(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】V字クリップインターロックおよび針先端部捕捉を備えた安全IVカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
A61M25/06 512
(21)【出願番号】P 2022066956
(22)【出願日】2022-04-14
(62)【分割の表示】P 2020162224の分割
【原出願日】2015-11-09
【審査請求日】2022-04-20
(32)【優先日】2014-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2015/026542
(32)【優先日】2015-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
【住所又は居所原語表記】1 BECTON DRIVE, FRANKLIN LAKES, NEW JERSEY 07417-1880, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ストークス
(72)【発明者】
【氏名】シッダールタ ケー.シェヴゴーア
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ティー.ボーンホフト
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】ジョン バークホルツ
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-192868(JP,A)
【文献】特表2009-538187(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルアセンブリであって、
カテーテルと、
遠位先端部を有する針と、
前記カテーテルに連結されたカテーテルハブと、
前記針が第1の位置にあるときに前記カテーテルハブに連結される針シールドと、
前記針と共働する前記針シールド内に配設されたクリップとを備え、
前記クリップは、
前記針シールドと係合しおよび係合解除するよう構成されたラッチと、
2つの脚部と、
を含み、
前記ラッチは前記2つの脚部
をそれぞれ表す面によって画定される平面の間に配置され、
前記クリップは、前記針の前記第1の位置において前記カテーテルハブと係合し、
前記クリップは、前記針が第2の位置に後退されたときに前記カテーテルハブを係合解除して、前記針の少なくとも一部分を覆い、
前記2つの脚部の一つの外面は前記針シールドの外側に面する、ことを特徴とするカテーテルアセンブリ。
【請求項2】
前記2つの脚部は第1の脚部および第2の脚部を含むことを特徴とする請求項1に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の脚部を前記第2の脚部に直接接続する湾曲した部分をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項4】
前記ラッチは前記第1の脚部と前記第2の脚部との間に配置されることを特徴とする請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の脚部はただ一つの平らな部分を含み、前記第2の脚部はただ一つの平らな部分を含み、前記第1の脚部は湾曲した部分によって前記第2の脚部に直接接続されることを特徴とする請求項2に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項6】
カテーテルアセンブリであって、
カテーテルと、
前記カテーテル内に配設され遠位先端部を有する針と、
前記カテーテルに連結され前記針を封入するカテーテルハブと、
前記カテーテルハブに連結されるよう構成された針シールドと、
前記針シールド内に配設されたクリップと、を備え、
前記クリップは、前壁および後壁の少なくとも一方を含み、前記前壁および後壁の少なくとも一方
の面にかかり部を含み、前記かかり部によって当該クリップが前記針シールドに固定され、
前記前壁および後壁の少なくとも一方は前記針の長手方向軸に垂直であることを特徴とするカテーテルアセンブリ。
【請求項7】
前記前壁および後壁の少なくとも一方は前記針が通ることができる穴を含むことを特徴とする請求項6に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項8】
前記クリップは前記前壁または前記後壁に垂直な脚部を含むことを特徴とする請求項6に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項9】
前記クリップは、第1の脚部と第2の脚部を含み、
前記前壁および後壁の少なくとも一方は、前記第1の脚部によって画定される平面を超え、かつ前記第2の脚部によって画定される平面を超えた位置に延びることを特徴とする請求項6に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項10】
前記クリップは、第1の脚部と第2の脚部を含み、
前記前壁および後壁の少なくとも一方は、前記第1の脚部によって画定される平面と前記第2の脚部によって画定される平面との間の位置に延びることを特徴とする請求項6に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項11】
前記クリップは、前記第2の脚部から80度曲げられた上壁を含むことを特徴とする請求項9に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項12】
前記上壁の後部は前記後壁から90度曲げられたことを特徴とする請求項11に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項13】
カテーテルアセンブリであって、
カテーテルと、
遠位先端部を有する針と、
前記カテーテルに連結されたカテーテルハブと、
前記カテーテルハブに連結されるよう構成された針シールドと、
第1の脚部、第1の中間脚部、第2の脚部、および第2の中間脚部を含み、前記針と共働する前記針シールド内に配設されたクリップと、を備え、
前記クリップは、針の第1の位置において
前記針と
当該クリップが延長位置となるように係合し、
前記クリップは、前記針が第2の位置に後退されたときに
前記針と係合解除して、前記針の少なくとも一部分を覆うことを特徴とするカテーテルアセンブリ。
【請求項14】
前記第1の中間脚部および前記第2の中間脚部は、前記第1の脚部と前記第2の脚部との間に配置されることを特徴とする請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項15】
前記第1の脚部と前記第2の脚部は、前記針シールドの反対面に取り付けられることを特徴とする請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の位置では、前記針は前記第2の中間脚部に接触することを特徴とする請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項17】
前記第2の位置では、前記針は前記第2の中間脚部に接触しないことを特徴とする請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項18】
前記第2の位置では、前記クリップは後退位置にあることを特徴とする請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項19】
前記第2の位置では、前記第2の中間脚部は前記第1の脚部に向かって移動することを特徴とする請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【請求項20】
前記クリップはフラグを含み、
前記第2の位置では、前記フラグは前記針の前記遠位先端部を遮断することを特徴とする請求項13に記載のカテーテルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明のさまざまな例示的な実施形態は、カテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願
本出願は、2014年11月10日出願の米国特許仮出願第62/077,760号明細書、2015年4月17日出願の国際公開出願PCT/US2015/026542、および2015年9月18日出願の米国特許仮出願第62/220,629号明細書の利益を主張するものである。上記出願の各々は、参照によって全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
カテーテルアセンブリは、カテーテルを患者の血管系内に留置するために使用される。静脈内カテーテルなどのカテーテルは、所定位置に配置されると、通常生理食塩水、薬品化合物、および/または栄養成分を含む流体を、そのような治療を必要とする患者に注入するために使用され得る。カテーテルは、さらに、循環系からの流体の除去および患者の血管系内の状態の監視を可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2014/0364809号明細書
【文献】米国特許第4,231,367号明細書
【文献】米国特許第6,749,588号明細書
【文献】米国特許第7,604,616号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様は、改良されたクリップおよび針シールドが針保護のための使用される、カテーテルアセンブリを提供することである。改良された装置は、よりコンパクトであり、針保護を向上させ、カテーテルアセンブリのサイズおよび複雑性を低減する。改良されたクリップは、より狭小の設計、増大された強度および可撓性、ならびにクリップを針シールドに固定するための多様な装着構成を実現する。カテーテルハブのカラー内の解放切欠部の追加および切欠部によるクリップの係合解除により、針シールドは、従来技術よりもコンパクトになることが可能になる。従来技術では、切欠部を有さない場合、クリップは、カテーテルハブを係合解除するためにより長い距離を進行する必要がある。加えて、針シールドの幅が、クリップと針シールドの間の改良された取り付け接面によって低減される。詳細には、スペード(spade)が、スペードの外面を針シールドの外側に露出させて、クリップを針シールドに取り付ける。
【0006】
本発明の前述および/または他の態様は、カテーテルアセンブリであって、カテーテルと、カテーテル内に配設された鋭利な遠位先端部を有する針と、カテーテルおよび針を収容するカテーテルハブであって、切欠部を有する、カテーテルハブと、針が第1の位置にあるときにカテーテルハブに連結される針シールドと、針と共働する針シールド内に配設されたクリップとを備え、クリップは、針の第1の位置においてカラーと係合し、クリップは、針が第2の位置に後退されたときに切欠部によってカラーを係合解除して、針の少なくとも一部分を封入し、または覆い、カテーテルアセンブリを提供することによって達成され得る。
【0007】
本発明の前述および/または他の態様は、カテーテルアセンブリであって、カテーテルと、カテーテル内に配設された鋭利な遠位先端部を有する針と、カテーテルおよび針を収容するカテーテルハブと、カテーテルハブに連結されるように構成された針シールドと、針と共働する針シールド内に配設されたクリップであって、クリップを針シールドに取り付けるスペードを含む、クリップとを備え、スペードの外面は、カテーテルアセンブリの外側に露出される、カテーテルアセンブリを提供することによっても達成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の上記の態様および特徴は、添付の図を参照して本発明の例示的な実施形態の説明からより明白になるであろう。
【
図1】本発明の実施形態によるカテーテルアセンブリの左上斜視図である。
【
図3】カテーテルアセンブリの代替の左側斜視図である。
【
図7】カテーテルアセンブリの組み立てられたカテーテルハブ、針シールド、および針の左斜視図である。
【
図8】カテーテルアセンブリの組み立てられたカテーテルハブ、針シールド、および針の右斜視図である。
【
図9】カテーテルアセンブリの組み立てられたカテーテルハブ、針シールド、および針の右側面図である。
【
図10】カテーテルアセンブリの組み立てられたカテーテルハブ、針シールド、および針の底部平面図である。
【
図11】カテーテルアセンブリの組み立てられたカテーテルハブ、針シールド、および針の底部平面図である。
【
図12】カテーテルアセンブリの組み立てられたカテーテルハブ、針シールド、および針の上部平面図である。
【
図13】カテーテルアセンブリの組み立てられたカテーテルハブ、針シールド、および針の右側面の断面図である。
【
図14】カテーテルアセンブリの分離されたカテーテルハブ、針シールド、および針の左斜視図である。
【
図15】カテーテルアセンブリの分離されたカテーテルハブ、針シールド、および針の右斜視図である。
【
図16】カテーテルアセンブリの分離されたカテーテルハブ、針シールド、および針の右側面図である。
【
図17】カテーテルアセンブリの分離されたカテーテルハブ、針シールド、および針の第2の右側面図である。
【
図18】カテーテルアセンブリの分離されたカテーテルハブ、針シールド、および針の底部平面図である。
【
図19】カテーテルアセンブリの分離されたカテーテルハブ、針シールド、および針の上部平面図である。
【
図20】カテーテルアセンブリの分離されたカテーテルハブ、針シールド、および針の右側面の断面図である。
【
図21】カテーテルアセンブリのカテーテルハブの右斜視図である。
【
図22】カテーテルアセンブリのカテーテルハブの上部平面図である。
【
図23】カテーテルアセンブリのカテーテルハブの左斜視図である。
【
図24】カテーテルアセンブリのカテーテルハブの前側の図である。
【
図25】カテーテルアセンブリのカテーテルハブの右側の図である。
【
図26】カテーテルアセンブリのカテーテルハブの後側の図である。
【
図27】カテーテルアセンブリのカテーテルハブの左斜視図である。
【
図28】カテーテルアセンブリのカテーテルハブの底部平面図である。
【
図29】カテーテルアセンブリのカテーテルハブの右斜視図である。
【
図30】カテーテルアセンブリの針シールド外側ハウジングの右斜視図である。
【
図31】カテーテルアセンブリの針シールド外側ハウジングの左斜視図である。
【
図32】カテーテルアセンブリの針シールド外側ハウジングの第2の左斜視図である。
【
図33】カテーテルアセンブリの針シールド外側ハウジングの第2の右斜視図である。
【
図34】カテーテルアセンブリの針シールド外側ハウジングの前側面図である。
【
図35】カテーテルアセンブリの針シールド外側ハウジングの後側面図である。
【
図36】カテーテルアセンブリの針シールド外側ハウジングの右側面図である。
【
図37】カテーテルアセンブリの針シールド外側ハウジングの左側面図である。
【
図38】カテーテルアセンブリの針シールド外側ハウジングの上部平面図である。
【
図39】カテーテルアセンブリの針シールド外側ハウジングの底部平面図である。
【
図40】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの左斜視図である。
【
図41】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの右斜視図である。
【
図42】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの第2の右斜視図である。
【
図43】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの前面図である。
【
図44】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの後面図である。
【
図45】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの左側面図である。
【
図46】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの右側面図である。
【
図47】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの上部平面図である。
【
図48】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの底部平面図である。
【
図49】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図50】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図51】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の左斜視図である。
【
図52】針シールド内に挿入された
図51のV字形状の金属クリップの左斜視図である。
【
図53】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図54】針シールド内に挿入された
図53のV字形状の金属クリップの右斜視図である。
【
図55】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の左斜視図である。
【
図56】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図57】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図58】針シールド内に挿入された
図57のV字形状の金属クリップの右斜視図である。
【
図59】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図60】針シールド内に挿入された
図59のV字形状の金属クリップの左斜視図である。
【
図61】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の左後部斜視図である。
【
図62】カテーテルアセンブリの
図61のV字形状の金属クリップの左底部斜視図である。
【
図63】カテーテルアセンブリの
図61のV字形状の金属クリップの上面図である。
【
図64】針シールド内に配設された、第1および第2の状態にある
図61のV字形状の金属クリップの側部断面図である。
【
図65】針シールド内に挿入された
図61のV字形状の金属クリップの左後部斜視図である。
【
図66】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図67】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図68】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図69】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の前部断面図である。
【
図70】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図71】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図72】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右斜視図である。
【
図73】カテーテルアセンブリの
図72のV字形状の金属クリップの別の右斜視図である。
【
図74】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の左斜視図である。
【
図75】カテーテルアセンブリのV字形状の金属クリップの代替の実施形態の右後部斜視図である。
【
図76】カテーテルアセンブリのワッシャの右斜視図である。
【
図77】カテーテルアセンブリのワッシャの左斜視図である。
【
図78】カテーテルアセンブリのワッシャの前面図である。
【
図79】カテーテルアセンブリのワッシャの底部平面図である。
【
図80】カテーテルアセンブリのワッシャの左側面の断面図である。
【
図81】ウィング付き代替のカテーテルハブの右斜視図である。
【
図82】ウィング付きカテーテルハブの上部平面図である。
【
図83】ウィング付きカテーテルハブの左斜視図である。
【
図84】ウィング付きカテーテルハブの前部の図である。
【
図85】ウィング付きカテーテルハブの左側面図である。
【
図86】ウィング付きカテーテルハブの後面図である。
【
図87】ウィング付きカテーテルハブの左斜視図である。
【
図88】ウィング付きカテーテルハブの底部平面図である。
【
図89】ウィング付きカテーテルハブの第2の右斜視図である。
【
図90】代替の側部ポートカテーテルハブの右斜視図である。
【
図91】側部ポートカテーテルハブの上部平面図である。
【
図92】側部ポートカテーテルハブの左斜視図である。
【
図93】側部ポートカテーテルハブの前面図である。
【
図94】側部ポートカテーテルハブの右側面図である。
【
図95】側部ポートカテーテルハブの後面図である。
【
図96】側部ポートカテーテルハブの第2の左斜視図である。
【
図97】側部ポートカテーテルハブの底部平面図である。
【
図98】側部ポートカテーテルハブの第2の右斜視図である。
【
図99】針シールドおよび針ハブを備えた代替の側部ポートカテーテルハブアセンブリの左斜視図である。
【
図100】針シールドおよび針ハブを備えた代替の側部ポートカテーテルハブアセンブリの右斜視図である。
【
図101】針シールドおよび針ハブを備えた代替の側部ポートカテーテルハブアセンブリの上部平面図である。
【
図102】針シールドおよび針ハブを備えた代替の側部ポートカテーテルハブアセンブリの右側の図である。
【
図103】針シールドおよび針ハブを備えた代替の側部ポートカテーテルハブアセンブリの底部平面図である。
【
図104】導入針が引っ込められているときの
図1~12のカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図105】導入針が引っ込められているときの
図1~12のカテーテルアセンブリの第2の断面図である。
【
図106】導入針がV字形状の金属クリップを通りすぎ、針シールドがカテーテルハブから分離されるときの
図1~16のカテーテルアセンブリの断面図である。
【
図107】導入針がV字形状の金属クリップを通りすぎ、針シールドがカテーテルハブから分離されるときの
図1~16のカテーテルアセンブリの第2の断面図である。
【
図108】カテーテルハブと係合されたV字形状の金属クリップのラッチを示す図である。
【
図109】カテーテルハブから係合解除されたV字形状の金属クリップのラッチを示す図である。
【
図110】カテーテルハブから係合解除され、分離されたV字形状の金属クリップのラッチを示す図である。
【
図111】針をブロックするV字形状の金属クリップを示す図である。
【
図112】閉位置にあるV字形状の金属クリップを示す図である。
【
図113】V字形状の金属クリップ、および切欠部を有さないカテーテルハブカラーの動作範囲の概略図である。
【
図114】V字形状の金属クリップ、および切欠部を有さないカテーテルハブカラーの動作範囲の概略図である。
【
図115】V字形状の金属クリップ、および切欠部付きのカテーテルハブカラーの動作範囲の概略図である。
【
図116】V字形状の金属クリップ、および切欠部付きのカテーテルハブカラーの動作範囲の概略図である。
【
図117】自由状態にあるカテーテルハブ弁アクチュエータの作動を示す図である。
【
図118】圧縮された状態にあるカテーテルハブ弁アクチュエータの作動を示す図である。
【
図119】自由状態にあるカテーテルハブ弁アクチュエータの第2の実施形態の作動を示す図である。
【
図120】圧縮された状態にあるカテーテルハブ弁アクチュエータの第2の実施形態の作動を示す図である。
【
図121】カテーテルハブ弁アクチュエータの別の実施形態を示す図である。
【
図122】カテーテルアセンブリの例示的な血液フラッシュバック特徴を示す図である。
【
図123】
図122のカテーテルアセンブリの血液フラッシュバック特徴の針を示す図である。
【
図124】カテーテルアセンブリの第2の例示的な血液フラッシュバック特徴を示す図である。
【
図125】2つの場所に血液フラッシュバックを有する
図124のカテーテルアセンブリの第2の例示的な血液フラッシュバック特徴を示す図である。
【
図126】3つの場所に血液フラッシュバックを有するカテーテルアセンブリの第3の例示的な血液フラッシュバック特徴を示す図である。
【
図128】カテーテルハブアセンブリ内の
図127のアクチュエータの断面図である。
【
図129】セプタム(septum)を貫くときの
図128のカテーテルハブアセンブリの断面図である。
【
図130】セプタムを貫くときの
図128のカテーテルハブアセンブリの左断面斜視図である。
【
図131】カテーテルハブアセンブリの別の例示的な実施形態の断面図である。
【
図132】セプタムを貫くときの
図131のカテーテルハブアセンブリの断面図である。
【
図133】セプタムを貫くときの
図131のカテーテルハブアセンブリの左断面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において開示するカテーテルアセンブリは、参照によって本明細書に組み込まれる、本願の権利者が所有する特許文献1に開示されたものに対する改良品である。
【0010】
図1~12は、中空の金属導入針12と、カテーテルハブ14と、針ハブ16と、針シールド20とを含むカテーテルアセンブリ10を示す。針12は、鋭利な斜角にされた遠位端部を有し、最初、針シールド20およびカテーテルハブ14を通って延びる。可撓性のカテーテルチューブ22が、カテーテルハブ14の遠位端部から延び、導入針12は、カテーテルチューブ22を通り抜けている。最初に、針12は、患者の静脈内に挿入される。カテーテルチューブ22は、針12によって静脈内に運ばれる。カテーテルチューブ22が挿入された後、針12は、患者の静脈およびカテーテルハブ14から取り外される。針シールド20は、針12の先端部を封入し、または覆い、カテーテルハブ14からの針の後退中および後退後に、針12によって突き刺されることから保護する。針シールド20は、多様な種々のカテーテルと共に使用することができる。
【0011】
図12~20に示すように、カテーテルアセンブリは、カテーテルハブ14と、カテー
テルハブ14から延びる可撓性のカテーテルチューブ22とを含む。金属ウェッジ(wedge)24がカテーテルハブ14内に配置されて、カテーテルチューブ22を保持する。弾性のセプタム26が、カテーテルハブ14を通る流体の流れを制御するように配置される。アクチュエータ28が、セプタム26と係合するようにカテーテルハブ14内に移動可能に配置される。付勢部材30は、アクチュエータ28と係合してアクチュエータ28を近位方向に付勢する。
【0012】
弾性のセプタム26は、セプタム26を通る望ましくない流体の流れを選択的に防止するために通常閉じられている、1または複数の予め形成されたスリットを有する。たとえば、セプタム26は、アクチュエータ28によって係合されたときに開く3つの三角形フラップを形成する3つのスリットを有することができる。セプタム26は、スリットに弾性閉鎖力をもたらす弾性材料、たとえば、シリコーンゴムから作製される。当業者によって理解されるように、他のセプタム26の構成が使用されてよい。
【0013】
アクチュエータ28および付勢部材30、たとえば金属またはプラスチックの圧縮ばねは、カテーテルハブ14内に配置される。アクチュエータ28は、セプタム26と係合してスリットを開き、カテーテルハブ14を通る流体の流れを可能にする。付勢部材30は、アクチュエータ28を、スリットが閉じることを可能にする位置に戻すことができ、それによってカテーテルハブ14を通る流体の流れを防止する。
【0014】
図21~29の例示的な実施形態に最もよく示されるように、カテーテルハブ14は、ルアー雄ねじ32および切欠部付きカラー34を有する近位端部を含む。カラー34は、カテーテルハブ14の少なくとも一部分の周りを延び、好ましくは、カテーテルハブ14の近位端部に配設される。カラー34は、カラー34の第1の端部と第2の端部を分離する途切れ部、開口部、または切欠部36を有する。
【0015】
カラー34の一部分は、カラー34に隣接するカテーテルハブ14の外径の一部分より大きい外径を含む。詳細には、カラー34の外径の一部分は、カテーテルハブ14の隣接する外径表面に対して高くされる。追加的に、カラー34の開口部36は、カラー34に隣接するカテーテルハブ14の外径の一部分と実質的に等しいか、またはこれより大きい外径を有する。
【0016】
例示的な実施形態では、針シールド20は、外側ハウジング38と、弾性クリップ40と、ワッシャ42とを含む。外側ハウジング38は、遠位開口部44および近位開口部46を有する開口を含み、針12を受け入れる。外側ハウジング38は、カテーテルハブ14に連結し、クリップ40およびワッシャ42を取り囲む。
図30~39に最もよく示されるように、外側ハウジング38の遠位端部は、突端部48と、上部フランジ50と、ベース52とを含む。針シールド20がカテーテルハブ14に連結されたとき、突端部48はカテーテルハブ14の内部に延びる。
【0017】
例示的な実施形態では、突端部48は、カテーテルハブ14の内部よりわずかに小さくサイズ設定され、それによってゆるい公差を伴って嵌合する。上部フランジ50は、側部くぼみの対によって基部52から離間され、側部くぼみは、ルアーねじ山32を受け入れ、組み立てられるとき、針シールド20に対するカテーテルハブ14の回転を防止する。ベース52は、湾曲した上部表面を有する突出部54と、湾曲した切断部分56とを含む。突出部54は、カラー34の開口部36内に嵌合するようにサイズ設定され、切断部分56は、カラー34がそこを通り抜けることを可能にするようにサイズ設定される。
【0018】
図40~48に示す例示的な実施形態によれば、クリップ40は、傾斜されたまたは湾曲したV字セクション64によって連結された第1の脚部60および第2の脚部62を有する実質的にV字形状の弾性クリップ40である。第1の脚部60は、傾斜した導入部分68を有する実質的にU字形状のスペード66を含む。スペード66は、底部74によって連結された外壁70および内壁72を含む。かかり部76の対は、スペード66の内壁72から外方向に延びる。第1のフラグ(flag)78は、第2の脚部62から第1の脚部60に向かって延び、第2のフラグ80は、第1の脚部60から第2の脚部62に向かって延びる。足部82は、第1および第2の脚部60、62から外方に第1のフラグ78から延び、ラッチ84は、足部82から上方向に延び、第1と第2の脚部60、62の間に配置される。詳細には、ラッチ84は、第1の脚部60を表す平面と、第2の脚部62を表す平面との間に配設される。そのような構成は、よりコンパクトなクリップ40を作り出すために望まれる。任意選択の補強材86が、足部82から下方向に延びることができる。
【0019】
図49~75は、上記で説明したような
図40~48のクリップ40の好ましい実施形態に類似する特徴を有するクリップ710の代替の実施形態を示す。クリップ710の代替の実施形態の詳細、詳細には
図40~48のクリップ40から区別する特徴が、以下で説明される。簡潔にするために、
図40~75のクリップの類似の特徴の説明は、繰り返されず、本明細書のこれまでの説明に基づいて当業者によって理解されるものである。
図49~75の例示的な実施形態の特徴は、適宜、本明細書において開示する他の例示的な実施形態の特徴と組み合わせられ得る。
【0020】
図49は、湾曲したセクション716によって連結された第1の脚部712および第2の脚部714を備えた実質的にV字形状を有するクリップ710の代替の実施形態を示す。第2の脚部714は、スペード718を含む。スペード718は、底部分724によって第2の脚部714に連結された外壁720を含む。スペード718の内壁はこの実施形態では存在しないが、これは、第2の脚部714がスペード718の上部まで完全に延ばされているためである。したがって、スペード718は、実質的にU字形状を有さない。かかり部726の対(1つのみが見えるように示される)が、スペード718の外壁720から外方向に延びる。
【0021】
図49は、足部732が第1および第2の脚部712、714から外方向に外方に延び、ラッチ734が足部732から上方向に延びることをさらに示す。ラッチ734は、第1と第2の脚部712、714の間の領域の外側に配置される。詳細には、ラッチ734は、第1の脚部712を表す平面と、第2の脚部714を表す平面との間の領域の外側に配置される。リブ736が、足部732から下方向に延びてクリップ710を強固にし、強化する。
【0022】
図50は、外壁720および内壁722を有するU字形状のスペード718を含むクリップ710の代替の実施形態を示す。スペード718は、外壁および内壁720、722の底部分上に位置する。内壁722は、第2の脚部714の長さを低減するが、内壁722は、クリップ710を針シールドに固定するかかり部726を含む。かかり部726を外壁720から内壁722に移動させることは、有利には、クリップ710をより狭小にする。詳細には、針シールドの外壁は、クリップ710を依然として適切に固定しながら、除去され得る。追加的に、クリップ710は、第1と第2の脚部712、714の間に配設された足部732およびラッチ734を含む。換言すれば、足部732およびラッチ734は、第1の脚部712を表す平面と第2の脚部714を表す平面との間に配置される。
【0023】
図51および
図52は、針シールド750の外側に露出されるより長い第2の脚部714を有するクリップ710の代替の実施形態を示す。詳細には、針シールド750は、針ハブによって覆われ、それにより、クリップ710は外側環境に露出されず、針シールド750の外側のみに露出される。スペード718は、第1の脚部712を表す平面と、第2の脚部714を表す平面との間に配設されて、クリップ710をさらに狭小にする。かかり部(図示せず)もまた、スペード718の内壁722に存在して、クリップ710を固定することができる。
【0024】
図51のクリップ710の別の代替の実施形態によれば、第1と第2の脚部712、714間の湾曲したセクション716は、平坦な表面とすることができる。そのようにすると、スペード718は、平坦な表面および底部分724を一緒に締め付け、または引き寄せることができる。そのような設計は、クリップ710の向上した保持を実現することができる。
【0025】
より長い第2の脚部714は、いくつかの利点を有する。より長いばね脚部は、より可撓性のあるV字形状のばねを作り出し、この場合、ばね力は、第2の脚部714の長さにわたってより均一にかけられる。追加的に、より可撓性のあるクリップ710は、ばねの全体的寿命を改良しながら強固性および内部応力を低減する。しかし、この場合、組み立てのアクセスおよび作動のためのクリップ710用の針シールド750内の開口部752は、針シールド750の強固性および全体強度を低減する。
【0026】
図53および
図54は、上記で説明した利点を有するより長い第2の脚部714を有するクリップ710の代替の実施形態を示す。スペード718の外壁720は、組み立て時、針シールド750の改変された開口部752を覆うためにさらに上方向に延びる。したがって、そのような設計は、破片または血液がクリップ710および針シールド750に入るのをブロックし、カテーテルアセンブリを外側環境から保護することができる。
【0027】
クリップ710は、第1のフラグ728および第2のフラグ730を含む。第1のフラグ728は、次の利点のために第1の脚部712および足部732に直接的に連結される。フラグ設計は、クリップ710の全体強度を改良し、製造を容易にし、よりコンパクトな設計を作り出し、金属くずを低減する。他方では、第2のフラグ730は、第2の脚部714のみに直接的に連結される。2つのフラグ728、730は、互いに共働して、針が針シールドの内側の後退した位置にあるとき、針シールドの開口部をブロックする。
【0028】
スペード718は、U字形状ではない。そうではなく、外壁720は、第2の脚部714の両側で内方向に曲げられ、次いで、第2の脚部714の各側から外方向に外方に曲げられる。したがって、内壁722は、実質的に外壁720に対して平行であるが、内壁722は、第2の脚部714の幅に直接的には連結されない。他方では、内壁722は、第2の脚部714の前部平面および後部平面に隣接して存在する。針シールド750内のスロット754は、かかり部726および内壁722と係合してクリップ710を固定する。
【0029】
この実施形態における針シールド750は、
図52の実施形態のものより強いが、改変された開口部752は、依然として針シールド750を脆弱化する。また、クリップ710は、製造中、難題を課す追加の曲げおよび増大された複雑性を含む。
【0030】
図55は、外壁720上のリブ736および足部732上のリブ736を含むクリップ710の代替の実施形態を示す。スペード718の外壁720のかかり部726が針シールドの外壁と係合するとき、反作用する抵抗力がクリップ710にかけられる。かけられる反作用力の量によっては、スペード718にあるクリップ710が、可塑的に変形し、さらには機能不全になる可能性がある。スペード718にあるクリップ710が、適切なばね寿命を維持するために弾性変形のみを受けることが好ましい。
【0031】
リブ736は、クリップ710の強度を向上させ、クリップ710が永久的に曲がるまたは歪む可能性を低減するための補強材として作用する。クリップ710はまた、フラグ728を含む。フラグ728は、第1の脚部712のみに直接的に連結される。したがって、フラグ728と足部732の間には空隙が存在して、有利には、製造可能にするための段取り作業、成形、および組み立ての目的を補助する。
【0032】
図56は、内壁722のみを有するスペード718を含むクリップ710の代替の実施形態を示す。スペード718は、針シールドの壁を一回りする外壁を有さない。内壁722は、クリップ710が組み立てられるときに針シールドと係合するかかり部726を含む。単一のかかり部726のみが示されているが、別のかかり部が第2の脚部714の他方の側に企図される。クリップ710内のばね力は、スペード718のかかり部726を針シールドに固定するために力をかける。このクリップ710の構成は、有利には、より狭小の設計を実現し、その理由は、クリップ710は針シールドの外側に巻き付かないためである。したがって、この設計もまた、組み立てを改良することができる。
【0033】
クリップ710はまた、フラグ728も含む。フラグ728は、第1の脚部712および足部732に直接的に連結される。このクリップ710の設計は、有利には、よりコンパクトな設計を作り出し、くず量を低減することによって、製造中の圧縮成形作動を改良する。
【0034】
図57および
図58は、外壁720の上部表面上に配設されたスペード718を含むクリップ710の代替の実施形態を示す。スペード718は、クリップ710を針シールド750に固定するための外壁720およびかかり部726を含む。外壁720は、スペード718の底部分724によって第2の脚部714に連結される。クリップ710のこの構成は、第1および第2の脚部712、714両方のための長いばね脚部を含む。長いばね脚部は、上記で説明したような低減された応力および増大された可撓性という利点をもたらす。
【0035】
図59および
図60は、針シールド50に装着するためのスペードを有さないクリップ710の代替の実施形態を示す。その代わり、第2の脚部714は、底部表面において約180°に曲がり(折り畳まれた表面に対応し)、第2の脚部714の両側の棚部723、(図示しないが両側の)内壁722およびかかり部726を形成する。
【0036】
クリップ710が組み立てられたとき、棚部723は、針シールド750の底部表面上に配設される。内壁722およびかかり部726は、針シールド750の内側空洞と係合してクリップ710を固定する。この構成は、第2の脚部714がより長い長さを有して上記で説明した利点を達成することを可能にする。しかし、180°の曲がりは、製造中および作動時に高い応力を作り出し得る。
【0037】
図61~65は、針シールド750内のクリップ710の代替の実施形態を示す。
図61は、最も下方の部分において曲がり部を有して棚部723を形成する長い第2の脚部714を含むクリップ710を示す。第2の脚部714は、その延長された長さに関して上記で説明した類似の利点を含む。追加的に、クリップ710は、(以下でさらに説明するように)クリップ710と係合し、これを針シールドに固定するための装着空洞738を含む。
【0038】
図61および
図62は、クリップ710の底部分上の足部732およびラッチ734を示す。フラグ728は、第2の脚部714に直接的に連結される。クリップ710は、さらに、約90度の角度で棚部723に取り付けられたかかり部726を含む。かかり部726は、(以下でさらに説明するように)クリップ710を針シールド750に固定する。
【0039】
図63は、クリップ710が針シールド内に組み立てられる様子を示すクリップ710の上面図を示す。詳細には、ユーザは、第1および第2の脚部712、714の外面に圧力をかけてこれらを互いに向けて圧縮する。より詳細には、ユーザは、クリップ710を、足部732の外面および棚部723の外面(把持箇所を示す矢印を参照)において保持し、これら2つの表面を引き寄せて組み立てを開始することができる。そのような構成は、クリップ710を針シールド内に組み立てることの助けとなる。
【0040】
図64は、針シールド750内に装着されたクリップ710を示す。クリップ710は、2つの状態で示されている。第1の状態は、圧縮された状態であり、ここではクリップ710は圧縮されて針シールド750内の組み立てを助ける。追加的に、第1の状態は、針シールド750の針が作動状態にある状態を示す。作動中、第1の脚部712は針(図示せず)と接触する。第1の状態では、装着空洞738は、針シールド750の装着突起部756に係合されない。
【0041】
第2の状態では、針が後退され、針先端部が針シールド750に入るとき、針はもはや第1の脚部712と接触せず(図示せず)、クリップ710が解放される。その結果、クリップ710の装着空洞738は、針シールド750内の装着突起部756と係合する。追加的に、フラグ728は、針が針シールド750を退出することをブロックする。
【0042】
したがって、装着空洞738と装着突起部756の間の係合は、有利には、クリップ710が、針シールド750から偶発的に解放されることを防止する。係合はまた、有利には、針シールド750内のクリップ710の望ましくない移動、および関係者以外のクリップ710の不正変更を防止する。
【0043】
図65は、針シールド750内に組み立てられたクリップ710を示す。針シールド750は、クリップ710のかかり部726を受け入れるハウジングスロット754を含む。棚部723は、針シールド750の底部表面上に配設される。ハウジングスロット754内のかかり部726の係合は、有利には、クリップ710が上方向に移動し、針シールド750を退出することを防止する。追加的に、クリップ710のかかり部726により、クリップ710を固定するために針シールド750の外壁を一回りするスペードの必要性がなくなる。したがって、クリップ710および針シールドアセンブリの幅は低減される。
【0044】
図66は、前壁742および後壁740を含むクリップ710の代替の実施形態を示す。前壁および後壁742、740は、針シールド内の針の長手方向軸に対して垂直である(図示せず)。詳細には、スペード718の外壁720は、第2の脚部714の各側で約90度に内方向に、針の長手方向軸に向かって曲げられる。前壁および後壁742、740は、針が作動中通過することを可能にする穴743を含む。かかり部726が、針シールド内の適切な装着のために後壁および前壁740、742の各々に配設される。
【0045】
図67は、
図66の実施形態に類似するクリップ710の代替の実施形態を示す。クリップ710は、後壁740を含むが、前壁742は含まない。詳細には、第2の脚部714の上側部分は、内方向に約90度に曲げられて上壁744になる。上壁744の後端部は、下方向に約90度に曲げられて後壁740を形成する。かかり部726は、後壁740上に配設されて針シールドにしっかりと装着される。
【0046】
図68は、圧縮ばねの代わりに引っ張りばねとして作用するクリップ710の代替の実施形態を示す。本明細書において説明するクリップの他の実施形態のすべてにおいて、針は、作動中、(圧縮ばねのように)クリップを圧縮する。針が取り外され、針シールド内に入るとき、クリップは針を解放し、針が退出することをブロックする(圧縮ばねの解放)。
【0047】
しかし、この実施形態によれば、クリップ710は、第1の脚部712と第2の脚部714の間に配設された第1の中間脚部746および第2の中間脚部748を含む。第1および第2の脚部712、714は、針シールドの対向する表面に取り付けられる。
【0048】
針が作動状態にあるとき、針は、第2の中間脚部748と接触して、クリップ710を延長位置にする。そのような位置は、第2の中間脚部748を引っ張りばねとして作動させる。詳細には、第2の中間脚部748は、自然に、第1の脚部712に向かって移動する傾向があるが、針は、これが起こることを防止する。
【0049】
針が針シールド内に後退したとき、第2の中間脚部748は、解放され、第1の脚部712に向かって移動する(引っ張りばねは正常位置に戻る)。したがって、フラグ728は、針の正面に移動し、針が針シールドを退出することをブロックする。
【0050】
図69は、開口部727を有するスペード718の外壁720を含むクリップ710の代替の実施形態を示す。開口部727は、クリップ710が組み立てられたとき、針シールド750の装着突起部756を受け入れる。そのような構成は、有利には、クリップ710を針シールド750に装着し、固定するための別の簡単な方法を提供する。
【0051】
図69のクリップ710の代替の実施形態によれば、外壁720は、垂直に配設され、外壁720から外方に延びる2つのかかり部を含むことができる。2つのかかり部は、針シールドの内側リブまたは内壁を締め付け、またはラッチ掛けする。そのような特徴は、有利には、クリップ710の全体幅を最小限に抑えながらクリップ710が確実に保持されることを可能にする。
【0052】
図70は、改変されたスペード718を含むクリップ710の代替の実施形態を示す。詳細には、スペード718は、かかり部726を備えた外壁720と、フラップ725を備えた内壁722とを含む。かかり部726およびフラップ725はまた、それぞれ入れ替えて、スペード718の対向する壁720、722上に配設することができる。クリップ710が針シールドに装着されたとき、かかり部726およびフラップ725各々は、針シールドの壁の側部と接触してクリップ710を固定する。換言すれば、かかり部726とフラップ725の間の接触は、クリップ710を締め付け、これを針シールドに固定する。
【0053】
図71は、外壁および内壁720、722がクリップ710の幅方向に延ばされる、
図70に類似するクリップ710の代替の実施形態を示す。詳細には、外壁および内壁720、722は、両側において第2の脚部714の幅を超えて延ばされて、有利には、クリップ710を固定するためのより大きい表面をもたらす。図示しないが、外壁および内壁720、722は、
図70に説明するように、かかり部726およびフラップ725を含むことができる。
【0054】
図72および
図73は、より短い第2の脚部714を含むクリップ710の代替の実施形態を示す。曲がり部が、第2の脚部714とスペード718の内壁722との間に配設されて、第2の脚部714をより短くする。その結果、第2の脚部714は、有利には、より強固でより強いクリップ710を実現する。
【0055】
図74は、第1と第2の脚部712、714の間に配設された足部732およびラッチ734を含むクリップ710の代替の実施形態を示す。足部732は、改良された強固性および強度をもたらすためのリブ736を含む。追加的に、フラグ728は、第1の脚部712に直接的に連結される。フラグ728は、足部732およびラッチ734に直接的に連結されない。フラグ728が第1の脚部712のみに取り付けられるクリップ710の設計は、有利には、製造中、段取り作業のための余分の空間を提供し、組み立てを改良する。
【0056】
図75は、第2の脚部714の上部分に棚部723を有する第2の脚部714を含むクリップ710の代替の実施形態を示す。第2の脚部714は、さらに、棚部723の下方に配設された後壁740を含む。後壁740は、約90度に内方向に第1の脚部712に向かって曲がる。後壁740は、針シールド上に装着されてクリップ710を固定するかかり部726を含む。
【0057】
これより前の図を参照すれば、
図40~48のクリップ40は、外側ハウジング38に連結され、このとき、スペード66は、外側ハウジング38の外部壁の周りに配置される。スペード66は、外側ハウジング38の外部壁に取り付けされ、それにより、スペード66の外壁70は、針シールド20の外側に露出される。この構成は、有利には、スペード66が、外壁70を外側ハウジング38の外側に露出させないように外側ハウジング38の内部空洞内に受け入れられる配置と比較して、針シールド20の幅を低減する。
図106~112に最もよく示されるように、スペード66の内壁72は、くぼみ内に配置され、2つのかかり部76は、内壁72から外方に延びて、針シールド20内の突出部89の対と係合する。2つのかかり部76は、クリップ40を針シールド20の内面にしっかりと締め付けることを助ける。クリップ40は、金属、エラストマ、ポリマー、または複合材料から形成され得る。さまざまな例示的な実施形態では、クリップ40は、ステンレス鋼などの弾性金属の薄い部片から形成される。
【0058】
図76~80に示す例示的な実施形態によれば、ワッシャ42は、実質的にL字形状に互いに連結されたベース88および側壁90を含む。側壁90は、じょうご部92および開口部94を含む。針12は、変形部96、たとえば針12の遠位端部の近くに形成されたクリンプまたは突起部を含む。ワッシャ42内の開口部94は、針シャフトの通過を可能にして、変形部96の通過は可能にしないようにサイズ設定される。じょうご部92は、針12の近位端部が、組み立て中、最初にワッシャ42を貫通して挿入されることをより容易にする。
【0059】
図81~89は、安定化ウィング216の対を有する代替の例示的なカテーテルハブ214を示す。
図90~103は、安定化ウィング316の対および側部ポート318を有する別の代替の例示的な側部ポートカテーテルハブ314を示す。側部ポートは、参照によって本明細書に組み込まれている特許文献2に説明されるように内部管状弁(図示せず)と連通する。代替のカテーテルハブ214、314の各々は、開口部236、336を備えたカラー234、334を有して針シールド20のラッチ84を受け入れる。
【0060】
カテーテルアセンブリは、針ハブ16に最初に取り付けられるプラグ320を含むことができる。針ハブ16および針シールド20がカテーテルハブから取り外された後、プラグ320を針ハブ16から取り外し、カテーテルハブの開いた近位端部に取り付けることができる。側部ポートカテーテル314のみと共に示されているが、プラグ320は、カテーテルハブ14、214、314のいずれとも使用することができる。
【0061】
図104~112は、作動中の
図1~12のカテーテルアセンブリ10を示す。最初に、針シールド20が、カテーテルハブ14に連結され、導入針12はカテーテルハブ14および針シールド20を通り抜ける。(
図30に標識された)針シールド20の突端部48は、針12が使用されているとき(第1の位置)カテーテルハブ14内に延びても延びなくてもよい。針12は、第1および第2のアーム60、62を互いに向かって押さえてクリップ40を付勢してロックされた位置にすることによってクリップ40と共働する。ロックされた位置では、ラッチ84は、カラー34と係合し、カテーテルハブ14からの針シールド20の取り外しを防止し、これは、
図108に最もよく示される。それと同時に、ロックされた位置では、ラッチ84は、カラー開口部36からずらされる。ラッチ84の位置は、針12に対して偏心している。クリップ40はまた、開位置にあり、針12がクリップ40内を横断することを可能にする。
【0062】
針12がカテーテルハブ14から引っ込められ、針シールド20内に入るとき、針12の先端部は、クリップ40を通過し、クリップ40は、弾性的に拡張させられ、それによって第2のアーム62を第1のアーム60から離れさせる。クリップ40が横方向に拡張するとき、一次および二次フラグ78、80が、外側ハウジング38の開口の遠位開口部44をブロックして、針12の先端部が外側ハウジング38の遠位端部を退出することを防止する。
【0063】
第2の脚部62の移動は、ラッチ84を、カラー34との係合から、カラー開口部36と位置合わせされた位置まで横方向に移動させ、針シールド20をカテーテルハブ14から係合解除またはロック解除することを可能にする。ラッチ84が移動する方向は、針12の中心線に対して横方向である。ラッチ84の移動は、針12に向かうまたは針12から離れる径方向のものではない。さらに、ラッチ84が調整されるとき、ラッチ84は、中心揃えされる位置まで移動し、次いで、最終的には針12に対して偏心して移動する。針12の第1の位置および第2の位置にあるラッチ84の偏心位置は、対称的に互いの反対側にある。
【0064】
フラグ78、80が針12をブロックするときの位置では、クリップ40は、閉位置に移動する。それと同時に、針12は、第1の針位置から後退された第2の位置に入り、それによって針12のさらなる使用を防止する。上記で説明したような第1の位置は、たとえば、第2の位置に入る前の針12のすべての位置として理解される。
【0065】
針12が近位方向にさらに引っ張られるにつれて、針12のシャフトは、針12の遠位端部近くに形成された変形部96がワッシャ42と共働し係合するまで、針シールド20を通って摺動し、これは
図107に示される。ワッシャ42内の開口部は、針シャフトの通過を可能にするが、変形部96の通過は可能にしないようにサイズ設定される。したがって、ワッシャ42は、針12が第2の位置にあるときに、針12の遠位先端部および変形部96が針シールド20を退出することを防止する。ワッシャ42および針シールド20の組合せは、この第2の位置にある針12の遠位先端部を封入、または覆う。針12のさらなる近位方向の移動の結果、針シールド20は、カテーテルハブ14から引き離される。
【0066】
クリップ40およびワッシャ42の組合せは、例示的な針先端部保護機構として作用する。この針先端部保護機構は、遠位針先端部および変形部96を封入し、または覆い、針12のこれらの部分が針シールド20を退出することを防止する。
【0067】
この実施形態において使用されるタイプの針先端部保護機構に関するさらなる情報は、特許文献3および特許文献4、ならびに特許文献1に見出すことができ、これら文献の内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。針保護特徴を含むこの実施形態において説明される特徴は、本出願を通じて説明する特徴と組み合わせて使用することができる。
【0068】
図113~116に示すように、クリップ40および切欠部付きカラー34の使用は、より小さくよりコンパクトな設計を可能にする。カラー開口部36を有さない場合、ラッチ84は、カラーを通過し、針シールド20の係合解除を可能にするために距離B1を移動する必要がある。カラー開口部36を有する場合、ラッチ84は、カテーテルハブ14全体を通過する必要はなく、B1より小さい距離B2を移動するだけでよい。
【0069】
図117および
図118は、カテーテル弁アクチュエータ28の使用を示す。導入針12は、最初、アクチュエータ28、セプタム26、ウェッジ24、およびカテーテルチューブ22を通って延びる。導入針12およびカテーテルチューブ22が患者に挿入された後、針12は引っ込められて、セプタム26を閉じる。雄型ルアーコネクタ98がカテーテルハブ14に挿入されると、ルアーコネクタ98は、アクチュエータ28と当接し、遠位方向に移動させて、付勢部材30を圧縮する。ルアーコネクタ98のさらなる挿入により、アクチュエータ28はセプタム26を通って移動して、スリットを開き、流体がカテーテルハブ14を通って流れることを可能にする。
【0070】
ルアーコネクタ98が取り外されたとき、付勢部材30は、アクチュエータ28を反対方向に移動させ、これをセプタム26から取り外してスリットを閉じ、流体がそこを流れることを防止する。これにより、ルアーコネクタ98が取り外された後アクチュエータがセプタム内に留まる単回使用のカテーテルとは反対に、カテーテルを、患者の静脈内にある間に再使用することが可能になる。しかし、単回使用のカテーテルもまた、本明細書において説明する針シールド20と共に使用することができる。
【0071】
アクチュエータ28は、内部通路を取り囲むアクチュエータバレル100を有する。アクチュエータバレル10は、実質的に管状部材であり、内部通路は、実質的に円筒状である。アクチュエータバレル100の第1の端部は、面取りされた外面を備えた突端部を有してセプタム26と係合する。管状部材は、1または複数の開口部102を有して、アクチュエータバレル100の内外の流体の流れを可能にする。アクチュエータ28は、雄型ルアーコネクタと係合するための後部分を含む。
【0072】
図117に示す第1の例示的な実施形態では、アクチュエータ28は、開口部102の第1および第2の組をバレル内に含み、開口部の第1の組は突端部の近くにある。開口部はまた、
図106~107のアクチュエータ28内にも示される。
図117のアクチュエータ28の後部分はまた、バレルから延び、リング106に連結された脚部104の組も含む。この実施形態において説明する特徴は、本出願を通じて説明する特徴と組み合わせて使用することができる。
【0073】
図119~121に示す第2の例示的な実施形態では、アクチュエータ28Aは、溝101Aの組および開口部102Aの組を含む。溝101Aは、突端部からアクチュエータバレル100Aの後部に向かって延びる。開口部102Aは、バレル100Aの後部に向かって配置される。アクチュエータ28Aがセプタム26を通って延びるとき、溝101Aは、流体を、セプタム26の近位側に留まる開口部102Aまで導く。溝101Aは、開口部102Aの側部に配置されるか、または開口部102Aにまっすぐに沿って配置され得る。アクチュエータの後部分は、バレルから延びる脚部104Aの組を含む。
図121に示すように、リング106Aが、脚部104Aに連結されて、ルアーコネクタ98と係合することができ、または、ルアーコネクタ98は、
図119および120に示すように脚部104Aと直接係合することができる。この実施形態において説明する特徴は、本出願を通じて説明する特徴と組み合わせて使用することができる。
【0074】
例示的な実施形態では、付勢部材30は、たとえば遠位端部および近位端部を備えたらせん圧縮ばねなどのばねである。ばねは、金属、プラスチック、エラストマ、または別の適切な弾性材料から作製され得る。ばねの遠位端部は、カテーテルハブ14の内面と締まりばめを形成する。締まりばめは、荷重をかける間であってもばねを保持するのに十分なものになり得る。ばねの近位端部は、アクチュエータ28と連結する。この実施形態において説明する特徴は、この出願を通じて説明する特徴と組み合わせて使用することができる。
【0075】
図122~126は、カテーテルアセンブリのさまざまな例示的な血液フラッシュバック特徴を示す。フラッシュバックは、針の先端が静脈に入ったことを裏付ける血液の視認である。一次フラッシュバック400は、血液が進行して中空針12の開いた遠位端部に入り、針先端部近くの針12内の切欠部または開口部402(
図13にも見ることができる)を出て、針12とカテーテルチュービング22の内側との間の内部環状空間を通って上昇するときにカテーテルチューブを通して見られる。二次フラッシュバック404は、これが針12の後部を出て、針ハブ/グリップ内のフラッシュ室に入るときに針ハブ/グリップ16内に見られる。空気が、針ハブ/グリップ16の後部内のプラグによって、多孔性膜またはマイクロ溝によって排出される。三次フラッシュバック406は、カテーテルハブ14内であり、一次フラッシュバック400からの血液がこの中に流入し、血液制御セプタム26において停止する。空気は、血液制御セプタム26の周囲内のマイクロ溝によって排出される。この実施形態において説明する特徴は、本出願を通じて説明する特徴と組み合わせて使用することができる。
【0076】
図127は、
図121のアクチュエータをさらに詳細に示す。アクチュエータ554は、
図117~120に示すカテーテルアセンブリにおいて使用され得る。アクチュエータ554は、カテーテルハブアセンブリのセプタム538内を貫くときの摩擦を低減する突端部558を含む。アクチュエータ554はさらに、開口部555を含み、開口部555は、アクチュエータ554の中心線に対して垂直な方向にアクチュエータ554を貫通して延びる。たとえば、アクチュエータ554は、2つの矩形形状の開口部555を含むことができるが、これより多いまたは少ないことも企図される。
【0077】
アクチュエータ554はまた、複数の溝557も含み、その溝557は、アクチュエータ554の中心線に対して平行な平面内でアクチュエータ554の外面の遠位部分に沿って軸方向に延びる。たとえば、互いから実質的に径方向に等間隔にある4つの溝557が、アクチュエータ554の遠位部分の外部表面に沿って存在することができるが、これより多いまたは少ない溝557も企図される。溝557は、アクチュエータ554へと入るさまざまな深さにすることができる。溝557は、アクチュエータ554を貫通して延びるのではないため、開口部555とは異なる。
【0078】
開口部555および溝557は、有利には、流体がカテーテルハブアセンブリの内側で移動するための増大された領域をもたらす。増大された領域は、有利には、流体のフラッシングを可能にし、セプタムの近位および遠位端部内の流体の凝固を防止することを可能にする。さらに、開口部555および複数の溝557は、有利には、流体の停滞を最小限に抑え、より優れた混合を可能にする。溝557は、さらに、作動中、セプタムがアクチュエータの外側表面を封止することを防止する。封止接面を形成しないことにより、流体は、溝57を介してセプタムから漏出され、さらなるフラッシングをもたらすことが可能にされる。
【0079】
図128は、カテーテルハブアセンブリ内の
図127のアクチュエータ554を示す。上記で説明した実施形態に類似して、カテーテルハブアセンブリは、さらに、カテーテルハブ514と、セプタム538と、付勢部材556とを含む。図示するように、アクチュエータ554の開口部555および溝557は、カテーテルハブ514内側の流体の流れのためのより多くの領域をもたらし、こうして上記で説明した利点を達成する。
【0080】
図129および
図130は、付勢部材556が圧縮され、アクチュエータ554がセプタム538を貫いたときのカテーテルハブアセンブリを示す。カテーテルハブアセンブリは、任意選択によりアクチュエータ554の開口部555および/または溝557がセプタム538を貫くように構成され得る。この実施形態では、アクチュエータ554内の開口部555は、セプタム538を貫かない。しかし、アクチュエータ554内の溝557は、セプタム538を貫く。この構成は、上記で説明した利点に加えて、セプタム538の近位端部から遠端部までの溝557を通る増大された流体の流れを可能にする。カテーテルアセンブリの作動が完了した後、アクチュエータ554は、付勢部材556によって及ぼされた力によってセプタム538から後退される。カテーテルアセンブリは、アクチュエータ554の押し下げ時に複数回使用するように構成される。アクチュエータを含む、この実施形態において説明する特徴は、本出願を通じて説明する特徴と組み合わせて使用することができる。
【0081】
図131は、カテーテルハブアセンブリ内のアクチュエータ664の別の実施形態を示す。カテーテルハブアセンブリは、側部ポート668を有するカテーテルハブ662を含む。側部ポート668は、カテーテルハブ662内の流体の流れへの二次的なアクセスをもたらす。カテーテルハブ662の主要孔および側部ポート668の交差部は、スリーブ672を含む。スリーブ672は、側部ポート668とカテーテルハブ662の間に選択的な流体連通をもたらす。詳細には、十分な流体圧力が、側部ポート168を通じてかけられたとき、スリーブ672は圧縮する。スリーブ672の圧縮は、流体がカテーテルハブ662に入ることを可能にする。カテーテルハブアセンブリは、さらに、セプタム670と、アクチュエータ664に張力をもたらす付勢部材666とを含む。
【0082】
アクチュエータ664は、上記で説明した類似の方法でアクチュエータ664を通って延びる複数の開口部665を含む。アクチュエータ664は、異なるサイズおよび類似の間隔を有する4つの開口部665の2列を含むが、開口部665のさまざまな数、サイズ、および間隔が企図される。図示するように、開口部665は、カテーテルハブ662内側の流体の流れのためのより多くの領域をもたらし、それにより、
図127~130に対して上記で説明した類似の利点を達成する。
【0083】
図132および
図133は、アクチュエータ664がセプタム670を貫き、付勢部材666を圧縮するときのカテーテルハブアセンブリを示す。カテーテルハブアセンブリは、任意選択によりアクチュエータ664の開口部665がセプタム670を貫くように構成される。この実施形態では、アクチュエータ664内の開口部665は、セプタム670を貫かない。この構成は、上記で説明した利点に加えて、セプタム670の近位端部において側部ポート668とカテーテルハブ662の間の増大された流体の流れを可能にする。アクチュエータ664内の開口部665がセプタム670を貫通する場合、流体の増大された混合は、セプタム670の遠位端部においても起こる。
【0084】
カテーテルアセンブリの作動が完了したとき、アクチュエータ664は、付勢部材666によって及ぼされた力によってセプタム670から後退される。カテーテルアセンブリは、アクチュエータ664の押し下げ時に複数回使用するように構成される。アクチュエータなどのこの実施形態において説明する特徴は、本出願を通じて説明する特徴と組み合わせて使用することができる。
【0085】
別の例示的な実施形態では、上記で説明したようなカテーテルハブのカラーは、切欠部を画定する任意の他の構造によって置き換えられ得る。たとえば、カラーは、カテーテルハブの溝またはくぼみでよい。したがって、カテーテルハブの溝は、上記で説明した類似の方法でクリップと係合および係合解除するために使用され得る。この実施形態において説明する特徴は、本出願を通じて説明する特徴と組み合わせて使用することができる。
【0086】
特定の例示的な実施形態の前述の詳細な説明は、本発明の原理およびその実用的適用を説明する目的で提供されており、それによって当業者が、さまざまな実施形態に対して、および企図する特定の使用に適合するようなさまざまな改変形態と共に本発明を理解することを可能にする。本説明は、必ずしも、包括的であるよう、または本発明を開示する例示的な実施形態に限定するよう意図されるものではない。本明細書において開示する実施形態および/または要素のいずれも、互いに組み合わせて、詳細には開示しないさまざまな追加の実施形態を形成してよい。したがって、追加の実施形態が可能であり、本明細書および付属の特許請求の範囲内に包含されるよう意図される。本明細書は、別の方法で達成することもできるより全体的な目標を達成するために特有の例を説明する。
【0087】
本出願では、用語「前部」、「後部」、「上側」、「下側」、「上方向」、「下方向」、および他の向きを記述する語は、本発明の例示的な実施形態の説明を容易にするよう意図され、本発明の例示的な実施形態の構造をいかなる特定の配置または配向にも限定するようには意図されない。「実質的に」または「約」などの程度の用語は、所与の値の外側の適切な範囲、たとえば、説明する実施形態の製造、組み立て、および使用に関連する一般的な公差を指すものと当業者に理解される。