(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-11-21
(45)【発行日】2023-11-30
(54)【発明の名称】開閉操作装置及びバルブ開閉システム
(51)【国際特許分類】
F16K 31/44 20060101AFI20231122BHJP
F17C 13/04 20060101ALI20231122BHJP
F15B 15/02 20060101ALN20231122BHJP
【FI】
F16K31/44 H
F17C13/04 301Z
F15B15/02 A
(21)【出願番号】P 2019129818
(22)【出願日】2019-07-12
【審査請求日】2022-07-07
(73)【特許権者】
【識別番号】591038602
【氏名又は名称】株式会社ネリキ
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】北野 彰大
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-157577(JP,A)
【文献】特開2013-048888(JP,A)
【文献】特開2012-013142(JP,A)
【文献】特表2012-507673(JP,A)
【文献】特開平10-078199(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02554979(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/44-31/62
F17C 1/00-13/12
F15B 15/00-15/28
F16K 35/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ装置の上部に突出する、開閉弁の弁棒を把持するとともに、前記開閉弁を開閉方向に移動させて、前記開閉弁の開閉を切り替える開閉操作装置であって、
前記バルブ装置の前記上部に装着する装着体と、
前記開閉方向に移動可能な把持部と、
前記把持部を前記開閉方向に移動させる移動機構部とで構成され、
前記把持部は、
前記開閉方向に交差する交差方向に突出する突出形状で形成された弁棒先端部に対して、少なくとも開弁方向に係止して把持する構成であ
るとともに、
前記弁棒先端部の周方向に複数配置されたチャックと、
前記弁棒先端部に係止する前記チャックの係止部同士の間隔を近接あるいは離間させる接離手段とで構成され、
前記上部への前記装着体の装着方向の移動によって、
閉弁位置にある前記弁棒先端部が前記把持部によって把持されるとともに、前記バルブ装置の前記上部に対して前記装着体が固定され
、
前記装着方向が前記開弁方向に対して反対方向である反開弁方向であり、
前記装着体は、前記上部に対して前記反開弁方向に向かって装着され、
前記反開弁方向の移動によって、前記接離手段が、前記係止部同士の間隔を近接させる
開閉操作装置。
【請求項2】
前記移動機構部が、前記把持部を前記開弁方向に移動させることで、
装着された前記装着体が前記上部に対して本固定される
請求項1に記載の開閉操作装置。
【請求項3】
前記接離手段は、
前記チャックの係止部同士の間隔が開く開放方向に付勢する付勢手段と、
前記チャックを枢支するとともに、前記移動機構部によって前記開閉方向に移動する軸体と、
前記装着体の前記反開弁方向の移動によって、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記係止部同士の間隔を近接させる規制部とで構成された
請求項
1に記載の開閉操作装置。
【請求項4】
前記規制部が、前記装着体に設けられ、
前記チャックに対する前記装着体の前記反開弁方向の差動によって、前記チャックが前記弁棒先端部を把持する
請求項
3に記載の開閉操作装置。
【請求項5】
開閉弁の弁棒が上部から突出するバルブ装置と、
請求項1乃至
4のうちいずれかに記載の開閉操作装置とで構成され、
前記バルブ装置の上部に装着された前記開閉操作装置の前記移動機構部によって、
前記弁棒先端部を把持する前記把持部を前記開閉方向に移動させて、前記開閉弁を開閉切り替える
バルブ開閉システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ガスボンベのようなガス貯蔵容器や配管等に取り付けたバルブ装置の開閉弁を開閉する開閉操作装置及び前記バルブ装置と該開閉操作装置とを組み付けたバルブ開閉システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、特許文献1に示すように、ガスボンベのようなガス貯蔵容器等に取り付けたバルブ装置の開閉弁を、駆動ガスなどの流体で開閉するためのアクチュエータと呼ばれる開閉操作装置が多用されている。
このような開閉操作装置は、開閉弁を閉弁方向に付勢する付勢手段を備え、該付勢手段の付勢力に対して、空気等の駆動ガスを供給し、供給された駆動ガスの圧力によってバルブ装置の開閉弁を開弁させる構成である。これにより、例えば、遠隔操作によって開閉弁を開閉操作することができる。
【0003】
上述の特許文献1に示された開閉操作装置は、バルブ装置の上部に組み付けられ、バルブ装置と一体化されているが、利用者によっては、バルブ装置と別体構成され、バルブ装置の上部に容易に組み付けることができる開閉操作装置がよいとの要望があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで本発明は、別体構成されたバルブ装置に対して容易且つ簡便に取付けてバルブ装置の開閉弁の開閉操作を行うことができる開閉操作装置及びバルブ開閉システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、バルブ装置の上部に突出する、開閉弁の弁棒を把持するとともに、前記開閉弁を開閉方向に移動させて、前記開閉弁の開閉を切り替える開閉操作装置であって、前記バルブ装置の前記上部に装着する装着体と、前記開閉方向に移動可能な把持部と、前記把持部を前記開閉方向に移動させる移動機構部とで構成され、前記把持部は、前記開閉方向に交差する交差方向に突出する突出形状で形成された弁棒先端部に対して、少なくとも開弁方向に係止して把持する構成であるとともに、前記弁棒先端部の周方向に複数配置されたチャックと、前記弁棒先端部に係止する前記チャックの係止部同士の間隔を近接あるいは離間させる接離手段とで構成され、前記上部への前記装着体の装着方向の移動によって、閉弁位置にある前記弁棒先端部が前記把持部によって把持されるとともに、前記バルブ装置の前記上部に対して前記装着体が固定され、前記装着方向が前記開弁方向に対して反対方向である反開弁方向であり、前記装着体は、前記上部に対して前記反開弁方向に向かって装着され、前記反開弁方向の移動によって、前記接離手段が、前記係止部同士の間隔を近接させる開閉操作装置であることを特徴とする。
【0007】
前記バルブ装置は、ガスボンベなどの容器に取り付けられる容器バルブ、配管に取り付けられる配管バルブなどであってもよい。
なお、前記開弁方向は、閉弁状態の開閉弁が開弁状態に移動する移動方向である。
【0008】
上述の前記把持部は、前記開閉方向に交差する交差方向に突出する突出形状で形成された弁棒先端部に対して、少なくとも開弁方向に係止して把持する構成は、前記交差方向に突出する突出形状で形成された弁棒先端部に固定することで少なくとも開弁方向に係止して把持する構成、前記交差方向に突出する突出形状で形成された弁棒先端部に対してわずかに離間しているものの、弁棒先端部と前記把持部との相対移動によって少なくとも開弁方向に係止する仮把持状態である構成であってもよい。
【0009】
また、上述の前記上部に対する前記装着体の固定は、上部に対して装着体が確実に固定される本固定状態であることのみならず、上部に対して装着体がわずかに移動できる仮固定状態であることを含む。
上述の前記開閉方向に交差する交差方向に突出する突出形状で形成された弁棒先端部は、開閉方向から視て円形、あるいは多角形など適宜の形状であってもよい。
【0010】
この発明により、開閉操作装置を、別体構成されたバルブ装置に対して容易且つ簡便に取付けてバルブ装置の開閉弁の開閉操作を行うことができる。
詳述すると、上部に突出する弁棒を開閉方向に移動させることで内部に配置した開閉弁を開閉切り替えできるバルブ装置に対し、前記開閉方向に移動可能な把持部で弁棒を把持するとともに、前記把持部を移動機構部によって前記開閉方向に移動させることで、別体構成されたバルブ装置に対して容易且つ簡便に取付けて開閉弁の開閉操作を行うことができる。
【0011】
また、前記把持部は、前記開閉方向に交差する交差方向に突出する突出形状で形成された弁棒先端部に対して、少なくとも開弁方向に係止して把持する構成であり、開閉操作装置は、前記上部へ前記装着体を装着方向に移動するだけで、例えば、上部に対する装着体のボルト固定などの手間を掛けることなく、閉弁位置にある前記弁棒先端部の前記把持部による把持、及び前記バルブ装置の前記上部に対する前記装着体の固定というバルブ装置に対する開閉操作装置の取付けをワンアクションで行うことができる。つまり、開閉操作装置を、別体構成されたバルブ装置に対して容易且つ簡便に取付けて開閉弁の開閉操作を行うことができる。
【0012】
また、前記装着体を前記反開弁方向に移動して前記上部に装着することで、前記接離手段が、前記係止部同士の間隔を近接させ、周方向に複数配置したチャックが協働して弁棒先端部を確実に把持することができる。したがって、別体構成されたバルブ装置に対して容易且つ簡便に開閉操作装置を取付けて開閉弁の開閉操作を行うことができる。
なお、前記反開弁方向は、開弁状態の開閉弁が閉弁状態に移動する移動方向である閉弁方向と一致する。
【0013】
この発明の態様として、前記移動機構部が、前記把持部を前記開弁方向に移動させることで、装着された前記装着体が前記上部に対して本固定されてもよい。
この発明により、前記把持部を開弁方向に移動させることによって前記把持部と前記装着体とは相対移動するため、前記開弁方向に移動する前記把持部に対し、前記装着体は反開弁方向、つまり前記上部に向かう方向の力が作用し、前記上部に向かう方向の力によって前記装着体は前記上部に押付けられ、前記反開弁方向に向かって装着された前記装着体を前記上部に対して本固定することができる。
これにより、遊びがあるような仮固定状態で上部に対して前記装着体が装着されても、装着体を前記上部に安定して装着することができる。
【0014】
またこの発明の態様として、前記接離手段は、前記チャックの係止部同士の間隔が開く開放方向に付勢する付勢手段と、前記チャックを枢支するとともに、前記移動機構部によって前記開閉方向に移動する軸体と、前記装着体の前記反開弁方向の移動によって、前記付勢手段の付勢力に抗して、前記係止部同士の間隔を近接させる規制部とで構成されてもよい。
【0015】
この発明により、前記装着体を前記反開弁方向に移動して前記上部に装着することで、前記移動機構部によって前記開閉方向に移動する軸体に枢支された前記チャックの係止部同士の間隔が開く開放方向に付勢する付勢手段の付勢力に抗して、前記規制部が前記係止部同士の間隔を近接させるため、周方向に複数配置したチャックが協働して弁棒先端部を確実に把持して、別体構成されたバルブ装置に対して容易且つ簡便に開閉操作装置を取付けて開閉弁の開閉操作を行うことができる。
なお、弁棒先端部が前記開閉方向から視て円形である場合、弁棒先端部の軸方向に対して安定してチャックで把持することができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記規制部が、前記装着体に設けられ、前記チャックに対する前記装着体の前記反開弁方向の差動によって、前記チャックが前記弁棒先端部を把持してもよい。
【0017】
この発明により、例えば、前記上部に対して前記装着体が前記反開弁方向に向かって装着する装着動作において、軸体が弁棒先端部に当接し、さらなる装着体の反開弁方向の移動によって、弁棒先端部に当接する軸体に対して装着体が反開弁方向に相対移動する。この軸体に対する装着体の差動によって周方向に複数配置したチャックが協働して弁棒先端部を確実に把持して、別体構成されたバルブ装置に対して容易且つ簡便に開閉操作装置を取付けて開閉弁の開閉操作を行うことができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記装着体は、前記交差方向に沿う交差装着方向に移動して装着される構成であり、前記装着体に、交差装着方向の移動によって、前記上部に設けられ、前記交差方向に突出する固定突出部に対して、少なくとも前記開弁方向に係止して固定される固定係止部が設けられてもよい。
【0019】
この発明により、交差装着方向に移動させるだけで、前記固定突出部に対して前記固定係止部を係止させて、前記上部に対して前記装着体をワンアクションで安定して装着することができる。
【0020】
なお、弁棒先端部が前記開閉方向から視て円形である場合、弁棒先端部の軸方向に対していずれの交差装着方向からでも装着体を上部に装着し、把持部で弁棒先端部を把持することができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記装着体の装着状態における、固定係止部と固定突出部とのクリアランスが、前記把持部と前記弁棒先端部とのクリアランスより小さくてもよい。
この発明により、装着体を前記上部に装着した状態で、その固定状態に遊びがあっても、固定係止部と固定突出部とのクリアランスが、前記把持部と前記弁棒先端部とのクリアランスより小さいため、上記遊びによって前記装着体が前記上部に対してわずかにずれても、把持部を介して弁棒先端部に負荷が作用することを防止できる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記固定係止部は、前記開閉方向から視て円形状である前記固定突出部における交差装着方向の後方側の半円部分を囲繞する囲繞形状で形成されてもよい。
この発明により、交差装着方向に移動させるだけで、前記開閉方向から視て円形状である前記固定突出部に対して前記固定係止部を係止するとともに、囲繞形状である固定係止部が交差装着方向の後方側の半円部分を囲繞し、前記上部に対して前記装着体を安定して装着することができる。
【0023】
また、交差装着方向が弁棒の軸方向に対する周方向のいずれの方向からであっても、前記開閉方向から視て円形状である前記固定突出部に対して前記固定係止部を係止して、前記装着体を前記上部に装着することができる。
【0024】
またこの発明は、開閉弁の弁棒が上部から突出するバルブ装置と、上述の開閉操作装置とで構成され、前記バルブ装置の上部に装着された前記開閉操作装置の前記移動機構部によって、前記弁棒先端部を把持する前記把持部を前記開閉方向に移動させて、前記開閉弁を開閉切り替えるバルブ開閉システムであることを特徴とする。
この発明により、開閉操作装置を、別体構成されたバルブ装置に対して容易且つ簡便に取付けて開閉弁の開閉操作を行うことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、別体構成されたバルブ装置に対して容易且つ簡便に取付けてバルブ装置の開閉弁の開閉操作を行うことができる開閉操作装置及びバルブ開閉システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図5】バルブ開閉システムの底面側からの分解斜視図。
【
図8】バルブ開閉システムの開閉について説明する説明図。
【
図9】別の実施形態のバルブ開閉システムの正面図。
【
図10】別の実施形態のバルブ開閉システムの正面側からの斜視図。
【
図11】別の実施形態のバルブ開閉システムの背面側からの斜視図。
【
図13】別の実施形態のバルブ開閉システムの分解斜視図。
【
図14】別の実施形態のバルブ開閉システムの底面側からの分解斜視図。
【
図16】別の実施形態のバルブ開閉システムの開閉について説明する説明図。
【
図17】さらに別の実施形態のバルブ開閉システムの開閉について説明する説明図
【発明を実施するための形態】
【0027】
この発明の一実施形態を、
図1乃至
図8とともに説明する。
なお、
図1はバルブ開閉システム1の正面図を示し、
図2はバルブ開閉システム1の斜視図を示し、
図3は
図2におけるA-A矢視断面図を示している。また、
図4はバルブ開閉システム1の分解斜視図を示し、
図5はバルブ開閉システム1の底面側からの分解斜視図を示し、
図6は
図4におけるB-B矢視断面図を示し、
図7はアクチュエータ10の分解斜視図を示している。
【0028】
また、
図8はバルブ開閉システム1の開閉について説明する説明図を示している。具体的には、
図8(a)はバルブ装置100へのアクチュエータ10の取付け状態の断面図を示し、
図8(b)はバルブ装置100の上部である固定座体113に取付けたアクチュエータ10でバルブ装置100の開閉弁121を開弁した状態の断面図を示している。さらに詳しくは、
図8(a)の左側半分はチャック32でステム122を把持する前のバルブ装置100への取付け状態の断面図を示している。
図8(a)の右側半分はチャック32でステム122を把持した状態の断面図を示している。
図8(b)の左側半分はチャック32でステム122を把持する把持部30を上方(開弁方向Vu)に移動させて、アクチュエータ10をバルブ装置100に本固定した状態の断面図を示している。
図8(b)の右側半分はさらに把持部30を上方(開弁方向Vu)に移動させて、開閉弁121を開弁させた状態の断面図を示している。
【0029】
なお、図中における上下方向を上下方向(開閉方向V)として、上向きを上方(開弁方向Vu)とし、下向きを下方(閉弁方向Vd)としている。また、バルブ開閉システム1において、後述するバルブ装置100の開閉弁121やアクチュエータ10の把持部30の中心を、上下方向(開閉方向V)の軸線Lとする。
【0030】
バルブ開閉システム1は、
図1乃至
図3に示すように、開閉弁121のステム122が固定座体113から突出するバルブ装置100と、ステム122を把持するとともに、開閉弁121を上下方向(開閉方向V)に移動させて、開閉弁121の開閉を切り替えるアクチュエータ10とで構成されている。
【0031】
バルブ装置100は、図示省略するボンベ容器(図示省略)の上部に装着される容器バルブ装置であり、縦長のハウジング110と、ハウジング110の上部において装着される開閉弁機構120とで構成している。
【0032】
また、ハウジング110は、下部の容器取付け部111と、側方に突出するアウトレット112及び安全弁装着部115、上部の固定座体113とで構成している。
【0033】
容器取付け部111は、ハウジング110の下部において、ボンベ容器(図示省略)の上部に螺合して取り付けられる部分である。アウトレット112は、ハウジング110の中段付近において一方側の側方に突出する態様であり、安全弁装着部115は、アウトレット112の反対側の他方側に突出し、安全弁115aが装着される。
【0034】
固定座体113は、ハウジング110の上部に配置され、円筒状のハウジング110より径大な円盤状に構成され、固定座体113の上面には後述するステム122が貫通する貫通突出部114が設けられている。なお、貫通突出部114の外周にはネジ山が形成されている。
【0035】
また、ハウジング110には、
図3に示すように、上部において開閉弁機構120の装着を許容する装着凹部131を備えている。固定座体113の内部と、装着凹部131とは、後述する開閉弁121の径大部123及び弁本体124並びに閉止バネ126を収容するように連通している。
【0036】
また、ハウジング110には、
図3に示すように、装着凹部131の下端と容器取付け部111の下端まで連通する一次側流路132、装着凹部131からアウトレット112の先端まで連通する二次側流路133を備えている。
【0037】
装着凹部131は、上方(開弁方向Vu)が開放された略円筒形の凹部であり、装着凹部131の底面には、一次側流路132の上端が連通し、上端開口132aが形成されている。
【0038】
そして、ハウジング110には、装着凹部131、一次側流路132及び二次側流路133によって、容器取付け部111の下端からアウトレット112の先端まで連通する流路130が形成されている。
【0039】
装着凹部131に装着する開閉弁機構120は、
図3に示すように、装着凹部131において開閉する開閉弁121と、開閉弁121を閉弁方向に付勢する閉止バネ126とで構成している。
【0040】
なお、開閉弁機構120における各構成要素同士の対向部分、あるいは開閉弁機構120とハウジング110との対向部分における適宜の箇所にはOリングを設置するが、Oリングの図示や詳しい説明については適宜省略する。
【0041】
開閉弁121は、軸線Lに沿って配置され、固定座体113を貫通し、貫通突出部114の上方(開弁方向Vu)に突出するステム122と、固定座体113の内部に配置される径大部123と、径大部123から下方(閉弁方向Vd)に延びる弁本体124とで構成している。
【0042】
ステム122の上端部は、径方向に拡がり、下方(閉弁方向Vd)が径内側に縮径された断面傘状となる拡径部122aを設けている。
径大部123の下方(閉弁方向Vd)は、閉止バネ126の下端が係止するように、径方向に突出している。
【0043】
弁本体124は、装着凹部131に配置され、装着凹部131の底面に形成された上端開口132aを上方(開弁方向Vu)から塞ぐように構成され、弁本体124の底面には、上端開口132aを覆うダイヤフラム127を押圧する押圧部125が設けられている。
閉止バネ126は、固定座体113の内部において径大部123に外嵌し、径大部123を下方(閉弁方向Vd)に付勢するように構成している。
【0044】
このように構成したバルブ装置100は、開閉弁機構120における開閉弁121を上下方向(開閉方向V)に移動させることで開閉切り替えすることができる。詳述すると、装着凹部131において、径大部123に外嵌する閉止バネ126が下方(閉弁方向Vd)に開閉弁121を付勢しているため、弁本体124の下端に装着した押圧部125がダイヤフラム127を下方(閉弁方向Vd)に向かって押付け、上端開口132aを封止する。このように、ダイヤフラム127が上端開口132aを押付けて封止することで一次側流路132と二次側流路133とは遮断される。閉止バネ126によって下方(閉弁方向Vd)に押付けられ、一次側流路132と二次側流路133とが遮断された状態を閉弁状態といい、この状態における開閉弁121の位置を閉弁位置という。
【0045】
閉弁位置にある開閉弁121を閉止バネ126の付勢力に抗して上方(開弁方向Vu)に移動させると、弁本体124の下端に装着した押圧部125によるダイヤフラム127の押しつけが開放され、ダイヤフラム127による上端開口132aの封止は開放される。そのため、一次側流路132と二次側流路133とは装着凹部131を介して導通可能に連通する。このように、一次側流路132と二次側流路133とが装着凹部131を介して連通した状態を開弁状態といい、この状態における開閉弁121の位置を開弁位置という。なお、上述のように開閉切り替えするバルブ装置100は、閉止バネ126の付勢力に抗して開弁し、開閉弁121の上方(開弁方向Vu)の移動を開放すると、閉止バネ126の付勢力によって閉弁する、いわゆるノーマルクローズタイプである。
【0046】
続いて、上述のようなノーマルクローズタイプのバルブ装置100を開閉切り替えするアクチュエータ10について説明する。アクチュエータ10は、アクチュエータ10をバルブ装置100に配置するベース40と、ステム122を把持する把持部30と、ステム122を把持する把持部30を上下方向(開閉方向V)に移動させる移動機構20とで構成している。
【0047】
ベース40は、固定座体113に上方(開弁方向Vu)から装着されるベース本体41と、ベース本体41の上面から上方(開弁方向Vu)に突出する円筒状の円筒部42とで構成されている。
バルブ装置100の上部に装着した状態のベース40の円筒部42の内部に、固定座体113の貫通突出部114から上方(開弁方向Vu)に突出するステム122が配置されることとなる。
【0048】
円筒部42の内部には、後述する把持部30のチャック32の向きを規制する規制体43が設けられている。
規制体43は、円筒部42の内面から径内側に突出するように設けられ、上端部に径内側に傾斜する案内面431が設けられ、下端部に、チャック32の括れ部321に対応する断面円弧状となる円弧端部432が設けられている。
【0049】
把持部30は、ステム122の上方(開弁方向Vu)に配置され、移動機構20の内部まで延びる円柱状のピストンロッド31と、ピストンロッド31の下端付近に配置されたチャック32と、チャック32の係止部323同士を離間する方向に付勢する付勢体33とで構成されている。
【0050】
ピストンロッド31は、移動機構20の内部においてピストン体22に固定され、移動機構20より下方(閉弁方向Vd)に延びるように軸線Lに沿って配置され、下端付近にチャック32の支点部322を枢支する枢支凹部311が設けられている。
【0051】
チャック32は、ピストンロッド31の下端より下方(閉弁方向Vd)に突出するように、ピストンロッド31の下端の外周に複数設けている。このように、ピストンロッド31の下端に配置する複数のチャック32は、
図7に示すように、組み合わさって略円筒状を構成する。なお、本実施形態では、4つのチャック32をピストンロッド31の下端の周囲に設けている。
【0052】
チャック32は、外周面を下方(閉弁方向Vd)に向かって暫時縮径させるとともに、下端から1/4程度のところから下端に向かって暫時拡径して、下端から1/4程度のところが最も径小となる括れ部321を形成している。括れ部321は断面形状において倒位のへ字状となる。
【0053】
チャック32の内面側において、上方(開弁方向Vu)から少し下方(閉弁方向Vd)に下がった位置に径内側に突出させた支点部322を設けている。支点部322は、ピストンロッド31の下端付近に設けた枢支凹部311に枢支されるように、径内側に突出している。
【0054】
また、チャック32の内面側において、括れ部321より下方(閉弁方向Vd)を径内側に突出させ、ステム122の拡径部122aの下端に係止する係止部323を設けている。なお、このように構成されたチャック32は、ピストンロッド31の下方(閉弁方向Vd)において周方向に配置され、支点部322が枢支凹部311に枢支される。
【0055】
このように、ピストンロッド31の周方向に配置された複数のチャック32の下方(閉弁方向Vd)の係止部323が離間するように、チャック32における支点部322より上方(開弁方向Vu)が近接するように付勢する付勢体33が設けられている。
【0056】
移動機構20は、ベース本体41より径大な円盤状であり、図示省略するガスホースが接続され、駆動ガスの供給によって下方(閉弁方向Vd)から挿入されたピストンロッド31を、上下方向(開閉方向V)に移動するように構成している。
【0057】
具体的には、深皿状の外殻体21と、ピストン体22と、外殻体21の上方(開弁方向Vu)を覆う上蓋体23、ピストン体22を下方(閉弁方向Vd)に押付けるバネ体24とで構成している。
【0058】
なお、移動機構20における各構成要素同士の対向部分における適宜の箇所にはOリングを設置するが、Oリングの図示や詳しい説明については適宜省略する。
【0059】
外殻体21は、平面視円形の底部211と周縁から立ち上がる側壁部212とで深皿状に構成されている。底部211には、後述するピストン体22の固定部222が貫通する貫通孔を平面視中央に設けている。なお、外殻体21は、ベース40の円筒部42に対して固定されている。
【0060】
ピストン体22は、円盤状の円盤部221と円盤部221から下方(閉弁方向Vd)に突出する円筒状の固定部222とで断面T型状に構成している。なお、固定部222は、ピストンロッド31が挿通され、ピストンロッド31と固定して一体化される。また、円盤部221は、外殻体21の側壁部212の高さより低い厚みで形成している。
【0061】
上蓋体23は、深皿状に形成された外殻体21の上方(開弁方向Vu)を塞ぐように構成され、上方(開弁方向Vu)に突出するように、バネ体24を収容する収容凸部231を設けている。上蓋体23は、外殻体21に対して組付けられ、固定される。バネ体24は、コイルスプリングであり、収容凸部231に収容されてピストン体22を下方(閉弁方向Vd)に付勢するように配置される。なお、本実施形態において、軸線Lの周囲に4本のバネ体24が等間隔で配置されている。
【0062】
各要素が上述のように構成された移動機構20は、深皿状の外殻体21の内部にピストン体22を配置し、収容凸部231にバネ体24を収容した上蓋体23で深皿状の外殻体21を覆って構成する。このとき、ピストン体22の固定部222は、外殻体21の底部211の中央に設けた貫通孔に挿入される。
【0063】
このように構成された移動機構20は、深皿状の外殻体21と上蓋体23とで構成された内部空間25において、ピストン体22が上下方向(開閉方向V)に移動可能に配置される。そして、内部空間25において、接続されたガスホース(図示省略)から底部211と円盤部221との間に駆動ガスが供給されるとともに、バネ体24によって下方(閉弁方向Vd)に付勢される。
【0064】
したがって、図示省略するガスホースが接続され、駆動ガスの供給によって、バネ体24の付勢力に抗してピストン体22は上方(開弁方向Vu)に移動し、駆動ガスを排気すると、バネ体24の付勢力によって、ピストン体22は下方(閉弁方向Vd)に移動する。
【0065】
なお、本実施形態において、外殻体21とピストン体22とがそれぞれ2つずつ設けられ、上下方向(開閉方向V)に二段直列配置されている。下方(閉弁方向Vd)のピストン体22は、下方(閉弁方向Vd)の外殻体21と上方(開弁方向Vu)の外殻体21の底部211とで構成された内部空間25に配置されることとなる。また、上下方向(開閉方向V)に二段直列配置された二つのピストン体22は、ピストンロッド31を介して一体されており、ガスホース(図示省略)からそれぞれの内部空間25において底部211と円盤部221との間の駆動ガスが供給されるように構成されている。
【0066】
なお、本実施形態では、外殻体21とピストン体22とを2つずつ備え、上下方向(開閉方向V)に二段直列配置したが、開閉弁121を移動させる荷重によっては、ひとつの外殻体21及びピストン体22で移動機構20を構成してもよいし、三つ以上の外殻体21及びピストン体22で移動機構20を構成してもよい。
【0067】
このように構成したアクチュエータ10のバルブ装置100への取付け、並びにアクチュエータ10がバルブ装置100に取り付けられたバルブ開閉システム1でのバルブ装置100の開閉について
図8とともに説明する。
【0068】
まず、バルブ装置100に対して上方(開弁方向Vu)より、アクチュエータ10を装着する。具体的には、バルブ装置100の上部である固定座体113に対して、上方(開弁方向Vu)より、ベース40のベース本体41を被せるようにアクチュエータ10を装着する。
【0069】
このとき、
図8(a)の右側半分に示すように、まず、ピストンロッド31の下端がステム122の上部の拡径部122aの上面に当接する。この状態では、規制体43の円弧端部432とチャック32の括れ部321とが対面している。また、ピストンロッド31の枢支凹部311によって支点部322が枢支されたチャック32は、付勢体33によって、下方(閉弁方向Vd)が開いた、つまり複数の係止部323同士が離間した状態である。
【0070】
この状態からさらに、アクチュエータ10を下方(閉弁方向Vd)に移動させると、ステム122の拡径部122aの上面にピストンロッド31の下端が当接し、把持部30はステム122によって移動が規制され、移動機構20及びベース40が下方(閉弁方向Vd)に移動する。
【0071】
把持部30がステム122によって規制された状態でベース40のベース本体41が固定座体113に被さるまで下方(閉弁方向Vd)に移動すると、
図8(a)の右側半分に図示するように、把持部30に対してベース40が相対移動、つまり差動する。
【0072】
この差動によって、円弧端部432が括れ部321からずれて下方(閉弁方向Vd)に移動し、枢支凹部311に支点部322が枢支されたチャック32の係止部323は、円弧端部432に規制され、付勢体33の付勢力に抗して径内側に移動することとなる。係止部323が規制体43によって径内側に移動することで、係止部323は開閉弁121の拡径部122aの下方(閉弁方向Vd)に侵入し、拡径部122aを係止部323で係止することができる。
【0073】
図8(a)の右半分に図示するように、バルブ装置100の上部である固定座体113に対してアクチュエータ10を上方(開弁方向Vu)から取り付けることで、ベース40を固定座体113に対して仮固定することができる。
【0074】
なお、この状態では、移動機構20及びベース40に対して、開閉弁121によって下方(閉弁方向Vd)への移動が規制された把持部30は相対的に上方(開弁方向Vu)に移動しているため、把持部30のピストンロッド31に固定された移動機構20のピストン体22は、内部空間25において、上方(開弁方向Vu)に移動している。
【0075】
詳しくは、
図8(a)の右半分に図示するように、ピストンロッド31に固定されたピストン体22は、下方(閉弁方向Vd)に向かって付勢するバネ体24の付勢力に抗して、移動機構20の内部空間25において上方(開弁方向Vu)に移動する。しかしながら、内部空間25において、ピストン体22は、さらに上方(開弁方向Vu)に移動可能な位置である。
【0076】
上述のような仮固定状態において、接続されたガスホース(図示省略)から駆動ガスが供給されると、内部空間25においてピストン体22は上方(開弁方向Vu)に移動しようとする。このとき内部空間25においてピストン体22が上方(開弁方向Vu)に移動しようとする駆動ガスの反作用として、移動機構20及びベース40に下方(閉弁方向Vd)の力が作用する。
【0077】
駆動ガスの反作用として下方(閉弁方向Vd)の力が作用するベース40はバルブ装置100に対して下方(閉弁方向Vd)に相対移動し、固定座体113に対してベース40が押し付けられる。駆動ガスの反作用として固定座体113に押し付けられたベース40が固定座体113に圧力が作用するように当接した状態となって、バルブ装置100に対するアクチュエータ10の本固定は完了する(
図8(b)の左半分参照)。
なお、この状態であっても、
図8(b)の左半分に図示するように、内部空間25において、ピストン体22は、さらに上方(開弁方向Vu)に移動可能な位置である。
【0078】
このように、バルブ装置100に対してアクチュエータ10が固定されたバルブ開閉システム1では、接続されたガスホース(図示省略)から駆動ガスをさらに供給することで、
図8(b)に図示するように、内部空間25において、閉止バネ126の付勢力に抗して、ピストン体22がさらに上方(開弁方向Vu)に移動する。
【0079】
このようなピストン体22の上方(開弁方向Vu)への移動によって、ピストン体22に固定されたピストンロッド31も上方(開弁方向Vu)に移動する。上方(開弁方向Vu)に移動したピストンロッド31の下端付近には、上述したように、拡径部122aの下面に係止部323が係止したチャック32が枢支されている。また、枢支凹部311に係止部323が枢支されたチャック32の径外側は規制体43によってその姿勢が規制されている。そのため、拡径部122aに係止部323が係止したチャック32は、規制体43の規制によってその姿勢を維持したまま、ピストンロッド31の上方(開弁方向Vu)の移動に伴って、上方(開弁方向Vu)に移動する。
【0080】
ピストンロッド31に伴って、上方(開弁方向Vu)に移動したチャック32は、上述したように、係止部323が拡径部122aに係止しているため、開閉弁121も上方(開弁方向Vu)に移動する。このように、開閉弁121が上方(開弁方向Vu)に移動することで、押圧部125によるダイヤフラム127の押圧は開放され、装着凹部131を介して一次側流路132と二次側流路133とが連通する開弁状態となる(
図8(b)の左半分参照)。
【0081】
逆に、供給された駆動ガスを排気すると、駆動ガスの圧力によってバネ体24の付勢力及びピストンロッド31を介した閉止バネ126の付勢力に抗して上方(開弁方向Vu)に移動していたピストン体22は、内部空間25においてバネ体24及び閉止バネ126の付勢力によって下方(閉弁方向Vd)に移動する。
【0082】
このように、バネ体24及び閉止バネ126の付勢力によって下方(閉弁方向Vd)に移動したピストン体22に固定されたピストンロッド31も下方(閉弁方向Vd)に移動し、開閉弁121も下方(閉弁方向Vd)に移動する。開閉弁121が下方(閉弁方向Vd)に移動すると、押圧部125によってダイヤフラム127を押圧し、一次側流路132と二次側流路133とが遮断された閉弁状態となる。
【0083】
上述のように、固定座体113から突出する、開閉弁121のステム122を把持するとともに、開閉弁121を上下方向(開閉方向V)に移動させて、開閉弁121の開閉を切り替えるアクチュエータ10は、固定座体113に装着するベース40と、ベース40に対して、上下方向(開閉方向V)に移動可能な把持部30と、把持部30を上下方向(開閉方向V)に移動させる移動機構20とで構成されている。
【0084】
把持部30は、上下方向(開閉方向V)に交差する交差方向に突出する突出形状で形成された拡径部122aに対して、上向き(開弁方向Vu)に係止して把持する構成であり、固定座体113へのベース40の装着方向(下向き(閉弁方向Vd))の移動によって、閉弁位置にある拡径部122aが把持部30によって把持されるとともに、固定座体113に対してベース40が固定される構成である。
【0085】
また、バルブ開閉システム1は、開閉弁121が固定座体113から突出するバルブ装置100と、上述のアクチュエータ10とで構成され、固定座体113に装着されたアクチュエータ10の移動機構20によって、拡径部122aを把持する把持部30を上下方向(開閉方向V)に移動させて、開閉弁121を開閉切り替える構成である。
【0086】
この構成により、アクチュエータ10を、別体構成されたバルブ装置100に対して容易且つ簡便に取付けて開閉弁121の開閉操作を行うことができる。
詳述すると、固定座体113に突出するステム122を上下方向(開閉方向V)に移動させることで開閉弁121を開閉切り替えできるバルブ装置100に対し、ベース40に対して上下方向(開閉方向V)に移動可能な把持部30でステム122を把持するとともに、把持部30を移動機構20によって上下方向(開閉方向V)に移動させることで、別体構成されたバルブ装置100に対して容易且つ簡便に取付けて開閉弁121の開閉操作を行うことができる。
【0087】
また、把持部30は、上下方向(開閉方向V)に交差する交差方向に突出する突出形状で形成された拡径部122aに対して、上向き(開弁方向Vu)に係止して把持する構成であり、アクチュエータ10は、固定座体113に向かってベース40を装着方向(下向き(閉弁方向Vd))に移動するだけで、例えば、固定座体113に対するベース40のボルト固定などの手間を掛けることなく、閉弁位置にある拡径部122aの把持部30による把持、及び固定座体113に対するベース40の固定というバルブ装置100に対するアクチュエータ10の取付けをワンアクションで行うことができる。つまり、アクチュエータ10を、別体構成されたバルブ装置100に対して容易且つ簡便に取付けて開閉弁121の開閉操作を行うことができる。
【0088】
また、移動機構20が、把持部30を上方(開弁方向Vu)に移動させることで、装着されたベース40が固定座体113に対して本固定される。詳述すると、把持部30を上方(開弁方向Vu)に移動させることによって把持部30とベース40とは相対移動する。そのため、上方(開弁方向Vu)に移動する把持部30に対し、ベース40は下方(閉弁方向Vd)、つまり固定座体113に向かう方向の力が作用する。そして、固定座体113に向かう方向の力によってベース40は固定座体113に押付けられ、上方から下向き(閉弁方向Vd)に装着されたベース40を固定座体113に対して本固定することができる。
これにより、遊びがあるような仮固定状態で上方から下向き(閉弁方向Vd)にベース40が固定座体113に装着されても、ベース40を固定座体113に安定して装着することができる。
【0089】
また、複数配置されたチャック32と、拡径部122aに係止するチャック32の係止部323同士の間隔を近接あるいは離間させる付勢体33及び規制体43とが設けられ、装着方向が閉弁方向Vd(下向き)であり、ベース40は、固定座体113に対して上方(開弁方向Vu)から装着され、下向き(閉弁方向Vd)の移動によって、付勢体33及び規制体43が、チャック32の係止部323同士の間隔を近接させる。したがって、別体構成されたバルブ装置100に対して容易且つ簡便にアクチュエータ10を取付けて開閉弁121の開閉操作を行うことができる。
【0090】
詳述すると、上記構成により、ベース40を上方から下向き(閉弁方向Vd)に固定座体113に装着することで、付勢体33及び規制体43が、係止部323同士の間隔を近接させ、周方向に複数配置したチャック32が協働して拡径部122aを確実に把持し、別体構成されたバルブ装置100に対して容易且つ簡便にアクチュエータ10を取付けて開閉弁121の開閉操作を行うことができる。
【0091】
また、チャック32の係止部323同士の間隔が開く開放方向に付勢する付勢体33と、チャック32を枢支するとともに、移動機構20によって上下方向(開閉方向V)に移動するピストンロッド31と、ベース40aの下向き(閉弁方向Vd)の移動によって、付勢体33の付勢力に抗して、係止部323同士の間隔を近接させる規制体43とが設けられている。そのため、別体構成されたバルブ装置100に対して容易且つ簡便にアクチュエータ10を取付けて開閉弁121の開閉操作を行うことができる。
【0092】
詳述すると、上記構成により、ベース40を上方から下向き(閉弁方向Vd)に固定座体113に装着することで、移動機構20によって上下方向(開閉方向V)に移動するピストンロッド31に枢支されたチャック32の係止部323同士の間隔が開く開放方向に付勢する付勢体33の付勢力に抗して、規制体43が係止部323同士の間隔を近接させる。そのため、周方向に複数配置したチャック32が協働して拡径部122aを確実に把持して、別体構成されたバルブ装置100に対して容易且つ簡便にアクチュエータ10を取付けて開閉弁121の開閉操作を行うことができる。
また、拡径部122aは上下方向(開閉方向V)から視て円形であるため、拡径部122aの軸方向に対して安定してチャック32で把持することができる。
【0093】
また、規制体43が、ベース40に設けられ、チャック32に対するベース40の下方(閉弁方向Vd)の差動によって、チャック32が拡径部122aを把持するため、別体構成されたバルブ装置100に対して容易且つ簡便にアクチュエータ10を取付けて開閉弁121の開閉操作を行うことができる。
【0094】
詳述すると、上記構成により、例えば、固定座体113に対してベース40を上方から下向き(閉弁方向Vd)に装着する装着動作において、ピストンロッド31が開閉弁121に当接し、さらなるベース40の下方(閉弁方向Vd)の移動によって、開閉弁121に当接するチャック32に対してベース40が下方(閉弁方向Vd)に相対移動する。このチャック32に対するベース40の差動によって周方向に複数配置したチャック32が協働して拡径部122aを確実に把持する。したがって、別体構成されたバルブ装置100に対して容易且つ簡便にアクチュエータ10を取付けて開閉弁121の開閉操作を行うことができる。
【0095】
上述の説明では、アクチュエータ10をバルブ装置100の固定座体113に対して上方(開弁方向Vu)から下向き(閉弁方向Vd)に移動させて装着した。これに対し、
図9乃至
図16に示すように、軸線Lに対して直交する水平方向Hにアクチュエータ10aを移動させて、バルブ装置100の固定座体113にアクチュエータ10aを取り付けてバルブ開閉システム1aを構成してもよい。
【0096】
なお、
図9はバルブ開閉システム1aの正面図を示し、
図10はバルブ開閉システム1aの正面側からの斜視図を示し、
図11はバルブ開閉システム1aの背面側からの斜視図を示し、
図12は
図9におけるC-C矢視断面図を示している。また、
図13はバルブ開閉システム1aの分解斜視図を示し、
図14はバルブ開閉システム1aの底面側からの分解斜視図を示し、
図15は
図13におけるD-D矢視断面図を示し、
図16はバルブ開閉システム1aの開閉について説明する説明図を示している。
【0097】
具体的には、
図16(a)はバルブ装置100aへのアクチュエータ10aの取付け状態の断面図を示し、
図16(b)はバルブ装置100aの上部である固定座体113に取付けたアクチュエータ10aでバルブ装置100aの開閉弁121を開弁した状態の断面図を示している。さらに詳しくは、
図16(a)の左側半分はチャック32でステム122を把持する前のバルブ装置100aへの取付け状態の断面図を示している。
図16(a)の右側半分はチャック32でステム122を把持した状態の断面図を示している。
【0098】
なお、
図9に示す方向をバルブ開閉システム1の正面側とし、
図9のC-C矢視断面図を示す
図12における左右方向を水平方向Hとしている。さらに、
図12における左側を手前側Hfとし、右側を奥側Hbとしている。
【0099】
以下で説明するバルブ開閉システム1a、アクチュエータ10a及びバルブ装置100aについて、上述のバルブ開閉システム1、アクチュエータ10及びバルブ装置100における構成と同じ構成については、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0100】
また、上述のバルブ開閉システム1、アクチュエータ10及びバルブ装置100を説明する
図3、
図6及び
図8で図示する断面図は、上下方向(開閉方向V)及び幅方向に沿う平面で分断した断面図であり、バルブ開閉システム1a、アクチュエータ10a及びバルブ装置100aを説明する
図16は同方向の断面を示している。これに対し、バルブ開閉システム1a、アクチュエータ10a及びバルブ装置100aを説明する
図12及び
図15で図示する断面図は、
図9及び
図13における矢印で示すように、上下方向(開閉方向V)及び水平方向Hに沿う平面で分断した断面図を示している。
【0101】
上述したように、バルブ装置100に対してアクチュエータ10を上方から下向き(閉弁方向Vd)に移動させて装着するバルブ開閉システム1に対し、以下で説明するバルブ開閉システム1aは、バルブ装置100aに対して、軸線Lに対して直交する水平方向Hの手前側Hfにアクチュエータ10aを移動させて、バルブ装置100に装着してバルブ開閉システム1aを構成する。
【0102】
そのため、バルブ装置100aは、上述のバルブ開閉システム1を構成するバルブ装置100に対して、固定座体113の上部から上方(開弁方向Vu)に突出する貫通突出部114に、安全弁115aを装着している。
安全弁115aは、貫通突出部114の外面に設けたネジ山と螺合するネジ溝を内面に有する筒状部117aと、筒状部117aの上端から径方向外側に突出するフランジ部118aとで構成している。筒状部117aは所定の外径で形成されている。また、フランジ部118aは所定の厚みで形成されている。
【0103】
このように構成した安全弁115aを貫通突出部114に対して螺合することで、固定座体113の上面から所定の高さの間隔を隔ててフランジ部118aが配置され、固定座体113の上面とフランジ部118aの底面との間に、高さの差込溝119aが形成される。
【0104】
上述のように、貫通突出部114に対して固定フランジ116aが取り付けられたバルブ装置100aに対して手前側Hfに移動させて装着するアクチュエータ10aは、移動機構20、把持部30a及びベース40aで構成されている。
【0105】
把持部30aは、ピストンロッド31と、ピストンロッド31の下端に設けられた把持ブロック32aとで構成されている。ピストンロッド31は、枢支凹部311が設けられていないこと、下端に把持ブロック32aが設けられていること以外は、上述の把持部30のピストンロッド31と同じ構成であるため、その説明を省略する。
【0106】
把持ブロック32aは、正面視において、ピストンロッド31の下端に設けられた下方(閉弁方向Vd)が開放する角型C字状に形成されている。詳しくは、把持ブロック32aは、ピストンロッド31の下端に設けられた上部321aと、上部321aの左右両側に設けられた側壁部322aと、側壁部322aの下端から互いに対向する方向に突出する係止部323aとで構成されている。なお、把持ブロック32aは、水平方向Hにおいて、ステム122の直径より長い所定の厚みで掲載されている。
【0107】
詳述すると、側壁部322aは上部321aの左右両端から下方(閉弁方向Vd)に向かって延びるように設けられている。なお、左右両側の側壁部322a同士は拡径部122aの直径より広く隔てて配置されている。
【0108】
また、側壁部322aは、上部321aの底面から係止部323aの上面までが拡径部122aの厚みより厚い長さで形成している。
左右両側の側壁部322aの下端からそれぞれ対向する向きに突出する係止部323aは、ステム122における拡径部122aの下部の凹部121bより薄く形成されている。
【0109】
このように構成された把持ブロック32aは、上述したように、ピストンロッド31の下端に設けられた下方(閉弁方向Vd)が開放する角型C字状に形成され、内部に拡径部122aを保持する、水平方向Hに貫通する保持空間324aを形成している。
【0110】
ベース40aは、上下方向(開閉方向V)に移動する把持ブロック32aの回転方向を規制する側部41aと、側部41aの下端に設けられ、奥側Hbが円弧状かつ手前側Hfが開放された底面視U字型の係止固定部42aとで構成している。
【0111】
奥側Hbが円弧状かつ手前側Hfが開放された底面視U字型の係止固定部42aは、底面視U字型の上面部421a及び下面部422aと、上面部421aと下面部422aの径外側を上下方向(開閉方向V)に連結する連結部423aとで、径内側が開放された角型C字状の片断面で構成されている。
底面視U字型の上面部421aの底面と下面部422aの上面との間、つまり連結部423aは、固定フランジ116aのフランジ部118aの厚みより広い間隔で形成されている。
【0112】
底面視U字型の下面部422aは、固定座体113の上面と固定フランジ116aにおけるフランジ部118aの下面との間の差込溝119aの高さより薄い厚みで形成されている。
また、底面視U字型の下面部422aの内周は、固定フランジ116aの筒状部117aの外径よりわずかに広く形成している。
【0113】
さらに、連結部423aの内周は、固定フランジ116aのフランジ部118aの外径より広く形成している。このように構成された係止固定部42aにおいて、上面部421a、下面部422a及び連結部423aによって囲まれた空間を係止空間424aとする。
【0114】
このように構成したアクチュエータ10aのバルブ装置100aへの取付け、並びにアクチュエータ10aがバルブ装置100aに取り付けられたバルブ開閉システム1でのバルブ装置100aの開閉について
図13乃至
図16とともに説明する。
【0115】
このように構成されたアクチュエータ10aをバルブ装置100aに組み付けるには、
図13乃至
図15に図示するように、バルブ装置100aの奥側Hbにアクチュエータ10aを配置する。
そして、固定座体113の上面を係止固定部42aの底面が摺動するように、アクチュエータ10aを手前側Hfに移動させてバルブ装置100aに取り付ける。
【0116】
このとき、係止固定部42aの下面部422aが、バルブ装置100aの上部である固定座体113の上面と貫通突出部114に取り付けた固定フランジ116aのフランジ部118aの底面とで囲まれた差込溝119aに挿入される。そして、開閉弁121の拡径部122aが保持空間324aに挿入される。
【0117】
なお、筒状部117aの奥側Hbの端部が係止固定部42aにおける下面部422aの奥側Hbあるいは、フランジ部118aの奥側Hbの端部が連結部423aの奥側Hbに当接するまで挿入する。しかしながら、
図16(a)の右半分に図示するように、保持空間324aに配置された拡径部122aと把持ブロック32aとの間、及び差込溝119aに差し込まれた係止固定部42aの下面部422aと筒状部117aやフランジ部118aとの間にそれぞれ隙間が形成される仮固定状態となる。
【0118】
なお、上述のように、バルブ装置100aの固定座体113に対して仮固定状態で取り付けられたアクチュエータ10aは、保持空間324aに配置された拡径部122aと把持ブロック32aとの間隔より、差込溝119aに差し込まれた係止固定部42aの下面部422aと筒状部117aやフランジ部118aとの間隔より狭くなる。
【0119】
具体的には、上部321aの底面から係止部323aの上面までが拡径部122aの厚みより厚い長さで形成し、右両側の側壁部322a同士は拡径部122aの直径より広く隔てて配置されている。さらには、側壁部322aが、上部321aの底面から係止部323aの上面までが拡径部122aの厚みより厚い長さで形成している。このため、保持空間324aに配置された拡径部122aと把持ブロック32aの内面との間に隙間Z1が形成される(
図16の拡大図参照)。
【0120】
これに対し、下面部422aが差込溝119aの高さより薄い厚みで形成され、下面部422aの内周は、固定フランジ116aの筒状部117aの外径よりわずかに広く形成されている。さらに、連結部423aの内周は、固定フランジ116aのフランジ部118aの外径より広く形成している。
【0121】
このため、差込溝119aに下面部422aが差し込まれ、係止空間424aにフランジ部118aが収容された状態では、係止固定部42aの内面と固定フランジ116aとの間に隙間Z2が形成される(
図16の拡大図参照)。
【0122】
このように、拡径部122aと把持ブロック32aの内面との間に形成された隙間Z1は、係止固定部42aの内面と固定フランジ116aとの間に形成された隙間Z2より大きくなるよう設定している。そのため、
図16(a)の右半分に図示するような仮固定状態で、アクチュエータ10aやバルブ装置100aに外力が作用しても、隙間Z2が小さい係止固定部42aの内面と固定フランジ116aとが接触し、保持空間324aに配置された拡径部122aと把持ブロック32aの内面とが接触して、開閉弁121に外力が作用することを防止できる。
【0123】
上述のような仮固定状態において、接続されたガスホース(図示省略)から駆動ガスが供給されると、内部空間25においてピストン体22は上方(開弁方向Vu)に移動しようとする。内部空間25においてピストン体22が上方(開弁方向Vu)に移動しようとする駆動ガスの反作用として、移動機構20及びベース40aに下向き(閉弁方向Vd)の力が作用する。
【0124】
駆動ガスの反作用として下向き(閉弁方向Vd)の力が作用するベース40aはバルブ装置100aに対して下方(閉弁方向Vd)に相対移動し、固定座体113に対してベース40aが押し付けられる。駆動ガスの反作用として固定座体113に押し付けられたベース40aが固定座体113に圧力が作用するように当接した状態となって、バルブ装置100aに対するアクチュエータ10aの本固定は完了する(
図16(b)の左半分参照)。
なお、この状態であっても、
図16(b)の左半分に図示するように、内部空間25において、ピストン体22は、さらに上方(開弁方向Vu)に移動可能な位置である。
【0125】
このように、バルブ装置100aに対してアクチュエータ10aが固定されたバルブ開閉システム1aでは、接続されたガスホース(図示省略)から駆動ガスをさらに供給することで、
図16(b)に図示するように、内部空間25において、閉止バネ126の付勢力に抗して、ピストン体22がさらに上方(開弁方向Vu)に移動する。
【0126】
ピストンロッド31に伴って、上方(開弁方向Vu)に移動した把持ブロック32aは、上述したように、係止部323aが保持空間324aに収容された拡径部122aの下面に係止しているため、開閉弁121も上方(開弁方向Vu)に移動する。
【0127】
このように、開閉弁121が上方(開弁方向Vu)に移動することで、押圧部125によるダイヤフラム127の押圧は開放され、装着凹部131を介して一次側流路132と二次側流路133とが連通する開弁状態となる(
図16(b))。
【0128】
逆に、供給された駆動ガスを排気すると、駆動ガスの圧力によってバネ体24の付勢力及びピストンロッド31を介した閉止バネ126の付勢力に抗して上方(開弁方向Vu)に移動していたピストン体22は、内部空間25においてバネ体24及び閉止バネ126の付勢力によって下方(閉弁方向Vd)に移動する。
【0129】
このように、バネ体24及び閉止バネ126の付勢力によって下方(閉弁方向Vd)に移動したピストン体22に固定されたピストンロッド31も下方(閉弁方向Vd)に移動し、開閉弁121も下方(閉弁方向Vd)に移動する。開閉弁121が下方(閉弁方向Vd)に移動すると、押圧部125によってダイヤフラム127を押圧し、一次側流路132と二次側流路133とが遮断された閉弁状態となる。
【0130】
このように構成されたアクチュエータ10a及びアクチュエータ10aをバルブ装置100aに組み付けて構成したバルブ開閉システム1aは、上述のアクチュエータ10及びバルブ開閉システム1で奏する効果に加え、以下で説明する効果を奏することができる。
【0131】
具体的には、アクチュエータ10aのベース40aは、水平方向Hに沿う手前側Hfに移動して装着される構成である。そして、ベース40aに、手前側Hfの移動によって、固定座体113に設けられ、水平方向Hに突出するフランジ部118aに対して、少なくとも上方(開弁方向Vu)に係止して固定される係止固定部42aの下面部422aが設けられている。
【0132】
そのため、手前側Hfに移動させるだけで、上下方向(開閉方向V)から視て円形状であるフランジ部118aに対して下面部422aを係止させて、固定座体113に対してベース40aを安定して装着することができる。
【0133】
なお、拡径部122aが上下方向(開閉方向V)から視て円形であるため、拡径部122aの軸方向に対していずれの手前側Hfからでもベース40aを固定座体113に装着し、把持ブロック32aで拡径部122aを把持することができる。
【0134】
また、ベース40aの装着状態における、下面部422aとフランジ部118aとの隙間Z2が、把持ブロック32aと拡径部122aとの隙間Z1より小さい。そのため、ベース40aを固定座体113に装着した状態で、その固定状態に遊びがあっても、上記遊びによってベース40aが固定座体113に対してわずかにずれても、把持ブロック32aを介して開閉弁121に負荷が作用することを防止できる。
【0135】
また、係止固定部42aは、上下方向(開閉方向V)から視て円形状であるフランジ部118aにおける手前側Hfの奥側Hbの半円部分を囲繞する底面視U字型で形成されている。
【0136】
そのため、手前側Hfに移動させるだけで、上下方向(開閉方向V)から視て円形状であるフランジ部118aに対して係止固定部42aを係止するとともに、底面視U字型である係止固定部42aが手前側Hfの奥側Hbの半円部分を囲繞することとなる。よって、固定座体113に対してベース40aをワンアクションで安定して装着することができる。
【0137】
また、手前側Hfが弁棒の軸方向に対する周方向のいずれの方向からであっても、上下方向(開閉方向V)から視て円形状であるフランジ部118aに対して下面部422aを係止して、ベース40aを固定座体113に装着することができる。
【0138】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明のバルブ装置はバルブ装置100,100aに対応し、
以下同様に、
上部は固定座体113に対応し、
開閉弁は開閉弁121に対応し、
弁棒はステム122に対応し、
開閉方向は上下方向(開閉方向V)に対応し、
開閉操作装置はアクチュエータ10,10aに対応し、
装着体はベース40に対応し、
把持部は把持部30、把持ブロック32aに対応し、
移動機構部は移動機構20に対応し、
弁棒先端部は拡径部122aに対応し、
開弁方向は上方(開弁方向Vu)に対応し、
装着方向、反開弁方向は下方(閉弁方向Vd)に対応し、
チャックはチャック32に対応し、
係止部は係止部323,323aに対応し、
接離手段は付勢体33及び規制体43に対応し、
付勢手段は付勢体33に対応し、
軸体はピストンロッド31に対応し、
規制部は規制体43に対応し、
交差方向は水平方向Hに対応し、
交差装着方向は手前側Hfに対応し、
固定突出部はフランジ部118aに対応し、
固定係止部は下面部422aに対応し、
固定係止部と固定突出部とのクリアランスは隙間Z2に対応し、
把持部と弁棒先端部とのクリアランスは隙間Z1に対応し、
後方側は奥側Hbに対応し、
囲繞形状は底面視U字型に対応し
バルブ開閉システムはバルブ開閉システム1,1aに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0139】
例えば、上述の説明では、バルブ装置100は、ガスボンベなどの容器に取り付けられる容器バルブで構成したが、配管に取り付けられる配管バルブなどであってもよい。
また、バルブ装置は、開閉弁を上下方向に移動させて開閉する構成であれば上述のバルブ装置100,100aと異なる構成であってもよい。
【0140】
また、上述の説明ではステム122は、開閉方向Vから視て、つまり平面視円形状出会ったが多角形など適宜の形状であってもよい。
また、移動機構20は、外殻体21に対して駆動ガスの供給、排気によってピストン体22を開閉方向Vに移動させ、把持部30を開閉方向Vに移動させたが、例えばピストンロッド31に螺合手段などを設け、回転駆動によってピストンロッド31を開閉方向Vに移動させるように構成してもよい。
【0141】
また、
図17に示すように、アクチュエータ10,10aに開閉表示器50を装着してもよい。開閉表示器50は、アクチュエータ10の上部に取付け台座を設け、支持棒51をピストンロッド31の上端に当接させる。バルブ装置100の開閉弁121が上方移動して開弁状態となると、ピストンロッド31も上方(開弁方向Vu)に移動するため、ピストンロッド31及び支持棒51を開閉表示器50は、開弁状態か閉弁状態であるかを表示することができる。なお、
図17には、アクチュエータ10に開閉表示器50を装着した図を図示しているが、アクチュエータ10aに開閉表示器50を装着してもよい。
【符号の説明】
【0142】
1…バルブ開閉システム
10…アクチュエータ
20…移動機構
30…把持部
31…ピストンロッド
32…チャック
32a…ピストンロッド
33…付勢体
40,40a…ベース
43…規制体
100,100a…バルブ装置
113…固定座体
118a…フランジ部
121…開閉弁
124…弁本体
212a…側壁部
323…係止部
422a…下面部
H…水平方向
Hf…手前側
Hb…奥側
V…開閉方向
Vu…開弁方向
Vd…閉弁方向
Z1,Z2…隙間