(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】移動体制御システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20231122BHJP
B60W 40/02 20060101ALI20231122BHJP
B60W 40/08 20120101ALI20231122BHJP
B60W 50/08 20200101ALI20231122BHJP
G05D 1/02 20200101ALI20231122BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20231122BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20231122BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20231122BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20231122BHJP
【FI】
G08G1/09 P
G08G1/09 V
B60W40/02
B60W40/08
B60W50/08
G05D1/02 J
B60L15/20 Z
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
(21)【出願番号】P 2021553666
(86)(22)【出願日】2020-10-28
(86)【国際出願番号】 JP2020040505
(87)【国際公開番号】W WO2021085498
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】201911048014.X
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】甘 泉
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/220903(WO,A1)
【文献】特開2019-021220(JP,A)
【文献】特開2016-217583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 ~ 1/16
B60W 40/00 ~ 50/16
G05D 1/00 ~ 1/02
B60L 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体制御システム(100)であって、
移動体(1)と、
所定の空間における固定領域内の環境検出データを取得可能な固定環境センサ(2)と、
移動環境センサ(3)であって、当該移動環境センサ(3)が移動する領域内の環境検出データを取得可能な移動環境センサ(3)と、
前記固定環境センサ(2)によって取得された環境検出データと前記移動環境センサ(3)によって取得された環境検出データに基づいて、前記移動体(1)の移動を制御する環境マッチングサーバ(4)と、を含み、
前記固定環境センサ(2)によって取得された環境検出データと前記移動環境センサ(3)によって取得された環境検出データは、湿度、温度、照度、風速、ノイズ及び香りのうちの少なくとも1種の検出データを含
み、
前記移動環境センサ(3)は、前記移動体(1)に設けられている、
移動体制御システム(100)。
【請求項2】
前記移動体(1)は、前記移動体(1)に載置された人又は物品に要求された環境条件を反映する環境嗜好情報を取得し、
前記環境マッチングサーバ(4)は、前記移動体(1)によって取得された前記環境嗜好情報に基づいて、前記固定環境センサ(2)によって取得された環境検出データと前記移動環境センサ(3)によって取得された環境検出データとを用いて、前記環境嗜好情報とマッチングした領域を、前記移動体(1)の移動目的領域として特定する、請求項1に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項3】
前記固定環境センサ(2)によって取得された環境検出データは、第1の環境検出データであり、
前記移動環境センサ(3)によって取得された環境検出データは、第2の環境検出データであり、
前記環境マッチングサーバ(4)は、前記第1の環境検出データと前記第2の環境検出データとに基づいて、環境情報のマップを構築し、
前記所定の空間における固定領域以外の領域について、前記環境マッチングサーバ(4)は、前記移動環境センサ(3)が当該領域において取得した第2の環境検出データを用いて前記環境情報のマップを構築する、請求項1に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項4】
前記所定の空間における固定領域について、前記移動環境センサ(3)が当該固定領域において前記第2の環境検出データを取得すると、当該固定領域における前記第1の環境検出データの代わりに、前記第2の環境検出データを用いる、請求項3に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項5】
前記移動環境センサ(3)は、前記移動体(1)と個別に設けられており、かつ、前記移動環境センサ(3)の移動経路と、前記移動体(1)の移動経路とが互いに独立する、請求項1に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項6】
移動環境センサ(3)が設けられた前記移動体(1)の動き経路と、移動体(1)と個別に設けられた移動環境センサ(3)の動き経路とは重ならない、請求項
1に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項7】
前記環境マッチングサーバ(4)、前記移動体(1)及び環境調節システム(5)のうちの少なくとも1つは、前記移動環境センサ(3)の移動位置を制御するものであり、又は、前記移動環境センサ(3)は所定の経路で移動する、請求項1に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項8】
前記環境マッチングサーバ(4)は、前記所定の空間内に第1の分割方法に従って得られた複数の第1の領域における環境検出データ及び当該移動体(1)に対応する少なくとも1つの環境嗜好情報のうちの1つの環境嗜好情報に基づいて、当該所定の空間を再分割し、複数の第2の領域を得て、第2の領域内の環境検出データ及び当該移動体(1)に対応する前記1つの環境嗜好情報に基づいて、少なくとも1つの第2の領域を当該移動体の目的移動領域として特定する、請求項2に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項9】
前記所定の空間を再分割することは、
各前記第1の領域における環境検出データ及び当該移動体(1)に対応する前記環境嗜好情報に基づいて、前記第1の領域に対して合併処理を行い、複数の前記第2の領域を得ることを含む、請求項
8に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項10】
前記第1の領域に対して合併処理を行うことは、
前記環境嗜好情報のうちの1つの環境パラメータに基づいて、各第1の領域における当該環境パラメータの数値変動範囲が所定の範囲内にある、隣接する第1の領域を1つの前記第2の領域に合併することを含む、請求項
9に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項11】
前記第1の領域に対して合併処理を行うことは、
環境嗜好情報のうちの少なくとも2つの環境パラメータに基づいて、各第1の領域における当該少なくとも2つの環境パラメータの数値を演算して、総合パラメータ値を得て、各第1の領域における総合パラメータ値の変動範囲が所定の範囲内にある、隣接する第1の領域を1つの第2の領域に合併することを含む、請求項
9に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項12】
前記所定の空間を再分割することは、
複数の予め設定された分割テンプレートから1つの予め設定された分割テンプレートを選択し、当該予め設定された分割テンプレートに基づいて、複数の第2の領域を得ることをさらに含む、請求項
8に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項13】
前記移動体(1)が目的移動領域に移動している過程に、各第1の領域における環境検出データが周期的に更新され、
前記環境マッチングサーバ(4)は、更新された環境検出データ及び当該移動体(1)に対応する環境嗜好情報に基づいて、当該所定の空間に対する再分割の結果を更新し、更新された再分割の結果及び前記環境嗜好情報に基づいて、目的移動領域を更新する、請求項
8に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項14】
前記環境マッチングサーバ(4)は、さらに、分割補助情報に基づいて当該所定の空間を再分割し、
ここで、前記分割補助情報は、前記移動体(1)のバッテリー残量、予め設定された非移動目的領域、前記移動体(1)の利用者によって指定された移動目的領域、前記環境マッチングサーバ(4)が受け付け可能な算出量情報、前記移動体(1)の動き制限情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項
8に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項15】
環境マッチングトリガコマンドに基づいて、前記所定の空間を再分割し、複数の前記第2の領域を得、又は、
前記環境マッチングサーバ(4)は、所定の周期で前記所定の空間を再分割し、複数の第2のサブ領域を得て、直近の一回の再分割の結果を記憶する、請求項
8に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項16】
前記環境マッチングサーバ(4)は、さらに、2つ以上の前記移動体(1)をグループとして、前記グループ内の各移動体(1)の環境嗜好情報に基づいて前記グループの評価関数を構築し、前記グループの評価関数に基づいて、当該グループ内の各移動体の目的移動領域を特定する、請求項2に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項17】
前記環境マッチングサーバ(4)は、さらに、2つ以上の前記移動体(1)をグループとして、当該グループ内の各移動体(1)の環境嗜好情報、及び環境パラメータに対する当該グループ内の各移動体(1)の影響情報に基づいて、当該グループ内の各移動体(1)の目的移動領域を特定する、請求項2に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項18】
当該グループ内の各移動体(1)の環境嗜好情報、及び環境パラメータに対する当該グループ内の各移動体(1)の影響情報に基づいて、当該グループ内の各移動体(1)の目的移動領域を特定することは、
前記グループ内の各移動体(1)の環境嗜好情報及び環境パラメータに対する当該グループ内の各移動体(1)の影響情報に基づいて、前記グループの評価関数を構築することと、
前記グループの評価関数と所定の空間内の各領域における環境検出データとに基づいて、前記グループ内の各移動体(1)の目的移動領域を特定することと、を含む、請求項
17に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項19】
前記環境マッチングサーバ(4)は、さらに、前記所定の空間内に第1の分割方式で得られた複数の第1の領域における環境検出データと前記グループの評価関数とに基づいて、前記所定の空間を再分割し、複数の第2の領域を得て、第2の領域内の環境検出データと前記グループの評価関数とに基づいて、前記グループ内の各移動体(1)の目的移動領域を特定し、
ここで、前記環境検出データは、前記第1の環境検出データ及び/又は前記第2の環境検出データを含む、請求項
18に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項20】
当該グループ内の各移動体(1)の環境嗜好情報、及び環境パラメータに対する当該グループ内の各移動体(1)の影響情報に基づいて、当該グループ内の各移動体(1)の目的移動領域を特定することは、
前記グループ内の各移動体(1)の環境嗜好情報及び前記所定の空間内の各領域における環境検出データのそれぞれに基づいて、各移動体(1)の目的移動領域を特定することと、
環境パラメータに対する当該グループ内の各移動体(1)の影響情報、及び各移動体(1)の調整優先度に基づいて、各移動体(1)の目的移動領域を調整することと、を含む、請求項
17に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項21】
各移動体(1)の目的移動領域を調整することは、
各移動体(1)の調整優先度に基づいて、各移動体(1)を、領域調整移動体と領域固定移動体とに設定することと、
前記領域固定移動体の目的移動領域以外の領域を前記領域調整移動体の候補目的領域に設定することと、
前記領域調整移動体の環境嗜好情報及び前記候補目的領域における環境検出データに基づいて、前記領域調整移動体の目的移動領域を前記候補目的領域における領域に調整することと、を含む、請求項
20に記載の移動体制御システム(100)。
【請求項22】
前記グループ内の各移動体(1)について、前記所定の空間内の各領域の分割方式は、同じであり、又は、異なる、請求項
20に記載の移動体制御システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子情報技術分野に関する
【背景技術】
【0002】
室内環境調節システムは、室内の環境を調節することができる。室内環境調節システムの設定位置及び調節能力の制限によって、室内の異なる領域の環境パラメータが均一に分布されるものではない。
【0003】
特許文献1(WO2018/220903 A1)には、移動体制御システムが開示されている。利用者が移動体上に座ると、移動体は、利用者の生理パラメータを検出することができ、これによって、利用者が現在に位置している領域の環境で当該利用者が快適に感じるか否かを判断し、利用者が快適に感じないと移動体によって判断された場合、利用者が快適に感じられる室内の他の領域に動く。例えば、利用者が、位置している領域の温度が高いことを感じたと移動体によって判断された場合に、室内の温度の低い領域に動く。
【0004】
ここで注意すべきなのは、以上の技術背景に対する紹介は、本開示の技術案に対してより明瞭かつ完全な説明を行うことに利便を図りながら、当業者が理解しやすいように供するものに過ぎない。それらの方案が本開示の背景技術の部分に記載されていることだけで、上記の技術方案が当業者により公知されたものであると認定してはならない。
【0005】
特許文献1において、室内には、位置が固定された環境センサ、例えば、温度センサ及び/又は湿度センサ等が設けられており、これらの環境センサが、周囲領域内の環境パラメータを取得することができ、これによって、移動体が移動する必要があると、これらの位置が固定された環境センサによって取得された環境パラメータに基づいて、目的移動領域を特定することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の発明者らは、特許文献1において、環境センサの位置が固定され、それによって取得された環境パラメータにより、周囲の限られた領域内の環境状況のみを正確に反映することができるが、遠い領域の環境状況を正確に反映することができず、そのため、環境センサによって取得された環境パラメータが正確ではなく、移動体は、これらの位置が固定された環境センサによって取得された環境パラメータに基づいて、適切でない目的移動領域を特定する可能性があることを発見した。例えば、複数のセンサのいずれからも遠いある領域において、実際の温度が30℃であるが、当該領域と最も近い環境センサによる検出結果が26℃であり、移動体は、26℃の検出結果を根拠として当該領域を目的移動領域に設定し、ただし、当該領域の実際の温度が30℃であり、適切な目的移動領域ではない。
【0007】
本開示の実施例によれば、位置が移動可能な移動環境センサを備え、移動環境センサの環境検出データと固定環境センサの環境検出データとは互いに補足することで、環境中のパラメータ情報を正確に取得することができ、さらに、移動体の目的移動領域をより正確に特定することができる移動体制御システムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施例の第1の態様によれば、移動体と、環境における固定領域内の第1の環境検出データを取得可能な固定環境センサと、移動環境センサであって、当該移動環境センサが移動する領域内の第2の環境検出データを取得可能な移動環境センサと、前記第1の環境検出データと前記第2の環境検出データに基づいて、前記移動体の移動を制御する環境マッチングサーバと、を含み、前記第1の環境検出データと前記第2の環境検出データは、湿度、温度、照度、風速、ノイズ及び香りのうちの少なくとも1種の検出データを含む移動体制御システムが提供される。
【0009】
本開示の実施例の別の態様によれば、前記移動体は、前記移動体に載置された人又は物品に要求された環境条件を反映する環境嗜好情報を取得でき、前記環境マッチングサーバは、前記移動体によって取得された前記環境嗜好情報に基づいて、前記第1の環境検出データと前記第2の環境検出データとを用いて、前記環境嗜好情報とマッチングした領域を、前記移動体の移動目的領域として特定する。
【0010】
本開示の実施例の別の態様によれば、前記環境マッチングサーバは、前記第1の環境検出データと前記第2の環境検出データとに基づいて、環境情報のマップを構築し、前記所定の空間における固定領域以外の領域について、前記環境マッチングサーバは、前記移動環境センサが当該領域において取得した第2の環境検出データを用いて前記環境情報のマップを構築する。
【0011】
本開示の実施例の別の態様によれば、前記所定の空間における固定領域について、前記移動環境センサが当該固定領域において前記第2の環境検出データを取得すると、当該固定領域における前記第1の環境検出データの代わりに、前記第2の環境検出データを用いる。
【0012】
本開示の実施例の別の態様によれば、前記移動環境センサは、前記移動体と個別に設けられており、かつ、前記移動環境センサの移動経路と、前記移動体の移動経路とが互いに独立する。
【0013】
本開示の実施例の別の態様によれば、前記移動環境センサは、前記移動体に設けられている。
【0014】
本開示の実施例の別の態様によれば、移動環境センサが設けられた前記移動体の動き経路と、移動体と個別に設けられた移動環境センサの動き経路とは重ならない。
【0015】
本開示の実施例別の態様によれば、前記環境マッチングサーバ、前記移動体及び環境調節システムのうちの少なくとも1つは、前記移動環境センサの移動位置を制御するものであり、又は、前記移動環境センサは所定の経路で移動する。
【0016】
本開示の実施例の有益な効果としては、移動環境センサの環境検出データと固定環境センサの環境検出データとは互いに補足することで、環境中のパラメータ情報を正確に取得することができ、さらに、移動体の目的移動領域をより正確に特定することができることにある。
【0017】
後述する説明と図面を参照して、本開示の特別な実施の形態は詳しく開示され、本開示の原理が使用されることも示された。理解すべきことは、本開示の実施の形態は、範囲上にそれで限定されていない。添付される特許請求の範囲の精神及び請求項の範囲内において、本開示の実施の形態は多くの変更、修正及び均等物を含む。
【0018】
1つの実施の形態の記載及び/又は示された特徴に対して、同様又は類似する態様で1つ又は更に多くのその他の実施の形態に使用され、その他の実施の形態の特徴と組み合わせ、又はその他の実施の形態の特徴を切り替えることができる。
【0019】
強調すべきことは、術語である「備える/含む」は本文で特徴、整体部材、ステップ又は部材の存在を示すために使われているが、1つ又は更に多くのその他の特徴、整体部材、ステップ又は部材の存在又は付加が排除されるわけではない。
【0020】
添付図面は本開示の実施例をさらに理解するために供されるもので、明細書の一部を構成し、本開示の好ましい実施形態を例示するとともに、文字記載と合わせて本開示の原理を説明するものである。後述する添付図面はただ本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創意工夫を払わないことを前提として、それらの添付図面に基づいて、他の添付図面を取得することができるのは、自明である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】本開示の実施例の第1の態様に係る移動体制御システムの各部分の組成模式図である。
【
図1B】本開示の実施例の第1の態様に係る移動体制御システムが位置している室内空間の側面図である。
【
図6】本開示の実施例の第1の態様に係る移動体制御システムの制御方法の模式図である。
【
図7】本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の模式図である。
【
図8】本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の別の模式図である。
【
図9】本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の別の模式図である。
【
図10】本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の別の模式図である。
【
図11】本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の別の模式図である。
【
図12】本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の別の模式図である。
【
図13】本開示の実施例の第2の態様に係る移動体制御システムによる移動体の制御の模式図である。
【
図14】環境マッチングサーバ作動時間軸の例である。
【
図15】環境マッチングサーバが各移動体の環境嗜好情報に基づいて特定した各移動体の目的移動領域の模式図である。
【
図16】本開示の実施例の第3の態様においてグループ内の各移動体の目的移動領域を特定する方法の模式図である。
【
図17】環境マッチングサーバがグループの評価関数に基づいて特定した各移動体の目的移動領域の模式図である。
【
図18】環境マッチングサーバがグループの評価関数に基づいて特定した各移動体の目的移動領域の別の模式図である。
【
図19】本開示の実施例の第3の態様においてグループ内の各移動体の目的移動領域を特定する方法の別の模式図である。
【
図20】環境マッチングサーバが操作191に基づいて特定した移動体Bの目的移動領域の模式図である。
【
図21】環境マッチングサーバが操作191に基づいて特定した移動体Aの目的移動領域の模式図である。
【
図23】操作192の後に最終的に特定した各移動体の目的移動領域の模式図である。
【
図24】
図19に基づくグループ内の各移動体の目的移動領域を特定する方法の1つの具体的な実施形態の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照して、下記の明細書によれば、本開示の上記及びその他の特徴がより明瞭になるであろう。明細書及び図面から、本開示の特定実施形態は具体的に開示され、本開示の原理を採用可能な実施形態の一部が示されるが、本開示は記載される実施形態に限らないということにも注意すべきである。逆に、本開示には、添付される請求の範囲内に属すべての修正、変形及び均等物を含むこととする。
【0023】
本開示の実施例では、用語である「第1の」、「第2の」などは、異なる要素を、名称上に区別させるために用いられるが、それらの要素の空間的配列又は時間的順序などを示すものではなく、それらの要素はそれらの用語によって限定されていない。用語である「及び/または」は、関連して挙げられた用語のうちの1つまたは複数のいずれか又は全ての組み合わせを含む。
【0024】
本開示の実施例では、単数態様を示す「一」、「当該」などは、複数態様を含み、「1種」又は「1類」として広義的に理解されるべきであるが、「1つ」の意味に限られていない。また、用語である「当該」は、上下文に別途で説明した場合を除き、単数態様も複数態様も含むものとして理解されるべきである。また、用語である「による」は、上下文に別途で説明した場合を除き、「少なくとも一部は・・・による」と理解されるべきであり、用語である「基づく」は、上下文に別途で説明した場合を除き、「少なくとも一部は・・・に基づく」と理解されるべきである。
【0025】
本開示の各実施例では、所定の空間は、面積と高さとが相対的に固定された1つの空間であってもよく、本願は、所定の空間が
図1B及び
図2に示された室内空間を例として説明する。また、所定の空間は、室内空間に限らない。
【0026】
<実施例の第1の態様>
本開示の実施例の第1の態様は、移動体制御システムを提供する。
【0027】
図1Bは、本開示の実施例の第1の態様に係る移動体制御システムが位置している室内空間の側面図である。
図2は、
図1Bの上面図である。
図3は、
図1Bの別の上面図である。
図1B及び
図2に示されたように、移動体制御システム100は、移動体1、固定環境センサ2(
図2に示される)、移動環境センサ3及び環境マッチングサーバ4(
図1Bに示される)を含む。移動体1、固定環境センサ2及び移動環境センサ3は、室内空間内に設けられてもよく、環境マッチングサーバ4は、当該室内空間内に設けられてもよいし、又は、当該室内空間外に設けられてもよい。また、当該室内空間内には、環境調節システム5が設けられてもよく、当該環境調節システム5は、環境パラメータを調節する機器、例えば、ファン、エアコン、加湿器、除湿機、芳香スプレー、換気装置及び空気清浄機等のうちの少なくとも1つであってもよい。
【0028】
少なくとも1つの実施例において、移動体1が移動可能であり、例えば、移動体1には人又は物品が載置されることができ、移動体1が移動することにより、載置された人又は物品を対象移動位置に移動させる。
【0029】
固定環境センサ2の位置が固定され、所定の空間における固定領域内の第1の環境検出データを取得することができる。第1の環境検出データは、湿度、温度、照度、風速、ノイズ及び香りのうちの少なくとも1つの検出データを含む。
【0030】
移動環境センサ3は、移動可能であり、周囲領域内の第2の環境検出データを取得することができる。第2の環境検出データは、湿度、温度、照度、風速、ノイズ及び香りのうちの少なくとも1つの検出データを含む。第2の環境検出データと第1の環境検出データとは、同じであってもよく、又は、少なくも一部が異なってもよい。
【0031】
環境マッチングサーバ4は、第1の環境検出データと第2の環境検出データとに基づいて、移動体1の移動を制御することができる。
【0032】
本願の実施例の第1の態様によれば、移動体制御システムは、位置が移動可能な移動環境センサを備え、移動環境センサの環境検出データと固定環境センサの環境検出データとは互いに補足することで、環境中のパラメータ情報を正確に取得することができ、さらに、環境マッチングサーバが移動体の目的移動領域をより正確に特定することができる。
【0033】
図1Aは、本開示の実施例の第1の態様に係る移動体制御システムの各部分の組成模式図である。
【0034】
図1Aに示されたように、移動体1は、移動体ローカル制御ユニット101、移動体通信ユニット102、操作ユニット103、利用者認証ユニット104、生体情報採集ユニット105、位置情報検出ユニット106及び駆動ユニット107を含んでもよい。
【0035】
ここで、移動体ローカル制御ユニット101は、移動体1を制御して、駆動ユニット107に制御信号を出力する。移動体通信ユニット102は、環境マッチングサーバ4及び移動環境センサ3と通信する。操作ユニット103は、利用者からの操作、例えば、加速操作、減速操作、環境嗜好情報を入力する操作等を受ける。利用者認証ユニット104は、利用者に対して身分認証を行う。生体情報採集ユニット105は、利用者の生体情報、例えば、利用者の体温、ハートビート等の生体情報を採集する。位置情報検出ユニット106は、移動体1の位置を検出する。駆動ユニット107は、移動体ローカル制御ユニット101の制御信号を受信し、移動体1を移動させるように移動体1を駆動する。
【0036】
また、移動体1が必ずしも
図1Aに示された全ての部材を含むとは限らない。なお、移動体1は、相応の機能を実現するように、
図1Aに示されていない部材を含んでもよい。
【0037】
図1Aに示されたように、固定環境センサ2は、その位置が固定されて、環境を検出して、第1の環境検出データを取得することができる。
【0038】
図1Aに示されたように、移動環境センサ3は、移動可能であり、環境センシングユニット(図示しない)と、移動センサ駆動ユニット(図示しない)と、位置決めユニット及び/又は測距装置301を備える。ここで、当該環境センシングユニットは、環境を検出して、第2の環境検出データを取得することができる。当該移動センサ駆動ユニットは、移動環境センサ3を移動するように駆動するができる。位置決めユニット及び/又は測距装置301は、移動環境センサ3の位置を特定し、及び/又は他の物体との距離を特定することで、他の物体と安全な距離を確保することができる。
【0039】
図1Aに示されたように、環境マッチングサーバ4は、環境調節システムサーバサイド制御ユニット401、移動体サーバサイド制御ユニット402、快適マッチングユニット403、快適判断ユニット404、個人環境嗜好データベース405、総合環境データベース406、サーバ通信ユニット407を含む。
【0040】
ここで、環境調節システムサーバサイド制御ユニット401は、環境調節システム5を制御するものである。移動体サーバサイド制御ユニット402は、移動環境センサ3を制御するものであり、例えば、移動環境センサ3の移動対象位置等を特定する。快適マッチングユニット403は、各領域の第1の環境検出データ又は第2の環境検出データが環境嗜好情報とマッチングするか否かを判断する。快適判断ユニット404は、移動体1の生体情報採集ユニット105によって採集された利用者の生体情報に基づいて、利用者が快適を感じるか否かを判断する。個人環境嗜好データベース405は、環境嗜好情報を記憶する。総合環境データベース406は、固定環境センサ2によって取得されて送信された第1の環境検出データ、及び移動環境センサ3によって取得されて送信された第2の環境検出データを記憶する。サーバ通信ユニット407は通信するものである。
【0041】
図1Aに示されたように、環境調節システム5は、環境調節実行ユニット501及び環境調節システム通信ユニット502を含む。ここで、環境調節実行ユニット501は、環境を調節することができ、例えば、冷房又は暖房等の処理を行うことができる。環境調節システム通信ユニット502は、環境マッチングサーバ4及び移動環境センサ3と通信し、例えば、環境調節システム通信ユニット502が移動環境センサ3に移動位置の指令を送信し、及び/又は、環境調節システム通信ユニット502が環境マッチングサーバ4に環境調節システム5の作動状態情報をフィードバックすることができる。
【0042】
図2に示されたように、室内空間は、例えば、領域a、領域b、領域c、領域d、領域e、領域fという6つの領域に分割されて、各領域には、少なくとも1つの固定環境センサ2が設けられてもよい。環境マッチングサーバ4は、領域a~領域fのうちの各領域の範囲と当該領域における固定環境センサ2によって取得された第1の環境検出データとを関連付けることで、環境情報のマップを生成することができる。環境情報のマップは、所定の空間内(例えば、室内空間)における環境情報の分布情報を反映し、例えば、
図2において、第1の環境検出データが温度データである場合に、温度データA、温度データB、温度データC、温度データD、温度データE及び温度データFは、領域a~領域fのうちの各領域とそれぞれ関連つけられる。
【0043】
少なくとも1つの実施例において、環境情報のマップは、テーブルのように記憶することができる。また、環境情報のマップをテーブル又は図像の形式で環境マッチングサーバ4に接続された表示装置に表示することができる。
【0044】
なお、
図2の領域分割は、例に過ぎず、本願はこれに限らない。
【0045】
図3に示されたように、環境マッチングサーバ4が固定環境センサ2によって取得された第1の環境検出データ及び移動環境センサ3によって取得された第2の環境検出データを用いて環境情報のマップを生成するときに、室内空間は、
図2に記載の6つの領域よりも多い領域に分割されることができ、例えば、
図3の点線グリッドに示されたように、室内空間が35個の領域3aに分割されてもよい。また、
図3の領域分割は、例に過ぎず、本願はこれに限らない。
【0046】
図3に示されたように、35個の領域3aにおいて、領域3a1には固定環境センサ2が設けられて、他の領域3a2には、固定環境センサ2が設けられなく、ここで、領域3a1は、固定領域と呼んでもよい。移動環境センサ3は、領域3a2に移動して、領域3a2の環境を検出することで、領域3a2の第2の環境検出データを取得することができる。
【0047】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ4は、領域3aと、当該領域3aにおいて固定環境センサ2によって取得された第1の環境検出データ及び/又は移動環境センサ3によって取得された第2の環境検出データと、を関連付けることで、環境情報のマップを生成することができる。
【0048】
本願において、移動環境センサ3の移動範囲が広く、室内空間におけるより多くの領域の情報を取得することができ、そのため、室内空間は、複数の領域により細かく分割されることができ、環境検出データと領域との対応関係がより正確であり、そのため、環境情報のマップがより正確になる。
【0049】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ4が第1の環境検出データ及び第2の環境検出データに基づいて環境情報のマップを生成している過程において、環境における固定領域(例えば、領域3a1)以外の領域(例えば、領域3a2)について、環境マッチングサーバ4は、移動環境センサ3が当該領域3a2において取得した第2の環境検出データを用いて、環境情報のマップを生成することができる。
【0050】
例えば、
図2において、領域aには、固定環境センサ2が設けられており、第1の環境検出データのみに基づいて環境情報のマップを生成すれば、領域2は、固定環境センサ2の第1の環境検出データと関連付けられる。一方、
図3において、領域3a1-1には、固定環境センサ2が設けられており、移動環境センサ3は、領域3a2-1、領域3a2-2、領域3a2-3、領域3a2-4に移動して各領域の第2の環境検出データを取得することができ、第1の環境検出データ及び第2の環境検出データに基づいて環境情報のマップを生成すれば、領域3a1-1は第1の環境検出データと関連付けられ、領域3a2-1、領域3a2-2、領域3a2-3、領域3a2-4が、各領域のそれぞれの第2の環境検出データと関連付けられる。
図3の領域3a1-1、領域3a2-1、領域3a2-2、領域3a2-3及び領域3a2-4の面積の和は、
図2の領域aの面積と近いが、
図3に基づいて形成された環境情報のマップがより正確になる。
【0051】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ4が第1の環境検出データ及び第2の環境検出データに基づいて環境情報のマップを生成している過程において、環境における固定領域(例えば、領域3a1)について、環境マッチングサーバ4は、当該固定領域における固定環境センサ2によって取得された第1の環境検出データを用いることができる。また、移動環境センサ3が当該固定領域にも移動し、当該固定領域において第2の環境検出データを取得すると、環境マッチングサーバ4は、移動環境センサ3が当該固定領域において取得した第2の環境検出データを、当該固定領域と関連付けた環境検出データとして用いることで、環境情報のマップを生成することができる。また、第2の環境検出データの精度が第1の環境検出データの精度よりも高くなってもよい。
【0052】
例えば、
図3の領域3a1-1について、移動環境センサ3が領域3a1-1に移動し、領域3a1-1の第2の環境検出データを取得すると、環境マッチングサーバ4は、当該領域3a1-1における第1の環境検出データの代わりに、第2の環境検出データを用い、つまり、領域3a1-1を第2の環境検出データと関連付け、ただし、第2の環境検出データの精度が第1の環境検出データの精度よりも高くなってもよい。
【0053】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ4は、環境情報のマップを生成した後に、当該環境情報のマップに基づいて、移動体1の移動を制御することができる。
【0054】
例えば、環境マッチングサーバ4は、移動体1によって取得された環境嗜好情報に基づいて、第1の環境検出データと第2の環境検出データとを用いて、環境嗜好情報とマッチングした領域を、移動体1の移動目的領域として特定することができる。
【0055】
ここで、環境嗜好情報は、移動体1によって取得されてもよく、当該環境嗜好情報は、移動体1に要求された環境条件を反映することができる。例えば、利用者は、移動体に環境嗜好情報を入力し、又は、移動体は、QRコード(登録商標)を読み取り、又は有線又は無線指令を受信するように環境嗜好情報を取得することができる。
【0056】
1つの具体的な実施形態において、移動体によって載置されたのが人(言い換えると、利用者)である場合に、人が移動体1に入力した環境嗜好情報は、例えば、「環境温度が25℃を超えない」を入力することができ、これによって、移動体1に要求された環境条件は、「環境温度が25℃を超えない」である。環境マッチングサーバ4は、環境情報のマップから上記の環境嗜好情報とマッチングした領域、つまり、環境温度が25℃を超えない領域を検索し、これらのマッチングした領域を移動目的領域とすることができる。移動体1が環境マッチングサーバ4によって送信された移動目的領域についての指示を受信した後に、移動目的領域に移動する。
【0057】
別の具体的な実施形態において、移動体によって載置されたのが物品(当該物品は、例えば動物、植物又は生命無しの物体等)である場合に、移動体1は、当該物品上のQRコード(登録商標)を読み取ることにより、環境嗜好情報、例えば「環境の風速が3メートル/秒よりも大きい」を取得し、これによって、移動体1に要求された環境条件は、「環境の風速が3メートル/秒よりも大きい」である。環境マッチングサーバ4は、環境情報のマップから上記の環境嗜好情報とマッチングした領域、つまり、環境の風速が3メートル/秒よりも大きい領域を検索して、これらのマッチングした領域を移動目的領域とする。移動体1は、環境マッチングサーバ4によって送信された移動目的領域についての指示を受信した後に、移動目的領域に移動する。
【0058】
少なくとも1つの実施例において、より一般的には、環境嗜好情報は、評価関数によって示されてもよく、評価関数は、少なくとも一項の環境パラメータの関数であってもよく、例えば、評価関数VAは、下記の式に示されている。
【0059】
VA=f(環境パラメータ)
評価関数VAにおいて、環境パラメータは、温度、湿度、風速及び香り等のパラメータのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0060】
環境マッチングサーバ4は、環境情報のマップにおける各領域について、当該領域における環境検出データを当該評価関数VAに代入して、評価関数VAの値を算出し、評価関数VAの値が最大値又は最小値である領域を移動体1の移動目的領域として特定してもよい。
【0061】
少なくとも1つの実施例において、移動体1によって載置された人又は物品が異なるため、移動体1は、1つ以上の環境嗜好情報を取得して記憶してもよい。また、移動体1は、当該1つ以上の環境嗜好情報のうちの1つの環境嗜好情報を環境マッチングトリガコマンドに対応して環境マッチングサーバ4に送信することで、環境マッチングサーバ4は、移動体1によって送信された当該1つの環境嗜好情報について、環境マッチングトリガコマンドによるトリガで、移動体1の移動目的領域を特定することができる。
【0062】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ4、移動体1及び環境調節システム5のうちの少なくとも1つは、移動環境センサ3の移動位置を制御するものであり、又は、移動環境センサ3は所定の経路で移動する。
【0063】
例えば、
図4は、移動環境センサの移動位置の模式図であり、
図4に示されたように、測定すべき領域41について、環境マッチングサーバ4、移動体1及び環境調節システム5のうちの少なくとも1つが、測定すべき領域41における環境検出データを取得する必要がある場合に、当該測定すべき領域41の位置を移動環境センサ3の移動位置として移動環境センサ3に送信し、移動環境センサ3が移動位置に移動することで、測定すべき領域41の第2の環境検出データを取得する。
【0064】
また、例えば、
図5は、移動環境センサの移動位置の模式図であり、
図5に示されたように、移動環境センサ3は、所定の経路51で移動することができる。また、移動環境センサ3は、所定の時間ごとに、当該所定の経路51に沿って一回だけ移動してもよく、これによって、所定の経路51における各領域の第2の環境検出データを定期的に更新することができる。
【0065】
少なくとも1つの実施例において、移動環境センサ3は、移動体1と個別に設けられてもよく、また、移動環境センサ3の移動経路と移動体1の移動経路とは互いに独立する。
【0066】
少なくとも別の実施例において、移動環境センサ3が移動体1に設けられてもよい。移動環境センサ3が設けられた移動体1の動き経路は、移動体1に個別に設けられた移動環境センサ3の動き経路と重ならず、これによって、同一領域の環境データを重複的に取得することを回避することができる。
【0067】
少なくとも1つの実施例において、移動環境センサ3が、位置決めユニット及び/又は測距装置を含んでもよく、これによって、移動環境センサ3が移動する過程に障害物を避けて、他の物体と安全的な距離を確保することができる。
【0068】
また、少なくとも1つの実施例において、移動環境センサ3が移動タスクを終了するときに、その場で待機し、又は指定場所に移動して、移動コマンドトリガを待つことができる。
【0069】
図6は、本開示の実施例の第1の態様に係る移動体制御システムの制御方法の模式図である。
図6に示されたように、当該制御方法は、
環境マッチングサーバ4が移動環境センサ3に移動位置の指令を送信する操作61と、
移動環境センサ3が操作61に係る移動位置に移動し、位置している領域の第2の環境検出データを取得して、環境マッチングサーバ4に送信する操作62と、
環境マッチングサーバ4が移動環境センサ3によって送信された第2の環境検出データ、及び固定環境センサ2によって送信された第1の環境検出データを受信して、環境情報のマップを生成する操作63と、
環境マッチングサーバ4が移動体1によって取得された環境嗜好情報を受信し、例えば、移動体1が、1つ以上の環境嗜好情報を取得して記憶することができ、移動体1は、1つの環境嗜好情報を環境マッチングトリガコマンドに対応して環境マッチングサーバ4に送信することができ、環境マッチングトリガコマンドによるトリガで、環境マッチングサーバ4は、下記の操作65において、移動体1によって送信された当該1つの環境嗜好情報に対して、移動体1の移動目的領域を特定することができる操作64と、
環境マッチングサーバ4が第1の環境検出データと第2の環境検出データとを用いて、環境嗜好情報とマッチングした領域を、移動体1の移動目的領域として特定して、移動目的領域の情報を移動体1に送信する操作65と、
移動体1が移動目的領域を受信して、当該移動目的領域に移動する操作66とを含む。
【0070】
また、操作61において、置き換え可能であるように、移動体1及び/又は環境調節システム5によって移動環境センサ3に移動位置の指令が送信されてもよく、又は、移動環境センサ3は所定の経路で移動することができる。
【0071】
本開示の実施例の第1の態様において、移動環境センサ3の移動範囲が広く、室内空間におけるより多くの領域の情報を取得することができ、そのため、室内空間は、複数の領域により細かく分割されることができ、環境検出データと領域との対応関係がより正確であり、そのため、環境情報のマップがより正確になり、さらに、移動体1がより正確な位置に移動されることができる。
【0072】
<実施例の第2の態様>
本開示の実施例第2の態様は移動体制御システムを提供する。本開示の実施例の第2の態様に係る移動体制御システムは、本開示の実施例の第1の態様に係る移動体制御システム100のハードウェア構造と同じである。
【0073】
本開示の実施例第2の態様において、環境マッチングサーバ4は、室内空間で第1の分割方式で得られた複数の第1の領域における環境検出データ及び移動体1に対応する環境嗜好情報に基づいて、当該室内空間を再分割して、複数の第2の領域を得て、第2の領域内の環境検出データ及び当該移動体1に対応する環境嗜好情報に基づいて、少なくとも1つの第2の領域を当該移動体1の目的移動領域として特定することができる。
【0074】
少なくとも1つの実施例において、移動体1に載置された人又は物品が異なるため、移動体1は、1つ以上の環境嗜好情報を取得して記憶することができ、移動体1は、当該1つ以上の環境嗜好情報のうちの1つの環境嗜好情報を環境マッチングサーバ4に送信し、環境マッチングサーバ4は、当該1つの環境嗜好情報に対して当該室内空間を再分割し、さらに、当該1つの環境嗜好情報に対して、当該移動体1の目的移動領域を特定することができる。少なくとも1つの実施例において、第1の領域は、環境情報のマップにおける各領域であってもよく、第1の分割方式は、固定環境センサ2及び/又は移動環境センサ3の検知範囲及び検知精度に基づいて室内空間を予め分割する方式であってもよく、第1の分割方式に基づいて室内空間を分割することで、複数の第1の領域を得ることができる。第1の領域における環境検出データは、第1の環境検出データと第2の環境検出データとのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0075】
例えば、環境情報のマップは、固定環境センサ2によって取得された第1の環境検出データに基づいて得られてもよく、これによって、第1の領域は、
図2における領域a~領域fのうちの各領域であり、環境検出データは、各第1の領域における第1の環境検出データであってもよい。この場合、移動体制御システム100は、固定環境センサ2を備えてもよく、また、移動環境センサ3を備えなくてもよい。
【0076】
また、例えば、環境情報のマップは、固定環境センサ2によって取得された第1の環境検出データ及び移動環境センサ3によって取得された第2の環境検出データに基づいて得られてもよく、これによって、第1の領域は、
図3における各領域3aであり、第1の領域における環境検出データは、第1の環境検出データ及び第2の環境検出データであってもよく、つまり、領域3a2における環境検出データが当該領域における第2の環境検出データであり、領域3a1における環境検出データが当該領域における第1の環境検出データであり、また、領域3a1には、第1の環境検出データだけでなく、第2の環境検出データもある場合に、第2の環境検出データを、領域3a1における環境検出データとする。この場合、移動体制御システム100は、固定環境センサ2及び移動環境センサ3を備える。
【0077】
さらに、例えば、環境情報のマップは、移動環境センサ3によって取得された第2の環境検出データに基づいて得られてもよく、これによって、第1の領域は、第2の環境検出データに基づいて分割した各領域であり、環境検出データは、各第1の領域における第2の環境検出データであってもよい。この場合、移動体制御システム100は、移動環境センサ3を備えてもよく、また、固定環境センサ2を備えなくてもよい。
【0078】
本開示の実施例の第2の態様の下記の説明において、第1の領域が、例えば、
図3における各領域3aであることを例として説明する。当該説明は、同様に第1の領域が他の領域である状況に適用される。
【0079】
図7は、本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の模式図である。
図7に示されたように、移動体1に対応する環境嗜好情報に基づいて、環境マッチングサーバ4は、室内空間を複数の第2の領域に分割することができ、当該第2の領域の数は、例えば14つの領域、つまり、領域a~領域mであってもよい。
【0080】
環境マッチングサーバが
図3に示された複数の第1の領域に基づいて目的移動領域を特定するには、
図3における35つの第1の領域の環境検出データを評価関数V
Aにそれぞれ代入し、各第1の領域に対応する評価関数V
Aの値を算出する必要があり、そのため、環境マッチングサーバ4は、35回の代入算出を行う必要があり、算出の時間が長くなる。また、対応する評価関数V
Aの値が同じである第1の領域が少なくとも2つあれば、さらに、当該少なくとも2つの第1の領域から1つの第1の領域を目的移動領域として選択する必要があり、そのため、環境マッチングサーバ4の処理時間がさらに増加する。
環境マッチングサーバ4が
図7の領域1~領域14における各領域(つまり、各第2の領域)の環境検出データを評価関数V
Aにそれぞれ代入して、各第2の領域に対応する評価関数V
Aの値を算出すると、環境マッチングサーバ4が14回の代入算出を行うだけで、複数の第2の領域から移動体1の目的移動領域を特定することができ、そのため、環境マッチングサーバ4は、少ない算出量で目的移動領域を特定することができる。また、一部の第2の領域の面積が第1の領域の面積よりも大きいので、当該第2の領域を対象領域とする場合に、当該第2の領域におけるより小さい領域を対象領域として選択することで、環境マッチングサーバ4の処理時間をさらに短縮することができる。
【0081】
本開示の実施例の第2の態様によれば、移動体1に対応する環境嗜好情報に基づいて、室内空間をより合理的に分割することで、第2の領域の数が第1の領域の数よりも少なくさせることができ、そのため、環境マッチングサーバは、少ない算出量で移動体1の目的移動領域をより迅速に特定することができる。
【0082】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ4が当該室内空間を再分割ときに、用いた複数の第1の領域における環境検出データが現在時刻T0で取得された環境検出データ(つまり、リアルタイムな環境検出データ)であってもよい。また、当該複数の第1の領域における環境検出データが、現在時刻T0の前の時刻T1で取得された環境検出データであってもよい。又は、現在時刻T0の前の時間帯内に取得された環境検出データ、例えば、時刻T1から現在時刻T0まで取得された環境検出データの平均値等であってもよい。
【0083】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ4が室内空間を再分割する方式は、各第1の領域における環境検出データ及び当該移動体1に対応する環境嗜好情報に基づいて、第1の領域に対して合併処理を行うことで、複数の第2の領域を得るものであってもよい。
【0084】
1つの具体的な実施形態において、環境マッチングサーバ4は、環境嗜好情報のうちの1つの環境パラメータに基づいて、複数の第1の領域に対して合併処理を行うことができる。具体的には、環境マッチングサーバ4が、環境嗜好情報のうちの当該1つの環境パラメータに基づいて、各第1の領域における当該環境パラメータの数値変動範囲が所定の範囲内にある、隣接する第1の領域を1つの第2の領域に合併することができる。
【0085】
例えば、環境嗜好情報のうちの当該1つの環境パラメータが、例えば、温度であってもよく、環境マッチングサーバ4は、各第1の領域における環境検出データのうちの温度の検出データにより、各第1の領域における、温度の変動範囲が1℃内にある、隣接する第1の領域を1つの第2の領域に合併することができ、例えば、
図3の右下隅の4つの第1の領域3aの温度の検出データが25.5℃、26℃、26.5℃及び26℃であり、そのため、当該4つの第1の領域3aを合併して、
図7の1つの第2の領域である領域mを得る。
【0086】
上記の具体的な実施形態において、環境嗜好情報のうちの当該1つの環境パラメータは、当該環境嗜好情報のうちの唯一の環境パラメータであってもよく、又は、環境嗜好情報のうちの複数の環境パラメータのある1つの環境パラメータ、例えば、評価関数についての影響が最も大きい環境パラメータであってもよい。
【0087】
また、環境マッチングサーバ4が環境嗜好情報のうちの1つの環境パラメータに基づいて複数の第1の領域に対して合併処理を行う方式は、これに限らず、他の方式であってもよい。
【0088】
別の具体的な実施形態において、環境マッチングサーバ4が環境嗜好情報のうちの少なくとも2つの環境パラメータに基づいて、複数の第1の領域に対して合併処理を行うことができる。具体的には、環境マッチングサーバ4が環境嗜好情報のうちの当該少なくとも2つの環境パラメータに基づいて、各第1の領域における当該少なくとも2つの環境パラメータの数値を演算して、総合パラメータ値を得て、各第1の領域における総合パラメータ値の変動範囲が所定の範囲内にある、隣接する第1の領域を1つの第2の領域に合併する。
【0089】
図8は、本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の別の模式図であり、
図8は、環境マッチングサーバ4が環境嗜好情報のうちの少なくとも2つの環境パラメータに基づいて、複数の第1の領域に対して合併処理を行う結果を示している。
図8に示されたように、
図8は、9つの第2の領域である領域(a)~領域(i)を有する。
【0090】
例えば、環境嗜好情報のうちの当該少なくとも2つの環境パラメータは、例えば温度及び湿度であってもよく、環境マッチングサーバ4は、各第1の領域における環境検出データのうちの温度の検出データと湿度の検出データに対して加重加算の演算を行うことで、総合パラメータ値を得て、各第1の領域における総合パラメータ値の変動範囲が0.5以内にある隣接する第1の領域を1つの第2の領域に合併し、例えば、
図3の3行目の最右側の3つの第1の領域3aの総合パラメータ値が20、19.5及び19であり、そのため、当該3つの第1の領域3aを合併して、
図8の1つの第2の領域である領域(e)を得る。
【0091】
上記の具体的な実施形態において、環境嗜好情報のうちの当該少なくとも2つの環境パラメータは、当該環境嗜好情報のうちの全ての環境パラメータであってもよく、又は、環境嗜好情報のうちの複数の環境パラメータの少なくとも2つの環境パラメータであってもよく、例えば、当該少なくとも2つの環境パラメータは、評価関数に対する影響が大きい環境パラメータである。
【0092】
また、環境マッチングサーバ4は、環境嗜好情報のうちの少なくとも2つの環境パラメータに基づいて、複数の第1の領域に対して合併処理を行う方式は、これに限らず、他の方式であってもよい。
【0093】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ5は、分割補助情報により当該室内空間を再分割することができ、例えば、環境サーバ5が第1の領域における環境検出データ、移動体1に対応する環境嗜好情報及び分割補助情報に基づいて、移動体1に対して当該室内空間を再分割する。
【0094】
ここで、分割補助情報は、移動体1のバッテリー残量、予め設定された非移動目的領域、移動体1の利用者によって指定された移動目的領域、環境マッチングサーバ5が受け付け可能な算出量情報、移動体1の動き制限情報等のうちの少なくとも1つを含む。
【0095】
具体的には、予め設定された非移動目的領域は、予め設定された移動目的領域とされない領域であってもよい。指定された移動目的領域は、移動体1の利用者によって指定された優先的に移動目的領域とされる領域であってもよい。環境マッチングサーバ5が受け付け可能な算出量情報は、例えば、1秒あたり数回演算であり、分割出された第2の領域の数が多く、環境マッチングサーバ5が受け付け可能な算出量を超えると、環境マッチングサーバ5がよりラフな分割を行うことで、第2の領域の数を少なくして、第2の領域の数を環境マッチングサーバ5が受け付け可能な算出量とマッチングさせることができる。移動体1の動き制限情報は、移動体1の故障情報であってもよく、例えば、移動体1が右又は左しか移動できない情報等であってもよい。
【0096】
図9は、本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の別の模式図である。
図9において、環境マッチングサーバ5は、分割補助情報により当該室内空間を再分割し、当該分割補助情報が移動体1のバッテリー残量である。
図9に示されたように、領域90は、移動体1のバッテリー残量に基づいて移動体1に達することができないと判断した領域であり、そのため、領域90以外の領域を複数の第2の領域である領域(A)~領域(H)に分割する。
【0097】
少なくとも1つの実施例において、複数の予め設定された分割テンプレートから1つの予め設定された分割テンプレートを選択し、当該予め設定された分割テンプレートに基づいて、複数の第2の領域を得ることができ、これによって、室内空間を再分割する別の方式を提供することができる。当該複数の予め設定された分割テンプレートが環境マッチングサーバ4及び/又は移動体1に記憶されてもよい。
【0098】
例えば、環境マッチングサーバ4が第1の領域内の環境検出データに基づいてリアルタイムな処理を行うことで、当該室内空間を再分割することができない場合に、環境マッチングサーバ4、移動体1又は移動体1の利用者により複数の予め設定された分割テンプレートから1つの予め設定された分割テンプレートを選択して、複数の第2の領域を得ることができる。
【0099】
少なくとも1つの実施例において、当該予め設定された分割テンプレートが、環境マッチングサーバ4が予め設定した分割テンプレートであってもよく、例えば、環境マッチングサーバ4は、移動体制御システム100がアイドルとなっている場合に、アイドル時の現在の環境検出データ、及び移動体1に対応する環境嗜好情報に基づいて得られた領域分割テンプレートであってもよい。又は、環境マッチングサーバ4が環境調節システム5の調節能力に基づいて予め設定された領域分割テンプレートであってもよい。また、当該予め設定された分割テンプレートは、移動体1が予め設定した領域分割テンプレートであってもよい。また、当該予め設定された分割テンプレートは、移動体1の利用者が予め設定した領域分割テンプレートであってもよい。
【0100】
少なくとも1つの実施例において、予め設定された分割テンプレートを生成するときに、上記の分割補助情報により生成してもよい。
【0101】
図10は、本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の別の模式図である。
図10において、複数の第2の領域92は、移動体1の利用者が予め設定した領域分割テンプレートに基づいて得られたものである。
【0102】
図11は、本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の別の模式図である。
図11において、複数の第2の領域である領域(1)~領域(10)は、環境マッチングサーバ4が移動体制御システム100のアイドル時に予め設定した領域分割テンプレートに基づいて得られたものである。
【0103】
図12は、本開示の実施例の第2の態様に係る複数の第2の領域の別の模式図である。
図12において、複数の第2の領域である領域[1]~領域[8]は、移動体が予め設定した領域分割テンプレートに基づいて得られたものであ。当該予め設定した領域分割テンプレートは、分割補助情報に基づいて生成されたものであり、当該分割補助情報は、移動体1の動き制限情報であってもよく、例えば、移動体1の左折が故障したので、正確に左折することができないものであってもよい。そのため、
図12に示されたように、室内環境の左側部分において、各第2の領域(つまり、領域[1]、領域[3])の面積が大きく、移動体1が正確に精確に左折することができないという動き制限とマッチングする。室内環境の右側部分において、各第2の領域(つまり、領域[4]~領域[8])の面積が小さく、移動体1が右折することにより、面積が小さい各第2の領域121に達することができる。
【0104】
少なくとも1つの実施例において、予め設定された分割テンプレートを2つ以上備える場合に、予め設定された分割テンプレートについての選択は、環境マッチングサーバ4によってなされてもよい。又は、予め設定された分割テンプレートについての選択は、移動体1によってなされてもよい。又は、予め設定された分割テンプレートについての選択は、移動体1の利用者の選択指令によってなされてもよい。
【0105】
予め設定された分割テンプレートについての選択は、所定のルールに準拠されてもよく、当該ルールは、環境マッチングサーバ4又は移動体1によって自動的に設定されてもよく、移動体1の利用者によって設定されてもよい。例えば、当該ルールは、環境マッチングトリガコマンドを受信した時刻に最も近い時刻で環境マッチングサーバ4によってシステムアイドル時に予め設定された分割テンプレートを優先的に選択するものであってもよい。また、例えば、当該ルールは、移動体1が動き制限情報に基づいて予め設定した分割テンプレートを優先的に選択して、次に、移動体1の利用者が設定した分割テンプレートを選択して、最後に環境マッチングサーバ4がシステムアイドル時に算出した分割テンプレートを選択するものであってもよい。
【0106】
少なくとも1つの実施例において、移動体1が目的移動領域へ移動している過程において、各第1の領域における環境検出データが周期的に更新されてもよく、環境マッチングサーバ4は、更新された環境検出データ及び当該移動体1に対応する環境嗜好情報に基づいて、室内空間を再度に再分割することで、当該室内空間に対する再分割の結果を更新し、更新された再分割の結果及び環境嗜好情報に基づいて目的移動領域を更新することができる。これによって、室内空間における環境パラメータが変化した場合に、目的移動領域をタイムリーに更新することができる。
【0107】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングトリガコマンドに基づいて、当該室内空間を再分割して、複数の第2の領域を得ることができる。例えば、環境マッチングサーバ4は、移動体1によって送信された環境マッチングトリガコマンドを受信してから、当該所定の空間を再分割して、複数の第2の領域を得る。又は、移動体1が環境マッチングトリガコマンドを送信してから、移動体1が、移動体1に記憶された複数の予め設定された分割テンプレートから1つの分割テンプレートを選択して、複数の第2の領域を得て、複数の第2の領域から目的移動領域を特定するように、第2の領域の情報を環境マッチングサーバ4に送信する。
【0108】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ4は、所定の周期で当該室内空間を再分割し、複数の第2の領域を得て、直近の一回の再分割の結果を記憶して、当該直近の一回の再分割の結果が、上記の予め設定された分割テンプレートの1つとされることができる。また、当該前回再分割の結果は、当該移動体1に送信される。
【0109】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ4は、異なる移動体1に対して、室内空間についての再分割の処理をそれぞれ実施する。異なる移動体1について、室内空間についての再分割の結果が同じであってもよく、異なってもよい。
【0110】
少なくとも1つの実施例において、環境マッチングサーバ4が当該室内空間を再分割して得られた複数の第2の領域の情報が、環境マッチングサーバ4に記憶され、又は、対応する移動体1に記憶されてもよい。
【0111】
図13は、本開示の実施例の第2の態様に係る移動体制御システムによる移動体の制御の模式図である。
【0112】
図13に示されたように、
操作131において、移動体1は、環境嗜好情報を取得することができる。
【0113】
操作132において、環境嗜好情報が送信される。
【0114】
操作133において、環境マッチングサーバ4は、総合環境データベース406における第1の領域の環境検出データ、受信された環境嗜好情報及び分割補助情報に基づいて、室内環境を再分割し、つまり、現在の室内空間分割案を特定することで、第2の領域の情報を得る。
【0115】
操作134において、環境マッチングサーバ4は、第2の領域における環境検出情報、環境嗜好情報に基づいて、マッチングの算出を行う。
【0116】
操作135において、操作134のマッチング結果及び移動体の現在位置情報136に基づいて、目的移動領域を特定する。
【0117】
操作137において、移動体1が目的移動領域へ移動する。
【0118】
操作138において、移動体1が目的移動領域に達する。
【0119】
操作140において、環境マッチングサーバ4が室内空間の全体快適度を算出する。
【0120】
操作141において、環境マッチングサーバ4は、全体快適度の算出結果に基づいて環境調節システム5を制御する。
【0121】
また、操作142において、移動環境センサ3及び固定環境センサ2は、第1の環境検出データ及び第2の環境検出データを取得して、取得された第1の環境検出データ及び第2の環境検出データを総合環境データベース406に送信することで、環境検出データを生成する。
【0122】
本開示の実施例第2の態様によれば、室内空間をより合理的に分割することで、第2の領域の数が第1の領域の数よりも少なくさせることができるので、環境マッチングサーバは、少ない算出量で移動体1の目的移動領域をより迅速に特定することができる。
【0123】
<実施例の第3の態様>
本開示の実施例の第3の態様は移動体制御システムを提供する。本開示の実施例の第3の態様に係る移動体制御システムは、本開示の実施例の第1の態様に係る移動体制御システム100のハードウェア構造と同じである。
【0124】
本開示の実施例の第3の態様において、環境マッチングサーバ4は、2つ以上の移動体1に対して移動目的領域の特定を行うことができる。1つの具体的な実施形態において、当該2つ以上の移動体1は、同じ所定の時間帯内に環境マッチングトリガコマンドを出す移動体1であってもよい。
【0125】
図14は、環境マッチングサーバ作動時間軸の例である。時刻Tから、環境マッチングサーバ4は、所定の時間帯単位で、当該所定の時間帯内で移動体1によって出された環境マッチングトリガコマンドを統計する。当該所定の時間帯の長さが調整可能である。
図14に示されたように、環境マッチングサーバ4は、T+Δt時刻に、T時刻jからT+Δt時刻まで複数の移動体1によって出された環境マッチングトリガコマンドを統計し、各移動体1に対して目的移動領域を特定し、所定の時間帯の長さがΔtである。T+3Δt後のある時刻で、環境マッチングサーバ4によって調整された所定の時間帯の長さがΔt’であると、T+3Δt+Δt’の時刻で、環境マッチングサーバ4は、Δt’の時間帯内で移動体1によって出された環境マッチングトリガコマンドを統計する。
【0126】
図15は、環境マッチングサーバが各移動体の環境嗜好情報に基づいて特定した各移動体の目的移動領域の模式図である。
【0127】
図15及びその後の図面において、室内空間における2つ以上の移動体1は、移動体A、移動体B、移動体C、移動体Dにそれぞれ示されてもよい。また、上記4つの移動体が例示に過ぎず、移動体が他の数、例えば、2つ、3つ又は5つ等であってもよい。
【0128】
図15に示されたように、所定の時間帯内に、移動体B、移動体C及び移動体Dが環境マッチングトリガコマンドを出し、環境マッチングサーバ4が環境マッチングトリガコマンドに基づいて、移動体B、移動体C、移動体Dのそれぞれに対応する環境嗜好情報及び各領域(例えば、領域a~f)における環境検出データに基づいて、移動体B、移動体C及び移動体Dに対して目的移動領域を特定する。
【0129】
図15に示されたように、移動体B、移動体C、移動体Dのすべての目的移動領域は、領域fに特定される可能性がある。しかしながら、移動体B、移動体C、移動体Dがいずれも領域fに移動した後に、領域f内に集まった移動体が多いので、混雑しすぎ、又は、移動体の相互の影響によって当該領域fにおける環境パラメータが変化してしまい、領域fの環境パラメータが変化すると、移動体B、移動体C又は移動体Dの環境嗜好情報とマッチングすることができなくなる可能性がある。例えば、移動体C上の利用者が、特に香りに敏感し、移動体B上の利用者が特に温度に敏感し、移動体B、移動体C、移動体Dがいずれも領域fに移動すると、移動体C上の利用者及び移動体D上の利用者により領域fの温度が変化してしまうため、移動体Bが領域Fに移動した後、移動体B上の利用者が快適を感じさせることができず、また、移動体B上の利用者及び移動体A上の利用者により領域Fの香りが変化してしまう可能性があるため、移動体C上の利用者の快適度が低下してしまう。
【0130】
本開示の実施例の第3の態様において、環境マッチングサーバ4は、所定の時間帯内に出された環境マッチングトリガコマンドの2つ以上の移動体をグループとして、当該グループ内の各移動体の環境嗜好情報、及び環境パラメータに対する当該グループ内の各移動体の影響情報に基づいて、当該グループ内の各移動体の目的移動領域を特定することができる。
【0131】
少なくとも1つの実施例において、同一のグループ内において、異なる移動体の目的移動領域が同じであってもよく、異なってもよく、そのため、当該グループの各移動体の目的移動領域は、1つの目的移動領域セットを構成でき、当該目的移動領域セットには、少なくとも1つ又は2つ以上の目的移動領域が含まれる。
【0132】
図16は、本開示の実施例の第3の態様においてグループ内の各移動体の目的移動領域を特定する方法の模式図である。
図16に示されたように、当該方法は、
当該グループ内の各移動体の環境嗜好情報及び環境パラメータに対する当該グループ内の各移動体の影響情報に基づいて、前記グループの評価関数を構築する操作161と、
グループの評価関数と、所定の空間内各領域における環境検出データに基づいて、当該グループ内の各移動体の目的移動領域を特定する操作162とを含む。
【0133】
例えば、所定の時間帯内に、移動体B、移動体C及び移動体Dが環境マッチングトリガコマンドを出す。移動体Bの環境嗜好情報は、評価関数
と示されるものとし、ただし、V
Bの値が大きいほど、移動体B上のユーザの快適度が高くなり、
は、領域の温度を示し、
は、V
Bの値が領域温度に関する1つの関数に依存することを示し、つまり、当該ユーザが快適を感じるか否かは、本実施例において当該ユーザが位置している環境の温度に依存し、本関数において、
つまり、変数
は、各領域内の温度から値を取る。V
Bが最大値を取られる領域温度に対応する領域は、移動体B上のユーザが最も快適と感じる領域である。類似しているように、移動体Cの環境嗜好情報及び移動体Dの環境嗜好情報が、評価関数
及び
によってそれぞれ示され、ただし、
つまり、移動体C上のユーザ及び移動体D上のユーザの快適度は、それぞれ、位置している環境の香り及びノイズに依存する。
【0134】
移動体B、移動体C、移動体Dを1つのグループに考慮して、環境マッチングを総合的に行うと、当該グループの評価関数V
BCDが下記のように設定される。
ただし、
は、V
BCDの値が変数
によって決定されることを示し、つまり、移動体B、移動体C、移動体Dの目的移動領域である。
は、さらに関数
の重ね合わせに示されてもよく、関数
は、移動体B、C、Dの環境嗜好情報のみを考慮するときの当該グループの全体快適度を示し、関数
は、環境パラメータに対する移動体Bの影響情報、例えば、移動体B上の利用者による環境パラメータの変更量による移動体C上の利用者及び移動体D上の利用者の環境快適度影響を反映する。類似しているように、関数
は、環境パラメータに対する移動体Cの影響情報を示す。関数
は、環境パラメータに対する移動体Dの影響情報を示す。
【0135】
本実施例において、グループの評価関数V
BCDは、他の形式を備えてもよく、例えば、
間の演算は、減算、乗算、除算等の他の数学演算を含んでもよい。
【0136】
図17は、環境マッチングサーバがグループの評価関数に基づいて特定した各移動体の目的移動領域の模式図である。
図17に示されたように、グループの評価関数、移動体B、移動体C、移動体Dの目的移動領域が、それぞれ領域e、領域f、領域fであり、移動体間の影響が弱くされる。
【0137】
本開示の実施例の第3の態様において、グループの評価関数には関数
が追加され、グループの評価関数を算出することにより、移動体間で互いに影響する課題が解決された。
【0138】
また、本開示の実施例の第3の態様において、グループの評価関数は、関数
を含めなく、
のみを含んでもよく、つまり、環境マッチングサーバ4は、2つ以上の移動体をグループとして、グループ内の各移動体の環境嗜好情報に基づいて、グループの評価関数を構築し、グループの評価関数に基づいて当該グループ内の各移動体の目的移動領域を特定することができる。これによっても、グループについての目的移動領域の特定を実現することができる。
【0139】
図16に示された方法において、環境マッチングサーバ4が各領域の環境検出データとグループの評価関数とをマッチング処理する時に、各領域は、室内空間において第1の分割方式で得られた複数の第1の領域であってもよい。第1の領域についての説明は、本開示の実施例の第2の態様を参照することができる。
【0140】
図16に示された方法において、環境マッチングサーバ4が各領域の環境検出データとグループの評価関数とをマッチング処理するときに、各領域は、当該室内空間を再分割して、得られた複数の第2の領域であってもよい。例えば、環境マッチングサーバ4は、当該グループの評価関数から少なくとも1つの環境パラメータを選定して、当該選定された環境パラメータに基づいて当該室内空間を再分割し、複数の第2の領域を得ることができる。又は、環境マッチングサーバ4は、複数の予め設定された分割テンプレートから1つを選択して、当該室内空間を再分割し、複数の第2の領域を得ることができる。第2の領域を得る方法についての詳しい説明は、本開示の実施例第2の態様を参照することができる。
【0141】
図18は、環境マッチングサーバがグループの評価関数に基づいて特定した各移動体の目的移動領域の別の模式図である。
図18に示されたように、領域(a)~(f)は、グループの評価関数に基づいて当該室内空間を再分割して得られた複数の第2の領域である。複数の第2の領域に基づいて、環境マッチングサーバは、移動体B、C、Dに対してそれぞれ目的移動領域を特定した。
【0142】
図19は、本開示の実施例の第3の態様においてグループ内の各移動体の目的移動領域を特定する方法の別の模式図である。
図19に示されたように、当該方法は、
当該グループ内の各移動体の環境嗜好情報及び室内空間内各領域における環境検出データに基づいて、各移動体の目的移動領域をそれぞれ特定する操作191と、
環境パラメータに対する当該グループ内の各移動体の影響情報、及び各移動体的調整優先度に基づいて、各移動体の目的移動領域を調整する操作192とを、含む。
【0143】
操作191及び操作192において、当該グループにおける異なる移動体について、室内空間における各領域の分割方式が同じであってもよく、異なってもよい。例えば、グループのうちの幾つかの移動体について、第1の分割方式で得られた第1の領域の環境検出データに基づいて目的移動領域を特定し、グループのうちの他の移動体について、室内空間を再分割して得られた第2の領域の環境検出データに基づいて目的移動領域を特定することができる。第1の領域及び第2の領域についての関連説明は、本開示の実施例第2の態様を参照することができる。
【0144】
図20は、環境マッチングサーバが操作191に基づいて特定した移動体Bの目的移動領域の模式図である。
図21は、環境マッチングサーバが操作191に基づいて特定した移動体Aの目的移動領域の模式図である。
【0145】
図20に示されたように、環境マッチングサーバ4は、ある所定の時間帯内に移動体A及び移動体Bの環境マッチングトリガコマンドを受信した。移動体Bについて、環境マッチングサーバ4は、第1の分割方式で領域分割を行い複数の第1の領域を得て、第1の領域の環境検出データに基づいてマッチング処理を行い、移動体Bの目的移動領域が領域fであることを得る。
【0146】
図21に示されたように、移動体Aについて、環境マッチングサーバ4は、移動体Aの環境嗜好情報について、領域分割を行い、室内空間を領域A~Eに分割し、領域A~Eに基づいて算出して、移動体Aの目的移動領域として領域Bを得る。
図20及び
図21により分かるように、
図20の領域fと
図21の領域Bとはある程度に重なり、移動体A及び移動体Bが算出結果に従って移動すると、移動体Aと移動体Bとが非常に近くなり、両方の影響によって、快適度が低下する結果となってしまし、つまり、環境パラメータに対する当該グループ内の各移動体の影響情報に基づいて、移動体Aと移動体Bとの快適度が干渉する課題が生じやすいと特定した。
【0147】
例えば、仮に、移動体Aの利用者が照明及び香りに特に敏感し、環境マッチングサーバが室内の照明及び香り分布に基づいて、室内を
図21に示された領域A~Eに分割し、さらに、領域Bが当該ユーザの最快適領域、つまり、移動体Aの目的移動領域であることを算出したとする。しかしながら、移動体Bの利用者が強い体味を付けると、移動体Bの利用者が発した体味が移動体Aの利用者に影響し、これによって、移動体Aの利用者の快適度がマッチング算出時の予期に達しなく、快適度が干渉してしまう。
【0148】
図22は、操作192の実現方法の模式図である。
図22に示されたように、操作192の実現方法は、
各移動体の調整優先度に基づいて、各移動体を、領域調整移動体及び領域固定移動体に設定する操作221と、
領域固定移動体の目的移動領域以外の領域を領域調整移動体の候補目的領域に設定する操作222と、
領域調整移動体の環境嗜好情報、及び候補目的領域における環境検出データに基づいて、領域調整移動体の目的移動領域を候補目的領域における領域に調整する操作223とを含む。
【0149】
操作221において、各移動体の調整優先度を比較することができ、例えば、移動体Bの調整優先度が低く、移動体Aの調整優先度が高く、操作221において、調整優先度が低い移動体Bが領域固定移動体と設定され、調整優先度が高い移動体Aが領域調整移動体と設定され、つまり、操作191において移動体Bに対して算出した領域fを調整しなく、操作191において移動体Aに対して算出した領域Bを調整する。
【0150】
操作222において、移動体Bの目的移動領域(領域f)以外の領域を領域調整移動体(移動体A)の候補目的領域と設定する。
【0151】
操作223において、領域f以外の領域(候補目的領域)から移動体Aの目的移動領域を特定し、快適度干渉問題が生じないと確認されたら、操作223において特定した移動体Aの目的移動領域を、移動体Aの最終的な目的移動領域と特定する。ここで、操作223において、快適度干渉問題が生じるか否かを判断する方法は、環境パラメータに対する各移動体の影響情報に関する関数を1つ設定し、移動体の目的移動領域が変化すると、当該関数値が変化し、そのため、当該関数値と予め設定された閾値の比較結果に基づいて快適度干渉問題が生じるか否かを判断することができる。
【0152】
図23は、操作192の後に最終的に特定した各移動体の目的移動領域の模式図である。
【0153】
図23に示されたように、移動体Bの目的移動領域は、
図20に示された領域と同じであり、つまり、移動体Bの目的移動領域が操作192において調整されていない。
図23に示されたように、移動体Aの目的移動領域が領域Aであり、
図21において特定した領域Bと異なっており、つまり、移動体Aの目的移動領域が操作192において調整された。
【0154】
少なくとも1つの実施例において、移動体の調整優先度は、複数の要因で特定されてもよい。例えば、移動体の利用者の職位が高いほど、移動体の調整優先度が低くなり、つまり、目的移動領域が容易に調整されるものではない。また、例えば、環境パラメータに対する移動体の利用者の影響程度が高いほど、当該移動体の調整優先度が高くなり、環境パラメータに対する移動体の利用者の影響程度は、一定の数値で示されてもよい。
【0155】
図24は、
図19に基づくグループにおける各移動体の目的移動領域を特定する方法の具体的な実施形態の模式図である。
【0156】
図24に示されたように、当該方法は、
グループ内の各移動体又は各領域調整移動体について、当該移動体に対応する領域分割方式をそれぞれ設定し、初期時に、操作241は各移動体に対して処理し、後のプロセスにおいて、操作241は、操作245で特定した各領域調整移動体に対して処理する操作241と、
各移動体の環境嗜好情報に基づいて、当該移動体の目的移動領域を算出する操作242と、
現在で各移動体の目的移動領域を特定した場合に、快適度干渉問題が生じるか否かを判断する操作243と、
操作243で快適度干渉問題が生じないと判断した場合、現在で各移動体に特定した目的移動領域を最終結果として出力する操作244と、
操作243で快適度干渉問題が生じると判断した場合、調整目的移動領域を調整する必要があり、操作245において、各移動体の調整優先度に基づいて、各移動体を領域調整移動体及び領域固定移動体に設定し、例えば、目的移動領域が確認された移動体に対して低い調整優先度を付与することで、領域固定移動体に設定される操作245と、を含む。
【0157】
また、
図24は、各移動体に対して調整優先度を調整する操作246を有してもよい。
【0158】
また、
図24は、操作241を有しなくてもよく、つまり、グループ内の各移動体又は各領域調整移動体に対して、統一な領域分割方式を用いてもよい。操作241を有しない場合に、当該方法は、操作242を開始操作として、操作245で特定した各領域調整移動体の結果が操作242に出力されてもよい。
【0159】
本開示の実施例の第3の態様によれば、環境マッチングサーバ4は、所定の時間帯内に環境マッチングトリガコマンドが出された2つ以上の移動体をグループとして、当該グループ内の各移動体の環境嗜好情報、及び環境パラメータに対する当該グループ内の各移動体の影響情報に基づいて、当該グループ内の各移動体の目的移動領域を特定することができ、これによって、各移動体の相互影響を避け、各移動体が適切な目的移動領域に達することができる。
【0160】
本願の各実施例において、実施例の第1の態様に記述された機能、実施例の第2の態様に記述された機能、及び実施例の第3の態様に記述された機能を組みわせてもよく、つまり、移動体制御システムは、実施例の第1の態様に記述された機能、実施例の第2の態様に記述された機能、及び実施例の第3の態様に記述された機能のうちの少なくとも1つを実現することができる。
【0161】
本開示の実施例を組み合わせて記述された移動体制御システムの各部材は、直接に、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールまたは両者の組み合わせとして現れてもよい。例えば、図に示す機能ブロック図のうちの1つまたは複数、及び/または、機能ブロック図のうちの1つまたは複数の組み合わせは、コンピュータプログラムのプロセスにおける各ソフトウェアモジュールに対応することができるし、各ハードウェアモジュールにも対応できる。それらのソフトウェアモジュールは、それぞれ、実施例1に示す各ステップに対応することができる。それらのハードウェアモジュールは、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)により、それらのソフトウェアモジュールを固定化して実現することができる。
【0162】
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROMまたは当業界における既知の他の形式の記憶メモリに位置してもよい。1つの記憶媒体をプロセッサに結合することで、プロセッサは当該記憶媒体から情報を読み取ることができ、かつ、当該記憶媒体に情報を書き込むことができ、または、当該記憶媒体はプロセッサの組成部分であってもよい。プロセッサと記憶媒体はASICに位置してもよい。当該ソフトウェアモジュールは、移動端末のメモリに記憶してもよいし、移動端末に挿入可能なメモリカードに記憶してもよい。例えば、電子機器が大容量のMEGA-SIMカード又は大容量のフラッシュ装置を採用すると、当該ソフトウェアモジュールは、当該MEGA-SIMカード又は大容量のフラッシュ装置に記憶されてもよい。
【0163】
図面に記述された機能ブロック図のうちの1つまたは複数、及び/または、機能ブロック図のうちの1つまたは複数の組み合わせは、本開示に記載の機能を実行するための汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、専用集成回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または、任意の適切な組み合わせとして実現されてもよい。図面に示した機能ブロックのうちの1つまたは複数、及び/または、機能ブロックのうちの1つまたは複数を組み合わせについて、コンピュータ機器の組み合わせとして実現されてもよい。たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPと通信して組み合わせた1つまたは複数のマイクロプロセッサまたは任意の他のその配置に実現されてもよい。
【0164】
以上、具体的な実施の形態を組み合わせて本開示を説明した。ただし、当業者が理解すべきことは、それらの記載はいずれも例示するものに過ぎず、本開示の保護範囲に対する限定ではない。当業者は本開示の原理に基づいて、本開示に対して種々変形や修正を行うことができるが、それらの変形と修正も本開示の範囲内にある。
【符号の説明】
【0165】
100 移動体制御システム
1 移動体
2 固定環境センサ
3 移動環境センサ
4 環境マッチングサーバ
5 環境調節システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0166】