(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】薬品混合装置、これを含む薬品混合キット及びこれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20231121BHJP
A61M 5/178 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
A61J1/20 314B
A61M5/178 500
(21)【出願番号】P 2021552579
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(86)【国際出願番号】 KR2020002986
(87)【国際公開番号】W WO2020180080
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】10-2019-0025413
(32)【優先日】2019-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520139848
【氏名又は名称】キム ヨンヒョン
(74)【代理人】
【識別番号】110002675
【氏名又は名称】弁理士法人ドライト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンヒョン
【審査官】佐藤 智弥
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-516172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
A61M 5/178
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1容器内の液体形態の第1内容物と、第2容器内の液体または粉末形態の第2内容物を混合するための薬品混合装置であって、
前記薬品混合装置には、前記第1容器の内部の液体が流入可能に構成された一端から前記第2容器の内部の液体が流入可能に構成された他端に延びるメイン流路と、前記メイン流路から分岐する分岐流路が形成され、
前記メイン流路は、前記メイン流路と前記分岐流路の連結地点を基準に、前記一端及び前記連結地点を連結しながら延びた第1流路と、前記他端及び前記連結地点を連結しながら延びた第2流路を含み、
前記第1容器が結合される第1連結部、前記第2容器が結合される第2連結部、及び前記分岐流路と連通する内部空間を形成するシリンジが連結され、前記シリンジの前記内部空間に液体を排出可能に構成された前記分岐流路の少なくとも一部を形成する分岐部を含むボディー
、
前記第1流路上に配置され、前記一端から前記連結地点に移動する液体の流れを許容するものの、前記連結地点から前記一端側への液体の流れを防止するように構成される逆流防止部
、
前記第1流路の一端側を形成し、前記第1容器の内部に挿入可能に突出する第1ニードル、及び
前記第2流路の他端側を形成し、前記第2容器の内部に挿入可能に突出する第2ニードルを含み、
前記第1容器、前記第2容器、及び前記シリンジが前記薬品混合装置に結合された状態で、前記内部空間のボリュームが大きくなるように前記第1内容物が前記内部空間を流入するとき、前記第1容器の内部の圧力及び前記第2容器の内部の圧力が低くなり、
前記第1容器内の前記第1内容物が前記第1流路及び前記分岐流路を経て前記内部空間内に流入した後、前記内部空間のボリュームが小さくなるように前記内部空間内の前記第1内容物が前記分岐流路及び前記第2流路を経て前記第2容器内に流入
し、
前記一端側から離隔された位置の前記第1ニードルの側面または前記他端側から離隔された位置の前記第2ニードルの側面には残量流入ホールが形成され、
液体が、前記第1ニードル及び前記第2ニードルのうちの前記残量流入ホールを形成するニードルが挿入される容器の内部から前記残量流入ホールを介して前記メイン流路内に流入可能に構成される、
薬品混合装置。
【請求項2】
前記第1連結部は、前記第1容器が係止されるように構成される複数のフックを含み、
前記第2連結部は、前記第2容器が係止されるように構成される複数のフックを含み、
前記ボディーは、前記第1連結部及び前記第2連結部を支持する支持部を含む、
請求項1に記載の薬品混合装置。
【請求項3】
前記第1連結部の前記複数のフックは、前記第1ニードルを中心として周方向に互いに離隔されて配置され、
前記第2連結部の前記複数のフックは、前記第2ニードルを中心として周方向に互いに離隔されて配置される、
請求項2に記載の薬品混合装置。
【請求項4】
前記第1ニードル及び前記第2ニードルは、前記ボディーに固定される、
請求項
1に記載の薬品混合装置。
【請求項5】
前記ボディーは、
前記第1ニードルが固定され、前記逆流防止部が配置される第1パート、及び
前記逆流防止部を覆い、前記第1パートと結合され、前記第2ニードルが固定される第2パートを含む、
請求項
1に記載の薬品混合装置。
【請求項6】
前記分岐流路上に配置され、前記シリンジのニードルが貫くように構成されるシーラーをさらに含む、
請求項1に記載の薬品混合装置。
【請求項7】
前記ボディーに結合され、前記シリンジを支持するように構成されるサポーターをさらに含む、
請求項1に記載の薬品混合装置。
【請求項8】
請求項2に記載の薬品混合装置を製造する方法であって、
前記第1連結部及び前記第2連結部を前記支持部に固定させる段階を含む、
薬品混合装置を製造する方法。
【請求項9】
第1容器内の液体形態の第1内容物と、第2容器内の液体または粉末形態の第2内容物を混合するための薬品混合キットであって、
前記第1容器の内部の液体が流入可能に構成された一端から前記第2容器の内部の液体が流入可能に構成された他端に延びるメイン流路と、前記メイン流路から分岐する分岐流路が形成される薬品混合装置、及び
前記薬品混合装置に結合され、前記分岐流路と連通する内部空間を有し、前記分岐流路から前記内部空間に液体を吸入可能であり、前記内部空間から前記分岐流路に液体を排出可能に構成されるシリンジを含み、
前記メイン流路は、前記メイン流路と前記分岐流路の連結地点を基準に、前記一端及び前記連結地点を連結しながら延びた第1流路と、前記他端及び前記連結地点を連結しながら延びた第2流路を含み、
前記薬品混合装置は、
前記第1容器が結合される第1連結部、前記第2容器が結合される第2連結部、及び前記シリンジの前記内部空間に液体を排出可能に構成された前記分岐流路の少なくとも一部を形成する分岐部を含むボディー
、
前記第1流路上に配置され、前記一端から前記連結地点に移動する液体の流れを許容するものの、前記連結地点から前記一端側への液体の流れを防止するように構成される逆流防止部
、
前記第1流路の一端側を形成し、前記第1容器の内部に挿入可能に突出する第1ニードル、及び
前記第2流路の他端側を形成し、前記第2容器の内部に挿入可能に突出する第2ニードルを含み、
前記第1容器、前記第2容器、及び前記シリンジが前記薬品混合装置に結合された状態で、前記内部空間のボリュームが大きくなるように前記第1内容物が前記内部空間内に流入するとき、前記第1容器の内部の圧力及び前記第2容器の内部の圧力が低くなり、
前記第1容器内の前記第1内容物が前記第1流路及び前記分岐流路を経て前記内部空間内に流入した後、前記内部空間のボリュームが小さくなるように前記内部空間内の前記第1内容物が前記分岐流路及び前記第2流路を経て前記第2容器内に流入
し、
前記一端側から離隔された位置の前記第1ニードルの側面または前記他端側から離隔された位置の前記第2ニードルの側面には残量流入ホールが形成され、
液体が、前記第1ニードル及び前記第2ニードルのうちの前記残量流入ホールを形成するニードルが挿入される容器の内部から前記残量流入ホールを介して前記メイン流路内に流入可能に構成される、
薬品混合キット。
【請求項10】
前記薬品混合装置と前記シリンジは、互いに分離可能に結合される、
請求項
9に記載の薬品混合キット。
【請求項11】
前記薬品混合装置は、
前記分岐流路上に配置されるシーラーをさらに含み、
前記シリンジは、
前記シーラーを貫き、前記分岐流路と前記内部空間との間の液体の流れを案内する流路を形成するシリンジニードルを含む、
請求項
9に記載の薬品混合キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、薬品混合装置、薬品混合キット及びこれを製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
医療現場で鎮痛剤、抗生剤または抗癌剤などのような液体または粉末形態の薬剤を、液体形態の他の薬剤、樹液または蒸溜水と混合し、液体形態の混合された薬剤を患者に注射することがある。従来、薬剤を混合する方法の例示は次の通りである。液体形態の薬剤、樹液または蒸溜水が入れられたバッグ(bag)やバイアル(vial)等の容器にシリンジの注射針を刺して容器を穿孔し、容器内部の内容物をシリンジ内部へ吸い込んで収容した後、注射針を容器から取り出す。その次に、シリンジの注射針を液体または粉末形態の薬剤が収容された他の容器に刺して前記他の容器を穿孔し、シリンジ内部の液体形態の薬剤、樹液または蒸溜水を前記他の容器内へ注入した後、前記他の容器を揺さぶって内部の内容物を混合する。混合が完了した後、前記他の容器内の混合液を注射針を通じてシリンジ内へ吸い込んで収容した後、注射針を前記他の容器から取り出す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来は、2つの容器内の内容物を互いに混合するために、2つの容器に順にシリンジの注射針を刺してから取り出す作業が必要であるという問題がある。緊急な医療現場では複雑な手作業により、シリンジの注射針が外部の汚染物質や病原体などによって汚染される確率が高くなり、医療スタッフの皮膚に注射針が触れる事故ケースの発生確率が高くなる問題がある。これは患者や医療スタッフの健康に大きな悪影響を及ぼし得るので、非常に重大な問題である。本開示の実施例は、前述した従来技術の問題を解決する。
【0004】
従来の上記のような問題を防ぐために高価な滅菌設備を用いる場合、高額の費用が要されるだけでなく、医療現場の緊急状況でこのような滅菌設備を用いることは困難であるという問題がある。本開示の実施例は、前述した問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面は、第1容器内の液体形態の第1内容物と、第2容器内の液体または粉末形態の第2内容物を混合するための薬品混合装置の実施例を提供する。代表的な実施例による薬品混合装置には、前記第1容器の内部の液体が流入可能に構成された一端から前記第2容器の内部の液体が流入可能に構成された他端に延びるメイン流路と、前記メイン流路から分岐する分岐流路が形成される。前記メイン流路は、前記メイン流路と前記分岐流路の連結地点を基準に、前記一端及び前記連結地点を連結しながら延びた第1流路と、前記他端及び前記連結地点を連結しながら延びた第2流路を含む。前記薬品混合装置は、前記第1容器が結合可能に構成された第1連結部及び前記第2容器が結合可能に構成された第2連結部を含むボディー;及び前記メイン流路と前記分岐流路の連結地点を基準に前記一端側に延びる前記メイン流路の一部の流路上に配置され、前記一端から前記連結地点に移動する液体の流れを許容するものの、前記連結地点から前記一端側への液体の流れを防止するように構成される逆流防止部を含む。前記第1容器内の前記第1内容物を前記第2容器内に流入させるために、前記第1容器、前記第2容器、及び前記分岐流路と連通する内部空間を有するシリンジが前記薬品混合装置に結合された状態で、前記第1容器内の前記第1内容物が前記第1流路及び前記分岐流路を経て前記内部空間内に流入した後、前記内部空間内の前記第1内容物が前記分岐流路及び前記第2流路を経て前記第2容器内に流入するように構成される。前記第1内容物が前記内部空間内に流入する時、前記第1容器の内部の圧力及び前記第2容器の内部の圧力が低くなるように構成される。
【0006】
実施例において、前記第1連結部は、前記第1容器が係止されるように構成される複数のフックを含み得る。前記第2連結部は、前記第2容器が係止されるように構成される複数のフックを含み得る。前記ボディーは、前記第1連結部及び前記第2連結部を支持する支持部を含み得る。
【0007】
実施例において、前記薬品混合装置は、前記メイン流路の前記一端側を形成し、前記第1容器の内部に挿入可能に突出する第1ニードル;及び前記メイン流路の前記他端側を形成し、前記第2容器の内部に挿入可能に突出する第2ニードルをさらに含み得る。前記第1連結部の前記複数のフックは、前記第1ニードルを中心として周方向に互いに離隔されて配置され得る。前記第2連結部の前記複数のフックは、前記第2ニードルを中心として周方向に互いに離隔されて配置され得る。
【0008】
実施例において、前記ボディーは、シリンジの内部に液体を排出可能に構成された前記分岐流路の少なくとも一部を形成する分岐部をさらに含み得る。
【0009】
実施例において、前記ボディーは、前記分岐流路と連通する内部空間を形成するシリンジが連結可能に構成された分岐部をさらに含み得る。
【0010】
実施例において、前記薬品混合装置は、前記メイン流路の前記一端側を形成し、前記第1容器の内部に挿入可能に突出する第1ニードル;及び前記メイン流路の前記他端側を形成し、前記第2容器の内部に挿入可能に突出する第2ニードルをさらに含み得る。
【0011】
実施例において、前記第1ニードル及び前記第2ニードルは、前記ボディーに固定され得る。
【0012】
実施例において、前記ボディーは、前記第1ニードルが固定され、前記逆流防止部が配置される第1パート;及び前記逆流防止部を覆い、前記第1パートと結合され、前記第2ニードルが固定される第2パートを含み得る。
【0013】
実施例において、前記第1ニードル及び前記第2ニードルのうち少なくとも1つのニードルは先端から離隔された位置の側面に残量流入ホールを形成し得る。前記薬品混合装置は、液体が前記少なくとも1つのニードルが挿入される容器の内部から前記残量流入ホールを介して前記メイン流路内に流入可能に構成され得る。
【0014】
実施例において、前記薬品混合装置は、前記分岐流路上に配置され、シリンジのニードルが貫くように構成されるシーラーをさらに含み得る。
【0015】
実施例において、前記薬品混合装置は、前記ボディーに結合され、シリンジを支持するように構成されるサポーターをさらに含み得る。
【0016】
本開示の他の側面は、薬品混合装置を製造する方法の実施例を提供する。代表的な実施例による薬品混合装置を製造する方法は、前記第1連結部及び前記第2連結部を前記支持部に固定させる段階を含む。
【0017】
本開示の更に他の側面は、第1容器内の液体形態の第1内容物と、第2容器内の液体または粉末形態の第2内容物を混合するための薬品混合キットの実施例を提供する。代表的な実施例による薬品混合キットは、前記第1容器の内部の液体が流入可能に構成された一端から前記第2容器の内部の液体が流入可能に構成された他端に延びるメイン流路と、前記メイン流路から分岐する分岐流路が形成される薬品混合装置;及び前記薬品混合装置に結合され、前記分岐流路と連通する内部空間を有し、前記分岐流路から前記内部空間に液体を吸入可能であり、前記内部空間から前記分岐流路に液体を排出可能に構成されるシリンジを含む。前記メイン流路は、前記メイン流路と前記分岐流路の連結地点を基準に、前記一端及び前記連結地点を連結しながら延びた第1流路と、前記他端及び前記連結地点を連結しながら延びた第2流路を含む。前記薬品混合装置は、前記第1容器が結合可能に構成された第1連結部及び前記第2容器が結合可能に構成された第2連結部を含むボディー;及び前記メイン流路と前記分岐流路の連結地点を基準に前記一端側に延びる前記メイン流路の一部の流路上に配置され、前記一端から前記連結地点に移動する液体の流れを許容するものの、前記連結地点から前記一端側への液体の流れを防止するように構成される逆流防止部を含む。前記第1容器内の前記第1内容物を前記第2容器内に流入させるために、前記第1容器、前記第2容器、及び前記シリンジが前記薬品混合装置に結合された状態で、前記内部空間のボリュームが大きくなるように前記第1容器内の前記第1内容物が前記第1流路及び前記分岐流路を経て前記内部空間内に流入した後、前記内部空間のボリュームが小さくなるように前記内部空間内の前記第1内容物が前記分岐流路及び前記第2流路を経て前記第2容器内に流入するように構成される。前記第1内容物が前記内部空間内に流入するとき、前記第1容器の内部の圧力及び前記第2容器の内部の圧力が低くなるように構成される。
【0018】
実施例において、前記薬品混合装置と前記シリンジは、互いに分離可能に結合され得る。
【0019】
実施例において、前記薬品混合装置は、前記分岐流路上に配置されるシーラーをさらに含み得る。前記シリンジは、前記シーラーを貫き、前記分岐流路と前記内部空間との間の液体の流れを案内する流路を形成するシリンジニードルを含み得る。
【発明の効果】
【0020】
本開示の実施例によれば、注射針などの患者に挿入される部品や患者に投与される薬品が外部の汚染源や病原体から汚染される確率を顕著に減らすことができる。
【0021】
本開示の実施例によれば、医療スタッフが非常に簡便で効率よく薬剤を混合することができる。
【0022】
本開示の実施例によれば、迅速で安全に薬剤を混合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本開示の第1実施例による薬品混合キット(1)に第1容器(6)及び第2容器(7)が結合された状態を示す斜視図である。
【0024】
【
図2】
図2は、
図1の薬品混合キット(1)、第1容器(6)及び第2容器(7)の分解斜視図である。
【0025】
【
図3】
図3は、
図1の薬品混合キット(1)、第1容器(6)及び第2容器(7)をラインS1-S1'に沿って切った部分縦断面図である。
【0026】
【
図4a-4f】
図4a~
図4fは、
図1の薬品混合キット(1)の一使用例を順に示す図面であって、
図1のラインS1-S1'に沿って薬品混合装置(100)、シリンジ(200)、第1容器(6)及び/又は第2容器(7)を切った縦断面図である。
【0027】
【
図5】
図5は、本開示の第2実施例による薬品混合キット(1')に第1容器(6)及び第2容器(7)が結合された状態を示す斜視図である。
【0028】
【
図6】
図6は、
図5の薬品混合キット(1')、第1容器(6)及び第2容器(7)の分解斜視図である。
【0029】
【
図7】
図7は、
図5の薬品混合キット(1')、第1容器(6)及び第2容器(7)を切った部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の実施例は、本開示の技術的思想を説明するための目的で例示されたものである。本開示による権利範囲が以下に提示される実施例やこれら実施例に関する具体的な説明に限定されるわけではない。
【0031】
本開示に用いられる全ての技術的用語及び科学的用語は、特に定義されない限り、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者に一般に理解される意味を有する。本開示に用いられる全ての用語は、本開示を更に明確に説明するための目的で選択されたものであり、本開示による権利範囲を制限するために選択されたものではない。
【0032】
本開示で用いられる「含む」、「備える」、「有する」等のような表現は、当該表現が含まれる語句または文章で特に言及されない限り、他の実施例を含む可能性を内包する開放型用語(open-ended terms)と理解されるべきである。
【0033】
本開示で記述された単数形の表現は、特に言及しない限り、複数形の意味を含み得、これは特許請求の範囲に記載された単数形の表現にも同様に適用される。
【0034】
本開示で用いられる「第1」、「第2」等の表現は、複数の構成要素を相互に区分するために用いられ、当該構成要素の順序または重要度を限定するわけではない。
【0035】
本開示において、ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか、「接続されて」いると言及された場合、前記ある構成要素が前記他の構成要素に直接的に連結され得るか、接続され得るものと、または、新たな他の構成要素を媒介として連結され得るか、接続され得るものと理解されるべきである。
【0036】
本開示で用いられる「第1方向」は、薬品混合装置と第1容器が互いに結合するように前記薬品混合装置を前記第1容器に近接させるとき、前記薬品混合装置が移動する方向を意味し、「第2方向」は、前記薬品混合装置と第2容器が互いに結合するように前記薬品混合装置を前記第2容器に近接させるとき、前記薬品混合装置が移動する方向を意味する。また、本開示で用いられる「第3方向」は、前記薬品混合装置とシリンジが互いに結合するように前記シリンジを前記薬品混合装置に近接させるとき、前記シリンジが移動する方向を意味する。
図2、
図3、
図6及び
図7には第1方向(D1)、第2方向(D2)及び第3方向(D3)が示されているが、各方向は本開示の実施例に制限されない。
【0037】
以下、添付した図面を参照して、本開示の実施例を説明する。添付の図面で、同一または対応する構成要素には同一の参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略されることがある。しかし、構成要素に関する記述が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないことを意図するわけではない。
【0038】
図1は、本開示の第1実施例による薬品混合キット(1)に第1容器(6)及び第2容器(7)が結合された状態を示す斜視図である。
図1を参照して、使用者(例えば、看護師や医師などの医療スタッフ)は薬品混合キット(1)に第1容器(6)及び第2容器(7)を結合させることができる。薬品混合キット(1)は、第1容器(6)内の液体形態の第1内容物と、第2容器(7)内の液体または粉末形態の第2内容物を混合するために構成される。
【0039】
使用者は、薬品混合キット(1)を用いて前記第1内容物と前記第2内容物を混合することができ、前記第1内容物と前記第2内容物が混合された混合物をシリンジ(200)内部に流入させることができる。一例として、樹液などの第1内容物と粉末形態の薬剤である第2内容物が混合され得る。他の例として、液体形態の薬剤である第1内容物と液体形態の他の薬剤である第2内容物が混合され得る。
【0040】
薬品混合キット(1)は、薬品混合装置(100)及び薬品混合装置(100)に結合されるシリンジ(syringe)(200)を含む。薬品混合装置(100)とシリンジ(200)は、互いに分離可能に結合され得る。使用者は、薬品混合キット(1)を用いて前記第1内容物と前記第2内容物を混合し、シリンジ(200)内に前記混合物が満たされた後、シリンジ(200)を薬品混合装置(100)から分離させることができる。
【0041】
図2は、
図1の薬品混合キット(1)、第1容器(6)及び第2容器(7)の分解斜視図である。
図3は、
図1の薬品混合キット(1)、第1容器(6)及び第2容器(7)をラインS1-S1'に沿って切った部分縦断面図である。
【0042】
図2及び
図3を参照すると、薬品混合装置(100)には液体の流れを案内する流路(P)が形成される。流路(P)は、メイン流路(Pa)と分岐流路(Pb)を含む。
【0043】
本実施例において、メイン流路(Pa)は直線に延びるように形成されるが、実施例によってメイン流路(Pa)は一部区間が折れたり曲がったりするように形成されてもよい。本実施例において、分岐流路(Pb)は第3方向(D3)の反対方向に直線に延びるように形成されるが、実施例によって分岐流路の一部区間が折れたり曲がったりするように形成されてもよい。また、薬品混合装置(100)のうち一部構成がメイン流路(Pa)及び/又は分岐流路(Pb)の少なくとも一部を形成し得、これは本開示の実施例に限定されない。
【0044】
薬品混合装置(100)には第1容器(6)の内部の液体が流入可能に構成された一端(Q1)から第2容器(7)の内部の液体が流入可能に構成された他端(Q2)に延びるメイン流路(Pa)が形成される。薬品混合装置(100)内にメイン流路(Pa)が位置する。例えば、第1容器(6)内の液体形態の前記第1内容物がメイン流路(Pa)内に流入し得、第2容器(7)内の液体形態の前記混合物がメイン流路(Pa)内に流入し得る。
【0045】
メイン流路(Pa)の一端(Q1)は第1容器(6)側に配置される。メイン流路(Pa)の他端(Q2)は第2容器(7)側に配置される。一端(Q1)はメイン流路(Pa)の第1方向(D1)の末端に位置する。他端(Q2)はメイン流路(Pa)の第2方向(D2)の末端に位置する。
【0046】
メイン流路(Pa)は、第1流路(Pa1)及び第2流路(Pa2)を含む。第1流路(Pa1)及び第2流路(Pa2)は、メイン流路(Pa)と分岐流路(Pb)の連結地点(Q3)を基準として区分される。第1流路(Pa1)は、一端(Q1)及び連結地点(Q3)を連結しながら延びる。第2流路(Pa2)は、他端(Q2)及び連結地点(Q3)を連結しながら延びる。第1流路(Pa1)は第1方向(D1)に延びる部分を含む。第2流路(Pa2)は第2方向(D2)に延びる部分を含む。
【0047】
薬品混合装置(100)にはメイン流路(Pa)から分岐する分岐流路(Pb)が形成される。分岐流路(Pb)は第3方向(D3)に延びた部分を含む。薬品混合装置(100)内に分岐流路(Pb)が位置する。シリンジ(200)と分離された薬品混合装置(100)の実施例では、分岐流路(Pb)はシーラー(180)により塞がれ得る。シリンジ(200)と薬品混合装置(100)が結合された薬品混合キット(1)の実施例では、シーラー(180)を貫くシリンジニードル(250)により分岐流路(Pb)が開放され得る。
【0048】
薬品混合装置(100)の分岐流路(Pb)内部にシリンジ(200)のシリンジニードル(250)の少なくとも一部が挿入され得る。この場合、分岐流路(Pb)に配置されたシリンジニードル(250)内部の流路に沿って液体が流れ得る。シリンジニードル(250)は分岐流路(Pb)へ第3方向(D3)に挿入される。
【0049】
薬品混合装置(100)はボディー(110)を含む。ボディー(110)に流路(P)の少なくとも一部が形成され得る。メイン流路(Pa)はボディー(110)を貫き得る。ボディー(110)に第1流路(Pa1)の一部及び第2流路(Pa2)の一部が形成され得る。ボディー(110)に分岐流路(Pb)が形成され得る。
【0050】
ボディー(110)は、第1容器(6)及び第2容器(7)と結合されるように構成され得る。ボディー(110)は、第1容器(6)が結合可能に構成された第1連結部(111)、及び、第2容器(7)が結合可能に構成された第2連結部(112)を含む。ボディー(110)は、第1連結部(111)及び第2連結部(112)を支持する支持部(115)を含む。ボディー(110)は、分岐流路(Pb)の少なくとも一部を形成する分岐部(116)を含む。
【0051】
ボディー(110)は、互いに結合する第1パート(110A)及び第2パート(110B)を含み得る。第1パート(110A)及び第2パート(110B)は、レーザー接合または超音波接合などの方法で互いに結合され得る。第1パート(110A)の第1方向(D1)の側面に第2パート(110B)が結合され得る。メイン流路(Pa)は第1パート(110A)及び第2パート(110B)を貫き得る。
【0052】
第1パート(110A)は、第1連結部(111)、第2連結部(112)、支持部(115)及び分岐部(116)を含み得る。第1パート(110A)に第1ニードル(150)が固定され得る。第2パート(110B)に第2ニードル(160)が固定され得る。本実施例において、第1ニードル(150)及び第2ニードル(160)は、ボディー(110)とは別途の部材として製作され、ボディー(110)に固定される。図示されていない他の実施例において、第1ニードル(150)及び第2ニードル(160)はボディー(110)の全体または一部と一体に成形されることによって、第1ニードル(150)及び第2ニードル(160)がボディー(110)に固定されることができる。
【0053】
第1パート(110A)に逆流防止部(130)が配置され得る。第2パート(110B)は逆流防止部(130)を覆って第1パート(110A)と結合され得る。逆流防止部(130)は第1パート(110A)及び第2パート(110B)の間に配置される。第1パート(110A)の一側面に溝が形成され、前記第1パート(110A)の前記溝に逆流防止部(130)が挿入される。第1パート(110A)の前記溝は第1流路(Pa1)の一部を形成する。
【0054】
本実施例において、第1連結部(111)及び第2連結部(112)は、それぞれ第1容器(6)及び第2容器(7)とフック結合するように構成されるが、図示されていない他の実施例において、前記第1連結部及び/又は前記第2連結部は、対応する容器(前記第1容器及び/又は前記第2容器)とスクリュなど他の方式で結合されるように構成されることもできる。
【0055】
一実施例において、第1連結部(111)は、第1容器(6)が係止されるように構成される複数のフック(111a)を含む。第1容器(6)が薬品混合装置(100)と結合された状態で、複数のフック(111a)は第1容器(6)の位置を中心に周方向に互いに離隔されて配置され得る。複数のフック(111a)は、第1ニードル(150)を中心として周方向に互いに離隔されて配置され得る。フック(111a)は、支持部(115)から第1方向(D1)に延びたフック延長部(111a1)と、フック延長部(111a1)の第1方向(D1)の末端部で中心方向(前記第1ニードルを見る方向)に突出した係止突起(111a2)を含む。
【0056】
一実施例において、第2連結部(112)は、第2容器(7)が係止されるように構成される複数のフック(112a)を含む。第2容器(7)が薬品混合装置(100)と結合された状態で、複数のフック(112a)は第2容器(7)の位置を中心に周方向に互いに離隔されて配置され得る。複数のフック(112a)は、第2ニードル(160)を中心として周方向に互いに離隔されて配置され得る。フック(112a)は、支持部(115)から第2方向(D2)に延びたフック延長部(112a1)と、フック延長部(112a1)の第2方向(D2)の末端部で中心方向(前記第2ニードルを見る方向)に突出した係止突起(112a2)を含む。
【0057】
支持部(115)は、メイン流路(Pa)の少なくとも一部を形成し得る。支持部(115)に逆流防止部(130)が配置され得る。支持部(115)は第1パート(110A)の少なくとも一部を構成し得る。支持部(115)に第2パート(110B)が結合され得る。
【0058】
支持部(115)、第1連結部(111)及び第2連結部(112)は、射出などの方法で一体に成形されることもできるが、本実施例では支持部(115)に第1連結部(111)及び第2連結部(112)を付着させる。即ち、ボディー(110)は、支持部(115)に第1連結部(111)及び第2連結部(112)を固定させる方法によって形成され得る。
【0059】
分岐部(116)は、シリンジ(200)の内部に液体を排出可能に構成された分岐流路(Pb)の少なくとも一部を形成する。第1実施例では、シーラー(180)がシリンジニードル(250)により貫通した状態で、分岐流路(Pb)を通じて液体が流れることができる。
【0060】
分岐部(116)は、支持部(115)から第3方向(D3)の反対方向に突出し得る。分岐流路(Pb)の末端は、分岐部(116)の第3方向(D3)の反対方向の側面に配置される。分岐部(116)にはスクリュが形成され得る。第1実施例において、分岐部(116)の外周面に形成されたスクリュとサポーター(190)が互いに締結される。
【0061】
分岐部(116)は、分岐流路(Pb)と連通する内部空間(200s)を形成するシリンジ(200)が連結可能に構成される。本実施例において、分岐部(116)はシーラー(180)を媒介としてシリンジ(200)と連結される。
【0062】
薬品混合装置(100)は、流路(P)上に配置される逆流防止部(One Way Valve)(130)を含む。逆流防止部(130)は、連結地点(Q3)を基準として一端(Q1)側に延びる第1流路(Pa1)上に配置される。逆流防止部(130)は、連結地点(Q3)から一端(Q1)側への液体の流れを実質的に防止するように構成される。
【0063】
逆流防止部(130)は、チェックバルブ(one-way valve)の機能を行う。逆流防止部(130)は、一端(Q1)から連結地点(Q3)に移動する液体の流れ(流入の流れ)を許容するものの、連結地点(Q3)から一端(Q1)に移動する液体の流れ(流出の流れ)を防ぐことができる。チェックバルブの機能を遂行できる多様な方式の逆流防止部が構成され得る。
【0064】
本実施例において、逆流防止部(130)は前記流入の流れの方向に突出した突出部(131)を含む。突出部(131)は、フレキシブルな材質から形成される。
【0065】
突出部(131)の突出末端にホール(図示せず)が形成される。突出部(131)の前記ホールは、液体が通過するために形成される。突出部(131)の前記ホールは、第1流路(Pa1)内の液体の流れの方向によって開閉の有無が変わる。第1流路(Pa1)内の液体が前記流入の流れの方向(F1)に流れるとき、突出部(131)の前記ホールが開かれる(
図4c参照)。第1流路(Pa1)内の液体の流れがないか、液体が前記流出の流れの方向に流れようとするとき、突出部(131)の前記ホールが閉じられる(
図4d参照)。
【0066】
逆流防止部(130)は、ボディー(110)に安着する安着部(133)を含む。安着部(133)は第2パート(110B)に安着し得る。安着部(133)は、突出部(131)を支持する。安着部(133)の中心にはホールが形成され、安着部(133)のホールを通じて液体が突出部(131)の前記ホールに移動することができる。
【0067】
一例として、突出部(131)は、全体的に円錐形で形成され、頂点の部分が突出するように形成され得る。この場合、前記頂点の部分に突出部(131)の前記ホールが形成される。
【0068】
他の例として、突出部(131)は、突出方向に対して傾いて延びる第1斜面と、突出方向に対して前記第1斜面と反対方向に傾いて延びる第2斜面と、前記第1斜面及び第2斜面の両側方を覆う両側面を含み得る。この場合、前記第1斜面と前記第2斜面は、突出部(131)の突出末端で角を形成するように合わさり、前記角に沿って突出部(131)の前記ホールが長く延びながら形成される。第1流路(Pa1)内の液体が前記流入の流れの方向に流れるとき、前記第1斜面の突出末端と前記第2斜面の突出末端が互いに反対方向に曲がり、突出部(131)の前記ホールが開かれる。
【0069】
薬品混合装置(100)は、第1容器(6)の内部に挿入可能に突出する第1ニードル(150)を含む。第1ニードル(150)は、注射針の形態で形成され得る。第1ニードル(150)は、第1方向(D1)に突出する。第1容器(6)の入口にはゴム材質などの膜(6a)が形成され得、使用者が薬品混合装置(100)に第1容器(6)を結合させるとき、第1ニードル(150)が膜(6a)を貫き得る。
【0070】
第1ニードル(150)は、ボディー(110)に固定される。第1ニードル(150)は、第2パート(110B)に固定され得る。第1ニードル(150)は、ボディー(110)に挿入されて固定され得る。第1ニードル(150)は、メイン流路(Pa)の少なくとも一部を形成する。第1ニードル(150)は、ボディー(110)の内部に位置するメイン流路(Pa)の一部を形成し得る。第1ニードル(150)は、ボディー(110)から第1方向(D1)に延びるメイン流路(Pa)の一部を形成し得る。第1ニードル(150)は、メイン流路(Pa)の一端(Q1)側を形成する。
【0071】
第1ニードル(150)は、第1方向(D1)に先端(151)を形成し、先端(151)の反対側に支持端(152)を形成する。支持端(152)は、ボディー(110)の内部に挿入され得る。先端(151)には先端ホール(150h1)が形成され、支持端(152)には支持端ホール(図示せず)が形成される。第1ニードル(150)は、先端ホール(150h1)と前記支持端ホールを繋ぐメイン流路(Pa)の一部を形成する。
【0072】
薬品混合装置(100)は、第2容器(7)の内部に挿入可能に突出する第2ニードル(160)を含む。第2ニードル(160)は、注射針の形態で形成され得る。第2ニードル(160)は、第2方向(D2)に突出する。第2容器(7)の入口にはゴム材質などの膜(7a)が形成され得、使用者が薬品混合装置(100)に第2容器(7)を結合させるとき、第2ニードル(160)が膜(7a)を貫き得る。
【0073】
第2ニードル(160)は、ボディー(110)に固定される。第2ニードル(160)は、第1パート(110A)に固定され得る。第2ニードル(160)は、ボディー(110)に挿入されて固定され得る。第2ニードル(160)は、メイン流路(Pa)の少なくとも一部を形成する。第2ニードル(160)は、ボディー(110)の内部に位置するメイン流路(Pa)の一部を形成し得る。第2ニードル(160)は、ボディー(110)から第2方向(D2)に延びるメイン流路(Pa)の一部を形成し得る。第2ニードル(160)は、メイン流路(Pa)の他端(Q2)側を形成する。
【0074】
第2ニードル(160)は、第2方向(D2)に先端(161)を形成し、先端(161)の反対側に支持端(162)を形成する。支持端(162)は、ボディー(110)の内部に挿入され得る。先端(161)には先端ホール(160h1)が形成され、支持端(162)には支持端ホール(図示せず)が形成される。第2ニードル(160)は、先端ホール(160h1)と前記支持端ホールを繋ぐメイン流路(Pa)の一部を形成する。
【0075】
本実施例において、第2方向(D2)の反対方向に連結地点(Q3)を越える位置に支持端(162)が位置するように、第2ニードル(160)がボディー(110)に挿入される。第2ニードル(160)は、連結地点(Q3)で分岐流路(Pb)の延長方向にオープン(open)された流路連結ホール(160h4)を形成し得る。流路連結ホール(160h4)を通じてメイン流路(Pa)と分岐流路(Pb)が連通し得る。
【0076】
図示されていない他の実施例において、連結地点(Q3)より第2方向(D2)に離隔された位置に支持端(162)が位置するように第2ニードル(160)がボディー(110)に固定され得る。この場合、前記流路連結ホールが形成されないことがある。
【0077】
第1ニードル(150)及び第2ニードル(160)のうち少なくとも1つのニードルは、対応する先端(151,161)から離隔された位置の側面に残量流入ホール(150h3,160h3)を形成し得る。薬品混合装置(100)は、液体が前記少なくとも1つのニードル(150,160)が挿入される容器(6,7)の内部から残量流入ホール(150h3,160h3)を通じてメイン流路(Pa)内に流入可能に構成される。本実施例において、第1ニードル(150)及び第2ニードル(160)にそれぞれ残量流入ホール(150h3,160h3)が形成される。これを通じて、容器(6,7)内部の液体をメイン流路(Pa)内に流入させるとき、容器(6,7)内の液体の残量を減らすことができる。
【0078】
薬品混合装置(100)は、分岐流路(Pb)上に配置されるシーラー(180)を含み得る。本実施例において、シーラー(180)は分岐流路(Pb)の末端部に配置される。シーラー(180)は、シリンジニードル(250)が貫くように構成される。シーラー(180)は、シリコン材質から形成され得る。使用者はシーラー(180)からシリンジニードル(250)を取り出すことによって、シリンジ(200)を薬品混合装置(100)から分離させることができる。
【0079】
薬品混合装置(100)は、シリンジ(200)を支持するように構成されるサポーター(190)を含み得る。サポーター(190)は、ボディーに結合される。サポーター(190)は、分岐部(116)に結合され得る。サポーター(190)は、ボディー(110)に結合されるボディー結合部(195)を含む。ボディー結合部(195)は、分岐部(116)のスクリュと締結され得る。ボディー結合部(195)の中央にシリンジニードル(250)が通過する連結ホール(190h)が形成される。連結ホール(190h)は、第3方向(D3)にサポーター(190)を貫き得る。連結ホール(190h)は、第3方向にシーラー(180)と向かい合う。
【0080】
サポーター(190)は、シリンジ(200)の外側面に接触する表面を形成する支持面(191)を含む。例えば、支持面(191)は、シリンジの外周面に対応する内周面を形成し得る。第3方向(D3)に垂直な断面上で支持面(191)が弧を形成し得る。支持面(191)は、第3方向(D3)に延びる。
【0081】
サポーター(190)は、支持面(191)から支持面(191)の延長方向に突出したガイド突起(192)を含む。ガイド突起(192)は、シリンジ(200)と薬品混合装置(100)の結合及び/又は分離動作を案内することができる。
【0082】
サポーター(190)は、シリンジの第3方向(D3)の側面に接触して係止されるように構成されたシリンジ係止部(193)を含む。シリンジ係止部(193)は、支持面(191)から突出し得る。第3方向(D3)に垂直な断面上で、シリンジ係止部(193)は支持面(191)に沿って延び得る。シリンジ係止部(193)によりシリンジニードル(250)が分岐流路(Pb)内に挿入される深さが制限され得る。
【0083】
シリンジ(syringe)(200)は、分岐流路(Pb)と連通する内部空間(200s)を形成する。シリンジ(200)は、分岐流路(Pb)から内部空間(200s)に液体を吸入可能に構成される。シリンジ(200)は、内部空間(200s)から分岐流路(Pb)に液体を排出可能に構成される。内部空間(200s)は、液体を収容できる空間である。シリンジハウジング(210)に対するプランジャー(230)の相対運動によって内部空間(200s)のボリューム(volume)が変更され、これにより、液体が内部空間(200s)に吸い込まれたり、内部空間(200s)から排出されたりする。
【0084】
シリンジ(200)は、分岐流路(Pb)と内部空間(200s)を繋ぐシリンジ流路(200p)を含む。シリンジニードル(250)は、シリンジ流路(200p)の少なくとも一部を形成し得る。シリンジハウジング(210)のシリンジホール(210a)は、シリンジ流路(200p)の一部を形成し得る。シリンジ(200)と薬品混合装置(100)が結合された状態で、シリンジ流路(200p)の一部は分岐流路(Pb)内に配置され得る。
【0085】
シリンジ(200)は、外観を形成するシリンジハウジング(210)を含む。シリンジハウジング(210)内に内部空間(200s)が配置される。シリンジハウジング(210)に内部空間(200s)と連通するシリンジホール(210a)が形成される。シリンジハウジング(210)は、シリンジニードル(250)と結合される結合部(211)を含む。シリンジホール(210a)は、結合部(211)の中央に配置され得る。シリンジハウジング(210)は、円筒状に延びるシリンジボディー部(213)を含む。シリンジハウジング(210)は、使用者の手が係止されるようにシリンジボディー部(213)から第3方向(D3)に垂直な外部方向に突出した係止部(215)を含み得る。
【0086】
シリンジ(200)は、シリンジハウジング(210)の内部で移動可能に構成されるプランジャー(plunger)(230)を含む。プランジャー(230)の加圧面(231)及びシリンジハウジング(210)の内側面によって内部空間(200s)が区切られる。プランジャー(230)は、加圧面(231)が内部空間(200s)を見る排出運動方向(Dp1)及び排出運動方向(Dp1)の反対方向である流入運動方向(Dp2)に移動可能に構成される。
【0087】
プランジャー(230)は、シリンジハウジングの内側面に接触するガスケット(232)を含む。プランジャー(230)は、ガスケット(232)が固定されたプランジャーボディー部(235)を含む。プランジャーボディー部(235)は、シリンジハウジング(210)の一側の開口部の外部まで延びる。プランジャーボディー部(235)の流入運動方向(Dp2)の末端部に使用者の手が接触して係止されるように構成された操作部(237)が形成される。
【0088】
シリンジ(200)は、シーラー(180)を貫くように構成されたシリンジニードル(250)を含む。シリンジニードル(250)は、分岐流路(Pb)と内部空間(200s)との間の液体の流れを案内する流路(200p)を形成する。シリンジニードル(250)は、第3方向(D3)に突出して先端を形成し得る。シリンジニードル(250)は、患者の皮膚に挿入可能に構成されたニードルスパイク部(251)と、ニードルスパイク部(251)を支持するニードル支持部(253)を含む。ニードル支持部(253)は、シリンジハウジング(210)に固定される。
【0089】
一方、薬品混合装置(100)を製造する方法(製造方法)は、ボディー(110)の第1連結部(111)及び第2連結部(112)を製作する段階を含み得る。第1連結部(111)及び第2連結部(112)は、製品の仕様に合う設計内容のとおり製作され得る。第1連結部(111)及び第2連結部(112)は射出成形され得る。
【0090】
前記製造方法は、第1連結部(111)及び第2連結部(112)を支持部(115)に固定させる段階(固定段階)を含み得る。レーザー接合または超音波接合などの方法で第1連結部(111)及び第2連結部(112)を支持部(115)に固定させ得る。前記固定段階があることによって、薬品混合装置(100)に結合しようとする第1容器(6)及び第2容器(7)の形態や大きさに適した第1連結部(111)及び第2連結部(112)を別途に生産し、支持部(115)を含むボディー(110)の残りの部分は共通して生産することによって、多様な種類の薬品混合装置(100)を効率よく生産することができる。
【0091】
図4a~
図4fは、
図1の薬品混合キット(1)の一使用例を順に示す図面であって、
図1のラインS1-S1'に沿って薬品混合装置(100)、シリンジ(200)、第1容器(6)及び/又は第2容器(7)を切った縦断面図である。
図4a~
図4fを参照して、一使用例を順に説明すると、次の通りである。
【0092】
図4aを参照して、使用者は薬品混合キット(1)を用意する。一例として、使用者は互いに結合された薬品混合装置(100)及びシリンジ(200)を含む薬品混合キット(1)を購入し、薬品混合装置(100)及びシリンジ(200)を結合させる別途の作業なしに薬品混合キット(1)を用意することができる。他の例として、使用者は薬品混合装置(100)及びシリンジ(200)をそれぞれ購入し、薬品混合装置(100)にシリンジ(200)を結合させることによって、薬品混合キット(1)を用意することができる。後者の場合、使用者は薬品混合装置(100)にまず第1容器(6)及び第2容器(7)を結合させた後、薬品混合装置(100)にシリンジ(200)を結合させることもできる。
【0093】
図4bを参照して、使用者は、医療上必要な内容物がそれぞれ入れられた第1容器(6)及び第2容器(7)をそれぞれ薬品混合装置(100)に結合させる。使用者は、液体形態の第1内容物(C1)が入れられた第1容器(6)と、液体または粉末形態の第2内容物(C2)が入れられた第2容器(7)を薬品混合キット(1)に結合させる。ここで、メイン流路(Pa)の両端は、それぞれ第1容器(6)の内部及び第2容器(7)の内部と連通する。
【0094】
図4cを参照して、使用者は、第1容器(6)が上側方向(U)に配置され、第2容器(7)が下側方向(D)に配置されるように、薬品混合キット(1)をつかむ。この状態で使用者がシリンジハウジング(210)に対してプランジャー(230)を流入運動方向(M1)に移動させることによって、内部空間(200s)のボリュームが大きくなるようにすると、第1容器(6)内の第1内容物(C1)が第1流路(Pa1)及び分岐流路(Pb)を経て内部空間(200s)内に流入する(矢印F1参照)。ここで、残量流入ホール(150h3)を通じて第1容器(6)内部の第1内容物(C1)がメイン流路(Pa)内に流入することができる(矢印F1a参照)。ここで、第1容器(6)の内部の圧力が低くなり得るが、使用者が流入運動方向(M1)に引っ張ったプランジャー(230)を離しても、逆流防止部(130)によって第1内容物(C1)は第1容器(6)内部に戻らない。
【0095】
図4dを参照して、使用者がシリンジハウジング(210)に対してプランジャー(230)を排出運動方向(M2)に移動させることによって、内部空間(200s)のボリュームが小さくなるようにすると、内部空間(200s)内の第1内容物(C1)が分岐流路(Pb)及び第2流路(Pa2)を経て第2容器(7)内に流入する(矢印F2参照)。
図4cの過程で第2容器(7)の内部の圧力が下がるので、使用者がプランジャー(230)を引っ張る力を除去した状態または小さい力で加圧する状態でも、第1内容物(C1)を第2容器(7)内に流入させることができる。ここで、使用者は、排出運動方向(M2)にプランジャー(230)を移動しても、逆流防止部(130)によって第1内容物(C1)は第1容器(6)内部に流入しない。第1内容物(C1)が第2容器(7)内に流入すれば、使用者は薬品混合キット(1)を軽く揺さぶって混ぜることによって、第2容器(7)内に第1内容物(C1)及び第2内容物(C2)の混合物(C3)を作る。
【0096】
図4eを参照して、使用者は、第2容器(7)が上側方向(U)に配置され、第1容器(6)が下側方向(D)に配置されるように、薬品混合キット(1)をつかむ。この状態で使用者がシリンジハウジング(210)に対してプランジャー(230)を流入運動方向(M3)に移動させることによって、内部空間(200s)のボリュームが大きくなるようにすると、第2容器(7)内の混合物(C3)が第2流路(Pa2)及び分岐流路(Pb)を経て内部空間(200s)内に流入する(矢印F3参照)。ここで、残量流入ホール(160h3)を通じて第2容器(7)内部の混合物(C3)がメイン流路(Pa)内に流入することができる(矢印F3a参照)。
【0097】
図4fを参照して、使用者は、薬品混合装置(100)からシリンジ(200)を分離させた後、シリンジニードル(250)を患者の皮膚に刺して患者に薬品である混合物(C3)を注入することができる。
【0098】
図5は、本開示の第2実施例による薬品混合キット(1')に第1容器(6)及び第2容器(7)が結合された状態を示す斜視図である。
図6は、
図5の薬品混合キット(1')、第1容器(6)及び第2容器(7)の分解斜視図である。
図7は、
図5の薬品混合キット(1')、第1容器(6)及び第2容器(7)をラインS1-S1'に沿って切った一部縦断面図である。
【0099】
以下、
図5~
図7を参照して、上述の第1実施例との差異点を中心に、第2実施例による薬品混合キット(1')、薬品混合装置(100')及びシリンジ(200')を説明すると、次の通りである。
【0100】
薬品混合キット(1')は、前記シーラー及び前記サポーターのない薬品混合装置(100')を含み得る。薬品混合キット(1')は、前記シリンジニードルのないシリンジ(200')を含み得る。
【0101】
薬品混合装置(100')とシリンジ(200')は互いに結合される。薬品混合装置(100')の分岐部(116)とシリンジ(200')の結合部(211)が互いに結合される。第2実施例において、分岐部(116)と結合部(211)はスクリュ締結され得る。使用者は、混合物(C3)をシリンジ(200')の内部空間(200s)に満たし、シリンジ(200')を薬品混合装置(100')から分離した後、患者に薬品注入を行うためのカテーテル(catheter)や注射針などの別途の装置とシリンジ(200')を結合させ得る。
【0102】
以上、一部の実施例と添付の図面に示された例によって本開示の技術的思想が説明されたが、本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が理解できる本開示の技術的思想及び範囲を逸脱しない範囲で多様な置換、変形及び変更がなされるという点を理解すべきである。また、そのような置換、変形及び変更は、添付の特許請求の範囲内に属すると考えられるべきである。