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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ロードポート及びそのマッピング装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20231121BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022119614
(22)【出願日】2022-07-27
【審査請求日】2022-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】596016557
【氏名又は名称】上銀科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】劉 憲正
【審査官】中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-211164(JP,A)
【文献】特開2010-219209(JP,A)
【文献】特開2014-143388(JP,A)
【文献】特開2009-289800(JP,A)
【文献】特開2007-324365(JP,A)
【文献】特開2004-214462(JP,A)
【文献】特開2016-072384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に置かれる複数の検測対象に対して検測を実行するのに適し、前後方向に沿って前記容器の前側に配置されるロードポートのマッピング装置であって、
前記前後方向に直交する所定の検測方向に沿って前記容器に対して移動可能、且つ、前記検測対象の検測に用いられ、且つ、第1の光軸を有する第1のセンサアセンブリと、
前記検測方向に沿って前記容器に対して移動可能、且つ、前記検測対象の検測に用いられ、且つ、前記第1の光軸に対して傾斜する第2の光軸を有する第2のセンサアセンブリと、を備えており、
前記第2の光軸は前記第1の光軸より前記容器から離れ、且つ、前記検測方向において前記第1の光軸の前側にあり、
前記第2の光軸と前記第1の光軸との前記検測方向に平行する平面における投影は第1の角度を成し、前記第2の光軸と前記第1の光軸との前記検測方向に直交する平面における投影は第2の角度を成し、
前記第1のセンサアセンブリは左右方向において間隔を置くように配置された第1のセンサ手段と第2のセンサ手段とを有し、前記第1の光軸の両端はそれぞれ前記第1のセンサ手段と前記第2のセンサ手段であり、前記左右方向は前記前後方向及び前記検測方向に実質的に直交し、
前記第2のセンサアセンブリは前記左右方向において間隔を置くように配置された第3のセンサ手段と第4のセンサ手段とを有し、前記第2の光軸の両端はそれぞれ前記第3のセンサ手段と前記第4のセンサ手段であり、前記第4のセンサ手段は、前記検測方向において前記第3のセンサ手段より前記第1の光軸から離れており、前記第4のセンサ手段と前記第3のセンサ手段の前記検測方向における距離は、前記第1のセンサ手段と前記第3のセンサ手段との前記検測方向における距離より小であることを特徴とするロードポートのマッピング装置。
【請求項2】
記第1の角度は0度より大で且つ10度以下であり、前記第2の角度は度より大で且つ5度以下であることを特徴とする請求項1に記載のロードポートのマッピング装置。
【請求項3】
記第4のセンサ手段と前記第3のセンサ手段との前記左右方向における距離は、前記第1のセンサ手段と前記第2のセンサ手段との前記左右方向における距離より小であることを特徴とする請求項に記載のロードポートのマッピング装置。
【請求項4】
前記容器は間隔を置くように配置された複数のスペーサを有し、前記第3のセンサ手段と前記第4のセンサ手段の前記検測方向における距離は、各前記スペーサの間の距離の2倍より大きくないことを特徴とする請求項に記載のロードポートのマッピング装置。
【請求項5】
記第4のセンサ手段は前記前後方向において前記第3のセンサ手段より前記第1の光軸から離れていることを特徴とする請求項に記載のロードポートのマッピング装置。
【請求項6】
台座本体及び前記台座本体に対して回転もしくは移動可能なサポートフレームを有し且つ前記検測方向に沿って移動可能な移動台を更に備え、前記第1のセンサアセンブリ及び前記第2のセンサアセンブリは、前記サポートフレームに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のロードポートのマッピング装置。
【請求項7】
容器内に置かれる複数の検測対象に対して検測を実行するのに適するロードポートであって、
前記容器を置くためのベースと、
請求項1に記載のマッピング装置であって、前記前後方向に沿って前記容器の前側に配置されて前記検測方向に沿って前記ベースに対して移動できるマッピング装置と、を含むロードポート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体もしくは固定装置もしくは部材の製造もしくは処理に適する設備に関し、特にロードポート及びそのマッピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1には、特許文献1に開示された半導体マッピング装置(mapping device)101が示されている。これは、マッピングフレーム11に飛出しセンサ12及びマッピングセンサ13を設置したもので、飛出しセンサ12はマッピングセンサ13と同一の高度に配置され、且つ、マッピングセンサ13の内側に位置し、飛出しセンサ12がウェハ14の飛出し(すなわち正常な位置から飛び出した否か)を検知することにより、検知の途中でマッピングセンサ13がウェハ14の周縁に衝突しないようにしている。しかし、飛出しセンサ12がマッピングセンサ13と同一の高度に位置するので、サイズが比較的大きいウェハ(例えば12インチのウェハ)に対してマッピングを実行する際、ウェハ14がマッピング装置101へ比較的大きく偏位している場合、飛出しセンサ12の検知の途中において、マッピングセンサ13が既にウェハ14の周縁に衝突していて、ウェハ14が破損することがある。
【0003】
図2及び図3に示されているように、前記問題点を解決すべく、特許文献2に開示されたウェハマッピング装置102では、飛出しセンサ15をマッピングセンサ16の下方に配置し、この2つのセンサの間の高度差により、マッピングセンサ16がウェハ14を通過する前に、飛出しを先に検出することで、マッピングセンサ16がウェハ14に衝突する問題を回避することができる。しかしこれも同様に、飛出しセンサ15がウェハ14に衝突する可能性があるので、ウェハマッピング装置102は更に、飛出しセンサ15との間に第3のセンサ17を配置することにより、飛出しセンサ15がウェハ14に衝突するのを回避しようとしている。
【0004】
ただし、ウェハマッピング装置102には多くのセンサが設けられるため、配線が複雑になる問題があり、改善の余地が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第4501755号公報
【文献】台湾特許第I661496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明はマッピングセンサ及びもしくは飛出しセンサの機能を同時に有し、且つ、簡単な構造を有するロードポートのマッピングの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
従って、本発明のロードポートのマッピング装置は、容器内に置かれる複数の検測対象に対して検測を実行するのに適する。前記ロードポートのマッピング装置は第1のセンサアセンブリと第2のセンサアセンブリとを備える。前記第1のセンサアセンブリは所定の検測方向に沿って前記容器に対して移動可能、且つ、前記検測対象の検測に用いられ、且つ、第1の光軸を有する。前記第2のセンサアセンブリは前記検測方向に沿って前記容器に対して移動可能、且つ、前記検測対象の検測に用いられ、且つ、前記第1の光軸に対して傾斜する第2の光軸を有し、前記第2の光軸は前記第1の光軸より前記容器から離れ、且つ、前記検測方向において前記第1の光軸の前側にある。
【0008】
また、本発明はマッピングセンサ及びもしくは飛出しセンサの機能を同時に有し、且つ、簡単な構造を有するロードポートをも提供する。
【0009】
すなわち、本発明のロードポートは、容器内に置かれる複数の検測対象に対して検測を実行するのに適する。前記ロードポートはベースと上記マッピング装置とを備える。前記ベースは前記容器を置くためにある。前記マッピング装置は前記検測方向に沿って前記ベースに対して移動できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、前記第2の光軸が前記第1の光軸に対して傾斜する構成により、前記第2の光軸及び前記第1の光軸を高度、深さ、及び角度がすべて異なる非対称な配置で設計することで、前記第2の光軸を前記第1の光軸より前記容器から離れ、且つ、前記検測方向において前記第1の光軸の前側に位置させるので、両者の干渉を回避できる上、三次元立体空間における斜角検測機能を達成することができ、更に、マッピング及び飛出し検測の二重効果を同時に備えることができる。本発明においてはセンサ部材の数が少なく、構造が単純で配線も容易な上、各センサが互いに干渉するエリアを縮減することもできる。本発明は更に異なるサイズの前記検測対象のマッピング及び飛出し検測を実行することができるので、汎用性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】特許文献1に記載のマッピングセンサの一部構成が示される斜視図である。
図2】特許文献2に記載のマッピングセンサの構成が示される上面図である。
図3】特許文献2に記載のマッピングセンサの構成が示される側面図である。
図4】本発明のロードポートの実施形態の外部構成が示される斜視図である。
図5】同実施形態の一部構成が示される一部側面図である。
図6】同実施形態の一部構成が示される一部断面図であり、該ロードポートのマッピング装置のベースに対する閉位置が示されている。
図7】同実施形態の一部構成が示される一部背面図であり、該マッピング装置の昇降機構がベースに配置されていることが示されている。
図8図6に類似する図であり、前記マッピング装置が前記ベースに対して開位置に移動し、且つ、前記マッピング装置のサポートフレームが台座本体に対して回転可能であることが示されている。
図9】前記マッピング装置の分解斜視図であり、該マッピング装置のサポートフレーム駆動用アセンブリが前記サポートフレームの回転駆動に用いられることが示されている。
図10】前記マッピング装置の第1のセンサアセンブリ及び第2のセンサアセンブリが前記サポートフレームに配置されていることが示されている斜視図である。
図11】前記第1のセンサアセンブリの第1の光軸と前記第2のセンサアセンブリの第2の光軸とが複数の検測対象に用いられることが示されている説明図である。
図12】前記第1の光軸と前記第2の光軸とがそれぞれマッピング及び飛出しの検知に用いられることが示されている一部断面説明図である。
図13】前記第1の光軸と前記第2の光軸との立体空間における位置関係が示されている説明図である。
図14図11に類似し、前記マッピング装置が比較的サイズの小さい前記検測対象の検測に用いられることが示されている説明図である。
図15図12に類似し、前記第1のセンサアセンブリと前記第2のセンサアセンブリとがそれぞれマッピング及び飛出しの検知に用いられることが示されている説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図4図6に、本発明のロードポート(loadport)の実施形態が示されている。該ロードポートは容器9内に置かれる複数の検測対象91に対して検測を実行するのに適し、容器9は容器開口92と、内部に位置して複数が同距離の間隔を置くように配置されるスペーサ93と、を有する。各スペーサ93の間の距離はSと定義され、各スペーサ93は各検測対象91が置かれるのに用いられる。この実施例では、容器9として12インチのウェハケースが例として説明に用いられており、従って各検測対象91は12インチのウェハであり、且つ、容器9は容器開口92を遮蔽するのに用いられる遮蔽板(図示せず)を有する。各検測対象91はウェハに限らず、半導体産業に関連する基板もしくは半製品であってもよい。前記ロードポートはベース2と、昇降機構3と、開閉機構4と、マッピング装置500と、を含む。
【0013】
ベース2は高度方向Zに沿って延伸するメインボード21と、メインボード21に配置されている支持台22と、を有する。メインボード21はロード開口211と、ロード開口211に配置されている固定センサ212と、を有し、固定センサ212は容器9内における各検測対象91が容器9から飛び出しているか否かの検知に用いられ、この実施例では固定センサ212として透過式光センサが用いられている。支持台22は前後方向Xにおいてメインボード21の後側に位置し、容器9は支持台22に置かれ、且つ、容器開口92はロード開口211に対応する。
【0014】
図5図7に示されるように、昇降機構3はベース2のメインボード21に設けられ、且つ、支持台22の下方に位置しており、この実施形態における昇降機構3は、1つの昇降駆動装置31と、2本のガイドレール32と、1つのスライド台33と、を含む。この実施形態における昇降駆動装置31は、高度方向Zに沿って延伸し、且つ、自身の軸線を中心として回転できるガイドスクリューロッド311と、ガイドスクリューロッド311の底端に接続され、且つ、ガイドスクリューロッド311の回転を駆動する1つの昇降駆動手段312と、を有し、昇降駆動手段312はモータである。各ガイドレール32は高度方向Zに沿って延伸し、且つ、1つの左右方向Yにおいて間隔を置くようにメインボード21に配置されている。スライド台33はガイドスクリューロッド311に接続され、且つ、スライド可能にガイドレール32に配置されており、スライド台33は前記ガイドスクリューロッド311により連動されてガイドレール32に沿って上下に移動することができる。一部の変化例において、昇降駆動装置31は空気シリンダ、電気シリンダ、リニアモータ、ベルト連動、ラック・アンド・ピニオン連動、もしくは類似する部材であることも可能であり、これらも同じようにスライド台33を上下に連動して移動させることができる。
【0015】
図6図8を参照すると、開閉機構4は、昇降機構3のスライド台33に配置されており、1つの開閉駆動手段41を含む。この実施例における開閉駆動手段41は空気シリンダであるが、電気シリンダ、モータ駆動スクリューシャフト、ベルト連動、ラック・アンド・ピニオン連動、もしくは類似する部材により取って代わられることができる。開閉駆動手段41は、スライド台33に配置される1つの駆動本体411と、伸縮可能に駆動本体411に配置される1つのピストンロッド412と、を有し、ピストンロッド412は前後方向Xに沿って伸縮することができる。
【0016】
マッピング装置500は開閉機構4のピストンロッド412の一端に接続され、且つ開閉駆動手段41のピストンロッド412により連動されて前後方向Xに沿って移動することができる。マッピング装置500は、ピストンロッド412に固定されている1つの移動台5と、移動台5のトップ端に配置される1つの第1のセンサアセンブリ6と、1つの第2のセンサアセンブリ7と、を含む。マッピング装置500は開閉機構4により連動されてベース2に対して1つの閉位置(図6参照)と1つの開位置(図8参照)との間に移動可能であり、前記閉位置にある場合、移動台5はメインボード21のロード開口211を遮蔽し、前記開位置にある場合、移動台5はロード開口211から所定の距離を開けることにより、ロード開口211を露出させる。
【0017】
図8図10に示されるように、移動台5は、ピストンロッド412に固定され且つピストンロッド412により連動される1つの台座本体51と、回転可能に台座本体51のトップ端に配置される1つのサポートフレーム52と、台座本体51に配置され、且つ、サポートフレーム52の回転を駆動する1つのサポートフレーム駆動用アセンブリ53と、を含む。台座本体51は内部空間を有することによりサポートフレーム駆動用アセンブリ53を取り付けることができる。サポートフレーム52は、台座本体51の2つの側辺にそれぞれ枢設される2つのサイドロッド521と、左右方向Yに沿って延伸すると共に、各サイドロッド521に接続される1つの横方向ロッド522と、を有する。サポートフレーム駆動用アセンブリ53は台座本体51に固定される1つのサポートフレーム駆動手段531と、サポートフレーム駆動手段531から左右方向Yに沿って延伸する1つの回転軸532と、を有し、回転軸532の一端は1つのサイドロッド521に接続される。サポートフレーム駆動手段531が回転軸532の回転を駆動することにより、サポートフレーム52が台座本体51に対して回転するよう連動することで、サポートフレーム52の横方向ロッド522をベース2のロード開口211に接近させたり離間させたりする。
【0018】
サポートフレーム52を台座本体51に対して回転可能にするのは、マッピング装置500が前記閉位置に移動する際、第1のセンサアセンブリ6及び第2のセンサアセンブリ7が容器9の前記遮蔽板に衝突して破壊されることを回避するための設計であり、したがってこれに限らず、サポートフレーム52を台座本体51に対して水平に移動するように構成することもでき、これによっても同様に衝突の問題を回避することができる。一部の応用例において、例えば容器9が前開き式で遮蔽板を有しない場合は、衝突を回避する必要がないので、サポートフレーム52を固定式に設計することができ、この場合、第1のセンサアセンブリ6は反射式の光センサを採用する。
【0019】
図8図10及び図11に示されているように、第1のセンサアセンブリ6及び第2のセンサアセンブリ7はサポートフレーム52の横方向ロッド522に配置されると共に、1つの検測方向Dに沿って移動することにより、検測対象91を検測する。検測方向Dは高度方向Zに平行するので、実質的に左右方向Y及び前後方向Xに直交し、この実施形態においては検測方向Dに沿って上から下へと少しずつ前進する。第1のセンサアセンブリ6は左右方向Yにおいて間隔を置くように配置された1つの第1のセンサ手段61及び1つの第2のセンサ手段62を有し、第1のセンサ手段61と第2のセンサ手段62との高度方向Z上における位置は同じである。第1のセンサ手段61及び第2のセンサ手段62は検測方向Dに実質的に直交する1つの第1の光軸601を形成し、すなわち、第1の光軸601の両端はそれぞれ第1のセンサ手段61及び第2のセンサ手段62である。第1の光軸601はマッピングに用いられることにより、検測対象91におけるピース欠け、ピース重なり、ピース傾きの有無、もしくはその厚さなどの関連データを検測する。この実施形態における第1のセンサアセンブリ6は透過式光センサであり、第1のセンサ手段61は光発射器であり、且つ、第2のセンサ手段62は光レシーバであるが、その位置は入れ替わることができるのでこれに限定されない。他の変化例において、第1のセンサアセンブリ6は他のタイプの例えば反射式の光センサであることも可能であり、物体を感知できるものであればよい。
【0020】
第2のセンサアセンブリ7は高度方向Zにおいて第1のセンサアセンブリ6より低い位置にあり、且つ、左右方向Yにおいて間隔を置くように配置された1つの第3のセンサ手段71及び1つの第4のセンサ手段72を有する。この実施形態における第2のセンサアセンブリ7は透過式光センサであり、第3のセンサ手段71は光発射器であり、第4のセンサ手段72は光レシーバであるが、その位置は入れ替わることができるのでこれに限定されない。
【0021】
第3のセンサ手段71は第1のセンサ手段61に近い位置にあって、且つ、高度方向Zにおける位置が第1のセンサ手段61より低い。第4のセンサ手段72は第2のセンサ手段62に近い位置にあって、且つ、高度方向Zにおける位置が、第2のセンサ手段62より低く且つ第3のセンサ手段71より低い。この実施形態における第4のセンサ手段72と第3のセンサ手段71との左右方向Yにおける距離L1は、第1のセンサ手段61と第2のセンサ手段62との左右方向Yにおける距離L2より小さいが、第1のセンサアセンブリ6と第2のセンサアセンブリ7とは高度方向Zにおいて高低差があるので、他の変化例においては、第4のセンサ手段72と第3のセンサ手段71との左右方向Yにおける距離L1が第1のセンサ手段61と第2のセンサ手段62との左右方向Yにおける距離L2より大きいもしくは同じであってもよく、これに限定されない。
【0022】
図10図12に示されるように、第3のセンサ手段71と第4のセンサ手段72とは第2の光軸701を形成し、すなわち、第2の光軸701の両端はそれぞれ第3のセンサ手段71及び第4のセンサ手段72であり、第2の光軸701は検測対象91の位置が正常位置より突出している(すなわち飛び出している)か否かの検出に用いられる。高度方向Zにおいて最も低い場所にある第4のセンサ手段72が飛出しを検出する前に先に突出しすぎた検測対象91に衝突するのを回避するため、第2の光軸701を第1の光軸601に対して立体空間において傾斜するようにすることで、第2の光軸701と第1の光軸601との検測方向Dに平行する1つの平面(すなわち、YZ平面)における投影が1つの第1の角度A1を成すようにし、第2の光軸701と第1の光軸601との検測方向Dに直交する1つの平面(すなわち、XY平面)における投影が1つの第2の角度A2を成すようにし、第1の角度A1は0度より大きく且つ、15度以下であり、第2の角度A2は0度より大きく且つ、10度以下である。より優れた配置を得るため、例えば第4のセンサ手段72の前後方向Xにおける位置の設計は固定センサ212(図8参照)に干渉せずに最大偏位量の飛出しを検出できることを基準として、第1の角度A1を10度以下にし、且つ、第2の角度A2を5度以下にする。
【0023】
第2の光軸701が第1の光軸601の前方において先に移動するようにすれば、第1のセンサアセンブリ6が到達する前に、検測対象91の飛出しを検出して衝突を回避することができ、従って、第2の光軸701は検測方向Dにおいて第1の光軸601の前方に位置する必要があり、且つ、第2の光軸701は第1の光軸601より更に容器9から離れる必要がある。そしてこの実施形態においては検測方向Dに沿って上から下へと移動するので、すなわち、第2の光軸701は高度方向Zにおいて第1の光軸601より低くする必要があり、従って第4のセンサ手段72は検測方向Dにおいて第3のセンサ手段71より更に第1の光軸601から離れており、第4のセンサ手段72は前後方向Xにおいて第3のセンサ手段71より更に第1の光軸601から離れている。無論、他の実施例において検測方向Dに沿って下から上へと移動するよう構成する場合には、第2の光軸701を高度方向Zにおいて第1の光軸601より高く設計することにより、第2の光軸701が第1の光軸601の前に先に移動して飛出しを検出して衝突を回避することができる。
【0024】
図6図8及び図11に示されているように、この実施形態ではマッピング装置500が最下層の検測対象91に移動する際、第4のセンサ手段72を容器9に衝突させないため、第3のセンサ手段71と第4のセンサ手段72との検測方向Dにおける距離L3を各スペーサ93の間の距離Sの2倍以下にする。また、第2のセンサアセンブリ7に容器9内の最上層の検測対象91を検知させるため、第4のセンサ手段72と第3のセンサ手段71との検測方向Dにおける距離L3を更に第1のセンサ手段61と第3のセンサ手段71との検測方向Dにおける距離L4より小さくすることは、比較的適切な設計である。
【0025】
図13は、第1の光軸601と第2の光軸701との立体空間における相対的位置関係をよりよく理解できるよう一例を挙げて説明するための図であり、本発明は第2の光軸701と第1の光軸601とを高度、深さ、及び角度が共に異なる非対称な配置に設計することにより、両者の互いの干渉を回避する上、三次元立体空間における斜角検測機能を達成することができる。
【0026】
図5及び図8を再び参照する。検測する際には、昇降機構3によりマッピング装置500を駆動して容器9のトップ端に近い位置まで降下させてから、開閉機構4によりマッピング装置500を連動させて開位置まで移動させると共に、サポートフレーム駆動用アセンブリ53(図9参照)でサポートフレーム52を駆動して容器9に向かって回転させることにより、第1のセンサアセンブリ6と第2のセンサアセンブリ7とを容器開口92内に進入させる。そして、昇降機構3を駆動し、マッピング装置500を連動させて検測方向Dに沿って少しずつ下へ移動させることで、第1のセンサアセンブリ6と第2のセンサアセンブリ7とを容器9に対して移動させて検測対象91を検測する。
【0027】
図12に示されるように、図中では実線を用いて正常位置にある検測対象91を表示し、破線を用いて正常位置から突出している(すなわち飛び出している)検測対象91を表示し、第2の光軸701が破線で表示される検測対象91を先に検知することにより、警告信号を発信しもしくは機械を点検のために停止させることで、第1のセンサアセンブリ6の第2のセンサ手段62が破線で表示される検測対象91(すなわち、飛び出している検測対象91)に衝突するのを回避することができる。飛び出しがなければ、第1の光軸601はマッピングにより検測対象91に関連するデータ(ピース欠け、ピース重なり、ピース傾き、もしくは厚さなど)を得ることができる。従って、本発明のマッピング装置500は第1のセンサアセンブリ6と第2のセンサアセンブリ7との2つのセンサアセンブリにより、マッピング及び飛出しを検測する二重効果を達成することができる。従来では3つのセンサでマッピング及び飛出しの検測を達成するのに比べて、本発明ではセンサ部材の数が少なく、構造が単純で配線も容易な上、各センサが互いに干渉するエリアを縮減することもできる。
【0028】
図14及び図15に示されるように、本実施形態は12インチのウェハの他に、比較的小さい検測対象91、例としてこれに限らないが8インチウェハにも適用することができる。マッピング装置500を前記開位置まで移動するように駆動すると共に、第1のセンサアセンブリ6と第2のセンサアセンブリ7とを容器9内に進入させれば、第1のセンサアセンブリ6と第2のセンサアセンブリ7とを容器9に対して少しずつ移動させることで、検測対象91を検測することができる。
【0029】
図15では実線を用いて正常位置にある検測対象91を表示し、破線を用いて正常位置から突出している(すなわち飛び出している)検測対象91を表示し、第2の光軸701は正常位置から突出している検測対象91を検知することができる。飛び出しがなければ、第1の光軸601により引き続きマッピングを実行し得る。本発明は異なるサイズの各検測対象91のマッピング及び飛出し検測を実行できるので、優れた汎用性を有する。
【0030】
以上をまとめると、本発明は第2の光軸701が第1の光軸601に対して傾斜する斜角設計にし、第2の光軸701と第1の光軸601とを高度、深さ、及び角度が共に異なる非対称な配置に設計することにより、第2の光軸701を第1の光軸601よりも容器9から離れさせ、且つ、検測方向Dにおいて第1の光軸601の前側に位置させることで、三次元立体空間における斜角検測機能を達成することができるので、マッピング及び飛出しを検測する二重効果を有する。本発明はセンサ部材の数が少なく、構造が単純で配線も容易な上、各センサが互いに干渉するエリアを縮減することもできる。更に、異なるサイズの各検測対象91のマッピング及び飛出し検測を実行できるので、優れた汎用性を有する。故に本発明の目的を確実に達成することができる。
【符号の説明】
【0031】
2 ベース
21 メインボード
211 ロード開口
212 固定センサ
22 支持台
3 昇降機構
31 昇降駆動装置
311 ガイドスクリューロッド
312 昇降駆動手段
32 ガイドレール
33 スライド台
4 開閉機構
41 開閉駆動手段
411 駆動本体
412 ピストンロッド
5 移動台
500 マッピング装置
51 台座本体
52 サポートフレーム
521 サイドロッド
522 横方向ロッド
53 サポートフレーム駆動用アセンブリ
531 サポートフレーム駆動手段
532 回転軸
6 第1のセンサアセンブリ
601 第1の光軸
61 第1のセンサ手段
62 第2のセンサ手段
7 第2のセンサアセンブリ
701 第2の光軸
71 第3のセンサ手段
72 第4のセンサ手段
9 容器
91 検測対象
92 容器開口
93 スペーサ
A1 第1の角度
A2 第2の角度
D 検測方向
L1 距離
L2 距離
L3 距離
L4 距離
S 距離
X 前後方向
Y 左右方向
Z 高度方向
【要約】
【課題】マッピングセンサ及びもしくは飛出しセンサの機能を同時に有し、且つ、簡単な構造を有するロードポートのマッピングを提供する。
【解決手段】容器内に置かれる複数の検測対象91に対して検測を実行するのに適するロードポートのマッピング装置であって、所定の検測方向Dに沿って前記容器に対して移動可能、且つ、前記検測対象の検測に用いられ、且つ、第1の光軸601を有する第1のセンサアセンブリ6と、前記検測方向Dに沿って前記容器に対して移動可能、且つ、前記検測対象91の検測に用いられ、且つ、前記第1の光軸601に対して傾斜する第2の光軸701を有する第2のセンサアセンブリ7と、を備えており、前記第2の光軸701は前記第1の光軸601より前記容器から離れ、且つ、前記検測方向Dにおいて前記第1の光軸601の前側にある。
【選択図】図11
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15