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特許7389166基板搬送装置及びこれを備える基板処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】基板搬送装置及びこれを備える基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20231121BHJP
   B25J 15/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J15/00 F
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022063434
(22)【出願日】2022-04-06
(65)【公開番号】P2022162541
(43)【公開日】2022-10-24
【審査請求日】2022-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0047251
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ-ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン ビョンギュ
(72)【発明者】
【氏名】コ ヒョンシク
(72)【発明者】
【氏名】ペ ヒョンファン
(72)【発明者】
【氏名】ヒョン チュンジン
【審査官】井上 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-246658(JP,A)
【文献】特開2008-235841(JP,A)
【文献】特開2015-167250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に延び、基板が支持されるエンドエフェクターと、
前記エンドエフェクターの前記第1の方向の一方の側が連結されるエンドエフェクターハンドと、
前記エンドエフェクターハンドに連結され、前記エンドエフェクターを前記第1の方向に移動させる水平移動部と、
前記エンドエフェクターの移動経路の両側にそれぞれ配置される発光部及び受光部を有し、前記エンドエフェクターの垂れ下がりを感知する垂れ下がり感知部と、
を備え
前記垂れ下がり感知部は、前記発光部と前記受光部のうちの少なくともどちらか一方の位置を調整する位置調整部をさらに備える基板搬送装置。
【請求項2】
前記エンドエフェクターは、複数から構成されて多段に配置され、
前記発光部は、複数の前記エンドエフェクターに対応する複数の光源を備える請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記エンドエフェクターハンドと連結され、前記複数の前記エンドエフェクター同士の間隔を調節する間隔調節部をさらに備える請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記垂れ下がり感知部は、
前記受光部に受光される光量を測定する光量測定部と、
測定された光量をもって前記複数の前記エンドエフェクター同士の間隔異常を判断する異常判断部をさらに備える請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記水平移動部は、前記第1の方向に延びて前記エンドエフェクターハンドの走行による前記エンドエフェクターの移動経路を与える支持プレートを備え、
前記発光部と前記受光部は、前記支持プレートの前記第1の方向と交わる第2の方向両側にそれぞれ支持される請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項6】
前記支持プレートと連結されて、回転軸を中心として前記支持プレートを回転させる回転駆動部をさらに備える請求項5に記載の基板搬送装置。
【請求項7】
前記支持プレートの前記第1の方向の一方の側に配設される昇降軸を備え、前記昇降軸に沿って前記回転駆動部を昇降させる昇降部をさらに備え、
前記回転軸は、前記昇降軸から前記第1の方向の他方の側へ離間される請求項6に記載の基板搬送装置。
【請求項8】
前記発光部と前記受光部は、前記支持プレートの中央部ないし前記第1の方向の一方の側と対向する他方の側に配置される請求項5に記載の基板搬送装置。
【請求項9】
前記垂れ下がり感知部は、前記発光部の照射角度を調整する照射角調整部をさらに備える請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項10】
前記発光部は、水平状態の前記エンドエフェクターの下部面からの最短距離が前記エンドエフェクターの厚さの20%以上である直進光を照射する請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項11】
請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の基板搬送装置と、
前記エンドエフェクターに支持された前記基板が受け渡されて多段に積載される基板ボートと、
前記基板ボートが収容される内部空間を有する工程チューブと、
を備える基板処理装置。
【請求項12】
前記基板搬送装置は、複数枚の前記基板が収容された基板収納部材と前記基板ボートとの間において前記基板収納部材と前記基板ボートとの間に前記基板を運ぶ請求項11に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板搬送装置及びこれを備える基板処理装置に係り、さらに詳しくは、エンドエフェクター(end-effector)の垂れ下がりを感知する基板搬送装置及びこれを備える基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程において単位工程を進めるためには、それぞれの工程特性に合う複数台の装置を備え、これらのそれぞれ異なる装置は、ウェーハ(wafer)など基板の搬送のための基板搬送装置を備える。
【0003】
一般に、半導体設備の基板搬送装置は、ロードロック室(load-lock chamber)において基板収納部材(例えば、FOUP(前面開放一体式ポッド)、キャリア―など)または基板収納部材からロードロック室へ基板を搬送する役割を果たす。
【0004】
バッチ式(batch type)基板処理装置においては、ロードロック室から基板ボート(substrate boat)へ複数枚の基板を多段に積載した後、複数枚の基板に対して基板処理工程を行うことになる。このとき、基板の搬送時間(例えば、積載時間を短縮するために基板搬送装置は二以上のエンドエフェクター(end-effector)を有し、基板収納部材から2枚以上の基板を取り出して一括して基板ボートに積載することができる。
【0005】
このような基板搬送装置は、使用中にエンドエフェクターのそれぞれの垂れ下がりが生じる虞があり、エンドエフェクターの垂れ下がりにつれて複数のエンドエフェクターの間隔が変わる場合には、基板が基板ボート又は基板収納部材に進入しながら傷つき(scratch)などのダメージが生じたり、基板ボートを押し倒したりするなどの大型事故が生じることが懸念される。
【0006】
したがって、このような問題を解決するために、エンドエフェクターの垂れ下がりを感知して複数のエンドエフェクター同士の間隔異常を判断する技術が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】大韓民国公開特許第10-2020-0130058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、エンドエフェクター(end-effector)の垂れ下がりを感知して基板の搬送不良を防ぐ基板搬送装置及びこれを備える基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る基板搬送装置は、第1の方向に延び、基板が支持されるエンドエフェクターと、前記エンドエフェクターの前記第1の方向の一方の側が連結されるエンドエフェクターハンドと、前記エンドエフェクターハンドに連結され、前記エンドエフェクターを前記第1の方向に移動させる水平移動部と、前記エンドエフェクターの移動経路の両側にそれぞれ配置される発光部及び受光部を有し、前記エンドエフェクターの垂れ下がりを感知する垂れ下がり感知部と、を備えていてもよい。
【0010】
前記エンドエフェクターは、複数から構成されて多段に配置され、前記発光部は、複数の前記エンドエフェクターに対応する複数の光源を備えていてもよい。
【0011】
前記基板搬送装置は、前記エンドエフェクターハンドと連結され、前記複数の前記エンドエフェクター同士の間隔を調節する間隔調節部をさらに備えていてもよい。
【0012】
前記垂れ下がり感知部は、前記受光部に受光される光量を測定する光量測定部と、測定された光量をもって前記複数の前記エンドエフェクター同士の間隔異常を判断する異常判断部をさらに備えていてもよい。
【0013】
前記水平移動部は、前記第1の方向に延びて前記エンドエフェクターハンドの走行による前記エンドエフェクターの移動経路を与える支持プレートを備え、前記発光部と前記受光部は、前記支持プレートの前記第1の方向と交わる第2の方向両側にそれぞれ支持されてもよい。
【0014】
前記基板搬送装置は、前記支持プレートと連結されて、回転軸を中心として前記支持プレートを回転させる回転駆動部をさらに備えていてもよい。
【0015】
前記基板搬送装置は、前記支持プレートの前記第1の方向の一方の側に配設される昇降軸を備え、前記昇降軸に沿って前記回転駆動部を昇降させる昇降部をさらに備え、前記回転軸は、前記昇降軸から前記第1の方向の他方の側へ離間されてもよい。
【0016】
前記発光部と前記受光部は、前記支持プレートの中央部ないし前記第1の方向の一方の側と対向する他方の側に配置されてもよい。
【0017】
前記垂れ下がり感知部は、前記発光部と前記受光部のうちの少なくともどちらか一方の位置を調整する位置調整部をさらに備えていてもよい。
【0018】
前記垂れ下がり感知部は、前記発光部の照射角度を調整する照射角調整部をさらに備えていてもよい。
【0019】
前記発光部は、水平状態の前記エンドエフェクターの下部面からの最短距離が前記エンドエフェクター厚さの20%以上である直進光を照射してもよい。
【0020】
本発明の他の実施形態に係る基板処理装置は、本発明の一実施形態に係る基板搬送装置と、前記エンドエフェクターに支持された前記基板が受け渡されて多段に積載される基板ボートと、前記基板ボートが収容される内部空間を有する工程チューブと、を備えていてもよい。
【0021】
前記基板搬送装置は、複数枚の前記基板が収容された基板収納部材と前記基板ボートとの間において前記基板収納部材と前記基板ボートとの間に前記基板を運んでもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施形態に係る基板搬送装置は、垂れ下がり感知部を用いてエンドエフェクター(end-effector)の垂れ下がりを感知することにより、基板の搬送を行う前にエンドエフェクターの異常を把握することができ、エンドエフェクターの搬送不良による基板のダメージ及び/又は基板ボートの転倒をあらかじめ防ぐことができる。このとき、垂れ下がり感知部は、エンドエフェクターの移動経路の両側にそれぞれ配置される発光部と受光部を備えて、エンドエフェクターの移動に干渉されないながらも、エンドエフェクターの垂れ下がりを有効に感知することができる。
【0023】
また、複数のエンドエフェクターが多段に構成される場合には、エンドエフェクターの垂れ下がりを感知して複数のエンドエフェクター同士の間隔異常を判断することができる。これにより、複数のエンドエフェクター同士の間隔不良による基板のダメージ及び/又は基板ボートの転倒を防ぐことができ、しかも、基板積載間隔が定められた基板ボートに2枚以上の基板を一括して安定的に積載することができる。ここで、発光部が複数のエンドエフェクターに対応して複数の光源を備えることにより、複数のエンドエフェクターのそれぞれに対して有効に垂れ下がりを感知することができる。
【0024】
さらに、間隔調節部を用いて複数のエンドエフェクター同士の間隔を調節することにより、基板積載間隔が異なる様々な基板ボートに対応することができる。なお、垂れ下がり感知部が受光部に受光される光量を測定して複数のエンドエフェクター同士の間隔異常を判断することにより、基板ボートの基板積載間隔及び/又は基板収納部材の基板収納間隔に応じて基板の搬送可否を正確に判断することができる。
【0025】
このとき、発光部が受光部に向かって照射する直進光を水平状態のエンドエフェクターの下部面からせめてエンドエフェクターの厚さの20%以上離間させることにより、基板の荷重によるエンドエフェクターの微々たる垂れ下がりをエンドエフェクターの異常と把握してしまうということを防ぐことができる。
【0026】
一方、水平移動部の支持プレートの両側に発光部と受光部がそれぞれ連結されることにより、エンドエフェクターの移動に影響を及ぼしてしまうということを防ぐことができ、支持プレート、回転駆動部及び昇降部の結合構造に応じて、支持プレート及び/又はエンドエフェクターの動きに発光部と受光部が干渉されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係る基板搬送装置を示す図。
図2】本発明の一実施形態に係るエンドエフェクターの垂れ下がり感知を説明するための概念図。
図3】本発明の一実施形態に係る間隔調節部を説明するための概略断面図。
図4】本発明の一実施形態に係る光量測定部を示す概略断面図。
図5】本発明の一実施形態に係る回転駆動部を説明するための概略斜視図。
図6】本発明の一実施形態に係る発光部から照射された直進光の離間を説明するための概念図。
図7】本発明の他の実施形態に係る基板処理装置を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。本発明を説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態を正確に説明するために大きさが部分的に誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板搬送装置を示す図である。
【0030】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る基板搬送装置100は、第1の方向に延び、基板10が支持されるエンドエフェクター110と、前記エンドエフェクター110の前記第1の方向の一方の側が連結されるエンドエフェクターハンド120と、前記エンドエフェクターハンド120に連結され、前記エンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させる水平移動部130と、前記エンドエフェクター110の移動経路の両側にそれぞれ配置される発光部141と受光部142を備え、前記エンドエフェクター110の垂れ下がりを感知する垂れ下がり感知部140を備えていてもよい。
【0031】
エンドエフェクター(end-effector)110は、第1の方向に延びてもよく、基板10が支持されてもよい。例えば、エンドエフェクター110は、フォーク(fork)状を呈してもよく、基板10の下面に接して基板10を支持してもよい。また、エンドエフェクター110は、石英(quartz)、酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、二酸化チタン(TiO)、二酸化ケイ素(SiO)などのセラミック(ceramic)素材から形成されてもよい。ここで、基板10は、ウェーハ(wafer)であってもよく、これに特に限定されず、ガラス基板などであってもよい。
【0032】
エンドエフェクターハンド120は、エンドエフェクター110の前記第1の方向の一方の側が連結されてもよく、エンドエフェクター110を水平状態に固定又は保持してもよい。例えば、エンドエフェクターハンド120は、エンドエフェクター110とは異なる素材から形成されてもよく、アルミニウム(Aluminum;Al)などの金属(metal)から形成されてもよいが、これに特に限定されない。エンドエフェクター110とエンドエフェクターハンド120が互いに異なる素材から形成されているため、エンドエフェクター110のひび割れ(crack)やエンドエフェクター110とエンドエフェクターハンド120を結合するボルト(bolt)などの緩みが生じてエンドエフェクター110の垂れ下がり異常(もしくは、異常垂れ下がり)が生じる虞がある。
【0033】
水平移動部130は、エンドエフェクターハンド120に連結されてもよく、エンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させてもよい。例えば、水平移動部130は、エンドエフェクターハンド120の長さを調節してエンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させてもよく、エンドエフェクターハンド120とともにエンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させてもよい。
【0034】
垂れ下がり感知部140は、エンドエフェクター110の垂れ下がりを感知することができ、搬送不良などのエンドエフェクター110の異常を確認(もしくは、把握)することができる。エンドエフェクター110が垂れ下がりにより傾いてしまうと、基板10が滑ったり、基板10を基板ボート210などに積載する際にも基板ボート210の内面に突き出ている爪(例えば、仕切りプレート、基板支持チップなど)に基板10がぶつかってしまって傷つき(scratch)が生じたりするなど基板10が損傷される虞がある。また、最悪の場合には、エンドエフェクター110が基板ボート210を押し倒すため、大型事故が起こることも懸念される。しかしながら、本発明においては、垂れ下がり感知部140を用いて基板10の搬送を行う前にエンドエフェクター110の垂れ下がりを感知することができ、これにより、エンドエフェクター110の異常を把握して基板10のダメージ及び/又は基板ボート210の転倒を予め防ぐことができる。
【0035】
ここで、垂れ下がり感知部140は、エンドエフェクター110の(前記第1の方向)移動経路の両側にそれぞれ配置される発光部141と受光部142を備えていてもよい。発光部141と受光部142は、前記第1の方向に移動されるエンドエフェクター110の移動経路の両側にそれぞれ配置されてもよく、前記第1の方向と交わる第2の方向に向かい合うように配置されてもよい。
【0036】
例えば、発光部141が受光部142に向かって直進光20を照射すれば、受光部142への直進光20の受光状態(もしくは、受光有無)に応じてエンドエフェクター110の垂れ下がり異常を判断することができる。一般に、発光部141と受光部142は、同じ高さに位置して水平な直進光20を送受することができる。ここで、直進光20は、レーザービーム(laser beam)、赤外線(Infrared Ray;IR)などのスルービーム(thru-beam)であってもよい。
【0037】
すなわち、垂れ下がり感知部140は、発光部141と受光部142を用いて光感知(optical sensing)方式によりエンドエフェクター110の垂れ下がりを感知することができる。正常状態では、直進光20が受光部142に受光されていて、垂れ下がりが生じたエンドエフェクター110により直進光20が遮られて受光部142に受光されていないエンドエフェクター110への常時未感知方式を用いてエンドエフェクター110の垂れ下がりを感知することもできる。また、正常状態では直進光20により感知されているエンドエフェクター110により直進光20が遮られて受光部142に受光されず、エンドエフェクター110に垂れ下がりが生じて受光部142に直進光20が受光されるエンドエフェクター110に対する常時感知方式を用いてエンドエフェクター110の垂れ下がりを感知することもできる。
【0038】
したがって、本発明においては、発光部141と受光部142がエンドエフェクター110の移動経路の両側にそれぞれ配置されることにより、エンドエフェクター110の移動に干渉されないながらも、感光方式を用いてエンドエフェクター110の垂れ下がりを有効に感知することができる。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態に係るエンドエフェクターの垂れ下がり感知を説明するための概念図であり、図2の(a)は、常時未感知方式の正常状態を示し、図2の(b)は、常時未感知方式の垂れ下がり状態を示し、図2の(c)は、常時感知方式の正常状態を示し、図2の(d)は、常時感知方式の垂れ下がり状態を示す。
【0040】
図2を参照すると、エンドエフェクター110は、複数から構成されて多段に配置されてもよく、発光部141は、複数のエンドエフェクター110に対応する複数の光源141aを備えていてもよい。
【0041】
エンドエフェクター110は、複数から構成されてもよく、複数のエンドエフェクター110が上下方向に積み重ねられて多段に配置されてもよい。これにより、エンドエフェクター110の数に対応する2枚以上の基板10を一括して搬送することができる。
【0042】
このとき、発光部141は、直進光20を発光(もしくは、照射)する複数の光源141aを備えていてもよく、複数の光源141aは、複数のエンドエフェクター110に対応して配設されてもよく、各エンドエフェクター110ごとに一つずつエンドエフェクター110の数と同数であってもよい。例えば、複数の光源141aは、光ファイバー(optical fiber)、レーザー(laser)などであってもよい。ここで、受光部142は、複数の光源141aと対応する数(もしくは、同数)の受光面142aを有していてもよく、一つの受光面142aに複数の光源141aから照射される直進光20を受光してもよい。それぞれのエンドエフェクター110の垂れ下がりを有効に感知するためには、受光部142が複数の光源141aと対応する受光面142aを有することが好ましい場合もあるが、これに特に限定されない。
【0043】
例えば、垂れ下がり感知部140は、図2の(a)及び図2の(b)に示すように、複数の光源141aを用いて前記常時未感知方式を用いてエンドエフェクター110の垂れ下がりを感知することにより、複数のエンドエフェクター110同士の間隔(pitch)p異常を判断することもできる。なお、垂れ下がり感知部140は、図2の(c)及び図2の(d)に示すように、複数の光源141aを用いて前記常時感知方式でエンドエフェクター110の垂れ下がりを感知することにより、複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常を判断することもできる。
【0044】
したがって、複数のエンドエフェクター110が多段に構成される場合には、エンドエフェクター110の垂れ下がりを感知して複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常を判断することができる。これにより、複数のエンドエフェクター110同士の間隔不良による基板10のダメージ及び/又は基板ボート210の転倒を防ぐことができ、しかも、基板10の積載間隔が定められた基板ボート210に2枚以上の基板10を一括して安定的に積載することができる。ここで、発光部141が複数のエンドエフェクター110に対応して複数の光源141aを備えることにより、それぞれのエンドエフェクター110の垂れ下がりを有効に感知することができる。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態に係る間隔調節部を説明するための概略断面図であり、図3の(a)は、エンドエフェクター同士の狭い間隔を示し、図3の(b)は、エンドエフェクター同士の中間間隔を示し、図3の(c)は、エンドエフェクター同士の広い間隔を示す。
【0046】
図3を参照すると、本発明に係る基板搬送装置100は、エンドエフェクターハンド120と連結され、複数のエンドエフェクター110の間隔を調節する間隔調節部150をさらに備えていてもよい。
【0047】
間隔調節部150は、エンドエフェクターハンド120と連結されてもよく、複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節してもよい。基板処理装置200において行われる工程及び/又は基板ボート210の構成(もしくは、構造)に応じて、基板ボート210の基板10の積載間隔が異なってくる。このとき、間隔調節部150を用いて、異なる基板10の積載間隔を有する様々な基板ボート210に対応して2枚以上の基板10を一括して安定的に積載することができる。
【0048】
また、基板収納部材50の基板10の収納間隔と基板ボート210の基板10の積載間隔とが互いに異なっていてもよい。このような場合であっても、間隔調節部150を用いて基板収納部材50の基板10の収納間隔に合わせて複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節して、基板収納部材50から2枚以上の基板10を一括して取り出すことができる。それから、基板ボート210の基板10の積載間隔に合わせて複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節して、基板収納部材50から取り出した2枚以上の基板10を一括して基板ボート210に積載することができる。逆に、間隔調節部150を用いて基板ボート210の基板10の積載間隔に合わせて複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節して、処理済みの基板10を基板ボート210から2枚以上ずつ取り外すことができる。それから、基板収納部材50の基板10の収納間隔に合わせて複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節して、前記処理済みの基板10を基板収納部材50に収納することができる。
【0049】
したがって、間隔調節部150を用いて、複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節することにより、基板10の積載間隔が異なる様々な基板ボート210に対応することができ、基板収納部材50の基板10の収納間隔と基板ボート210の基板10の積載間隔とが異なる場合であっても対応することが可能になる。
【0050】
図4は、本発明の一実施形態に係る光量測定部を示す概略断面図である。
【0051】
図4を参照すると、垂れ下がり感知部140は、受光部142に受光される光量を測定する光量測定部143と、測定された光量をもって複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常を判断する異常判断部(図示せず)と、をさらに備えていてもよい。光量測定部143は、受光部142に受光される光量を測定することができ、受光部142に直進光20が受光されるか否かを判断するオン/オフ(on/off)だけではなく、エンドエフェクター110の垂れ下がりによりエンドエフェクター110が直進光20をどれくらい(もしくは、どれほど)遮っているかを確かめることもできる。なお、複数の光源141aから光が照射されるときに受光部142に受光される総光量をもっていくつのエンドエフェクター110に異常が生じたかも把握することができる。
【0052】
異常判断部(図示せず)は、光量測定部143において測定された光量をもって複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常を判断することができ、光量測定部143において測定された光量が普段(もしくは、正常状態)よりも所定量以上に差が出た場合に複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常と判断することができる。
【0053】
例えば、光量測定部143において測定された光量が普段よりも100%差が出たとき(すなわち、前記直進光がオン/オフになったとき)に複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常と判断することもできる。なお、光量測定部143において測定された光量が普段よりも50%差が出たときに複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常と判断することもできる。このとき、前記所定量は、複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常を正確に判断できる好適な量に定められてもよい。
【0054】
一般に、複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常が生じると、エンドエフェクター110が直進光20を完全に遮ることになり、状況に伴う僅かな誤差によりエンドエフェクター110が直進光20の位置よりも僅かに多く垂れ下がるか、あるいは、僅かに少なく垂れ下がることもある。エンドエフェクター110が直進光20よりも僅かに多く垂れ下がるか、あるいは、僅かに少なく垂れ下がる場合には、直進光20の全体の光量のうちの一部の光量が受光部142に受光されることがある。このような場合に、直進光20のオン/オフだけで複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常を判断してしまうと、状況に伴って僅かな誤差が生じる場合にこれを複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常と判断することができなくなる。
【0055】
逆に、光量測定部143において測定された光量が少しでも変わっても、複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常と判断してしまうと、複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常ではないケースまでも複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常と判断してしまう虞がある。すなわち、基板10の荷重によりエンドエフェクター110に僅かな垂れ下がりが生じたり、エンドエフェクター110の移動による僅かな揺動でも僅かな光量の変化が起こったりすることがあるため、複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常ではないケースまでも複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常と判断してしまう。これにより、光量測定部143において測定された光量が50%(すなわち、前記直進光の50%の光量)以上変わった場合に複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常と判断することが好ましいことがあるが、これに特に限定されない。
【0056】
また、エンドエフェクター110に垂れ下がりが少しでも生じても、基板ボート210の基板10の積載間隔及び/又は基板収納部材50の基板10の収納間隔に応じて基板10の搬送が可能になる場合がある。このとき、基板ボート210の基板10の積載間隔及び/又は基板収納部材50の基板10の収納間隔が広い場合には、エンドエフェクター110に垂れ下がりが僅かに生じても、基板10を積載したり収納したりする上でいかなる困難さがないため、基板10を積載したり収納したりすることができる。しかしながら、基板ボート210の基板10の積載間隔及び/又は基板収納部材50の基板10の収納間隔が狭い場合には、エンドエフェクター110に垂れ下がりが少しでも生じてても、傷つきなどの基板10のダメージが生じ易いため、エンドエフェクター110の僅かな垂れ下がりも複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常と判断する必要がある。
【0057】
このため、前記所定量は、基板ボート210の基板10の積載間隔及び/又は基板収納部材50の基板10の収納間隔に応じて定められてもよい。例えば、基板ボート210の基板10の積載間隔及び/又は基板収納部材50の基板10の収納間隔に比例して、基板ボート210の基板10の積載間隔及び/又は基板収納部材50の基板10の収納間隔が狭くなれば狭くなるほど小さくなり、基板ボート210の基板10の積載間隔及び/又は基板収納部材50の基板10の収納間隔が広ければ広くなるほど大きくなる。
【0058】
したがって、垂れ下がり感知部140が光量測定部143を用いて受光部142に受光される光量を測定して、複数のエンドエフェクター110同士の間隔異常を判断することにより、基板ボート210の基板10の積載間隔及び/又は基板収納部材50の基板10の収納間隔に応じて基板10の搬送可否を正確に判断することができる。
【0059】
一方、光量測定部143において測定された光量に応じて、エンドエフェクター110のメンテナンス(maintenance)を決めてもよい。エンドエフェクター110の垂れ下がりは、セラミックス素材から形成されたエンドエフェクター110のひび割れやエンドエフェクター110とエンドエフェクターハンド120を結合するボルトなどの緩みにより生じる可能性がある。ここで、エンドエフェクター110の垂れ下がりは、垂れ下がりの発生原因に応じて垂れ下がりの勾配(もしくは、角度)が異なってくる虞があり、これにより、垂れ下がりの勾配差による受光部142に受光される光量差から垂れ下がりの発生原因を推察することもできる。エンドエフェクター110にひび割れが生じた場合には、エンドエフェクター110を取り替えることを余儀なくされるが、ボルトのみが緩んだ場合にはボルトさえ締めれば良いので、基板10の搬送をしばらくの間止め、エンドエフェクター110のメンテナンスを行うことができる。また、ボルトの緩みにより垂れ下がりが生じる場合には、ボルトの緩み具合に応じて次第に垂れ下っていくため、垂れ下がりの勾配が所定の勾配(もしくは、所定の角度)以上に垂れ下がってから、エンドエフェクター110のメンテナンスを決めてもよい。このとき、前記垂れ下がりの勾配は、光量測定部143において測定された光量を用いた算出などにより得られる。
【0060】
そして、本発明の基板搬送装置100がエンドエフェクター110の垂れ下がりを補正する垂れ下がり補正部(図示せず)をさらに備えて、前記所定の勾配まではエンドエフェクター110の垂れ下がりが生じても垂れ下がり補正部(図示せず)を用いてエンドエフェクター110の垂れ下がりを補正しながら使用し続けることができる。なお、垂れ下がり補正部(図示せず)を用いてエンドエフェクター110の垂れ下がりを補正しながら使用していて、エンドエフェクター110の垂れ下がりが前記所定の勾配を超えてしまったときにエンドエフェクター110のメンテナンスを行ってもよい。
【0061】
水平移動部130は、前記第1の方向に延びてエンドエフェクターハンド120の走行によるエンドエフェクター110の移動経路を与える支持プレート131を備えていてもよい。支持プレート131は、前記第1の方向に延びてもよく、エンドエフェクターハンド120の走行経路を与えてもよく、エンドエフェクターハンド120が支持プレート131の上を走行してエンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させてもよい。すなわち、支持プレート131は、エンドエフェクターハンド120の走行によるエンドエフェクター110の移動経路を与えてもよく、発光部141と受光部142が連結されて支持されてもよく、前記エンドエフェクター110の移動経路の両側に発光部141と受光部142が配置(もしくは、配設)されてもよい。ここで、エンドエフェクターハンド120は、支持プレート131上の前記走行経路に沿って走行して、エンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させてもよい。このとき、エンドエフェクターハンド120が直接的に前記第1の方向に支持プレート131の上を走行してもよく、エンドエフェクターハンド120に連結された間隔調節部150の走行により支持プレート131の上において前記第1の方向に走行されてもよい。
【0062】
例えば、水平移動部130は、レール(rail)などによりエンドエフェクターハンド120及び/又は間隔調節部150を前記第1の方向に走行させてもよく、これに特に限定されず、支持プレート131が前記エンドエフェクターハンド120の走行経路を与えられればよい。
【0063】
そして、発光部141と受光部142は、支持プレート131の前記第1の方向と交わる第2の方向の両側にそれぞれ連結されてもよく、支持プレート131に連結されて支持されてもよい。発光部141と受光部142が支持プレート131の前記第1の方向と交わる第2の方向の両側にそれぞれ連結されて支持されることにより、前記エンドエフェクター110の移動経路(もしくは、前記エンドエフェクターハンドの走行経路)が確保されることが可能になり、発光部141と受光部142に干渉されずにエンドエフェクター110が前記第1の方向に移動することができる。発光部141と受光部142は、発光部141と受光部142との間に位置してもよく、発光部141と受光部142との間を通過するエンドエフェクター110の垂れ下がりを感知することができる。これにより、垂れ下がりによるエンドエフェクター110の異常を把握することができ、基板10のダメージ及び/又は基板ボート210の転倒を予め防ぐことができる。なお、発光部141と受光部142が支持プレート131の前記第2の方向の両側に連結されて固定されることにより、安定的に支持されることが可能になり、エンドエフェクター110の移動に干渉されないながらも、エンドエフェクター110の垂れ下がりをなお一層有効に感知することができる。
【0064】
一方、エンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させて発光部141と受光部142との間を通過させながら、エンドエフェクター110の垂れ下がりを感知してしまうと、エンドエフェクターハンド120と連結されたエンドエフェクター110の一方の側と対向するエンドエフェクター110の他方の側(部)が過剰に傾いて(もしくは、垂れ下がって)直進光20を通過してしまう場合であっても、エンドエフェクター110の中央部ないし前記第1の方向一方の側(部)は直進光20を遮ることができるので、有効にエンドエフェクター110の垂れ下がりが感知されることが可能になる。
【0065】
図5は、本発明の一実施形態に係る回転駆動部を説明するための概略斜視図であり、図5の(a)は、支持プレートの右側への回転を示し、図5の(b)は、支持プレートの左側への回転を示す。
【0066】
図5を参照すると、本発明に係る基板搬送装置100は、支持プレート131と連結されて、回転軸rを中心として支持プレート131を回転させる回転駆動部160をさらに備えていてもよい。
【0067】
回転駆動部160は、支持プレート131と連結されてもよく、回転軸rを中心として支持プレート131を回転させてもよい。例えば、回転駆動部160は、図5の(a)に示すように、回転軸rを中心として支持プレート131を時計回り方向(もしくは、右側)に回転させて、エンドエフェクター110を基板収納部材50に向かわせてもよい。次いで、エンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させて、基板収納部材50から基板10を取り出してもよい。また、回転駆動部160は、図5の(b)に示すように、回転軸rを中心として支持プレート131を反時計回り方向(もしくは、左側)に回転させて、エンドエフェクター110を基板ボート210に向かわせてもよい。次いで、エンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させて、基板収納部材50から取り出して支持している基板10を基板ボート210に積載してもよい。
【0068】
また、エンドエフェクター110の左右の45°の方向にそれぞれ基板ボート210を配置して、支持プレート131を左右の45°に回転させながら、2つの基板ボート210に対して積載を行ってもよい。
【0069】
本発明に係る基板搬送装置100は、支持プレート131の前記第1の方向の一方の側に配設される昇降軸171を備え、昇降軸171に沿って回転駆動部160を昇降させる昇降部170をさらに備えていてもよい。
【0070】
昇降部170は、支持プレート131の前記第1の方向の一方の側に配設される昇降軸171を備えていてもよく、昇降軸171に沿って回転駆動部160を昇降させてもよい。基板ボート210は、垂直の長さ(もしくは、高さ)が長くてもよく、複数のエンドエフェクター110により搬送される基板10よりも多い多数枚の基板10を多段に積載してもよい。このとき、垂直の長さが長い基板ボート210に多段に多数枚の基板10を積載するために、支持プレート131によりエンドエフェクター110が連結された回転駆動部160を昇降させて、回転駆動部160とともにエンドエフェクター110を昇降させてもよい。このとき、回転駆動部160は、昇降軸171に沿って昇降されてもよい。
【0071】
ここで、昇降軸171は、非回転状態(もしくは、回転されていない状態)で支持プレート131の前記第1の方向の一方の側に配設されてもよく、垂直に立てられてもよく、昇降可能なように回転駆動部160と連結されてもよい。
【0072】
このとき、回転軸rは、昇降軸171から離間されてもよい。例えば、回転軸rは、前記第1の方向の他方の側に離間されてもよい。支持プレート131の前記第2の方向の両側には発光部141と受光部142がそれぞれ連結されるため、支持プレート131が回転されながら、発光部141(もしくは、受光部142)が昇降軸171に干渉される虞がある。これにより、回転軸rは、昇降軸171から離間されることが可能になり、前記第1の方向の他方の側に十分に離間されることが可能になる。これにより、発光部141及び/又は受光部142が支持プレート131の回転により昇降軸171に干渉されることを防ぐことができる。このため、支持プレート131の回転状態でもエンドエフェクター110の垂れ下がりを感知することができ、基板収納部材50と基板ボート210との間に基板10を搬送しながら、一瞬一瞬にリアルタイムにてエンドエフェクター110の垂れ下がりを感知することができる。
【0073】
そして、発光部141と受光部142は、支持プレート131の中央部ないし前記第1の方向の一方の側と対向する他方の側に配置されてもよい。支持プレート131の前記第1の方向の一方の側には、エンドエフェクターハンド120と連結されたエンドエフェクター110の一方の側が位置し、エンドエフェクター110の一方の側はエンドエフェクターハンド120と連結される部分であるため、エンドエフェクター110の垂れ下がり(もしくは、傾き)があまり甚だしく生じない。これにより、支持プレート131の前記第1の方向の一方の側に発光部141と受光部142を配置してしまうと、エンドエフェクター110の垂れ下がり異常を有効に感知することができなくなる。また、支持プレート131の前記第1の方向の一方の側に発光部141と受光部142を配置してしまう場合には、発光部141と受光部142が昇降軸171に近づいて、支持プレート131が回転されながら発光部141または受光部142が昇降軸171に干渉される虞がある。
【0074】
したがって、支持プレート131の前記第1の方向の一方の側よりは、支持プレート131の中央部ないし前記第1の方向の一方の側と対向する他方の側(部)に発光部141と受光部142を配置してもよい。
【0075】
このように、本発明においては、水平移動部130の支持プレート131の両側に発光部141と受光部142がそれぞれ連結されることにより、エンドエフェクター110の移動に影響を及ぼすということを防ぐことができる。これにより、支持プレート131、回転駆動部160及び昇降部170の結合構造に応じて、支持プレート131及び/又はエンドエフェクター110の動きに発光部141と受光部142が干渉されないようにすることができる。
【0076】
垂れ下がり感知部140は、発光部141と受光部142のうちの少なくともどちらか一方の位置を調整する位置調整部144をさらに備えていてもよい。位置調整部144は、発光部141と受光部142のうちの少なくともどちらか一方の位置(すなわち、前記発光部の光源と前記受光部の受光面のうちの少なくともどちらか一方の位置)を調整してもよい。これにより、位置調整部144は、直進光20の位置を調整することもできれば、直進光20の勾配(もしくは、角度)を調整することもできる。
【0077】
例えば、間隔調節部150を用いて複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節することができるので、これに合わせて、位置調整部144は、発光部141と受光部142のうちの少なくともどちらか一方の位置を調整して、直進光20の位置を調整することができる。なお、エンドエフェクター110の垂れ下がりへの感知性能を向上させるために、位置調整部144は、発光部141と受光部142のうちの少なくともどちらか一方の位置を調整して直進光20の勾配を調整することができる。
【0078】
一般に、発光部141と受光部142の高さ(すなわち、前記発光部の光源と前記受光部の受光面の高さ)を同一にして、発光部141から水平に光を照射することにより、水平な直進光20を形成することができる。これを保つために、発光部141と受光部142の位置を同時に一緒に調整することが好ましいことがあるが、これに特に限定されない。
【0079】
一方、垂れ下がり感知部140は、発光部141の照射角度を調整する照射角調整部(図示せず)をさらに備えていてもよい。照射角調整部(図示せず)は、発光部141の照射角度を調整してもよく、前記第1の方向と水平に直交する方向に対して斜めに発光部141の照射角度を調整してもよい。このとき、受光部142の受光面142aの位置を調整したり、広い受光面142aにおける直進光20が入射する位置のみが異なってきたりすることがある。すなわち、発光部141から受光部142に向かって照射される直進光20は、前記第1の方向と水平に直交する方向に対して斜めであってもよい。
【0080】
直進光20は、大きさ(size)又は幅(width)が小さくて垂れ下がりによりエンドエフェクター110が直進光20を通り過ぎてエンドエフェクター110の垂れ下がりが感知されない虞もある。これにより、直進光20を前記第1の方向と水平に直交する方向に対して斜めにすることにより、エンドエフェクター110の垂れ下がりを感知できる範囲を増やす(もしくは、増加させる)ことができ、エンドエフェクター110の垂れ下がりへの感知性能が向上することが可能になる。
【0081】
ここで、直進光20は垂直方向に傾いてもよく、発光部141と受光部142との高さ差(もしくは、前記直進光の始点と終点の垂直方向の高さ差)は、エンドエフェクター110の厚さ以下であってもよい。直進光20の勾配が大きくなる場合には、エンドエフェクター110の垂れ下がりを感知できる範囲が広くなることはできるものの、直進光20の勾配と同じ勾配にてエンドエフェクター110の垂れ下がりが生じてしまうと、エンドエフェクター110の垂れ下がりが感知されないため、直進光20の勾配が制限される虞がある。
【0082】
このため、発光部141と受光部142との高さ差(もしくは、前記発光部の光源と前記受光部の受光面との高さ差)をエンドエフェクター110の厚さ以下にすることができる。このような場合、エンドエフェクター110の垂れ下がりを感知できる範囲をエンドエフェクター110の厚さに見合う分だけは増やすことができるだけではなく、エンドエフェクター110の厚さ内においては直進光20の勾配と同じ勾配にてエンドエフェクター110の垂れ下がりが感知されない場合が生じなくなる。
【0083】
図6は、本発明の一実施形態に係る発光部から照射された直進光の離間を説明するための概念図である。
【0084】
図6を参照すると、発光部141は、水平状態のエンドエフェクター110の下部面110aからの最短距離がエンドエフェクター110厚さの20%以上である直進光20を照射することができる。すなわち、発光部141は、エンドエフェクター110の下部面110aからエンドエフェクター110の厚さの20%以上離間される直進光20を照射することができる。このとき、直進光20は、エンドエフェクター110の下部面110aから垂直方向に最小の離間距離(gap)gがエンドエフェクター110の厚さの20%以上であってもよい。ここで、直進光20の離間距離gの上限は、複数のエンドエフェクター110同士の間隔pよりも大きくなることはできず、一つのエンドエフェクター110しかない場合には、エンドエフェクター110の前記第1の方向の長さ及び/又はエンドエフェクター110の下部面110aから支持プレート131の上部面までの距離よりも大きくなることはできない。
【0085】
直進光20をエンドエフェクター110の下部面110aから垂直方向にエンドエフェクター110の厚さの20%以上離間させなくなると、基板10の荷重によりエンドエフェクター110に僅かな垂れ下がり又はエンドエフェクター110の移動による僅かな揺動によっても垂れ下がり感知部140がエンドエフェクター110の垂れ下がり異常と判断する虞がある。しかしながら、本発明でのように、発光部141が水平状態のエンドエフェクター110の下部面110aからの最短距離がエンドエフェクター110の厚さの20%以上である直進光20を照射する場合にはこれを防ぐことができ、エンドエフェクター110の垂れ下がり異常をなお一層有効に感知(もしくは、判断)することができる。
【0086】
例えば、エンドエフェクター110は、基板10の荷重により0.5mm未満の微々たる垂れ下がりが生じる虞があり、エンドエフェクター110の下部面110aから垂直方向に直進光20の最小の離間距離gを0.5mm以上にしてもよい。このとき、基板10の厚さは約0.8mmであってもよく、エンドエフェクター110の厚さは約1.8mmであってもよい。
【0087】
したがって、本発明においては、発光部141が受光部142に向かって照射する直進光20を水平状態のエンドエフェクター110の下部面110aからせめてエンドエフェクター110の厚さの20%以上離間させることにより、基板10の荷重によるエンドエフェクター110の微々たる垂れ下がりをエンドエフェクター110の異常と把握してしまうということを防ぐことができる。
【0088】
一方、本発明の基板搬送装置100は、互いに対をなす送信器181と受信器182を備え、エンドエフェクター110に支持された基板10を感知する基板感知部180をさらに備えていてもよい。
【0089】
基板感知部180は、エンドエフェクター110に支持された基板10を感知することができ、互いに対をなす送信器181と受信器182を備えていてもよい。送信器181と受信器182は、互いに対をなしてもよく、光又は超音波などを送受することができる。例えば、送信器181から光を照射し、受信器182において光を受光することにより、基板10を感知することができる。受信器182に光が受光されない場合には、基板10がエンドエフェクター110に支持されたと判断することができ、受信器182に光が受光される場合には、基板10がエンドエフェクター110に支持されていないと判断することができる。
【0090】
ここで、送信器181と受信器182は、上下に離間されて配置されてもよく、支持プレート131の第2の方向12の両側に一対ずつ配設されてもよい。例えば、送信器181と受信器182は、一対ずつ発光部141と受光部142にそれぞれ連結されて支持(もしくは、固定)されてもよい。送信器181と受信器182が支持プレート131の第2の方向12の両側に一対ずつ配設されることにより、エンドエフェクター110上の基板10の支持有無を感知することができるだけではなく、基板10が定位置にしっかり支持できたかをも把握することができる。
【0091】
図7は、本発明の他の実施形態に係る基板処理装置を示す概略断面図である。
【0092】
図7に基づいて、本発明の他の実施形態に係る基板処理装置についてさらに詳しく説明するが、本発明の一実施形態に係る基板搬送装置と関わって上述した部分と重複する事項は省略する。
【0093】
本発明の他の実施形態に係る基板処理装置200は、本発明の一実施形態に係る基板搬送装置100と、前記エンドエフェクター110に支持された前記基板10が受け渡されて多段に積載される基板ボート210と、前記基板ボート210が収容される内部空間を有する工程チューブ220と、を備えていてもよい。
【0094】
基板搬送装置100は、本発明の一実施形態に係る基板搬送装置100であってもよく、基板収納部材50と基板ボート210との間において基板10を運ぶことができる。基板搬送装置100の詳細については既に上述したため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0095】
基板ボート210は、バッチタイプ(Batch type)にて工程を行うために、複数枚の基板10が多段に(もしくは、上下方向に)積載されてもよく、積載又は処理工程のために昇降してもよい。例えば、基板ボート210は、22枚の基板10を多段に積載することができ、基板ボート210が工程チューブ220の下部の積載空間(もしくは、積載位置)内に位置する間に、基板10は、基板ボート210内に積載されることができる。さらに詳しく述べると、基板搬送装置100により基板ボート210に1枚以上の基板10が積載されれば、基板ボート210又はエンドエフェクター110が上昇して基板10が積載された部分の下部又は上部に基板10が積載されることが可能になる。基板ボート210内に複数枚の基板10がいずれも積載されれば、基板ボート210は、工程チューブ220の収容空間(もしくは、工程位置)に移動して工程チューブ220の収容空間において基板10への処理工程が行われることが可能になる。ここで、基板ボート210は、炭化ケイ素(SiC)などのセラミック(ceramic)、石英(quartz)、合成石英などから形成されてもよい。
【0096】
工程チューブ220は、内部に基板ボート210が収容できる収容空間が形成されてもよく、基板ボート210に積載された基板10の処理工程が行われてもよい。工程チューブ220は、円筒状に形成されてもよく、上部は閉じられた状態で下部が開かれてもよい。これにより、基板ボート210が工程チューブ220の収容空間に位置するために上下に昇降する場合に、工程チューブ220の下部の開口部を介して基板ボート210が工程チューブ220の収容空間に引き込まれたり工程チューブ220の収容空間から引き出されたりすることができる。このとき、工程チューブ220は、単一のチューブから構成されてもよく、外チューブと内チューブとから構成された複数のチューブから構成されてもよい。
【0097】
そして、基板搬送装置100は、複数枚の基板10が収容された基板収納部材50と基板ボート210との間において基板収納部材50と基板ボート210との間に基板10を運んでもよい。このとき、基板搬送装置100は、前方開放型インタフェースメカニカルスタンダード(Front-opening Interface Mechanical Standard;FIMS)などのロードポート(load port)と基板ボート210との間に配置されてもよく、前記ロードポートに配置されてオープン(open)された基板収納部材50と基板ボート210との間に基板10を運んでもよい。例えば、基板搬送装置100は、前記ロードポートに配置された基板収納部材50と基板ボート210との間に配置されて(もしくは、位置して)もよく、基板搬送装置100の左側に基板収納部材50が位置し、基板搬送装置100の右側に基板ボート210が位置してもよい。このとき、支持プレート131を反時計回り方向(もしくは、左側)に回転させて、エンドエフェクター110を基板収納部材50に向かわせてもよく、次いで、エンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させて、基板収納部材50から基板10を取り出してもよい。そして、支持プレート131を時計回り方向(もしくは、右側)に回転させて、エンドエフェクター110を基板ボート210に向かわせてもよく、次いで、エンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させて、基板収納部材50から取り出して支持している基板10を基板ボート210に積載してもよい。逆に、支持プレート131を時計回り方向に回転させて、エンドエフェクター110を基板ボート210に向かわせてもよく、次いで、エンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させて、処理済みの基板10を基板ボート210から取り外してもよい。そして、支持プレート131を反時計回り方向に回転させて、エンドエフェクター110を基板収納部材50に向かわせてもよく、次いで、エンドエフェクター110を前記第1の方向に移動させて、処理済みのエンドエフェクター110に支持された基板10を基板収納部材50に収納してもよい。
【0098】
ここで、基板ボート210の基板10の積載間隔は、基板収納部材50の基板10の収納間隔と異なっていてもよい。このような場合、間隔調節部150を用いて、基板収納部材50の基板10の収納間隔に合わせて複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節して、基板収納部材50から2枚以上の基板10を一括して取り出してもよい。その後、基板ボート210の基板10の積載間隔に合わせて複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節して、基板収納部材50から取り出した2枚以上の基板10を一括して基板ボート210に積載してもよい。逆に、間隔調節部150を用いて基板ボート210の基板10の積載間隔に合わせて複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節して、処理済みの基板10を基板ボート210から2枚以上ずつ取り外してもよい。その後、基板収納部材50の基板10の収納間隔に合わせて複数のエンドエフェクター110同士の間隔を調節して、前記処理済みの基板10を基板収納部材50に収納してもよい。
【0099】
このように、本発明においては、垂れ下がり感知部を用いて、エンドエフェクターの垂れ下がりを感知することにより、基板の搬送を行う前にエンドエフェクターの異常を把握することができ、エンドエフェクターの搬送不良による基板のダメージ及び/又は基板ボートの転倒を予め防ぐことができる。このとき、垂れ下がり感知部は、エンドエフェクターの移動経路の両側にそれぞれ配置される発光部と受光部を備えて、エンドエフェクターの移動に干渉されないながらも、エンドエフェクターの垂れ下がりを有効に感知することができる。また、複数のエンドエフェクターが多段に構成される場合には、エンドエフェクターの垂れ下がりを感知して、複数のエンドエフェクター同士の間隔異常を判断することができる。これにより、複数のエンドエフェクター同士の間隔不良による基板のダメージ及び/又は基板ボートの転倒を防ぐことができ、しかも、基板積載間隔が定められた基板ボートに2枚以上の基板を一括して安定的に積載することができる。ここで、発光部が複数のエンドエフェクターに対応して複数の光源を備えることにより、複数のエンドエフェクターのそれぞれに対して有効に垂れ下がりを感知することができる。そして、間隔調節部を用いて、複数のエンドエフェクター同士の間隔を調節することにより、基板積載間隔が異なる様々な基板ボートに対応することができる。また、垂れ下がり感知部が受光部に受光される光量を測定して、複数のエンドエフェクター同士の間隔異常を判断することにより、基板ボートの基板積載間隔及び/又は基板の収納部材の基板収納間隔に応じて基板の搬送可否を正確に判断することができる。このとき、発光部が受光部に向かって照射する直進光を水平状態のエンドエフェクターの下部面からせめてエンドエフェクターの厚さの20%以上離間させることにより、基板の荷重によるエンドエフェクターの微々たる垂れ下がりをエンドエフェクターの異常と把握してしまうということを防ぐことができる。一方、水平移動部の支持プレートの両側に発光部と受光部がそれぞれ連結されることにより、エンドエフェクターの移動に影響を及ぼすことを防ぐことができ、支持プレート、回転駆動部及び昇降部の結合構造に応じて、支持プレート及び/又はエンドエフェクターの動きに発光部と受光部が干渉されないようにすることができる。
【0100】
以上、本発明の好適な実施形態について図示して説明したが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、特許請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該本発明が属する分野において通常の知識を有する者であれば、これより様々な変形が行え、且つ、均等な他の実施形態が採用可能であるということが理解できる筈である。よって、本発明の技術的な保護範囲は、次の特許請求の範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0101】
10:基板
20:直進光
50:基板収納部材
100:基板搬送装置
110:エンドエフェクター
110a:エンドエフェクターの下部面
120:エンドエフェクターハンド
130:水平移動部
131:支持プレート
140:垂れ下がり感知部
141:発光部
141a:光源
142:受光部
142a:受光面
143:光量測定部
144:位置調整部
150:間隔調節部
160:回転駆動部
170:昇降部
171:昇降軸
180:基板感知部
181:送信器
182:受信器
200:基板処理装置
210:基板ボート
220:工程チューブ
r:回転軸
p:エンドエフェクター同士の間隔
g:直進光の離間距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7