(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】農業製品のための界面活性剤
(51)【国際特許分類】
A01N 25/30 20060101AFI20231121BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20231121BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20231121BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20231121BHJP
A01P 13/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
A01N25/30
A01N25/00 101
A01P3/00
A01P7/04
A01P13/00
(21)【出願番号】P 2022537392
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 US2020064347
(87)【国際公開番号】W WO2021126668
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-15
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517213094
【氏名又は名称】アドバンシックス・レジンズ・アンド・ケミカルズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ADVANSIX RESINS & CHEMICALS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】アシルバサム,エドワード
【審査官】中村 政彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/085297(WO,A1)
【文献】特開平03-170401(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0213226(US,A1)
【文献】特表2010-513991(JP,A)
【文献】特表2009-521546(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 25/00
A01P 3/00
A01P 7/00
A01P 13/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
(式中、R
1及びR
2は、同一又は異なっていてもよく、C
1~C
6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含み、場合により前記C
1~C
6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、前記アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく、
nは、1~12の整数であり、
前記末端窒素は、R
3でさらに置換されていてもよく、ここでR
3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC
1~C
6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、
存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、前記化合物に会合された任意の対イオンと、
農薬と、
を含む、農薬のための配合物。
【請求項2】
非水溶性溶媒をさらに含む、請求項1に記載の配合物。
【請求項3】
前記農薬が、殺虫剤である、請求項1に記載の配合物。
【請求項4】
消泡剤をさらに含む、請求項3に記載の配合物。
【請求項5】
凍結防止剤をさらに含む、請求項3に記載の配合物。
【請求項6】
水をさらに含む、請求項3に記載の配合物。
【請求項7】
式I
【化2】
(式中、R
1及びR
2は、同一又は異なっていてもよく、C
1~C
6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含み、場合により前記C
1~C
6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、前記アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく、
nは、1~12の整数であり、
前記末端窒素は、R
3でさらに置換されていてもよく、ここでR
3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC
1~C
6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、
存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、前記化合物に会合された任意の対イオンと、
殺菌剤と、
を含む、殺菌剤のための配合物。
【請求項8】
共界面活性剤をさらに含む、請求項7に記載の配合物。
【請求項9】
担体剤をさらに含む、請求項7に記載の配合物。
【請求項10】
式I
【化3】
(式中、R
1及びR
2は、同一又は異なっていてもよく、C
1~C
6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含み、場合により前記C
1~C
6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、前記アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく、
nは、1~12の整数であり、
前記末端窒素は、R
3でさらに置換されていてもよく、ここでR
3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC
1~C
6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、
存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、前記化合物に会合された任意の対イオンと、
除草剤と、
を含む、除草剤のための配合物。
【請求項11】
第二の除草剤をさらに含む、請求項10に記載の配合物。
【請求項12】
非水溶性溶媒をさらに含む、請求項10に記載の配合物。
【請求項13】
水をさらに含む、請求項10に記載の配合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示が全体として参照により本明細書に取り込まれる、2019年12月19日出願の米国特許仮出願第62/950,391号の優先権を主張するものである。
【0002】
分野
本開示は、農業製品における使用のための界面活性剤に関係する。そのような界面活性剤は、アミノ酸のシロキサン誘導体を含んでいてもよく、該シロキサン誘導体は、表面活性特性を有する。
【背景技術】
【0003】
界面活性剤(表面活性特性を有する分子)は、商業的農業配合物中で広範に用いられる。これらの配合物は、農薬、植物成長調節剤、殺菌剤、除草剤、及び殺虫剤などの種々の活性農薬(active agricultural agents)を含む場合がある。多くのそのような活性農薬は、限定的水溶性を呈するか、又は結晶化する傾向があり得る。活性農薬の沈殿は、効率の損失をもたらす場合がある。活性剤が、沈殿物に濃縮されると、活性剤が田畑に噴霧された場合に、均等に分布されることが妨害される。したがって界面活性剤が、活性剤の溶解度、湿潤及び展着性を改善するために配合物中に含まれる場合がある。
【0004】
界面活性剤は、無電荷、双性イオン性、陽イオン性、又は陰イオン性であってもよい。原則として、任意の界面活性剤分類(例えば、陽イオン性、陰イオン性、非イオン性、両性)が適するが、配合物が2つ以上の界面活性剤分類からの2つ以上の界面活性剤の組み合わせを含み得ることが考えられる。
【0005】
多くの場合、界面活性剤は、相対的に非水溶性の疎水性「テール」基と、相対的に水溶性の親水性「ヘッド」基と、を有する両親媒性分子である。これらの化合物は、2種の液体の間、液体と気体の間、又は液体と固体の間の界面などの界面で吸着され得る。相対的に極性の成分と相対的に非極性の成分を含む系では、疎水性テールが、相対的に非極性の成分(複数可)と優先的に相互作用し、親水性ヘッドが、相対的に極性の成分(複数可)と優先的に相互作用する。水と油の間の界面の場合、親水性ヘッド基が、優先的に水中に広がり、疎水性テールが、優先的に油中に広がる。親水性ヘッド基は、水-気体の界面に添加されると、優先的に水中に広がり、疎水性テールは、優先的に気体中に広がる。界面活性剤の存在は、水分子の間の分子間相互作用の少なくとも一部を崩壊させて、水分子間の相互作用の少なくとも一部を、水分子の少なくとも一部と界面活性の間の一般により弱い相互作用と置き換える。このことが、低下された表面張力をもたらし、界面を安定化させることに役立ち得る。
【0006】
界面活性剤は、充分に高い濃度では、極性溶媒への疎水性テールの暴露を限定するのに役立つ凝集体を形成する場合がある。そのような凝集体の1つが、ミセルである。典型的なミセルでは、分子が球の中に配列されて、界面活性剤(複数可)の疎水性テールが、優先的に球の内側に配置され、界面活性剤(複数可)の親水性ヘッドが、優先的にミセルの外側に配置され、ヘッドがより極性の溶媒と優先的に相互作用する。所与の化合物が表面張力に及ぼす効果と、それがミセルを形成する濃度が、界面活性剤の特徴を定義するものとして役立ち得る。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、農薬、植物成長調節剤、殺菌剤、除草剤、及び殺虫剤などの農業製品の配合物を提供する。これらの製品は、本明細書に開示された1つ又は複数の界面活性剤分類からの1種又は複数の界面活性剤を含むように配合されてもよい。界面活性剤は、乳化剤、湿潤剤、分散剤、及び/又は展着性を改善するための薬剤として用いられてもよい。加えて界面活性剤は、アジュバント及びスピンドリフト(spin drift)を制御する薬剤として用いられてもよい。
【0008】
本開示は、農業製品のための界面活性剤を、表面活性特性を有するアミノ酸のシロキサン誘導体の形態で提供する。アミノ酸は、天然由来若しくは合成のアミノ酸であってもよく、又はそれらは、ラクタム、例えばカプロラクタムなどの分子の開環反応を介して得られてもよい。アミノ酸は、異なるタイプのシロキサン基で官能基化されて、表面活性特性を有する化合物を形成してもよい。特徴としてこれらの化合物は、低い臨界ミセル濃度(CMC)及び/又は液体の表面張力を低減する能力を有してもよい。
【0009】
本開示は、式I
【0010】
【0011】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3でさらに置換されていてもよく、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、農薬又は植物成長調節剤と、非水溶性溶媒と、を含む、農薬又は植物成長調節剤のための配合物を提供する。
【0012】
本開示はさらに、式I
【0013】
【0014】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3でさらに置換されていてもよく、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、任意の共界面活性剤と、溶媒又は固形担体などの任意の担体剤と、を含む、殺菌剤のための配合物を提供する。
【0015】
本開示はまた、式I
【0016】
【0017】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3でさらに置換されていてもよく、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、1種又は複数の除草剤と、非水溶性溶媒と、水と、を含む除草剤のための配合物を提供する。
【0018】
本開示はさらに、式I
【0019】
【0020】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、殺虫剤と、任意の消泡剤と、任意の凍結防止剤と、水と、を含む殺虫剤のための配合物を提供する。
【0021】
本開示の上述及び他の特色、並びにそれらを実現する手法は、以下の態様の記載を添付の図面と合わせて参照することによってより明白となり、より良好に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施例1bに記載された通りの、pH=7で測定された塩素対イオンを有する、界面活性剤2での表面張力と濃度を対比したプロットを示す。
【
図2】
図2は、実施例2bに記載された通りの、界面活性剤3での表面張力と濃度を対比したプロットを示す。
【
図3】
図3は、実施例2bに記載された通りの、界面活性剤3での表面張力の変化としての動的表面張力と時間を対比したプロットを示す。
【
図4】
図4は、実施例3bに記載された通りの、界面活性剤4での表面張力と濃度を対比したプロットを示す。
【
図5】
図5は、実施例3bに記載された通りの、界面活性剤4での表面張力の変化としての動的表面張力と時間を対比したプロットを示す。
【
図6】
図6は、実施例4bに記載された通りの、界面活性剤5での表面張力と濃度を対比したプロットを示す。
【
図7】
図7は、実施例4bに記載された通りの、界面活性剤5での表面張力の変化としての動的表面張力と時間を対比したプロットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書で用いられる語句「これらのエンドポイントを利用した任意の範囲内」は、値が列挙のより低い部分であるか、又は列挙のより高い部分であるかにかかわらず、任意の範囲がそのような語句の前に列挙された値の任意の2つから選択され得ることを文字通り意味する。例えば一対の値は、2つのより低い値、2つのより高い値、又はより低い値とより高い値から選択されてもよい。
【0024】
本明細書で用いられる言語「アルキル」は、直鎖又は分枝鎖であり得る任意の飽和炭素鎖を意味する。
本明細書で用いられる語句「表面活性」は、会合された化合物が少なくとも部分的に溶解された媒体の表面張力、及び/又は他の相との界面張力を低下させることが可能であり、したがって液体/蒸気及び/又は他の界面で少なくとも部分的に吸着され得ることを意味する。用語「界面活性剤」は、そのような化合物に適用されてもよい。
【0025】
不正確さの用語法に関係して、用語「約」及び「およそ」は、述べられた測定を包含し、述べられた測定に適度に近い任意の測定も包含する、測定をいうために互換的に用いられてもよい。述べられた測定に適度に近い測定は、関連の技術分野の当業者により理解され、即座に確認される通り、述べられた測定から適度に小さな量だけ逸脱する。そのような逸脱は例えば、測定誤差、又は性能を最適化するために行われた微細な調整に起因され得る。関連の技術分野の当業者がそのような適度に小さな差異についての値を即座に確認しないことが決定された場合には、用語「約」及び「およそ」は、述べられた値のプラス又はマイナス10%を意味すると理解され得る。
【0026】
本開示は、農薬、植物成長調節剤、殺菌剤、殺虫剤、及び除草剤などの農業製品の配合物を提供する。
I.農薬及び植物成長調節剤の配合物
農薬などの活性農業薬剤は、従来通り異なる濃縮形態でエンドユーザに提供されて、エンドユーザにより水又は他の適切な媒体で希釈されて即使用可能な配合物に希釈される。そのような濃縮形態としては、固形配合物、例えば粉末、及び液体配合物が挙げられる。多くの適用では、液体配合物は、毒性粉末のダスティング及び希釈剤への緩徐な溶解の問題が回避され得るため好ましい。
【0027】
液体濃縮配合物としては、いわゆるエマルジョン濃縮物及び可溶性液体濃縮物が挙げられる。エマルジョン濃縮物は、農薬、非水溶性溶媒、及び乳化剤を含み、それは水に添加されると、自然に、又は混合後に、該農業的活性物質(agricultural active)が主としてエマルジョン滴の中に存在する水中油エマルジョンを形成する。このタイプの濃縮配合物は、非水溶性である/低水溶性を有する農業的活性物質に特に適し、その場合の即使用可能な配合物中の推奨される濃度は、農業的活性物質の溶解度を超える。
【0028】
本開示は、本明細書に記載された濃縮農薬配合物から調製された農業配合物に植物を接触させることにより、長期貯蔵と、最終的に植物を処理するエンドユーザへの送達と、に適した高濃度の農業的活性剤(agriculturally active agent)を有する農薬配合物又は植物成長調節剤配合物を提供する。
【0029】
本開示の農薬配合物は、農業的活性剤(農薬又は植物成長調節剤)と、1つ又は複数の界面活性剤分類から選択される1種又は複数の界面活性剤又は共界面活性剤と、非水溶性溶媒と、を含んでいてもよい。
【0030】
1.農薬
本明細書で用いられる用語「農薬」は、当該技術分野で周知であり、少なくともEnvironmental Protection Agency(EPA)により、Federal Insecticides, Fungicide, and Rodenticide Act(FIFRA)に、Insecticides and Environmental Pesticide Control Subchapter(7 U.S.C.§136(u))に、「環境の保護」に関係するCode of Federal Regulations(CFR)に、そして40CFR §152.3の中のRegulations of the EPAに記載される。農薬は典型的には、当該技術分野において、任意の害虫を予防、破壊、忌避、調節、及び/又は軽減するために用いられる物質として認識される。害虫は、人又は環境に有害な生物体であるが、生存する人若しくは他の生存する動物の任意の内部寄生虫、又は生存する人若しくは他の生存する動物の体表面若しくは体内の任意の真菌、細菌、ウイルス若しくは他の微生物を包含しない。言い換えれば用語法「害虫」は、典型的にはヒト若しくは動物に感染する、又はヒト若しくは動物を病気にする任意の生物体を包含しない。加えて本明細書で用いられる用語法「農薬」は、典型的には任意のヒト若しくは動物の薬物若しくは医薬、当該技術分野で定義された「新しい動物用医薬品」である任意の物品、ヒトの体内で用いられるデバイスに適用される任意の液体滅菌剤、及び/又は生存する人若しくは生存する動物の体内若しくは体表面の真菌、細菌、ウイルス若しくは他の微生物に対する使用を意図した任意の製品を包含しない。その上、本開示の農薬は、典型的にはヒト又は動物(家畜及びペットなど)の疾患を制御するために用いられる薬物又は医薬を包含しない。
【0031】
本明細書で用いられる用語「植物成長調節剤」は、生理学的作用を通して観賞用又は作物用植物又はその製品の成長速度若しくは成熟速度を促進する、若しくは遅延させる、又は他の方法でそれらの挙動を改変する化合物をいう。
【0032】
本発明での使用に特に企図される農薬及び植物成長調節剤は、有機化合物、好ましくは合成有機化合物である。適切な農薬及び植物成長調節剤としては、トリアゾール、ストロビルリン、アルキレンビス(ジチオカルバメート)化合物、ベンゾイミダゾール、フェノキシカルボン酸、安息香酸、尿素、スルホニル尿素、トリアジン、ピリジンカルボン酸、ネオニコチニド、アミジン、有機リン酸エステル、及びピレトロイドが挙げられる。農薬は、1g/L以下の水溶性を有していてもよい。
【0033】
本開示の濃縮配合物において、農薬又は植物成長調節剤は、組成物の重量の約5wt%以上、約10wt%以上、約15wt%以上、約20wt%以上、又は約25wt%以下、約30wt%以下、約35wt%以下、約40wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で存在してもよい。
【0034】
2.界面活性剤
本開示の農薬配合物は、界面活性剤系とも称される1種又は複数の界面活性剤を含む。界面活性剤系は、組成物を乳化するため、そして/又はアジュバントとして作用するために含まれる。界面活性剤系は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤であり得る少なくとも1種の界面活性剤、そして場合により両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤であり得る少なくとも1種の他の界面活性剤、又はそれらの組み合わせを含む。そのような界面活性剤は、本明細書に記載された本質的成分と物理的及び化学的に適合性がなければならない、又はその他に過度の製品安定性、美容性、若しくは性能を付与してはならない。
【0035】
本開示の農薬配合物中での使用に適した界面活性剤は、式I
【0036】
【0037】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される1種又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、を含む。
【0038】
詳細には、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書に記載された界面活性剤1~6のいずれかの1つ又は複数を含んでいてもよい。
農薬配合物中の界面活性剤系の濃度は、組成物の重量の約20wt%以上、約30wt%以上、約40wt%以上、又は約50wt%以下、約60wt%以下、約70wt%以下、若しくは約80wt%以下の範囲内、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内であってもよい。
【0039】
3.非水溶性溶媒
本開示の農薬配合物は、非水溶性溶媒を含んでいてもよい。水溶性が20℃で約10g/L水以下、約5g/L水以下、約1g/L水以下、又は約0.1g/L若しくは水以下であれば、溶媒は非水溶性と見なされる。
【0040】
適切な非水溶性溶媒としては、商品名Solvessoとして販売されるものなどの芳香族溶媒、及び少なくとも6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状、脂肪族又は芳香族、飽和又は不飽和アルコールなどの非水溶性アルコールを挙げることができる。
【0041】
4.他の添加剤
農薬配合物は、追加的界面活性剤、水、増粘剤、付着増強剤(deposition enhancers)、ドリフト制御剤、塩、安定化剤、浸透剤、展着剤、湿潤剤、増強剤(building agents)、増量剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、植物浸透剤、トランスロケータ、油、活性化剤、葉の栄養素、相溶剤、ドリフト遅延剤、発泡遅延剤、バッファー、転相剤(inverting agent)、土壌浸透剤、安定化剤、紫外線フィルター、摂食刺激物質、洗浄剤、沈積剤(sinking agent)、バインダー、液体担体、乾燥担体、例えばアタパルガイト、カオリナイト、バーミキュライト、デンプンポリマー、トウモロコシの穂軸及びそれらの組合せを含んでいてもよい。農薬配合物はまた、活性化剤、摂食抑制剤、汚損防止剤、誘引剤、化学不妊化剤、消毒剤、燻蒸剤、フェロモン、忌避剤、枯葉剤、乾燥剤、昆虫成長調節剤、植物成長調節剤、相乗剤、アジュバント及びそれらの組合せなどの農薬でない追加の化合物を含んでいてもよい。
【0042】
これらの添加剤は独立して、約0wt%以上、約5wt%以上、約10wt%以上、約15wt%以上、又は約20wt%以下、約25wt%以下、約30wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で農薬配合物中に存在してもよい。
【0043】
追加の陰イオン性、非イオン性、陽イオン性、両性、及び双性イオン性界面活性剤などの追加的界面活性剤が、組成物の重量の約5wt%以上、約10wt%以上、約15wt%以上、約20wt%以上、又は約25wt%以下、約30wt%以下、約35wt%以下、約40wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の濃度で濃縮組成物中に存在してもよい。
【0044】
水が、組成物の重量の約0wt%以上、約5wt%以上、約10wt%以上、約20wt%以上、約30wt%以上、又は約35wt%以下、約45wt%以下、約55wt%以下、約65wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の濃度で濃縮組成物中に存在してもよい。
【0045】
ポリマーが、増粘剤、付着増強剤、又はドリフト抑制剤として濃縮組成物中に含まれてもよい。適切なポリマーとしては、多糖型エーテル及び合成ポリマーを挙げることができる。
【0046】
ブチルジグリコールなどのグリコールエーテル、N-ホルミル-モルホリン、短鎖脂肪族アルコール、炭酸プロピレンほかの水溶性有機溶媒が、多くとも1:2の水溶性有機溶媒:非水溶性有機溶媒の重量比で農薬配合物中に存在してもよい。
【0047】
5.作製方法
該方法は、界面活性剤系、農薬、そして場合により溶媒を組み合わせるステップを含む。このステップは、先に記載された任意の添加剤を添加することも含んでいてよい。上述の成分及び化合物は、例えば全体又は一部が、任意の順序で互いの1つ又は複数に、任意の量で、そして1つ又は複数の個別のステップで、添加されてもよい。
【0048】
6.使用方法
本開示の濃縮農薬配合物は、室温及び大気圧では液体形態で、農業的有効成分が内部に溶解されていてもよい。
【0049】
濃縮農薬配合物は、最終使用の前に水性媒体、典型的には水道水と混合されるものとする。タンクへの水性媒体(水)の添加前に、添加と同時に、又は添加後に、濃縮組成物が該タンクに添加される。濃縮殺虫組成物は、それを用いて農業的活性物の適切な濃度に希釈される。
【0050】
本開示の希釈農薬配合物中の水含量は、希釈組成物の総重量に基づき、約75wt%以上、約90wt%以上、約99wt%以上、又は約99.9wt%以上であってもよく、究極的には本開示の濃縮農薬配合物中の農業的有効成分を、即使用可能な組成物中の所望の濃度に希釈するのに必要とされる水の量に依存するであろう。
【0051】
農業的活性物は、水性媒体と混合され、それに希釈される場合、溶液又は微細なエマルジョンの形態で水性媒体中に均等に分配され、任意の結晶成長が実質的に起こらないように希釈され得る。
【0052】
植物は、従来から用いられる任意の手法で処理される植物を希釈された組成物と接触することにより、希釈された即使用可能な農薬配合物で処理されてもよい。本明細書で用いられる用語「植物」は、目に見える地上部の植物の幹、葉及び果実だけでなく、根及び種子もいう。植物と接触される有効成分の量は、好ましくは有効成分が殺虫活性又は植物成長調節活性を保つのに充分である、即ち有効量である。
【0053】
II.殺菌剤配合物
本開示は、殺菌剤の配合物を提供する。殺菌剤配合物は、固体又は液体形態であってもよい。配合物が用いられ得る真菌としては、担子菌、子嚢菌、アダロマイセイト(Adalomycetes)又は不完全型真菌、特にヘイファ、オイディア、アイスポット、フザリオーシス、フザリウム・ロゼウム、フザリウム・ニバーレ、ネットブロッチ、リーフブロッチ、セプトリア・スポット及びシン・リゾクトニア(sin Rhizoctonia)が挙げられる。これらの有害な真菌は、ほとんどの野菜及び植物において、しかし特に小麦、大麦、ライ麦、オーツ麦又はそれらのハイブリッド、並びに米及びトウモロコシなどの穀物において疾患を引き起こし得る。
【0054】
殺菌剤配合物は、殺菌剤と、1つ又は複数の界面活性剤分類から選択される1種又は複数の界面活性剤又は共界面活性剤などの乳化剤成分と、任意の共乳化剤成分と、溶媒又は固形担体などの任意の担体剤と、を含んでいてもよい。
【0055】
1.殺菌剤
殺菌剤配合物は、殺菌剤を含む。適切な殺菌剤としては、アゾキシストロビン、ベナラキシル、カルベンダジム、クロロタロニル、カプファー(cupfer)、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジノカップ、エポキシコナゾール、フルアジナム、フルシラゾール、フルトリアホール、フォルペル(folpel)、ホセチルアルミニウム、クレソキシムメチル、ヘキサコナゾール、マンコゼブ、メタラキシル、メトコナゾール、ミクロブタニル、オフレース、フェンチンヒドロキシド、プロクロラズ、ピリメタニル、ソウフレ(soufre)、テブカナゾール(tebucanazol)及びテトラコナゾール、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な除草剤としては、個別に、又は互いに混和されて用いられ得る、アラクロール、アクロニフェン、アセトクロール、アミドスルフロン、アミノトリアゾール、アトラジン、ベンタゾン、ビフェノックス、オクタン酸ブロモキシル、ブロモキシニル、クレトジム、クロジナホップ・プロパルギル、クロリダゾン、クロルスルフロン、クロルトルロン、クロマゾン、シクロキシジム、デスメジファム、ジカンバ、ジシクロホップ(dicyclofop)・メチル、ジウレア、ジフルフェニカニル、ジミテナミド、エトフメセート、フルアジホップ、フルアジホップ-p-ブチル、フルオロクロリドン、フルオロキシピル、グルフォシナト(glufosinat)、グリホサート、ガロキシホップ-R(galoxyfop-R)、オクタン酸アイオキシニル、イソプロツロン、イソキサベン、メタミトロン、メタザクロール、メトラクロール、メトスルフロン-メチル、ニコスルフロン、ノトフルラゾン、オリザリン、オキサジアゾン、オキシフルオロフェン、パラコート、ペンジメタリン、フェンメジファム、フェノキサプロップ-p-エチル、プロパキザホップ、プロスルホカルブ、キザロホップ、スルコトリオン、スルホサート、テルブチラジン、トリアスルフロン、トリクロルピル(trichlorpyr)、トリフルアリン(triflualin)及びトリフルスルホロン(triflusulforon)-メチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
殺菌剤の量は、液体殺菌剤配合物の総重量に基づき、約1wt%以上、約5wt%以上、約10wt%以上、約20wt%以上、約30wt%以上、約40wt%以上、又は約50wt%以下、約60wt%以下、又は約70wt%以下、約80wt%以下、約90wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲の組み合わせであってもよい。
【0057】
2.界面活性剤
本発明の殺菌剤配合物は、界面活性剤系とも称される1種又は複数の界面活性剤を含む。界面活性剤系は、分散又は湿潤剤として用いられてもよい。界面活性剤系は、農業適用のために調製される場合、液体殺菌剤形成の安定したエマルジョンを形成するために乳化剤成分として用いられてもよい。乳化剤成分はまた、安定した乳剤を形成するために用いられてもよい。界面活性剤系は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤であり得る少なくとも1種の界面活性剤、そして場合により両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤であり得る少なくとも1種の他の界面活性剤、又はそれらの組み合わせを含む。
【0058】
本開示の殺菌剤配合物中での使用に適した界面活性剤は、式I
【0059】
【0060】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される1種又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、を含む。
【0061】
詳細には適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書に記載された界面活性剤1~6のいずれかの1種又は複数を含んでいてもよい。
殺菌剤配合物中の1種又は複数の界面活性剤の総量は、約1wt%以上、約5wt%以上、約10wt%以上、又は約15wt%以下、約20wt%以下、約25wt%以下、約30wt%以下、約35wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内であってもよい。
【0062】
3.共乳化剤又は共界面活性剤
殺菌組成物は、任意の共乳化剤又は共界面活性剤を含んでいてもよい。任意の共界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤及び/又は非イオン性界面活性剤であってもよく、本開示及びその他のそれらの界面活性剤を含んでいてもよい。例えば陰イオン性界面活性剤は、本開示の界面活性剤又は当該技術分野で公知の任意のものを含み、ステアリン酸カリウムなどの脂肪酸のアルカリ塩、アルカリ土類塩又はアンモニウム塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、又はイソアルキルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルメチルエステルスルホン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム又はラウロイルタウリンナトリウム、及びそれらの組み合わせを含んでいてもよい。陰イオン性界面活性剤は、任意の量の乳化剤成分の中に存在してもよい。
【0063】
非イオン性乳化剤が、コーン油エトキシレート、大豆油エトキシレート、ひまし油エトキシレート、獣脂エトキシレートなどのアルコキシル化動物性又は植物性油脂、グリセロールモノステアリン酸塩、脂肪アルコールアルコキシレート及びオキソアルコールアルコキシレートなどのグリセロールエステル、オレイン酸エトキシレートなどの脂肪酸アルコキシレート、イソノニルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノールアルコキシレート、脂肪アミンアルコキシレート、脂肪酸アミドアルコキシレート、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン、及びトリステアリン酸ソルビタン)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなどの糖型界面活性剤、アルキルポリグリコシド、N-アルキルグルコンアミド、アルキルメチルスルホキシド、テトラデシルジメチルホスフィンオキシドなどのアルキルジメチルホスフィンオキシド、並びにそれらの組み合わせなどの本開示のそれらの界面活性剤又は当該技術分野で公知のいずれかを含んでいてもよい。
【0064】
4.担体剤
本開示の殺菌剤配合物は、担体剤を含んでいてもよい。本明細書で用いられる用語「担体」は、有効成分と組み合わせた場合に、植物、種子又は土壌への適用を促進する天然又は合成の、有機又は無機の形態の材料をいう。それゆえこの担体は通常、不活性であるが、特に処理される植物に、農業として許容できなければならない。担体は、固体(粘土、天然若しくは合成ケイ酸塩、二酸化ケイ素、樹脂、ワックス又は固形肥料ほか)又は液体(水、アルコール、ケトン、石油留分、芳香族又はパラフィン系炭化水素、塩素化炭化水素、液化ガスほか)であってもよい。
【0065】
5.他の添加剤
殺菌剤配合物が、安定化剤、浸透剤、展着剤、湿潤剤、増強剤、増量剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、植物浸透剤、トランスロケータ、油、活性化剤、葉の栄養素、相溶剤、ドリフト遅延剤、発泡遅延剤、バッファー、転相剤、土壌浸透剤、安定化剤、紫外線フィルター、摂食刺激物質、洗浄剤、沈積剤、バインダー、液体担体、乾燥担体、例えばアタパルガイト、カオリナイト、バーミキュライト、デンプンポリマー、トウモロコシの穂軸及びそれらの組合せなどの他の添加剤を含んでいてもよい。農薬配合物はまた、活性化剤、摂食抑制剤、汚損防止剤、誘引剤、化学不妊化剤、消毒剤、燻蒸剤、フェロモン、忌避剤、枯葉剤、乾燥剤、昆虫成長調節剤、植物成長調節剤、相乗剤、アジュバント及びそれらの組合せなどの農薬でない追加の化合物を含んでいてもよい。
【0066】
これらの添加剤は独立して、約0wt%以上、約5wt%以上、約10wt%以上、約15wt%以上、又は約20wt%以下、約25wt%以下、約30wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で農薬配合物中に存在してもよい。
【0067】
6.殺菌エマルジョン
液体殺菌剤配合物は、販売及び/又は使用の時点で農業用エマルジョンを形成するように水又は他の溶媒に添加されてもよい。典型的には良好に形成された農業用エマルジョンは、乳白色で自然とブルーミングし(即ち、形成し)有効な適用例に充分な安定性を有する。しかし本開示の殺菌エマルジョンは、そのようなパラメータに限定されず、エマルジョン形成の成功を示す他の特徴を有していてもよい。
【0068】
本開示は、前述の殺菌剤配合物及び水を含む水性殺菌剤配合物を提供する。液体殺菌剤配合物は、スプレータンク内で、又はスプレータンクへの添加前に独立したタンク内で、水と組み合わせられてもよい。例えば液体殺菌剤配合物は、水と共に又は水と別個に、独立したコンテナ及び/又はスプレータンクに添加されてもよい。用語法「希釈された」は、農業用液体殺菌剤配合物が水を含むことを記載する。
【0069】
希釈された殺菌剤配合物の水は、希釈された殺菌剤配合物の、約5wt%以上、約10wt%以上、約20wt%以上、約30wt%以上、約40wt%以上、約50wt%以上、又は約60wt%以下、約70wt%以下、約80wt%以下、約90wt%以下、約99wt%以下、約99.5wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で存在してもよい。
【0070】
殺菌剤は、約0.00001wt%以上、約0.0001wt%以上、約0.001wt%以上、約0.01wt%以上、約0.1wt%以上、約1wt%以上、又は約2wt%以下、約4wt%以下、約6wt%以下、約8wt%以下、約10wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で希釈された殺菌剤配合物の中に存在してもよい。
【0071】
殺菌剤は、約100g/ヘクタール以上、約200g/ヘクタール以上、約300g/ヘクタール以上、約400g/ヘクタール以上、約500g/ヘクタール以上、又は約600g/ヘクタール以下、約700g/ヘクタール以下、約800g/ヘクタール以下、約900g/ヘクタール以下、約1000g/ヘクタール以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量(又はそれらに等しい量)で存在してもよい。
【0072】
7.乳剤
本開示は、乳剤(当該技術分野で「EC」としても知られる)を用いて形成され得る殺菌エマルジョンを提供する。先に記載された液体殺菌組成物は、さらにECとして記載されてもよく、又はECでなくてもよい。乳剤は、25℃で約1cps以上、20cps以上、40cps以上、60cps以上、80cps以上、100cps以上、若しくは120cps以下、140cps以下、160cps以下、180cps以下、200cps以下、若しくはこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の粘度、又は25℃で200cpsまで、50~200、100~200、若しくは約200cps以下の粘度を有する液体であってもよい。任意の特定の理論に結び付けるのを望むものではないが、乳剤が用いられる場合、25℃で約200cps以下の粘度がエマルジョンのブルーミング及び効率的形成を促進するものと考えられる。
【0073】
乳剤自体は、無水、即ち水が不含であってもよい。或いは乳剤は、水を含んでいてもよい。乳剤は、5wt%以下、2.5wt%以下、1wt%以下、0.5wt%以下、又は0.1wt%以下の量の水を含んでいてもよい。乳剤は、乳剤の100重量部あたり15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、又は1重量部未満の水を含んでいてもよい。乳剤は、水を含まない単一の油状の、例えば疎水性の相である。以下により詳細に記載される通り、水又は別の溶媒に添加された場合、乳剤は、ブルーミングし、ほとんど~全く相分離を有さない乳白色農業用エマルジョンを形成してもよい。
【0074】
乳剤は、単相を含んでいてもよい。言い換えれば乳剤は、明確な非極性相及び明確な極性相を含まなくてもよく、代わりに単層が、活性成分(殺菌剤)、界面活性剤系、任意の共界面活性剤、及び/又は任意の非水溶性溶媒を含む。単層が、部分的相分離を含む場合があるが、典型的には全体として相分離を含まないことが、察知されなければならない。低温では、相分離が起こる場合がある。乳剤は、前述の界面活性剤系及び殺菌剤を含む、又はそれである(例えば、任意の溶媒を有さない、そして/又は任意の共界面活性剤を有さない)と記載されてもよい。
【0075】
8.固形配合物
固形形態の組成物では、ダスティングに適した粉末又は分散物、詳細には押し出される微粒子組成物が参照されてもよい。固形配合物は、活性剤での担体粉末の含浸を通して、又は粉末の造粒により形成されてもよい。
【0076】
これらの顆粒組成物中の活性剤の量は、約1wt%以上、10wt%以上、20wt%以上、30wt%以上、約40wt%以下の、約50wt%以下、約60wt%以下、約70wt%以下、約80wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内であってもよい。
【0077】
湿潤性粉末配合物(又はスプレー粉末)は、約20wt%以上、約30wt%以上、約40wt%以上、又は約50wt%以上、約60wt%以下、約70wt%以下、約80wt%以下、約90wt%以下、約95wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で活性剤を含んでいてもよい。
【0078】
湿潤性粉末配合物は、界面活性剤などの湿潤剤を含んでいてもよく、約0wt%以上、約1wt%以上、約2wt%以上、又は約3wt%以下、約4wt%以下、約5wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で、本開示のそれらの界面活性剤を含んでいてもよい。
【0079】
湿潤性粉末配合物は、界面活性剤などの分散剤を含んでいてもよく、約3wt%以上、約4wt%以上、約5wt%以上、約6wt%以上、又は約7wt%以下、約8wt%以下、約9wt%以下、又は約10wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量の本開示のそれらの界面活性剤を含んでいてもよい。
【0080】
湿潤性粉末配合物は、固形担体を含んでいてもよく、ある量で、又は約0wt%以上、約1wt%以上、約2wt%以上、約3wt%以上、約4wt%以上、約5wt%以上、又は約6wt%以下、約7wt%以下、約8wt%以下、約9wt%以下、約10wt%以下で、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量の当該技術分野で公知の任意の固形担体を含んでいてもよい。
【0081】
湿潤性粉末配合物は、1種若しくは複数の安定化剤、及び/又は顔料、着色剤、透過剤、接着促進剤若しくは固化防止剤などの他の添加剤を含有してもよい。
これらの湿潤性粉末配合物又は噴霧性粉末を生成するために、活性剤(複数可)は、適切な混合装置で他の成分と細密に混合され、得られた混合物は、ミル又は他の適切な摩砕器具で粉砕される。したがって、湿潤性及び懸濁性を有する噴霧性粉末が、得られる。したがってそれらは、水に任意濃度で懸濁され得、これらの懸濁物は、詳細には種子を処理するのに特に有用である。
【0082】
湿潤性粉末配合物に加え、ペーストも生成されてよい。ペーストの調製及び使用の条件及び方法は、湿潤性粉末又はスプレー粉末のそれらと類似している。
分散性顆粒組成物は、湿潤性粉末配合物と類似の粉末組成物を提供するために適切な造粒システムで集塊作用により調製されてもよい。
【0083】
III.除草剤配合物
本開示はさらに、除草剤の配合物を提供する。これらの配合物は、除草的有効量で植物に適用されてもよく、制限なく以下の属の1つ又は複数の1種又は複数の植物種を効果的に制御し得る:アブチロン属、アマランサス属、アルテミシア属、アスクレピアス属、アベナ属、アキソノプス属、ボレリア属、ブラキアリア属、ブラッシカ属、ブロムス属、ケノポディウム属、シルシウム属、コメリナ属、コンボルブルス属、シノドン(cynodon)属、シペルス属、ジギタリア属、エキノクロア属、エレウシン属、エリムス属、エキセタム属、エロジウム属、ヘリアンサス属、インペラタ属、イポモエア属、コキア属、ロリウム属、マルバ属、オリザ属、オットクロア属、パニクム属、パスパルム属、ファラリス属、フラグマイテス属、ポリゴナム属、ポーチュラカ属、プテリジウム属、プエラリア属、ルブス属、サルソラ属、セタリア属、シダ属、シナピス属、モロコシ属、コムギ属、タイファ属、ウレックス属、キサンチウム及びトウモロコシ属。
【0084】
本開示の除草剤配合物は、除草剤、及び任意の第二の除草剤、1つ又は複数の界面活性剤分類から選択される1種又は複数の界面活性剤、非水溶性溶媒、及び水を含んでいてもよい。
【0085】
1.除草剤
本開示の除草剤配合物は、除草剤又はそれらの水溶性塩を含んでいてもよい。適切な除草剤は、2,4-D(2,4-ジクロロフェノキシ酢酸)、2,4-DB(4-(2,4-ジクロロフェノキシ)酪酸)、アミノシクロピラクロール、アミノピラリド、クロピラリド、ジカンバ、グリホサート、MCPA、MCPB、ピクロラム、トリクロピル、又はそれらの混合物を含んでいてもよい。
【0086】
除草剤の水溶性塩は、有機アンモニウム陽イオンの分類から選択される1種又は複数の陽イオンを含有する塩を含んでいてもよく、該有機アンモニウム陽イオンは、1~約12個の炭素原子を有していてもよく、例えば有機アンモニウム陽イオンは、例えばイソプロピルアンモニウム、ジグリコールアンモニウム(2-(2-エミノエトキシ)エタノールアンモニウム)、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、モノエタノールアンモニウム、ジメチルエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム、トリイソプロパノールアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、N,N,N-トリメチルエタノールアンモニウム(コリン)、及びN,N-ビス-(3-アミノプロピル)メチルアンモニウム(BAPMA)が挙げられる。
【0087】
加えて、除草剤の水溶性塩は、例えばナトリウム及び/又はカリウムなどの無機陽イオンから選択される1種又は複数の陽イオンを含有する塩を含んでいてもよい。
オーキシン除草剤などの酸性除草剤の場合、除草剤は、約100グラム酸当量/リットル(g ae/L)以上、約200g ae/L以上、約300g ae/L以上、又は約400g ae/L以下、約500g ae/L以下、約600g ae/L以下、約625g ae/L以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で除草剤配合物中に存在してもよい。
【0088】
本明細書に記載された幾つかの除草剤活性剤は、酸型の官能基を含有せず、これらの有効成分では、用語「酸当量」及び「酸当量基準」は、存在する第二の除草剤の量を記載するのに正確でない。一般にそのような例では、用語「有効成分」又は「有効成分基準」が、存在する第二の除草剤有効成分の量を記載するために用いられ得る。例えば、有効成分が、酸当量を有さない場合、グラム有効成分/リットル(g ai/L)が、グラム酸当量/リットル(g ae/L)の代わりに用いられてもよく、又はグラム有効成分/キログラム(g ai/kg)が、グラム酸当量/キログラム(g ae/kg)の代わりに用いられてもよい。
【0089】
2.任意の第二の除草剤
適切な第二の除草剤は、非限定的に、4-CPA、4-CPB、4-CPP、2,4-D、3,4-DA、2,4-DB、3,4-DB、2,4-DEB、2,4-DEP、3,4-DP、2,4,5-T、2,4,5-TB、及び2,3,6-TBAのエステル、アリドクロール、アセトクロール、アシフルオルフェン、アクロニフェン、アラクロール、アロキシジム、アロラック、アメトリジオン(ametridione)、アメトリン、アミブジン、アミカルバゾン、アミドスルフロン、アミノシクロピラクロールエステル、アミノピラリドエステル、アミプロホス-メチル、アミトロール、アニロホス、アニスロン、アシュラム、アトラトン、アトラジン、アザフェニジン、アジムスルフロン、アジプロトリン、バーバン、BCPC、ベフルブタミド、ベナゾリン、ベンカルバゾン、ベンフルラリン、ベンフレセート、ベンスルフロン、ベンスリド、ベンタゾン、ベンザドックス、ベンズフェンジゾン、ベンジプラム(benzipram)、ベンゾビシクロン、ベンゾフェナップ、ベンゾフルオール、ベンゾイルプロップ、ベンズチアズロン、ビシクロピロン、ビフェノックス、ビラナホス、ビスピリバック、ブロマシル、ブロモボニル(bromobonil)、ブロモブチド、ブロモフェノキシム、ブロモキシニル、ブロムピラゾン、ブタクロール、ブタフェナシル、ブタミホス、ブテナクロール、ブチダゾール、ブチウロン(buthiuron)、ブトラリン、ブトロキジジム、ブツロン(buturon)、ブチレート、カフェンストロール、カフェンストロール、カンベンジクロル、カルバスラム(carbasulam)、カルバスラム、カルベタミド、カルボキサゾール(carboxazole)、クロルプロカルブ、カルフェントラゾン、CDEA、CEPC、クロメトキシフェン、クロランベン、クロラノクリル(chloranocryl)、クロラジホップ(chlorazifop)、クロラジン、クロルブロムロン、クロルブファム、クロレツロン、クロルフェナック、クロルフェンプロップ、クロルフルラゾール、クロルフルレノール、クロリダゾン、クロリムロン、クロルニトロフェン、クロロポン、クロロトルロン、クロロクスロン、クロロキシニル、クロロプロファム、クロルスルフロン、クロルタール、クロルチアミド、シニドンエチル、シンメチリン、シノスルフロン、シサニリド、クレトジム、クリオジネート(cliodinate)、クロジナホップ、クロホップ(clofop)、クロマゾン、クロメプロップ、クロメプロップ、クロプロップ、クロプロキシジム、クロピラリドエステル、クロランスラム、CPMF、CPPC、クレダジン、クミルロン、シアナトリン、シアナジン、シクロエート、シクロスルファムロン、シクロキシジム、シクルロン、シハロホップ、シペルコート、シプラジン、シプラゾール、シプロミド(cypromid)、ダイムロン、ダラポン、ダゾメット、デラクロール、デスメジファム、デスメトリン、ジアレート、ジカンバエステル、ジクロベニル、ジクロラル尿素(dichloralurea)、ジクロルメート(dichlormate)、ジクロルプロップ、ジクロルプロップ-P、ジクロホップ、ジクロスラム、ジエタムコート(diethamquat)、ジエタチル、ジフェノペンテン(difenopenten)、ジフェノクスロン(difenoxuron)、ジフェンゾコート、ジフルフェニカン、ジフルフェンゾピル、ジメフロン、ジメピペレート、ジメタクロール、ジメタメトリン、ジメテナミド、ジメテナミド-P、ジメキサノ、ジミダゾン、ジニトラミン、ジニトラミン、ジノフェネート、ジノプロップ(dinoprop)、ジノサム、ジノセブ、ジノテルブ、ジフェナミド、ジプロペトリン、ジクワット、ジスル(disul)、ジチオピル、ジウロン、DMPA、DNOC、EBEP、エグリナジン、エンドタール、エプロナズ(epronaz)、エプロナズ、EPTC、エルボン、エスプロカルブ、エタルフルラリン、エタメツルフロン、エチジムロン、エチオレート、エトフメセート、エトキシフェン(ethoxyfen)、エトキシスルフロン、エチノフェン、エトニプロミド、エトニプロミド、エトニプロミド、エトベンザニド、EXD、フェナスラム(fenasulam)、フェナスラム、フェナスラム、フェノプロップ、フェノキサプロップ、フェノキサプロップ-P、フェノキサスルホン、フェンテラコール(fenteracol)、フェンチアプロップ、フェントラザミド、フェヌロン(fenuron)、フラムプロップ、フラムプロップ-M、フラザスルフロン、フロラスラム、フルアジホップ、フルアジホップ-P、フルアゾラート、フルカルバゾン、フルセトスルフロン、フルクロラリン、フルフェナセット、フルフェニカン、フルフェンピル、フルメツラム、フルメジン、フルミクロラック、フルミオキサジン、フルミプロピン、フルオメツロン、フルオロジフェン、フルオログリコフェン、フルオロミジン(fluoromidine)、フルオロニトロフェン(fluoronitrofen)、フルオチウロン、フルポキサム、フルポキサム、フルプロパシル、フルプロパネート、フルピルスルフロン、フルリドン、フルオロクロリドン、非液体フルロキシピルエステル、フルロキシピル-メプチル、フルルタモン、フルチアセット、ホメサフェン、ホメサフェン、ホラムスルフロン、ホサミン、フリロキシフェン(furyloxyfen)、グリホサート、ハラウキシフェン、ハラウキシフェン-メチル、ハロサフェン、ハロサフェン、ハロスルフロン、ハロキシジン、ハロキシホップ、ハロキシホップ-P、ヘキサジノン、イマザメタベンズ、イマザモックス、イマザピック、イマザピル、イマザキン、イマゼタピル、イマゾスルフロン、インダノファン、インダジフラム、ヨードボニル、ヨードスルフロン、アイオキシニル、イパジン、イプフェンカルバゾン、イプリミダム、イソカルバミド、イソシル(isocil)、イソメチオジン、イソノルロン、イソポリネート、イソプロパリン、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、イソキサクロルトール、イソキサフルトール、イソキサピリホップ、カルブチレート、ケトスピラドックス(ketospiradox)、ラクトフェン、レナシル、リヌロン、MCPAエステル、MCPA-チオエチル、MCPA-EHE、MCPBエステル、メコプロップ、メコプロップ-P、メジノテルブ(medinoterb)、メフェナセット、メフルイジド、メソプラジン(mesoprazine)、メソスルフロン、メソトリオン、メタム、メタミホップ、メタミホップ、メタミトロン、メタザクロール、メタゾスルフロン、メトフルラゾン、メタベンズチアズロン、メタルプロパリン、メタゾール、メチオベンカルブ、メチオゾリン、メチウロン、メチウロン、メトメトン(methometon)、メトプロトリン、メチルダイムロン、メトベンズロン、メトブロムロン、メトラクロール、S-メトラクロール、メトスラム、メトクスロン、メトリブジン、メツルフロン、モリネート、モナリド、モニソウロン、モノリニュロン、モニュロン、モルファムコート、ナプロアニリド、ナプロパミド、ナプタラム、ネブロン、ニコスルフロン、ニピラクロフェン、ニトラリン、ニトロフェン、ニトロフルオルフェン、ノルフルラゾン、ノルロン、OCH、オルベンカルブ、オルトスルファムロン、オリザリン、オリザリン、オキサジアルギル、オキサジアゾン、オキサピラゾン(oxapyrazon)、オキサスルフロン、オキサジクロメホン、オキシフルオルフェン、パラフルロン、パラコート、ペブレート(pebulate)、ペラルゴン酸、ペンジメタリン、ペノキシスラム、ペンタノクロール、ペントキサゾン、ペルフルイドン、ペトキサミド、フェニソファム、フェンメジファム、フェンメジファム-エチル、フェノベンズロン(phenobenzuron)、ピクロラムエステル、ピコリナフェン、ピノキサデン、ピペロホス、プレチラクロール、プリミスルフロン、プロシアジン(procyazine)、プロジアミン、プロジアミン、プロフルアゾール(profluazol)、プロフルラリン、プロホキシジム、プログリナジン、プロメトン、プロメトリン、プロパクロール、プロパニル、プロパキザホップ、プロパジン、プロファム、プロピソクロール、プロポキシカルバゾン、プロピリスルフロン、プロピザミド、プロスルファリン(prosulfalin)、プロスルホカルブ、プロスルフロン、プロキサン(proxan)、プリナクロール(prynachlor)、ピダノン、ピラクロニル、ピラフルフェン、ピラスルホトール、ピラゾリネート、ピラゾスルフロン、ピラゾキシフェン、ピリベンゾキシム、ピリブチカルブ、ピリクロール(pyriclor)、ピリダホル(pyridafol)、ピリデート、ピリフタリド、ピリミノバック、ピリミスルファン、ピリチオバック、ピラスルホトール(pyrosulfotole)、ピロキサスルホン、ピロクススラム、キンクロラック、キンメラック、キノクラミン、キノナミド、キザロホップ、キザロホップ-P、ローデタニル(rhodethanil)、リムスルフロン、サフルフェナシル、セブチラジン、セクブメトン、セトキシジム、シデュロン、シマジン、シメトン、シメトリン、スルコトリオン、スルファレート、スルフェントラゾン、スルホメツロン、スルホスルフロン、スルグリカピン、スエップ(swep)、テブタム、テブチウロン、テフリルトリオン、テンボトリオン、テプラロキシジム、テルバシル、テルブカルブ、テルブクロール(terbuchlor)、テルブメトン、テルブチラジン、テルブトリン、テトラフルロン(tetrafluoron)、テニルクロール、チアザフルロン(thiazafluoron)、チアゾピル、非液体トリクロピルエステル、チジアジミン、チジアズロン、チジアズロン、チエンカルバゾン-メチル、チフェンスルフロン、チオベンカルブ、チオカルバジル、チオクロリム(tioclorim)、トプラメゾン、トラルコキシジム、トリアレート、トリアスルフロン、トリアジフラム、トリベヌロン、トリカンバ、トリジファン、トリエタジン、トリフロキシスルフロン、トリフルラリン、トリフルスルフロン、トリホップ(trifop)、トリホプシム(trifopsime)、トリヒドロキシトリアジン、トリメツロン(trimeturon)、トリプロピンダン(tripropindan)、トリタック(tritac)、トリトスルフロン、ベルノレート、キシラクロール(xylachlor)、並びにそれらの混合物及び誘導体から選択されてもよい。
【0090】
第二の除草剤は、用いられるなら、約0g ae/L以上、0.1g ae/L以上、10g ae/L以上、50g ae/L以上、100g ae/L以上、又は200g ae/L以下、約300g ae/L以下、約400g ae/L以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で存在する。
【0091】
本明細書に記載された幾つかの第二の除草剤活性剤は、酸型の官能基を含有せず、これらの有効成分では、用語「酸当量」及び「酸当量基準」 は、存在する第二の除草剤の量を記載するのに正確でない。一般にそのような例では、用語「有効成分」又は「有効成分基準」が、存在する第二の除草剤有効成分の量を記載するために用いられ得る。例えば、有効成分が、酸当量を有さない場合、グラム有効成分/リットル(g ai/L)が、グラム酸当量/リットル(g ae/L)の代わりに用いられてもよく、又はグラム有効成分/キログラム(g ai/kg)が、グラム酸当量/キログラム(g ae/kg)の代わりに用いられてもよい。
【0092】
3.界面活性剤
本開示の除草剤配合物中での使用に適した界面活性剤は、式I
【0093】
【0094】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される1種又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、を含む。
【0095】
詳細には、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書に記載された界面活性剤1~6のいずれかの1つ又は複数を含んでいてもよい。
除草剤配合物は、約0wt%以上、約2wt%以上、約4wt%以上、約6wt%以上、約8wt%以上、又は約10wt%以下、約12wt%以下、約14wt%以下、約16wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量の1種又は複数の界面活性剤を含んでいてもよい。
【0096】
4.非水溶性溶媒
適切な非水溶性非混和性有機溶媒としては、例えば植物及び動物などの天然の非石油系供給源に由来するもの、又はそれから作製されるものが挙げられ、BASF Corp.(ニュージャージー州フローラムパーク)からAgnique(登録商標)AMD 810及びAgnique(登録商標)AMD 10として、Clariant(ノースカロライナ州シャーロット)からGenegen(登録商標)4166、Genegen(登録商標)4231及びGenegen(登録商標)4296として、Stepan(イリノイ州ノースフィールド)からHallcomid M-8-10及びHallcomid M-10として、AkzoNobel(イリノイ州シカゴ)からAmid DM10及びDM810として市販される、N,N-ジメチルカプリルアミド(N,N-ジメチルオクタンアミド)、N,N-ジメチルカプラミド(N,N-ジメチルデカンアミド)、及びそれらの混合物などの、植物油、実油、動物油及び同様のものが挙げられる。天然由来有機溶媒の追加的例としては、Huntsman International LLC(テキサス州ウッドランズ)からJEFFSOL(登録商標)AG-1730 Solventとして市販されるカプリル/カプリン脂肪酸(C8/C10)のモルホリンアミドが挙げられる。
【0097】
他の適切な非水溶性溶媒としては、芳香族炭化水素、混合ナフタレン、及びアルキルナフタレン留分、芳香族溶媒、特にキシレン又はプロピルベンゼン留分などのアルキル置換されたベンゼン、及び同様のもの;カプロン酸メチル、カプリル酸メチル、カプリン酸メチル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸メチル、パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、オレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチル、及び同様のものなどの植物油、実油又は動物油に由来する脂肪酸のC1~C6エステル;イソホロン及びトリメチルシクロヘキサノン(ジヒドロイソホロン)などのケトン;酢酸メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、又はヘプチル及び同様のものなどの酢酸エステル;並びにHuntsman(テキサス州ウッドランズ)からJEFFSOL(登録商標)炭酸アルキレン、そして同じくHuntsmanから炭酸ジブチルとして入手可能な炭酸プロピレン及び炭酸ブチレンなどの環状炭酸アルキル、並びに本明細書に記載された水非混和性有機溶媒のいずれかの混合物を挙げることができる。
【0098】
非水溶性溶媒は、約0wt%以上、約10wt%以上、約20wt%以上、又は約30wt%以下、約40wt%以下、約50wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で除草剤配合物中に存在してもよい。
【0099】
5.水
水は、記載された組成物中の原材料のための水性溶媒及び担体の両方として役立つため、本開示の除草剤配合物中に存在してもよい。
【0100】
本開示の除草剤配合物は、約200g/L以上、約300g/L以上、約400g/L以上、又は約500g/L以下、約600g/L以下、約700g/L以下、約800g/L以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量の水を含んでいてもよい。
【0101】
6.他の添加剤
除草剤配合物は、1種又は複数の追加的な相溶性原材料を含んでいてもよい。これらの追加的原材料は、例えば組成物中に溶解又は分散され得る1種又は複数の農薬又は他の原材料を包含してもよく、殺ダニ剤、殺藻剤、摂食阻害剤、殺鳥剤、殺菌剤、鳥忌避剤、化学不妊化剤、枯葉剤、乾燥剤、消毒剤、殺菌剤、除草剤解毒剤、除草剤、昆虫誘引剤、殺虫剤、昆虫忌避剤、哺乳動物忌避剤、交尾阻害剤、軟体動物駆除剤、殺線虫剤、植物活性化剤、植物成長調節剤、殺鼠剤、セミケミカル、相乗剤及び殺ウイルス剤から選択されてもよい。同じく、例えば消泡剤、抗微生物剤、バッファー、不織阻害剤、分散剤、染色剤、芳香剤、凝固点降下剤、中和剤、着臭剤、浸透助剤、金属イオン封鎖剤、スプレードリフト制御剤、展着剤、安定化剤、粘着剤、粘度改良添加剤、水溶性溶媒、及び同様のものなどの機能的有用性を提供する任意の他の追加的原材料が、これらの組成物に含まれていてもよい。
【0102】
記載された除草剤配合物が、例えば除草剤有効成分などの追加的有効成分と組み合わせて用いられる場合、本明細書に記載された組成物は、プレミックス濃縮物として他の有効成分若しくは複数の有効成分と配合され得る、噴霧適用のために他の有効成分若しくは複数の有効成分と共に水中でタンク混合され得る、又は別の噴霧適用において他の有効成分若しくは複数の有効成分と連続で適用され得る。
【0103】
7.作製方法
本開示の除草剤配合物は、1)有機溶媒及び界面活性剤の中で1種又は複数の第二の除草剤の溶液を調製するステップと;2)ステップ1)で調製された溶液を水中の除草剤の水溶性塩の濃縮溶液にうまく混合しながら添加して、透明の溶液を形成させるステップと;3)場合により、任意の追加的相溶性有効成分又は非有効成分を添加するステップと、により調製されてもよい。
【0104】
或いは本開示の除草剤配合物は、1)液体である第二の除草剤を提供し、場合によりそれを有機溶媒及び界面活性剤と混合するステップと;2)ステップ1)で調製された組成物を水中の除草剤の水溶性塩の濃縮溶液にうまく混合しながら添加して、透明の溶液を形成させるステップと;3)場合により、任意の相溶性有効成分又は非有効成分を添加するステップと、により調製されてもよい。
【0105】
除草剤配合物に添加され得る適切な水相溶性原材料としては、本開示の界面活性剤などの水溶性又は非水溶性分散性界面活性剤、非水溶性有効成分、そして場合によりpHバッファー、湿潤剤、凍結防止剤、消泡剤、及び殺生物剤などの他の非有効成分が挙げられるが、これらに限定されない。
【0106】
8.使用方法
本明細書に記載された水性除草剤配合物は、場合により、作物畑又は芝生の雑草制御のためなどの農業適用のために、水性スプレー混合物に希釈されてもよい。そのような除草剤配合物は、典型的には適用前に水などの不活性担体で希釈される。通常は、例えば雑草、雑草の場所、又は雑草が最終的に発生し得る場所に適用される希釈された除草剤配合物が、約0.0001wt%以上、約0.001wt%以上、約0.01wt%以上、約0.1wt%以上、約1wt%以上、又は約2wt%以下、約3wt%以下、約4wt%以下、若しくは約5wt%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量の農業的活性剤(除草剤)を含有してもよい。本開示の除草剤配合物は、例えば従来の地上若しくは空中噴霧器の使用により、従来の灌漑用水への添加により、そして当業者に公知の他の従来手段により、雑草又はそれらの場所に適用され得る。
【0107】
本開示の除草剤配合物は、作物が保有する単一の、複数の、又はスタックのゲノム形質における望ましくない植生を制御して、単一若しくは複数の作用機序で1種若しくは複数の除草剤の化学作用及び/又は阻害物質への耐性を付与することにおいて用いられてもよい。
【0108】
IV.殺虫剤配合物
本開示はまた、殺虫剤の配合物を提供する。そのような配合物は、乳剤、水中油(O/W)エマルジョン、懸濁濃縮物、及び湿潤性粉末などの液体又は固体形態であってもよい。
【0109】
殺虫剤配合物は、殺虫剤と、1つ又は複数の界面活性剤分類から選択される1種又は複数の界面活性剤と、任意の消泡剤と、任意の凍結防止剤と、水と、を含んでいてもよい。
1.殺虫剤
適切な殺虫剤は、合成ピレトロイドなどのピレトロイド;クロルピリホス―エチル、クロルピリホス-メチル、ピリミホス-メチル、フェニトロチオンなどの有機リン酸エステル化合物;ピリプロキシフェンなどのフェニルエーテル;フルフェノクスロンなどのベンゾイル尿素;フェノキシカルブ、カルボスルファンなどのカルバメート;アセタミプリドなどのニコチノイド;フロニカミドなどのピリジンカルボキサミド及び/又はその他のうちの1種又は複数を含んでいてもよい。ピレトロイドは、ビフェントリン、ゼッタ-シペルメトリン、アルファ-シペルメトリン、テトラ-メトリン、ラムダ-シハロトリン、フェンバレレート、シフルトリン、ビオ-レスメトリン、ペルメトリン、デルタ-メトリンのうちの1種又は複数のから選択されてもよい。
【0110】
殺虫剤は、重量/容量での測定で、約1%以上、約5%以上、約10%以上、又は約15%以下、約20%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で殺虫剤配合物中に存在してもよい。
【0111】
2.界面活性剤
殺虫剤配合物は、集合的に界面活性剤系と称される1つ又は複数の界面活性剤分類から選択される1種又は複数の界面活性剤を含んでいてもよい。
【0112】
本開示の殺虫剤配合物中での使用に適した界面活性剤は、式I
【0113】
【0114】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される1種又は複数の界面活性剤及び/又は共界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、を含む。
【0115】
詳細には、適切な界面活性剤又は共界面活性剤は、本明細書に記載された界面活性剤1~6のいずれかの1つ又は複数を含んでいてもよい。
界面活性剤系は、重量/容量での測定で、約1%以上、約5%以上、約10%以上、約15%以上、又は約20%以下、約25%以下、約30%以下、約35%以下、約40%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で殺虫剤配合物中に存在してもよい。
【0116】
3.任意の消泡剤
殺虫剤配合物中の任意の消泡剤は、シリコーンエマルジョン及び/又は本開示の界面活性剤などの界面活性剤を含んでいてもよい。
【0117】
消泡剤は、重量/容量での測定で、約0.0%以上、約0.1%以上、約0.2%以上、約0.3%以上、約0.4%以上、約0.5%以上、又は約0.6%以下、約0.7%以下、約0.8%以下、約0.9%以下、約1.0%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で殺虫剤配合物中に存在してもよい。
【0118】
4.任意の凍結防止剤
殺虫剤配合物は、任意の凍結防止剤を含んでいてもよい。適切な凍結防止剤は、アルキルジオール又はジアルキルジオールなどのジオールを含んでいてもよい。
【0119】
殺虫剤配合物は、重量/容量での測定で、約0%以上、約1%以上、約2%以上、約3%以上、約4%以上、約5%以上、又は約6%以下、約7%以下、約8%以下、約9%以下、約10%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量の凍結防止剤を含んでいてもよい。
【0120】
5.水
殺虫剤配合物は、重量/容量での測定で、約25%以上、約30%以上、約35%以上、約40%以上、約45%以上、約50%以上、約55%以上、又は約60%以下、約65%以下、約70%以下、約75%以下、約80%以下、約85%以下、約90%以下、約95%以下、約98%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量の水を含んでいてもよい。
【0121】
6.他の添加剤
本開示の殺虫剤配合物は、粘度調整剤を含んでいてもよい。そのような粘度調整剤は、セルロース誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、及び天然ゴムなどの増粘剤を含んでいてもよい。
【0122】
粘度調整剤は、粘度を所望のレベルに調整するのに適した任意の量で殺虫剤配合物中に存在してもよい。
本開示の殺虫剤配合物はまた、防腐剤を含んでいてもよい。適切な防腐剤としては、メチルパラベンが挙げられる。
【0123】
防腐剤は、重量/容量での測定で、0.0%以上、0.1%以上、若しくは0.2%以下、又はこれらのエンドポイントを用いた任意の範囲内の量で殺虫剤配合物中に存在してもよい。
【0124】
v.アジュバント
先に記載された使用に加えて、本開示の界面活性剤は、農薬、植物成長調節剤、除草剤、殺菌剤及び殺虫剤などの農業的活性剤の配合物中のアジュバントとして用いられてもよい。アジュバント化合物は、例えば貯蔵安定性、取り扱いの容易さ、標的生物体に対する殺虫有効性などの農業的活性剤の配合物の1つ又は複数の特性を改善するために用いられてもよい。
【0125】
VI.スプレードリフト低減剤
スプレードリフトは、オフターゲット汚染をはじめとする農薬及び他の農業的活性剤の意図しない拡散をいう。これは、ヒト健康の損傷、環境汚染、及び特性損傷につながり得る。本開示の界面活性剤は、空気中及び地上の両方の噴霧適用において農業的活性剤の配合物のドリフト可能な細粉の量を低減するために用いられてもよい。
【0126】
本開示の界面活性剤及びその混合物は、例えば農薬、植物成長調節剤、殺菌剤、除草剤、又は殺虫剤などの農業的活性剤の希釈剤配合物と直接、タンク混合されることにより、水性スプレー混合物中に組み込まれ得る。
【0127】
最適なスプレー滴のサイズは、組成物が用いられる適用例に依存する。液滴が過度に大きければ、スプレーによる被覆が少なくなり、例えば大きな液滴は、特定のエリアに着地し、中間のエリアは、スプレー被覆をほとんど、又は全く受けない。最大の許容できる液滴サイズは、単位面積あたりに適用される組成物量、及びスプレー被覆中の均一性の要件に依存し得る。より小さな液滴は、より多くの被覆を提供するが、噴霧の間にドリフトする傾向がより高い。したがってスプレー被覆の均一性などの適用パラメータは、より小さな液滴がドリフトする傾向に対して均衡を保たれなければなければならない。例えば噴霧の間、特に強風であれば、より大きな液滴でドリフトを低減する必要があり得るが、穏やかな日は、より小さな液滴が許容できる。スプレーの液滴サイズは、個々の水性組成物の物理的特性に加え、噴霧装置、例えばノズルサイズ及び配置にも依存し得る。
【0128】
スプレードリフトの低減は、微細な噴霧滴(<150μm最小径)の生成の低減、及び噴霧滴の体積中位径(VMD)の増加をはじめとする種々の因子から得られてもよい。いずれの場合でも、所与の噴霧装置、適用、及び条件のために、そして用いられる界面活性剤に基づき、本明細書に記載された界面活性剤を用いて作製された複数の噴霧滴の中位径が、本開示の界面活性剤を含まないスプレー組成物のものより増加される。
【0129】
VII.界面活性剤
本開示は、アミノ酸のシロキサン誘導体の形態で農業製品中での使用のための界面活性剤を提供する。アミノ酸は、天然由来若しくは合成であってもよく、又はそれらは、カプロラクタムなどのラクタムの開環反応から得られてもよい。本開示の化合物は、表面活性特性を有することが示されており、例えば界面活性剤及び湿潤剤として用いられてもよい。詳細には本開示は、以下に示された式I:
【0130】
【0131】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基であり、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の1つ若しくは複数を含む置換基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;
nは、1~12の整数であり;
末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される化合物を提供し、
任意の対イオンが、該化合物と会合されていてもよく、存在するなら該対イオンが、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択されてもよい。
【0132】
本開示はさらに、式Ia:
【0133】
【0134】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;
mは、1~6の整数であり;
末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、及びC1~C6アルキルからなる群から選択され、ここでアルキル鎖は、カルボキシル、カルボキシレート及びスルホネートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されている)で示される化合物を提供し、
任意の対イオンが、該化合物と会合されていてもよく、存在するなら該対イオンが、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択されてもよい。
【0135】
本開示は追加として、式Ib:
【0136】
【0137】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;
pは、5であり;
末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、及びC1~C6アルキルからなる群から選択され、ここでアルキル鎖は、カルボキシル、カルボキシレート及びスルホネートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されている)で示される化合物を提供し、
任意の対イオンが、該化合物と会合されていてもよく、存在するなら該対イオンが、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択されてもよい。
【0138】
本開示により提供される1つの具体的化合物は、以下の式:
【0139】
【0140】
を有する6-(ジメチルアミノ)-N-(3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)ヘキサンアミド(界面活性剤1)である。
【0141】
本開示により提供される第二の具体的化合物は、以下の式:
【0142】
【0143】
を有する6-(ジメチルアミノ)-N-(3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)ヘキサミニウムクロリド(界面活性剤2)である。
【0144】
本開示により提供される第三の具体的化合物は、以下の式:
【0145】
【0146】
を有する36-((3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)アミノ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド(界面活性剤3)である。
【0147】
本開示により提供される第四の具体的化合物は、以下の式:
【0148】
【0149】
を有する6-((3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)アミノ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミンオキシド(界面活性剤4)である。
【0150】
上記の構造において、表記「N→O」は、窒素と酸素の非イオン性結合相互作用を担うものとする。
本開示により提供される第五の具体的化合物は、以下の式:
【0151】
【0152】
を有する4-((6-((3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)アミノ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート(界面活性剤5)である。
【0153】
本開示により提供される第六の具体的化合物は、以下の式:
【0154】
【0155】
を有する5-((6-((3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)アミノ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ペンタン-1-スルホネート(界面活性剤6)である。
【0156】
これらの化合物は、様々な方法により合成されてもよい。そのような一方法は、N-アルキル化又はN-アシル化アミノ酸などのアミノ酸をシロキサンと反応させて、アミノ酸C-末端を所望のシロキサン誘導体に変換することを含む。アミノ酸N-末端は、例えば第四級アミン又はN-オキシドを生じるためにさらにプロトン化、アルキル化、又は酸化されてもよい。
【0157】
アミノ酸は、天然由来若しくは合成であってもよく、又はカプロラクタムなどのラクタムの開環反応に由来してもよい。開環反応は、酸触媒又はアルカリ触媒反応のどちらかであってもよく、酸触媒反応の例が、以下のスキーム1に示される。
【0158】
【0159】
アミノ酸は、N-末端とC-末端の間に1のように少ない炭素及び12のように多い炭素を有していてもよい。アルキル鎖は、分枝状又は直鎖状であってもよい。アルキル鎖は、窒素、酸素、又は硫黄で中断されていてもよい。アルキル鎖はさらに、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で置換されていてもよい。N-末端窒素は、アシル化されていても、又は1つ若しくは複数のアルキル基でアルキル化されていてもよい。例えばアミノ酸は、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸であってもよい。
【0160】
シロキサンは、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、第三級ブトキシ、及び他のものなどの1種又は複数のアルコキシ基で置換されていてもよい。シロキサンは、プロピルなどの1つ又は複数のアルキル基でさらに置換されていてもよく、アルキル基はなおも、窒素などのアミノ酸へのシロキサンのカップリングを許容するための適切な官能基でさらに置換されていてもよい。例えばシロキサンは、3-アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランであってもよい。
【0161】
アミノ酸のシロキサン誘導体は、以下のスキーム2に示された通り合成されてもよい。示された通り、6-アミノヘキサン酸が、還流下でギ酸中のホルムアルデヒドで処理されて、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸を与える。遊離カルボン酸はその後、トルエンを還流しながら3-アミノプロピル(トリスメチルシロキシ)シランにカップリングされて、所望のシロキサン誘導体を与える。
【0162】
【0163】
N-末端窒素は、水溶性及び表面活性特性を改変又は改善するためにさらに誘導体化されてもよい。試料合成スキームは、以下のスキーム3に示された通りであり、N-末端窒素が塩酸で処理されて対応する塩酸塩を与える。
【0164】
【0165】
N-末端窒素は、アルキル化されていてもよい。試料合成スキームは、以下に示されており、N-末端窒素がヨウ化メチルで処理されて、対応する第四級アミン塩を与える。
【0166】
【0167】
以下の試料合成スキームのスキーム5に示された通り、N-末端窒素が、還流下で水中の過酸化水素で処理されて、対応するN-オキシドを与えてもよい。
【0168】
【0169】
本開示の化合物は、表面活性特性を実証する。これらの特性は、様々な方法により測定及び記載されてもよい。界面活性剤が記載され得る一方法は、分子の臨界ミセル濃度(CMC)によるものである。CMCは、ミセルが形成し、その上、全ての追加的界面活性剤がミセルに組み込まれている、界面活性剤の濃度として定義されてもよい。
【0170】
界面活性剤濃度が増加するにつれ、表面張力が減少する。表面が、界面活性剤分子で完全に覆われると、ミセルが形成し始める。このポイントが、CMC及び最小表面張力を表す。界面活性剤のさらなる添加は、表面張力にさらに影響を及ぼすことはなかろう。それゆえCMCは、表面張力の変化を界面活性剤濃度の関数として観察することにより測定されてもよい。この値を測定するためのそのような一方法が、ウィルヘルミープレート法である。ウィルヘルミープレートは通常、ワイヤーにより天秤に取り付けられて、空気-液体界面に対して垂直に配置された、薄いイリジウム-白金プレートである。天秤は、湿潤によりプレート上に加えられる力を測定するために用いられる。この値はその後、方程式1に従って表面張力(γ)を計算するために用いられる:
方程式1:γ=F/l cosθ
(式中、lは、濡れたペリメータ(2w+2d、ここでw及びdは、それぞれプレートの厚さ及び幅である)と等しく、液体とプレートの間の接触角であるcosθは、現存の文献値がなければ0と仮定される。
【0171】
界面活性剤の性能を評定するために用いられる別のパラメータは、動的表面張力である。動的表面張力は、特定の表面又は界面寿命についての表面張力の値である。界面活性剤が添加された液体の場合、これは、平衡値と異なり得る。表面が生成された直後に、表面張力が純粋な液体のそれと等しくなる。先に記載された通り、界面活性剤は、表面張力を低減し、それゆえ表面張力は、平衡値に達するまで降下する。平衡に達するのに必要となる時間は、界面活性剤の拡散速度及び吸着速度に依存する。
【0172】
動的表面張力が測定される一方法は、バブルプレッシャー式表面張力計を頼りにする。このデバイスは、キャピラリーを用いて液体中に形成された気泡の最大内圧を測定する。測定された値は、特定の表面寿命、つまり泡形成開始から圧力最大の発生までの時間での表面張力に対応する。表面寿命への表面張力の依存性は、泡が生成される速度を変化させることにより測定され得る。
【0173】
表面活性化合物また、接触角により測定される固体基板上の湿潤能力により評定されてよい。液滴が、空気などの第三の媒体中で固体表面と接触すると、液体と気体と固体の間に三相線が形成する。三相線で作用し、液滴での接線である表面張力単位ベクトルと、表面の間の角度が、接触角として記載される。接触角(濡れ角としても知られる)は、液体による固体の濡れ性の尺度である。完全な濡れの場合、液体は固体上に完全に展延し、接触角は0°である。濡れ特性は典型的には、1~100×CMCの濃度の所与の化合物について測定されるが、それは、濃度依存性の特性でなく、それゆえ濡れ特性の測定は、より高い又はより低い濃度で測定され得る。
【0174】
一方法において、任意の接触角ゴニオメーターが、接触角を測定するのに用いられてもよい。このデバイスは、デジタルカメラ及びソフトウエアを利用して、表面の液滴の輪郭形状を分析することにより接触角を抽出する。
【0175】
本開示の表面活性化合物のための潜在的適用例としては、シャンプー、ヘアコンディショナー、洗剤、シミ抜きすすぎ溶液、床及びカーペットクリーナー、落書き除去のためのクリーニング剤、作物保護のための湿潤剤、作物保護のためのアジュバント、及びエアロゾルスプレーコーティングのための湿潤剤としての使用のための配合物が挙げられる。
【0176】
化合物間の小さな差異が実質的に異なる界面活性剤特性につながり得るため、異なる適用例では、異なる化合物が異なる基板で用いられ得ることは、当業者に理解されよう。
以下の非限定的態様は、異なる界面活性剤の異なる特性を実証するために提供されている。以下の表1において、界面活性剤の短い名称は、対応する化学構造と相互に関係する。
【0177】
【0178】
5種の化合物のそれぞれは、他の適用の中でも、表面活性剤として効果的であり、湿潤又は発泡剤、分散剤、乳化剤、及び洗剤に有用である。
界面活性剤1及び2は、発泡又は湿潤剤としての種々の表面クリーニング及びパーソナルケア製品の配合物における使用のための候補である。
【0179】
界面活性剤3は、陽イオン性である。これらの界面活性剤は、先に記載された適用例と、パーソナルヘアケア製品などの表面処理などの幾つかのさらなる特別な適用例の両方に有用であり、水忌避表面を作製するのにも用いられ得る。
【0180】
界面活性剤4は、非イオン性であり、シャンプー、洗剤、硬質表面のクリーナー、及び種々の他の表面クリーニング配合物中で使用され得る。
界面活性剤5は、双性イオン性である。これらの界面活性剤は、先に記載された適用例の全てにおいて共界面活性剤として有用である。
【0181】
配合物中で用いられる本明細書に開示された化合物の量は、約0.001wt%、約0.05wt%、約0.1wt%、約0.5wt%、約1wt%、約2wt%、若しくは約5wt%のように低くても、又は約8wt%、約10wt%、約15wt%、約20wt%、もしく約25wt%のように高くても、又は前述の値の任意の2つを利用した任意の範囲内であってもよい。
【0182】
実施例
核磁気共鳴(NMR)分光法は、Bruker500MHz分光装置で実施された。臨界ミセル濃度(CMC)は、ウィルヘルミープレート法によりPt-Irプレートを具備した張力計(DCAT11、DataPhysics Instruments GmbH)を用いて23℃で測定された。動的表面張力は、バブルプレッシャー式表面張力計(Kruss BP100、Kruss GmbH)を用いて23℃で決定された。接触角は、デジタルカメラを具備した光学接触角ゴニオメーター(OCA15 Pro、DataPhysics GmbH)で決定された。
【0183】
実施例1a:
6-(ジメチルアミノ)-N-(3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)ヘキサンアミド(界面活性剤1)及び6-((3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)アミノ)-N,N- ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム塩(界面活性剤2)の合成
【0184】
【0185】
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸(2.00g、12.56mmol、1当量)が、ディーンスタークトラップを具備した100mL丸底沸騰フラスコ内でトルエン(50mL)に溶解され、その後、3-アミノプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン(5.48mL、13.81mmol、1.1当量)が添加された。反応容器が加熱され、ディーンスターク管の中でさらなる水が分離されなくなるまで、反応物が24時間還流された。溶媒が真空下で除去されて、界面活性剤1を黄色油状物として94%の収率で与えた。1H NMR(500MHz,DMSO)δ:0.09(s,27H),0.28-0.31(m,2H),1.12-1.26(m,2H),1.27-1.30(m,4H),1.38-1.41(m,2H),1.94(t,J=7.3Hz,2H),2.00(s,6H),2.06-2.03(m,2H),2.89(dd,J=12.9,6.8Hz,2H)。
【0186】
中性形態では、界面活性剤1は、ハイドロトロープ又は他の界面活性剤を添加していない純水にわずかに可溶性であるが、わずかに酸性条件でのプロトン化の後、界面活性になる(界面活性剤2)。酸性条件は、4~7のpH範囲内の任意の酸又は酸性バッファーの添加により作製され得る。界面活性剤2はまた、例えば界面活性剤1の存在下でトルエン中のHCl気体を散布することにより、非水性溶液中で調製され得る。
【0187】
実施例1b:
界面活性剤2の臨界ミセル濃度(CMC)の決定
界面活性剤2の臨界ミセル濃度(CMC)が、塩化物対イオンでテストされ、約2mmolであると決定された。この界面活性剤により達成され得る最小表面張力のプラトー値は、約23mN/mである。
図1は、これらの結果のプロットであり、表面張力と濃度の対比を示す。
【0188】
実施例2a:
6-((3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)アミノ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド(界面活性剤3)の合成
【0189】
【0190】
界面活性剤1(1.00g、2.02mmol、1当量)が、100ml丸底フラスコ内でアセトニトリル(10ml)に溶解された。次に、Na2CO3(0.26g、2.42mmol、1.2当量)が添加され、混合物が10分間撹拌された。ヨウ化メチル(0.377ml、6.06mmol、3当量)が添加され、反応物が40℃で24時間加熱された。冷却された反応混合物が濾過され、溶媒が真空下で除去されて、界面活性剤3をわずかに黄色の固体として定量的収率で与えた。-H NMR(500MHz,DMSO)δ 0.09(s,27H),0.38-0.42(m,2H),1.23-1.26(m,2H),1.37-1.40(m,2H),1.52-1.55(m,2H),1.65-1.69(m,2H),2.08(t,J=7.4Hz,2H),2.99(dd,J=13,6.9Hz,2H),3.04(s,9H),),3.24-3.33(m,2H)。
【0191】
純粋な生成物は、水に可溶性であり、界面活性剤特性を有する。ハロゲン陰イオンが直接、N-アルキル化反応から得られてもよく、他の所望の陰性対イオンが、陰イオン交換により得られてもよい。
【0192】
実施例2b:
界面活性剤3の物理的特性の決定
界面活性剤3の臨界ミセル濃度(CMC)が、測定された。表面張力変化と水中の濃度から、CMCが約1.6mmolであると決定された。この界面活性剤により達成され得る最小表面張力のプラトー値は、約20mN/mであり、この界面活性剤が傑出した界面活性を有することが示される。これらの結果は、
図2において表面張力と濃度の対比としてプロットされている。
【0193】
界面活性剤3の動的表面張力は、時間による、新たに作製された空気-水界面の表面張力の変化を測定するバブルプレッシャー式表面張力計で決定された。
図3は、表面張力と時間の対比の結果のプロットを示し、界面活性剤3が500ms未満で界面を完全に飽和し、界面吸着に関して並外れて急速であったことが実証される。
【0194】
界面活性剤のみを含有する配合物は、界面張力及び表面張力の両方を低下させる界面活性剤3の能力に加え、並外れた濡れ特性を有する。例えばポリエチレン及びポリプロピレンなどの疎水性基板は、接触角0°で全体的な表面湿潤を呈する。テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基板では、測定された接触角は、極めて低い10.5°であった (表2)。
【0195】
【0196】
実施例3a:
6-((3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)アミノ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミンオキシド(界面活性剤4)の合成
【0197】
【0198】
界面活性剤1(1.00g、2.02mmol、1当量)が、100mL丸底フラスコ内で蒸留水(80mL)に添加された後、50%過酸化水素水(1.15ml、20.2mmol、10当量)が添加された。反応物が12時間還流され、その後、真空下で濃縮された。残渣がアセトンで3回洗浄され、界面活性剤4を99%の収率で与えた。1H NMR(500MHz,DMSO)δ0.09 (s,27H),0.38-0.44(m,2H),1.21-1.25(m,2H),1.35-1.42(m,2H),1.50-1.55(m,2H),1.71-1.75(m,2H),2.05-2.08(m,2H),2.97-3.00(m,2H),3.01(s,9H),3.11-3.14(m,2H)。
【0199】
実施例3b:
界面活性剤4の物理的特性の決定
界面活性剤4の臨界ミセル濃度(CMC)が、測定された。表面張力変化と水中の濃度から、CMCが約0.49mmolであると決定された。この界面活性剤により達成され得る最小表面張力のプラトー値は、約20mN/mであり、この界面活性剤が傑出した界面活性を有することが示される。これらの結果は、
図4において表面張力と濃度の対比としてプロットされている。
【0200】
界面活性剤4の動的表面張力が、バブルプレッシャー式表面張力計で決定された。
図5は、表面張力と時間の対比の結果のプロットを示し、界面活性剤4が新たに作製された空気-水界面を1秒以内で完全に飽和し、界面吸着に関して急速であったことが実証される。
【0201】
1~100×CMCの濃度の界面活性剤4のみを含有する配合物は、界面張力と表面張力の両方を低下させる界面活性剤4の能力に加えて、並外れた濡れ特性を有する。例えば10×CMCの濃度での水中の界面活性剤4の溶液は、ポリエチレン及びポリプロピレンなどの疎水性基板上で0°の接触角を呈し、テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基板では10.6°を呈する。これらの接触角は、同じ基板上の水の接触角と比較して極めて低い(表3)。
【0202】
【0203】
実施例4a:
4-((6-((3-(1,1,1,5,5,5-ヘキサメチル-3-((トリメチルシリル)オキシ)トリシロキサン-3-イル)プロピル)アミノ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート(界面活性剤5)の合成
【0204】
【0205】
界面活性剤1(1.00g、2.02mmol、1当量)が、100mL丸底フラスコ内で酢酸エチレン(EtOAc)(30mL)に添加された後、1,2-ブタンスルトン(0.27mL、2.2mmol、1.1当量)が添加された。反応物が12時間還流され、その後、溶媒が除去されて、得られた白色ロウ状固体がアセトンで洗浄されて、界面活性剤5を50%の収率で与えた。1H NMR(500MHz,DMSO)δ 0.10(s,27H),0.38-0.46(m,2H),1.23-1.27(m,2H),1.37-1.68(m,10H),1.73-1.78(m,2H),2.45-2.48(m,2H),2.97-3.01(m,8H),3.18-3.21(m,2H),3.23-3.27(m,2H)。
【0206】
実施例4b:
界面活性剤5の物理的特性の決定
界面活性剤5の臨界ミセル濃度(CMC)が、測定された。表面張力変化と水中の濃度から、CMCが約0.39mmolであると決定された。この界面活性剤により達成され得る最小表面張力のプラトー値は、約21mN/mであり、この界面活性剤が傑出した界面活性を有することが示される。これらの結果は、
図6において表面張力と濃度の対比としてプロットされている。
【0207】
界面活性剤5の動的表面張力が、バブルプレッシャー式表面張力計で決定された。
図7は、表面張力と時間の対比の結果のプロットを示し、界面活性剤5が新たに作製された空気-水界面を1秒以内で完全に飽和し、界面吸着に関して急速であったことが実証される。
【0208】
最後に、10×CMCの濃度での水中の界面活性剤5の溶液は、ポリエチレン及びポリプロピレンなどの疎水性基板上で0°の接触角を呈し、テフロン(登録商標)などの疎油性及び疎水性基板では10.2°を呈する。これらの接触角は、同じ基板上の水の接触角と比較して極めて低い(表4)。
【0209】
【0210】
実施例5:
農薬のための配合物
この実施例では、農薬としての使用のための濃縮配合物が、提供される。配合物の成分は、以下の表5に示される。配合物はまた、追加の界面活性剤、水、増粘剤、付着増強剤、ドリフト制御剤、及び塩を含んでいてもよい。
【0211】
【0212】
実施例6:
液体殺菌組成物のための配合物
この実施例では、液体殺菌組成物としての使用のための配合物が、提供される。配合物は、以下の表6に示される。
【0213】
【0214】
実施例7:
除草剤のための配合物
この実施例では、除草剤としての使用のための配合物が、提供される。配合物は、以下の表7に示される。
【0215】
【0216】
実施例8:
殺虫剤のための配合物
この実施例では、殺虫剤としての使用のための配合物が、提供される。配合物は、以下の表8に示される。
【0217】
【0218】
形態
形態1は、式I
【0219】
【0220】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、農薬と、を含む、農薬のための配合物である。
【0221】
形態2は、非水溶性溶媒をさらに含む、形態1の配合物である。
形態3は、農薬が殺虫剤である、形態1の配合物である。
形態4は、消泡剤をさらに含む、形態3の配合物である。
【0222】
形態5は、凍結防止剤をさらに含む、形態3又は形態4の配合物である。
形態6は、水をさらに含む、形態3~5のいずれかの配合物である。
形態7は、式I
【0223】
【0224】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、殺菌剤と、を含む、殺菌剤のための配合物である。
【0225】
形態8は、共界面活性剤をさらに含む、形態7の配合物である。
形態9は、担体剤をさらに含む、形態7又は形態8のどちらかの配合物である。
形態10は、式I
【0226】
【0227】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、除草剤と、を含む、除草剤のための配合物である。
【0228】
形態11は、第二の除草剤をさらに含む、形態10の配合物である。
形態12は、非水溶性溶媒をさらに含む、形態10又は形態11のどちらかの配合物である。
【0229】
形態13は、水をさらに含む、形態10~12のいずれかの配合物である。
形態14は、式I
【0230】
【0231】
(式中、R1及びR2は、同一又は異なっていてもよく、C1~C6アルキルからなる群から選択される少なくとも1つの基を含んでいてもよく、場合によりC1~C6アルキルは、酸素、窒素、若しくは硫黄原子、又はこれらの原子の少なくとも1つを含む基のうちの1つ又は複数を含んでいてもよく、アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボニル、カルボキシル、及びカルボキシレートからなる群から選択される1つ又は複数の置換基で場合により置換されていてもよく;nは、1~12の整数であり;末端窒素は、R3で場合によりさらに置換されており、ここでR3は、水素、酸素、ヒドロキシル、及びC1~C6アルキルからなる群から選択される)で示される少なくとも1種の界面活性剤と、存在するならば、塩化物、臭化物、及びヨウ化物からなる群から選択される、化合物に会合された任意の対イオンと、殺虫剤と、を含む、殺虫剤のための配合物である。
【0232】
形態15は、消泡剤をさらに含む、形態14の配合物である。
形態16は、凍結防止剤をさらに含む、形態14又は形態15のどちらかの配合物である。
【0233】
形態17は、水をさらに含む、形態14~16のいずれかの配合物である。