示するように決定され得る。具体的には、%トランスは、
図5に示すように、ゲートから5mm間隔で測定された。使用された計測機器は、ATR機能を有するPerkinElmer Spectrum 400 FT-NIR Spectrometerであった。
【0033】
【0034】
一態様では、ゲート直径の周り(10mm以内)で測定されたパーセント(%)トランス含有量はまた、ある範囲内で変動し得る。例えば、ゲート直径の周り(10mm以内)で測定されたパーセント(%)トランス含有量は、約65%~約85%であり得る。
【0035】
本開示のさらなる態様によれば、本開示のベースの厚さ比は、3.5未満または約3.5であることも分かり、厚さ比は、ゲートから5mmの厚さを、ゲートから10ミリメートルの厚さで除算することによって決定される。本開示のベースはまた、3.5未満または約3.5、3.4未満または約3.4、3.3未満または約3.3、3.2未満または約3.2、3.1未満または約3.1、3.0未満または約3.0、2.9未満または約2.9、2.8未満または約2.8、2.7未満または約2.7、2.6未満または約2.6、2.5未満または約2.5、2.4未満または約2.4、2.3未満または約2.3、2.2未満または約2.2、2.1未満または約2.1、または代替的には2.0未満または約2.0の厚さ比を有し得る。一般的に、厚さ比は、3.0未満または約3.0、または代替的には、2.5未満または約2.5であり得る。
【0036】
さらなる態様によれば、容器および容器ベースのポリマーは、ナイロン、ポリエステル、またはポリアミド(それらの様々なブレンドおよびコポリマーを含む)を含み得るかまたはそれで作製され得る。例えば、ポリマーは、ナイロンMXD6、ナイロンMXD6を含むナイロンブレンド、PET、ポリ(プロピレンフラン-2,5-ジカルボキシレート)(PPF)とも呼ばれるポリ(トリメチレンフラン-2,5-ジカルボキシレート)(PTF)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)/PETコポリマー、PENおよびPETブレンド、ポリグリコール酸(PGA)、PEF、およびPETブレンドから選択される材料を含み得るかまたはそれで作製され得る。
【0037】
CSD容器を準備するために使用される多くのポリマーは、結晶化可能であるため、配向度および結晶化度は、ポリマーおよびボトルの性能に組み入れられる。例えば、PETは、異なるモルフォロジ状態、例えば樹脂ペレットでは半結晶、プリフォームでは非晶質、およびブロー容器では配向結晶で存在し得る結晶化可能ポリエステルである。配向度および結晶化度は両方とも、一般的に、容器の性能を改善する。配向度に影響を与える要因は、樹脂IV、延伸比、延伸速度および延伸温度を含む。
【実施例】
【0038】
実施例
実施例1A.設計1および設計2のベースの応力亀裂性能
本明細書では設計1および設計2と称する2つのベース設計が、本開示に従って準備され、かつ応力亀裂性能に関して試験された。選択された設計1および設計2のベースの寸法を、以下の表に概説する。
【0039】
【0040】
設計1および設計2のベース設計のボトルは、ISBT(International Society of Beverage Technologist)応力亀裂法(発行日:10/03;改訂:1)を使用して、応力亀裂性能に関して試験された。ISBT応力亀裂法では、250mLのCSD容器(9.6g)は、2つの異なるベース設計によってブローされた。応力亀裂抵抗は、0.2%の苛性溶液に曝されたときの破損までの時間として測定された。この応力亀裂試験はとりわけ難しい。なぜなら、ISBTプロトコルは、上述の表に示すように、空のボトルを、24時間にわたり50℃に調整し、それに続いて、少なくとも16時間にわたり22℃に調整する必要があると要求しているためである。その後、ボトルは、静水で満たされ、および77psiの圧縮空気で加圧されてから、0.2%の苛性溶液に浸される。ボトルは、それに続く5回以内の加圧および苛性への浸漬で破損しない場合、ISBT応力亀裂試験に合格する。そのため、低ベース重量での圧力抵抗性のベースの開発は特に難しい。なぜなら、軽量なベースに対する性能条件は、従来のCSD包装体に対する性能条件と同じであるためである。
【0041】
ISBT応力亀裂法を使用して、これらのベース設計での破損までの平均時間は次の通りであった。
設計1、 14.5分
設計2、 2分未満
応力亀裂は、例えばベース設計、特定の樹脂IV(固有粘度)、特定の加工条件、物質分布、ブロー成形プロセスの最中に誘発された応力などの多数の要因に依存する。本明細書で示すように、ベース設計は、応力亀裂性能および材料特性において重要な役割を果たす。
【0042】
実施例1B.設計1および設計2のベースにおける厚さ分布
設計1および設計2のボトルベースのベースにおける厚さ分布は、ゲートから様々な箇所で測定された。
図3は、設計1および設計2のボトルベースの両方に関し、ゲートからの距離(mm)に対してプロットされたベースの厚さ(mm)の結果を示し、設計1のボトルベースと比較すると、ゲート付近で設計2のボトルベースの厚さが実質的に増加していたことを実証している。
【0043】
設計1および設計2のベースのこの厚さのプロファイルは、設計1の厚さがゲートにおいて薄く、かつ応力下で細かいひびが発生する可能性が少ないことを実証している。この特徴は、設計2よりも、設計1の落下衝撃および応力亀裂性能が良好であるということになる。
【0044】
実施例1C.設計1および設計2のベースの結晶化度分布
設計1および設計2のボトルベースのベースにおける結晶化度分布は、密度勾配管を使用して、鉛直断面図に沿ってゲートから様々な箇所で測定された。
図4は、設計1および設計2のボトルベースの両方に関して、結晶化度を試験するために使用された試料薄片の、ゲートからの距離(mm)に対してプロットされたパーセント(%)結晶化度の結果を示す。ベースでの配向度が高いほど密度が増し、ベース性能を高める。
【0045】
実施例2A.異なるベース設計でのベース性能、配向度および結晶化度
この実施例は、本開示による異なるベース設計での配向度および結晶化度をベースの性能と相関させる。
図5および
図6は、以下のボトルベースに関するパーセント(%)トランス含有量データおよびパーセント(5)結晶化度をそれぞれ提供する:9.3gの200mLのPETの新しい設計のボトル(◆)(B2);200mLのPETの標準的な(従来の)設計のボトル(■)(C1);および300mLの標準的な(従来の)設計のボトル(▲)(C3)。
【0046】
実施例2B.異なるベース設計でのベース性能
以下の表はまた、図中における配向度および結晶化度を加味して考慮される、異なる新しいおよび標準的なベース設計の性能の結果を要約している。図示の通り、本開示に従って製作された9.3gのベースの新しい設計1のボトルは、標準的な花弁状の設計(200mL)およびシャンパンベース設計(200mL)と比較して、より高い結晶化度および配向度を有することが分かった。このより高い配向度および結晶化度によって、軽量なベースを安定化させ、かつ均等なまたはより良好なベース性能をもたらす。
【0047】
【0048】
実施例3.軽量なベースの性能の比較
軽量な250mLおよび300mLのボトルが、Sidel SBO-8上でDAK B92A樹脂によってブローされて評価された。性能評価は、標準的な試験を使用して行われ、かつ以下の表は、本開示に従って製作された軽量なボトルおよびベースに関するベースの性能パラメータのいくつかを提示する。
【0049】
【0050】
2つのサイズに関するベース設計の差は、以下の表に要約されている。
【0051】
【0052】
250mLおよび300mLのベース設計の両方とも、ゲートパッド直径を除いて、元の250mLの設計1のボトルと同様のプロファイルを有した。密度/結晶化度の測定は、標準規格のASTMの方法を使用して、これらのベースで行われた。
図7は、上記の表で提示されたこれらの2つの試験ボトルベース、250mL(▲)および300mL(●)に関する結晶化度を試験するために使用される試料薄片の、ゲートからの距離(mm)に対してプロットされたパーセント(%)結晶化度(重量分率による)を示す。これらの結果は、両ボトルが同様の結晶化度分布を有し、および応力亀裂試験でのそれらの性能も同様であったことを示す。
【0053】
これらの結果はまた、これらの設計の両方に関する応力亀裂試験の性能が、元の250mLの設計1のボトルベースほど良好ではなかったことを示す。設計1のボトルと、この実施例の250mLおよび300mLのボトルとの1つの顕著な違いは、ゲートパッド直径である。これらの設計の両方とも、設計1のものと比較して小さいゲートパッド直径を有し、これは、ゲートの周りの非晶質材料が変形され、その結果、応力亀裂試験の最中に細かいひびが生じ始め、それに続いて破損する傾向が増すことを示唆する。
【0054】
様々な文献の開示が本明細書を通して参照され、それらは、開示される主題が関連する従来の先行技術をより十分に説明するために関連部分で参照することにより援用される。本明細書に援用するいずれかの文献によって提供されるいずれかの定義または慣用法が、本明細書で提供される定義または慣用法と矛盾する限りにおいて、本明細書で提供される定義または慣用法が優先される。
【0055】
本明細書および特許請求の範囲を通して、語「含む(comprise)」およびその語の変形例、例えば「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「限定されるものではないが、~を含む(including)」を意味し、例えば、他の追加物、構成要素、要素、またはステップを除外しないものとする。方法および特徴は、様々なステップまたは構成要素を「含む(comprising)」観点で説明されるが、これらの方法および特徴はまた、様々なステップまたは構成要素「から実質的になる」または「からなる」。
【0056】
別段の指示がない限り、いずれかのタイプのある範囲、例えばパーセンテージ、直径、重量などの範囲が開示されるかまたは特許請求されるとき、そのような範囲に含まれるいずれかの部分範囲または部分範囲の組み合わせを含め、そのような範囲が合理的に含む可能な各数値を個別に開示または特許請求するものとする。これらのような測定値の範囲を説明するとき、文脈が示すかまたは許すように、そのような範囲が合理的に含み得る可能な各数値は、例えば、ある範囲の端点間に存在する1つ以上の有効数字を有するその範囲内の値を指し得るか、または最上位の有効数字を有する端点と同じ数の有効数字を有する範囲内の値を指し得る。例えば、ある範囲のパーセンテージ、例えば85%~95%を説明するとき、本開示は、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、および95%のそれぞれ、ならびにそこに含まれるいずれかの範囲、部分範囲、および部分範囲の組み合わせを含むものとする理解される。本出願人らの意図は、範囲を説明するこれら2つの方法が交換可能であることである。従って、何らかの理由で、例えば、本出願人らが出願時に認識していない参照文献を説明するために、本出願人らが最大限の本開示の範囲に満たないものを特許請求することを選択する場合、本出願人らは、その群内のいずれかの部分範囲または部分範囲の組み合わせを含め、いずれかのそのような群の任意の個別のメンバーを排除するか、または除外する権利を留保する。
【0057】
値または範囲は、本明細書では、「約」として、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までと表現され得る。そのような値または範囲が表現される場合、開示される他の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までの引用される具体的な値を含む。同様に、先行詞「約」を使用することによって値が近似値で表現される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。本明細書で開示されたいくつもの値があること、および各値も、値自体に加えて「約」その特定の値として本明細書で開示されることがさらに理解される。態様では、「約」は、引用した値の10%以内、引用した値の5%以内、または引用した値の2%以内を意味するために使用され得る。
【0058】
米国特許商標局より以前のいずれの出願においても、本出願の抄録は、37 C.F.R.§1.72の条件を満たすために、および37 C.F.R.§1.72(b)に記載される目的「米国特許商標局および一般市民が、一般的に、技術的開示の性質および要点を一瞥して迅速に判断できるようにするために」提供される。そのため、本出願の抄録は、特許請求の範囲を解釈するために、または本明細書で開示される主題の範囲を限定するために使用されるものではない。さらに、本明細書で用いられるいずれの見出しも、特許請求の範囲を解釈するために、または本明細書で開示される主題の範囲を限定するために使用されるものではない。そうでなければ推定的または予言的であることを示す、実施例を説明するための過去形の使用はいずれも、推定的または予言的な実施例が実際に実施されたことを反映することを意図するものではない。
【0059】
当業者は、本開示による新規の教示および利点から著しく逸脱することなく、本明細書で開示した例示的な実施形態において多くの修正形態が可能であることを簡単に認識する。従って、全てのそのような修正形態および均等物は、以下の特許請求の範囲において定義されるような本開示の範囲内に含まれるものとする。そのため、本明細書の説明を読んだ後、それらの様々な他の態様、実施形態、修正形態、および均等物の再分類は困難であり得、当業者に、本開示の趣旨または添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、それら自体を提案し得ることが理解される。
【0060】
本出願人らは、例えば、本出願人らが認識していないことがあり得る先行技術の開示を説明するために、いずれかの特許請求の範囲を限定するために、いずれかの選択、特徴、範囲、要素、または態様を排除する権利を留保する。
【0061】
以下の本開示の符号を付した態様は、本発明の様々な属性、特徴、および実施形態を、文脈が許す場合、個別にまたはいずれかの組み合わせの両方で説明するために提供される。すなわち、文脈が許す場合、いずれかの単一の符号を付した態様および以下の符号を付した態様のいずれかの組み合わせが本開示の様々な属性、特徴、および実施形態を提供する。
【0062】
1.炭酸清涼飲料(CSD)容器用の軽量なベースであって、以下の特徴:
a)約2200~約3400mm2/gである面積/重量比(A/W);
b)約0.90~約1.30である重量パーセンテージ/面積パーセンテージ比(W%/A%);
c)10%超または約10%である、ゲート直径の周り(10mm以内)で測定された第1のパーセント(%)結晶化度;
d)側壁結晶化度の少なくとも70%または約70%である、ゲートから15mm超または約15mmの距離で測定された第2のパーセント(%)結晶化度;
e)少なくとも65%または約65%である、ゲート直径の周り(10mm以内)で測定されたパーセント(%)トランス含有量;および/または
f)3.5未満または約3.5の厚さ比(ゲートから10ミリメートルでの厚さによって除算される、ゲートから5mmでの厚さ)
によって特徴付けられる、軽量なベース。
2.先の態様による炭酸清涼飲料(CSD)容器用の軽量なベースであって、A/Wが約2600~3200mm2/gである、軽量なベース。
3.文脈が許すような、先のいずれかの態様による炭酸清涼飲料(CSD)容器用の軽量なベースであって、W%/A%が約1.00~1.15である、軽量なベース。
4.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、第1のパーセント結晶化度が12%超または約12%である、軽量なベース。
5.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、第2のパーセント結晶化度が側壁結晶化度の少なくとも80%または約80%である、軽量なベース。
6.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、パーセントトランス含有量が少なくとも70%または約70%である、軽量なベース。
7.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、厚さ比が2.5未満または約2.5である、軽量なベース。
8.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、花弁状ベースである、軽量なベース。
9.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、シャンパンベースである、軽量なベース。
10.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、ISBT応力亀裂法による応力亀裂試験プロトコルに合格する、軽量なベース。
11.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、ISBT応力亀裂法を使用する応力亀裂性能試験における破損までの平均時間が、5分超または約5分である、軽量なベース。
12.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースあって、ISBT応力亀裂法を使用する応力亀裂性能試験における破損までの平均時間が、10分超または約10分である、軽量なベース。
13.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースあって、6フィート落下試験(業界基準)に合格する、軽量なベース。
14.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースあって、熱安定性試験(4.2容積の炭酸容器を24時間にわたり38℃に調整する)の後に、少なくとも0.5mmまたは約0.5mmのベースクリアランスを維持する、軽量なベース。
15.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、ヒール直径/立ち上がりリング比が1.45未満または約1.45であることをさらに特徴とする、軽量なベース。
16.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、ヒール直径/立ち上がりリング比が1.40未満または約1.40であることをさらに特徴とする、軽量なベース。
17.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、ゲートパッド直径が7mm超または約7mmであることをさらに特徴とする、軽量なベース。
18.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、ストラップ幅が3.5mm超または約3.5mmであることをさらに特徴とする、軽量なベース。
19.文脈が許すような、先の態様のいずれかによる軽量なベースであって、ストラップ幅が4mm超または約4mmであることをさらに特徴とする、軽量なベース。
20.炭酸清涼飲料(CSD)容器用の軽量なベースであって、以下の特徴:
a)約2200~約3400mm2/gである面積/重量比(A/W);
b)約0.90~約1.30である重量パーセンテージ/面積パーセンテージ比(W%/A%);
c)10%超または約10%である、ゲート直径の周り(10mm以内)で測定された第1のパーセント(%)結晶化度;
d)側壁結晶化度の少なくとも70%または約70%である、ゲートから15mm超または約15mmの距離で測定された第2のパーセント(%)結晶化度;
e)少なくとも65%または約65%である、ゲート直径の周り(10mm以内)で測定されたパーセント(%)トランス含有量;および/または
f)3.5未満または約3.5の厚さ比(ゲートから10ミリメートルでの厚さで除算される、ゲートから5mmでの厚さ)
のうちのいずれか4つによって特徴付けられる、軽量なベース。
21.態様20による軽量なベースであって、6つの引用した特徴のうちのいずれか5つによって特徴付けられる、軽量なベース。
22.先の態様のいずれかによる軽量なベースを含む、炭酸清涼飲料(CSD)容器。
23.態様22による炭酸清涼飲料(CSD)容器を含む、包装された棚製品。