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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】集積回路
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/046 20060101AFI20231121BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G06F3/046 A
G06F3/041 430
G06F3/041 490
G06F3/041 420
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022128070
(22)【出願日】2022-08-10
(62)【分割の表示】P 2020504567の分割
【原出願日】2018-03-07
(65)【公開番号】P2022145907
(43)【公開日】2022-10-04
【審査請求日】2022-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000139403
【氏名又は名称】株式会社ワコム
(74)【代理人】
【識別番号】110004277
【氏名又は名称】弁理士法人そらおと
(74)【代理人】
【識別番号】100130982
【弁理士】
【氏名又は名称】黒瀬 泰之
(72)【発明者】
【氏名】陳 元昊
(72)【発明者】
【氏名】杉山 義久
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 聡
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-249669(JP,A)
【文献】国際公開第2019/064595(WO,A1)
【文献】実開平4-123429(JP,U)
【文献】実開昭59-63762(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/046
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ基板の長辺方向と0度より大きく90度より小さい所定の角度をなす第1の方向に沿って延在する第1の長辺部を有する複数の第1のコイル、及び、
それぞれ前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延在する第2の長辺部を有する複数の第2のコイルに接続された集積回路であって、
前記複数の第1及び第2のコイルのそれぞれにおいて観測されるペン信号の検出レベルに基づき、前記第1及び第2の方向により構成される斜め座標系におけるスタイラスの座標を取得し、
前記複数の第1のコイルのそれぞれと前記複数の第2のコイルのそれぞれとによって構成される複数の交点のうち前記スタイラスの位置に最も近い第1の交点を検出し、
前記第1の交点に対する前記スタイラスの前記斜め座標系における相対位置を示す斜め座標系相対座標を取得し、
前記斜め座標系における前記第1の交点の座標を、前記第1の基板の長辺方向と短辺方向により構成される正規座標系における座標にマッピングするとともに、前記斜め座標系相対座標を、前記第1の交点に対する前記スタイラスの前記正規座標系における相対位置を示す正規座標系相対座標にマッピングし、
マッピングにより得た座標及び正規座標系相対座標に基づき、前記正規座標系における前記スタイラスの座標を取得する、
集積回路。
【請求項2】
前記第1の交点が検出領域の縁部に位置するか否かを判定し、
前記第1の交点が前記検出領域の縁部に位置すると判定した場合に、回転変換によって、前記斜め座標系における前記スタイラスの座標を前記正規座標系における前記スタイラスの座標に変換する、
請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記複数の交点のそれぞれについて、前記検出領域の中央に位置するか否かを示す情報を記憶する交点テーブルを格納するメモリを含み、
前記交点テーブルに基づき、前記第1の交点が前記検出領域の縁部に位置するか否かを判定する、
請求項2に記載の集積回路。
【請求項4】
前記交点テーブルは、前記複数の交点のそれぞれについて、前記斜め座標系における座標、及び、前記正規座標系における座標をさらに記憶し、
前記交点テーブルに基づき、前記斜め座標系における前記第1の交点の座標を、前記正規座標系における座標にマッピングする、
請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記メモリは、前記斜め座標系による座標の差分と、前記正規座標系による座標の差分とを対応付けて記憶する差分テーブルをさらに格納し、
前記差分テーブルに基づき、前記斜め座標系相対座標を前記正規座標系相対座標にマッピングする、
請求項3又は4に記載の集積回路。
【請求項6】
前記複数の第1及び第2のコイルのそれぞれと前記集積回路とを接続する複数の引き出し線の配線長に基づいて前記検出レベルを補正し、
補正後の前記検出レベルに基づいて、前記斜め座標系における前記スタイラスの座標を取得する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の集積回路。
【請求項7】
それぞれ基板の長辺方向と0度より大きく90度より小さい所定の角度をなす第1の方向に沿って延在する第1の長辺部を有する複数の第1のコイル、及び、
それぞれ前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延在する第2の長辺部を有する複数の第2のコイルに接続された集積回路によって実行される方法であって、
前記複数の第1及び第2のコイルのそれぞれにおいて観測されるペン信号の検出レベルに基づき、前記第1及び第2の方向により構成される斜め座標系におけるスタイラスの座標を取得するステップと、
前記複数の第1のコイルのそれぞれと前記複数の第2のコイルのそれぞれとによって構成される複数の交点のうち前記スタイラスの位置に最も近い第1の交点を検出するステップと、
前記第1の交点に対する前記スタイラスの前記斜め座標系における相対位置を示す斜め座標系相対座標を取得するステップと、
前記斜め座標系における前記第1の交点の座標を、前記第1の基板の長辺方向と短辺方向により構成される正規座標系における座標にマッピングする第1のステップと、
前記斜め座標系相対座標を、前記第1の交点に対する前記スタイラスの前記正規座標系における相対位置を示す正規座標系相対座標にマッピングする第2のステップと、
前記第1のステップにより得た座標と、前記第2のステップにより得た正規座標系相対座標とに基づき、前記正規座標系における前記スタイラスの座標を取得する、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンサに関し、特に、表示装置に重畳配置されて使用されるセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
位置指示器から送出される交番磁界をセンサにより検出することで、位置指示器の位置を検出する位置検出装置が知られている。この種の位置検出装置の具体的な方式としては、位置指示器に電池を設ける必要があるEM方式と、位置検出装置が上記センサを介して送出した電磁波により位置指示器内に電力を発生させるEMR(登録商標)方式とが知られている。EM方式では、位置指示器から位置検出装置に対してのみ電磁波の送信が行われるのに対し、EMR(登録商標)方式では、双方向に電磁波の授受が行われる。
【0003】
位置検出装置のセンサは、それぞれ第1の方向に細長く延在する複数の第1のコイル(ループ電極)と、それぞれ第1の方向と交差する第2の方向に細長く延在する第2のコイル(ループ電極)との集合体により構成される。通常、第1及び第2の方向はそれぞれ、長方形である検出領域の長辺方向及び短辺方向となるが、特許文献1には、各コイルを検出領域の長辺方向に対して斜めに形成する技術が開示されている。
【0004】
また、位置検出装置にはコントローラが必要となるが、特許文献1にも記載されているように、従来、コントローラと各コイルとを接続するための引き出し線は検出領域の外側に配置され、対応するコイルとは検出領域の縁部で接続される。そのため、検出領域の外側には、位置指示器の位置検出ができない無効エリアが形成される。しかしながら、近年の表示装置の狭ベゼル化の流れの中で、このような無効エリアを広く取ることは許されなくなってきており、無効エリアの縮小が求められていた。
【0005】
このような課題に関して、特許文献2には、引き出し線と各コイルの接続点を検出領域の縁部ではなく中央部に設け、各コイルの間に引き出し線を配置する技術が開示されている。この技術によれば、検出領域の外側に設ける無効エリアを最小化することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4648860号
【文献】特許第4405247号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、タブレット端末においては位置検出装置と表示装置とが重ねて配置されるが、表示装置は通常、検出領域の長辺方向に沿って延設されたゲート線を有している。そうすると、表示装置のゲート線が所定の信号で駆動された場合に、検出領域の長辺方向に沿って延設されたコイルが全ての長さでこの信号の影響を受けることになることから、このコイルで発生する磁束が表示装置の動作に影響を与え、モアレとしてユーザにも認知されてしまう場合がある。特許文献1の技術によれば、位置検出装置のコイルがいずれも表示装置のゲート線と平行でなくなるので、コイルで発生する磁束が表示装置の動作に与える影響を低減することが可能になる。
【0008】
そこで、本願の発明者は、位置検出装置のコイルで発生する磁束が表示装置の動作に与える影響を低減し、しかも、検出領域の外側に設ける無効エリアを最小化するため、各コイルを検出領域の長辺方向に対して斜めに形成するという特許文献1の構成において、特許文献2のように、引き出し線と各コイルの接続点を検出領域の縁部ではなく中央部に設けることを検討している。しかしながら、このような構成を採用すると、表示装置の視認性が低下するとともに、タブレット端末内に設けられる各種回路の配置効率が低下してしまうことが判明した。以下、この問題について詳しく説明する。
【0009】
タブレット端末は一般に、表示モジュールと、表示モジュールの背面(表示面と反対側の表面)に配置される回路部とを有して構成される。表示モジュール内には、表示装置の表示パネルと、位置検出装置のコイルが設けられるセンサとが配置される。回路部内には、タブレット端末のプロセッサ、位置検出装置のコントローラ、及び、表示装置の制御回路などの各種回路が配置される。
【0010】
まず表示装置の視認性の低下について説明すると、特許文献1の構成では、表示パネルの表示面側にセンサが配置される。この配置において、特許文献2のように、引き出し線とコイルの接続点を検出領域の縁部ではなく中央部に設けると、引き出し線も検出領域の中央部に配置しなくてはならなくなることから、表示装置の視認性が低下してしまう。
【0011】
次に各種回路の配置効率の低下について説明すると、位置検出装置のコントローラとセンサ内の引き出し線との接続には、長方形のフレキシブル基板が用いられる。このフレキシブル基板は、センサの一辺を巻き込むような形で折り曲げて配置され、表示モジュール内でセンサの引き出し線に接続されるとともに、表示モジュールの背面でコントローラに接続される。
【0012】
フレキシブル基板の引き出し線側の端部には、引き出し線に接続される端子群が配置される。ここで、特許文献2のように各コイルの間に引き出し線を配置することとすると、各コイルを特許文献1のように斜めに配置した場合、引き出し線も斜めに配置することになる。すると、引き出し線に接続される端子群も斜めに配置しなければならなくなるので、フレキシブル基板の全体が斜めに配置されることになり、結果としてコントローラも斜めに配置しなければならなくなる。
【0013】
図19は、フレキシブル基板及びコントローラが斜めに配置された状態を示す図である。同図には、内部に図示しないセンサが配置される表示モジュール100の背面と、センサとともに位置検出装置を構成するコントローラ102と、センサとコントローラ102とを接続するフレキシブル基板101とを示している。また、同図に示す領域Aは、回路部内の他の回路を配置可能な領域を示している。この領域Aの形状から理解されるように、フレキシブル基板101及びコントローラ102を表示モジュール100の背面に対して斜めに配置すると、その周辺に他の回路を配置できない領域が生じ、その分、各種回路の配置効率が低下してしまうことになる。なお、図19の例においても、フレキシブル基板101を特殊な形状(例えば、平行四辺形)とすれば、コントローラ102を表示モジュール100の背面に対して平行に設けることはできるが、フレキシブル基板101を特殊な形状に加工することは困難であり、また、圧着作業も困難になる。また、フレキシブル基板101上の配線の長さが不均一になることから、後述する補正処理(図9のステップS2)の設計が困難になるおそれもある。
【0014】
したがって、本発明の目的の一つは、各コイルを検出領域の長辺方向に対して斜めに形成し、かつ、引き出し線とコイルの接続点を検出領域の縁部ではなく中央部に設けた場合であっても、表示装置の視認性及び各種回路の配置効率の低下を抑制できるセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の側面によるセンサは、表示パネルの背面側に配置された状態で用いられる第1の基板と、前記第1の基板の長辺方向と0度より大きく90度より小さい所定の角度をなす第1の方向に沿って延在し、かつ、途中に第1及び第2の端部が設けられた第1の長辺部を有する第1のコイルと、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延在する第2の長辺部を有する第2のコイルと、前記第1の端部に接続された一端、及び、一方端部が前記第1の基板の一辺から外側に向かって直角に延出するように配置された第2の基板上の配線に接続された他端を有する第1の引き出し線と、前記第2の端部に接続された一端、及び、前記第2の基板上の配線に接続された他端を有する第2の引き出し線と、を含むセンサである。
【0016】
本発明の第2の側面によるセンサは、上記第1の側面によるセンサにおいて、前記第2の基板には、前記第1の基板の長辺方向に沿って並設された端子群が形成され、前記第1の引き出し線の前記他端及び前記第2の引き出し線の前記他端はそれぞれ、前記端子群を介して前記第2の基板上の配線に接続される、センサである。
【0017】
本発明の第3の側面によるセンサは、上記第1の側面によるセンサにおいて、前記第1の基板は、第1乃至第3の層を含む複数の層を有する多層基板であり、前記第1の長辺部は前記第2の層に設けられ、前記第2の長辺部は前記第3の層に設けられ、前記第1及び第2の引き出し線は前記第1の層に設けられる、センサである。
【0018】
本発明の第4の側面によるセンサは、上記第1の側面によるセンサにおいて、前記第1及び第2のコイルは、前記第1のコイルの短辺部の少なくとも一部と、前記第2のコイルの短辺部の少なくとも一部とが平面的に見て重なるように形成される、センサである。
【0019】
本発明の第5の側面によるセンサは、上記第4の側面によるセンサにおいて、前記第1及び第2のコイルは、前記第1のコイルの鋭角部と、前記第2のコイルの鈍角部とが平面的に見て重なるように形成される、センサである。
【0020】
本発明の第6の側面によるセンサは、上記第2の側面によるセンサにおいて、前記第1及び第2の引き出し線はそれぞれ、平面的に見て、前記第1及び第2のコイルが設置される前記センサの検出領域内に設けられ、さらに、前記第1及び第2の引き出し線はそれぞれ、一端が前記第1及び第2の端部のうちの対応するものに接続され、前記第2の方向に延在する第1の部分、一端が前記第1の部分の他端に接続され、前記第1の方向に延在する第2の部分、及び、一端が前記第2の部分の他端に接続され、前記第2の方向に延在する第3の部分、を有し、前記第1の基板は、第1及び第2の層を含む複数の層を有する多層基板であり、前記第1のコイル及び前記第2の部分は前記第1の層に設けられ、前記第2のコイル並びに前記第1及び第3の部分は前記第2の層に設けられる、センサである。
【0021】
本発明の第7の側面によるセンサは、長方形の第1の基板と、集積回路と、を含み、前記第1の基板には、それぞれ前記第1の基板の長辺方向と0度より大きく90度より小さい所定の角度をなす第1の方向に沿って延在する第1の長辺部を有する複数の第1のコイル、及び、それぞれ前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延在する第2の長辺部を有する複数の第2のコイル、が形成され、前記集積回路は、前記複数の第1及び第2のコイルそれぞれの形状が平行四辺形及び台形のいずれであるかに応じて異なる電圧又は電流を、前記複数の第1及び第2のコイルのそれぞれに供給するよう構成される、センサである。
【0022】
本発明の第8の側面によるセンサは、長方形の第1の基板と、集積回路と、を含み、前記第1の基板には、それぞれ前記第1の基板の長辺方向と0度より大きく90度より小さい所定の角度をなす第1の方向に沿って延在する第1の長辺部を有する複数の第1のコイル、及び、それぞれ前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って延在する第2の長辺部を有する複数の第2のコイル、が形成され、前記集積回路は、前記複数の第1のコイルのそれぞれと前記複数の第2のコイルのそれぞれとによって構成される複数の交点のそれぞれについて、検出領域の中央に位置するか否かを示す情報を格納するメモリを含み、前記集積回路は、前記複数の第1及び第2のコイルのそれぞれにおいて観測されるレベルに基づき、前記複数の第1のコイルのそれぞれと前記複数の第2のコイルのそれぞれとによって構成される複数の交点のうちスタイラスの位置に最も近い第1の交点を検出する交点検出ステップと、前記メモリに格納された情報に基づき、前記第1の交点が検出領域の縁部に位置するか否かを判定する判定ステップと、を実行するように構成される、センサである。
【発明の効果】
【0023】
本発明の第1の側面によれば、第1の基板を表示パネルの背面側に配置していることから、第1及び第2の引き出し線と第1のコイルとの接続点を検出領域の縁部ではなく中央部に設けているにも関わらず、第1及び第2の引き出し線による表示装置の視認性の低下を抑制できる。また、第1及び第2の引き出し線を自由に配線することが可能になることから、一方端部が第1の基板の一辺から外側に向かって直角に延出するように第2の基板を配置することができるので、各種回路の配置効率の低下も抑制できる。
【0024】
本発明の第2の側面によれば、引き出し線の延在方向によらず第2の基板上に形成する配線の長さを揃えることができるので、第1の基板上における配線長の違いのみに基づいて、コントローラでの補正処理を行うことが可能になる。
【0025】
本発明の第3及び第6の側面によれば、第1のコイルが第2のコイルと交わらない離れコイルであったとしても、第1及び第2の引き出し線を介して第2の基板上の配線と接続することが可能になる。
【0026】
本発明の第4の側面によれば、座標計算に使用する3本以上のコイルの信号変化を短辺部近辺まで好適に取得可能となるため、特に検出領域の縁部近傍における位置検出の精度を高めることが可能となる。
【0027】
本発明の第5及び第7の側面によれば、検出領域の端部あるいは全体において、磁束密度の分布を均等化することが可能になる。
【0028】
本発明の第8の側面によれば、スタイラスの位置が検出領域の縁部に位置するか否かを、回転変換を経ずに判定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1の実施の形態によるタブレット端末1の分解図である。
図2】(a)はタブレット端末1の側面図であり、(b)はタブレット端末1の背面図である。
図3】本発明の第1の実施の形態によるセンサ13の模式的な断面図である。
図4】本発明の第1の実施の形態によるセンサ13の配線層L1に含まれる配線の具体的な構成を示す図である。
図5】本発明の第1の実施の形態によるセンサ13の配線層L2に含まれる配線の具体的な構成を示す図である。
図6】本発明の第1の実施の形態によるセンサ13の配線層L3に含まれる配線の具体的な構成を示す図である。
図7】本発明の第1の実施の形態によるセンサ13の配線層L4に含まれる配線の具体的な構成を示す図である。
図8】本発明の第1の実施の形態による集積回路20が行う位置検出処理を説明する図である。
図9】本発明の第1の実施の形態による集積回路20が行う位置検出処理のフロー図である。
図10図4図7に示したコイル40a,40bを重ねて示した図である。
図11図4図7に示したコイル40a,40bを重ねて示した図である。
図12】(a)は、コイル40aの鋭角部SAaに調整部A1を設けた例を示す図であり、(b)は、コイル40aの鈍角部OAaに調整部A2を設けた例を示す図である。
図13】本発明の第2の実施の形態によるセンサ13の配線層L1に含まれる配線の具体的な構成を示す図である。
図14】本発明の第2の実施の形態によるセンサ13の配線層L2に含まれる配線の具体的な構成を示す図である。
図15】本発明の第3の実施の形態による集積回路20が行う位置検出処理の概要を説明する図である。
図16】本発明の第3の実施の形態による集積回路20内のメモリに予め格納される2つのテーブルを示す図である。
図17図15の一部を拡大してなる図である。
図18】本発明の第3の実施の形態による集積回路20が行う位置検出処理のフロー図である。
図19】フレキシブル基板及びコントローラが斜めに配置された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるタブレット端末1の分解図である。また、図2(a)はタブレット端末1の側面図であり、図2(b)はタブレット端末1の背面図である。図1及び図2(a)においては、上側がタブレット端末1の表示面(タッチ面)に対応し、下側がタブレット端末1の背面に対応している。
【0032】
図1及び図2に示すように、タブレット端末1は、背面側が閉じたバスタブ形状を有する表示モジュール背面カバー10の中に、背面側から順に、シールド板11、スペーサー12、センサ13、表示パネル16、ガラス18が積層されてなる構造を有する。このうち、少なくともセンサ13及び表示パネル16の側面は、保護及び固定用の表示モジュール枠17によって覆われている。表示モジュール枠17は、例えば粘着テープである。図示していないが、タブレット端末1は、ガラス18の表面を除くタブレット端末1の全体(後述する集積回路20及び折り曲げ基板21を含む)を覆う筐体をさらに有して構成される。ガラス18の表面は、タブレット端末1の表示面及びタッチ面を構成する。
【0033】
図2に示すように、表示モジュール背面カバー10の背面には、センサ13とともに位置検出装置を構成する集積回路20(コントローラ)が設置される。図示していないが、表示モジュール背面カバー10の背面には、集積回路20の他、タブレット端末1の全体を制御するとともに、任意のアプリケーションを実行する役割を担うプロセッサ(処理回路)や、表示パネル16の制御回路なども配置される。図2(b)に示した領域Aは、これらの回路を配置可能な領域を示している。
【0034】
タブレット端末1はまた、集積回路20とセンサ13を接続するための折り曲げ基板21(第2の基板)を有して構成される。折り曲げ基板21は、例えば薄いプラスチックフィルムによって構成されたフレキシブル基板(FPC)であり、折り曲げ可能に構成される。この性質を利用し、折り曲げ基板21は、図2(a)に示すように、センサ13及び表示パネル16の一辺を巻き込むように折り曲げられた状態で、タブレット端末1内に配置される。折り曲げ基板21の一端は、図1に示した表示モジュール背面カバー10の開口部10aを通じて表示モジュール背面カバー10内に導入され、センサ13の端子42a,42b(後述)に接続される。折り曲げ基板21の他端は、表示モジュール背面カバー10の背面で集積回路20に接続される。
【0035】
センサ13及び集積回路20は、上述したEM方式又はEMR(登録商標)方式の位置検出装置を構成しており、所定の検出領域内におけるスタイラス2(位置指示器)の位置を検出する役割を果たす。検出領域は、後述する表示パネル16の表示領域よりも若干大きな面積を有するように設定される長方形の領域であり、表示領域の全体と重なるように配置される。集積回路20は、スタイラス2が送出したペン信号(交番磁界)をセンサ13を介して検出することにより、検出領域内におけるスタイラス2の位置を検出する。また、EMR(登録商標)方式に対応している場合には、センサ13を介して電磁波を送信することにより、スタイラス2内に電力を発生させる処理も行う。この場合、スタイラス2は、こうして発生した電力を利用してペン信号を送出することになる。センサ13及び集積回路20のその他の詳細(特に、センサ13の構造及び集積回路20による位置検出の具体的な方法)については、後ほど詳しく説明する。
【0036】
表示パネル16は、液晶、有機EL、電子ペーパーなどによって構成される表示装置である。表示パネル16の具体的な種類は、特に限定されない。表示パネル16の具体的な表示内容は、上述したプロセッサ及び制御回路によって制御される。図示していないが、表示パネル16は、複数の画素がマトリクス状に配置されてなる長方形の表示領域と、表示領域の周囲に設定されるベゼル領域とを有して構成される。ベゼル領域には、各画素を制御回路に接続するための配線が配置される。
【0037】
ここで、センサ13(後述する基板13A)を表示パネル16の背面側に配置していることは、本発明の特徴の一つである。このような配置を採用することで、センサ13の内部において、後述するコイル40a,40bの引き出し線41a,41bを検出領域の中央部に設けても、引き出し線41a,41bの存在によって表示パネル16の視認性が低下することを回避可能となる。引き出し線41a,41bを検出領域の中央部に設けることができれば、検出領域の周辺に位置するスタイラス2の位置を検出できない領域(上述した無効エリア)を小さくすることができ、その結果として上記ベゼル領域も小さくすることができるので、本実施の形態では、後ほど図4図7を参照して詳述するように、引き出し線41a,41bを検出領域Tの中央部に設けている。
【0038】
シールド板11は、センサ13の背面に配置された磁性体であり、センサ13で発生する電磁波が背面側に漏れないようにするための電磁シールドとして機能する。また、シールド板11は、センサ13で発生する磁束の磁路としての役割も担う。スペーサー12は、例えば両面テープであり、センサ13に設けられる配線とシールド板11との間を絶縁するとともに、センサ13をシールド板11に固定する役割を果たす。
【0039】
以下、センサ13及び集積回路20の詳細について、図3図9を参照しながら説明する。
【0040】
図3は、センサ13の模式的な断面図である。同図に示すように、センサ13は、表示面側から順に、配線層L1(第1の層)、絶縁層30、配線層L2(第2の層)、絶縁層31、配線層L3(第3の層)、絶縁層32、配線層L4が積層されてなる長方形の多層基板13A(第1の基板)を含んで構成される。配線層L1,L4は最外側層であり、配線層L2,L3は最外側層ではない内側層である。
【0041】
配線層L1内の配線は、絶縁層30を貫通するビア導体33によって、配線層L2内の配線と接続される。同様に、配線層L3内の配線は、絶縁層32を貫通するビア導体34によって、配線層L4内の配線と接続される。また、配線層L1内の配線は、絶縁層30~32及び配線層L2,L3を貫通するビア導体35によって、配線層L4内の配線と接続される。
【0042】
図4図7はそれぞれ、配線層L1~L4に含まれる配線の具体的な構成を示す図である。なお、これらの図に示すX軸方向、Y軸方向はそれぞれ、基板13Aの長辺方向及び短辺方向である。また、A軸方向は、基板13Aの長辺方向と0度より大きく90度より小さい所定の角度をなす方向(第1の方向)であり、B軸方向は、A軸方向と交差する方向(第2の方向)である。典型的には、図4図7に示すように、A軸方向はX軸方向と45度の角度をなし、A軸方向とB軸方向は直交するが、A軸方向及びB軸方向の具体的な方向はこれに限定されない。例えば、B軸方向はY軸方向と一致していてもよい。
【0043】
以下の説明では、X軸方向及びY軸方向によって構成される座標系を「正規座標系」と称し、A軸方向及びB軸方向によって構成される座標系を「斜め座標系」と称する場合がある。図示した正規座標系の4つの座標(X1,Y1)(X2,Y1)(X1,Y2)(X2,Y2)を頂点とする長方形は、センサ13の検出領域Tを表している。
【0044】
初めに図4及び図5を参照すると、配線層L1,L2には、複数のコイル40aが形成される。複数のコイル40aはそれぞれ、典型的には、A軸方向に沿って延在する長辺部LEa1,LEa2と、X軸方向に沿って延在する2つの短辺部SEaとによって囲まれた略平行四辺形の形状を有して構成される。ただし、一部のコイル40aは、A軸方向に沿って延在する長辺部LEa1,LEa2と、X軸方向に沿って延在する短辺部SEaと、Y軸方向に沿って延在する短辺部SEaとによって囲まれた略台形の形状を有し、さらに、基板13Aの四隅のうちの2箇所に位置する2つのコイル40aは、A軸方向に沿って延在する長辺部LEa1と、X軸方向に沿って延在する短辺部SEaと、Y軸方向に沿って延在する短辺部SEaとによって囲まれた略三角形の形状を有する。
【0045】
各コイル40aの主要部分は配線層L2に形成されるが、一部は配線層L1に形成される。配線層L1に形成された部分と配線層L2に形成された部分との間は、図4及び図5に黒丸で示したビア導体33によって互いに接続される。配線層L1に形成される部分には、隣接するコイル40aと重なる部分(図4に例示した第1の重なり部OLa)が含まれる。これにより、複数のコイル40aは、隣接する2つのコイル40aが平面的に見て重なるように配置されている。
【0046】
各コイル40aの長辺部LEa1(第1の長辺部)は、配線層L2に形成された部分の途中で断線している。この断線によって生ずる2つの解放端はそれぞれコイル40aの端部EN1,EN2(第1及び第2の端部)を構成しており、それぞれ対応する引き出し線41a(後述)に接続される。
【0047】
次に図6及び図7を参照すると、配線層L3,L4には、複数のコイル40bが形成される。複数のコイル40bはそれぞれ、典型的には、B軸方向に沿って延在する長辺部LEb1,LEb2と、X軸方向に沿って延在する2つの短辺部SEbとによって囲まれた略平行四辺形の形状を有して構成される。ただし、一部のコイル40bは、B軸方向に沿って延在する長辺部LEb1,LEb2と、X軸方向に沿って延在する短辺部SEbと、Y軸方向に沿って延在する短辺部SEbとによって囲まれた略台形の形状を有し、さらに、基板13Aの四隅のうちの2箇所に位置する2つのコイル40bは、B軸方向に沿って延在する長辺部LEb1と、X軸方向に沿って延在する短辺部SEbと、Y軸方向に沿って延在する短辺部SEbとによって囲まれた略三角形の形状を有する。
【0048】
各コイル40bの主要部分は配線層L3に形成されるが、一部は配線層L4に形成される。配線層L3に形成された部分と配線層L4に形成された部分との間は、図6及び図7に黒丸で示したビア導体34によって互いに接続される。配線層L4に形成される部分には、隣接するコイル40bと重なる部分(図7に例示した第2の重なり部OLb)が含まれる。これにより、複数のコイル40bは、隣接する2つのコイル40bが平面的に見て重なるように配置されている。
【0049】
各コイル40bの長辺部LEb1(第2の長辺部)は、配線層L3に形成された部分の途中で断線している。この断線によって生ずる2つの解放端はそれぞれコイル40bの端部EN1,EN2を構成しており、それぞれ対応する引き出し線41b(後述)に接続される。
【0050】
再度図4を参照すると、配線層L1にはさらに、各複数の引き出し線41a,41bと、各複数の端子42a,42bを含む端子群とが配置される。これらはいずれも、検出領域T内に配置される。各複数の端子42a,42bは、基板13Aの一方長辺の近傍に、X軸方向に沿って並設される。
【0051】
ここで、折り曲げ基板21は、図4に示すように、一方端部が平面的に見て基板13Aの一方長辺から基板13Aの外側に向かって直角に延出するように配置される。また、折り曲げ基板21の一方端部には、各複数の端子42a,42bと一対一に対応する複数の端子23が設けられる。各端子23は、折り曲げ基板21上に形成された配線22を介して個別に集積回路20に接続されるとともに、圧着により、各複数の端子42a,42bの中の対応するものと電気的に接続される。以上の構造により、各複数の引き出し線41a,41bはそれぞれ、各複数の端子42a,42bの中の対応するもの、対応する端子23、対応する配線22を介して、個別に集積回路20に接続される。
【0052】
なお、折り曲げ基板21と基板13Aとを一体の基板として形成することとしてもよい。この場合、複数の端子42a,42b及び複数の端子23を設けることなく、各複数の引き出し線41a,41bのそれぞれを対応する配線22に直接接続することとしてもよい。
【0053】
複数の引き出し線41a(第1及び第2の引き出し線)は、各コイル40aの端部EN1,EN2のそれぞれに対応して設けられる。したがって、引き出し線41aの本数は、コイル40aの本数の2倍である。各引き出し線41aは、図4及び図5に黒丸で示したビア導体33を介して、対応する端部EN1又は端部EN2に接続される。これにより、各コイル40aの端部EN1,EN2が集積回路20に接続される。
【0054】
複数の引き出し線41bは、各コイル40bの端部EN1,EN2のそれぞれに対応して設けられる。したがって、引き出し線41bの本数は、コイル40bの本数の2倍である。各引き出し線41bは、図4乃至図7に黒四角で示したビア導体35を介して一旦配線層L4に引き出され、配線層L4内で対応する端部EN1又は端部EN2の位置まで引き回された後、図6及び図7に黒丸で示したビア導体34を介して、対応する端部EN1又は端部EN2に接続される。これにより、各コイル40bの端部EN1,EN2も集積回路20に接続される。
【0055】
ここで、各複数の引き出し線41a,41bには、A軸方向及びB軸方向のいずれとも異なる方向に延在する曲げ部(例えば、図4に示した部分配線41aa,41ab、41ba、図7に示した部分配線41bbなど)を有するものがある。このような曲げ部の存在を許容することで、配線レイアウトの自由度が高まり、効率よく引き出し線41a,41bを配置することが可能になる。また、引き出し線41a,41b間における配線長の差を小さくすることも可能になる。なお、本実施の形態では引き出し線41a,41bに曲げ部を設けたが、端子42a,42bに、X軸方向及びY軸方向のいずれとも異なる方向に延在する曲げ部を設けることとしてもよい。こうすることによっても、同様の効果を得ることができる。
【0056】
図8は、以上のような構造を有するセンサ13を用いて集積回路20が行う位置検出処理を説明する図である。また、図9は、集積回路20が行う位置検出処理のフロー図である。以下、これらの図を参照しながら、センサ13を用いた位置検出処理について、詳しく説明する。
【0057】
初めに集積回路20は、複数のコイル40a,40bを順次走査する処理を繰り返すことにより、複数のコイル40a,40bのそれぞれにおけるペン信号の検出レベル(受信強度)を取得する(ステップS1)。次いで集積回路20は、各引き出し線41a,41bの配線長に基づき、取得した検出レベルを補正する(ステップS2)。この補正処理は、各引き出し線41a,41bの配線長が一定でないために必要となる処理である。つまり、引き出し線41a,41bの配線長が長いほど配線抵抗が大きくなるため、集積回路20に到達するペン信号のレベルは小さくなる。そこで、集積回路20には予め、各引き出し線41a,41bの配線長に基づく検出レベルの補正処理が組み込まれる。
【0058】
次に集積回路20は、補正後の検出レベルに基づき、三点法又は四点法により、スタイラス2の位置Pを示す斜め座標系の座標(a,b)を検出する(ステップS3)。三点法は、例えばA軸について言えば、複数のコイル40aのうち最もペン信号の検出レベルが高いものと、その両側に位置する他の2つのコイル40aとを含む3つのコイル40aのそれぞれにおけるペン信号の検出レベルとに基づいて所定の補間曲線を生成し、該補間曲線の頂点をA軸座標とする方式である。四点法では、補間曲線を生成するために、さらにもう1つのコイル40a(例えば、3つのコイル40aの両側に位置する2つのコイル40aのうち、検出レベルの高い方)の検出レベルが利用される。B軸についても同様である。
【0059】
斜め座標系の座標(a,b)を取得した集積回路20は、次の式(1)に示す回転変換により、取得した斜め座標系の座標(a,b)を正規座標系の座標(x,y)に変換する(ステップS4)。ただし、式(1)に示すθは、図8に示すように、X軸とA軸のなす角(例えば45°)である。また、式(1)は、A軸とB軸とが直交しているという前提で立式したものであり、A軸とB軸とが直交していない場合には、A軸とB軸のなす角を考慮して式(1)を修正する必要がある。
【0060】
【数1】
【0061】
集積回路20は、以上の変換によって得た正規座標系の座標(x,y)を、プロセッサに出力するよう構成される(ステップS4)。これにより、プロセッサに対して、正規座標系の座標(x,y)を通知することが可能になる。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態によれば、基板13Aを表示パネル16の背面側に配置していることから、引き出し線41a,41bとコイル40a,40bとの接続点(端部EN1,EN2)を検出領域Tの縁部ではなく中央部に設けているにも関わらず、引き出し線41a,41bによる表示パネル16の視認性の低下を抑制できる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、引き出し線41a,41bを自由に配線することが可能になることから、一方端部が平面的に見て基板13Aの一辺から基板13Aの内側に向かって直角に延出するように折り曲げ基板21を配置することができる。したがって、図2(b)に示したように、表示モジュール背面カバー10の背面に折り曲げ基板21及び集積回路20をまっすぐに配置することができるので、図2(b)に示した領域Aと、図19に示した領域Aとを比較すると理解されるように、集積回路20を含む各種回路の配置効率の低下を抑制することが可能になる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、各複数の端子42a,42bを基板13Aの一方長辺の近傍にX軸方向に沿って並設していることから、引き出し線41a,41bの延在方向によらず、折り曲げ基板21上に形成する配線22の長さを揃えることができる。したがって、基板13A上における配線長の違いのみに基づいて、図9に示したステップS2での補正処理を行うことが可能になる。
【0065】
この効果について詳しく説明すると、一般に、タブレット端末1の組み立てはセンサ13及び集積回路20のベンダーとは異なる会社によって行われ、折り曲げ基板21を用意するのは組み立てを行う会社となる。したがって、折り曲げ基板21としては、配線22の長さが均一なシンプルなものを用いることができるようにしておくことが好ましく、そのようにすることで、センサ13及び集積回路20のベンダーは、折り曲げ基板21上に形成する配線22の長さの違いを考慮することなく、図9に示したステップS2での補正処理を設計することが可能になる。本実施の形態によれば、そのようなシンプルな折り曲げ基板21を用いることが可能になるので、センサ13及び集積回路20のベンダーは、折り曲げ基板21上に形成する配線22の長さの違いを考慮することなく、図9に示したステップS2での補正処理を設計することができる。
【0066】
以下、本実施の形態によるタブレット端末1のその他の特徴と、それによって奏される効果とについて、説明する。
【0067】
図10及び図11は、図4図7に示したコイル40a,40bを重ねて示した図である。ただし、すべてを重ねて示すと分かりにくくなるので、図10及び図11のそれぞれに半数ずつ、コイル40a,40bを図示している。また、コイル40aを実線で示し、コイル40bを破線で示している。
【0068】
図10及び図11に示すように、本実施の形態による複数のコイル40a,40bはそれぞれ、コイル40aの短辺部SEaの少なくとも一部と、コイル40bの短辺部SEbの少なくとも一部とが平面的に見て重なるように形成される。この例では特に、X軸方向に延在する各コイル40aの短辺部SEaが複数のコイル40bのうちのいずれかの短辺部SEbと完全に重なるように、コイル40a,40bが形成されている。
【0069】
この構成によれば、集積回路20は、座標計算に使用する3本以上のコイル40a,40bの信号変化を、各短辺部の近辺まで好適に取得可能となる。したがって、従来、二点法で座標計算をする他なかった検出領域Tの縁部近傍においても3本以上のコイルを用いる三点法(または4本以上のコイルを用いる四点法)により座標計算を行うことが可能になるので、検出領域Tの端部(辺付近)にスタイラス2が位置している場合の座標精度を高めることが可能になる。この場合において、3本のコイル40aによる検出の結果と、3本のコイル40bによる検出の結果との両方を用いて座標計算するように集積回路20を構成すれば、より座標精度を高めることが可能になる。加えて、図10及び図11の例では、X軸方向に延在する各コイル40aの短辺部SEaが複数のコイル40bのうちのいずれかの短辺部SEbと完全に重なるようにコイル40a,40bが形成されているので、座標制度をさらに高めることが可能になる。
【0070】
また、図11においてX軸座標X3,X4の位置に例示したように、本実施の形態による複数のコイル40a,40bは、平行四辺形であるコイル40aの鋭角部SAaと、平行四辺形であるコイル40bの鈍角部OAbとが平面的に見て重なるように形成される。平行四辺形であるコイル40aの鈍角部OAaと、平行四辺形であるコイル40bの鋭角部SAbとについても同様である。なお、鋭角部SAa,SAb及び鈍角部OAa,OAbは、図4図7にも示されている。加えて、本実施の形態による集積回路20は、センサ13を介して電磁波を送信する際、平面的に見て同じ位置に配置された鋭角部及びと鈍角部(すなわち、該鋭角部を含むコイル、及び、該鈍角部を含むコイル)に同時に電流を供給するように構成される。
【0071】
EMR(登録商標)方式に対応する集積回路20がセンサ13を介して電磁波を送信する際、鋭角部SAa,SAbでは磁束密度が高くなり、鈍角部OAa,OAbでは磁束密度が低くなる。したがって、検出領域Tの端部あるいは全体において磁束密度に不均一な部分が生ずるおそれがあるが、上記構成によれば、磁束密度が高い部分(鋭角部SAa,SAb)と、磁束密度が低い部分(鈍角部OAa,OAb)とが平面的に見て同じ場所に位置することになるので、検出領域Tの端部あるいは全体において、磁束密度の分布を均等化することが可能になる。
【0072】
なお、このような磁束密度の均一化は、他の構成によっても達成できる。以下、この他の構成について、詳しく説明する。
【0073】
図12(a)は、コイル40aの鋭角部SAaに調整部A1を設けた例を示す図である。調整部A1は、鋭角部SAaを構成する長辺部(この場合は長辺部LEa1)と短辺部SEaとの間に設けた鋭角部SAaの短絡線によって構成される。このような調整部A1をコイル40a,40bの各鋭角部に設けることで、角部における磁束密度の差(特に、鈍角部との差)を小さくすることができる。したがって、磁束密度の分布を均等化することが可能になる。
【0074】
図12(b)は、コイル40aの鈍角部OAaに調整部A2を設けた例を示す図である。調整部A2は、鈍角部OAaを構成する長辺部(この場合は長辺部LEa2)を鈍角部OAaから検出領域Tの外側に向かって延長することによって得られる該長辺部の端部と、鈍角部OAaを構成する短辺部SEaを対応する鋭角部に向かって短縮することによって得られる該短辺部SEaの端部とを接続してなる線分によって構成される。このような調整部A2をコイル40a,40bの各鈍角部に設けることによっても、角部における磁束密度の差(特に、鋭角部との差)を小さくすることができる。したがって、磁束密度の分布を均等化することが可能になる。
【0075】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態によるタブレット端末1は、センサ13の構成の点で、第1の実施の形態によるタブレット端末1と相違する。その他の点では第1の実施の形態と同様であるので、同一の構成には同一の符号を付し、以下では第1の実施の形態との相違点に着目して説明する。
【0076】
図13及び図14は、本実施の形態によるセンサ13の配線層L1,L2に含まれる配線の具体的な構成を示す図である。本実施の形態によるセンサ13は、複数のコイル40a,40bに代え、複数のコイル50a,50bを有して構成される。複数のコイル50a,50bは、各コイル50aが平面的に見て互いに重なっておらず、各コイル50bも平面的に見て互いに重なっていない点で、第1の実施の形態によるセンサ13と相違する。このように構成したことにより、本実施の形態においては、コイル50aは単一の配線層L2のみに形成されており、また、コイル50bは単一の配線層L1のみに形成されている。なお、コイル50aを配線層L1に形成し、コイル50bを配線層L2に形成してもよいのは勿論である。
【0077】
コイル50aの引き出し線51a及びコイル50bの引き出し線(図示せず)は、配線層L1,L2内のコイル50a,50bと干渉しない領域に形成される。これにより、本実施の形態では、図3に示した基板13Aの各層のうち配線層L3,L4及び絶縁層31,32が省略され、配線層L1,L2が最外側層となっている。また、図3に示したビア導体34,35は、本実施の形態によるセンサ13には設けられない。
【0078】
図13及び図14には、各コイル50aに対応して設けられる複数の引き出し線51aのうち、2つのコイル50a1,50a2に接続される4本のみを示している。図示するように、これら4本の引き出し線51aそれぞれの一端は、複数のコイル50bのうちの1つであるコイル50b1の内側に相当する領域内に設けられた4つの端子52aのそれぞれに接続される。4つの端子52aは、第1の実施の形態と同様に、基板13Aの一方長辺の近傍にX軸方向に沿って並設され、それぞれ、折り曲げ基板21上に形成された端子23(図4を参照)に接続される。図示していないが、他の各引き出し線51aに接続される端子52aと、各コイル50bの引き出し線に接続される端子とについても同様である。
【0079】
図13及び図14から理解されるように、コイル50a1は、対応する端子52aがその内側に形成されるコイル50b1と、平面的に見て重なる部分を有している。このようなコイル50a1に接続される2本の引き出し線51aは、平面的に見てコイル50b1の内側に相当する領域内にB軸方向に延在するように形成され、ビア導体33によってコイル50a1の端部EN1,EN2にそれぞれ接続される。
【0080】
一方、図13及び図14から理解されるように、コイル50a2は、対応する端子52aがその内側に形成されるコイル50b1と、平面的に見て重なる部分を有していない。以下、このようなコイルのことを「離れコイル」と称する。離れコイル50a2に接続される2本の引き出し線51aは、平面的に見てコイル50b1の内側に相当する領域内では、コイル50a2に接続され得ない。そこで、これらの引き出し線51aとコイル50a2との接続は、途中で配線層L2を経由して実現される。以下、詳しく説明する。
【0081】
コイル50a2に接続される2本の引き出し線51aはそれぞれ、一端がコイル50a2の端部EN1,EN2のうちの対応するものに接続され、B軸方向に延在する第1の部分51a1と、一端が第1の部分51a1の他端に接続され、A軸方向に延在する第2の部分51a2と、一端が第2の部分51a2の他端に接続され、B軸方向に延在する第3の部分51a3とを有して構成される。
【0082】
第3の部分51a3は、平面的に見てコイル50b1の内側に相当する領域内に形成される部分である。第3の部分51a3の他端は、対応する端子52aに接続される。
【0083】
第2の部分51a2は、図14に示したコイル50a3の内側に相当する領域内に形成される部分である。コイル50a3は、複数のコイル50aのうち平面的に見てコイル50b1と重なる部分を有し、かつ、複数のコイル50bのうち平面的に見てコイル50a2と重なる部分を有するコイル50b2とも重なる部分を有するコイルである。図13及び図14の例では、コイル50a1もこの条件に該当するので、コイル50a1にコイル50a3を兼ねさせることとしてもよい。第2の部分51a2の他端は、コイル50b1,50a3が重なる領域内で、ビア導体33により第3の部分51a3の一端と接続される。
【0084】
第1の部分51a1は、上述したしたコイル50b2の内側に相当する領域内に形成される部分である。第1の部分51a1の他端は、コイル50a2,50b2が重なる領域内で、ビア導体33により第2の部分51a2の一端と接続される。第1の部分51a1の一端は、ビア導体33により、コイル50a2の端部EN1,EN2のうちの対応するものに接続される。
【0085】
以上説明したように、本実施の形態によれば、引き出し線51aに第1乃至第3の部分51a1~51a3を設けたので、離れコイル50a2を引き出し線51aに接続することが可能になる。したがって、多層ではない二層の基板を利用しつつも、離れコイル50a2を折り曲げ基板21上の配線22(図4を参照)と接続することが可能になる。なお、本実施の形態ではコイル50aの離れコイルに着目したが、コイル50bの離れコイルについても同様である。
【0086】
なお、同様の効果は、コイル50a,50bが形成される配線層とは異なる1以上の配線層を設け、そこにコイル50a,50bの引き出し線を配置することによっても実現できる。この構成は、第1の実施の形態において、コイル40a,40bの形状をコイル50a,50bと同じ形状に変更してなる構成に他ならない。
【0087】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態によるタブレット端末1は、集積回路20の動作の点で、第1の実施の形態によるタブレット端末1と相違する。その他の点では第1の実施の形態と同様であるので、同一の構成には同一の符号を付し、以下では第1の実施の形態との相違点に着目して説明する。
【0088】
図15は、本実施の形態による集積回路20が行う位置検出処理の概要を説明する図である。同図に示した黒点及び白抜き点は、コイル40a,40bの各交点ISを示している。白抜き点で示した交点ISは、検出領域Tの縁部に位置するものである。本実施の形態による集積回路20は、ペン信号のレベルに基づいてスタイラス2の位置検出を行う際に、スタイラス2が検出領域Tの縁部に位置しているか否かを判定する。そして、検出領域Tの縁部に位置していると判定した場合には、第1の実施の形態で説明した方法(回転変換による方法)により正規座標系の座標(x,y)を得る一方で、検出領域Tの縁部に位置していないと判定した場合(すなわち、検出領域Tの中央部に位置していると判定した場合)には、より簡易な方法により正規座標系の座標(x,y)を得る。
【0089】
図16は、本実施の形態による集積回路20内のメモリ(図示せず)に予め格納される2つのテーブルを示す図である。図16(a)に示すテーブルは、交点ISごとに、斜め座標系による座標と、正規座標系による座標と、その交点ISが検出領域Tの縁部に位置しているか否かを示す縁部フラグとを対応付けて記憶するテーブルであり、以下では「交点テーブル」と称する。一方、図16(b)に示すテーブルは、斜め座標系による座標の差分と、正規座標系による座標の差分とを対応付けて記憶するテーブルであり、以下では「差分テーブル」と称する。本実施の形態による集積回路20は、これらのテーブルを用いて、斜め座標系の座標(a,b)を正規座標系の座標(x,y)に変換する処理を行う。
【0090】
図17は、図15の一部を拡大してなる図である。また、図18は、本実施の形態による集積回路20が行う位置検出処理のフロー図である。以下、これらの図を参照しながら、本実施の形態による集積回路20が行う位置検出処理について、詳しく説明する。なお、以下では、図17に示した位置Pがスタイラス2の現在の位置であるとして、説明を進める。
【0091】
ステップS1~S3の処理は、第1の実施の形態で説明したとおりである。ステップS3で斜め座標系における位置Pの座標(a,b)を検出した集積回路20は、次に、座標(a,b)に最も近い交点ISである交点ISPを検出し、その斜め座標系における座標(a,b)を取得する(ステップS10。交点検出ステップ)。そして、交点テーブルを参照することにより、取得した座標(a,b)が検出領域Tの縁部か否かを判定する(ステップS11,S12。判定ステップ)。具体的には、交点テーブルに座標(a,b)と対応付けて記憶される縁部フラグが「True」であれば検出領域Tの縁部であると判定し、「False」であれば検出領域Tの縁部でないと判定する。
【0092】
ステップS12において縁部であると判定した場合、集積回路20は、第1の実施の形態と同様、回転変換によって斜め座標系の座標(a,b)を正規座標系の座標(x,y)に変換し、プロセッサに出力する(ステップS4)。
【0093】
一方、ステップS12において縁部でないと判定した集積回路20は、まず、斜め座標系における、交点ISPに対するスタイラス2の相対位置を示す相対座標(Δa,Δb)を取得する(ステップS13)。図17に示すように、相対座標Δaは座標aと座標aの差分に相当し、相対座標Δbは座標bと座標bの差分に相当する。
【0094】
次いで集積回路20は、斜め座標系の座標(a,b)を正規座標系の座標(x,y)にマッピングする(ステップS14。第1のステップ)。具体的には、図16(a)に示した交点テーブルを参照することにより、座標(a,b)に対応する正規座標系の座標を取得し、座標(x,y)として取得する。また、集積回路20は、斜め座標系の相対座標(Δa,Δb)を正規座標系の相対座標(Δx,Δy)にマッピングする(ステップS15。第2のステップ)。具体的には、図16(b)に示した差分テーブルを参照することにより、相対座標(Δa,Δb)に対応する正規座標系の相対座標を取得し、相対座標(Δx,Δy)として取得する。
【0095】
その後、集積回路20は、取得した座標(x,y)及び相対座標(Δx,Δy)に基づき、正規座標系における位置Pの座標(x,y)を算出し、プロセッサに出力する(ステップS16)。具体的には、座標xに相対座標Δxを加算することによって位置PのX座標xを取得し、座標xに相対座標Δyを加算することによって位置PのY座標yを取得する。
【0096】
本実施の形態によれば、集積回路20は、スタイラス2の位置が検出領域Tの縁部に位置するか否かを、回転変換を経ずに判定することが可能になる。したがって、スタイラス2が検出領域Tの中央に位置する場合に、回転変換によらない簡易な方法(ステップS13~S16)により、斜め座標系の座標(a,b)を正規座標系の座標(x,y)に変換することが可能になる。
【0097】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0098】
例えば、集積回路20は、EMR(登録商標)方式による電磁波をセンサ13から送信する場合に、複数のコイル(第1及び第3の実施の形態ではコイル40a,40b、第2の実施の形態では複数のコイル50a,50b)それぞれの形状に応じて(具体的には、例えば平行四辺形、台形、三角形のいずれであるかに応じて)異なる電圧又は電流を、複数のコイルのそれぞれに供給するよう構成されてもよい。具体的には、平行四辺形であるコイルについては相対的に大きな電圧又は電流を供給し、台形であるコイルについては相対的に中程度の電圧又は電流を供給し、三角形であるコイルについては相対的に大きな電圧又は電流を供給するよう、集積回路20を構成してもよい。また、他の例では、集積回路20は、複数のコイルそれぞれの長さに応じて、各コイルに供給する電圧又は電流のいずれか少なくとも一方を、コイルごとに調整するよう構成されてもよい。コイルの形状や長さの違いによっては、同じ電圧又は電流が供給された場合であっても、生成される磁束の密度がコイルごとに異なり得るが、この構成によれば、そのような磁束密度の差を抑制し、検出領域Tの端部あるいは全体において、磁束密度の分布を均等化することが可能になる。
【0099】
また、上記各実施の形態では、各コイル40a,40b,50a,50bの巻き数をいずれも1としたが、各コイルのうち相対的に短いコイル(例えば、図4及び図5に示した略台形のコイル40a)の巻き数を、相対的に長いコイル(例えば、図4及び図5に示した略平行四辺形のコイル40a)の巻き数より多くしてもよい。こうすれば、各コイルで発生する磁束の密度を揃えることが可能になる。
【符号の説明】
【0100】
1 タブレット端末
2 スタイラス
10 表示モジュール背面カバー
10a 表示モジュール背面カバー10の開口部
11 シールド板
12 スペーサー
13 センサ
13A 基板
16 表示パネル
17 表示モジュール枠
18 ガラス
20 集積回路
21 折り曲げ基板
22 折り曲げ基板21上の配線
23 折り曲げ基板21上の端子
30~32 絶縁層
33~35 ビア導体
40a,40b,50a,50b,50a1,50a2,50a3,50b1,50b2 コイル
41a,41b,51a 引き出し線
41aa,41ab,41bb 部分配線
42a,42b,52a センサ13の端子
51a1 引き出し線51aの第1の部分
51a2 引き出し線51aの第2の部分
51a3 引き出し線51aの第3の部分
A1,A2 調整部
EN1,EN2 端部
IS,ISP 交点
L1~L4 配線層
LEa1,LEa2,LEb1,LEb2 長辺部
OAa,OAb 鈍角部
OLa 第1の重なり部
OLb 第2の重なり部
SAa,SAb 鋭角部
SEa,SEb 短辺部
T 検出領域
図1
図2
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図4
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図15
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