(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 9/02 20060101AFI20231122BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231122BHJP
【FI】
F21S9/02 120
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2019176103
(22)【出願日】2019-09-26
【審査請求日】2022-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】川越 真
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-050083(JP,A)
【文献】特開2012-004075(JP,A)
【文献】特開平03-230402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と;
光源と;
前記光源の光が入射
し、少なくとも前面側を照明する照明部と;
バッテリと;
外部電源により前記バッテリを充電し、前記外部電源の停電時に前記バッテリの電源により前記光源を点灯させる電源ユニットと;
少なくとも前記照明部および前記バッテリを支持
する取付部材、およびこの取付部材が前記本体に取り付けられた状態と前記取付部材が前記本体から引き出された状態とに支持する取付ばねを有し、前記本体に取り付けられる取付ユニットと;
を備え
、
前記取付部材は、中央域に前記照明部を挿通する挿通孔を有し、
前記バッテリは、前記取付部材の中央域の前記挿通孔を挿通する前記照明部の位置に対して前記取付部材の前後方向の一側域に配置される
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
本体と;
光源と;
前記光源の光が入射する照明部と;
バッテリと;
外部電源により前記バッテリを充電し、前記外部電源の停電時に前記バッテリの電源により前記光源を点灯させる電源ユニットと;
少なくとも前記照明部および前記バッテリを支持する取付部材、およびこの取付部材が前記本体に取り付けられた状態と前記取付部材が前記本体から引き出された状態とに支持する取付ばねを有し、前記本体に取り付けられる取付ユニットと;
前記本体および前記本体に取り付けられた前記取付ユニットを覆う化粧枠と;
前記化粧枠を前記取付ユニットに取り付けるとともに、前記取付ユニットに取り付けられる保持力が前記取付ユニットの前記取付ばねが前記本体に取り付けられる保持力よりも小さい化粧枠ばねと;
を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
前記取付ユニットが前記本体から引き出された状態で、前記本体と前記取付部材の間には、前記バッテリの最も短い辺の長さよりも大きい寸法の間隙が形成される
ことを特徴とする請求項
1または2記載の照明装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、バッテリを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば誘導灯などの照明装置では、本体の内部に非常用のバッテリや停電時にバッテリの電源で光源を点灯させる電源ユニットなどが配置され、この本体に表示部が取り付けられている。
【0003】
バッテリを備える場合、バッテリが劣化したり寿命になると、バッテリの交換をするが、バッテリが本体の内部に配置されているため、表示部などを本体から取り外しても、本体の内部の狭い空間においてバッテリを取り外したり、新たなバッテリを取り付ける作業をしなければならず、バッテリの交換に手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、バッテリの交換を容易にできる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、本体と、光源と、光源の光が入射し、少なくとも前面側を照明する照明部と、バッテリと、外部電源によりバッテリを充電し、外部電源の停電時にバッテリの電源により光源を点灯させる電源ユニットと、少なくとも照明部およびバッテリを支持する取付部材、および取付部材が本体に取り付けられた状態と取付部材が本体から引き出された状態とに支持する取付ばねを有し、本体に取り付けられる取付ユニットとを備える。取付部材は、中央域に照明部を挿通する挿通孔を有する。バッテリは、取付部材の中央域の挿通孔を挿通する照明部の位置に対して取付部材の前後方向の一側域に配置される。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、バッテリの交換を容易にすることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態を示す照明装置の斜視図である。
【
図2】同上照明装置の化粧板を外した斜視図である。
【
図3】同上照明装置の取付ユニットを引き出した斜視図である。
【
図4】同上照明装置の取付ユニットを取り外した斜視図である。
【
図5】同上照明装置の取付ユニットを引き出した背面図である。
【
図6】同上照明装置の取付ユニットを引き出した側面図である。
【
図7】同上照明装置の化粧板を外した底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし
図7に、照明装置である誘導灯10を示す。誘導灯10は、本体11、端子台12、照明部である表示部13、バッテリ14、電源ユニット15、取付ユニット16および化粧枠17を備えている。そして、誘導灯10は、本体11が設置部である例えば天井面に設けられた埋込孔に埋め込み設置され、表示部13が天井面から突出する埋込形誘導灯である。なお、以下、誘導灯10について、表示部13の主面(表示パネル)に垂直な方向を前後方向、主面の幅方向を左右方向として説明する。
【0011】
本体11は、天板部20、この天板部20の前後の側板部21、および天板部20の左右両側の側板部22を有し、下面側が開口されているとともに前後方向よりも左右方向に長い長方形箱状に形成されている。本体11は、天井面に設けられた埋込孔に埋め込まれ、埋込孔の上方に設置されている天井側の吊ボルトに天板部20が取り付けられて設置される。前後の側板部21には、埋め込み時に天井面に接合される縁部23が設けられている。左右両側の側板部22には、取付ユニット16を取り付けるための取付孔24が設けられている。取付孔24は、側板部22の幅方向に比較的広い四角形状に形成されている。
【0012】
また、端子台12は、本体11の内側で、電源ユニット15などと干渉しない位置に取り付けられている。端子台12には、天井側に配設されている電源ケーブルが本体11の内部に引き込まれて接続される。
【0013】
また、表示部13は、前後方向に開口する四角形枠状の枠体27、この枠体27の内側に配置される光源28およびこの光源28からの光が入射する平板状の導光板29(
図7参照)、枠体27(導光板29)の前面側に配置される例えば誘導表示が表示された表示パネル30、枠体27の背面側に取り付けられる背面板31を有している。なお、表示部13は、導光板29の片面のみに表示パネル30を配置した片面表示タイプであるが、導光板29の両面に表示パネル30をそれぞれ配置した両面表示タイプであってもよい。
【0014】
光源28は、例えばLEDや有機ELなどの半導体発光素子が用いられている。光源28は、例えば、基板およびこの基板に実装された半導体発光素子を備えた発光モジュールにて構成されている。光源28(基板)から引き出された図示しない接続ケーブルが電源ユニット15に電気的に接続されている。本実施形態では、光源28は枠体27の内側で上部一側に配置され、この光源28の光が枠体27の内側で上部に幅方向に沿って配置された導光柱に入射され、この導光柱で幅方向に広がった光が導光板29の上面から内部に入射するように構成されている。なお、光源28の光が導光板29に直接入射するように構成されていてもよい。
【0015】
また、バッテリ14は、充放電可能な二次電池が用いられている。バッテリ14は、バッテリ本体、およびこのバッテリ本体を収容する例えば樹脂製のケースを備えている。バッテリ14は、直方体状に形成されている。バッテリ14は、面積が最も広い長方形状の主面を有し、この主面に垂直な厚み方向の長さが主面の長辺および短辺の長さよりも短く形成されている。すなわち、バッテリ14の厚み方向の辺が、最も短い辺となっている。また、バッテリ14は、長手方向の一端側に、電源ユニット15の電源側コネクタ部に電気的および機械的に着脱可能に接続される図示しないバッテリ側コネクタ部を有している。
【0016】
また、電源ユニット15は、図示しない接続ケーブルによって端子台12と電気的に接続され、外部電源の供給を受ける。電源ユニット15は、電源部品を実装した電源基板、およびこの電源基板を収容する例えば樹脂製のケースを備えている。電源ユニット15は、バッテリ14が着脱可能に装着されるバッテリ装着部34、およびこのバッテリ装着部34に装着されるバッテリ14のバッテリ側コネクタ部が電気的および機械的に着脱可能に接続される図示しない電源側コネクタ部を有している。そして、電源ユニット15は、例えば交流電源などの外部電源の供給時に、外部電源を光源点灯用の例えば直流電源などの点灯電源に変換して光源28に供給し、かつ、必要に応じて、外部電源をバッテリ充電用の充電電源に変換してバッテリ14を充電する。また、電源ユニット15は、外部電源の停電時に、バッテリ14の電源を光源点灯用の点灯電源に変換して光源28に供給する。
【0017】
また、取付ユニット16は、取付部材37、およびこの取付部材37の左右方向両側に取り付けられた取付ばね38を有している。
【0018】
取付部材37は、左右方向に長い長方形板状に設けられた取付板部39、およびこの取付板部39の左右方向両側から立ち上げられた側板部40を有している。取付板部39の中央には、表示部13の上部側が挿通される挿通孔41が設けられている。取付板部39の上面側において、挿通孔41を挿通した表示部13の上部側が取り付けられている。側板部40には、取付ばね38を取り付けるばね取付部42が設けられている。
【0019】
取付部材37の左右方向(長手方向)の幅は本体11の内側の左右方向の幅よりも小さく、かつ、取付部材37の前後方向(短手方向)の幅は本体11の内側の前後方向の幅よりも小さいことにより、取付部材37が本体11の内側に挿入可能としている。さらに、取付部材37が本体11の内側に挿入された状態では、取付部材37の前後方向の両側部と本体11の前後方向の側板部21との間に、作業者が指を挿入して取付部材37を掴めるようにする指挿入間隙43が設けられている。
【0020】
取付ばね38は、長尺状の板ばねによって構成されている。取付ばね38は、長手方向の一端側である基端側の基端部44、長手方向の他端側である先端側の引掛部45、およびこれら基端部44と引掛部45との間の係止部46を有している。基端部44は、取付部材37の側板部40の外面側でばね取付部42に取り付けられている。引掛部45は、取付ばね38の外面側に略U字状に屈曲するように形成されている。係止部46は、基端部44と引掛部45との間で取付ばね38の外面側に円弧状に突出するように形成されている。取付ばね38は、幅が比較的広く設けられているが、本体11の取付孔24の幅寸法よりも小さく、引掛部45や係止部46が取付孔24に進入可能としている。
【0021】
基端部44が取付部材37の側板部40に取り付けられた取付ばね38は、引掛部45および係止部46が取付部材37の左右方向(長手方向)の外側方に向けて突出されている。取付ばね38は、無負荷状態のとき、両側の引掛部45の間隔および両側の係止部46の間隔が、それぞれ本体11の両側の側板部22の間隔よりも広い関係を有している。
【0022】
取付ばね38の引掛部45が本体11の取付孔24の下縁に引っ掛かった状態は、取付ユニット16が本体11から引き出された状態(吊下げられた状態)であり、本体11と取付ユニット16の取付部材37との間に間隙47が形成される。取付ばね38の係止部46が本体11の取付孔24に嵌り込んだ状態は、取付ユニット16が本体11に取り付けられた状態である。取付ユニット16が本体11から引き出された状態での本体11と取付ユニット16の取付部材37との間の間隙47の寸法は、バッテリ14の厚み方向の辺である最も短い辺の長さの寸法よりも大きい関係を有している。
【0023】
そして、取付部材37は、表示部13、バッテリ14および電源ユニット15を一体的に取り付けて支持している。取付部材37の上面には、中央域に挿通孔41を挿通する表示部13の上部側が取り付けられ、この表示部13の位置とは異なる前後方向一側域に電源ユニット15が取り付けられている。バッテリ14は、電源ユニット15を介して取付部材37に取り付けられている。バッテリ14および電源ユニット15のバッテリ装着部34は、バッテリ14の交換を可能とするために、取付部材37の前後方向一側の外側に臨む位置に配置されている。
【0024】
取付部材37に取り付けられた表示部13、バッテリ14および電源ユニット15は、取付ユニット16が本体11に取り付けられた際に、本体11内に配置された端子台12およびこの端子台12に接続された電源ケーブルと干渉しない位置に配置されている。本実施形態では、表示部13、バッテリ14および電源ユニット15は取付部材37の左右方向一側に寄った位置に配置され、左右方向他側に端子台12の収容スペースおよび端子台12に接続された電源ケーブルの配線スペースが設けられている。
【0025】
また、化粧枠17は、天井面の埋込孔およびこの埋込孔に埋め込まれた本体11の下面側を覆うものである。化粧枠17は、中央に表示部13が挿通する挿通孔50が設けられている。化粧枠17の上面には、取付ユニット16に取り付けられる複数の化粧枠ばね51が取り付けられている。化粧枠ばね51は、板ばねで構成されている。化粧枠ばね51は、化粧枠17の左右方向両側にそれぞれ配置されているとともに、取付部材37の前後方向両側に係合する位置にそれぞれ配置されている。化粧枠ばね51は、ばね力によって取付部材37に保持され、ばね力に抗して化粧枠17が引き下げられることによって取付部材37から外れる。化粧枠ばね51が取付部材37に取り付けられる保持力は、取付ユニット16の取付ばね38が本体11に取り付けられる保持力よりも小さい関係にある。
【0026】
そして、このように構成された誘導灯10を設置する場合には、本体11を天井板の埋込孔に挿入して天井側の吊ボルトに取り付ける。予め本体11内に引き込んでおいた電源ケーブルを端子台12に接続する。
【0027】
表示部13、バッテリ14および電源ユニット15を一体的に支持した取付ユニット16の両側の取付ばね38を互いに接近するように弾性変形させながら、両側の取付ばね38の先端側および電源ユニット15の上部側を本体11の内側に挿入し、取付ユニット16を本体11に向けて押し上げる。
【0028】
続けて、取付ユニット16を本体11に向けて押し上げることにより、両側の取付ばね38の引掛部45が本体11の両側の取付孔24に嵌り込む。この状態で、取付ユニット16の押し上げを解除すると、自重によって取付ユニット16が下降し、取付ばね38の引掛部45が本体11の取付孔24の下縁に引っ掛かる。つまり、
図3、
図5および
図6に示すように、取付ユニット16が本体11から引き出された状態で仮支持される。
【0029】
取付ユニット16が本体11から引き出された状態では、本体11と取付ユニット16の取付部材37との間に間隙47が形成される。この間隙47を通じて端子台12と電源ユニット15を接続ケーブルによって電気的に接続する。
【0030】
続けて、取付ユニット16を本体11に向けて押し上げることにより、両側の取付ばね38の引掛部45が本体11の取付孔24の下縁から上昇して外れ、両側の取付ばね38の係止部46が本体11の内側に進入することで引掛部45が取付孔24から本体11の内側に外れ、両側の取付ばね38の係止部46が本体11の両側の取付孔24に嵌り込む。取付ばね38の係止部46が本体11の取付孔24の下縁に係合することにより、取付ばね38のばね力によって取付部材37を本体11に引き上げて保持する。
【0031】
続けて、化粧枠17の挿通孔50に表示部13を通し、化粧枠17の化粧枠ばね51を取付ユニット16の取付部材37に取り付ける。化粧枠17で天井面の埋込孔およびこの埋込孔に埋め込まれた本体11の下面側を覆い、誘導灯10の設置が完了する。
【0032】
また、設置された誘導灯10は、外部電源の供給時において、電源ユニット15により外部電源を光源点灯用の点灯電源に変換して光源28に供給し、光源28を点灯させる。点灯した光源28の光は、導光板に入射し、表示パネル30を照明する。さらに、電源ユニット15は、例えばバッテリ14の自然放電や停電時の放電によって充電量が低下したことを検知した場合、外部電源をバッテリ充電用の充電電源に変換してバッテリ14に供給し、バッテリ14を充電する。
【0033】
また、誘導灯10は光源やバッテリの状態を定期的に点検し、バッテリ14の劣化や寿命が確認された場合にはバッテリ14を交換する。
【0034】
バッテリ14を交換する場合には、作業者によって化粧枠17を引き下ろし操作することにより、化粧枠ばね51が取付部材37から外れ、化粧枠17を引き下ろして取り外す。このとき、化粧枠ばね51が取付部材37に取り付けられている保持力が、取付ユニット16の取付ばね38が本体11に取り付けられている保持力よりも小さい関係にあるため、化粧枠17を引き下ろし操作しても、取付ユニット16の取付ばね38が本体11から外れることがない。
【0035】
続いて、作業者の両手で取付部材37の左右両側位置を掴み、取付ユニット16を引き下ろし操作する。このとき、取付部材37の前後方向の両側部と本体11の前後方向の側板部21との間に指挿入間隙43が設けられているため、作業者の指を取付部材37の前後両側の指挿入間隙43に挿入し、取付部材37の前後両側を掴み、取付ユニット16を容易に引き下ろし操作することができる。
【0036】
取付ユニット16を引き下ろし操作により、取付ばね38の係止部46が本体11の取付孔24から外れて本体11の下側に突出し、引掛部45が本体11の取付孔24に嵌り込むとともに取付孔24の下縁に引っ掛かる。つまり、
図3、
図5および
図6に示すように、取付ユニット16が本体11から引き出された状態で仮支持される。取付ユニット16が本体11から引き出された状態では、本体11と取付ユニット16の取付部材37との間に間隙47が形成される。
【0037】
続いて、作業者は、本体11と取付ユニット16の取付部材37との間の間隙47から指を入れてバッテリ14を掴み、このバッテリ14を電源ユニット15のバッテリ装着部34から取り外すとともに間隙47から外部に取り出す。さらに、交換する新しいバッテリ14を間隙47から挿入し、電源ユニット15のバッテリ装着部34に装着する。このとき、間隙47はバッテリ14の最も短い辺の長さよりも大きい寸法となっているため、間隙47を通じてバッテリ14を出し入れすることができる。
【0038】
続けて、取付ユニット16を本体11に向けて押し上げることにより、両側の取付ばね38の引掛部45が本体11の取付孔24の下縁から上昇して外れ、両側の取付ばね38の係止部46が本体11の内側に進入することで引掛部45が取付孔24から本体11の内側に外れ、両側の取付ばね38の係止部46が本体11の両側の取付孔24に嵌り込む。取付ばね38の係止部46が本体11の取付孔24の下縁に係合することにより、取付ばね38のばね力によって取付部材37を本体11に引き上げて保持する。
【0039】
続けて、化粧枠17の挿通孔50に表示部13を通し、化粧枠17の化粧枠ばね51を取付ユニット16の取付部材37に取り付ける。化粧枠17で天井面の埋込孔およびこの埋込孔に埋め込まれた本体11の下面側を覆い、バッテリ14の交換作業が完了する。
【0040】
そして、このように構成された誘導灯10では、表示部13を支持して本体11に取り付けられる取付ユニット16にバッテリ14を設けているため、取付ユニット16を本体11から引き出す方向に移動させることで、バッテリ14を本体11の内側から外側に移動させることが可能となり、バッテリ14の交換を容易にできる。
【0041】
さらに、取付ユニット16に光源28、表示部13、バッテリ14および電源ユニット15を一体的に設けてユニット化するため、このユニット内で電気的な接続が予めなされていることにより、施工時の電気的接続作業を省き、施工性を向上できる。
【0042】
また、取付ばね38により、取付部材37が本体11に取り付けられた状態と、取付部材37が本体11から引き出された状態とで支持するため、取付部材37が本体11から引き出された状態で電源ケーブルの接続やバッテリ14の交換ができ、作業性を向上でき、さらに、取付ユニット16の不用意な落下を防止できる。
【0043】
さらに、取付ユニット16が本体11から引き出された状態で、本体11と取付部材37の間には、バッテリ14の最も短い辺の長さよりも大きい寸法の間隙47が形成されるため、間隙47を通じてバッテリ14を容易に交換することができる。さらに、光源28の交換についても、間隙47を通じて行えるようにしてもよい。
【0044】
また、化粧枠17を取付ユニット16に取り付ける化粧枠ばね51は、その取付ユニット16に取り付けられる保持力が、取付ユニット16の取付ばね38が本体11に取り付けられる保持力よりも小さい関係にあるため、化粧枠17を取り外し操作しても、取付ユニット16の取付ばね38が本体11から外れるのを防止できる。
【0045】
また、取付ばね38の幅および本体11の取付孔24の幅が比較的広く、引掛部45が本体11の取付孔24の下縁に引っ掛かって、取付ユニット16が本体11から取り出された状態つまり取付ユニット16が本体11に吊下げられた状態では、引掛部45の部分を支点として取付ユニット16が表示部13などとともに前後方向に揺動する動きを規制することができる。そのため、電源ケーブルを端子台12に接続したり、バッテリ14を交換する際に、取付ユニット16や表示部13などが不用意に揺動して作業の支障となることがなく、作業性を向上できる。
【0046】
なお、端子台12は、本体11側でなく、取付ユニット16側に配置してもよい。この場合、本体11を天井面に設置し、取付ユニット16の取付ばね38の引掛部45が本体11の取付孔24に引っ掛けられた状態、つまり取付ユニット16が本体11から引き出された状態で、間隙47を通じて電源ケーブルを端子台12に容易に接続することができる。
【0047】
また、本実施形態の構成は、誘導灯に限らず、非常灯などのバッテリを使用する他の照明装置にも適用することができる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
10 照明装置である誘導灯
11 本体
13 照明部である表示部
14 バッテリ
15 電源ユニット
16 取付ユニット
17 化粧枠
28 光源
37 取付部材
38 取付ばね
41 挿通孔
47 間隙
51 化粧枠ばね