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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-20
(45)【発行日】2023-11-29
(54)【発明の名称】メモリサブシステム製造モード
(51)【国際特許分類】
   G11C 29/46 20060101AFI20231121BHJP
   G06F 11/22 20060101ALI20231121BHJP
   G06F 12/00 20060101ALI20231121BHJP
【FI】
G11C29/46
G06F11/22 607Z
G06F12/00 550A
G06F12/00 564
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022559778
(86)(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 US2021023121
(87)【国際公開番号】W WO2021202126
(87)【国際公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】16/838,504
(32)【優先日】2020-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ヒエブ アダム ジェイ.
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-223799(JP,A)
【文献】特開2011-48880(JP,A)
【文献】特開2015-1988(JP,A)
【文献】特開2017-45498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 29/46
G06F 11/22
G06F 12/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
インターフェースコネクタのいくつかの予約ピンの1つを介して提供される第1の信号に少なくとも部分的に基づいて、製造モードを有効にすることと、
前記製造モードを有効にすることに応えて、前記インターフェースコネクタのいくつかの他のピンを介して前記インターフェースコネクタに結合されたメモリコンポーネントに第2の信号を提供することと
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記いくつかの予約ピンが、前記メモリコンポーネントに電源電圧を提供するために利用可能なピンを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記インターフェースコネクタのホストポート構成タイプのピンを使用せずに、前記第1の信号を提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記インターフェースコネクタのいくつかのEピンを使用せずに、前記第1の信号を提供することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記メモリコンポーネントに、前記第2の信号を介してファームウェアに対応するデータを提供することをさらに含み、前記ファームウェアが、
製造テストファームウェア、
オペレーティングシステムファームウェア、または
それらの任意の組み合わせ
の少なくとも1つに対応する、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
システムであって、
いくつかの予約ピンを含むインターフェースコネクタと、
論理ゲートを介して前記インターフェースコネクタに結合されたマルチプレクサと
を備え、
前記インターフェースコネクタが、前記論理ゲートに対し、前記いくつかの予約ピンの少なくとも1つを介して第1の信号を提供するように構成され、
前記論理ゲートが、前記第1の信号に少なくとも部分的に基づいて、前記マルチプレクサにスイッチ信号を提供するように構成され、
前記インターフェースコネクタが、製造モード中にメモリコンポーネントに第2の信号を提供するように構成されるように、前記マルチプレクサが、前記製造モードを開始するために、前記インターフェースコネクタを前記メモリコンポーネントに結合するように構成される
前記システム。
【請求項7】
前記いくつかの予約ピンがいくつかのPピンを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記インターフェースコネクタが、システム管理バスデータ(SMBDAT)及びシステム管理バスクロック信号(SMBCLK)を転送するために利用可能ないくつかのピンを備え、
前記インターフェースコネクタが、前記製造モード中に、前記いくつかのピンの少なくとも1つを介して前記メモリコンポーネントに前記第2の信号を提供するように構成される
請求項6~のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記いくつかのピンがいくつかのEピンを含む、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
汎用非同期送受信機(UART)送信信号及びUART受信信号が、前記インターフェースコネクタから前記メモリコンポーネントに転送されるように、前記マルチプレクサが前記製造モードを開始するために、前記インターフェースコネクタを前記メモリコンポーネントに結合するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記マルチプレクサが、前記インターフェースコネクタからの前記第1の信号がない場合に、システム管理バスデータ(SMBDAT)線及びシステム管理バスクロック(SMBCLK)線を前記インターフェースコネクタに結合するように構成される、請求項6~のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記インターフェースコネクタが、ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス(PCIe)コネクタである、請求項6~のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項13】
システムであって、
インターフェースコネクタのいくつかの予約ピンの1つを介して第1の信号を提供するように構成された前記インターフェースコネクタと、
論理ゲートを介して前記インターフェースコネクタに結合されたメモリコンポーネントであって、前記システムを製造モードにするために、前記論理ゲートに第2の信号を提供するように構成される、前記メモリコンポーネントと
を備え、
前記論理ゲートが、前記いくつかの予約ピンの1つを介して前記論理ゲートから前記第1の信号を受信することに応えて、前記システムが前記製造モードに入る
前記システム。
【請求項14】
前記インターフェースコネクタが、
前記いくつかの予約ピンに対応するピンの第1のセットと、
ピンの第2のセットと
を備え、
前記メモリコンポーネントが、前記システムが前記製造モードにある間に、前記インターフェースコネクタの前記第2のセットのピンの少なくとも1つを介して、ファームウェアに対応するデータを受信するように構成される
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記メモリコンポーネントが、前記ファームウェアが受信され、前記メモリコンポーネントに格納されることに応えて、前記論理ゲートに第3の信号を提供するように構成され、
前記論理ゲートが前記メモリコンポーネントから前記第3の信号を受信することに応えて、前記製造モードが無効にされる
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
共有入力/出力(SIO)線を介して前記論理ゲートに結合されたマルチプレクサをさらに備え、
前記論理ゲートが、前記メモリコンポーネントからの前記第1の信号、及び前記論理ゲートからの前記第2の信号の受信に応えて、前記マルチプレクサに、前記SIO線を介してスイッチ信号を提供するように構成され、
前記マルチプレクサが、前記論理ゲートからの前記スイッチ信号の受信に応えて、前記メモリコンポーネントを前記インターフェースコネクタに結合するように構成される
請求項1314のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記いくつかの予約ピンの1つを介して、前記インターフェースコネクタを前記メモリコンポーネントに結合するデータ線が、外部プルアップ抵抗器にさらに結合される、請求項1314のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、メモリサブシステムに関し、より具体的には、メモリサブシステム製造モードに関する。
【背景技術】
【0002】
メモリサブシステムは、データを格納する1つまたは複数のメモリデバイスを含むことができる。メモリデバイスは、例えば、不揮発性メモリデバイス及び揮発性メモリデバイスであり得る。一般に、ホストシステムは、メモリデバイスにデータを格納し、メモリデバイスからデータを取り出すために、メモリサブシステムを利用することができる。
【0003】
本開示は、以下に示す詳細な説明及び本開示のさまざまな実施形態の添付図面から、より十分に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、ホストシステム及びメモリサブシステムに結合されたインターフェースコネクタを含む例示的なコンピューティングシステムを示す。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、インターフェースコネクタの例を示す。
図3】本開示のいくつかの実施形態による製造モードを有効/無効にするためのインターフェースコネクタを含む回路の例を示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態による製造モードでメモリコンポーネントを操作するための例示的な方法の流れ図を示す。
図5】本開示の実施形態が操作し得る例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示の態様は、製造モードでメモリサブシステムを操作するための回路を対象とする。メモリサブシステムは、ストレージデバイス、メモリモジュール、またはストレージデバイスとメモリモジュールのハイブリッドであり得る。ストレージデバイス及びメモリモジュールの例は、図1、他のどこかと併せて以下に説明される。一般に、ホストシステムは、データを格納するメモリデバイスなど、1つまたは複数のコンポーネントを含むメモリサブシステムを利用することができる。ホストシステムは、メモリサブシステムに格納されるデータを提供することができ、メモリサブシステムから取り出されるデータを要求することができる。
【0006】
カスタマがメモリサブシステムを利用できるようになる前に、製造業者(例えば、ベンダ)は、メモリサブシステムを操作してメモリサブシステムをテスト及び/または診断し、及び/または、必要なソフトウェア(例えば、ファームウェア)をメモリサブシステムに提供することを所望する場合がある。そうするために、製造業者は、メモリサブシステムを、メモリサブシステムに製造モードに入るように命令することができる、製造業者が準備したホストシステムに結合し得、製造モードの間、メモリサブシステムをテストする、診断する、及び/またはメモリサブシステムに必要なファームウェア(例えば、ファームウェア画像)を提供することができる。より具体的には、製造業者が準備したホストシステムは、インターフェースコネクタに、メモリサブシステムのメモリサブシステムコントローラに特定の信号を提供するように命令することができ、この結果、メモリサブシステムは製造モードに入ることができる。インターフェースコネクタは、製造業者が準備したホストシステムをメモリサブシステムに結合する役割を果たす。
【0007】
インターフェースコネクタからメモリサブシステムコントローラに信号を提供することは、(例えば、インターフェースコネクタの)いくつかのピンを利用することを伴う場合があり、多くの場合、メモリサブシステムの製造モードの有効化を制御する複雑さは、インターフェースコネクタのどのタイプの、及び/またはいくつのピンが利用されているのかによる可能性がある。例えば、より多くのピン及び/または異なるタイプのピンを同時に使用することにより、製造モードを有効にするための回路に複雑さが加わる可能性があり、これによりメモリサブシステムの製造の初期化段階または初期化前段階は、時間がかかる、及び/または高価になる可能性がある。
【0008】
本開示の態様は、以前の手法に比較してより効率的及び/またはより柔軟性がある手法を製造モードの有効化の制御に提供することによって、上記の及び他の不備に対応する。例えば、実施形態は、従来の手法よりも少ないピン(例えば、いくつかの実施態様では単一のピン)を介して製造モードを制御することを含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、以前の手法では使用されていない場合がある予約ピンなど、同じタイプの複数のピンを使用して、製造モードを実装することができる。したがって、本明細書に説明される実施形態は、メモリサブシステムの製造に関連するコストを削減できる、及び/または時間のかかる製造段階を短縮できる、より複雑ではない回路実装を提供することができる。さらに、本明細書に説明されるいくつかの実施形態は、製造モードに以前利用されていないピン(例えば、予約ピン)を利用するため、製造モードを有効にするために以前利用されたことがあるそれらのピンは利用可能となり、異なる動作及び/または機能に利用することができる。
【0009】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、メモリサブシステム110を含む例示的なコンピューティングシステム100を示す。メモリサブシステム110は、1つまたは複数の揮発性メモリデバイス(例えば、メモリデバイス140)、1つまたは複数の不揮発性メモリデバイス(例えば、メモリデバイス130)、またはこのようなものの組み合わせなどの媒体を含むことができる。
【0010】
メモリサブシステム110は、ストレージデバイス、メモリモジュール、またはストレージデバイスとメモリモジュールのハイブリッドであり得る。ストレージデバイスの例は、ソリッドステートドライブ(SSD)、フラッシュドライブ、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、組み込みマルチメディアコントローラ(eMMC)ドライブ、ユニバーサルフラッシュストレージ(UFS)ドライブ、セキュアデジタル(SD)カード、及びハードディスクドライブ(HDD)を含む。メモリモジュールの例は、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)、スモールアウトラインDIMM(SO-DIMM)、及びさまざまなタイプの不揮発性デュアルインラインメモリモジュール(NVDIMM)を含む。
【0011】
コンピューティングシステム100は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットワークサーバ、モバイルデバイス、車両(例えば、航空機、ドローン、電車、自動車、または他の輸送手段)、モノのインターネット(IoT)対応デバイス、組み込みコンピュータ(例えば、車両、産業機器、またはネットワーク化された商用デバイスに含まれるもの)などのコンピューティングデバイス、またはメモリ及び処理デバイスを含むそのようなコンピューティングデバイスであり得る。
【0012】
コンピューティングシステム100は、1つまたは複数のメモリサブシステム110に結合されたホストシステム120を含むことができる。いくつかの実施態様では、ホストシステム120は、異なるタイプのメモリサブシステム110に結合されている。図1は、1つのメモリサブシステム110に結合されたホストシステム120の一例を示す。本明細書で使用される場合、「~に結合される」または「~と結合される」は、一般に、電気、光、磁気などの接続を含む、有線または無線を問わず、間接通信接続または直接通信接続(例えば、介在するコンポーネントなし)であり得るコンポーネント間の接続を指す。
【0013】
ホストシステム120は、プロセッサチップセット、及びプロセッサチップセットによって実行されるソフトウェアスタックを含むことができる。プロセッサチップセットは、1つまたは複数のコア、1つまたは複数のキャッシュ、メモリコントローラ(例えば、NVDIMMコントローラ)、及びストレージプロトコルコントローラ(例えば、PCIeコントローラ、SATAコントローラ)を含むことができる。ホストシステム120は、例えばメモリサブシステム110にデータを書き込み、メモリサブシステム110からデータを読み取るためにメモリサブシステム110を使用する。
【0014】
いくつかの実施形態では、ホストシステム120は、メモリサブシステム110をテストする、診断する、及び/またはメモリサブシステム110にファームウェア(例えば、ファームウェア105)を提供する(ように、メモリサブシステム110に命令する)ように構成される製造業者のホストシステムであり得る。メモリサブシステム110に提供されるファームウェア105は、(例えば、メモリサブシステム110をテスト及び/または診断することを可能にすることができる)製造テストファームウェア、オペレーティングシステムファームウェア、及び/またはカスタマ(例えば、メモリサブシステムを製造業者から購入するエンティティ)がメモリサブシステム110を利用できるようになる前に、メモリサブシステム110(例えば、メモリサブシステムコントローラ115)にロードすることが所望されるファームウェアであり得る。
【0015】
ホストシステム120は、物理ホストインターフェースを介してメモリサブシステム110に結合することができる。物理ホストインターフェースの例は、シリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント(SATA)インターフェース、ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス(PCIe)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェース、ファイバーチャネル、シリアル接続SCSI(SAS)、スモールコンピュータシステムインターフェース(SCSI)、デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)インターフェース(例えば、ダブルデータレート(DDR)をサポートするDIMMソケットインターフェース)、オープンNANDフラッシュインターフェース(ONFI)、ダブルデータレート(DDR)、低電力ダブルデータレート(LPDDR)、または任意の他のインターフェースを含むが、これらに限定されない。物理ホストインターフェースを使用して、ホストシステム120とメモリサブシステム110との間でデータを伝送することができる。メモリサブシステム110がPCIeインターフェースによってホストシステム120と結合されているときに、ホストシステム120は、NVM Express(NVMe)インターフェースをさらに利用して、コンポーネント(例えば、メモリデバイス130)にアクセスすることができる。物理ホストインターフェースは、メモリサブシステム110とホストシステム120との間で制御信号、アドレス信号、データ信号、及び他の信号を渡すためのインターフェースを提供することができる。図1は、例としてメモリサブシステム110を示している。一般に、ホストシステム120は、同じ通信接続、複数の別個の通信接続、及び/または通信接続の組み合わせを介して、複数のメモリサブシステムにアクセスすることができる。
【0016】
コンピューティングシステム100は、物理ホストインターフェースに結合されたインターフェースコネクタ112を含むことができる。本明細書で使用される場合、用語「インターフェースコネクタ」は、さまざまな通信プロトコルの特定の1つ(例えば、物理ホストインターフェースに関連して上述した通信プロトコルの1つ)で実装される物理コネクタを指す。インターフェースコネクタ112は、ホストシステム120から受信されたコマンドをメモリデバイス130及び/またはメモリデバイス140にアクセスするためのコマンド命令に変換し、メモリデバイス130及び/またはメモリデバイス140に関連付けられた応答をホストシステム120のための情報に変換することができる。いくつかの実施形態では、インターフェースコネクタ112は、メモリサブシステム110の一部である、及び/またはメモリサブシステム110内に組み込まれる場合がある。
【0017】
いくつかの実施形態では、インターフェースコネクタ112は、メモリサブシステム110とホストシステム120との間で、他の信号の中でも制御、アドレス、及び/またはデータを渡すために利用できるいくつかの及び/または異なるタイプのピンを含むことができる。例えば、インターフェースコネクタ112は、いくつかのピンを介して、ホストシステム120から受信されたコマンドを、メモリデバイス130及び/またはメモリデバイス140にアクセスするためのコマンド命令(例えば、さまざまな信号の形の)に変換することができ、いくつかのピンを介して、メモリデバイス130及び/またはメモリデバイス140に関連付けられた応答をホストシステム120のための情報(例えば、さまざまな信号の形の)に変換することができる。いくつかの及び異なるタイプのピンが、メモリサブシステム110とホストシステム120との間の通信を支援する際にどのように利用されるのかのさらなる詳細は、図2及び図3に関連して説明される。
【0018】
メモリデバイス130及び140は、異なるタイプの不揮発性メモリデバイス及び/または揮発性メモリデバイスの任意の組み合わせを含むことができる。揮発性メモリデバイス(例えば、メモリデバイス140)は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)及び同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)であり得るが、これらに限定されない。
【0019】
不揮発性メモリデバイス(例えば、メモリデバイス130)のいくつかの例は、否定論理積(NAND)型フラッシュメモリ、及び不揮発性メモリセルのクロスポイントアレイである、3次元クロスポイント(「3Dクロスポイント」)メモリデバイスなどのライトインプレースメモリを含む。不揮発性メモリのクロスポイントアレイは、スタック可能なクロスグリッドデータアクセスアレイと連動して、バルク抵抗の変化に基づいてビットストレージを実行することができる。さらに、多くのフラッシュベースのメモリとは対照的に、クロスポイント不揮発性メモリは、不揮発性メモリセルを事前に消去せずに不揮発性メモリセルをプログラムできるインプレース書き込み操作を実行できる。NAND型フラッシュメモリは、例えば2次元NAND(2D NAND)及び3次元NAND(3D NAND)を含む。
【0020】
メモリデバイス130のそれぞれは、メモリセルの1つまたは複数のアレイを含むことができる。例えば、単一レベルセル(SLC)などの1つのタイプのメモリセルは、セルごとに1ビットを格納できる。マルチレベルセル(MLC)、トリプルレベルセル(TLC)、クアッドレベルセル(QLC)、及びペンタレベルセル(PLC)などの他のタイプのメモリセルは、セルごとに複数のビットを格納できる。いくつかの実施形態では、メモリデバイス130のそれぞれは、SLC、MLC、TLC、QLC、またはこのようなものの任意の組み合わせなどのメモリセルの1つまたは複数のアレイを含むことができる。いくつかの実施形態では、特定のメモリデバイスは、メモリセルのSLC部分、及びMLC部分、TLC部分、QLC部分、またはPLC部分を含むことができる。メモリデバイス130のメモリセルは、データを格納するために使用されるメモリデバイスの論理ユニットを指す場合があるページとしてグループ化することができる。いくつかのタイプのメモリ(例えば、NAND)では、ページをグループ化してブロックを形成することができる。
【0021】
不揮発性メモリセルの3Dクロスポイントアレイ、及びNAND型メモリ(例えば、2D NAND、3D NAND)などの不揮発性メモリコンポーネントが説明されているが、メモリデバイス130は、読み取り専用メモリ(ROM)、位相変化メモリ(PCM)、自己選択メモリ、他のカルコゲニドベースのメモリ、強誘電体トランジスタランダムアクセスメモリ(FeTRAM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FeRAM)、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)、スピン注入磁化反転(STT)MRAM、導電性ブリッジRAM(CBRAM)、抵抗性ランダムアクセスメモリ(RRAM)、酸化物ベースのRRAM(OxRAM)、否定論理和(NOR)フラッシュメモリ、及び電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)などの任意の他のタイプの不揮発性メモリまたはストレージデバイスに基づく場合がある。
【0022】
メモリサブシステムコントローラ115(または、簡単にするために、コントローラ115)は、メモリデバイス130でデータを読み取る、データを書き込む、またはデータを消去するなどの操作、及び他のそのような操作を実行するためにメモリデバイス130と通信することができる。メモリサブシステムコントローラ115は、1つまたは複数の集積回路及び/または個別のコンポーネント、バッファメモリ、またはそれらの組み合わせなどのハードウェアを含むことができる。ハードウェアは、本明細書で説明される操作を実行するための専用の(例えば、ハードコードされた)論理を備えたデジタル回路を含むことができる。メモリサブシステムコントローラ115は、マイクロコントローラ、専用論理回路(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)など)、または他の適切なプロセッサであり得る。いくつかの実施形態では、メモリサブシステムコントローラ115は、NVMeインターフェースを介してメモリサブシステム110(例えば、ホストシステム120、及び/またはメモリデバイス130及び/または140)に役立つように構成することができる。
【0023】
メモリサブシステムコントローラ115は、ローカルメモリ119に格納された命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサ(例えば、プロセッサ117)を含む処理デバイスであり得る。図示の例では、メモリサブシステムコントローラ115のローカルメモリ119は、さまざまなプロセス、操作、論理フロー、及びメモリサブシステム110とホストシステム120との間の通信の処理を含む、メモリサブシステム110の動作を制御するルーチンを実行するための命令を格納するように構成された組み込みメモリを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、ローカルメモリ119は、メモリポインタ、フェッチされたデータなどを格納するメモリレジスタを含むことができる。ローカルメモリ119はまた、マイクロコード、及び/またはメモリサブシステムコントローラ115がホストシステム102からファームウェア105を要求することを可能にする命令を格納するための読み取り専用メモリ(ROM)(例えば、ブートROM)を含むことができる。図1の例示的なメモリサブシステム110は、メモリサブシステムコントローラ115を含むものとして示されているが、本開示の別の実施形態では、メモリサブシステム110は、メモリサブシステムコントローラ115を含まず、代わりに、外部制御(例えば、外部ホストによって、またはメモリサブシステムとは別のプロセッサまたはコントローラによって提供される)に依拠する場合がある。
【0025】
一般に、メモリサブシステムコントローラ115は、ホストシステム120からコマンドまたは操作を受信することができ、コマンドまたは操作を、メモリデバイス130及び/またはメモリデバイス140への所望のアクセスを達成するための命令または適切なコマンドに変換することができる。メモリサブシステムコントローラ115は、ウェアレベリング操作、ガベージコレクション操作、エラー検出及びエラー訂正コード(ECC)操作、暗号化操作、キャッシング操作、及び論理アドレス(例えば、論理ブロックアドレス(LBA)、名前空間)と物理アドレス(例えば、物理ブロックアドレス)との間のアドレス変換などの他の操作を担うことができ、これらは、メモリデバイス130に関連付けられている。
【0026】
メモリサブシステム110はまた、図示されていない追加の回路または構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、メモリサブシステム110は、キャッシュまたはバッファ(例えば、DRAM)、及びメモリサブシステムコントローラ115からアドレスを受信し、アドレスをデコードしてメモリデバイス130及び/またはメモリデバイス140にアクセスできるアドレス回路(例えば、ロウデコーダとカラムデコーダ)を含むことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、メモリデバイス130は、メモリサブシステムコントローラ115と連動して動作して、メモリデバイス130の1つまたは複数のメモリセルに対して操作を実行するローカルメディアコントローラ135を含む。外部コントローラ(例えば、メモリサブシステムコントローラ115)は、メモリデバイス130を外部で管理する(例えば、メモリデバイス130に対して媒体管理操作を実行する)ことができる。いくつかの実施形態では、メモリデバイス130はマネージドメモリデバイスであり、これは、同じメモリデバイスパッケージ内での媒体管理のために、ローカルコントローラ(例えば、ローカルコントローラ135)と組み合わされた生のメモリデバイスである。マネージドメモリデバイスの例は、マネージドNAND(MNAND)デバイスである。
【0028】
メモリサブシステムコントローラ113は、製造モード、及び/または製造モードを有効/無効にすることに関連付けられた操作を調整及び/または実行するように構成できる製造モードコンポーネント113を含む。図面を分かりにくくしないように図1には示されていないが、製造モードコンポーネント113は、本明細書に説明される操作を容易にするためのさまざまな回路を含むことができる。例えば、製造モードコンポーネント113は、ASIC、FPGA、状態機械、及び/または製造モードコンポーネント113が、本明細書に説明された操作を調整及び/または実行することを可能にできる他の論理回路の形の専用回路を含むことができる。
【0029】
図2図3、及び図4に関連してより詳細に説明されるように、製造モードコンポーネント113は、メモリサブシステム110(例えば、メモリサブシステムコントローラ115)を製造モードにする必要があるかどうかを判断するように構成することができ、これは、メモリサブシステムコントローラ115がファームウェア(例えば、ファームウェア105)を現在含んでいるかどうかに基づいて、さらに判断することができる。メモリサブシステム110がファームウェアを含んでいないという判断に応えて、製造モードコンポーネント113は、メモリサブシステムコントローラ115が製造モード中にファームウェアを具備できるように、製造モードを有効にすることを要求することができる。製造モードコンポーネント113は、製造モードに関連付けられた操作が完了する(例えば、ファームウェア105が受信され、メモリサブシステムコントローラ115に格納される)と、製造モードを無効にすることをさらに要求することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、製造モードコンポーネント113によって実行される操作は、メモリサブシステム110及び/またはメモリサブシステムコントローラ115の製造の初期化または初期化前段階の間に実行することができる。したがって、いくつかの実施形態では、製造モードコンポーネント113は、メモリサブシステム110の製作中及び/または製作に続いてであるが、メモリサブシステム110の梱包の前に本明細書に説明される操作を実行することができる。しかしながら、実施形態はそのように限定されておらず、いくつかの実施形態では、製造モードコンポーネント113は、例えば、ファームウェア105をメモリサブシステム110及び/またはメモリサブシステムコントローラ115に提供することを要求するために、メモリサブシステム110の操作段階中に本明細書に説明される操作を実行することができる。
【0031】
いくつかの実施形態では、メモリサブシステムコントローラ115は、製造モードコンポーネント113の少なくとも一部を含む。例えば、メモリサブシステムコントローラ115は、本明細書に説明される操作を実行するために、ローカルメモリ119に格納された命令を実行するように構成されたプロセッサ117(処理デバイス)を含むことができる。いくつかの実施形態では、製造モードコンポーネント113は、ホストシステム110、アプリケーション、またはオペレーティングシステムの一部である。
【0032】
図2は、本開示のいくつかの実施形態によるインターフェースコネクタ212の例を示す。インターフェースコネクタ212は、図1に示されるインターフェースコネクタ112に類似している場合がある。実施形態は、特定のタイプのインターフェースコネクタを利用することに限定されていないが、図2に示されるインターフェースコネクタ212は、SFF-8639(U.2とも呼ばれる)コネクタ及び/またはSFF-TA-1001(U.3とも呼ばれる)コネクタであり得る。
【0033】
インターフェースコネクタ212は、図2に示されるいくつかのピンを介してホストシステム及び/またはデバイスと通信するように構成することができる。本明細書で使用される場合、用語「ピン」は、電気的終端を作成し、他のデバイスとの通信を可能にするために使用される物理インターフェースを指す。図2に示される非限定的な例として、インターフェースコネクタ212は、S1、...、S7(それぞれ、230-1、...、230-7)ピン、E1、...、E6(232-1、...、232-6)ピン、P1、...、15(それぞれ、236-1、...、236-15)ピン、E7、...、E16(それぞれ、232-7、...、232-16)ピン、S8、...、S28(それぞれ、230-8、...、230-28)ピン、及びE17、...、E25(それぞれ、232-17、...、232-25)ピンを含む。いくつかの実施形態では、コマンド、アドレス、及び/またはデータは、信号の形で、インターフェースコネクタ212のいくつかのピンを介して通信することができる。
【0034】
例えば、Storage Networking Industry Association(SNIA)(以前は、Small Form Factor (SFF)委員会として知られていた)によって定義された、いくつかの手法によると、インターフェースコネクタ212などのインターフェースコネクタは、S15ピン(例えば、ピン230-15及びホストポートタイプ(HPT)0ピンとも呼ばれる)、E16(ピン232-16、及びHPT 1ピンとも呼ばれる)、及びE25(ピン232-25、及びデュアルポートイネーブルピンとも呼ばれる)を介して信号を提供して、メモリサブシステム及び/またはメモリコンポーネントの製造モードを有効にするように構成することができる。これらのピンは、デバイス(例えば、メモリサブシステム)をどのタイプのスロットに篏合させるのか、デバイスをどのタイプのホストプロトコルに接続させるのか、及び/またはデュアルポートモードを有効にするかどうかを判断する際に利用することができる。SFF-TA-1001仕様によれば、例えば、S15ピンは、例えばインターフェースコネクタ212などのインターフェースコネクタを介してホストシステムに結合されたデバイスが、SFF-8369 SSDであるのか、それともSFF-TA-1001 SSDであるのかを区別するために利用することができ、E16ピンは、デバイスがインターフェースコネクタを介して結合されているホストプロトコルが、PCIeであるのか、Gen-Zであるのか、それとも未定義のホストプロトコルであるのかを区別するために利用することができ、E25ピンは、デュアルポートモードが有効にされるかどうかを示すために利用することができる。ピンS15、E16、及びE25によって示される値の組み合わせに基づいた対応する動作モード(例えば、「高」は論理「1」に対応し、「低」は論理「0」に対応する)は、以下の通り表1にリストされる。
【表1】
表1:操作モード
例えば、表1に説明されるように、S15ピン及びE16ピンは、高にアサートすることができ、E25ピンは低にアサートすることができ、これは、ホストシステムがPCIeホストプロトコルを利用し、インターフェースコネクタを介してホストシステムに結合されたメモリサブシステムが、シングルポートモードが有効化されていないSFF-8639 SDDであることを示す。
【0035】
さらに表1にリストされるように、製造モードは、3つすべてのピン、S15、E16、及びE25を利用することによって有効にすることができる。例えば、インターフェースピンS15、E16、及びE25は、低にアサート(例えば、フローティング)することができ、これは、SINAによれば、製造モードの有効化を示す。
【0036】
本明細書に説明するように、製造モードを有効にするための異なるタイプの複数のピン(例えば、S15、E16、及びE25)を利用すると、メモリサブシステム(例えば、メモリサブシステム110)の回路が複雑さを増す可能性がある。対照的に、本明細書に説明する実施形態は、製造モードを有効にするために同じタイプ(例えば、予約された「P」ピンなどの予約ピン)の単一のピン及び/または複数のピンを利用することができ、これによりメモリサブシステムの製造に関連付けられた費用を削減する、及び/またはメモリサブシステムの製造段階をより時間がかからないものにすることができる。本明細書で使用される場合、「予約ピン」は、特定の仕様またはインターフェースコネクタのタイプに従って専用の目的が割り当てられていないピンを指す。特に、本明細書に説明する実施形態は、(例えば、3.3V及び/または12Vと互換性があるため)SFF-8369及びSFF-TA-1001インターフェースコネクタと互換性がない5Vの電源電圧を提供するために利用されているP7、P8、及び/またはP9ピンの少なくとも1つを利用している。したがって、SFF-8369及びSFF-TA-1001インターフェースコネクタに使用されていないPピンを利用することによって、本明細書に説明する実施形態は、少なくとも製造モード中に他の操作及び/または機能にS15、E16、及びE25を利用することを可能にすることができる。
【0037】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による製造モードを有効/無効にするためのインターフェースコネクタ312を含む回路316の例を示す。回路316は、メモリサブシステム(例えば、図1に示されるメモリサブシステム)の一部であり得る。インターフェースコネクタ312は、それぞれ図2及び図3に示されるインターフェースコネクタ112及び212に類似し得、SFF-8639(U.2とも呼ばれる)コネクタ及び/またはSFF-TA-1001(U.3とも呼ばれる)コネクタであり得る。ただし、実施形態はこのように限定されない。例示的な回路316はまた、メモリサブシステムコントローラ115に類似し得るメモリサブシステムコントローラ315を含むこともできる。
【0038】
図3に示される実施形態では、論理ゲート342は、メモリサブシステムコントローラ315に、及びインターフェースコネクタ312に結合される。いくつかの実施形態では、論理ゲート342は、インターフェースコネクタ312及びメモリサブシステムコントローラ315から信号を受信するように構成することができる。インターフェースコネクタ312、論理ゲート342、及びメモリサブシステムコントローラ315の間で通信される信号は、本質的にバイナリであり得る。例えば、論理ゲート342でインターフェースコネクタ312から受信される信号341は、論理1(例えば、高)または論理0(例えば、低)に対応する場合があり、一方のバイナリ値は、製造モードが(例えば、図1に示されるホストシステム120によって)有効にされることを許可されていることを示し、他方のバイナリ値は逆を示す。例えば、メモリサブシステムコントローラ315から論理ゲート342で受信される製造モード有効化信号と呼ばれる信号345(MFG_MODE_EN)は、製造モードがメモリサブシステムコントローラ315によって要求されたのかどうかを示すために高または低にトグルすることができる。実施形態はこのように限定されていないが、この例では、論理ゲート342はANDゲートである。
【0039】
信号341は、インターフェースコネクタ312のいくつかのPピン(例えば、図2に示されるピン236-1~236-15)の少なくとも1つを介して論理ゲート342に提供される場合がある。インターフェースコネクタ312を論理ゲート342に結合するいくつかのPピンは、ピンP7(図2に示される236-7)、P8(図2に示される236-8)、及び/またはP9(図2に示される236-9)を含む場合がある。(例えば、製造モードを有効にすることを許可する)コマンドの受信に応えて、例えば、P7ピン、P8ピン、及びP9ピンの1つは高にアサートされて、高信号を論理ゲート342に提供することができる。しかしながら、実施形態はこのように限定されず、P7ピン、P8ピン、及び/またはP9ピンの1つ以上が、信号を論理ゲート342に提供するために利用することができる。例えば、P7ピン、P8ピン、及びP9ピンの2つまたは3つすべては、製造モードを有効にするためにそれぞれの信号を論理ゲート342に提供することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、P7ピン、P8ピン、及び/またはP9ピンは、例えば5Vなどの電源電圧を提供するために利用することができる。3.3Vなどの異なる(例えば、より低い)電源電圧と互換性のあるメモリサブシステムの場合、論理ゲート342及び/またはメモリサブシステムコントローラ315に供給される信号341が対応する電圧許容限度を超えないように、追加の抵抗/抵抗器346を、信号341を搬送する信号線に追加することができる。
【0041】
提供される信号の論理値は、知られる信号の状態を確実にするために利用できるプルアップレジスタ343を含む開回路/ドレイン回路を介して調整することができる。例えば、開-ドレイン回路が開状態にあることに応えて、プルアップレジスタ343は、Pピンから提供される信号341が高(例えば、論理「1」)であることを保証することができ、開-ドレイン回路がドレイン状態にあることに応えて、プルアップレジスタ343は、Pピンから提供される信号341が低(例えば、論理「0」)であることを保証することができる。
【0042】
メモリサブシステムコントローラ315及びインターフェースコネクタ312からの両方の信号が製造モードの有効化(例えば、高であること)を示すのに応えて、論理ゲート342は、スイッチ信号と呼ばれる信号347(SIO_SELECT)をマルチプレクサ348に提供することができる。信号347の状態(例えば、高/低)は、製造モードが有効にされていること、または有効にされていないことを示すことができる。
【0043】
論理ゲート342からのスイッチ信号347(例えば、高信号)の受信に応えて、マルチプレクサ348は、インターフェースコネクタ312をメモリサブシステムコントローラ315に結合するように構成することができる。例えば、マルチプレクサ348は、メモリサブシステムコントローラ315の(いくつかのEピンを介してインターフェースコネクタ312に結合される)信号線349及び340を、(汎用非同期送受信機(UART)を介してメモリサブシステムコントローラ315に結合される)信号線342及び344に結合することができる。信号線349及び340を介してメモリサブシステムコントローラ315に提供される信号は、インターフェースコネクタ312からE23ピン及びE24ピン(例えば、図2に示されるピン232-23及び232-24)などのいくつかのEピンを介して提供することができる。信号線342及び344がそれぞれ信号線349及び340に結合されるとき、ホストシステム(例えば、図1に示されるホストシステム120)は、(例えば、ピンE23及びE24を介して)ファームウェア(例えば、図1に示されるファームウェア105)をメモリサブシステムコントローラ315に提供することができる。
【0044】
製造モードが無効である(例えば、信号347が低/にデアサートされるように、信号341または345が低/にデアサートされている)とき、マルチプレクサ348は、(例えば、E23ピン及びE24ピンを介してインターフェースコネクタ312に結合されている)信号線349及び340を、それぞれシステム管理バス(SMB)で実装されたサイドバンドチャネルなどのサイドバンドチャネルとして利用できる信号線343及び347に結合する(例えば、その結合を維持する)ように構成することができる。例えば、SMBサイドバンドチャネルとして信号線343に結合された信号線349は、データ(図3に示されるSMBDA)を転送するために利用することができ、SMBサイドバンドチャネルとして信号線347に結合された信号線340は、クロック信号(図3に示されるSMBCLK)を転送するために利用することができる。
【0045】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による製造モードでメモリコンポーネントを操作するための例示的な方法の流れ図450を示す。ブロック452で、製造モードは、インターフェースコネクタ(例えば、それぞれ図1図2、及び図3に示されるインターフェースコネクタ112、212、及び/または312)のいくつかの予約ピンの1つを介して提供される第1の信号に少なくとも部分的に基づいて有効にすることができる。本明細書に説明するように、いくつかの予約ピンは、P7ピン、P8ピン、及び/またはP9ピン(例えば、図2に示されるピン236-7、236-8、及び/または236-9ピン)などのいくつかのPピン(例えば、図2に示されるPピン236)を含むことができる。E16ピン、S15ピン、及び/またはE25ピンなどのホストポート構成タイプのピンを利用することによって製造モードが有効にされたいくつかの手法とは対照的に、ブロック452で、インターフェースコネクタは、ホストポート構成タイプのピンを利用することなく製造モードを有効にする信号を送信するように構成することができる。
【0046】
ブロック454で、第2の信号は、(例えば、第1の信号に基づいて)製造モードを有効にすることに応えて、インターフェースコネクタに結合されたメモリコンポーネントに提供することができる。メモリコンポーネントは、メモリサブシステムコントローラ(例えば、それぞれ図1及び図2に示されるメモリサブシステムコントローラ115及び/または315)などのメモリサブシステム(例えば、図1に示されるメモリサブシステム110)のコンポーネントの1つに類似し得る。第2のいくつかのピンは、例えば、インターフェースコネクタのいくつかのEピン(例えば、図2に示されるEピン232)を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、第2の信号は、メモリコンポーネント及び/またはメモリサブシステムに転送されるデータを含むことができ、データは、製造テストファームウェア、オペレーティングシステムファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせなど、ホストシステム(例えば、図1に示されるホストシステム110)から提供されるファームウェアを含むことができる。
【0048】
図5は、コンピュータシステム541の例示的なマシンを示しており、その中で、マシンに、本明細書で説明される方法の1つまたは複数を実行させるための命令のセットを実行することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム541は、メモリサブシステム(例えば、図1のメモリサブシステム110)を含む、それに結合される、もしくはそれを利用するホストシステム(例えば、図1のホストシステム120)に相当する場合があるか、またはコントローラの操作を実行するために(例えば、図1の製造モードコンポーネント113に対応する操作を実行するようにオペレーティングシステムを実行するために)使用することができる。代替の実施形態では、マシンを、LAN、イントラネット、エキストラネット、及び/またはインターネット内の他のマシンに接続する(例えば、ネットワーク接続する)ことができる。マシンは、クライアントサーバネットワーク環境内のサーバまたはクライアントマシンの機能で、ピアツーピア(または分散)ネットワーク環境内のピアマシンとして、またはクラウドコンピューティングインフラストラクチャまたは環境内のサーバまたはクライアントマシンとして動作することができる。
【0049】
マシンは、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、セットトップボックス(STB)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、携帯電話、ウェブアプライアンス、サーバ、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはそのマシンによって講じられる処置を指定する命令のセットを(連続してまたは別の方法で)実行できる別のマシンである場合がある。さらに、単一のマシンが示されているが、用語「マシン」はまた、本明細書で説明される方法の1つまたは複数を実行するために、個々でまたは共同して命令の1つのセット(または複数のセット)を実行するマシンの任意の集まりを含むと解釈されるものとする。
【0050】
例示的なコンピュータシステム541は、処理デバイス502、メインメモリ604(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、例えばシンクロナスDRAM(SDRAM)またはラムバスDRAM(RDRAM)など)、スタティックメモリ506(例えば、フラッシュメモリ、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)など)、及びデータストレージシステム518を含んでおり、これらは、バス530を介して互いに通信する。
【0051】
処理デバイス502は、マイクロプロセッサ、中央処理装置など、1つまたは複数の汎用処理デバイスを表す。より具体的には、処理デバイスは、複雑命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、もしくは他の命令セットを実装するプロセッサ、または命令セットの組み合わせを実装するプロセッサとすることができる。処理デバイス502はまた、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどの1つまたは複数の専用処理装置であってもよい。処理デバイス502は、本明細書で説明される操作及びステップを遂行するための命令526を実行するように構成される。コンピュータシステム541は、ネットワーク520を介して通信するためのネットワークインターフェースデバイス508をさらに含むことができる。
【0052】
データストレージシステム518は、本明細書で説明される方法または機能の1つまたは複数を具現化する1つまたは複数の命令セット526またはソフトウェアが格納されたマシン可読記憶媒体524(コンピュータ可読媒体としても知られている)を含むことができる。命令526はまた、マシン可読記憶媒体を構成するコンピュータシステム541、メインメモリ504、及び処理デバイス502がそれを実行する間に、メインメモリ504内及び/または処理デバイス502内に完全にまたは少なくとも部分的に存在することができる。マシン可読記憶媒体524、データストレージシステム518、及び/またはメインメモリ504は、図1のメモリサブシステム110に対応する場合がある。
【0053】
一実施形態では、命令526は、計算コンポーネント(例えば、図1の計算コンポーネント113)に対応する機能を実装するための命令を含む。命令は、製造モードコンポーネント(図1の製造モードコンポーネント113など)を用いて操作を実行することと関連付けられた製造モード命令513を含むことができる。マシン可読記憶媒体524は、単一の媒体であると例示的な実施形態で示されているが、用語「マシン可読記憶媒体」は、1つまたは複数の命令のセットを格納する単一の媒体または複数の媒体を含むと解釈されるべきである。用語「マシン可読記憶媒体」はまた、マシンによって実行するための命令のセットを格納またはエンコードすることが可能であり、マシンに本開示の方法の1つまたは複数を実行させる媒体を含むと解釈されるものとする。したがって、用語「マシン可読記憶媒体」は、ソリッドステートメモリ、光媒体、及び磁気媒体を含むが、これらに限定されないと解釈されるものとする。
【0054】
先行する詳細な説明の一部は、アルゴリズム及びコンピュータメモリ内のデータビットに対する操作の記号表現の観点から提示されている。このようなアルゴリズムの説明及び表現は、その働きの趣旨を当業者に最も効果的に伝えるためにデータ処理技術において当業者が用いる方法である。アルゴリズムはここでは、及び全般的に、望ましい結果に至る自己矛盾のない動作順序であると考えられる。動作は、物理量の物理的な操作を必要とするものである。通常、必ずしもではないが、これらの量は格納し、組み合わせ、比較し、及び他の方法で操作することができる電気または磁気信号という形を取る。主に共通使用の理由により、これらの信号をビット、値、要素、シンボル、文字、用語、数などと称することが、時によって好都合であることが分かっている。
【0055】
しかし、これら及び同様の用語はすべて、適切な物理量に対応付けられるべきであり、これらの量に適用される好都合な標示にすぎないことを認識しておくべきである。本開示は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内で物理(電子的)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタまたはそのような情報ストレージシステム内で同様に物理量として表される他のデータに変換する、コンピュータシステム、または類似した電子コンピューティングデバイスの動作及びプロセスを参照することができる。
【0056】
本開示はまた、本明細書の操作を実行するための装置に関する。この装置は、使用目的に対して特別に構成することもできるし、またはコンピュータに格納されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータを含むこともできる。そのようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、及び光磁気ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気もしくは光カードを含むタイプのディスク、またはそれぞれがコンピュータシステムバスに結合される電子命令の格納に適したタイプの媒体であるが、これらに限定されないコンピュータ可読記憶媒体に格納することができる。
【0057】
本明細書で示したアルゴリズム及び表示は、特定のコンピュータまたは他の装置に本来的に関するものではない。さまざまな汎用システムを、本明細書での教示に従ってプログラムによって用いることもできるし、または本方法を行うためにより専用の装置を構築することが好都合であることが分かる可能性もある。種々のこれらのシステムの構造は、以下の説明で述べるように現れる。加えて、本開示は特定のプログラミング言語に関して説明されていない。本明細書で説明したような本開示の教示を実施するために、種々のプログラミング言語を使用できることを理解されたい。
【0058】
本開示を、本開示に従ってプロセスを実行するようにコンピュータシステム(または他の電子装置)をプログラミングするために使用できる命令が格納されたマシン可読媒体を含むことができる、コンピュータプログラム製品またはソフトウェアとして示すことができる。マシン可読媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)によって読み取り可能な形式で情報を格納するためのメカニズムを含む。いくつかの実施形態では、マシン可読(例えば、コンピュータ可読)媒体は、読み取り専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリコンポーネントなどのマシン(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体を含む。
【0059】
前述の明細書では、本開示の実施形態は、その特定の例示的な実施形態を参照して説明されてきた。以下の特許請求の範囲に述べる本開示の実施形態のより広い趣旨及び範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を加えることができることが明らかである。したがって、明細書及び図面は限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。

図1
図2
図3
図4
図5