(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】マッチングシステム、マッチングプログラムおよびマッチング方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20231122BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20231122BHJP
【FI】
G06Q10/1053
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023056505
(22)【出願日】2023-03-30
【審査請求日】2023-03-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年8月28日付け手続補足書にて提出された公開行為の一覧に記載されたもの、例えば令和4年4月1日https://service.agentshare.jp/で公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523118668
【氏名又は名称】上田 歌穂
(73)【特許権者】
【識別番号】523118679
【氏名又は名称】株式会社エージェントシェア
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】上田 歌穂
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-188652(JP,A)
【文献】特開2021-110986(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が複数の求人及び/又は求職者を紹介する、複数の紹介者による求人及び求職者の仲介を支援するためのマッチングシステムであって、
求人登録手段と、求職者登録手段と、案件登録手段と、表示手段と、を備え、
前記求人登録手段は、紹介者と、当該紹介者が紹介する複数の求人とをそれぞれ紐づけて登録し、
前記求職者登録手段は、紹介者と、当該紹介者が紹介する複数の求職者とをそれぞれ紐づけて登録し、
前記案件登録手段は、紹介者
から、当該紹介者が紹介する求人
及び他の紹介者が紹介する求職者
の選択、又は
、当該紹介者が紹介する求職者及び他の紹介者が紹介する求人
の選択を受け付け、その組み合わせごとに
、当該求人の求人ID及び当該求職者の求職者IDを含む案件情報を登録し、
前記表示手段は、紹介者が紹介する求人又は求職者に関する案件における前記組み合わせを表示するために、当該紹介者に紐づく求人又は求職者に関する前記案件情報を表示処理する、マッチングシステム。
【請求項2】
前記表示手段は、紹介者が紹介する求人又は求職者に関する案件における前記組み合わせを一覧表示するために、当該紹介者に紐づく求人又は求職者に関する複数の前記案件情報を表示処理する、請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
前記マッチングシステムは、チャット手段を更に備え、
前記チャット手段は、前記案件ごとに、当該案件に対応する求人及び求職者の紹介者からメッセージの入力を受け付けて登録し、
前記表示手段は、前記メッセージを前記求人及び求職者双方の紹介者に対して表示するために、前記案件ごとに前記メッセージを表示処理する、請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
前記チャット手段は、前記案件ごとの最新の前記メッセージの開封状態及び/又は返信の有無を更に登録し、
前記表示手段は、紹介者が紹介する求人又は求職者に関する案件における前記組み合わせと、前記案件ごとの前記メッセージの開封状態及び/又は返信の有無と、を一覧表示するために、当該紹介者に紐づく求人又は求職者に関する複数の前記案件情報と、前記メッセージの開封状態及び/又は返信の有無を表示処理する、請求項3に記載のマッチングシステム。
【請求項5】
前記マッチングシステムは、求人管理手段を更に備え、
前記求人管理手段は、
紹介者から、当該紹介者が紹介する求人に対して推薦する可能性がある候補者に関する入力を受け付けて求人と紐づけて登録し、
求人ごとに、当該求人と同一の案件に対応付けられた求職者及び、当該求人に紐づけられた前記候補者を抽出し、
前記表示手段は、前記求人の紹介者に対して求人と対応付けて求職者及び候補者を表示するために、前記求人管理手段により抽出された求職者及び候補者を表示処理する、請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項6】
前記マッチングシステムは、求職者管理手段を更に備え、
前記求職者管理手段は、
紹介者から、当該紹介者が推薦する求職者に対して紹介する可能性がある候補求人に関する入力を受け付けて求職者と紐づけて登録し、
求職者ごとに、当該求職者と同一の案件に対応付けられた求人及び、当該求職者に紐づけられた前記候補求人を抽出し、
前記表示手段は、前記
求職者の紹介者に対して
求職者と対応付けて
求人及び候補求人を表示するために、前記求職者管理手段により抽出された
求人及び候補
求人を表示処理する、請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項7】
前記求人登録手段は、求職者の推薦を希望する求人者と紐づけて求人を登録し、
前記案件情報は、対象の求人における求職者の選考状況を示すステータスを含み、
前記表示手段は、求人者に対して、当該求人者の求人に関する求人者画面を表示するために、前記求人者の求人に関する案件情報を表示処理し、
前記求人者画面は、各求人と同一の案件に対応付けられた求職者ごとに、前記ステータスを一覧表示する、請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項8】
前記マッチングシステムは、チャット手段を更に備え、
前記チャット手段は、案件ごとに、求職者の紹介者及び求人者からメッセージの入力を受け付けて登録し、
前記表示手段は、前記紹介者及び求人者の双方に対して前記メッセージを表示するために、前記案件ごとに前記メッセージを表示処理する、請求項7に記載のマッチングシステム。
【請求項9】
各々が複数の求人及び/又は求職者を紹介する、複数の紹介者による求人及び求職者の仲介を支援するためのマッチングプログラムであって、
コンピュータを、求人登録手段と、求職者登録手段と、案件登録手段と、表示手段と、として機能させ、
前記求人登録手段は、紹介者と、当該紹介者が紹介する複数の求人とをそれぞれ紐づけて登録し、
前記求職者登録手段は、紹介者と、当該紹介者が紹介する複数の求職者とをそれぞれ紐づけて登録し、
前記案件登録手段は、紹介者
から、当該紹介者が紹介する求人
及び他の紹介者が紹介する求職者
の選択、又は
、当該紹介者が紹介する求職者及び他の紹介者が紹介する求人
の選択を受け付け、その組み合わせごとに
、当該求人の求人ID及び当該求職者の求職者IDを含む案件情報を登録し、
前記表示手段は、紹介者が紹介する求人又は求職者に関する案件における前記組み合わせを一覧表示するために、当該紹介者に紐づく求人又は求職者に関する複数の前記案件情報を表示処理する、マッチングプログラム。
【請求項10】
各々が複数の求人及び/又は求職者を紹介する、複数の紹介者による求人及び求職者の仲介を支援するためのコンピュータによるマッチング方法であって、
コンピュータが、紹介者と、当該紹介者が紹介する複数の求人及び/又は求職者とをそれぞれ紐づけて登録し、
紹介者
から、当該紹介者が紹介する求人
及び他の紹介者が紹介する求職者
の選択、又は
、当該紹介者が紹介する求職者及び他の紹介者が紹介する求人
の選択を受け付け、その組み合わせごとに
、当該求人の求人ID及び当該求職者の求職者IDを含む案件情報を登録し、
紹介者が紹介する求人又は求職者に関する案件における前記組み合わせを一覧表示するために、当該紹介者に紐づく求人又は求職者に関する複数の前記案件情報を表示処理する、マッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチングシステム、マッチングプログラムおよびマッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、人材採用の現場では、エージェントと呼ばれる業者等(以下、紹介者と呼ぶ)が求人を募集する企業等(以下、求人者と呼ぶ)と求職者との仲介を行っており、多くの企業や求職者がエージェントサービスを利用している。このようなエージェントサービスでは通常、求人と求職者の情報を管理し、自社が保有する求人情報に基づいて求職者の希望条件に合う求人の紹介や求人への求職者の推薦を行っている。
【0003】
ところで、このようなエージェントサービスを行う企業では、自社内の情報をもとに仲介を行うため、求人者や求職者にとっては、紹介される求人や求職者が限られるという課題があった。このような問題に対し、例えば非特許文献1には、求職者の情報と求人の情報をプラットフォーム化し、複数の紹介者が持つ情報を共有する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】ザッツ株式会社,“人材・案件マッチングのための人材紹介プラットフォーム AGENT BRIDGE”,[online],[令和5年3月14日検索],インターネット<URL:https://www.agent-bridge.com/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、各紹介者は個別の求人案件に案内中の候補者の選考ステイタスを管理できるにすぎず、自らが紹介する求人及び/又は求職者とそのマッチング相手の組み合わせを効率的に確認することができなかった。
【0006】
そこで本発明は、紹介者がより効率的に自らの紹介する求人及び/又は求職者の情報を管理しながら、円滑に求人及び求職者を紹介するための新たな技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、各々が複数の求人及び/又は求職者を紹介する、複数の紹介者による求人及び求職者の仲介を支援するためのマッチングシステムであって、求人登録手段と、求職者登録手段と、案件登録手段と、表示手段と、を備え、前記求人登録手段は、紹介者と、当該紹介者が紹介する複数の求人とをそれぞれ紐づけて登録し、前記求職者登録手段は、紹介者と、当該紹介者が紹介する複数の求職者とをそれぞれ紐づけて登録し、前記案件登録手段は、紹介者の入力に応じて、当該紹介者が紹介する求人又は求職者と、他の紹介者が紹介する求職者又は求人とを、1対1で対応付け、その組み合わせごとに案件情報を登録し、前記表示手段は、紹介者が紹介する求人又は求職者に関する案件における前記組み合わせを表示するために、当該紹介者に紐づく求人又は求職者に関する前記案件情報を表示処理する。
【0008】
このような構成とすることで、紹介者は、自身が管理する求人や求職者に関する案件を確認することができ、自身の管理案件の状況を確認することができる。更に、各案件について対応する求人及び求職者の組み合わせが表示されるため、紹介者は、一見して案件の概要を把握することが可能となる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記表示手段は、紹介者が紹介する求人又は求職者に関する案件における前記組み合わせを一覧表示するために、当該紹介者に紐づく求人又は求職者に関する複数の前記案件情報を表示処理する。
【0010】
このような構成とすることで、紹介者は、自身が管理する求人や求職者に関する案件を一覧で確認することができ、より効率的に自身の管理案件の状況を確認することができる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記マッチングシステムは、チャット手段を更に備え、前記チャット手段は、前記案件ごとに、当該案件に対応する求人及び求職者の紹介者からメッセージの入力を受け付けて登録し、前記表示手段は、前記メッセージを前記求人及び求職者双方の紹介者に対して表示するために、前記案件ごとに前記メッセージを表示処理する。
【0012】
このような構成とすることで、案件ごとに求人を紹介する紹介者及び求職者を紹介する紹介者の間で連絡が可能となり、案件に紐づいた情報交換により円滑な仲介を支援することが可能となる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記チャット手段は、前記案件ごとの最新の前記メッセージの開封状態及び/又は返信の有無を更に登録し、前記表示手段は、紹介者が紹介する求人又は求職者に関する案件における前記組み合わせと、前記案件ごとの前記メッセージの開封状態及び/又は返信の有無と、を一覧表示するために、当該紹介者に紐づく求人又は求職者に関する複数の前記案件情報と、前記メッセージの開封状態及び/又は返信の有無を表示処理する。
【0014】
このような構成とすることで、紹介者は自身の管理する案件の一覧において、マッチング相手の紹介者との連絡状況を確認することができる。例えば紹介者が求職者の推薦を行う際に、求人側の紹介者との連絡において、受信したメッセージを開封したのか否か、あるいはメッセージに対して返信をしたのか否かを複数の案件について一度に確認することができるため、効率的な案件管理が実現される。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記マッチングシステムは、求人管理手段を更に備え、前記求人管理手段は、紹介者から、当該紹介者が紹介する求人に対して推薦する可能性がある候補者に関する入力を受け付けて求人と紐づけて登録し、求人ごとに、当該求人と同一の案件に対応付けられた求職者及び、当該求人に紐づけられた前記候補者を抽出し、前記表示手段は、前記求人の紹介者に対して求人と対応付けて求職者及び候補者を表示するために、前記求人管理手段により抽出された求職者及び候補者を表示処理する。
【0016】
このような構成とすることで、紹介者は、自らが紹介する求人について、案件において対応付けられている求職者及び、新たに入力されるその他の候補者をまとめて管理することが可能となる。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記マッチングシステムは、求職者管理手段を更に備え、前記求職者管理手段は、紹介者から、当該紹介者が推薦する求職者に対して紹介する可能性がある候補求人に関する入力を受け付けて求職者と紐づけて登録し、求職者ごとに、当該求職者と同一の案件に対応付けられた求人及び、当該求職者に紐づけられた前記候補求人を抽出し、前記表示手段は、前記求人の紹介者に対して求人と対応付けて求職者及び候補者を表示するために、前記求職者管理手段により抽出された求職者及び候補者を表示処理する。
【0018】
このような構成とすることで、紹介者は、自らが推薦する求職者について、案件において対応付けられている求人及び、新たに入力されるその他の候補求人をまとめて管理することが可能となる。
【0019】
本発明の好ましい形態では、前記求人登録手段は、求職者の推薦を希望する求人者と紐づけて求人を登録し、前記案件情報は、対象の求人における求職者の選考状況を示すステータスを含み、前記表示手段は、求人者に対して、当該求人者の求人に関する求人者画面を表示するために、前記求人者の求人に関する案件情報を表示処理し、前記求人者画面は、各求人と同一の案件に対応付けられた求職者ごとに、前記ステータスを一覧表示する。
【0020】
このような構成とすることで、求人者が直接に自身の求人を管理することが可能となり、対応する求職者の選考状況を一覧で確認できるため、利便性が向上する。
【0021】
本発明の好ましい形態では、前記マッチングシステムは、チャット手段を更に備え、前記チャット手段は、案件ごとに、求職者の紹介者及び求人者からメッセージの入力を受け付けて登録し、前記表示手段は、前記紹介者及び求人者の双方に対して前記メッセージを表示するために、前記案件ごとに前記メッセージを表示処理する。
【0022】
このような構成とすることで、求人者が求職者の紹介者とチャットによって直接連絡をとることが可能となり、案件ごとに連絡内容を確認することができる。これにより、求人及び求職者双方の詳細な情報等を案件に対応付けて連絡及び確認することができるため、求人者は選考の参考とすることができ、また紹介者は求職者への紹介の参考とすることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、紹介者がより効率的に自らの管理する求人及び/又は求職者の情報を管理するための新たな技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の好ましい実施の形態におけるマッチングシステムの機能概要及びシステム構成を表す図である。
【
図2】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの構成を表す図である。
【
図3】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの機能構成を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムのデータベースが記憶する情報の一例を示すER図である。
【
図5】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図11】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムによる、案件情報の登録処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図13】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図14】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図15】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図16】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図17】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図18】本発明の実施形態1におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図19】本発明の実施形態2におけるマッチングシステムの構成を表す図である。
【
図20】本発明の実施形態2におけるマッチングシステムのデータベースが記憶する情報の一例を示すER図である。
【
図21】本発明の実施形態2におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図22】本発明の実施形態2におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図23】本発明の実施形態2におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【
図24】本発明の実施形態2におけるマッチングシステムの表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、複数の紹介者がそれぞれ担当する求人及び求職者の情報を登録し、自らが紹介する求人又は求職者と、他の紹介者が紹介する求職者又は求人とを対応付け、その組み合わせごとに案件として管理することにより、紹介者による仲介を支援する技術に関する。まず以下に本発明における言葉の定義を説明する。
【0026】
<定義>
本発明において求人とは、企業や個人事業主等が人材を求める募集単位を指す。また以下において、求人を出す企業や個人事業主等を求人者と呼ぶ。なお求人者はこれに限られず、求人を出す任意の者であってよい。また本発明において求職者とは、職を求める者であり、主に求人を探す者を指す。
【0027】
本発明において紹介者とは、求人に対して求職者を推薦したり、求職者に対して求人を紹介したりする者を指す。紹介者は人材紹介会社等の法人であってもよいし、個人で仲介を行う者であってもよい。本実施形態においては、紹介者として人材紹介会社を想定し、各紹介者に所属する者が担当者として本システムの操作を行う。以下の説明において「紹介者」と記載する場合、紹介者に所属する担当者を含むものとする。
【0028】
また本発明において、求職者を担当し、当該求職者に紹介する求人を探す紹介者を求職者紹介者と、求人を担当し、当該求人に推薦する求職者を探す者を求人紹介者とそれぞれ呼ぶ。なお求職者紹介者及び求人紹介者が完全に区別される必要はなく、求人と求職者の両方を担当する紹介者が存在していてもよい。
【0029】
本発明において案件とは、求人と求職者とのマッチングにより発生する、求人と求職者との組み合わせごとの管理単位である。即ち、ある求人にある求職者を推薦しようとする場合、当該求人及び求職者を対応付けた案件が作成される。なお以下の実施形態では、求人又は求職者の何れかのみと対応し、当該求人又は求職者に関する質問を紹介者から受け付けるための質問案件も作成することができる。詳細は後述するが、質問案件においては、求人又は求職者と、当該求人又は求職者に関する質問を希望する紹介者と、が対応づけられる。
【0030】
<好ましい実施の形態>
まず、本発明の実施において想定される好ましい形態について例示し、概要について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されない。
図1に、本実施形態におけるマッチングシステムを利用したサービスの全体構成を示す。
【0031】
図1(a)は、本実施形態のマッチングシステムが備える複数の機能間の関連を示す模式図である。本実施形態のマッチングシステムは、「マッチング機能」、「案件管理機能」及び「採用支援機能」の大きく3つの機能を備える。また上述の求人、求職者、案件、紹介者等に関する情報は本システムにおいて共有され、前述の3つの機能がそれぞれ連携して各種情報の登録や更新を行う。
【0032】
「マッチング機能」とは、求人紹介者及び求職者紹介者の間の仲介を支援するための機能である。すなわち、求人紹介者と求職者紹介者を結び付け、双方がそれぞれ管理する求人及び求職者のマッチングを支援する機能である。詳細は後述するが、求人及び求職者の組み合わせごとに案件情報の登録を行う機能や、求人紹介者及び求職者紹介者の間でチャットを実現する機能等が含まれる。
【0033】
「案件管理機能」とは、各紹介者が担当する求人及び/又は求職者に関する情報を一括管理するための機能である。すなわち、紹介者に紐づく求人及び/又は求職者について、そのマッチング相手となる求職者又は求人の候補を案件及びその他の情報を含めて一括管理する機能である。この機能により紹介者は、上述の案件としての情報に加え、本発明のマッチングシステムに求人情報又は求職者情報として登録していない、自社独自の求人又は求職者についても、他の紹介者には共有しない形で候補として一括管理することができる。詳細は実施形態1の(7)自社求人管理及び(8)自社求職者管理の章で説明する。
【0034】
「採用支援機能」とは、求人者が直接マッチングシステムを利用し、求人に関する情報を管理するとともに、求職者側エージェントとの連絡を支援することで、求人者の採用活動を支援するための機能である。詳細は実施形態2において説明する。
【0035】
また
図1(b)は、本実施形態におけるマッチングシステム及びその利用者等の関係を表す模式図である。このように、本実施形態では、求人紹介者及び求職者紹介者が、マッチングシステムを利用して自身の担当する求人及び/又は求職者の紹介先を探すことができる(マッチング機能)。求人紹介者及び求職者紹介者はそれぞれシステム外で求人及び求職者と連絡し、求人の紹介や求職者の推薦を行う。
【0036】
また求人者もマッチングシステムを直接利用して自社の求人を管理し、またマッチングシステムにより求職者側のエージェントとの連絡等を行うことができる(採用支援機能)。
【0037】
更に紹介者は、本発明のマッチングシステムに登録した求人及び/又は求職者の他、自社独自の求人及び/又は求職者の情報を持っていることがある。このような場合に、マッチングシステムにおいて紹介者に紐づく求人及び/又は求職者に対し、マッチングシステムに登録されていない求職者又は求人の情報を候補として登録することができる。更に、マッチングシステムに案件として登録された組み合わせに加えて、候補の情報をまとめて管理できるよう情報が登録・表示される(案件管理機能)。
【0038】
このように、好ましい形態では、「マッチング機能」、「案件管理機能」及び「採用支援機能」の3つの機能が相互に連携して提供される。しかし本発明はこのような形態に限られず、マッチング機能のみを備えるシステムであってもよいし、マッチング機能と、案件管理機能及び採用支援機能の何れかと、の2つの機能を備えるシステムであってもよい。以下、マッチング機能及び案件管理機能を備える実施形態1と、マッチング機能及び採用支援機能を備える実施形態2と、を示して、各機能について詳細に説明する。
【0039】
<実施形態1>
次に、上述のマッチング機能及び案件管理機能を詳細に説明するため、他の実施の形態を例示する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。例えば、本実施形態ではマッチングシステムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、装置、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。
【0040】
(1)システム構成
図2は、実施形態1におけるマッチングシステムの構成を表す図である。本実施形態のマッチングシステム1は、マッチングサーバ2と、紹介者が使用する複数の紹介者端末3と、がネットワークNWを介して通信可能に構成される。これにより、求職者紹介者と求人紹介者とがマッチングシステム1によって情報交換を行う。
【0041】
また求職者紹介者の紹介者端末3は、対応する求職者の求職者端末4と、求人紹介者の紹介者端末3は、対応する求人者の求人者端末5と、それぞれ通信する。これにより、紹介者は自らが担当する求人者又は求職者とマッチングシステム1外で連絡を取り、求人の紹介や求職者の推薦を行う。なお上述の通り、各紹介者はそれぞれ求人と求職者の両方を担当していてもよいが、以下説明の都合上、求職者紹介者と求人紹介者を区別して記載することがある。
【0042】
マッチングサーバ2としては、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等の演算装置、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、サーバ装置等の一般的なコンピュータ装置を利用することができる。
【0043】
紹介者端末3、求職者端末4、及び求人者端末5としては、演算装置、記憶装置、ネットワークNWへの接続手段を含む種々の入出力装置等を備えた、PC(Personal Computer)等の任意のコンピュータ装置を利用することができる。その他、スマートフォンやタブレット型端末をこれらの端末装置として利用してもよい。マッチングサーバ2との間で各種情報の入力及び送受信を行うための専用のアプリケーションや、専用のウェブページにアクセスするためのブラウザアプリケーション等が記憶装置に記憶され、演算装置が各種の処理を実行することで、任意のコンピュータ装置が本発明の紹介者端末3、求職者端末4、及び求人者端末5として機能する。
【0044】
図3は、実施形態1におけるマッチングシステム1の機能構成を示す図である。マッチングサーバ2は、求人登録手段21と、求職者登録手段22と、案件登録手段23と、表示手段24と、チャット手段25と、求人管理手段26と、求職者管理手段27と、を備える。またマッチングサーバ2はデータベースDBと接続され、相互に通信可能に構成される。データベースDBは、マッチングサーバ2内が備える記憶装置であってもよいし、クラウドサービスを利用して実現されてもよい。また紹介者端末3は、入力手段31及び出力手段32を備える。
【0045】
求人登録手段21は、求人紹介者と、当該求人紹介者が紹介する複数の求人とをそれぞれ紐づけてデータベースDBに登録する。具体的には、求人紹介者から、求人に関する入力を受け付けて求人IDを付与し、当該求人紹介者を特定する情報を含む求人情報をデータベースDBに登録する。紹介者はそれぞれ複数の求人情報を登録することができ、各求人は、それを入力した紹介者と紐づけられる。
【0046】
求職者登録手段22は、求職者紹介者と、当該求職者紹介者が紹介する複数の求職者とをそれぞれ紐づけてデータベースDBに登録する。具体的には、求職者紹介者から、求職者に関する入力を受け付けて求職者IDを付与し、当該求職者紹介者を特定する情報を含む求職者情報をデータベースDBに登録する。紹介者はそれぞれ複数の求職者情報を登録することができ、各求職者は、それを入力した紹介者と紐づけられる。
【0047】
本実施形態では、紹介者は法人であってよく、紹介者に所属する担当者が紹介者端末3を使用する。したがって本実施形態では、所属先の紹介者に紐づけられた担当者の担当者IDが求人情報及び求職者情報に含まれることにより、間接的に求人情報及び求職者情報と紹介者とが紐づけられる。即ち本実施形態では担当者IDが紹介者を特定する情報として機能する。なお、求人情報及び求職者情報が、担当者IDに加えて、又は代えて、紹介者IDを含むように構成してもよい。
【0048】
案件登録手段23は、紹介者の入力に応じて、求人紹介者が紹介する求人及び求職者紹介者が推薦する求職者を1対1で対応付け、その組み合わせごとに案件情報をデータベースDBに登録する。具体的には、例えば求人紹介者が、自らの担当する求人及び求職者紹介者の担当する求職者の双方を選択する入力を行うと、案件登録手段23が、選択された組み合わせを案件情報としてデータベースDBに登録する。また求職者紹介者が、自らの担当する求職者及び求人紹介者の担当する求人の双方を選択する入力を行うと、案件登録手段23が、選択された組み合わせを案件情報としてデータベースDBに登録する。
【0049】
また案件登録手段23は更に、新たに登録された求人情報及び求職者情報に基づいて、定期的にマッチング処理を実行する。具体的には、以前から登録されている求人及び求職者に関し、後述の求人条件情報及び求職条件情報を参照して、条件を満たす新規の求人情報及び求職者情報を抽出する。そして、以前から登録されている求人又は求職者に対し、条件を満たす求職者又は求人が新たに登録された場合には、以前から登録されている求人又は求職者に紐づけられた紹介者又は紹介担当者に対し、通知を送信する。ここで「以前から登録されている」とは、前回のマッチング処理よりも前から登録されていることを指し、「新規の」又は「新たに登録された」とは、前回のマッチング処理以降に登録されたことを指す。また本実施形態では後述の求人情報及び求職者情報における公開フラグに関わらず全件をマッチング処理の対象とするが、対象を公開フラグにより公開設定がされた求人及び求職者に限ってマッチング処理を実行してもよい。
【0050】
なお本実施形態では、新たな求人又は求職者が登録されるたびにその求人条件情報又は求職条件情報に基づき、案件登録手段23が条件に合う求職者又は求人を特定して、その組み合わせが案件情報とは別途データベースDBに登録され、これに基づいて上記の通知が送信される。しかし通知の送信方法はこれに限定されず、案件登録手段23がマッチング処理の際にその都度新たに登録された情報を検索することにより通知を送信してもよい。
【0051】
また本実施形態の案件登録手段23は、紹介者から、他の紹介者の担当する求人又は求職者の何れか一方の選択を受け付けて、当該紹介者及び選択された求人又は求職者と紐づく質問案件を作成する。具体的には、例えば求人紹介者が、他の紹介者の担当する求職者を選択することで、案件登録手段23が案件情報をデータベースDBに登録する。また逆に求職者紹介者が求人を選択することでも案件情報をデータベースDBに登録することができる。
【0052】
このような質問案件に関する案件情報は、他者の求人又は求職者を選択した紹介者及び、選択された求人又は求職者を特定する情報を含み、これにより質問案件に、紹介者及び、求人又は求職者が紐づけられる。そして紹介者は、選択した求人又は求職者を担当する紹介者との間で質問案件ごとに後述のチャット手段25による連絡を行うことができる。
【0053】
表示手段24は、各紹介者が紹介する求人又は求職者に関する案件における、求人及び求職者の組み合わせを一覧表示するために、当該紹介者に紐づく求人又は求職者に関する複数の案件情報を表示処理する。具体的には、対象の紹介者が紐づけられた案件の案件情報を抽出して表示処理を行うことで、抽出された各案件に紐づく求人及び求職者の表示を含む後述の案件管理画面を表示させる。
【0054】
また表示手段24は、後述のチャット手段25により案件に紐づけてデータベースDBに登録されたメッセージを表示処理し、当該案件に紐づく紹介者に対してチャット画面を表示させる。表示手段24は、その他、後述の求人管理手段26及び求職者管理手段27により抽出された情報の表示処理等、本実施形態のマッチングシステム1における各種の表示処理を行う。
【0055】
チャット手段25は、案件ごとに、当該案件に対応する求人及び求職者の紹介者からメッセージの入力を受け付けて、案件に紐づけてデータベースDBに登録する。またチャット手段は、質問案件についても同様に、質問案件に紐づけられた紹介者からメッセージの入力を受け付け、質問案件に紐づけてデータベースDBに登録する。
【0056】
求人管理手段26は、紹介者から、当該紹介者が紹介する求人に対して推薦する可能性がある候補者に関する入力を受け付けて求人と紐づけてデータベースDBに登録する。そして、求人ごとに、当該求人と同一の案件に対応付けられた求職者の求職者情報及び、当該求人に紐づけられた候補者の情報を抽出し、抽出結果を表示手段24に送信する。
【0057】
これにより求人紹介者は、自らが担当する求人への求職者推薦に関し、案件として対応付けられた求職者と、その他の候補者と、を一括して管理することができる。即ち、求人紹介者は、マッチングシステム1に登録された他の紹介者に推薦される求職者の他に、例えば自社で独自に扱う求職者の情報等も候補者として反映して、求人への推薦に関する情報を確認することが可能となる。
【0058】
求職者管理手段27は、紹介者から、当該紹介者が推薦する求職者に対して紹介する可能性がある候補求人に関する入力を受け付けて求職者と紐づけてデータベースDBに登録する。そして、求職者ごとに、当該求職者と同一の案件に対応付けられた求人及び、当該求職者に紐づけられた候補求人を抽出し、抽出結果を表示手段24に送信する。
【0059】
これにより求職者紹介者は、自らが担当する求職者への求人紹介に関し、案件として対応付けられた求人と、その他の候補求人と、を一括して管理することができる。即ち、求職者紹介者は、マッチングシステム1に登録された他の紹介者に紹介される求人の他に、例えば自社で独自に扱う求人の情報等も反映して、求職者への紹介に関する情報を確認することが可能となる。
【0060】
(3)データ構造
データベースDBは、マッチングシステム1において管理する各種の情報を記憶する。
図4は、データベースDBが記憶する情報の構造の一例を示すER図である。データベースDBは、紹介者情報と、紹介担当者情報と、求人情報と、求職者情報と、案件情報と、メッセージ情報と、を記憶する。
【0061】
紹介担当者情報は担当者IDを含み、また紹介者を特定する情報としての紹介者IDにより紹介者と紐づけられる。その他、メールアドレス及びパスワード等のログイン情報、担当者名、紹介担当者のアカウントの有効性を設定する公開フラグ等の任意の情報を含む。なお紹介担当者情報は、紹介者の管理アカウントから入力することにより、当該紹介者の紹介者情報に紐づけて登録される。
【0062】
ここで、公開フラグについては、当該紹介担当者が所属する紹介者又は当該紹介者に紐づく他の紹介担当者からの入力により、変更することができる。公開フラグが非公開に変更されると、当該紹介担当者はログインができなくなる一方、当該紹介担当者に紐づけられた求人、求職者、案件等の情報についてはそのまま残る。これにより、退職等により紹介担当者のアカウントを無効にした場合にも各種の情報が残るため、紹介担当者の紐づけ変更することにより担当者の変更が可能となる。
【0063】
求人情報は求人IDを含み、また紹介担当者を特定する情報としての紹介担当者IDにより担当者と紐づけられる。これに加え、仕事内容や応募条件、選考に関する選考情報、求人を出している求人元企業の情報や紹介者向けの限定情報等、任意の情報が含まれる。なお、このうち応募条件や勤務地等、求職者が求人を探す際の条件として設定可能なものを求人条件情報と呼ぶ。また求人情報はこの他、他の紹介者に対する求人の公開状況を示す公開フラグを含む。
【0064】
求職者情報は、求職者を特定する情報として求職者IDを含み、紹介担当者IDにより担当者と紐づけられる。これに加え、求職者の氏名、性別や年齢等の属性情報、国籍、経歴、希望条件等、採用に際し考慮される事項の情報や、その他任意の情報が含まれる。なお、属性情報や国籍、経歴、希望条件等、求人への応募や求人者が採用の条件に設定可能な情報を求職条件情報と呼ぶ。また求職者情報はこの他、他の紹介者に対する求職者の公開状況を示す公開フラグを含む。
【0065】
このように本実施形態では、紹介担当者情報を介して、求人及び求職者に紹介者が紐づけられる。即ち、求人情報及び求職者情報に含まれる担当者IDが、紹介者を特定する情報として機能する。なお紹介担当者の存在は必須ではなく、求人及び求職者と紹介者とが直接紐づいていてもよいし、紹介担当者に加えて紹介者が直接求人及び求職者に紐づけられていてもよい。
【0066】
案件情報は案件IDを含み、また求人及び求職者を特定する情報としての求人ID及び求職者IDにより求人及び求職者と紐づけられる。なお求人又は求職者の何れかのみに紐づく質問案件が存在してもよい。
図4においては案件情報と紹介担当者情報の関係は図示されないが、質問案件の場合には、求人又は求職者の何れか一方を特定する情報と、これらに関する質問を行う紹介者又は紹介担当者を特定する情報と、が案件情報に含まれる。またこの他、案件の進行状態を示す案件ステータスや、最終更新日時等も案件情報として記憶される。
【0067】
メッセージ情報はメッセージIDを含み、また案件及び当該メッセージを入力した紹介担当者を特定する情報として、案件ID及び担当者IDを含む。これにより、対象の案件及びメッセージの送信者とメッセージとが紐づけられ、案件ごとに求人及び求職者の紹介担当者同士でテキストによるやり取りを行うことが可能となる。
【0068】
(4)入力画面
次に
図5~10を用いて、求人情報及び求職者情報の入力について説明する。以下において示す表示画面は表示手段24による表示処理の結果として表示される画面の一例であり、本発明における表示内容はこれに限定されない。
図5は、紹介者端末3において表示される操作メニューの例を示す図である。このような操作メニューは、いずれの入力画面においても常に一定の領域に表示することが好ましい。紹介担当者は、メニューにおける「自社新規掲載」欄の「新規求人掲載」から求人の情報を、また「新規求職者掲載」から求職者の情報をそれぞれ入力する画面に遷移することができる。
【0069】
まず
図6~8を用いて求人情報の入力について説明する。メニューから「新規求人掲載」が選択されると、
図6~8に示す入力画面が表示される。
図6~8は全て一画面に表示され、スクロール操作によって表示位置を移動させることで閲覧可能なページである。
【0070】
入力情報としては、大きく分けて、求人概要、仕事内容、応募条件、選考情報、求人元企業情報、及びエージェント限定情報がある。エージェント限定情報は、後述の求人詳細画面には表示される一方、マッチングシステム1において出力可能な求人票には表示されない情報である。
【0071】
求人概要のうち「案件担当」については入力を行うログイン中の紹介担当者が自動で入力される。その他の情報については、各入力欄において自由入力又は選択入力により入力され、
図8下部の「公開」又は「非公開」のボタンを選択することにより、入力された情報に基づいて求人登録手段21が求人IDを付与し、求人情報を登録する。ここで選択されたボタンに応じて、求人情報における公開フラグが設定される。このとき求人登録手段21は、必須項目として指定された情報が入力されているか否かを確認し、入力されていない場合には公開できない旨とともに未入力の必須項目を示すエラーメッセージを表示させるべく、表示手段24に情報を送信する。
【0072】
次に
図9~10を用いて求職者情報の入力について説明する。メニューから「新規求職者掲載」が選択されると、
図9~10に示す入力画面が表示される。
図9~10は一画面に表示され、スクロール操作によって表示位置を移動させることで閲覧可能なページである。
【0073】
入力情報としては、大きく分けて、求職者概要、キャリア情報、希望条件、及び特記事項がある。
図9~10において「この情報は表示されません」と記載されている、求職者の氏名及びフリガナの項目については、ログイン中の紹介担当者と同じ紹介者に紐づく紹介担当者にのみ表示され、他の紹介者又は他の紹介者に紐づく紹介担当者には表示されない。
【0074】
各情報は、求人情報と同様に、入力欄において自由入力又は選択入力により入力され、
図10下部の「公開」又は「非公開」のボタンを選択することにより、入力された情報に基づいて求職者登録手段22が求職者IDを付与し、求職者情報を登録する。ここで選択されたボタンに応じて、求職者情報における公開フラグが設定される。このとき求職者登録手段22は、必須項目として指定された情報が入力されているか否かを確認し、入力されていない場合には公開できない旨とともに未入力の必須項目を示すエラーメッセージを紹介者端末3に表示させるべく、表示手段24に情報を送信する。
【0075】
(5)案件登録処理
次に、
図11を用いて案件登録手段23による案件の登録処理について説明する。
図11は、案件の登録処理を表すフローチャートである。なお以下に説明する処理は一例であり、趣旨を変更しない範囲で任意に処理内容や順序を変更可能である。まず案件登録手段23は、ステップS1において、紹介者端末3を介して紹介担当者から求人又は求職者の選択を受け付け、ステップS2においてマッチング相手の選択を受け付ける。マッチング相手とは、求人に対する求職者のことであり、また求職者に対する求人のことである。
【0076】
このとき、ステップS1で入力者である紹介担当者に紐づく紹介者が紹介する求人又は求職者が選択された場合には、ステップS2では他の紹介者が紹介する求人又は求職者の選択を受け付ける。例えば、ステップS1で求人紹介者Aの求人が選択された場合には、ステップS2では他の紹介者である求職者紹介者Bに紐づく求職者の中から選択を受け付ける。これにより、複数の紹介者間で求人及び求職者のマッチングを行うことができる。ここで案件に紐づけ可能な求人及び求職者は、求人情報及び求職者情報において公開フラグ設定がされた(公開状態の)求人及び求職者に限られる。
【0077】
ステップS1及びステップS2で求人及び求職者の選択が完了すると、表示手段24が、チャット画面を表示処理して処理結果を入力者の紹介者端末3に送信する。そして、ステップS1及びステップS2における選択を行った紹介担当者からテキストの入力を受け付ける。そして紹介者端末3から確定の指示を受け付けるとステップS4に進み、案件登録手段23は、案件IDを付与して、ステップS1及びステップS2の選択に基づいて案件情報をデータベースDBに登録する。またチャット手段25は、ステップS3における入力に基づいて、作成された案件の案件IDを含むメッセージ情報をデータベースDBに登録する。
【0078】
なお本実施形態では確定の指示により案件の作成(案件情報の登録)及びメッセージの送信(メッセージ情報の登録)をともに行う構成としたが、案件の作成後にメッセージの入力を受け付けてメッセージ情報を登録する構成としてもよい。
【0079】
(6)表示画面
次に、登録された求人及び求職者の情報の表示、並びに上述の案件作成処理における求人及び求職者の選択を行うための画面の表示について、
図12~16を用いて説明する。
図12は、求人の検索を行うための画面の一例を示す図である。
図5のメニューにおいて求人紹介者が「自社掲載情報」における「掲載済の求人情報」を選択することにより、
図12の画面を表示すべく、表示手段24が求人紹介者に紐づけられた求人情報を抽出して表示処理する。ここでは公開フラグに関わらず、求人紹介者に紐づけられた全ての求人情報が抽出される。
図12の画面においては、キーワードや紹介担当者の指定により、求人の絞り込みを行うことができる。
【0080】
またログイン中の紹介者以外の紹介者に紐づけられた求人についても、表示可能である。具体的には、
図5のメニューにおいて「求人検索」における「他社求人検索」を選択することにより、検索画面が表示される。他の紹介者の求人については、
図12の画面よりも詳細に検索条件を設定できるようにすることが好ましく、求人情報において入力可能な任意の条件を検索条件として設定することができる。例えば、キーワード、業種、年齢、職種、性別、雇用形態、国籍、在留資格及び期限、在留経験、国内での就労経験、勤務地、年収範囲、転勤有無、募集人数、応募可能な経験社数、最終学歴、必要なマネジメント経験年数、必要な語学力、等の項目が想定される。また他の紹介者に紐づけられた求人については、公開フラグが設定された求人のみが抽出され表示される。
【0081】
図12や他社求人(他の紹介者に紐づく求人)の検索結果画面において、表示された求人を選択すると、求人詳細ページが表示される。
図13は、求人詳細ページの表示例を示す図である。
図13(a)は自社求人(ログイン中の紹介者に紐づく求人)を、
図13(b)は他社求人をそれぞれ表示する場合の表示例を示す。求人詳細ページにおいては、求人情報として登録された情報が全て表示される。なお、一部の情報については非表示としてもよい。求人詳細ページにおいて「求人票ダウンロード」が選択されると、求職者紹介者に支払われる報酬額及びエージェント限定情報を除く求人情報が掲載された求人票が出力される。
【0082】
自社求人については、
図12及び
図13(a)の画面の何れにおいても、自動マッチング、編集、削除、お気に入りに追加、の4つのボタンが表示される。「編集」のボタンが選択されると、
図6~8において説明した入力画面と同様の画面が表示され、求人登録手段21が修正入力を受け付けて、更新された求人情報をデータベースDBに登録する。また「削除」のボタンが選択されると、確認の入力を受け付けた後、求人登録手段21が対象の求人情報をデータベースDBから削除する。
【0083】
他社求人については、検索結果画面及び
図13(b)の画面の何れにおいても、質問する、自社求職者推薦、自動マッチング、お気に入りに追加、の4つのボタンが表示される。「質問する」のボタンが選択されると、表示手段24が後述のチャット画面を表示処理し、ログイン中の求職者紹介者からテキストの入力を受け付ける。そして、確定の指示を受け付けると、案件登録手段23が案件IDを付与して求人ID及び求職者紹介者の担当者IDを含む案件情報をデータベースDBに登録することで質問案件を作成する。またチャット手段25が、テキストの入力に基づいて、作成された質問案件の案件IDを含むメッセージ情報をデータベースDBに登録する。
【0084】
「自社求職者推薦」のボタンが選択されると、
図12と同様の形式で自社求職者の一覧が表示され、任意に自社求職者を選択して求職者詳細ページを表示させることができる。求職者詳細ページについては後述する。
【0085】
自社求人及び他社求人の何れにおいても、「お気に入りに追加」のボタンが選択されると、対象の求人をお気に入り求人としてデータベースDBに登録する。具体的には、
図4には図示しないが、対象の求人の求人ID及びお気に入りに追加した紹介担当者の担当者IDを含むお気に入り求人情報をデータベースDBに登録することにより、紹介担当者ごとにお気に入り求人を管理することができる。
【0086】
また自社求人と他社求人の何れにおいても、「自動マッチング」のボタンが選択されると、対象の求人に関する求人条件情報及び求職者の求職条件情報に基づいて、条件に合う求職者情報が検索される。このとき、自社求人の場合には他社求職者のうち公開フラグが設定されたものが、また他社求人の場合には自社求職者が、検索の対象となる。
【0087】
次に、求職者の検索について説明する。
図5のメニューにおいて求職者紹介者が「自社掲載情報」における「掲載済の求職者情報」を選択することにより、表示手段24が求職者紹介者に紐づけられた求職者情報を抽出して表示処理する。この画面においては、
図12の画面と同様に、キーワードや紹介担当者の指定により、求職者の絞り込みを行うことができる。
【0088】
またログイン中の紹介者以外の紹介者に紐づけられた求職者についても、表示可能である。具体的には、
図5のメニューにおいて「求職者検索」における「他社求職者検索」を選択することにより、検索画面が表示される。他の紹介者の求職者については、求人の場合と同様、より詳細に検索条件を設定できるようにすることが好ましく、求職者情報において入力可能な任意の条件を検索条件として設定することができる。例えば、キーワード、希望業種、年齢、希望職種及び経験年数、性別、希望雇用形態、国籍、在留資格及び期限、在留経験、国内での終了経験、日本語能力、希望勤務地、居住地、希望年収範囲、転勤可否、経験業種、経験職種及び経験年数、直近の年収、経験社数、最終学歴、マネジメント経験年数、その他語学力、等の項目が想定される。また他の紹介者に紐づけられた求職者については、求職者情報において公開フラグが設定された求職者のみが抽出され表示される。
【0089】
ここで、求人詳細ページにおける「自動マッチング」から求職者の検索を行った場合の検索結果の表示については、自社求人の表示と同様に、
図12のように簡易的な絞り込みの操作部とともに表示される。そして表示された求職者の何れかが選択されると、求職者詳細ページが表示される。
図14は、求職者検索から遷移した場合の求職者詳細ページの一例を示す図である。
図14(a)は自社求職者(ログイン中の紹介者に紐づく求職者)について、
図14(b)は他社求職者(他の紹介者に紐づく求職者)についての表示例である。ここで、自社求職者については、入力した求職者情報の全てが表示される一方、他社求職者については、氏名の表示が省略される。この他、個人情報等の観点から他社に表示することが好ましくない情報については、求人の紹介に支障のない範囲で同様に表示を省略してもよい。
【0090】
自社求職者については、検索結果画面及び
図14(a)の画面の何れにおいても、自動マッチング、編集、削除、お気に入りに追加、の4つのボタンが表示される。「編集」のボタンが選択されると、
図9~10において説明した入力画面と同様の画面が表示され、求職者登録手段22が修正入力を受け付けて、更新された求職者情報をデータベースDBに登録する。また「削除」のボタンが選択されると、確認の入力を受け付けた後、求職者登録手段22が対象の求職者情報をデータベースDBから削除する。
【0091】
他社求職者については、検索結果画面及び
図14(b)の画面の何れにおいても、質問する、自社求人紹介、自動マッチング、お気に入りに追加、の4つのボタンが表示される。「質問する」のボタンが選択されると、表示手段24が後述のチャット画面を表示処理し、ログイン中の求人紹介者からテキストの入力を受け付ける。そして、確定の指示を受け付けると、案件登録手段23が案件IDを付与して求職者ID及び求人紹介者の担当者IDを含む案件情報をデータベースDBに登録することで質問案件を作成する。またチャット手段25が、テキストの入力に基づいて、作成された質問案件の案件IDを含むメッセージ情報をデータベースDBに登録する。
【0092】
自社求職者及び他社求職者の何れにおいても、「お気に入りに追加」のボタンが選択されると、対象の求職者をお気に入り求職者としてデータベースDBに登録する。具体的には、
図4には図示しないが、対象の求職者の求職者ID及びお気に入りに追加した紹介担当者の担当者IDを含むお気に入り求職者情報をデータベースDBに登録することにより、紹介担当者ごとにお気に入り求職者を管理することができる。
【0093】
「自社求人案内」のボタンが選択されると、
図12のように自社求人の一覧が表示され、任意に自社求人を選択して前述の求人詳細ページを表示させることができる。また求職者の検索結果画面又は
図14の求職者詳細ページの「自動マッチング」が選択されると、対象の求職者に関する求職条件情報及び求人の求人条件情報に基づいて、条件に合う求人情報が検索される。このとき、自社求職者の場合には他社求人のうち公開フラグが設定されたものが、また他社求職者の場合には自社求人が、検索の対象となる。
【0094】
ここで、検索結果画面や求人詳細ページの「自動マッチング」、又は「自社求職者推薦」のボタンにより求人を特定して検索を行った(
図11のステップS1に相当)場合には、表示されるボタンが異なる。この場合、自社求職者については「自動マッチング」の代わりに「推薦する」ボタンが、また他社求職者については「自動マッチング」、「自社求人紹介」、「質問する」ボタンの代わりに「質問/スカウトする」ボタンが表示される。「質問する」ボタン又は「質問/スカウトする」ボタンを選択することで、先に選択した求人に対応する求職者の選択を行う(
図11のステップS2に相当)ことができ、続いてチャット画面が表示される。
【0095】
なお、ここでは求人を選択してから対応する求職者を選択する場合を中心に説明したが、求職者を選択してから自動マッチングや自社求人の選択により、求人の選択を行うことでも同様に、案件に対応させる求人及び求職者を指定することができる。ただし、いずれの場合でも、案件に対応させることができる求人又は求職者は、公開フラグが設定されたものに限られる。
【0096】
図15は、チャット画面の表示例を示す図である。表示手段24が、チャット画面を表示処理して処理結果を入力者の紹介者端末3に送信することで、紹介者端末3において
図15の画面が表示される。紹介担当者が
図15の「メッセージを入力してください」と記載された入力欄にテキストを入力することで、チャット手段25がテキストの入力を受け付ける。そして「送信」のボタンを選択することにより、確定の指示を受け付け、案件登録手段23は、案件IDを付与して、選択された求人及び求職者に基づいて案件情報をデータベースDBに登録する。またチャット手段25は、
図15における入力に基づいて、作成された案件の案件IDを含むメッセージ情報をデータベースDBに登録する。
【0097】
メッセージを送信すると、入力欄の上の表示部に、ログイン中の紹介担当者、及び、案件に紐づけられた求人又は求職者の担当者である紹介担当者のメッセージが、それぞれ識別可能にチャット形式で表示される。またチャット画面においては「求人詳細」及び「求職者紹介」のボタンが表示され、これらを選択することで案件に紐づけられた求人の求人詳細ページ及び求職者の求職者詳細ページに遷移することができる。
【0098】
このようにして案件が作成されると、各紹介者は、自らに紐づく案件を一覧で確認することができる。
図16は、案件一覧画面の表示例を示す図である。このような一覧画面は、ログイン後のトップページとして表示することが好ましい。なおここに示す表示内容は一例であり、案件情報、求人情報及び求職者情報に含まれる情報に基づいて、任意の内容を表示することができる。
【0099】
案件一覧画面においては、ログイン中の紹介者に紐づけられた案件の状況に基づいて、メッセージや案件ステータスのサマリが表示される。また、紹介者に紐づく求人及び求職者の数も表示される。案件一覧は、担当者、案件ステータス、メッセージの状態、キーワード等により絞り込み検索を行うことが可能である。
【0100】
一覧においては、各案件の情報として、案件概要、案件ステータス、求人、求職者の欄が1行に表示される。案件概要には、案件ID、案件を作成した開始日、自社(ログイン中の紹介者)側の担当者、メッセージの最終送信者に応じて変化するメッセージの状態、及びメッセージの最終更新日時が表示される。
【0101】
案件ステータスには、ステータスの大分類と、ステータス詳細が表示される。ステータス詳細は、案件に紐づけられた求人紹介者及び求職者紹介者の双方から選択して変更することが可能であり、ステータス詳細を変更することで対応するステータスの大分類の表示が切り替わる。
【0102】
求人欄は、案件に紐づけられた求人の求人情報に基づいて表示が行われる。具体的には、求人IDと、求人タイトルと、求人元企業と、当該求人が自社の紹介するものであるか他社の紹介するものであるかを示す表示が含まれる。ただし求人が他社の紹介するものであり、かつ求人情報において求人元企業を非表示にする設定が行われている場合には、一覧及び求人詳細ページにおいて求人元企業は表示されない。
【0103】
求職者欄は、案件に紐づけられた求職者の求職者情報に基づいて表示が行われる。具体的には、求職者IDと、年齢と、氏名と、当該求職者が自社の推薦する者であるか他社の推薦するものであるかを示す表示が含まれる。ただし求職者が他社の推薦する者、即ち他の紹介者に紐づけられた求職者である場合、求職者の氏名は表示されない。
【0104】
このように、紹介者に対して自身が紐づけられた案件の情報を一覧表示することにより、紹介者は自身が管理する求人又は求職者の紹介状況の概要を容易に把握することが可能となる。
【0105】
(7)自社求人管理
案件一覧画面においては、案件として登録された求人及び求職者の状況を表示するが、本実施形態のマッチングシステム1は、紹介者に紐づけられた求人及び/又は求職者ごとに状況を表示することもできる。
図17は、自社求人管理画面の表示例を示す図である。自社求人管理画面においては、ログイン中の紹介者に紐づけられた求人を、一覧で表示する。画面上部には、担当者、案件ステータス、及びキーワードの入力欄があり、これらの情報に応じて紹介者に紐づけられた求人に関する情報を絞り込んで一覧を表示させることもできる。案件ステータスを入力すると、表のうち「ステータス」の列に応じて情報の絞り込みが行われ、該当するステータスの行のみが表示される。
【0106】
表示手段24は、自社求人管理画面の表示要求を受信すると、表示要求を行った紹介者に紐づく求人の求人情報を表示処理する。ここでは公開フラグに関わらず全ての求人情報が表示処理される。この際、当該求人が紐づけられた案件の案件情報を参照し、同一の案件に紐づけられた求職者、即ち案件において当該求人のマッチング相手となっている求職者の求職者情報を抽出する。そして、抽出された求職者情報を求人情報とともに表示処理することで、求人ごとに案件において対応づけられた求職者の一覧が表示される。
【0107】
また本実施形態では更に、求人管理手段26が、紹介者から、自社求人管理画面を介して、求人に対して紹介する可能性がある候補者に関する入力を受け付け、求人と紐づけてデータベースDBに登録する。具体的には、一覧における求職者欄の下部に表示される、「他社求職者自動マッチング」、「他社求職者検索」、「自社求職者自動マッチング」、「自社求職者選択」、「未登録の求職者を記載」の何れかを選択して入力を行うことができる。
【0108】
他社求職者自動マッチング、他社求職者検索、自社求職者自動マッチング、及び自社求職者選択における処理及び画面表示については、(6)画面表示の章で既に説明したため、ここでは具体的な説明を省略する。案件作成時と異なる点としては、自社の求人に対して自社の求職者を選択することが可能である点である。またここでは自社の非公開の求職者についても選択することができる。自社の求職者を選択すると求人管理手段26が求人と紐づく候補者としてデータベースDBに登録し、
図17における表の3、4行目のように表示され、案件IDがブランクとなる。
【0109】
また「未登録の求職者を記載」を選択すると、
図17における表の5行目のような表示が追加され、5行目の入力欄において自由に求職者名等を入力することができる。求人管理手段26は、ここで入力された情報に基づいて候補者としてデータベースDBに登録し、新たな行が追加される。候補者の情報は、上述の求職者情報とは別の情報として登録され、他の紹介者には表示されない情報である。
【0110】
自社求人管理画面においては、各求人について、求人概要と、当該求人の紹介担当者と、任意のテキストにより入力される求人メモ及び進捗メモと、公開状況と、案件において対応付けられた求職者及び求人管理手段26が登録した候補者(
図17におけるマッチング求職者)と、が表示される。案件において紐づけられた求職者については、それぞれ自社又は他社の区別、年齢、性別、氏名(自社求職者の場合のみ)、求職者ID、案件ID、ステータス、及び任意のテキストにより入力される進捗メモが表示される。求人メモ及び進捗メモについては、一覧において直接入力を行うことで更新が可能である。
【0111】
ステータス欄には、案件において紐づけられた求職者については、案件の案件ステータスが表示される。またこのステータス欄においては選択が可能となり、案件において紐づけられた求職者のステータス欄が変更されると、案件登録手段23がその旨を受け付けてデータベースDBに情報の更新登録をする。
【0112】
自社求職者及び自由入力による候補者については、自社求人管理画面においてステータスを選択可能に構成される。ステータスが選択されると、求人管理手段26が選択内容を受け付けてデータベースDBに登録する。
【0113】
(8)自社求職者管理
次に、
図18を用いて自社求職者管理画面について説明する。自社求職者管理画面においては、ログイン中の紹介者に紐づけられた求職者を、一覧で表示する。画面上部には、担当者、案件ステータス、及びキーワードの入力欄があり、これらの情報に応じて紹介者に紐づけられた求職者に関する情報を絞り込んで一覧を表示させることもできる。案件ステータスを入力すると、表のうち「ステータス」の列に応じて情報の絞り込みが行われ、該当するステータスの行のみが表示される。
【0114】
表示手段24は、自社求職者管理画面の表示要求を受信すると、表示要求を行った紹介者に紐づく求職者の求職者情報を表示処理する。ここでは公開フラグに関わらず全ての求職者情報が表示処理される。この際、当該求職者が紐づけられた案件の案件情報を参照し、同一の案件に紐づけられた求人、即ち案件において当該求職者のマッチング相手となっている求人の求人情報を抽出する。そして、抽出された求人情報を求職者情報とともに表示処理することで、求職者ごとに案件において対応づけられた求人の一覧が表示される。
【0115】
また本実施形態では更に、求職者管理手段27が、紹介者から、自社求職者管理画面を介して、求職者に対して紹介する可能性がある候補求人に関する入力を受け付け、求職者と紐づけてデータベースDBに登録する。具体的には、一覧における求人欄の下部に表示される、「他社求人自動マッチング」、「他社求人検索」、「自社求人自動マッチング」、「自社求人選択」、「未登録の自社求人情報を記載」の何れかを選択して入力を行うことができる。
【0116】
他社求人自動マッチング、他社求人検索、自社求人自動マッチング、及び自社求人選択における処理及び画面表示については、(6)画面表示の章で既に説明したため、ここでは具体的な説明を省略する。案件作成時と異なる点としては、自社の求職者に対して自社の求人を選択することが可能である点である。またここでは、自社の非公開の求人についても選択可能である。自社の求人を選択すると求職者管理手段27が求職者と紐づく候補求人としてデータベースDBに登録し、
図18における表の3、5行目のように表示され、案件IDがブランクとなる。
【0117】
また「未登録の求人を記載」を選択すると、新たな入力欄の表示が追加され、入力欄において自由に求人タイトル等を入力することができる。求職者管理手段27は、ここで入力された情報に基づいて候補求人としてデータベースDBに登録し、新たな行が追加される。候補求人の情報は、上述の求人情報とは別の情報として登録され、他の紹介者には表示されない情報である。
【0118】
自社求職者管理画面においては、各求職者について、求職者概要と、当該求職者の紹介担当者と、任意のテキストにより入力される進捗メモ及び面談メモと、公開状況と、案件において対応付けられた求人及び求職者管理手段27が登録した候補者(
図18におけるマッチング求人)と、が表示される。案件において紐づけられた求人については、それぞれ自社又は他社の区別、タイトル、求人元企業(自社求人又は公開の場合のみ)、求人ID、案件ID、ステータス、及び任意のテキストにより入力される各案件メモが表示される。各案件メモについては、一覧において直接入力を行うことで更新が可能である。
【0119】
ステータス欄には、案件において紐づけられた求人については、案件の案件ステータスが表示される。またこのステータス欄においては選択が可能となり、案件において紐づけられた求人のステータス欄が変更されると、案件登録手段23がその旨を受け付けてデータベースDBに情報の更新登録をする。
【0120】
自社求人及び自由入力による候補求人については、自社求人管理画面においてステータスを選択可能に構成される。ステータスが選択されると、求職者管理手段27が選択内容を受け付けてデータベースDBに登録する。
【0121】
以上のように、本実施形態のマッチングシステムは、マッチング機能により複数の紹介者間の情報共有ならびに連絡が可能となるだけでなく、案件管理機能により、他の紹介者に公開する求人又は求職者に加え、非公開として自社のみで管理する求人又は求職者についても一括して管理することが可能となる。
【0122】
<実施形態2>
次に、別の実施形態2について説明する。なお実施形態1と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図19は、実施形態2におけるマッチングシステム1の構成を示す図である。実施形態2においては、「採用支援機能」について詳細に説明する。本実施形態では、求人者端末5がネットワークNWを介してマッチングサーバ2と通信可能に構成される点で実施形態1と異なる。なお実施形態1と同様に求人紹介者も存在していてもよいが、説明上省略する。
【0123】
実施形態2では、求人者が直接求職者紹介者と連絡を取り、自らの求人を管理する。
図20は、実施形態2におけるマッチングシステム1のデータ構造を示すER図である。データ構造について実施形態1と異なる点が大きく2点存在する。
【0124】
まずデータベースDBは求人者に関する求人者情報を記憶している。求人者情報は求人者IDと、求人者名と、メールアドレス及びパスワード等のログイン情報と、を含む。また求人者による求人情報は、求人者を特定する情報として求人者IDを含むことで求人者と紐づけられる。また案件情報は、求人者が求職者ごとの選考状況を把握するための情報を更に含んでいる。例えば、次回面談日時、不採用理由、入社予定日等である。
【0125】
また実施形態2では、特定の紹介者と紐づかない、運営者所属の紹介担当者が存在する。このような紹介担当者を以下において事務局担当者と呼ぶ。事務局担当者に関する紹介担当者情報は、紹介者IDがブランクになっており、紹介者とは紐づいていない。求人情報における求人IDは、求人者を担当する事務局担当者が求人の登録時に求人者を指定することにより登録されてもよいし、求人者が直接入力を行うことで登録されてもよい。
【0126】
以下、求人者からの求人に関する管理について、
図21~24を用いて説明する。
図21は、本実施形態において求人者に表示される求人管理画面である。求人管理画面は、本発明における求人者画面の一形態である。
図21においては、ひとつの求人に対する求職者の一覧を表示する例を示している。
【0127】
求人管理画面の表示要求を受信すると、表示手段24が、ログイン中の求人者に紐づけられた求人に関する求人情報を抽出して表示処理する。この際、当該求人が紐づけられた案件の案件情報を参照し、同一の案件に紐づけられた求職者、即ち案件において当該求人のマッチング相手となっている求職者の求職者情報を抽出する。そして、抽出された求職者情報を求人情報とともに表示処理することで、求人ごとに案件において対応づけられた求職者の一覧が表示される。
【0128】
求人管理画面においては、求人概要として、募集職種、求人名(求人タイトル)、公開状況、事務局とのメッセージの状態及びメッセージの最終更新日時、並びに事務局担当者が各求人について表示される。また求人に対応する求職者ごとに、求職者氏名(推薦者名)、任意のテキストにより求人者が入力するメモ、選考ステータス、次回面談日時、不採用理由、入社予定日、求職者紹介者とのメッセージの状態及びメッセージの最終更新日時、資料フォルダへのリンク、成約後管理画面へのリンク、並びに求職者の紹介担当者名が表示される。選考ステータスについては、求人及び求職者が紐づけられた案件の案件情報に基づいて、案件ステータスが表示される。
【0129】
事務局とのメッセージの状態を示す表示はチャット画面へのリンクとなっており、これを選択することで、チャット手段25が求人者及び事務局担当者からそれぞれテキストの入力を受け付けて案件と紐づけてデータベースDBにメッセージ情報を登録する。これにより、求人者はマッチングシステム1上で事務局担当者と連絡を取ることができる。また求職者紹介者とのメッセージの状態を示す表示も同様にチャット画面へのリンクとなっており、同様にしてチャット手段25が求職者紹介者とのチャットを提供する。
【0130】
また、求人に紐づけられた事務局担当者にも同様の画面が表示され、事務局担当者は自身の担当する求人の管理を行うことができる。ただし当該事務局担当者が担当する全求人が表示対象となる点で
図21と異なっている。
【0131】
ここで求職者の採用が決定し、その旨が案件情報に登録されると、
図22に示す成約後管理画面に当該求職者の情報が表示される。成約後管理画面においては、求人の事務局担当者、募集職種、求人ID及び求人タイトルが上部に表示される。また求職者については、案件ID、求職者名(推薦者名)、入社予定日、入社前辞退の有無、メモ、事務局とのメッセージの状態及びメッセージの最終更新日時、成果報酬、振込期日、振込状況、退職日、返還規定、返金額、返還日、返還状況、及び事務局担当者が表示される。
【0132】
表示項目のうち、成果報酬、振込期日、返還規定、返金額、返還日、及び返還状況については、事務局担当者が案件情報として登録する情報であり、求人者からの編集はできない。また事務局とのメッセージの状態を示す表示はチャット画面へのリンクとなっている。
【0133】
また事務局担当者にも成約後の案件について表示される。
図23は事務局担当者に表示される成約後管理画面の表示例である。事務局担当者は複数の求人者の求人を扱うため、求人者ごとに状況が表示される。事務局担当者に対しては、
図22に示した事項に加え、求職者紹介者又はその担当者名(エージェント名)、求職者紹介者とのメッセージの状態及びメッセージの最終更新日時(エージェントとのチャット)、求職者紹介者への報酬額(エージェントへの報酬額)、求職者紹介者に対する支払期日、請求書の発送状態、振込状況、求職者紹介者への返金額(エージェントへの返金額)、返還日、請求書の発送状態、及び変換状況が更に表示される。
【0134】
また、事務局担当者に対しては、別途質問管理画面が表示される。
図24は、質問管理画面の表示例である。事務局担当者が担当する求人について質問案件が作成されると、案件情報に基づいて、質問案件に紐づく求人の求人情報、チャット情報、及び質問を行った紹介担当者の担当者情報が表示処理され、質問管理画面に表示される。
【0135】
質問管理画面においては、各質問案件について、案件ID、求人者の担当者名(求人側担当者)、求人タイトル(求人名)、求人者(求人企業名)、募集職種、案件ステータス、求人者及び求職者紹介者とのメッセージの状態及びメッセージの最終更新日時、メモ、質問を行った紹介担当者が表示される。これにより事務局担当者は、求人者の紹介者として対応することが可能となる。
【0136】
以上のように、本発明によれば、複数の紹介者の間で求人及び求職者の仲介を行うことが可能となる。これにより、求人者及び求職者は、より適切な人材又は就職先を見つけやすくなり、また紹介者はより柔軟に紹介を行うことが可能となる。また案件が一覧表示されるため、紹介者が担当する求人又は求職者の進行状況を把握しやすくなる。
【0137】
更に、自社求人管理画面及び自社求職者管理画面の表示により、紹介者は、マッチングシステム1に登録していない求人及び求職者の情報も含めて一括管理が可能となる。これにより、紹介者は自社で扱いたい求人又は求職者の情報も含めて効率的に管理することができ、利便性が向上する。
【符号の説明】
【0138】
1 マッチングシステム
2 マッチングサーバ
21 求人登録手段
22 求職者登録手段
23 案件登録手段
24 表示手段
25 チャット手段
26 求人管理手段
27 求職者管理手段
3 紹介者端末
31 入力手段
32 出力手段
4 求職者端末
5 求人者端末
NW ネットワーク
DB データベース
【要約】 (修正有)
【課題】紹介者がより効率的に自らの管理する求人及び/又は求職者の情報を管理するマッチングシステム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】各々が複数の求人及び/又は求職者を紹介する、複数の紹介者による求人及び求職者の仲介を支援するためのマッチングシステムであって、マッチングサーバは、求人登録手段と、求職者登録手段と、案件登録手段と、表示手段と、を備え、求人登録手段は、紹介者と、複数の求人とを夫々紐づけて登録し、求職者登録手段は、紹介者と、紹複数の求職者とを夫々紐づけて登録し、案件登録手段は、紹介者の入力に応じて、求人又は求職者と、他の紹介者が紹介する求職者又は求人とを、1対1で対応付け、その組み合わせ毎に案件情報を登録し、表示手段は、求人又は求職者に関する案件における組み合わせを表示するために、紹介者に紐づく求人又は求職者に関する案件情報を表示処理する。
【選択図】
図3