(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】アトマイザーおよび電子タバコ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20231121BHJP
A24F 40/10 20200101ALN20231121BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/10
(21)【出願番号】P 2022116387
(22)【出願日】2022-07-21
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202210404250.6
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515287066
【氏名又は名称】立訊精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】LUXSHARE PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Floor 2,Block A,Sanyo New Industrial Area, West Haoyi Community, Shajing Subdistrict Office,Bao’an District,Shenzhen,Guangdong,518104,P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 華兵
(72)【発明者】
【氏名】黄 ▲うぃ▼
(72)【発明者】
【氏名】頼 中元
(72)【発明者】
【氏名】何 磊
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/011115(WO,A1)
【文献】特表2021-523678(JP,A)
【文献】特表2016-511008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アトマイザー(A)であって、
対向する第1の端面(
a)と第2の端面(
b)とを含み、前記第1の端面(
a)から前記第2の端面(
b)まで貫通する貫通孔(101)と、前記第2の端面(
b)から前記第1の端面(
a)に向かって凹む収容溝(102)とを有する台座(10)と、
前記収容溝(102)に圧着されており、電子タバコロッド(B)と突き合わせる端子(20)であって、固定部(201)と、前記固定部(201)の一端から拡散延在する係合部(202)であって、端部から前記固定部(201)に向かって凹んで係合溝(203)が形成されている係合部(202)とを含む端子(20)と、
前記貫通孔(101)を貫通する本体部(3011)と、前記本体部(3011)から前記収容溝(102)に向かって延在する操舵部(3012)と、前記操舵部(3012)から前記収容溝(102)内に延在する接続部(3013)とを含むピン(301)が設けられている霧化コア(30)と、を含み、
前記接続部(3013)は前記係合溝(203)を通過して前記固定部(201)と前記収容溝(102)との間に固定されており、前記接続部(3013)は、前記霧化コア(30)と前記端子(20)と
を電気的に
接続することを特徴とするアトマイザー。
【請求項2】
前記アトマイザー(A)は、
両端が開口してキャビティが形成されており、第1端が前記貫通孔(101)に合わせて前記台座(10)に固設されている固定ホルダ(40)をさらに含み、
前記霧化コア(30)が前記キャビティに合わせて前記固定ホルダ(40)の第2端に設置されていることを特徴とする請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項3】
前記固定ホルダ(40)の第1端には、ガス通過孔(401)および線通過孔(402)が設けられており、
前記ピン(301)は、前記線通過孔(402)を介して前記貫通孔(101)を通過することを特徴とする請求項2に記載のアトマイザー。
【請求項4】
前記台座(10)には、前記第1の端面(
a)から前記第2の端面(
b)に向かって凹んで凹み溝(103)が形成されており、
前記貫通孔(101)は前記凹み溝(103)の溝底を貫通し、
前記固定ホルダ(40)の第1端は、前記凹み溝(103)内に固設されていることを特徴とする請求項2に記載のアトマイザー。
【請求項5】
前記アトマイザー(A)は、
パイプ口が前記固定ホルダ(40)の第2端の開口に合わせるタバコリキッドパイプ(50)をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載のアトマイザー。
【請求項6】
前記アトマイザー(A)は、
前記固定ホルダ(40)と前記タバコリキッドパイプ(50)とを固定接続するブラケット(60)をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のアトマイザー。
【請求項7】
前記アトマイザー(A)は、
前記固定ホルダ(40)と前記タバコリキッドパイプ(50)と
の間に介設され
た、第1端が前記台座(10)の第1の端面(
a)に貼り合わされる貯蔵コットン(70)をさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のアトマイザー。
【請求項8】
前記アトマイザー(A)は、
前記貯蔵コットン(70)の第2端に蓋設されており、ガイド孔(801)が設けられており、前記ガイド孔(801)が前記タバコリキッドパイプ(50)のパイプ口に合わせる端蓋(80)をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のアトマイザー。
【請求項9】
前記アトマイザー(A)は、
前記端蓋(80)に蓋設されており、漏れ孔(901)が設けられており、前記漏れ孔(901)が前記ガイド孔(801)に合わせる吸収コットン(90)をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のアトマイザー。
【請求項10】
前記端蓋(80)にはストッパ溝(802)が設けられており、
前記吸収コットン(90)が前記ストッパ溝(802)内に設けられていることを特徴とする請求項9に記載のアトマイザー。
【請求項11】
前記端蓋(80)にはパイプ(803)が設けられており、
前記ガイド孔(801)は前記パイプ(803)上に位置し、
前記パイプ(803)の第1端は前記タバコリキッドパイプ(50)に挿入されていることを特徴とする請求項9に記載のアトマイザー。
【請求項12】
前記パイプ(803)の第2端
は前記吸収コットン(90)に設けられた前記漏れ孔(901)に挿入されていることを特徴とする請求項11に記載のアトマイザー。
【請求項13】
前記アトマイザー(A)は、
前記貯蔵コットン(70)の外側に
設けられているカバー(100)をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のアトマイザー。
【請求項14】
前記台座(10)の第1の端面(A)は端縁が凹んで第1の階段構造(104)を形成し、
前記端蓋(80)の前記台座(10)に向かう側は端縁が凹んで第2の階段構造(804)を形成し、
前記カバー(100)は、前記第1の階段構造(104)と前記第2の階段構造(804)とによって前記台座(10)と前記端蓋(80)との間に固設されていることを特徴とする請求項13に記載のアトマイザー。
【請求項15】
前記アトマイザー(A)は、
両端が開口し、第1端は前記端蓋(80)に
取り付けられており、第2端は開口部から第2端に向かって排気管(1101)が延在形成されており、前記排気管(1101)が前記漏れ孔(901)に合わせるドリップチップ(110)をさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のアトマイザー。
【請求項16】
前記アトマイザー(A)は、
前記ドリップチップ(110)の第2端から前記排気管(1101)を閉塞するための漏れ止めプラグ(120)をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のアトマイザー。
【請求項17】
前記台座(10)には前記第2の端面(
b)から前記第1の端面(a)に向かって凹んで凹溝(105)が形成されており、
前記貫通孔(101)は前記第1の端面(
a)から前記凹溝(105)の溝底まで貫通されていることを特徴とする請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項18】
前記台座(10)には前記第2の端面(
b)が凹んで前記収容溝(102)と前記凹溝(105)とを連通する線通過溝(106)が形成されており、
前記ピン(301)の操舵部(3012)は前記線通過溝(106)内に位置することを特徴とする請求項17に記載のアトマイザー。
【請求項19】
前記線通過溝(106)の両端から前記第1の端面(
a)に向かって斜面(107)
が形成され、前記斜面(107)の傾斜角度は2度より大きく、または前記操舵部(3012)の折り曲げ角度に一致することを特徴とする請求項18に記載のアトマイザー。
【請求項20】
前記係合部(202)には端部から前記固定部(201)に向かって凹んで複数の係合溝(203)が形成されており、隣接する2つの前記係合溝(203)の間
の間隔は一定であり、少なくとも1つの前記係合溝(203)
には、前記固定部(201)の方向に向かって少なくとも1つのスリット(204)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項21】
前記係合溝(203)が前記固定部(201)の方向に向かって少なくとも1つのスリット(204)が設けられており、前記スリット(204)の長さは前記係合溝(203)の深さ以下であることを特徴とする請求項1に記載のアトマイザー。
【請求項22】
電子タバコであって、
電子タバコロッド(B)と、
電子タバコロッド(B)と突き合わせるように配置されている請求項1に記載のアトマイザー(A)と、を含むことを特徴とする電子タバコ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子タバコ部品の技術分野に関し、特にアトマイザーおよび電子タバコに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、伝統的なタバコの代わりに電子タバコを選ぶ喫煙者が増えている。電子タバコは電気加熱を利用してタバコリキッドを霧化し、喫煙者に霧化されたタバコリキッドを吸ってタバコを吸う目的を達成させる。従来の電子タバコの生産時には、アトマイザー(カートリッジとも呼ばれる)における霧化コアピンや、タバコロッドを接続する端子などが溶接によって固定される必要があるため、高い人的コストがかかり、プロセス効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はこれに鑑みて、端子が霧化コアピンを係合し、圧着することにより、溶接プロセス上の人的コストを節約し、プロセス効率を向上させることができるアトマイザーおよび電子タバコを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の形態によれば、本発明の実施例はアトマイザーであって、
対向する第1の端面と第2の端面とを含み、第1の端面から第2の端面まで貫通する貫通孔と、第2の端面から第1の端面に向かって凹む収容溝とを有する台座と、
収容溝に圧着されており、電子タバコロッドと突き合わせるの、筒状固定部と、固定部の一端から拡散延在するの、端部から固定部に向かって凹んで係合溝が形成されている係合部とを含む端子と、
貫通孔を通過する本体部と、本体部から収容溝に向かって延在する操舵部と、操舵部から収容溝内に延在する接続部とを含むピンが設けられている霧化コアと、を含み、
接続部は係合溝を通過して固定部と収容溝との間に固定されており、接続部は、霧化コアと端子とが電気的に接続されているように係合溝を接続する。
【0005】
さらに、アトマイザーは、
両端が開口してキャビティが形成されており、第1端が貫通孔に合わせて台座に固設されている固定ホルダをさらに含み、
霧化コアがキャビティに合わせて固定ホルダの第2端に設置されている。
【0006】
さらに、固定ホルダの第1端には、ガス通過孔および線通過孔が設けられており、
ピンは、線通過孔を介して貫通孔を通過する。
【0007】
さらに、台座には、第1の端面から第2の端面に向かって凹んで凹み溝が形成されており、
貫通孔は凹み溝の溝底を貫通し、
固定ホルダの第1端は、凹み溝内に固設されている。
【0008】
さらに、アトマイザーは、
パイプ口が固定ホルダの第2端の開口に合わせるタバコリキッドパイプをさらに含む。
【0009】
さらに、アトマイザーは、
固定ホルダとタバコリキッドパイプとを固定接続するブラケットをさらに含む。
【0010】
さらに、アトマイザーは、
固定ホルダとタバコリキッドパイプとに介設されており、第1端が台座の第1の端面に貼り合わされる貯蔵コットンをさらに含む。
【0011】
さらに、アトマイザーは、
ベイプコットンの第2端に蓋設されており、ガイド孔が設けられており、ガイド孔がタバコリキッドパイプのパイプ口に合わせる端蓋をさらに含む。
【0012】
さらに、アトマイザーは、
端蓋に蓋設されており、漏れ孔が設けられており、漏れ孔がガイド孔に合わせる吸収コットンをさらに含む。
【0013】
さらに、端蓋にはストッパ溝が設けられており、
吸収コットンがストッパ溝内に設けられている。
【0014】
さらに、端蓋にはパイプが設けられており、
ガイド孔はパイプ上に位置し、
パイプの第1端はタバコリキッドパイプに挿入されている。
【0015】
さらに、吸収コットンは漏れ孔を介してパイプの第2端に介設されている。
さらに、アトマイザーは、
貯蔵コットンの外側に介設されているカバーをさらに含む。
【0016】
さらに、台座の第1の端面は端縁が凹んで第1の階段構造を形成し、
端蓋の台座に向かう側は端縁が凹んで第2の階段構造を形成し、
カバーは、第1の階段構造と第2の階段構造とによって台座と端蓋との間に固設されている。
【0017】
さらに、アトマイザーは、
両端が開口し、第1端は端蓋に介設されており、第2端は開口部から第2端に向かって排気管が延在形成されており、排気管が漏れ孔に合わせるドリップチップをさらに含む。
【0018】
さらに、アトマイザーは、
ドリップチップの第2端から排気管を閉塞するための漏れ止めプラグをさらに含む。
【0019】
さらに、台座には第2の端面から第1の端面に向かって凹んで凹溝が形成されており、
貫通孔は第1の端面から凹溝の溝底まで貫通されている。
【0020】
さらに、台座には第2の端面が凹んで収容溝と凹溝とを連通する線通過溝が形成されており、
ピンの操舵部は線通過溝内に位置する。
【0021】
さらに、線通過溝の両端から第1の端面に向かって斜面として形成され、斜面の傾斜角度は2度より大きく、または操舵部の折り曲げ角度に一致する。
【0022】
さらに、係合部には端部から固定部に向かって凹んで複数の係合溝が形成されており、隣接する2つの係合溝の間に一定間隔をあけて、少なくとも1つの係合溝が固定部の方向に向かって少なくとも1つのスリットが設けられている。
【0023】
さらに、係合溝が固定部の方向に向かって少なくとも1つのスリットが設けられており、スリットの長さは係合溝の深さ以下である。
【0024】
第2の形態によれば、本発明の実施例は電子タバコであって、
電子タバコロッドと、
電子タバコロッドと突き合わせるように配置されている第1の形態に記載のアトマイザーと、を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例はアトマイザーおよび電子タバコを提供し、前記アトマイザーは台座と、端子と、霧化コアとを含む。霧化コアのピンは台座上の貫通孔を通過し、折り曲げられて台座上の収容溝に挿入されている。端子は収容溝内に圧着されており、筒状の固定部と固定部の一端から拡散延在する係合部とを含み、係合部は端部から固定部に向かって凹んで係合溝を形成し、霧化コアのピンが係合溝を通過して固定部と収容溝との間に固定されている。これにより、アトマイザーが簡単な組み立てだけで成形でき、溶接プロセス上の人的コストを節約でき、自動化作業に操作性があり、プロセス効率の向上に役立つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
以下の図面を参照して本発明の実施例を説明することにより、本発明の上述およびその他の目的、特徴および利点がより明確になる。
【
図1】本発明の実施例に係る電子タバコの構造概略図である。
【
図2】本発明の実施例に係る電子タバコの分割概略図である。
【
図3】本発明の実施例に係る電子タバコの断面概略図である。
【
図4】本発明の実施例に係るアトマイザーの構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例に係るアトマイザーの断面概略図である。
【
図6】本発明の実施例に係るアトマイザーの爆発概略図である。
【
図7】本発明の実施例に係る台座の構造概略図である。
【
図8】本発明の実施例に係る台座の別の視点の構造概略図である。
【
図9】本発明の実施例に係る端子の構造概略図である。
【
図10】本発明の実施例に係る霧化コアの構造概略図である。
【
図11】本発明の実施例に係る固定ホルダの構造概略図である。
【
図12】本発明の実施例に係る固定ホルダの別の視点の構造概略図である。
【
図13】本発明の実施例に係るタバコリキッドパイプの構造概略図である。
【
図14】本発明の実施例に係るブラケットの構造概略図である。
【
図15】本発明の実施例に係る貯蔵コットンの構造概略図である。
【
図16】本発明の実施例に係る端蓋の構造概略図である。
【
図17】本発明の実施例に係る端蓋の別の視点の構造概略図である。
【
図18】本発明の実施例に係る吸収コットンの構造概略図である。
【
図19】本発明の実施例に係るカバーの構造概略図である。
【
図20】本発明の実施例に係るドリップチップの構造概略図である。
【
図21】本発明の実施例に係るドリップチップの別の角度の構造概略図である。
【
図22】本発明の実施例に係る漏れ止めプラグの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、実施例に基づいて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、本発明の詳細な説明では、特定の詳細な部分について詳しく説明する。本発明は、当業者にとってこれらの詳細な部分の説明がなくても完全に理解できる。本発明の本質を混同することを避けるために、公知の方法、プロセス、フロー、素子、回路は詳細に述べられていない。
【0028】
また、本明細書で提供される図面は、説明の目的のために提供され、必ずしも比例して描かれたものではないことを当業者は理解するであろう。
【0029】
文脈が明確に要求されない限り、明細書の「含む」、「備える」などの類似語は、排他的または貧挙的な意味ではなく、含む意味として解釈されるべきである。つまり、「含むがこれに限らない」という意味である。
【0030】
本発明の説明では、用語「第1」、「第2」などは、説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を指示するものまたは暗示するものとしては理解できないことを理解する必要がある。さらに、本発明の説明では、特に説明がない限り、「複数」の意味は2つまたは2つ以上である。
【0031】
図1は本発明の実施例に係る電子タバコの組立概略図であり、
図2は本発明の実施例に係る電子タバコの分割概略図であり、
図3は本発明の実施例に係る電子タバコの断面概略図であり、
図1~3に示すように、本実施例に係る電子タバコは、電子タバコロッドBと、電子タバコロッドBに着脱可能に取り付けられたアトマイザーAとを含む。アトマイザーAはタバコリキッドの貯蔵体であり、電子タバコが動作すると、アトマイザーAのタバコリキッドが加熱霧化され、使用者に吸われることができることが理解されやすい。
【0032】
図4は本発明の実施例に係るアトマイザーAの構造概略図であり、
図5は本発明の実施例に係るアトマイザーAの断面概略図であり、
図6は本発明の実施例に係るアトマイザーAの爆発概略図であり、
図4~6に示すように、本実施例に係るアトマイザーAは台座10と、端子20と、霧化コア30とを含む。具体的には、
図7は本発明の実施例に係る台座10の構造概略図であり、
図8は本発明の実施例に係る台座10の別の視点の構造概略図であり、
図7~8に示すように、台座110は全体的にディスク状構造に設置されており、対向する第1の端面Aと第2の端面Bとを含む。あるいは、台座10はシリカゲルからなる。さらに、台座10は、第1の端面Aから第2の端面Bまで貫通する貫通孔101と、第2の端面Bから第1の端面Aに向かって凹む収容溝102とを有する。なお、本実施例では、貫通孔101は、配線および通気として機能し、収容溝102は、端子20を収容してアトマイザーAを端子20を介して電子タバコロッドBと電気的に接続するためのものである。
【0033】
具体的には、
図9は本発明の実施例に係る端子20の構造概略図であり、
図9に示すように、端子20は収容溝102内に圧着されており、固定部201と、固定部201の一端から拡散延在する係合部202とを含む。なお、端子20は、銅または他の導電性の良い材料からなる。一実施形態では、収容溝102は円形溝として設けられ、固定部201は対応して円筒状に設けられている。アトマイザーAが電子タバコロッドBと突き合わせると、電子タバコロッドBの給電端子B1は固定部201内、すなわち収容溝102内に挿入されている。さらに、係合部202には端部から固定部201に向かって凹んで係合溝203が形成されている。あるいは、係合溝203の一部は固定部201に位置する。なお、係合溝203の数と位置は、実際の必要に応じて設定することができる。本実施例では、係合溝203の数は4つあり、係合部202に均一に配置されており、隣接する2つの係合溝203の間は一定の間隔をあけるが、係合溝203は、給電端子B1を端子20に組み付ける際に、弾性変形によって固定部201を給電端子B1の外側面に貼り付けることができる。さらに、複数の係合溝203の設置は、使用者が組立時に端子20と高速に係合固定することができ、高速組立の効果を実現するのに役立つ。1つの係合溝203が組み立てまたは取り外し後に破損または変形しすぎると、接続の有効性を確保することができる他の係合溝203もある。
【0034】
さらに、
図10は本発明の実施例に係る霧化コア30の構造概略図であり、
図10に示すように、霧化コア30にはピン301が設けられている。あるいは、霧化コア30はセラミックス霧化コア、コットン霧化コアまたはグリッド霧化コアなどの加熱機能を実現できる霧化コアを選択し、霧化コア30はピン301を介して電子タバコロッドBの給電端子B1に接続されており、加熱によってタバコリキッドを霧化することができる。あるいは、ピン301は銅または他の導電性の良い材料からなる。一実施形態では、ピン301は、本体部3011と、操舵部3012と、接続部3013とを含む。本体部3011は貫通孔101を通過し、操舵部3012は本体部3011から収容溝102に向かって延在し、接続部3013は操舵部3012から収容溝102内に延在している。ピン301は、操舵部3012によって折り曲げられ、接続部3013が端子20に接続されるように、すなわち電子タバコロッドBの給電端子B1に接続されるように、実際の必要に応じて適切な位置に接続部3013を設けることができる。
【0035】
本実施例では、接続部3013は係合溝203を通過して固定部201と収容溝102との間に固定されている。一実施形態では、1つの係合溝203の溝底には、係合部202から離れる方向に向かって固定部201を貫通するスリット204を形成し、スリット204の長さは係合溝203の深さ以下である。スリット204は、端子20が弾性変形を可能にし、スリット204の長さの大きさが端子20の弾性変形の状態に影響を与える。スリット204の長さが係合溝203の深さ以下である場合、端子20が収容溝102に挿入された後、収容溝102の内壁に密着することができ、接続部3013が端子20によって押圧されることを保証でき、ピン301の脱落によって電子タバコが使用できなくなることを防止でき、霧化コア30と端子20とを確実に電気的に接続することができる。これにより、端子20を介してピン301を圧着し、溶接プロセスを省き、人力を節約するとともに、自動化を実現しやすく、プロセス効率を向上させることに有利である。
【0036】
なお、本実施例の霧化コア30は2つのピン301を有し、収容溝102の数は2つに対応して設けられており、端子20の数は2つに対応して設けられている。さらに、端子20は、収容溝102に装着されると、ピン301を配置するために、1つの係合溝203が貫通孔101に向かって設けられる。
【0037】
一実施形態では、台座10には、第2の端面Bから第1の端面Aに向かって凹んで凹溝105が形成されており、貫通孔101は、台座10の第1の端面Aから凹溝105の溝底まで貫通する。なお、凹溝105の形状や寸法は、電子タバコロッドB上の排気口位置に応じて設定することができる。本実施形態では、凹溝105は大きな空間を形成することにより、凹溝105に流れる空気が貫通孔101からアトマイザーA内に入るのを助けるとともに、凹溝105はピン301の配置にも空間を提供する。
【0038】
さらに、台座10には、第2の端面Bが凹んで収容溝102と凹溝105とを連通する線通過溝106が形成されている。ピン301が折り曲げられて配置されているとき、操舵部3012は線通過溝106内に位置し、線通過溝106はピン301に対してガイドとストッパの役割を果たす。
【0039】
さらに、線通過溝106の両端は第1の端面Aに向かって斜面107を形成し、斜面107の傾斜角度は2度より大きく、または操舵部3012の折り曲げ角度に一致するように設定することができる。ピン301上の本体部3011から操舵部3012までの折り曲げ領域と、操舵部3012から接続部3013までの折り曲げ領域は、斜面107の構造設定による案内と支持を受けていることが理解されやすい。
【0040】
図11は本発明の実施例に係る固定ホルダ40の構造概略図であり、
図12は本発明の実施例に係る固定ホルダ40の別の視点の構造概略図であり、
図11~12に示すように、一実施形態では、アトマイザーAは固定ホルダ40をさらに含む。具体的には、固定ホルダ40の両端開口にはキャビティが形成されており、固定ホルダ40の第1端が貫通孔101に合わせて台座10に固設されている。さらに、霧化コア30はキャビティに合わせて固定ホルダ40の第2端に設置されている。これにより、ピン301はキャビティを介して貫通孔101を通過することができる。また、使用者が電子タバコを使用する場合、空気は貫通孔101を通過した後、固定ホルダ40のキャビティを通って流れ続けることができる。
【0041】
一実施形態では、固定ホルダ40の第1端には、ガス通過孔401および線通過孔402が設けられている。ガス通過孔101を通過する空気は、ガス通過孔401を通って流れ続けることができる。線通過孔402の寸法は、ピン301の本体部3011と互いに一致し、ピン301は線通過孔402を介して貫通孔101を通過し、線通過孔402は本体部3011に対して一定の固定作用を果たす。
【0042】
一実施形態では、台座10には、第1の端面Aから第2の端面Bに向かって凹んで凹み溝103が形成され、貫通孔101は凹み溝103の溝底を貫通する。さらに、固定ホルダ40の第1端が凹み溝103内に固設されている。凹み溝103の溝口寸法が小さく、固定ホルダ40の第1端が外側に突出していることが理解されやすい。これにより、固定ホルダ40の第1端は、凹み溝103の規製下で縦移動が発生できず、固定が実現される。なお、台座10はシリカゲルからなるため、固定ホルダ40は凹み溝103の溝口から押し込んで取り付けを実現することができる。
【0043】
図13は本発明の実施例に係るタバコリキッドパイプ50の構造概略図であり、
図13に示すように、一実施形態では、アトマイザーAはタバコリキッドパイプ50をさらに含む。具体的には、タバコリキッドパイプ50のパイプ口は、固定ホルダ40の第2端の開口に合わせて、空気の流れを保証する。なお、タバコリキッドパイプ50は、タバコリキッドを吸着浸透させることができる繊維または他の材料からなる。電子タバコが使用されると、タバコリキッドパイプ50に吸着されたタバコリキッドは霧化コア30の加熱によって霧化され、空気とともに使用者に吸われる。
【0044】
さらに、
図14は本発明の実施例に係るブラケット60の構造概略図であり、
図14に示すように、アトマイザーAはブラケット60をさらに含む。ブラケット60は、固定ホルダ40とタバコリキッドパイプ50とを固定接続することにより、タバコリキッドパイプ50の支持固定を実現する。あるいは、ブラケット60は鋼管として設けられており、固定ホルダ40とタバコリキッドパイプ50の外側に介設されている。
【0045】
一実施形態では、ブラケット60には、ガイド溝601が形成されている。それに対応して、霧化コア30には第1の突起部302が形成されており、固定ホルダ40には第2の突起部403が形成されている。第1の突起部302と第2の突起部403をガイド溝601内にスライドさせることにより、霧化コア30と固定ホルダ40との間の位置の相対固定を保証することができ、霧化コア30と台座10との間の位置の相対固定を保証することができ、位置ずれによりピン301が固定ホルダ40の線通過孔402および台座10の貫通孔101を通過できなくなることを回避することができる。
【0046】
図15は本発明の実施例に係る貯蔵コットン70の構造概略図であり、
図15に示すように、一実施形態では、アトマイザーAは貯蔵コットン70をさらに含む。貯留コットン70は、固定ホルダ40とタバコリキッドパイプ50とに介設されており、貯留コットン70の第1端は台座10の第1の端面Aに貼り合わされている。あるいは、貯蔵コットン70は、高分子一体綿またはタバコリキッドを吸着できる他の材料からなる。貯蔵コットン70に貯蔵されたタバコリキッドは浸透作用下でタバコリキッドパイプ50に吸着され、霧化コア30を介して加熱霧化されることが理解されやすい。
【0047】
さらに、
図16は本発明の実施例に係る端蓋80の構造概略図であり、
図17は本発明の実施例に係る80端蓋の別の視点の構造概略図であり、
図16~17に示すように、アトマイザーAは端蓋80をさらに含む。端蓋80は貯蔵コットン70の第2端に蓋設されている。なお、端蓋80はシリカゲルからなり、一定の弾性を備えているため、貯蔵コットン70との間の隙間を事前に詰め、貯蔵コットン70に貯蔵されたタバコリキッドが端蓋80から漏れるのを防止することができる。端蓋80にはガイド孔801が設けられており、ガイド孔801はタバコリキッドパイプ50のパイプ口に合わせる。これにより、霧化されたタバコリキッドおよびアトマイザーA内に入った空気は、ガイド孔801を通って流れ続けることができる。
【0048】
さらに、
図18は本発明の実施例に係る吸収コットン90の構造概略図であり、
図18に示すように、アトマイザーAは吸収コットン90をさらに含む。吸収コットン90は、ニードル綿またはタバコリキッドを吸着できる他の繊維材料からなる。吸収コットン90は端蓋80に蓋設されている。なお、吸収コットン90には漏れ孔901が設けられており、漏れ孔901はガイド孔801に位置合わせされている。これにより、漏れ孔901により、霧化されたタバコリキッドおよびアトマイザーA内に入った空気が流れ続けることを保証することができる。本実施形態では、吸収コットン90は、内部空隙表面張力によって残留のタバコリキッドを吸着し、タバコリキッドの漏れを防止するために用いられる。
【0049】
一実施形態では、端蓋80にはストッパ溝802が設けられており、ストッパ溝802の形状や寸法は吸収コットン90と互いに一致し、吸収コットン90はストッパ溝802内に設けられている。本実施形態では、ストッパ溝802は、吸収コットン90のずれによる漏れ止め効果に影響することを防止することができる。
【0050】
一実施形態では、端蓋80にはパイプ803が設けられている。ガイド孔801はパイプ803上に位置し、パイプ803の第1端はタバコリキッドパイプ50に挿入されている。これにより、パイプ803を設けることにより、使用者が霧化されたタバコリキッドを吸うのに役立つ。
【0051】
さらに、吸収コットン90は、漏れ孔901を介してパイプ803の第2端に介設されている。具体的には、パイプ803の第2端は、ストッパ溝802の溝底によって突出し、漏れ孔901に挿入されている。これにより、パイプ803は、霧化されたタバコリキッドおよびアトマイザーAに入った空気が安定して流れることを保証するとともに、吸収コットン90に対してさらに固定的な役割を果たすことができる。
【0052】
図19は本発明の実施例に係るカバー100の構造概略図であり、
図19に示すように、一実施形態では、アトマイザーAはカバー100をさらに含む。カバー100はPCTGからなり、カバー100は筒状構造に設置されており、形状や寸法は貯蔵コットン70と互いに一致する。なお、PCTGは非晶質共ポリエステルであり、優れた粘性、透明性および耐化学薬剤能力を有する。カバー100は貯蔵コットン70の外側に介設されており、貯蔵コットン70に支持作用を果たすとともに、タバコリキッドの外への漏れを避けることができる。また、透明なカバー100は、使用者が貯蔵コットン70の色変化を観察することにより、タバコリキッドの残量を識別するのに有利であり、アトマイザーAをタイムリーに交換するのに便利である。
【0053】
さらに、台座10の第1の端面Aは端縁が凹んで第1の階段構造104を形成し、カバー100は第1の階段構造104を介して台座10の部分領域に介設されており、端部が台座10に当接可能である。さらに、端蓋80の台座10に向かう側は端縁が凹んで第2の階段構造804を形成し、カバー100は第2の階段構造804を介して端蓋80の部分領域に介設されており、端部が端蓋80に当接可能である。これにより、カバー100は、第1の階段構造104と第2の階段構造804によって台座10と端蓋80との間に固設されていることを実現し、カバー100の貯蔵コットン70に対する支持作用を保証することができる。
【0054】
図20は本発明の実施例に係るドリップチップ110の構造概略図であり、
図21は本発明の実施例に係るドリップチップ110の別の角度の構造概略図であり、
図20~21に示すように、一実施形態では、アトマイザーAは、第1端から第2端に向かって寸法が徐々に減少する両端開口のドリップチップ110をさらに含み、ドリップチップ110は、食品レベルのPCプラスチックまたは他の材料からなる。ドリップチップ110の第1端は、端蓋80に介設されて固定されるように大きく開口している。あるいは、ドリップチップ110の第1端の開口は、ドリップチップ110の第1端がカバー100に介設できるように、カバー100と互いに一致する。あるいは、ドリップチップ110は、ロックまたは接着によって固定することができる。さらに、ドリップチップ110の第2端は開口部から第2端に向かって排気管1101を延在形成し、排気管1101は漏れ孔901に位置合わせする。これにより、霧化されたタバコリキッドおよびアトマイザーAに入った空気は、使用者がドリップチップ110を介して吸うように、排気管1101を介して排出することができる。
【0055】
一実施形態では、ドリップチップ110内にはストッパ部1102が設けられており、ストッパ部1102の構造は吸収コットン90と互いに一致する。ドリップチップ110の取り付けが完了すると、ストッパ部1102は吸収コットン90の週囲に対してさらにストッパ作用を果たし、吸収コットン90のずれによる漏れ止め効果に影響するのを防止する。
【0056】
図22は本発明の実施例に係る漏れ止めプラグ120の構造概略図であり、
図22に示すように、一実施形態では、アトマイザーAは漏れ止めプラグ120をさらに含む。漏れ止めプラグ120はシリカゲルからなり、漏れ止めプラグ120の形状や寸法はドリップチップ110の開口および排気管1101と互いに一致し、それによって漏れ止めプラグ120はドリップチップ110の第2端から排気管1101を閉塞し、電子タバコが使用されていないときにドリップチップ110からタバコリキッドが漏れるのを避けることができる。あるいは、漏れ止めプラグ120は、排気管1101の一部の表面に挿入して突起を形成し、漏れ止め効果をさらに強化することができる。
【0057】
また、本発明の実施例は電子タバコを提供し、電子タバコは電子タバコロッドBとアトマイザーAとを含む。アトマイザーAの構造特徴は前述の通りであり、ここではこれ以上述べない。本実施例の電子タバコでは、アトマイザーAは電子タバコバーBに取り外し可能に取り付けられており、アトマイザーAの交換を容易にする。アトマイザーAが電子タバコロッドBと突き合わせた後、電子タバコロッドBの給電端子B1はアトマイザーAの端子20と突き合わせて、電子タバコロッドBの電池を霧化コア30と電気的に接続させ、霧化コア30のタバコリキッドに対する加熱霧化作用を実現し、使用者が霧化後のタバコリキッドを吸いやすいようにする。
【0058】
本発明の実施例はアトマイザーと電子タバコを提供し、前記アトマイザーは台座と、端子と、霧化コアとを含む。霧化コアのピンは台座上の貫通孔を通過し、折り曲げられて台座上の収容溝に挿入されている。端子は収容溝内に圧着されており、筒状の固定部と固定部の一端から拡散延在する係合部とを含み、係合部は端部から固定部に向かって凹んで係合溝を形成し、霧化コアのピンが係合溝を通過して固定部と収容溝との間に固定されている。これにより、アトマイザーが簡単な組み立てだけで成形でき、溶接プロセス上の人的コストを節約でき、自動化作業に操作性があり、プロセス効率の向上に役立つ。
【0059】
以上説明した本発明の好適な実施例のみであって、本発明を限定するものではなく、当業者にとって、本発明は種々の変更や変更が可能である。本発明の精神と原理の中で行ったいかなる修正、同等置換、改善などは、本発明の保護範囲内に含まなければならない。
【符号の説明】
【0060】
10 台座
101 貫通孔
102 収納溝
103 凹み溝
104 第1の階段構造
105 凹溝
106 線通過溝
107 斜面
A 第1の端面
B 第2の端面
20 端子
201 固定部
202 係合部
203 係合溝
204 スリット
30 霧化コア
301 ピン
3011 本体部
3012 操舵部
3013 接続部
302 第1の突起部
40 固定ホルダ
401 ガス通過孔
402 線通過孔
403 第2の突起部
50 タバコリキッドパイプ
60 ブラケット
601 ガイド溝
70 貯蔵コットン
80 端蓋
801 ガイド孔
802 ストッパ溝
803 パイプ
804 第2の階段構造
90 吸収コットン
901 漏れ孔
100 カバー
110 ドリップチップ
1101 排気管
1102ーストッパ部
120 漏れ止めプラグ
A アトマイザー
B 電子タバコロッド
B1 給電端子