(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】ナットアセンブリ及び電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16H 25/20 20060101AFI20231121BHJP
F16K 31/04 20060101ALI20231121BHJP
F16H 25/24 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
F16H25/20 H
F16K31/04 Z
F16H25/24 B
(21)【出願番号】P 2022549183
(86)(22)【出願日】2021-02-08
(86)【国際出願番号】 CN2021076060
(87)【国際公開番号】W WO2021196900
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】202020438735.3
(32)【優先日】2020-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲シン▼楠
【審査官】木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-132393(JP,A)
【文献】特開2003-065454(JP,A)
【文献】特開2014-142057(JP,A)
【文献】特表2012-533718(JP,A)
【文献】特開2012-172702(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02677218(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/20
F16K 31/04
F16H 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナット座(10)と、
前記ナット座(10)に外嵌され、対向して設けられた第1端及び第2端を有する制限バネ(20)と、
前記ナット座(10)に外嵌され、前記制限バネ(20)に沿って前記ナット座(10)に対して螺旋状に移動可能であり、止め部(31)が設けられている止め輪(30)と、
前記ナット座(10)に設けられている制限凸部(40)であって、前記制限バネ(20)に向かう側に前記ナット座(10)の周方向に沿って延在する切込み(41)が設けられており、前記制限バネ(20)の第1端が前記切込み(41)内に挿設されている制限凸部(40)と、を含み、前記制限凸部(40)と前記止め部(31)とが互いに係合されて前記止め輪(30)に対して止めを行い、前記ナット座(10)の軸線方向における前記切込み(41)の深さのサイズが前記制限バネ(20)の線径以下である、ナットアセンブリ。
【請求項2】
前記ナット座(10)の上端に設けられ、前記制限バネ(20)の前記ナット座(10)における軸線方向に沿う位置を制限するために用いられる制限部材(50)を更に含み、前記制限凸部(40)は、前記制限部材(50)に設けられ、前記制限部材(50)の下端面から突出して設けられている、請求項1に記載のナットアセンブリ。
【請求項3】
前記制限凸部(40)は、互いに接続された第1セグメント(42)及び第2セグメント(43)を含み、前記第1セグメント(42)が前記制限部材(50)に接続され、前記第2セグメント(43)と前記ナット座(10)の外側壁との間には前記切込み(41)を形成する隙間を有し、前記第1セグメント(42)の長さのサイズが前記止め輪(30)の線径以上である、請求項2に記載のナットアセンブリ。
【請求項4】
前記制限部材(50)は、環状構造であり、前記ナット座(10)の上端に外嵌され、前記制限バネ(20)と前記制限部材(50)の下端面とは互いに当接されている、請求項2に記載のナットアセンブリ。
【請求項5】
前記切込み(41)の前記ナット座(10)の径方向における幅のサイズが前記制限バネ(20)の線径以上である、請求項1に記載のナットアセンブリ。
【請求項6】
前記ナットアセンブリは、前記ナット座(10)に設けられ、取り付け孔(61)が設けられている取り付け部(60)を更に含み、前記制限バネ(20)の第2端は、前記取り付け孔(61)内に挿設されている挿着セグメント(21)を有する、請求項1に記載のナットアセンブリ。
【請求項7】
前記取り付け孔(61)は、互いに接続された第1孔セグメント(611)及び第2孔セグメント(612)を含み、前記第1孔セグメント(611)は軸方向において前記制限バネ(20)に近接して設けられており、前記第1孔セグメント(611)の内径は前記第2孔セグメント(612)の内径より大きい、請求項6に記載のナットアセンブリ。
【請求項8】
前記取り付け孔(61)の軸線と前記挿着セグメント(21)の軸線との間に夾角を有する、請求項6に記載のナットアセンブリ。
【請求項9】
前記取り付け孔(61)の孔径は、前記制限バネ(20)から離れる方向に向かって漸減する、請求項6又は8に記載のナットアセンブリ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のナットアセンブリを含む、電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年3月30日付で中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202020438735.3であり、発明の名称が「ナットアセンブリ及び電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は電子膨張弁の技術分野に関し、具体的には、ナットアセンブリ及び電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
通常、電子膨張弁は、ロータアセンブリ、ナットアセンブリ、スピンドルアセンブリ及び弁座を含み、弁座に弁口が設けられており、ロータアセンブリは、制御弁口の開閉を制御するように、駆動スピンドルアセンブリを駆動して移動させるために用いられる。ここで、ナットアセンブリは、ナット座、制限バネ及び止め輪を含み、止め輪は制限バネに沿ってナット座の軸線方向で移動することができ、止め輪が制限バネの頂部及び底部まで移動したとき、止め輪は制限バネに貼り付けられて、上止め及び下止めを実現することにより、ロータアセンブリの回転数を制限する効果が実現される。
【0004】
しかし関連技術において、止め輪の回転数は制限バネのスクリュスライダの巻数に依存し、ナット座の高さを変化させずに制限バネの巻数を増加しようする場合、制限バネの線径を減少させるしかないが、線径が減少した後には、制限バネの強度が低下し、制限バネを使用して止め輪を止める場合、止め輪が滑脱するリスクがある。また、止め輪が上止めを行う際に、制限バネは強度の低下によって非常に大きくねじられ、止め振動が非常に大きく、ひどい場合は止めの故障につながる。従って、関連技術において止め効果が悪いという問題がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、関連技術における止め効果が悪いという問題を解決するためのナットアセンブリ及び電子膨張弁を提供する。
【0006】
本出願の一態様によると、ナット座と、ナット座に外嵌され、対向して設けられた第1端及び第2端を有する制限バネと、ナット座に外嵌され、制限バネに沿ってナット座に対して螺旋状に移動可能であり、止め部が設けられている止め輪と、ナット座に設けられ、制限バネに向かう側に、ナット座の周方向に沿って延在する切込みが設けられており、制限バネの第1端が切込み内に挿設されている制限凸部と、を含み、制限凸部と止め部とが互いに係合されて止め輪に対して止めを行い、且つナット座の軸線方向における切込みの深さのサイズが制限バネの線径以下である、ナットアセンブリを提供する。
【0007】
更に、ナットアセンブリは、ナット座の上端に設けられ、制限バネのナット座における軸線方向に沿う位置を制限するために用いられる制限部材を更に含み、制限凸部は、制限部材に設けられ、制限部材の下端面から突出して設けられている。
【0008】
更に、制限凸部は、互いに接続された第1セグメント及び第2セグメントを含み、第1セグメントは制限部材に接続され、第2セグメントとナット座の外側壁との間には切込みを形成する隙間を有し、第1セグメントの長さのサイズが止め輪の線径以上である。
【0009】
更に、制限部材は、環状構造であり、ナット座の上端に外嵌され、制限バネと制限部材の下端面とは互いに当接されている。
【0010】
更に、切込みのナット座の径方向における幅のサイズが制限バネの線径以上である。
【0011】
更に、ナットアセンブリは、ナット座に設けられ、取り付け孔が設けられている取り付け部を更に含み、制限バネの第2端は、取り付け孔内に挿設されている挿着セグメントを有する。
【0012】
更に、取り付け孔は、互いに接続された第1孔セグメント及び第2孔セグメントを含み、第1孔セグメントは軸方向において制限バネに近接して設けられており、第1孔セグメントの内径は第2孔セグメントの内径より大きい。
【0013】
更に、取り付け孔の軸線と挿着セグメントの軸線との間に夾角を有する。
【0014】
更に、取り付け孔の孔径は、制限バネから離れる方向に向かって漸減する。
【0015】
本出願の別の態様によると、上記のナットアセンブリを含む電子膨張弁を提供する。
【0016】
本出願の技術態様を適用すると、ナットアセンブリは、ナット座、制限バネ、止め輪及び制限凸部を含み、制限バネ及び止め輪はいずれもナット座に外嵌されており、止め輪は制限バネに沿ってナット座に対して螺旋状に移動可能であり、制限凸部はナット座に設けられている。具体的には、制限凸部の制限バネに向う側に切込みが設けられ、切込みがナット座の周方向に沿って延在し、制限バネの第1端を切込み内に挿設することにより、制限凸部と止め輪の止め部とが互いに係合されることを利用して、止め輪を止めることができ、制限バネを使用して止め輪を止める必要がなくなることにより、制限バネの線径を調整する際に、止め効果を確保することができる。また、ナット座の軸線方向における切込みの深さのサイズが制限バネの線径以下であるため、線径が異なる制限バネに対応する際に、止め輪が止め位置まで移動しなければ、制限凸部が止め輪を干渉することはなく、これにより止め輪が制限バネに沿ってスムーズに螺旋状に移動することを確保することができ、更にナットアセンブリの適用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本出願の一部を構成する明細書の図面は本出願に対する更なる理解を提供するものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願の解釈のために用いられ、本出願に対する不当な限定を構成するものではない。
【0018】
【
図1】本出願の実施例1で提供されるナットアセンブリの構造模式図を示す。
【
図2】本出願の実施例1で提供されるナットアセンブリの部分拡大図を示す。
【
図4】本出願の実施例1で提供されるナットアセンブリの別の部分拡大図を示す。
【
図6】本出願の実施例1で提供されるナットアセンブリの断面図を示す。
【
図7】本出願の実施例1で提供されるナットアセンブリの別の断面図を示す。
【
図8】本出願の実施例2で提供されるナットアセンブリの断面図を示す。
【
図9】本出願の実施例2で提供されるナットアセンブリの別の断面図を示す。
【
図10】本出願の実施例5で提供されるナットアセンブリの断面図を示す。
【
図11】本出願の実施例5で提供されるナットアセンブリの別の断面図を示す。
【0019】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 ナット座、20 制限バネ、21 挿着セグメント、30 止め輪、31 止め部、40 制限凸部、41 切込み、42 第1セグメント、43 第2セグメント、50 制限部材、60 取り付け部、61 取り付け孔、611 第1孔セグメント、612 第2孔セグメント、H 第1セグメントの長さのサイズ、h 第2セグメントの長さのサイズ、d1 止め輪の線径、d2 制限バネの線径、L 切込みのナット座の径方向における幅のサイズ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明確且つ完全に説明するが、説明した実施例は本出願の実施例の一部にすぎず、実施例の全部ではないことは明らかである。以下の少なくとも1つの例示的な実施例に対する説明は実際には単なる説明のためのものであり、本出願及びその適用又は使用に対するいかなる制限をなすものでもない。当業者が、本出願における実施例に基づいて、創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0021】
図1から
図7に示すように、本出願の実施例1は、ナット座10、制限バネ20、止め輪30及び制限凸部40を含むナットアセンブリを提供する。ここで、制限バネ20及び止め輪30はいずれもナット座10に外嵌され、制限バネ20は対向して設けられた第1端及び第2端を有し、止め輪30は制限バネ20に沿ってナット座10に対して螺旋状に移動可能であり、止め輪30上に止め部31が設けられている。具体的には、制限凸部40は、ナット座10に設けられ、制限凸部40の制限バネ20に向かう側に切込み41が設けられており、切込み41はナット座10の周方向に沿って延在する。制限バネ20の第1端を切込み41内に挿設することにより、制限凸部40と止め部31とが互いに係合されることを利用して、止め輪30を止めることができ、且つ切込み41のナット座10の軸線方向における深さのサイズが制限バネ20の線径d2以下である。ここで、制限凸部40はナット座10と一体に成形されてもよく、制限凸部40を別個の部品としてもよい。
【0022】
本実施例で提供されるナットアセンブリを適用すると、制限凸部40の、制限バネ20に向かう側に切込み41を設けることにより、切込み41をナット座10の周方向に沿って延在させ、制限バネ20の第1端を切込み41内に挿設し、制限凸部40と止め輪30の止め部31とが互いに係合されることを利用して、止め輪30に対して止めを行って、制限バネ20を使用して止め輪30を止める必要がなくなり、制限バネ20はガイドの役割のみを果たし、制限バネ20の線径を調整する際に、止め輪が滑脱する等の問題が発生せず、止め効果を確保することができる。また、切込み41のナット座10の軸線方向における深さのサイズが制限バネ20の線径以下であるため、線径が異なる制限バネ20に対応する際に、止め輪30が止め位置まで移動しなければ、制限凸部40が止め輪30を干渉することはなく、これにより止め輪30が制限バネ20に沿ってスムーズに螺旋状に移動することを確保することができ、更にナットアセンブリ20の適用性を向上させることができる。
【0023】
ここで、制限凸部40と止め部31とが互いに係合されることを利用して、止め輪30に対して、制限凸部40が止め輪30に対して行う上止め及び下止めを含む止めを行う。制限凸部40をナット座10の上端又は下端に近接する位置に設けることにより、制限凸部40を使用して止め輪30に対して上止め又は下止めを行うことができ、制限凸部40をナット座10の上端又は下端に近接する位置に同時に設けることにより、制限凸部40を使用して止め輪30に対して上止めと下止めを同時に行うことができる。本実施例において、制限凸部40はナット座10の上端に位置し、制限凸部40と止め部31とが互いに係合されて止め輪30に対して上止めを行う。
【0024】
図1に示すように、ナットアセンブリは、ナット座10の上端に設けられ、制限バネ20がナット座10から脱落することを回避するように制限バネ20のナット座10における軸線方向に沿う位置を制限するために用いられる制限部材50を更に含む。本実施例において、制限凸部40は、制限部材50に設けられ、制限部材50の下端面から突出して設けられており、止め輪30が上止め位置まで移動したとき、止め輪30の止め部31は制限凸部40と互いに当接することにより、上止めの役割を果たす。
【0025】
図2から
図5に示すように、制限凸部40は、互いに接続された第1セグメント42及び第2セグメント43を含み、第1セグメント42は制限部材50に接続され、第2セグメント43とナット座10の外側壁との間には切込み41を形成する隙間を有する。ここで、第1セグメント42の長さのサイズHが止め輪30の線径d1以上であるため、止め輪30が上止め位置までスムーズに移動し、且つ第1セグメント42の側壁と互いに当接することを確保することができることにより、止め輪30に対する制限凸部40の上止めが実現される。本実施例において、止め輪30が上止め位置まで移動したとき、止め輪30の止め部31は第1セグメント42の側壁と互いに当接される。
【0026】
ここで、第2セグメント43の長さのサイズhは、切込み41のナット座10の軸線方向における深さのサイズである。
【0027】
本実施例において、制限部材50は、環状構造であり、ナット座10の上端に外嵌され、制限バネ20と制限部材50の下端面とは互いに当接されており、限部材50を使用して制限バネ20のナット座10における軸線方向に沿う位置を制限することができる。具体的には、制限部材50はナット座10に着脱可能に接続され、制限凸部40を制限部材50に設けることにより、加工及び組み立てが容易になる。ここで、制限凸部40と制限部材50とが一体に成形され、加工コストを低減させることができる。
【0028】
本実施例において、切込み41のナット座10の径方向における幅のサイズLが制限バネ20の線径d2以上であるため、切込み41が制限バネ20に十分な収納空間を提供することができ、制限バネ20の第1端を切込み41内に挿設することが容易になる。
【0029】
図1及び
図6に示すように、ナットアセンブリは、ナット座10に設けられ、取り付け孔61が設けられている取り付け部60を更に含み、制限バネ20の第2端は、取り付け孔61内に挿設されている挿着セグメント21を有する。上記の構造を採用すると、制限バネ20の第2端に対する固定を実現することができる。本実施例において、取り付け部60は、取り付けカムである。
【0030】
図6及び
図7に示すように、取り付け孔61は、互いに接続された第1孔セグメント611及び第2孔セグメント612を含み、第1孔セグメント611は軸方向において制限バネ20に近接して設けられており、且つ第1孔セグメント611の内径は第2孔セグメント612の内径より大きい。取り付け孔61を、孔径が大きい部分と小さい部分の2つのセグメントとして設計することにより、制限バネの線径が比較的大きい場合、挿着セグメント21を孔径が比較的大きい第1孔セグメント611内に挿通し、制限バネの線径が比較的小さい場合、挿着セグメント21を孔径が比較的小さい第2孔セグメント612内に挿通する。上記の構造を採用すると、制限バネの線径に応じて、挿入位置をそれぞれ選択することができるので、制限バネ20を固定し、制限バネ20の固定効果を確保することができる。
【0031】
本実施例において、取り付け孔61はナット座10を貫通して設けられる。他の実施例において、取り付け孔61をザグリとしてもよい。
【0032】
図8及び
図9に示すように、本出願の実施例2は、ナットアセンブリを提供し、実施例2が実施例1と異なる点は、実施例2において、取り付け孔61の軸線と挿着セグメント21の軸線との間に夾角を有することである。
【0033】
ここで、取り付け孔61の軸線と挿着セグメント21の軸線との間に有する夾角は、以下の3つの構造である。
【0034】
第1の構造は、取り付け孔61の軸線とナット座10の軸線との間に夾角を有することにより、取り付け孔61の軸線と挿着セグメント21の軸線との間に夾角を有する。
【0035】
第2の構造は、挿着セグメント21の軸線とナット座10の軸線との間に夾角を有することにより、取り付け孔61の軸線と挿着セグメント21の軸線との間に夾角を有する。
【0036】
第3の構造は、取り付け孔61の軸線及び挿着セグメント21の軸線がいずれもナット座10の軸線との間に夾角を有し、且つ取り付け孔61の軸線と挿着セグメント21の軸線との間に夾角を有する。
【0037】
本実施例において、挿着セグメント21の軸線とナット座10の軸線との間に夾角を有する。
【0038】
本出願の実施例3は、ナットアセンブリを提供し、実施例3が実施例2と異なる点は、実施例3において、取り付け孔61の軸線とナット座10の軸線との間に夾角を有することにより、取り付け孔61の軸線と挿着セグメント21の軸線との間に夾角を有することである。
【0039】
本出願の実施例4は、ナットアセンブリを提供し、実施例4が実施例1と異なる点は、実施例4において、取り付け孔61の孔径が制限バネ20から離れる方向に向かって徐々に減少することであり、これにより、線径が異なる制限バネに対して、いずれも挿着セグメント21と取り付け孔61の内壁とが互いに当接されることを確保することができるので、挿着セグメント21が取り付け孔61内における固定効果を確保することができる。
【0040】
図10及び
図11に示すように、本出願の実施例5は、ナットアセンブリを提供し、実施例5が実施例2と異なる点は、実施例5において、取り付け孔61の軸線とナット座10の軸線との間に夾角を有し、且つ取り付け孔61の孔径が制限バネ20から離れる方向に向かって漸減することであり、これにより、挿着セグメント21が取り付け孔61内における固定効果を更に向上させることができる。
【0041】
本出願の実施例6は、上記のナットアセンブリを含む電子膨張弁を提供する。
【0042】
本実施例で提供される装置によると、以下の有利な効果を有する。
(1)共用される制限部材50は、構造が簡単で、切込みのサイズを各種の制限バネ及び止め輪に適用でき、共用されるナット座10は、取り付け部における取り付け孔が異なるサイズの制限バネに適用されて、電子膨張弁の適用範囲を拡大できる。
(2)止め輪の数を増加して、膨張弁の開度ストロークを増加させることができる。
(3)反発性を低減させ、止めノイズを低下させることができる。
(4)滑脱するリスクを低減させ、止め故障を防止する。
【0043】
以上の説明は、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するためのものではなく、当業者は、本出願に対して各種の修正及び変更を行ってもよい。本出願の趣旨及び原則内でなされた任意の修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。