(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置
(51)【国際特許分類】
A61B 50/28 20160101AFI20231121BHJP
【FI】
A61B50/28
(21)【出願番号】P 2022537767
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 CN2020096748
(87)【国際公開番号】W WO2021120557
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-17
(31)【優先権主張番号】201911324026.0
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515353361
【氏名又は名称】▲邁▼柯唯医▲療▼▲設▼▲備▼(▲蘇▼州)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】胡 清
(72)【発明者】
【氏名】宣 ▲ジン▼
(72)【発明者】
【氏名】黎 群▲華▼
【審査官】神ノ田 奈央
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201173371(CN,Y)
【文献】特開2006-177879(JP,A)
【文献】特開2006-208834(JP,A)
【文献】特開2005-221653(JP,A)
【文献】特表昭60-500551(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 50/28
H04N 5/64
F16M 13/00
F16M 11/12-11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側リングと、中間リングと、下側リングと、上側回転軸と、下側回転軸とを備え、前記上側リングは医療用ペンダントの底部に接続され、前記下側リングは医療用ディスプレイハンガーの頂部に接続され、前記中間リングはその前後左右に合計で4つの孔が設けられ、前記上側回転軸の一端は前記上側リングに固定接続され、前記上側回転軸の他端は軸と孔との遊嵌を形成するように前記中間リングの1つの孔を貫通し、前記下側回転軸の一端は前記下側リングに固定接続され、前記下側回転軸の他端は、軸と孔との遊嵌を形成するように前記中間リングのもう1つの孔を貫通し、前記上側回転軸と前記下側回転軸とは、空間的に互いに垂直であることを特徴とする医療用ディスプレイハンガーに用いら
れ、
前記上側回転軸と前記下側回転軸とは、異なる高さの水平面に位置する水平保護装置。
【請求項2】
前記上側回転軸の数は2つであり、前記下側回転軸の数も2つであり、2つの上側回転軸の配置方向は、左右方向及び前後方向のうちの一方の方向であり、2つの下側回転軸の配置方向は、左右方向及び前後方向のうちの他方の方向であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置。
【請求項3】
2つの上側回転軸は、同一の軸線に配置され、2つの下側回転軸も、同一の軸線に配置されることを特徴とする請求項2に記載の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置。
【請求項4】
前記上側回転軸と前記下側回転軸とは、同じ回転軸外径を有し、前記回転軸外径は、9.95±0.05mmであることを特徴とする請求項1に記載の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置。
【請求項5】
前記4つの孔は、同じ孔内径を有し、前記孔内径は、10.15±0.05mmであることを特徴とする請求項1に記載の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置。
【請求項6】
前記上側回転軸は、前記下側回転軸よりも少なくとも10mm高いように配置されることを特徴とする請求項
1に記載の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置。
【請求項7】
前記上側回転軸及び前記下側回転軸は、いずれも段付き回転軸であり、前記上側回転軸の上側リングに固定接続される一端は太く、前記上側回転軸の孔に遊嵌される他端は細く、前記下側回転軸の下側リングに固定接続される一端は太く、前記下側回転軸の孔に遊嵌される他端は細いことを特徴とする請求項1に記載の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置。
【請求項8】
前記軸と孔との隙間は、0.1~0.3mmであることを特徴とする請求項1に記載の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置。
【請求項9】
前記下側リングに対する前記上側リングの最大回転角度は±5度であることを特徴とする請求項1に記載の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具の技術分野に関し、特に、医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ハイブリッド手術室で、医療機器及び医療スタッフが全て手術台の周りに集まり、手術用ディスプレイ(即ち、医療用ディスプレイ)は、手術前又は手術中に移動したり昇降したりする必要があることが多い。患者、周囲のペンダントアーム及び医療用ディスプレイ自体を保護するために、医療用ディスプレイハンガーと周りの人間及び/又は物体とが不意に衝突した時、剛性衝突による事故及び損傷を回避する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の1つの目的は、従来技術における問題を解決でき、医療用ディスプレイハンガーが水平の任意の方向に不意に衝突すると、傾動して退避することができる、医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置を提供することである。
【0004】
本発明の以上の目的は、医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置によって実現され、前記医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、上側リングと、中間リングと、下側リングと、上側回転軸と、下側回転軸とを備え、前記上側リングは医療用ペンダントの底部に接続され、前記下側リングは医療用ディスプレイハンガーの頂部に接続され、前記中間リングはその前後左右に合計で4つの孔が設けられ、前記上側回転軸の一端は前記上側リングに固定接続され、前記上側回転軸の他端は軸と孔の遊嵌を形成するように前記中間リングの1つの孔を貫通し、前記下側回転軸の一端は前記下側リングに固定接続され、前記下側回転軸の他端は軸と孔の遊嵌を形成するように前記中間リングのもう1つの孔を貫通し、前記上側回転軸と前記下側回転軸とは、空間的に互いに垂直である。
【0005】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、医療用ディスプレイハンガーが水平の任意の方向に不意に衝突すると、傾動して退避することができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0006】
具体的には、本発明は、医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置を採用することにより、医療用ディスプレイハンガーが水平の任意の方向(例えば、左右方向、前後方向など、即ち、実質的に水平面内に位置する任意の方向)に不意に衝突すると、当該衝突が非剛性になるように傾動して退避することができる。衝突解消後、医療用ディスプレイは、正常状態に自動的に回復することができる。
【0007】
好ましくは、前記上側回転軸の数は2つであり、前記下側回転軸の数も2つであり、2つの上側回転軸の配置方向は、左右方向及び前後方向のうちの一方の方向であり、2つの下側回転軸の配置方向は、左右方向及び前後方向のうちの他方の方向である。
【0008】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、医療用ディスプレイハンガーが傾動して退避する時により安定的でバランスが取れるようにすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0009】
好ましくは、2つの上側回転軸は、同一の軸線に配置され、2つの下側回転軸も、同一の軸線に配置される。
【0010】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、更に医療用ディスプレイハンガーが傾動して退避する時により安定的でバランスが取れるようにすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0011】
好ましくは、前記上側回転軸と前記下側回転軸は、同じ回転軸外径を有し、前記回転軸外径は、9.95±0.05mmである。
【0012】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、適切な回転軸外径により、リングに対する回転軸の回転をより円滑且つ安定的にすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0013】
好ましくは、前記4つの孔は、同じ孔内径を有し、前記孔内径は、10.15±0.05mmである。
【0014】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、適切な孔内径により、リングに対する回転軸の回転をより円滑且つ安定的にすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0015】
好ましくは、前記上側回転軸と前記下側回転軸は、異なる高さの水平面に位置する。
【0016】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、上側回転軸と下側回転軸とを効果的に隔離させ、両者間の干渉を回避することができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0017】
好ましくは、前記上側回転軸は、前記下側回転軸よりも少なくとも10mm高いように配置される。
【0018】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、上側回転軸と下側回転軸とを更に効果的に隔離させ、両者間の干渉を回避することができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0019】
好ましくは、前記上側回転軸及び前記下側回転軸は、いずれも段付き回転軸であり、前記上側回転軸の上側リングに固定接続される端は太く、前記上側回転軸の孔に遊嵌される他端は細く、前記下側回転軸の下側リングに固定接続される端は太く、前記下側回転軸の孔に遊嵌される他端は細い。
【0020】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、回転軸の固定及び回転の要件をより良く満たすことができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0021】
好ましくは、前記軸と孔の隙間は、0.1~0.3mmである。
【0022】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、適切な軸と孔の隙間により、リングに対する回転軸の回転をより円滑且つ安定的にすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0023】
好ましくは、前記下側リングに対する前記上側リングの最大回転角度は±5度である。
【0024】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、医療用ディスプレイハンガーの傾動・退避範囲を適切にすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施例に係る医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置の概略斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例に係る医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置の概略取付図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の具体的な実施形態を説明し、これらの実施形態を具体的に説明する過程で、説明を明瞭且つ簡潔にするために、本明細書において実際の実施形態の全ての特徴を詳細に説明することが不可能であることを指摘しておく。いずれかの実施形態の実際の実施過程において、いずれかの工学プロジェクト又は設計プロジェクトの過程のように、開発者の具体的な目標を実現するために、システムに関連する制限又は商業に関連する制限を満たすために、様々な具体的決定を行うことが多く、これによって1つの実施形態から別の実施形態へ変形することにもなることを理解すべきである。なお、このような開発過程においてなされた努力は、複雑で時間がかかる可能性があるが、本発明により開示された内容に関連する当業者にとって、本開示において開示された技術内容に基づいて行われたいくつかの設計、製造又は生産などの変更は、通常の技術的手段に過ぎないことを理解すべきであり、本開示の内容が不十分であると理解すべきではない。
【0027】
別途定義しない限り、特許請求の範囲及び明細書において使用される技術用語又は科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に理解される通常の意味とすべきである。本発明の特許出願の明細書及び特許請求の範囲に使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、何らかの順序、数又は重要性を表すものではなく、単に異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。「1つ」又は「一」などの類似する用語は、数の制限を表すものではなく、少なくとも1つあることを表すものである。「含む」又は「からなる」などの類似する用語は、「含む」又は「からなる」の前に出現した素子又は物体が「含む」又は「からなる」の後ろに列挙された素子又は物体及びその同等の素子を包含することを意味し、他の素子又は物体を排除するものではない。「接続」又は「繋がる」などの類似する用語は、物理的又は機械的な接続に限定されるものではなく、直接的又は間接的な接続に限定されるものでもない。
【0028】
本明細書において使用される「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」などは、本発明を容易に説明するために定義された例示的な方向に過ぎないことに留意されたく、
図1に示すように、読者に向かう方向は「前」であり、読者から離れる方向は「後」であり、紙面下側方向は「下」であり、紙面上側方向は「上」であり、紙面左側方向は「左」であり、紙面右側方向は「右」である。細部をより良く示すために、
図1における医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置の前面(正面)の紙面に対する配置方向は僅かに傾斜している。勿論、当業者は、本発明に基づき、他の方法で「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」などの方向を定義してもよく、同じく本発明の保護範囲内に属することを理解できる。
【0029】
図1は、本発明の一実施例に係る医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置の概略斜視図である。
図2は、本発明の一実施例に係る医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置の概略取付図である。
【0030】
図1~2に示すように、本発明の一実施例によれば、医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置10は、上側リング1と、中間リング2と、下側リング3と、上側回転軸4と、下側回転軸5とを備え、上側リング1は医療用ペンダント6の底部に接続され、下側リング3は医療用ディスプレイハンガー7の頂部に接続され、中間リング2はその前後左右に合計で4つの孔8が設けられ、上側回転軸4の一端は上側リング1に固定接続され、上側回転軸4の他端は軸と孔の遊嵌を形成するように中間リング2の1つの孔8を貫通し、下側回転軸5の一端は下側リング3に固定接続され、下側回転軸5の他端は軸と孔の遊嵌を形成するように中間リング2のもう1つの孔8を貫通し、上側回転軸4と下側回転軸5とは、空間的に互いに垂直である。
【0031】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、医療用ディスプレイハンガーが水平の任意の方向に不意に衝突すると、傾動して退避することができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0032】
具体的には、本発明は、医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置を採用することにより、医療用ディスプレイハンガーが水平の任意の方向(例えば、左右方向、前後方向など、即ち、実質的に水平面内に位置する任意の方向)に不意に衝突すると、当該衝突が非剛性になるように傾動して退避することができる。衝突解消後、医療用ディスプレイは、正常状態に自動的に回復することができる。
【0033】
つまり、上側回転軸4の一端は上側リング1に固定接続され(例えば、ねじ接続)、上側回転軸4の他端は軸と孔の遊嵌を形成するように中間リング2の1つの孔8を貫通するため、中間リング2は上側リング1に対して回転可能であり、回転軸は上側回転軸4である。
【0034】
下側回転軸5の一端は下側リング3に固定接続され(例えば、ねじ接続)、下側回転軸5の他端は軸と孔の遊嵌を形成するように中間リング2のもう1つの孔8を貫通するため、中間リング2は下側リング3に対して回転可能であり、回転軸は下側回転軸5である。
【0035】
そのため、医療用ディスプレイハンガーは、上側回転軸4の周りを回転することもでき、下側回転軸5の周りを回転することもでき、同時に上側回転軸4及び下側回転軸5の周りを回転することもでき、即ち、水平の任意の方向での傾動・退避が実現される。
【0036】
上側リング1、中間リング2、下側リング3は、いずれもリング状構造であり、ここの「リング」は、円形リングに限定されず、略方形のリング、多角形のリングなどを採用してもよく、「リング」の内部にケーブルが貫通するために十分な空間が残されていればよいことに留意されたい。従って、ケーブルは、移動中にケーブルに対する可能なクランプ及び損傷を引き起こすことなく、医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置を貫通することができ、本発明の配線方法をよりコンパクト且つ簡単にする。
【0037】
好ましくは、上側リング1は医療用ペンダント6の底部に接続され、例えば、
図2に示すように、医療用ペンダント6の底部の筒状構造に接続される。
【0038】
好ましくは、
図1に示すように、中間リング2はその前後左右に合計で4つの孔8が設けられている。つまり、中間リング2は、その前側、後側、左側及び右側に孔8が1つずつ設けられており、合計で4つの孔8である。好ましくは、隣接する孔8は、中間リング2の周縁に互いに90度だけ隔てられている。
【0039】
好ましくは、中間リング2は、上側リング1、下側リング3に対して直径が小さく、それによって上側回転軸4が中間リング2の外側から中間リング2の1つの孔8を貫通でき、下側回転軸5が中間リング2の外側から中間リング2のもう1つの孔8を貫通できるようになる。
【0040】
好ましくは、孔8は貫通孔であってよく、孔の加工成形が容易になる。
【0041】
好ましくは、
図1に示すように、上側回転軸4の数は2つであり、下側回転軸5の数も2つであり、2つの上側回転軸4の配置方向は、左右方向及び前後方向のうちの一方の方向であり、2つの下側回転軸5の配置方向は、左右方向及び前後方向のうちの他方の方向である。例えば、2つの上側回転軸4の配置方向は左右方向であり、2つの下側回転軸5の配置方向は前後方向である。
【0042】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、医療用ディスプレイハンガーが傾動して退避する時により安定的でバランスが取れるようにすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0043】
勿論、2つの上側回転軸及び2つの下側回転軸は、本出願の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置に採用される好ましい形態に過ぎず、当業者は、本出願に開示された内容に基づき、本出願の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、1つの上側回転軸及び1つの下側回転軸のような他の適切な回転軸の数を採用してもよいことを理解できる。1つの上側回転軸及び1つの下側回転軸の技術的解決手段と比べ、2つの上側回転軸及び2つの下側回転軸の技術的解決手段によれば、医療用ディスプレイハンガーが傾動して退避する時により安定的でバランスが取れるようにすることができる。
【0044】
好ましくは、
図1に示すように、2つの上側回転軸4は、同一の軸線に配置され、2つの下側回転軸5も、同一の軸線に配置される。例えば、2つの上側回転軸4は、左右方向における同一の軸線に配置され、2つの下側回転軸5は、前後方向における同一の軸線に配置される。好ましくは、2つの上側回転軸4が位置する軸線と、2つの下側回転軸5が位置する軸線とは、空間的に互いに垂直である。
【0045】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、更に医療用ディスプレイハンガーが傾動して退避する時により安定的でバランスが取れるようにすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0046】
好ましくは、上側回転軸4と下側回転軸5は、同じ回転軸外径を有し、回転軸外径は、9.95±0.05mmである。
【0047】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、適切な回転軸外径により、リングに対する回転軸の回転をより円滑且つ安定的にすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0048】
好ましくは、4つの孔8は、同じ孔内径を有し、孔内径は、10.15±0.05mmである。
【0049】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、適切な孔内径により、リングに対する回転軸の回転をより円滑且つ安定的にすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0050】
好ましくは、
図1に示すように、上側回転軸4と下側回転軸5は、異なる高さの水平面に位置する。つまり、上側回転軸4が位置する軸線と、下側回転軸5が位置する軸線とは、空間的に互いに垂直であるが、高さにおいて互いにずれている。
【0051】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、上側回転軸と下側回転軸とを効果的に隔離させ、両者間の干渉を回避することができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0052】
好ましくは、上側回転軸4は、下側回転軸5よりも少なくとも10mm高いように配置される。
【0053】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、上側回転軸と下側回転軸とを更に効果的に隔離させ、両者間の干渉を回避することができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0054】
好ましくは、
図1に示すように、上側回転軸4及び下側回転軸5は、いずれも段付き回転軸であり、上側回転軸4の上側リングに固定接続される端は太く、上側回転軸4の孔に遊嵌される他端は細く、下側回転軸5の下側リングに固定接続される端は太く、下側回転軸5の孔に遊嵌される他端は細い。
【0055】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、回転軸の固定及び回転の要件をより良く満たすことができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0056】
つまり、回転軸のリングに固定接続される端が太いため、回転とリングとの固定をより安定的にすることができる。回転軸の孔に遊嵌される他端が細いため、中間リングの高さを適切に小さくし、水平保護装置全体の寸法を適切に小さくすることができる。
【0057】
好ましくは、軸と孔の隙間は、0.1~0.3mmである。
【0058】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、適切な軸と孔の隙間により、リングに対する回転軸の回転をより円滑且つ安定的にすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0059】
好ましくは、下側リング3に対する上側リング1の最大回転角度は±5度である。
【0060】
つまり、
図1に示すように、医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置の初期状態で、上側リング1及び下側リング3は、いずれも水平面に位置する。医療用ディスプレイハンガーが真前の下部(水平保護装置に対して)で水平方向の衝撃を受けると、真前から見て、下側リング3は、上側リング1に対して上側回転軸4の周りを下へ回転し、最大回転角度は、下へ5度である。医療用ディスプレイハンガーが真後ろの下部(水平保護装置に対して)で水平方向の衝撃を受けると、真前から見て、下側リング3は、上側リング1に対して上側回転軸4の周りを上へ回転し、最大回転角度は、上へ5度である。同様に、医療用ディスプレイハンガーが水平の他の方向に衝撃を受けると、水平保護装置の保護原理及び回転範囲は以上と類似する。従って、下側リング3に対する上側リング1の最大回転角度は±5度である。
【0061】
上記の技術的解決手段によれば、本発明の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置は、医療用ディスプレイハンガーの傾動・退避範囲を適切にすることができるという有益な技術的効果を奏することができる。
【0062】
勿論、±5度の最大回転角度は、本出願の医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置に採用される好ましい形態に過ぎず、当業者は、本出願に開示された内容に基づき、本出願の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、±3度、±4度、±6度、±7度、±8度、±9度、±10度などの他の適切な最大回転角度を採用してもよいことを理解できる。他の最大回転角度の技術的解決手段と比べ、±5度の最大回転角度の技術的解決手段によれば、医療用ディスプレイハンガーの傾動・退避範囲を適切にすることができ、効果的に傾動して退避することができると同時に、大幅に傾動して退避することによって安定性が失われることもない。
【0063】
好ましくは、回転位置の制限は、上側リング1、中間リング2及び下側リング3自体の限界位置での移動干渉によって実現される。
【0064】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、当業者によって理解されるように、上記の具体的な実施形態は、本発明を限定するものではなく、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、以上に開示された内容に基づいて様々な修正を行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
1 上側リング
2 中間リング
3 下側リング
4 上側回転軸
5 下側回転軸
6 医療用ペンダント
7 医療用ディスプレイハンガー
8 孔
10 医療用ディスプレイハンガーに用いられる水平保護装置